説明

アンテナ装置及び水平面パターンの切替え方法

【課題】方位誤差を改善したアンテナ装置及び水平面パターンの切替え方法を提供する。
【解決手段】円周状に並べられた複数の放射素子を複数段重ねた一次放射器の外周に機械的に反射鏡を回転するアンテナ装置の一次放射器の水平面パターンの切替え方法において、各段の一次放射器の水平面パターンをスイッチにより順次切替える時間を各段で差をつけることにより反射鏡の回転に同期したビームを形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一次放射器の外周を機械的に回転する反射鏡を有するアンテナ装置及びその水平面パターンの切替え方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明の関連技術として本発明の発明者は、既に一次放射器を固定して可動接点をなくし、その周囲に回転する反射鏡を配置した反射鏡方式のアンテナ装置を提案している(特願2006−073281号)。以下、このアンテナ装置の概要を説明する。
【0003】
図8は前記関連技術の反射鏡方式のアンテナ装置の外観を示す図であり、図9は一次放射器の構成及び給電系統を示す図である。このアンテナ装置は反射鏡11と一次放射器12と回転駆動装置13から構成され、回転駆動装置13は固定盤13a上で回転盤13bが水平面で回転し、回転盤13b上に搭載する反射鏡11を固定盤13aに固定した一次放射器12の周りを回転させる。また、一次放射器12は支柱122の周りの円周上に等間隔に並べた複数の放射素子123を縦方向に複数段並べて構成されカバー121に収容されている。
【0004】
このアンテナ装置では、オフセット型のパラボラ曲面の3つの反射鏡11が一次放射器12を中心とした外周を120°間隔で配置されている。また、一次放射器12は3つの反射鏡11に対応して、円筒状に並べられた各段の複数の放射素子123に120°の角度間隔でそれぞれ3つのスイッチ(SW)124を備え、反射鏡の回転に同期して複数の放射素子との接続を切替え可能とし、常に3つの反射鏡11の焦点近傍の放射素子が選択されるように切替えられる。複数の放射素子123に対するRF信号の給電は図示しない送受信モジュール等から行われ、縦方向の複数の放射素子123は移相器125による位相制御により仰角方向にビームを走査できるフェーズドアレイを構成し、一次放射器12の送受信信号に対するビームは水平面で回転可能であり、仰角方向にもビーム走査が可能である。
【0005】
図8、9に示す関連技術は3つの反射鏡とスイッチを備えるものの、回転ビーム等の形成の動作自体は単一の反射鏡とスイッチの組み合わせで説明できる。
【0006】
図10は前記関連技術の単一の反射鏡11の回転と一次放射器12の切替えのタイミングの関係を示す図である。前記関連技術のビーム14を形成する放射素子123の切替えは、回転する反射鏡の焦点位置が隣接する放射素子No1とNo2の中間位置に達した時点で、縦(垂直)方向のフェーズドアレイを構成する一列の全ての放射素子No1を隣接する次の放射素子No2にスイッチにより同時に切替える方法が採用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述のように一次放射器を固定してその周囲に反射鏡を回転させるアンテナ装置は、一次放射器の励振素子列を反射鏡の回転に同期してスイッチにより切替える方式であり、この構成によれば放射素子と接続する電気的な可動接点が不要であり、スリップリングあるいはロータリージョイント等を排除できるから、信頼性が高く、安価に提供できるという顕著な利点があり、レーダ用アンテナ装置等に適している。
【0008】
しかし、このアンテナ装置では、反射鏡は連続的に回転するのに対し、縦方向のフェーズドアレイを構成する複数の放射素子は、放射素子間の中間位置でスイッチにより隣接する複数の放射素子へと同時に切替わるので、反射鏡の焦点の連続的な変位と縦方向の複数の放射素子により形成される水平面パターンの位相の中心との間では周期的なズレ(「焦点ズレ」という。)が生じることとなり、これにより方位誤差が発生して方位精度が劣化するという問題がある。
【0009】
(目的)
本発明の目的は、前記課題を解決するものであり、方位誤差を改善したアンテナ装置及び水平面パターンの切替え方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
第1の発明のアンテナ装置は、円周状に並べられた複数の放射素子を複数段重ねた一次放射器と、前記一次放射器の外周を機械的に回転する反射鏡とを有するアンテナ装置において、各段の一次放射器の水平面パターンを順次切替える時間を各段で差をつけることにより反射鏡の回転に同期したビームを形成することを特徴とする。
【0011】
第2の発明の水平面パターンの切替え方法は、円周状に並べられた複数の放射素子を複数段重ねた一次放射器の外周に機械的に反射鏡を回転するアンテナ装置の前記一次放射器の水平面パターンの切替え方法において、各段の一次放射器の水平面パターンをスイッチにより順次切替える時間を各段で差をつけることにより反射鏡の回転に同期したビームを形成することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、各段の一次放射器の水平面パターンを順次切替える時間を各段で差をつけるように構成し、反射鏡の回転に同期したビームを形成でき、焦点ズレを減少させることができるから、方位誤差を改善することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
次に、本発明のアンテナ装置及び水平面パターンの切替え方法の一実施形態としてレーダ装置用アンテナ装置について図面を参照して詳細に説明する。
(第1の実施形態)
(構成の説明)
図1は本発明の第1の実施形態の外観を示す図である。レーダ装置用アンテナ装置の外観構成は、下側の固定盤13aと上側の中央に開口部を備える回転盤13bからなる回転駆動装置13と、回転駆動装置13の下側の固定盤13aの中央に固定され、上側の回転盤13bの前記開口部を貫通するように配置された一次放射器12と、前記回転盤13b上に固定された反射鏡11とから構成される。
【0014】
一次放射器12は、円筒状に等角度間隔で配列した複数の放射素子を上下方向に複数段配列した構成でなり、垂直方向に並んだ各段の放射素子が水平面パターンを形成する。反射鏡11はその反射面の水平断面の形状がパラボラ曲線でなり、電波の放射の例では、一次放射器12から放射された電波を収束して水平面で鋭いビームを形成する。
【0015】
この構成により回転駆動装置13の回転盤13bの回転により反射鏡11が回転するとともに、反射鏡11の回転に同期して一次放射器12の反射鏡11に対向する垂直方向に並んだ各段の放射素子が稼動状態となり、これによりアンテナビームを水平面で走査できる高利得のアンテナが実現される。
【0016】
次に、一次放射器及び信号系統の構成について詳細に説明する。
図2は一次放射器12の系統図の構成例を示す図である。一次放射器12は円周状に並べられた複数の放射素子123を複数(N)段重ねた素子配列で構成されている。具体的には、一次放射器12は支柱122により円周状に等角度間隔に、また縦方向に等間隔に複数の放射素子123が並べられて構成され、カバー121で覆われている。
【0017】
また、一次放射器12の垂直方向に並んだ各段#1〜#Nの放射素子123は、それぞれに対応して設けられた送受信モジュール1〜Nとスイッチ124により接続可能に構成されている。また、送受信モジュール1〜Nは、信号発生器からのRF信号を分配器を介して入力し、一次放射器からの受信信号を合成器を介して受信側Rxに出力する。円周状に並べられた放射素子123は反射鏡の回転に応じてスイッチ124により各段の垂直方向に並んだ放射素子から隣接する各段の垂直方向に並んだ放射素子へと切替えられ、反射鏡の焦点近傍に位置する放射素子が反射鏡に電波を放射し又は反射鏡から電波を受信する。
【0018】
更に、垂直方向に並んだ各段の1列の放射素子123は、送受信モジュール125等に内蔵する移相器により垂直方向の指向性が制御されるフェーズドアレイを構成し、移相器によるRF信号の位相制御により仰角方向のビームの電子走査が可能である。なお、送受信モジュール125はフェーズドアレイに使われる部品であって、当業者にとってよく知られており、また本発明とは直接関係しないので、その詳細な説明は省略する。
【0019】
図3は本実施形態の反射鏡11の回転(焦点)位置と一次放射器12の切替えのタイミングの関係を示す図であり、図4は本実施形態の各段のスイッチ切替えとビーム方位変化を示す図である。図3、4では一次放射器の構成として、放射素子#1〜#4の4段アレイ構成とした場合のビーム切替え例を示している。
【0020】
前記関連技術の場合は、図10からわかるように回転する反射鏡の焦点位置が隣接する放射素子No1、No2の間の中間位置等に達した時点で、垂直方向のフェーズドアレイを構成する一列の放射素子を同時に切替えるものである。
【0021】
これに対し本実施形態の放射素子の切替えでは、図3に示すように反射鏡の焦点位置が隣接する放射素子No1、No2の間にある期間に、各段(1個)単位でスイッチにより時間差を付けて順次切替える。具体的には、4個の放射素子の場合、反射鏡の焦点位置が隣接する放射素子No1、No2の間のm×1/8(m:1、3、5、7)の位置に達した時点で、放射素子を1個ずつNo1からNo2へ順次切替える切替え方法を採用する。
【0022】
(動作の説明)
次に、本実施形態の動作を前記関連技術の動作との比較により詳細に説明する。
【0023】
最初に、図10に示す関連技術の一次放射器の水平面パターンの切替え動作を図3に示す4段アレイ構成へ適用した場合の動作例について説明する。この場合、前記関連技術の切替え動作では図3のc点で全ての放射素子がNo1からNo2に切替えることになる。つまり、反射鏡はA→B→C→D→Eの順に一定速度で回転し、反射鏡の焦点位置は放射素子が配列された円周上のa→b→c→d→eの順に変位するが、縦方向のフェーズドアレイを構成する放射素子の列はc点でスイッチの切替えによりビーム14aから14eにステップ状に変化する。
【0024】
いま、反射鏡がAの位置とすると、縦方向のフェーズドアレイを構成するNo1の放射素子の列が稼動状態であってビーム14aが形成され、このときの位相中心はaの位置であるから反射鏡の焦点の位置と一致している。ところが、No1の放射素子の列の稼動状態においても反射鏡はB、Cの位置へと連続的に回転するため、焦点もaの位置からb、cの位置へと変位し、この変化によりビーム14aに対する本来の焦点の位置aからa−b、a−cと焦点ズレが次第に増大する。
【0025】
次に、反射鏡がCの位置に回転した時点でNo1の放射素子の列からNo2の放射素子の列に切替わるから、ビームもビーム14aからビーム14eへ切替わる。この時点では焦点ズレの方向は反転し、更に反射鏡がCの位置からD、Eの位置へと回転するに従い、本来の位置eに対し、c−e、d−eと焦点ズレが次第に縮小し、反射鏡がEの位置まで回転すると再びビーム14eと焦点のeの位置とが一致する。以降の動作も同様に繰り返される。
【0026】
以上のように関連技術の水平面パターンの切替え方法では、反射鏡の焦点の位置が垂直方向に並んだ各段の1列の放射素子間の中間点で切替わるので、放射素子による水平面パターンの位相中心とパラボラアンテナの反射鏡の焦点の位置が周期的にa−c、c−e間で大きくずれ、この焦点ズレは二次パターンのビームシフトとして現れるためレーダ装置用アンテナとして使用する場合に無視できない方位誤差となる。
【0027】
本実施形態では、各段の一次放射器の水平面パターンを切替える時間を各段で差をつけて行うことにより、水平面パターンの位相の中心の位置を順次小刻みに回転させ、反射鏡の回転への同期を改善する。つまり、一次放射器の垂直方向に並んだ各段の放射素子と移相器等とを接続するスイッチの切替え時間に各段で差をつけるように構成し、水平面パターンとの同期を改善する。
【0028】
次に本実施形態の垂直方向の4段アレイ構成の例で一次放射器の水平面パターンの切替え動作を図3、4を参照して説明する。
【0029】
本実施形態では図3に示すように放射素子の切替え点は、放射素子No1、No2の間を4分割し、それぞれの中間点で放射素子を1個切替える。また、図4に示すA、B、C、D、Eは、図3に示す反射鏡の位置に対応するスイッチによる選択の状態を表わすものであり、各状態においてスイッチにより選択された放射素子とビーム14a、14b、14c、14d、14eとの関係を示している。
【0030】
反射鏡がAの位置では#1〜#4まですべての段で放射素子No1が選択されて稼動し、ビーム14aが形成される。同Bの位置では#1段が放射素子No1から放射素子No2に切替わる。同Cの位置では#2段が放射素子No1から放射素子No2に切替わる。同Dの位置では#3段が放射素子No1から放射素子No2に切替わる。同Eの位置では#4段が放射素子No1から放射素子No2に切替わり、#1〜#4までのすべての段で放射素子No2が稼動する。このように各段の稼動素子の切替えを同時に行わずに順次時間差をつけて切替えることにより、形成されるビームは14a〜14eに示されるように小刻みな回転となり、主反射鏡の回転との同期が改善される。
【0031】
図5は本実施形態の一次放射器のパターンの例を示す図である。円周状に並べた放射素子を10度ピッチの4段とした構成例の一次放射器の指向性パターンを計算した結果を示しており、ピークの位置が順次小刻みに回転することが確認できる。
【0032】
図6は焦点ズレ(方位誤差)の変化を示す図であり、(イ)は関連技術のビーム切替えの場合、(ロ)は本実施形態のビーム切替えの場合である。
前記関連技術の場合は、稼動する放射素子の切替えを、反射鏡のA、Eの位置の各焦点の中間点である反射鏡のCの位置の焦点の位置で図3の#1〜#4すべての段で稼動素子をNo1からNo2に同時に切替える方式であるから、同図(イ)に示すように焦点ズレ(方位誤差)は切替わり時点まで大きく変化する。
【0033】
本実施形態では、反射鏡のA、B、C、D、Eの位置の各焦点の中間点で1放射素子単位で各段ごとに時間差を持って切替えを行うため、図6(ロ)に示すように、焦点ズレ(方位誤差)の変化は関連技術の図6(イ)と比較して1/4に減少する。
【0034】
以上のように、本実施形態では一次放射器の素子が円周状に等角度間隔に複数、上下方向に複数段配列され、励振素子が反射鏡の回転に同期して切替えられる方式において、一次放射器の励振素子列の切替えに各段で時間差をつけてビームのピークおよび位相の中心を小刻みに回転させ、反射鏡の回転に同期して反射鏡の焦点変位に細かく同期させる。これにより一次放射器パターンを小刻みに回転させ焦点ズレを減少させ、方位誤差を大幅に改善できる。また、図5に示すように一次放射器の振幅パターンは小刻みに回転して反射鏡に照射されることから、アンテナの効率が改善され、二次放射特性の利得偏差の減少、サイドローブの改善をも図ることが可能である。
【0035】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、各段で時間差をつけて切替える稼動素子の切替えを1放射素子単位で行う例を示したが、各切替え放射素子の単位を複数単位で行うように構成することが可能である。
【0036】
図7は本発明の第2の実施形態を示す図である。円周状に並べた複数の放射素子を垂直方向に8段に配列した一次放射器からなり、垂直方向の複数の放射素子No1からNo2への切替えを、放射素子No1、No2の間を4回に分割し、それぞれの中間点で2個の放射素子(#1と#5、#3と#7、#2と#6、#4と#8)を単位として順次分散させて切替えるように構成している。
【0037】
本実施の形態では、垂直方向の複数の放射素子の段数に応じて、放射素子No1、No2の間の分割数(切替え数)及び個々の切替え時の放射素子の単位数等は適宜選定することが可能である。複数個の放射素子を単位として切替えることにより、垂直方向(仰角方向)の位相中心の精度の向上も図ることが可能である。
【0038】
(他の実施形態)
以上の実施形態では単一の反射鏡を使用したアンテナ装置を示したが、本発明の他の実施の形態として、一次放射器を中心とした外周を所定角度の間隔で回転する複数の反射鏡によりマルチビームを形成するアンテナ装置にも適用可能である。
【0039】
この実施形態としては、図8、9に示すように、例えば3つの反射鏡を使用するアンテナ装置として構成できる。回転駆動装置の回転盤上にオフセットパラボラ曲面等の反射鏡を120°間隔で搭載し、固定盤に固定した一次放射器の周りを回転させる。一次放射器は図9に示すように支柱の周りの円周上に等間隔に並べた複数の放射素子を縦方向に複数段並べた構成とし、一次放射器は3つの反射鏡に対応して、円筒状に並べられた各段の複数の放射素子に120°の角度間隔で回転するそれぞれ3つのスイッチを備え、反射鏡の回転に同期して複数の放射素子と移相器(又は送受信モジュール)との間の接続を切替え可能とし、常に3つの反射鏡の焦点近傍の放射素子が選択されるように構成する。更に本実施形態では、垂直方向の段数等に応じて選定した隣接する円周上の放射素子の間を分割して、順次各段又は複数段単位で切替える反射鏡(焦点)位置を選定して放射素子の前記切替えタイミングを決定する。
【0040】
また、図2に示す実施形態では、各段の1つの送受信モジュール125で円周状の放射素子(アレイ)をスイッチで切替えて反射鏡に電波照射する構成としているが、他の実施形態として放射素子ごとに送受信モジュールを装荷して、稼動するモジュールを切替えるように構成することが可能である。つまり、複数の放射素子と複数の送受信モジュールとをそれぞれ予め接続し、スイッチにより送受信モジュールを切替え送受信モジュールを選択的に稼動させるように構成することが可能である。
【0041】
更に、図2に示す実施形態では、送受信モジュール125を使用したアクティブなフェーズドアレイ方式について説明したが、他の実施形態として受信用の移相器のみを使用したパッシブなフェーズドアレイ方式として構成することが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明によれば、電気的可動接点を持たないレーダに適した反射鏡方式のアンテナ装置で、回転する反射鏡の焦点と一次放射器の水平面パターンとのズレを低減することが可能であるから長距離レーダ用等に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明に係るアンテナ装置の第1の実施形態の外観を示す図である。
【図2】本実施形態の一次放射器12の系統図の構成例を示す図である。
【図3】本実施形態の反射鏡11の回転(焦点)位置と一次放射器12の切替えのタイミングの関係を示す図である。
【図4】本実施形態の各段のスイッチ切替えとビーム方位変化を示す図である。
【図5】本実施形態の一次放射器のパターンの例を示す図である。
【図6】焦点ズレ(方位誤差)の変化を示す図であり、(イ)は関連技術のビーム切替えの場合、(ロ)は本実施形態のビーム切替えの場合である。
【図7】本発明の第2の実施形態を示す図である。
【図8】本発明の関連技術の既提案のアンテナ装置の外観を示す図である。
【図9】アンテナ装置の一次放射器の回路系統を示す図である。
【図10】本発明の関連技術の放射素子の切替え動作を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
11 反射鏡
12 一次放射器
121 カバー
122 支柱
123 放射素子
124 スイッチ
125 モジュール
13 回転駆動装置
13a、13b 回転駆動装置
14 素子パターン
14a〜14e 素子パターン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円周状に並べられた複数の放射素子を複数段重ねた一次放射器と、前記一次放射器の外周を機械的に回転する反射鏡とを有するアンテナ装置において、各段の一次放射器の水平面パターンを順次切替える時間を各段で差をつけることにより反射鏡の回転に同期したビームを形成することを特徴とするアンテナ装置。
【請求項2】
前記一次放射器の垂直方向に並んだ各段の放射素子を選択するスイッチを備え、前記スイッチの切替え時間に各段で差をつけることにより前記水平面パターンの切替えを行うことを特徴とする請求項1記載のアンテナ装置。
【請求項3】
前記スイッチの切替えは、前記一次放射器の異なる1ないし複数段の放射素子単位で各段の垂直方向に並んだ放射素子から隣接する各段の垂直方向に並んだ放射素子への切替えであることを特徴とする請求項2記載のアンテナ装置。
【請求項4】
各段の垂直方向に並んだ複数の放射素子は移相器により仰角方向のビームの電子走査が可能であることを特徴とする請求項1、2又は3記載のアンテナ装置。
【請求項5】
前記一次放射器の垂直方向に並んだ各段の異なる放射素子を選択する複数のスイッチと、複数の反射鏡とを備え、マルチビームを形成することを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載のアンテナ装置。
【請求項6】
前記反射鏡の反射面はオフセットパラボラ曲面でなることを特徴とする請求項5記載のアンテナ装置。
【請求項7】
長距離レーダ装置に適用したことを特徴とする請求項1ないし6の何れかに記載のアンテナ装置。
【請求項8】
前記スイッチは、各段の放射素子に装荷した送受信モジュールを選択するスイッチであることを特徴とする請求項2ないし7の何れかに記載のアンテナ装置。
【請求項9】
前記スイッチは、各段の放射素子と移相器又は送受信モジュールとを接続するスイッチであることを特徴とする請求項2ないし7の何れかに記載のアンテナ装置。
【請求項10】
円周状に並べられた複数の放射素子を複数段重ねた一次放射器の外周に機械的に反射鏡を回転するアンテナ装置の前記一次放射器の水平面パターンの切替え方法において、各段の一次放射器の水平面パターンをスイッチにより順次切替える時間を各段で差をつけることにより反射鏡の回転に同期したビームを形成することを特徴とする水平面パターンの切替え方法。
【請求項11】
前記一次放射器の垂直方向に並んだ各段の放射素子を選択するスイッチを備え、前記スイッチの切替え時間に各段で差をつけることにより前記水平面パターンの切替えを行うことを特徴とする請求項10記載の水平面パターンの切替え方法。
【請求項12】
前記スイッチの切替えは、前記一次放射器の異なる1ないし複数段の放射素子単位で各段の垂直方向に並んだ放射素子から隣接する各段の垂直方向に並んだ放射素子への切替えであることを特徴とする請求項11記載の水平面パターンの切替え方法。
【請求項13】
各段の垂直方向に並んだ複数の放射素子は移相器により仰角方向のビームの電子走査が可能であることを特徴とする請求項10、11又は12の何れかに記載の水平面パターンの切替え方法。
【請求項14】
前記一次放射器の垂直方向に並んだ各段の異なる放射素子を選択する複数のスイッチと、複数の反射鏡とを備え、マルチビームを形成することを特徴とする請求項10ないし13の何れかに記載の水平面パターンの切替え方法。
【請求項15】
前記反射鏡の反射面はオフセットパラボラ曲面でなることを特徴とする請求項14記載のアンテナ装置の水平面パターンの切替え方法。
【請求項16】
長距離レーダ装置に適用したことを特徴とする請求項10ないし15の何れかに記載の水平面パターンの切替え方法。
【請求項17】
前記スイッチは、各段の放射素子に装荷した送受信モジュールを選択するスイッチであることを特徴とする請求項11ないし16の何れかに記載の水平面パターンの切替え方法。
【請求項18】
前記スイッチは、各段の放射素子と移相器又は送受信モジュールとを接続するスイッチであることを特徴とする請求項11ないし16の何れかに記載の水平面パターンの切替え方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−55245(P2009−55245A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−218993(P2007−218993)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】