説明

インドール誘導体

【課題】胚性幹(ES)細胞の未分化維持作用を有する新規なインドール誘導体、その製造法及び用途を提供する。
【解決手段】式:


[式中、R1〜R10は、同一または異なった電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。]で表される化合物または塩。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、胚性幹(ES)細胞の未分化維持作用を有する新規なインドール誘導体、その製造法及び用途に関する。
【背景技術】
【0002】
外傷や病気、さらには加齢などによって傷害を受けた臓器・組織は、再生を促進し、その機能を回復させる必要がある。特に、心臓・肝臓・腎臓・膵臓などの実質臓器は生命維持に必須であるためその機能低下・廃絶は死に直結することから、臓器移植により救命を図る移植医療が盛んに行われている。しかし、恒常的なドナー不足からその解決には新たなアプローチが必要になっている。
【0003】
最近になり、胚、或いは成体に存在し、無制限に分裂して、ひとつ或いは複数の方向に分化する能力を有すると考えられる幹細胞を利用して組織・器官の作製を行い、欠損組織の補填を行う再生医療が、従来の臓器移植の欠点を凌駕する治療法として注目されている。
【0004】
具体的には、幹細胞を増殖させた後、分化させ細胞移植に用いたり、人工支持組織の利用と併せ人工的な組織構築を行い、それを生体内へ移植したり人工臓器として利用したりすることなどが考えられている。幹細胞を細胞移植治療や組織工学に利用できれば、ドナーにおける移植片摘出後の組織欠損やドナー不足など、従来の自家移植を含む移植治療が抱える問題点を解決できると期待される。
【0005】
幹細胞は、血管、神経、血液、軟骨、骨、肝臓、膵臓など数々の分野で同定されているが、そのなかでも特に全ての細胞型に分化する能力を有する全能性幹細胞は、上述の再生医療分野のほか、創薬、および遺伝子治療に用いるための細胞ならびに組織を容易に提供し得る細胞として特に注目されている。
【0006】
全能性幹細胞の一例として、胚性幹(EmbryonicStem、以下ES)細胞や、胚性生殖(Embryonic Germ、以下EG)細胞が知られている。ES細胞は、マウスの胚盤胞期の内部細胞塊(Inner Cell Mass, ICM)から分離された細胞株である(非特許文献1)。個体を構成する細胞は胚盤胞期の内部細胞塊(Inner Cell Mass,以下 ICM)あるいは原腸胚上層(epiblast、以下エピブラスト)から派生した一次外胚葉に由来しており、ICM およびエピブラストは全能性を持った幹細胞群であるといえる。ES細胞は各種個体形成組織への分化能を保持し、正常な胚とキメラ胚を形成させることにより、成体のあらゆる成熟細胞へと分化する能力を保有している。また、試験管内の分化誘導条件によっても、血液細胞、心筋細胞、血管内皮細胞、神経細胞、色素細胞、膵内分泌細胞など様々な細胞を生成させる能力をもっている(非特許文献2)。
【0007】
EG細胞は始原生殖細胞をLIF(Leukemia Inhibitory Factor)とbFGF(basic Fibroblast Growth Factor)存在下で培養することにより樹立された細胞であり(非特許文献3及び4)、ES細胞と同様に各種組織への分化能を有している。
【0008】
最近になって、マウス以外でもES細胞株の樹立が報告され、マウスES細胞と同様多分化能を有していることが示されている(ウシES細胞:非特許文献5、豚ES細胞:非特許文献6、羊ES細胞:非特許文献7、ハムスターES細胞:非特許文献8、 アカゲザルES細胞:非特許文献9、マーモセットES細胞:非特許文献10、ヒトES細胞:非特許文献11から14、カニクイザルES細胞:非特許文献15)。
【0009】
また、最近になって異種動物間での内在性ウィルスの感染例が報告されている(非特許文献16)。医療用途でのヒトES細胞の利用を目的とした培養方法においては異種動物細胞間での接触をでき得る限り回避した培養方法の開発が望まれている。従って、マウス由来細胞を用いる上記のES細胞未分化維持培養方法は、医療用途を目的としたES細胞の培養には適していない。
【0010】
マウス由来フィーダー細胞を用いない霊長類ES細胞の培養方法として、マウス初代線維芽細胞の分泌成分を培養培地中に加える方法が報告されている(例えば、特許文献1を参照)。しかし、この場合においても培養中のES細胞がマウス細胞から分泌される未同定の因子に曝されることから、このような環境で培養されたES細胞は医療用途の使用には適していないうえに、内在性ウィルスの感染の危険性も残されている。従って、マウス初代線細胞との共培養による欠点が全く解消されていない。
【0011】
また、マウス由来フィーダー細胞を用いない他のES細胞培養方法として、GSK−3β阻害作用を有する化合物(BIO)を用いる方法が報告されている(非特許文献17)。しかし、BIOの未分化維持効果は短期間の培養においてのみ有効であり、継代培養による長期培養でのES細胞の未分化維持作用は確認されていない。
【0012】
我々は、既にマウス由来フィーダー細胞を用いないES細胞の培養法として、低分子化合物を用いる方法を報告している(特許文献2)。ジヒドロイソキノリン誘導体及びインドール誘導体は、ES細胞に対して、フィーダー細胞を用いないで未分化維持活性を示す化合物である。医療用途の使用を考えれば、より未分化維持活性が高い、新規な低分子化合物の開発が望まれているが、これまでのところES細胞の未分化維持効果を示す新規なインドール誘導体は知られていなかった。
【0013】
また、現在までの所、ES細胞の未分化維持に関わるメカニズムは完全には解明されていない。ある低分子化合物の標的タンパク質もしくは結合タンパク質が同定されれば、未分化維持に関するメカニズムを解明するのに、非常に有用であると考えられる。その一つの手法として、例えば、担体にある低分子化合物を固定化し、結合するタンパク質を精製するアフィニティ精製法が挙げられる(例えば、非特許文献18)。しかしながら、これまでのところ固定化が可能で、かつES細胞の未分化維持活性を示すインドール誘導体は知られていなかった。
【0014】
【非特許文献1】Evansら、Nature, 292,p154, 1981年
【非特許文献2】仲野徹、最新医学別冊−再生医学、p81−89、2000
【非特許文献3】Matsuiら、Cell、70、p841、1992年
【非特許文献4】Resnicら、Nature、359、p550、1992年
【非特許文献5】Schellanderら、Theriogenology,31, p15-17, 1989年
【非特許文献6】Strojekら、Theriogenology, 33:p901, 1990年
【非特許文献7】Handyside、Roux’s Arch.De v.Biol.,196 :p185, 1987年
【非特許文献8】Doetschmanら,Dev.Biol.,127、p224,1988年
【非特許文献9】Thomsonら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、 92、p7844、 1995年
【非特許文献10】Thomsonら、Biology of Production、55、p254、1996年
【非特許文献11】Thomsonら、Science, 282, p1145, 1998年
【非特許文献12】Reubinoffら、Nature Biotech, 18, p399, 2000年
【非特許文献13】Mitalipovaら、Stem Cells、21、p521、2003
【非特許文献14】Heinsら、Stem Cells, 22, p367, 2004年
【非特許文献15】Suemoriら、Dev.Dyn.222、P273,2001年
【非特許文献16】van der Laanら、Nature, 407, p90, 2000年
【非特許文献17】Satoら、Nature Medicine、vol.10、p55、2004年
【非特許文献18】半田宏、川口春馬、ナノアフィニティビーズの全て、2003年、中山書店
【特許文献1】特開2001−17163号公報
【特許文献2】WO2005/007838
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
本発明の課題は、胚性幹細胞を、フィーダー細胞或いはフィーダー細胞由来成分を用いずに、未分化状態で培養させ得るインドール誘導体を提供することにある。また、胚性肝細胞の未分化維持メカニズムを解析するために、担体に特異的に固定化可能なインドール誘導体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者らは、ES細胞の未分化維持作用を有する化合物につき鋭意検討した結果、インドール誘導体において、下記一般式(1)、(2)及び(3)で表される新規化合物またはその塩を初めて具体的に製造し、得られた化合物が意外にもその特異な化学構造に基づいて、優れたES細胞未分化維持作用を示すとともに、再生医療用途でのES細胞の増殖に有用であることを見出し、これに基づいて本研究を完成した。
すなわち、本発明は、以下のような構成からなる。
【0017】
(1) 一般式(1)
【化1】

[式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。Xは、主鎖の原子数が0〜10のアルキレン基を表す。原子数0のアルキレン基とは、単結合を表す。該アルキレン基を構成する1つ以上のエチレンが、−C=C−基及び/又は−N=N−基及び/又は−NHCO−基で置き換わっていてもよい。さらに、該アルキレン基は、置換基として、電子吸引基、電子供与基または水素原子を1つ以上有してもよい。Gは、電子吸引基、電子供与基または水素原子を有してもよい芳香族基、もしくは電子吸引基、電子供与基または水素原子を有してもよい少なくとも一つのヘテロ原子を含む環状分子を表す。]で表される化合物またはその塩。
【0018】
(2) Xが、主鎖の原子数が0もしくは1のアルキレン基を表す、(1)記載の化合物またはその塩。
【0019】
(3) 一般式(2)
【化2】

[式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。Aは水素原子もしくは、メチル基もしくは、
【化3】

を表す。ここで、R7、R8、R9、R10及びR11は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。]で表される化合物またはその塩。
【0020】
(4) 一般式(3)
【化4】

[式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。Bは電子吸引基、電子供与基または水素原子を有してもよい少なくとも一つのヘテロ原子を含む環状分子を表す。]
で表される化合物またはその塩。
【0021】
(5) R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11が、それぞれ独立に、アルキル基、不飽和炭化水素基、アシル基、アロイル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、アセトアミド基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルキルアミノ基、アルキルアミノアルキル基、アルキルアミノビニル基、アミノアルキル基、ヒドロキシアルキルアミノ基、ヒドロキシアルキルアミノアルキル基、ヒドロキシアルキルアミノビニル基、アリールアミノ基、アリールアミノビニル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキルチオ基、スルホンアミド基、スルホ基、カルボキシ基、メルカプト基、オキサロ基、ヒドロキシイミノアルキル基、チオカルバモイル基、ピロリル基、オキサゾル基、ハロゲン原子及び水素原子よりなる群から選ばれる基または原子であり、上記に含まれる該アルキルは、置換基として、電子吸引基、電子供与基または水素原子を1つ以上有してもよい、(3)に記載の化合物またはその塩。
【0022】
(6) R1、R2、R3、R4、R5、及びR6が、それぞれ独立に、アルキル基、不飽和炭化水素基、アシル基、アロイル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、アセトアミド基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルキルアミノ基、アルキルアミノアルキル基、アルキルアミノビニル基、アミノアルキル基、ヒドロキシアルキルアミノ基、ヒドロキシアルキルアミノアルキル基、ヒドロキシアルキルアミノビニル基、アリールアミノ基、アリールアミノビニル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキルチオ基、スルホンアミド基、スルホ基、カルボキシ基、メルカプト基、オキサロ基、ヒドロキシイミノアルキル基、チオカルバモイル基、ピロリル基、オキサゾル基、ハロゲン原子及び水素原子よりなる群から選ばれる基または原子であり、Bが、電子吸引基、電子供与基または水素原子を有してもよい、ベンゾイミダゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピリジン、ピリミジン、ジヒドロチオフェン-2-オン、テトラヒドロチオフェン-1,1-ジオキサイド、イソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、イソチアゾール、インドール、キノリン、ベンゾフラン、キノキサリン、クロマン-4-オン、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキサシン、又はベンゾチアゾールである、(4)に記載の化合物またはその塩。
【0023】
(7) R1、R2、R10及びR11が水素原子であり、R3がヒドロキシル基で、低級アルコキシ基、又はアセチルオキシ基であり、R4が水素原子、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、又はアミノ低級アルキル基であり、R5が水素原子、低級アルキル基、低級アルキルアミノビニル基、ヒドロキシ低級アルキルアミノビニル基、又はアリールアミノビニル基であり、R6がニトロ基であり、R7、R8及びR9がそれぞれ異なっていてもよい、水素原子、アセチル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルキル基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、アセトアミド基、スルファモイル基、ニトリル基、ホルミル基、メルカプト基、アセトキシ基、低級アルコキシカルボニル基、又はカルボキシル基である、(3)に記載の化合物またはその塩。
【0024】
(8) R1、R2、R9、R10及びR11が水素原子であり、R3がヒドロキシル基、低級アルコキシ基、又はアセチルオキシ基であり、R4が水素原子、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、又はアミノ低級アルキル基であり、R5が水素原子、低級アルキル基、低級アルキルアミノビニル基、ヒドロキシ低級アルキルアミノビニル基、又はアリールアミノビニル基であり、R6がニトロ基であり、R7及びR8がそれぞれ異なっていてもよい、水素原子、低級アルキル基、又はハロゲン原子である、(3)に記載の化合物またはその塩。
【0025】
(9) R1、R2、R7、R9、R10及びR11が水素原子であり、R3がヒドロキシル基、低級アルコキシ基、又はアセチルオキシ基であり、R4が水素原子、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、又はアミノ低級アルキル基であり、R5が水素原子、低級アルキル基、低級アルキルアミノビニル基、ヒドロキシ低級アルキルアミノビニル基、又はアリールアミノビニル基であり、R6がニトロ基であり、R8が低級アルコキシ基である、(3)に記載の化合物またはその塩。
【0026】
(10) R1が水素原子、ハロゲン原子、又は低級アルコキシ基であり、R2がカルバモイル基、エチニル基、低級アルキルアミノ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、置換機を有しても良いフェニル基、アリールアミノ基、又はハロゲン原子であり、R3がヒドロキシル基、低級アルコキシ基、又はアセチルオキシ基であり、R4が水素原子、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、又はアミノ低級アルキル基であり、R7、R8、R10及びR11が水素原子であり、R5が水素原子、低級アルキル基、低級アルキルアミノビニル基、ヒドロキシ低級アルキルアミノビニル基、又はアリールアミノビニル基であり、R6がニトロ基であり、R8が低級アルコキシ基、又はヒドロキシル基である、(3)に記載の化合物またはその塩。
【0027】
(11) R1、R2、R7、R8、R10及びR11が水素原子であり、R3がヒドロキシル基、低級アルコキシ基、又はアセチルオキシ基であり、R4が水素原子、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、又はアミノ低級アルキル基であり、R5が低級アルキル基、ヒドロキシル基、アセチル基、カルボキシル基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルチオ基、低級アルコキシアルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、又は低級アルコキシカルボニル基であり、R6が水素原子、ハロゲン原子、アセトアミド基、カルボキシル基、アセチル基、又はヒドロキシル基であり、R8が低級アルコキシ基、又はヒドロキシル基である、(3)に記載の化合物またはその塩。
【0028】
(12) R1、R3、R7、R8、R10及びR11が水素原子であり、R2がヒドロキシル基、低級アルコキシ基、又はアセチルオキシ基であり、R4が水素原子、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、又はアミノ低級アルキル基であり、R5が低級アルキル基、ヒドロキシル基、アセチル基、カルボキシル基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルチオ基、低級アルコキシアルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、又は低級アルコキシカルボニル基であり、R6が水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、アルコキシカルボニル基、アセトアミド基、カルボキシル基、アセチル基、又はヒドロキシル基であり、R8が低級アルコキシ基、又はヒドロキシル基である、(3)に記載の化合物またはその塩。
【0029】
(13) R1及びR2が水素原子であり、R3がヒドロキシル基、低級アルコキシ基、又はアセチルオキシ基であり、R4が水素原子、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、又はアミノ低級アルキル基であり、R5が水素原子、低級アルキル基、低級アルキルアミノビニル基、ヒドロキシ低級アルキルアミノビニル基、又はアリールアミノビニル基であり、R6がニトロ基であり、R7、R8、R10及びR11 が、アミノ基、低級アルコキシ基、アセチル基、アミノアルキル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキル基、カルボキシル基、スルホ基、ニトリル基、ヒドロキシル基、アセトアミド基、スルファモイル基、ビニル基、イソプロピリデン基、ヒドロキシアルキル基、ニトロ基、ヒドロキシイミノアルキル基、オキサロ基、スルホンアミド基、チオカルバモイル基、水素原子、又はハロゲン原子であり、R9が低級アルコキシ基、又はヒドロキシル基である、(3)に記載の化合物またはその塩。
【0030】
(14) R1、R2、R7 、R10及びR11が水素原子であり、R3がヒドロキシル基、低級アルコキシ基、又はアセチルオキシ基であり、R4が水素原子、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、又はアミノ低級アルキル基であり、R5が水素原子、低級アルキル基、低級アルキルアミノビニル基、ヒドロキシ低級アルキルアミノビニル基、又はアリールアミノビニル基であり、R6がニトロ基であり、R8及びR9 が、同一であっても異なっていても良いヒドロキシル基又は低級アルコキシ基である、(3)に記載の化合物またはその塩。
【0031】
(15) R1、R2、R7、R8、R10及びR11が水素原子であり、R3がヒドロキシル基、低級アルコキシ基、又はアセチルオキシ基であり、R4が水素原子、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、又はアミノ低級アルキル基であり、R5が水素原子、低級アルキル基、低級アルキルアミノビニル基、ヒドロキシ低級アルキルアミノビニル基、又はアリールアミノビニル基であり、R6がニトロ基であり、R9 が、ヒドロキシル基である、(3)に記載の化合物またはその塩。
【0032】
(16) R1、R2及びR7が水素原子であり、R3がヒドロキシル基、又は式(5)で示される置換基であり、R4が低級アルキルアミノアルキル基、又は式(6)で示される置換基であり、R5が低級アルキルアミノビニル基、又は式(7)で示される置換基であり、R6がニトロ基であり、R8が水素原子、又はヒドロキシル基であり、R9が水素原子、低級アルコキシ基、又は式(8)で示される置換基である、(3)に記載の化合物またはその塩。
【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

(式中、Cは主鎖の原子数が1〜10のアルキレン基を表す。該アルキレン基を構成する1つ以上のエチレンが、−C−O−基及び/又は−NHCO−基で置き換わっていてもよい。Dはビオチン、アミノ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ブロモアセトアミド基を表す。)
【0033】
(17) 1-(4-メトキシ-2-メチル-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、1-(4-メトキシ-フェニル)-2,5-ジメチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、4-(6-ヒドロキシ-2-メチル-3-ニトロ-インドール-1-イル)-安息香酸 エチルエステル、1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、5-クロロ-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、4-(6-ヒドロキシ-2-メチル-3-ニトロ-インドール-1-イル)-安息香酸、1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-6-プロポキシ-1H-インドール、[1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-イルオキシ]-酢酸、(2-メチル-3-ニトロ-1-フェニル-1H-インドール-6-イルオキシ)-酢酸、7-[(2-アミノ-エチルアミノ)-メチル]-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、N-(2-[2-[1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-イルオキシ]-アセチルアミノ]-エチル)-2,2-ジメチル-プロピオンアミド、N-(2-アミノ-エチル)-2-[1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-イルオキシ]-アセトアミド、又はN-(2-[[6-ヒドロキシ-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-7-イルメチル]-アミノ]-エチル)-2,2-ジメチル-プロピオンアミドである、(3)に記載の化合物またはその塩。
【0034】
(18) 1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-7-プロピルアミノメチル-1H-インドール-6-オール、1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、1-(4-エトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、1-(3-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、7-アミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、1-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、2-メチル-3-ニトロ-1-(3,4,5-トリメトキシ-フェニル)-1H-インドール-6-オール、5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンテン酸、又は(2-[2-[2-(2-[[6-ヒドロキシ-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-7-イルメチル]-アミノ]-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アミドである、(3)に記載の化合物またはその塩。
【0035】
(19) (1)〜(18)のいずれかに記載の化合物またはその塩を有効成分とする幹細胞分化抑制剤。
(20) (1)〜(18)のいずれかに記載の化合物またはその塩を用いて幹細胞を未分化状態で培養することを特徴とする幹細胞培養方法。
(21) (1)〜(18)のいずれかに記載の化合物またはその塩を用いて胚性幹細胞を未分化状態で培養することを特徴とする胚性幹細胞培養方法。
(22) (1)〜(18)のいずれかに記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する、幹細胞を未分化抑状態で増殖するための培地。
(23) 幹細胞分化抑制剤の濃度が10ng/ml〜100μg/mlであることを特徴とする(22)に記載の培地。
【0036】
(24) (1)〜(18)のいずれかに記載の化合物またはその塩を用いて未分化状態で培養された幹細胞。
(25) (1)〜(18)のいずれかに記載の化合物またはその塩を用いて未分化状態で培養された幹細胞を分化させて得られる細胞または組織。
(26) (24)または(25)に記載の細胞または/および組織を生体内に移植する治療方法。
(27) (1)〜(18)のいずれかに記載の化合物またはその塩のプロドラッグ。
(28) (1)〜(18)のいずれかに記載の化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有してなる医薬組成物。
【発明の効果】
【0037】
本発明のインドール誘導体は、幹細胞を未分化状態で増殖させる効果を有する。また、結合タンパク質の同定に必要であると考えれれている担体に特異的かつ位置特異的に固定化することが可能なインドール誘導体が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、本発明において詳細に説明する。
以下の用語は他で述べない限り、以下に提供されるように定義される。
本明細書で使用される他の全ての用語は、他に述べない限り、その用語に関する特定の分野でのその語法に関して定義される。
幹細胞:幹細胞とは、特異化された機能を有する他の細胞型、即ち、最終的に分化した細胞、もしくは、より狭い範囲の細胞型に分化可能な他の幹細胞型に分化し得る細胞を指す。
全能性幹細胞:全能性幹細胞とは、多能性の細胞および完全に分化した細胞(すなわち、種々の細胞へと、もはや分化し得ない細胞)を含む任意の細胞型へと分化し得る細胞のことを言う。
【0039】
多能性幹細胞:多能性幹細胞とは、必ずしも全ての型にならないけれども、異なる多数の細胞型のうちの1つへと分化し得る細胞をいう。多能性細胞の1つの例は、造血幹細胞であり、この細胞はリンパ球および赤血球のような種々の血液細胞型へと分化し得る。
胚性幹細胞:胚性幹細胞とは、幹細胞の中でも特に前着床段階の胚の、桑実胚または胚盤胞段階から得られた全能性の細胞をいい、ES細胞とも呼ばれる。 また、胚性幹細胞には、精子あるいは卵子になると決まっている、胚または胎児(胎仔)の始原生殖細胞に由来する多能性の幹細胞のことをいう場合もある。ただし、この細胞は胚性生殖(Embryonic Germ、EG)細胞と呼ばれて胚性幹細胞と区別される場合もある。本明細書中で用いる胚性幹細胞は、いかなる動物種のものであってよく、例えばヒトを含む霊長類、霊長類以外の哺乳類、鳥類などの胚性幹細胞が挙げられる。
【0040】
全能性:全能性とは、多能性の細胞および完全に分化した細胞(すなわち、種々の細胞へと、もはや分化し得ない細胞)を含む任意の細胞型へと分化し得る状態を言う。
多能性:多能性とは、必ずしも全ての型にならないけれども、異なる多数の細胞型のうちの1つへと分化し得る状態をいう。
未分化:未分化とは、1つの細胞、或いは複数の細胞からなる任意の細胞集団が、1つまたは複数の、さらに分化が進んだ状態の細胞に分化し得る能力を有する状態である細胞、或いは該細胞を含む細胞集団である状態であることをいう。
フィーダー:本発明を記載する目的のために用いられるフィーダーとは、 全能性幹細胞がその上にプレートされ、プレートされた全能性幹細胞の増殖の助けとなる環境を提供するものをいう。
フィーダー細胞:本発明を記載する目的のために用いられるフィーダー細胞とは、 全能性幹細胞がその上にプレートされる非全能性幹細胞をいい、非全能性幹細胞は、プレートされた全能性幹細胞の増殖の助けとなる環境を提供する。
細胞由来成分:細胞から分泌される成分、内容物、および細胞膜成分など、細胞に由来する全ての成分をいう。
【0041】
本発明のインドール誘導体は、幹細胞を未分化の状態で、増殖及び維持させうる分化抑制剤、それを用いた培養方法、それを用いた培地、それを用いて培養し作製された細胞株を提供する。
【0042】
本発明のインドール誘導体は、化学的に安定な低分子化合物で、幹細胞を未分化な状態で維持する活性を有するものであればいずれも用いることができるが、好ましくは下記一般式(1)で表される低分子化合物が挙げられる。
【化9】

式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。電子供与基とは、ベンゼン環へ電子を供与しうる置換基、電子吸引基とは、ベンゼン環上のπ電子を吸引する性質を有する置換基をいう。また、Hammettの置換基定数σを用いて、σ<0を電子供与基、σ>0を電子吸引基と定義することもできる(基礎有機反応論、橋本静信ら著、三共出版、1997年)。 Xは、主鎖の原子数が0〜10のアルキレン基を表す。原子数0のアルキレン基とは、単結合を表す。該アルキレン基を構成する1つ以上のエチレンが、−C=C−基及び/又は−N=N−基及び/又は−NHCO−基で置き換わっていてもよい。さらに、該アルキレン基は、置換基として、電子吸引基、電子供与基または水素原子を1つ以上有してもよい。Gは、電子吸引基、電子供与基または水素原子を有してもよい芳香族基、もしくは電子吸引基、電子供与基または水素原子を有してもよい少なくとも一つのヘテロ原子を含む環状分子を表す。さらに、Xで表されるアルキレン基は、主鎖の原子数が0もしくは1の場合が望ましい。
【0043】
例えば、一般式(1)の例としては、式(2)もしくは式(3)で表されるようなインドール誘導体があげられる。
【化10】

ただし、Aは水素原子もしくは、メチル基もしくは、
【化11】

を表す。式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、前記と同義である。R7、R8、R9、R10及びR11は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。
【化12】

式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、前記と同義である。Bは電子吸引基、電子供与基または水素原子を有してもよい少なくとも一つのヘテロ原子を含む環状分子を表す。
【0044】
一般式(2)に表されるようなインドール誘導体としては、以下の式(4)で表される化合物が挙げられる。
【化13】

式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11が、それぞれ独立に、アルキル基、不飽和炭化水素基、アシル基、アロイル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、アセトアミド基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルキルアミノ基、アルキルアミノアルキル基、アルキルアミノビニル基、アミノアルキル基、ヒドロキシアルキルアミノ基、ヒドロキシアルキルアミノアルキル基、ヒドロキシアルキルアミノビニル基、アリールアミノ基、アリールアミノビニル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキルチオ基、スルホンアミド基、スルホ基、カルボキシ基、メルカプト基、オキサロ基、ヒドロキシイミノアルキル基、チオカルバモイル基、ピロリル基、オキサゾル基、ハロゲン原子及び水素原子よりなる群から選ばれる基または原子であり、上記に含まれる該アルキルには、置換基として、電子吸引基、電子供与基または水素原子を1つ以上有してもよい、などがあげられる。
【0045】
また、式中、R1、R2及びR7が水素原子であり、R3がヒドロキシル基、又は式(5)で示される置換基であり、R4が低級アルキルアミノアルキル基、又は式(6)で示される置換基であり、R5が低級アルキルアミノビニル基、又は式(7)で示される置換基であり、R6がニトロ基であり、R8が水素原子又はヒドロキシル基であり、R9が水素原子、低級アルコキシ基、又は式(8)で示される置換基などがあげられる。
【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【0046】
ただし、Cは主鎖の原子数が1〜10のアルキレン基を表す。該アルキレン基を構成する1つ以上のエチレンが、−C−O−基及び/又は−NHCO−基で置き換わっていてもよい。Dはビオチン、アミノ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、又はブロモアセトアミド基を表す。
【0047】
また、インドール誘導体である前記一般式(4)に含まれる具体的な化合物には、次のようなものが例示される。
1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-7-プロピルアミノメチル-1H-インドール-6-オール、1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、1-(4-エトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-7-メチルアミノメチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、7-エチルアミノメチル-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンタン酸 (2-[2-[2-(2-[[6-ヒドロキシ-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-7-イルメチル]-アミノ]-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アミド、5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンタン酸 (2-[2-[2-(2-[2-[6-ヒドロキシ-1-(4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-2-イル]-ビニルアミノ]-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アミド、5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンタン酸 (2-[2-[2-(2-[[6-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-7-イルメチル]-アミノ]-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アミド、5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンタン酸 (2-[2-[2-(2-[[6-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-7-イルメチル]-アミノ]-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アミド、5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンタン酸 (2-[2-[2-(2-[2-[6-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-2-イル]-ビニルアミノ]-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アミド、5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンタン酸 (2-[2-[2-(2-[2-[6-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-2-イル]-ビニルアミノ]-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アミド、5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンタン酸 (2-[2-[2-(2-[[2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-6-ヒドロキシ-1-(4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-7-イルメチル]-アミノ]-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アミド、5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンタン酸 (2-[2-[2-(2-[[2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-6-ヒドロキシ-3-ニトロ-1-p-トリル-1H-インドール-7-イルメチル]-アミノ]-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アミド、5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンタン酸 (2-[2-[2-(2-[[2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-6-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-7-イルメチル]-アミノ]-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アミド、5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンタン酸 (2-[2-[2-(2-[[2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-6-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-7-イルメチル]-アミノ]-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アミド、5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンタン酸 (2-[2-[2-(2-[2-[7-ジメチルアミノメチル-6-ヒドロキシ-1-(4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-2-イル]-ビニルアミノ]-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アミド、5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンタン酸 (2-[2-[2-(2-[2-[7-ジメチルアミノメチル-6-ヒドロキシ-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-2-イル]-ビニルアミノ]-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アミド、5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンタン酸 (2-[2-[2-(2-[2-[7-ジメチルアミノメチル-6-ヒドロキシ-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-2-イル]-ビニルアミノ]-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アミド、5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンタン酸 [2-[2-(2-[2-[2-(7-ジメチルアミノメチル-6-ヒドロキシ-3-ニトロ-1-p-トリル-1H-インドール-2-イル)-ビニルアミノ]-エトキシ]-エトキシ)-エトキシ]-エチル]-アミド、4-(6-ヒドロキシ-2-メチル-3-ニトロ-インドール-1-イル)-N-[2-[2-(2-[2-[5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンタノイルアミノ]-エトキシ]-エトキシ)-エトキシ]-エチル]-ベンズアミド、5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンタン酸 (2-[2-[2-(2-[2-[1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-イルオキシ]-アセチルアミノ]-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アミド、5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンタン酸 [2-[2-(2-[2-[2-(2-メチル-3-ニトロ-1-フェニル-1H-インドール-6-イルオキシ)-アセチルアミノ]-エトキシ]-エトキシ)-エトキシ]-エチル]-アミド、7-ジメチルアミノメチル-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-7-ヒドロキシメチル-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、7-ジメチルアミノメチル-2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-7-ヒドロキシメチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、7-アミノメチル-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、7-ヒドロキシメチル-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、7-ジメチルアミノメチル-2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-7-ヒドロキシメチル-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、2-[2-(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-ビニル]-1-(4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、7-ジメチルアミノメチル-2-[2-(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-ビニル]-1-(4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、7-[(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-メチル]-2-[2-(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-ビニル]-1-(4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、7-[(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-メチル]-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-7-[(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-メチル]-1-(4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、7-[(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-メチル]-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-7-[(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-メチル]-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、7-[(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-メチル]-2-[2-(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-ビニル]-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、7-ジメチルアミノメチル-2-[2-(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-ビニル]-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、2-[2-(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-ビニル]-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、7-[(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-メチル]-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-7-[(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-メチル]-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、7-[(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-メチル]-2-[2-(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-ビニル]-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、7-ジメチルアミノメチル-2-[2-(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-ビニル]-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、2-[2-(2-ヒドロキシ-エチルアミノ)-ビニル]-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-6-プロポキシ-1H-インドール、[1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-イルオキシ]-酢酸、(2-メチル-3-ニトロ-1-フェニル-1H-インドール-6-イルオキシ)-酢酸、酢酸 1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-イル エステル、酢酸 7-ジメチルアミノメチル-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-イル エステル、酢酸 1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-7-ヒドロキシメチル-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-イル エステル、2-メトキシ-5-(6-メトキシ-2-メチル-3-ニトロ-インドール-1-イル)-フェノール、5-(7-ジメチルアミノメチル-6-メトキシ-2-メチル-3-ニトロ-インドール-1-イル)-2-メトキシ-フェノール、5-(7-ヒドロキシメチル-6-メトキシ-2-メチル-3-ニトロ-インドール-1-イル)-2-メトキシ-フェノール、酢酸 2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-イル エステル、酢酸 7-ジメチルアミノメチル-2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-イル エステル、酢酸 2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-7-ヒドロキシメチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-イル エステル、5-[2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-6-メトキシ-3-ニトロ-インドール-1-イル]-2-メトキシ-フェノール、5-[7-ジメチルアミノメチル-2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-6-メトキシ-3-ニトロ-インドール-1-イル]-2-メトキシ-フェノール、5-[2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-7-ヒドロキシメチル-6-メトキシ-3-ニトロ-インドール-1-イル]-2-メトキシ-フェノール、酢酸 1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-イル エステル、酢酸 7-ジメチルアミノメチル-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-イル エステル、酢酸 7-ヒドロキシメチル-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-イル エステル、4-(6-メトキシ-2-メチル-3-ニトロ-インドール-1-イル)-フェノール、4-(7-ジメチルアミノメチル-6-メトキシ-2-メチル-3-ニトロ-インドール-1-イル)-フェノール、4-(7-ヒドロキシメチル-6-メトキシ-2-メチル-3-ニトロ-インドール-1-イル)-フェノール、酢酸 2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-イル エステル、酢酸 7-ジメチルアミノメチル-2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-イル エステル、酢酸 2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-7-ヒドロキシメチル-1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-3-ニトロ-1H-インドール-6-イル エステル、4-[2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-6-メトキシ-3-ニトロ-インドール-1-イル]-フェノール、4-[7-ジメチルアミノメチル-2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-6-メトキシ-3-ニトロ-インドール-1-イル]-フェノール、4-[2-(2-ジメチルアミノ-ビニル)-7-ヒドロキシメチル-6-メトキシ-3-ニトロ-インドール-1-イル]-フェノール、4-(6-ヒドロキシ-2-メチル-3-ニトロ-インドール-1-イル)-安息香酸 エチルエステル、4-(6-ヒドロキシ-2-メチル-3-ニトロ-インドール-1-イル)-安息香酸、1-(4-メトキシ-フェニル)-2,5-ジメチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、5-クロロ-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、1-(4-メトキシ-フェニル)-2,5-ジメチル-3-ニトロ-1H-インドール-6

-オール。
【0048】
インドール誘導体である前記一般式(3)で表される化合物には以下のものが含まれる。R1、R2、R3、R4、R5、及びR6が、それぞれ独立に、アルキル基、不飽和炭化水素基、アシル基、アロイル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、アセトアミド基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルキルアミノ基、アルキルアミノアルキル基、アルキルアミノビニル基、アミノアルキル基、ヒドロキシアルキルアミノ基、ヒドロキシアルキルアミノアルキル基、ヒドロキシアルキルアミノビニル基、アリールアミノ基、アリールアミノビニル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキルチオ基、スルホンアミド基、スルホ基、カルボキシ基、メルカプト基、オキサロ基、ヒドロキシイミノアルキル基、チオカルバモイル基、ピロリル基、オキサゾル基、ハロゲン原子及び水素原子よりなる群から選ばれる基または原子であり、Bが、電子吸引基、電子供与基または水素原子を有してもよい、ベンゾイミダゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピリジン、ピリミジン、ジヒドロチオフェン-2-オン、テトラヒドロチオフェン-1,1-ジオキサイド、イソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、イソチアゾール、インドール、キノリン、ベンゾフラン、キノキサリン、クロマン-4-オン、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキサシン、ベンゾチアゾールである化合物またはその塩。
【0049】
本発明で言う低級アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、1-メチルプロピル、n-ヘキシル、イソヘキシル、1,1-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルプロピル、2-エチルブチルなどが挙げられる。好ましくは、メチルもしくはブチルである。
【0050】
本発明で言う低級アルコキシ基としては、例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、sec-ブトキシ、tert-ブトキシ、ペントキシ、ヘキシロキシ、へプチロキシ、オクチロキシなどが挙げられる。好ましくはメトキシである。
【0051】
本発明で言うハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられるが、好ましくは塩素または臭素である。
【0052】
本発明で言う低級アシル基として、ホルミル、アセチル、プロピオニル、ブチリルなどが挙げられるが、好ましくはアセチルである。
【0053】
本発明で言う環状構造を形成してもよい低級アルキル基としてシクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチルなどが挙げられるが、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルである。
【0054】
本発明で言う低級アルコキシカルボニルとして、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポオキシカルボニルなどが挙げられるが、好ましくはメトキシカルボニルもしくはエトキシカルボニルである。
【0055】
本発明で言うアミノカルボニルとしては、例えば、-CONR2(Rは同一でも異なってもよい水素原子、先に例示した低級アルキル基、置換基を有してもよいフェニル基を表す)などが挙げられる。
【0056】
本発明で言う二級アミノカルボニル基としては、例えば、-CONHR(先に例示した低級アルキル基、置換基を有してもよいフェニル基を表す)などが挙げられる。また、三級アミノカルボニル基としては、例えば、-CONR2(Rは同一でも異なってもよい先に例示した低級アルキル基、置換基を有してもよいフェニル基を表す)などが挙げられる。
【0057】
本発明で例示される化合物の塩としては、薬学的に許容しうる塩が望ましい。例えば、塩酸塩、硫酸塩、リン酸塩、臭化水素酸塩、酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、コハク酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩などを形成しても良い。
【0058】
本発明において記載されている化合物名は、IUPAC命名法、或いは市販のソフト(例えば、ChemDraw Ultra, CambridgeSoft社、米国)を用いて変換される名称を用いる。
【0059】
本発明の化合物は以下の述べる方法及びそれらに準ずる方法、または公知の方法(例えば、Khim. Geterotsikl. Soedin., No.1, p.40(1992))を行うことにより製造することが出来る。式(1)で表される化合物の製造法を以下に示す。
【化18】

【0060】
【化19】

【0061】
等量の化合物(I)とニトロメタンをエタノール中で、還流することにより、化合物(II)を製造することができる。
【化20】

【0062】
化合物(II)と等量以上の任意のアニリン誘導体、等量のp-トルエンスルホン酸を反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、テトラヒドロフランなどのエーテル類)に溶解し、室温で攪拌することにより製造することができる。
【0063】
【化21】

【0064】
任意のベンゾキノン誘導体と等量以上の化合物(III)を酢酸及び無水酢酸に溶解し、攪拌することににより化合物(1)を製造することができる。
【0065】
【化22】

式(2)で表される化合物の製造法を以下に示す。
【0066】
式(1)においてR4が水素である化合物をジオキサン中、N,N,N',N'-テトラアルキルジアミノメタンを等量以上混合し、還流することにより製造することができる。
【0067】
式(3)で表される化合物の製造法を以下に示す。
【化23】

【0068】
式(2)で示される化合物を、アルコール中(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)で、任意の置換機を有している一級もしくは二級アミノ基を有する化合物を等量以上混合し、還流することにより製造することができる。
【0069】
式(1)で表される化合物は、下記のスキームにより誘導化することが可能である。
【化24】

【0070】
式(1)で表される化合物と等量以上の任意のアルデヒド誘導体を反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒中(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類)で、攪拌することにより化合物(4)を得ることができる。
【0071】
式(1)で表される化合物は、下記のスキームにより誘導化することが可能である。
【化25】

【0072】
式(1)で表される化合物と等量以上のジメチルホルムアミドジエチルアセタールを反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒中(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類)で、攪拌することにより化合物(5)を得ることができる。さらにアルコール中(例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール)で、任意の置換機を有している一級もしくは二級アミノ基を有する化合物を等量以上混合し、還流することにより化合物(6)を得ることができる。
【0073】
式(1)で表される化合物は、下記のスキームにより誘導化することが可能である。
【化26】

【0074】
式(1)で表される化合物と等量以上のジN-ブロモスクシンイミドを反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒中(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルムなどのハロゲン溶媒)で、攪拌することにより化合物(7)を得ることができる。さらに反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒中(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルムなどのハロゲン溶媒)で、任意の求核試薬(例えば、一級及び二級アミン誘導体、メルカプト誘導体、アルコール誘導体)を等量以上混合し、攪拌することにより化合物(8)を得ることができる。
【0075】
式(9)で表される化合物は、下記のスキームにより誘導化することが可能である。
【化27】

【0076】
化合物(9)を反応に悪影響を及ぼさない適当な溶媒中(例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類、テトラヒドロフランなどのエーテル類、ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素類、四塩化炭素、クロロホルムなどのハロゲン溶媒)、炭酸カリウムなどの塩基存在下、ハロゲン化誘導体と混合することにより、化合物(10)を得ることができる。
【0077】
かくして得られる本発明の化合物またはその塩は、例えば、再結晶、蒸留、クロマトグラフィーなどの通常の分離手段により単離、精製することが出来る。かくして本発明の化合物が遊離体で得られた得られた場合には、公知の方法あるいはそれに準じた方法によって塩に変換することができる、逆に塩で得られた場合には。公知の方法あるいはそれに準じた方法により、遊離体または他の塩に変換することができる。化合物またはその塩が不斉炭素を有する場合もあるが、光学活性の混合物(ラセミ体)として得られた場合には、通常の光学分割手段によりそれぞれの光学活性に分離することができる。
【0078】
本発明の化合物は、幹細胞、好ましくは胚性幹細胞を未分化の状態で、増殖させ得る活性を有する。本発明で提供する化合物は、従来より簡便に、安全に、幹細胞、好ましくは胚性幹細胞を増殖する。本発明の化合物を含む細胞培養方法はまた、特定の分化誘導因子、および分化誘導因子の有用な組み合わせについてスクリーニングするために使用され得る。本発明の化合物、および培養方法を使用して、未分化な胚性幹細胞を増殖させる能力は、重要な治療適用を有する単一もしくは複数の遺伝的改変を有する胚性幹細胞系を産生する能力を含む重要な利益を提供する。
【0079】
本発明の化合物を用いて培養される細胞には、公知の方法および材料を使用して入手し得る全ての幹細胞および胚性幹細胞が含まれる。幹細胞には以下の公知の方法によって入手し得る幹細胞が一例として挙げられる。骨髄細胞(「骨髄移植ガイド」H.J.ディーグ、H.G.クリンゲマン、G.L.フィリップス著/笠倉新平訳)、骨髄幹細胞(Osawaら、 Science、 273、 p242-245、1996年、 Goodellら、 J.E.Med.183、 p1797-1806、1996年、Verfaillieら、Nature, 418, p41, 2002年)、神経幹細胞(Reynoldsら、Science、p1707-1710、1992年)、組織幹細胞(Goodellら、J.E.Med.183、p1797-1806、1996年、松崎ら、実験医学、19、p345-349、2001年、Blauら、Cell、105、p829-841、2001年)、間葉系幹細胞(Liechtyら、NatureMedicine、6、p1282-1286、2000年。Pittengerら、Science、284、p143-147、1999年)。皮膚幹細胞・表皮幹細胞(室田誠逸編、「再生医学・再生治療」現代化学増刊41、東京化学同人)。
【0080】
また、培養されるべき胚性幹細胞としては、 以下に示す、公知の方法および材料を使用して入手し得る。マウス胚性幹細胞:Evansら、Nature, 292, p154, 1981年、ウシES細胞:Schellanderら、Theriogenology,31,p15-17,1989年、豚ES細胞:Strojekら、Theriogenology,33:p901,1990年、羊ES細胞:Handyside、Roux's Arch.Dev.Biol.,196:p185,1987年、ハムスターES細胞:Doetschmanら,Dev.Biol.,127、p224,1988年、 サルES細胞:Thomsonら、Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 92, p7844, 1995年、カニクイザルES細胞:Suemoriら、Dev.Dyn.222、P273,2001年、ヒトES細胞:Thomsonら、Science, 282, p1145, 1998年、Reubinoffら、NatureBiotech, 18, p399, 2000年、ヒトEG細胞:Gearhartら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA, 95, p13726, 1998年。また、マウス胚性幹細胞(129SVおよびC57/BL6)は、大日本製薬より購入できる。
【0081】
胚性幹細胞の未分化を制御する分子のひとつとしてNanog遺伝子が同定されている(Mitsuiら、Cell、113、p631、2003年、Chambersら、Cell、113、p643、2003年)。Nanog遺伝子は、マウス、ヒトでその存在が確認され、遺伝子破壊により発現を抑制すると、胚性幹細胞の全能性は失われ、逆に、Nanog遺伝子を強発現させて発現量を増加させると、胚性幹細胞の未分化を維持することができる。
【0082】
従って、Nanog遺伝子の発現量を増加させ得る物質は、胚性幹細胞の未分化維持、即ち、全能性の胚性幹細胞の培養に利用することができる。
【0083】
また、Nanog遺伝子の強発現はSTAT3の活性化を誘導せず、かつ、STAT3の活性化がNanog遺伝子の発現を誘導しないことから、Nanog遺伝子はLIFおよびSTAT3非依存的に胚性幹細胞の未分化を維持する。即ち、Nanog遺伝子の発現量を増加させ得る物質は、LIFによる未分化維持の効果が認められない胚性幹細胞、例えばサルES細胞や、ヒトES細胞などにおいても、未分化を維持培養に用い得ることが示唆される。
【0084】
本発明の化合物にはNanog遺伝子の発現量を増加させる低分子化合物が含まれる。即ち、本発明の化合物にはNanog遺伝子の発現量の増加を介して胚性幹細胞の未分化維持能を発揮する低分子化合物が含まれる。
【0085】
最近の報告によれば、多能性の幹細胞の一種である骨髄由来間葉系幹細胞において、マウス由来の骨髄間葉系細胞の培養はLIF依存的であるが、ヒト由来の細胞はLIF非依存的であると、胚性幹細胞と同様の現象が認められていることが報告されている(Verfaillieら、Nature, 418,p41, 2002年)。これは、多分化能を示す幹細胞は、胚性幹細胞と同様の未分化維持機構を有している可能性を示唆している。従って、霊長類幹細胞においても、胚性幹細胞と同様に、LIF-STAT3経路とは異なるシグナルによって未分化が維持されている可能性が考えられる。本発明の化合物は、STAT3を介さずに細胞の未分化状態を維持する活性を有する低分子化合物が含まれる。
【0086】
本発明により提供される化合物は、全ての幹細胞および胚性幹細胞に用いることができるが、哺乳類の幹細胞および胚性幹細胞に用いることが望ましく、霊長類の幹細胞および胚性幹細胞に用いることが好ましい。
【0087】
本発明の化合物を用いて培養した胚性幹細胞の未分化程度は幹細胞の細胞膜上に存在するアルカリホスファターゼ(ALP)活性を測定することにより確認することができる。未分化な胚性幹細胞ではALPの活性が維持され、分化すると減少することが知られている(Williamsら、Nature、336、p684、1988年。Thomsonら、Science、282、 p1145,、1998年。)。不溶性基質を用いた染色法、あるいは水溶性基質を用いた分光学的測定法などによりアルカリホスファターゼ(ALP)活性を検出する方法が挙げられる。
【0088】
一つの実施態様において、分光学的測定法によりALP活性を定量することができる。培養ディッシュ上の細胞にパラニトロフェニルホスフェイト(pNPP)のアルカリ性溶液を添加する。細胞膜上に存在するALPによってpNPPが加水分解され、パラニトロフェノールが生じる。生成した溶液の405nmの吸光度を測定することによって、アルカリホスファターゼ活性を定量することができる。実施例 に記載の方法により、本発明の化合物を添加して培養した胚性幹細胞のALP活性を測定すると、化合物を含まない培地にて培養したコントロールの胚性幹細胞にくらべ有意に高いALP活性を有していることが示される。即ち本発明の化合物が、胚性幹細胞の未分化状態を維持して増殖させ得ることが確認される。
【0089】
他の実施態様において、ALP染色法によりALP活性を検出することもできる。培養ディッシュ上の細胞に、基質としてリン酸エステル塩とジアゾニウム塩を含む反応溶液を添加する。細胞膜状に存在するアルカリホスファターゼによりリン酸エステル塩が加水分解され、次いでジアゾニウム塩とカップリング反応することによりアゾ色素が生じ、ALP活性部位に色素が沈殿する。染色されたコロニー数を計測することにより細胞のALP活性を定量化することが可能となり、即ち細胞の未分化度合いを定量することができる。実施例 に記載の方法により、本発明の分化抑制剤を用いて培養した胚性幹細胞をALP染色すると、分化抑制剤を用いないコントロール細胞に比べ有意にALP活性が高いことが示され、即ち本発明の分化抑制剤が、胚性幹細胞の未分化状態を維持して増殖させ得ることが確認される。
【0090】
また、胚性幹細胞の未分化程度はOct-3/4遺伝子の発現量を測定することによって確認することができる。Oct-3/4遺伝子はPOUファミリーに属する転写因子で、胚性幹細胞、胚性癌細胞(EC細胞)で、未分化状態特異的に発現し(Okamotoら、Cell、60、p461、1990年)、胚発生においても未分化細胞系譜においてのみ発現し(Scholer、Trends Genet、7、 p323、 1991年)、さらに、Oct-3/4遺伝子破壊マウスのホモ個体は胚盤胞期で発生を停止することから未分化状態維持に重要な機能を有していることが明らかにされている(Nicholsら、Cell、 95、 p379、 1998年)。また、一方、Oct-3/4遺伝子の過剰発現は胚性幹細胞の分化を促進することが最近明らかにされ(Niwaら、Nat .Genet. 24、 p372、2000年)、Oct-3/4の発現量をある一定の範囲に保つことが未分化状態の維持に重要である。Oct-3/4遺伝子の発現量を測定する一つの実施態様としては定量的PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)法を用いることができる。
【0091】
一つの実施態様においてはリアルタイムPCR法が用いられ、幅広いダイナミックレンジをもち、簡便で信頼性のある定量測定が可能である。リアルタイムPCR技術には、ABIPRISM7700TM (Applied Biosystems)を使用したTaq Manプローブを用いる方法や、LightCyclerTM(ロシュ・ダイアグノスティック)を用いた方法がある。特に後者の場合はPCRの温度サイクルが数十分で終了する高速反応サイクルのもとで、サイクルごとに合成されるDNAの増幅量変化をリアルタイムに検出できる。リアルタイムPCR法のDNA検出法としては、DNA結合色素(インターカレーター)、ハイブリダイゼーション・プローブ(キッシングプローブ)、TaqManプローブおよびSunriseユニプライマー(モレキュラー・ビーコン)を利用する4種類の方法がある。また、DNA結合色素、例えばSYBR GreenIを利用してOct-3/4遺伝子の発現量を解析することができる。SYBR GreenIはDNAの二本鎖特異的に結合色素であり、二本鎖に結合することで本来の蛍光強度が増強される。PCR反応時にSYBR GreenIを加え、伸張反応の各サイクルの終わりに蛍光強度を測定すれば、PCR産物の増加が検出できる。Oct-3/4遺伝子を検出するには通常のPCRと同様にOct-3/4遺伝子の配列をもとに、市販の遺伝子解析ソフトウェアなどを用いてプライマーを設計する。SYBR GreenIは非特異的産物も検出してしまうため最適なプライマーの設定が必要となる。設計基準としては、オリゴマーの長さ、配列の塩基組成、GC含量、およびTm値などに留意が必要である。
【0092】
多くの場合、定量PCRにおいて明らかにすることを目的とするのは、サンプル一定量当たりの目的DNA量である。このためには最初に反応系に加えたサンプル量の評価が必要である。この場合サンプル量を反映するような内部標準となる別のDNAを目的DNAとは別に測定し、最初に反応系に加えたサンプル量を補正することができる。サンプル量を補正する目的で用いる内部標準には、通常、組織によって発現量に差がないと考えられているハウスキーピング遺伝子を用いることができる。例えば、解糖系の主要酵素であるグリセロアルデヒドリン酸脱水素酵素(GAPDH)、細胞骨格の構成成分であるβアクチンまたはγアクチン、リボゾームの構成蛋白質であるS26などの遺伝子が挙げられる。
【0093】
Oct-3/4遺伝子の発現レベルは、本発明の化合物に暴露された細胞について決定することができる。化合物に暴露されていない、即ち、胚性幹細胞から分化誘導されたコントロール細胞のOct-3/4遺伝子発現量にくらべ、有意にOct-3/4遺伝子の発現量を維持させることができる活性を有するものが、胚性幹細胞の未分化を維持する化合物であるとみなされる。
【0094】
最適化された胚性幹細胞の未分化維持化合物をスクリーニングするさらに他の方法として、ステージ特異的胚抗原(Stage Specific Embryonic Antigen)(以後SSEAと記載)-1、 SSEA-3、 SSEA-4などの未分化な細胞に特異的に発現する抗原を検出方法が挙げられる(Smithら、 Nature、 336、 p688、 1988年、Solterら、Proc. Natl. Acad. Sci.U.S.A、75、p5565、1978年、Kannagiら、EMBO J.2、p2355、1983年)。
【0095】
一つの実施態様において、SSEA-1などの表面抗原は、同抗原を認識する特異的抗体(一次抗体)とインキュベートし、さらに蛍光標識のようなレポーターと結合した第二の抗体(二次抗体)とインキュベートことにより、標識することができる。この操作により目的の抗原を発現する細胞が、蛍光性になる。次いで、標識された細胞を標準的な方法、例えばフローサイトメーターを用いて、計数、さらには分取され得る。次いで、標識および非標識細胞の数は、目的とする培養基材の効果を決定するために比較され得る。あるいは、非標識細胞表面マーカー抗体に曝露された後、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)形式において、その細胞は、抗細胞表面抗原抗体(例えば抗SSEA-1抗体)に対して特異的な第二の抗体に曝露され得、そこから、所望の表面抗原を発現する細胞の数が、比色定量的に、または蛍光を測定することにより定量され得る。表面抗原を発現する細胞を定量するさらに他の方法も、細胞培養の当業者に周知である。
【0096】
本発明の化合物は、動物細胞培養用基礎培地である任意の哺乳類細胞培養基本培地に添加して使用することができる。動物細胞基本培地の例としては、ダルベッコ改変イーグル培地:DMEM、ノックアウトDMEM、グラスゴーMEM:GMEM、RPMI1640、IMDM(以上 GIBCO社製、米国)などが挙げられるがこれらに限定されない。1つの実施態様としての細胞培地はダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)である。さらにこれらの基礎培地に血清または血清代替物としての各種増殖因子を添加して用いることもできる。血清は、幹細胞ならびに胚性幹細胞の増殖および生存性の維持に効果的である栄養素を供給する任意の血清、または、血清ベースの溶液であり得る。このような血清の例には、ウシ胎仔血清(FCS)、ウシ血清(CS)、馬血清(HS)などがあり、また、血清代替物としては当業者に周知のもの、蛋白質、アミノ酸、脂質、ビタミンなどを単独で、或いは組み合わせて用いることが出来る。蛋白質としてはインスリン、トランスフェリン、アルブミン、ペプトン、FGF(Fibroblast Growth Factor)、EGF(EpitherialGrowth Factor)などが、アミノ酸としてはアルギニン、システイン、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、セリン、スレオニン、トリプトファン、チロシン、バリンなどが、ビタミンとしては、パントテン酸、コリン、葉酸、イノシトール、ニコチン酸アミド、リボフラビン、チアミン、ピリドキシンなどが例示されるがこれらに限定されない。1つの実施態様において、血清はウシ胎仔血清である。より特定の実施態様において、ウシ胎仔血清は約25%と約1%との間の濃度で提供される。さらにより特定の実施態様において、細胞培地でのウシ胎仔血清濃度は15%である。また、他の実施態様において、血清代替物はノックアウト血清リプレースメント:KSR(GIBCOBRL社製、米国)である。
【0097】
細胞培地は、抗酸化剤(還元剤)(例えば、β−メルカプトエタノール)も含む。ある好適な実施態様において、β−メルカプトエタノールは、約0.1mMの濃度を有する。他の抗酸化剤 (例えば、モノチオグリセロール、もしくは、ジチオス レイトール(DTT)の単独もしくは組み合わせ)が同様の効果のために使用され得る。さらに他の等価な物質は、細胞培養の分野の当業者に周知である。
【0098】
本発明の化合物を任意の細胞培養基本培地に添加して使用する場合の濃度としては、0.1ng/ml〜1mg/mlの範囲で使用することが望ましく、好ましくは10ng/ml〜100μg/ml、さらに好ましくは100ng/ml〜10μg/mlの範囲で使用することである。
【0099】
本発明の化合物ならびにその有効成分は、任意の培養基材とともにあるいは培養基材に固定して使用することもできる。培養基材には多孔質体を使用することがでる。多孔質体とは、微細な孔を多数有する基材のことをいい、その材質、厚さ、形状、寸法などは特に限定はない。多孔質体の材質は、有機材料、無機材料及び有機材料と無機材料からなる複合材料であっても良い。多孔質体の形状は平板状、球状、棒状、繊維状、中空状のいずれの形態であっても良く、例えば、フィルム、シート、膜、板、不織布、ろ紙、スポンジ、織物、編物、塊、糸、中空糸、粒子等が挙げられる。細胞を培養するにあたって、3次元的に培養できるように細胞を支持する孔の大きさを簡単に制御できることや、基材作製の容易さ及びコストなどを考慮すると不織布がより好ましい。多孔質体の孔の大きさについては、特に限定はないが、細胞を3次元的に支持できるようにすることを考慮すると、平均孔径が、0.1μm以上100μm以下であることが好ましく、1μm以上50μm以下がさらに好ましい。繊維径については特に限定はないが、0.03デニール以下が好ましい。
【0100】
上記の多孔質体は、細胞の接着性や分化維持機能、増殖能を向上させるために、高分子化合物により表面コーティング処理を施されていても良い。高分子物質とは、1種以上の繰り返し構成単位の単量体が1次元、2次元、3次元的に連なった分子量数百以上の物質のことをいう。高分子物質は、大きく天然高分子物質、半合成高分子物質、合成高分子物質の3つに分類することができ、本発明においていずれの高分子物質も使用することができる。
【0101】
例えば、天然高分子物質としては、マイカ(雲母)、アスベスト(石綿)、グラファイト(石墨)、ダイアモンド、でんぷん、セルロース、アルギン酸等に代表される糖類及びゼラチン、フィブロネクチン、フィブリノーゲン等に代表されるタンパク質等が挙げられる。半合成高分子物質としては、ガラス、硝酸セルロース、酢酸セルロース、塩酸ゴム、カルボキシメチルセルロース等が挙げられる。合成高分子物質としては、ポリホスホニトリルクロライド、ポリエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリスルホン、ポリアクリロニトリル、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリジメチルアミノエチルメタクリレート及びヒドロキシエチルメタクリレートとジメチルアミノエチルメタクリレートの共重合体に代表されるような2種類以上の合成単量体からなる共重合体等が挙げられる。
【0102】
コーティング処理のし易さを考慮すると、有機高分子物質が好ましく、タンパク質やペプチド並びに有機合成高分子物質がさらに好ましい。
【0103】
本発明の化合物を固定した培養基材を細胞捕捉材として用いることにより、複数の異なる細胞からなる集団から、幹細胞或いは胚性幹細胞を分離し、かつ、培養を行える方法及び装置が提供され得る。即ち、幹細胞或いは胚性幹細胞と、除去対象細胞を含む細胞含有液を本発明の化合物を固定した、多孔質体などの培養基材からなる細胞捕捉材が充填されている容器に導入し、細胞捕捉材に幹細胞或いは胚性幹細胞を捕捉させ、除去対象細胞を容器外に導出した後に容器ごと培養することを特徴とする幹細胞或いは胚性幹細胞培養方法であり、また本発明の化合物を固定化した培養基材からなる細胞捕捉材を容器に充填した細胞培養装置であって、前記細胞捕捉材は細胞培養用担体として使用し得るものであり、前記容器は細胞培養に使用し得るものであることを特徴とする細胞培養装置である。除去対象細胞とは、幹細胞或いは胚性幹細胞以外の全ての細胞をいう。また、幹細胞或いは胚性幹細胞から分化して、多分化能を失った細胞もこれに含まれる。細胞捕捉材に導入する細胞含有液としては、幹細胞或いは胚性幹細胞を含有する細胞液であればいかなるものでもよく、一例として、血液、骨髄、砕片組織液、或いは、幹細胞、胚性幹細胞の培養液などがあげられる。
【0104】
本発明によって提供される化合物は、幹細胞、または胚性幹細胞の増殖に対する改善された分化抑制剤として適用され、また、化合物を用いた幹細胞または/および胚性幹細胞の培養方法および培養液は、幹細胞または胚性幹細胞が有用であるすべての技術に対して適用されることが予想される。
【0105】
本発明の化合物、培養方法および培養液を用いて産生される細胞は、そのままで、または分化させて細胞移植に用いたり、人工支持組織の利用と併せ人工的な組織構築に使用され、生体内へ移植したり人工臓器として利用されうる。幹細胞の細胞移植治療や組織工学への利用は、ドナーにおける移植片摘出後の組織欠損やドナー不足など、従来の自家移植を含む移植治療が抱える問題点を解決できる。移植のために培養された細胞や組織は、治療のため、採取した人と同一人に戻す場合と他人に移植する場合があるが、本発明の細胞等はいずれにも用いることができる。さらに本発明の化合物、それを用いた培養方法、それを含む培養液により得られた細胞は、幹細胞、好ましくは胚性幹細胞のモニタリングまたは幹細胞収集を改良する物質についてスクリーニングするために使用される。例えば、推定の幹細胞或いは胚性幹細胞分化誘導物質は、上記の方法を用いて増殖させた細胞培養物へ添加され得る。推定の幹細胞或いは胚性幹細胞分化誘導物質を欠損した対照細胞培養物と比較して、三胚葉系列への分化を誘導し得る物質は、胚性幹細胞分化誘導因子として同定される。
【0106】
本発明の化合物またはその塩は、優れた幹細胞未分化維持ならびに増殖能を有することから、病気または外傷などにより傷害を受けた組織または器官の治療剤として用いることができる。対象となる疾患としては、例えば皮膚関連では、熱傷、難治性皮膚潰瘍、じょくそう、肥厚性瘢痕、母斑、刺青など、骨関連では、骨折、骨粗しょう症など、軟骨関連では、変形性関節症、慢性リウマチ、椎間板ヘルニア、骨端症、スポーツ障害など、神経関連では、パーキンソン病、ハンチントン病、アルツハイマー病、外傷による四肢の神経切断、頭頸部外科・胸部外科に伴う損傷、顔面神経麻痺、横隔膜神経損傷、骨盤内神経損傷など、歯関連では歯周病・歯槽膿漏による歯槽骨損傷、無歯症が、毛髪では男性型脱毛症が、角膜では先天性異常、内皮細胞代償不全、角膜感染による混濁、角膜変性症、角膜形状異常など、血管関連では高血圧、慢性動脈閉塞症、虚血性心疾患など、心筋では心筋梗塞、膵臓では糖尿病など、肝臓では肝炎、肝硬変、肝不全などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0107】
本発明化合物は、上記の疾患に対して予防および/または治療剤として、経口投与または非経口投与のいずれも可能であり、薬学的に許容される担体と混合し、通常、錠剤、カプセル剤、顆粒剤、散剤など固形製剤として経口投与されるか、静脈内、皮下、筋肉内などに注射剤、坐薬若しくは舌下錠などとして非経口投与される。また、舌下錠、マイクロカプセルなどの徐放製剤として、舌下、皮下および筋肉内などに投与してもよい。一日の投与量は、症状の程度;投与対象の年齢、性別、体重、感受性差;投与の時期、間隔、医薬製剤の性質、調剤、種類;有効成分の種類などによって異なり、特に限定されないが、前述の性ホルモン依存性ガン(例、前立腺ガン、子宮ガン、乳ガン、下垂体腫瘍など)、前立腺肥大症、子宮筋腫、子宮内膜症、思春期早発症などの治療に用いる場合は、通常、哺乳動物1kg体重あたり約0.01〜100mg、好ましくは約0.02〜20mg、更に好ましくは0.1〜10mg、最も好ましくは0.5〜10mgを、通常1日1〜4回に分けて投与する。畜産または水産分野で使用する場合の投与量も上記に準ずるが、投与対象生物1kg体重あたり約0.01〜30mg、好ましくは約0.1〜10mgを、通常一日1〜3回に分けて投与する。化合物の本発明の医薬組成物中の含有量は、組成物全体の約0.01ないし100重量%である。上記薬学的に許容される担体としては、製剤素材として慣用の各種有機あるいは無機担体物質が用いられ、固形製剤における賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤;液状製剤における溶剤、溶解補助剤、懸濁化剤、等張化剤、緩衝剤、無痛化剤などとして配合される。また必要に応じて、防腐剤、抗酸化剤、着色剤、甘味剤などの製剤添加物を用いることもできる。上記賦形剤の好適な例としては、例えば乳糖、白糖、D-マンニトール、デンプン、結晶セルロース、軽質無水ケイ酸などが挙げられる。上記滑沢剤の好適な例としては、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、タルク、コロイドシリカなどが挙げられる。上記結合剤の好適な例としては、例えば結晶セルロース、白糖、D-マンニトール、デキストリン、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが挙げられる。上記崩壊剤の好適な例としては、例えばデンプン、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、カルボキシメチルスターチナトリウムなどが挙げられる。上記溶剤の好適な例としては、例えば注射用水、アルコール、プロピレングリコール、マクロゴール、ゴマ油、トウモロコシ油などが挙げられる。上記溶解補助剤の好適な例としては、例えばポリエチレングリコール、プロピレングリコール、D-マンニトール、安息香酸ベンジル、エタノール、トリスアミノメタン、コレステロール、トリエタノールアミン、炭酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムなどが挙げられる。上記懸濁化剤の好適な例としては、例えばステアリルトリエタノールアミン、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリルアミノプロピオン酸、レシチン、塩化ベンザルコニウム、塩化ベンゼトニウム、モノステアリン酸グリセリンなどの界面活性剤;例えばポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどの親水性高分子などが挙げられる。上記等張化剤の好適な例としては、例えば塩化ナトリウム、グリセリン、D-マンニトールなどが挙げられる。上記緩衝剤の好適な例としては、例えばリン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、クエン酸塩などの緩衝液などが挙げられる。無痛化剤の好適な例としては、例えばベンジルアルコールなどが挙げられる。上記防腐剤の好適な例としては、例えばパラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、ベンジルアルコール、フェネチルアルコール、デヒドロ酢酸、ソルビン酸などが挙げられる。上記抗酸化剤の好適な例としては、例えば亜硫酸塩、アスコルビン酸などが挙げられる。
【0108】
本発明化合物に、懸濁化剤、溶解補助剤、安定化剤、等脹化剤、保存剤などを添加し、自体公知の方法により静脈、皮下、筋肉内注射剤とすることができる。その際必要により自体公知の方法により凍結乾燥物とすることも可能である。本発明化合物を例えばヒトに投与する場合は、それ自体あるいは適宜の薬理学的に許容される担体、賦形剤、希釈剤と混合し、医薬組成物として経口的または非経口的に安全に投与することができる。上記医薬組成物としては、経口剤(例、散剤、顆粒剤、カプセル剤、錠剤)、非経口剤〔例、注射剤、点滴10 剤、外用剤(例、経鼻投与製剤、経皮製剤など)、坐剤(例、直腸坐剤、膣坐剤など)など〕が挙げられる。これらの製剤は、製剤工程において通常一般に用いられる自体公知の方法により製造することができる。
【0109】
本発明化合物は分散剤(例、ツイーン(Tween)80(アトラスパウダー社製、米国)、HCO60(日光ケミカルズ製)ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウムなど)、保存剤(例、メチルパラベン、プロピルパラベン、ベンジルアルコールなど)、等張化剤(例、塩化ナトリウム、マンニトール、ソルビトール、ブドウ糖など)などと共に水性注射剤に、あるいはオリーブ油、ゴマ油、綿実油、コーン油などの植物油、プロピレングリコールなどに溶解、懸濁あるいは乳化して油性注射剤に成形し、注射剤とすることができる。経口剤とするには、自体公知の方法に従い、本発明化合物を例えば賦形剤(例、乳糖、白糖、デンプンなど)、崩壊剤(例、デンプン、炭酸カルシウムなど)、結合剤(例、デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロース、ポリビニールピロリドン、ヒドロキシプロピルセルロースなど)または滑沢剤(例、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール6000など)などを添加して圧縮成形し、次いで必要により、味のマスキング、腸溶性あるいは持続性の目的のため自体公知の方法でコーティングすることにより経口投与製剤とすることができる。そのコーティング剤としては、例えばヒドロキシプロピルメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリオキシエチレングリコール、ツイーン80、プルロニックF68、セルロースアセテートフタレート、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、ヒドロキシメチルセルロースアセテートサクシネート、オイドラギット(ローム社製、ドイツ,メタアクリル酸・アクリル酸共重合)および色素(例、ベンガラ、二酸化チタンなど)などが用いられる。腸溶性製剤とする場合、腸溶相と薬剤含有相との間に両相の分離を目的として、自体公知の方法により中間相を設けることもできる。
【0110】
外用剤とするには、自体公知の方法に従い、本発明化合物を固状、半固状または液状の外用投与剤とすることができる。例えば、上記固状のものとしては、本発明化合物をそのまま、あるいは賦形剤(例、グリコール、マンニトール、デンプン、微結晶セルロースなど)、増粘剤(例、天然ガム類、セルロース誘導体、アクリル酸重合体など)などを添加、混合して粉状の組成物とする。上記液状のものとしては、注射剤の場合とほとんど同様に油性または水性懸濁剤とする。半固状の場合は、水性または油性のゲル剤、あるいは軟膏状のものがよい。また、これらはいずれも、pH調節剤(例、炭酸、リン酸、クエン酸、塩酸、水酸化ナトリウムなど)、防腐剤(例、パラオキシ安息香酸エステル類、クロロブタノール、塩化ベンザルコニウムなど)などを加えてもよい。例えば坐剤とするには、自体公知の方法に従い、本発明化合物を油性または水性の固状、半固状あるいは液状の坐剤とすることができる。上記組成物に用いる油性基剤としては、例えば高級脂肪酸のグリセリド〔例、カカオ脂、ウイテプゾル類(ダイナマイトノーベル社製,ドイツ)など〕、中級脂肪酸〔例、ミグリオール類(ダイナマイトノーベル社製,ドイツ)など〕、あるいは植物油(例、ゴマ油、大豆油、綿実油など)などが挙げられる。また、水性基剤としては、例えばポリエチレングリコール類、プロピレングリコール、水性ゲル基剤としては、例えば天然ガム類、セルロース誘導体、ビニール重合体、アクリル酸重合体などが挙げられる。
【実施例】
【0111】
実施例
本発明は、以下の実施例及び実施例によって詳しく説明されるが、単なる実例であり、本発明を限定するものではない。また、本発明の範囲を逸脱しない範囲で変化させてもよい。以下の実施例及び実施例に記載の「室温」は0ないし30℃を示す。「%」は特記しない限り重量パーセントを意味する。その他の本文中で用いられている略号は下記の意味を示す。
【0112】
実施例1:ジメチル-(1-メチル-2-ニトロ-ビニル)-アミンの合成
【化28】

【0113】
N,N-ジメチルアセトアミドジメチルアセタール(6.3ml)、ニトロメタン(2.1ml)、エタノール(10ml)加え還流した。反応進行後、溶剤を留去し、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:1(v/v))により精製し、ジメチル-(1-メチル-2-ニトロ-ビニル)-アミン(3.55g)を得た。1H-NMR(DMSO-d6,TMS基準)δ(ppm):2.54(s,3H),3.05(s,6H), 6.72(s,1H)
【0114】
実施例2:1-(4-メトキシ-2-メチル-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オールの合成
【化29】

【0115】
ジメチル-(1-メチル-2-ニトロ-ビニル)-アミン(515mg),p-トルエンスルホン酸(750mg), 4-メトキシ-2-メチル-フェニルアミン(1.63g)、DMF(3ml)加え、室温で攪拌した。蒸留水を約100ml加え、生じた沈殿を濾別し、次の反応に用いた。先ほどの沈殿(240mg)、p-ベンゾキノン(67mg)に酢酸(2ml)、無水酢酸(0.2ml)を加え、アルゴン置換後、室温で一晩攪拌し、生じた沈殿を濾別し、酢酸及び蒸留水で洗浄することにより1-(4-メトキシ-2-メチル-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール(34mg)を得た。1H-NMR(DMSO-d6,TMS基準)δ(ppm):1.88(s,3H),2.50(s,3H), 3.86(s,3H),6.19(d,J=2.4Hz,1H),6.87(dd,J=2.0及び8.4Hz,1H),7.03(dd,J=2.8Hz及び7.0Hz,1H),7.13(d,J=2.4Hz,1H),7.35(d,J=8.8Hz,1H),7.96(d,J=8.4Hz,1H), 9.45(s,1H)
【0116】
実施例3:1-(4-メトキシ-フェニル)-2,5-ジメチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オールの合成
【化30】

【0117】
ジメチル-(1-メチル-2-ニトロ-ビニル)-アミン(479mg),p-トルエンスルホン酸(700mg), 4-メトキシ-フェニルアミン(1.37g)、DMF(2ml)加え、室温で攪拌した。蒸留水を約100ml加え、生じた沈殿を濾別し、次の反応に用いた。先ほどの沈殿(170mg)、2-メチル-p-ベンゾキノン(68mg)に酢酸(2ml)、無水酢酸(0.2ml)を加え、アルゴン置換後、室温で一晩攪拌し、生じた沈殿を濾別し、酢酸及び蒸留水で洗浄することにより、1-(4-メトキシ-フェニル)-2,5-ジメチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール(6mg)を得た。1H-NMR(DMSO-d6,TMS基準)δ(ppm):2.43(s,3H),2.56(s,3H), 3.87(s,3H),6.45(s, 1H),7.21(d,J=8.8Hz,2H),7.46(d,J=8.8Hz,2H), 7.86(s, 1H)
【0118】
実施例4:4-(6-ヒドロキシ-2-メチル-3-ニトロ-インドール-1-イル)-安息香酸 エチルエステルの合成
【化31】

【0119】
ジメチル-(1-メチル-2-ニトロ-ビニル)-アミン(0.67g),p-トルエンスルホン酸(1g), 4-アミノ安息香酸エチルエステル(2.6g)、DMF(6ml)加え、室温で攪拌した。蒸留水を約100ml加え、生じた沈殿を濾別し、次の反応に用いた。先ほどの沈殿(190mg)、p-ベンゾキノン(34mg)に酢酸(2ml)、無水酢酸(0.2ml)を加え、アルゴン置換後、室温で一晩攪拌し、生じた沈殿を濾別し、酢酸及び蒸留水で洗浄することにより、4-(6-ヒドロキシ-2-メチル-3-ニトロ-インドール-1-イル)-安息香酸 エチルエステル(19mg)を得た。1H-NMR(DMSO-d6,TMS基準)δ(ppm):1.37(t,J=7.2Hz,3H),2.60(s,3H),4.39(q,J=7.2Hz,2H), 6.42(d,J=2.0Hz,1H),6.90(dd,J=8.6及び2.0Hz,1H),7.61(d,7.4Hz,2H),7.98(d,J=8.8,1H),8.23(d,J=8.4Hz,2H),9.60(s,1H)
【0120】
実施例5:1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オールの合成
【化32】

【0121】
ジメチル-(1-メチル-2-ニトロ-ビニル)-アミン(217mg),p-トルエンスルホン酸(317mg), 4-メトキシ-フェニルアミン(620mg)、DMF(3ml)加え、室温で攪拌した。蒸留水を約100ml加え、生じた沈殿を濾別し、次の反応に用いた。先ほどの沈殿(50mg)、p-ベンゾキノン(18mg)に酢酸(1ml)、無水酢酸(0.1ml)を加え、アルゴン置換後、室温で一晩攪拌し、生じた沈殿を濾別し、酢酸及び蒸留水で洗浄することにより、1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール(4mg)を得た。1H-NMR(DMSO-d6,TMS基準)δ(ppm): 2.56(s,3H),3.88(s,3H), 6.37(d,J=2.0Hz,1H),6.87(dd,J=8.8及び2.0Hz,1H),7.20(dd,6.8Hz及び2.0Hz,2H),7.47(dd,J=7.0及び1.6Hz,2H),7.95(d,J=8.4Hz,1H)
【0122】
実施例6:7-ジメチルアミノメチル-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オールの合成
【化33】

【0123】
1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール(107mg),ジオキサン(2ml)、N,N-テトラメチルメタン(62ul)を加え、還流した。室温まで戻し、溶剤を留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1(v/v))により精製し、7-ジメチルアミノメチル-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール(86mg)を得た。1H-NMR(DMSO-d6,TMS基準)δ(ppm):1.93(s,6H),2.42(s,3H),2.98(s,2H),3.88(s,3H),6.86(d,J=8.8Hz,1H),7.18(d,J=8.8Hz,2H),7.44(d,J=8.8Hz,2H),7.99(d,J=8.8Hz,1H)
【0124】
実施例7:1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-7-プロピルアミノメチル-1H-インドール-6-オールの合成
【化34】

【0125】
7-ジメチルアミノメチル-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール(20mg),2-プロパノール(5ml),n-プロピルアミン(14ul)を加え、還流した。室温まで戻し、溶剤を留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=25:1(v/v))により精製し、1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-7-プロピルアミノメチル-1H-インドール-6-オール(7.2mg)を得た。1H-NMR(DMSO-d6,TMS基準)δ(ppm):0.77(t,J=7.4Hz,3H),1.27(m,2H),2.14(t,J=7.0Hz,2H),2.42(s,3H),3.25(s,2H),3.87(s,3H),6.80(d,J=8.8Hz,1H),7.17(d,J=8.8Hz,2H),7.46(d,J=8.4Hz,2H),7.95(d,J=8.8Hz,2H)
【0126】
実施例8:1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オールの合成
【化35】

【0127】
ジメチル-(1-メチル-2-ニトロ-ビニル)-アミン(0.52g),p-トルエンスルホン酸(0.76g), 3-クロロ-4-メトキシ-フェニルアミン (0.94g)、DMF(5ml)加え、室温で攪拌した。蒸留水を約100ml加え、生じた沈殿を濾別し、次の反応に用いた。先ほどの沈殿(1.39g)、p-ベンゾキノン(0.42g)に酢酸(20ml)、無水酢酸(2ml)を加え、アルゴン置換後、室温で一晩攪拌し、生じた沈殿を濾別し、酢酸及び蒸留水で洗浄することにより、1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール(61mg)を得た。同定は1H-NMR(DMSO-d6,TMS基準)により行った。
【0128】
実施例9:5-クロロ-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オールの合成
【化36】

【0129】
ジメチル-(1-メチル-2-ニトロ-ビニル)-アミン(0.74g),p-トルエンスルホン酸(1.1g), 4-メトキシ-フェニルアミン(1.07g)、DMF(5ml)加え、室温で攪拌した。蒸留水を約100ml加え、生じた沈殿を濾別し、次の反応に用いた。先ほどの沈殿(0.92g)、2-クロロ-p-ベンゾキノン(0.44g)に酢酸(5ml)、無水酢酸(0.5ml)を加え、アルゴン置換後、室温で一晩攪拌し、生じた沈殿を濾別し、酢酸及び蒸留水で洗浄することにより、5-クロロ-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール(138mg)を得た。同定は1H-NMR(DMSO-d6,TMS基準)により行った。
【0130】
実施例10:4-(6-ヒドロキシ-2-メチル-3-ニトロ-インドール-1-イル)-安息香酸の合成
【化37】

【0131】
4-(6-ヒドロキシ-2-メチル-3-ニトロ-インドール-1-イル)-安息香酸 エチルエステル(65mg),1N水酸化カリウム水溶液(10ml),メタノール(10ml)を加え、3時間攪拌した。不溶物がなくなったことを確認し、徐々に8N塩酸水溶液により酸性にし、生じた沈殿を濾別後、4-(6-ヒドロキシ-2-メチル-3-ニトロ-インドール-1-イル)-安息香酸(23mg)を得た。同定は1H-NMR(DMSO-d6,TMS基準)により行った。
【0132】
実施例11:1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オールの合成
【化38】

【0133】
ジメチル-(1-メチル-2-ニトロ-ビニル)-アミン(0.89g),p-トルエンスルホン酸(1.3g)4-アミノ-フェノール (1.1g)、DMF(5ml)加え、室温で攪拌した。蒸留水を約100ml加え、生じた沈殿を濾別し、次の反応に用いた。先ほどの沈殿(0.98g)、p-ベンゾキノン(0.37g)に酢酸(25ml)、無水酢酸(2.5ml)を加え、アルゴン置換後、40℃で一晩攪拌し、生じた沈殿を濾別し、酢酸及び蒸留水で洗浄することにより、1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール(120mg)を得た。1H-NMR(DMSO-d6,TMS基準)により同定を行った。
【0134】
実施例12:1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オールの合成
【化39】

【0135】
ジメチル-(1-メチル-2-ニトロ-ビニル)-アミン(1.40g),p-トルエンスルホン酸(2.05g)5-アミノ-2-メトキシ-フェノール (2.25g)、DMF(10ml)加え、室温で攪拌した。蒸留水を約100ml加え、生じた沈殿を濾別し、次の反応に用いた。先ほどの沈殿(1.17g)、p-ベンゾキノン(0.38g)に酢酸(15ml)、無水酢酸(1.5ml)を加え、アルゴン置換後、40℃で一晩攪拌し、生じた沈殿を濾別し、酢酸及び蒸留水で洗浄することにより、1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール(422mg)を得た。1H-NMR(DMSO-d6,TMS基準)により同定を行った。
【0136】
実施例13:1-(4-エトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オールの合成
【化40】

【0137】
ジメチル-(1-メチル-2-ニトロ-ビニル)-アミン(0.64g),p-トルエンスルホン酸(0.94g)4-エトキシ-フェニルアミン (1.02g)、DMF(5ml)加え、室温で攪拌した。蒸留水を約100ml加え、生じた沈殿を濾別し、次の反応に用いた。先ほどの沈殿(0.77g)、p-ベンゾキノン(0.25g)に酢酸(10ml)、無水酢酸(1ml)を加え、アルゴン置換後、40℃で一晩攪拌し、生じた沈殿を濾別し、酢酸及び蒸留水で洗浄することにより、1-(4-エトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール(319mg)を得た。1H-NMR(DMSO-d6,TMS基準)により同定を行った。
【0138】
実施例14:1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-6-プロポキシ-1H-インドールの合成
【化41】

【0139】
1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール(56.66mg),炭酸カリウム(105mg),ヨウ化カリウム(15.8mg)、DMF(10ml)、臭化プロピル(21ul)を加え、室温で一晩攪拌した。溶剤を留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=100:1)により精製し、1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-6-プロポキシ-1H-インドール(10mg)を得た。1H-NMR(DMSO-d6,TMS基準)により同定を行った。
【0140】
実施例15:5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンテン酸 (2-[2-[2-(2-[[6-ヒドロキシ-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-7-イルメチル]-アミノ]-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アミドの合成
【化42】

【0141】
7-ジメチルアミノメチル-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール(28.3mg),2-プロパノール(5ml), 5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンテン酸 (2-[2-[2-(2-アミノ-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アミド(Pierce社製) (50mg)を加え、還流した。室温まで戻し、溶剤を留去後、シリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=10:1(v/v))により精製し、5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンテン酸 (2-[2-[2-(2-[[6-ヒドロキシ-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-7-イルメチル]-アミノ]-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アミド(28mg)を得た。1H-NMR(DMSO-d6,TMS基準)及びESI-MSにより同定を行った。[M+H]+=729.3m/z、calc.728.3
【0142】
実施例16:
「ES細胞培地の作製」
ES細胞を増殖させる目的で、Dulbecco'sModified Eagle Medium(以下DMEM)(GIBCOBRL社製 Cat.No.11995)に、以下に示す最終濃度で因子を添加してES細胞培地を調製した。15% ウシ胎仔血清(GIBCO BRL社製)もしくは15% KSR(Invitrogen) 、0.1mM β−メルカプトエタノール(SIGMA社製)、1×非必須アミノ酸ストック(GIBCO BRL社製
Cat.No.11140-050)、2mM L-G1utamine(GIBCO BRL社製Cat.No.25030-081)、103unit/ml ESGRO(CHEMICON International Inc.,社製)。
ただし、ESGROはマウスLIFを有効成分として含有する。ES細胞分化抑制アッセイ用の培地として、上記のES細胞培地からESGROを除いたアッセイ培地を作製した。
【0143】
「ES細胞の培養」
直径6cmの細胞培養用ディッシュに、蒸留水に0.1%の濃度でGelatin(SIGMA社製 TypeA:from porcinESkin、G2500)を溶解し、滅菌した0.1%ゼラチン水溶液5mlを添加し、37℃で30分以上静置した。ゼラチン水溶液を除いて、マイトマイシンC(協和発酵社製)処理したマウス胚性初代培養細胞(ライフテックオリエンタル社 Cat.No. YE9284400)2×106個を播種し、10%ウシ胎児血清(GIBCO BRL社製)を含むDMEM5mlで、37℃、5%CO2インキュベーター(タバイエスペック社製)で5時間以上培養した。マウス胚性幹細胞株D3ES細胞(Rolf Kemler、Max Planck Institut fur Immunbiologie、Stuheweg51、D-79108Freiburg、Germany、より入手可能)を、直径6cm繊維芽細胞フィーダー層上に播種し、5mlのES培地で、37℃、5% CO2インキュベーターで2日間培養して増殖させた。
【0144】
「ES細胞分化抑制アッセイ」
前記「ES細胞の培養」で培養したD3ES細胞をPBSで2回洗浄する。0.25%トリプシン溶液(GIBCOBRL社製)を加え、37℃で5分間インキュベートし、未分化のD3ES細胞のコロニーをフィーダーから脱離させた。5mlのES細胞培地を添加し、小径ピペットを使用して細胞コロニーを分散させ、15mlの滅菌チューブに移し、卓上遠心機(トミー精工)で800rpm、約5分間遠心してペレット化した。上清を除き、細胞を5mlの新鮮なES細胞培地に再懸濁し、0.1%のゼラチン水溶液で予めコートした直径10cmの細胞培養用ディッシュに播種し、37℃で20分間インキュベートした。20分後、浮遊細胞を含む培地をピペットで回収し、15mlの滅菌チューブに移し、卓上遠心機で1000rpm、約5分間遠心してペレット化した後、上清を除き、5mlのES細胞アッセイ培地に再懸濁する。予め0.1%のゼラチン水溶液でコートした24穴細胞培養用ディッシュ(FALCON社製 Cat.No.3047、米国)に、1ウェルあたり3×102〜1×103個の細胞を、1ウェル当たりのES細胞アッセイ培地が500μlになるように播種した。各ウェルに0.4〜40μg/mlとなるようにジメチルスルフォキシド(DMSO)、または水、或いはその混合物に溶解した本発明の化合物A〜K、あるいはESGROを50μl添加し、37℃、5% CO2インキュベーターで7日間培養した。DMSOの培地中への持ち込は最終濃度0.1%以下となるようにした。またコントロールウェルには、DMSOのみを最終濃度で0.1%となるように加えた。化合物A〜Kの構造を図1に示した。
【0145】
「アルカリホスファターゼ定量」
ES細胞のアルカリホスファターゼ活性を、p-NITROPHENYL PHOSPHATE SOLUTION(MOSS Inc.社製、PRODUCT NO.NPPD-1000、米国、またはSIGMA社製、A-3469、米国製)(以下、p-NPP)を用いて定量した。実施例3に記載の方法で7日間培養したES細胞の各ウェルから培地を吸引除去し、その細胞を100μlのリン酸緩衝化生理食塩水(PBS)で1回洗浄後、p-NPP100μlを各ウェルに加え、室温で10分間静置した。各ウェルに12.5μlの8M水酸化ナトリウム溶液を添加し、反応を停止させた。溶液の405nmの吸光度(O.D.405)と690nmの吸光度(O.D.690)を吸光度計(Molecular Devices社製、型式:SPECTRA MAX190)により測定し、O.D.405-O.D.690で算出される値をアルカリホスファターゼ活性とした。定量結果をグラフしたものを図2に示した。本発明の分化抑制剤、化合物A〜KはコントロールであるDMSO(0.1%)に比べて有意にアルカリホスファターゼ活性を増幅させた。即ち、本発明の分化抑制剤は未分化なES細胞の培養を支持した。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明のインドール誘導体は、細胞培養または/及び再生医療分野で好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】図1は、本発明の化合物A〜Kの構造を示す。化合物A〜Kは、式(1)のR1〜R10が下表に示す基または元素で表される。
【図2】図2は、本発明のアルカリホスファターゼ定量結果を表す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

[式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。Xは、主鎖の原子数が0〜10のアルキレン基を表す。原子数0のアルキレン基とは、単結合を表す。該アルキレン基を構成する1つ以上のエチレンが、−C=C−基及び/又は−N=N−基及び/又は−NHCO−基で置き換わっていてもよい。さらに、該アルキレン基は、置換基として、電子吸引基、電子供与基または水素原子を1つ以上有してもよい。Gは、電子吸引基、電子供与基または水素原子を有してもよい芳香族基、もしくは電子吸引基、電子供与基または水素原子を有してもよい少なくとも一つのヘテロ原子を含む環状分子を表す。]で表される化合物またはその塩。
【請求項2】
Xが、主鎖の原子数が0もしくは1のアルキレン基を表す、請求項1記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
一般式(2)
【化2】

[式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。Aは水素原子もしくは、メチル基もしくは、
【化3】

を表す。ここで、R7、R8、R9、R10及びR11は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。]で表される化合物またはその塩。
【請求項4】
一般式(3)
【化4】

[式中、R1、R2、R3、R4、R5及びR6は、それぞれ同一または異なっていてもよく、電子吸引基、電子供与基または水素原子を表す。Bは電子吸引基、電子供与基または水素原子を有してもよい少なくとも一つのヘテロ原子を含む環状分子を表す。]
で表される化合物またはその塩。
【請求項5】
R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8、R9、R10及びR11が、それぞれ独立に、アルキル基、不飽和炭化水素基、アシル基、アロイル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、アセトアミド基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルキルアミノ基、アルキルアミノアルキル基、アルキルアミノビニル基、アミノアルキル基、ヒドロキシアルキルアミノ基、ヒドロキシアルキルアミノアルキル基、ヒドロキシアルキルアミノビニル基、アリールアミノ基、アリールアミノビニル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキルチオ基、スルホンアミド基、スルホ基、カルボキシ基、メルカプト基、オキサロ基、ヒドロキシイミノアルキル基、チオカルバモイル基、ピロリル基、オキサゾル基、ハロゲン原子及び水素原子よりなる群から選ばれる基または原子であり、上記に含まれる該アルキルは、置換基として、電子吸引基、電子供与基または水素原子を1つ以上有してもよい、請求項3に記載の化合物またはその塩。
【請求項6】
R1、R2、R3、R4、R5、及びR6が、それぞれ独立に、アルキル基、不飽和炭化水素基、アシル基、アロイル基、アリール基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アシルオキシ基、アルコキシカルボニル基、ヒドロキシアルキル基、アミノ基、アセトアミド基、アミノカルボニル基、アルキルアミノカルボニル基、アルキルアミノ基、アルキルアミノアルキル基、アルキルアミノビニル基、アミノアルキル基、ヒドロキシアルキルアミノ基、ヒドロキシアルキルアミノアルキル基、ヒドロキシアルキルアミノビニル基、アリールアミノ基、アリールアミノビニル基、ニトロ基、ヒドロキシル基、アルキルチオ基、スルホンアミド基、スルホ基、カルボキシ基、メルカプト基、オキサロ基、ヒドロキシイミノアルキル基、チオカルバモイル基、ピロリル基、オキサゾル基、ハロゲン原子及び水素原子よりなる群から選ばれる基または原子であり、Bが、電子吸引基、電子供与基または水素原子を有してもよい、ベンゾイミダゾール、イミダゾール、ピロリジン、ピペリジン、ピリジン、ピリミジン、ジヒドロチオフェン-2-オン、テトラヒドロチオフェン-1,1-ジオキサイド、イソオキサゾール、ベンゾオキサゾール、イソチアゾール、インドール、キノリン、ベンゾフラン、キノキサリン、クロマン-4-オン、2,3-ジヒドロベンゾ[1,4]ジオキサシン、又はベンゾチアゾールである、請求項4に記載の化合物またはその塩。
【請求項7】
R1、R2、R10及びR11が水素原子であり、R3がヒドロキシル基で、低級アルコキシ基、又はアセチルオキシ基であり、R4が水素原子、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、又はアミノ低級アルキル基であり、R5が水素原子、低級アルキル基、低級アルキルアミノビニル基、ヒドロキシ低級アルキルアミノビニル基、又はアリールアミノビニル基であり、R6がニトロ基であり、R7、R8及びR9がそれぞれ異なっていてもよい、水素原子、アセチル基、ヒドロキシル基、ヒドロキシ低級アルキル基、低級アルコキシ低級アルキル基、アミノ基、低級アルキルアミノ基、アセトアミド基、スルファモイル基、ニトリル基、ホルミル基、メルカプト基、アセトキシ基、低級アルコキシカルボニル基、又はカルボキシル基である、請求項3に記載の化合物またはその塩。
【請求項8】
R1、R2、R9、R10及びR11が水素原子であり、R3がヒドロキシル基、低級アルコキシ基、又はアセチルオキシ基であり、R4が水素原子、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、又はアミノ低級アルキル基であり、R5が水素原子、低級アルキル基、低級アルキルアミノビニル基、ヒドロキシ低級アルキルアミノビニル基、又はアリールアミノビニル基であり、R6がニトロ基であり、R7及びR8がそれぞれ異なっていてもよい、水素原子、低級アルキル基、又はハロゲン原子である、請求項3に記載の化合物またはその塩。
【請求項9】
R1、R2、R7、R9、R10及びR11が水素原子であり、R3がヒドロキシル基、低級アルコキシ基、又はアセチルオキシ基であり、R4が水素原子、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、又はアミノ低級アルキル基であり、R5が水素原子、低級アルキル基、低級アルキルアミノビニル基、ヒドロキシ低級アルキルアミノビニル基、又はアリールアミノビニル基であり、R6がニトロ基であり、R8が低級アルコキシ基である、請求項3に記載の化合物またはその塩。
【請求項10】
R1が水素原子、ハロゲン原子、又は低級アルコキシ基であり、R2がカルバモイル基、エチニル基、低級アルキルアミノ基、低級アルキル基、低級アルコキシ基、置換機を有しても良いフェニル基、アリールアミノ基、又はハロゲン原子であり、R3がヒドロキシル基、低級アルコキシ基、又はアセチルオキシ基であり、R4が水素原子、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、又はアミノ低級アルキル基であり、R7、R8、R10及びR11が水素原子であり、R5が水素原子、低級アルキル基、低級アルキルアミノビニル基、ヒドロキシ低級アルキルアミノビニル基、又はアリールアミノビニル基であり、R6がニトロ基であり、R8が低級アルコキシ基、又はヒドロキシル基である、請求項3に記載の化合物またはその塩。
【請求項11】
R1、R2、R7、R8、R10及びR11が水素原子であり、R3がヒドロキシル基、低級アルコキシ基、又はアセチルオキシ基であり、R4が水素原子、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、又はアミノ低級アルキル基であり、R5が低級アルキル基、ヒドロキシル基、アセチル基、カルボキシル基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルチオ基、低級アルコキシアルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、又は低級アルコキシカルボニル基であり、R6が水素原子、ハロゲン原子、アセトアミド基、カルボキシル基、アセチル基、又はヒドロキシル基であり、R8が低級アルコキシ基、又はヒドロキシル基である、請求項3に記載の化合物またはその塩。
【請求項12】
R1、R3、R7、R8、R10及びR11が水素原子であり、R2がヒドロキシル基、低級アルコキシ基、又はアセチルオキシ基であり、R4が水素原子、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、又はアミノ低級アルキル基であり、R5が低級アルキル基、ヒドロキシル基、アセチル基、カルボキシル基、低級アルキルアミノ基、低級アルキルチオ基、低級アルコキシアルキル基、ヒドロキシ低級アルキル基、又は低級アルコキシカルボニル基であり、R6が水素原子、ハロゲン原子、ニトロ基、ニトリル基、アルコキシカルボニル基、アセトアミド基、カルボキシル基、アセチル基、又はヒドロキシル基であり、R8が低級アルコキシ基、又はヒドロキシル基である、請求項3に記載の化合物またはその塩。
【請求項13】
R1及びR2が水素原子であり、R3がヒドロキシル基、低級アルコキシ基、又はアセチルオキシ基であり、R4が水素原子、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、又はアミノ低級アルキル基であり、R5が水素原子、低級アルキル基、低級アルキルアミノビニル基、ヒドロキシ低級アルキルアミノビニル基、又はアリールアミノビニル基であり、R6がニトロ基であり、R7、R8、R10及びR11 が、アミノ基、低級アルコキシ基、アセチル基、アミノアルキル基、低級アルコキシカルボニル基、低級アルキル基、カルボキシル基、スルホ基、ニトリル基、ヒドロキシル基、アセトアミド基、スルファモイル基、ビニル基、イソプロピリデン基、ヒドロキシアルキル基、ニトロ基、ヒドロキシイミノアルキル基、オキサロ基、スルホンアミド基、チオカルバモイル基、水素原子、又はハロゲン原子であり、R9が低級アルコキシ基、又はヒドロキシル基である、請求項3に記載の化合物またはその塩。
【請求項14】
R1、R2、R7 、R10及びR11が水素原子であり、R3がヒドロキシル基、低級アルコキシ基、又はアセチルオキシ基であり、R4が水素原子、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、又はアミノ低級アルキル基であり、R5が水素原子、低級アルキル基、低級アルキルアミノビニル基、ヒドロキシ低級アルキルアミノビニル基、又はアリールアミノビニル基であり、R6がニトロ基であり、R8及びR9 が、同一であっても異なっていても良いヒドロキシル基又は低級アルコキシ基である、請求項3に記載の化合物またはその塩。
【請求項15】
R1、R2、R7、R8、R10及びR11が水素原子であり、R3がヒドロキシル基、低級アルコキシ基、又はアセチルオキシ基であり、R4が水素原子、低級アルキルアミノ基、ヒドロキシ低級アルキル基、ヒドロキシル基、低級アルキル基、又はアミノ低級アルキル基であり、R5が水素原子、低級アルキル基、低級アルキルアミノビニル基、ヒドロキシ低級アルキルアミノビニル基、又はアリールアミノビニル基であり、R6がニトロ基であり、R9 が、ヒドロキシル基である、請求項3に記載の化合物またはその塩。
【請求項16】
R1、R2及びR7が水素原子であり、R3がヒドロキシル基、又は式(5)で示される置換基であり、R4が低級アルキルアミノアルキル基、又は式(6)で示される置換基であり、R5が低級アルキルアミノビニル基、又は式(7)で示される置換基であり、R6がニトロ基であり、R8が水素原子、又はヒドロキシル基であり、R9が水素原子、低級アルコキシ基、又は式(8)で示される置換基である、請求項3に記載の化合物またはその塩。
【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

(式中、Cは主鎖の原子数が1〜10のアルキレン基を表す。該アルキレン基を構成する1つ以上のエチレンが、−C−O−基及び/又は−NHCO−基で置き換わっていてもよい。Dはビオチン、アミノ基、メルカプト基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ブロモアセトアミド基を表す。)
【請求項17】
1-(4-メトキシ-2-メチル-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、1-(4-メトキシ-フェニル)-2,5-ジメチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、4-(6-ヒドロキシ-2-メチル-3-ニトロ-インドール-1-イル)-安息香酸 エチルエステル、1-(3-クロロ-4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、5-クロロ-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、4-(6-ヒドロキシ-2-メチル-3-ニトロ-インドール-1-イル)-安息香酸、1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-6-プロポキシ-1H-インドール、[1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-イルオキシ]-酢酸、(2-メチル-3-ニトロ-1-フェニル-1H-インドール-6-イルオキシ)-酢酸、7-[(2-アミノ-エチルアミノ)-メチル]-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、N-(2-[2-[1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-イルオキシ]-アセチルアミノ]-エチル)-2,2-ジメチル-プロピオンアミド、N-(2-アミノ-エチル)-2-[1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-イルオキシ]-アセトアミド、又はN-(2-[[6-ヒドロキシ-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-7-イルメチル]-アミノ]-エチル)-2,2-ジメチル-プロピオンアミドである、請求項3に記載の化合物またはその塩。
【請求項18】
1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-7-プロピルアミノメチル-1H-インドール-6-オール、1-(4-ヒドロキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、1-(3-ヒドロキシ-4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、1-(4-エトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、1-(3-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、7-アミノメチル-1-(3-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、1-(3,4-ジメトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-6-オール、2-メチル-3-ニトロ-1-(3,4,5-トリメトキシ-フェニル)-1H-インドール-6-オール、5-(2-オキソ-ヘキサヒドロ-チエノ[3,4-d]イミダゾール-4-イル)-ペンテン酸、又は(2-[2-[2-(2-[[6-ヒドロキシ-1-(4-メトキシ-フェニル)-2-メチル-3-ニトロ-1H-インドール-7-イルメチル]-アミノ]-エトキシ)-エトキシ]-エトキシ]-エチル)-アミドである請求項3に記載の化合物またはその塩。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれかに記載の化合物またはその塩を有効成分とする幹細胞分化抑制剤。
【請求項20】
請求項1〜18のいずれかに記載の化合物またはその塩を用いて幹細胞を未分化状態で培養することを特徴とする幹細胞培養方法。
【請求項21】
請求項1〜18のいずれかに記載の化合物またはその塩を用いて胚性幹細胞を未分化状態で培養することを特徴とする胚性幹細胞培養方法。
【請求項22】
請求項1〜18のいずれかに記載の化合物またはその塩を有効成分として含有する、幹細胞を未分化抑状態で増殖するための培地。
【請求項23】
幹細胞分化抑制剤の濃度が10ng/ml〜100μg/mlであることを特徴とする請求項22に記載の培地。
【請求項24】
請求項1〜18のいずれかに記載の化合物またはその塩を用いて未分化状態で培養された幹細胞。
【請求項25】
請求項1〜18のいずれかに記載の化合物またはその塩を用いて未分化状態で培養された幹細胞を分化させて得られる細胞または組織。
【請求項26】
請求項24または25に記載の細胞または/および組織を生体内に移植する治療方法。
【請求項27】
請求項1〜18のいずれかに記載の化合物またはその塩のプロドラッグ。
【請求項28】
請求項1〜18のいずれかに記載の化合物もしくはその塩またはそのプロドラッグを含有してなる医薬組成物。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−195642(P2008−195642A)
【公開日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−31478(P2007−31478)
【出願日】平成19年2月13日(2007.2.13)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【Fターム(参考)】