説明

アデノシン受容体リガンドとしての2−イミダゾ−ベンゾチアゾール

本発明は、一般式(I)
(式中、R1は、フェニル又はN及び/若しくはO含有複素環であり、R2は、式a)、b)、c)、d)又はe)よりなる群から選ばれるイミダゾール又は環化イミダゾールであり、
3は、水素、フェニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル、ベンゾ[b]チオフェン−3−イル、3−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル又はチオフェン−2−イル−メチルであり、R4は、水素、−(CH2nO−低級アルキル又は低級アルキルであり、R5は、水素、低級アルキル、ハロゲン、モルホリニル、−NR′R″、ピペリジニル、(これらはヒドロキシで場合により置換されている)であるか又はピロリジン−1−イルであり、R6は、水素、ベンジル又は−(CH2nO−低級アルキルであり、R7は、水素、−C(O)O−低級アルキル、−C(O)−C64−ハロゲン、−C(O)−C64−低級アルキル、−C(O)−低級アルキル、−C(O)−シクロアルキル、−C(O)−NR′R″、−C(O)−(CH2nO−低級アルキル、−S(O)2−低級アルキル、−(CH2nO−低級アルキル、−C(O)−ピリジン−4−イル(該環は、低級アルキル、ハロゲン−低級アルキル又はピロール−1−イル−メチルで置換されていてもよい)であるか、又は−(CH2n−C(O)−NR′R″であり、R′/R″は、互いに独立に、水素、低級アルキル又は−(CH2n−テトラヒドロピラン−4−イルであり、Xは、−CH2−、−NR″′−又は−O−であり、R″′は、水素、−C(O)−低級アルキル、−C(O)O−低級アルキル、−C(O)−C64CH3又はベンジルであり、nは1又は2である)でしめされる化合物及びその薬学的に許容されうる酸付加塩に関する。これらの化合物は、アデノシン受容体リガントであり、それ故この受容体に関係した疾患の処置に適している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般式I
【化36】


〔式中、
1は、フェニル又はN及び/若しくはO含有複素環であり、
2は、
【化37】


よりなる群から選ばれるイミダゾール又は環化イミダゾールであり、
3は、水素、フェニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル、ベンゾ[b]チオフェン−3−イル、3−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル又はチオフェン−2−イル−メチルであり、
4は、水素、−(CH2nO−低級アルキル又は低級アルキルであり、
5は、水素、低級アルキル、ハロゲン、モルホリニル、−NR′R″、ピペリジニル、(場合によりこれらはヒドロキシで置換されている)であるか又はピロリジン−1−イルであり、
6は、水素、ベンジル又は−(CH2nO−低級アルキルであり、
7は、水素、−C(O)O−低級アルキル、−C(O)−C64−ハロゲン、−C(O)−C64−低級アルキル、−C(O)−低級アルキル、−C(O)−シクロアルキル、−C(O)−NR′R″、−C(O)−(CH2nO−低級アルキル、−S(O)2−低級アルキル、−(CH2nO−低級アルキル、−C(O)−ピリジン−4−イル(該環は、低級アルキル、ハロゲン−低級アルキルで又はピロール−1−イル−メチルで置換されていてもよい)であるか、又は−(CH2n−C(O)−NR′R″であり、
R′/R″は、互いに独立に、水素、低級アルキル又は−(CH2n −テトラヒドロピラン−4−イルであり、
Xは、−CH2−、−NR″′−又は−O−であり、
R″′は、水素、−C(O)−低級アルキル、−C(O)O−低級アルキル、−C(O)−C64CH3又はベンジルであり、
nは1又は2である〕
で示される化合物及びその薬学的に許容されうる酸付加塩に関する。
【0002】
驚くべきことに、一般式Iの化合物は、アデノシン受容体リガンドであることが見出された。
【0003】
アデノシンは、特異的細胞表面受容体と相互作用することにより広範囲の生理学的機能をモジュレートする(modulate)。薬物標的としてのアデノシン受容体の潜在力は、最初に1982年に概説された。アデノシンは、生物活性ヌクレオチドアデノシン三リン酸(ATP)、アデノシン二リン酸(ADP)、アデノシン一リン酸(AMP)及びサイクリツクアデノシン一リン酸(cAMP);生化学的メチル化剤S−アデノシル−L−メチオニン(SAM)に構造的及び代謝的に関係しており、そして補酵素NAD、FAD及び補酵素A並びにRNAに構造的に関係している。アデノシン及びこれらの関連した化合物は、一緒になって、細胞代謝の多くの面の調節(regulation)及び種々の中枢神経系活性のモジュレーションにおいて重要である。
【0004】
アデノシンに対する受容体は、Gタンパク質共役型受容体のファミリーに属するA1、A2A、A2B及びA3受容体として分類されている。アデノシンによるアデノシン受容体の活性化は、シグナル伝達機構を開始する。これらの機構は、受容体会合Gタンパク質(recepter associated G protein)に依存している。アデノシン受容体サブタイプの各々は、第2メッセンジャーとしてcAMPを利用するアデニル酸シクラーゼエフェクターシステムにより古典的に特徴付けられている。Giタンパク質と共役した(coupled)A1及びA3受容体は、アデニル酸シクラーゼを阻害し、細胞cAMPレベルを減少させるが、A2A及びA2B受容体は、Gsタンパク質に共役しそしてアデニル酸シクラーゼを活性化し、細胞cAMPレベルを増加させる。A1受容体システムは、ホスホリパーゼCの活性化並びにカリウム及びカルシウムイオンチャンネルの両方のモジュレーションを含むことは知られている。A3サブタイプは、アデニル酸シクラーゼとのその会合に加えて、ホスホリパーゼCも刺激し、それ故カルシウムイオンチャンネルを活性化する。
【0005】
1受容体(326〜328アミノ酸)は、哺乳動物種の中でも90〜95%配列同一性を有する種々の種(イヌ(canine)、ヒト、ラット、ドッグ(dog)、ニワトリのヒナ(chick)、ウシ、モルモット)からクローニングされた。A2A受容体(409〜412アミノ酸)は、イヌ、ラット、ヒト、モルモット及びマウスからクローニングされた。A2B受容体(332アミノ酸)はヒト及びマウスからクローニングされ、その際ヒトA2B受容体のヒトA1及びA2受容体との相同性は45%である。A3受容体(317〜320アミノ酸)は、ヒト、ラット、ドッグ、ウサギ及びヒツジからクローニングされた。
【0006】
1及びA2A受容体サブタイプは、エネルギー供給のアデノシンの調節における相補的役割を演じることが提唱された。ATPの代謝産物であるアデノシンは、細胞から拡散しそして局所的に作用してアデノシン受容体を活性化して酸素要求を減少させるか(A1)又は酸素供給を増加させ(A2A)、それ故組織内でのエネルギー供給:要求のバランスを復元する。両サブタイプの作用は、組織にとって利用可能な酸素の量を増加させそして酸素の短期間不均衡により引起された損傷に対して細胞を保護することである。内因性アデノシンの重要な機能の1つは、外傷、例えば、低酸素症、虚血、低血圧及び発作(seizure)活性の期間中の損傷を防止することである。
【0007】
更に、ラットA3受容体を発現する肥満細胞に対するアデノシン受容体アゴニストの結合は、イノシトール三リン酸及び細胞内カルシウム濃度を増加させ、これは炎症性メディエイタの抗原誘発分泌(antigen induced secretion)を助長することは知られている。故に、A3受容体は、喘息発作及び他のアレルギー応答の媒介における役割を演じる。
【0008】
アデノシンは、中枢抑制作用を媒介することによって、生理学的脳機能の多くの面の基礎にある分子機構のモジュレーションにおいて全体的重要性を有するニューロモジュレーター(neuromodulator)でもある。神経伝達物質放出の増加に続いて、外傷、例えば、低酸素症、虚血及び発作が起こる。これらの神経伝達物質は、最終的に神経変性及び神経死に関与し、これらは脳の損傷又は個体の死を引起す。故に、アデノシンの中枢抑制作用をまねるアデノシンA1アゴニストは、神経保護剤として有用でありうる。アデノシンは、興奮性ニューロンからのグルタメート放出を抑制しそしてニューロン炎症(neuronal firing)を抑制する内因性抗痙攣薬として提唱された。故に、アデノシンアゴニストは、抗てんかん薬として使用することができる。アデノシンアンタゴニストは、CNSの活性を刺激しそして認知強化剤として有効であることが証明された。選択的A2aアンタゴニストは、種々の形態の痴呆、例えば、アルツハイマー病の処置において治療的潜在力を有しておりそして神経保護薬として有用である。アデノシンA2a受容体アンタゴニストは、中枢シナプス末端からのドーパミンの放出を抑制しそして運動活性を刺激し、その結果としてパーキンソン症候群を改善する。アデノシンの中枢活性は、鎮静、催眠、統合失調症、不安、苦痛、呼吸、うつ及び物質乱用の基礎になる分子機構にも関与している。故に、アデノシン受容体に作用する薬物は、鎮静薬、筋弛緩薬、抗精神病薬、不安解消剤、鎮痛薬、呼吸機能亢進剤(respiratory stimulants)及び抗うつ薬としての治療的潜在力を有し、そしてそれらはADHD(注意不足活動亢進症)の処置に使用することができる。
【0009】
心臓血管系におけるアデノシンの重要な役割は、心臓保護剤(cardioprotective agent)としての役割である。内因性アデノシンのレベルは、虚血及び低酸素症に応答して増加し、そして外傷期間中及び外傷後の心臓組織を保護する(プレコンディショニング)。かくしてアデノシンアゴニストは心臓保護剤としての潜在力を有する。
【0010】
アデノシンは、レニン放出、糸球体ろ過速度及び腎血流量を含む腎機能の多くの面をモジュレートする。アデノシンの腎作用に拮抗する化合物は、腎臓保護剤(renal protective agents)としての潜在力を有する。更に、アデノシンA3及び/又はA2Bアンタゴニストは、喘息及び他のアレルギー応答の処置及び糖尿病(diabetes mellitus)及び肥満症の処置において有用でありうる。
【0011】
多数の文献、例えば、下記の刊行物、
【表1】


がアデノシン受容体に関する最近の知見を記載している。
【0012】
本発明の目的は、式Iの化合物自体、アデノシンA2受容体に関係した疾患を処置するための医薬の製造のための式Iの化合物及びその薬学的に許容されうる塩の使用、それらの製造、本発明に従う化合物に基づく医薬及びそれらの製造並びにアデノシン系のモジュレーションに基づく病気、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、神経保護、統合失調症、不安、苦痛、呼吸不足(respiration deficits)、うつ、薬物嗜癖、例えば、アンフェタミン、コカイン、オピオイド、エタノール、ニコチン、カンナビノイド嗜癖、の制御又は予防における式Iの化合物の使用、あるいは喘息、アレルギー応答、低酸素症、虚血、発作及び物質乱用に対する式Iの化合物の使用である。更に、本発明の化合物は、鎮静薬、筋弛緩薬、抗精神病薬、抗てんかん薬、抗痙攣薬、並びに冠状動脈疾患及び心不全の如き疾患のための心臓保護剤として有用でありうる。本発明に従う最も好ましい適応症は、A2A受容体アンタゴニスト活性に基づく適応症並びに、中枢神経系の疾患を含む適応症、例えば、アルツハイマー病、ある種のうつ病、薬物乱用、神経保護及びパーキンソン病並びにADHDの処置又は予防である。
【0013】
本明細書で使用した「低級アルキル」という用語は、1〜6個の炭素原子を含有する直鎖状又は分岐鎖状アルキル基、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n−ブチル、i−ブチル、2−ブチル、t−ブチル等を示す。好ましい低級アルキル基は、1〜4個の炭素原子を有する基である。
【0014】
「シクロアルキル」という用語は、3〜7個の炭素原子を含有する飽和カルボキシル基を示す。好ましいシクロアルキル基はシクロプロピルである。
【0015】
「ハロゲン」という用語は、塩素、ヨウ素、フツ素及び臭素を示す。
【0016】
「低級アルコキシ」という用語は、アルキル残基が上記したとおりでありそして酸素原子を介して結合している基を示す。
【0017】
「N及び/又はO含有複素環」という用語は、モルホリニル、ピペリジニル、ピペラジニル又はテトラヒドロピラン−2,3又は4−イルからなる基を示す。
【0018】
「環化イミダゾール」という用語は、1つの環がイミダゾール環であり、環化基がヘテロ原子、例えば、Nを場合により含有する芳香族6員環であるか又はヘテロ原子、例えばO若しくはNを場合により含有する非芳香族6員環又は7員環である二環複素環を示す。下記の環化イミダゾール:ベンゾイミダゾール−2−イル、2−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−ベンゾイミダゾール−2−イル)、2−(3,4,6,7−テトラヒドロ−ピラノ[3,4−d]イミダゾール又は4,5,7,8−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イルが好ましい。
【0019】
「薬学的に許容されうる酸付加塩」という用語は、無機酸及び有機酸、例えば、塩酸、硝酸、硫酸、リン酸、クエン酸、ギ酸、フマル酸、マレイン酸、酢酸、コハク酸、酒石酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸等との塩を包含する。
【0020】
下記
【化38】


(式中、R1〜R7及びXは上記した定義を有する)
の化合物は本発明の式Iにより包含される。
【0021】
本願の好ましい化合物は、R1がモルホリニルである式Iの化合物である。
【0022】
式Iaの化合物、例えば、下記の化合物、2−(1H−イミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール、
2−(1H−イミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−フェニル−ベンゾチアゾール、
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール、
2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール、
2−(5−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−1H−イミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール、
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−チオフェン−2−イル−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール、
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−チオフェン−3−イル−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール又は
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−チオフェン−2−イルメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾールは更に好ましい。
【0023】
式Ibの化合物、例えば、下記の化合物、2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール又は
4−メトキシ−2−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾールは好ましい。
【0024】
式Icの化合物、例えば、下記の化合物、2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、
5−クロロ−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、
5−クロロ−3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、
3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−モルホリン−4−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−モルホリン−4−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、
3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−ピロリジン−1−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−ピロリジン−1−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、
[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]−ジメチル−アミン、
1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]−ピペリジン−4−オール又は
[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]−メチル−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−アミンは更に好ましい。
【0025】
式Idの化合物、例えば、下記の化合物、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール、
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3,4,6,7−テトラヒドロ−ピラノ[3,4−d]イミダゾール、
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3,4,6,7−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル、
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン;ヒドロクロリド、
[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル]−o−トリル−メタノン、
1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル]−エタノン又は
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステルは更に好ましい。
【0026】
式Ieの化合物、例えば下記の化合物、2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル、
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピンヒドロクロリド、
(4−フルオロ−フェニル)−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−メタノン、
1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−エタノン、
[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−o−トリル−メタノン、
1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−2,2−ジメチル−プロパン−1−オン、
シクロプロピル−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−メタノン、
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−カルボン酸ジメチルアミド、
2−メトキシ−1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−エタノン、
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル、
6−メタンスルホニル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン又は
6−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピンは更に好ましい。
【0027】
式Iの本発明の化合物及びそれらの薬学的に許容されうる塩は、当該技術分野で知られた方法、例えば、下記の方法であって、
a)式
【化39】


で示される化合物を、K3FeCN6/KOHと反応させて、式
【化40】


(式中、R1及びR3は上で定義したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
b)式
【化41】


で示される化合物を環化して、式
【化42】


(式中、R1及びR3は上で記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
c)式
【化43】


で示される化合物を、K3FeCN6/KOHと反応させて、式
【化44】


(式中、R1及びR4は上で定義したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
d)式
【化45】


で示される化合物をメチル化して、式
【化46】


(式中、R1は上で定義したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
e)式
【化47】


で示される化合物を反応させて、式
【化48】


(式中、R1及びR5は上で記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
f)式
【化49】


で示される化合物を、式 NHR′R″で示される化合物と反応させて、式
【化50】


(式中、R1及びR′/R″は上で記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
g)式
【化51】


で示される化合物を、MOMCl/NaOHと反応させて、式
【化52】


(式中、R1は上で記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
h)式
【化53】


で示される化合物を、式 HR5で示される化合物と反応させて、式
【化54】


(式中、R1及びR5は上で記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
i)式
【化55】


で示される化合物を、HClと反応させて、式
【化56】


(式中、R1及びR5は上で記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
j)式
【化57】


で示される化合物を、HClと反応させて、式
【化58】


(式中、R1は上で記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
k)式
【化59】


で示される化合物を、DMF/BF3・Et2Oと反応させて、式
【化60】


(式中、R1は上で記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
l)式
【化61】


で示される化合物を、HClと反応させて、式
【化62】


(式中、R1は上で記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
m)式
【化63】


で示される化合物を、CH3COONH4と反応させて、式
【化64】


(式中、R1は上で記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
n)式
【化65】


で示される化合物を、HClと反応させて、式
【化66】


(式中、R1は上で記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
所望により、得られた化合物を薬学的に許容されうる酸付加塩に転換する、
ことを含む方法により製造することができる。
【0028】
式Iの化合物は、方法態様a)〜n)に従い、そして下記のスキーム1〜10により製造することができる。42の特定の実施例の製造を更により詳細に説明する。
【化67】


(式中、R1及びR3は上記したとおりでありそしてCDIは1,1′−カルボニル−ジイミダゾールである)
【0029】
スキーム1に従えば、イミダゾール−2−カルボン酸(X)の懸濁液に、CDI(1,1′−カルボニル−ジイミダゾール)を加えそして周囲の温度で約1時間攪拌する。次いで混合物を還流しそして周囲の温度に冷却する。2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニルアミン(R1=モルホリニルである、IX)を加えそして反応混合物を約16時間加熱還流する。仕上げの後、1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド(XI)を得、次いでこれをLawesson試薬で処理する。次いで、反応混合物を約22時間加熱還流する。得られた1H−イミダゾール−2−カルボチオ酸(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド(II)を水中に取りそしてKOH及びヘキサシアノ鉄酸カリウムで処理して、2−(1H−イミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール(R1=モルホリニルであるIa)を得る。
【0030】
【化68】


(式中、R1及びR3は上記したとおりである)
【0031】
スキーム2に従えば、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸(R1=モルホリニルである、XII)及びCDI(1,1′−カルボニル−ジイミダゾール)を室温で約1.5時間攪拌する。次いで、例えば、2−アミノ−1−(2−チエニル)エタノン塩酸塩(R3=チエニル)及びトリエチルアミンを加えそして室温で一夜攪拌を続ける。次いで、得られる4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸(2−オキソ−2−チオフェン−2−イル−エチル)−アミド(III)及びトリフルオロ酢酸アンモニウムの混合物を約165℃で60分間溶融して4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−チオフォン−2−イル−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール(R1=モルホリニルでありそしてR3=チエニルである、Ia1)を得る。
【0032】
【化69】


(式中、R1及びR4は上記したとおりである。)
【0033】
スキーム3に従えば、対応するベンゾイミダゾール−2−カルボン酸(XIII)の懸濁液に、CDIを加えそして周囲の温度で約1時間攪拌する。次いで混合物を約30分間還流する。周囲の温度に冷却した後、2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニルアミン(R1=モルホリニルである、IX)を加え、反応混合物を約16時間加熱還流する。仕上げの後、対応する1H−ベンゾイミダゾール−2−カルボン酸(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド(XIV)を得、次いでこれをトルエン中に取りそしてLawesson試薬で処理する。反応混合物を約2時間加熱還流し、そして仕上げの後、対応する1H−ベンゾイミダゾール−2−カルボチオ酸(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド(IV)を得、次いでこれを水中に取り、そしてKOH及びヘキサシアノ鉄酸カリウムにより還流で約24時間処理して、対応する2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール(Ib)を得る。
【0034】
【化70】


(式中、R1は上記したとおりである)
【0035】
3が水素である場合には、慣用の方法でNaHの存在下にMeIでメチル化することにより、R3がメチルである対応する化合物を得ることができる。
【0036】
【化71】


(式中、R1及びR5は上記したとおりである)
【0037】
スキーム4に従えば、対応する2,3−ジアミノ−6−メチルピリジン(R5=メチル、XV)及びグリコール酸を150℃で約1時間加熱する。残留物をクロロホルム中に懸濁させそして塩化チオニルにより約4時間処理する。仕上げの後、2−クロロメチル−5−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン塩酸塩(XVII)を得る。
【0038】
次いで、トリエチルアミン、硫黄及び2−クロロメチル−5−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン塩酸塩をDMFに溶解しそして周囲の温度で約2時間攪拌する。0℃に冷却した後、MeIを加えそして周囲の温度での攪拌を1時間続ける。仕上げの後、得られた生成物をエタノールに溶解しそして2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニルアミン(R1=モルホリニル)により還流で16時間処理する。周囲の温度に冷却すると、沈殿が生成し、これを単離しそして真空中で乾燥して対応する5−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−カルボチオ酸(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド(V)を得、これを酢酸エチルに溶解し、加熱還流しそしてAcOH中のHBr及びDMSOで処理する。還流での攪拌を2時間続ける。冷却すると、沈殿が生成し、これを単離しそして仕上げて、2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(R1=モルホリニルでありそしてR5=メチルである、Ic1)を得る。
【0039】
【化72】


(式中、R1、R5及びR′及びR″は上記したとおりでありそしてMOMClはメトキシメチルクロリドである)
【0040】
スキーム5に従えば、5−クロロ−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(R1=モルホリニルである、Ic2)をオートクレーブ中の対応するアミンに溶解しそして約200℃に16時間加熱する。残留物を水中で摩砕し、それから沈殿を単離しそして仕上げて、例えば、[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]−ジメチル−アミン( R′、R″=メチルである、Ic3)を得る。
【0041】
更に、5−クロロ−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(R1=モルホリニルである、Ic2)を乾燥DMFに溶解しそして0℃でNaHにより処理する。周囲の温度で1時間攪拌した後、MOMCl及びヨウ化テトラブチルアンモニウムを加えそして反応混合物を約16時間攪拌する。懸濁液を仕上げて、対応する5−クロロ−3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(Ic4)を得、これをオートクレーブ中のモルホリンに溶解し(R5=モルホリンの場合)そして約150℃に16時間加熱する。残留物を水中で摩砕し、それから沈殿を仕上げて、対応する3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−モルホリン−4−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(Ic5)を得る。HClで約1.5時間処理することにより、対応する2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−モルホリン−4−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(Ic1)を得ることができる。
【0042】
【化73】


(式中、R1は上記したとおりである)
【0043】
スキーム6に従えば、ピリジン中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸(R1=モルホリニルである、XII)及びイミダゾールの溶液に、オキシ塩化リンを0℃で加える。約5時間後、冷たい溶液を酢酸エチルで希釈しそして慣用の方法で仕上げて、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボニトリル(IXX)を得、これをトリエチルアミンに溶解しそしてピリジンに溶解し、次いで硫化水素と共に室温で4時間攪拌する。溶媒及び過剰の硫化水素を除去する。得られた4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボチオ酸アミド(XX)をテトラヒドロフランに溶解しそして50℃で約4時間ヨウ化メチルと反応させる。すべての揮発性成分を真空下に留去し、残留物をテトラヒドロフラン中の4,4−ジエトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミンの溶液に溶解した。混合物を50℃で一夜攪拌し、溶媒を留去し、残留物を塩酸に懸濁させそして室温で約3時間攪拌する。(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3,4,6,7−テトラヒドロ−ピラノ[3,4−d]イミダゾール Id1)を得る。
【0044】
【化74】


スキーム7に従って慣用の方法で4,4−ジエトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミンを製造することができる。
【0045】
【化75】


(式中、R1は上記したとおりである)
【0046】
スキーム8に従えば、テトラヒドロフラン中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボチオ酸アミド(XX)及びヨウ化メタンを室温で3日間攪拌する。得られる沈殿をろ過して、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボキシミドチオ酸メチルエステルヨウ化水素酸塩を得る。テトラヒドロフラン中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボキシミドチオ酸メチルエステルヨウ化水素酸塩の溶液に、3−アミノ−4,4−ジエトキシ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(XXVI)を加えそして混合物を室温で2日間攪拌する。次いで、三フツ化ホウ素エーテラートを加えそして溶媒を真空下に留去する。再び三フツ化ホウ素エーテラートを加えそして混合物をジメチルホルムアミドに溶解しそして125℃で10分間加熱する。2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3,4,6,7−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル(Id2)を得る。
【0047】
【化76】


3−アミノ−4,4−ジエトキシ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを慣用の方法でスキーム9に従って製造することができる。
【0048】
【化77】


(式中、R1は上記したとおりである)
【0049】
スキーム10に従えば、ジクロロメタン中の2,3,6,7−テトラヒドロ−アゼピン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(XXX)の攪拌した溶液に、m−クロロ過安息香酸(MCPBA)を−60゜で加える。混合物を、一夜室温にゆっくりと加温しそして8−オキサ−4−アザ−ビシクロ[5.1.0]オクタン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル(XXXI)を得る。エタノール中の8−オキサ−4−アザ−ビシクロ[5.1.0]オクタン−4−カルボン酸tert−ブチルエステルの溶液に、水、塩化アンモニウム及びアジ化ナトリウムを加える。混合物を一夜75℃で攪拌して、4−アジド−5−ヒドロキシ−アゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(XXXII)を得る。メタノールml中の4−アジド−5−ヒドロキシ−アゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルをパラジウム担持炭(10%)の存在下に水素化して4−アミノ−5−ヒドロキシ−アゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(XXXIII)を得る。ジメチルホルムアミド中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸及び1,1′−カルボニル−ジイミダゾールを室温で約16時間攪拌する。4−アミノ−5−ヒドロキシ−アゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルを加えそして攪拌を室温で16時間続ける。4−ヒドロキシ−5−[(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−アゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(XXXIV)を得る。ジメチルスルホキシド中の4−ヒドロキシ−5−[(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−アゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステルの溶液に、トリエチルアミン、ジクロロメタン、及びジメチルスルホキシド中の三酸化硫黄ピリジン錯体の溶液を加える。混合物を室温で18時間攪拌する。精製後、4−[(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−5−オキソ−アゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(VIII)を得る。
【0050】
4−[(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−5−オキソ−アゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル及び酢酸アンモニウムの混合物(VIII)を120℃で3時間溶融しそして室温に冷却する。2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル(Ie1)を得る。
【0051】
化合物の単離及び精製
本明細書に記載の化合物及び中間体の単離及び精製は、所望により、いかなる適当な分離又は精製方法によっても行うことができ、例えば、ろ過、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィー、厚層クロマトグラフィー、分取低圧若しくは高圧液体クロマトグラフィー又はこれらの方法の組み合わせにより行うことができる。適当な分離及び単離方法の特定の説明は、下記する製造及び実施例を参照することにより得ることができる。しかしながら、他の同等な分離又は単離方法も勿論使用することができる。
【0052】
式Iの化合物の塩
式Iの化合物は、残基Rが、例えば、塩基性基、例えば脂肪族若しくは芳香族アミン部分を含有する場合には塩基性であることができる。このような場合には、式Iの化合物を対応する酸付加塩に転換することができる。
【0053】
転換は、少なくとも化学量論的量の適切な酸、例えば、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等並びに有機酸、例えば、酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、ピルビン酸、シュウ酸、リンゴ酸、マロン酸、コハク酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サリチル酸等による処理によって達成される。典型的には、遊離塩基を不活性有機溶媒、例えば、ジエチルエーテル、酢酸エチル、クロロホルム、エタノール又はメタノール等に溶解し、そして酸を同様な溶媒に加える。温度を0℃〜50℃に維持する。得られる塩は、自然に沈殿するか又はより少ない極性の溶媒により溶液から生じさせることができる。
【0054】
式Iの塩基性化合物の酸付加塩は、少なくとも化学量論的当量の適当な塩基、例えば、水酸化ナトリウム若しくは水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、アンモニア等による処理によって対応する遊離塩基に転換することができる。
【0055】
式Iの化合物及びそれらの薬学的に使用可能な付加塩は、価値ある薬理学的性質を有する。特に、本発明の化合物は、アデノシン受容体リガンドでありそしてアデノシンA2A受容体に対する高いアフィニティーを有しそしてA1及びA3受容体に対する良好な選択性を有する。
【0056】
化合物を後記する試験に従って調べた。
ヒトアデノシンA1受容体
セムリキ森林熱ウイルス発現系を使用してチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞においてヒトアデノシンA1受容体を組換え発現させた。細胞を回収し、遠心により2回洗浄し、ホモジナイズしそして再び遠心により洗浄した。最後の洗浄した膜ペレットを120mM NaCl、5mM KCl、2mM CaCl2及び10mM MgCl2を含有するトリス(50mM)緩衝液(pH7.4)(緩衝液A)中に懸濁させた。緩衝液A200μlの最終容積において膜タンパク質2.5μg、Ysi−ポリ−l−リシンSPAビーズ0.5mg及びアデノシンデアミナーゼ0.1Uの存在下に、96ウエルプレートにおいて[3H]−DPCPX(([プロピル−3H]8−シクロペンチル−1,3−ジプロピルキサンチン);
0.6nM)結合アッセイを行った。キサンチンアミン同族体(congener)(XAC;2μM)を使用して、非特異的結合を規定した。化合物を10μM〜0.3nMの10の濃度で試験した。すべてのアッセイを、2重で行いそして少なくとも2回繰り返した。アッセイプレートを遠心の前に室温で1時間インキュベーションし、次いで結合したリガンドをPackard Topcountシンチレーションカウンターを使用して測定した。非線形曲線適合プログラム(non-linear curve fitting program)を使用してIC50値を計算しそしてCheng-Prussoffの式を使用してKi値を計算した。
【0057】
ヒトアデノシンA2A受容体
【0058】
セムリキ森林熱ウイルス発現系を使用してチャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞においてヒトアデノシンA2A受容体を組換え発現させた。細胞を回収し、遠心により2回洗浄し、ホモジナイズしそして再び遠心により洗浄した。最後の洗浄した膜ペレットを120mMNaCl、5mMKCl、2mMCaCl2及び10mMMgCl2を含有するトリス(50mM)緩衝液(pH7.4)(緩衝液A)中に懸濁させた。緩衝液A200μlの最終容積において膜タンパク質2.5μg、Ysi−ポリ−l−リシンSPAビーズ0.5mg及びアデノシンデアミナーゼ0.1Uの存在下に、96ウエルプレートにおいて[3H]−SCH−58261(Dionisotti et al., 1997, Br J Pharmacol 121, 353; 1nM)結合アッセイを行った。キサンチンアミン同族体(XAC;2μM)を使用して、非特異的結合を規定した。化合物を10μM〜0.3nMの10の濃度で試験した。すべてのアッセイを、2重で行いそして少なくとも2回繰り返した。アッセイプレートを遠心の前に室温で1時間インキュベーションし、次いで結合したリガンドをPackard Topcountシンチレーションカウンターを使用して測定した。非線形曲線適合プログラムを使用してIC50値を計算しそしてCheng-Prussoffの式を使用してKi値を計算した。
【0059】
式Iの化合物は、A2A受容体に対する良好なアフィニティー及びA1に対する高い選択性を有することが示された。本化合物はpKi>7.0を示す。
【表2】

【0060】
式Iの化合物及び式Iの化合物の薬学的に許容されうる塩は、例えば、医薬製剤の形態で医薬として使用することができる。医薬製剤は、例えば、錠剤、コーティング錠、糖剤、硬及び軟ゼラチンカプセル剤、液剤、乳剤又は懸濁剤の形態で経口投与することができる。しかしながら、投与は、例えば、坐剤の形態で直腸内に行うこともでき、例えば注射剤の形態で非経口的に行うこともできる。
【0061】
式Iの化合物を薬学的に不活性な無機又は有機担体と共に加工して、医薬製剤を製造することができる。例えば、錠剤、コーティング錠、糖剤及び硬ゼラチンカプセル剤用のこのような担体として、ラクトース、トウモロコシデンプン又はそれらの誘導体、タルク、ステアリン酸又はその塩等を使用することができる。軟ゼラチンカプセル剤用の適切な担体は、例えば、植物油、ワックス、脂肪、半固体及び液体ポリオール等である。しかしながら、活性物質の性質に依存して、軟ゼラチンカプセル剤の場合、通常担体は必要とされない。液剤及びシロップ剤の製造用の適切な担体は、例えば、水、ポリオール、グリセロール、植物油等である。坐剤用の適切な担体は、例えば、天然油又は硬化油、ワックス、脂肪、半液体又は液体ポリオール等である。
【0062】
更に、医薬製剤は、保存剤、可溶化剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、甘味料、着色剤、香味剤、浸透圧を変えるための塩、緩衝剤、マスクキング剤又は酸化防止剤を含有することができる。医薬製剤は更に他の治療的に有用な物質を含有してもよい。
【0063】
式Iの化合物又はその薬学的に許容されうる塩及び治療的に不活性な担体を含有する医薬も本発明の目的であり、1種以上の式Iの化合物及び/又は薬学的に許容されうる酸付加塩及び所望により1種以上の他の治療的に有用な物質を、1種以上の治療的に不活性な担体と一緒に製剤投与形態にすることを含む、このような医薬を製造する方法もまた本発明の目的である。
【0064】
本発明に従えば、式Iの化合物及びその薬学的に許容されうる塩は、アデノシン受容体アンタゴニスト活性に基づく病気、例えば、アルツハイマー病、パーキンソ病、神経保護(neuroprotection)、統合失調症、不安、苦痛、呼吸不足(respiration deficits)、うつ、喘息、アレルギー応答、低酸素症、虚血、発作及び物質乱用の制御又は予防に有用である。更に、本発明の化合物は、鎮静薬、筋弛緩薬、抗精神病薬、抗てんかん薬、抗痙攣薬、及び心臓保護剤として有用であり得、そして対応する医薬の製造に有用でありうる。
【0065】
本発明に従う最も好ましい適応症は、中枢神経系の疾患を含む適応症、例えば、ある種のうつ病、神経保護及びパーキンソン病の処置又は予防である。
【0066】
投与量は、広い範囲内で変わることができ、もちろん各特定の症例において個々の要件に適合させなければならない。経口投与の場合、成人のための投与量は、一般式Iの化合物約0.01mg〜約1000mg/日又はその薬学的に許容されうる塩の対応する量の範囲で変わることができる。日量を、単回投与又は分割投与において投与することができ、更に上限を超えることが必要な場合には、上限を超えてもよい。
【0067】
【表3】


製造方法
1.項目1、2、3及び4を混合しそして純水で顆粒化する。
2.顆粒を50℃で乾燥する。
3.適当な粉砕装置に顆粒を通す。
4.項目5を加え、3分間混合し、適当なプレスで圧縮する。
【0068】
【表4】


製造方法
1.項目1,2及び3を適当なミキサーで30分間混合する。
2.項目4及び5を加え、3分間混合する。
3.適当なカプセルに充填する。
【0069】
下記の製造及び実施例は、本発明を説明するものであって、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
実施例1
2−(1H−イミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール
DMF15ml中のイミダゾール−2−カルボン酸1.0g(8.9ミリモル)の懸濁液に、CDI1.6g(9.8ミリモル)を加え、周囲の温度で1時間攪拌した。次いで混合物を30分間還流した。周囲の温度に冷却した後、2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニルアミン2.0g(9.8ミリモル)を加え、反応混合物を16時間加熱還流した。混合物を蒸発させ、残留物を水(40ml)中に取りそして酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機相を炭酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させ、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン2:1)にかけた。1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド0.25g(9%)を、白色固体、融点227〜230℃、として得た。
【0070】
1H−イミダゾール−2−カルボン酸(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド0.2g(0.66ミリモル)を、トルエン(8.0ml)中に取りそしてLawesson試薬0.8g(2.0ミリモル)で処理した。反応混合物を、22時間加熱還流した。周囲の温度に冷却した後、水(25ml)を加え、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機相を炭酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させ、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン1:1)にかけた。1H−イミダゾール−2−カルボチオ酸(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド0.125g(59%)を、黄色発泡体、MS(ISP):m/e=319(M+H)、として得た。
【0071】
1H−イミダゾール−2−カルボチオ酸(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド0.08g(0.25ミリモル)を水(2.0ml)中に取り、そしてKOH0.056g(1.0ミリモル)及びヘキサシアノ鉄酸カリウム0.331g(1.0ミリモル)により還流で1時間処理した。周囲の温度に冷却した後、水(10ml)を加えそして混合物をろ過した。ろ過器上の残留物を真空中40℃で乾燥した。2−(1H−イミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール0.037g(47%)を、黄色固体、融点228〜230℃、として得た。
【0072】
実施例2
2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール
DMF4ml中のベンゾイミダゾール−2−カルボン酸0.19g(1.0ミリモル)の懸濁液に、CDI0.21g(1.3ミリモル)を加え、周囲の温度で1時間攪拌した。次いで混合物を30分間還流した。周囲の温度に冷却した後、2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニルアミン0.25g(1.2ミリモル)を加え、反応混合物を16時間加熱還流した。混合物を蒸発させ、残留物を水(40ml)中に取りそして塩化メチレンで3回抽出した。一緒にした有機相を炭酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させ、残留物を熱酢酸エチル中で攪拌した。ろ過及び乾燥の後、1H−ベンゾイミダゾール−2−カルボン酸(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド0.27g(63%)を、黄色固体、融点236〜237℃、として得た。
【0073】
1H−ベンゾイミダゾール−2−カルボン酸(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド0.2g(0.71ミリモル)を、トルエン(15.0ml)中に取りそしてLawesson試薬0.28g(0.71ミリモル)で処理した。反応混合物を2時間加熱還流した。周囲の温度に冷却した後、水(25ml)を加え、混合物を酢酸エチルで3回抽出した。一緒にした有機相を炭酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させ、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン1:2、次いで酢酸エチル)にかけた。1H−ベンゾイミダゾール−2−カルボチオ酸(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド0.22g(86%)を、黄色固体、融点240〜241℃、として得た。
【0074】
1H−ベンゾイミダゾール−2−カルボチオ酸(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド0.19g(0.52ミリモル)を水(5.0ml)中に取り、そしてKOH0.116g(2.0ミリモル)及びヘキサシアノ鉄酸カリウム0.68g(2.0ミリモル)により還流で24時間処理した。周囲の温度に冷却した後、水(10ml)を加えそして混合物をろ過した。ろ過器上の残留物をメタノールに溶解し、そしてカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン/メタノール99:1)にかけた。2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール0.089g(39%)を、黄色固体、融点284〜286℃、として得た。
【0075】
実施例3
4−メトキシ−2−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール
2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール0.05g(0.14ミリモル)を乾燥DMF(2.0ml)に溶解しそしてNaH0.005g(油中65%、0.14ミリモル)により0℃で処理した。周囲の温度で1時間攪拌した後、MeI25μl(0.4ミリモル)を加えそして反応混合物を16時間攪拌した。懸濁液をろ過し、ろ過器上の残留物を真空乾燥した。4−メトキシ−2−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール0.042g(81%)を、黄色固体、融点283〜285℃、として得た。
【0076】
実施例4
2−(1H−イミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−フェニル−ベンゾチアゾール
DMF14ml中のイミダゾール−2−カルボン酸0.31g(2.76ミリモル)の懸濁液に、CDI0.448g(2.76ミリモル)、トリエチルアミン0.38ml(2.76ミリモル)を加え、周囲の温度で1時間攪拌した。次いで混合物を30分間還流した。周囲の温度に冷却した後、5−フェニル−o−アニシジン0.5g(2.5ミリモル)を加え、反応混合物を16時間加熱還流した。混合物を蒸発させ、残留物を水(40ml)中に取りそして塩化メチレンで3回抽出した。一緒にした有機相を炭酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させ、残留物を熱酢酸エチル中で攪拌した。ろ過及び乾燥の後、1H−イミダゾール−2−カルボン酸(4−メトキシ−ビフェニル−3−イル)−アミド0.11g(14%)を、淡黄色固体、融点276℃、として得た。
【0077】
1H−イミダゾール−2−カルボン酸(4−メトキシ−ビフェニル−3−イル)−アミド0.1g(0.36ミリモル)を、トルエン(5.0ml)中に取りそしてLawesson試薬0.435g(1.0ミリモル)で処理した。反応混合物を16時間加熱還流した。周囲の温度に冷却した後、水(25ml)を加え、混合物をジクロロメタンで3回抽出した。一緒にした有機相を炭酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させ、残留物をメタノール中で摩砕した。1H−イミダゾール−2−カルボチオ酸(4−メトキシ−ビフェニル−3−イル)−アミド0.08g(73%)を、融点223〜226℃の黄色固体として得た。
【0078】
1H−イミダゾール−2−カルボチオ酸(4−メトキシ−ビフェニル−3−イル)−アミド0.049g(0.16ミリモル)をクロロホルム中に取り、そしてBr28.1μl(0.16ミリモル)により還流で4時間処理した。次いで反応をチオ硫酸ナトリウム(38%)により停止しそしてクロロホルムで抽出した。一緒にした有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、ろ過しそして蒸発させた。残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、塩化メチレン/メタノール40:1)にかけて、2−(1H−イミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−フェニル−ベンゾチアゾール0.016g(33%)を、無色の固体、融点205〜206℃、として得た。
【0079】
実施例5
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
2,3−ジアミノ−6−メチルピリジン0.5g(4.0ミリモル)及びグリコール酸0.37gを150℃で1時間加熱した。残留物をクロロホルム(7.0ml)中に懸濁させ、塩化チオニル1.5ml(20ミリモル)により還流で4時間処理した。混合物を蒸発させそして残留物をメタノールで摩砕した。濃縮した後、残留物をエーテル中で一夜攪拌し、次いで懸濁液をろ過した。ろ過器上の残留物を乾燥して、2−クロロメチル−5−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン塩酸塩0.67gを、暗褐色固体、融点225〜230℃(分解)、として得た。
【0080】
トリエチルアミン1.7ml(12.0ミリモル)、硫黄0.19g(6.0ミリモル)及び2−クロロメチル−5−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン塩酸塩0.65g(3.0ミリモル)をDMF(2ml)に溶解しそして周囲の温度で2時間攪拌した。0℃に冷却した後、MeI0.18ml(3.0ミリモル)を加え、周囲の温度での攪拌を1時間続けた。次いで水(20ml)を加え、混合物を酢酸エチル(30ml)で3回抽出した。一緒にした有機相をジカリット(登録商標)(dicalitR)でろ過しそして濃縮した。残留物をエタノール(7ml)に溶解しそして2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニルアミン0.3g(1.45ミリモル)により還流で16時間処理した。周囲の温度に冷却すると、沈殿が生成し、これを単離しそして真空中で乾燥した。5−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−カルボチオ酸(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド0.14g(25%)を、淡赤色固体、融点189〜191℃、として得た。
【0081】
5−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−カルボチオ酸(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド 0.3g(0.8ミリモル)を酢酸エチル(3ml)に溶解し、加熱還流し、そしてAcOH中のHBr0.27ml(5.7M、1.6ミリモル)及びDMSO0.067ml(0.94ミリモル)で処理した。還流での攪拌を2時間続けた。冷却すると、沈殿が生成し、これを単離しそして水(2ml)に溶解した。pHを水中の25%水酸化アンモニウムにより10に調節した。再び沈殿が生成すると、これをろ過した。ろ過器上の残留物を水で洗浄しそして真空中で乾燥した。2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン0.125g(42%)を、黄色固体、融点200〜210℃、として得た。
【0082】
実施例6
5−クロロ−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
2−ヒドロキシメチル−5−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン1.0g(5.45ミリモル)をクロロホルム(10.0ml)に懸濁させ、塩化チオニル3.3ml(45ミリモル)により還流で4時間処理した。混合物を蒸発させそして残留物をメタノールで摩砕した。濃縮した後、残留物をエーテル中で一夜攪拌し、次いで懸濁液をろ過した。ろ過器上の残留物を乾燥して、5−クロロ−2−クロロメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン塩酸塩0.67gを、褐色固体、融点218〜220℃(分解)、として得た。
【0083】
トリエチルアミン14.5ml(104.0ミリモル)、硫黄1.67g(52.0ミリモル)及び5−クロロ−2−クロロメチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン塩酸塩0.65g(26.0ミリモル)をDMF(15ml)に溶解しそして周囲の温度で2時間攪拌した。0℃に冷却した後、MeI1.6ml(26.0ミリモル)を加え、周囲の温度での攪拌を1時間続けた。次いで水(100ml)を加え、混合物を酢酸エチル(150ml)で3回抽出した。一緒にした有機相をジカリット(登録商標)(dicalitR)でろ過しそして濃縮した。残留物をエタノール(100ml)に溶解しそして2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニルアミン5.4g(26ミリモル)により還流で16時間処理した。周囲の温度に冷却すると、沈殿が生成し、これを単離しそして真空中で乾燥した。5−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−カルボチオ酸(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド2g(19%)を、赤色固体、MS(ISP):m/e=404(M+H)、として得た。
【0084】
5−クロロ−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−2−カルボチオ酸(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−アミド1.0g(2.5ミリモル)を酢酸エチル(7ml)に溶解し、加熱還流し、そしてAcOH中のHBr0.87ml(5.7M、5.0ミリモル)及びDMSO0.2ml(3.0ミリモル)で処理した。還流での攪拌を2時間続けた。冷却すると、沈殿が生成し、これを単離しそして水(2ml)に溶解した。pHを水中の25%水酸化アンモニウムにより10に調節した。再び沈殿が生成すると、これをろ過した。ろ過器上の残留物を水で洗浄しそして真空中で乾燥した。5−クロロ−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン0.91g(92%)を、黄色固体、融点>300℃(分解)、として得た。
【0085】
実施例7
5−クロロ−3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
5−クロロ−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン0.3g(0.74ミリモル)を乾燥DMF(10.0ml)に溶解しそしてNaH0.033g(油中65%、0.9ミリモル)により0℃で処理した。周囲の温度で1時間攪拌した後、MOMCl、68μl(0.9ミリモル)及びヨウ化テトラブチルアンモニウム0.011g(0.03ミリモル)を加え、反応混合物を16時間攪拌した。懸濁液をろ過しそして残留物をエーテル中で摩砕した。真空中で乾燥すると、5−クロロ−3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン0.29g(87%)を、黄色固体、融点167〜170℃、として得た。
【0086】
実施例8
3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−モルホリン−4−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
5−クロロ−3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン0.1g(0.22ミリモル)を、オートクレーブ中のモルホリン(5ml)に溶解しそして150℃に16時間加熱した。残留物を水中で摩砕し、そうすると沈殿が生成し、これを単離しそして真空中で乾燥した。3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−モルホリン−4−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン0.074g(66%)を、黄色固体、融点126〜128℃、として得た。
【0087】
実施例9
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−モルホリン−4−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−モルホリン−4−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン0.065g(0.13ミリモル)を、5NHCl(2ml)により90℃で1.5時間処理した。反応混合物を濃縮し、水(3ml)中に取り、そして水酸化アンモニウム(25%)によりpH10に調節し、そうすると沈殿が生成した。沈殿をろ過しそして結晶を熱エタノール中で摩砕した。真空中で乾燥した後、2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−モルホリン−4−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン0036g(61%)を、黄色固体、融点260〜262℃、として得た。
【0088】
実施例10
3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−ピロリジン−1−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
5−クロロ−3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン0.1g(0.22ミリモル)を、オートクレーブ中のピロリジン(5ml)に溶解しそして130℃に16時間加熱した。残留物を水中で摩砕し、そうすると沈殿が生成し、これを単離しそして真空中で乾燥した。3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−ピロリジン−4−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン0.08g(74%)を、融点120〜130℃の黄色固体として得た。
【0089】
実施例11
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−ピロリジン−1−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン
3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−モルホリン−4−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン0.07g(0.15ミリモル)を、5NHCl(2ml)により90℃で1.5時間処理した。反応混合物を濃縮し、水(3ml)中に取りそして水酸化アンモニウム(25%)によりpH10に調節し、それにより沈殿が生成した。沈殿をろ過しそして結晶を熱エタノール中で摩砕した。真空中で乾燥した後、2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−ピロリジン−4−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン0.025g(39%)を、黄色固体、融点264〜268℃、として得た。
【0090】
実施例12
[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]−ジメチル−アミン
5−クロロ−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン0.03g(0.07ミリモル)をオートクレーブ中のジメチルアミン(5ml)に溶解しそして200℃に16時間加熱した。残留物を水中で摩砕し、それにより沈殿が生成し、これを単離しそして真空中で乾燥した。[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]−ジメチル−アミン0.08g(29%)を、褐色固体、融点120〜130℃、として得た。
【0091】
実施例13
1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]−ピペリジン−4−オール
5−クロロ−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(0.05g)(0.11ミリモル)、4−ヒドロキシピペリジン0.034g(0.34ミリモル)、DMAP1mg及びヒューニッヒ塩基(Huenigs base)0.4ml(2.2ミリモル)をNMP(1ml)に溶解した。120℃で72時間攪拌した後、反応混合物を濃縮しそして残留物を水中に取り込んだ。沈殿が生成し、これをろ過しそして真空中で乾燥して、1−[3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]−ピペリジン−4−オール0.04g(70%)を、淡褐色固体、融点120〜130℃、として得た。
【0092】
1−[3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]−ピペリジン−4−オール0.035g(0.07ミリモル)を、5NHCl(1ml)により90℃で0.5時間処理した。反応混合物を濃縮し、水(1ml)中に取りそして水酸化アンモニウム(25%)によりpH10に調節し、それにより沈殿が生成した。沈殿をろ過しそして結晶を熱エタノール中で摩砕した。真空中で乾燥した後、1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]−ピペリジン−4−オール 0.018g(56%)を、黄色固体、融点228〜230℃、として得た。
【0093】
実施例14
[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]−メチル−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−アミン
5−クロロ−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン(0.08g)(0.18ミリモル)、4−(メチルアミノ)−メチル−テトラヒドロ−ピラン0.180g(1.08ミリモル)、DMAP1mg及びHeuniggs塩基1.24ml(7.2ミリモル)をNMP(1ml)に溶解した。150℃で42時間攪拌した後、反応混合物を濃縮しそして残留物を水中に取り込んだ。沈殿が生成し、これをろ過しそして熱エタノールから結晶化させた。真空中で乾燥した後、[3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]−メチル−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−アミン0.035g(36%)を、褐色油、MS(ISP):m/e=539(M+H)として得た。
【0094】
[3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]−メチル−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−アミン0.03g(0.056ミリモル)を、5NHCl(1ml)により90℃で0.5時間処理した。反応混合物を濃縮し、水(1ml)中に取りそして水酸化アンモニウム(25%)によりpH10に調節し、それにより沈殿が生成した。沈殿をろ過しそして結晶を水で洗浄した。真空中で乾燥した後、[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]−メチル−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−アミン0.015g(55%)を、黄色固体、融点190〜195℃、として得た。
【0095】
実施例15
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール
DMF1ml中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸0.20g及び1,1′−カルボニル−ジイミダゾール0.125gを室温で1時間攪拌した。2−アミノアセトフェノン塩酸塩0.13g及びトリエチルアミン0.08gを加えそして攪拌を室温で2日間続けた。水200mlを加えそして混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル/ヘキサン4:6によるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸(2−オキソ−2−フェニル−エチル)−アミド0.189g(64%)を、黄色固体、融点197〜200℃、MS(ISP):m/e=412(M+H)、として得た。
【0096】
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸(2−オキソ−2−フェニル−エチル)−アミド0.18g及びトリフルオロ酢酸アンモニウム0.57gの混合物を165℃で40分間溶融し、そして室温に冷却した後、水に懸濁させた。ジクロロメタンによる抽出及び酢酸エチル/ヘキサン1:2によるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール0.07g(41%)を、黄色固体、融点226〜233℃、MS(ISP):m/e=393(M+H)として得た。
【0097】
実施例16
2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール
DMF6ml中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸0.35g及び1,1′−カルボニル−ジイミダゾール0.22gを室温で4時間攪拌した。2−アミノ−1−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−エタノン塩酸塩0.30g及びトリエチルアミン0.18gを加えそして攪拌を室温で一夜続けた。水100mlを加えそして混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル/ヘキサン1:1によるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸[2−(2,3−−ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−2−オキソ−エチル]−アミド0.28g(50%)を、黄色固体、融点206〜208℃、MS(ISP):m/e=470(M+H)、として得た。
【0098】
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸[2−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−2−オキソ−エチル]−アミド0.19g及びトリフルオロ酢酸アンモニウム0.54gの混合物を175℃で45分間溶融し、そして室温に冷却した後、水に懸濁させた。ジクロロメタンによる抽出及び酢酸エチル/ヘキサン6:4によるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって、2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール0.13g(71%)を、黄色固体、融点235〜237℃、MS(ISP):m/e=451(M+H)、として得た。
【0099】
実施例17
2−(5−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−1H−イミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール
DMF6ml中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸0.30g及び1,1′−カルボニル−ジイミダゾール0.19gを室温で4時間攪拌した。2−アミノ−1−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−エタノン塩酸塩0.26g及びトリエチルアミン0.16mlを加えそして攪拌を室温で2日間続けた。水100mlを加えそして混合物を酢酸エチルで抽出した。沈殿をろ過して、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸(2−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル)−2−オキソ−エチル)−アミド0.21g(44%)を、黄色固体、融点256〜258℃、MS(ISP):m/e=468(M+H)、として得た。
【0100】
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸(2−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−2−オキソ−エチル)−アミド0.15g及びトリフルオロ酢酸アンモニウム0.43gの混合物を210℃で30分間溶融し、そして室温に冷却した後、水に懸濁させた。ジクロロメタンによる抽出及び酢酸エチル/ヘキサン1:1によるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって、2−(5−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−1H−イミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール0.10g(69%)を、黄色固体、融点161〜162℃、MS(ISP):m/e=449(M+H)、として得た。
【0101】
実施例18
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−チオフェン−2−イル−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール
DMF40ml中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸0.40g及び1,1′−カルボニル−ジイミダゾール0.25gを室温で1.5時間攪拌した。2−アミノ−1−(2−チエニル)エタノン塩酸塩0.27g及びトリエチルアミン0.15gを加えそして攪拌を室温で一夜続けた。水350mlを加えそして混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル/ヘキサン4:6によるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸(2−オキソ−2−チオフェン−2−イル−エチル)−アミド0.25g(43%)を、黄色固体、MS(ISP):m/e=418(M+H)、として得た。
【0102】
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸(2−オキソ−2−チオフェン−2−イル−エチル)−アミド0.10g及びトリフルオロ酢酸アンモニウム0.32gの混合物を165℃で60分間溶融し、そして室温に冷却した後、水に懸濁させた。ジクロロメタンによる抽出及び酢酸エチル/ヘキサン1:1によるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−チオフェン−2−イル−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール0.02g(25%)を、黄色固体、MS(ISP):m/e=399(M+H)、として得た。
【0103】
実施例19
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−チオフェン−3−イル−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール
DMF40ml中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸0.40g及び1,1′−カルボニル−ジイミダゾール0.25gを室温で1.5時間攪拌した。2−アミノ−1−(2−チエニル)エタノン塩酸塩0.27g及びトリエチルアミン0.15gを加えそして攪拌を室温で一夜続けた。水350mlを加えそして混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル/ヘキサン4:6によるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸(2−オキソ−2−チオフェン−3−イル−エチル)−アミド0.20g(35%)を、黄色固体、MS(ISP):m/e=418(M+H)、として得た。
【0104】
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸(2−オキソ−2−チオフェン−3−イル−エチル)−アミド0.10g及びトリフルオロ酢酸アンモニウム0.32gの混合物を170℃で50分間溶融し、そして室温に冷却した後、水に懸濁させた。ジクロロメタンによる抽出及び酢酸エチル/ヘキサン1:1によるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−チオフェン−3−イル−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール0.06g(59%)を、黄色固体、MS(ISP):m/e=399(M+H)、として得た。
【0105】
実施例20
4−メトキシ−2−[5−(3−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール
トリクロロメタン20ml中の2−ブロモアセチル−3−メチル−ベンゾチオフェン1.11g及びヘキサメチレンテトラミン0.56gを室温で16時間攪拌した。ジエチルエーテル15mlを加えた後、混合物をろ過した。固体残留物をメタノール15ml及び濃塩酸1.9mlの混合物中で室温にて3時間攪拌した。溶媒を留去しそして残留物を水から再結晶させて、2−アミノ−1−(3−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−エタノン塩酸塩0.90g(93%)を、オフホワイトな固体、MS(EI):m/e=205(M,40%)、175(M−CH2NH2,100%)。147(M−COCH2NH2、20%)、として得た。
【0106】
DMF18ml中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸0.30g及び1,1′−カルボニル−ジイミダゾール0.19gを室温で4時間攪拌した。2−アミノ−1−(3−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−エタノン塩酸塩0.27g及びトリエチルアミン0.16mlを加え、そして攪拌を室温で2日間続けた。水を加えそして混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル/ヘキサン4:6によるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸[2−(3−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソ−エチル]−アミド0.12g(23%)を、黄色固体、融点186〜187℃、MS(ISP):m/e=482(M+H)、として得た。
【0107】
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸[2−(3−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−2−オキソ−エチル]−アミド0.16g及びトリフルオロ酢酸アンモニウム0.44gの混合物を180℃で45分間溶融し、そして室温に冷却した後、水に懸濁させた。ジクロロメタンによる抽出及び酢酸エチル/ヘキサン1:1によるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって、4−メトキシ−2−[5−(3−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール0.08g(51%)を、黄色固体、融点213〜215℃、MS(ISP):m/e=463(M+H)、として得た。
【0108】
実施例21
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−チオフェン−2−イルメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール
DMF150ml中の2−チオフェン酢酸19.6g及び1,1′−カルボニル−ジイミダゾール24.8gを0〜4℃で4時間攪拌した。イソシアノ酢酸メチル14.2mlを加え、攪拌を室温で一夜続けた。水を加え、混合物を酢酸エチルにより抽出した。酢酸エチル/ヘキサン4:6によるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより、5−チオフェン−2−イルメチル−オキサゾール−4−カルボン酸メチルエステル2.01g(7%)を、黄色固体、MS(EI):m/e=223(M16%)、191(M−CH2OH,100%)、163(10%)、136(20%、として得た。
【0109】
5−チオフェン−2−イルメチル−オキサゾール−4−カルボン酸メチルエステル2.23gを6N塩酸80ml中に懸濁させ、95℃で5時間攪拌した。溶媒を真空下に30℃で除去し、残留物を酢酸エチル中に懸濁させ、ろ過し、乾燥して、1−アミノ−3−チオフェン−2−イル−プロパン−2−オン塩酸塩1.52g(79%)、MS(ISP):m/e=156(M+H)、を得た。
【0110】
DMF11ml中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸0.41g及び1,1′−カルボニル−ジイミダゾール0.14gを室温で16時間攪拌した。1−アミノ−3−チオフェン−2−イル−プロパン−2−オン塩酸塩0.16g及びトリエチルアミン0.23mlを加え、攪拌を室温で2日間続けた。水を加えそして混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル/ヘキサン3:7〜7:3によるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸(2−オキソ−3−チオフェン−2−イル−プロピル)−アミド0.06g(18%)を、黄色固体、MS(ISP):m/e=432(M+H)、として得た。
【0111】
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸(2−オキソ−3−チオフェン−2−イル−プロピル)−アミド0.04g及びトリフルオロ酢酸アンモニウム0.13gの混合物を、165℃で60分間溶融し、そして室温に冷却した後、水に懸濁させた。ジクロロメタンによる抽出及び酢酸エチル/ヘキサン1:1によるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−チオフェン−2−イルメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール0.005g(13%)を黄色固体、MS(ISP):m/e=413(M+H)、として得た。
【0112】
実施例22
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール
ジメチルホルムアミド360ml中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸6.00g及び1,1′−カルボニル−ジイミダゾール3.75gを室温で16時間攪拌した。2−アミノ−シクロヘキサノン塩酸塩3.36g及びトリエチルアミン3.14mlを加え、攪拌を室温で一夜続けた。水を加えそして混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル/ヘキサン1:1によるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸(2−オキソ−シクロヘキシル)−アミド0.16g(2%)を、黄色固体、融点195〜197℃、MS(ISP):m/e=390(M+H)、として得た。
【0113】
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸(2−オキソ−シクロヘキシル)−アミド0.10g及びトリフルオロ酢酸アンモニウム0.34gの混合物を、165℃で50分間溶融し、そして室温に冷却した後、水に懸濁させた。ジクロロメタンによる抽出及び酢酸エチル/ヘキサン6:4によるシリカゲルでのクロマトグラフィーによって、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール0.04g(39%)を、淡褐色固体、MS(ISP):m/e=371(M+H)、として得た。
【0114】
実施例23
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル(3,4,6,7−テトラヒドロ−ピラノ[3,4−d]イミダゾール
シュウ酸ジエチル139ml(1015ミリモル)を120℃に加熱した。2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニルアミン30.3g(145ミリモル)を少量ずつ非常に注意深く加え、混合物を180℃で90分間加熱した。室温に冷却しそしてろ過した後、n−ヘキサン1.5lを加えた。得られる沈殿をろ過により集めた。ヘキサンにより洗浄しそして乾燥した後、N−(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−オキサミン酸エチルエステル34.4g(77%)を、緑色がかった結晶、融点95〜97℃、MSm/e(%):309(M+H,100)、として得た。
【0115】
沸騰キシレン652ml中のN−(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−オキサラミック酸エチルエステル33.9g(110ミリモル)に、五硫化リン8.80g(40ミリモル)を30分間にわたり少量ずつ加えた。混合物を5時間還流し、室温に冷却しそしてろ過した。溶液を1NNaOH100mlで7回抽出した。水性相をトルエン100mlで2回洗浄し、ろ過し、そしてpH1に達するまで濃塩酸で0〜5℃で処理した。沈殿をろ過して、(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−チオキソ酢酸20.2g(62%)を、黄色結晶、融点156〜158℃、MSm/e(%):297(M+H,100)として得た。
【0116】
1NNaOH248ml(248ミリモル)中の(2−メトキシ−5−モルホリン−4−イル−フェニルアミノ)−チオキソ酢酸10.5g(35.4ミリモル)の溶液を、水119ml中のフェリシアン化カリウム40.1g(119ミリモル)の溶液に、温度が10℃を超えないような速度で、1滴ずつ加えた。混合物を10℃で3時間攪拌し、そしてpH1に達するまで濃塩酸を加えた。沈殿をろ過しそして乾燥して、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸8.80g(84%)を、黄色結晶、融点99〜100℃、MSm/e(%):295(M+H,100)、として得た。
【0117】
DMF30ml中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸3.51g及び1,1′−カルボニル−ジイミダゾール1.78gの懸濁液を室温で18時間攪拌した。水酸化アンモニウム(水中25%)0.8mlを加え、攪拌を5時間続けた。水/酢酸エチルにより抽出しそしてジクロロメタンから結晶化させて、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸アミド1.17g(40%)を、黄色固体、融点228〜231℃、MS(ISP):m/e=294(M+H)、として得た。
【0118】
ピリジン95ml中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸アミド4.67g及びイミダゾール2.18gの溶液に、オキシ塩化リン5.95mlを0℃で加えた。5時間後、冷たい溶液を酢酸エチルで希釈し、水で抽出した。有機溶液を硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を留去して、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボニトリル3.94gを、黄色固体、融点145〜147℃、MS(ISP):m/e=276(M+H)、として得た。
【0119】
ピリジン13ml中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボニトリル0.50g及びトリエチルアミン5.46mlを、硫化水素約5mlと共に室温で4時間攪拌した。溶媒及び過剰の硫化水素を除去しそして残留物を酢酸エチル/ヘプタン1:1によるシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけて、4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボチオ酸アミド0.49g(87%)、融点238℃、MS(ISP):m/e=310(M+H)、を得た。
【0120】
テトラヒドロフラン56ml中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボチオ酸アミド0.56gを、ヨウ化メタン11.3mlと50℃で4時間反応させた。すべての揮発性成分を真空下に留去し、そして残留物をテトラヒドロフラン60ml中の4,4−ジエトキシ−テトラヒドロ−ピラン−3−イルアミン1.03gの溶液に溶解した。混合物を50℃で一夜攪拌し、溶媒を留去しそして残留物を塩酸98ml中に懸濁させ(〜20%)、室温で3時間攪拌した。ジクロロメタンで抽出しそしてpH=8にpHを調節した後第2抽出を行い、次いでジクロロメタン/メタノール95:5を使用するシリカゲルでのクロマトグラフィー、次いでジクロロメタン/メタノール98:2を使用する酸化アルミニウムでのクロマトグラフィーによって、2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3,4,6,7−テトラヒドロ−ピラノ[3,4−d]イミダゾール0.06g(9%)、融点203〜204℃、MS(ISP):m/e=373(M+H)、を得た。
【0121】
実施例24
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル
ジクロロメタン420ml中の2,3,6,7−テトラヒドロ−アゼピン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル16.4gの攪拌された溶液に、m−クロロ過安息香酸35.8g(70%純度)を−60℃で加えた。混合物を一夜室温にゆっくりと加温し、酢酸エチル1lを加え、溶液を水性炭酸水素ナトリウム、1N水性水酸化ナトリウム及びブラインにより抽出した。溶媒を蒸発させそしてクロマトグラフィーにより、8−オキサ−4−アザ−ビシクロ[5.1.0]オクタン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル14.5g(82%)を、無色の液体、MS(EI):m/e=213(M、5%)、158(22%)、140(12%)、57(100%)、として得た。
【0122】
エタノール750ml中の8−オキサ−4−アザ−ビシクロ[5.1.0]オクタン−4−カルボン酸tert−ブチルエステル14.3gの溶液に、水150ml、塩化アンモニウム35.8g及びアジ化ナトリウム43.6gを加えた。混合物を75℃で一夜攪拌し、溶媒を真空下に蒸留により多量に除去し、残留物をエタノール中に懸濁させそしてろ過した。エタノールを留去し、残留物を酢酸エチルに懸濁させそしてろ過した。溶媒を除去しそして酢酸エチル/ヘキサン1:1によるシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけて、4−アジド−5−ヒドロキシ−アゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル13.5g(79%)を、粘性油、MS(ISP):m/e=257(M+H)、として得た。
【0123】
メタノール51ml中の4−アジド−5−ヒドロキシ−アゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル6.54gをパラジウム担持炭(10%)0.6gの存在下に水素化して、4−アミノ−5−ヒドロキシ−アゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル5.85g(定量)を粘性油、MS(ISP):m/e=231(M+H)、として得た。
【0124】
ジメチルホルムアミド25ml中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸0.50g及び1,1′−カルボニル−ジイミダゾール0.31gを室温で16時間攪拌した。4−アミノ−5−ヒドロキシ−アゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.43gを加え、攪拌を室温で16時間続けた。水を加えそして混合物を酢酸エチルで抽出した。ジクロロメタン/メタノール98:2によるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより、4−ヒドロキシ−5−[(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−アゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.68g(79%)を、黄色固体、融点71〜73℃、MS(ISP):m/e=507(M+H)、として得た。
【0125】
ジメチルスルホキシド10ml中の4−ヒドロキシ−5−[(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−アゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.56gの溶液に、トリエチルアミン0.93ml、ジクロロメタン10ml、及びジメチルスルホキシド8ml中の三酸化硫黄ピリジン錯体0.58gの溶液を加えた。混合物を室温で18時間攪拌した。水/酢酸エチルにより抽出しそしてジクロロメタン/メタノール97:3によるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより、4−[(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−5−オキソ−アゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.49g(87%)を、黄色固体、融点95〜97℃、MS(ISP):m/e=505(M+H)、として得た。
【0126】
4−[(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボニル)−アミノ]−5−オキソ−アゼパン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル0.15g及び酢酸アンモニウム0.46gの混合物を120℃で3時間溶融し、そして室温に冷却した後、水と飽和水性炭酸水素ナトリウムの1:1混合物中に懸濁させた。ジクロロメタンで抽出しそしてジクロロメタン/メタノール98:2によるシリカゲルでのクロマトグラフィーにより、2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル0.10g(72%)を、黄色固体、融点142〜144℃、MS(ISP):m/e=486(M+H)、として得た。
【0127】
実施例25
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン塩酸塩
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル1.70gをメタノール中の塩化水素の7.7モル溶液130ml中に溶解した。室温で攪拌した後、溶媒を留去しそして残留物をエタノールから再結晶して、2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン塩酸塩1.01g(68%)を、黄色固体、融点267〜269℃、MS(ISP):m/e=386(M+H)、として得た。
【0128】
実施例26
(4−フルオロ−フェニル)−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−メタノン
テトラヒドロフラン3ml中の2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン塩酸塩0.037gの懸濁液に、N−エチルジイソプロピルアミン0.06ml及び4−フルオロベンゾイルクロリド0.01μlを0〜4℃で加えた。混合物を17時間還流し、シリカゲルを加えそして溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルを予め充填したカラムに移しそしてジクロロメタン/メタノール96:4を使用してクロマトグラフィーにかけて、(4−フルオロ−フェニル)−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−メタノン0.022g(49%)を、黄色固体、融点205〜207℃、MS(ISP):m/e=506(M−H)、として得た。
【0129】
実施例27
1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−エタノン
テトラヒドロフラン3ml中の2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン塩酸塩0.037gの懸濁液に、N−エチルジイソプロピルアミン0.06ml及び塩化アセチル0.007mlを0〜4℃で加えた。混合物を17時間還流し、シリカゲルを加えそして溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルを予め充填したカラムに移し、そしてジクロロメタン/メタノール96:4を使用してクロマトグラフィーにかけて、1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−エタノン0.028g(74%)を、黄色固体、融点195〜197℃、MS(ISP):m/e=428(M+H)、として得た。
【0130】
実施例28
[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−o−トリル−メタノン
テトラヒドロフラン3.4ml中の2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン塩酸塩0.04gの懸濁液に、N−エチルジイソプロピルアミン0.07ml及びo−トルオイルクロリド0.017gを0〜4℃で加えた。混合物を17時間還流し、シリカゲルを加えそして溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルを予め充填したカラムに移しそしてジクロロメタン/メタノール96:4を使用してクロマトグラフィーにかけて[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−o−トリル−メタノン0.047g(94%)を、黄色固体、融点194〜196℃、MS(ISP):m/e=504(M+H)、として得た。
【0131】
実施例29
1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−2,2−ジメチル−プロパン−1−オン
テトラヒドロフラン3.4ml中の2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン塩酸塩0.04gの懸濁液に、N−エチルジイソプロピルアミン0.07ml及び塩化ピバロイル0.014gを0〜4℃で加えた。混合物を17時間還流し、シリカゲルを加えそして溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルを予め充填したカラムに移しそしてジクロロメタン/メタノール96:4を使用してクロマトグラフィーにかけて、1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−2,2−ジメチル−プロパン−1−オン0.047g(88%)を、黄色固体、MS(ISP):m/e=470(M+H)、として得た。
【0132】
実施例30
シクロプロピル−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−メタノン
テトラヒドロフラン3.4ml中の2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン塩酸塩0.04gの懸濁液に、N−エチルジイソプロピルアミン0.07ml及びシクロプロパンカルボニルクロリド0.012gを0〜4℃で加えた。混合物を17時間還流し、シリカゲルを加えそして溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルを予め充填したカラムに移しそしてジクロロメタン/メタノール96:4を使用してクロマトグラフィーにかけて、シクロプロピル−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−メタノン0.04g(90%)を、黄色固体、MS(ISP):m/e=454(M+H)、として得た。
【0133】
実施例31
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−カルボン酸ジメチルアミド
テトラヒドロフラン3.4ml中の2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン塩酸塩0.04gの懸濁液に、N−エチルジイソプロピルアミン0.07ml及びジメチルカルバモイルクロリド0.012gを0〜4℃で加えた。混合物を17時間還流し、シリカゲルを加えそして溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルを予め充填したカラムに移しそしてジクロロメタン/メタノール96:4を使用してクロマトグラフィーにかけて、2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−カルボン酸ジメチルアミド0.04g(92%)を、黄色固体、MS(ISP):m/e=457(M+H)、として得た。
【0134】
実施例32
2−メトキシ−1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−エタノン
テトラヒドロフラン10ml中の2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン塩酸塩0.13gの懸濁液に、N−エチルジイソプロピルアミン0.21ml及びメトキシアセチルクロリド0.037gを0〜4℃で加えた。混合物を17時間還流し、シリカゲルを加えそして溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルを予め充填したカラムに移しそしてジクロロメタン/メタノール96:4を使用してクロマトグラフィーにかけて、2−メトキシ−1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−エタノン0.126g(91%)を、黄色固体、MS(ISP):m/e=458(M+H)、として得た。
【0135】
実施例33
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル
テトラヒドロフラン3.4ml中の2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン塩酸塩0.04gの懸濁液に、N−エチルジイソプロピルアミン0.07ml及びエチルクロロホルメート0.011gを0〜4℃で加えた。混合物を17時間還流し、シリカゲルを加えそして溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルを予め充填したカラムに移しそしてジクロロメタン/メタノール96:4を使用してクロマトグラフィーにかけて、2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル0.028g(62%)を、黄色固体、MS(ISP):m/e=458(M+H)、として得た。
【0136】
実施例34
6−メタンスルホニル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン
テトラヒドロフラン3.4ml中の2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン塩酸塩0.04gの懸濁液に、N−エチルジイソプロピルアミン0.07ml及びメタンスルホニルクロリド0.009mlを0〜4℃で加えた。混合物を17時間還流し、シリカゲルを加えそして溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルを予め充填したカラムに移しそしてジクロロメタン/メタノール96:4を使用してクロマトグラフィーにかけて、6−メタンスルホニル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン0.015g(32%)を、黄色固体、MS(ISP):m/e=464(M+H)、として得た。
【0137】
実施例35
6−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン
テトラヒドロフラン5ml中の2−メトキシ−1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−エタノン0.09gを、水素化リチウムアルミニウム溶液(テトラヒドロフラン中の1M)0.2mlと室温で一夜反応させた。酢酸エチル5mlを加え、続いて水5mlを0〜5℃で加えた。酢酸エチルにより抽出しそしてジクロロメタン/メタノール96:4を使用してシリカゲルでのクロマトグラフィーにかけて、6−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン0.047g(53%)を、黄色固体、MS(ISP):m/e=444(M+H)、として得た。
【0138】
実施例36
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3,4,6,7−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル
テトラヒドロフラン100ml中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボチオ酸アミド1.00g及びヨウ化メタン20.3mlを、室温で3日間攪拌した。得られる沈殿をろ過して4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボキシミドチオ酸メチルエステルヨウ化水素酸塩0.74g(51%)、融点169〜171℃、MS(ISP):m/e=324(M+H)、を得た。
【0139】
テトラヒドロフラン33ml中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボキシミドチオ酸メチルエステルヨウ化水素酸塩0.50gの懸濁液に、3−アミノ−4,4−ジエトキシ−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル1.34gを加え、混合物を室温で2日間攪拌した。次いで、三フッ化ホウ素エーテラート0.2mlを加え、そして溶媒を真空下に留去した。再び、三フッ化ホウ素エーテラート0.2mlを加えそして混合物をジメチルホルムアミド30mlに溶解しそして125℃で10分間加熱した。溶媒を留去しそして残留物をジクロロメタン中に溶解しそして水で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、溶媒を蒸発させた。酢酸エチル:ヘキサン1:1によるシリカゲルでのクロマトグラフィー、次いで酢酸エチル:ヘキサン1:1による酸化アルミニウムでのクロマトグラフィーにより、2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3,4,6,7−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル0.18g(35%)を、無定形固体、MS(ISP):m/e=472(M+H)、として得た。
【0140】
実施例37
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン塩酸塩
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3,4,6,7−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル0.08gをメタノール中の塩化水素の7.7モル溶液13mlに溶解した。室温で2日間攪拌した後、溶媒を留去し、トルエンを加え、留去し、そして残留物をエタノール中に懸濁させそしてろ過して、2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン塩酸塩0.056g(81%)を、黄色固体、融点268〜271℃、MS(ISP):m/e=372(M+H)、として得た。
【0141】
実施例38
[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル]−o−トリル−メタノン
テトラヒドロフラン0.8ml中の2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン塩酸塩0.01gの懸濁液に、N−エチルジイソプロピルアミン0.02ml及びo−トルオイルクロリド0.004mlを0〜4℃で加えた。混合物を一夜還流し、シリカゲルを加えそして溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルを予め充填したカラムに移しそして酢酸エチル/メタノール98:2を使用してクロマトグラフィーにかけて、[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル]−o−トリル−メタノン0.006g(50%)を、黄色固体、MS(ISP):m/e=490(M+H)、として得た。
【0142】
実施例39
1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル]−エタノン
テトラヒドロフラン0.8ml中の2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン塩酸塩0.01gの懸濁液に、テトラヒドロフラン0.25ml中のN−エチルジイソプロピルアミン0.02ml及び塩化アセチル0.002mlを0〜4℃で加えた。混合物を一夜還流し、シリカゲルを加えそして溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルを予め充填したカラムに移しそして酢酸エチル/メタノール95:5を使用してクロマトグラフィーにかけて、1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル]−エタノン0.009g(89%)を、黄色固体、融点155〜157℃、MS(ISP):m/e=414(M+H)、として得た。
【0143】
実施例40
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
テトラヒドロフラン0.8ml中の2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン塩酸塩0.01gの懸濁液に、テトラヒドロフラン0.26ml中のN−エチルジイソプロピルアミン0.06ml及びクロロギ酸エチル0.003mlを0〜4℃で加えた。混合物を一夜還流し、追加のN−エチルジイソプロピルアミン0.06ml及びクロロギ酸エチル0.05mlを加えそして加熱を4時間続けた。ベンジルアミン0.015mlを加えそして混合物を80℃で1時間保った。シリカゲルを加え、溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルを予め充填したカラムに移しそして酢酸エチルを使用してクロマトグラフィーにかけた。最初に酢酸エチル/ヘキサン1:1を使用し、次いで酢酸エチル/メタノール9:1を使用して第2クロマトグラフィーにかけて、2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル0.003g(25%)を、黄色固体、MS(ISP):m/e=444(M+H)、として得た。
【0144】
実施例41
(2−クロロメチル−ピリジン−4−イル)−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−メタノン
テトラヒドロフラン3.4ml中の2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン塩酸塩0.04gの懸濁液に、N−エチルジイソプロピルアミン0.09ml及び2−クロロメチル−イソニコチノイルクロリド塩酸塩0.017gを0〜4℃で加えた。混合物を17時間還流し、シリカゲルを加え、溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルを予め充填したカラムに移しそしてジクロロメタン/メタノール96:4を使用してクロマトグラフィーにかけて、(2−クロロメチル−ピリジン−4−イル)−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−メタノン0.037g(68%)を、黄色固体、MS(ISP):m/e=540(M+H)、として得た。
【0145】
実施例42
[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−(2−ピロリジン−1−イルメチル−ピリジン−4−イル)−メタノン
ピロリジン1ml中の(2−クロロメチル−ピリジン−4−イル)−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−メタノン0.03gの溶液を40℃で18時間攪拌した。ピロリジンを留去しそして残留物をジクロロメタン/メタノール95:5を使用してクロマトグラフィーにかけて、[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−(2−ピロリジン−1−イルメチル−ピリジン−4−イル)−メタノン0.018g(61%)を、黄色固体、MS(ISP):m/e=574(M+H)、として得た。
【0146】
実施例43
[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−(2−
メチル−ピリジン−4−イル)−メタノン
テトラヒドロフラン3.5ml中の2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン塩酸塩0.04gの懸濁液に、N−エチルジイソプロピルアミン0.37ml及び2−メチル−イソニコチノイルクロリド塩酸塩0.19mgを0〜4℃で加えた。混合物を17時間還流し、シリカゲルを加え、溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルを予め充填したカラムに移しそして酢酸エチル/メタノール9:1を使用してクロマトグラフィーにかけて、[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−(2−メチル−ピリジン−4−イル)−メタノン0.025g(50%)を、黄色固体、MS(ISP):m/e=505(M+H)、として得た。
【0147】
実施例44
5−ベンジル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン
テトラヒドロフラン1.8ml中の4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−カルボキシミドチオ酸メチルエステルヨウ化水素酸塩0.04gの懸濁液に、テトラヒドロフラン1.8ml中の1−ベンジル−4,4−ジエトキシ−ピペリジン−3−イルアミン0.1gを加え、混合物を室温で16時間攪拌した。次いで、三フッ化ホウ素エーテラート0.015mlを加え、溶媒を真空下に留去した。再び、三フッ化ホウ素エーテラート0.015mlを加え、混合物をジメチルホルムアミド1.5mlに溶解しそして125℃で15分間加熱した。溶媒を留去し、残留物をジクロロメタンに溶解しそして水で抽出した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥し、ろ過し、溶媒を蒸発させた。酢酸エチル/ヘプタン1:1〜2:1を使用するシリカゲルでのクロマトグラフィーにより、5−ベンジル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−3H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン0.4mg(1%)を、無定形固体、m/e=462(M+H)、として得た。
【0148】
実施例45
2−(1H−イミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−ベンゾチアゾール
トリフルオロ−メタンスルホン酸3,6−ジヒドロ−2H−ピラン−4−イルエステル2.0g(8.6ミリモル)及び2−(4−メトキシ−3−ニトロ−フェニル)−4,4,5,5−テトラメチル−[1,3,2]ジオキソボロラン[Tetrahedron 2001,57,5233]2.89g(10.3ミリモル)をトルエン(20ml)及びエタノール(50ml)の混合物に溶解した。ジクロロ(1,1′ビス−(ジフェニルホスフィン)フェロセン)パラジウム(II)ジクロロメタン0.35g(0.43ミリモル)を加え、85℃に加熱した。次いで水性炭酸ナトリウム(2M)(10ml)を加え、反応を85℃で45分間保った。周囲の温度に冷却した後、反応を酢酸エチル/水で抽出し、有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、濃縮した。シリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(n−ヘプタン/酢酸エチル4:1)により、4−(4−メトキシ−3−ニトロ−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピラン(66%)を、黄色固体、融点117〜120℃、として得た。
【0149】
4−(4−メトキシ−3−ニトロ−フェニル)−3,6−ジヒドロ−2H−ピラン1.3g(5.5ミリモル)を、エタノール(100ml)に溶解し、水素の雰囲気下にPd/C10%(0.065g)で16時間処理した。ろ過し、蒸発させそして残留物を乾燥した後、2−メトキシ−5−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−フェニルアミン0.82g(71%)を、オフホワイトな固体、融点102〜103℃、として得た。
【0150】
DMF15ml中のイミダゾール−2−カルボン酸0.351g(3.13ミリモル)の懸濁液に、CDI0.508g(3.13ミリモル)、トリエチルアミン0.43ml(3.13ミリモル)を加え、そして周囲の温度で1時間攪拌した。次いで混合物を30分間還流した。周囲の温度に冷却した後、2−メトキシ−5−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−フェニルアミン0.5g(2.4ミリモル)を加え、反応混合物を16時間加熱還流した。混合物を蒸発させ、残留物を水(40ml)中に取り、塩化メチレンで3回抽出した。一緒にした有機相を炭酸ナトリウム上で乾燥し、蒸発させ、残留物を熱酢酸エチル中で攪拌した。ろ過しそして乾燥した後、1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−メトキシ−5−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−フェニル]−アミド0.42g(57%)を、黄色固体、融点227〜228℃、として得た。
【0151】
1H−イミダゾール−2−カルボン酸[2−メトキシ−5−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル−フェニル]−アミド0.41g(1.36ミリモル)をトルエン(25.0ml)中に取り、Lawesson試薬1.65g(4.08ミリモル)で処理した。反応混合物を16時間加熱還流した。周囲の温度に冷却した後、水(25.0ml)を加え、混合物を塩化メチレンで3回抽出した。一緒にした有機相を炭酸ナトリウム上で乾燥し蒸発させ、残留物を高真空下に乾燥して、1H−イミダゾール−2−カルボチオ酸[2−メトキシ−5−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル−フェニル]−アミド0.179g(41%)を、黄色固体、融点189〜190℃、として得た。
【0152】
1H−イミダゾール−2−カルボチオ酸[2−メトキシ−5−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル−フェニル]−アミド0.085g(0.27ミリモル)を水(6.0ml)中に取り、KOH0.06g(1.07ミリモル)及びヘキサシアノ鉄酸カリウム0.331g(1.0ミリモル)により還流で16時間処理した。周囲の温度に冷却した後、水(10ml)を加え、反応混合物を塩化メチレンで抽出し、硫酸ナトリウム上で乾燥した。残留物を真空中40℃で乾燥した。2−(1H−イミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−(テトラヒドロ−ピラン−4−イル)−ベンゾチアゾール0.035g(41%)を、淡褐色固体、融点220〜224℃、として得た。
【0153】
実施例46
2−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−アセトアミド
アセトニトリル5ml中の2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン塩酸塩0.04gの懸濁液に、2−ブロモアセトアミド0.017mg、炭酸ナトリウム0.026mg及びヨウ化ナトリウム0.018mgを加えた。混合物を17時間還流し、シリカゲルを加え、溶媒を留去した。残留物を、シリカゲルを予め充填したカラムに移しそしてジクロロメタン/メタノール95:5を使用してクロマトグラフィーにかけた。生成物含有画分を、ジクロロメタン/メタノール95:5〜4:1を使用する酸化アルミニウムでのクロマトグラフィーにより更に精製して、2−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−アセトアミド0.015g(34%)を、黄色固体、融点299〜302℃、MS(ISP):m/e=443(M+H)、として得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式
【化1】


〔式中、
1は、フェニル又はN及び/若しくはO含有複素環であり、
2は、
【化2】


よりなる群から選ばれるイミダゾール又は環化イミダゾールであり、
3は、水素、フェニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル、ベンゾ[b]チオフェン−3−イル、3−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル又はチオフェン−2−イル−メチルであり、
4は、水素又は低級アルキルであり、
5は、水素、低級アルキル、ハロゲン、モルホリニル、−NR′R″、ピペリジニル、(場合によりこれらはヒドロキシで置換されている)であるか又はピロール−1−イルであり、
6は、水素、ベンジル又は−(CH2nO−低級アルキルであり、
7は、水素、−C(O)O−低級アルキル、−C(O)−C64−ハロゲン、−C(O)−C64−低級アルキル、−C(O)−低級アルキル、−C(O)−シクロアルキル、−C(O)−NR′R″、−C(O)−(CH2nO−低級アルキル、−S(O)2−低級アルキル、−(CH2nO−低級アルキル、−C(O)−ピリジン−4−イル(該環は、低級アルキル、ハロゲン−低級アルキルで又はピロール−1−イル−メチルで置換されていてもよい)であるか、又は−(CH2n−C(O)−NR′R″であり、
R′/R″は、互いに独立に、水素、低級アルキル又は−(CH2n −テトラヒドロピラン−4−イルであり、
Xは、−CH2−、−NR″′−又は−O−であり、
R″′は、水素、−C(O)−低級アルキル、−C(O)O−低級アルキル、−C(O)−C64CH3又はベンジルであり、
nは、1又は2である〕
で示される化合物及びその薬学的に許容されうる酸付加塩。
【請求項2】
式Ia
【化3】


(式中、
1は、フェニル又はN及び/若しくはO含有複素環であり、そして
3は、水素、フェニル、2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル、ベンゾ[b]チオフェン−3−イル、3−メチル−ベンゾ[b]チオフェン−2−イル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル又はチオフェン−2−イル−メチルである)
で示される請求項1に記載の化合物及びその薬学的に許容されうる酸付加塩。
【請求項3】
式Ib
【化4】


(式中、
1は、フェニル又はN及び/若しくはO含有複素環であり、そして
4は、水素又は低級アルキルである)
で示される請求項1に記載の化合物及びその薬学的に許容されうる酸付加塩。
【請求項4】
式Ic
【化5】


(式中、
1は、フェニル又はN及び/若しくはO含有複素環であり、
5は、水素、低級アルキル、ハロゲン、モルホリニル、−NR′R″、ピペリジニル、(これらはヒドロキシで場合により置換されている)であるか又はピロール−1−イルであり、
6は、水素、ベンジル又は−(CH2nO−低級アルキルである)
で示される請求項1に記載の化合物及びその薬学的に許容されうる酸付加塩。
【請求項5】
式Id
【化6】


(式中、
1は、フェニル又はN及び/若しくはO含有複素環であり、
Xは、−CH2−、−NR″′−又は−O−であり、
R″′は、水素、−C(O)−低級アルキル、−C(O)O−低級アルキル、−C(O)−C64CH3又はベンジルである)
で示される請求項1に記載の化合物及びその薬学的に許容されうる酸付加塩。
【請求項6】
式Ie
【化7】


(式中、
1は、フェニル又はN及び/若しくはO含有複素環であり、
7は、水素、−C(O)O−低級アルキル、−C(O)−C64−ハロゲン、−C(O)−C64−低級アルキル、−C(O)−低級アルキル、−C(O)−シクロアルキル、−C(O)−NR′R″、−C(O)−(CH2nO−低級アルキル、−S(O)2−低級アルキル、−(CH2nO−低級アルキル、−C(O)−ピリジン−4−イル(該環は、低級アルキル、ハロゲン−低級アルキルで又はピロール−1−イル−メチルで置換されていてもよい)であるか、又は−(CH2n−C(O)−NR′R″であり、
R′/R″は、互いに独立に、水素、低級アルキル又は−(CH2n −テトラヒドロピラン−4−イルである)
で示される請求項1に記載の化合物及びその薬学的に許容されうる酸付加塩。
【請求項7】
1がモルホリニルである、請求項1に記載の式Iで示される化合物。
【請求項8】
化合物が2−(1H−イミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール、
2−(1H−イミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−フェニル−ベンゾチアゾール、
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−フェニル−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール、
2−[4−(2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシン−6−イル)−1H−イミダゾール−2−イル]−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール、
2−(5−ベンゾ[b]チオフェン−3−イル−1H−イミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール、
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−チオフェン−2−イル−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール、
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−チオフェン−3−イル−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール又は
4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4−チオフェン−2−イルメチル−1H−イミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール
である、請求項2に記載の式Iaで示される化合物。
【請求項9】
化合物が、
2−(1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール、又は4−メトキシ−2−(1−メチル−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール、
である、請求項3に記載の式Ibで示される化合物。
【請求項10】
化合物が2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−メチル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、
5−クロロ−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、
5−クロロ−3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、
3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−モルホリン−4−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−モルホリン−4−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、
3−メトキシメチル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−ピロリジン−1−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−5−ピロリジン−1−イル−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン、
[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]−ジメチル−アミン、
1−[2−4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]−ピペリジン−4−オール又は
[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3H−イミダゾ[4,5−b]ピリジン−5−イル]−メチル−(テトラヒドロ−ピラン−4−イルメチル)−アミン
である、請求項4に記載の式Icで示される化合物。
【請求項11】
化合物が4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−2−(4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−ベンゾイミダゾール−2−イル)−ベンゾチアゾール、
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3,4,6,7−テトラヒドロ−ピラノ[3,4−d]イミダゾール、
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−3,4,6,7−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸tert−ブチルエステル、
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,6,7−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−c]ピリジン;ヒドロクロリド、
[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル]−o−トリル−メタノン、
1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−イル]−エタノン又は
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,6,7−テトラヒドロ−イミダゾ[4,5−c]ピリジン−5−カルボン酸エチルエステル
である、請求項5に記載の式Idで示される化合物。
【請求項12】
化合物が2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−カルボン酸tert−ブチルエステル、
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピンヒドロクロリド、
(4−フルオロ−フェニル)−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−メタノン、
1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−エタノン、
[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−o−トリル−メタノン、
1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−2,2−ジメチル−プロパン−1−オン、
シクロプロピル−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−メタノン、
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−カルボン酸ジメチルアミド、
2−メトキシ−1−[2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−イル]−エタノン、
2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−4,5,7,8−テトラヒドロ−1H−イミダゾ[4,5−d]アゼピン−6−カルボン酸エチルエステル、
6−メタンスルホニル−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン又は
6−(2−メトキシ−エチル)−2−(4−メトキシ−7−モルホリン−4−イル−ベンゾチアゾール−2−イル)−1,4,5,6,7,8−ヘキサヒドロ−イミダゾ[4,5−d]アゼピン
である、請求項6に記載の式Ieで示される化合物。
【請求項13】
a)式II
【化8】


で示される化合物を、K3FeCN6/KOHと反応させて、式Ia
【化9】


(式中、R1及びR3は請求項1で定義したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
b)式III
【化10】


で示される化合物を環化して、式Ia1
【化11】


(式中、R1及びR3は請求項1に記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
c)式IV
【化12】


で示される化合物を、K3FeCN6/KOHと反応させて、式Ib
【化13】


(式中、R1及びR4は請求項1で定義したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
d)式Ib2
【化14】


で示される化合物をメチル化して、式Ib1
【化15】


(式中、R1は請求項1で定義したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
e)式V
【化16】


で示される化合物を反応させて、式Ic1
【化17】


(式中、R1及びR5は請求項1に記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
f)式Ic2
【化18】


で示される化合物を、式 NHR′R″で示される化合物と反応させて、式Ic3
【化19】


(式中、R1及びR′/R″は請求項1に記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
g)式Ic2
【化20】


で示される化合物を、MOMCl/NaOHと反応させて、式Ic4
【化21】


(式中、R1は請求項1に記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
h)式Ic4
【化22】


で示される化合物を、式 HR5で示される化合物と反応させて、式Ic5
【化23】


(式中、R1及びR5は請求項に記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
i)式Ic5
【化24】


で示される化合物を、HClと反応させて、式Ic1
【化25】


(式中、R1及びR5は請求項1に記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
j)式VI
【化26】


で示される化合物を、HClと反応させて、式Id1
【化27】


(式中、R1は請求項1に記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
k)式VII
【化28】


で示される化合物を、DMF/BF3・Et2Oと反応させて、式Id2
【化29】


(式中、R1は請求項1に記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
l)式Id2
【化30】


で示される化合物を、HClと反応させて、式Id3
【化31】


(式中、R1は請求項1に記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
m)式VIII
【化32】


で示される化合物を、CH3COONH4と反応させて、式Ie1
【化33】


(式中、R1は請求項1に記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
n)式Ie1
【化34】


で示される化合物を、HClと反応させて、式Ie2
【化35】


(式中、R1は請求項1に記載したとおりである)
で示される化合物とするか、又は
所望により、得られた化合物を薬学的に許容されうる酸付加塩に転換する、
ことを含む、請求項1〜12のいずれか1項に記載の式Ia、Ib、Ic、Id及びIeで示される化合物を製造する方法。
【請求項14】
請求項13に記載の方法又は同等な方法により製造された、請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項15】
請求項1〜12のいずれか1項に記載の1つ以上の化合物及び薬学的に許容されうる賦形剤を含有する医薬。
【請求項16】
アデノシン受容体に関係した疾患の処置のための請求項15に記載の医薬。
【請求項17】
疾患の処置のための請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項18】
アデノシンA2A受容体に関係した疾患の処置のための対応する医薬を製造するための請求項1〜12のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項19】
本明細書に記載したとおりの発明。

【公表番号】特表2006−528215(P2006−528215A)
【公表日】平成18年12月14日(2006.12.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−529752(P2006−529752)
【出願日】平成16年5月6日(2004.5.6)
【国際出願番号】PCT/EP2004/004843
【国際公開番号】WO2004/101558
【国際公開日】平成16年11月25日(2004.11.25)
【出願人】(591003013)エフ.ホフマン−ラ ロシュ アーゲー (1,754)
【氏名又は名称原語表記】F. HOFFMANN−LA ROCHE AKTIENGESELLSCHAFT
【Fターム(参考)】