説明

インデノンカルボン酸誘導体ならびに糖尿病および脂質代謝異常を治療および予防するためのそれらの使用

本発明は、脂質代謝異常、アテローム性動脈硬化症、および糖尿病の治療に用いることのできる、式(I)の化合物に関し、式中、nは、1、2、および3から選択された整数であり、Yは、O、R9がHまたは飽和炭化水素ベース脂肪族基を表すN−OR9、R10およびR11が同一でも異なっていてもよく、Hまたは飽和炭化水素ベース脂肪族基を表すCR1011を表し、R1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、Hまたは飽和脂肪族炭化水素ベース鎖を表すか、あるいはR1およびR2は合わせて、場合によって置換された飽和脂肪族炭化水素ベース鎖を形成し、基R3およびR4は、同一でも異なっていてもよく、R1およびR2に関して上述した任意の意味を持つか、あるいはR1およびCR12への炭素アルファに結合する基R4は、何も表さず、二重結合が、CR12炭素をアルファCR34炭素と結合するか、あるいは基R1およびR2の1つは、基R3およびR4の1つと共に、場合によって置換された飽和または不飽和脂肪族炭化水素ベース鎖を形成し、基R5およびR6の1つはWを表し、他方はZを表し、Zは、飽和または不飽和脂肪族炭化水素ベース基、場合によって置換された飽和、不飽和、および/または芳香族炭素環または複素環基、alkがアルキレン鎖を表し、Cyが場合によって置換された飽和、不飽和、および/または芳香族複素環または炭素環基を表す基−alk−Cyから選択され、Wは、−XL−CO27、−X−L−Tetを表し、式中、XおよびLは、下に定義するとおりであり、Tetは、場合によって置換されたテトラゾールを表し、式中、Lは、場合によって置換されている、および/または場合によって置換されたアリーレンによって場合によって中断されている飽和または不飽和脂肪族炭化水素ベース鎖を表し、Xは、O、R8がH、飽和脂肪族炭化水素ベース基、R’がR7に関して下に示すHを除く任意の意味を持つ基−CO−R’もしくは−SO2−R’、または場合によって置換された芳香族炭素環基を表すNR8、あるいはmが0、1、および2から選択されるS(O)mを表し、R7は、H、飽和または不飽和脂肪族炭化水素ベース基、場合によって置換された飽和、不飽和、および/または芳香族炭素環基、場合によって置換された飽和、不飽和、および/または芳香族複素環基を表す化合物、ならびに薬剤として許容されるそれらの誘導体、塩、溶媒和物、および立体異性体、ならびにあらゆる割合のそれらの混合物に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、脂質代謝異常、アテローム性動脈硬化症、および糖尿病の治療に用いることができるカルボン酸誘導体、それらを含む薬剤組成物、ならびにこれらの化合物を調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
本発明はまた、脂質代謝異常、アテローム性動脈硬化症、および糖尿病を治療する薬剤を製造するためのこれらの化合物の使用に関する。
【0003】
ほとんどの国で、心臓血管疾患は、依然として主要な疾患の1つであり、主たる死亡原因である。男性では約3分の1が、60歳前に大きな心臓血管疾患を発症し、女性はより低いリスクを示す(1:10の比)。年齢が進むにつれて(65歳を過ぎると、女性も男性と同様に心臓血管疾患に罹患しやすくなる)、この疾患はさらに高い率で増加する。冠動脈疾患、発作、再狭窄、および末梢血管疾患などの血管疾患は、依然として世界的に死亡および障害の主たる原因である。
【0004】
食事と生活習慣によって心臓血管疾患の発症は促進され得るが、脂質代謝異常をもたらす遺伝的素因は、心臓血管障害および死の重要な要因である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
アテローム性動脈硬化症の発症は主として、血漿中のリポタンパク質レベルの異常を意味する脂質代謝異常に関連すると考えられる。この機能障害は、冠動脈疾患、糖尿病、および肥満において特に顕著である。
【0006】
アテローム性動脈硬化症の発症を説明するための考え方は、主としてコレステロールの代謝およびトリグリセリドの代謝に向けられてきた。
【0007】
しかしながら、Randleら(Lancet、1963、785〜789)の研究以降、トリグリセリドおよびコレステロールに関する脂質の代謝とグルコースの酸素化との平衡の調節を説明する、グルコース脂肪酸サイクルまたはRandleサイクルという新規な考えが提案されてきた。この考えに従って、本発明者等は、脂質代謝およびグルコース代謝に同時に作用する新規な化合物を見出すことを目的とする新規なプログラムを開発した。
【0008】
フィブレートは、「ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体」を介する作用機序を有するよく知られている治療薬である。これらの受容体は、肝臓における脂質代謝の主要な調節因子である(PPARαイソ型)。この10年間、チアゾリジンジオンは、ヒトおよび動物の強力な血糖降下剤であるとされてきた。チアゾリジンジオンは、PPARの別のイソ形態、PPARγの強力な選択的活性化因子であることが報告されている(Lehmannら、J.Biol.Chem.1995、270、12953〜12956)。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者等は、PPARαおよびPPARγイソ型の強力な活性化因子である新規な種類の化合物を見出した。この活性の結果として、これらの化合物は、実質的な脂質低下および血糖降下効果を有する。
【0010】
本発明の化合物は、式Iを有し、
【0011】
【化1】

【0012】
式中、
nは、1、2、および3から選択された整数であり、
Yは、O;R9がHまたは飽和炭化水素ベース脂肪族基を表すN−OR9、R10およびR11が同一でも異なっていてもよく、Hまたは飽和炭化水素ベース脂肪族基を表すCR1011を表し;
1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、Hまたは飽和脂肪族炭化水素ベース鎖を表すか、あるいはR1およびR2は合わせて、場合によって置換された飽和脂肪族炭化水素ベース鎖を形成し;
基R3およびR4は、同一でも異なっていてもよく、R1およびR2に関して上述した任意の意味を持つか、あるいは
1およびCR12にα位の炭素が有する基R4は、何も表さず、二重結合が、CR12炭素をα位のCR34炭素と結合するか、あるいは基R1およびR2の1つは、基R3およびR4の1つと共に、アルキレンまたはアルケニレンなどの場合によって置換された飽和または不飽和脂肪族炭化水素ベース鎖を形成し;
基R5およびR6の1つはWを表し、他方はZを表し、Zは、場合によって置換された飽和または不飽和脂肪族炭化水素ベース基、場合によって置換された飽和、不飽和、および/または芳香族炭素環または複素環基、alkがアルキレン鎖を表し、Cyが場合によって置換された飽和、不飽和、および/または芳香族複素環または炭素環基を表す基−alk−Cyから選択され;
Wは、−XL−CO27、−X−L−Tetを表し、式中、XおよびLは、下に定義するとおりであり、Tetは、場合によって置換されたテトラゾールを表し;
7は、H、飽和または不飽和脂肪族炭化水素ベース基、場合によって置換された飽和、不飽和、および/または芳香族炭素環基、あるいは場合によって置換された飽和、不飽和、および/または芳香族複素環基を表し;
Xは、O、R8がH、飽和脂肪族炭化水素ベース基、R’がR7に関して上述したHを除く任意の意味を持つ基−CO−R’または−SO2−R’、あるいは場合によって置換された芳香族炭素環基を表すNR8
mが0、1、および2から選択されるS(O)mを表し;
Lは、場合によって置換されている、および/または場合によって置換されたアリーレンによって場合によって中断されている飽和または不飽和脂肪族炭化水素ベース鎖を表す化合物;ならびに薬剤として許容されるそれらの誘導体、塩、溶媒和物、および立体異性体、およびあらゆる割合のそれらの混合物である。
【0013】
式Iの化合物の誘導体のなかで特に意図されるものは塩である。
【0014】
塩の例には、薬剤として許容される有機または無機塩基、あるいは薬剤として許容される有機または無機酸と共に形成された薬剤として許容される塩が含まれる。
【0015】
挙げることのできる有機または無機塩基との塩の例には、金属、特にアルカリ金属、アルカリ土類金属、および遷移金属(ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、またはアルミニウムなど)、あるいは塩基、たとえばアンモニア、または第2もしくは第3アミン(ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、またはモルホリンなど)、あるいは塩基性アミノ酸、あるいはオサミン(メグルミンなど)、あるいはアミノアルコール(3−アミノブタノール、および2−アミノエタノールなど)と共に形成された塩が含まれる。
【0016】
有機または無機酸との塩の例には、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、リン酸二水素塩、クエン酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、およびp−トルエンスルホン酸塩が含まれる。
【0017】
本発明はまた、ピクリン酸、シュウ酸、または光学活性酸、たとえば酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、またはカンファースルホン酸などの式Iの化合物の適切な分離または結晶化を可能にする塩を含む。しかしながら、好ましい塩のサブグループは、薬剤として許容される酸または塩基との式Iの化合物の塩からなる。
【0018】
式Iはまた、式Iの化合物のすべての型の幾何異性体および立体異性体を含む。
【0019】
したがって、本発明はまた、これらの化合物の光学活性形態(立体異性体)、エナンチオマー、ラセミ混合物、ジアステレオアイソマー、水和物、および溶媒和物を対象とする。このように、「溶媒和物」という用語は、相互誘引力の結果として形成された、不活性溶媒分子との化合物の付加物を含むものとして定義される。そのような溶媒和物は、たとえば一水和物、二水和物、またはアルコラートであることができる。
【0020】
「薬剤として許容される誘導体」という用語には、たとえば本発明の化合物の塩、および「プロドラッグ」とも称される化合物が含まれる。「プロドラッグ誘導体」という用語は、体内で急速に開裂して本発明による活性化合物を形成する、たとえばアルキルまたはアシル、糖またはオリゴペプチド基で修飾された式Iの化合物であると定義される。それらにはさらに、本発明による化合物の生分解性ポリマー誘導体が含まれる。
【0021】
本発明はまた、本発明による式Iの化合物の混合物、たとえば1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100、または1:1000などの比率である2種のジアステレオアイソマーの混合物に関する。それらは、好ましくは立体異性体化合物の混合物である。
【0022】
「脂肪族炭化水素ベース基」という用語は、好ましくは1から14個の炭素原子、優先的には1から10個、より好ましくは1から6個の炭素原子、たとえば1から4個の炭素原子を含む直鎖または分枝鎖を有する炭化水素ベース基を意味する。
【0023】
飽和炭化水素ベース脂肪族基の例は、アルキル基、たとえばメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、2−メチルブチル、1−エチルプロピル、ヘキシル、イソヘキシル、ネオヘキシル、1−メチルペンチル、3−メチルペンチル、1,1−ジメチルブチル、1,3−ジメチルブチル、2−エチルブチル、1−メチル−1−エチルプロピル、ヘプチル、1−メチルヘキシル、1−プロピルブチル、4,4−ジメチルペンチル、オクチル、1−メチルヘプチル、2−メチルヘキシル、5,5−ジメチルヘキシル、ノニル、デシル、1−メチルノニル、3,7−ジメチルオクチル、および7,7−ジメチルオクチルなどのアルキル基である。
【0024】
炭化水素ベース脂肪族基が不飽和である場合、1つまたは2つの不飽和を含むことができる。この不飽和は、エチレン型またはアセチレン型のいずれかである。この不飽和鎖は、少なくとも2つの炭素原子を含む。
【0025】
アルケニルおよびアルキニル基は、不飽和脂肪族炭化水素ベース基の例である。
【0026】
アルケニル型の不飽和脂肪族炭化水素ベース基の例には、アリル、ビニル、および−CH=CH−CH3が含まれる。
【0027】
アルキニル基の例には、−(CH2n−C≡C−Rが含まれ、nは、0から10の整数であり、Rは、−(CH2m−CH3を表し、式中、mは、0から10の整数であるか、あるいはRは、Hを表す。
【0028】
「飽和または不飽和脂肪族炭化水素ベース鎖」という表現は、水素原子を結合で置換することによって、上に定義した飽和または不飽和脂肪族炭化水素ベース基から誘導された2価の基を意味する。
【0029】
飽和脂肪族炭化水素ベース鎖は、二重結合を含まない場合、「アルキレン」と呼ばれる。
【0030】
不飽和脂肪族炭化水素ベース鎖は、1つまたは複数のエチレン型の不飽和を含む場合、「アルケニレン」と呼ばれる。
【0031】
本発明において、「飽和、不飽和、および/または芳香環(炭素環または複素環)基」という表現は、同じ基が飽和部分および/または不飽和部分および/または芳香族部分を含むことができることを意味する。
【0032】
炭素環および複素環基には、単環および多環基が含まれ、これらの基は、好ましくは単環、2環、または3環を意味する。多環基の場合、これらの基は、対になって縮合した(たとえばオルト縮合またはペリ縮合)、すなわち共通して少なくとも2つの炭素原子を含む単環からなることが理解されるべきである。各単環は、好ましくは3から8員、より好ましくは5から7員である。
【0033】
複素環基は、場合によって酸化型である(SおよびNの場合)、O、N、およびSから一般に選択されたヘテロ原子を含む。
【0034】
多環を構成する各単環は、好ましくは1から4個のヘテロ原子、より好ましくは1から3個のヘテロ原子を含む。
【0035】
芳香族単環式複素環基の例には、5から7員単環式ヘテロアリール、たとえばピリジン、フラン、チオフェン、ピロール、イミダゾール、チアゾール、イソオキサゾール、イソチアゾール、フラザン、ピリダジン、ピラジン、チアジン、オキサゾール、ピラゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、およびチアジアゾールなどが含まれる。
【0036】
不飽和単環式複素環基の例には、上述の芳香族および飽和単環式複素環の不飽和誘導体が含まれる。
【0037】
不飽和7員複素環の例には、トリチアトリアゼピンおよびトリチアジアゼピンが含まれる。飽和5から7員単環式複素環の例には、特にテトラヒドロフラン、ジオキソラン、イミダゾリジン、ピラゾリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ジチアン、チオモルホリン、ピペラジン、トリチアン、オキセピン、およびアゼピンが含まれる。
【0038】
各単環が5から7員である芳香族2環式複素環基の例には、インドリジン、インドール、イソインドール、ベンゾフラン、ベンゾピラン、ベンゾチオフェン、インダゾール、ベンズイミダゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾフラザン、ベンゾチオフラザン、プリン、キノリン、イソキノリン、シンノリン、フタラジン、キナゾリン、キノキサリン、ナフチリジン、ピラゾロトリアジン(ピラゾール−1,3,4−トリアジンなど)、ピラゾロピリミジン、およびプテリジンが含まれる。
【0039】
これらの基の飽和および不飽和誘導体は、それぞれ飽和および不飽和2環式複素環基の例である。
【0040】
芳香族3環式複素環基の例には、たとえばアクリジンまたはカルバゾールなどの5から7員単環からなるものが含まれる。これらの基の飽和および不飽和誘導体は、それぞれ飽和および不飽和3環式複素環基の例である。
【0041】
芳香族炭素環基は、好ましくはC6〜C18である。
【0042】
これらの基のなかで特に挙げることができるものは、フェニル、ナフチル、アントリル、およびフェナントリル基である。
【0043】
アリーレン基は、水素原子を結合で置換することによって、対応するC6〜C18アリール基からから誘導された2価の基を意味する。フェニレンは、好ましいアリーレン基である。
【0044】
飽和炭素環基は、特にシクロアルキル基、好ましくはC3〜C18、より好ましくはC3〜C10シクロアルキル基であり、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、アダマンチル、またはノルボルニルなどである。
【0045】
不飽和炭素環基は、1つまたは複数、好ましくは1から3個のエチレン性二重結合を含み、一般に6から18個、より好ましくは6から10個の炭素原子からなる。これらの例は、シクロアルケニル基、特にシクロヘキセニル基である。
【0046】
本発明のいくつかの化合物は、炭素CR12とCR12にα位の炭素CR34との間に二重結合を有する。したがって、n=1である場合、当該化合物は、以下の式を有する。
【0047】
【化2】

【0048】
n=2である場合、当該化合物は、以下の式を有する。
【0049】
【化3】

【0050】
1またはR2が、R3またはR4と共に飽和炭化水素ベース鎖を形成する場合、基R1(またはR2)およびR3(またはR4)は、2つの隣接炭素上にあることが好ましい。結果として生じる化合物は、たとえば以下の式を有する。
【0051】
【化4】

【0052】
Lが、場合によって置換されたアリーレンによって中断された、場合によって置換された飽和または不飽和脂肪族炭化水素ベース鎖である場合、Lは、
・−aa−AA−
・−AA−aa−
・−aa1−AA−aa2−、または
・−AA1−aa−AA2−を表すことができ、
式中、aa、aa1、およびaa2は、独立して、場合によって置換された飽和または不飽和炭化水素ベース鎖を表し、AA、AA1、およびAA2は、独立して、場合によって置換されたアリーレンを表す。
【0053】
好ましくは、R1、R2、R3、およびR4は、Hまたはアルキル、たとえばメチルを表す。
【0054】
有利には、nは、1または2を表す。
【0055】
7の好ましい意味は、Hおよびアルキル、好ましくはエチルまたはメチルである。
【0056】
好ましくは、Lは、アルキレン、アルケニレン、または−alk0−Ar0−を表し、式中、alk0は、アルキレンを表し、Ar0は、フェニレン、たとえば以下の式などを表す。
【0057】
【化5】

【0058】
本発明の化合物の好ましいサブグループは、Lが、プロピレンまたはメチレンなどのC1〜C4アルキレン、−aa3−が何も表さないか、あるいはC1〜C4アルキレン基を表す−aa3−C(CH32−、−aa4−が−aa3−に関して定義されたとおりである−aa4−C(CH3)(C25)−、
【0059】
【化6】

【0060】
または、−CH=CH−CH2−を表す化合物からなる。
【0061】
有利には、Zは、1つまたは複数の基Tで場合によって置換されたアルキル、1つまたは複数の基Tで場合によって置換されたアルケニル、1つまたは複数の基Tで場合によって置換されたアルキニル、1つまたは複数の基Tで場合によって置換されたフェニル、1つまたは複数の基Tで場合によって置換されたシクロアルキル、1つまたは複数の基Tで場合によって置換された単環または2環式ヘテロアリール、alk1がアルキレン、好ましくは−CH2−を表し、Cy1が、1つまたは複数の基Tで場合によって置換されたフェニルを表すか、あるいはCy1が、1つまたは複数の基Tで場合によって置換されたシクロアルキルを表す−alk1−Cy1−を表し、Tは、シアノ、場合によってハロゲン化されたアルキル、たとえばペルハロアルキルなど、場合によってハロゲン化されたアルコキシ、またはハロゲン原子を表す。
【0062】
化合物の好ましいサブグループは、Zが、シアノで場合によって置換されたアルキル、場合によってハロゲン化されたアルキル(トリフルオロメチルなど)または場合によってハロゲン化されたアルコキシで場合によって置換されたフェニル、フェニルが1つまたは複数のハロゲン原子、アルキル、またはアルコキシで置換されているフェニルアルキル、場合によってハロゲン化された単環または2環式ヘテロアリール(トリフルオロメチルなど)または場合によってハロゲン化されたアルコキシ、アルキニル、あるいはシクロアルキルアルキルを表す、上で定義した化合物からなる。
【0063】
特に好ましい様式において、Zは、C1〜C12アルキル;C2〜C13シアノアルキル;1つまたは複数のハロゲン、場合によってハロゲン化されたアルキル、またはアルコキシで置換されたフェニル;1つまたは複数のハロゲン、場合によってハロゲン化されたアルキル、またはアルコキシで置換されたヘテロアリール;1つまたは複数のハロゲン、アルキル、またはアルコキシで場合によって置換されたベンジルまたはフェネチル;ノルボルニル;mが、0から3の整数であり、P0が、C1〜C6アルキルを表す−(CH2m−C≡C−P0;シクロヘキシルメチルを表す。
【0064】
好ましい化合物の別のサブグループは、n=1であり、R1、R2、R3、およびR4は、水素原子を表し、Yは、Oを表し、R5は、(C1〜C10)アルキル、(C2〜C10)アルキニル、alk1が(C1〜C3)アルキレンを表し、Cy1が1つまたは複数の基Tで場合によって置換されたフェニルを表し、Tは上に定義したとおりである−alk1−Cy1−を表し、R6は、Wを表し、Xは、OまたはNHを表し、Lは、(C1〜C3)アルキレンを表す、式Iの化合物からなるグループである。
【0065】
これらの化合物のなかで、以下のものが特に好ましい。
→Xは、NHを表し、R5は、(C1〜C10)アルキルを表す化合物、
→Xは、Oを表し、R5は、(C1〜C10)アルキル、(C2〜C10)アルキニル、またはalk1が(C1〜C3)アルキレンを表し、Cy1がフェニルを表す−alk1−Cy1を表す化合物。
【0066】
下記の表αは、nおよびYの値によって、本発明の12の好ましいサブグループを記載する。
【0067】
【表1】

【0068】
下記の表βはさらに、XおよびR7の値によって、式IにおいてWが−X−L−CO27を表す場合の本発明の好ましいサブグループ13から40を定義する。
【0069】
【表2】

【0070】
表γは、Xの値によって、Wが−X−L−Tetである式Iの化合物の好ましいサブグループ41から47を記載する。
【0071】
【表3】

【0072】
下記のマトリックスδはさらに、上に定義したサブグループ1から47から誘導された好ましいサブグループを定義する。より詳細には、それぞれが本発明の好ましいサブグループを表すマトリックスの要素は、対の形式で定義され、対の各メンバーはサブグループの起源を示し、それによってn、Y、およびWを定義する。
【0073】
【表4】

【0074】
マトリックス中、iは、表βおよびγで定義したサブグループ13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、46、および47の1つを表す。
【0075】
下記のマトリックスεはまた、マトリックスδで定義したサブグループ(1,13)2(12,47)から誘導され、Zの意味によっても特徴づけられるさらなるサブグループを記載する。これらのサブグループは、3項式(l,i,k)によって指定され、(l,i)は、サブグループ(l,i,k)が誘導されるサブグループを定義し、(l,i)は、マトリックスδのサブグループであり、a、b、またはcを表すkは、サブグループ(l,i,k)においてZが有する意味を定義し、
・aは、飽和または不飽和脂肪族炭化水素ベース基を表し、
・bは、場合によって置換された飽和、不飽和、および/または芳香族炭素環または複素環基を表し、
・cは、alkおよびCyが上に定義したとおりであるalk−Cyを表すことが理解される。
【0076】
【表5】

【0077】
マトリックス中、iは、上に定義したとおりであることが理解される。
【0078】
マトリックスεの好ましいサブグループのなかで、R5=Wである化合物とR6=Wである化合物とが区別される。
【0079】
式Iの化合物は、塩基の存在下、式IIの化合物
【0080】
【化7】

【0081】
式中、
1、R2、R3、R4、n、およびYは、式Iに関して上に定義したとおりであり、Gは、−XHを表し、Xは、SまたはO、NHCOCF3またはNHR8であり、R8は、式Iに関して上に定義したとおりであり、Z0は、Zの前駆体である基であるか、あるいはZ0は、Zを表し、Zは、式Iに関して上に定義したとおりであり、Z0およびGは、フェニル核の2および3位にある,
と、式IIIの化合物
Gp−L−CO27 III
式中、R7およびLは、式Iに関して上に定義したとおりであり、Gpは、脱離基を表す
との反応を含む方法を行うことによって、調製することができる。
「Z0およびGはフェニル核の2または3位にある」という表現は、Z0またはGのいずれかが2位にあり、他方が3位にあることを意味する。より一般的には、2つの置換基が2および3位にある場合、置換基の1つが2位にあり、他方が3位にあることを意味する。
【0082】
IIとIIIとの反応によって、式IVの化合物が形成される。
【0083】
【化8】

【0084】
Gpは、たとえば、ハロゲン原子、好ましくは臭素、場合によってハロゲン化されたアルキルスルホニルオキシ基、またはアルキルによって場合によって置換されたアリールスルホニルオキシ基(メシルオキシ、CF3−SO2−O−、またはp−トリルスルホニルオキシなど)を表すことができる。
【0085】
式IIにおいて、Z0が、Zの前駆体を表す場合、好ましくは、IまたはBrなどのハロゲン原子、あるいは−OSO2CF3基である。
【0086】
塩基の例には、K2CO3、Na2CO3、KHCO3、NaHCO3、またはCs2CO3などの無機塩基、あるいはアルカリ金属アルコキシド、たとえばナトリウムもしくはカリウムエトキシド、またはナトリウムもしくはカリウムメトキシドなどの有機塩基が含まれる。
【0087】
化学量論的量の塩基(化合物IIIの量に対して)が、一般に充分である。
【0088】
7が水素原子以外である場合、塩基と化合物IIIとのモル比は、好ましくは1から5、より好ましくは1から3、たとえば1から2の範囲である。
7が水素原子である場合、この方法は、過剰の塩基の存在下で行うことができる。
【0089】
反応溶媒は、好ましくは、アセトン、または低級C1〜C4アルカノール、たとえばエタノール、またはジメチルホルムアミドなどの、極性、水混和性溶媒である。
【0090】
反応温度は、好ましくは、35℃から150℃、たとえば40から100℃に維持される。
【0091】
式IIIの化合物と式IIの化合物とのモル比は、1から20当量、好ましくは1から5当量の範囲である。
【0092】
ZがCyを表し、Cyはアリールまたはヘテロアリール基を意味する式Iの化合物は、パラジウム0錯体、および無機または有機塩基の存在下、式IVaの化合物
【0093】
【化9】

【0094】
式中、Dは、−NHCOCF3または−X−L−CO27を表し、L、R7、Y、X、R1、R2、R3、R4、およびnは、式Iに関して定義したとおりであり、Halは、BrまたはIなどのハロゲン原子を表し、−HalおよびDは、フェニル核の2または3位にある,
を,式(V)の化合物
CyB(OH)2 (V)
式中、基Cyは、1つまたは複数の置換基、たとえば1つまたは複数の上に定義した置換基Tを場合によって有する,
のアリールボロン酸またはヘテロアリールボロン酸と反応させることによって得ることができる。
【0095】
Dが、−NHCOCF3を表す場合、この反応から直接得られる生成物は、式IIaを有し、
【0096】
【化10】

【0097】
式中、R1、R2、R3、R4、n、および基Cyは、上に定義したとおりであり、たとえば上述の工程を行うことによって、式Iの化合物に変換されなければならない。
【0098】
用いられるパラジウム0錯体は、より詳細には、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである。
【0099】
挙げられる無機塩基の例には、Na2CO3、K2CO3、NaHCO3、KHCO3、NaOH、およびKOHが含まれる。
【0100】
挙げることのできる有機塩基の例には、アルカリ金属アルコキシド、たとえばナトリウムメトキシドまたはエトキシドなどが含まれる。
【0101】
この反応は、好ましくは、トルエン、キシレン、またはベンゼンなどの芳香族炭化水素、ヘプタンまたはヘキサンなどの脂肪族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、エタノールまたはメタノールなどのC1〜C4低級アルコール、テトラヒドロフランなどの環状エーテル、あるいはジメチルホルムアミドなどのアミド中で行われる。
【0102】
反応温度は、有利には、80から150℃、たとえば90から120℃に維持される。
【0103】
本発明の好ましい一実施形態によれば、化合物Vと化合物IVaとのモル比は、1から20、好ましくは1から15である。
【0104】
触媒量のパラジウム0錯体で、通常充分である。例として、化合物IVaとパラジウム錯体とのモル比は、10から1000の範囲である。
【0105】
塩基は、出発化合物IVaの量に対して、1から5当量、好ましくは2から4当量の割合で反応媒体に存在する。
【0106】
Zが−CH2−πを表し、式中、πは、アルキル、アルケニル、アルキニル、またはCy1が式IにおいてCyに関して上に定義したとおりであるCy1、あるいはalk2がアルキレンを表し、Cy1が上に定義したとおりである−alk2−Cy1を表す式Iの化合物は、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウムなどのパラジウム錯体の存在下、上に定義した式IVaの化合物を、式VII
(π−CH2−)ZnBr または(π−CH2)ZnCl VII
式中、πは、上に定義したとおりである,
の化合物と反応させることによって得ることができる。
【0107】
この反応は、有利には、極性非プロトン性溶媒、たとえばジメチルホルムアミド中で行われる。
好ましくは、化合物VIIと化合物IVaとのモル比は、1から5、好ましくは1から4の範囲である。
反応温度は、好ましくは、15から50℃である。
反応溶媒は、好ましくは、極性非プロトン性溶媒、たとえばジメチルホルムアミド(DMF)、ジオキサン、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、またはジメトキシエタンなどのエーテル、あるいはそれらの混合物であり、DMF/THF混合物が好ましい。
パラジウム錯体は、触媒量、好ましくは、用いられる化合物VIIの量に対して0.01から0.1当量の割合で用いられる。
【0108】
YがN−OHを表す式Iの化合物は、ヒドロキシルアミンの作用によって、YがOを表す式Iの対応する化合物から調製することができる。
【0109】
通常、アルカリ金属塩の存在下、式VIIIの化合物
【0110】
【化11】

【0111】
式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、およびnは、式Iに関して上に定義したとおりである,
をヒドロキシルアミン塩と反応させる。
反応温度は、好ましくは、50から120℃、たとえば70から90℃である。
挙げることのできるヒドロキシルアミン塩は、塩酸塩または臭化水素酸塩である。
挙げることのできるアルカリ金属塩は、酢酸ナトリウムである。
通常、ヒドロキシルアミン塩と式VIIIの化合物とのモル比は、1から3、より好ましくは1から2の範囲である。
酢酸ナトリウムの量は、好ましくは、用いられる化合物VIIIの量に対して、1から5モル当量、より好ましくは2から3モル当量の範囲である。
用いることのできる溶媒は、たとえばエタノールなどのC1〜C4低級アルカノールである。
【0112】
YがCR1011を表し、R10およびR11は上に定義したとおりである式Iの化合物は、YがOを表す式Iの対応する化合物から調製することができる。
【0113】
これを行うために、塩基の存在下、式VIIIの化合物、
【0114】
【化12】

【0115】
式中、R1、R2、R3、R4、n、R5、およびR6は、上に定義したとおりである、
を式IXの化合物
(C653+CR1011H,Br- IX
式中、R10およびR11は上に定義したとおりである,
と反応させる。
好ましい一実施形態によれば、塩基は、NaHなどのアルカリ金属水素化物である。
【0116】
この反応は、有利には、たとえばテトラヒドロフラン、ジオキサン、またはジエチルエーテルなどのエーテル、ジメチルスルホキシド、あるいはアセトアミドまたはジメチルホルムアミドなどのアミドなどの極性非プロトン性溶媒中で行われる。好ましくは、溶媒は、テトラヒドロフランとジメチルスルホキシドの混合物である。
反応温度は、−10から+15℃、たとえば0から10℃の範囲である。
化合物IXと化合物VIIIとのモル比は、好ましくは1から5、たとえば1から3、好ましくは1から2の範囲である。
【0117】
7がHを表す式Iの化合物は、R7がアルキルを表す式Iの対応する化合物から容易に得られる。
この反応は、NaOHまたはKOHなどの強無機塩基を用いて、R7がアルキル、好ましくはメチルまたはエチルを表す式Iの化合物を鹸化することによって行うことができる。
この反応は、好ましくは、水との混合物として水混和性溶媒、たとえばメタノールまたはエタノールなどのC1〜C4低級アルカノール中で行われる。
塩基は、好ましくは、用いられる式Iのエステルの量に対して、1から5当量の割合で用いられる。
【0118】
1および/またはR2がアルキルを表す式Iの化合物を調製するために、知られている方法で、R1およびR2がHを表す式Iの対応する化合物をアルキル化剤と反応させることができる。
【0119】
用いることのできるアルキル化剤の例は、ヨウ化メチルなどのヨウ化アルキルであり、同時に水素化ナトリウムなどの水素化物の存在下で作用する。
溶媒は、好ましくは、ジメチルホルムアミドなどの極性非プロトン性溶媒である。
例示として、ヨウ化アルキルと、R1およびR2が水素原子である式Iの出発化合物とのモル比は、1から10、好ましくは3から8の範囲である。
必要な塩基の量は、好ましくは、式Iの出発化合物に対して、1から5当量の範囲である。
この塩基は、有利には、水素化ナトリウムなどのアルカリ金属水素化物である。
この反応は、通常、0°から100℃、たとえば20から60℃の温度で行われる。
【0120】
このアルキル化ステップは、式Iの化合物の合成中の中間体化合物から開始される類似の方法で行うことができる。
【0121】
Zが飽和脂肪族炭化水素ベース基を表す式Iの化合物は、水素雰囲気、パラジウム−活性炭などの触媒の存在下、単純な触媒水素化によって、Zが不飽和脂肪族炭化水素ベース基を表す式Iの対応する化合物から得ることができる。
【0122】
例として、Zが3重結合または二重結合を含む脂肪族炭化水素ベース基である式Iの化合物は、触媒水素化によって、Zが飽和炭化水素ベース基である式Iの対応する化合物に変換することができる。
【0123】
典型的な反応条件は、
・H2圧力は1.5から5バール
・触媒は5から10%パラジウム−活性炭
・溶媒はC1〜C4低級アルカノール、たとえばエタノールなど
・反応温度は15から60℃である。
式IIの化合物
【0124】
【化13】

【0125】
式中、R1、R2、R3、R4、Z0、n、およびGは、上に定義したとおりであり、YはOを表し、nは1を表す,
は、酸の存在下、40から180℃、または50から150℃、好ましくは70から130℃の温度で、式X
【0126】
【化14】

【0127】
式中、Z0およびGは上に定義したとおりである、
の対応する化合物を環化することによって調製することができる。
【0128】
適切な酸は、ポリリン酸である。
ポリリン酸と化合物Xとのモル量は、好ましくは、4から50当量の範囲である。
【0129】
この反応は、有利には、場合によってハロゲン化された脂肪族炭化水素、たとえばヘキサン、ヘプタン、ジクロロメタン、テトラクロロメタン、またはクロロホルムなど、あるいは場合によってハロゲン化された芳香族炭化水素、たとえばトルエン、ベンゼン、キシレン、またはクロロベンゼンなどの溶媒中で行われる。
【0130】
1、R2、R3、R4、およびZ0は、上に定義したとおりであり、Gは、メトキシを表し、Yは、Oを表し、nは、1を表す式IIの化合物は、化合物Xの環化に関して上に記載したものと同じ条件下、Gが−O−CH3を表す式Xの化合物を環化することによって調製できる。
【0131】
【化15】

【0132】
式中、R1、R2、R3、R4、n、Z0、およびGは、上に定義したとおりであり、Yは、Oを表し、n=1である式IIの化合物は、AlCl3などのルイス酸、または無機酸の存在下、式XI
【0133】
【化16】

【0134】
式中、halは、ハロゲン原子であり、Z0およびGは、上に定義したとおりである,
の対応する化合物を環化することによって得ることができる。
【0135】
この反応は、通常、15℃から100℃の温度で行われる。
好ましくは、AlCl3と式XIの化合物とのモル比は、1から5、より好ましくは2から4の範囲である。
溶媒は、好ましくは、ジクロロメタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素である。
【0136】
式XIの化合物は、SOCl2の作用によって、式Xの対応する酸から単純に調製することができる。この反応は、通常、40から80℃の温度で行われる。
【0137】
好ましい一実施形態によれば、溶媒は、上に定義したハロゲン化脂肪族炭化水素である。
【0138】
この同じ環化反応は、Gが−OCH3を表す式XIの化合物を用いて行うことができる。この場合、Gが−OCH3を表す式IIの対応する化合物が生じる。
【0139】
式Xの化合物は、市販され入手可能であるか、あるいは市販され入手可能な製品を用いて、通常の方法を実行することにより単純に調製される。
【0140】
2位のZ0がIを表し、3位のGが−OHを表す一般式IIの化合物XIIは、反応スキーム1を行うことによって、式XIIIの対応する化合物から得ることができる。
【0141】
【化17】

【0142】
ステップi)において、式XIIIの化合物を、酢酸媒体中IClと反応させる。
好ましくは、IClの量は、1から3当量、好ましくは1から2当量の範囲である。
反応温度は、50から120℃、たとえば80から100℃である。
【0143】
ステップii)において、式XIVの化合物の環化を、式Xの化合物の場合に記載したものと同様の方法を行うことによって実行する。
この場合、40℃から180℃の温度で行うことが可能である。
【0144】
ステップiii)において、式XVの化合物を、40℃から180℃、好ましくは60℃から140℃の温度で、AlCl3などのルイス酸で処理する。有利には、AlCl3は、媒体中に存在する化合物XVの量に対して、1から10当量、たとえば1から5当量の割合で用いられる。
反応溶媒は、好ましくは、トルエン、ベンゼン、またはキシレンなどの芳香族溶媒である。
【0145】
3位のGが−OCH3を表す式Xの化合物は、反応スキーム2のステップを含む方法を行うことによって得ることができる。
【0146】
【化18】

【0147】
ステップiv)において、臭素を、式XVIの化合物と反応させる。
反応溶媒は、好ましくは、テトラクロロメタン、クロロホルム、およびジクロロメタンから選択されたハロゲン化脂肪族炭化水素である。
反応温度は、好ましくは、15から35℃である。
臭素と式XVIの化合物とのモル比は、通常、1から1.5の範囲である。
【0148】
ステップv)において、式XVIIの得られた化合物を、たとえばKOHまたはNaOHの作用により、たとえば水とC1〜C4低級アルカノールの混合物中、通常の方法で鹸化する。
【0149】
Gが−OHを表し、nが2を表し、YがOを表し、Z0が1−アルキルを表す式IIの化合物は、反応スキーム3に例示した方法を行うことによって得ることができ、
【0150】
【化19】

【0151】
式中、Qは、1−アルキニルを表し、Mは、アルキルを表す。
【0152】
ステップvi)において、パラジウム錯体、ヨウ化銅、および塩基の存在下、1−アルキンを式XIXの化合物と反応させる。
有利に用いられるパラジウム錯体の例は、PdCl2(PPh32である。
この反応は、好ましくは、溶媒、好ましくはテトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、またはジメトキシエタンなどのエーテル中で行われる。
1−アルキンと式XIXの化合物とのモル比は、1から3、より好ましくは1から2の範囲である。
有利には、CuIの量は、式XIXの化合物の量に対して、0.05から2当量の範囲である。
【0153】
用いることのできる塩基は、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジン、ピリジン、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、および1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、またはK2CO3などの無機塩基である。
【0154】
ステップvii)において、式XXの化合物を、水素化物の存在下、下式の臭化ホスホニウムと反応させる。
【0155】
Br-+PPh3−(CH22−CO2H XXIII
一般的な実施条件は、ウィティヒ反応の技法において推奨されているものである。
この反応は、有利には、エーテル/ジメチルスルホキシド混合物中で行われる。用いられる好ましいエーテルは、テトラヒドロフランである。
挙げることのできる水素化物の例は、水素化ナトリウムである。
臭化物XXIIIと化合物XXとのモル比は、通常、1から5、たとえば1から3である。
【0156】
ステップviii)において、化合物XXIの水素化を、上に記載したものと同じ条件下で行い、その後、スルホン酸の作用により環化する。
【0157】
ステップix)において、式XXIIの化合物を、トルエンなどの芳香族溶媒中、反応スキーム1のステップiii)に関して上に記載したものと同じ条件下、AlCl3で処理する。
【0158】
Gが−SHを表す式IIの化合物は、反応スキーム4に例示する方法を行うことによって調製でき、
【0159】
【化20】

【0160】
式中、G”は、OHを表し、G’は、−O−SO2−CF3を表す。
【0161】
式XXVの化合物を、塩基の存在下、1から5当量、好ましくは1から3当量の無水トリフリック酸で処理する。
有利に用いられるこの反応の溶媒はピリジンであり、これも塩基として作用する。
【0162】
ステップxi)において、トリイソプロピルシランチオールなどのシランチオールを、水素化ナトリウムなどの水素化物、およびPd(PPh34などのパラジウム0錯体の存在下、式XXVIの化合物と反応させる。
テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチルエーテル、またはジメトキシエタンなどのエーテルが溶媒として有利に用いられる。
水素化物およびトリイソプロピルシランチオールを−10℃から+10℃の温度で接触させ、化合物XXVIを添加した後、この反応媒体を50から150℃、好ましくは70から100℃の温度にする。
化合物XXVI、水素化物、およびシランチオールの量は、有利には、化学量論的量である。
【0163】
得られた化合物を、通常の方法で、好ましくはジオキサンまたはテトラヒドロフランなどのエーテル中、フッ化テトラブチルアンモニウムで処理し、この反応によってチオール官能基を脱保護する。
【0164】
XがSOまたはSO2を表す式Iの化合物は、XがSを表す式Iの対応する化合物の酸化によって得られる。
酸化剤は、たとえばメタクロロ過安息香酸であり、反応媒体中、1から5、好ましくは1から3当量の割合で用いる。
溶媒は、好ましくは、四塩化炭素、ジクロロメタン、またはクロロホルムなどのハロゲン化脂肪族炭化水素である。
この反応は、有利には、−10℃から+10℃の温度で行う。
【0165】
変形として、この酸化反応は、式Iの化合物の合成中の反応中間体を用いて行うことができる。
【0166】
Gが−NH−CO−CF3を表す式IIの化合物は、
【0167】
【化21】

【0168】
式中、R1、R2、R3、R4、Y、Z0、およびnは、上に定義したとおりであり、G0は、−NO2を表す、式XXVIIの対応する化合物から、
a)式XXVIIの化合物を、塩化アンモニウムの存在下、鉄(0)と反応させるステップ、および
b)次いで、生じた化合物を、酢酸媒体中、無水トリフルオロ酢酸と反応させるステップを含む方法を行うことによって調製できる。
【0169】
ステップa)において、この方法は、好ましくは過剰の鉄(0)の存在下で行う。鉄と化合物XXVIIとのモル比は、特に2から10当量、より好ましくは3から7当量の範囲である。
塩化アンモニウムの量に関しては、好ましくは、式XXVIIの化合物の量に対して、0.1から1当量の範囲である。
反応温度は、有利には、40から120℃、たとえば50から90℃である。
溶媒は、好ましくは、水とC1〜C4低級アルカノールの混合物からなる。
例として、水とエタノールの混合物が選択される。
【0170】
ステップb)において、この工程は、溶媒として酢酸中で行われる。無水トリフルオロ酢酸とステップa)後に得られたアミンとのモル比は、有利には、1から1.5当量の範囲である。
反応温度は、有利には、−10℃から+10℃、たとえば−5から0℃の範囲である。
【0171】
Gが−O−CH3を表し、Z0がアルキルを表す式Xaの化合物は、反応スキーム5に例示した方法を行うことによって得ることができる。
【0172】
【化22】

【0173】
式中、ALKおよびALK’は、独立して、低級アルキル、たとえばC1〜C4アルキルを表す。
【0174】
ステップxii)において、式XXVIIIの化合物を、塩化アルミニウムなどのルイス酸の存在下、式XXXIIの酸塩化物
Cl−CO−CH2−ALK’ XXXII
と反応させる。
【0175】
この工程は、好ましくは、化合物XXVIIIに対して、1から5当量のルイス酸の存在下で行う。
溶媒は、好ましくは、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素などのハロゲン化脂肪族炭化水素から選択される。
反応温度は、25から100℃の範囲である。
式XXXIIの酸塩化物と式XXVIIIの化合物とのモル比は、通常、1から5、たとえば1から3の範囲である。
【0176】
ステップxiii)において、通常の方法で、適切な水素化物の作用により、得られた化合物XXIXの還元を行う。例として、水素化ホウ素ナトリウムなどの水素化ホウ素アルカリ金属が用いられ、この工程は、C1〜C4アルカノール中で行われる。
水素化ホウ素と式XXIXのケトンは、好ましくは、化学量論的量で用いられる。
【0177】
ステップxiv)において、化合物XXXを、トルエンなどの芳香族炭化水素中、p−トルエンスルホン酸などの脱水剤の作用によって脱水する。p−トルエンスルホン酸は、0.01から1当量の割合で用いられる。
【0178】
次いで、ステップxv)において、パラジウム−活性炭の存在下、水素の作用により、二重結合の水素化を行う。この反応は、好ましくは、上述の反応条件下で行う。
【0179】
次いで、生じた化合物を、ステップxv’)において、通常の方法で鹸化する。これを行うために、好ましくはK2CO3、Na2CO3、NaHCO3、KHCO3、KOH、およびNaOHから選択された無機塩基を用い、前ステップで得られたエステルと反応させ、この反応は、好ましくは、低級アルカノール(好ましくはC1〜C4アルカノール)と水との混合物、たとえばエタノール/水、またはメタノール/水の混合物中で行う。塩基の量は、好ましくは、エステルの初期量に対して、1から5当量の範囲である。
【0180】
Gが−XHを表し、XはOである式IIの化合物は、式XXXIII
【0181】
【化23】

【0182】
式中、R1、R2、R3、R4、n、およびZ0は、上に定義したとおりである,
の対応する化合物から、それらの化合物を塩化アルミニウムなどの強ルイス酸と反応させることによって調製することができる。
【0183】
この反応は、たとえば極性非プロトン性溶媒、たとえばベンゼンまたはトルエンなどの芳香族炭化水素中で行われる。
AlCl3と式XXXIIIの化合物とのモル比は、好ましくは、1から5、優先的に2から3の範囲である。
この反応は、有利には、50℃から120℃、たとえば90℃から110℃の温度で行われる。
【0184】
式XXXIIIの化合物は、下記の反応スキームを実行することにより、容易に調製できる。
【0185】
【化24】

【0186】
ステップxvi)において、式XXXIVの化合物を、無水トリフリック酸と反応させる。この反応は、有利には、極性非プロトン性溶媒中、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、2,6−ジ−tert−ブチルピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(DBU)、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]ノン−5−エン(DBN)、および1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタンから選択された塩基などの塩基の存在下で行われる。選択された塩基がピリジンである場合、有利には、溶媒として用いることができる。
無水トリフリック酸と式XXXIVの化合物とのモル比は、有利には、1から2当量の範囲である。
この反応は、好ましくは、−10℃から+15℃、たとえば−5℃から+5℃の温度で行われる。
【0187】
ステップxvii)において、前ステップで得られた化合物XXXVを、パラジウム錯体の存在下、式XXXVIの化合物
0−ZnBr XXXVI
式中、Z0は、上に定義したとおりである,
と反応させる。挙げることのできるパラジウム錯体は、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムである。
【0188】
この反応は、好ましくは、ジメチルホルムアミド、アセトアミド、ジメチルアセトアミド、ホルムアミド、またはヘキサメチルホスホリルアミドなどの極性非プロトン性溶媒中で行われる。通常、化合物XXXVIと化合物XXXVとのモル比は、1から3当量、好ましくは1から2当量が用いられる。反応温度は、好ましくは、15℃から50℃、より好ましくは20℃から40℃に維持される。
【0189】
この反応に用いることのできる溶媒は、好ましくは、エーテルまたはジメチルホルムアミドなどの極性非プロトン性溶媒である。挙げることのできるエーテルには、ジオキサンまたはテトラヒドロフランなどの環状エーテル、あるいはジエチルエーテル、ジ−tert−ブチルエーテル、ジグリムなどのグリムなどの線状エーテルが含まれる。溶媒は、好ましくはテトラヒドロフランである。
【0190】
上に記載したいくつかの中間体化合物は新規である。
【0191】
本発明は、これらの新規な中間体化合物に関する。本発明の好ましい中間体化合物のなかで、以下のサブグループが区別される。
1)式IIの化合物であって、
【0192】
【化25】

【0193】
式中、
1およびR2は、独立して水素原子、およびメチルなどのC1〜C6アルキル基から選択され、Z0は、I、Br、またはC1〜C10アルキル基を表し、Gは、−OH、−SH、−NH2、−OCH3、−NH−CO−CH3、−NH−CO−CF3を表す化合物
2)2,2−ジメチル−5−n−ヘキシル−6−ヒドロキシインダン−1−オン、
5−n−ヘキシル−6−ヒドロキシインダン−1−オン、
5−n−ヘキシル−6−メルカプトインダン−1−オン、
5−ヨード−6−メトキシインダン−1−オン、
5−ブロモ−6−アミノインダン−1−オン、
5−ブロモ−6−ヒドロキシインダン−1−オン、
2,2−ジメチル−5−n−ヘキシル−6−メトキシインダン−1−オン、および
5−ブロモ−6−トリフルオロメチルカルボニルアミノインダン−1−オン
から選択された式IIの化合物
3)式IVb2の化合物であって、
【0194】
【化26】

【0195】
式中、
1およびR2は、独立して水素原子、および−CH3などのC1〜C6アルキル基から選択され、Hal0は、ヨウ素原子などのハロゲン原子を表し、LおよびR7は、上に定義したとおりであり、Hal0および−O−L−CO27は2または3位にあることが理解される化合物
4)R1およびR2は、水素原子であり、Hal0は、臭素またはヨウ素原子を表し、2位にあり、−O−L−CO27は、3位にある式IVb2の化合物
5)式XXVIIaの化合物であって、
【0196】
【化27】

【0197】
式中、
1およびR2は、水素原子、−CH3などの(C1〜C6)アルキル基を表し、Z0は、式IIに関して上に定義したとおりであり、G0は、NO2を表す化合物
6)5−ブロモ−6−ニトロインダン−1−オン
7)式XXの化合物であって、
【0198】
【化28】

【0199】
式中、Qは、C2〜C101−アルキニル、好ましくは1−ヘキシニルを表す化合物
8)5−メトキシ−6−トリフルオロメチルスルホニルオキシインダン−1−オン、5−メトキシ−6−ブロモインダン−1−オン、および5−ヒドロキシ−6−ブロモインダン−1−オンから選択された、式Iの化合物の調製における中間体化合物。
【0200】
本発明の他の態様によれば、本発明は、少なくとも1種の薬剤として許容される賦形剤と併せて、少なくとも1種の式Iの化合物を含む薬剤組成物に関する。
【0201】
これらの組成物は、即時放出または制御放出性の錠剤、ゲルカプセル剤、または顆粒剤の形態で経口的に、注射可能溶液の形態で静脈内に、あるいは液剤、クリーム、またはゲルの形態で経皮的に投与することができる。
【0202】
この化合物は、好ましくは、投与単位当たり約1から100mg、特に約10から200mgの用量で投与される。日用量は、好ましくは、体重1kg当たり10から200mgの範囲内である。しかしながら、各患者の特定の用量は、用いられる特定の化合物の有効性、年齢、体重、全身の健康状態、性別、食事、投与の時間および様式、排出レベル、他の薬剤との併用、ならびに治療の対象となる特定の疾患の急性度を特に含む多様な要因によって決まる。経口投与が好ましい。
【0203】
経口投与用の固体組成物は、充填剤、および適切である場合、結合剤、崩壊剤、潤滑剤、着色剤、または香味剤を活性成分に添加し、その混合物を錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、粉剤、またはカプセル剤に形成することによって調製される。
【0204】
充填剤の例には、ラクトース、コーンスターチ、スクロース、グルコース、ソルビトール、結晶性セルロース、および二酸化ケイ素が含まれ、結合剤の例には、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルエーテル)、エチルセルロース、メチルセルロース、クエン酸カルシウム、シェラック、ヒドロキシプロピルセルロース、アカシア、トラガカントゴム、ゼラチン、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、クエン酸カルシウム、デキストリン、およびペクチンが含まれる。潤滑剤の例には、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、および硬化植物油が含まれる。着色剤は、薬剤における使用が認められた任意の着色剤であることができる。香味剤の例には、ココア粉末、薬草のミント、芳香性粉末、オイル形態のミント、ボルネオール、およびシナモン粉末が含まれる。
【0205】
言うまでもなく、この錠剤または顆粒剤は、砂糖、ゼラチンなどで適切に被覆することができる。
【0206】
活性成分として本発明の化合物を含む注射可能な形態は、適切な場合には、前記化合物をpH調節剤、緩衝剤、懸濁化剤、可溶化剤、安定化剤、等張剤、および/または保存剤と混合し、その混合物を標準的な方法に従って、静脈内、皮下、または筋肉内注射用の形態に変換することによって調製される。適切な場合には、得られた注射可能形態を、標準的な方法によって凍結乾燥することができる。
【0207】
懸濁化剤の例には、メチルセルロース、ポリソルベート80、ヒドロキシエチルセルロース、アカシア、粉末トラガカントゴム、カルボキシメチルセルロースナトリウム、およびポリエトキシ化モノラウリン酸ソルビタンが含まれる。
【0208】
可溶化剤の例には、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油、ポリソルベート80、ニコチンアミド、ポリエトキシル化モノラウリン酸ソルビタン、およびヒマシ油脂肪酸のエチルエステルが含まれる。
【0209】
さらに、安定化剤には、亜硫酸ナトリウム、メタ亜硫酸ナトリウム、およびエーテルが含まれ、保存剤には、p−ヒドロキシ安息香酸メチル、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、ソルビン酸、フェニル、クレゾール、およびクロロクレゾールが含まれる。
【0210】
本発明はさらに、少なくとも1種の式Iの化合物、および/または薬剤として許容されるそれらの誘導体、溶媒和物、および立体異性体、およびあらゆる割合のそれらの混合物、ならびに場合によって1種または複数の賦形剤および/または補助剤を含む薬剤を対象とする。
【0211】
本発明の化合物は、PPARαおよびPPARγイソ型の強力な活性化因子である。この活性の結果として、それらの化合物は、実質的な脂質低下および血糖降下効果を有する。
【0212】
したがって、本発明はさらに、脂血症および血糖症を調節する役割におけるPPARαおよびPPARγイソ型の活性不全によって媒介される疾患または状態を罹患している個体を治療する薬剤を調製するための、式Iの化合物、および/または薬剤として許容されるそれらの誘導体、溶媒和物、および立体異性体、ならびにあらゆる割合のそれらの混合物の使用を対象とする。
【0213】
特に、本発明は、脂質代謝異常、アテローム性動脈硬化症、および糖尿病を予防または治療する薬剤を調製するための、式Iの化合物、および/または薬剤として許容されるそれらの誘導体、溶媒和物、および立体異性体、ならびにあらゆる割合のそれらの混合物の使用を対象とする。
【0214】
PPAR活性化の測定は、Lehmannらによって記載された技法に従って行った(1995、J.Biol.Chem.、270、12953〜12956)。
【0215】
CV−1細胞(サル腎臓細胞)を、Gal4応答エレメントを含有するプロモーターの制御下に置かれたルシフェラーゼ遺伝子の発現を可能にする「レポーター」プラスミド、およびキメラタンパク質の発現ベクターPPARα−Gal4またはPPARγ−Gal4を用いてコトランスフェクトする。
【0216】
細胞を96ウェルマイクロプレートに播き、レポータープラスミド(pG5−tk−pGL3)およびキメラタンパク質の発現ベクター(PPARα−Gal4またはPPARγ−Gal4)を含む市販の試薬を用いてコトランスフェクトする。4時間インキュベートした後、全培地(10%ウシ胎児血清を含む)をウェルに添加する。24時間後、培地を除去し、試験生成物を含む全培地(最終50μM)と交換する。生成物を細胞に18時間接触させる。次いで、細胞を溶解し、照度計を用いてルシフェラーゼ活性を測定する。その後、PPAR活性化係数を、この生成物によって誘導されたレポーター遺伝子発現の活性化を用いて(いずれの生成物も受容していないコントロール細胞に対して)算出できる。
【0217】
例として、濃度50μMの実施例1の化合物は、係数18でキメラタンパク質PPARα−Gal4を活性化し、係数39でキメラタンパク質PPARγ−Gal4を活性化する。PPARαまたはγリガンドの結合ドメインの不在下では(Gal4を単独で発現するベクター)、この生成物の存在下で測定されるルシフェラーゼ活性はゼロである。
【0218】
下記の実施例によって、本発明を以下に例示する。
下記の実施例においてプロトンスペクトルを記録するために用いたNMR機器の周波数は、300MHzである。
sは1重線、dは2重線、tは3重線、qは4重線、sept.は7重線、mは多重線を表す。
m.p.は融点を表す。
実施例
【0219】
実施例1
ステップa:3−(3−ヘキサノイル−4−メトキシフェニル)プロパン酸エチル
塩化ヘキサノイル98ml(0.7mol)を、3−(4−メトキシフェニル)プロパン酸エチル70g(0.336mol)のジクロロメタン280ml溶液に滴加する。次いで、塩化アルミニウム89g(0.67mol)を少量ずつ加え、混合物を50℃で1時間加熱する。混合物を冷水に注ぎ、エーテルで抽出する。有機相を重炭酸ナトリウム溶液で洗浄する。乾燥(Na2SO4)し、溶媒を蒸発した後、黄色の液体を得て、その後、蒸留する。Bp0.4mmHg=160℃(74g、72%)
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):0.88(3H,m);1.21(3H,m);1.30(4H,m);1.64(2H,m);2.57(2H,m);2.92(4H,m);3.85(3H,s);4.10(2H,m);6.85(1H,m);7.27(1H,m);7.45(1H,m)。
【0220】
ステップb:3−[3−(1−ヒドロキシヘキシル)−4−メトキシフェニル)プロパン酸エチル
3−(3−ヘキサノイル−4−メトキシフェニル)プロパン酸エチル61g(0.2mol)に、エタノール500mlの溶液として、NaBH4(7.6g、0.2mol)を少量ずつ添加する。混合物を80℃で1時間加熱する。室温で16時間後、混合物を真空下で濃縮し、飽和塩化ナトリウム溶液に注ぐ。生じた混合物をエーテルで抽出し、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥する。溶媒の蒸発によって、収率94%で58gの生成物を得る。
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):0.87(3H,m);1.22(3H,m);1.28(4H,m);1.69(1H,m);1.73(3H,m);2.56(3H,m);2.87(2H,m);3.81(3H,s);4.11(2H,m);4.80(1H,広幅m);6.78(1H,m);7.03(1H,m);7.11(1H,m)。
【0221】
ステップc:3−(3−ヘキシル−1−エニル−4−メトキシフェニル)プロパン酸エチル
3−[3−(1−ヒドロキシヘキシル)−4−メトキシフェニル)プロパン酸エチル58g(0.188mol)、およびp−トルエンスルホン酸2.8g(14.7mmol)のトルエン500ml溶液を3時間加熱する。水−トルエン共沸混合物を、Dean−Stark装置を用いて除去する。冷却後、有機相を水で洗浄し、静置して相を分離し、乾燥(Na2SO4)する。真空下で溶媒を蒸発して、54.6g(100%)のオレンジ色の油を得る。
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):0.92(3H,m);1.23(3H,m);1.40(4H,m);2.22(2H,m);2.58(2H,m);2.87(2H,m);3.81(3H,s);4.12(2H,m);6.02〜6.37(1H,m);6.58〜6.83(2H,m);7.00(1H,m);7.11〜7.30(1H,m)。
【0222】
ステップd:3−(3−ヘキシル−4−メトキシフェニル)プロパン酸エチル
3−(3−ヘキシル−1−エニル−4−メトキシフェニル)プロパン酸エチル54.6g(0.188mol)を、加圧下(200バール)、エタノール150ml中、パラジウム−活性炭0.8gを用いて水素化する。触媒を濾過し、溶媒を蒸発した後、45.7gの生成物を回収する(83%)。
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):0.88(3H,m);1.24(3H,m);1.31(6H,m);1.55(2H,m);2.57(4H,m);2.87(2H,m);3.78(3H,s);4.12(2H,m);6.74(1H,m);6.88〜7.04(2H,m)
ステップe:3−(3−ヘキシル−4−メトキシフェニル)プロパン酸
ステップd)で得られた化合物45.7g(0.156mol)、エタノール300ml、水酸化カリウム13g(0.232mol)、および水150mlの混合物を、溶媒の還流点で75分間加熱する。溶媒を蒸発し、残渣を水に溶解し、エーテルで抽出する。水相を酸性化し、その後、エーテルで抽出する。溶媒を濃縮して、結晶化する黄色の油を得る(36g、87%)。
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):0.88(3H,m);1.30(6H,m);1.54(2H,m);2.56(2H,m);2.63(2H,m);2.87(2H,m);3.79(3H,s);6.75(1H,m);6.91〜7.04(2H,m)。
【0223】
ステップf:5−ヘキシル−6−メトキシインダン−1−オン
キシレン100mlに溶解した3−(3−ヘキシル−4−メトキシフェニル)プロパン酸18.5g(69.9mmol)を、80℃に加熱したポリリン酸100gおよびキシレン100mlの混合物に添加する。次いで、この混合物を135℃で1時間30分加熱する。混合物を水に注ぎ、酢酸エチルで抽出する。有機相を重炭酸ナトリウムで洗浄する。有機相の溶媒を乾燥(Na2SO4)し、蒸発し、残渣をフラッシュクロマトグラフィで精製する(9g、52%)。
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):0.88(3H,m);1.31(6H,m);1.57(2H,m);2.66(4H,m);3.03(2H,m);3.84(3H,s);7.13(1H,s);7.21(1H,s)。
【0224】
ステップg:5−ヘキシル−6−ヒドロキシインダン−1−オン
5−ヘキシル−6−メトキシインダン−1−オン5.6g(22.7mmol)、塩化アルミニウム9.4g、およびトルエン125mlを15分間還流する。この混合物を水に注入し、エーテルで抽出する。有機相を乾燥(Na2SO4)し、溶媒を蒸発する。残渣をフラッシュクロマトグラフィで精製する(4.5g、85%)。
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):0.88(3H,m);1.32(6H,m);1.65(2H,m);2.67(4H,m);3.03(2H,m);5.54(1H,s);7.15(1H,s);7.21(1H,s)。
【0225】
ステップh:4−(6−ヘキシル−3−オキソインダン−5−イルオキシ)酪酸エチル
エタノール15mlに溶解した4−ブロモ酪酸エチル3.6mlを、エタノール45ml中のナトリウムエトキシド(1.6g、0.0233mol)および5−ヘキシル−6−ヒドロキシインダン−1−オン(4.5g、0.0194mol)の混合物に添加する。反応媒体を、還流で5時間加熱する。この混合物を水に注入し、エーテルで抽出する。有機相を乾燥(Na2SO4)し、溶媒を蒸発する(5.9g、60%)。
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):0.88(3H,m);1.25(3H,m);1.31(6H,m);1.59(2H,m);2.13(2H,m);2.51(2H,m);2.67(4H,m);3.02(2H,m);4.01(2H,m);4.14(2H,m);7.10(1H,s);7.21(1H,s)。
【0226】
ステップi:4−(6−ヘキシル−3−オキソインダン−5−イルオキシ)酪酸
エタノール70ml、水酸化カリウム2.7g(0.048mol)、4−(6−ヘキシル−3−オキソインダン−5−イルオキシ)酪酸エチル5.9g(0.017mol)、および水35mlを、溶媒の還流点で90分間加熱する。溶媒を蒸発し、残渣を水に加え、エーテルで抽出する。水相を酸性化し、その後、エーテルで抽出する。溶媒を濃縮して、3.6gの生成物を得て、それをフラッシュクロマトグラフィ(80/20 クロロへキサン/酢酸エチル)で精製する。粗生成物1.5g。ヘキサンから再結晶して、1.3g、m.p.88℃、24%を得る。
1H NMR−DMSO−δ(ppm):0.84(3H,m);1.27(6H,m);1.53(2H,m);1.95(2H,m);2.40(2H,m);2.60(4H,m);2.97(2H,m);4.02(2H,m);7.02(1H,s);7.33(1H,s);12.13(1H,広幅s)。
【0227】
実施例2
4−[3−メチレン−6−ヘキシルインダン−5−イルオキシ]酪酸エチル
臭化メチルトリフェニルホスフェート5.4g(15.3mmol)を、カリウムtert−ブトキシド1.75g(14.9mmol)のテトラヒドロフラン20ml懸濁液に添加する。この反応媒体を25℃で1時間攪拌し、その後、0℃に冷却する。4−(6−ヘキシル−3−オキソインダン−5−イルオキシ)酪酸エチル4.5g(12.9mmol)溶液を添加する。この混合物を25℃で16時間攪拌し、水に注入し、エーテルで抽出する。有機相を乾燥(Na2SO4)し、減圧下で濃縮する(油)。フラッシュクロマトグラフィ(80/20 ヘプタン/酢酸エチル)によって精製し、オレンジ色の油を得る(3.5g、79%)。
1H NMR−DMSO−δ(ppm):0.84(3H,m);1.16(3H,m);1.27(6H,m);1.48(2H,m);1.98(2H,m);2.45(4H,m);2.71(2H,m);2.78(2H,m);3.99(2H,m);4.06(2H,m);4.93(1H,m);5.42(1H,m);7.01(1H,s);7.04(1H,s)。
【0228】
実施例12
4−(3−メチレン−6−ヘキシルインダン−5−イルオキシ)酪酸
エタノール20ml、水酸化カリウム0.975mg(155mmol)、4−(3−メチレン−6−ヘキシルインダン−5−イルオキシ)酪酸エチル1.2g(35mmol)、および水10mlの混合物を、溶媒の還流点で5時間加熱する。エタノールを蒸発し、残渣を水に溶解し、不純物をエーテルで抽出する。水相を酸性化し、その後、エーテルで抽出する。溶媒を濃縮して、1.1gの生成物を得て、それをフラッシュクロマトグラフィ(50/50 ヘプタン/酢酸エチル)によって精製して、固体、m.p.90℃を得る(0.8g、72%)。
1H NMR−DMSO−δ(ppm):0.87(3H,m);1.31(6H,m);1.57(2H,m);2.12(2H,m);2.16(2H,m);2.63(4H,m);3.22(2H,m);4.07(2H,m);6.14(1H,m);6.80(1H,m);7.19(1H,s);7.26(1H,s)。
【0229】
実施例18
ステップa:5−ヘキシル−6−メトキシ−2,2−ジメチルインダン−1−オン
ジメチルホルムアミド20mlに溶解した5−ヘキシル−6−メトキシインダン−1−オン5g(0.02mol)を、水素化ナトリウム1.8g(0.04mol)のジメチルホルムアミド20ml懸濁液に25℃で滴加する。混合物をこの温度で15分間攪拌し、次いで、温度を30℃未満に維持しながら、ヨウ化メチル11.4g(0.1mol)を添加する。この反応媒体を25℃で16時間攪拌する。さらに0.9g(0.0375mol)の水素化ナトリウムを添加し、15分後、ヨウ化メチル11.4g(0.1mol)を添加し、混合物を25℃で2時間攪拌する。その後、混合物を50℃で1時間加熱する。それを水に注入し、エーテルで抽出する。有機相を乾燥(Na2SO4)し、その後、減圧下で蒸発する。得られたオレンジ色の油をフラッシュクロマトグラフィで精製する(ジクロロメタン、3.54g、65%)。
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):0.97(3H,m);1.30(6H,s);1.41(6H,m);1.67(2H,m);2.74(2H,m);2.98(2H,s);3.93(3H,s);7.22(1H,s);7.34(1H,s)。
【0230】
ステップb:5−ヘキシル−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチルインダン−1−オン
5−ヘキシル−6−メトキシ−2,2−ジメチルインダン−1−オン1.93g(7mmol)、塩化アルミニウム2.84g(21mmol)、およびトルエン40mlを、還流で15分間加熱する。この混合物を水に注入し、エーテルで抽出する。有機相を乾燥(Na2SO4)し、溶媒を蒸発する。残渣をフラッシュクロマトグラフィによって精製する(ジクロロメタン、2.8g、90%)。
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):0.88(3H,m);1.21(6H,s);1.33(6H,m);1.64(2H,m);2.67(2H,m);2.88(2H,s);5.73(1H,広幅s);7.16(1H,s);7.19(1H,s).
ステップc:4−(6−ヘキシル−2,2−ジメチル−3−オキソインダン−5−イルオキシ)酪酸エチル
5−ヘキシル−6−ヒドロキシ−2,2−ジメチルインダン−1−オン1.3g(5mmol)、アセトン40ml、および炭酸セシウム2.5g(7.5mmol)の混合物を、56℃で30分間加熱する。4−ブロモ酪酸エチル1.46g(7.5mmol)を滴加し、次いで、混合物を還流で7時間加熱する。
【0231】
得られた混合物を1Nの塩酸溶液に注ぎ、エーテルで抽出する。有機相を乾燥(Na2SO4)し、溶媒を蒸発する。茶色の油(2g、100%)。
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):0.88(3H,m);1.20(6H,s);1.25(3H,m);1.32(6H,m);1.58(2H,m);2.13(2H,m);2.51(2H,m);2.64(2H,m);2.87(2H,s);4.02(2H,m);4.14(2H,m);7.09(1H,s);7.15(1H,s)。
【0232】
実施例19
4−(6−ヘキシル−2,2−ジメチル−3−オキソインダン−5−イルオキシ)酪酸
エタノール60ml、水酸化カリウム0.4g(7.2mmol)、4−(6−ヘキシル−2,2−ジメチル−3−オキソインダン−5−イルオキシ)酪酸エチル1.8g(4.8mmol)、および水20mlの混合物を、溶媒の還流点で2時間加熱する。溶媒を蒸発し、残渣を水に加え、エーテルで抽出する。水相を酸性化し、その後、エーテルで抽出する。溶媒を濃縮して、1.46gの生成物を得て、それをフラッシュクロマトグラフィ(95/5 ジクロロメタン/メタノール)で精製する。1.18g、m.p.82℃、71%。
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):0.88(3H,m);1.21(6H,s);1.31(6H,m);1.58(2H,m);2.15(2H,m);2.59(2H,m);2.64(2H,m);2,88(2H,s);4.04(2H,m);7.11(1H,s);7.16(1H,s)。
N.B:酸H認めず。
【0233】
実施例24
4−[6−ヘキシル−3−(ヒドロキシイミノ)−5−インダニルオキシ]酪酸
85%エタノール3ml中の4−(6−ヘキシル−3−オキソ−5−インダニルオキシ)酪酸50mg(0.157mmol)、ヒドロキシルアミン塩酸塩13mg(0.188mmol)、および酢酸ナトリウム32mg(0.393mmol)の混合物を還流で1時間加熱する。冷却後、混合物を、氷冷水50mlに注入する。形成した固体を濾過により単離し、水で洗浄、乾燥して、予期された生成物26.3mg(50%)を得る。
【0234】
下記の表AおよびBの化合物を、前記実施例に示した同じ型の手順に従って調製した。
【0235】
【表6】

【0236】
【表7】

【0237】
【表8】

【0238】
【表9】

【0239】
【表10】

【0240】
実施例30
ステップa:3−(3−ヨード−4−メトキシフェニル)プロピオン酸
3−(4−メトキシフェニル)プロピオン酸(18g、0.1mol)、ICl(30g、0.18mol)、および酢酸(200ml)の混合物を、+90℃で4時間加熱する。
【0241】
濃縮後、残渣を酢酸エチルに溶解し、10%Na223溶液(200ml)、次いで1Nの水酸化ナトリウムで洗浄する。相を静置して分離した水相をpH1に酸性化し、その後、酢酸エチルで抽出する。
【0242】
乾燥(Na2SO4)後、溶媒を蒸発して、ベージュ色の粉末を得る(27.5g、90%)。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):2.63(t,2H);2.85(t,2H);3.84(s,3H);6.74(d,1H);7.14(dd,1H);7.62(d,1H)。
【0243】
ステップb:5−ヨード−6−メトキシインダン−1−オン
ポリリン酸(160g、1.63mol)を+80℃に予め加熱し、その後、3−(3−ヨード−4−メトキシフェニル)プロピオン酸(10g、32.6mmol)を4回に分けて添加する。この反応物を+80℃で40分間攪拌する。次いで、氷および水の混合物(600g)を添加し、生じた混合物を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を、水、1Nの水酸化ナトリウム、および塩水で連続して洗浄し、乾燥(Na2SO4)する。Et2O/ペンタン(30ml/15ml)の混合物に蒸発残渣(7.0g)を粉砕して、茶色の粉末(3.6g)を得る。
【0244】
5gおよび11.7g量の3−(3−ヨード−4−メトキシフェニル)プロピオン酸に関してこのプロトコルを2回繰り返して、それぞれ1.2gおよび3.7gの予期された生成物を得る。
【0245】
エーテル/ペンタン(15ml/4ml)の混合物に全量(8.5g)を再び粉砕して、純粋な予期された生成物を得る(7.7g)。対応する母液を濃縮し、クロマトグラフィで精製する。エーテル中ですりつぶし、第2の生成物を得る(1.1g)。
融点=140℃
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):2.65〜2.72(m,2H);3.01〜3.09(m,2H);3.0(s,3H);7.09(s,1H);7.96(s,1H)。
【0246】
ステップc:6−ヒドロキシ−5−ヨードインダン−1−オン
AlCl3(10.66g、80.0mmol)を、トルエン(130ml)中の5−ヨード−6−メトキシインダン−1−オン(7.68g、26.66mol)混合物に添加する。
【0247】
+80℃で15分間加熱した後、粗生成物を冷却し、氷冷水に注入する。得られた沈殿物を吸引によって濾過し、水で洗浄し、乾燥する(6.36g、収率87%)。
融点=260℃
1H NMR−DMSOd6−δ(ppm):2.53〜2.60(m,2H);2.91〜2.98(m,2H);6.99(s,1H);7.96(s,1H);10.65(s,OH)。
【0248】
ステップd:4−(6−ヨード−3−オキソインダン−5−イルオキシ)ブタン酸エチル
アセトン(60ml)中の6−ヒドロキシ−5−ヨードインダン−1−オン(6.36g、23.2mmol)、炭酸セシウム(15.12g、46.4mmol)、および4−ブロモ酪酸エチル(9.05g、46.4mmol)の混合物を、還流で1時間15分加熱する。
【0249】
この反応物を氷冷した0.5Nの塩酸に注入する。抽出(EtOAc)後、水で洗浄し、次いで乾燥(Na2SO4)、蒸発残渣をシリカのクロマトグラフィにかけ、5.28gの予期された生成物を得る(収率59%)。
1H NMR−DMSOd6−δ(ppm):1.17(t,3H);1.99(m,2H);2.52(t,2H);2.57〜2.65(m,2H);2.95〜3.03(m,2H);4.06(q,2H);4.10(t,2H);7.04(s,1H);8.07(s,1H)。
【0250】
ステップe:4−[6−(シクロヘキシルメチル)−3−オキソインダン−5−イルオキシ]酪酸
0.5Nの臭化(シクロヘキシルメチル)亜鉛(1.42ml、0.708mmol)のTHF溶液を、DMF(3ml)中の4−(6−ヨード−3−オキソインダン−5−イルオキシ)ブタン酸エチル(250mg、0.644mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムII(23mg)の混合物に室温で添加する。
【0251】
この混合物を、室温、窒素下で1時間攪拌し、その後、氷冷水に注入する。エーテルで抽出した後、水で洗浄、乾燥(Na2SO4)し、蒸発残渣(290mg)をシリカのクロマトグラフィ(80/20 ヘプタン/EtOAc)で精製する。
138gの予期された生成物を得る(収率60%)。
【0252】
上記生成物をメタノール(2.5ml)に溶解し、室温で3時間30分、1Nの水酸化ナトリウム(0.77ml)で処理する。この反応媒体を水で希釈し、その後、酢酸エチルで抽出する。1Nの塩酸を添加して、水相をpH1に酸性化し、その後、エチルエーテルで抽出する。エーテル相を濃縮し、残渣をヘプタン/ジイソプロピルエーテルの50/50混合物に分散する(収率71%)。
融点=130℃
1H NMR−DMSO d6−δ(ppm):0.77〜1.24(5H,m);1.37〜1.73(6H,m);1.95(2H,m)2.40(2H,m);2.52(2H,m);2.58(2H,m);2.97(2H,m);4.01(2H,m);7.02(1H,s);7.27(1H,s);12.12(1H,s)。
【0253】
下記の表Cの化合物を、実施例30の調製のステップd)で得られた生成物、または下に例示する実施例66の調製のステップf)で得られた生成物から、実施例30と同じ手順に従って調製する。
【0254】
【表11】

【0255】
実施例37
ステップa:5−ブロモ−6−ニトロインダン−1−オン
発煙硝酸(166ml)を−15°に冷却し、5−ブロモインダン−1−オン(25g、0.118mol)を少しずつ添加する。−10℃から−15℃で4時間30分攪拌した後、反応物を氷冷水(1600ml)に注入する。
【0256】
沈殿物を吸引によって濾過し、水で洗浄、ジクロロメタンに加え、Na2SO4で乾燥する。蒸発残渣(25.8g)をエタノールから再結晶して精製する(15.3g、収率51%)。
融点=130℃
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):2.75〜2.82(m,2H);3.18〜3.25(m,2H);7.89(s,1H);8.10(s,1H)。
【0257】
ステップb:5−へキス−1−イニル−6−ニトロインダン−1−オン
1−へキシン(7.3g、89.5mmol)を、室温、窒素下、反応混合物の温度が40℃を超えない速度で、THF(72ml)中の5−ブロモ−6−ニトロインダン−1−オン(15.3g、59.7mmol)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムII(0.83g、1.19mmol)、CuI(1.14g、5.97mmol)、およびトリエチルアミン(14.8ml)の混合物に添加する。35から40℃で1時間攪拌した後、触媒(0.83g)およびCuI(1.14g)を添加し、混合物を35℃から40℃でさらに1時間30分攪拌する。
この混合物をエーテルに注入し、不溶物を濾過し、濾液を濃縮、蒸発残渣をアルミナのクロマトグラフィで精製する(8.2g、収率53%)。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.93(t,3H);1,39〜1.70(m,4H);2.44〜2.52(m,2H);2.72〜2.80(m,2H);3.13〜3.21(m,2H);7.64(s,1H);8.24(s,1H)。
【0258】
ステップc:6−アミノ−5−へキス−1−イニルインダン−1−オン
エタノール(97ml)および水(32ml)中の5−へキス−1−イニル−6−ニトロインダン−1−オン(8.2g、31.8mmol)、NH4Cl(0.84g)、およびFe(8.88g、0.159mol)の混合物を、還流で45分間加熱する。
濃縮乾燥した後、残渣をエーテルに溶解し、不溶物を濾過する。濾液を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)、濃縮する。ヘプタンに分散して、固体を得る(6.2g、収率86%)。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.95(t,3H);1.41〜1.68(m,4H);2.50(t,2H);2.59〜2.67(m,2H);2.92〜3.00(m,2H);4.25(広幅s,2H);6.99(s,1H);7.33(s,1H)。
【0259】
ステップd:2,2,2−トリフルオロ−N−(6−へキス−1−イニル−3−オキソインダン−5−イル)アセトアミド
無水トリフルオロ酢酸(6.88g、32.7mmol)を、0℃から5℃に冷却したトリフルオロ酢酸(37ml)中の6−アミノ−5−へキス−1−イニルインダン−1−オン(6.2g、27.3mmol)の混合物に滴加する。この反応物を0から5℃で1時間30分攪拌し、その後、氷冷水に注入する。沈殿物を吸引により濾過し、水で洗浄、その後、エーテルに溶解し、乾燥(Na2SO4)する。蒸発残渣をヘプタンに分散して、固体を得る(6.74g、収率76%)。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.96(t,3H);1.40〜1.71(m,4H);2.55(t,2H);2.67〜2.76(m,2H);3.04〜3.13(m,2H);7.53(s,1H);8.64(s,1H);8.82(広幅s,NH)。
【0260】
ステップe:(6−へキス−1−イニル−3−オキソインダン−5−イルアミノ)酢酸
アセトン(84ml)中の2,2,2−トリフルオロ−N−(6−へキス−1−イニル−3−オキソインダン−5−イル)アセトアミド(2.8g、8.66mol)、ブロモ酢酸メチル(5.3g、34.64mmol)、K2CO3(4.7g、34.64mmol)、およびKI(1.44g、8.66mmol)の混合物を、還流で3時間加熱する。濃縮乾燥した後、残渣をエチルエーテルに溶解し、不溶物を濾過する。濃縮乾燥した濾液を、シリカのクロマトグラフィで精製する。薄茶色の油を得て、室温で結晶する(2.5g、収率73%)。
融点=80℃
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.93(t,3H);1.34〜1.65(m,4H);2.43(t,2H);2.69〜2.77(m,2H);3.09〜3.17(m,2H);3.75(s,3H);3.80(d,1H);5.00(d,1H);7.58(s,1H);7.87(s,1H)。
【0261】
上記固体(2.5g、6.32mmol)のメタノール(92ml)溶液を、室温で一晩、NaOH(0.76g、18.96mmol)の水溶液(46ml)で処理する。この媒体を濃縮乾燥し、残渣を水に溶解する。
【0262】
希塩酸でpH4.4(pHメータ)に酸性化した後、形成した沈殿物を濾過し、その後、ジクロロメタンに溶解する。この有機相をNa2SO4で乾燥し、その後、濃縮乾燥する。得られた固体を、ジイソプロピルエーテルに分散する(1.65g、92%)。
1H NMR−DMSO d6−δ(ppm):0.91(t,3H);1.37〜1.64(m,4H);2.51〜2.60(m,4H);2.85〜2.95(m,2H);3.92(s,2H);5.66(広幅s,NH);6.54(s,1H);7.37(s,1H)。
【0263】
実施例36
(6−ヘキシル−3−オキソインダン−5−イルアミノ)酢酸
実施例48の誘導体(0.26g、0.91mmol)のエタノール(50ml)溶液を、10%Pd/C(26mg)の存在下、H2(3バール)で処理する。触媒を濾過し、溶媒を蒸発した後、得られた固体をジイソプロピルエーテルから結晶する(0.15g、収率57%)。
融点=144℃
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.89(t,3H);1.23〜1.47(m,6H);1.58〜1.72(m,2H);2.58(t,2H);2.62〜2.70(m,2H);2.96〜3.05(m,2H);4.04(s,2H);5.99(広幅s,NH);6.82(s,1H);7.18(s,1H)。
【0264】
実施例39
[(6−へキス−1−イニル−3−オキソインダン−5−イル)メチルアミノ]酢酸
アセトン(45ml)中の実施例48の誘導体(1.37g、4.8mmol)、K2CO3(2.61g、19.2mmol)、およびCH3I(10.9g、76.8mmol)の混合物を、還流で5時間加熱する。CH3I(10.9g)を添加し、混合物を、一晩、50℃で攪拌する。CH3I(10.9g)を添加し、混合物を、還流でさらに4時間30分加熱する。CH3I(10.9g)、K2CO3(1.3g)、およびDMF(10ml)を添加し、混合物を、室温でさらに3日間攪拌する。次いで、反応媒体を濃縮乾燥し、残渣をエチルエーテルに溶解し、不溶物を濾過する。濾液を濃縮乾燥し、シリカのクロマトグラフィで精製する。薄茶色の油を得る(0.94g、収率62%)。
【0265】
上で得た油(0.94g、3mmol)のメタノール(43ml)溶液を、一晩、NaOH(0.36g、9mmol)の水溶液(21ml)で処理する。これを濃縮乾燥し、残渣を水に溶解する。希塩酸でpH4.4(pHメータ)に酸性化した後、媒体をエーテルで抽出する。エーテル相をNa2SO4で乾燥し、濾過し、濃縮する。
蒸発残渣を、ジイソプロピルエーテルに分散する(0.5g、55%)。
融点=160℃
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.93(3H,m);1.32〜1.71(4H,m);2.46(2H,m);2.69(2H,m);2.91(3H,s);3.03(2H,m);3.99(2H,s);7.37(1H,s);7.49(1H,s)。
【0266】
実施例40
[(6−ヘキシル−3−オキソインダン−5イル)メチルアミノ]酢酸
実施例50の誘導体(0.27g、0.91mmol)のエタノール(50ml)溶液を、10%Pd/C(27mg)の存在下、H2(3バール)で処理する。触媒を濾過し、溶媒を蒸発した後、得られた固体を数回、沸騰ペンタンに溶解する。ペンタンを蒸発して、薄黄色の固体として予期された生成物を得る(80mg、収率30%)。
融点=70℃。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.88(3H,m);1.31(6H,m);1.64(2H,m);2.54〜2.87(4H,m+3H,s);3.06(2H,m);3.70(2H,s);7.32(1H,s);7.53(1H,s)。
【0267】
下記の表Dの誘導体を、実施例38、39、41、および42の誘導体の調製に関する手順に従って調製する。
【0268】
【表12】

【0269】
実施例42
ステップa:6−ヘキシル−3−オキソインダン−5−イル1,1,1−トリフルオロメタンスルホネート
ピリジン(10ml)中の5−ヘキシル−6−ヒドロキシインダン−1−オン(4.5g、19.4mmol)混合物を10℃に冷却し、その後、無水トリフルオロメタンスルホン酸(6.01g、21.3mmol)をゆっくり添加する。室温で1時間攪拌した後、粗反応生成物を、32%HCl(15ml)および氷の混合物に注入する。エーテルで抽出した後、得られた有機相を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)、濃縮する。蒸発残渣(7.08g)を、フラッシュクロマトグラフィ(10/90 酢酸エチル/ヘプタン)で精製する。6.57gの予期された生成物を得る(収率93%)。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.88(t,3H);1.23〜1.45(m,6H);1.57〜1.72(m,2H);2.71〜2.80(m,4H);3.10〜3.18(m,2H);7.43(s,1H);7.59(s,1H)。
【0270】
ステップb:5−ヘキシル−6−メルカプトインダン−1−オン
NaH(ワセリン中60%、0.72g、18.0mol)のTHF(28ml)懸濁液を0℃に冷却し、その後、トリイソプロピルシランチオール(3.42g、18.0mmol)のTHF(28ml)溶液を添加する。0℃で30分間攪拌した後、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.6g)を添加し、続いて、上記トリフレート(6.54g、18.0mmol)のベンゼン(57ml)溶液を添加する。次いで、この反応混合物を、還流で2時間30分加熱する。それを冷却し、氷に注ぎ、エーテルで抽出する。有機相を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)する。蒸発による粗生成物(10.0g)をシリカのフラッシュクロマトグラフィ(5/95 酢酸エチル/ヘプタン)で精製して、5.17gの予期されたシリル生成物を得る(収率71%)。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.88(t,3H);1.05(d,18H);1.19〜1.45(m,9H);1.56〜1.69(m,2H);2.62〜2.69(m,2H);2.91〜2.99(m,2H);3.01〜3.08(m,2H);7.27(s,1H);7.79(s,1H)。
【0271】
上記シリル誘導体(5.17g、12.8mmol)のTHF(25ml)溶液を0℃に冷却し、その後、1Mのフッ化テトラブチルアンモニウム溶液(18ml、18mmol)を添加する。0℃で5分間攪拌した後、粗反応生成物を11%塩酸および氷の混合物に注入し、エーテルで抽出する。有機相を水で洗浄し、その後、乾燥(Na2SO4)する。蒸発残渣(6.3g)をヘプタンに分散し、その後、吸引により濾過する。1.9gの予期された生成物を得る(収率60%)。
融点=100℃
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.89(t,3H);1.26〜1.46(m,6H);1.56〜1.69(m,2H);2.62〜2.74(m,4H);3.02〜3.08(m,2H);3.39(s,SH);7.25(s,1H);7.64(s,1H)。
【0272】
ステップc:4−(6−ヘキシル−3−オキソインダン−5−イルスルファニル)酪酸エチル
アセトン(4ml)中の上記チオール(0.3g、1.2mmol)、Cs2CO3(0.41g、1.26mmol)、および4−ブロモ酪酸エチル(0.259g、1.33mmol)の混合物を55℃で2時間加熱する。粗反応生成物をエーテルで希釈し、水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)する。蒸発残渣をシリカのフラッシュクロマトグラフィ(95/5 ヘプタン/酢酸エチル)で精製する。0.37gの予期された生成物を得る(収率85%)。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.88(m,3H);1.24(t,3H);1.25〜1.45(m,6H);1.61(m,2H);1.97(m,2H);2.46(t,2H);2.66(m,2H);2.75(m,2H);2.99(t,2H);3.06(m,2H);4.13(q,2H);7.26(s,1H);7.60(s,1H)。
【0273】
ステップd:4−(6−ヘキシル−3−オキソインダン−5−イルスルファニル)酪酸
ステップcの生成物(50mg、0.137mmol)、KOH(12mg、0.214mmol)、水(0.5ml)、およびメタノール(1ml)の混合物を、室温で一晩攪拌する。この粗反応生成物を水で希釈し、その後、1NのHClで酸性化する。沈殿物を吸引によって濾過し、減圧下で乾燥(P25)する。35mgの予期された生成物を得る(収率76%)。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.88(3H,m);1.19〜1.47(6H,m);1.61(2H,m);1.98(2H,m);2.53(2H,m);2.68(2H,m);2.76(2H,m);2.91〜3.15(4H,m);7.25(1H,s);7.61(1H,s)。
【0274】
実施例43
4−(6−ヘキシル−3−オキソインダン−5−スルホニル)酪酸
実施例51の生成物(0.1g、0.276mmol)のジクロロメタン(1ml)溶液を0℃に冷却し、その後、m−クロロ過安息香酸(0.149g、70%純粋、0.60mmol)を添加する。反応混合物を0℃で30分間、次いで、室温で2時間30分攪拌する。不溶物を濾過する。濾液を重炭酸ナトリウム水溶液、次いで、水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)する。0.104g(収率95%)のスルホニル生成物を、油の形態で得る。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.88(m,3H);1.22(t,3H);1.27〜1.38(m,4H);1.44(m,2H);1.70(m,2H);1.99(m,2H);2.44(t,2H);2.74(m,2H);3.05(m,2H);3.15〜3.27(m,4H);4.09(q,2H);7.49(s,1H);8.39(s,1H)。
【0275】
上記スルホンを、KOH(20mg、0.356mmol)、メタノール(2ml)、および水(1ml)からなる混合物で18時間処理する。水で希釈した後、この媒体をエチルエーテルで抽出する。水相をpH1に酸性化し、その後、エチルエーテルで抽出する。乾燥(Na2SO4)した後、蒸発残渣をシリカのクロマトグラフィ(1/1 ヘプタン/酢酸エチル)にかける。得られた油(32mg)をペンタンに分散する。所望の生成物を、固体の形態で得る(21mg、収率24%)。
融点=100℃
1H NMR−DMSO−d6−δ(ppm):0.86(3H,m);1.19〜1.47(6H,m);1.52〜1.80(4H,m);2.33(2H,m);2.69(2H,m);3.01(2H,m);3.17(2H,m);3.37(2H,m);7.75(1H,s);8.03(1H,s);12.18(1H,広幅s)。
【0276】
下記の表Eの誘導体を、ステップcの生成物から出発して、実施例42の誘導体の調製に用いたものと同じ手順を用いて調製する。
【0277】
【表13】

【0278】
実施例48
ステップa:3−へキス−1−イニル−4−メトキシベンズアルデヒド
THF(25ml)中の3−ヨード−4−メトキシベンズアルデヒド(5.2g、20mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0.29g)、CuI(0.38g、2mmol)、およびトリエチルアミン(5ml)の混合物を+10℃に冷却し、その後、1−へキシン(3.5ml、30.5mmol)を添加する。冷却浴を除去し、反応混合物の温度を+30℃にゆっくり上げ、その後、ゆっくり下げる。添加終了の3時間後、粗反応生成物を濃縮乾燥し、得られた残渣をシリカのフラッシュクロマトグラフィ(15/85 酢酸エチル/ヘプタン)で精製する。4.1g(収率95%)の予期された生成物を得る。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.94(t,3H);1.41〜1.67(m,4H);2.47(t,2H);3.94(s,3H);6.96(d,1H);7.77(dd,1H);7.89(d,1H);9.83(s,1H)。
【0279】
ステップb:4−(3−へキス−1−イニル−4−メトキシフェニル)ブト−3−エン酸
ステップaの生成物(6.6g、30.46mmol)、臭化カルボキシエチルトリフェニルホスホニウム(15.2g、33.6mmol)、THF(30ml)、およびDMSO(50ml)の混合物を+5℃に冷却し、その後、NaH(ワセリン中60%、2.92g、73.0mmol)を2回に分けて添加する。反応混合物を室温で一晩攪拌し、+5℃に冷却、その後、水200mlを加えて加水分解する。1Nの水酸化ナトリウムを添加して、水相を塩基性化し、エーテルで抽出、35%の塩酸を添加してpH1に酸性化し、その後、エーテルで抽出する。生じたエーテル相を水で洗浄、乾燥(Na2SO4)し、濃縮する。得られた残渣をシリカのフラッシュクロマトグラフィ(50/50 酢酸エチル/ヘプタン)にかけ、予期された生成物(5.15g、収率62%)を得る。
融点=102℃
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.94(t,3H);1.41〜1.67(m,4H);2.46(t,2H);3.26(d,2H);3.86(s,3H);6.14(dt,1H);6.40(d,1H);6.78(d,1H);7.22(dd,1H);7.41(d,1H)。
【0280】
ステップc:6−ヘキシル−7−メトキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン
エタノール(120ml)中のステップbの生成物(4.5g、16.52mmol)および10%Pd/C(0.45g)の混合物を、H2(3バール)で処理する。Hyflowで濾過した後、濾液を濃縮乾燥する(4.58g)。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.88(t,3H);1.23〜1.42(m,6H);1.48〜1.62(m,2H);1.86〜1.99(m,2H);2.36(t,2H);2.56(t,2H);2.59(t,2H);3.79(s,3H);6.75(d,1H);6.94(s,1H);6,95(d,1H)。
【0281】
上記の油をメタンスルホン酸(60ml)に溶解し、室温で一晩攪拌する。氷冷水(120ml)で加水分解した後、水相をジクロロメタンで抽出する。有機相を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮する(4.3g)。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.87(t,3H);1.21〜1.39(m,6H);1.49〜1.62(m,2H);2.04〜2.15(m,2H);2.56〜2.64(m,4H);2.86(t,2H);3.84(s,3H);6.99(s,1H);7.44(s,H)。
ステップd:6−ヘキシル−7−ヒドロキシ−3,4−ジヒドロ−2H−ナフタレン−1−オン
トルエン(86ml)中のステップcで得られた生成物(4.3g、16.45mmol)およびAlCl3(5.48g、41.1mmol)の混合物を、還流で30分間加熱する。この混合物を+5℃に冷却し、その後、氷冷水(200ml)で加水分解する。相を静置することによって分離した水相を、エチルエーテルで2回抽出する。合わせた有機相を、水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、その後、濃縮する。得られた固体残渣(4.22g)を、シクロヘキサンから再結晶する。3.95gの予期された生成物を得る。
融点=125℃
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.86(t,3H);1.22〜1.44(m,6H);1.56〜1.69(m,2H);2.04〜2.15(m,2H);2.63(t,2H);2.65(t,2H);2.85(t,2H);6.99(s,1H);7.74(s,1H)。
【0282】
ステップe:4−(3−ヘキシル−8−オキソ−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−イルオキシ)酪酸
アセトン(2ml)中のステップdの生成物(100mg、0.406mmol)、K2CO3(120mg、0.88mmol)、KI(触媒)、および4−クロロ酪酸メチル(140mg、1.02mmol)の混合物を、還流で8時間加熱する。次いで、1Nの水酸化ナトリウム(2ml)を添加し、混合物を60℃で2時間加熱する。反応混合物を水に注入し、pH1に酸性化し、その後、エチルエーテルで抽出する。有機相を水で洗浄し、濃縮する。得られた残渣をシクロヘキサンから再結晶し、予期された生成物を得る(40mg)。
融点=81℃
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.87(3H,m);1.12〜1.43(6H,m);1.53(2H,m);2.09(2H,m);2.37〜2.68(4H,m);2.85(2H,m);3.23(2H,m);3.59(2H,m);4.03(2H,m);6.99(1H,s);7.40(1H,s)。
【0283】
下記の表Fの誘導体を、実施例48の調製手順に従って調製する。
【0284】
【表14】

【0285】
実施例52
ステップa:N−(6−ブロモ−3−オキソインダン−5−イル)−2,2,2−トリフルオロアセトアミド
エタノール(90ml)および水(30ml)中の6−ニトロ−5−ブロモ−1−インダノン(15.0g、58.6mmol)、鉄(16.36g、292.9mmol)、およびNH4Cl(1.56g、29.3mmol)の混合物を、還流で1時間加熱する。反応混合物を熱いまま濾過し、不溶物を沸騰エタノールで完全に洗浄する。濃縮して乾燥した後、残渣をジクロロメタンに溶解し、水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)する。濃縮後に、予期された生成物を得る(9.3g、収率70%)。
融点=220℃
1H NMR−DMSO d6−δ(ppm):2.54(m,2H);2.92(m,2H);5.49(s,NH2);6.98(s,1H);7.62(s,1H)。
【0286】
上記アミン(9.3g、41.1mmol)のトリフルオロ酢酸(62ml)溶液を−5℃に冷却し、その後、無水トリフルオロ酢酸(10.35g、49.3mmol)を滴加する。反応混合物を、−5から0℃で1時間30分、次いで、室温で1時間攪拌し、その後、氷冷水(800ml)に注入する。沈殿物を吸引によって濾過し、水で洗浄し、ジクロロメタンに溶解し、乾燥(Na2SO4)する。濃縮後、9g(収率68%)の予期された生成物を得る。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):2.74(m,2H);3.14(m,2H);7.79(s,1H);8.57(s,1H)。
【0287】
ステップb:4−[6−(4−フルオロベンジル)−3−オキソインダン−5−イルアミノ]酪酸
塩化4−フルオロベンジル亜鉛をTHF中の0.5M溶液(7.5ml、3.75mmol)として、DMF(5ml)中のステップaの生成物(0.365g、1.13mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムII(40mg)の混合物に滴加する。室温で15時間攪拌した後、反応混合物を氷冷水(100ml)に注入する。沈殿物を吸引により濾過し、水で洗浄、その後、塩化メチレンに溶解する。不溶物を濾過する。濾液を乾燥(Na2SO4)し、その後、濃縮する。シリカのフラッシュクロマトグラフィ(2/1 ヘプタン/酢酸エチル)によって、予期されたカップリング生成物を得る(0.35g、収率88%)。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):2.73(m,2H);3.14(m,2H);4.02(s,2H);6.98〜7.15(m,4H);7.40(s,1H);7.64(広幅s,NH)、8.07(s,1H)。
【0288】
上記カップリング生成物(0.35g、1.0mmol)を、還流で5時間、アセトン(9.6ml)中の4−ブロモ酪酸エチル(0.39g、2.0mmol)、K2CO3(4.0mmol、0.54g)、およびKI(0.16g、1mmol)の混合物で処理する。
【0289】
4−ブロモ酪酸エチル(0.39g)およびKI(0.16g)を添加し、反応物を還流でさらに4時間攪拌し、その後、濃縮して乾燥する。得られた残渣をエチルエーテルに溶解し、不溶物を濾過する。濃縮した濾液を、シリカのクロマトグラフィ(2/1 ヘプタン/酢酸エチル)で精製する。0.17gの予期された生成物を得る(収率36%)。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):1.22(t,3H);1.92(m,2H);2.31(m,2H);2.72(m,2H);2.92(m,1H);3.09(m,2H);3.86(d,1H);3.96(d,1H);4.09(q,2H);4.23(m,1H);6.97〜7.13(m,4H);7.18(s,1H);7.55(s,1H)。
【0290】
得られたエステル(0.17g、0.365mmol)を、室温で18時間、メタノール(7.3ml)および水(3.6ml)中のNaOH(44mg、0.11mol)の混合物で処理する。溶媒を蒸発し、残渣を水に溶解する。1Nの塩酸でpH3.8(pHメータ)に酸性化した後、エチルエーテルで抽出し、乾燥(Na2SO4)し、得られた蒸発残渣(110mg)をシリカのフラッシュクロマトグラフィ(95/5 ジクロロメタン/メタノール)で精製する。黄色の固体を得る(90mg、72%)。
融点=144〜145℃
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):1.84(m,2H);2.29(t,2H);2.62〜2.69(m,2H);2.96〜3.02(m,2H);3.15(t,2H);3.86(s,2H);5.08(広幅s,NHおよびCO2H);6.90〜7.03(m,3H);7.05〜7.15(m,3H)。
【0291】
実施例54
4−[6−(4−フルオロフェニル)−3−オキソインダン−5−イルアミノ]酪酸
実施例63のステップaで得られた生成物(0.5g、1.55mmol)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(46mg)、Na2CO3(0.33g、3.11mmol)、水(1.2ml)、トルエン(6.8ml)、およびp−フルオロフェニルボロン酸(0.24g、1.72mmol)の混合物を、還流で3時間加熱する。触媒(46mg)、Na2CO3(66mg)、およびp−フルオロフェニルボロン酸(48mg)を添加し、反応物を還流でさらに1時間攪拌する。エチルエーテルを添加した後、有機相を水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、濃縮する。フラッシュクロマトグラフィ(1/1 ヘプタン/酢酸エチル)によってガラス質の固体(0.59g)を得て、それをヘプタン/酢酸エチルの2/1混合物に分散し、0.37g(収率71%)の所望のカップリング生成物を得る。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):2.73〜2.80(m,2H);3.13〜3.20(m,2H);7.22〜7.27(m,2H);7.31〜7.38(m,2H);7.42(s,1H);7.84(広幅s,NH);8.53(s,1H)。
【0292】
上記カップリング生成物(0.37g、1.1mmol)を、還流で5時間、アセトン(10.6ml)中の4−ブロモ酪酸エチル(0.43g、2.2mmol)、K2CO3(0.6g、4.4mmol)、およびKI(0.18g、1.1mmol)の混合物で処理する。ブロモエステル(0.43g)およびKI(0.18g)を添加し、反応物を還流でさらに4時間攪拌し、その後、濃縮して乾燥する。得られた残渣をエチルエーテルに溶解し、不溶物を濾過する。濃縮した濾液を、シリカのクロマトグラフィ(3/1 ヘプタン/酢酸エチル)で精製する。0.28gの予期された生成物を得る(収率56%)。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):1.19(t,3H);1.63〜1.79(m,2H);2.06〜2.31(m,2H);2.56(m,1H);2.74〜2.83(m,2H);3.18〜3.25(m,2H);3.80(m,1H);4.04(q,2H);7.09〜7.18(m,2H);7.25〜7.31(m,2H);7.52(s,1H);7.59(s,1H)。
【0293】
その後、得られたエステル(0.28g、0.62mmol)を、室温で18時間、メタノール(12.4ml)および水(6.2ml)中の水酸化ナトリウム(74mg、1.85mmol)の混合物で処理する。溶媒を蒸発し、残渣を水に溶解する。1Nの塩酸でpH4.2に酸性化した後、エチルエーテルで抽出し、乾燥(Na2SO4)し、得られた蒸発残渣(180mg)をシリカのフラッシュクロマトグラフィ(95/5 ジクロロメタン/メタノール)で精製する。黄色の固体を得る(150mg、75%)。
融点=148〜150℃
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):1.89(m,2H);2.40(t,2H);2.65〜2.72(m,2H);3.00〜3.06(m,2H);3.18(t,2H);6.96(s,1H);7.10〜7.18(m,3H);7.31〜7.39(m,2H)。
【0294】
下記の表Gの誘導体を、実施例52および実施例54の誘導体の調製手順に従って調製する。
【0295】
【表15】

【0296】
【表16】

【0297】
【表17】

【0298】
実施例66
ステップa:3−(3−ブロモ−4−メトキシフェニル)プロパン酸エチル
臭素87.5gを、25℃で3時間かけて、3−(4−メトキシフェニル)プロパン酸エチル(113.9g、0.545mol)のクロロホルム900ml溶液に滴加する。この混合物を水に注入し、相を静置して有機相を分離し、10%ヒドロ亜硫酸ナトリウム溶液で洗浄する。乾燥し、溶媒を蒸発した後、黄色の油を回収する(154g、98%)。
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):1.22(3H,m);2.56(2H,m);2.85(2H,m);3.85(3H,s);4.11(2H,m);6.81(1H,m);7.09(1H;m);7.38(1H,m)。
【0299】
ステップb:3−(3−ブロモ−4−メトキシフェニル)プロパン酸
3−(3−ブロモ−4−メトキシフェニル)プロパン酸エチル154g(0.535mol)を、水酸化カリウム45g(0.8mol)、メタノール600ml、および水300mlと混合する。この混合物を還流で3時間加熱し、その後、メタノールを蒸発する。得られた溶液をエーテルで洗浄し、水相を酸性化し、エーテルで抽出する。有機相を乾燥(Na2SO4)し、溶媒を蒸発する。白色固体(132.7g、96%)。
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):2.64(2H,m);2.87(2H,m);3.86(3H,s);6.82(1H,m);7.10(1H,m);7.39(1H,m);11.17(1H,非常に広幅s)。
【0300】
ステップc:塩化3−(3−ブロモ−4−メトキシフェニル)プロパノイル
塩化チオニル102.4g(0.86mol)の溶液を、3−(3−ブロモ−4−メトキシフェニル)プロパン酸51.8g(0.2mol)のクロロホルム700ml溶液に添加する。この混合物を還流で4時間加熱し、その後、溶媒を蒸発する。53gを得る。
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):2.92(2H,m);3.16(2H,m);3.87(3H,s);6.83(1H,m);7.10(1H,m);7.37(1H,m)。
【0301】
ステップd:5−ブロモ−6−メトキシインダン−1−オン
塩化3−(3−ブロモ−4−メトキシフェニル)プロパノイル48g(0.18mol)を、ジクロロメタン500mlに溶解する。塩化アルミニウム72g(0.54mol)を少量ずつ添加する。反応媒体を2時間攪拌し、その後、水に注入し、静置して相を分離する。有機相を乾燥(Na2SO4)し、溶媒を蒸発する(39.8g)。生成物をエタノール中ですりつぶし、濾過し、乾燥する(25g、63%)。
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):2.69(2H,m);3.05(2H,m);3.91(3H,s);7.17(1H,s);7.68(1H,s)。
【0302】
ステップe:5−ブロモ−6−ヒドロキシインダン−1−オン
塩化アルミニウム46.7g(0.35mol)を、5−ブロモ−6−メトキシインダン−1−オン28.3g(0.117mol)のトルエン500ml溶液に滴加する。反応混合物を還流で15分間加熱し、その後、水に注入し、静置して相を分離する(わずかに可溶性の生成物)。
【0303】
懸濁固体を濾過し、溶媒を蒸発する。固体残渣を、フラッシュクロマトグラフィ(98/2 CH2Cl2/MeOH)で精製し、22gの固体を得る(83%)m.p.=210℃。
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):2.69(2H,m);3.06(2H,m);5.73(1H,s);7.33(1H,s);7.63(1H,s)。
【0304】
ステップf:4−(6−ブロモ−3−オキソインダン−5−イルオキシ)酪酸エチル
5−ブロモ−6−ヒドロキシインダン−1−オン4.2g(0.0185mol)、アセトン150ml、および炭酸セシウム9g(0.0276mol)を、56℃で30分間加熱する。4−ブロモ酪酸エチル5.4g(0.227mol)を滴加し、その後、混合物を還流で7時間加熱する。
【0305】
生じた混合物を1Nの塩酸溶液に注入し、エーテルで抽出する。有機相を乾燥(Na2SO4)し、溶媒を蒸発する。残渣をヘキサン中ですりつぶす。固体、m.p.=95℃(5g、79%)。
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):1.25(3H,m);2.17(2H,m);2.57(2H,m);2.70(2H,m);4.09(2H,m);4.14(2H,m);7.16(1H,s);7.69(1H,s)。
【0306】
ステップg:4−[3−オキソ−6−(4−トリフルオロメチルフェニル)インダン−5−イルオキシ]酪酸エチル
4−(6−ブロモ−3−オキソインダン−5−イルオキシ)酪酸エチル1.2g(3.5mmol)、トルエン25ml、重炭酸ナトリウム溶液(1l当たり2mol)3.9ml、エタノール5ml、4−(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸0.8g(42mmol)、およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)77mg(0.007mmol)の混合物を、還流で2時間加熱する。この混合物を、水30ml、アンモニア水8ml、および炭酸ナトリウム溶液(1l当たり2mol)10mlの混合物に注入する。生じた混合物をエーテルで抽出し、乾燥し、蒸発した後、フラッシュクロマトグラフィ(98/2 ジクロロメタン/メタノール)で精製した1.4gの生成物を回収する(1.22g、84%)。
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):1.23(3H,m);2.04(2H,m);2.36(2H,m);2.74(2H,m);3.11(2H,m);4.04(2H,m);4.10(2H,m);7.28(1H,s);7.39(1H,s);7.56〜7.85(4H,m)。
【0307】
ステップh:4−[3−オキソ−6−(4−トリフルオロメチルフェニル)インダン−5−イルオキシ]酪酸
4−[3−オキソ−6−(4−トリフルオロメチルフェニル)インダン−5−イルオキシ]酪酸エチル1.2g(3mmol)を、水酸化カリウム250mg(45mmol)、メタノール40ml、および水10mlと混合する。この混合物を還流で2時間加熱し、その後、メタノールを蒸発する。得られた溶液をエーテルで洗浄し、水相を酸性化し、ジクロロメタンで抽出する。有機相を乾燥(Na2SO4)し、溶媒を蒸発する。黄色の固体(0.95g)。この化合物をフラッシュクロマトグラフィ(98/2 ジクロロメタン/メタノール)で精製(0.56g、50%)。
1H NMR−CHCl3−δ(ppm):2.05(2H,m);2.42(2H,m);2.75(2H,m);3.11(2H,m);4.06(2H,m);7.28(1H,s);7.39(1H,s);7.55〜7.77(4H,m)
N.B.:酸H認められず。
【0308】
実施例67から69
実施例66のステップf)の中間体として得られた化合物から調製したさらなる実施例67から69を、下記の表Hに記載する。
【0309】
【表18】

【0310】
実施例70
【0311】
【化29】

【0312】
ステップa:
6−ヒドロキシ−5−メトキシ−1−インダノン(1.5g、8.42mmol)のピリジン(4ml)懸濁液を0℃に冷却し、続いて、無水トリフルオロメタンスルホン酸(1.6ml、9.51mmol、1.1当量)を添加する。この混合物を1時間攪拌し、その後、氷冷した2Nの塩酸に注入する。水相を酢酸エチルで3回抽出する。合わせた有機相を、塩水で洗浄し、乾燥、濃縮する。
【0313】
フラッシュクロマトグラフィ(30%EtOAc/ヘプタン)によって、ベージュ色の粉末として、予期された生成物を得る(1.34g、収率51%)。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):2.63〜2.79(2H,m);3.04〜3.22(2H,m);4.00(3H,s);7.06(1H,s);7.58(1H,s)。
【0314】
ステップb:
臭化ヘキシル亜鉛をテトラヒドロフラン中の0.5N溶液(14ml、7mmol、1.63当量)として、DMF(20ml)中のステップaで得られた生成物(1.34g、4.32mmol)およびジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムII(110mg)の混合物に、窒素下、室温で迅速に添加する。
【0315】
この反応は、わずかに発熱性であり、反応混合物の温度は37℃に上昇する。35分間攪拌した後、混合物を、1Nの塩酸(10ml)およびエーテルを含む氷冷水(100ml)に注入する。
不溶物を濾過し、水相をエーテルで2回抽出する。合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥、濃縮する。
フラッシュクロマトグラフィ(20%EtOAc/ヘプタン)によって、ベージュ色の粉末の形態で、予期された生成物を得る(0.2g、収率19%)。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.76〜0.98(3 H,m);1.15〜1.41(4H,m);1.45〜1.71(4H,m);2.49〜2.74(4H,m);2.98〜3.17(2H,m);3.89(3H,s);6.83(1H,s);7.52(1H,s)。
【0316】
ステップc:
トルエン(5ml)中のステップbで得られた生成物(0.2g、0.81mmol)およびAlCl3(0.27g、2.0mmol、2.5当量)の混合物を、浴中、100℃で2時間加熱する。この混合物を、濃塩酸およびジエチルエーテルを含む氷冷水に注入する。有機相をジエチルエーテルでさらに2回抽出する。合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥、濃縮する。ベージュ色の粉末を得る(0.14g)。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.76〜0.96(3H,m);1.16〜1.45(4H,m);1.48〜1.71(4H,m);2.54〜2.72(4H,m);2.96〜3.13(2H,m);6.74〜6.89(1H,広幅s);6.82(1H,s);7.55(1H,s)。
【0317】
ステップd:4−(6−ヘキシル−1−オキソインダン−5−イルオキシ)酪酸
アセトン(2ml)中のステップcで得られた生成物(0.14g、0.60mmol)、4−ブロモ酪酸エチル(0.18g、0.92mmol、1.5当量)、および炭酸セシウム(0.30g、0.92mmol、1.5当量)の混合物を、還流で7時間加熱する。その後、混合物を水およびジエチルエーテルに注入する。水相をジエチルエーテルで2回抽出する。合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥、濃縮する。
【0318】
フラッシュクロマトグラフィ(30%EtOAc/ヘプタン)によって、茶色の油の形態で生成物を得る(50mg、収率24%)。
【0319】
この生成物をメタノール(2ml)に溶解し、1Nの水酸化ナトリウム(0.4ml)で1時間処理する。混合物を氷冷した1Nの塩酸およびジエチルエーテルに注入する。水性相をジエチルエーテルで2回抽出する。合わせた有機相を水で洗浄し、乾燥する。蒸発残渣をシクロヘキサンから再結晶する。無色の明るい結晶の形態で、予期された生成物を得る(16.7mg)。
融点=122℃。
1H NMR−CDCl3−δ(ppm):0.76〜0.97(3H,m);1.11〜1.92(8H,m);2.06〜2.29(2H,m);2.48〜2.73(6H,m);2.92〜3.12(2H,m);3.96〜4.24(2H,m);6.81(1H,s);7.52(1H,s)。
【0320】
これらの化合物のなかで以下が特に好ましい。
【0321】
【化30】

【0322】
化合物71〜176を、前記実施例に示した同じ型の手順に従って調製した。
ES−=[M−H]
ES+=[M+H]
【0323】
【表19】

【0324】
【表20】

【0325】
【表21】

【0326】
【表22】

【0327】
【表23】

【0328】
【表24】

【0329】
【表25】

【0330】
【表26】

【0331】
【表27】

【0332】
【表28】

【0333】
【表29】

【0334】
【表30】

【0335】
【表31】

【0336】
【表32】

【0337】
【表33】

【0338】
【表34】

【0339】
【表35】

【0340】
【表36】

【0341】
【表37】

【0342】
【表38】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物であって、
【化1】

式中、
nは、1、2、および3から選択された整数であり、
Yは、O、R9がHまたは飽和炭化水素ベース脂肪族基を表すN−OR9、R10およびR11が同一でも異なっていてもよく、Hまたは飽和炭化水素ベース脂肪族基を表すCR1011を表し、
1およびR2は、同一でも異なっていてもよく、Hまたは飽和脂肪族炭化水素ベース鎖を表すか、あるいはR1およびR2は合わせて、場合によって置換された飽和脂肪族炭化水素ベース鎖を形成し、
基R3およびR4は、同一でも異なっていてもよく、R1およびR2に関して上述した任意の意味を持つか、あるいは
1およびCR12にα位の炭素が有する基R4は、何も表さず、二重結合が、CR12炭素をα位のCR34炭素と結合するか、あるいは基R1およびR2の1つは、基R3およびR4の1つと共に、場合によって置換された飽和または不飽和脂肪族炭化水素ベース鎖を形成し、
基R5およびR6の1つはWを表し、他方はZを表し、Zは、飽和または不飽和脂肪族炭化水素ベース基、場合によって置換された飽和、不飽和、および/または芳香族炭素環または複素環基、alkがアルキレン鎖を表し、Cyが場合によって置換された飽和、不飽和、および/または芳香族複素環または炭素環基を表す基−alk−Cyから選択され、
Wは、−XL−CO27、−X−L−Tetを表し、式中、XおよびLは、下に定義するとおりであり、Tetは、場合によって置換されたテトラゾールを表し、式中、
Lは、場合によって置換されている、および/または場合によって置換されたアリーレンによって場合によって中断されている飽和または不飽和脂肪族炭化水素ベース鎖を表し、
Xは、O、R8がH、飽和脂肪族炭化水素ベース基、R’がR7に関して下に示すHを除く任意の意味を持つ基−CO−R’もしくは−SO2−R’、または場合によって置換された芳香族炭素環基を表すNR8、あるいはmが0、1、および2から選択されるS(O)mを表し、
7は、H、飽和または不飽和脂肪族炭化水素ベース基、場合によって置換された飽和、不飽和、および/または芳香族炭素環基、場合によって置換された飽和、不飽和、および/または芳香族複素環基を表す化合物、ならびに薬剤として許容されるそれらの誘導体、塩、溶媒和物、および立体異性体、ならびにあらゆる割合のそれらの混合物。
【請求項2】
1、R2、R3、およびR4が、独立して水素原子およびアルキルから選択されることを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
nが、1または2を表すことを特徴とする前記請求項のいずれかに記載の化合物。
【請求項4】
7が、Hまたはアルキルを表すことを特徴とする前記請求項の一項に記載の化合物。
【請求項5】
Wが、−X−L−Tetを表し、式中、Tetは、場合によって置換されたテトラゾリルを表すことを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項6】
Lが、アルキレン、アルケニレン、または−alk0−Ar0−を表し、式中、alk0は、アルキレンを表し、Ar0は、場合によって置換されたフェニレンを表すことを特徴とする前記請求項の一項に記載の化合物。
【請求項7】
Lが、以下の式を表すことを特徴とする
【化2】

請求項6に記載の化合物。
【請求項8】
Zが、1つまたは複数の基Tで場合によって置換されたアルキル、1つまたは複数の基Tで場合によって置換されたアルケニル、1つまたは複数の基Tで場合によって置換されたアルキニル、1つまたは複数の基Tで場合によって置換されたフェニル、1つまたは複数の基Tで場合によって置換されたシクロアルキル、1つまたは複数の基Tで場合によって置換された単環または2環式ヘテロアリール、alk1がアルキレン、好ましくはCH2を表し、Cy1が、1つまたは複数の基Tで場合によって置換されたフェニルを表すか、あるいはCy1が、1つまたは複数の基Tで場合によって置換されたシクロアルキルを表す−alk1−Cy1−を表し、Tは、場合によってハロゲン化されたアルキル、場合によってハロゲン化されたアルコキシ、ハロゲン原子、およびシアノから選択されることを特徴とする前記請求項の一項に記載の化合物。
【請求項9】
n=1であり、R1、R2、R3、およびR4が、水素原子を表し、Yが、Oを表し、R5が、(C1〜C10)アルキル、(C2〜C10)アルキニル、alk1が(C1〜C3)アルキレンを表し、Cy1が1つまたは複数の基Tで場合によって置換されたフェニルを表し、Tは請求項7に定義したとおりである−alk1−Cy1−を表し、R6が、Wを表し、Xは、OまたはNHを表し、Lが、(C1〜C3)アルキレンを表すことを特徴とする請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
Xが、NHを表し、R5が、(C1〜C10)アルキルを表すことを特徴とする請求項8または9に記載の化合物。
【請求項11】
Xが、Oを表し、R5が、(C1〜C10)アルキル、(C2〜C10)アルキニル、およびalk1が(C1〜C3)アルキレンを表し、Cy1がフェニルを表す−alk1−Cy1を表すことを特徴とする請求項8または9に記載の化合物。
【請求項12】
Zが、シアノで場合によって置換されたアルキル;トリフルオロメチル、ハロゲン、アルキル、またはアルコキシで場合によって置換されたフェニル;フェニルが1つまたは複数のハロゲン原子、アルキル、またはアルコキシで置換されているフェニルアルキル;アルキニル;シクロアルキルアルキルを表すことを特徴とする請求項8または9に記載の化合物。
【請求項13】
以下から選択された、
【化3】

請求項1に記載の化合物、ならびに薬剤として許容されるそれらの誘導体、塩、溶媒和物、および立体異性体、ならびにあらゆる割合のそれらの混合物。
【請求項14】
少なくとも1種の薬剤として許容されるビヒクルと併せて、請求項1から13のいずれか一項に記載の式Iの化合物、および/またはあらゆる割合のそれらの混合物を含む、薬剤として許容されるそれらの誘導体、塩、溶媒和物、および立体異性体から選択された有効量の少なくとも1種の化合物を含む薬剤組成物。
【請求項15】
請求項1から13のいずれか一項に記載の式Iの少なくとも1種の化合物、および/または薬剤として許容されるそれらの誘導体、塩、溶媒和物、および立体異性体、およびあらゆる割合のそれらの混合物、ならびに場合によって1種または複数の賦形剤および/または補助剤を含む薬剤。
【請求項16】
脂血症および血糖症を調節する役割におけるPPARαおよびPPARγイソ型の活性不全によって媒介される疾患または状態を罹患している個体を治療する薬剤を調製するための、請求項1から13のいずれか一項に記載の式Iの化合物、および/またはあらゆる割合のそれらの混合物を含む、薬剤として許容されるそれらの誘導体、塩、溶媒和物、および立体異性体の使用。
【請求項17】
脂質代謝異常、アテローム性動脈硬化症、および糖尿病を予防または治療する薬剤を調製するための、請求項1から13のいずれか一項に記載の式Iの化合物、および/またはあらゆる割合のそれらの混合物を含む、薬剤として許容されるそれらの誘導体、塩、溶媒和物、および立体異性体の請求項16に記載の使用。
【請求項18】
請求項1から13のいずれか一項に記載の式Iの化合物を調製するための方法であって、式IIの化合物
【化4】

式中、
1、R2、R3、R4、n、およびYは、式Iに関して上に定義したとおりであり、Gは、−XHを表し、式中、Xは、SまたはO、NHCOCF3またはNHR8であり、R8は、請求項1で式Iに関して定義したとおりであり、Z0は、Zの前駆体である基であるか、あるいはZ0は、Zを表し、Zは、請求項1で式Iに関して定義したとおりであり、Z0およびGは、フェニル核の2および3位にある、
を塩基の存在下、式IIIの化合物
Gp−L−CO27 III
式中、R7およびLは、請求項1で式Iに関して定義したとおりであり、Gpは、脱離基を表す、
と反応させることを特徴とする方法。
【請求項19】
Zが、Cyを表し、Cyは、場合によって置換されたアリールまたはヘテロアリール基を意味する請求項1から13のいずれか一項に記載の式Iの化合物を調製するための方法であって、式IVaの化合物
【化5】

式中、Dは、−NHCOCF3または−X−L−CO27を表し、L、R7、Y、X、R1、R2、R3、R4、およびnは、請求項1で式Iに関して定義したとおりであり、Halは、ハロゲン原子、好ましくは臭素またはヨウ素原子を表し、基−HalおよびDは、2または3位にある、
を、パラジウム0錯体、および無機または有機塩基の存在下、式V
CyB(OH)2 (V)
式中、基Cyは、1つまたは複数の置換基を場合によって有する,
のアリールボロン酸またはヘテロアリールボロン酸と反応させることを含むことを特徴とする方法。
【請求項20】
Zが、−CH2−πを表し、式中、πは、アルキル、アルケニル、アルキニル、Cy1が請求項1でCyに関して定義したとおりであるCy1、またはalk2がアルキレンを表し、Cy1が上に定義したとおりである−alk2−Cy1を表す請求項1から13のいずれか一項に記載の式Iの化合物を調製するための方法であって、前記方法が、
【化6】

式中、R1、R2、R3、R4、n、Y、X、L、R7、およびDは、請求項18に定義したとおりであり、Halは、ハロゲン原子、好ましくはヨウ素または臭素原子を表し、−HalおよびDは、2または3位にある式IVaの化合物を、ビス(トリフェニルホスフィン)ジクロロパラジウムなどのパラジウム錯体の存在下、式VIIの化合物
(π−CH2−)ZnBr または(π−CH2)ZnCl VII
式中、πは、上に定義したとおりである、
と反応させることを特徴とする方法。
【請求項21】
YがN−OHを表す式Iの化合物を調製する方法であって、Y=Oである式Iの対応する化合物を、アルカリ金属塩の存在下、ヒドロキシルアミン塩と反応させることを含むことを特徴とする方法。
【請求項22】
Yが、CR1011を表し、式中、R10およびR11は、請求項1に定義したとおりである式Iの化合物を調製する方法であって、YがOを表す式Iの対応する化合物を、塩基の存在下、式IXの化合物
(C653+CR1011H,Br- IX
と反応させることを特徴とする方法。
【請求項23】
式IIの化合物であって、
【化7】

式中、
1およびR2は、独立して水素原子、およびメチルなどのC1〜C6アルキル基から選択され、Z0は、I、Br、またはC1〜C10アルキル基を表し、Gは、−OH、−SH、−NH2、−OCH3、−NH−CO−CH3、−NH−CO−CF3を表す化合物、薬剤として許容されるそれらの誘導体、塩、溶媒和物、および立体異性体、ならびにあらゆる割合のそれらの混合物。
【請求項24】
2,2−ジメチル−5−n−ヘキシル−6−ヒドロキシインダン−1−オン、
5−n−ヘキシル−6−ヒドロキシインダン−1−オン、
5−n−ヘキシル−6−メルカプトインダン−1−オン、
5−ヨード−6−メトキシインダン−1−オン、
5−ブロモ−6−アミノインダン−1−オン、
5−ブロモ−6−ヒドロキシインダン−1−オン、
2,2−ジメチル−5−n−ヘキシル−6−メトキシインダン−1−オン、および
5−ブロモ−6−トリフルオロメチルカルボニルアミノインダン−1−オンから選択される請求項23に記載の化合物。
【請求項25】
式IVb2の化合物であって、
【化8】

式中、
1およびR2は、独立して水素原子、および−CH3などのC1〜C6アルキル基から選択され、Hal0は、ヨウ素原子などのハロゲン原子を表し、LおよびR7は、請求項1に定義したとおりであり、Hal0および−O−L−CO27は2または3位にあることが理解される化合物、ならびに薬剤として許容されるそれらの誘導体、塩、溶媒和物、および立体異性体、ならびにあらゆる割合のそれらの混合物。
【請求項26】
1およびR2が、水素原子であり、Hal0が、臭素またはヨウ素原子を表して2位にあり、−O−L−CO27が3位にある請求項25に記載の化合物。
【請求項27】
式XXVIIaの化合物であって、
【化9】

式中、
1およびR2は、水素原子、または−CH3などの(C1〜C6)アルキル基を表し、Z0は、請求項12で式IIに関して定義したとおりであり、G0は、NO2を表す化合物、ならびに薬剤として許容されるそれらの誘導体、塩、溶媒和物、および立体異性体、ならびにあらゆる割合のそれらの混合物。
【請求項28】
5−ブロモ−6−ニトロインダン−1−オンである請求項27に記載の化合物。
【請求項29】
式XXの化合物であって、
【化10】

式中、Qは、C2〜C101−アルキニル、好ましくは1−ヘキシニルを表す化合物、ならびに薬剤として許容されるそれらの誘導体、塩、溶媒和物、および立体異性体、ならびにあらゆる割合のそれらの混合物。
【請求項30】
5−メトキシ−6−トリフルオロメチルスルホニルオキシインダン−1−オン、
5−メトキシ−6−ブロモインダン−1−オン、および
5−ヒドロキシ−6−ブロモインダン−1−オンから選択される、式Iの化合物の調製における中間体化合物。


【公表番号】特表2006−513242(P2006−513242A)
【公表日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−565980(P2004−565980)
【出願日】平成15年12月16日(2003.12.16)
【国際出願番号】PCT/EP2003/014296
【国際公開番号】WO2004/063148
【国際公開日】平成16年7月29日(2004.7.29)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】