ウェーハ検出装置及び方法
【課題】カセットからのウェーハの飛び出しを、簡略な構造にて、高精度に検出できるウェーハ検出装置を提供する。
【解決手段】開口部11を画定する壁部10に、ウェーハWを収納するカセットCを密着させ、開口部11を通してウェーハWの出し入れを行う際に、カセットC内の収納位置から飛び出したウェーハの有無を検出するために、壁部10に形成された開口部11の側部において、ウェーハの主面と平行な方向においてウェーハの外周部に検出用の光を照射するための透過型又は反射型の光センサ101、111と、光センサをウェーハの配列方向に走査させる駆動機構としてのシャフト103、113、連結バー、リードスクリュー及びモータを設けた。これにより、装置を小型化しつつ、高精度に検出することができる。
【解決手段】開口部11を画定する壁部10に、ウェーハWを収納するカセットCを密着させ、開口部11を通してウェーハWの出し入れを行う際に、カセットC内の収納位置から飛び出したウェーハの有無を検出するために、壁部10に形成された開口部11の側部において、ウェーハの主面と平行な方向においてウェーハの外周部に検出用の光を照射するための透過型又は反射型の光センサ101、111と、光センサをウェーハの配列方向に走査させる駆動機構としてのシャフト103、113、連結バー、リードスクリュー及びモータを設けた。これにより、装置を小型化しつつ、高精度に検出することができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カセットに収納された半導体用のウェーハを検出するウェーハ検出装置及び方法に関し、特に、カセットに対してウェーハを出し入れする際に、カセットの収納位置から突出したウェーハが有るか否かを検出するウェーハ検出装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造用のウェーハは、種々の処理を施すために、専用のカセット(Front Open Unified Pod)に収容して持ち運ばれる。このカセットは、複数枚のウェーハを、所定間隔をおいて規則正しく配列させた状態で保持するべく、その内壁に形成された複数の溝あるいは支持片、ウェーハを出し入れする開口部を開閉するための着脱自在な蓋等を備えている。そして、このカセットに対する複数枚のウェーハの出し入れは、挿入用のロボット及び取り出し用のロボットを用いて行われている。
【0003】
したがって、ロボットにより挿入されたウェーハが規則正しく配列して収容されているか否か、あるいは、所定の収容位置から飛び出したウェーハが有るか否か等を検出する必要がある。そこで、このような検出を行うウェーハ検出装置として、透過型光センサあるいは反射型光センサを用いたものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平11−214483号公報
【特許文献2】特開平11−145244号公報
【特許文献3】特開2003−92338号公報 これらの公報に開示の装置においては、収納されたウェーハの外周縁を検出し得る反射型あるいは透過型の光センサが設けられている。この反射型あるいは透過型の光センサは、カセットが装着される壁面よりも内側に配置され又はウェーハの出し入れを行う開口部に対向するように配置されて、カセット内の所定位置に所定枚数のウェーハが収納されているか否か、すなわちウェーハの有無等を検出するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ウェーハがカセット内に完全に収納されておらず一部が飛び出した状態で、蓋を閉じるための昇降動作等が行われると、ウェーハを破損させる虞がある。
また、ウェーハとしては、一般には不透明体のシリコンウェーハが用いられるため、光センサとして透過型光センサを用いることができるものの、透明体の石英ウェーハが用いられる場合は、殆どの光が石英ウェーハを透過するため、特に透過型光センサの検出光を石英ウェーハの主面に照射してその飛び出しを検出するのは困難である。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、構造の簡略化、装置の小型化を図りつつ、カセット内に収納されるべきウェーハの飛び出しを高精度に検出して、ウェーハの破損等を防止できる、ウェーハ検出装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のウェーハ検出装置は、所定の開口部を画定する壁部に、ウェーハを収納するカセットを密着させ、開口部を通してウェーハの出し入れを行う際に、カセット内の収納位置から飛び出したウェーハの有無を検出するウェーハ検出装置であって、上記壁部には、その開口部の側部において、ウェーハの主面と平行な方向においてウェーハの外周部に検出用の光を照射するための透過型又は反射型の光センサと、光センサをウェーハの配列方向に走査させる駆動機構と、が設けられている、ことを特徴としている。
この構成によれば、光センサが、駆動機構により、開口部の側部に沿ってウェーハの配列ピッチに合わせて移動させられると共に、カセット内に収納されるウェーハの主面と平行な方向において、光センサ(の投光素子)から検出用の光が射出される。そして、開口部の領域にウェーハが飛び出していなければ、検出用の光は光センサ(の受光素子)で受光され、一方、開口部の領域にウェーハが飛び出していれば、検出用の光はウェーハの外周部で反射されて、光センサ(の受光素子)で受光されない。
このように、ウェーハの外周部に検出用の光を照射するため、誤検出を招くことなく、カセットの収納位置から飛び出したウェーハの有無を容易にかつ高精度に検出することができる。したがって、移送ロボット、蓋、その他の移動体等が、飛び出したウェーハに衝突するのを未然に防止でき、ウェーハの破損等を防止できる。また、光センサ及び駆動機構を、カセットが装着される壁部に配置したことにより、スペースを有効に利用でき、それ故に装置の小型化を達成できる。
【0008】
上記構成の装置において、光センサは、ウェーハの外周部に検出用の光を照射するべく開口部の一側部に配置された投光素子と、投光素子から射出された光を受光するべく開口部の他側部に配置された受光素子と、を含み、駆動機構は、投光素子及び受光素子を同時にウェーハの配列方向に走査させる、構成を採用することができる。
この構成によれば、光センサ(投光素子及び受光素子)が、駆動機構により、開口部の側部に沿ってウェーハの配列ピッチに合わせて移動させられると共に、カセット内に収納されるウェーハの主面と平行な方向において、開口部の一側部に配置された投光素子から検出用の光が射出される。そして、開口部の領域にウェーハが飛び出していなければ、検出用の光は開口部の他側部に配置された受光素子で受光され、一方、開口部の領域にウェーハが飛び出していれば、検出用の光はウェーハの外周部で反射されて、受光素子で受光されない。このように、透過型の光センサを用いて、カセットの収納位置から飛び出したウェーハの有無を容易にかつ高精度に検出することができる。
【0009】
また、上記構成の装置において、光センサは、ウェーハの外周部に検出用の光を照射するべく開口部の一側部に配置された投光素子と、投光素子から射出された光を受光するべく開口部の一側部に配置された受光素子と、投光素子から射出された光を受光素子に向けて反射するべく開口部の他側部に配置されかつウェーハの配列方向に長尺な反射鏡と、を含み、駆動機構は、投光素子及び受光素子を同時にウェーハの配列方向に走査させる、構成を採用することができる。
この構成によれば、光センサ(投光素子及び受光素子)が、駆動機構により、開口部の一側部に沿ってウェーハの配列ピッチに合わせて移動させられると共に、カセット内に収納されるウェーハの主面と平行な方向において、開口部の一側部に配置された投光素子から検出用の光が射出される。そして、開口部の領域にウェーハが飛び出していなければ、検出用の光は開口部の他側部に配置された反射鏡で反射されて、開口部の一側部に配置された受光素子で受光され、一方、開口部の領域にウェーハが飛び出していれば、検出用の光はウェーハの外周部で反射されて、反射鏡に到達せず、それ故に受光素子で受光されない。このように、反射型の光センサを用いて、カセットの収納位置から飛び出したウェーハの有無を容易にかつ高精度に検出することができる。
【0010】
上記構成の装置において、駆動機構は、投光素子及び受光素子を一体的に支持する支持部材と、支持部材をウェーハの配列方向に移動させる一つのモータと、を含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、一つのモータで投光素子及び受光素子を駆動するため、別々に駆動する場合に比べて、制御シーケンスが簡略化されると共に、構造が簡略化されて、装置を小型化できる。
【0011】
本発明のウェーハ検出方法は、所定の開口部を画定する壁部に、ウェーハを収納するカセットを密着させ、開口部を通してカセット内の収納位置から飛び出したウェーハの有無を検出するウェーハ検出方法であって、上記開口部の一側部からウェーハの主面と平行な方向においてウェーハの外周部に向けて投光素子から検出用の光を射出し、投光素子から射出された光を受光素子が受光するか否かにより、飛び出したウェーハの有無を検出する、ことを特徴としている。
この構成によれば、カセット内に収納されるウェーハの主面と平行な方向において、投光素子から検出用の光が射出され、開口部の領域にウェーハが飛び出していなければ、検出用の光は受光素子で受光され、一方、開口部の領域にウェーハが飛び出していれば、検出用の光はウェーハの外周部で反射されて、受光素子で受光されない。このように、ウェーハの外周部に検出用の光を照射するため、誤検出を招くことなく、カセットの収納位置から飛び出したウェーハの有無を容易にかつ高精度に検出することができる。したがって、移送ロボット、蓋、その他の移動体等が、飛び出したウェーハに衝突するのを未然に防止でき、ウェーハの破損等を防止できる。
【0012】
上記構成の方法において、カセット内の収納位置にウェーハが収納されているか否かを検出するマッピング用の光センサを、カセット内の収納位置から飛び出したウェーハの有無を検出する際に兼用する、構成を採用することができる。
この構成によれば、マッピング用の光センサを飛び出し検出用の光センサとして兼用することにより、この方法を用いる装置を簡略化、小型化することができる。
【0013】
上記構成の方法において、光センサは、ウェーハのマッピングを行う前に、開口部の領域において、ウェーハの配列方向において一方側から他方側に走査する、構成を採用することができる。
この構成によれば、光センサを、壁部の内側から開口部を通して、カセット内の収納位置に移動させてマッピングを行う前に、途中に位置する開口部の領域において、ウェーハの配列方向に走査させることで、ウェーハの飛び出しを検出できるため、光センサを駆動制御する際の制御シーケンスを簡略化でき、マッピング及び飛び出し検出に要する時間の短縮化を達成することができる。
【発明の効果】
【0014】
上記構成をなす本発明のウェーハ検出装置及び方法によれば、構造の簡略化、装置の小型化を図りつつ、カセット内に収納されるべきウェーハの飛び出しを高精度に検出して、ウェーハの破損等を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面に基づき説明する。
図1ないし図6は、本発明に係るウェーハ検出装置及び方法の一実施形態を示すものであり、図1はウェーハ検出装置を備えた半導体処理装置の縦断面図、図2は図1に示す装置の一部を拡大した縦断面図、図3は図1に示す装置の一部を拡大した平面図、図4はウェーハ検出装置の平面図、図5はウェーハ検出装置の側面図、図6はウェーハ検出装置の正面図である。
【0016】
この半導体製造装置は、図1ないし図3に示すように、半導体の製造を行う内部空間Ainと外部空間Aoutとを仕切る壁部10、壁部10の内側(内部空間Ain)に配置された搬送ロボット20、ウェーハWを移送するための載置部30、壁部10の外側(外部空間Aout)に設置されてカセットCを載置して位置決めするテーブル40、壁部10に形成された略矩形の開口部11を遮蔽し得ると共にカセットCの蓋C1を保持し得る遮蔽蓋50、遮蔽蓋50を開口部11に対して着脱させる駆動機構60、壁部10の領域に配置されてウェーハWの飛び出しを検出するウェーハ検出装置100、壁部10の内側(内部空間Ain)に配置されてカセットC内に収納されたウェーハWのマッピングを行うマッピングセンサ(不図示)等を備えている。
【0017】
カセットCは、複数のウェーハWを鉛直方向に配列した状態で収納するものであり、各々のウェーハWを等間隔で支持するべく内側壁に形成された溝又は支持片(不図示)、ウェーハWを出し入れするための開口部を開閉するための着脱自在な蓋C1、蓋C1に内蔵されたロック機構等を備えている。
【0018】
壁部10は、図1ないし図6に示すように、半導体の処理を行うための内部空間Ainを外部空間Aoutから遮断するものであり、その一部に略矩形の開口部11が形成され、開口部11の外側(外部空間Aout)には、カセットCを開口部11の縁部に密着させた状態で保持するテーブル40が設けられ、開口部11の内側(内部空間Ain)には、カセットCの蓋C1を保持して着脱する遮蔽蓋50を揺動及び昇降駆動する駆動機構60、マッピングセンサ(不図示)等が設けられている。
【0019】
また、壁部10には、図4ないし図6に示すように、開口部11の側部(周縁部領域)において、ウェーハ検出装置100を収容するための凹部12,13、14等が形成されている。このように、カセットCが装着される壁部10において、カセットCの収納位置から飛び出したウェーハW´の有無を検出するウェーハ検出装置100を配置したことにより、カセットCに対してのウェーハWの出し入れに何ら支障なく、スペースを有効に利用でき、それ故にシステム全体の小型化を達成できる。
【0020】
ウェーハ検出装置100は、図4ないし図6に示すように、開口部11の一側部に形成された凹部12に配置された投光素子101、投光素子101を支持する支持部材としてのホルダー102、ホルダー102を保持して鉛直方向Vに伸長する支持部材としてのシャフト103、開口部11の他側部に形成された凹部13に配置された受光素子111、投光素子111を支持する支持部材としてのホルダー112、ホルダー112を保持して鉛直方向Vに伸長する支持部材としてのシャフト113、開口部11の下側に形成された凹部14に配置されてシャフト103,113を一体的に連結すると共に雌ネジ105aをもつ支持部材としての連結バー105、凹部14に配置されて鉛直方向Vに伸長すると共に雌ネジ105aに螺合するリードスクリュー106、リードスクリュー106を回転駆動するモータ107等により形成されている。
すなわち、リードスクリュー106及びモータ107により、支持部材102,112、103,113,105を介して、投光素子101及び受光素子111を同時にウェーハWの配列方向(鉛直方向V)に走査させる駆動機構が構成されている。尚、モータ107としては、ステップモータ、あるいは、位置センサと共にDCモータを採用することができる。
【0021】
投光素子101は、ウェーハWの外周部に検出用の光LBを照射し得るように、水平方向に光LBを射出する。
受光素子111は、投光素子101と同一の高さでかつ水平方向において対向するように配置されて、投光素子101から射出された光LBを受光し得るようになっている。
すなわち、投光素子101及び受光素子111により、ウェーハWの主面と平行な方向においてウェーハWの外周部に検出用の光LBを照射するための透過型の光センサが構成されている。
【0022】
上記ウェーハ検出装置100の検出動作について説明すると、光センサ(投光素子101及び受光素子111)は、図4及び図6に示すように、駆動機構(リードスクリュー106,モータ107)により、開口部11の側部に沿ってウェーハWの配列ピッチに合わせて移動させられる(走査する)と共に、開口部11の一側部(凹部12)に配置された投光素子101が、カセットC内に収納されるウェーハWの主面と平行な方向において、検出用の光LBを射出する。
【0023】
そして、開口部11の領域にウェーハWが飛び出していなければ、検出用の光LBは開口部11の他側部(凹部13)に配置された受光素子111で受光され、飛び出したウェーハW´は無いと判断される。
一方、開口部11の領域にウェーハW´が飛び出していれば、検出用の光LBはウェーハW´の外周部で反射された反射光LB´として、壁部10の内側(内部空間Ain)に向かうため受光素子111で受光されず、飛び出したウェーハW´が有ると判断される。
【0024】
このように、透過型の光センサを用いて、ウェーハWの外周部に光LBを照射して検出するため、石英ウェーハであっても、誤検出を招くことなく、カセットCの収納位置から飛び出したウェーハW´の有無を容易にかつ高精度に検出することができる。また、投光素子101及び受光素子111は、一つのモータ107で駆動されるため、別々に駆動するモータを設ける場合に比べて、制御シーケンスが簡略化されると共に、構造が簡略化されて、装置を小型化することができる。
【0025】
次に、カセットCに対するウェーハWの出し入れ動作について説明する。尚、この半導体の処理システムは、種々の制御を司る制御部(マイクロコンピュータ)、種々の動作の切り替えタイミングを検出し、その検出情報を制御部に送るセンサ等を備え、種々の動作は制御部から発せられる制御信号に基づいて行われる。
先ず、複数のウェーハWを収納したカセットCが、図2に示すように、テーブル40に載置されて位置決めされると、遮蔽蓋50がカセットCの蓋C1を一体的に掴んでロックを解除すると共に、駆動機構60が、図1に示すように、遮蔽蓋50(及び蓋C1)を内向きに揺動させつつ下方に移動させて、開口部11から後退させる。
【0026】
続いて、ウェーハ検出装置100により、飛び出したウェーハW´の有無を検出する。ここで、飛び出したウェーハW´が有ると判断された場合は、その後の動作が停止し、その事を作業者に知らせるための報知信号(報知ランプの点滅、報知ブザー等)が発せられる。これにより、作業者は、位置ずれを生じたウェーハW´を所定の収納位置に戻す作業を行うことができる。この点検作業により、ウェーハWが飛び出した状態で動作(例えば、壁部10の内側に沿って昇降するような移動体の動作)が続行した場合に発生し得るウェーハWの破損等を未然に防止できる。
【0027】
ウェーハ検出装置100により、飛び出したウェーハW´は無いと判断された場合、あるいは、飛び出したウェーハW´を手直しして収納位置に戻した場合、駆動機構によりマッピングセンサがウェーハWに近接した位置に位置付けられ、ウェーハWのマッピングが行われる。
【0028】
その後、内部空間Ainに設置された搬送ロボット20(例えば、多関節ロボット)が、図1の二点鎖線で示すように、開口部11に近づき、カセットC内からウェーハWを取り出し、図1の実線で示すように、種々の処理工程(載置部30)に向けて移送する。
【0029】
一方、種々の処理が完了すると、搬送ロボット20は、処理済のウェーハWを再びカセットC内に搬入する。ここで、全てのウェーハWの搬入動作が終了すると、ウェーハ検出装置100により、飛び出したウェーハW´の有無を検出する。
ここで、飛び出したウェーハW´が有ると判断された場合は、その後の動作が停止し、その事を作業者に知らせるための報知信号(報知ランプの点滅、報知ブザー等)が発せられる。これにより、作業者は、位置ずれを生じたウェーハW´を所定の収納位置に戻す作業を行うことができる。この点検作業により、ウェーハWが飛び出した状態で動作(例えば、壁部10の内側に沿って昇降するような移動体の動作)が続行した場合に発生し得るウェーハWの破損等を未然に防止できる。
【0030】
ウェーハ検出装置100による検出動作が終了すると、必要に応じてマッピングセンサによりウェーハWのマッピングが行われ、続いて、駆動機構60が作動して、遮蔽蓋50(及び蓋C1)を上昇させて、開口部11を閉鎖すると共に蓋C1をカセットCに嵌合させて密閉かつロックし、その後、遮蔽蓋50は蓋C1の把持を解除する。これにより、テーブル40からカセットCを持ち出すことが可能になる。
【0031】
上記のように、カセットC内に収納されるウェーハWが所定の収納位置から飛び出しているか否かを検出するためのウェーハ検出装置100を壁部110に設けたことにより、システム全体を簡略化、小型化できると共に、透明なウェーハであっても確実に検出でき、それ故にウェーハWの破損を防止でき、全体として歩留まりが向上し、又、生産性も向上する。
【0032】
図7ないし図9は、本発明に係るウェーハ検出装置及び方法の他の実施形態を示すものであり、図7は装置の平面図、図8及び図9は装置の縦断面図である。尚、この実施形態において、前述の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0033】
このウェーハ検出装置100´は、図7ないし図9に示すように、開口部11の一側部に形成された凹部12に配置された投光素子101´及び受光素子111´、投光素子101´及び受光素子111´を一体的に支持する支持部材としてのホルダー102´、鉛直方向Vに伸長してホルダー102´に螺合するリードスクリュー106´、凹部12の下方に形成された凹部13´に配置されてリードスクリュー106´を回転駆動するモータ107´、投光素子101´から射出された光LB1を受光素子111´に向けて反射光LB2として反射するべく開口部11の他側部に形成された凹部13に配置されかつウェーハWの配列方向(鉛直方向V)に長尺な反射鏡108´等により形成されている。
【0034】
すなわち、リードスクリュー106´及びモータ107´により、ホルダー102´を介して、投光素子101´及び受光素子111´を同時にウェーハWの配列方向(鉛直方向V)に走査させる駆動機構が構成されている。尚、モータ107´としては、ステップモータ、あるいは、位置センサと共にDCモータを採用することができる。
【0035】
投光素子101´は、ウェーハWの外周部に検出用の光LB1を照射し得るように、かつ、反射鏡108´に対して垂直に光LB1が入射し得るように、水平方向に光LB1を射出する。
受光素子111´は、投光素子101´と同一の高さでかつ投光素子101´に近接して配置され、反射鏡108´により反射された反射光LB2を受光し得るように水平方向において反射鏡108´と対向するように配置されている。
すなわち、投光素子101´及び受光素子111´並びに反射鏡108´により、ウェーハWの主面と平行な方向においてウェーハWの外周部に検出用の光LB1を照射するための反射型の光センサが構成されている。
【0036】
上記装置100´の検出動作について説明すると、光センサ(投光素子101´及び受光素子111´)は、図7及び図8に示すように、駆動機構(リードスクリュー106´,モータ107´)により、開口部11の側部に沿ってウェーハWの配列ピッチに合わせて移動させられる(走査する)と共に、開口部11の一側部(凹部12)に配置された投光素子101´が、カセットC内に収納されるウェーハWの主面と平行な方向において、検出用の光LB1を射出する。
【0037】
そして、開口部11の領域にウェーハWが飛び出していなければ、検出用の光LB1は開口部11の他側部(凹部13)に配置された反射鏡108´で反射され、その反射光LB2は開口部11の一側部(凹部12)に配置された受光素子111´で受光され、飛び出したウェーハW´は無いと判断される。
一方、開口部11の領域にウェーハW´が飛び出していれば、検出用の光LB1はウェーハW´の外周部で反射された反射光LB1´として、壁部10の内側(内部空間Ain)に向かうため反射鏡108´には到達せず、それ故に受光素子111´でも受光されず、飛び出したウェーハW´が有ると判断される。
【0038】
このように、反射型の光センサを用いて、ウェーハWの外周部に光LB1を照射して検出するため、石英ウェーハであっても、誤検出を招くことなく、カセットCの収納位置から飛び出したウェーハW´の有無を容易にかつ高精度に検出することができる。また、投光素子101´及び受光素子111´は、一つのモータ107´で駆動されるため、別々に駆動するモータを設ける場合に比べて、制御シーケンスが簡略化されると共に、構造が簡略化されて、装置を小型化することができる。
【0039】
図10及び図11は、本発明に係るウェーハ検出方法のさらに他の実施形態を示すものであり、図10はこの検出方法を行う装置の平面図、図11はこの検出方法を行う装置の縦断面図である。尚、この実施形態において、前述の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0040】
この検出方法を行う装置としては、カセットC内の収納位置にウェーハWが収納されているか否かを検出するマッピング用の光センサ200を、カセットC内の収納位置から飛び出したウェーハWの有無を検出するために兼用するものである。
すなわち、この光センサ200は、開口部11の一側部寄りに位置付けられる投光素子201、開口部11の他側部寄りに位置付けられる受光素子211により構成されている。また、光センサ200を走査させる駆動機構は、投光素子201を支持する支持アーム203、受光素子211を支持する支持アーム213、支持アーム203,213を一体的に連結する連結バー(不図示)、連結バーを鉛直方向V及び水平方向Hに駆動するリードスクリュー(不図示)及びリードスクリューを回転駆動するモータ(不図示)等により形成されている。
【0041】
投光素子201は、ウェーハWの外周部に検出用の光LBを照射し得るように、水平方向に光LBを射出する。
受光素子211は、投光素子201と同一の高さでかつ水平方向において対向するように配置されて、投光素子201から射出された光LBを受光し得るようになっている。
すなわち、投光素子201及び受光素子211により、ウェーハWの主面と平行な方向においてウェーハWの外周部に検出用の光LBを照射するための透過型の光センサが構成されている。
【0042】
上記光センサ200の検出動作について説明する。先ず、カセットCからウェーハWを取り出す際に、あるいは、カセットCへウェーハWを収納する際に、投光素子201及び受光素子211は、開口部11の内側(内部空間Ain)でかつ開口部11よりも下方で、ウェーハWの搬送通路から後退した位置に位置付けられている。
そして、搬送ロボット20により、カセットCへのウェーハWの収納動作が完了すると、全ての収納位置にウェーハWが収納されている否かを検出するウェーハWのマッピングを行う前に、カセットC内の収納位置から飛び出したウェーハW´の有無を検出する動作が行われる。
【0043】
先ず、駆動機構により、光センサ200(投光素子201及び受光素子211)が、鉛直方向Vの上方に移動させられかつ水平方向Hの外向きに移動させられて、図10及び図11の実線で示すように、開口部11の下側(一方側)に位置付けられる。
そして、光センサ200(投光素子201及び受光素子211)は、駆動機構により、ウェーハWの配列ピッチに合わせつつ開口部11の側部に沿って、図11の二点鎖線で示すように、上側(他方側)に移動させられる(上側に向けて走査する)と共に、開口部11の一側部寄りに位置する投光素子201が、カセットC内に収納されるウェーハWの主面と平行な方向において、検出用の光LBを射出する。
【0044】
そして、開口部11の領域にウェーハWが飛び出していなければ、検出用の光LBは開口部11の他側部寄りに位置する受光素子211で受光され、飛び出したウェーハW´は無いと判断される。
一方、開口部11の領域にウェーハW´が飛び出していれば、検出用の光LBはウェーハW´の外周部で反射された反射光LB´として、壁部10の内側(内部空間Ain)に入射して受光素子211で受光されず、飛び出したウェーハW´が有ると判断される。
ここで、飛び出したウェーハW´が有ると判断された場合は、報知信号(ランプの点滅、警報ブザー)等が発せられて、作業者に報知する。これにより、作業者は飛び出したウェーハW´を手作業により収納位置に押し込むことができる。
【0045】
ウェーハWの飛び出し検出が終了すると、駆動機構により、光センサ200(投光素子201及び受光素子211)は、図10の二点鎖線で示すように、水平方向HのカセットC内に向けて移動させられ所定のマッピング位置に位置付けられる。
そして、光センサ200(投光素子201及び受光素子211)は、駆動機構により、ウェーハWの配列ピッチに合わせつつ開口部11の側部に沿って、図11の二点鎖線で示す高さの上側位置から鉛直方向Vの下側に移動させられると共に、カセットC内の一側部寄りに位置する投光素子201が、カセットC内に収納されたウェーハWの主面と平行な方向において、検出用の光LBを射出する。
【0046】
そして、所定の収納位置にウェーハWが無ければ、検出用の光LBはカセットCの他側部寄りに位置する受光素子211で受光され、ウェーハWが所定の収納位置に収納されていないと判断される。
一方、所定の収納位置にウェーハWが収納されていれば、検出用の光LBはウェーハW´の外周部で反射された反射光LB´として、壁部10の内側(内部空間Ain)に向かうため受光素子211で受光されず、ウェーハWは所定の収納位置に収納されていると判断される。
【0047】
上記の検出方法においては、カセットC内の収納位置から飛び出したウェーハW´の有無を検出する際に、マッピング用の光センサ200を兼用しているため、装置全体を簡略化、小型化することができる。
また、光センサ200を、壁部10の内側(内部空間Ain)から開口部11を通して、カセットC内の収納位置に移動させてマッピングを行う前に、途中に位置する開口部11の領域において、ウェーハWの配列方向(鉛直方向V)に走査させて、ウェーハW´の飛び出しを検出するため、光センサ200を駆動制御する際の制御シーケンスを簡略化でき、マッピング及び飛び出し検出に要する時間の短縮化を達成することができる。
【0048】
上記実施形態においては、ウェーハWの飛び出しを検出する光センサとして、透過型又は反射型の光センサを一つ設ける構成を示したが、必要に応じて複数設けてもよい。
また、上記実施形態においては、光センサをウェーハWの配列方向に走査させる駆動機構として、リードスクリュー106,106´、モータ107,107´を示したが、これに限定されるものではなく、その他のアクチュエータを採用してもよい。
さらに、上記実施形態においては、駆動機構を配置する場所として、壁部10に設けられた凹部14,14´を採用したが、これに限定されるものではなく、内部空間Ainと外部空間Aoutが完全に遮断される構成でかつ開口部11の搬送通路から後退した位置であれば、壁部10から一部がはみ出すように配置されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上述べたように、本発明のウェーハ検出装置及び方法は、構造の簡略化、装置の小型化を達成しつつ、カセット内に収納されるべきウェーハの飛び出しを高精度に検出して、ウェーハの破損等を防止できるため、カセットからのウェーハの飛び出しだけでなく、ウェーハを取り扱う搬送工程でかつ所定位置からの位置ずれを検出する必要があるところであれば、その他の処理システムあるいは処理装置においても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係るウェーハ検出装置及び方法が採用された半導体処理装置の一部を示す縦断面図である。
【図2】図1に示す半導体処理装置の一部を拡大した縦断面図である。
【図3】図1に示す半導体処理装置の一部を示す平面図である。
【図4】図1に示す半導体処理装置に設けられたウェーハ検出装置を示す平面図である。
【図5】図1に示す半導体処理装置に設けられたウェーハ検出装置を示す縦断面図である。
【図6】図1に示す半導体処理装置に設けられたウェーハ検出装置を示す縦断面図である。
【図7】本発明に係るウェーハ検出装置の他の実施形態を示す平面図である。
【図8】本発明に係るウェーハ検出装置の他の実施形態を示す縦断面図である。
【図9】本発明に係るウェーハ検出装置の他の実施形態を示す縦断面図である。
【図10】本発明に係るウェーハ検出方法の他の実施形態を示す平面図である。
【図11】本発明に係るウェーハ検出方法の他の実施形態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0051】
W ウェーハ
W´ 飛び出したウェーハ
C カセット
C1 蓋
LB,LB1 検出用の光
10 壁部
11 開口部
12 凹部(一側部)
13 凹部(他側部)
14,14´ 凹部(下側部)
20 搬送ロボット
30 載置部
40 テーブル
50 遮蔽蓋
60 駆動機構
100,100´ ウェーハ検出装置
101,101´ 投光素子(光センサ)
111,111´ 受光素子(光センサ)
102,102´,112 ホルダー(支持部材)
103,103´ シャフト(支持部材)
105 連結バー(支持部材)
106,106´ リードスクリュー(駆動機構)
107,107´ モータ(駆動機構)
108´ 反射鏡(光センサ)
200 マッピング用の光センサ
201 投光素子
211 受光素子
203,213 支持アーム
【技術分野】
【0001】
本発明は、カセットに収納された半導体用のウェーハを検出するウェーハ検出装置及び方法に関し、特に、カセットに対してウェーハを出し入れする際に、カセットの収納位置から突出したウェーハが有るか否かを検出するウェーハ検出装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
半導体製造用のウェーハは、種々の処理を施すために、専用のカセット(Front Open Unified Pod)に収容して持ち運ばれる。このカセットは、複数枚のウェーハを、所定間隔をおいて規則正しく配列させた状態で保持するべく、その内壁に形成された複数の溝あるいは支持片、ウェーハを出し入れする開口部を開閉するための着脱自在な蓋等を備えている。そして、このカセットに対する複数枚のウェーハの出し入れは、挿入用のロボット及び取り出し用のロボットを用いて行われている。
【0003】
したがって、ロボットにより挿入されたウェーハが規則正しく配列して収容されているか否か、あるいは、所定の収容位置から飛び出したウェーハが有るか否か等を検出する必要がある。そこで、このような検出を行うウェーハ検出装置として、透過型光センサあるいは反射型光センサを用いたものが知られている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【0004】
【特許文献1】特開平11−214483号公報
【特許文献2】特開平11−145244号公報
【特許文献3】特開2003−92338号公報 これらの公報に開示の装置においては、収納されたウェーハの外周縁を検出し得る反射型あるいは透過型の光センサが設けられている。この反射型あるいは透過型の光センサは、カセットが装着される壁面よりも内側に配置され又はウェーハの出し入れを行う開口部に対向するように配置されて、カセット内の所定位置に所定枚数のウェーハが収納されているか否か、すなわちウェーハの有無等を検出するものである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、ウェーハがカセット内に完全に収納されておらず一部が飛び出した状態で、蓋を閉じるための昇降動作等が行われると、ウェーハを破損させる虞がある。
また、ウェーハとしては、一般には不透明体のシリコンウェーハが用いられるため、光センサとして透過型光センサを用いることができるものの、透明体の石英ウェーハが用いられる場合は、殆どの光が石英ウェーハを透過するため、特に透過型光センサの検出光を石英ウェーハの主面に照射してその飛び出しを検出するのは困難である。
【0006】
本発明は、上記従来技術の問題点に鑑みて成されたものであり、その目的とするところは、構造の簡略化、装置の小型化を図りつつ、カセット内に収納されるべきウェーハの飛び出しを高精度に検出して、ウェーハの破損等を防止できる、ウェーハ検出装置及び方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のウェーハ検出装置は、所定の開口部を画定する壁部に、ウェーハを収納するカセットを密着させ、開口部を通してウェーハの出し入れを行う際に、カセット内の収納位置から飛び出したウェーハの有無を検出するウェーハ検出装置であって、上記壁部には、その開口部の側部において、ウェーハの主面と平行な方向においてウェーハの外周部に検出用の光を照射するための透過型又は反射型の光センサと、光センサをウェーハの配列方向に走査させる駆動機構と、が設けられている、ことを特徴としている。
この構成によれば、光センサが、駆動機構により、開口部の側部に沿ってウェーハの配列ピッチに合わせて移動させられると共に、カセット内に収納されるウェーハの主面と平行な方向において、光センサ(の投光素子)から検出用の光が射出される。そして、開口部の領域にウェーハが飛び出していなければ、検出用の光は光センサ(の受光素子)で受光され、一方、開口部の領域にウェーハが飛び出していれば、検出用の光はウェーハの外周部で反射されて、光センサ(の受光素子)で受光されない。
このように、ウェーハの外周部に検出用の光を照射するため、誤検出を招くことなく、カセットの収納位置から飛び出したウェーハの有無を容易にかつ高精度に検出することができる。したがって、移送ロボット、蓋、その他の移動体等が、飛び出したウェーハに衝突するのを未然に防止でき、ウェーハの破損等を防止できる。また、光センサ及び駆動機構を、カセットが装着される壁部に配置したことにより、スペースを有効に利用でき、それ故に装置の小型化を達成できる。
【0008】
上記構成の装置において、光センサは、ウェーハの外周部に検出用の光を照射するべく開口部の一側部に配置された投光素子と、投光素子から射出された光を受光するべく開口部の他側部に配置された受光素子と、を含み、駆動機構は、投光素子及び受光素子を同時にウェーハの配列方向に走査させる、構成を採用することができる。
この構成によれば、光センサ(投光素子及び受光素子)が、駆動機構により、開口部の側部に沿ってウェーハの配列ピッチに合わせて移動させられると共に、カセット内に収納されるウェーハの主面と平行な方向において、開口部の一側部に配置された投光素子から検出用の光が射出される。そして、開口部の領域にウェーハが飛び出していなければ、検出用の光は開口部の他側部に配置された受光素子で受光され、一方、開口部の領域にウェーハが飛び出していれば、検出用の光はウェーハの外周部で反射されて、受光素子で受光されない。このように、透過型の光センサを用いて、カセットの収納位置から飛び出したウェーハの有無を容易にかつ高精度に検出することができる。
【0009】
また、上記構成の装置において、光センサは、ウェーハの外周部に検出用の光を照射するべく開口部の一側部に配置された投光素子と、投光素子から射出された光を受光するべく開口部の一側部に配置された受光素子と、投光素子から射出された光を受光素子に向けて反射するべく開口部の他側部に配置されかつウェーハの配列方向に長尺な反射鏡と、を含み、駆動機構は、投光素子及び受光素子を同時にウェーハの配列方向に走査させる、構成を採用することができる。
この構成によれば、光センサ(投光素子及び受光素子)が、駆動機構により、開口部の一側部に沿ってウェーハの配列ピッチに合わせて移動させられると共に、カセット内に収納されるウェーハの主面と平行な方向において、開口部の一側部に配置された投光素子から検出用の光が射出される。そして、開口部の領域にウェーハが飛び出していなければ、検出用の光は開口部の他側部に配置された反射鏡で反射されて、開口部の一側部に配置された受光素子で受光され、一方、開口部の領域にウェーハが飛び出していれば、検出用の光はウェーハの外周部で反射されて、反射鏡に到達せず、それ故に受光素子で受光されない。このように、反射型の光センサを用いて、カセットの収納位置から飛び出したウェーハの有無を容易にかつ高精度に検出することができる。
【0010】
上記構成の装置において、駆動機構は、投光素子及び受光素子を一体的に支持する支持部材と、支持部材をウェーハの配列方向に移動させる一つのモータと、を含む、構成を採用することができる。
この構成によれば、一つのモータで投光素子及び受光素子を駆動するため、別々に駆動する場合に比べて、制御シーケンスが簡略化されると共に、構造が簡略化されて、装置を小型化できる。
【0011】
本発明のウェーハ検出方法は、所定の開口部を画定する壁部に、ウェーハを収納するカセットを密着させ、開口部を通してカセット内の収納位置から飛び出したウェーハの有無を検出するウェーハ検出方法であって、上記開口部の一側部からウェーハの主面と平行な方向においてウェーハの外周部に向けて投光素子から検出用の光を射出し、投光素子から射出された光を受光素子が受光するか否かにより、飛び出したウェーハの有無を検出する、ことを特徴としている。
この構成によれば、カセット内に収納されるウェーハの主面と平行な方向において、投光素子から検出用の光が射出され、開口部の領域にウェーハが飛び出していなければ、検出用の光は受光素子で受光され、一方、開口部の領域にウェーハが飛び出していれば、検出用の光はウェーハの外周部で反射されて、受光素子で受光されない。このように、ウェーハの外周部に検出用の光を照射するため、誤検出を招くことなく、カセットの収納位置から飛び出したウェーハの有無を容易にかつ高精度に検出することができる。したがって、移送ロボット、蓋、その他の移動体等が、飛び出したウェーハに衝突するのを未然に防止でき、ウェーハの破損等を防止できる。
【0012】
上記構成の方法において、カセット内の収納位置にウェーハが収納されているか否かを検出するマッピング用の光センサを、カセット内の収納位置から飛び出したウェーハの有無を検出する際に兼用する、構成を採用することができる。
この構成によれば、マッピング用の光センサを飛び出し検出用の光センサとして兼用することにより、この方法を用いる装置を簡略化、小型化することができる。
【0013】
上記構成の方法において、光センサは、ウェーハのマッピングを行う前に、開口部の領域において、ウェーハの配列方向において一方側から他方側に走査する、構成を採用することができる。
この構成によれば、光センサを、壁部の内側から開口部を通して、カセット内の収納位置に移動させてマッピングを行う前に、途中に位置する開口部の領域において、ウェーハの配列方向に走査させることで、ウェーハの飛び出しを検出できるため、光センサを駆動制御する際の制御シーケンスを簡略化でき、マッピング及び飛び出し検出に要する時間の短縮化を達成することができる。
【発明の効果】
【0014】
上記構成をなす本発明のウェーハ検出装置及び方法によれば、構造の簡略化、装置の小型化を図りつつ、カセット内に収納されるべきウェーハの飛び出しを高精度に検出して、ウェーハの破損等を防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の最良の実施形態について、添付図面に基づき説明する。
図1ないし図6は、本発明に係るウェーハ検出装置及び方法の一実施形態を示すものであり、図1はウェーハ検出装置を備えた半導体処理装置の縦断面図、図2は図1に示す装置の一部を拡大した縦断面図、図3は図1に示す装置の一部を拡大した平面図、図4はウェーハ検出装置の平面図、図5はウェーハ検出装置の側面図、図6はウェーハ検出装置の正面図である。
【0016】
この半導体製造装置は、図1ないし図3に示すように、半導体の製造を行う内部空間Ainと外部空間Aoutとを仕切る壁部10、壁部10の内側(内部空間Ain)に配置された搬送ロボット20、ウェーハWを移送するための載置部30、壁部10の外側(外部空間Aout)に設置されてカセットCを載置して位置決めするテーブル40、壁部10に形成された略矩形の開口部11を遮蔽し得ると共にカセットCの蓋C1を保持し得る遮蔽蓋50、遮蔽蓋50を開口部11に対して着脱させる駆動機構60、壁部10の領域に配置されてウェーハWの飛び出しを検出するウェーハ検出装置100、壁部10の内側(内部空間Ain)に配置されてカセットC内に収納されたウェーハWのマッピングを行うマッピングセンサ(不図示)等を備えている。
【0017】
カセットCは、複数のウェーハWを鉛直方向に配列した状態で収納するものであり、各々のウェーハWを等間隔で支持するべく内側壁に形成された溝又は支持片(不図示)、ウェーハWを出し入れするための開口部を開閉するための着脱自在な蓋C1、蓋C1に内蔵されたロック機構等を備えている。
【0018】
壁部10は、図1ないし図6に示すように、半導体の処理を行うための内部空間Ainを外部空間Aoutから遮断するものであり、その一部に略矩形の開口部11が形成され、開口部11の外側(外部空間Aout)には、カセットCを開口部11の縁部に密着させた状態で保持するテーブル40が設けられ、開口部11の内側(内部空間Ain)には、カセットCの蓋C1を保持して着脱する遮蔽蓋50を揺動及び昇降駆動する駆動機構60、マッピングセンサ(不図示)等が設けられている。
【0019】
また、壁部10には、図4ないし図6に示すように、開口部11の側部(周縁部領域)において、ウェーハ検出装置100を収容するための凹部12,13、14等が形成されている。このように、カセットCが装着される壁部10において、カセットCの収納位置から飛び出したウェーハW´の有無を検出するウェーハ検出装置100を配置したことにより、カセットCに対してのウェーハWの出し入れに何ら支障なく、スペースを有効に利用でき、それ故にシステム全体の小型化を達成できる。
【0020】
ウェーハ検出装置100は、図4ないし図6に示すように、開口部11の一側部に形成された凹部12に配置された投光素子101、投光素子101を支持する支持部材としてのホルダー102、ホルダー102を保持して鉛直方向Vに伸長する支持部材としてのシャフト103、開口部11の他側部に形成された凹部13に配置された受光素子111、投光素子111を支持する支持部材としてのホルダー112、ホルダー112を保持して鉛直方向Vに伸長する支持部材としてのシャフト113、開口部11の下側に形成された凹部14に配置されてシャフト103,113を一体的に連結すると共に雌ネジ105aをもつ支持部材としての連結バー105、凹部14に配置されて鉛直方向Vに伸長すると共に雌ネジ105aに螺合するリードスクリュー106、リードスクリュー106を回転駆動するモータ107等により形成されている。
すなわち、リードスクリュー106及びモータ107により、支持部材102,112、103,113,105を介して、投光素子101及び受光素子111を同時にウェーハWの配列方向(鉛直方向V)に走査させる駆動機構が構成されている。尚、モータ107としては、ステップモータ、あるいは、位置センサと共にDCモータを採用することができる。
【0021】
投光素子101は、ウェーハWの外周部に検出用の光LBを照射し得るように、水平方向に光LBを射出する。
受光素子111は、投光素子101と同一の高さでかつ水平方向において対向するように配置されて、投光素子101から射出された光LBを受光し得るようになっている。
すなわち、投光素子101及び受光素子111により、ウェーハWの主面と平行な方向においてウェーハWの外周部に検出用の光LBを照射するための透過型の光センサが構成されている。
【0022】
上記ウェーハ検出装置100の検出動作について説明すると、光センサ(投光素子101及び受光素子111)は、図4及び図6に示すように、駆動機構(リードスクリュー106,モータ107)により、開口部11の側部に沿ってウェーハWの配列ピッチに合わせて移動させられる(走査する)と共に、開口部11の一側部(凹部12)に配置された投光素子101が、カセットC内に収納されるウェーハWの主面と平行な方向において、検出用の光LBを射出する。
【0023】
そして、開口部11の領域にウェーハWが飛び出していなければ、検出用の光LBは開口部11の他側部(凹部13)に配置された受光素子111で受光され、飛び出したウェーハW´は無いと判断される。
一方、開口部11の領域にウェーハW´が飛び出していれば、検出用の光LBはウェーハW´の外周部で反射された反射光LB´として、壁部10の内側(内部空間Ain)に向かうため受光素子111で受光されず、飛び出したウェーハW´が有ると判断される。
【0024】
このように、透過型の光センサを用いて、ウェーハWの外周部に光LBを照射して検出するため、石英ウェーハであっても、誤検出を招くことなく、カセットCの収納位置から飛び出したウェーハW´の有無を容易にかつ高精度に検出することができる。また、投光素子101及び受光素子111は、一つのモータ107で駆動されるため、別々に駆動するモータを設ける場合に比べて、制御シーケンスが簡略化されると共に、構造が簡略化されて、装置を小型化することができる。
【0025】
次に、カセットCに対するウェーハWの出し入れ動作について説明する。尚、この半導体の処理システムは、種々の制御を司る制御部(マイクロコンピュータ)、種々の動作の切り替えタイミングを検出し、その検出情報を制御部に送るセンサ等を備え、種々の動作は制御部から発せられる制御信号に基づいて行われる。
先ず、複数のウェーハWを収納したカセットCが、図2に示すように、テーブル40に載置されて位置決めされると、遮蔽蓋50がカセットCの蓋C1を一体的に掴んでロックを解除すると共に、駆動機構60が、図1に示すように、遮蔽蓋50(及び蓋C1)を内向きに揺動させつつ下方に移動させて、開口部11から後退させる。
【0026】
続いて、ウェーハ検出装置100により、飛び出したウェーハW´の有無を検出する。ここで、飛び出したウェーハW´が有ると判断された場合は、その後の動作が停止し、その事を作業者に知らせるための報知信号(報知ランプの点滅、報知ブザー等)が発せられる。これにより、作業者は、位置ずれを生じたウェーハW´を所定の収納位置に戻す作業を行うことができる。この点検作業により、ウェーハWが飛び出した状態で動作(例えば、壁部10の内側に沿って昇降するような移動体の動作)が続行した場合に発生し得るウェーハWの破損等を未然に防止できる。
【0027】
ウェーハ検出装置100により、飛び出したウェーハW´は無いと判断された場合、あるいは、飛び出したウェーハW´を手直しして収納位置に戻した場合、駆動機構によりマッピングセンサがウェーハWに近接した位置に位置付けられ、ウェーハWのマッピングが行われる。
【0028】
その後、内部空間Ainに設置された搬送ロボット20(例えば、多関節ロボット)が、図1の二点鎖線で示すように、開口部11に近づき、カセットC内からウェーハWを取り出し、図1の実線で示すように、種々の処理工程(載置部30)に向けて移送する。
【0029】
一方、種々の処理が完了すると、搬送ロボット20は、処理済のウェーハWを再びカセットC内に搬入する。ここで、全てのウェーハWの搬入動作が終了すると、ウェーハ検出装置100により、飛び出したウェーハW´の有無を検出する。
ここで、飛び出したウェーハW´が有ると判断された場合は、その後の動作が停止し、その事を作業者に知らせるための報知信号(報知ランプの点滅、報知ブザー等)が発せられる。これにより、作業者は、位置ずれを生じたウェーハW´を所定の収納位置に戻す作業を行うことができる。この点検作業により、ウェーハWが飛び出した状態で動作(例えば、壁部10の内側に沿って昇降するような移動体の動作)が続行した場合に発生し得るウェーハWの破損等を未然に防止できる。
【0030】
ウェーハ検出装置100による検出動作が終了すると、必要に応じてマッピングセンサによりウェーハWのマッピングが行われ、続いて、駆動機構60が作動して、遮蔽蓋50(及び蓋C1)を上昇させて、開口部11を閉鎖すると共に蓋C1をカセットCに嵌合させて密閉かつロックし、その後、遮蔽蓋50は蓋C1の把持を解除する。これにより、テーブル40からカセットCを持ち出すことが可能になる。
【0031】
上記のように、カセットC内に収納されるウェーハWが所定の収納位置から飛び出しているか否かを検出するためのウェーハ検出装置100を壁部110に設けたことにより、システム全体を簡略化、小型化できると共に、透明なウェーハであっても確実に検出でき、それ故にウェーハWの破損を防止でき、全体として歩留まりが向上し、又、生産性も向上する。
【0032】
図7ないし図9は、本発明に係るウェーハ検出装置及び方法の他の実施形態を示すものであり、図7は装置の平面図、図8及び図9は装置の縦断面図である。尚、この実施形態において、前述の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0033】
このウェーハ検出装置100´は、図7ないし図9に示すように、開口部11の一側部に形成された凹部12に配置された投光素子101´及び受光素子111´、投光素子101´及び受光素子111´を一体的に支持する支持部材としてのホルダー102´、鉛直方向Vに伸長してホルダー102´に螺合するリードスクリュー106´、凹部12の下方に形成された凹部13´に配置されてリードスクリュー106´を回転駆動するモータ107´、投光素子101´から射出された光LB1を受光素子111´に向けて反射光LB2として反射するべく開口部11の他側部に形成された凹部13に配置されかつウェーハWの配列方向(鉛直方向V)に長尺な反射鏡108´等により形成されている。
【0034】
すなわち、リードスクリュー106´及びモータ107´により、ホルダー102´を介して、投光素子101´及び受光素子111´を同時にウェーハWの配列方向(鉛直方向V)に走査させる駆動機構が構成されている。尚、モータ107´としては、ステップモータ、あるいは、位置センサと共にDCモータを採用することができる。
【0035】
投光素子101´は、ウェーハWの外周部に検出用の光LB1を照射し得るように、かつ、反射鏡108´に対して垂直に光LB1が入射し得るように、水平方向に光LB1を射出する。
受光素子111´は、投光素子101´と同一の高さでかつ投光素子101´に近接して配置され、反射鏡108´により反射された反射光LB2を受光し得るように水平方向において反射鏡108´と対向するように配置されている。
すなわち、投光素子101´及び受光素子111´並びに反射鏡108´により、ウェーハWの主面と平行な方向においてウェーハWの外周部に検出用の光LB1を照射するための反射型の光センサが構成されている。
【0036】
上記装置100´の検出動作について説明すると、光センサ(投光素子101´及び受光素子111´)は、図7及び図8に示すように、駆動機構(リードスクリュー106´,モータ107´)により、開口部11の側部に沿ってウェーハWの配列ピッチに合わせて移動させられる(走査する)と共に、開口部11の一側部(凹部12)に配置された投光素子101´が、カセットC内に収納されるウェーハWの主面と平行な方向において、検出用の光LB1を射出する。
【0037】
そして、開口部11の領域にウェーハWが飛び出していなければ、検出用の光LB1は開口部11の他側部(凹部13)に配置された反射鏡108´で反射され、その反射光LB2は開口部11の一側部(凹部12)に配置された受光素子111´で受光され、飛び出したウェーハW´は無いと判断される。
一方、開口部11の領域にウェーハW´が飛び出していれば、検出用の光LB1はウェーハW´の外周部で反射された反射光LB1´として、壁部10の内側(内部空間Ain)に向かうため反射鏡108´には到達せず、それ故に受光素子111´でも受光されず、飛び出したウェーハW´が有ると判断される。
【0038】
このように、反射型の光センサを用いて、ウェーハWの外周部に光LB1を照射して検出するため、石英ウェーハであっても、誤検出を招くことなく、カセットCの収納位置から飛び出したウェーハW´の有無を容易にかつ高精度に検出することができる。また、投光素子101´及び受光素子111´は、一つのモータ107´で駆動されるため、別々に駆動するモータを設ける場合に比べて、制御シーケンスが簡略化されると共に、構造が簡略化されて、装置を小型化することができる。
【0039】
図10及び図11は、本発明に係るウェーハ検出方法のさらに他の実施形態を示すものであり、図10はこの検出方法を行う装置の平面図、図11はこの検出方法を行う装置の縦断面図である。尚、この実施形態において、前述の実施形態と同一の構成については、同一の符号を付してその説明を省略する。
【0040】
この検出方法を行う装置としては、カセットC内の収納位置にウェーハWが収納されているか否かを検出するマッピング用の光センサ200を、カセットC内の収納位置から飛び出したウェーハWの有無を検出するために兼用するものである。
すなわち、この光センサ200は、開口部11の一側部寄りに位置付けられる投光素子201、開口部11の他側部寄りに位置付けられる受光素子211により構成されている。また、光センサ200を走査させる駆動機構は、投光素子201を支持する支持アーム203、受光素子211を支持する支持アーム213、支持アーム203,213を一体的に連結する連結バー(不図示)、連結バーを鉛直方向V及び水平方向Hに駆動するリードスクリュー(不図示)及びリードスクリューを回転駆動するモータ(不図示)等により形成されている。
【0041】
投光素子201は、ウェーハWの外周部に検出用の光LBを照射し得るように、水平方向に光LBを射出する。
受光素子211は、投光素子201と同一の高さでかつ水平方向において対向するように配置されて、投光素子201から射出された光LBを受光し得るようになっている。
すなわち、投光素子201及び受光素子211により、ウェーハWの主面と平行な方向においてウェーハWの外周部に検出用の光LBを照射するための透過型の光センサが構成されている。
【0042】
上記光センサ200の検出動作について説明する。先ず、カセットCからウェーハWを取り出す際に、あるいは、カセットCへウェーハWを収納する際に、投光素子201及び受光素子211は、開口部11の内側(内部空間Ain)でかつ開口部11よりも下方で、ウェーハWの搬送通路から後退した位置に位置付けられている。
そして、搬送ロボット20により、カセットCへのウェーハWの収納動作が完了すると、全ての収納位置にウェーハWが収納されている否かを検出するウェーハWのマッピングを行う前に、カセットC内の収納位置から飛び出したウェーハW´の有無を検出する動作が行われる。
【0043】
先ず、駆動機構により、光センサ200(投光素子201及び受光素子211)が、鉛直方向Vの上方に移動させられかつ水平方向Hの外向きに移動させられて、図10及び図11の実線で示すように、開口部11の下側(一方側)に位置付けられる。
そして、光センサ200(投光素子201及び受光素子211)は、駆動機構により、ウェーハWの配列ピッチに合わせつつ開口部11の側部に沿って、図11の二点鎖線で示すように、上側(他方側)に移動させられる(上側に向けて走査する)と共に、開口部11の一側部寄りに位置する投光素子201が、カセットC内に収納されるウェーハWの主面と平行な方向において、検出用の光LBを射出する。
【0044】
そして、開口部11の領域にウェーハWが飛び出していなければ、検出用の光LBは開口部11の他側部寄りに位置する受光素子211で受光され、飛び出したウェーハW´は無いと判断される。
一方、開口部11の領域にウェーハW´が飛び出していれば、検出用の光LBはウェーハW´の外周部で反射された反射光LB´として、壁部10の内側(内部空間Ain)に入射して受光素子211で受光されず、飛び出したウェーハW´が有ると判断される。
ここで、飛び出したウェーハW´が有ると判断された場合は、報知信号(ランプの点滅、警報ブザー)等が発せられて、作業者に報知する。これにより、作業者は飛び出したウェーハW´を手作業により収納位置に押し込むことができる。
【0045】
ウェーハWの飛び出し検出が終了すると、駆動機構により、光センサ200(投光素子201及び受光素子211)は、図10の二点鎖線で示すように、水平方向HのカセットC内に向けて移動させられ所定のマッピング位置に位置付けられる。
そして、光センサ200(投光素子201及び受光素子211)は、駆動機構により、ウェーハWの配列ピッチに合わせつつ開口部11の側部に沿って、図11の二点鎖線で示す高さの上側位置から鉛直方向Vの下側に移動させられると共に、カセットC内の一側部寄りに位置する投光素子201が、カセットC内に収納されたウェーハWの主面と平行な方向において、検出用の光LBを射出する。
【0046】
そして、所定の収納位置にウェーハWが無ければ、検出用の光LBはカセットCの他側部寄りに位置する受光素子211で受光され、ウェーハWが所定の収納位置に収納されていないと判断される。
一方、所定の収納位置にウェーハWが収納されていれば、検出用の光LBはウェーハW´の外周部で反射された反射光LB´として、壁部10の内側(内部空間Ain)に向かうため受光素子211で受光されず、ウェーハWは所定の収納位置に収納されていると判断される。
【0047】
上記の検出方法においては、カセットC内の収納位置から飛び出したウェーハW´の有無を検出する際に、マッピング用の光センサ200を兼用しているため、装置全体を簡略化、小型化することができる。
また、光センサ200を、壁部10の内側(内部空間Ain)から開口部11を通して、カセットC内の収納位置に移動させてマッピングを行う前に、途中に位置する開口部11の領域において、ウェーハWの配列方向(鉛直方向V)に走査させて、ウェーハW´の飛び出しを検出するため、光センサ200を駆動制御する際の制御シーケンスを簡略化でき、マッピング及び飛び出し検出に要する時間の短縮化を達成することができる。
【0048】
上記実施形態においては、ウェーハWの飛び出しを検出する光センサとして、透過型又は反射型の光センサを一つ設ける構成を示したが、必要に応じて複数設けてもよい。
また、上記実施形態においては、光センサをウェーハWの配列方向に走査させる駆動機構として、リードスクリュー106,106´、モータ107,107´を示したが、これに限定されるものではなく、その他のアクチュエータを採用してもよい。
さらに、上記実施形態においては、駆動機構を配置する場所として、壁部10に設けられた凹部14,14´を採用したが、これに限定されるものではなく、内部空間Ainと外部空間Aoutが完全に遮断される構成でかつ開口部11の搬送通路から後退した位置であれば、壁部10から一部がはみ出すように配置されてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0049】
以上述べたように、本発明のウェーハ検出装置及び方法は、構造の簡略化、装置の小型化を達成しつつ、カセット内に収納されるべきウェーハの飛び出しを高精度に検出して、ウェーハの破損等を防止できるため、カセットからのウェーハの飛び出しだけでなく、ウェーハを取り扱う搬送工程でかつ所定位置からの位置ずれを検出する必要があるところであれば、その他の処理システムあるいは処理装置においても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明に係るウェーハ検出装置及び方法が採用された半導体処理装置の一部を示す縦断面図である。
【図2】図1に示す半導体処理装置の一部を拡大した縦断面図である。
【図3】図1に示す半導体処理装置の一部を示す平面図である。
【図4】図1に示す半導体処理装置に設けられたウェーハ検出装置を示す平面図である。
【図5】図1に示す半導体処理装置に設けられたウェーハ検出装置を示す縦断面図である。
【図6】図1に示す半導体処理装置に設けられたウェーハ検出装置を示す縦断面図である。
【図7】本発明に係るウェーハ検出装置の他の実施形態を示す平面図である。
【図8】本発明に係るウェーハ検出装置の他の実施形態を示す縦断面図である。
【図9】本発明に係るウェーハ検出装置の他の実施形態を示す縦断面図である。
【図10】本発明に係るウェーハ検出方法の他の実施形態を示す平面図である。
【図11】本発明に係るウェーハ検出方法の他の実施形態を示す縦断面図である。
【符号の説明】
【0051】
W ウェーハ
W´ 飛び出したウェーハ
C カセット
C1 蓋
LB,LB1 検出用の光
10 壁部
11 開口部
12 凹部(一側部)
13 凹部(他側部)
14,14´ 凹部(下側部)
20 搬送ロボット
30 載置部
40 テーブル
50 遮蔽蓋
60 駆動機構
100,100´ ウェーハ検出装置
101,101´ 投光素子(光センサ)
111,111´ 受光素子(光センサ)
102,102´,112 ホルダー(支持部材)
103,103´ シャフト(支持部材)
105 連結バー(支持部材)
106,106´ リードスクリュー(駆動機構)
107,107´ モータ(駆動機構)
108´ 反射鏡(光センサ)
200 マッピング用の光センサ
201 投光素子
211 受光素子
203,213 支持アーム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の開口部を画定する壁部に、ウェーハを収納するカセットを密着させ、前記開口部を通してウェーハの出し入れを行う際に、前記カセット内の収納位置から飛び出したウェーハの有無を検出するウェーハ検出装置であって、
前記壁部には、前記開口部の側部において、ウェーハの主面と平行な方向においてウェーハの外周部に検出用の光を照射するための透過型又は反射型の光センサと、前記光センサをウェーハの配列方向に走査させる駆動機構と、が設けられている、
ことを特徴とするウェーハ検出装置。
【請求項2】
前記光センサは、ウェーハの外周部に検出用の光を照射するべく前記開口部の一側部に配置された投光素子と、前記投光素子から射出された光を受光するべく前記開口部の他側部に配置された受光素子と、を含み、
前記駆動機構は、前記投光素子及び受光素子を同時にウェーハの配列方向に走査させる、
ことを特徴とする請求項1記載のウェーハ検出装置。
【請求項3】
前記光センサは、ウェーハの外周部に検出用の光を照射するべく前記開口部の一側部に配置された投光素子と、前記投光素子から射出された光を受光するべく前記開口部の一側部に配置された受光素子と、前記投光素子から射出された光を前記受光素子に向けて反射するべく前記開口部の他側部に配置されかつウェーハの配列方向に長尺な反射鏡と、を含み、
前記駆動機構は、前記投光素子及び受光素子を同時にウェーハの配列方向に走査させる、
ことを特徴とする請求項1記載のウェーハ検出装置。
【請求項4】
前記駆動機構は、前記投光素子及び受光素子を一体的に支持する支持部材と、前記支持部材をウェーハの配列方向に移動させる一つのモータと、を含む、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のウェーハ検出装置。
【請求項5】
所定の開口部を画定する壁部に、ウェーハを収納するカセットを密着させ、前記開口部を通して前記カセット内の収納位置から飛び出したウェーハの有無を検出するウェーハ検出方法であって、
前記開口部の一側部からウェーハの主面と平行な方向においてウェーハの外周部に向けて投光素子から検出用の光を射出し、前記投光素子から射出された光を受光素子が受光するか否かにより、飛び出したウェーハの有無を検出する、
ことを特徴とするウェーハ検出方法。
【請求項6】
前記カセット内の所定の位置にウェーハが収納されているか否かを検出するマッピング用の光センサを、前記カセット内の収納位置から飛び出したウェーハの有無を検出する際に兼用する、
ことを特徴とする請求項5記載のウェーハ検出方法。
【請求項7】
前記光センサは、ウェーハのマッピングを行う前に、前記開口部の領域において、ウェーハの配列方向において一方側から他方側に走査する、
ことを特徴とする請求項6記載のウェーハ検出方法。
【請求項1】
所定の開口部を画定する壁部に、ウェーハを収納するカセットを密着させ、前記開口部を通してウェーハの出し入れを行う際に、前記カセット内の収納位置から飛び出したウェーハの有無を検出するウェーハ検出装置であって、
前記壁部には、前記開口部の側部において、ウェーハの主面と平行な方向においてウェーハの外周部に検出用の光を照射するための透過型又は反射型の光センサと、前記光センサをウェーハの配列方向に走査させる駆動機構と、が設けられている、
ことを特徴とするウェーハ検出装置。
【請求項2】
前記光センサは、ウェーハの外周部に検出用の光を照射するべく前記開口部の一側部に配置された投光素子と、前記投光素子から射出された光を受光するべく前記開口部の他側部に配置された受光素子と、を含み、
前記駆動機構は、前記投光素子及び受光素子を同時にウェーハの配列方向に走査させる、
ことを特徴とする請求項1記載のウェーハ検出装置。
【請求項3】
前記光センサは、ウェーハの外周部に検出用の光を照射するべく前記開口部の一側部に配置された投光素子と、前記投光素子から射出された光を受光するべく前記開口部の一側部に配置された受光素子と、前記投光素子から射出された光を前記受光素子に向けて反射するべく前記開口部の他側部に配置されかつウェーハの配列方向に長尺な反射鏡と、を含み、
前記駆動機構は、前記投光素子及び受光素子を同時にウェーハの配列方向に走査させる、
ことを特徴とする請求項1記載のウェーハ検出装置。
【請求項4】
前記駆動機構は、前記投光素子及び受光素子を一体的に支持する支持部材と、前記支持部材をウェーハの配列方向に移動させる一つのモータと、を含む、
ことを特徴とする請求項2又は3に記載のウェーハ検出装置。
【請求項5】
所定の開口部を画定する壁部に、ウェーハを収納するカセットを密着させ、前記開口部を通して前記カセット内の収納位置から飛び出したウェーハの有無を検出するウェーハ検出方法であって、
前記開口部の一側部からウェーハの主面と平行な方向においてウェーハの外周部に向けて投光素子から検出用の光を射出し、前記投光素子から射出された光を受光素子が受光するか否かにより、飛び出したウェーハの有無を検出する、
ことを特徴とするウェーハ検出方法。
【請求項6】
前記カセット内の所定の位置にウェーハが収納されているか否かを検出するマッピング用の光センサを、前記カセット内の収納位置から飛び出したウェーハの有無を検出する際に兼用する、
ことを特徴とする請求項5記載のウェーハ検出方法。
【請求項7】
前記光センサは、ウェーハのマッピングを行う前に、前記開口部の領域において、ウェーハの配列方向において一方側から他方側に走査する、
ことを特徴とする請求項6記載のウェーハ検出方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2006−13123(P2006−13123A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−187822(P2004−187822)
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月25日(2004.6.25)
【出願人】(390040660)アプライド マテリアルズ インコーポレイテッド (1,346)
【氏名又は名称原語表記】APPLIED MATERIALS,INCORPORATED
【Fターム(参考)】
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