説明

エンドイフェクタ

【課題】 発塵や、ハンドおよび基板の撓み、振動が少ないエンドイフェクタを提供するものである。
【解決手段】 基板Wの周縁を径方向外方から把持するエンドイフェクタが、ロボットハンドHに取り付けられるベース部材11と、ベース部材11に設けられるU字状のハンド部材12と、ハンド部材12の連結側に接続して設けられ、ハンド部材12の先端開口側を開閉駆動するアクチュエータ13と、を備えている。ハンド部材12は、左右対称な一対のハンド部121、両ハンド部121を一体に連結し、アクチュエータ13に接続される連結可撓部122、および両ハンド部121に設けられ、基板Wの周縁を把持する基板把持部30を有し、両ハンド部121の連結可撓部寄りの部分とベース部材11とを回動支持部材200にてそれぞれピン結合し、両ハンド部121をベース部材11に対して回動自在に設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ロボットハンドに取り付けられ、基板の周縁を径方向外方から把持するエンドイフェクタに係り、特に、300mm、450mmなどの大型の半導体ウエハに好適なエンドイフェクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
半導体の製造工程において、半導体ウエハを各種の処理装置に搬入、搬出するためのウエハ搬送装置がある。例えば、ロボットハンドのアーム先端に取り付けられ、半導体ウエハを径方向外方からエッジグリップするエンドイフェクタがある。このようなエンドイフェクタとして、以下に示すものがある。
【0003】
特許文献1記載の半導体ウエハ支持用治具は、バネ性を持つ結合部によって一体に連結される2本のアームで、半導体ウエハを径方向から挟み込むと共に、各アームの内側対向面に形成される凹部に半導体ウエハの側面を嵌合させている。
【0004】
また、特許文献2記載のウエハ搬送装置は、一対の人差し指(ハンド)を、ホルダ駆動機にてベアリングを中心に回転作動させて開閉させ、ウエハの側面部位を捉え、把持している。
【0005】
さらに、特許文献3記載のエンドイフェクタ(400)は、第1アーム(402)および第2アーム(403)を有するボディ(401)を備えている。第1アーム(402)および第2アーム(403)の先端には、スロット(415)を有する円筒状のアクチュエータとして表されるサポートパッド410,412および414,416が、それぞれ設けられている。
【特許文献1】実開昭61−199049号公報
【特許文献2】特開平8−227931号公報
【特許文献3】米国特許出願公開第2007/0029227号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
近年、半導体ウエハは直径が300mmに達しており、次世代半導体ウエハにいたっては直径が450mmにも達する。450mmウエハの場合、これまで以上にウエハの撓みや振動が大きくなる懸念がもたれている。
また、大型の半導体ウエハをハンドリングするウエハ搬送装置においては、必然的にハンドの長さも長くなる。よって、装置の駆動部(ウエハをエッジグリップするための駆動機構)にて発生した振動により、発塵や、ハンドおよびウエハの撓み、振動などが発生し、その結果、半導体ウエハの品質や搬送精度の低下を招くおそれがある。
【0007】
以上の事情を考慮して創案された本発明の目的は、発塵や、ハンドおよび基板の撓み、振動が少ないエンドイフェクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成すべく請求項1に係る発明は、ロボットハンドに取り付けられ、基板の周縁を径方向外方から把持するエンドイフェクタにおいて、前記ロボットハンドに取り付けられるベース部材と、前記ベース部材に設けられるU字状のハンド部材と、前記ハンド部材の連結側に接続して設けられ、ハンド部材の先端開口側を開閉駆動するアクチュエータと、を備え、前記ハンド部材は、左右対称な一対のハンド部、前記両ハンド部を一体に連結し、前記アクチュエータに接続される連結可撓部、および両ハンド部に設けられ、前記基板の周縁を把持する基板把持部を有し、前記ハンド部材の前記先端開口側を開閉駆動すべく、前記両ハンド部の前記連結可撓部寄りの部分と前記ベース部材とを回動支持部材にてそれぞれピン結合し、両ハンド部をベース部材に対して回動自在に設けたエンドイフェクタである。
【0009】
以上の構成によれば、アクチュエータにてハンド部材の連結可撓部を駆動させるだけで、回動支持部材を中心に両ハンド部が回動して開閉駆動され、両ハンド部に設けられる基板把持部にて基板の周縁を径方向外方から把持することができる。
【0010】
請求項2に係る発明は、前記ハンド部材は、前記連結可撓部が板バネ状の薄板で構成され、その連結可撓部を支点に前記両ハンド部がU字状に湾曲形成され、前記回転支持部材にて前記ベース部材に対して回動自在に設けられる、請求項1記載のエンドイフェクタである。
【0011】
請求項3に係る発明は、前記アクチュエータは、前記両ハンド部の長手方向に沿って駆動自在であり、前記連結可撓部の中央部に1つ接続される、請求項1記載のエンドイフェクタである。
【0012】
請求項4に係る発明は、前記基板把持部が、前記両ハンド部の上面に設けられる段差部であり、その段差部に前記基板の裏面周縁部が載置、支持されると共に、段差部にて基板の周縁が把持される、請求項1記載のエンドイフェクタである。
【0013】
請求項5に係る発明は、前記基板把持部が、前記両ハンド部の対向する側面に設けられる溝部であり、その溝部にて前記基板の周縁が把持される、請求項1記載のエンドイフェクタである。
【0014】
請求項6に係る発明は、前記基板把持部は、前記ハンド部の上面にそれぞれ2つ設けられる前記段差部で構成され、各段差部はハンド部の上面に近い方から第1段差、第2段差の2つの段差を有し、前記両ハンド部の4つの前記第1段差上に、前記基板の裏面周縁部が載置、支持される、請求項4に記載のエンドイフェクタである。
【0015】
請求項7に係る発明は、前記基板把持部は、前記ハンド部の上面にそれぞれ1つ設けられる前記段差部および前記ベース部材に少なくとも1つ設けられるベース側段差部で構成され、前記各段差部は1段の段差からなる第1段差を有し、前記各ベース側段差部はベース部材の上面に近い方から第3段差、第4段差の2つの段差を有し、前記両ハンド部の2つの前記第1段差および前記ベース部材の少なくとも1つの前記第4段差上に、前記基板の裏面周縁部が載置、支持される、請求項4に記載のエンドイフェクタである。
【0016】
請求項8に係る発明は、前記第1段差および前記第4段差は、前記両ハンド部の先端上面および前記第3段差の上面に設けられるピンで構成される、請求項7に記載のエンドイフェクタである。
【0017】
請求項9に係る発明は、前記連結可撓部は前記ベース部材の本体部上に設けられ、前記両ハンド部の大部分は本体部から迫り出して設けられる、請求項2記載のエンドイフェクタである。
【0018】
請求項10に係る発明は、前記ベース部材は、前記本体部と一体に設けられ、かつ、前記基板把持部にて把持される前記基板の裏面を支持する基板支持部を有する、請求項9記載のエンドイフェクタである。
【0019】
請求項11に係る発明は、前記ベース部材の前記本体部および前記基板支持部はその内部に気体供給通路を有し、前記気体供給通路の一端は前記本体部の表面に開口され、前記気体供給通路の他端は前記基板支持部の基板対向面に開口される、請求項10記載のエンドイフェクタである。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、基板の周縁を径方向外方から把持する両ハンド部を開閉させるための駆動部が、アクチュエータと、ハンド部と回動支持部材の両境界部だけであり、発塵や、ハンド部および基板の撓み、振動が少ないエンドイフェクタが得られるという優れた効果を発揮する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の好適一実施の形態を添付図面に基づいて説明する。
本発明の好適一実施の形態に係るエンドイフェクタの斜視図を図1に示す。
図1に示すように、本実施の形態に係るエンドイフェクタ100は、ロボットハンドHのアームAの先端に取り付けられ、基板(例えば、半導体ウエハ)Wの周縁を径方向外方から把持(エッジグリップ)するものである。
エンドイフェクタ100は、アームAの先端に取り付けられる板状のベース部材11と、ベース部材11の上面に設けられるU字状のハンド部材12と、ハンド部材12の連結側(図1中では左下側)に接続して設けられ、ハンド部材12の先端開口側(図1中では右上側)を開閉駆動する1つのアクチュエータ13と、を備える。ハンド部材12は、ベース部材11の下面に設けてもよい。
【0022】
ベース部材11の本体部110におけるロボットハンド取付側(図1中では左下側)には取付穴141が貫通形成される。これらの取付穴141に対応して、アームAにも取付穴142が貫通形成される。本体部110はアームAの上面に載置され、貫通穴141,142に挿通されるピンなどの締結手段140により、本体部110とアームAとが固定される。
【0023】
ハンド部材12は、左右対称な一対のハンド部121、両ハンド部121を一体に連結し、アクチュエータ13に接続される連結可撓部122、両ハンド部121の上面に設けられ、基板Wの裏面周縁部が載置、支持されると共に、基板Wの周縁が把持される基板把持部30、および両ハンド部121の連結可撓部122寄りの位置に開口形成されるハンド穴124を有する。一方、本体部110のハンド穴124に対向する部分それぞれには、ベース穴151が開口形成される。ここで、両ハンド部121および連結可撓部122は、別々の部材同士を一体に連結したもの、1つの部材からなる一体物のいずれであってもよいが、製造性、組立性の観点に立つと、一体物の方が好ましい。
【0024】
向かい合うハンド穴124およびベース穴151には、両ハンド部121をベース部材11に対して回動自在に支持すべく、図2に示すように、回転支持部材(ピン)200がそれぞれ挿設される。回転支持部材200は、中央部を構成する円板状のピン体201の両側に小径段差部であるベースピン部202およびハンドピン部203をそれぞれ有する。ベースピン部202はベース穴151に嵌入され、ピン体201の下面がベース部材11の上面に着座される。ハンドピン部203はハンド穴124に遊嵌、挿通され、ハンドピン部203の上端部にワッシャー211を介してナット212が螺合される。
【0025】
ハンド部材12は、連結可撓部122が板バネ状の薄板で構成され、その連結可撓部(板バネ部)122を支点に両ハンド部121を湾曲させて左右対称なU字状に形成される。このU字状のハンド部材12における両ハンド部121が、回転支持部材200にてベース部材11に取り付けられている。このとき、連結可撓部122はベース部材11の本体部110上に設けられ、両ハンド部121の大部分(ハンド穴124よりも先の部分)は本体部110から迫り出して設けられる。図1中では、連結可撓部122が、ロボットハンド側(図1中では左下側)に引っ張られた(又は押された)ときに、両ハンド部121が閉駆動され、ハンド部材12の先端開口側(図1中では右上側)に押された(又は引っ張られた)ときに、両ハンド部121が開駆動される。
【0026】
本体部110上には、両ハンド部121の長手方向に沿って駆動自在なアクチュエータ13が、ハンド部材12の連結可撓部122の中央部に接続される。アクチュエータ13としては、両ハンド部121の長手方向に沿って連結可撓部122を進退駆動させることができるものであればよく、例えば、モータ、ソレノイド、エアシリンダ、圧電素子などが挙げられる。また、アクチュエータ13として形状記憶合金製のワイヤを用い、そのワイヤに電流を流して加熱し、温度変化に伴う変形力により連結可撓部122を進退駆動させるようにしてもよい。この場合、ワイヤは本体部110上に設ける必要はなく、連結可撓部122に接続されてさえすればよい。
【0027】
図3に示すように、基板把持部30は、両ハンド部121の上面に設けられる段差部である。段差部は両ハンド部121にそれぞれ2つ設けられ、各段差部はハンド部121の上面に近い方から第1段差31、第2段差32の2つの段差で構成される。両ハンド部121の4つの第1段差31の水平面上に、基板Wの裏面周縁部の一部(図3中のZ領域)が載置される。両ハンド部121の4つの第1段差31は、ハンド部材12の先端開口側を閉じ、基板Wの周縁を基板把持部30にてエッジグリップした際にほぼ真円をなすように、図4に示すように、それぞれのハンド部121における2つの第1段差31は同心の円弧状に形成される。また、ハンド部121の円弧はそれぞれ同径(図4中ではr1)に形成される。一方、各第2段差32の水平面は連続しており、面一となっている。
【0028】
図3に示すように、第1段差31の垂直面は、フラット(溝なし)であってもよいが、図5、図6に示すように、第1段差31の垂直面に凹状の溝50を設けてもよい。溝50の断面形状は、図5に示すU字状、図6に示すV字状など特に限定するものではない。第1段差31の垂直面に溝50を設けることで、より確実に、基板把持部30による基板Wの周縁の把持が可能となる。
【0029】
また、ハンド部121の上面に2つの段差を形成し、第1段差31、第2段差32を設ける代わりに、図7、図8に示すように、ハンド部121の上面に1つの段差を形成して第2段差32をなすと共に、ハンド部121の上面に垂直軸周りに回転自在なローラ(ピン)70を設けて第1段差31の垂直面をなすようにしてもよい。ローラ70の周面に、図5、図6に示した凹状の溝50を設けてもよい。また、ローラ70の代わりに固定ピンを設けてもよい。図7、図8に示すように、ローラ(ピン)70にて第1段差31の垂直面をなすことで、図3、図5、および図6に示したハンド部121に比べて、ハンド部121の全体の厚みtを薄くすることができる。その結果、ハンド部121の重量低減を図ることができ、ハンド部121の自重による撓みがより少なくなる。
【0030】
さらに、両ハンド部121の上面に設ける基板把持部30は、図3、図5、および図6に示した下に凹の段差部であってもよいが、図9に示すように、上に凸の段差部であってもよい。図9に示す上に凸の段差部(基板把持部30)を有するハンド部121においても、図7、図8に示したローラ(ピン)70を有するハンド部121と同様に、ハンド部121の全体の厚みtを薄くすることができる。
【0031】
一方、ベース部材11は、両ハンド部121の基板把持部30により把持される基板Wの裏面中央部を支持すべく、図1に示すように、基板支持部111を有していてもよい。基板支持部111は、本体部110と一体に形成され、基板Wの裏面中央部へ向かって延設されるフレーム部112と、フレーム部112の先端に設けられ、基板Wの裏面と対向する円盤状の支持本体部113とで構成される。支持本体部113の中央部には基板支持ピン114が設けられる。また、基板支持ピン114の周りには、後述する気体供給通路117に連通される複数の気体噴出孔115が、同心状に設けられる。
【0032】
ここで、支持本体部113には、基板支持ピン114および気体噴出孔115の少なくとも一方が設けられていればよい。支持本体部113が基板支持ピン114だけを有するときは、基板Wの裏面に支持本体部113の基板支持ピン114が接触される。支持本体部113が気体噴出孔115だけを有するときは、支持本体部113と基板Wの裏面とは非接触とされる。また、図1においては、支持本体部113を、フレーム部112における基板Wの裏面中央部と対向する位置に1つだけ設けた場合を例に挙げたが、2つ以上の支持本体部113をフレーム部112に設けてもよい。
【0033】
支持本体部113に気体噴出孔115を設ける際は、本体部110およびフレーム部112の内部に気体供給通路117が設けられる。気体供給通路117の一端は、本体部110におけるロボットハンド取付側(図1中では左下側)の表面に開口される。この気体供給通路117における本体部110の開口に、取付部材143の一端側が嵌入される。取付部材143の他端側に気体供給管144が接続される。
【0034】
ハンド部材12の構成材としては、基板Wのハンドリングを行う部材の構成材として慣用のものが適用可能であり、特に限定されるものではないが、耐熱性があり、軽量で、撓みの少ないものが好ましい。例えば、ステンレス鋼、アルミ、スーパーエンジニアリングプラスティック(好ましくはPEEK)、炭素繊維強化プラスティック、エンジニアリングプラスティックなどが挙げられる。ハンド部材12における連結可撓部(板バネ部)122は、必ずしもバネ材で構成する必要はなく、金属やプラスティックの薄板材で構成してもよい。また、ベース部材11の構成材としては、ハンド部材12と同様のものが適用可能である。
【0035】
回転支持部材200および基板支持ピン114は摺動、接触部であることから、それらの構成材としては、低発塵性のものが好ましく、例えば、PEEKが挙げられる。
気体供給通路117、118に供給する気体としては、基板Wに塵埃などが付着しないよう清浄気体が好ましく、例えば、窒素ガスなどが挙げられる。
【0036】
次に、本実施の形態の作用を説明する。
本実施の形態に係るエンドイフェクタ100を用い、FOUPカセットなどに多段に収容された基板Wを任意の処理装置に移載する動作(搬入動作)について説明する。
先ず、図示しないハンド進退機構にてエンドイフェクタ100を前進させ、ハンド部材12がFOUPカセット内に収容されたある基板Wの下方に挿入される。
【0037】
次に、図示しない昇降機構にてエンドイフェクタ100の全体を上昇させる。これにより、基板把持部30における4つの第1段差31の水平面にて基板Wがすくい上げられ、基板Wの裏面周縁部の一部が4つの第1段差31の水平面にて支持される。よって、基板Wの裏面周縁部が、4点で水平支持されるため、基板Wの水平方向の撓みがより少なくなる。その結果、後述する4つの第1段差31の垂直面によるエッジグリップの際に、基板Wの周縁における高さ位置の位置ずれが発生するおそれがより少なくなる。ここで、特に大型の基板Wをハンドリングするときは、基板Wの中央部における撓みがより顕著になる。このため、ベース部材11に基板支持部111を設けておき、この基板支持部111と4つの第1段差31にて、基板Wの裏面を下方から支持するようにしてもよい。
【0038】
次に、アクチュエータ13をロボットハンド側に駆動させる。これにより、板バネ部である連結可撓部122がロボットハンド側に弾性変形され、連結可撓部122と一体の両ハンド部121が、両回転支持部材200を回転中心にして互いに接近する方向に回動される。これによって、ハンド部材12の先端開口側が閉駆動される。両ハンド部121を閉じた際に、各ハンド部121における2つの第1段差31が形成する円弧の中心同士が一致するようハンド部材12は調整されている。よって、ハンド部材12の先端開口側を閉駆動させることで、基板把持部30における4つの第1段差31の各垂直面がほぼ真円をなす。その結果、基板Wの周縁が各垂直面にてエッジグリップされると共に、基板Wのセンタリングがなされる。このセンタリングは、アクチュエータ13の駆動方向の延長線上に、基板Wの中心が位置決めするようになされる。
【0039】
その後、ハンド進退機構にてエンドイフェクタ100を後退させ、エンドイフェクタ100にてエッジグリップされた基板Wが、FOUPカセット内から取り出される。取り出された基板Wは、エンドイフェクタ100にてエッジグリップされたまま、所望の処理装置における所定の箇所に移動される。
【0040】
エンドイフェクタを処理装置の所定の受け渡し位置に移動させた後、アクチュエータ13をハンド部材先端側に駆動させる。これにより、板バネ部である連結可撓部122がハンド部材先端側に弾性変形され、連結可撓部122と一体の両ハンド部121が、両回転支持部材200を回転中心にして互いに離間する方向に回動される。そして、ハンド部材12の先端開口側が開駆動され、エッジグリップが解除(把持OFF)される。このとき、基板Wは、4つの第1段差31の水平面のみで支持された状態である。
【0041】
その後、昇降機構にてエンドイフェクタ100の全体を下降させる。これにより、4つの第1段差31の水平面にて支持された基板Wが、処理装置の所定の受け渡し位置に移載され、搬入動作が完了する。
【0042】
処理装置に搬入され、所定の処理が施された基板Wは、処理装置からFOUPカセット(又は他の処理装置)へ搬出、移載される。この基板Wの搬出動作も、前述した搬入動作と同様の手順にてなされる。
【0043】
本実施の形態に係るエンドイフェクタ100は、基板Wの周縁を把持する左右のハンド部121を、連結可撓部122を介して一体に構成しており、連結可撓部122を1箇所駆動させるだけで、すなわち1つのアクチュエータ13で、両ハンド部121が左右対称に開閉駆動される。ここで、前述した特許文献3記載のエンドイフェクタにおいては、両ハンド部にアクチュエータがそれぞれ設けられ、両ハンド部が独立駆動される。よって、両アクチュエータのずれ(非同期)に起因して両ハンド部の開閉駆動にバラツキが生じ、両ハンド部による基板のセンタリング精度にバラツキが生じる。これに対して、本実施の形態に係るエンドイフェクタ100は、1つのアクチュエータ13で両ハンド部121を左右対称に開閉駆動させることから、両ハンド部121の開閉駆動にバラツキが生じることはない。その結果、両ハンド部121による基板Wのセンタリング精度にばらつきが生じることはなく、常に安定している。よって、両ハンド部121による基板Wのセンタリング精度が大幅に向上する。
【0044】
また、本実施の形態に係るエンドイフェクタ100において、両ハンド部121を開閉駆動させる際の可動部(摺動部)は、ハンド部121と回転支持部材200とが係合、接続される部分だけであるので、両ハンド部121の開閉に伴う発塵を最小限に抑えることができる。
【0045】
また、本実施の形態に係るエンドイフェクタ100は、前述したように、両ハンド部121を開閉駆動させる際の可動部を最小限としているため、発塵抑制の他に、開閉駆動に伴う両ハンド部121の先端の撓みや振動が少なくなる。この撓み、振動の抑制効果は、ハンド部121の長さが長くなるほど、すなわち基板Wのサイズが大型になるほど、より顕著に現れる。この撓み、振動の抑制の結果、両ハンド部121による基板Wの正確なセンタリング(エッジグリップの再現性)が可能となる。
【0046】
また、基板Wのセンタリングを行うエッジグリップ時に、基板Wと基板把持部30との接触、摺動領域は、基板Wの裏面周縁部および周縁の一部、すなわち基板Wの裏面の内で、4つの第1段差31における各水平面および各垂直面(図4に示す4つの接触領域Z)と対向する領域だけである。よって、エッジグリップに伴う基板Wと基板把持部30との接触、摺動面積は少なく、基板Wの前後左右方向(水平方向)のずらし動作はごくわずかである。このため、基板把持部30による把持に伴う基板Wへの影響は最小限に抑えることができる。このことは、基板Wの開放(把持OFF)時においても同様である。
【0047】
本実施の形態の作用においては、アクチュエータ13を、ロボットハンド側に駆動させたときにハンド部材12の先端開口側が閉駆動し、ハンド部材先端側に駆動させたときにハンド部材12の先端開口側が開駆動する例にて説明を行ったが、特にこれに限定するものではない。例えば、アクチュエータ13を、ハンド部材先端側に駆動させたときに閉駆動し、ロボットハンド側に駆動させたときに開駆動するように調整してもよい。また、アクチュエータ13は、ロボットハンド側およびハンド部材先端側に駆動させたときに開駆動し、アクチュエータ13駆動させていないとき(非駆動時)に閉駆動するように調整してもよい。これらの調整は、連結可撓部122の板バネとしての機能を調整することで、任意に調整可能である。
【0048】
次に、本実施の形態の変形例を添付図面に基づいて説明する。
(第1変形例)
図1の第1変形例を図10に示す。
図1に示したエンドイフェクタ100は、ハンド部121だけに基板把持部30が設けられたものであった。一方、図10に示す第1変形例のエンドイフェクタ101は、ハンド部121およびベース部材11の両方に基板把持部30が設けられる点で異なっている。エンドイフェクタ101のその他の構成は、図1に示したエンドイフェクタ100と同様であり、相違点のみを以下に説明する。
【0049】
図11に示すように、基板把持部30は、両ハンド部121の上面にそれぞれ1つ設けられる段差部と、ベース部材11の本体部110に少なくとも1つ(図10中では2つを図示)設けられるベース側段差部330で構成される。
各段差部は、1段の段差からなる第1段差31である。また、各ベース側段差部330は2つの段差からなり、本体部110の上面に近い方から第3段差333、第4段差334の順に設けられる。ベース側段差部330は、図9に示した段差部のように、上に凸の段差部である。これらの両ハンド部121の2つの第1段差31およびベース部材11の2つの第4段差334にて、基板Wの裏面周縁部が支持される。
【0050】
両ハンド部121の各第1段差31は、ハンド部材12の先端開口側を閉じ、基板Wの周縁を基板把持部30にてエッジグリップした際にほぼ真円をなすように、それぞれのハンド部121における1つの第1段差31は同心の円弧状に形成される。また、ベース部材11の各第4段差334も、同心の円弧状に形成される。そして、これらハンド部121の円弧およびベース部材11の円弧はそれぞれ同径に形成される。
【0051】
ここで、基板Wのサイズによっては、図10に二点鎖線で示すように、支持本体部113を、ベース部材11の上面における基板Wの裏面中央部に対向する位置に直接設け、基板Wの裏面中央部を支持するようにしてもよい。
【0052】
本変形例のエンドイフェクタ101を用い、FOUPカセットなどに多段に収容された基板Wを任意の処理装置に移載する動作(搬入動作)について説明する。
先ず、図示しないハンド進退機構にてエンドイフェクタ101を前進させ、ベース部材11の先端側がFOUPカセット内に収容されたある基板Wの下方に挿入される。
【0053】
次に、図示しない昇降機構にてエンドイフェクタ101の全体を上昇させる。これにより、基板把持部30における2つの第1段差31および2つの第4段差334の各水平面にて基板Wがすくい上げられ、基板Wの裏面周縁部の一部が各第1段差31および各第4段差334の各水平面にて支持される。これにより、基板Wの水平方向の撓みがより少なくなり、後述する各第1段差31および各第4段差334の各垂直面によるエッジグリップの際に、基板Wの周縁における高さ位置の位置ずれが発生するおそれがより少なくなる。ここで、特に大型の基板Wをハンドリングするときは、基板Wの中央部における撓みがより顕著になる。このため、本体部110に支持本体部113を設けておき、この支持本体部113と各第1段差31および各第4段差334にて、基板Wの裏面を下方から支持するようにしてもよい。
【0054】
次に、ハンド進退機構にてエンドイフェクタ101全体をわずかに後退させ、2つの第4段差334の垂直面に、基板Wのエンドイフェクタ先端側の周縁を当接させる。
その後、アクチュエータ13をロボットハンド側に駆動させる。これにより、板バネ部である連結可撓部122がロボットハンド側に弾性変形され、連結可撓部122と一体の両ハンド部121が、両回転支持部材200を回転中心にして互いに接近する方向に回動される。これによって、ハンド部材12の先端開口側が閉駆動され、両ハンド部121の第1段差31の垂直面が、基板Wのロボットハンド側の周縁に当接される。
【0055】
この当接の際に、両ハンド部121の各第1段差31が形成する円弧と、ベース部材11の各第4段差334が形成する円弧の中心同士が一致するようベース部材11およびハンド部材12は調整されている。よって、ハンド部材12の先端開口側を閉駆動させることで、基板把持部30における各第1段差31および各第4段差334の各垂直面がほぼ真円をなす。その結果、基板Wの周縁が各垂直面にてエッジグリップされる。
【0056】
本変形例のエンドイフェクタ101は、本体部110の全長が、図1に示したエンドイフェクタ100のものと比較して長くなるので、その分だけ重量増となる。しかしながら、本変形例のエンドイフェクタ101は、両ハンド部121全体が本体部110の上に設けられており、また、基板把持部30の一部を構成するベース側段差部330も本体部110上に設けられている。このため、エンドイフェクタ101においては、基板把持部30の撓みがほとんどなく、図1に示したエンドイフェクタ100と比較して基板Wに生じる撓み量がより少なくなる。
【0057】
(第2変形例)
図1のエンドイフェクタの第2変形例、言い換えると、図10のエンドイフェクタの変形例を図12に示す。
図10に示したエンドイフェクタ101は、両ハンド部121全体が本体部110の上に載設されていた。また、基板把持部30における各第1段差31の各垂直面は下に凹の段差で、各第4段差334の各垂直面は上に凸の段差で構成されるものであった。
【0058】
一方、図12に示す第2変形例のエンドイフェクタ102は、両ハンド部121が本体部110の両側から迫り出して設けられ、また、各第1段差31および各第4段差334の各垂直面がローラ(ピン)70で構成されている点で異なっている。エンドイフェクタ102のその他の構成は、図10に示したエンドイフェクタ101と同様であり、相違点のみを以下に説明する。
【0059】
図12に示すように、両ハンド部121は、本体部110の短手方向(図12中では左右方向)の両端部から、外側に大きく迫り出して設けられている。すなわち、ハンド部材12は、連結可撓部122は本体部110の上に載設されているが、両ハンド部121の大部分(先端側)は本体部110の両側から迫り出して設けられている。
両ハンド部121を本体部110の両側から迫り出して設けることで、本体部110の短手方向において、各第1段差31の位置と各第4段差334の位置とがずれて、見かけ上ほぼ三角形を形成することになる。その結果、エンドイフェクタ102においては、基板Wのエッジグリップの際に、図10に示したエンドイフェクタ101ではできなかった基板Wのセンタリングが可能となる。
【0060】
また、図13に示すように、各第1段差31は、両ハンド部121の先端上面にローラ70を設け、各第4段差334は、ベース側段差部330における第3段差333の上面にローラ70を設けて構成される。基板Wの周縁のエッジグリップは3点把持が好ましいため、第3段差333の上面に設けるローラ70の数は1つが好ましいが、基板WのVノッチが嵌り込むのを避けるべく、2つ以上設けてもよい(図12中では2つを図示)。第3段差333の上面にローラ70を2つ以上設けるときは、エッジグリップの安定性を高めるべく、ローラ70同士を近接して配置することが好ましい。
【0061】
本変形例のエンドイフェクタ102は、図10に示したエンドイフェクタ101と比較して、本体部110の短手方向(図12中の左右方向)長さは短くし、両ハンド部121における本体部110の短手方向長さは、本体部110から迫り出すように長くしている。よって、本変形例のエンドイフェクタ102は、エンドイフェクタ101と比較して本体部110の重量がより軽くなることから、エンドイフェクタ全体の軽量化を図ることができる。また、エンドイフェクタ102は、図10に示したエンドイフェクタ101と比較して、両ハンド部121の先端同士間の距離がより長いことから、基板Wのエッジグリップの安定性がより高まる。
【0062】
(第3変形例)
図1のエンドイフェクタの第3変形例を図13に示す。
エンドイフェクタ100,101,102(載置型)は、両ハンド部121にて、基板Wの裏面周縁部を下方から支持しつつ、周縁をエッジグリップするものであった。
一方、図13に示す第3変形例のエンドイフェクタ103(グリップ型)は、両ハンド部121にて、基板Wの周縁のみをエッジグリップする点で異なっている。エンドイフェクタ103のその他の構成は、図1に示したエンドイフェクタ100と同様であり、相違点のみを以下に説明する。
【0063】
図13に示すように、両ハンド部121の先端開口側(図13中では上側)は、基板Wを挟み込むことができるように大きく開口され、かつ、両ハンド部121の先端は基板Wの周縁形状に沿って内側に湾曲されている。両ハンド部121の先端内側(対向する側面)には、基板Wの周縁と同じ円弧形状の溝部430が設けられている。これらの溝部430が基板把持部30となる。両溝部430の横断面形状は、図5、図6に示したように、U字状、V字状が好ましい。
【0064】
ここで、特に大型の基板Wをハンドリングするときは、エンドイフェクタ100と同様に、ベース部材11に基板支持部111を設けておき、この基板支持部111と両溝部430にて、基板Wの裏面を下方から支持するようにしてもよい。
【0065】
本変形例のエンドイフェクタ103は、基板Wと両ハンド部121との接触領域が溝部430だけであることから、図1に示したエンドイフェクタ100と比較して、エッジグリップに伴う基板Wと基板把持部30との接触、摺動面積はより少なくなる。このため、基板把持部30による把持に伴う基板Wへの影響をより少なくすることができる。
【0066】
以上、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、他にも種々のものが想定されることは言うまでもない。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の好適一実施の形態に係るエンドイフェクタの斜視図である。
【図2】図1のII−II線断面図である。
【図3】図1のIII−III線断面図である。
【図4】図1における基板把持部の平面図である。
【図5】図3の第1変形例である。
【図6】図3の第2変形例である。
【図7】図3の第3変形例である。
【図8】図3の第4変形例である。
【図9】図3の第5変形例である。
【図10】図1のエンドイフェクタの第1変形例である。
【図11】図10のXI−XI線断面図である。
【図12】図1のエンドイフェクタの第2変形例である。
【図13】図12のXIII−XIII線断面図である。
【図14】図1のエンドイフェクタの第3変形例である。
【符号の説明】
【0068】
11 ベース部材
12 ハンド部材
13 アクチュエータ
30 基板把持部
100 エンドイフェクタ
121 ハンド部
122 連結可撓部
200 回動支持部材
H ロボットハンド
W 基板









【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロボットハンドに取り付けられ、基板の周縁を径方向外方から把持するエンドイフェクタにおいて、
前記ロボットハンドに取り付けられるベース部材と、
前記ベース部材に設けられるU字状のハンド部材と、
前記ハンド部材の連結側に接続して設けられ、ハンド部材の先端開口側を開閉駆動するアクチュエータと、
を備え、
前記ハンド部材は、左右対称な一対のハンド部、前記両ハンド部を一体に連結し、前記アクチュエータに接続される連結可撓部、および両ハンド部に設けられ、前記基板の周縁を把持する基板把持部を有し、
前記ハンド部材の前記先端開口側を開閉駆動すべく、前記両ハンド部の前記連結可撓部寄りの部分と前記ベース部材とを回動支持部材にてそれぞれピン結合し、両ハンド部をベース部材に対して回動自在に設けた、
ことを特徴とするエンドイフェクタ。
【請求項2】
前記ハンド部材は、前記連結可撓部が板バネ状の薄板で構成され、その連結可撓部を支点に前記両ハンド部がU字状に湾曲形成され、前記回転支持部材にて前記ベース部材に対して回動自在に設けられる、
請求項1記載のエンドイフェクタ。
【請求項3】
前記アクチュエータは、前記両ハンド部の長手方向に沿って駆動自在であり、前記連結可撓部の中央部に1つ接続される、
請求項1記載のエンドイフェクタ。
【請求項4】
前記基板把持部が、前記両ハンド部の上面に設けられる段差部であり、その段差部に前記基板の裏面周縁部が載置、支持されると共に、段差部にて基板の周縁が把持される、
請求項1記載のエンドイフェクタ。
【請求項5】
前記基板把持部が、前記両ハンド部の対向する側面に設けられる溝部であり、その溝部にて前記基板の周縁が把持される、
請求項1記載のエンドイフェクタ。
【請求項6】
前記基板把持部は、前記ハンド部の上面にそれぞれ2つ設けられる前記段差部で構成され、各段差部はハンド部の上面に近い方から第1段差、第2段差の2つの段差を有し、
前記両ハンド部の4つの前記第1段差上に、前記基板の裏面周縁部が載置、支持される、
請求項4に記載のエンドイフェクタ。
【請求項7】
前記基板把持部は、前記ハンド部の上面にそれぞれ1つ設けられる前記段差部および前記ベース部材に少なくとも1つ設けられるベース側段差部で構成され、
前記各段差部は1段の段差からなる第1段差を有し、
前記各ベース側段差部はベース部材の上面に近い方から第3段差、第4段差の2つの段差を有し、
前記両ハンド部の2つの前記第1段差および前記ベース部材の少なくとも1つの前記第4段差上に、前記基板の裏面周縁部が載置、支持される、
請求項4に記載のエンドイフェクタ。
【請求項8】
前記第1段差および前記第4段差は、前記両ハンド部の先端上面および前記第3段差の上面に設けられるピンで構成される、
請求項7に記載のエンドイフェクタ。
【請求項9】
前記連結可撓部は前記ベース部材の本体部上に設けられ、前記両ハンド部の大部分は本体部から迫り出して設けられる、
請求項2記載のエンドイフェクタ。
【請求項10】
前記ベース部材は、前記本体部と一体に設けられ、かつ、前記基板把持部にて把持される前記基板の裏面を支持する基板支持部を有する、
請求項9記載のエンドイフェクタ。
【請求項11】
前記ベース部材の前記本体部および前記基板支持部はその内部に気体供給通路を有し、前記気体供給通路の一端は前記本体部の表面に開口され、前記気体供給通路の他端は前記基板支持部の基板対向面に開口される、
請求項10記載のエンドイフェクタ。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2010−98130(P2010−98130A)
【公開日】平成22年4月30日(2010.4.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−267683(P2008−267683)
【出願日】平成20年10月16日(2008.10.16)
【出願人】(391032358)平田機工株式会社 (107)
【Fターム(参考)】