説明

ウエーハ加工装置

【課題】クリーンルーム内の単位面積当たりにおける生産数量を高めることができるウエーハ加工装置を提供する。
【解決手段】ウエーハ保持手段21とウエーハ10を加工する加工手段とを具備する加工機2a,2bと、カセット32に収容されたウエーハ10を搬出する搬出手段34および搬出されたウエーハの仮置き手段33とを具備するウエーハ搬出機3と、仮置き手段33に仮置きされたウエーハ10を加工機2a,2bのウエーハ保持手段21に搬送するウエーハ搬送機4とを含むウエーハ加工装置1であって、加工機2a,2bとウエーハ搬出手段34およびウエーハ搬送機4はそれぞれ独立して構成されており、少なくとも2台以上の加工機2a,2bとウエーハ搬出機3およびウエーハ搬送機4の台数を適宜選定して配置し、仮置き手段33に仮置きされたウエーハ10をウエーハ搬送機4によって2台以上の加工機2a,2bのウエーハ保持手段21に搬送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、半導体ウエーハや光デバイスウエーハ等のウエーハを加工するための独立した複数の加工機を備えたウエーハ加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、半導体デバイス製造工程においては、略円板形状である半導体ウエーハの表面に格子状に形成されたストリートと呼ばれる切断予定ラインによって区画された複数の領域にIC、LSI等のデバイスを形成し、該デバイスが形成された各領域をストリートに沿って分割することにより個々の半導体デバイスを製造している。
【0003】
半導体ウエーハを分割する分割装置としては一般に切削装置が用いられている。切削装置は、ウエーハを保持するウエーハ保持手段と、該ウエーハ保持手段に保持されたウエーハを切削する切削手段と、複数のウエーハが収容されたカセットを載置するカセット載置領域と、該カセット載置領域に載置されたカセットに収容されているウエーハを搬出するウエーハ搬出手段と、該ウエーハ搬出手段によって搬出されたウエーハを仮置きし位置合わせする仮置き手段と、該仮置き手段において位置合わせされたウエーハをウエーハ保持手段に搬送するウエーハ搬送手段を具備している。(例えば、特許文献1参照。)
【0004】
また、上述したように個々に分割されるデバイスの小型化および軽量化を図るために、通常、ウエーハをストリートに沿って切断し個々のデバイスに分割するのに先立って、ウエーハの裏面を研削して所定の厚さに形成している。ウエーハの裏面を研削する研削装置は、ウエーハを保持するウエーハ保持手段と、該ウエーハ保持手段に保持されたウエーハを研削する研削手段と、複数のウエーハが収容されたカセットを載置するカセット載置領域と、該カセット載置領域に載置されたカセットに収容されているウエーハを搬出するウエーハ搬出手段と、該ウエーハ搬出手段によって搬出されたウエーハを仮置きし位置合わせする仮置き手段と、該仮置き手段において位置合わせされたウエーハをウエーハ保持手段に搬送するウエーハ搬送手段を具備している。(例えば、特許文献2参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−66865号公報
【特許文献1】特開2005−153090号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記切削装置や研削装置等の加工装置は、単位面積当たり単価が高いクリーンルーム内に設置される。しかるに、生産数量を高めるためにクリーンルーム内に設置される加工装置の台数を多くしようとしても、上述したように加工装置はウエーハを保持するウエーハ保持手段と、該保持手段に保持されたウエーハを加工する加工手段の外に、複数のウエーハが収容されたカセットを載置するカセット載置領域と、該カセット載置領域に載置されたカセットに収容されているウエーハを搬出するウエーハ搬出手段と、該ウエーハ搬出手段によって搬出されたウエーハを仮置きし位置合わせする仮置き手段と、該仮置き手段において位置合わせされたウエーハをウエーハ保持手段に搬送するウエーハ搬送手段をそれぞれ具備しているので、決められたクリーンルーム内に設置できる加工装置の台数には限度があり、生産性の向上が図れないという問題がある。
【0007】
本発明は、上記事実に鑑みてなされたものであり、その主たる技術課題は、クリーンルーム内の単位面積当たりにおける生産数量を高めることができるウエーハ加工装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記技術課題を解決するために、本発明によれば、ウエーハを保持するウエーハ保持手段と該ウエーハ保持手段に保持されたウエーハを加工する加工手段とを具備する加工機と、複数のウエーハが収容されたカセットを載置するカセット載置領域と該カセット載置領域に載置されたカセットに収容されたウエーハを搬出する搬出手段および該搬出手段によって搬出されたウエーハを仮置きする仮置き手段とを具備するウエーハ搬出機と、該ウエーハ搬出機の該仮置き手段に仮置きされたウエーハを該加工機の該ウエーハ保持手段に搬送する搬送手段を備えたウエーハ搬送機と、を含み、
該加工機と該ウエーハ搬出機および該ウエーハ搬送機はそれぞれ独立して構成されており、少なくとも2台以上の該加工機と該ウエーハ搬出機および該ウエーハ搬送機の台数を適宜選定して配置し、該ウエーハ搬出機の該仮置き手段に仮置きされたウエーハを該ウエーハ搬送機によって2台以上の該加工機の該ウエーハ保持手段に搬送する、
ことを特徴とするウエーハ加工装置が提供される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によるウエーハ加工装置は、ウエーハを保持するウエーハ保持手段と該ウエーハ保持手段に保持されたウエーハを加工する加工手段とを具備する加工機と、複数のウエーハが収容されたカセットを載置するカセット載置領域と該カセット載置領域に載置されたカセットに収容されたウエーハを搬出する搬出手段および該搬出手段によって搬出されたウエーハを仮置きする仮置き手段とを具備するウエーハ搬出機と、該ウエーハ搬出機の該仮置き手段に仮置きされたウエーハを該加工機の該ウエーハ保持手段に搬送する搬送手段を備えたウエーハ搬送機とを含み、加工機とウエーハ搬出機およびウエーハ搬送機はそれぞれ独立して構成されており、少なくとも2台以上の加工機とウエーハ搬出機およびウエーハ搬送機の台数を適宜選定して配置し、ウエーハ搬出機の仮置き手段に仮置きされたウエーハをウエーハ搬送機によって2台以上の加工機のウエーハ保持手段に搬送するように構成したので、複数の加工機に対してウエーハ搬出機とウエーハ搬送機によってウエーハを供給することができるため、装置全体の設置面積を小さくすることが可能であり、クリーンルーム内の単位面積当たりにおける生産数量を高めることができる。また、ウエーハ搬出機およびウエーハ搬送機は複数の加工機に対して共有となるため、全ての加工機にウエーハ搬出機構およびウエーハ搬送機構を装備したウエーハ加工装置に比して安価に構成することができる。なお、加工機とウエーハ搬出機およびウエーハ搬送機の台数およびレイアウト設定することにより、ウエーハの特性に応じて生産性のよいウエーハ加工装置を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に従って構成された加工装置の斜視図。
【図2】本発明に従って構成された加工装置の他の実施形態を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に従って構成されたウエーハ加工装置の好適な実施形態について、添付図面を参照して詳細に説明する。
【0012】
図1には本発明に従って構成されたウエーハ加工装置の斜視図が示されている。
図1に示すウエーハ加工装置1は、2以上の切削加工機2a、2bとウエーハ搬出機3およびウエーハ搬送機4とを含んでいる。切削加工機2a、2bは、それぞれ独立して構成されており、それぞれ略直方体状の機体ハウジング20を具備している。この機体ハウジング20内には、被加工物であるウエーハを保持するウエーハ保持手段としてのチャックテーブル21が切削送り方向である矢印Xで示す方向に移動可能に配設されている。チャックテーブル21は、吸着チャック支持台211と、該吸着チャック支持台211上に配設された吸着チャック212を具備しており、該吸着チャック212の上面である保持面上にウエーハを図示しない吸引手段を作動することによって吸引保持するようになっている。また、チャックテーブル21は、図示しない回転機構によって回転可能に構成されている。なお、チャックテーブル21には、ウエーハをダイシングテープを介して支持する環状のフレームを固定するためのクランプ213が配設されている。このように構成されたチャックテーブル21は、図示しない切削送り手段によって、矢印Xで示す切削送り方向に移動せしめられるようになっている。
【0013】
図1に示す切削加工機2a、2bは、切削手段としてのスピンドルユニット22を具備している。スピンドルユニット22は、図示しない割り出し送り手段によって図1において矢印Yで示す割り出し送り方向に移動せしめられるとともに、図示しない切り込み送り手段によって図1において矢印Zで示す切り込み送り方向に移動せしめられるようになっている。このスピンドルユニット22は、図示しない移動基台に装着され割り出し方向である矢印Yで示す方向および切り込み方向である矢印Zで示す方向に移動調整されるスピンドルハウジング221と、該スピンドルハウジング221に回転自在に支持された回転スピンドル222と、該回転スピンドル222の前端部に装着された切削ブレード223とを具備している。切削ブレード223は、例えばアルミニウムによって形成された円盤状の基台と、該基台の外周部側面にダイヤモンド砥粒をニッケルメッキで固めて厚さが15〜30μmに形成された円環状の切れ刃からなっている。
【0014】
図1に示す切削加工機2a、2bは、上記チャックテーブル21上に保持されたウエーハの表面を撮像し、上記切削ブレード223によって切削すべき領域を検出するための撮像手段23を具備している。この撮像手段23は、顕微鏡やCCDカメラ等の光学手段からなっている。また、図1に示す切削加工機2a、2bは、チャックテーブル21上で切削加工されたウエーハを洗浄する洗浄手段24と、チャックテーブル21上で切削加工されたウエーハを洗浄手段24へ搬送する洗浄搬送手段25を具備している。
【0015】
上記ウエーハ搬出機3は、図示の実施形態においては切削加工機2aに隣接して配置されている。図示の実施形態におけるウエーハ搬出機3は、略直方体状の機体ハウジング30を具備している。この機体ハウジング30にはカセット載置領域31aが設定されており、このカセット載置領域31aに被加工物であるウエーハを収容するカセットを載置する。このカセット載置テーブル31は、図示しない昇降手段によって上下方向に移動可能に構成されている。カセット載置テーブル31上には、被加工物としてのウエーハ10を収容するカセット32が載置される。カセット32に収容されるウエーハ10は、表面に格子状のストリートが形成されており、この格子状のストリートによって区画された複数の矩形領域にIC、LSI等のデバイスが形成されている。このように形成されたウエーハ10は、環状の支持フレームFに装着されたダイシングテープTの表面に裏面が貼着された状態でカセット32に収容される。
【0016】
また、図示の実施形態におけるウエーハ搬出機3は、カセット載置テーブル31上に載置されたカセット32に収容されているウエーハ10(環状のフレームFにダイシングテープTを介して支持されている状態)を仮置き手段33に搬出する搬出手段34を具備している。なお、仮置き手段33は、搬出手段34によってカセット32から搬出されたウエーハ10の中心位置合わせを実行する。
【0017】
上記ウエーハ搬送機4は、略直方体状の機体ハウジング40を具備している。この機体ハウジング40は、上記切削加工機2a、2bおよびウエーハ搬出機3の前側に矢印Xで示す切削送り方向に沿って敷設され案内レール41、41上に配設され、図示しない移動機構によって案内レール41、41に沿って移動可能に構成されている。図示の実施形態におけるウエーハ搬送機4は、機体ハウジング40に配設されたパルスモータ42と、該パルスモータ42によって回動せしめられる回動軸43と、該回動軸43に図示しない移動機構によって水平方向に移動可能に装着された搬送アーム44と、該搬送アーム44の先端部に上下移動機構45を介して装着された吸引保持パッド46を具備している。このように構成されたウエーハ搬送機4は、仮置き手段33に搬出されたウエーハ10をダイシングテープTを介して支持している環状のフレームFを吸引保持パッド46によって吸引保持し、搬送アーム44を進退するとともに機体ハウジング40を案内レール41、41に沿って移動することにより、環状のフレームFにダイシングテープTを介して支持されているウエーハ10を切削加工機2aおよび2bのチャックテーブル21に搬送する。なお、図示の実施形態におけるウエーハ搬出機3は、切削加工機2a、2bの洗浄手段24によって洗浄されたウエーハを上記ウエーハ搬出機3の仮置き手段33に搬送する。
【0018】
図1に示すウエーハ加工装置1は以上のように構成されており、以下その作用について説明する。
先ず、ウエーハ搬出機3のカセット載置テーブル31上に載置されたカセット32の所定位置に収容されている加工前のウエーハ10(環状のフレームFにダイシングテープTを介して支持されている状態)は、図示しない昇降手段によってカセット載置テーブル31が上下動することにより搬出位置に位置付けられる。次に、搬出手段34が進退作動して搬出位置に位置付けられたウエーハ10を仮置き手段33上に搬出する。仮置き手段33上に載置されたウエーハ10は、ここで中心位置合わせが行われる。
【0019】
次に、ウエーハ搬送機4を作動して、仮置き手段33に搬出されたウエーハ10をダイシングテープTを介して支持している環状のフレームFを吸引保持パッド46によって吸引保持し、搬送アーム44を進退するとともに機体ハウジング40を案内レール41、41に沿って移動することにより、環状のフレームFにダイシングテープTを介して支持されているウエーハ10を例えば切削加工機2aのチャックテーブル21に搬送する。
【0020】
チャックテーブル21上にウエーハ10が載置されたならば、図示しない吸引手段が作動してウエーハ10をチャックテーブル21上に吸引保持する。また、ウエーハ10をダイシングテープTを介して支持する環状のフレームFは、上記クランプ213によって固定される。このようにしてウエーハ10を保持したチャックテーブル21は、撮像手段23の直下まで移動せしめられる。チャックテーブル21が撮像手段23の直下に位置付けられると、撮像手段23によってウエーハ10に形成されているストリートが検出され、スピンドルユニット22を割り出し方向である矢印Y方向に移動調節してストリートと切削ブレード223との精密位置合わせ作業が行われる。
【0021】
その後、チャックテーブル21を切削ブレード223の下方である切削加工領域に移動し、切削ブレード223を所定方向に回転せしめるとともに、矢印Zで示す方向に所定量切り込み送りし、切削ブレード223の最下端がダイシングテープTに達する位置に位置付ける。そして、ウエーハ10を吸引保持したチャックテーブル21を切削送り方向である矢印Xで示す方向に所定の切削送り速度で移動する。この結果、チャックテーブル21上に保持されたウエーハ10は、切削ブレード223により所定のストリートに沿って切断される(切削工程)。
【0022】
以上のようにして、ウエーハ10を所定のストリートに沿って切断したら、チャックテーブル21を図1において矢印Yで示す方向にストリートの間隔だけ割り出し送りし、上記切削工程を実施する。そして、ウエーハ10の所定方向に延在するストリートの全てに沿って切削工程を実施したならば、チャックテーブル21を90度回転させて、ウエーハ10の所定方向と直交する方向に延在するストリートに沿って切削工程を実行することにより、ウエーハ10に格子状に形成された全てのストリートが切削されて個々のデバイスに分割される。なお、分割された個々のデバイスは、ダイシングテープTの作用によってバラバラにはならず、環状のフレームFに支持されたウエーハの状態が維持されている。
【0023】
上述したようにウエーハ10のストリートに沿って切削工程が終了したら、ウエーハ10を保持したチャックテーブル21は最初にウエーハ10を吸引保持した位置に戻される。そして、ウエーハ10の吸引保持を解除する。次に、加工後のウエーハ10は洗浄搬送手段25によって洗浄手段24に搬送される。洗浄手段24に搬送された加工後のウエーハ10は、ここで洗浄され乾燥される(洗浄乾燥工程)。
【0024】
上述した切削加工機2aによって上記切削工程を実施している際に、ウエーハ搬出機3は、カセット32に収納されている加工前のウエーハ10(環状のフレームFにダイシングテープTを介して支持されている状態)を仮置き手段33上に搬出し、仮置き手段33によってウエーハ10の中心あわせ作業を実行する。そして、ウエーハ搬送機4を作動して、仮置き手段33において中心位置合わせされた加工前のウエーハ10を切削加工機2bのチャックテーブル21に搬送する。このようにして切削加工機2bのチャックテーブル21に搬送された加工前のウエーハ10は、切削加工機2bによって上述した切削工程が実施される。
【0025】
一方、切削加工機2aによって切削工程および洗浄乾燥工程が実施された加工後のウエーハ10は、ウエーハ搬送機4によって上記ウエーハ搬出機3の仮置き手段33に搬送される。そして、仮置き手段33に搬送された加工後のウエーハ10は、搬出手段34によってカセット32の所定位置に収納される。次に、搬出手段34を作動してカセット32に収納されている加工前のウエーハ10(環状のフレームFにダイシングテープTを介して支持されている状態)を仮置き手段33上に搬出し、仮置き手段33によってウエーハ10の中心位置合わせ作業を実行する。そして、ウエーハ搬送機4を作動して、仮置き手段33において中心位置合わせされた加工前のウエーハ10を切削加工機2aのチャックテーブル21に搬送する。以後、ウエーハ搬送機4は加工前のウエーハ10を切削加工機2bと切削加工機2aに交互に搬送するとともに、切削加工機2a、2bにおいて切削工程および洗浄乾燥工程が実施された加工後のウエーハ10をウエーハ搬出機3の仮置き手段33に交互に搬送する。
【0026】
以上のように図示の実施形態におけるウエーハ加工装置1においては、2以上の切削加工機2a、2bがウエーハが収容されたカセットを載置するカセット載置領域と該カセット載置領域に載置されたカセットに収容されたウエーハを搬出するウエーハ搬出手段および該ウエーハ搬出手段によって搬出されたウエーハを仮置きする仮置き手段とを具備するウエーハ搬出機構と、該ウエーハ搬出機構の仮置き手段に仮置きされたウエーハを切削加工機2a、2bの保持手段に搬送する搬送手段を備えたウエーハ搬送機構とを装備していなくても、上記独立したウエーハ搬出機3およびウエーハ搬送機によって上記機能を達成することができる。従って、ウエーハ加工装置1全体としての設置面積を小さくすることが可能であり、クリーンルーム内の単位面積当たりにおける生産数量を高めることができる。
【0027】
次に、本発明によるウエーハ加工装置の他の実施形態について、図2を参照して説明する。
図2に示すウエーハ加工装置1は、それぞれ独立した8台の切削加工機2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、2hと、それぞれ独立した2台のウエーハ搬出機3a、3bおよびウエーハ搬送機4との組み合わせによって構成されている。切削加工機2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、2hは、上記図1に示す切削加工機2a、2bと同一の構成であり、4台ずつが直線状に配列され互いに対向して配置されている。2台のウエーハ搬出機3a、3bは、上記図1に示すウエーハ搬出機3と同一の構成であり、2列に配列された切削加工機2a、2b、2c、2dと2e、2f、2g、2hの間における両側に対向して配置されている。ウエーハ搬送機4は、上記図1に示すウエーハ搬送機4と同一の構成であり、2列に配列された切削加工機2a、2b、2c、2dと2e、2f、2g、2hの間に敷設され案内レール41、41上に移動可能に配設されている。
【0028】
図2に示すウエーハ加工装置1においては、独立した8台の切削加工機2a、2b、2c、2d、2e、2f、2g、2hに対して2台のウエーハ搬出機3a、3bと1台のウエーハ搬送機4によってウエーハを供給することができるので、装置全体の設置面積を小さくすることが可能であり、クリーンルーム内の単位面積当たりにおける生産数量を高めることができる。また、ウエーハ搬出機およびウエーハ搬送機は複数の加工機に対して共有となるため、全ての加工機にウエーハ搬出機構およびウエーハ搬送機構を装備したウエーハ加工装置に比して安価に構成することができる。なお、加工機とウエーハ搬出機およびウエーハ搬送機の台数およびレイアウト設定することにより、ウエーハの特性に応じて生産性のよいウエーハ加工装置を構成することができる。
【0029】
以上、本発明を図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨の範囲で種々の変形は可能である。図示の実施形態においては複数の切削加工機を組み合わせたウエーハ加工装置を示したが、複数の研削機等の他の加工機とウエーハ搬出機およびウエーハ搬送機の組み合わせにしてもよい。
【符号の説明】
【0030】
1:ウエーハ加工装置
2a、2b:切削加工機
21:チャックテーブル(保持手段)
22:スピンドルユニット
223:切削ブレード
3:ウエーハ搬出機
31:カセット載置テーブル
32:カセット
33:仮置き手段
34:搬出手段
4:ウエーハ搬送機
41:案内レール
42:パルスモータ
43:回動軸
44:搬送アーム
45:上下移動機構
46:吸引保持パッド
10:ウエーハ
F:環状の支持フレーム
T:ダイシングテープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ウエーハを保持するウエーハ保持手段と該ウエーハ保持手段に保持されたウエーハを加工する加工手段とを具備する加工機と、複数のウエーハが収容されたカセットを載置するカセット載置領域と該カセット載置領域に載置されたカセットに収容されたウエーハを搬出する搬出手段および該搬出手段によって搬出されたウエーハを仮置きする仮置き手段とを具備するウエーハ搬出機と、該ウエーハ搬出機の該仮置き手段に仮置きされたウエーハを該加工機の該ウエーハ保持手段に搬送する搬送手段を備えたウエーハ搬送機と、を含み、
該加工機と該ウエーハ搬出手段および該ウエーハ搬送機はそれぞれ独立して構成されており、少なくとも2台以上の該加工機と該ウエーハ搬出機および該ウエーハ搬送機の台数を適宜選定して配置し、該ウエーハ搬出機の該仮置き手段に仮置きされたウエーハを該ウエーハ搬送機によって2台以上の該加工機の該ウエーハ保持手段に搬送する、
ことを特徴とするウエーハ加工装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−175022(P2012−175022A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−37950(P2011−37950)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(000134051)株式会社ディスコ (2,397)
【Fターム(参考)】