説明

アライメントシステム

磁気的穴探知装置は、GMRセンサ手段を含むテスト磁場検出器を備え、穴の位置特定位置に対して配置された第1および第2磁場検出器(GMRとしてもよい)を含むテスト磁場検出器を備えることができ、それら検出器が、磁気軸を有し、その各々が、穴の位置特定位置から検出器への半径に対して直角に配置される。装置は、地球または周囲磁場の補正を含むことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アライメントシステムに関し、特に、それに限られる訳ではないが、支持体の反対側から外板(skin)を貫通する穴を空けて、外板を支持体にリベットで留めるのを容易にするために、外板または被覆材の下方の支持体の穴の位置を特定するシステムであって、より詳細には、航空機構造において見られるようなシステムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
アラインメントは、現在のところ、磁気的に達成されている。磁石の一方の極は、その磁場が穴に位置合わせされるものであるが、テスト磁場を生成するように、穴の下方に配置されて、テスト磁場の磁力線が穴と、当然のことながら、外板を通り抜ける。そして、磁場検出器が、外板上に置かれて検出磁場を最大化するように配置される。
【0003】
国際公開WO2004/016380および米国特許第6927560号は、装置を開示している。この装置においては、ホール効果デバイスのアレイが外板でテスト磁場を検出し、穴に対するアレイの変位の提示を与えるために、そのデバイスの出力が分析され、その結果、提示される変位を最小化するようにアレイを動かすことができ、それによりアレイを穴に位置合わせすることができる。
【0004】
3から最大16のホール効果デバイスからなる対称アレイが記載されているが、デバイスが多くなる程、より精度が高いものとなる。
【0005】
上記装置は、下方の穴の位置が特定されるまで、外板の表面上を移動され、その後、ドリルガイドとして機能するように、吸引等により固定される。
【0006】
そのような装置は、10mmの対陰極、すなわち、10mmの直径の磁極により、最大22mmまでの穴の深さにおいて、±0.5mmの典型的な正確さで、穴の中心の位置を特定することができると主張されている。精度は、深さが増すほど、いくぶん低くなる。深さが増大すると、より強力な磁石、すなわち、より大きな磁石が使用される。しかしながら、地球磁場および局所磁場による異常が考慮されていないため、それら装置では完全なアライメントを達成することができなかった。また、異なる深さの穴について異なる磁石が使用されるため、オペレータにより誤った磁石が選択される可能性が常に存在し、それにより大きな誤差が生じる可能性がある。それは、穴が開けられるまでは検出されることはないであろう。
【発明の概要】
【0007】
本発明は、実質的により高い精度を得ることができる穴探知装置(hole finder arrangements)を含むアライメントシステムを提供する。
【0008】
本発明は、概してアライメントシステムを含み、このアライメントシステムは、周囲磁場(ambient magnetic fields)と比較して小さいテスト磁場(magnetic test field)を生成するテスト磁場発生器と、周囲磁場の補正(ambient field compensation)によりテスト磁場を検出するように構成されたセンサ装置とを備える。
【0009】
本明細書で使用する“テスト磁場”という表現は、純粋に磁場と電場の両方を包含する。
【0010】
テスト磁場発生器は、磁石を含むことができ、その結果、センサ装置はGMRセンサ手段を含むことができる。
【0011】
GMRまたは巨大磁気抵抗(Giant MagnetoResistance)センサは、磁場に曝されたときにその抵抗が著しく変化する、磁性材料および非磁性材料の薄膜を使用するデバイスである。磁気抵抗、磁場による電気抵抗の変化を示す材料は、長年知られているが、影響は非常に小さく、ホール効果デバイスが、穴探知装置における選択肢の検出器となっている。しかしながら、GMRデバイスは、より小さく、より感度が高く、よってより精度の高いアライメントデバイスを作るのに使用することができる。
【0012】
本明細書で使用する巨大磁気抵抗という用語には、巨大磁気抵抗(Colossal MagnetoResistance)センサまたはCMRのような、同じ一般的性質を持つより強力なデバイスも含まれる。
【0013】
本発明は、別の態様において、アライメントシステムを含み、このアライメントシステムは、テスト磁場発生器と、アライメント位置を通過するようにそれぞれ配置された主軸(transverse axes)を有する第1および第2磁場検出器を含むテスト磁場検出器とを備える。
【0014】
それら主軸は、直交するものであってもよい。
【0015】
“主軸”とは、主軸に沿う磁場がゼロ信号を与えるように、検出軸に直交する軸のことを意味する。磁場は、検出軸に沿って検出される。
【0016】
このセンサ装置は、システムが(アライメント位置が穴の位置に合わせられるときには、穴検出器内で)位置合わせされるときに、それらがそれぞれゼロ信号を与える。磁石は、その磁気軸が探知される穴に位置合わせされるが、この磁石からの磁場は、磁力線が一方の磁極から他方の磁極に延びるループを形成するような、よく知られたパターンに従う磁場を生成する。穴の軸から離れて配置されるセンサは、磁力線を遮って、それら磁力線が、穴の軸からほぼ90度離れて曲げられる。例えば、穴が鉛直方向の場合には、センサを遮る位置の磁力線がほぼ水平となる。
【0017】
特にセンサがGMRである場合には、従来のセンサ装置よりも装置の感度が大幅に良くなる。その感度は、それらが周囲磁場、特に、地球磁場(場所にも寄るが、約0.3ガウスと0.6ガウスの間)だけでなく、近傍の磁性アイテムからの漂遊磁場よりも、はるかに小さな磁場を感受できるものである。従来のホール効果デバイスセンサにより、周囲磁場の影響を無視できるものとする大きなテスト磁場が使用される。他方、GMRにより、周囲磁場補正の無い、周囲磁場と比べて小さいテスト磁場を使用することができる。
【0018】
永久磁石によってのようにテスト磁場が一定であるときに周囲磁場補正を達成することができるが、オン・オフの切替が行われる電磁石によって生成される可変テスト磁場を使用することが好ましい。磁石は、非対称のマーク・スペース比(mark-space ratio)で、測定中に継続的に切り替えることができる。周囲磁場は、磁石がオフであるときに、多くとも1つのセンサに位置合わせされ、通常はどのセンサにも位置合わせされない。周囲磁場は、センサから信号を発生させ、この信号が、センサに位置合わせされた周囲磁場の成分に比例することとなる。磁石がオンのとき、その磁場はセンサの抵抗を変化させ、その主軸が磁力線に一致しない限りは、各々からの信号を変える。システムが位置合わせされたときは、磁石は何れのセンサからの信号に何も寄与することなく、システムは、磁石がオンでもオフでも信号に違いが無いときに、位置合わせされたと確認される。始めにシステムが大まかに位置合わせされた場合には、アライメントが確認されるまで、その位置を僅かに調節するだけでよい。磁石は、測定中に継続的にオン・オフの切替を行うことができ、その結果、地球磁場の補正が継続的なものとなる。
【0019】
システムは、アラインメントに達するために調節しなければならない方向を示す表示手段を含むことができる。表示手段は、“コンパス”地点に配置されるランプを含むことができる。隣接するランプ点灯手段は、それらの間の方向に位置を調節し、一方のランプ点灯手段はその方向を調節する。“すべてのランプの消灯”はアライメントを確認できるが、積極的な表示を有することが望ましく、アライメントに近付いたときに、ランプが、例えば赤色から緑色に、色彩を変化させることができ、すべてのランプが点灯したときに最終調節が確認される。この色彩の変化が達成されるときに、指示のアルゴリズムは反転される。すなわち、消えたランプの方向に移動が示される。
【0020】
また、装置は、第3磁場検出器も含むことができ、その磁気軸が第1および第2検出器の磁気軸と直交している。第3検出器の磁気軸は、ドリルアクセスを可能とするためにオフセットされる場合に、システムがドリルガイドとして使用されない限りは、第1および第2検出器の磁気軸に対する垂線の交点を通過するようにしてもよい。第3検出器は、磁石に位置合わせされた磁場を検出したときに、穴の位置を大まかに特定するために使用することができる。その結果、第1および第2検出器により検出される磁場がゼロとなるように装置の位置を調節することにより、穴の位置が正確に特定されることとなる。第3検出器からの信号は、色彩の変化、上述したアルゴリズム反転を達成するために使用できる。
【0021】
電子機器の熱またはその他の内部ドリフトを補正するために、追加の戦略を採用することができる。磁石の極性は逆転させることができ、また、これは測定中に連続的に行うことができる。電子機器におけるドリフトは、電子的にキャンセルすることができる反対の極性により、反対側のオフセットの生成を示すこととなる。
【0022】
GMR検出器は、充電可能なバッテリ電源と共に、容易に管理できる約200×100×10mmの筐体内にパッケージ化することができる。テスト磁場は、電磁石によって提供するようにしてもよい。電磁石は、強力である必要が無いため、小さなバッテリ電源しか必要とせず、よって簡単に携帯できる有効な器具を形成することができる。電磁石は、バッテリとスイッチング回路と共に小型パッケージに含まれるものであってもよい。装置は、本質的な安全なものとすることができ、外部ケーブルを必要とすることなく、その検出器装置を、その筐体内に完全に封入することができる。
【0023】
筐体は、穴の上方の中心にあるときに当該筐体を外板表面に取り付けるのに適した取付手段を備えるとともに、ドリルまたはマーカガイド開口部を備える。取付手段は、吸引装置を含むことができる。
【0024】
また、本発明は、アライメント方法も含み、この方法は、周囲磁場と比較して小さいテスト磁場を生成するステップと、周囲磁場の補正により、テスト磁場を感知するステップとを備える。
【0025】
本発明は、より詳細な態様において、外板の後方にある支持体の穴の位置を特定する方法を含み、この方法は、テスト磁場であって、その磁力線が穴に沿って外板を通過するテスト磁場を生成するステップと、第1および第2GMR検出器を有する磁場検出器を使用して、外板を通過する磁場を検出するステップとを備える。
【0026】
上記方法は、周囲磁場の補正を含むことができる。これは、テスト磁場を有さない第1測定を行って、周囲磁場のみを測定した後に、周囲磁場に重ね合わされたテスト磁場により第2測定を行うことによって達成される。
【0027】
テスト磁場は、測定中に継続的にこの補正を生じさせるようにするために、位置合わせ手順の間に連続的にオン・オフの切替が行われるものであってもよい。マーク・スペース比は、磁石オン信号と磁石オフ信号との区別を容易にするために、非対称とすることができる。
【0028】
上記方法は、穴に位置合わせされたテスト磁場を検出するのに適した第3検出器から最大信号が得られるまで、推定される穴の位置の上方で装置の位置を調整することによって穴の位置を大まかに特定する予備的ステップを含むことができる。その後、第1および第2検出器からの信号の差がゼロになるまで、装置の位置をさらに微細に調節することができる。地球磁気の補正ステップは予備的ステップに先行するようにしても、予備的ステップに続くようにしてもよい。しかしながら、そのような補正は、磁石をオン・オフ切り替えることにより測定プロセス中に連続的に達成することができる。
【0029】
その後、上記方法は、上記装置を定位置に固定して、外板に穴を開けるためのドリルまたはマーカガイドとして上記装置を使用することを可能にするステップをさらに備えることができる。固定は、吸引カップ装置によって行われるものであってもよい。ドリルガイドとして使用されるとき、第3検出器は、ドリルアクセスを許容するためにオフセットすべきである。
【0030】
本発明に係るアライメント方法および装置は、穴開け目的のために、とりわけ、より速くて正確に、穴の位置の特定を容易にする。特に、外板をフレームに取り付けるために多数のリベットが使用される航空機構造において、上記装置は、所要電力の低減と部品数の減少により、従来の装置よりもはるかに軽量で小さくなり、これにより、配置が容易になるとともに、穴の位置の正確な特定に必要な時間が低減され、また、航空機部品の製造速度が増加するとともに、穴の位置特定の精度の改善により、設計の最適化が可能になる。地面衝突後、あるいはおそらくバードストライクまたは霰や雹からの飛行損傷の後に、損傷した外板のパネル用材を交換しなければならない場合、位置特定精度の改善により、不正確なアライメントによりフレーム穴の内径を過剰に増大させる必要が無くなることにより、外板を取り付ける必要があるフレームの寿命を延ばすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
以下の添付図面に関して、本発明に係る穴探知方法および装置を説明することとする。
【図1】図1は、穴探知機として構成された一装置の概略平面図である。
【図2】図2は、穴を空けたフレーム部材にリベット留めしなければならない外板上の穴探知機を示す、図1のII−II線に沿う部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
図面は、アライメントシステム11を示しており、このシステムは、周囲磁場と比較して小さいテスト磁場を生成するテスト磁場発生器12(図2)と、周囲磁場の補正によりテスト磁場を検出するように構成されたセンサ装置13とを備える。
【0033】
アライメントシステム11は、リベットにより取り付けられる外板16の下方にあるフレーム部材15の穴14を見付けるのに適した穴探知機として構成されている。穴14に正確に位置合わせして外板16を通る穴を開けることが必要とされている。センサ装置13は、GMRセンサ17を有するテスト磁場検出器を備える。装置13は、外板16上であって、穴14があると予測される大体の位置の上方に、配置される。テスト磁場は、磁場発生器12により生成され、この磁場発生器は、その磁力線Lが穴14とその直上の外板16を通過するように、穴14の下部に配置されている。
【0034】
磁力線は、磁場発生器12の一方の磁極P1から他方の磁極P2に至るループLを形成するような、よく知られたパターンに従う。2つのGMRセンサ17a,17bは、穴の軸から離れているが、磁力線を遮り、そこで、それらは、穴の軸からほぼ90度、離れて曲げられている。例えば、穴14が鉛直方向の場合には、センサ17a,17bを遮る位置の磁力線がほぼ水平となるか、少なくともほぼ水平な成分を有するものとなる。
【0035】
GMRまたは巨大磁気抵抗センサ17は、磁場に曝されたときにその抵抗が著しく変化する、磁性材料および非磁性材料の薄膜を使用するデバイスである。磁気抵抗、磁場による電気抵抗の変化を示す材料は、長年知られているが、影響は非常に小さく、ホール効果装置が、穴探知装置における選択肢の検出器となっている。しかしながら、GMRデバイスは、従来のホール効果穴センサよりも小さくて正確な探知装置を作成するのに使用することができる。
【0036】
センサ17は、当該センサ17からの信号を制御および解釈する電源・電子回路(図示省略)を保持する筐体19の円形ウェル18内に配置されている。センサ17a,17bは、それらの磁気軸がウェル18の中心からの半径に対して直角をなし、かつ互いに直角をなすように向けられ、その結果、磁力線が半径に沿って向けられたときに、磁力軸に沿った磁場が無くなり、GMRデバイスがゼロ測定値を与える。GMRは当然のことながら、指向性がある。4つの発光ダイオードまたは表示器のようなもの21は、筐体20上の主要点に配置され、対応するGMRの軸に沿って磁場が存在する場合に点灯する。1つの表示器21が点灯した場合には、点灯した表示器の方向に筐体18を移動させることによって、それがゼロ磁場位置に近付けられる。2つが点灯した場合には、先ずその一方の方向に、その後で他方の方向に筐体を移動させることによって、それが何れのGMRによっても磁場が検出されない位置に近付けられる。その状態は、デバイスが穴14の上方の中央にあることを示している。すべての消灯がアライメントを示すようにするよりはむしろ、ライトは、おおよそのアライメントが検出されたときに、例えば、赤色から緑色に変化し、その後、それらの意味(significance)を反転させて、消灯したライトに向けて装置が移動されるべきであることを示す。その結果、4つの緑の光は、完全なアライメントを示す。
【0037】
これは、周囲磁場が存在しない状態で起きることである。しかしながら、GMR13は、従来のホール効果センサが検出できるよりもはるかに弱い磁場を検出することができ、その結果、地球磁場が重要になり得る。
【0038】
しかしながら、この装置は、テスト磁場が存在しない状態での予備的測定によって、局所的な地球磁場が補正される。これは、第1および第2検出器により測定される磁場の差異をゼロにするように、テスト磁場が存在しない状態で、装置11を単に“揺り動かす”ことによって達成することができる。装置11が一旦正確に位置合わせされたら、テスト磁場は磁石を加えることにより導入されて、穴検出手順が完了する。これは、例えば近くの磁性材料によって引き起こされるような、地球磁場の異常に対して装置が影響を受けないことを意味している。しかしながら、予備的測定により、テスト磁場が導入されたときにソフトウェアによって自動的に補正バイアスを測定値に加えることができ、その結果、地球磁場に対するアライメントの任意の位置で装置11を使用することができる。
【0039】
図示の装置では、これは、オンとオフに断続的に切り替えられる電磁石である磁場発生器12によって達成され、その結果、GMRは、周囲磁場と、周囲磁場と印加磁場の合成磁場とを交互に検出し、その合成磁場から周囲磁場をソフトウェアにより差し引くことができる。2つの磁場は、非対称の電磁石のマーク/スペース比によって容易に識別される。
【0040】
装置の所要電力は、従来のホール効果センサに基づく装置によって必要な所要電力よりも大幅に少なく、また、検出器13,19は充電可能なバッテリ電源21と共に、容易に管理できる約200×100×10mmの筐体20内に、パッケージ化される。
【0041】
筐体は、穴の上方の中心にあるときに当該筐体を外板表面に取り付けるのに適した吸引カップの形態をとる取付手段(図示省略)を備えるとともに、ドリルまたはマーカガイド開口部22を備える。
【0042】
また、装置は、第3磁場検出器23も含み、その磁気軸24が第1および第2検出器の磁気軸と直交している。ここで、第1および第2検出器の磁気軸は、xおよびy軸と標識することができ、軸24はz軸となる。磁場検出器23は、ホール効果デバイスであってもよいが、ドリルガイド開口部22からオフセットされており、それによりドリルのためのアクセスが可能となっている。第3検出器23は、GMRセンサ17により検出された磁場よりも強い最大磁場を検出したときに、穴14の位置を大まかに特定するために使用することができる。その結果、GMR検出器からの信号に基づく装置11の位置の調節により、穴14の位置が正確に特定されることとなる。第3検出器23からの信号は、色彩の変化、上述したLED21の意味の反転を達成するために使用される。
【0043】
テスト磁場発生器12は、マーク/スペース特性を生成するための内部ソレノイドおよび制御回路を有する筐体12aと、フレーム部材の穴14の中に納まる突出する磁極P1とを備える。これは押込み式とすることができ、その結果、その他の支持が不要である。別の装置では、複数の穴14を同時に動力供給することができるように、単一の制御ボックスがポールピースを持つ複数のソレノイドを備えるとともに、穴の間にフェスト磁場発生器(fest field generator)を再配置する必要無しに、複数の穴の位置を特定するために配置されるセンサ装置13を備えることができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲磁場と比較して小さいテスト磁場を発生させるテスト磁場発生器と、周囲磁場の補正により前記テスト磁場を検出するように構成されたセンサ装置とを備えることを特徴とするアライメントシステム。
【請求項2】
請求項1に記載のアライメントシステムにおいて、
GMRセンサ手段を含むテスト磁場検出器を備えることを特徴とするアライメントシステム。
【請求項3】
テスト磁場検出器を備える磁気的穴探知装置であって、
前記テスト磁場検出器が、穴の位置特定位置に対して配置された第1および第2磁場検出器を含み、前記検出器が磁気軸を有し、その磁気軸の各々が、前記穴の位置特定位置から前記検出器への半径に対して直角に配置されていることを特徴とする磁気的穴探知装置。
【請求項4】
請求項2に記載の装置において、
前記検出器が、前記穴の位置の“中心にある”ときに、ゼロ磁場を検知することを特徴とする装置。
【請求項5】
請求項3または4に記載の装置において、
前記検出器がGMRであることを特徴とする装置。
【請求項6】
請求項3乃至5の何れか1項に記載の装置において、
第3磁場検出器を備え、この第3磁場検出器の磁気軸が、前記第1および第2検出器の磁気軸に対して直交することを特徴とする装置。
【請求項7】
請求項6に記載の装置において、
前記第3検出器の磁気軸が、前記第1および第2検出器の磁気軸に対する垂線の交点からオフセットされていることを特徴とする装置。
【請求項8】
請求項3乃至7の何れか1項に記載の装置において、
前記テスト磁場が存在しない状態の予備的測定により局所的地球磁場について補正されるように構成されていることを特徴とする装置。
【請求項9】
請求項8に記載の装置において、
地球磁場の補正が、前記第1および第2検出器により測定される磁場の差異をゼロにするように、前記テスト磁場が存在しない状態で、前記装置を“揺り動かす”ことによって達成されることを特徴とする装置。
【請求項10】
請求項8に記載の装置において、
前記テスト磁場が導入されたときの測定値に補正バイアスが自動的に加えられ、その結果、前記地球磁場に対するアライメントの任意の位置で前記装置を使用可能となっていることを特徴とする装置。
【請求項11】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の装置において、
前記テスト磁場が永久磁石によって与えられることを特徴とする装置。
【請求項12】
請求項1乃至10の何れか1項に記載の装置において、
前記テスト磁場が電磁石によって与えられることを特徴とする装置。
【請求項13】
請求項12に記載の装置において、
前記電磁石がオンとオフを繰り返し、前記検出器からのオンおよびオフ信号が、周囲磁場について補正するために差し引かれることを特徴とする装置。
【請求項14】
請求項13に記載の装置において、
オン/オフの繰り返しのマーク/スペース比が非対称であり、それによりオンとオフの磁場が識別可能となっていることを特徴とする装置。
【請求項15】
請求項1乃至12の何れか1項に記載の装置が、筐体内に収容されており、この筐体が、穴が開けられる外板の後方の部材の穴の上方の中心にあるときに当該筐体を前記外板に取り付けるように構成された取付手段を備えることを特徴とする装置。
【請求項16】
請求項14に記載の装置において、
前記取付手段が、吸引装置を含むことを特徴とする装置。
【請求項17】
請求項13または14に記載の装置において、
筐体が、ドリルまたはマーカガイド開口部を有することを特徴とする装置。
【請求項18】
請求項1乃至15の何れか1項に記載の装置において、
前記検出器により検出された磁場を表示する視覚的表示装置を備えることを特徴とする装置。
【請求項19】
請求項18に記載の装置において、
前記視覚的表示装置が、デバイスの主要地点における表示器を含むことを特徴とする装置。
【請求項20】
外板の後方にある支持体の穴の位置を特定する方法であって、
テスト磁場を生成するステップであって、前記テスト磁場の磁力線が前記穴に沿って前記外板を通過するものであるステップと、
GMR検出器を含む磁場検出器を使用して、前記外板を通過する磁場を検出するステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法において、
2つのGMR検出器が配置されて、それらの磁気軸が直角をなしていることを特徴とする方法。
【請求項22】
請求項21に記載の方法において、
前記GMR検出器の双方が、前記磁力線がそれらの磁気軸に対して直角をなしていることを示すゼロ信号を与えるときに、前記穴の位置が特定されることを特徴とする方法。
【請求項23】
請求項20乃至22の何れか1項に記載の方法において、
地球または周囲磁場の補正を行うステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項24】
請求項23に記載の方法において、
地球磁場の補正が、テスト磁場の無い状態で第1測定を行うことによって達成されることを特徴とする方法。
【請求項25】
請求項24に記載の方法において、
前記第1および第2検出器からの信号の差異がゼロになるまで、前記装置が回動され、前記テスト磁場が加えられるときに、このアライメントが維持されることを特徴とする方法。
【請求項26】
請求項23に記載の方法において、
前記装置のランダムなアライメントにより、前記第1および第2検出器からの信号の中からの地球磁場による信号が、前記テスト磁場が加えられたときに測定された信号から差し引かれることを特徴とする方法。
【請求項27】
請求項23乃至26の何れか1項に記載の方法において、
前記テスト磁場がオンとオフを繰り返すことを特徴とする方法。
【請求項28】
請求項27に記載の方法において、
オン/オフの繰り返しのマーク/スペース比が非対称であることを特徴とする方法。
【請求項29】
請求項20乃至26の何れか1項に記載の方法において、
前記穴に位置合わせされた前記テスト磁場を検出するように位置合わせされた磁場検出器から最大信号が得られるまで、推定される穴の位置の上方で前記装置の位置を調整することによって前記穴の位置を大まかに特定する予備的ステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項30】
請求項20乃至29の何れか1項に記載の方法において、
前記装置を定位置に固定して、前記外板に穴を開けるためのドリルまたはマーカガイドとして前記装置を使用することを可能にする更なるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項31】
請求項30に記載の方法において、
前記固定が、吸引カップ装置により達成されることを特徴とする方法。
【請求項32】
請求項20乃至31の何れか1項に記載の方法において、
視覚的表示装置によりセンタリングが確認されることを特徴とする方法。
【請求項33】
請求項32に記載の方法において、
前記視覚的表示装置が、センタリングを達成するために前記装置が調節されるべき方向を示すことを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−508116(P2012−508116A)
【公表日】平成24年4月5日(2012.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−533826(P2011−533826)
【出願日】平成21年11月9日(2009.11.9)
【国際出願番号】PCT/GB2009/002636
【国際公開番号】WO2010/052480
【国際公開日】平成22年5月14日(2010.5.14)
【出願人】(511109098)アドバンスド アナリシス アンド インテグレイション リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】ADVANCED ANALYSIS AND INTEGRATION LIMITED
【Fターム(参考)】