説明

インテリジェント通貨検証システム及び方法

通貨は、通貨と関連付けられた通し番号などの、通貨から抽出された識別情報を偽造通貨などの無効な通貨に対応したリスト内の識別情報と比較することによって検証される。抽出された識別情報がリスト上の識別情報とマッチングした場合に、通貨は無効であると判定される。無効な通貨を使用した人物の写真又は親指の指紋画像を取得することにより、その個人の後からの識別を支援することができる。光学文字認識法を使用して識別情報を抽出することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、インテリジェント通貨検証システム及び方法に関するものである。
本出願は、2000年3月17日付けで出願された(現在、米国特許第7,006,664号である)米国特許出願第09/508,924号の一部継続であり、この内容は、本引用により、そのすべてが本明細書に包含される。本発明は、2005年4月21日付けで出願された米国仮特許出願第60/673374号の利益を主張するものであり、この内容は、本引用により、そのすべてが本明細書に包含される。
【背景技術】
【0002】
紙幣の登場以来、偽造は、重要な懸念事項である。偽造通貨を製造及び流通させる個人又は組織の能力は、企業及び国家に対して破壊的な影響を有し得る。偽造との戦いに従事している機関が利用可能なツールは進歩を遂げており、この結果、素人及び/又は組織化されていないグループによる偽造は、ほとんど排除された状態になっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、スキャナ、カラーレーザプリンタ、及びPCを通じた画像処理などの技術における進歩により、再度、状況が偽造者にとって有利に傾き始めている。これは、偽造者が大規模な組織化されたグループである場合に、特に当て嵌まる。極端なケースにおいては、このような偽造は、経済の不安定化又は危険な状況に結び付く可能性を有している。例えば、過激派のグループは、偽造によってテロリスト活動用の武器を調達することができる。別の例においては、国家が、大量の偽造通貨をその敵の経済に導入することにより、敵の経済を不安定化するべく試みる可能性がある。更には、偽造の発生を検出することが更に困難になっている。例えば、現在では、偽造紙幣の外観及び感触を本物と同一にすることが可能である。この理由は、偽造紙幣が、本物の通貨を印刷するのに使用されるものと同一の印刷装置、用紙、インク、及びその他の技術を使用しているためである。この結果、多くの場合に、このような組織化された偽造者に対して課せられた唯一の制約は、彼らが新しい通し番号を発明することができないということである。従って、彼らは、本物の通貨と同一の(重複した)通し番号を使用しなければならない。従って、偽造の発生を検出すると共に、偽造者を識別するための方式が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の実施例は、偽造事件、並びに、偽造者自身を識別するシステム及び方法を提供している。本発明の一実施例においては、これは、貨幣と関連付けられた一意の識別情報を使用して実現されている。例えば、一意の識別情報は、通貨と関連付けられた通し番号であってよい。
【0005】
本発明の実施例は、多数の用途において使用可能である。例えば、本発明の実施例は、従来の通貨カウンティング装置との関連において使用可能である。カウントする際に、一意の識別情報を通貨から抽出する。特殊用途プリンタを追加することにより、通貨の束を結束する際に、抽出された一意の識別子を通貨の束の固定テープ上に印刷することができる。この結果、例えば、レジスタ係などの偽造者が貨幣を偽造貨幣によって置換することが防止される。本発明のその他の実施例は、例えば、引き出しなしキャッシュレジスタ(Drawerless Cash Register:DCR)、現金自動預入れ支払機(Automatic Teller Machine:ATM)、国内通貨から外国通貨への交換機、公共料金請求書支払装置(Utility Bill Pay Machine:UBPM)、請求書支払機、及び貨幣/小切手/クレジット販売機(Vending Machine:VM)を含んでいる。又、本発明の実施例は、後述するように、その他の用途において使用することも可能である。
【0006】
本発明の実施例は、通貨画像生成システムを含んでいる。通貨画像生成システムは、電荷結合デバイス(Couple Charge Device:CCD)を有している。このようなCCDは、例えば、写真又は画像のパーソナルコンピュータ(Personarl Computer:PC)への転送に使用されているスキャナにおいて容易に見出されるものと類似したものであってよい。画像認識システムは、光学文字認識(Optical Character Recognition:OCR)ソフトウェアを更に有することができる。本発明の一実施例においては、OCRソフトウェアは、通貨の通し番号を認識して電子的に保存している。又、本発明の実施例の通貨画像生成システムは、要素(ICON)をも包含することができる。ICONは、紙幣の表面全体を描いている。通貨の両面又は選択部分のいずれかを描くことができる。更には、画像を拡大するスキャナのソフトウェア能力を使用することにより、通常裸眼においては観察不可能な小さな特定の詳細を分離又は選択することができる。これらの小さな詳細領域を比較することにより、既存の実際の通貨に対応した情報を識別することができる。
【0007】
本発明の実施例のOCRソフトウェアを使用することにより、通貨から一意の識別情報を抽出することができる。この一意の識別情報は、額面金額番号、通し番号、左及び右通し番号、印刷番号、発行銀行番号、印刷日付、財務長官の署名、又は任意のその他の番号、文字、アイコン、或いは、通貨の信憑性を検証するのに有用な識別情報を包含することができる。後述するように、一意の識別情報を使用することにより、本発明の実施例は、通貨が本物であるのか偽造品であるのかを判定することができる。
【0008】
通貨からの一意の識別情報の抽出に加えて、本発明の一実施例を通過したすべての紙幣に対して電子ID(TAG)を付加することができる。このタグは、国、時刻、トランザクションが発生した特別な場所、又はその特定の紙幣が更に大きな金額の一部であったのか又は単独で流通したのかを識別することができる。
【0009】
又、本発明の実施例は、紫外光をも包含することができる。紫外光を使用することにより、インクの色及び用紙の品質を検出する。更には、適切な背面照明により、紫外光を使用してすかしを認識することができる。
【0010】
更には、本発明の実施例は、磁力計を包含することができる。磁力計を使用することにより、紙の層の間に埋め込まれた金属性ライン(ワイヤ)を検出することができる。このような磁気特性から、本発明の実施例は、本物の通貨の内部に配置された金属要素と低レベルの偽造者によって使用されるインクのラインを識別することができる。又、本発明のいくつかの実施例は、磁気インクを読み取ることも可能である。
【0011】
システムメモリ内において、通貨の通し番号は、国の財務省又は適切な機関から供給された額面金額及び/又は発行日付によって分類された利用可能な通し番号の既存のリストと比較可能であるため、本発明の実施例によって提供されている通貨と関連付けられた通し番号をデジタル化及び認識する能力は、本発明の一実施例における重要な処理を提供している。この結果、本発明の一実施例は、供給されたリスト上におけるその通し番号の存在により、額面金額を容易に判定することができる。
【0012】
更には、調査対象の通貨から得られた通し番号を、その他の通し番号のリストと比較することができる。このようなリストは、例えば、盗まれた通し番号、不正に取得された通し番号、「おとり捜査」又は監視活動の結果から通貨受領者の経路を追跡するべく、例えば、麻薬捜査機関などの特殊な機関によって使用されている通し番号、寿命に起因して財務省によって破壊された、無効にされた、又は取り消された、或いは、その他の理由による貨幣を表す通貨の通し番号のリストを含んでいる。比較に基づいて、調査対象の通貨が本物であるのか偽造品であるのかを判定することができる。
【0013】
このような通し番号のリストは、本発明の一実施例に従って、システム内に入力し、且つ、ROM、PROM、EPROMを含む任意のストレージ媒体、或いは、ハードディスク、ソフトディスク、及びCDROMを含む任意のその他の磁気又は光学ストレージ媒体上に保存可能であろう。リストは、例えば、モデム及び電話回線又はケーブルTV、衛星通信、無線、ネットワークP/C、又はこのようなリストを転送可能な任意のその他の通信システムを含む任意の通信リンクを通じて双方向に転送することができる。
【0014】
本発明の実施例は、手動又は自動的に操作可能である。例えば、本発明の手動による一実施例においては、操作者は、1つ又は複数のスケジューリングされた動作を開始するべく指示される。本発明の自動的な一実施例においては、システムが動作を自動的に実行している。
【0015】
更には、本発明の一実施例においては、隠蔽されたカメラは、顧客によって使用された通貨が認証に失敗した場合に、顧客の写真を自動的に撮影するべく構成されている。或いはこの代わりに、又は写真に加えて、特定のボタンを押下するように顧客に対して要求することができる。ボタンには、顧客によって使用された通貨が認証に失敗した際に、顧客の指紋又はその一部を記録するための特殊なカメラが結合されている。ボタンが押下された際には、予めプログラムされているその他の活動に進むことになる。
【0016】
本発明の実施例においては、スキャニングされた通貨の1つ又は複数の通し番号(又は、その他の識別番号)を光学、磁気、又は任意のその他のストレージ媒体内にローカルに保存している。例えば、本発明の実施例が、銀行、スーパーマーケット、又は貨幣を交換することができる任意のその他の施設に設置された場合には、それぞれの到来する紙幣に対応した通し番号が抽出され、保存される。又、通し番号は、通信リンクを通じて既定の時刻に適切な機関に対して伝送することも可能である。
【0017】
或いはこの代わりに、例えば、(強盗などの)違法な行為のケースにおいては、紙幣の番号を中央処理機関に対して伝送することができる。中央処理機関は、通し番号を「ブラックリスト」として取り纏めすることができる。ノードが適切なアクションをとることができるように、ブラックリストをネットワーク内の1つ又は複数のノードに対して配布することができる。この結果、盗まれた貨幣を犯人が使用できないようにすることができる。例えば、本発明の一実施例においては、ブラックリスト上の通し番号を具備した通貨が使用された場合に、警報又はその他の通知が提供されている。この動作は、犯人の逮捕に結び付く可能性を有している。
【0018】
ブラックリストの使用は、社会に対して財政的且つ社会的な利益をもたらすことができる。例えば、無効な通貨を流通させる試みに関する即時の通知に加えて、ブラックリストは、麻薬の取引及びマネーロンダリング行為における貨幣の使用を妨げることが可能であり、場合によっては、脱税の防止にも有用であろう。
【0019】
本発明の一実施例によるネットワークの設備は、ピラミッドとして構築可能である。ピラミッドの頂点には、中央銀行が位置している。中央銀行は、偽造管理サービスを含んでいる。これらの偽造管理サービスは、重複した通し番号などの無効な情報の証拠を入手するべく、通貨識別情報(例えば、通し番号)を定期的に比較することができる。中央銀行の偽造管理サービスは、下位レベルと接続されている。下位レベルは、例えば、特定の国の銀行を包含することができる。例えば、本システムがEU(European Union)内に設置された場合には、下位レベルは、特定のヨーロッパの国の銀行を包含することができる。EUの中央銀行は、彼らの国内において機能しているその他の銀行の支店から通貨識別情報を入手することになる。
【0020】
この結果、偽造事象が検出された場合には、それぞれの国の中央銀行は、直ちに(又は、それらの支店を通じて)、貨幣を交換したグループから接触されることになる。このようなグループは、公的基金、切符販売所、郵便局、空港、百貨店、カジノ、娯楽施設を含んでいる。
【0021】
ユーロの誕生は、本発明の一実施例による通貨検証システムを生成及び確立するために理想的なタイミングである。1つの理由は、膨大な数のキャッシュレジスタを交換する必要があるためである。このニーズは、本発明の一実施例に従って通貨を検証するべく構成されたキャッシュレジスタを選択する機会を企業に対して提供している。既存のキャッシュレジスタを改良して本発明の一実施例を実施可能であろう。或いは、この代わりに、本発明の一実施例を実施するべく構成された新しいキャッシュレジスタを獲得してもよい。
【0022】
参加国メンバーは、偽造による損失、並びに、結果として、強盗、脅迫、脱税などが極小化されるため、本発明の実施例の実装から恩恵を受けることになる。更には、本システムは、本システムの操作者と製造及び保守のための職場を生み出すことにもなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
図1は、本発明の一実施例による紙幣の信憑性を検証するためのネットワークの概略図である。ネットワークは、店舗構成1などのいくつかのローカルな店舗構成を含んでいる。店舗構成1は、中央ユニット2などの中央ユニットに結合されている。この結合は、例えば、地上の回線又は無線インタフェースを含む任意の通信リンクを介したものであってよい。例えば、図1に示されているように、結合は、モバイル又はダイアルアップ電話回線11を介して電話会社を通じたものである。
【0024】
好ましくは、中央ユニット2との間のデータ伝送は暗号化されている。このような暗号化については、当業者には周知である。適切な暗号化の一例は、米国特許第4,241,237号及び第4,455,453号に記述されており、これらのそれぞれの内容は、本引用により、そのすべてが本明細書に包含される。
【0025】
それぞれの店舗構成1は、ローカルCPU3を含んでいる。ローカルCPU3は、ツイストペア又は同軸ワイヤを介して通貨読み取り及び通貨認証装置(currency Reading and Authenticating current Device:RAD)6に接続された内蔵LANカード4を含んでいる。通貨RAD6は、貨幣収集装置7と接続されている。貨幣収集装置7は、例えば、キャッシュレジスタを含む貨幣を収集する任意の装置であってよい。通貨RAD6は、内部ビデオカメラ10及び通貨入力ポート8を含んでいる。
【0026】
店舗構成1は、CPU3に結合されたユーロからローカル通貨への交換機9などの1つ又は複数の通貨交換機を包含することができる。CPU3は、内部的に又は外部的に、モデム15と接続されており、このモデムは、中央オフィス/処理ユニット2を有するシステムに接続するべく、電話回線又は任意のその他の手段と接続されている。
【0027】
中央オフィス/処理ユニット2は、通信ハブサーバ12を含んでいる。通信ハブサーバ12は、通信リンクを通じてローカルCPU3に結合されている。通信ハブサーバ12は、プリンタに更に接続されている。更には、通信ハブサーバ12は、電話網を通じて1つ又は複数の更に上位レベルのセンタ14と接続されている。1つ又は複数の更に上位レベルのセンタ14は、更に上位レベルの中央オフィス/処理ユニット(2)、或いは、場合によっては、図1に示されているネットワーク構成のピラミッド構造の頂点に接続されている。
【0028】
動作の際には、本発明の一実施例は、次のように動作する。企業のレジスタ係が顧客から通貨を受領する。企業は、銀行、スーパーマーケット、百貨店、小売店、又は任意のその他の類似した企業を含む、取引において通貨を使用可能な任意の企業であってよい。通貨が受領された際に、レジスタ係は、貨幣を通貨入力部8内に配置する。通貨は、入力された通貨と関連付けられた一意の識別情報(例えば、通し番号)を取得できるように、通貨入力部8内に配置されている。例えば、OCRソフトウェアを使用し、通し番号をデジタル化すると共にデジタル化された通し番号を処理することにより、通し番号を入手することができる。デジタル化された通し番号は、ライン5及びLANカード4を通じて伝送され、CPU3のメモリ内に保存される。顧客が通貨を通貨入力部8内に直接的に入力した場合には、同一の手順を辿ることにより、通貨と関連付けられた通し番号をデジタル化し、OCR処理すると共に、保存することになる。
【0029】
本発明の一実施例においては、CPU3は、予め決定された時間間隔においてローカルハブサーバ12と通信し、すべての保存されている通し番号をローカルハブサーバ12に送信している。動作の際に、CPU3が、同一の通し番号を複数回受領するか、又は通し番号がブラックリストに掲載されていると判定した場合には、本システムは、適切なプログラム応答を起動することになる。例えば、本発明の一実施例においては、本システムは、顧客の写真を撮影して記録すると共に、指示をレジスタ係及びその他の認可された要員に対して送信することになる。顧客の写真は、その他のデータと共に保存される。本発明の一実施例に従って保存されるデータのタイプは、図9に示されている。次いで、このデータは、更なるアクションのために、中央オフィス/処理ユニット2に伝送されることになる。
【0030】
CPU3が、受信した通し番号が無効な番号の「リスト」に掲載されていると判定した場合には、本システムは、同様の方式で応答する。これらの無効な番号は、盗まれた貨幣、麻薬取引からのものであると判明した貨幣、偽造品、又はその他の無効な貨幣に対応可能である。
【0031】
武装強盗などの非合法な活動の場合においては、レジスタ係は、通貨を犯人に渡すことを余儀なくされる。本発明の一実施例によれば、犯人が逃げたら、即時に、CPU3は、盗まれた貨幣のすべての通し番号をハブサーバ12に対して伝送する。ハブサーバ12は、盗まれた貨幣の通し番号を受領し、盗まれた番号のリストをブラックリストとして取り纏める。ハブサーバ12は、このブラックリストをネットワークの自身のブランチ内のそれぞれのCPUと、ネットワークの更に上位レベルのそれぞれの中央オフィス/処理ユニット14に対して伝送する。盗まれた貨幣が使用された場合には、その通し番号は、ブラックリスト内の通し番号とマッチングすることになる。このようなマッチングが発生した際には、本システムは、マッチングした通し番号に対応した通貨を使用するべく試みている当事者の写真を記録し、適切な行動計画を実践する。貨幣が麻薬監視などの「おとり捜査」活動から到来した場合にも、同様の手順を実践することになる。このような場合においては、「おとり捜査」において使用されるお金と関連付けられた通し番号は、レッドリスト(これは、前述のブラックリストに類似した方式において使用される)内に配置され、従業員は、適切なプログラムを実践することになる。
【0032】
図2は、本発明の一実施例によるシステムのブロック図である。この図の左側には、典型的な顧客インタフェースが示されている。顧客インタフェースは、操作者に対してメッセージを提供するためのCRTモニタ16、操作者に対してメッセージを提供するためのラウドスピーカ17、マイクロフォン18、ビデオカメラ10、キーボード19、及びレシートのハードコピーを印刷するためのプリンタ20を包含することができる。
【0033】
図2は、電話回線11、ケーブルTV21、AM−FMラジオ−衛星受信アンテナ22などの一般的な通信リンクをも示している。任意の既存又は将来の双方向通信リンクを使用することができる。
【0034】
これらの入出力装置は、インテリジェント通貨検証機及び次のようなその他の適用可能な装置と双方向に接続されている。
【0035】
(1)引き出しなしキャッシュレジスタ25
(2)公共料金請求書支払機(Utilitiy Bill Pay Machine:UBPM)26:顧客は、支払対象の公共料金請求書をUBPM26の適切な入力スロット内に挿入する。本システムは、請求書及び支払対象金額を認識し、紙幣を適切な通貨入力スロット内に挿入するように顧客に対して指示する。次いで、UBPM26は、通貨の信憑性を判定する。通貨が本物である場合には、UBPM26は、請求書に「支払済み」というスタンプを付与する。
(3)現金ギャンブル装置(Cash Gambling Machine:CGM)27:CGMは、例えば、LOTTO、PROTO、XISTO、及びPick Fiveのような宝くじチケットなどのゲームチケットを供給している。本発明の一実施例は、既存のCGM内において使用するべく改良可能であり、又は新しいCGM内に内蔵することも可能である。
(4)販売機(Vending Machine:VM)28
(5)現金に依存した企業29:偽造による損失及び強盗から企業を保護するのに有用であるため、カジノ、銀行の預金及び貸付、及び多額の貨幣を取り扱う可能性があるその他の企業は、この提案されているシステムの設置から恩恵を受けることになる。
(6)ローカル通貨からユーロへの交換機9:顧客は、後述するものなどの操作において、ローカル通貨を新しいユーロに交換する。本発明の一実施例においては、本発明の交換機の実施例は、ATMに類似している。このような本発明による交換機の実施例は、現金を供給すると共に、ATMが提供しているその他のあらゆる選択肢のすべてを提供している。
【0036】
通し番号を読み取る能力により、本発明の一実施例は、「安全な現金」サービスを提供することができる。「安全な現金」は、トラベラーズチェックに類似しているが、別個の紙片(小切手)に署名して携行するという面倒が排除されている。従って、「安全な現金」の場合には、顧客の現金がなくなったり、盗まれた場合に、顧客は現金の払い戻しを受けることができる。動作の際には、顧客がATMなどの現金自動支払機又は通貨交換機から現金を入手する際に、現金自動支払機は、「安全な現金」サービスを使用する選択肢を顧客に対して提案する。顧客がこの提案を受け入れた場合には、本システムは、要求された現金を供給する。更には、現金自動支払機内に包含されたプリンタが、要求された現金と共に顧客に提供されるレシート上に、供給された現金と関連付けられた通し番号を印刷する。顧客は、現金がなくなるか又は盗まれた場合に、このレシートを使用して払い戻しを受けることができる。「安全な現金」サービスを使用するべく、料金を顧客の口座から控除することも可能である。要求された現金を供給し、通し番号をレシート上に印刷した後に、現金自動支払機は、供給された現金の番号と関連付けられた通し番号を「安全な現金」のリスト内に入力する。顧客が、(前述の)1つ又は複数のRADを有するように構成された機関内において安全な現金を使用するたびに、使用された安全な現金と関連付けられた通し番号が安全な現金のリストから差し引かれる。顧客が自身の貨幣をなくした場合には、なくなったことを報告した際に、本システムの管理者は、使用されていない通し番号を、指名手配現金リストに入力する。この「指名手配」されている現金が再び姿を現したときには、常に、関係機関は、設定された手順を実践することにより、それを取り戻すことができる。更には、トラベラーズチェック及び不正なクレームに伴う損失の罰則規定を「安全な現金」にも適用することができる。
【0037】
図3は、本発明の一実施例によるメモリ割当構造を示している。図3に示されているように、メモリは、特定の通貨の額面金額に対応した複数のアドレスレンジにパーティション化可能である。具体的には、メモリの第1アドレスには、特定の通貨の額面金額における発行通し番号の開始部分が保存されている。メモリの第2アドレスには、特定の通貨の額面金額における発行通し番号の末尾が保存されている。メモリの第3アドレスには、その通貨の額面金額(例えば、5ユーロ)を保存することができる。その他のアドレスレンジを使用することにより、その他の通貨の額面金額における類似の情報を保存することができる。
【0038】
それぞれの通貨発行ロットの開始点と末尾の間には、許容不能な番号(例えば、乱用に起因して取り消された番号、破壊された番号、或いは、例えば、前述のブラックリストやレッドリストなどの特定のリストに掲載されている番号)がすべて配置されている。この結果、利用可能なメモリの使用量を可能な限り制限することができる。更には、任意の市販のメモリサポートソフトウェアを使用することも可能である。
【0039】
図4は、本発明の一実施例に従って通貨を検証するためのフローチャートである。始めに、本システムは、スタンバイ状態にある(30)。入口センサがトリガされた際に(31)、紙幣入力モータを起動するべく命令が付与される(33)。通貨がスキャナを通過する際に(32)、通貨と関連付けられた通し番号などの識別情報を読み取っている(33)。尚、この説明においては、識別情報は、通貨と関連付けられた通し番号であると仮定している。通し番号を読み取った後に(34)、読み取った通し番号をメモリ内のリストと比較している(35)。通貨と関連付けられた通し番号が存在している場合には(36)、その番号をブラックリスト内においてサーチする(37)。通し番号がブラックリスト内に存在していない場合には、通貨の通し番号を通貨の額面金額の通し番号のリストと比較する(38)。通し番号が、調査対象の通貨の特定の額面金額におけるものとして適切である場合には、通し番号及び額面金額を適切なメモリ内に保存する(39)。次いで、本システムは、スタンバイ状態に戻る(30)。
【0040】
一方、読み取った通し番号がリスト内に存在している場合には、フラグを設定し(40)、次いで、本システムは、開始点に戻る(30)。同様に、番号がメモリ内に存在していないか(41)、通貨の額面金額が通し番号とマッチしないか(42)、或いは、通貨がなんらかのその他の理由から無効であると本システムが判定した場合には、適切なサブルーチンを起動して適切なアクションをとることになる。
【0041】
図5は、本発明の一実施例による典型的なインテリジェント通貨検証システムの概略図であり、この場合には、スタックされた通貨43が、操作者により、通貨入力ポートなどの通貨入力部内に配置されている。通貨入力部は、保持プレート46と、スプリング45が取り付けられた圧力プレート44と、を含んでいる。通貨検出センサによって通貨の存在が検出された際に、取り入れホイール47が、スタックされている通貨43の最初の紙幣をベルトシステム50によって支援された適切なローラ49に移動させる。反対方向のラッフルシリンダ54が、2枚目の紙幣がメカニズム内に挿入されることを防止しており、この結果、スタックの最上部の紙幣のみが光学スキャナ48を通過することができる。光学スキャナ48は、独自の光源を含んでいる。光学スキャナ48は、紙幣をスキャニングして紙幣の画像を取得する。光学スキャナ48からの画像は、CPU3に転送される。CPU3は、メモリ24内に保存されたOCRプログラムを使用して画像を処理し、紙幣と関連付けられた識別情報を取得する。例えば、識別情報は、紙幣と関連付けられた通し番号であってよい。CPU3は、スキャナからの通し番号をメモリ55内に保存されている利用可能な通し番号と比較する。比較に成功した際には、CPU3は、通信リンクによる中央オフィス/処理ユニットへの転送の時点までその成功したトランザクションをメモリ55内に保存するべく、命令を発行する。
【0042】
図6は、本発明の一実施例による引き出しなしキャッシュレジスタ(Drawerless Cash Register:DCR)25の概略図である。具体的には、通貨入力ポート10及び20により、レジスタ係は、それぞれの額面金額に応じて通貨のスタック56及び57をDCR25内に配置することができる。通貨は、ラバーホイール58及び59によって前進し、強制的に、磁気センサ60、光学スキャナ48、及び紫外線チューブ61の下を通過する。通貨は、前述のように認証される。通貨が認証された場合には、DCR25は、通貨をそれぞれの額面金額に従って貨幣ストック62及び63内に配置する。当業者には、本発明の引き出しなしキャッシュレジスタの実施例は、任意の数の異なる通貨の額面金額を処理するのに必要な数の入力ポート及び貨幣ストックを具備できることが明らかであろう。又、DCR25は、レジスタ係が引き出しを開閉する必要がないように、顧客用64、65に対してつり銭を返すための設備をも具備している。この結果、DCR25は、貨幣を自動的且つ安全に管理している。
【0043】
通貨認証手順において、且つ、通貨が検証されたら、即時に、DCR25は、前述のように、それらの通し番号を保存する。通貨が認証されない場合には、貨幣は、受け入れ不能として出力66に転送される。
【0044】
本発明の一実施例においては、つり銭を顧客に返す際には、DCR25は、FIFO(First In First Out)方式で貨幣を返す。この結果、DCR25は、更なるセキュリティのために、どの貨幣が到来し、どれが出て行くのかを追跡することができる。例えば、DCR25を使用することにより、貨幣が強制的に又は違法に除去されることを防止又は通知することができる。更なる機能として、DCR25は、背面照明電球67を利用して通貨内のすかしを読み取ることも可能である。
【0045】
図7は、本発明の一実施例によるローカル通貨からユーロへの交換機の概略ブロック図である。左側には、典型的な顧客インタフェースが存在している。顧客インタフェースは、ビデオカメラ10、ラウドスピーカ17、CRT16、キーボード19、マイクロフォン18、プリンタ20、及び指紋を受領するための特殊なボタン68を含んでいる。ユーロ交換機は、貨幣入力ポート70、貨幣出口ポート80、及びユーロを受領するためのポート86、並びに、ユーロのコインを受領するためのポート92を含んでいる。
【0046】
動作においては、顧客が開始ボタン68を押下した際に、CPU3は、更なるステップを実行するようにディスプレイ16及びラウドスピーカ17を通じて顧客に指示する。顧客は、自身のローカル通貨を貨幣入力ポート70に配置する。ホイール71を通じて、顧客のローカル通貨は、前進し、磁気センサ60、光学スキャナ48、U/Vチューブ61、及びすかしチューブ67の下を通過する。これらの装置からの信号を使用することにより、CPU3は、前述のように通貨が本物であるかどうかを判定する。ローカル通貨が本物とであると判断された場合には、ホイール72は、通貨をホイール73及び78に転送する。次いで、ローカル通貨は、額面金額ごとに、保存ストック77及び79内に保存される。
【0047】
本発明の一実施例においては、交換対象の通貨が損傷しており、使用不能な状態になっている。保存する前に、CPU3は、穿孔ツール75によってローカル通貨に孔をあけて使用不能にするべく、ソレノイド74に対して指示する。次いで、通貨は、破棄されることができる。破棄された通貨は、収集バケツ76から収集されることになる。通貨の穿孔は、容易に認識できるように、それぞれの機械ごとに異なる形状であってよい。保存された穿孔済みの通貨は、完全に破壊される時点まで、更に低いセキュリティ環境に保存可能であり、或いは、その他の使用法のために維持することも可能である。
【0048】
許容不能な通貨(即ち、認証されない通貨)は、通貨が認証されなかったことを通知するディスプレイ16及びスピーカ17を通じた指示と共に、ポート80を通じて顧客に対して返される。更には、通貨が認証されない場合には、交換機は、顧客の写真を記録する。交換機は、ボタン68を押下するように顧客に対して更に指示することができる。ボタン68は、開始ボタンであることに加えて、指紋記録プロセスをトリガするためのトリガメカニズムとしても機能している。図8に示されているように、押下ボタン68により、スイッチ95は、ビデオカメラ96を起動し、顧客の指紋のすべて又は一部を記録することになる。この指紋は、図9に示されているように、ビデオ画面98に内蔵可能である。
【0049】
ユーロ交換機は、認証されなかった通貨の即時の返却を顧客が望んでいるのか、或いは、手動による認証が実行されたら直ぐにシステムが顧客のアカウントに入金できるように顧客がキーボード(19)を通じて更なる情報を提供することができるかを顧客に対して問い合わせることも可能である。キーボード(19)を通じて顧客から提供されたデータは、システムによって自動的に提供されたデータと共に、画面(98)に表示されることになる。典型的なデータが図9に示されている。相応して、データのすべての又は所望の部分が保存され、伝送される。顧客が誤ったデータを提供したり、又は現場から逃げた場合には、交換機は、適切な機関に通知するためのプログラムを実践する。
【0050】
当業者には、本発明の実施例による顧客の物理的な特徴を取得して保存する態様は、更に複雑なものであってもよく、或いは、更に簡単なものであってもよいことが明らかであろう。例えば、ビデオカメラ96は、指紋画像を分析し、その指紋が人間の指からのものであるのか、又は顧客が手袋をはめているのかを判定することができる。更には、ビデオカメラ10は、顧客の画像を分析し、顧客の顔が本物であるのか、又はマスクなどによって覆われているのかを判定することができる。
【0051】
図7を再度参照すれば、ローカル通貨の認証、穿孔、及び保存の後に、本システムは、スタック81及び82から適切な額のユーロをラバーホイール83及び84を通じて供給し、この貨幣をベルト85に転送する。次いで、ベルト85が通貨を出力86に転送する。
【0052】
当業者には、交換機がコインスタック87を内蔵できることは明らかであろう。供給モータ88に加えて、コインスタック88がコインを供給する。動作の際には、供給モータ88の回転軸89のそれぞれの1回転ごとに、ブラケット90が単一のコインをスロット91を通じて供給する。供給されたコインは、ベルト85に沿って位置92に移動し、ここで、コインは、顧客による回収を待つことになる。
【0053】
前述のように、図8は、本発明の一実施例による代表的なビデオ指紋採取システムの概略図である。プッシュボタン68は、その中央が拡大レンズとして成形された透明材料から構築されている。プッシュボタン68は、回転軸93を中心として回転し、且つ、光源94によって照射されている。プッシュボタン68が押下された際に、スイッチ95が閉路される。スイッチ95の閉路により、本システムのロジックがトリガされ、この結果、デジタルカメラ96が動作することになる。指紋を記録するには、多数のその他の手順、方式、及びメカニズムを利用することができることは当業者には明らかであろう。本発明の実施例のビデオ指紋採取システムは、本発明のATM運用において特に好適である。
【0054】
図9は、本発明の一実施例によるトランザクションにおいて通貨が認証されない際に顧客から収集されたデータを表示するためのビデオ画面の典型的な画面ショットである。図9に示されているように、画面は、顧客98の写真、顧客の指紋の写真、及びシステムによって提供された特定のデータを含む特定のトランザクションに関する様々なデータを表示することができる。このようなデータは、場所と、顧客によって自発的に提供されたデータを包含することができる。この画面は、メモリ内に保存することも可能であり、或いは、破棄することによって伝送時間及びメモリを節約することも可能である。
【0055】
本発明の別の実施例は、ハンドヘルド型の汎用通貨読み取り機(Universal Currency Reader:UCR)に関するものである。図10は、本発明の一実施例によるハンドヘルド型UCRの概略図である。UCR100は、好ましくは、実質的にあらゆる通貨を読み取るべく構成されている。例えば、ハンドヘルド型UCR100は、好ましくは、例えば、数百万個の文字(テキスト)又は数千枚の写真を保存するべくデジタルカメラによって利用されるフラッシュメモリ技術108を使用している。
【0056】
ハンドヘルド型UCR100は、好ましくは、携帯型又は直接接続型という少なくとも2つの方式のいずれかにおいて構成されている。携帯型構成においては、ハンドヘルド型UCR100は、無線接続117を介して動作するべくセットアップされるか(図11参照)、又はオフラインで動作するべくセットアップ可能である。無線で動作する際には、ハンドヘルド型UCR100は、スキャニングされた/検出された通し番号をアップロードし、且つ、指名手配されている通貨又は偽造通貨に関するリアルタイムの警告を受信することができる。オフラインで動作する際には、ハンドヘルド型UCR100は、複数の通し番号及び指名手配されている通貨リストをリアルタイム警報のために保存することができる。図11に示されているように、このユニットは、後程、直接的にハードウェアTCP/IPスタック116を介してLANに、モデム115を介してインターネットに、或いは、間接的に、例えば、USBポート112を介してコンピュータ又はその他の装置に接続可能である。ネットワークに接続された際には、UCR100は、通し番号及び指名手配リストに対する更新を送受信することができる。
【0057】
直接接続型の構成においては、ハンドへルド型UCR100は、好ましくは、装置が、例えば、USBポートを介してネットワークに継続的に接続されていることを除いて、携帯型の無線構成において提供されているものと同一の前述の機能を提供している。この構成は、オフィスにおけるセッティング、警察車両、軍車両、又はネットワーク接続が容易に利用可能であるその他の場所において特に有用であろう。
【0058】
又、装置100は、クレジットカードを受領するためのクレジットカード読み取りスロット102、パスポート読み取り入力部、又は本明細書に記述されているその他のデータの入力部をも具備することができる。又、これは、観察窓101をも具備しており、これにより、本装置を分析対象の紙幣105の上方に正しく配置することができる。又、装置100は、通貨のタイプを選択するべく、キーボード104をも具備している。例えば、キーボード104上の数字を押下することにより、通貨のタイプを選択することができる。又、装置100は、読み取りディスプレイ103をも具備可能であり、この結果、操作者は、調査対象の紙幣の通し番号を観察すると共に、読み取られた通し番号を検証する機会を有する。
【0059】
装置100は、カメラを含んでいる。カメラは通貨の画像を生成する。OCRソフトウェアを使用することにより、装置100は、画像を処理し、通貨と関連付けられた通し番号などの識別情報を取得する。次いで、この識別情報を、前述のように、保存、伝送、又は操作することができる。
【0060】
又、このカメラは、装置100において更に多様な用途を実現する。例えば、カメラを使用することにより、車のナンバープレートの写真を撮影することができる。次いで、OCRソフトウェアを使用することにより、ナンバープレートをテキストに変換することができる。ナンバープレートに対応したテキストデータは、警察官に提供することも可能であり、或いは、更なる処理のために通信リンクを通じて中央オフィスに送信することも可能である。又、装置100は、暗い状態においてカメラを使用できるように、光源を具備することも可能である。
【0061】
装置100の更なる用途は、電気/ガス/水道メーターの読み取りを含んでいる。このような用途においては、装置100は、電気、ガス、又は水道の消費量を記録することができ、これを使用して、請求のための関係会社による情報収集を支援することができる。
【0062】
装置100を使用することにより、人間が判読可能な数字又は英数字の任意のストリングをユーザのニーズに従って判読することができる。装置100は、税関、DEA、FBI、国土安全保障省、地方の警察本部、L.E.A.、国際刑事警察機構、IRS、銀行、欧州警察機構、財務省などの様々な機関に対して接続可能である。これらの機関と通信する装置100の能力は、指名手配されている通貨をそれぞれの機関のニーズに従って探知及び追跡するための機会をこれらの機関に提供する。例えば、前述のように、D.E.A.は、おとり捜査において麻薬を購入するべく使用した現金を追跡することができ、F.B.I.は、武装強盗又は強奪からの現金を追跡することができ、国土安全保障省は、テロリストによって使用される現金を追跡することができ、財務省は、偽造紙幣を追跡することができる。
【0063】
図11は、本発明の一実施例によるハンドヘルド型UCR100の典型的なブロック図を示している。読み取り機106は、通貨をスキャニングし、未加工のCMYK(シアン、マゼンタ、黄色、及び黒色)データをメモリ制御ユニット(Memory Control Unit:MCU)107に供給している。読み取り機は、通貨から識別情報を取得するのに使用可能な任意の装置であってよい。このような装置は、光学センサ、カメラ(CMOS又はCCD)、バーコード読み取り機、RFID読み取り機、クレジットカード読み取り機、パスポート読み取り機、及び運転免許証読み取り機を含んでいる。MCU107は、独自のフラッシュメモリ110及び光学文字認識(OCR)エンジン109と関連付け可能である。又、MCU107は、別個のフラッシュメモリ108に対しても接続可能であり、この内部には、同一の又は異なるOCRプログラム/データベースを保存することができる。好適な実装においては、リアルタイムクロック(Real Time Clock:RTC)111は、スキャニングの時刻又はプログラム更新の時刻を記録するべく提供されている。装置100がUSBポート112を介して接続されていない際には、好ましくは、メモリスティック113を使用することにより、その他のデータに加えて、スキャニングされた文字を保存し、且つ、OCRプログラムからのテキストを受信及び保存する。メモリスティック113は、ハンドヘルド型UCR100から容易に取り外し可能である。
【0064】
当業者であれば理解するように、ハンドヘルド型UCR100は、本明細書に記述されているインテリジェント通貨検証ネットワークの機能に対して大きな携帯性を提供している。
【0065】
装置100によって保存されている情報を使用することにより、追加情報を導出することができる。例えば、関係機関が適切と判断した場合には、何人の男性又は女性が装置を使用したのか、ユーザの年齢、及び好適な操作の時刻を見出すためなどの統計的な目的に、保存されている写真を保存及び分析することができる。
【0066】
本発明の別の実施例は、デスクトップ型通貨読み取り機124に関するものである。本発明の一実施例によるデスクトップ型読み取り機124の概略図が図12に示されている。デスクトップ型通貨読み取り機124は、その説明を円滑に実行するべく、6つの機能部分に分割されている。これらの部分が図13に示されている。デスクトップ型通貨読み取り機124の中心部は、マイクロプロセッサユニット120及びその支援回路である。
【0067】
本発明の一実施例においては、マイクロプロセッサ120は、次のように動作している。ID入力ユニット119が、銀行券、小切手、又は任意のその他の文書上に存在している一意の識別データのデジタル画像をキャプチャし、これを、CPU120によって処理可能な、及び/又はプリンタインタフェースユニット122を介してグラフィックプリンタによって印刷可能なバイナリデータのストリームに変換している。本発明のいくつかの実施例によるID入力ユニット119の構成については後述する。CPU120に対するデータの第2の代替入力経路は、プリンタインタフェースユニット122を介したものであり、この場合には、このインタフェースのグラフィック出力がキャプチャされ、CPU120に供給される。CPU120に対するデータの第3の代替入力経路は、データストレージユニット123を介したものであり、このデータストレージユニットは、未加工のデータ(ビットストリーム又は画像)又は事前処理されたデータ(スクラッチパッドメモリ)を含んでいる。CPU120は、バイナリデータが到来した際に、到来したバイナリデータを、即ち、未加工のデータストリームとして、保存することも可能であり、部分的な処理の後にデータを保存することも可能であり、或いは、完全な処理の後にデータを保存することも可能である。データは、データストレージユニット123内に保存される。
【0068】
データストレージユニット123は、論理的及び/又は物理的に異なるパーティションに分割可能である。データストレージユニット123をパーティションに分割することにより、CPU120は、後から処理を再開することも可能であり、又はデータを出力インタフェースに伝送することも可能である。
【0069】
CPU120は、バイナリ入力データを処理することにより、その文書の埋め込まれている識別情報を抽出する。データ処理には、人間が判読可能な文字用のOCRソフトウェア、並びに、HID、バーコード、磁気シグネチャ/プロファイルなどを含む機械可読信号用の信号復調/暗号解読が含まれている。
【0070】
CPU120の処理能力の一部は、データに関係したものではない。CPU120は、文書エッジの検知、画像スキャニングの開始及び停止の定義、フレーミング、及び遅延の生成を含むあらゆる電子的な機能を制御している。
【0071】
データは、グラフィック又はテキストプリンタにプリンタインタフェースユニット122を介して送信することも可能であり、外部メモリ(例えば、データストレージユニット123内のメモリスティック)内に保存することも可能であり、或いは、場合によっては、ネットワークインタフェース121を介してネットワーク(コンピュータ、LAN、WAN、WLAN、又はインターネット)に伝送することも可能である。
【0072】
CPU120の動作に必要な電力は、電源ユニット118から導出されている。電源ユニット118は、(1つ又は複数の標準的な又は充電可能な電池を使用することによって)電池によって動作することも可能であり、AC/DC変換ユニットから供給することも可能であり、或いは、装置に装着された外部コンピュータから(USBコネクタ又は任意のその他の利用可能な手段を介して)電源供給することも可能である。回路は、AC電源なしに電池のみによっても装置が有用な長寿命を具備するように、電力消費量が極めて小さくなるように構築されている。ハンドヘルド型UCR100は、可能な限り小さく且つ軽量にする必要があるため、電力消費量を低く抑えることは、ハンドヘルド型UCR100のサイズ及び重量に影響する。
【0073】
図14は、本発明の一実施例による電源ユニット118のブロック図である。電源ユニット118は、AC源125にプラグ接続されている際には常に充電回路から導出された電力を回路の残りの部分に供給すると共に、AC源にプラグ接続されていない際には電池の使用を実現する、「スマート」な回路126を有する充電式の電池128を含んでいる。いずれの供給源を使用するかは、スイッチング回路127によって判定されている。又、電源ユニット118は、システムが充電を必要としている時期を通知すると共に、エネルギーを節約するべくシステム自体がスタンバイモードに切り換わる時期を検出するインジケータの組129をも含んでいる。
【0074】
図12及び図13を再度参照すれば、ID入力ユニット119は、紙幣131が透明な窓135の前面の適切な位置に配置されたことをセンサの組136が通知した際に、常に、「スナップ写真」(バイナリ画像データのストリーム−グレースケール又はカラー)を生成するCMOSカメラセンサ132及びコントローラ133を含んでいる。この例においては、カメラコントローラ回路133のMCUは、スクラッチパッドメモリ132内に画像情報(未加工のバイナリデータ)を保存している。ID入力ユニット119は、処理のために写真が利用可能な状態にあることを「データ利用可能」信号130を介してCPU120又はプリンタインタフェースユニット122に対して通知している。
【0075】
CPU120は、ID入力ユニット119のスクラッチパッドメモリ132に対する直接的なアクセスを具備している。この結果、メモリ132内に完全な写真が存在していると(「データ利用可能」信号によって)通知された際に、CPU120は、CPU120が使用するべくプログラムされている動作(構成)モードに従ってデータの処理を開始する。
【0076】
CPU120の構成は、予めプログラム(例えば、ファームウェア内に保存)可能であると共に/又は、装置の構成サイクルにおいて設定することも可能であり、更には、後から、ネットワーク/コンピュータインタフェースユニット121からの命令を介して動的に変更することも可能である。典型的なデータモードには、次のものが含まれている。
【0077】
(a)未加工データ伝送モード
未加工データ伝送モードにおいては、CPU120は、ネットワーク/コンピュータインタフェースユニット121を介して未加工の写真データのみを外部世界に伝送し、処理の残りの部分は、外部世界において実行される。
【0078】
(b)ビットマップデータ伝送モード
ビットマップデータ伝送モードにおいては、ネットワーク/コンピュータインタフェースユニット121に伝送する前に、未加工のデータをピクセル(RGB又はグレースケール)に変換し、且つ、任意選択によって圧縮している(JPEG又はRLE又はPNG圧縮)。
【0079】
(c)B/Wデータ伝送モード
B/Wデータ伝送モードにおいては、まず、未加工のデータをピクセルに変換すると共に、特殊なデジタルフィルタによって処理することにより、望ましくないバックグラウンドから識別情報を分離している(新しい10、20、50、及び100ドル紙幣、並びに、多くのその他の外国の銀行券のケースがこれに該当する)。これらのフィルタは、パターンマッチング法又はRGB→HSV→フィルタリング済みのHSV→RGB変換を使用することができる。変換操作の最後の段階は、自動的なコントラスト及びエッジ検出並びにフレーミングを伴う白黒(B/W)ピクセル変換である。B/Wデータ伝送モードは、前述のビットマップデータ伝送モードの拡張である。
【0080】
(d)テキストデータ伝送モード
テキストデータ伝送モードは、前述のB/Wデータ伝送モードにおいて使用されているものに類似した処理を使用して写真データをB/Wに変換している。CPU120内の不揮発性メモリチップ内に存在している小さな「記述子」データベースを使用することにより、個々の文字についてフレーミング(framing)を実行している。この「記述子」データベースは、IDの一般的なフォーマットに関する情報を含んでいる。例えば、ドル紙幣の記述子は、「O」の文字を含まない2つのアルファベット文字のグループと、これに続く8つの数字のグループ、並びに、「O」を含まないが「*」であってよい単一の文字としてIDのフォーマットを記述している。同一のチップが、すべての有効な文字について光学文字認識ファームウェアによって使用可能なデータを有するデータベースを含んでいる。OCRファームウェアを使用することにより、画像データをテキストに変換する。次いで、テキストをネットワーク/コンピュータインタフェースユニット121に伝送している。
【0081】
以上のモード((a)〜(d))は、いずれも、テキストをネットワークインタフェースユニット121に伝送する代わりに、CPU120が、関連する処理済みのデータを外部メモリ(例えば、データストレージユニット123)内に保存するという対応するモードを具備している。データストレージユニット123は、不揮発性のRAM、EPROM、EEPROM、フラッシュメモリ、メモリスティック、マルチメディアストレージ装置、及びUSBストレージ装置を含むいくつかの構成の中の1つ又は複数のものであってよい。
【0082】
同様に、処理済みのデータの出力は、例えば、感熱/ドットマトリックスプリンタ又はウィンドウズ(登録商標)対応のプリンタを含む任意のグラフィック能力を有するプリンタであり、この場合には、情報は、適切なプリンタインタフェースユニット122に対して伝送される。
【0083】
本発明の別の実施例においては、センサが、写真情報をグラフィックプリンタに対して直接伝送するべく構成されている。このような一実施例においては、CPU120は、センサデータを取得し(このデータは、エンコードされた形態である)、プリンタに出力されるデータに対して直接的に適用されるように、フィルタリング/フレーミング/OCR処理を実行することができる。
【0084】
図15は、現在銀行において一般的に使用されているものなどの単一ポケットの通貨カウンタ内において実施可能な改良の概略図である。この改良により、カウンタは、紙幣の画像を取得すると共に、OCRを使用して紙幣の通し番号のテキストバージョンを取得することができる。本発明の一実施例においては、改良には、次のものが含まれている。
【0085】
・CMOS又はCCDカメラ144及びそのコントローラ
・高輝度の光源145(例えば、スーパー高輝度のデイライトLEDであり、この理由は、長期間にわたってその高輝度出力が劣化しないそのオン/オフスイッチングにおける耐久性にある)
・紙幣のエッジを検出するためのセンサ146(例えば、反射センサ)
・カウンタの背面側の開口部(又は、カメラの前面を通過する際に紙幣143の明瞭な視界をカメラ144に付与する任意のその他の適切な位置)をカバーするウィンドウ142(プラスチック、硝子、又は任意のその他の適切な材料)
・紙幣143のスナップ写真の撮影と装置のモータの動きを制御するための適切なインタフェースの両方に関連した(マイクロプロセッサ、アナログ及びデジタル回路、及び時間遅延を含む)電子回路
【0086】
動作の際には、通貨カウンタは、図示のように、カウンタの既存のローラ141を回転させ、これにより、ドル紙幣143を引き込んで、カメラ144の前面を通過させる単一のDCモータを含んでいる。ローラ140は、矢印によって示されている方向においてのみ回転することができ、この結果、一度に1枚の紙幣のみを供給することができる。
【0087】
紙幣143がセンサ146の前面を通過したら、即座に、カウンタの電子回路は、一時的に停止するまで円筒形ローラ141にブレーキをかける。この時点において、紙幣143の通し番号は、ウィンドウ142を通じて可視状態となる。LED(145)を照射し、ドルのスナップ写真を撮影してコントローラのインタフェースを通じて図12及び図13に示されているRAD(Reading and Authenticating Device)のコンピュータに対して伝達するべく、カメラ144に対して通知する。
【0088】
当業者には、本システムの動作の信頼性及び速度を改善する多数の方法が存在していることが明らかであろう。例えば、DCモータをステッピングモータによって置換することができる。ステッピングモータは、更に高い精度によって制御及び停止することが更に容易である。適切な位置インジケータを有するサーボモータは、DCモータの別の可能な代替品である。更には、ローラの背面支持部に窓を形成する代わりに、背面を全面的に又は部分的に透明な背面によって置換することも可能である。前述の追加センサ(センサ146)のニーズを伴うことなしに、カウンタ内に既に存在しているカウンティングセンサを使用することにより、カメラをトリガ可能である。
【0089】
図16は、本発明の一実施例による情報の伝送において使用されるデータストリームファイルの典型的なフォーマットを示している。データストリームファイルは、一般的な「TAG」構成を含んでいる。メモリ及び伝送空間を節約するために16進表記を使用しており、従って、標準的なASCIIのテキスト表記の8ビットの代わりに、4ビットによってそれぞれの数字を表現することができる。この結果、メモリが節約され、伝送時間が抑制される。更には、16進表記の場合には、データストリームの判読が困難であり、ハッカーによる介入が相対的に困難である。更には、相対的に高度なエンコーディングシステムを使用することができる。
【0090】
本発明の一実施例による伝送データストリームの基本的な構造が図16に示されている。データストリームは、追跡のために、通貨の通し番号、米国財務省などの特別な機関が関心を有している紙幣の特別なセクション、及び以前のトランザクションの年、月、日、時間、分を含む以前のトランザクションの時刻を含んでいる。又、データストリームは、現在のトランザクションの年、月、日、時間、分をも含んでおり、これには、国コード(Country Code:CC)、都市コード(Town Code:TC)、及び最大で65,535個のアカウント番号まで使用可能である4つの16進数値の特殊コードが続いている。又、データストリームは、紙幣が、システム内にあったのか、その外部にあったのかを通知する特記(Special Note:SN)をも包含することができる。更には、データストリームは、カスタムフィールドチェックサム、暗号化コード、及び通し番号をメタデータベースに対してリンクするローカルデータベースポインタ147を包含することができる。このようなリンクにより、多くの紙幣は、例えば、捜査官の名前及び電話番号、作戦名、及び場所、写真、パスポート番号、及びその機関が重要且つ必要であると判断した任意のその他のデータを含む共通データを共有することができる。
【0091】
本発明の一実施例は、図17に示されているように、改善されたネットワーキングを提供することができる。図17内に示されている典型的なネットワーク内においては、1つのサーバ(並びに、そのバックアップイメージ)は、すべてのデータを含んでいる。すべてのエンドユーザは、構造化された階層構造を通じて、このデータに接続、共有可能である。エンドユーザの読み取り及び認証装置(Reading and authenticating Device:RAD)を通じて全世界において銀行券を追跡するという概念を中心として、更なる構成を設計することができる。
【0092】
このような典型的な設計の1つが、「iGovNet(Intelligent Government Network):インテリジェント政府機関ネットワーク」であり、これは、ユーザがデータの所有権を放棄することなしに、ネットワークのすべてのユーザから政府の機関が恩恵を受けることができるように特別に設計されている。
【0093】
この場合には、典型的な設計は、任意のトランザクションにおいて紙幣の通し番号に付加された「TAG」(図16)を使用することにより、そのトランザクションの時点において割り当てられたデータベースポインタを使用して任意のデータベースにリンク可能であるという事実を利用している。
【0094】
この設計においては、それぞれのユーザ(又は、ユーザのグループ)は、彼らにとって便利な場所に専用のローカルネットワークサーバ150を維持可能であり、且つ、彼らの「内部」LANのために任意の種類の構成を構築することができる。この専用のサーバは、タグが付加された貨幣ファイル及びローカルデータベースの両方を、ユーザが選択した便利であって物理的に安全である場所に収容可能である。専用サーバは、「トラフィックコントローラ(Traffic Controller:TC)」149のシステムに対して接続されている。TC149は、実際には大きなストレージ容量を具備してはいないが、「既知」の宛先との間においてデータを受信及び再伝送可能なサーバである。
【0095】
図17に示されているように、TCは、拡張可能なクラスタとして接続可能である。図17においては、小さな円150は、ローカルデータベースを有するシステムを表しており、機関の異なるセクションに属する「指名手配」されている通し番号のリストが、更に大きな円(TC149)に接続されている。
【0096】
現金がRADステーション150に現れるたびに、通し番号が読み取られ、最も近いトラフィックコントローラに伝送される。それぞれのTCは、オリジネータ148を除いたすべての隣人に対して再伝送し、伝送したデータをそのメモリから削除する前に、すべての隣人からの受領のアクノリッジを待つ。これは、ネットワーク内のすべてのユーザ150が通し番号のバッチを受信する時点まで、接続されているすべてのTCを通じて継続される。次いで、すべてのユーザ装置150は、その独自の指名手配リストに照らして通し番号のバッチをチェックする。マッチングが存在している場合には、エンドユーザ151及びサーチのオリジネータの両方に通知される。データベースポインタは、サーチのオリジネータに属するデータベースに対応しているため、ユーザは、オリジナルのトランザクションの「時間」及び「場所」情報のみを取得可能であり、従って、更なる情報が必要である場合には、エンドユーザは、更なる情報についてオリジネータにコンタクトしなければならない。
【0097】
この例は、本発明の実施例によって提供されるいくつかの利点を実証している。「無実」の紙幣は、本システムによって無視されている。この結果、データベースは、無関係な情報によって乱されず、データベース内のスペースが乱されることがない。更には、関係する事件について通知されるのは、関心を有している当事者のみであり、情報が効率的に処理されている。
【0098】
更には、本システムは、構築及び維持が経済的であり、且つ、通し番号は、本システムを通じて移動する際には機密情報ではないため、極めて安全である。それらが機密情報となるのは、マッチングが検出された場所においてのみであり、これは、定義によって安全である。更には、本システム内を移動するデータは、最新の安全な暗号化アルゴリズムによって高度に暗号化可能である。又、簡潔さ及び速度のために、ビットごとの操作を使用してデータを構築することも可能であり、従って、語彙分析攻撃に対して脆弱ではない。
【0099】
この例においては、データベースを小さな塊に分けることにより、極めて短いソーティング及びサーチ時間という更なる利点が付与されている。
【0100】
本発明の別の態様は、光学又は電気信号をテキストに変換する新しく且つ改善された光学文字認識(OCR)エンジンを提供するためのものである。本発明の実施例のOCRは、精度のために最適化されるべく、異なる通貨の特定のフォーマットを活用している。
【0101】
本発明の一実施例においては、これは、フォーマット記述子及び除去可能な内部OCRデータベースを使用することによって実現されている。
【0102】
更には、OCRプログラム自体は、認識プロセスがソフトウェアのその他の部分の速度を低下させることがないように、極めて高速である必要である。更には、デスクトップ又は携帯型コンピュータに常に接続されていない小さな装置に対して移植できるようにする場合には、OCRプログラムは、オペレーティングシステムの機能及びグラフィックルーチンから独立している必要がある。
【0103】
前述の内容を満足させるべく、OCRソフトウェアが設計されており、実証をのみ目的として、以下、これについて提示することとする。
【0104】
この典型的な設計においては、OCRエンジン(ソフトウェア)は、速度のために、完全にアセンブリ言語において設計されている。システムは、OCR及びフォーマッティング記述の両方のために、約800バイトの極めて小さなデータベースを使用している。
【0105】
特別なアルゴリズムによってベースライン検出及び回転を処理している。(新しい色彩豊かなドル紙幣、ユーロ、及びその他の外国通貨に対して特に適用可能である)バックグラウンドカラー雑音の除去は、RGB−HSV−RGB−B/Wなどの色空間間における高度なアセンブラ変換を使用することによる。動きのぶれ、魚眼レンズ効果、及び照明の分配によって生成される異常を考慮し、幾何学的変換が設計されている。
【0106】
変換は、いずれも、線形、双一次、及び多項関数の使用を通じて最適化されおり、これにより、時間を消費する、特に、浮動小数点演算機能を有していないスタンドアロン装置において低速である、三角関数を回避している。
【0107】
システムは、単一投票システム(2つの通し番号を自動的に比較するもの)及び3投票システム(写真の表示を介した人間の介入を有するもの)と共に、適用可能な場合には常に(例えば、フルフェーススキャナ/小切手検証機などの)デュアルスキャニングを利用することができる。OCRエンジンは、画像処理及びパターン認識との関連において使用される統計的な確率論的分析を含んでおり、ベクトルの使用を伴ってはおらず、これらは、小さなプロセッサの場合には、あまりに低速である。これを補償するべく、このエンジンは、二次的な小エリア(スポット)チェックを伴う類似文字(即ち、C及びGなどの)デコーディングを再訪し、百分率による確率を有する両方の推定値を返している。これを使用することにより、アプリケーションプログラムは、いつ文字又は「判読不能」コードを使用するかを決定することができる。
【0108】
図18は、本発明の一実施例によるOCRルーチン151のブロック図である。OCRルーチン151は、マイクロプロセッサ又は本明細書に記述されている動作を実行するべく構成可能である任意のその他のプロセッサ上において実行可能である。
【0109】
OCRルーチン151は、ウィンドウズ(登録商標)オペレーティングシステムの「kernel32.dll」のGetDIBitによって生成されるものに類似したバイトアレイの形態において「ビットマップ」写真を入力として受領している(170)。OCRルーチン151は、主に所与の国用のロケール及び通し番号フォーマッティングに関する特定の追加情報について認知している必要がある(154)。この情報は、パラメータであり、且つ、インストールプログラム及び/又は、適用可能な場合には、オペレーティングシステムのロケール情報の正しい設定及び/又は、利用可能な場合には、ウィンドウズ(登録商標)レジストリによって供給される。本発明の一実施例によれば、入力データのフォーマットは、次のとおりである。既知の光学装置(カメラ/スキャナ)の大部分は、DIBitを直接的に生成しないため(153)、OCRルーチンを呼び出す前に、それぞれの入力画像データフォーマット(JPEG、RAW、CMYK、EPSなど)ごとに、異なる小さなエンコーダルーチンを使用している(152)。
【0110】
本発明の一実施例によれば、OCRルーチンの最終的な出力は、ストリングと、長整数数値のアレイである(167)。本発明の一実施例によれば、OCRルーチン151によって出力されたデータのフォーマットは、次のとおりである。出力データストリングは、一連の英数文字を表している。ストリングのフォーマットは、所与の国の通貨及び/又は額面金額の通し番号の許容可能なフォーマットに準拠している。例えば、米国の場合には、新しい紙幣のストリングは、「AA NNNNNNN A」である。「A」は、第1位置においては、「O」を除く「A」〜「Z」の英文字であり、第2位置においては、「A」〜「L」の文字であり、最後の位置においては、文字「*」、又は「O」を除く「A」〜「Z」の文字である。同様に、「N」は、「0」から「9」の数字を意味している。ルーチンから返される数字のアレイは、ストリング内において返された1文字当たりに1つの要素を具備している。アレイのそれぞれの要素の値は、対応するOCR処理された桁がルーチンによって正しく解釈された確実性のレベルに対応している。例えば、米国の場合に、「AB12345678C」及び11個の値のアレイ(100,90,92,...,88)というOCRルーチンの出力を仮定すれば、これらのアレイの値は、「A」が正しいという確率=100%であり、「B」が正しい=90%、「1」が正しい=92%であり、...、「C」が正しい=88%であると解釈される。
【0111】
米国以外の国の場合には、返されるストリングにUnicode表現が必要である。このOCRにおいては、それぞれのUnicode文字が、1バイト値によって表現されており(ソーティングシーケンスを保持している)、且つ、ニーズが発生した際にのみデコードされるという方式を採用している。しかしながら、ストリングの真のUnicode表現を採用することも可能である。但し、同一の情報を維持するために、二倍の数のバイトが必要とされる。
【0112】
OCRルーチン151は、DIBitアレイを読み取った後に(153)、不揮発性メモリ(又は、ウィンドウズ(登録商標)レジストリなど)内に提供されている国及び額面金額固有の情報を読み取っている(154)。DIBitアレイが小さくなり、これにより、後続のOCR動作が更に効率的且つ高速なものとなるように、この情報を使用し、通し番号の画像を概略的にクロッピングしている(153)。次いで、OCRルーチンは、実際のOCR処理において通し番号を「生成」する一連のデジタルフィルタルーチン(156〜161)を呼び出している。尚、これらのデジタルフィルタの数学的な動作は、バイトに対して機能することが知られているため、このOCRルーチン151に関する説明を円滑に実行するべく、図18のOCRルーチン151の説明の残りの部分においては、「DIBitデータ」、「写真」、及び「画像」という用語が相互交換可能に使用されている。
【0113】
銀行券の通し番号を復元する際における重要なステップは、バックグラウンドからの通し番号テキストの「分離」である。この処理は、バックグラウンド除去フィルタルーチンによって実行されている(156)。古い米国銀行券は、有意なバックグラウンドを具備してはいなかったが、新しいものは、ヨーロッパのユーロ紙幣を含むその他の国の銀行券に存在している問題を共有している。OCRにおけるバックグラウンド除去の部分は、色相及び彩度値を利用してテキストと雑音(背景)を分離する色空間内における変換の組を含んでいる。分離は、バックグラウンド除去フィルタルーチン156を利用することによって可能であるが、OCRの精度を向上させるべく、フィルタリング済みのデータを次のフィルタ機能によって更に向上させている。
【0114】
すべての高速のカラー画像キャプチャ装置に伴う共通の問題点は、白が実際には白ではなく、且つ、黒が実際には黒ではないという点にある。これは、すべての色をその適切な彩度、輝度、及びコントラストに回復しなければならないということを意味している。ルーチン157内において使用されているデジタルフィルタは、通し番号の写真を補正(向上)するように機能している。
【0115】
通し番号画像を向上させた後に、「スマート」な黒及び白変換ルーチンを使用しており158、このルーチンが、バックグラウンドの残りの部分から生成される雑音を極小化しつつ、可能な限り「カラーエッジ」情報を保持するべく試みている。変換を定義するレベルは、自動的に算出されている。但し、プログラマは、フォーマッティング情報判読ルーチン154を使用することにより、特定の個別の額面金額用のレベルを微調整することができる。
【0116】
B/Wへの変換ルーチン158は、通常、スペックル又はピクセル幅ラインとの関連においてなんらかの雑音を残すことになる。これは、実際に彩度を高くしたバックグラウンドの場合に特に当て嵌まる。これらの残余物は、スペックル除去及び雑音除去ルーチンによってほとんど除去可能である(159)。OCRルーチン151は、スペックル除去及び雑音除去ルーチンを使用する時期を決定することができる。又、ユーザは、機能154を通じて介入することにより、この決定に影響を与えることも可能である。
【0117】
特定の構成においては、カウンタ内に供給された際に紙幣が平らでない及び/又は傾いているという事実に起因し、文字が歪んでいる。OCRルーチン151は、傾いた写真を検出する埋め込まれた方法を具備しており、且つ、湾曲した支持部を補正するべく機能154を介して外部的にフラグを設定することができる。これらのケースにおいては、幾何学的な歪み機能160により、写真の傾斜を補正する角度に写真を回転することができる。更には、幾何学的な歪み機能160は、「ピッチ」又は「パンチ」歪みを補正する特殊変換を使用することも可能である。
【0118】
測光距離及びカメラレンズ補正ルーチン161は、異なる入射角度における照明の状態並びにカメラの応答に起因した個々の文字の変化可能な太さを補正している。両方の状態により、端の文字よりも「中央」の文字が細く現れることになる。更には、このフィルタの機能は、機能154からの入力を通じて制御可能である。
【0119】
従って、OCRルーチン151におけるすべてのフィルタは、通し番号の写真が、可能な限り、均一で、歪みがなく、且つ、シャープなものとなるように、相乗効果を有するように機能している。フレーミング機能162は、それぞれの桁の4つの角の位置を返すエッジ検出ルーチンである。
【0120】
前述の機能162によって得られた情報を使用することにより、ステップ153において生成されたオリジナルのDIBitアレイを、一度に1つの文字のみのデータを含む個別のアレイに分離している。これは、個別文字読み取りルーチン163によって実行されている。
【0121】
OCRルーチン151の主要な部分は、ルーチン164において実行されている。OCRデータベースは、ここで読み取られるアレイフォーマットの関連するデータ情報を含んでいる。OCRデータベースのフォーマット及びデータは、機能154において得られた指定のロケール及び言語のパラメータに従って読み取られる。
【0122】
それぞれの文字のデータビット(ルーチン163によって得られたもの)、通し番号内におけるそれらの位置(ルーチン162において得られたもの)、及びOCRデータベースの内容(ルーチン164)は、統計分析ルーチン165に供給されている。統計分析ルーチン165においては、3つの異なる画像マッチングルーチンが使用されている。データベースからのそれぞれの有効な文字を、通し番号の桁のそれぞれの個別の位置と比較し、二乗平均(Root Mean Square:RMS)誤差の値を演算している。RMS誤差を使用することにより、それぞれの位置における文字のASCII(又は、Unicode)値と信頼性の程度の両方を判定することができる。
【0123】
わずかな違いしか有していない画像を具備した特定の文字が存在しており、例えば、米国紙幣における大文字のGと大文字のCは、数ピクセルしか異なっていない。類似したペアの場合には、統計分析ルーチン165により、ほとんど等価な信頼性の程度を有する2つの数値を生成している。類似したペアの状況が存在する可能性があり、通し番号の中の所与の位置についていずれの単一の文字を出力として選択するべきかを統計分析ルーチン165が決定できないと統計分析ルーチング165が通知した際には、常に、スポットチェックルーチン165が呼び出されることになる。ルーチン166内においては、2つの特定の文字の相違点に注意を合焦して最終予測を実行するべく、特殊なルーチンが使用されている。例えば、前述のC及びGの場合においては、ルーチンは、CとGを弁別する水平ラインを探すことになる。
【0124】
OCRルーチン151によって使用されているすべてのルーチンは、CPU集約的であり、従って、大量の演算を必要としている。所与の通し番号を認識するために必要な時間を最小化するべく、時間を要する機能(指数、平方根、三角関数など)を使用することなしに整数演算処理及び多項級数拡張によって結果を近似する特殊なアルゴリズムを開発した。この結果、浮動小数点演算用のFPUを具備していない簡単なマイクロプロセッサへのOCRルーチン151のポーティングが可能である。
【0125】
本発明の好適な実施例に関する以上の開示は、例示及び説明を目的として提示されたものである。これは、本発明のすべてを網羅したものではなく、本発明を開示された形態そのままに限定することを意図したものでもない。以上の開示内容に鑑み、当業者には、本明細書に記述されている実施例の多くの変形及び変更が明らかであろう。本発明の範囲は、添付の請求項、並びに、その等価物によってのみ定義されるものである。
【0126】
更には、本発明の代表的な実施例の説明において、本明細書が、特定のステップのシーケンスとして、本発明の方法及び/又はプロセスを提示している場合がある。しかしながら、その方法又はプロセスが本明細書に示されている特定のステップの順序に依存していない範囲において、方法又はプロセスは、記述されている特定のステップのシーケンスに限定されるものではない。当業者であれば理解するように、その他のステップのシーケンスも可能である。従って、本明細書に示されている特定のステップの順序を請求項に対する制限として解釈してはならない。更には、本発明の方法及び/又はプロセスに関する請求項は、記述されている順序におけるそれらのステップの性能に限定されるものでもなく、当業者であれば、それらのシーケンスが、変化可能であり、且つ、依然として本発明の精神及び範囲内に留まることができることを容易に理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0127】
【図1】本発明の一実施例によるシステム内のネットワークの概略図である。
【図2】本発明の一実施例によるシステムのブロック図である。
【図3】本発明の一実施例によるメモリ割当構造である。
【図4】本発明の一実施例によるシステムのソフトウェアの論理フローチャートである。
【図5】本発明の一実施例によるシステムのブロック図の典型的な実施例である。
【図6】本発明の一実施例による引き出しなしキャッシュレジスタの概略図である。
【図7】本発明の一実施例によるローカルな通貨からユーロへの交換機の概略図である。
【図8】本発明の一実施例によるビデオ指紋採取システムの概略図である。
【図9】本発明の一実施例によるビデオ画面の典型的な画面ショットである。
【図10】本発明の一実施例による典型的なハンドヘルド型汎用通貨読み取り機(Universal Currency Reader:UCR)の透視図である。
【図11】本発明の一実施例によるハンドヘルド型UCRのブロック図である。
【図12】本発明の一実施例によるデスクトップ型通貨読み取り機の概略図である。
【図13】本発明の一実施例によるデスクトップ型通貨読み取り機と共に使用するコントローラのブロック図である。
【図14】本発明の一実施例によるデスクトップ型通貨読み取り機の電源のブロック図である。
【図15】本発明の一実施例に従って通し番号を読み取るべく既存の貨幣カウンタを改良するための装置の概略図である。
【図16】本発明の一実施例による「TAG」の付加を含むデータ伝送の代表的なフォーマットを示している。
【図17】本発明の一実施例による機関の間におけるデータの高速で安全な交換を実現するネットワーク設計の概略図である。
【図18】本発明の一実施例によるOCRルーチンのブロック図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通貨を検証する装置において、
前記通貨を前記装置に入力する入力ポートと、
前記通貨をスキャニングして前記通貨の画像を取得するスキャナと、
中央処理ユニットと、
前記画像から前記通貨と関連付けられた識別情報を取得するソフトウェアと、
識別情報のリストが保存されている前記中央処理ユニットに結合されたメモリとを備えており、
前記通貨と関連付けられた前記識別情報は、前記保存されている識別情報と比較され、
前記装置は、前記通貨と関連付けられた前記識別情報と前記保存されている識別情報の間にマッチングが存在している場合に、通知を提供する装置。
【請求項2】
前記スキャナは、前記通貨を照らすことにより、前記画像の取得を円滑に実行する光源を備える請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記スキャナは、前記通貨を照らす前に、前記通貨を一時停止させる請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記ソフトウェアは、光学文字認識ソフトウェアである請求項1に記載の装置。
【請求項5】
中央銀行と通信することにより、前記メモリ内に保存されている前記識別情報のリストのすべて又は一部を入手する通信ポートを更に備える請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記識別情報は、前記通貨と関連付けられた通し番号である請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記装置は、通貨を供給するための自動現金預入れ支払機である請求項1に記載の装置。
【請求項8】
「安全な現金」オプションであって、前記メモリは、前記供給された通貨の前記識別情報を保存する「安全な現金」オプションと、
顧客用のレシートを印刷するプリンタであって、前記レシートは、前記供給された通貨と関連付けられた前記識別情報のリストを備えるプリンタとを更に備える請求項7に記載の装置。
【請求項9】
通貨を検証する方法において、
入力ポートを通じて通貨を受領するステップと、
前記通貨をスキャニングして前記通貨の画像を取得するステップと、
前記画像から前記通貨と関連付けられた識別情報を取得するステップと、
前記通貨と関連付けられた前記識別情報を以前に保存されている識別情報のリストと比較するステップと、
前記通貨と関連付けられた前記識別情報と前記保存されている識別情報の間にマッチングが存在している場合に、通知を提供するステップとを備える方法。
【請求項10】
前記通貨を照らすことにより、前記画像の取得を円滑に実行するステップを更に備える請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記通貨を照らす前に、前記通貨を一時停止させるステップを更に備える請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記画像を光学文字認識ソフトウェアによって処理するステップを更に備える請求項9に記載の方法。
【請求項13】
中央銀行と通信することにより、メモリ内に保存されている前記識別情報のリストのすべて又は一部を取得するステップを更に備える請求項1に記載の方法。
【請求項14】
前記識別情報は、前記通貨と関連付けられた通し番号である請求項9に記載の方法。
【請求項15】
「安全な現金」オプションの選択を受信するステップと、
前記通貨をユーザに供給するステップと、
前記ユーザに供給された通貨のそれぞれの紙幣に対応した通し番号を保存するステップと、
顧客用のレシートを印刷するステップであって、前記レシートは、前記供給された通貨と関連付けられた前記識別情報のリストを備えるステップとを更に備える請求項9に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公表番号】特表2008−538639(P2008−538639A)
【公表日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−507891(P2008−507891)
【出願日】平成18年4月21日(2006.4.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/014998
【国際公開番号】WO2006/116029
【国際公開日】平成18年11月2日(2006.11.2)
【出願人】(507349569)
【Fターム(参考)】