説明

アクリル系組成物

本発明は、熱成形可能なシートに関し、例えば、上面近傍に位置する粒子を含み、熱成形した際のテクスチャーシートが低光沢性でテクスチャー表面を呈し、傷付き、汚れ(成形型に由来する汚れも包含する)、日常の摩耗および露滴に対する表面の感受性がより小さく、表面上に見える油の付着(例えば指紋)が顕著に低減されるようなアクリル系シートに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願へのクロスリファレンス
本出願は、参照として本明細書に取り込まれる、2002年10月29日出願の米国仮特許出願第60/421,770号に基づく優先権の利益を享受する。
技術分野
本発明は、テクスチャーのある外観を備えたシート材に加工され得るアクリル系組成物およびその製造方法に向けられる。さらに詳細には、本発明は、表面指向性(surface-seeking)粒子を含むポリメチル(メタ)アクリレートマトリックスを含んだアクリル系組成物に向けられる。
【背景技術】
【0002】
テクスチャーのある外観を備えたポリマー製品、特にアクリル系の製品と、これらの製造方法が、当該技術分野において知られている。このような製品には、温泉および浴室設備の産業における応用が見出されており、さらに、商品陳列、看板、壁紙、カウンター表面などにて注意を引くのに有用である。
【0003】
一般に、テクスチャーのある外観を備えたアクリルシート製品に成形するためのアクリル系組成物の知られている製造方法は、アクリル溶液またはシロップに、様々な無機または有機粒子あるいは充填剤を添加する工程を含む。例えば、米国特許第4,159,301号および第4,085,246号 では、アクリル系ポリマーと、固有の光学密度を持つ種々の不透明および半透明の粒子とを含む模造花崗岩材が開示されている。米国特許第5,304,592号では、熱可塑性マトリックス内に懸濁されたプラスチック材料を含む模造鉱物製品が開示されている。このプラスチック材料は、熱可塑性および熱硬化性プラスチックの双方を含み、上記マトリックスは本質的に熱可塑性材料からなる。米国特許第5,043,077号では、ラジカル重合性モノマー類(メタクリレートおよび芳香族ビニル化合物を含有する)からのマトリックスと、このマトリックスで使用されるものと同じでも異なってもよいラジカル重合性モノマーを含む無機充填剤とを含む人工花崗岩が開示されている。米国特許第4,959,401号では、1種または複数のポリマーを含む有機分と、酸化物顔料、カオリンおよびバインダーを含む無機充填剤分とを含み、人造岩の製造に適した組成物が開示されている。しかし、これらの組成物はいずれも、製造、およびその後の熱成形が困難であることが明らかになっている。
【0004】
このような組成物の粒子または充填剤成分としてポリマー材料(polymeric material)を用いることが、以前に用いられていた種々の充填剤よりも好ましいことが明らかになった。このような粒子は、組成物に、目隠しおよび装飾目的に関して十分な不透明度を与える。しかし、ポリマー粒子がマトリックスモノマーの吸収によって、ことによると初期体積の数倍大きい体積まで膨張し得るため、このような組成物の調合には注意を払わねばならない。この粒子膨張により、組成物の粘度が増大し、粒子の沈降が妨げられる。
【0005】
このような組成物は、実際のところ、困難を伴ってしか用いることができなかった。というのも、粒子のサイズおよび膨張が、これまで最適化されていなかったためである。調製が容易で、見た目に美しく、そしてとりわけ、さらなる加工処理に適した材料を製造するためには、粒子のサイズおよび膨張速度を制御し最適化しなければならない。例えば米国特許第5,243,968号および第5,415,931号で開示されているような、テクスチャーのあるアクリル系材料を調製する従来の方法では、大抵、粒子はセルキャスト、連続キャストまたは押出しシート材料から作製される。これらの粒子は、最適な結果物を得られなくするような程度までまたは速度にて膨張するため、その使用にはしばしば困難が伴う。
【0006】
粒子があまりに膨張しすぎると、組成物は液体またはマトリックス相のほぼ全部を吸収し、機能しなくなるほどに粘度が大きくなってしまう。一方、粒子が溶解してその特性を完全に失うこともあり得る。米国特許第5,880,207号では、組成物中で、膨張済みポリマー粒子がポリメチル(メタ)アクリレートマトリックス内に分散されているアクリル系組成物が開示されている。
【特許文献1】米国特許第4,159,301号
【特許文献2】米国特許第4,085,246号
【特許文献3】米国特許第5,304,592号
【特許文献4】米国特許第5,043,077号
【特許文献5】米国特許第4,959,401号
【特許文献6】米国特許第5,243,968号
【特許文献7】米国特許第5,415,931号
【特許文献8】米国特許第5,880,207号
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上面近傍に位置する粒子を含み、熱成形した際のテクスチャーシートが低光沢性でテクスチャーを備えた表面を呈し、傷付き、汚れ(成形型に由来する汚れも包含する)、日常の摩耗および露滴に対する表面の感受性がより小さく、表面上に見える油の付着(例えば指紋)が顕著に低減されるような、熱成形可能なシートに関する。
【0008】
このテクスチャー材料は、表面の粒子がより少数かつより小さく、満足な表面テクスチャーを与えるという点で、従来の花崗岩様材料(例えばLucite Natural Granite Series)とは異なっている。さらに、硬化の前に極端に膨張させた粒子(例えばその初期サイズの6から8倍)を以前は必要とした花崗岩様材料とは異なり、本発明は未膨張の粒子を活用しており、これを硬化性材料に添加してすぐに硬化を行うものである。この方法は硬化性マトリックス材料と粒子との間で極小の接触時間しか要求しないので、硬化性材料中の粒子に滞留時間を与える必要条件がない。要望される滞留時間が最小限のため、この方法は非常に融通のきくものである。これは、供給材料としての硬化性材料が粒子を必ずしも含有しなくてよく、したがって、各種粒子を置き換える、混合するまたは含有させることが容易に行えるためである。このことにより、様々な色、テクスチャーまたは仕様の製品を、中断時間、廃棄物量、費用を低くして製造することができる。この特性によって、容易な多用途生産が可能となる。この容易さは、熱成形可能なシートの製造コストを低くし、かつ、その色およびスタイルの多様性、選択肢および入手可能性に関する消費者の増え続ける要求の負荷に見合うために、より適している。
【0009】
いかなる特定の理論に拘束されることをも望むものではないが、本発明の粒子が熱成形可能な物品にテクスチャーを与えるのは、これら粒子がポリマーマトリックスと比べて高い硬度(ヤング率)を有するためと考えられ、このことによって、熱成形工程の間に自身が小さくかつ比較的変化しないままになると考えられる。さらには、この硬度の向上が、熱成形可能なシートの表面近くに粒子が位置しやすい傾向と組み合わさって、これらが熱成形に際して表面から突き出ることを可能とする。このことで次に、熱成形品に所望のテクスチャー特性が与えられる。本発明の粒子は熱成形の間に所望のテクスチャーを作り出すので、アクリル系物品に対して熱成形後に追加のテクスチャー付与処理または工程を何ら施す必要なく、商品として許容される製品が得られる。
【0010】
かくして、本発明は、表面指向性粒子(すなわち界面親和性(surface affinity)を有する粒子)およびポリマーマトリックスを含み、テクスチャー外観を有する製品への加工に適するアクリル系組成物を提供する。上記粒子は、例えば、重力または浮力などによって、マトリックスの表面へ向かって、未硬化のポリマーマトリックス中で容易に移動する粒子から選択される。とりわけ、粒子自身を未硬化ポリマーマトリックスの下層または上層へそれぞれ沈降または浮揚させやすいような、未硬化ポリマーマトリックスとの密度差を有する表面指向性粒子が選択される。このような表面指向性粒子により、従来技術よりも少量の粒子材料を用いつつ熱成形品にテクスチャー外観が与えられる。同時に、粒子の予備膨張工程(pre-swelling)およびこのような工程に対応するのに必要な関連装備の排除によって、製造効率の向上が達成される。一実施形態では、粒子を硬化性組成物と混合し、前記粒子が実質的に膨張する前に前記硬化性組成物を硬化させて熱成形可能なシートを生成させることで、熱成形可能なシートを得る。本発明の組成物は、様々な製品への、例えばバスタブ、シャワー室、流し、ジャグジーバス、温泉などへの利用によく適する。
【0011】
さらに、本発明の組成物における粒子の充填度が低いほど、より高いヤング率、より高い極限応力、より高い極限ひずみで示されるような優良な物理特性が呈される。これらの向上した物理特性により、本発明の組成物を、より深く複雑な熱成形型中へ熱成形に供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
一実施形態において、上記表面指向性粒子が添加されるポリマーマトリックスは、ポリメチルメタクリレート(PMMA)などの不飽和モノマーを含む。本発明の組成物に利用されるPMMAマトリックスは、表面指向性粒子の添加より前に調製される。一実施形態では、このマトリックスの調製を、PMMA固形分を約25%含有するPMMAシロップと過剰量のMMAモノマーとを混合することによって行う。さらなる実施形態では、PMMAシロップは、通常の部分重合工程に供される標準的なMMAから、米国特許第4,152,501号(この文献の開示は参照としてここに組み込まれる)に例示されているように調製される。MMAモノマーを、上記シロップに、約1:1から約1:100、好ましくは約1:20(シロップ:モノマー)の比率で添加する。上記MMAモノマーは、アクリル酸ブチルおよびエチレングリコールジメタクリレートなどのその他コモノマーを、ごく少量、特に約5%未満含有し得る。また、上記MMAモノマーは、開始剤、例えば有機ぺルオキシド;連鎖移動剤、例えばドデシルメルカプタン;着色料、例えば二酸化チタンおよびカーボンブラック;または、t-アミルペルオキシネオデカノエート、t-ブチルペルオキシネオヘプタノエート、t-アミルペルオキシピバレート、t-ブチルペルオキシピバレート、ジ-イソノナノイルペルオキシド、ジ-デカノイルペルオキシド、t-アミルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、t-ブチルペルオキシ-2-エチルヘキサノエート、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)、1,1’-アゾビス(シアノシクロヘキサン)などの開始剤、等の添加剤をさらに含んでよい。
【0013】
典型的には、未硬化ポリマーマトリックスの粘度は少なくとも300センチポアズ(cP)、例えば、少なくとも350cP、少なくとも400cP、または少なくとも500cPである。しかし、未硬化ポリマーマトリックスの粘度は、典型的には5000cP未満、例えば4500cP未満、4000cP未満、または3500cP未満である。未硬化ポリマーマトリックスの密度は、1ミリリットル当たりグラム数(g/mL)で通例1.4未満であり、例えば1.2 g/mL未満、または1.1 g/mL未満である。しかし、本発明のポリマーマトリックスの密度は、通常0.75 g/mL超であり、例えば0.9 g/mL超である。
【0014】
多くの場合、表面指向性粒子と未硬化ポリマーマトリックスとの密度差と、未硬化ポリマーマトリックスの粘度が、表面指向性粒子がどの表面へ指向するかを決定する。一般原則として、粒子の密度の未硬化マトリックス密度に対する差が大きいほど、および未硬化ポリマーマトリックスの粘度が低いほど、上記粒子はある特定の表面へ向けて、より速く移動する。典型的には、本発明の目的について適する表面指向性粒子は、未硬化ポリマーマトリックスとの密度差平均が、少なくとも0.02 g/mL、例えば少なくとも0.03 g/mL、少なくとも0.05 g/mL、少なくとも0.09 g/mL、少なくとも0.1 g/mL、少なくとも0.2 g/mLまたは少なくとも0.3 g/mLであるものである。別の実施形態として、例えば、該ポリマーマトリックスよりも低密度の少なくとも1種の粒子と、該ポリマーマトリックスよりも高密度の少なくとも1種の粒子とを含む粒子混合物をポリマーマトリックスが含む形態が挙げられる。
【0015】
表面指向性粒子の密度は、それを構成するために用いられた材料および調合で決定される。一実施形態において、表面指向性粒子は、自身を未硬化ポリマーマトリックス中で沈降させ、該マトリックスを保持している容器の底面上または底面近傍に位置を占めさせるような密度を有する。例えば、選択した特定のポリマーマトリックスにも依るが、表面指向性粒子の密度は、1.0 g/mL超、例えば1.05 g/mL超、1.1 g/mL超または1.2 g/mL超の密度であってよい。さらに別の実施形態において、表面指向性粒子は、未硬化ポリマーマトリックスよりも低い密度を有してもよく、このことで粒子は未硬化ポリマーマトリックスの表面上または表面近傍の領域まで浮上する。例えば、選択した特定のポリマーマトリックスにも依るが、表面指向性粒子の密度は、1.0 g/mL未満、例えば0.95 g/mL未満、0.9 g/mL 未満または0.8 g/mL超の密度であってよい。
【0016】
本発明の表面指向性粒子は、例えば無機またはポリマー材料などの、適切ないかなる粒子材料を含んでもよい。
【0017】
一実施形態において、本発明の表面指向性粒子は無機材料からなる。例えば、前記表面指向性粒子は、例えば酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化アンチモン、酸化クロム、酸化ゲルマニウム、酸化バナジウム、酸化タングステン、酸化鉄、酸化マンガンおよび酸化セリウムなどの金属酸化物を1種または複数含み得る。別の実施形態においては、1種または複数の天然または人工粘土が用いられ、例えば、カオリナイト、ハロサイト、モンモリロナイト、バーミキュライト、サポナイト、ディッカイト、ナクライト(nacrite)、アンチオゴライト(antiogoraite)、葉蝋石、ヘクトライト、バイデライト、マーガライト、タルク、テトラシリルマイカ、白雲母、金雲母および緑泥石などが挙げられ、好ましくは、モンモリロナイト、サポナイト、ヘクトライトおよびバイデライトなどのスメクタイトが用いられる。
【0018】
前記表面指向性粒子は、ポリマー材料の中で、本明細書で前述された密度の必要条件を満たすような、いかなる適切なポリマーを含んでもよい。例えば、表面指向性粒子は、ポリエチレンまたはポリプロピレン、アクリロニトリル/ブタジエン/スチレンコポリマー、またはポリ(エチレンテレフタレート)ポリマーを含み得る。本発明の別の実施形態では、表面指向性粒子は、ポリアルキル(メタ)アクリレート、または2種以上のポリアルキル(メタ)アクリレートのコポリマーを含む。
【0019】
本発明の一実施形態において、前記表面指向性粒子は多官能性(メタ)アクリレートモノマー単位、例えば(C2-C18)アルカンジオールジ(メタ)アクリレートを含み、別の実施形態では、(C4-C8)アルカンジオール(メタ)アクリレートを含む。別の実施形態において、前記表面指向性粒子は、1,2-エタノールジ(メタ)アクリレート;1,3-プロパンジオールジ(メタ)アクリレート;1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート;1,5-ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート;1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート;1,8-オクタンジオールジ(メタ)アクリレート;および1,10-デカンジオールジ(メタ)アクリレートからなる群より選択されるポリマーを含み、さらに好ましくは、表面指向性のポリマーは1,6-ヘキサンジオールジアクリレート("HDDA")または1,4-ブタンジオールジアクリレートを含む。本発明の一実施形態において、前記粒子は、架橋した(cross-linked)ポリマーから、例えば架橋ポリアクリレートからなり、これは架橋ポリマーの連続キャストシートから得られたものであってもよい。本明細書を通しての取扱いとして、種々(メタ)アクリレートモノマーの混合物は本発明の範囲内であると解される。
【0020】
別の実施形態において、前記表面指向性粒子は芳香族モノマーの重合体を含む。適当な芳香族モノマー重合体には、スチレン;ジビニルベンゼン;ジビニルナフタレン;ジアリルフタレート;およびN,N-ジビニルアニリンが含まれるが、これらに限定はされない。本明細書を通しての取扱いとして、種々芳香族モノマーの混合物は本発明の範囲内であると解される。
【0021】
本発明において表面指向性ポリマー粒子を用いる場合、このような粒子を重合にて生成させた後に、これを硬化させることができる。このような硬化により、表面指向性粒子の加圧耐性が向上する。硬化はいかなる手段によってもよく、例えば化学的または熱硬化がある。表面指向性粒子を熱硬化させる場合、重合反応後に反応容器内で硬化させても、またはオーブン内で硬化させてもよい。熱硬化の場合、表面指向性ポリマーの熱硬化は60℃超のいかなる温度で行ってもよく、例えば80℃超、100℃超、120℃超でよい。しかし、この熱硬化工程は通常、当該ポリマーの分解温度未満で、例えば320℃未満、250℃未満、200℃未満、または150℃未満で実施される。典型的には、上記ポリマー粒子を0.01から6時間、好ましくは0.01から4時間、硬化温度に保つ。
【0022】
本発明の表面指向性粒子は、分量にして約70重量%超、例えば80重量%超または90重量%超のポリメチル(メタ)アクリレートと、約1重量%超、例えば10重量%超、20重量%超、または30重量%超の、メチル(メタ)アクリレートと共重合可能なエチレン性不飽和モノマーを含むコモノマーとからなり得る。これらのパーセンテージ、および本明細書で開示されるその他全てのパーセンテージは、特段注釈されていない限り、全組成物に対する重量パーセントである。上記コモノマーは、炭素数が約C1から約C8の、例えばC2からC8の低級アルキルアクリレートまたは低級アルキル(メタ)アクリレートである。適当なコモノマーには、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸t-ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸t-ブチル、メタ(アクリル酸)シクロヘキシルおよびメタクリル酸イソブチルが含まれる。一実施形態において、コモノマーはアクリル酸エチルまたはアクリル酸ブチルである。
【0023】
さらに、前記表面指向性粒子は、約0.05重量パーセント超の、例えば0.05から1.5重量パーセントの架橋剤を場合によってはさらに含んでもよい(好ましくは0.05から1.0重量パーセント)。一般的に、このような架橋剤は、メタクリル酸アリル、アクリル酸アリル、リン酸トリアリル、マレイン酸ジアリル、アクリル酸メタリル、メタクリル酸ビニル、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレートおよびこれらの混合物からなる群より選択される。一実施形態で、表面指向性粒子に用いられる架橋剤はエチレングリコールジメタクリレート(EGDMA)である。
【0024】
本発明の表面指向性粒子は、好ましくはサイズが0.8ミクロン超、例えば1.0ミクロン超、5.0ミクロン超または10ミクロン超である。しかし、前記表面指向性粒子はサイズ5000ミクロン未満であるべきであり、例えば4500ミクロン未満、4000ミクロン未満、または3500ミクロン未満である。好ましくは、この表面指向性粒子のサイズは150から590ミクロン、例えば150から250ミクロンである。
【0025】
典型的には、本発明のポリマーマトリックス内の前記表面指向性粒子の分量は、前記組成物の総重量に対して少なくとも0.01重量パーセントより大きく、例えば少なくとも0.1重量パーセント、少なくとも0.5重量パーセントまたは少なくとも1.0重量パーセントであるが、前記組成物の総重量に対して5.0重量パーセント未満であって、例えば4.5重量パーセント未満、3.0重量パーセント未満、または2.5重量パーセント未満である。
【0026】
最終シート製品に色およびさらなる不透明性が望まれる場合、前記表面指向性粒子の生成の間に、これに様々な着色料または充填剤を添加してもよい。適当な着色料には顔料および染料が包含され、例えばカーボンブラック、二酸化チタン、酸化鉄(タン(tan))、酸化鉄(赤)、クロムイエロー、アントラキノンレッド、キナクリドンレッド、フタロシアニンブルーおよびマイカなどがある。好ましくは、本発明において着色料は前記表面指向性粒子の重量の0.1から5.0パーセントを、好ましくは0.5から3.5重量パーセントを構成する。
【0027】
本発明の組成物に利用される表面指向性粒子は、当業者に知られているいかなる方法で調製してもよい。一実施形態では、当該表面指向性粒子を生成する材料を粉砕してふるい分けすることで、所望の粒子沈降サイズ分布を有する粒子を得ることができる。当業者に認識されるであろう通り、粉砕およびふるい分けのいかなる適切な手法を用いてもよい。
【0028】
特定の応用について必要な場合、本発明の組成物に(上記マトリックス中に)、当該技術分野で通常用いられるその他の補助材料および助剤を添加することができる。このような助剤または補助材料の例は、t-ブチルネオデカノエートなどの開始剤、および、ジラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどの界面活性剤である。
【0029】
本発明の別の実施形態において、前記表面指向性粒子は、高沸点の炭化水素を含む懸濁物の状態で上記ポリマーマトリックスへ移される。このような高沸点炭化水素として、例えば、グリセロール、アジピン酸ジオクチル、ジブチルフタレート、イソヘプチルフタレート、フタル酸ジヘキシル、フタル酸ジイソオクチル、フタル酸ジイソノニル、フタル酸ジイソデシル、フタル酸ジイソトリデシルなどのフタル酸ジアルキル、アジピン酸ジイソオクチル、アジピン酸ジイソノニル、アジピン酸ジイソデシル、アジピン酸ジトリデシルおよびこれらの混合物を挙げることができる。好ましくは、前記高沸点炭化水素は、上記マトリックスの材料に関して不活性である。
【0030】
本発明の表面指向性粒子は、好ましくは硬化したマトリックス組成物よりも硬い。典型的には、前記粒子は硬化したマトリックスよりも10%から30%大きい、例えば15から20%大きい係数(modulus)を有する。表面指向性粒子のヤング率は、マトリックスよりも50,000 psi超大きい、例えば60,000 psi超(例えば70,000 psi)大きいことがあり得る。適当な粒子のヤング率は400,000 psi超であり得、例えば400,000から450,000 psiである。
【0031】
本発明の一実施形態において、上記粒子は、組成物の硬化より前に全く膨張しないかまたは極小量しか膨張しない。膨張は、粒子がある物質、例えば未硬化の硬化性材料を吸収し、自身のサイズが大きくなる現象である。一実施形態では、上記粒子は自身の初期サイズの100%超分膨張することはなく、例えば、自身の初期サイズ(すなわち前記硬化性材料と接触する前の粒子サイズ)の70%未満または50%未満でしか膨張しない。本発明の一実施形態において、上記粒子の少なくとも80%は、例えば少なくとも90%または少なくとも95%は非膨張状態である。ここで用いられる「非膨張状態」の粒子(または「実質的に膨張していない」粒子)は、自身の初期サイズに対するサイズ増大が10%未満である粒子を意味すると解される。
【0032】
本発明のアクリル系組成物は、上記粒子を、当該組成物のマトリックスを形成するポリメチルメタクリレートなどの硬化性材料、および特定の応用に必要ならば任意の添加剤と混合して調製される。一実施形態において、前記硬化性材料は不飽和モノマーを含み、および/または粒子の膨張を引き起こす材料である。当業者にとって明らかであろう通り、材料の混合は適当ないかなる手段によっても行うことができる。好ましくは、室温で、本発明の表面指向性粒子を、直接、または使用直前に高沸点の炭化水素中の懸濁物として、前記硬化性材料に添加して材料を混合する。好ましくは、上記粒子、または高沸点炭化水素中への粒子の懸濁物を、5分以内に、例えば2分以内、例えば1分以内または直ちに(1分未満)、前記硬化性材料に添加する。その後、現時点での開示から当業者にとって明らかであろう適当な任意の手順によって、組成物を硬化させる。しかし、上記材料を硬化させる好ましい手段は、混合物を、約82℃で約20分間、その後約125℃で約7分間放置する工程からなる。
【0033】
硬化した後、前記アクリル系組成物は次いで、熱成形にて、温泉および浴室設備(例えば、浴槽、シャワー室、流し、ジャグジーバス、温泉その他)などの物品を調製するために使用され得る。適当な熱成形加工法は、当該技術分野においてよく知られており、本発明は熱成形加工法のいかなるタイプにも制限されない。
【0034】
かくして、本発明はさらに、粒子を硬化性組成物と混合する工程、および前記粒子が実質的に膨張する前に前記硬化性組成物を硬化させて、熱成形可能なシートを生成する工程により調製される熱成形可能なシートである。さらなる実施形態において、熱成形可能なシートは上面と、これに対し実質的に反対側の下面とを有し、前記上面は熱成形の間、型に接触せず、該熱成形可能なシートの前記上面の光沢が、熱成形後のそれよりも高い。別の実施形態において、熱成形可能なシートの上面は、熱成形後の該上面よりも実質的に滑らかである。
【0035】
一実施形態において、上面およびこれと反対側の下面を有し、粒子およびアクリル系マトリックスを含み、前記上面と、前記上面および下面から実質的に等距離の平行面とで画定される領域内に前記粒子の50%超が存在する熱成形可能なアクリル系シートが提供される。好ましくは、上面と、これに対し実質的に反対側の下面とを有し、前記上面と、前記上面と前記下面との間に前記上面からの距離よりも前記下面からの距離が5倍小さいように位置決めされた平行面とで画定される領域内に、前記粒子の95%超が存在する熱成形可能なアクリル系シートが提供される。
【0036】
本発明のアクリル系組成物の光沢は、熱成形される前よりも熱成形された後の方が低い。例えば、熱成形前の前記アクリル系組成物の光沢は、75超、例えば80から85であり得る。熱成形後の前記組成物の光沢は、70未満、例えば65または60未満であり得る。光沢の測定は、標準的な技法で行うことができる(BYK Gardner 4512光沢度計、200)。
【0037】
一実施形態において、本明細書に記載の熱成形可能なアクリル系シートを熱成形して製造される物品は、この熱成形処理の間にテクスチャーを増す。このようなテクスチャーは、当該熱成形品の表面における突出部によって作り出される。一実施形態では、熱成形品は1平方センチメートル当たり2から40個の突出部を有する。この突出部は直径0.8から1.2mmであり得、そして、表面から0.08から0.14mm突出したものであり得る。
【0038】
以下の実施例は、本発明の特定の具現例として、またその実施と効果を実証するために記載されている。これら実施例は例示の手段として示されており、本明細書または記載されるであろう本願特許請求の範囲に対し、いかなる制限も意図しないことを理解されたい。
【実施例】
【0039】
全般的な参酌事項および手順:実施例において以下の顔料を用いた。「マイカ顔料」はMerckから入手し(AF-110)、「コバルトブルー」顔料はFerro社から入手した番号V-9250であり、これら実施例で用いた「アルミニウム顔料」はSilberline社から入手可能なAL885-20であった。アクリル系シートLS-8003、LS-8001および「ホワイト131」は、Lucite International,Inc.から入手できる。
【0040】
・実施例1
シロップ(マトリックス)の調製:次表に示す材料の部分重合によって、シロップを調製した。
【0041】
【表1】

【0042】
これらの材料を、20℃かつ絶対圧力40mmHgで60分間混合した。混合物の粘度は約1000cPであった。
【0043】
粒子混合物の調製:ホワイト131ルーサイトアクリル系シートを粉砕しふるい分けた。#30 U. S.メッシュのスクリーンを通過し、かつ#60 U. S.メッシュのスクリーン上に保持された、ホワイト131粒子画分を採集した(ここでは「ホワイト131粒子」と呼ぶ)。次表に示す材料から粒子混合物を調製した。
【0044】
【表2】

【0045】
キャスト成形およびモールド成型:このシロップおよび粒子混合物を20分間混合した。得られた混合物を、10インチ×16インチ精ステンレス鋼板2枚がPVCガスケットにて互いに0.157インチ離して配置されてなるキャスト用セルに注いだ。キャスト用セルを密閉し、恒温槽(83.5℃)中で22分間水平に置いて、粒子が界面へ向けて沈降するようにした。別の恒温槽(125℃)中、約3分間で硬化を完了させた。キャスト物を恒温槽中で、8分間かけて80℃まで冷ました。キャスト用セルを周囲温度まで冷まして分解した。厚み0.132インチの、白色光沢シートが得られた。
【0046】
このシートを9と1/2インチ×9と1/2インチサイズに裁断した。このシートを、キャスティングでの底面側を上に向けて熱成形機のクランプ枠に取り付け、シートの上方および下方に配備された放射ヒーターで205℃まで加熱した。シートを加熱チャンバーから取り出し、6と1/5インチ四方×深さ4と1/2インチの雌型内で真空成型した。部品を冷却し、型から取り外した。成形された部品は均一なテクスチャーを有し、美的に好もしかった。
【0047】
・実施例2
粒子混合物を次表に挙げた材料から生成した以外は、実施例1と同様に行って、第2の試料を調製した。
【0048】
【表3】

【0049】
実施例1で記載の手順に従ってキャスト成形物を調製し熱成形した。成形部品は実施例1の場合よりもテクスチャーが著しく乏しく、外観の好もしさがより低かった。
【0050】
・実施例3
シロップ(マトリックス)の調製:次表に示す材料の部分重合によって、シロップを調製した。
【0051】
【表4】

【0052】
これらの材料を、20℃かつ絶対圧力40mmHgで60分間混合した。混合物の粘度は約1000cPであった。
【0053】
粒子混合物の調製:LS-8001ルーサイトアクリル系シートを微粉化しふるい分けた。#60 U. S.メッシュのスクリーンを通過し、かつ#100 U. S.メッシュのスクリーン上に保持された、LS-8001粒子画分を採集した(ここでは「LS-8001」粒子と呼ぶ)。次表に示す材料から粒子混合物を調製した。
【0054】
【表5】

【0055】
実施例1で記載の手順に従ってキャスト成形物を調製した。厚み0.133インチの真珠光沢シートが得られた。
【0056】
このシートを9と1/2インチ×9と1/2インチサイズに裁断した。このシートを、キャスティングでの底面側を上にして熱成形機のクランプ枠に取り付け、シートの上方および下方に配備された放射ヒーターで205℃まで加熱した。シートを加熱チャンバーから取り出し、5インチ四方×厚み2と1/4インチの型上で成型した。部品を冷却し、型から取り外した。成形された部品の表面光沢を光沢度計(BYK Gardner 4512,マイクロ-グロス 200)で調べた。平均表面光沢は52.3であった。
【0057】
・実施例4
粒子混合物を次表に挙げた材料から生成した以外は、実施例3と同様に行って、別の試料を調製した。
【0058】
【表6】

【0059】
実施例3で記載の手順に従ってキャスト成形物を調製し熱成形した。平均表面光沢は67.4であって実施例3よりも高く、よって表面テクスチャーが実施例3よりも乏しいことが示される。
【0060】
・実施例5
LS-8001粒子が調合に含まれないこと意外は実施例3と同様にして、別の試料を調製した。シロップおよび顔料分散物の調製に関する詳細を以下に示す。
シロップ(マトリックス)の調製:次表に示す材料の部分重合によって、シロップを調製した。
【0061】
【表7】

【0062】
これらの材料を、20℃かつ絶対圧力40mmHgで60分間混合した。混合物の粘度は約1000cPであった。
【0063】
顔料分散物の調製:次表に示す材料を混合して、マイカ顔料分散物を調製した。
【0064】
【表8】

【0065】
このシロップと顔料分散物を20分間混合した。実施例3で記載の手順に従ってキャスト成形物を調製し熱成形した。平均表面光沢は80.2であって実施例3よりも著しく高く、よって表面テクスチャーが実施例3よりも著しく乏しいことが示される。
【0066】
・実施例6
シロップ(マトリックス)の調製:次表に示す材料の部分重合によって、シロップを調製した。
【0067】
【表9】

【0068】
これらの材料を、20℃かつ絶対圧力40mmHgで60分間混合した。混合物の粘度は約1000cPであった。
【0069】
粒子混合物の調製:LS-8003ルーサイトアクリル系シートを粉砕しふるい分けた。#60 U. S.メッシュのスクリーンを通過し、かつ#100 U. S.メッシュのスクリーン上に保持された、LS-8003粒子画分を採集した(ここでは「LS-8003」粒子と呼ぶ)。次表に示す材料から粒子混合物を調製した。
【0070】
【表10】

【0071】
実施例1で記載の手順に従ってキャスト成形物を調製した。厚み0.140インチの青色光沢シートが得られた。このシートを9と1/2インチ×9と1/2インチサイズに裁断した。このシートを、キャスティングでの底面側を上に向けて熱成形機のクランプ枠に取り付け、シートの上方および下方に配備された放射ヒーターで205℃まで加熱した。シートを加熱チャンバーから取り出し、6と1/5インチ四方×深さ4と1/2インチの雌型内で真空成型した。部品を冷却し、型から取り外した。成形された部品の表面光沢を光沢度計(BYK Gardner 4512,マイクロ-グロス 200)で調べた。平均表面光沢は24.4であった。
【0072】
・実施例7
粒子混合物を次表に示される材料から調製したこと意外は実施例6と同様にして、別の試料を調製した。
【0073】
【表11】

【0074】
実施例6で記載の手順に従ってキャスト成形物を調製し熱成形した。平均表面光沢は68.3であって実施例6よりも著しく高く、よって表面テクスチャーが実施例6よりも著しく乏しいことが示される。
【0075】
・実施例8
LS-8003粒子を調合から除外した意外は実施例6と同様にして、別の試料を調製した。シロップおよび顔料分散物の調製に関する詳細を以下に示す。
シロップ(マトリックス)の調製:次表に示す材料の部分重合によって、シロップを調製した。
【0076】
【表12】

【0077】
これらの材料を、20℃かつ絶対圧力40mmHgで60分間混合した。混合物の粘度は約1000cPであった。
【0078】
顔料分散物の調製:次表に示す材料を混合して、コバルトブルーおよびアルミニウム顔料の分散物を調製した。
【0079】
【表13】

【0080】
このシロップと顔料分散物を20分間混合した。実施例6で記載の手順に従ってキャスト成形物を調製し熱成形した。平均表面光沢は77.5であって実施例6よりも著しく高く、よって表面テクスチャーが実施例6よりも著しく乏しいことが示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
a)粒子と硬化性組成物とを混合する工程;および
b)前記粒子が実質的に膨張する前に前記硬化性組成物を硬化させて、熱成形可能なシートを生成する工程
を含む方法。
【請求項2】
前記粒子がポリアクリレートポリマーを含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記硬化性組成物が、前記粒子と接触すると該粒子を膨張させるような不飽和材料を含む請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記熱成形可能なシートが、前記硬化性組成物のヤング率よりも高いヤング率を有する前記粒子を含む、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記熱成形可能なシートを熱成形するとテクスチャーを有する表面が形成される請求項1ないし4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記熱成形可能なシートが、上面と、これと実質的に反対側の下面とを有し、前記上面が熱成形の間に型と接触せず、かつ、熱成形可能なシートの前記上面が、該上面を熱成形した後の光沢よりも高い光沢を有する請求項1ないし5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記熱成形可能なシートが、上面と、これと実質的に反対側の下面とを有し、前記上面と、前記上面および前記下面から互いに等距離の平行面とによって画定される領域内に前記粒子の50%超が存在する請求項1ないし6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記熱成形可能なシートが、上面と、これと実質的に反対側の下面とを有し、前記上面と、上面からの距離よりも下面からの距離が5倍小さいように上面と下面との間に位置決めした平行面とによって画定される領域内に前記粒子の95%超が存在する請求項1ないし7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記粒子の少なくとも80%が、400,000 Psi超のヤング率を有する請求項1ないし8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記粒子の平均直径が150°mから590°mである請求項1ないし9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記熱成形可能なシートが0.1から5重量%の粒子を含む請求項1ないし10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
混合の前に前記粒子を担体中に分散させる請求項1ないし11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記混合から5分以内に前記硬化を開始する請求項1ないし12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
上面、およびこれと反対側の下面を有し、
a)粒子;および
b)アクリル系マトリックス
を含み、
前記上面と、前記上面および前記下面から互いに等距離の平行面とによって画定される領域内に前記粒子の50%超が存在する熱成形可能なアクリル系シート。
【請求項15】
前記上面と、上面からの距離よりも下面からの距離が5倍小さいように上面と下面との間に位置決めした平行面とによって画定される領域内に前記粒子の95%超が存在する請求項14に記載のシート。
【請求項16】
前記粒子の少なくとも80%が実質的に非膨張状態である請求項14または15に記載のシート。
【請求項17】
前記粒子の平均直径が150°mから590°mである請求項14ないし16のいずれか一項に記載のシート。
【請求項18】
請求項14ないし17のいずれか一項に記載のシートから形成される物品であって、前記上面が1平方センチメートル当たり2から40個の突出部を含む物品。
【請求項19】
前記上面が、この面から平均0.8mm〜0.14mm上に延出した突出部を含む請求項18に記載の物品。
【請求項20】
前記上面が、平均直径0.8から1.2mmの突出部を含む請求項18または19に記載の物品。

【公表番号】特表2006−504555(P2006−504555A)
【公表日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−548575(P2004−548575)
【出願日】平成15年10月29日(2003.10.29)
【国際出願番号】PCT/US2003/034401
【国際公開番号】WO2004/039884
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(505161389)ルーサイト・インターナショナル・インコーポレーテッド (1)
【Fターム(参考)】