アライメント装置および光学装置
【課題】 簡単で低コストな構成でありながら、主鏡と副鏡の位置合わせを行うことができるアライメント装置を提供する。
【解決手段】 光軸AX上に形成された開口10aを有する主鏡10と、主鏡10の光軸AX上に対向配置された副鏡20とを有する光学系において、主鏡10と副鏡20の位置合わせをするためのアライメント装置であって、光の反射機能を備えた光学部材30と、主鏡10の開口10aから光軸AXに平行な平行光束の状態で入射し、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、光学部材30で反射して折り返され、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aから射出したアライメント光に基づいて、主鏡10と副鏡20との位置ずれを検出する検出系40とを有する。
【解決手段】 光軸AX上に形成された開口10aを有する主鏡10と、主鏡10の光軸AX上に対向配置された副鏡20とを有する光学系において、主鏡10と副鏡20の位置合わせをするためのアライメント装置であって、光の反射機能を備えた光学部材30と、主鏡10の開口10aから光軸AXに平行な平行光束の状態で入射し、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、光学部材30で反射して折り返され、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aから射出したアライメント光に基づいて、主鏡10と副鏡20との位置ずれを検出する検出系40とを有する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アライメント装置に関し、特にレーザ照射装置、レーザ測距装置等のレーザ光学装置に備えられる主鏡と副鏡とのアライメント(位置合わせ)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のレーザ光学装置として、例えば特開2002−121724号公報に記載されているように、上空に向けてレーザ光を送出する送光光学系と、送光光学系から送出したレーザ光の散乱レーザ光を受光する受光光学系とを備えたレーザレーダ装置が知られている。また、レーザレーダ装置のように大口径反射光学系が採用されたレーザ光学装置において、カセグレン光学系の主鏡と副鏡との位置合わせに利用可能なアライメント光学系が開示されている。
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0279838A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1には、副鏡の周辺部に密着するように敷設されたヌル光学系としての円環状の球面鏡を用いるアライメント光学系が提案されている。しかしながら、この構成では、互いに密着した球面鏡および副鏡の製作が困難であるという不都合がある。また、ヌル球面鏡の面積分だけ光束の中心遮蔽量が増えるという不都合がある。
【0004】
また、特許文献1には、主鏡と同程度の大口径で且つ大きな中央貫通部を有する穴あき平面鏡を用いるアライメント光学系が提案されている。しかしながら、この構成では、大口径の穴あき平面鏡の面積分だけ送光光量および受光光量が損なわれるという不都合がある。また、大口径の穴あき平面鏡を所望の精度で製作および設置することが困難であり、大きなコストがかかるという不都合がある。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、簡単で低コストな構成でありながら、主鏡と副鏡の位置合わせを行うことができるアライメント装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するため、本発明を例示する第一の態様に従えば、光軸に沿って対向するように配置された主鏡と副鏡とを有する光学系において、前記主鏡と前記副鏡とを位置合わせするためのアライメント装置であって、光の反射機能を備えた光学部材と、前記光軸に平行な平行光束を前記副鏡に入射し、前記副鏡の反射面および前記主鏡の反射面を順に経て、前記光学部材で反射して折り返され、前記主鏡の反射面および前記副鏡の反射面を順に経たアライメント光に基づいて、前記主鏡と前記副鏡との位置ずれを検出する検出系とを有することを特徴とするアライメント装置が提供される。
【0007】
また、本発明を例示する第二の態様に従えば、光軸に沿って対向するように配置された主鏡と副鏡とを有する光学系と、第一の態様のアライメント装置とを備えていることを特徴とする光学装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明によれば、簡単で低コストな構成でありながら、主鏡と副鏡の位置合わせを行うことができるアライメント装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るアライメント装置の構成を概略的に示す図である。本実施形態に係るアライメント装置は、例えばレーザレーダ装置のようなレーザ光学装置など、光軸上に形成された開口を有する主鏡と、前記主鏡の光軸上に対向配置された副鏡とを有する送光および受光可能な光学系において、主鏡と副鏡の位置合わせをするためのアライメント装置であり、図1に示すように、主鏡10と、副鏡20と、光学部材30と、検出系40と、姿勢制御機構50とを有する。
【0010】
主鏡10は、光軸AX上に形成された開口10aと、表側(副鏡20側)に形成された凹面状の反射面11とを有する凹面鏡である。副鏡20は、主鏡10の光軸AX上に対向配置され、表側(主鏡10側)形成された凸面状の反射面21を有する凸面反射鏡である。すなわち、主鏡10と副鏡20とは、いわゆるカセグレン光学系を構成している。
【0011】
光学部材30は、該部材に入射した光に対して反射機能および透過機能を備える。
【0012】
本実施形態に係るアライメント装置は光学部材30を透過した光が通過可能である窓部60aが形成された筺体60に収納されており、光学部材30は前記窓部60aに配置されている。この構成によれば、筺体60の気密性を向上させることができ、筺体60内に収納された光学系や不図示の電気部品等を、風雨や結露等の外部因子から守ることができる。
【0013】
また、光学部材30は、副鏡20を固定保持する。この構成により、副鏡20を保持するトラス等が不要となり、部品点数を減らして簡単な装置構成が可能となり、またコスト抑制にも貢献できる。
【0014】
主鏡10、副鏡20および光学部材30の面形状は、主鏡10の開口10aから入射したアライメント光が、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、光学部材30に至る入射光路と、光学部材30で反射して折り返されたアライメント光が、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aに至る射出光路とが一致するように設定されている。
【0015】
検出系40は、光軸AX上に設けられ、主鏡10の開口10aから射出したアライメント光を分割するビームスプリッタ41と、ビームスプリッタ41により分割されたアライメント光を所定面上に集光する集光光学系42と、前記所定面に検出面が位置決めされ、該検出面上のアライメント光の集光位置を検出する、例えば二次元CCDのような光検出器43と、光検出器43により検出されたアライメント光の集光位置と予め設定された基準位置とを対比して、主鏡10と副鏡20との位置ずれ(例えば、光軸AXと直交する方向のシフトや、光軸AXに対する傾き(チルト)など)を算出し、算出結果から集光位置と基準位置との差が「ゼロ」となるようなアライメント調整信号を生成するデータ処理装置44とを有する。
【0016】
姿勢制御機構50は、上記検出系40による検出結果に基づいて、主鏡10と副鏡20との光軸が合致するように、具体的には、データ処理装置44により出力されたアライメント調整信号に基づき、少なくとも主鏡10と副鏡20のどちらか一方の位置や姿勢を制御する(なお、図1では、制御対象が主鏡10である例を挙げている)。
【0017】
アライメント装置は、さらに、光源Lと、ダイクロイックミラーMとを有する。光源Lは、例えば円環状の断面を有するアライメント光を供給する。ダイクロイックミラーMは、光軸AX上において光源Lとビームスプリッタ41との間に設けられており、アライメント光を透過し、また主鏡10と副鏡20とからなるカセグレン光学系の使用光を反射する。
【0018】
本実施形態におけるレーザレーダ装置の使用状態では、図2に示すように、送光する場合、レーザ光源(不図示)から供給されたレーザ光は、ダイクロイックミラーMで反射され、ビームスプリッタ41を透過して、カセグレン光学系(主鏡10,副鏡20)へ導かれる。カセグレン光学系(主鏡10,副鏡20)へ導かれたレーザ光は、主鏡10の開口10aから入射して、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、光学部材30を透過した後、例えば、光軸AXに平行光束の状態で、目標方向の上空に向けて送光される)。
【0019】
また、受光する場合、レーザ光の照射を受けた目標物からの散乱レーザ光は、光学部材30を透過し、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aを通過し、ビームスプリッタ41を透過し、ダイクロイックミラーMで反射された後、受光部(不図示)で受光される。受光部では、例えば受光した散乱レーザ光の強度および戻り時間等を検出して、被測定対象の状態を検出する。
【0020】
本実施形態のアライメント装置では、図3に示すように、光源Lから射出されたアライメント光は、ダイクロイックミラーMおよびビームスプリッタ41を順に透過し、主鏡10の開口10aから光軸AXに平行な平行光束の状態で入射し、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、光学部材30で反射して折り返され、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aから射出した後、ビームスプリッタ41に入射する。ビームスプリッタ41で反射されたアライメント光は、集光光学系42を介して光検出器43の検出面に集光され、光検出器43は該検出面上のアライメント光の集光位置を検出し、検出結果をデータ処理装置44に出力する。データ処理装置44は、光検出器43により検出されたアライメント光の集光位置と予め設定された基準位置とを対比して、主鏡10と副鏡20との位置ずれを算出し、この算出結果に基づきアライメント調整信号を生成する。
【0021】
例えば、レーザレーダ装置において、主鏡10と副鏡20とが光軸AXに沿って正確に位置合わせされた状態では、副鏡20から射出され(主鏡10の開口10aを介して)前記ビームスプリッタ41へ戻ったアライメント光は、ビームスプリッタ41から(主鏡10の開口10aを介して)副鏡20に入射したアライメント光と同様に、光軸AXに対して平行光束の状態にある。したがって、アライメント光は、集光光学系42により光検出器43の検出面上において、光軸AXと交わる所定の基準位置(例えば検出面の中心位置)に小さなスポット光を形成する。このとき、光検出器43により検出されたアライメント光の集光位置(スポット光の位置)と基準位置とが一致しているため、データ処理装置44は、スポット光の集光位置と基準位置との差が「ゼロ」である旨のアライメント調整信号を生成し、姿勢制御機構50に出力する。
【0022】
一方、主鏡10と副鏡20とが相対的に位置ずれした状態では、アライメント光は、光検出器43の検出面上において、所定の基準位置から外れた位置にスポット光を形成する。このとき、光検出器43はアライメント光の集光位置(スポット光の位置情報)を検出し、データ処理装置44は、光検出器43の検出結果に基づいてアライメント光と所定の基準位置との位置ずれ、すなわち主鏡10と副鏡20との位置ずれを算出し、アライメント光の集光位置と基準位置との差が「ゼロ」となるようなアライメント調整信号を生成し、姿勢制御機構50に出力する。
【0023】
姿勢制御機構50では、データ処理装置44から出力されたアライメント調整信号に基づき、少なくとも主鏡10と副鏡20のどちらか一方(図1では主鏡10)の位置や姿勢を制御して、主鏡10と副鏡20との位置合わせができ、ひいてはレーダ精度の確保に貢献することができるようになっている。
【0024】
なお、本実施形態におけるレーザレーダ装置では、例えば、副鏡20を光軸AXに沿って移動させることにより、有限距離の目標物に対するフォーカシングを行うことがある。その際には、アライメント装置において、集光光学系42も光検出器43の検出面上に形成されるスポット光が十分に小さくなるように、自らの光軸に沿って移動させてフォーカシングを行えば、主鏡10と副鏡20との位置合わせができる。
【0025】
また、本実施形態においては、主鏡10と副鏡20との位置合わせ(アライメント)を、検出系40の検出結果に基づいて動作する姿勢制御装置50を介して自動で行っているが、手動で行ってもよい。
【0026】
こうして、本実施形態に係るアライメント装置では、簡単で低コストな構成でありながら、光量損失を抑えつつ、主鏡10と副鏡20との位置合わせを行うことができる。以下、記実施形態の具体的な数値実施例である、第1実施例について説明する。
【0027】
(第1実施例)
次の表1に、レーザレーダ装置の無限遠目標物に対する使用状態におけるカセグレン光学系(図2参照)の諸元の値を掲げる。表1において、面番号はレーザレーダ装置の使用光(波長1064nm)が入射する面の順序を、rは各面の曲率半径(単位:mm,非球面の場合には頂点曲率半径)を、dは各面の軸上間隔すなわち次の面までの面間隔(単位:mm)を、κは各面の非球面形状を規定する円錐係数(コーニック定数)をそれぞれ示している。なお、曲率半径rにおいて、光源側に向かって凸面の曲率半径を正とし、光源側に向かって凹面の曲率半径を負とし、「0.0000」は平面を示す。表1における表記は、以降の表4,表7および表10においても同様である。
【0028】
非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をzとし、頂点曲率半径をrとし、円錐係数をκとしたとき、以下の式(a)で表される。後述の表においても、レンズ面が非球面である場合には、面番号に*印を付している。
【0029】
z=(y2/r)/[1+{1−(κ+1)・y2/r2}1/2] …(a)
【0030】
なお、第1実施例のカセグレン光学系では、入射瞳径が40mmであり、使用光の中心遮蔽の径が10mmであり、ビーム拡大倍率が8倍である。
【0031】
(表1)
面番号 r d κ
1 125.0000 -437.50(d1) -1 (副鏡20の反射面21)
2 1000.0000 452.50(d2) -1 (主鏡10の反射面11)
3 0.0000 15.00 0 (光学部材30の入射面30a)
4 0.0000 ∞(d3) 0 (光学部材30の射出面30b)
【0032】
次の表2に、無限遠目標物に対する使用状態におけるカセグレン光学系の位置合わせに適用されるアライメント装置のアライメント光学系(図3参照)の諸元の値を掲げる。表2において、面番号はアライメント光が入射する面の順序を、rは各面の曲率半径(単位:mm,非球面の場合には頂点曲率半径)を、dは各面の軸上間隔すなわち次の面までの面間隔(単位:mm)を、κは各面の非球面形状を規定する円錐係数(コーニック定数)を、nは各面と次の面までの媒質のアライメント光に対する屈折率をそれぞれ示している。
【0033】
なお、曲率半径rにおいて、光源側に向かって凸面の曲率半径を正とし、光源側に向かって凹面の曲率半径を負とし、「0.0000」は平面を示す。但し、集光光学系42において、曲率半径rは、光の入射側に向かって凸面の曲率半径を負とし、光の入射側に向かって凹面の曲率半径を正としている。また、面間隔dは、反射される度に、その符号を変えるものとする。
【0034】
なお、第1実施例のアライメント光学系では、入射瞳径が40mmであり、アライメント光の中心遮蔽の径が10mmであり、アライメント光の波長が632.8nmである。表2における表記は、以降の表5,表8および表11においても同様である。
【0035】
(表2)
面番号 r d κ
1 125.0000 -437.50(d1) -1 (副鏡20の反射面21)
2 1000.0000 452.50(d2) -1 (主鏡10の反射面11)
3 0.0000 -452.50(d4) 0 (光学部材30の入射面30a)
4 1000.0000 437.50(d5) -1 (主鏡10の反射面11)
5 125.0000 -537.50(d6) -1 (副鏡20の反射面21)
6 0.0000 -50.00(d7) 0 (ビームスプリッタ41)
7 -59.8164 -10.00 0 1.457021(集光光学系42)
8 272.6586 -100.00(d8) 0
【0036】
次の表3に、無限遠の目標物に対するカセグレン光学系およびアライメント光学系における面間隔の値と、有限距離(300m)の目標物に対するカセグレン光学系およびアライメント光学系における面間隔の値とを掲げる。
【0037】
なお、表3において、面間隔d1は、表1および表2に示すように、副鏡20の反射面21から主鏡10の反射面11までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d2は、表1および表2に示すように、主鏡10の反射面11から光学部材30の入射面30aまでの光軸AXに沿った距離である。面間隔d3は、表1に示すように、光学部材30の射出面30bから無限遠目標物までの距離である。面間隔d4は、表2に示すように、光学部材30の入射面30aから主鏡10の反射面11までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d5は、表2に示すように、主鏡10の反射面11から副鏡20の反射面21までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d6は、表2に示すように、副鏡20の反射面21からビームスプリッタ41までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d7は、表2に示すように、ビームスプリッタ41から集光光学系42の入射面までの該集光光学系42の光軸に沿った距離である。面間隔d8は、表2に示すように、集光光学系42の射出面から光検出器43の検出面までの該集光光学系42の光軸に沿った距離である。
【0038】
(表3)
面間隔 無限遠の目標物 有限距離の目標物
d1 -437.50 -438.36
d2 452.50 453.36
d3 ∞ 300000.00
d4 -452.50 -453.36
d5 437.50 438.36
d6 -537.50 -538.36
d7 -50.00 -55.05
d8 -100.00 -94.95
【0039】
表3より、第1実施例に係るレーザレーダ装置のカセグレン光学系では、主鏡10を光軸AXに沿って0.86mmだけ図1中左側へ移動させることにより、無限遠の目標物から300m先の有限距離の目標物に対するフォーカシングを行うことができる。このとき、第1実施例のアライメント光学系では、集光光学系42を自らの光軸に沿って5.05mmだけ図1中下側へ移動させてフォーカシングを行えば、主鏡10と副鏡20とのアライメント調整(位置合わせ)が可能となる。
【0040】
(第2実施例)
以下、第2実施例について説明する。第2実施例のアライメント装置は、第1実施例と基本構成は同じである。しかしながら、第1実施例のアライメント装置とは、副鏡20が(光学部材30とは一体でなく)副鏡保持用スパイダー22によって筺体60に可動可能に取り付けられている点と、これに伴い姿勢制御機構50により(主鏡10ではなく)副鏡20の位置や姿勢が制御される点とが異なることに着目して、第2実施例のアライメント装置の構成および動作を説明する。なお、第1実施例の同様の機能を有するものについては、同じ番号を付し、その説明を省略することもある。
【0041】
図4に示すように、第2実施例のアライメント装置は、例えばレーザレーダ装置のようなレーザ光学装置など、主鏡10の光軸AX上に対向配置された副鏡20とを有する送光および受光可能な光学系において、主鏡10と副鏡20の位置合わせをするためのものである。
【0042】
主鏡10は、光軸AX上に形成された開口10aと、表側(副鏡20側)に形成された凹面状の反射面11とを有する凹面鏡である。副鏡20は、主鏡10の光軸AX上に対向配置され、表側(主鏡10側)形成された凸面状の反射面21を有する凸面反射鏡である。すなわち、主鏡10と副鏡20とは、いわゆるカセグレン光学系を構成している。
【0043】
光学部材30は、該部材に入射した光に対して反射機能および透過機能を備える。
【0044】
アライメント装置は、光学部材30を透過した光が通過可能である窓部60aが形成された筺体60に収納されており、該窓部60aには光学部材30が配置されている。
【0045】
なお、副鏡20は、後述の姿勢制御機構50を介して位置や姿勢の調整ができるように、副鏡保持用スパイダー22により筐体60に取り付けられている。
【0046】
主鏡10、副鏡20および光学部材30の面形状は、主鏡10の開口10aから入射したアライメント光が、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、光学部材30に至る入射光路と、光学部材30で反射して折り返されたアライメント光が、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aに至る射出光路とが一致するように設定されている。
【0047】
したがって、第2実施例におけるレーザレーダ装置の使用状態では、図5に示すように、送光する場合、レーザ光源(不図示)から供給されたレーザ光は、ダイクロイックミラーMで反射され、ビームスプリッタ41を透過して、カセグレン光学系(主鏡10,副鏡20)へ導かれる。カセグレン光学系(主鏡10,副鏡20)へ導かれたレーザ光は、主鏡10の開口10aから入射して、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、光学部材30を透過した後、例えば、光軸AXに平行光束の状態で、目標方向の上空に向けて送光される。
【0048】
また、受光する場合、レーザ光の照射を受けた目標物からの散乱レーザ光は、光学部材30を透過し、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aを通過し、ビームスプリッタ41を透過し、ダイクロイックミラーMで反射された後、受光部(不図示)で受光される。受光部では、受光した散乱レーザ光の強度および戻り時間等を検出して、被測定対象の状態を検出する。
【0049】
第1実施例と同様に、第2実施例におけるアライメント装置では、図6にも示すように、光源Lから射出されたアライメント光は、ダイクロイックミラーMおよびビームスプリッタ41を順に透過し、主鏡10の開口10aから光軸AXに平行な平行光束の状態で入射し、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、光学部材30で反射して折り返され、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aから射出した後、ビームスプリッタ41に入射する。ビームスプリッタ41で反射されたアライメント光は、集光光学系42を介して光検出器43の検出面に集光され、光検出器43は該検出面上のアライメント光の集光位置を検出し、検出結果をデータ処理装置44に出力する。データ処理装置44は、光検出器43により検出されたアライメント光の集光位置と予め設定された基準位置とを対比して、主鏡10と副鏡20との位置ずれを算出し、この算出結果に基づきアライメント光の集光位置と基準位置との差が「ゼロ」となるようなアライメント調整信号を生成し、姿勢制御機構50に出力する。姿勢制御機構50は、データ処理装置44から出力されたアライメント調整信号に基づき、副鏡20の位置や姿勢を制御する。
【0050】
このように、第2実施例におけるアライメント装置でも、簡単で低コストな構成でありながら、光量損失を抑えつつ、主鏡10と副鏡20の位置合わせを行うことができる。
【0051】
次の表4に、第2実施例におけるレーザレーダ装置の無限遠目標物に対する使用状態におけるカセグレン光学系(図5参照)の諸元の値を掲げる。なお、第2実施例のカセグレン光学系では、入射瞳径が40mmであり、使用光の中心遮蔽の径が10mmであり、ビーム拡大倍率が8倍である。
【0052】
(表4)
面番号 r d κ
1 125.0000 -437.50(d1) -1 (副鏡20の反射面21)
2 1000.0000 497.50 -1 (主鏡10の反射面11)
3 0.0000 15.00 0 (光学部材30の入射面30a)
4 0.0000 ∞(d3) 0 (光学部材30の射出面30b)
【0053】
次の表5に、無限遠目標物に対する使用状態におけるカセグレン光学系の位置合わせに適用されるアライメント装置のアライメント光学系(図6参照)の諸元の値を掲げる。なお、第2実施例のアライメント光学系では、入射瞳径が40mmであり、アライメント光の中心遮蔽の径が10mmであり、アライメント光の波長が632.8nmである。
【0054】
(表5)
面番号 r d κ
1 125.0000 -437.50(d1) -1 (副鏡20の反射面21)
2 1000.0000 497.50 -1 (主鏡10の反射面11)
3 0.0000 -497.50 0 (光学部材30の入射面)
4 1000.0000 437.50(d5) -1 (主鏡10の反射面11)
5 125.0000 -537.50(d6) -1 (副鏡20の反射面21)
6 0.0000 -50.00(d7) 0 (ビームスプリッタ41)
7 -59.8164 -10.00 0 1.457021(集光光学系42)
8 272.6586 -100.00(d8) 0
【0055】
次の表6に、無限遠の目標物に対するカセグレン光学系およびアライメント光学系における面間隔の値と、有限距離(300m)の目標物に対するカセグレン光学系およびアライメント光学系における面間隔の値とを掲げる。
【0056】
なお、表6において、面間隔d1は、表4および表5に示すように、副鏡20の反射面21から主鏡10の反射面11までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d3は、表4に示すように、光学部材30の射出面30bから無限遠目標物までの距離である。面間隔d5は、表5に示すように、主鏡10の反射面11から副鏡20の反射面21までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d6は、表5に示すように、副鏡20の反射面21からビームスプリッタ41までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d7は、表5に示すように、ビームスプリッタ41から集光光学系42の入射面までの該集光光学系42の光軸に沿った距離である。面間隔d8は、表5に示すように、集光光学系42の射出面から光検出器43の検出面までの該集光光学系42の光軸に沿った距離である。
【0057】
(表6)
面間隔 無限遠の目標物 有限距離の目標物
d1 -437.50 -438.36
d3 ∞ 300000.00
d5 437.50 438.36
d6 -537.50 -538.36
d7 -50.00 -55.05
d8 -100.00 -94.95
【0058】
表6より、第2実施例に係るレーザレーダ装置のカセグレン光学系では、副鏡20を光軸AXに沿って0.86mmだけ図4中右側へ移動させることにより、無限遠の目標物から300m先の有限距離の目標物に対するフォーカシングを行うことができる。このとき、第2実施例のアライメント光学系では、集光光学系42を自らの光軸に沿って5.05mmだけ図4中下側へ移動させてフォーカシングを行えば、主鏡10と副鏡20とのアライメント調整(位置合わせ)が可能となる。
【0059】
以上、第2実施例におけるアライメント装置の場合、フォーカシング調整やシフトチルト調整をコンパクトな副鏡20単独で行うことができ、姿勢制御機構50を構成する可動部品の重量を大幅に減らすことができる。
【0060】
(第3実施例)
以下、第3実施例について説明する。第3実施例のアライメント装置は、第1実施例と基本構成は同じである。しかしながら、第1実施例のアライメント装置とは、副鏡20を固定保持する光学部材30の口径が小さい点が異なることに着目して、第3実施例のアライメント装置の構成および動作を説明する。なお、第1実施例の同様の機能を有するものについては、同じ番号を付してその説明を省略することもある。
【0061】
図7に示すように、第3実施例のアライメント装置は、例えばレーザレーダ装置のようなレーザ光学装置において、主鏡10の光軸AX上に対向配置された副鏡20とを有する送光および受光可能な光学系において、主鏡10と副鏡20の位置合わせをするためのものである。
【0062】
主鏡10は、光軸AX上に形成された開口10aと、表側(副鏡20側)に形成された凹面状の反射面11とを有する凹面鏡である。副鏡20は、主鏡10の光軸AX上に対向配置され、表側(主鏡10側)形成された凸面状の反射面21を有する凸面反射鏡である。すなわち、主鏡10と副鏡20とは、いわゆるカセグレン光学系を構成している。
【0063】
光学部材30は、該部材に入射した光を反射する機能を備えた、小型の平面鏡である。
【0064】
アライメント装置は、主鏡10の反射面11から射出された光が通過可能である窓部60aが形成された筺体60に収納されている。
【0065】
なお、副鏡20は、後述の姿勢制御機構50により位置や姿勢の調整ができるように、副鏡保持用スパイダー22により筐体60に取り付けられている。
【0066】
主鏡10、副鏡20および光学部材30の面形状は、主鏡10の開口10aから入射したアライメント光が、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、光学部材30に至る入射光路と、光学部材30で反射して折り返されたアライメント光が、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aに至る射出光路とが一致するように設定されている。
【0067】
したがって、第3実施例におけるレーザレーダ装置の使用状態では、図8に示すように、送光する場合、レーザ光源(不図示)から供給されたレーザ光は、ダイクロイックミラーMで反射され、ビームスプリッタ41を透過して、カセグレン光学系(主鏡10,副鏡20)へ導かれる。カセグレン光学系(主鏡10,副鏡20)へ導かれたレーザ光は、主鏡10の開口10aから入射して、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、例えば、光軸AXに平行光束の状態で、目標方向の上空に向けて送光される。
【0068】
また、受光する場合、レーザ光の照射を受けた目標物からの散乱レーザ光は、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aを通過し、ビームスプリッタ41を透過し、ダイクロイックミラーMで反射された後、受光部(不図示)で受光される。受光部では、受光した散乱レーザ光の強度および戻り時間等を検出して、被測定対象の状態を検出する。
【0069】
第1実施例と同様に、第3実施例におけるアライメント装置によれば、図9にも示すように、光源Lから射出されたアライメント光は、ダイクロイックミラーMおよびビームスプリッタ41を順に透過し、主鏡10の開口10aから光軸AXに平行な平行光束の状態で入射し、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、光学部材30で反射して折り返され、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aから射出した後、ビームスプリッタ41に入射する。ビームスプリッタ41で反射されたアライメント光は、集光光学系42を介して光検出器43の検出面に集光され、光検出器43は該検出面上のアライメント光の集光位置を検出し、検出結果をデータ処理装置44に出力する。データ処理装置44は、光検出器43により検出されたアライメント光の集光位置と予め設定された基準位置とを対比して、主鏡10と副鏡20との位置ずれを算出し、この算出結果に基づきアライメント光の集光位置と基準位置との差が「ゼロ」となるようなアライメント調整信号を生成し、姿勢制御機構50に出力する。姿勢制御機構50は、データ処理装置44から出力されたアライメント調整信号に基づき、副鏡20の位置や姿勢を制御する。
【0070】
このように、第3実施例におけるアライメント装置でも、簡単で低コストな構成でありながら、主鏡10と副鏡20の位置合わせを行うことができる。
【0071】
次の表7に、レーザレーダ装置の無限遠目標物に対する使用状態におけるカセグレン光学系(図8参照)の諸元の値を掲げる。なお、第3実施例のカセグレン光学系では、入射瞳径が40mmであり、使用光の中心遮蔽の径が20mmであり、ビーム拡大倍率が8倍である。
【0072】
(表7)
面番号 r d κ
1 125.0000 -437.50(d1) -1 (副鏡20の反射面21)
2 1000.0000 ∞(d3) -1 (主鏡10の反射面20)
【0073】
次の表8に、無限遠目標物に対する使用状態におけるカセグレン光学系の位置合わせに適用されるアライメント装置のアライメント光学系(図9参照)の諸元の値を掲げる。なお、第3実施例のアライメント光学系では、入射瞳径が16mmであり、アライメント光の中心遮蔽の径が8.75mmであり、アライメント光の波長が632.8nmである。
【0074】
(表8)
面番号 r d κ
1 125.0000 -437.50(d1) -1 (副鏡20の反射面21)
2 1000.0000 452.50(d2) -1 (主鏡10の反射面11)
3 0.0000 -452.50(d4) 0 (光学部材30の入射面30a)
4 1000.0000 437.50(d5) -1 (主鏡10の反射面11)
5 125.0000 -537.50(d6) -1 (副鏡20の反射面21)
6 0.0000 -50.00(d7) 0 (ビームスプリッタ41)
7 -58.4057 -10.00 0 1.457021(集光光学系42)
8 -270.4231 -100.00(d8) 0
【0075】
次の表9に、第3実施例における無限遠の目標物に対するカセグレン光学系およびアライメント光学系における面間隔の値と、有限距離(300m)の目標物に対するカセグレン光学系およびアライメント光学系における面間隔の値とを掲げる。
【0076】
なお、表9において、面間隔d1は、表7および表8に示すように、副鏡20の反射面21から主鏡10の反射面11までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d2は、表8に示すように、主鏡10の反射面11から光学部材30の入射面30aまでの光軸AXに沿った距離である。面間隔d3は、表7に示すように、光学部材30の射出面30bから無限遠目標物までの距離である。面間隔d4は、表8に示すように、光学部材30の入射面30aから主鏡10の反射面11までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d5は、表8に示すように、主鏡10の反射面11から副鏡20の反射面21までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d6は、表8に示すように、副鏡20の反射面21からビームスプリッタ41までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d7は、表8に示すように、ビームスプリッタ41から集光光学系42の入射面までの該集光光学系42の光軸に沿った距離である。面間隔d8は、表8に示すように、集光光学系42の射出面から光検出器43の検出面までの該集光光学系42に沿った距離である。
【0077】
(表9)
面間隔 無限遠の目標物 有限距離の目標物
d1 -437.50 -438.36
d2 452.50 453.36
d3 ∞ 300000.00
d4 -452.50 -453.36
d5 437.50 438.36
d6 -537.50 -538.36
d7 -50.00 -56.27
d8 -100.00 -93.73
【0078】
表9より、第3実施例に係るレーザレーダ装置のカセグレン光学系では、副鏡20を光軸AXに沿って0.86mmだけ図7中右側へ移動させることにより、無限遠の目標物から300m先の有限距離の目標物に対するフォーカシングを行うことができる。このとき、第3実施例のアライメント光学系では、集光光学系42を自らの光軸に沿って6.27mmだけ図7中下側へ移動させてフォーカシングを行えば、主鏡10と副鏡20とのアライメント調整(位置合わせ)が可能となる。
【0079】
以上、第3実施例におけるアライメント装置の場合、光学部材30が小型で単純な平面鏡であり、非常に低コストで製作することができる。また、(光学部材30である)平面鏡は、副鏡20と同様に大きな部品ではないため、接合も容易であり、副鏡20と一体に固定保持しても重量的な負担は大きくなく、アライメント調整、チルト調整、フォーカシング調整のための駆動も容易に行うことができる。
【0080】
(第4実施例)
以下、第4実施例について説明する。第4実施例のアライメント装置は、第1実施例と基本構成は同じである。しかしながら、第1実施例のアライメント装置とは異なり、主鏡10を凹面鏡とし、副鏡を凹面鏡とした、いわゆるグレゴリー光学系に適用している。なお、第4実施例のアライメント装置の構成および動作を説明する際に、第1実施例の同様の機能を有するものについては、同じ番号を付し、その説明を省略することもある。
【0081】
図10および図11に示すように、第4実施例のアライメント装置は、例えばレーザレーダ装置のようなレーザ光学装置において、主鏡110の光軸AX上に対向配置された副鏡120とを有する送光および受光可能な光学系において、主鏡110と副鏡120の位置合わせをするためのものである。
【0082】
主鏡110は、光軸AX上に形成された開口110aと、表側(副鏡120側)に形成された凹面状の反射面111とを有する凹面鏡である。副鏡120は、主鏡110の光軸AX上に対向配置され、表側(主鏡110側)形成された凹面状の反射面121を有する凹面反射鏡である。すなわち、主鏡110と副鏡120とは、いわゆるグレゴリー光学系を構成している。
【0083】
光学部材30は、該部材に入射した光に対して反射機能および透過機能を備える。
【0084】
主鏡110、副鏡120および光学部材30の面形状は、主鏡110の開口110aから入射したアライメント光が、副鏡120の反射面121および主鏡110の反射面111を順に経て、光学部材30に至る入射光路と、光学部材30で反射して折り返されたアライメント光が、主鏡110の反射面111および副鏡120の反射面121を順に経て、主鏡110の開口110aに至る射出光路とが一致するように設定されている。
【0085】
したがって、第4実施例におけるレーザレーダ装置の使用状態では、図10に示すように、送光する場合、レーザ光源(不図示)から供給されたレーザ光は、ダイクロイックミラーMで反射され、ビームスプリッタ41を透過して、グレゴリー光学系(主鏡110,副鏡120)へ導かれる。グレゴリー光学系(主鏡110,副鏡120)へ導かれたレーザ光は、主鏡110の開口110aから入射して、副鏡120の反射面121および主鏡110の反射面111を順に経て、光学部材30を透過した後、例えば、光軸AXに平行光束の状態で、目標方向の上空に向けて送光される。
【0086】
また、受光する場合、レーザ光の照射を受けた目標物からの散乱レーザ光は、光学部材30を透過し、主鏡110の反射面111および副鏡120の反射面121を順に経て、主鏡110の開口110aを通過し、ビームスプリッタ41を透過し、ダイクロイックミラーMで反射された後、受光部(不図示)で受光される。受光部では、受光した散乱レーザ光の強度および戻り時間等を検出して、被測定対象の状態を検出する。
【0087】
第1実施例と同様に、第4実施例におけるアライメント装置によれば、図11に示すように、光源Lから射出されたアライメント光は、ダイクロイックミラーMおよびビームスプリッタ41を順に透過し、主鏡110の開口110aから光軸AXに平行な平行光束の状態で入射し、副鏡120の反射面121および主鏡110の反射面111を順に経て、光学部材30で反射して折り返され、主鏡110の反射面111および副鏡120の反射面121を順に経て、主鏡110の開口110aから射出した後、ビームスプリッタ41に入射する。ビームスプリッタ41で反射されたアライメント光は、集光光学系42を介して光検出器43の検出面に集光され、光検出器43は該検出面上のアライメント光の集光位置を検出し、検出結果をデータ処理装置44に出力する。データ処理装置44は、光検出器43により検出されたアライメント光の集光位置と予め設定された基準位置とを対比して、主鏡110と副鏡120との位置ずれを算出し、この算出結果に基づきアライメント光の集光位置と基準位置との差が「ゼロ」となるようなアライメント調整信号を生成し、姿勢制御機構50に出力する。姿勢制御機構50は、データ処理装置44から出力されたアライメント調整信号に基づき、副鏡120の位置や姿勢を制御する。
【0088】
このように、第4実施例におけるアライメント装置でも、簡単で低コストな構成でありながら、光量損失を抑えつつ、主鏡110と副鏡120の位置合わせを行うことができる。
【0089】
次の表10に、レーザレーダ装置の無限遠目標物に対する使用状態におけるグレゴリー光学系(図10参照)の諸元の値を掲げる。なお、第4実施例のグレゴリー光学系では、入射瞳径が40mmであり、使用光の中心遮蔽の径が10mmであり、ビーム拡大倍率が8倍である。
【0090】
(表10)
面番号 r d κ
1 -125.0000 -562.50(d11) -1 (副鏡120の反射面121)
2 1000.0000 577.50(d12) -1 (主鏡110の反射面111)
3 0.0000 15.00 0 (光学部材30の入射面30a)
4 0.0000 ∞(d13) 0 (光学部材30の射出面30b)
【0091】
次の表11に、無限遠目標物に対する使用状態におけるグレゴリー光学系の位置合わせに適用されるアライメント装置のアライメント光学系(図11参照)の諸元の値を掲げる。なお、第4実施例のアライメント光学系では、入射瞳径が40mmであり、アライメント光の中心遮蔽の径が10mmであり、アライメント光の波長が632.8nmである。
【0092】
(表11)
面番号 r d κ
1 125.0000 -562.50(d11) -1 (副鏡120の反射面121)
2 1000.0000 577.50(d12) -1 (主鏡110の反射面111)
3 0.0000 -577.50(d14) 0 (光学部材30の入射面30a)
4 1000.0000 562.50(d15) -1 (主鏡110の反射面111)
5 125.0000 -662.50(d16) -1 (副鏡120の反射面121)
6 0.0000 -50.00(d17) 0 (ビームスプリッタ41)
7 -59.8164 -10.00 0 1.457021(集光光学系42)
8 272.6586 -100.00(d18) 0
【0093】
次の表12に、無限遠の目標物に対するグレゴリー光学系およびアライメント光学系における面間隔の値と、有限距離(300m)の目標物に対するグレゴリー光学系およびアライメント光学系における面間隔の値とを掲げる。
【0094】
なお、表12において、面間隔d11は、表10および表11に示すように、副鏡120の反射面121から主鏡110の反射面111までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d12は、表10および表11に示すように、主鏡110の反射面111から光学部材30の入射面30aまでの光軸AXに沿った距離である。面間隔d13は、表10に示すように、光学部材30の射出面30bから無限遠目標物までの距離である。面間隔d14は、表11に示すように、光学部材30の入射面30aから主鏡110の反射面111までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d15は、表11に示すように、主鏡110の反射面111から副鏡120の反射面121までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d16は、表11に示すように、副鏡120の反射面121からビームスプリッタ41までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d17は、表11に示すように、ビームスプリッタ41から集光光学系42の入射面までの該集光光学系42の光軸に沿った距離である。面間隔d18は、表11に示すように、集光光学系42の射出面から光検出器43の検出面までの該集光光学系42の光軸に沿った距離である。
【0095】
(表12)
面間隔 無限遠の目標物 有限距離の目標物
d9 -562.50 -563.36
d10 577.50 578.36
d11 ∞ 300000.00
d12 -577.50 -578.36
d13 562.50 563.36
d14 -662.50 -663.36
d15 -50.00 -55.03
d16 -100.00 -94.97
【0096】
表12より、第4実施例に係るレーザレーダ装置のグレゴリー光学系では、副鏡20を光軸AXに沿って0.86mmだけ図10中右側へ移動させることにより、無限遠の目標物から300m先の有限距離の目標物に対するフォーカシングを行うことができる。このとき、第4実施例のアライメント光学系では、集光光学系42を自らの光軸に沿って5.03mmだけ図11中下側へ移動させてフォーカシングを行えば、主鏡10と副鏡20とのアライメント調整(位置合わせ)が可能となる。
【0097】
なお、本発明を分かりやすくするために、実施形態の構成要件を付して説明したが、本発明がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0098】
上記の説明では、レーザレーダ装置のようなレーザ光学系のカセグレン光学系およびグレゴリー光学系中の主鏡と副鏡とを位置合わせするためのアライメント装置について、本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、光軸に沿って対向配置された主鏡と副鏡とを有する光学系において、主鏡と副鏡とを位置合わせするためのアライメント装置に対して、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】第1実施例に係るアライメント装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】第1実施例のアライメント装置が適用されるレーザレーダ装置の使用状態を示す図である。
【図3】第1実施例のアライメント装置が適用される状態を示す図である。
【図4】第2実施例に係るアライメント装置の構成を概略的に示す図である。
【図5】第2実施例のアライメント装置が適用されるレーザレーダ装置の使用状態を示す図である。
【図6】第2実施例のアライメント装置が適用される状態を示す図である。
【図7】第3実施例に係るアライメント装置の構成を概略的に示す図である。
【図8】第3実施例のアライメント装置が適用されるレーザレーダ装置の使用状態を示す図である。
【図9】第3実施例のアライメント装置が適用される状態を示す図である。
【図10】第4実施例のアライメント装置が適用されるレーザレーダ装置の使用状態を示す図である。
【図11】第4実施例のアライメント装置が適用される状態を示す図である。
【符号の説明】
【0100】
10,110 主鏡
10a,110a 開口
11,111 主鏡の反射面
20,120 副鏡
21,121 副鏡の反射面
30 光学部材
40 検出系
50 姿勢制御機構
60 筐体 60a 窓部
【技術分野】
【0001】
本発明は、アライメント装置に関し、特にレーザ照射装置、レーザ測距装置等のレーザ光学装置に備えられる主鏡と副鏡とのアライメント(位置合わせ)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
この種のレーザ光学装置として、例えば特開2002−121724号公報に記載されているように、上空に向けてレーザ光を送出する送光光学系と、送光光学系から送出したレーザ光の散乱レーザ光を受光する受光光学系とを備えたレーザレーダ装置が知られている。また、レーザレーダ装置のように大口径反射光学系が採用されたレーザ光学装置において、カセグレン光学系の主鏡と副鏡との位置合わせに利用可能なアライメント光学系が開示されている。
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0279838A1号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、特許文献1には、副鏡の周辺部に密着するように敷設されたヌル光学系としての円環状の球面鏡を用いるアライメント光学系が提案されている。しかしながら、この構成では、互いに密着した球面鏡および副鏡の製作が困難であるという不都合がある。また、ヌル球面鏡の面積分だけ光束の中心遮蔽量が増えるという不都合がある。
【0004】
また、特許文献1には、主鏡と同程度の大口径で且つ大きな中央貫通部を有する穴あき平面鏡を用いるアライメント光学系が提案されている。しかしながら、この構成では、大口径の穴あき平面鏡の面積分だけ送光光量および受光光量が損なわれるという不都合がある。また、大口径の穴あき平面鏡を所望の精度で製作および設置することが困難であり、大きなコストがかかるという不都合がある。
【0005】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたものであり、簡単で低コストな構成でありながら、主鏡と副鏡の位置合わせを行うことができるアライメント装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するため、本発明を例示する第一の態様に従えば、光軸に沿って対向するように配置された主鏡と副鏡とを有する光学系において、前記主鏡と前記副鏡とを位置合わせするためのアライメント装置であって、光の反射機能を備えた光学部材と、前記光軸に平行な平行光束を前記副鏡に入射し、前記副鏡の反射面および前記主鏡の反射面を順に経て、前記光学部材で反射して折り返され、前記主鏡の反射面および前記副鏡の反射面を順に経たアライメント光に基づいて、前記主鏡と前記副鏡との位置ずれを検出する検出系とを有することを特徴とするアライメント装置が提供される。
【0007】
また、本発明を例示する第二の態様に従えば、光軸に沿って対向するように配置された主鏡と副鏡とを有する光学系と、第一の態様のアライメント装置とを備えていることを特徴とする光学装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
以上説明したように、本発明によれば、簡単で低コストな構成でありながら、主鏡と副鏡の位置合わせを行うことができるアライメント装置を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るアライメント装置の構成を概略的に示す図である。本実施形態に係るアライメント装置は、例えばレーザレーダ装置のようなレーザ光学装置など、光軸上に形成された開口を有する主鏡と、前記主鏡の光軸上に対向配置された副鏡とを有する送光および受光可能な光学系において、主鏡と副鏡の位置合わせをするためのアライメント装置であり、図1に示すように、主鏡10と、副鏡20と、光学部材30と、検出系40と、姿勢制御機構50とを有する。
【0010】
主鏡10は、光軸AX上に形成された開口10aと、表側(副鏡20側)に形成された凹面状の反射面11とを有する凹面鏡である。副鏡20は、主鏡10の光軸AX上に対向配置され、表側(主鏡10側)形成された凸面状の反射面21を有する凸面反射鏡である。すなわち、主鏡10と副鏡20とは、いわゆるカセグレン光学系を構成している。
【0011】
光学部材30は、該部材に入射した光に対して反射機能および透過機能を備える。
【0012】
本実施形態に係るアライメント装置は光学部材30を透過した光が通過可能である窓部60aが形成された筺体60に収納されており、光学部材30は前記窓部60aに配置されている。この構成によれば、筺体60の気密性を向上させることができ、筺体60内に収納された光学系や不図示の電気部品等を、風雨や結露等の外部因子から守ることができる。
【0013】
また、光学部材30は、副鏡20を固定保持する。この構成により、副鏡20を保持するトラス等が不要となり、部品点数を減らして簡単な装置構成が可能となり、またコスト抑制にも貢献できる。
【0014】
主鏡10、副鏡20および光学部材30の面形状は、主鏡10の開口10aから入射したアライメント光が、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、光学部材30に至る入射光路と、光学部材30で反射して折り返されたアライメント光が、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aに至る射出光路とが一致するように設定されている。
【0015】
検出系40は、光軸AX上に設けられ、主鏡10の開口10aから射出したアライメント光を分割するビームスプリッタ41と、ビームスプリッタ41により分割されたアライメント光を所定面上に集光する集光光学系42と、前記所定面に検出面が位置決めされ、該検出面上のアライメント光の集光位置を検出する、例えば二次元CCDのような光検出器43と、光検出器43により検出されたアライメント光の集光位置と予め設定された基準位置とを対比して、主鏡10と副鏡20との位置ずれ(例えば、光軸AXと直交する方向のシフトや、光軸AXに対する傾き(チルト)など)を算出し、算出結果から集光位置と基準位置との差が「ゼロ」となるようなアライメント調整信号を生成するデータ処理装置44とを有する。
【0016】
姿勢制御機構50は、上記検出系40による検出結果に基づいて、主鏡10と副鏡20との光軸が合致するように、具体的には、データ処理装置44により出力されたアライメント調整信号に基づき、少なくとも主鏡10と副鏡20のどちらか一方の位置や姿勢を制御する(なお、図1では、制御対象が主鏡10である例を挙げている)。
【0017】
アライメント装置は、さらに、光源Lと、ダイクロイックミラーMとを有する。光源Lは、例えば円環状の断面を有するアライメント光を供給する。ダイクロイックミラーMは、光軸AX上において光源Lとビームスプリッタ41との間に設けられており、アライメント光を透過し、また主鏡10と副鏡20とからなるカセグレン光学系の使用光を反射する。
【0018】
本実施形態におけるレーザレーダ装置の使用状態では、図2に示すように、送光する場合、レーザ光源(不図示)から供給されたレーザ光は、ダイクロイックミラーMで反射され、ビームスプリッタ41を透過して、カセグレン光学系(主鏡10,副鏡20)へ導かれる。カセグレン光学系(主鏡10,副鏡20)へ導かれたレーザ光は、主鏡10の開口10aから入射して、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、光学部材30を透過した後、例えば、光軸AXに平行光束の状態で、目標方向の上空に向けて送光される)。
【0019】
また、受光する場合、レーザ光の照射を受けた目標物からの散乱レーザ光は、光学部材30を透過し、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aを通過し、ビームスプリッタ41を透過し、ダイクロイックミラーMで反射された後、受光部(不図示)で受光される。受光部では、例えば受光した散乱レーザ光の強度および戻り時間等を検出して、被測定対象の状態を検出する。
【0020】
本実施形態のアライメント装置では、図3に示すように、光源Lから射出されたアライメント光は、ダイクロイックミラーMおよびビームスプリッタ41を順に透過し、主鏡10の開口10aから光軸AXに平行な平行光束の状態で入射し、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、光学部材30で反射して折り返され、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aから射出した後、ビームスプリッタ41に入射する。ビームスプリッタ41で反射されたアライメント光は、集光光学系42を介して光検出器43の検出面に集光され、光検出器43は該検出面上のアライメント光の集光位置を検出し、検出結果をデータ処理装置44に出力する。データ処理装置44は、光検出器43により検出されたアライメント光の集光位置と予め設定された基準位置とを対比して、主鏡10と副鏡20との位置ずれを算出し、この算出結果に基づきアライメント調整信号を生成する。
【0021】
例えば、レーザレーダ装置において、主鏡10と副鏡20とが光軸AXに沿って正確に位置合わせされた状態では、副鏡20から射出され(主鏡10の開口10aを介して)前記ビームスプリッタ41へ戻ったアライメント光は、ビームスプリッタ41から(主鏡10の開口10aを介して)副鏡20に入射したアライメント光と同様に、光軸AXに対して平行光束の状態にある。したがって、アライメント光は、集光光学系42により光検出器43の検出面上において、光軸AXと交わる所定の基準位置(例えば検出面の中心位置)に小さなスポット光を形成する。このとき、光検出器43により検出されたアライメント光の集光位置(スポット光の位置)と基準位置とが一致しているため、データ処理装置44は、スポット光の集光位置と基準位置との差が「ゼロ」である旨のアライメント調整信号を生成し、姿勢制御機構50に出力する。
【0022】
一方、主鏡10と副鏡20とが相対的に位置ずれした状態では、アライメント光は、光検出器43の検出面上において、所定の基準位置から外れた位置にスポット光を形成する。このとき、光検出器43はアライメント光の集光位置(スポット光の位置情報)を検出し、データ処理装置44は、光検出器43の検出結果に基づいてアライメント光と所定の基準位置との位置ずれ、すなわち主鏡10と副鏡20との位置ずれを算出し、アライメント光の集光位置と基準位置との差が「ゼロ」となるようなアライメント調整信号を生成し、姿勢制御機構50に出力する。
【0023】
姿勢制御機構50では、データ処理装置44から出力されたアライメント調整信号に基づき、少なくとも主鏡10と副鏡20のどちらか一方(図1では主鏡10)の位置や姿勢を制御して、主鏡10と副鏡20との位置合わせができ、ひいてはレーダ精度の確保に貢献することができるようになっている。
【0024】
なお、本実施形態におけるレーザレーダ装置では、例えば、副鏡20を光軸AXに沿って移動させることにより、有限距離の目標物に対するフォーカシングを行うことがある。その際には、アライメント装置において、集光光学系42も光検出器43の検出面上に形成されるスポット光が十分に小さくなるように、自らの光軸に沿って移動させてフォーカシングを行えば、主鏡10と副鏡20との位置合わせができる。
【0025】
また、本実施形態においては、主鏡10と副鏡20との位置合わせ(アライメント)を、検出系40の検出結果に基づいて動作する姿勢制御装置50を介して自動で行っているが、手動で行ってもよい。
【0026】
こうして、本実施形態に係るアライメント装置では、簡単で低コストな構成でありながら、光量損失を抑えつつ、主鏡10と副鏡20との位置合わせを行うことができる。以下、記実施形態の具体的な数値実施例である、第1実施例について説明する。
【0027】
(第1実施例)
次の表1に、レーザレーダ装置の無限遠目標物に対する使用状態におけるカセグレン光学系(図2参照)の諸元の値を掲げる。表1において、面番号はレーザレーダ装置の使用光(波長1064nm)が入射する面の順序を、rは各面の曲率半径(単位:mm,非球面の場合には頂点曲率半径)を、dは各面の軸上間隔すなわち次の面までの面間隔(単位:mm)を、κは各面の非球面形状を規定する円錐係数(コーニック定数)をそれぞれ示している。なお、曲率半径rにおいて、光源側に向かって凸面の曲率半径を正とし、光源側に向かって凹面の曲率半径を負とし、「0.0000」は平面を示す。表1における表記は、以降の表4,表7および表10においても同様である。
【0028】
非球面は、光軸に垂直な方向の高さをyとし、非球面の頂点における接平面から高さyにおける非球面上の位置までの光軸に沿った距離(サグ量)をzとし、頂点曲率半径をrとし、円錐係数をκとしたとき、以下の式(a)で表される。後述の表においても、レンズ面が非球面である場合には、面番号に*印を付している。
【0029】
z=(y2/r)/[1+{1−(κ+1)・y2/r2}1/2] …(a)
【0030】
なお、第1実施例のカセグレン光学系では、入射瞳径が40mmであり、使用光の中心遮蔽の径が10mmであり、ビーム拡大倍率が8倍である。
【0031】
(表1)
面番号 r d κ
1 125.0000 -437.50(d1) -1 (副鏡20の反射面21)
2 1000.0000 452.50(d2) -1 (主鏡10の反射面11)
3 0.0000 15.00 0 (光学部材30の入射面30a)
4 0.0000 ∞(d3) 0 (光学部材30の射出面30b)
【0032】
次の表2に、無限遠目標物に対する使用状態におけるカセグレン光学系の位置合わせに適用されるアライメント装置のアライメント光学系(図3参照)の諸元の値を掲げる。表2において、面番号はアライメント光が入射する面の順序を、rは各面の曲率半径(単位:mm,非球面の場合には頂点曲率半径)を、dは各面の軸上間隔すなわち次の面までの面間隔(単位:mm)を、κは各面の非球面形状を規定する円錐係数(コーニック定数)を、nは各面と次の面までの媒質のアライメント光に対する屈折率をそれぞれ示している。
【0033】
なお、曲率半径rにおいて、光源側に向かって凸面の曲率半径を正とし、光源側に向かって凹面の曲率半径を負とし、「0.0000」は平面を示す。但し、集光光学系42において、曲率半径rは、光の入射側に向かって凸面の曲率半径を負とし、光の入射側に向かって凹面の曲率半径を正としている。また、面間隔dは、反射される度に、その符号を変えるものとする。
【0034】
なお、第1実施例のアライメント光学系では、入射瞳径が40mmであり、アライメント光の中心遮蔽の径が10mmであり、アライメント光の波長が632.8nmである。表2における表記は、以降の表5,表8および表11においても同様である。
【0035】
(表2)
面番号 r d κ
1 125.0000 -437.50(d1) -1 (副鏡20の反射面21)
2 1000.0000 452.50(d2) -1 (主鏡10の反射面11)
3 0.0000 -452.50(d4) 0 (光学部材30の入射面30a)
4 1000.0000 437.50(d5) -1 (主鏡10の反射面11)
5 125.0000 -537.50(d6) -1 (副鏡20の反射面21)
6 0.0000 -50.00(d7) 0 (ビームスプリッタ41)
7 -59.8164 -10.00 0 1.457021(集光光学系42)
8 272.6586 -100.00(d8) 0
【0036】
次の表3に、無限遠の目標物に対するカセグレン光学系およびアライメント光学系における面間隔の値と、有限距離(300m)の目標物に対するカセグレン光学系およびアライメント光学系における面間隔の値とを掲げる。
【0037】
なお、表3において、面間隔d1は、表1および表2に示すように、副鏡20の反射面21から主鏡10の反射面11までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d2は、表1および表2に示すように、主鏡10の反射面11から光学部材30の入射面30aまでの光軸AXに沿った距離である。面間隔d3は、表1に示すように、光学部材30の射出面30bから無限遠目標物までの距離である。面間隔d4は、表2に示すように、光学部材30の入射面30aから主鏡10の反射面11までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d5は、表2に示すように、主鏡10の反射面11から副鏡20の反射面21までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d6は、表2に示すように、副鏡20の反射面21からビームスプリッタ41までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d7は、表2に示すように、ビームスプリッタ41から集光光学系42の入射面までの該集光光学系42の光軸に沿った距離である。面間隔d8は、表2に示すように、集光光学系42の射出面から光検出器43の検出面までの該集光光学系42の光軸に沿った距離である。
【0038】
(表3)
面間隔 無限遠の目標物 有限距離の目標物
d1 -437.50 -438.36
d2 452.50 453.36
d3 ∞ 300000.00
d4 -452.50 -453.36
d5 437.50 438.36
d6 -537.50 -538.36
d7 -50.00 -55.05
d8 -100.00 -94.95
【0039】
表3より、第1実施例に係るレーザレーダ装置のカセグレン光学系では、主鏡10を光軸AXに沿って0.86mmだけ図1中左側へ移動させることにより、無限遠の目標物から300m先の有限距離の目標物に対するフォーカシングを行うことができる。このとき、第1実施例のアライメント光学系では、集光光学系42を自らの光軸に沿って5.05mmだけ図1中下側へ移動させてフォーカシングを行えば、主鏡10と副鏡20とのアライメント調整(位置合わせ)が可能となる。
【0040】
(第2実施例)
以下、第2実施例について説明する。第2実施例のアライメント装置は、第1実施例と基本構成は同じである。しかしながら、第1実施例のアライメント装置とは、副鏡20が(光学部材30とは一体でなく)副鏡保持用スパイダー22によって筺体60に可動可能に取り付けられている点と、これに伴い姿勢制御機構50により(主鏡10ではなく)副鏡20の位置や姿勢が制御される点とが異なることに着目して、第2実施例のアライメント装置の構成および動作を説明する。なお、第1実施例の同様の機能を有するものについては、同じ番号を付し、その説明を省略することもある。
【0041】
図4に示すように、第2実施例のアライメント装置は、例えばレーザレーダ装置のようなレーザ光学装置など、主鏡10の光軸AX上に対向配置された副鏡20とを有する送光および受光可能な光学系において、主鏡10と副鏡20の位置合わせをするためのものである。
【0042】
主鏡10は、光軸AX上に形成された開口10aと、表側(副鏡20側)に形成された凹面状の反射面11とを有する凹面鏡である。副鏡20は、主鏡10の光軸AX上に対向配置され、表側(主鏡10側)形成された凸面状の反射面21を有する凸面反射鏡である。すなわち、主鏡10と副鏡20とは、いわゆるカセグレン光学系を構成している。
【0043】
光学部材30は、該部材に入射した光に対して反射機能および透過機能を備える。
【0044】
アライメント装置は、光学部材30を透過した光が通過可能である窓部60aが形成された筺体60に収納されており、該窓部60aには光学部材30が配置されている。
【0045】
なお、副鏡20は、後述の姿勢制御機構50を介して位置や姿勢の調整ができるように、副鏡保持用スパイダー22により筐体60に取り付けられている。
【0046】
主鏡10、副鏡20および光学部材30の面形状は、主鏡10の開口10aから入射したアライメント光が、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、光学部材30に至る入射光路と、光学部材30で反射して折り返されたアライメント光が、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aに至る射出光路とが一致するように設定されている。
【0047】
したがって、第2実施例におけるレーザレーダ装置の使用状態では、図5に示すように、送光する場合、レーザ光源(不図示)から供給されたレーザ光は、ダイクロイックミラーMで反射され、ビームスプリッタ41を透過して、カセグレン光学系(主鏡10,副鏡20)へ導かれる。カセグレン光学系(主鏡10,副鏡20)へ導かれたレーザ光は、主鏡10の開口10aから入射して、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、光学部材30を透過した後、例えば、光軸AXに平行光束の状態で、目標方向の上空に向けて送光される。
【0048】
また、受光する場合、レーザ光の照射を受けた目標物からの散乱レーザ光は、光学部材30を透過し、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aを通過し、ビームスプリッタ41を透過し、ダイクロイックミラーMで反射された後、受光部(不図示)で受光される。受光部では、受光した散乱レーザ光の強度および戻り時間等を検出して、被測定対象の状態を検出する。
【0049】
第1実施例と同様に、第2実施例におけるアライメント装置では、図6にも示すように、光源Lから射出されたアライメント光は、ダイクロイックミラーMおよびビームスプリッタ41を順に透過し、主鏡10の開口10aから光軸AXに平行な平行光束の状態で入射し、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、光学部材30で反射して折り返され、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aから射出した後、ビームスプリッタ41に入射する。ビームスプリッタ41で反射されたアライメント光は、集光光学系42を介して光検出器43の検出面に集光され、光検出器43は該検出面上のアライメント光の集光位置を検出し、検出結果をデータ処理装置44に出力する。データ処理装置44は、光検出器43により検出されたアライメント光の集光位置と予め設定された基準位置とを対比して、主鏡10と副鏡20との位置ずれを算出し、この算出結果に基づきアライメント光の集光位置と基準位置との差が「ゼロ」となるようなアライメント調整信号を生成し、姿勢制御機構50に出力する。姿勢制御機構50は、データ処理装置44から出力されたアライメント調整信号に基づき、副鏡20の位置や姿勢を制御する。
【0050】
このように、第2実施例におけるアライメント装置でも、簡単で低コストな構成でありながら、光量損失を抑えつつ、主鏡10と副鏡20の位置合わせを行うことができる。
【0051】
次の表4に、第2実施例におけるレーザレーダ装置の無限遠目標物に対する使用状態におけるカセグレン光学系(図5参照)の諸元の値を掲げる。なお、第2実施例のカセグレン光学系では、入射瞳径が40mmであり、使用光の中心遮蔽の径が10mmであり、ビーム拡大倍率が8倍である。
【0052】
(表4)
面番号 r d κ
1 125.0000 -437.50(d1) -1 (副鏡20の反射面21)
2 1000.0000 497.50 -1 (主鏡10の反射面11)
3 0.0000 15.00 0 (光学部材30の入射面30a)
4 0.0000 ∞(d3) 0 (光学部材30の射出面30b)
【0053】
次の表5に、無限遠目標物に対する使用状態におけるカセグレン光学系の位置合わせに適用されるアライメント装置のアライメント光学系(図6参照)の諸元の値を掲げる。なお、第2実施例のアライメント光学系では、入射瞳径が40mmであり、アライメント光の中心遮蔽の径が10mmであり、アライメント光の波長が632.8nmである。
【0054】
(表5)
面番号 r d κ
1 125.0000 -437.50(d1) -1 (副鏡20の反射面21)
2 1000.0000 497.50 -1 (主鏡10の反射面11)
3 0.0000 -497.50 0 (光学部材30の入射面)
4 1000.0000 437.50(d5) -1 (主鏡10の反射面11)
5 125.0000 -537.50(d6) -1 (副鏡20の反射面21)
6 0.0000 -50.00(d7) 0 (ビームスプリッタ41)
7 -59.8164 -10.00 0 1.457021(集光光学系42)
8 272.6586 -100.00(d8) 0
【0055】
次の表6に、無限遠の目標物に対するカセグレン光学系およびアライメント光学系における面間隔の値と、有限距離(300m)の目標物に対するカセグレン光学系およびアライメント光学系における面間隔の値とを掲げる。
【0056】
なお、表6において、面間隔d1は、表4および表5に示すように、副鏡20の反射面21から主鏡10の反射面11までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d3は、表4に示すように、光学部材30の射出面30bから無限遠目標物までの距離である。面間隔d5は、表5に示すように、主鏡10の反射面11から副鏡20の反射面21までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d6は、表5に示すように、副鏡20の反射面21からビームスプリッタ41までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d7は、表5に示すように、ビームスプリッタ41から集光光学系42の入射面までの該集光光学系42の光軸に沿った距離である。面間隔d8は、表5に示すように、集光光学系42の射出面から光検出器43の検出面までの該集光光学系42の光軸に沿った距離である。
【0057】
(表6)
面間隔 無限遠の目標物 有限距離の目標物
d1 -437.50 -438.36
d3 ∞ 300000.00
d5 437.50 438.36
d6 -537.50 -538.36
d7 -50.00 -55.05
d8 -100.00 -94.95
【0058】
表6より、第2実施例に係るレーザレーダ装置のカセグレン光学系では、副鏡20を光軸AXに沿って0.86mmだけ図4中右側へ移動させることにより、無限遠の目標物から300m先の有限距離の目標物に対するフォーカシングを行うことができる。このとき、第2実施例のアライメント光学系では、集光光学系42を自らの光軸に沿って5.05mmだけ図4中下側へ移動させてフォーカシングを行えば、主鏡10と副鏡20とのアライメント調整(位置合わせ)が可能となる。
【0059】
以上、第2実施例におけるアライメント装置の場合、フォーカシング調整やシフトチルト調整をコンパクトな副鏡20単独で行うことができ、姿勢制御機構50を構成する可動部品の重量を大幅に減らすことができる。
【0060】
(第3実施例)
以下、第3実施例について説明する。第3実施例のアライメント装置は、第1実施例と基本構成は同じである。しかしながら、第1実施例のアライメント装置とは、副鏡20を固定保持する光学部材30の口径が小さい点が異なることに着目して、第3実施例のアライメント装置の構成および動作を説明する。なお、第1実施例の同様の機能を有するものについては、同じ番号を付してその説明を省略することもある。
【0061】
図7に示すように、第3実施例のアライメント装置は、例えばレーザレーダ装置のようなレーザ光学装置において、主鏡10の光軸AX上に対向配置された副鏡20とを有する送光および受光可能な光学系において、主鏡10と副鏡20の位置合わせをするためのものである。
【0062】
主鏡10は、光軸AX上に形成された開口10aと、表側(副鏡20側)に形成された凹面状の反射面11とを有する凹面鏡である。副鏡20は、主鏡10の光軸AX上に対向配置され、表側(主鏡10側)形成された凸面状の反射面21を有する凸面反射鏡である。すなわち、主鏡10と副鏡20とは、いわゆるカセグレン光学系を構成している。
【0063】
光学部材30は、該部材に入射した光を反射する機能を備えた、小型の平面鏡である。
【0064】
アライメント装置は、主鏡10の反射面11から射出された光が通過可能である窓部60aが形成された筺体60に収納されている。
【0065】
なお、副鏡20は、後述の姿勢制御機構50により位置や姿勢の調整ができるように、副鏡保持用スパイダー22により筐体60に取り付けられている。
【0066】
主鏡10、副鏡20および光学部材30の面形状は、主鏡10の開口10aから入射したアライメント光が、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、光学部材30に至る入射光路と、光学部材30で反射して折り返されたアライメント光が、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aに至る射出光路とが一致するように設定されている。
【0067】
したがって、第3実施例におけるレーザレーダ装置の使用状態では、図8に示すように、送光する場合、レーザ光源(不図示)から供給されたレーザ光は、ダイクロイックミラーMで反射され、ビームスプリッタ41を透過して、カセグレン光学系(主鏡10,副鏡20)へ導かれる。カセグレン光学系(主鏡10,副鏡20)へ導かれたレーザ光は、主鏡10の開口10aから入射して、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、例えば、光軸AXに平行光束の状態で、目標方向の上空に向けて送光される。
【0068】
また、受光する場合、レーザ光の照射を受けた目標物からの散乱レーザ光は、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aを通過し、ビームスプリッタ41を透過し、ダイクロイックミラーMで反射された後、受光部(不図示)で受光される。受光部では、受光した散乱レーザ光の強度および戻り時間等を検出して、被測定対象の状態を検出する。
【0069】
第1実施例と同様に、第3実施例におけるアライメント装置によれば、図9にも示すように、光源Lから射出されたアライメント光は、ダイクロイックミラーMおよびビームスプリッタ41を順に透過し、主鏡10の開口10aから光軸AXに平行な平行光束の状態で入射し、副鏡20の反射面21および主鏡10の反射面11を順に経て、光学部材30で反射して折り返され、主鏡10の反射面11および副鏡20の反射面21を順に経て、主鏡10の開口10aから射出した後、ビームスプリッタ41に入射する。ビームスプリッタ41で反射されたアライメント光は、集光光学系42を介して光検出器43の検出面に集光され、光検出器43は該検出面上のアライメント光の集光位置を検出し、検出結果をデータ処理装置44に出力する。データ処理装置44は、光検出器43により検出されたアライメント光の集光位置と予め設定された基準位置とを対比して、主鏡10と副鏡20との位置ずれを算出し、この算出結果に基づきアライメント光の集光位置と基準位置との差が「ゼロ」となるようなアライメント調整信号を生成し、姿勢制御機構50に出力する。姿勢制御機構50は、データ処理装置44から出力されたアライメント調整信号に基づき、副鏡20の位置や姿勢を制御する。
【0070】
このように、第3実施例におけるアライメント装置でも、簡単で低コストな構成でありながら、主鏡10と副鏡20の位置合わせを行うことができる。
【0071】
次の表7に、レーザレーダ装置の無限遠目標物に対する使用状態におけるカセグレン光学系(図8参照)の諸元の値を掲げる。なお、第3実施例のカセグレン光学系では、入射瞳径が40mmであり、使用光の中心遮蔽の径が20mmであり、ビーム拡大倍率が8倍である。
【0072】
(表7)
面番号 r d κ
1 125.0000 -437.50(d1) -1 (副鏡20の反射面21)
2 1000.0000 ∞(d3) -1 (主鏡10の反射面20)
【0073】
次の表8に、無限遠目標物に対する使用状態におけるカセグレン光学系の位置合わせに適用されるアライメント装置のアライメント光学系(図9参照)の諸元の値を掲げる。なお、第3実施例のアライメント光学系では、入射瞳径が16mmであり、アライメント光の中心遮蔽の径が8.75mmであり、アライメント光の波長が632.8nmである。
【0074】
(表8)
面番号 r d κ
1 125.0000 -437.50(d1) -1 (副鏡20の反射面21)
2 1000.0000 452.50(d2) -1 (主鏡10の反射面11)
3 0.0000 -452.50(d4) 0 (光学部材30の入射面30a)
4 1000.0000 437.50(d5) -1 (主鏡10の反射面11)
5 125.0000 -537.50(d6) -1 (副鏡20の反射面21)
6 0.0000 -50.00(d7) 0 (ビームスプリッタ41)
7 -58.4057 -10.00 0 1.457021(集光光学系42)
8 -270.4231 -100.00(d8) 0
【0075】
次の表9に、第3実施例における無限遠の目標物に対するカセグレン光学系およびアライメント光学系における面間隔の値と、有限距離(300m)の目標物に対するカセグレン光学系およびアライメント光学系における面間隔の値とを掲げる。
【0076】
なお、表9において、面間隔d1は、表7および表8に示すように、副鏡20の反射面21から主鏡10の反射面11までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d2は、表8に示すように、主鏡10の反射面11から光学部材30の入射面30aまでの光軸AXに沿った距離である。面間隔d3は、表7に示すように、光学部材30の射出面30bから無限遠目標物までの距離である。面間隔d4は、表8に示すように、光学部材30の入射面30aから主鏡10の反射面11までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d5は、表8に示すように、主鏡10の反射面11から副鏡20の反射面21までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d6は、表8に示すように、副鏡20の反射面21からビームスプリッタ41までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d7は、表8に示すように、ビームスプリッタ41から集光光学系42の入射面までの該集光光学系42の光軸に沿った距離である。面間隔d8は、表8に示すように、集光光学系42の射出面から光検出器43の検出面までの該集光光学系42に沿った距離である。
【0077】
(表9)
面間隔 無限遠の目標物 有限距離の目標物
d1 -437.50 -438.36
d2 452.50 453.36
d3 ∞ 300000.00
d4 -452.50 -453.36
d5 437.50 438.36
d6 -537.50 -538.36
d7 -50.00 -56.27
d8 -100.00 -93.73
【0078】
表9より、第3実施例に係るレーザレーダ装置のカセグレン光学系では、副鏡20を光軸AXに沿って0.86mmだけ図7中右側へ移動させることにより、無限遠の目標物から300m先の有限距離の目標物に対するフォーカシングを行うことができる。このとき、第3実施例のアライメント光学系では、集光光学系42を自らの光軸に沿って6.27mmだけ図7中下側へ移動させてフォーカシングを行えば、主鏡10と副鏡20とのアライメント調整(位置合わせ)が可能となる。
【0079】
以上、第3実施例におけるアライメント装置の場合、光学部材30が小型で単純な平面鏡であり、非常に低コストで製作することができる。また、(光学部材30である)平面鏡は、副鏡20と同様に大きな部品ではないため、接合も容易であり、副鏡20と一体に固定保持しても重量的な負担は大きくなく、アライメント調整、チルト調整、フォーカシング調整のための駆動も容易に行うことができる。
【0080】
(第4実施例)
以下、第4実施例について説明する。第4実施例のアライメント装置は、第1実施例と基本構成は同じである。しかしながら、第1実施例のアライメント装置とは異なり、主鏡10を凹面鏡とし、副鏡を凹面鏡とした、いわゆるグレゴリー光学系に適用している。なお、第4実施例のアライメント装置の構成および動作を説明する際に、第1実施例の同様の機能を有するものについては、同じ番号を付し、その説明を省略することもある。
【0081】
図10および図11に示すように、第4実施例のアライメント装置は、例えばレーザレーダ装置のようなレーザ光学装置において、主鏡110の光軸AX上に対向配置された副鏡120とを有する送光および受光可能な光学系において、主鏡110と副鏡120の位置合わせをするためのものである。
【0082】
主鏡110は、光軸AX上に形成された開口110aと、表側(副鏡120側)に形成された凹面状の反射面111とを有する凹面鏡である。副鏡120は、主鏡110の光軸AX上に対向配置され、表側(主鏡110側)形成された凹面状の反射面121を有する凹面反射鏡である。すなわち、主鏡110と副鏡120とは、いわゆるグレゴリー光学系を構成している。
【0083】
光学部材30は、該部材に入射した光に対して反射機能および透過機能を備える。
【0084】
主鏡110、副鏡120および光学部材30の面形状は、主鏡110の開口110aから入射したアライメント光が、副鏡120の反射面121および主鏡110の反射面111を順に経て、光学部材30に至る入射光路と、光学部材30で反射して折り返されたアライメント光が、主鏡110の反射面111および副鏡120の反射面121を順に経て、主鏡110の開口110aに至る射出光路とが一致するように設定されている。
【0085】
したがって、第4実施例におけるレーザレーダ装置の使用状態では、図10に示すように、送光する場合、レーザ光源(不図示)から供給されたレーザ光は、ダイクロイックミラーMで反射され、ビームスプリッタ41を透過して、グレゴリー光学系(主鏡110,副鏡120)へ導かれる。グレゴリー光学系(主鏡110,副鏡120)へ導かれたレーザ光は、主鏡110の開口110aから入射して、副鏡120の反射面121および主鏡110の反射面111を順に経て、光学部材30を透過した後、例えば、光軸AXに平行光束の状態で、目標方向の上空に向けて送光される。
【0086】
また、受光する場合、レーザ光の照射を受けた目標物からの散乱レーザ光は、光学部材30を透過し、主鏡110の反射面111および副鏡120の反射面121を順に経て、主鏡110の開口110aを通過し、ビームスプリッタ41を透過し、ダイクロイックミラーMで反射された後、受光部(不図示)で受光される。受光部では、受光した散乱レーザ光の強度および戻り時間等を検出して、被測定対象の状態を検出する。
【0087】
第1実施例と同様に、第4実施例におけるアライメント装置によれば、図11に示すように、光源Lから射出されたアライメント光は、ダイクロイックミラーMおよびビームスプリッタ41を順に透過し、主鏡110の開口110aから光軸AXに平行な平行光束の状態で入射し、副鏡120の反射面121および主鏡110の反射面111を順に経て、光学部材30で反射して折り返され、主鏡110の反射面111および副鏡120の反射面121を順に経て、主鏡110の開口110aから射出した後、ビームスプリッタ41に入射する。ビームスプリッタ41で反射されたアライメント光は、集光光学系42を介して光検出器43の検出面に集光され、光検出器43は該検出面上のアライメント光の集光位置を検出し、検出結果をデータ処理装置44に出力する。データ処理装置44は、光検出器43により検出されたアライメント光の集光位置と予め設定された基準位置とを対比して、主鏡110と副鏡120との位置ずれを算出し、この算出結果に基づきアライメント光の集光位置と基準位置との差が「ゼロ」となるようなアライメント調整信号を生成し、姿勢制御機構50に出力する。姿勢制御機構50は、データ処理装置44から出力されたアライメント調整信号に基づき、副鏡120の位置や姿勢を制御する。
【0088】
このように、第4実施例におけるアライメント装置でも、簡単で低コストな構成でありながら、光量損失を抑えつつ、主鏡110と副鏡120の位置合わせを行うことができる。
【0089】
次の表10に、レーザレーダ装置の無限遠目標物に対する使用状態におけるグレゴリー光学系(図10参照)の諸元の値を掲げる。なお、第4実施例のグレゴリー光学系では、入射瞳径が40mmであり、使用光の中心遮蔽の径が10mmであり、ビーム拡大倍率が8倍である。
【0090】
(表10)
面番号 r d κ
1 -125.0000 -562.50(d11) -1 (副鏡120の反射面121)
2 1000.0000 577.50(d12) -1 (主鏡110の反射面111)
3 0.0000 15.00 0 (光学部材30の入射面30a)
4 0.0000 ∞(d13) 0 (光学部材30の射出面30b)
【0091】
次の表11に、無限遠目標物に対する使用状態におけるグレゴリー光学系の位置合わせに適用されるアライメント装置のアライメント光学系(図11参照)の諸元の値を掲げる。なお、第4実施例のアライメント光学系では、入射瞳径が40mmであり、アライメント光の中心遮蔽の径が10mmであり、アライメント光の波長が632.8nmである。
【0092】
(表11)
面番号 r d κ
1 125.0000 -562.50(d11) -1 (副鏡120の反射面121)
2 1000.0000 577.50(d12) -1 (主鏡110の反射面111)
3 0.0000 -577.50(d14) 0 (光学部材30の入射面30a)
4 1000.0000 562.50(d15) -1 (主鏡110の反射面111)
5 125.0000 -662.50(d16) -1 (副鏡120の反射面121)
6 0.0000 -50.00(d17) 0 (ビームスプリッタ41)
7 -59.8164 -10.00 0 1.457021(集光光学系42)
8 272.6586 -100.00(d18) 0
【0093】
次の表12に、無限遠の目標物に対するグレゴリー光学系およびアライメント光学系における面間隔の値と、有限距離(300m)の目標物に対するグレゴリー光学系およびアライメント光学系における面間隔の値とを掲げる。
【0094】
なお、表12において、面間隔d11は、表10および表11に示すように、副鏡120の反射面121から主鏡110の反射面111までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d12は、表10および表11に示すように、主鏡110の反射面111から光学部材30の入射面30aまでの光軸AXに沿った距離である。面間隔d13は、表10に示すように、光学部材30の射出面30bから無限遠目標物までの距離である。面間隔d14は、表11に示すように、光学部材30の入射面30aから主鏡110の反射面111までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d15は、表11に示すように、主鏡110の反射面111から副鏡120の反射面121までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d16は、表11に示すように、副鏡120の反射面121からビームスプリッタ41までの光軸AXに沿った距離である。面間隔d17は、表11に示すように、ビームスプリッタ41から集光光学系42の入射面までの該集光光学系42の光軸に沿った距離である。面間隔d18は、表11に示すように、集光光学系42の射出面から光検出器43の検出面までの該集光光学系42の光軸に沿った距離である。
【0095】
(表12)
面間隔 無限遠の目標物 有限距離の目標物
d9 -562.50 -563.36
d10 577.50 578.36
d11 ∞ 300000.00
d12 -577.50 -578.36
d13 562.50 563.36
d14 -662.50 -663.36
d15 -50.00 -55.03
d16 -100.00 -94.97
【0096】
表12より、第4実施例に係るレーザレーダ装置のグレゴリー光学系では、副鏡20を光軸AXに沿って0.86mmだけ図10中右側へ移動させることにより、無限遠の目標物から300m先の有限距離の目標物に対するフォーカシングを行うことができる。このとき、第4実施例のアライメント光学系では、集光光学系42を自らの光軸に沿って5.03mmだけ図11中下側へ移動させてフォーカシングを行えば、主鏡10と副鏡20とのアライメント調整(位置合わせ)が可能となる。
【0097】
なお、本発明を分かりやすくするために、実施形態の構成要件を付して説明したが、本発明がこれに限定されるものではないことは言うまでもない。
【0098】
上記の説明では、レーザレーダ装置のようなレーザ光学系のカセグレン光学系およびグレゴリー光学系中の主鏡と副鏡とを位置合わせするためのアライメント装置について、本発明を適用している。しかしながら、これに限定されることなく、光軸に沿って対向配置された主鏡と副鏡とを有する光学系において、主鏡と副鏡とを位置合わせするためのアライメント装置に対して、本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0099】
【図1】第1実施例に係るアライメント装置の構成を概略的に示す図である。
【図2】第1実施例のアライメント装置が適用されるレーザレーダ装置の使用状態を示す図である。
【図3】第1実施例のアライメント装置が適用される状態を示す図である。
【図4】第2実施例に係るアライメント装置の構成を概略的に示す図である。
【図5】第2実施例のアライメント装置が適用されるレーザレーダ装置の使用状態を示す図である。
【図6】第2実施例のアライメント装置が適用される状態を示す図である。
【図7】第3実施例に係るアライメント装置の構成を概略的に示す図である。
【図8】第3実施例のアライメント装置が適用されるレーザレーダ装置の使用状態を示す図である。
【図9】第3実施例のアライメント装置が適用される状態を示す図である。
【図10】第4実施例のアライメント装置が適用されるレーザレーダ装置の使用状態を示す図である。
【図11】第4実施例のアライメント装置が適用される状態を示す図である。
【符号の説明】
【0100】
10,110 主鏡
10a,110a 開口
11,111 主鏡の反射面
20,120 副鏡
21,121 副鏡の反射面
30 光学部材
40 検出系
50 姿勢制御機構
60 筐体 60a 窓部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
光軸上に沿って対向するように配置された主鏡と副鏡とを有する光学系において、前記主鏡と前記副鏡とを位置合わせするためのアライメント装置であって、
光の反射機能を備えた光学部材と、
前記光軸に平行な平行光束を前記副鏡に入射し、前記副鏡の反射面および前記主鏡の反射面を順に経て、前記光学部材で反射して折り返され、前記主鏡の反射面および前記副鏡の反射面を順に経たアライメント光に基づいて、前記主鏡と前記副鏡との位置ずれを検出する検出系とを有することを特徴とするアライメント装置。
【請求項2】
前記主鏡、前記副鏡および前記光学部材の面形状は、
前記アライメント光が、前記副鏡の反射面および前記主鏡の反射面を順に経て、平行光束として前記光学部材に至る入射光路と、
前記光学部材で反射して折り返された前記アライメント光が、前記主鏡の反射面および前記副鏡の反射面を順に経る射出光路とが一致するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のアライメント装置。
【請求項3】
前記副鏡は、前記光学部材に固定保持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアライメント装置。
【請求項4】
前記光学部材は、光の透過機能を備え、
前記アライメント装置は、前記光学部材を透過した光が通過可能である窓部が形成された筺体に収納されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のアライメント装置。
【請求項5】
前記窓部には、前記光学部材が配置されていることを特徴とする請求項4に記載のアライメント装置。
【請求項6】
前記検出系は、
前記アライメント光を分割するビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタにより分割された前記アライメント光を所定面上に集光する集光光学系と、
前記所定面に検出面が位置決めされ、前記検出面上の前記アライメント光の集光位置を検出する光検出手段と、
前記光検出手段により検出された前記アライメント光の前記集光位置と、予め設定された基準位置とを対比して、前記主鏡と前記副鏡の位置ずれを算出するデータ処理手段とを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のアライメント装置。
【請求項7】
前記検出系による検出結果に基づいて、前記主鏡と前記副鏡との光軸が合致するように、少なくとも前記主鏡と前記副鏡のどちらか一方の位置や姿勢を制御する姿勢制御手段を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のアライメント装置。
【請求項8】
前記主鏡は凹面鏡であり、前記副鏡は凸面鏡であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のアライメント装置。
【請求項9】
前記主鏡は凹面鏡であり、前記副鏡は凹面鏡であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のアライメント装置。
【請求項10】
光軸に沿って対向するように配置された主鏡と副鏡とを有する光学系と、請求項1〜9のいずれか一項に記載のアライメント装置とを有することを特徴とする光学装置。
【請求項1】
光軸上に沿って対向するように配置された主鏡と副鏡とを有する光学系において、前記主鏡と前記副鏡とを位置合わせするためのアライメント装置であって、
光の反射機能を備えた光学部材と、
前記光軸に平行な平行光束を前記副鏡に入射し、前記副鏡の反射面および前記主鏡の反射面を順に経て、前記光学部材で反射して折り返され、前記主鏡の反射面および前記副鏡の反射面を順に経たアライメント光に基づいて、前記主鏡と前記副鏡との位置ずれを検出する検出系とを有することを特徴とするアライメント装置。
【請求項2】
前記主鏡、前記副鏡および前記光学部材の面形状は、
前記アライメント光が、前記副鏡の反射面および前記主鏡の反射面を順に経て、平行光束として前記光学部材に至る入射光路と、
前記光学部材で反射して折り返された前記アライメント光が、前記主鏡の反射面および前記副鏡の反射面を順に経る射出光路とが一致するように設定されていることを特徴とする請求項1に記載のアライメント装置。
【請求項3】
前記副鏡は、前記光学部材に固定保持されていることを特徴とする請求項1又は2に記載のアライメント装置。
【請求項4】
前記光学部材は、光の透過機能を備え、
前記アライメント装置は、前記光学部材を透過した光が通過可能である窓部が形成された筺体に収納されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のアライメント装置。
【請求項5】
前記窓部には、前記光学部材が配置されていることを特徴とする請求項4に記載のアライメント装置。
【請求項6】
前記検出系は、
前記アライメント光を分割するビームスプリッタと、
前記ビームスプリッタにより分割された前記アライメント光を所定面上に集光する集光光学系と、
前記所定面に検出面が位置決めされ、前記検出面上の前記アライメント光の集光位置を検出する光検出手段と、
前記光検出手段により検出された前記アライメント光の前記集光位置と、予め設定された基準位置とを対比して、前記主鏡と前記副鏡の位置ずれを算出するデータ処理手段とを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のアライメント装置。
【請求項7】
前記検出系による検出結果に基づいて、前記主鏡と前記副鏡との光軸が合致するように、少なくとも前記主鏡と前記副鏡のどちらか一方の位置や姿勢を制御する姿勢制御手段を有することを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のアライメント装置。
【請求項8】
前記主鏡は凹面鏡であり、前記副鏡は凸面鏡であることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のアライメント装置。
【請求項9】
前記主鏡は凹面鏡であり、前記副鏡は凹面鏡であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のアライメント装置。
【請求項10】
光軸に沿って対向するように配置された主鏡と副鏡とを有する光学系と、請求項1〜9のいずれか一項に記載のアライメント装置とを有することを特徴とする光学装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2010−15002(P2010−15002A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−175319(P2008−175319)
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年7月4日(2008.7.4)
【出願人】(000004112)株式会社ニコン (12,601)
【Fターム(参考)】
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