説明

オゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置、及びその排気酸素リサイクル装置を備えるオゾン利用システム

本発明のオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置は、排気ガス中の成分のうちオゾンを生成するオゾン発生装置で不純物として認識される不純物を除去する不純物除去手段と、オゾン発生装置に供給可能な圧力にまで排気ガス又は不純物除去手段により不純物が除去された精製ガスを圧縮する圧縮機とを備えている。本発明は、オゾン処理設備での反応後に大気中に排出される排気酸素を精製してオゾンの生成にリサイクルすることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、排気酸素リサイクル装置に係り、詳しくは、消毒、味・臭い物質及び色度の除去、有機化合物の低減、鉄・マンガンなどの金属類の酸化などを目的とするオゾン処理設備で用いられ、反応後に大気中に排出される排気酸素を精製し、オゾンの生成にリサイクルするオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置に関する。また、本発明は、オゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置を備えるオゾン利用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
オゾン処理設備は、臭い及び色度の除去、凝集効率の改善、有機塩素化合物の生成低減、清浄度の向上などを目的として、浄水処理、消化槽、漂白、滅菌、殺菌、半導体設備システムなどの多方面に亘り採用されている。一方で、下水スラッジや糞尿スラッジなどの有機性スラッジは、毎年増加している。ところが、スラッジを焼却又は埋め立てるための施設は、地域ニンビー現象などにより設置できないことがある。また、国際的に海洋投棄が禁じられており、増加するスラッジを適切に処分する方法が無い状態である。
【0003】
現在、スラッジの量を減らすための方法としては、嫌気性処分が一般的である。すなわち、大型下水処理場の場合、嫌気性消化槽を用いてスラッジが減らされている。
図1は、一般的な嫌気性消化槽を用いたスラッジ減量装置の構成図である。図1に示すように、1次沈殿池110に汚廃水が流入すると、汚廃水中のスラッジが自重により沈降又は濃縮して、1次スラッジが形成される。1次沈殿池110に流入した汚廃水中の一部は、生物反応槽115を経由して2次沈殿池120に流入し、濃縮されて2次スラッジが形成される。
【0004】
1次スラッジは、濃縮槽130を経由し移動ライン135を通って嫌気性消化槽170に流入する。2次スラッジは、遠心濃縮機140を経由し移動ライン145を通って嫌気性消化槽170に流入した後、1次スラッジに混合される。
【0005】
嫌気性消化槽170は、一端が嫌気性消化槽170の下側に連結されかつ他端が嫌気性消化槽170の上側に連結された循環ライン160を備えている。嫌気性消化槽170内の混合スラッジは、循環ライン160を通じて循環させられる。また、嫌気性消化槽170の上部には、ボイラー150で発生した高温のスチームがスチームライン155を通じて嫌気性消化槽170内へ供給されるように、スチームライン155が連結されている。
【0006】
ところが、スラッジ減量装置には、1次スラッジと2次スラッジとを含む混合スラッジが嫌気性消化過程でしか嫌気性消化槽170内で消化されないためスラッジの減量に限界がある、という問題がある。
【0007】
よって、従来は、スラッジの減量効率を高めるため、スラッジに含まれた有機物を溶かして嫌気性消化槽内で容易に分解できるようにするために、超音波、オゾン、熱処理といった種々の方法が採用されている。
【0008】
図2は、可溶化装置(オゾン利用)を有する一般的な消化槽システムを示すプロセス図、図3は、消化槽システムに使用されるオゾン処理設備を示す構成図である。
図2に示すように、消化槽システムは、スラッジの消化工程が行われる消化性消化槽210から排出されるスラッジをオゾン(O)などで可溶化した後、可溶化したスラッジを嫌気性消化槽210に循環させる可溶化装置220を備えている。これにより、スラッジの減量効率が高められている。ここで、オゾンは、酸素製造会社から入手した純度約99.9%の酸素(O)の一定量をオゾン発生装置により酸化して生成された後、可溶化装置220に供給される。更に、図3に示すように、消化槽システムの一方に設置されるオゾン発生装置320によりオゾンが生成された後、可溶化装置220に供給される。
【0009】
一般的なオゾン発生装置では、純度90〜95%以上の高純度の酸素が供給されると、多くの段階を経てオゾンが生成される。この場合、オゾンは、酸素供給量の約10%生成される。よって、オゾン発生装置から排出されるオゾンには純度略80〜85%以上の酸素が含まれており、この酸素もオゾンと共に可溶化装置220に供給される。一方、可溶化装置220に供給されたオゾンは嫌気性消化槽210から排出されるスラッジを可溶化した後、排オゾン装置を経て大気中に排出される。この際、大気中に排出される排気ガスには、CO、CH、HSと共に、純度80〜85%以上のOなども含まれている。すなわち、従来より、純度80〜85%以上のOがそのまま大気中に排出されている。
【0010】
一方、浄水処理、漂白、滅菌、殺菌又は半導体設備システムの場合にも、オゾンで殺菌された後、純度80〜85%以上のOが精製された後、他の不純物(不純ガス)と共に大気中に排出されている。
【0011】
ところが、酸素製造会社から購入する純度約99.9%の酸素の価格は、1KG当たり約170〜200ウォンである。また、図3に示すように、オゾン処理設備の酸素発生装置310を用いて約90〜95%の酸素を生成する場合にも、設備維持費を含む高い生産コストがかかる。ところで、図3の酸素発生装置310を用いて酸素を生成する場合、空気を8bar(8×10Pa)に圧縮した後、圧縮空気を幾つかの段階を経て処理することで、純度約90〜95%以上の酸素が得られる。更にその後、酸素は、約2.5bar(2.5×10Pa)〜3bar(3×10Pa)に圧縮された状態で、オゾン発生装置320に供給される。
【0012】
上述したように、従来は、高コストで購入するか生成した酸素を使用後、その大部分を大気中に排出しており、リサイクルが十分でなかった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明は、従来の技術の問題を解決するために案出したものである。本発明の目的は、オゾン処理設備での反応後に大気中に排出される排気酸素を精製してオゾンの生成にリサイクルするオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置を提供することにある。
【0014】
また、本発明の他の目的は、オゾンを用いる浄水処理、消化槽、漂白、滅菌、殺菌又は半導体設備システムに用いられ、オゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置により提供される酸素を用いてオゾンを生成し、自己リサイクルするオゾン利用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記の目的を達成するため、オゾン処理設備での反応後に大気中に排出される酸素を含む排気ガスを精製してオゾンの生成にリサイクルするオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置であって、排気ガス中の成分のうちオゾンを生成するオゾン発生装置で不純物として認識される不純物を除去する不純物除去手段と、オゾン発生装置に供給可能な圧力にまで排気ガス及び又は不純物除去手段により不純物が除去された精製ガスを圧縮する圧縮機とを備えている。
【0016】
本発明の不純物除去手段は、オゾン発生装置で不純物として認識される水分、CO、CH及びNを除去することができる。即ち、不純物除去手段は、活性アルミナ及びゼオライトにより排気ガス中の水分を吸着して除去する水分除去手段と、活性炭により排気ガス中のCO及びCHを吸着して除去するCO及びCH除去手段と、ゼオライトにより排気ガス中のNを吸着して除去するN除去手段とを備えている。
【0017】
更に、本発明の不純物除去手段は、1つ以上のカラム(column)型の吸着塔を備え、吸着塔にはその下部から上部にかけて、水分除去手段に用いられる活性アルミナ及びゼオライト、CO及びCH除去手段に用いられる活性炭、及びN除去手段に用いられるゼオライトが連続的に充填されている。
【0018】
また、本発明の不純物除去手段は、更に、水を噴射して排気ガス内のHSを除去するHS除去手段を含むことができる。
本発明のオゾン利用システムは、特定の目的を行うためにオゾン処理設備を備え、オゾン処理設備での反応後に大気中に排出される排気ガス中の成分のうちオゾンを生成するオゾン発生装置で不純物として認識される不純物を除去し、精製された排気ガスを所望の圧力でオゾン発生装置に供給するオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置を備えている。
【0019】
本発明のオゾン利用システムは、浄水処理、消化槽、漂白、滅菌、殺菌又は半導体設備システムであってもよい。
一方、本発明のオゾン処理設備は、流入する原水をオゾン発生装置から提供されるオゾンに接触させるオゾン接触装置を備え、又は、嫌気性消化槽から排出されるスラッジを、オゾン発生装置から供給されるオゾンにより可溶化した後、嫌気性消化槽に循環させる可溶化装置を備えてもよい。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、オゾン処理設備での反応後に大気中に排出される排気酸素を精製してオゾンの生成にリサイクルすることができる。
また、本発明は、オゾンを用いる浄水処理、消化槽、漂白、滅菌、殺菌又は半導体設備システムにオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置を設置し、オゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置により提供される酸素を用いてオゾンを生成し、生成された酸素を自己リサイクルすることができる。即ち、本発明を消化槽システムに適用する場合はスラッジ減量効率が向上し、浄水処理システムに適用する場合は水の味が向上し、半導体設備システムに適用する場合は清浄度が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】一般的な嫌気性消化槽を用いたスラッジ減量装置の構成図。
【図2】可溶化装置(オゾン利用)を有する一般的な消化槽システムのプロセス図。
【図3】消化槽システムに使用されるオゾン処理設備の構成図。
【図4】本発明の一実施形態に係るオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置の構成図。
【図5】オゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置の詳細を示す構成図。
【図6】オゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置による不純物除去プロセスを示すブロック図。
【図7】オゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置を備える消化槽システムの構成図。
【図8】オゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置を備える消化槽システムのプロセス図。
【図9】本発明の別例に係るオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置を備える浄水処理システムの構成図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して、本発明に係るオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置、及びその排気酸素リサイクル装置を備えるオゾン利用システムを詳細に説明する。
図4は、本発明の一実施例に係るオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置の構成図である。臭い及び色度の除去、凝集効率の改善、有機塩素化合物の生成の低減、殺菌や漂白又は清浄度の向上などを目的として、浄水処理、消化槽、漂白、滅菌、殺菌又は半導体設備システムなどには、オゾン処理設備が設置されている。図4に示すように、この実施形態のオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置400は、オゾン処理設備での反応後に排出される排気ガス中の排気酸素ガスを精製し、精製された酸素ガスをオゾンの生成にリサイクルする装置であって、オゾン発生装置に供給可能な圧力にまで排気ガスを圧縮する圧縮機420と、排気ガス中の水分や不純物(不純ガスを含む)を除去する不純物除去手段とから構成されている。
【0023】
ここで、排気ガス中に含まれる組成物は、オゾン処理設備が設置される適用分野(例えば、浄水処理システム、消化槽システム)によって異なる。例えば、オゾン処理設備を消化槽システムに適用する場合、排気ガス中には、O、O、N、CO、CH、HSなどが含まれている。
【0024】
不純物除去手段は、排気ガス内に含まれる成分のうち、オゾン発生装置で不純物として認識されないO、Oを除く水分、N、CO、CH、HSなどを除去するために設けられ、HSは水を噴射して除去され、水分は活性アルミナ又はゼオライトなどで吸着して除去され、Nはゼオライトなどで吸着して除去され、CO及びCHは活性炭などで吸着して除去される。
【0025】
従って、不純物除去手段は、水を噴射して排気ガス中のHSを除去するHS除去手段410と、活性アルミナ及びゼオライトなどにより排気ガス中の水分を吸着して除去する水分除去手段430と、活性炭を用いて排気ガス中のCO及びCHを吸着して除去するCO及びCH除去手段440と、ゼオライトにより排気ガス中のNを吸着して除去するN除去手段450とを備えている。
【0026】
この実施形態に係るオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置400を構成する各構成要素により前述の機能が行われ、HS除去手段410、圧縮機420、水分除去手段430、CO及びCH除去手段440、及びN除去手段450が上流側から下流側にかけて順に設置されて構成されている。一方、水分除去手段430、CO及びCH除去手段440、及び除去手段450は、1つのカラム内においてそれぞれの機能を行うように構成されている。ここで、圧縮機420をCO及びCH除去手段440及びN除去手段450の上流側に設置した理由は、圧縮された状態でCO、CH及びNの除去効率を更に高めるためである。
【0027】
一方、オゾン処理設備を浄水処理システムに適用する場合、排気ガスには、オゾン発生装置で不純物として認識されないO、Oと共に不純物として認識されるN、CO、CH、塩素成分などが含まれる。よって、この実施形態に係る不純物除去手段は、N、CO、CH、塩素成分等を除去できるように構成されている。即ち、この実施形態に係る不純物除去手段は、オゾン処理設備の適用分野に応じて排気ガス中の不純物を全て除去できるように構成されている。
【0028】
水分除去手段430は、HSを除去するために噴射された水を除去したり、オゾン処理設備の適用分野に応じて排気ガス中に含まれる水分を除去したりする。圧縮機420は、排気ガスをオゾン発生装置に供給可能な圧力にまで排気ガスを圧縮するために用いられる。一般的なオゾン発生装置は、2.5bar(2.5×10Pa)〜3bar(3×10Pa)程度にまで圧縮された状態の酸素によりオゾンを生成する。この実施形態において、圧縮機420は、精製された排気ガスが約2.5bar(2.5×10Pa)〜3bar(3×10Pa)にまで圧縮された状態でオゾン発生装置に供給されるように、オゾン発生装置よりも上流側に設置される除去手段430、440、450での損失を考慮して、3.5bar(3.5×10Pa)〜4bar(4×10Pa)程度にまで排気ガスを圧縮する。しかしながら、圧縮機420は、オゾン発生装置の仕様に応じて、排気ガスを2.5barbar(2.5×10Pa)未満又は3bar(3×10Pa)を越える圧力に圧縮してもよい。
【0029】
図5は、本発明の一実施形態に係るオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置の詳細を示す図であり、図6は、図5に示すオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置にて不純物を除去するプロセスを示すブロック図である。図5に示すように、この実施形態に係るオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置500は、オゾン処理設備での反応後に排出される排気ガス(O、O、N、CO、CH、水分等)をオゾン発生装置に供給可能な圧力にまで圧縮してから貯留する供給タンク510と、供給タンク510から供給される圧縮された排気ガス中の水分や不純物(不純ガスを含む)を除去する複数の不純物除去手段520と、複数の不純物除去手段520により水分及び不純物が除去されて排気ガス中に残存O、Oを貯留する生産タンク530と、各構成要素を制御する制御手段(図示せず)とから構成されている。
【0030】
この実施形態に係る不純物除去手段520は、カラム型の吸着塔521及び複数の制御弁をそれぞれ備えている。吸着塔521内には、水分、CO、CH及びNなどを吸着して除去する吸着材が充填されている。例えば、吸着塔521内にはその下部から上部にかけて、水分を吸着して除去するアルミナ及びゼオライト4A、CO及びCHを吸着して除去する活性炭、及びNを吸着して除去するゼオライト13Xなどが連続的に充填されている。ここで、吸着塔521内に充填される各吸着材の量は、オゾン処理設備での反応後に排出される排気ガスの成分を考慮して決定することができる。また、吸着塔521内に充填される吸着材の種類も、オゾン処理設備での反応後に排出される排気ガスの成分を考慮して決定することができる。即ち、吸着塔521内に充填される吸着材の種類及び量は、オゾン処理設備が設置されるオゾン利用システムに応じて変更することができる。
【0031】
オゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置500を用いて不純物を吸着して除去する場合、図6に示すように、各吸着塔内で12のプロセス処理が行われるように、排気酸素リサイクル装置500を構成することができる。即ち、各吸着塔で不純物を除去する方法は、大きく3つの段階を含む。具体的には、第1段階では4つの吸着工程が行われ、第2段階では均圧工程、減圧工程及び2つの低圧洗浄工程が行われ、第3段階では均圧工程及び3つの蓄圧工程が行われる。また、互いに異なる段階を同時に行うことで不純物を吸着して除去するように、各吸着塔を構成することもできる。
【実施例】
【0032】
図7は、本発明の一実施形態に係るオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置を備える消化槽システムの構成図である。図4及び図7に示すように、この実施形態の消化槽システムは、沈殿池610から排出された濃縮スラッジの消化工程を行う嫌気性消化槽620と、嫌気性消化槽620から排出されたスラッジをオゾン発生装置630より供給されるオゾンにより可溶化してから嫌気性消化槽620に循環させる可溶化装置640と、可溶化装置640から排出された排気ガス中のO、O、N、CO、CH、HS及び水分のうちオゾン発生装置630で不純物として認識されないO、Oを除く水分、CO、CH、HS及びNを除去してから、精製された排気ガスを所望の圧力でオゾン発生装置630に供給するオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置400とを備えている。
【0033】
図8は、この実施形態に係るオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置を備える消化槽システムのプロセス図である。この実施形態に係る消化槽システムは、可溶化装置640より排出されてから排オゾン装置650を経て大気中に排出される排気ガスが排オゾン装置650の後端内に回収され、オゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置400により水分、CO、CH、HS及びN等の不純物が除去されて回収された排気ガスが精製され、O及び高純度のOを含む精製された排気ガスがオゾン発生装置630に供給されてオゾンを生成し、排気ガスがリサイクルされる。よって、この消化システムは、資源を効率良くリサイクルするという利点を有している。
【0034】
図9は、本発明の他の実施例に係るオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置を備える浄水処理システムの構成図である。図4及び図9に示すように、この実施形態に係る浄水処理システムは、流入する原水を一次精製する浄水処理装置710と、浄水処理装置710で一次精製された水をオゾン発生装置720から供給されるオゾンに接触させて緑藻類等を除去すると共に水の味を向上させるオゾン接触装置730と、オゾン接触装置730から排出された排気ガス中のO、O、N、CO、CH、HS及び水分のうちオゾン発生装置720で不純物として認識されないO、Oを除く水分、CO、CH、HS及びNを除去してから、精製された排気ガスを所望の圧力でオゾン発生装置720に供給するオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置400とを備えている。
【0035】
以上、本発明のオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置及びこれを備えるオゾン利用システムに関する技術事項を添付図面と共に説明したが、本発明の最も好適な実施例を例示的に説明したものであって、本発明を限定するものではない。
【0036】
また、当業者であれば、本発明の技術思想の範疇から逸脱せずに、添付の特許請求の範囲内で種々の変形及び変更が可能であることは、明らかである。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明は、オゾンを用いる浄水処理、消化槽、漂白、滅菌、殺菌又は半導体設備システムに適用し、オゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置を介して提供される酸素を用いてオゾンを生成し、自己リサイクルを実現することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オゾン処理設備での反応後に大気中に排出される酸素を含有する排気ガスを精製しオゾンの生成にリサイクルするオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置であって、
前記排気ガス中の成分のうちオゾンを生成するオゾン発生装置で不純物として認識される不純物を除去する不純物除去手段と、
前記オゾン発生装置に供給可能な圧力にまで前記排気ガス又は前記不純物除去手段によって不純物が除去された精製ガスを圧縮する圧縮機と
を備えていることを特徴とするオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置。
【請求項2】
前記不純物除去手段は、前記オゾン発生装置で不純物として認識される水分、CO、CH及びNを除去することを特徴とする請求項1に記載のオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置。
【請求項3】
前記不純物除去手段は、活性アルミナ及びゼオライトにより前記排気ガス中の水分を吸着して除去する水分除去手段と、活性炭により前記排気ガス中のCO及びCHを吸着して除去するCO及びCH除去手段と、ゼオライトにより前記排気ガス内のNを吸着して除去するN除去手段と備えていることを特徴とする請求項2に記載のオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置。
【請求項4】
前記不純物除去手段は、1つ以上のカラム型の吸着塔を備え、
前記吸着塔にはその下部から上部にかけて、前記水分除去手段に用いられる活性アルミナ及びゼオライト、前記CO及びCH除去手段に用いられる活性炭、及び前記N除去手段に用いられるゼオライトが連続的に充填されていることを特徴とする請求項3に記載のオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置。
【請求項5】
前記不純物除去手段は、更に、
水を噴射して前記排気ガス内のHSを除去するHS除去手段を備えていることを特徴とする請求項3に記載のオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置。
【請求項6】
オゾンを用いて特定の目的のためにオゾン処理設備を備えるオゾン利用システムであって、請求項1〜5のいずれか一項に記載のオゾン処理設備用排気酸素リサイクル装置を備えるオゾン利用システムにおいて、
前記排気酸素リサイクル装置は、前記オゾン処理設備での反応後に大気中に排出される排気ガス中の成分のうちオゾンを生成するオゾン発生装置で不純物として認識される不純物を除去し、精製された排気ガスを所望の圧力で前記オゾン発生装置に供給することを特徴とするオゾン利用システム。
【請求項7】
前記オゾン利用システムは、浄水処理、消化槽、漂白、滅菌、殺菌又は半導体設備システムであることを特徴とする請求項6に記載のオゾン利用システム。
【請求項8】
前記オゾン処理設備は、流入する原水を前記オゾン発生装置から供給されるオゾンに接触させるオゾン接触装置を備えることを特徴とする請求項6に記載のオゾン利用システム。
【請求項9】
前記オゾン処理設備は可溶化装置を備え、
前記可溶化装置は、嫌気性消化槽から排出されるスラッジを、前記オゾン発生装置から供給されるオゾンを用いて可溶化した後、可溶化したスラッジを前記嫌気性消化槽に循環させることを特徴とする請求項6に記載のオゾン利用システム。

【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2013−512104(P2013−512104A)
【公表日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−541941(P2012−541941)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【国際出願番号】PCT/KR2010/008535
【国際公開番号】WO2011/065805
【国際公開日】平成23年6月3日(2011.6.3)
【出願人】(512141770)エイアールケイ カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】ARK CO.,LTD.
【Fターム(参考)】