説明

カプセルの製造方法および装置

【課題】カプセル中のゼラチンを動物源から誘導されない他の材料で置換したシームレスカプセルの製造を連続して行う方法および装置の提供。
【解決手段】複数のコイルをもち、縦の中心軸のまわりに回転可能な巻状物;巻状物の隣接するコイルにより画成された側面および支持板により画成された床をそれぞれ有する複数の室からなるカプセル化装置であって、板および複数の室は、或る体積のゲル化水溶液を含み、それによりカプセル化されるべき対象物がゲル浴装置に加えられ、そして予定された時間で巻状物によりゲル浴装置を通って運ばれるカプセル化装置および方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カプセルがゲル化したゲル形成性多糖を含むシームレスカプセルに関する。より詳細には、本発明は、シームレスカプセルの連続製造用の装置に関する。
【背景技術】
【0002】
広範囲の剤例えば薬剤を伝達するゼラチンカプセルの使用は周知である。ゼラチンの主な源は、ウシ亜科の動物例えばウシおよびブタである。しかし、種々の審美的、宗教的および/または健康的な理由から、カプセル中のゼラチンを、動物源から誘導されない他の材料で置換することが望まれるようになっている。
【0003】
カプセル壁としてゲル化したゲル形成性多糖の層を有するシームレスカプセルの製造方法は、特許文献1に記載されており、その記述は、参考として本明細書に引用される。この方法では、カプセルは、(a)油、水、乳化剤、ゲル化剤、所望により添加される成分からなるエマルションを製造する工程、および(b)ゲル形成性多糖を含むゲル化水溶液にエマルションを部分的に添加し、それによりゲル化したゲル形成性多糖の層中のエマルションを部分的にカプセル化する工程、そして所望により(c)水を除くことにより得られたカプセルを乾燥する工程を含む方法によって製造される。
【0004】
【特許文献1】米国特許出願2005/0106233
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この方法は、非ゼラチン含有シームレスカプセルの製造について顕著な利点をもたらすが、この方法を連続する方法として行うことができる装置が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの側面では、本発明は、カプセル化装置を用いてゲル化したゲル形成性ポリマーの層により、油、水、乳化剤、ゲル化剤および所望により添加される成分からなるエマルションの部分のような対象物を連続的にカプセル化する装置および方法である。装置は、長さ、入力末端および出力末端を有する円筒状のドラムを有する。ドラムに配置されるのは、コイルからなる巻状物(winding)である。巻状物は、ドラムの縦の中心軸のまわりに回転できる。巻状物は、らせん体スクリュー、逆スクリューの形状または(通常の)コンベアスクリューの形状である。巻状物のコイルおよびドラムの内表面は、複数の室を形成する。巻状物は、コントロールされかつ正確なやり方で巻状物を回転できる任意の従来の駆動システムによって回転する。
【0007】
カプセル化されるべき対象物、例えば下記のエマルションの部分は、ドラムの入力末端で巻状物の最初の室に、追加の装置例えば水路を経て添加されるか、またはドラムそれ自体に直接添加される。ドラムは、それぞれの室内に含有された、またはカプセル化されるべき対象物の添加と同時に最初の室に添加される、或る体積のゲル化溶液を有する。カプセル化されるべき対象物は、(回転、ピッチ、サイズおよび巻状物中のコイルの数によりコントロールされた)予定された時間で巻状物を通って運ばれる。邪魔板が、カプセル化中適切な攪拌の導入のために加えられる。カプセル化された対象物すなわちカプセルは、ドラムの出力末端で放出される。
【0008】
他の側面では、本発明は、或る体積のゲル化溶液を含有するためのトレイを含む連続的なカプセルの形成のための装置である。トレイは、前面および背面の壁、前面および背面の壁より長い側面の壁並びに底面を有する。支持板がトレイに配置される。トレイにまた配置されるのは、コイルからなる巻状物である。巻状物は、巻状物のコイルおよび板が、ゲル化浴に浸漬された直列の室を形成するように、板の頂部に配置される。カプセル化されるべき対象物が装置中に入れられるとき、対象物は、ゲル化浴に浸漬され、そして予定された時間で巻状物の回転により装置を通って移動する。巻状物の回転は、またゲル化浴に乱流を起こす。
【0009】
本発明の例示の態様によれば、装置は、長さ、入力末端および出力末端を有する円筒状のドラムを含む。ドラムに配置されるのはコイルからなる巻状物である。巻状物は、ドラムの縦の中心軸のまわりに回転可能である。巻状物は、巻状物の隣接するコイルにより画成される側面およびドラムの内表面により画成される床を有する複数の室を形成する。巻状物の回転は、予定された時間で、ドラムの長さを経るドラムの入力末端からドラムの出力末端へ室に加えられる或る体積の材料を輸送する。さらなる例示の態様において、装置は、ドラムの前面に固定したビーチを有し、それにより材料はビーチを経て添加される。
【0010】
装置の1つの例示の用途は、対象物が液体中長い反応時間を要する液体のプロセス、例えばカプセルがゲル化溶液中でゲルになるプロセスに関する。滞留時間に関する望ましい特定の境界内で、プロセスに用いられる材料の滞留時間を正確にコントロールすることができる。
【0011】
本発明の装置の例示の態様の他の例示の用途は、長さ、入力末端および出力末端を有するスクリューを有する。スクリューは、コイルを有しそしてドラム中に配置される。スクリューは、スクリューの縦の中心軸のまわりに回転可能であり、そしてそれは、スクリューの縦軸に対して斜めの角度でコイルに配置される複数の邪魔板を有する。スクリューは、スクリューの隣接するコイルにより画成される側面およびドラムの表面により画成される床を有する複数の室を形成する。対象物をカプセル化する装置の用途は、以下の工程を含む。
【0012】
(a)油がエマルションの少なくとも50重量%の量で存在する油、水、乳化剤およびゲル化剤からなるエマルションを用意する工程。
(b)エマルションをドラムの入力末端でゲル化水溶液を含む室中に連続的に添加する工程。
(c)スクリューを回転して、予定された時間でドラムの出力末端へドラムの長さを通ってゲル化水溶液を含む室中でエマルションを部分的に輸送する工程。
(d)スクリューコイルに配置された邪魔板によりドラムを通る輸送中、エマルションおよびゲル化水溶液を攪拌する工程。
(e)エマルションをカプセル化するカプセル壁を形成し、ゲル化剤はゲル形成性ポリマーをゲルにして、ゲルになったゲル形成性ポリマーを形成し、カプセル壁はゲルになったゲル形成性ポリマーからなる工程。
【0013】
本発明のさらなる態様は、外部から束縛されて流れている振動する液体の流れに材料を連続的に加えることによる対象物のカプセル化からなる。外部からの束縛は、ホース、水路、管、成形された管、追加の蓋の付いたU字管、チャンネルまたは導管の形であり、そして真っ直ぐな水路か、平らなコイルの形か、または直立らせん体に形成されるものかの何れかである。連続的な液体の流れに振動をあたえることは、比較的小さい体積のカプセル化した材料の高い処理量を可能にし、そしてカプセル化中粘着性である対象物をカプセル化することも可能にする。連続的な液体の流れに振動をあたえることは、また、振動しないシステムにおけるよりも顕著に短い滞留時間で液体の流れ中で材料をカプセル化しゲルにすることを可能にする。この例示の態様は、本明細書で振動管状材とよばれる。
【0014】
管状材に振動をあたえるのに関係のある装置は、振盪テーブル、振動テーブル、振動スクリーンまたは取り付けた振動要素であり、それは、粘着が避けられそしてカプセル化された材料が劣化しないような適切な攪拌をもたらす。
閉じた系、例えばSWECO(商標)スクリーンのような振動スクリーンの頂部に置かれた、らせん体状の管状材は、操作中の液体の漏れを減らすために、特に利点がある。閉じた系例えば取り外し可能な蓋の付いたU字管は、この系も閉じているが、もし必要ならば清掃のために容易に開けることができるので、また有利である。
【0015】
装置の他の例示の使用は、多糖のビーズ例えばアルギネートビーズの製造である。方法は、多糖の溶液例えばアルギネート溶液をゲル化イオン例えばカルシウムイオン(Ca2+)を含むゲル化溶液に導入することを含む。
本発明のさらなる側面により、対象物は、カプセル化装置、振動管状材または振動管状材と組み合わされたカプセル化装置にそれらを通過させることによりカプセル化される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
文言が他のことを指示していない限り、明細書および請求の範囲において、用語であるゲル形成性多糖、ゲル形成性ポリマー、油、乳化剤、ゲル化剤、添加される成分および同様な用語は、また、これらの物質の混合物も含む。それ以外のことを特定していない限り、すべての%は重量%であり、そしてすべての温度は摂氏である。周囲温度は、約20℃から約30℃の温度を意味する。
【0017】
その記述は本明細書において参考として引用される特許文献1に開示されているように、シームレスカプセルは、(a)油、水、乳化剤、ゲル化剤および任意に添加される成分からなるエマルションを製造する工程、および(b)エマルションをゲル形成性ポリマー(ゲル形成性多糖)を含むゲル化水溶液に部分にわけて加え、それによりゲルになったゲル形成性ポリマー(ゲルになったゲル形成性多糖)中でエマルションを部分にわけてカプセル化する工程、および所望により(c)水を除くことにより得られたカプセルを乾燥する工程からなる方法によって製造される。本明細書に記載されている装置は、この方法および他の方法を連続して行うことができる。装置のいくつかの側面はこの方法に関して記述されるが、装置およびその使用は、この方法に限定されない。
【0018】
(装置)
図1は、カプセル化装置の例示の態様の切開側面図である。カプセル化装置1は、長さ12により画成されそして前面板15およびビーチ40をもつ入力末端14並びに出力末端16を有するドラム10を含む。ドラム10に配置されるのは、直列の隣接するコイル20を含む巻状物18である。図1に示される例示の態様では、20個のコイルが巻状物18を形成する。巻状物18は、中空の芯を有するか、または完全に充実(例えば、アガードリルビットの外観を有する)している。巻状物18は、中心軸22のまわりにドラム10内で自由に回転するか、または滑らかな溶接によりドラム10に固定して取り付けられて、ドラム10および巻状物は、中心軸22のまわりでともに回転する。巻状物を密にともに組み合わせることにより、または1つの巻状物を水路中に出しそして新しい巻状物をこの水路に供給することによりの何れかによって、いくつかの巻状物を直列で付加できる。もし2つより多い巻状物が直列になっているならば、すべての巻状物で傾斜した床を設けることは不必要だろう(以下に詳述される)。
【0019】
カプセル化装置1は、ドラムの長さ12が重力に対して垂直であるように向けられる。ゲル化溶液24例えば以下に述べられるものは、カプセル化装置中に添加されるか、またはカプセル化装置1内に維持される。その結果、隣接するコイル20は、ドラム10とともに、ゲル化溶液24で満たされた巻状物18の長さに沿って複数の室26を形成する。巻状物18が回転しそして或る添加された体積の材料が室26中に入るとき、室26中の添加された材料は、滞留時間とよばれる予定された時間で、ドラム10の長さ12を通って輸送される。
【0020】
カプセル化されるべきエマルションのフラグメントは、例えばピペット、1つまたは複数のノズルまたは振動ノズルからエマルションを滴下すること、金属またはプラスチックのワイヤ例えばナイロンまたはTEFLON(商標)樹脂被覆ワイヤのような細断メカニズムを通ってエマルションを押し出すこと、または注型の型でエマルションを成形することにより、生じさせることができる。以下に述べるように、エマルションのフラグメントは、例えば、油、水、乳化剤、ゲル化剤および所望により添加される成分からなるエマルションの部分である。
【0021】
カプセル化されるべき対象物、例えばエマルションのフラグメントは、直接または以下の態様の助けをかりて入力末端14でカプセル化装置1中に導入される。1つの態様では、対象物は、図11においてより詳細に示されている水路1110によってカプセル化装置1に添加される。水路1110は、ドラム10に平行に配置されるか、またはカプセルのフラグメントが水路1110を下方に移動するとき、互いに接着しないようにドラム10に対して僅かに傾いて配置される。角度δは、水路1110と水平のスクリュー回転軸との間の水平面の角度に相当する。水路1110の角度は、対象物がゲル化溶液への添加にあたって損傷しないようなものである。
【0022】
他の態様によれば、対象物は、振動管状材によってカプセル化装置1に添加される。振動管状材の例示の態様は、図16−20に関連して示されそして詳述されているような平らなコイル、直立らせん体および水路を含む。これらの態様のそれぞれでは、振動管状材の入力末端の構造は、カプセルフラグメントがフラグメントの形成からカプセル化装置1に流れるとき、コイルの振動が、ゲル化溶液およびカプセルフラグメントを互いに接着させないやり方で、連続的にその中を流れさせるようなものである。振動管状材からのカプセルの放出の角度は、カプセル化されるべき対象物が、振動管状材からカプセル化装置1へのそれらの通過により、損傷しないようなものである。カプセル化されるべき対象物は、さらに、図21に示される水路を通って振動管状材に入ることができる。
【0023】
他の態様によれば、対象物は、ビーチ40によりカプセル化装置1に添加される。ビーチ40は、対象物を直接受け取るかまたは対象物を水路1110から受け取る平らなまたは僅かに角度のついた面である。ビーチ40は、対象物を最初の室中へ徐々に導くのに働く。ビーチ40は、ドラム10の前面の板15に直接確保できる。ビーチ40を用いるとき、最初の室のゲル化溶液の高さは、ビーチ40および前面の板15の接続箇所でのゲル化溶液の高さより低いかまたは高い。ビーチ40の角度のついた面は、ゲル化溶液の高さを実質的に一定に維持し、そして対象物が最初の室28中に移動するとき、損傷の防止を助ける。
【0024】
さらなる態様によれば、振動管状材の水路1110例えば図21に示される水路は、ビーチ40と関連して使用できる。ビーチ40は、前面の板15と一体化した構造であり、そしてビーチ40が僅かに角度をつけられそして前面の板と一体化しているとき、対象物はビーチ40を下方に向かって滑りそして巻状物の回転により巻状物の最初のコイル中に直接配合されるように構成される。ビーチ40は、処理された材料が望ましくないやり方で捕らえられないように、巻状物18と前面の板15の任意の部分との鋭角を最小にするかまたは無くす方法で、前面の板によるかまたは他の手段によるかのいずれかにより、カプセル化装置1に固定される。
【0025】
さらなる態様によれば、振動管状材の出力は、ビーチ40との関連で使用できる。ビーチ40は、前面の板15と一体化した構造であり、そしてビーチ40がそしてビーチ40が僅かに角度をつけられそして前面の板と一体化しているとき、対象物はビーチ40を下方に滑りそして巻状物18の回転により巻状物18の最初のコイル中に直接配合されるように構成される。ビーチ40は、処理された材料が望ましくないやり方で捕らえられないように、巻状物18と前面の板15の任意の部分との鋭角を最小にするかまたは無くす方法で、前面の板によるかまたは他の手段によるかのいずれかにより、カプセル化装置1に固定される。
【0026】
カプセル化されるべき対象物は、ゲル化溶液中に別の対象物として添加される。対象物が、最初の室28(巻状物18、ドラム10の床およびドラム10の前面の板15により画成される)中に直接加えられるか、またはまずビーチ40に送られるかのいずれかで加えられるとき、最初の室28に注入したゲル化溶液24の高さは、最初の室が傾斜した床30により回転するとき、実質的に一定の高さに維持される。
【0027】
再び図1について、対象物が、最初の室28(巻状物18、ドラム10の床およびドラム10の前面の板15により画成される)中に加えられるとき、最初の室28に注入されたゲル化溶液24の高さは、最初の室28が回転するとき、ほぼ一定に維持される。これは、対象物が最初の室中に加えられるとき、対象物の変形が生じないことを確実なものとすることを助ける。ビーチ40を用いる態様によれば、最初の室によりビーチの角度のついた面によって生じた体積は、対象物が加えられそして最初の室28が回転するとき、ゲル化溶液の高さの変化を最小にするのに働く。
【0028】
対象物が最初の室28中で攪拌される程度は、最初の室のゲル化溶液の高さおよび最初の室の邪魔板310の高さに依存する。最初の室のゲル化溶液の高さは、エマルションのフラグメントは変形することなくそして互いに接着しないように、ほぼ一定に維持される。1つの例示の態様によれば、エマルションのフラグメントが添加されそして最初の室が回転するとき、最初の室のゲル化溶液の高さを維持することは、最初の室28が傾斜した床に取り付けられているか、または最初の室を画成している最初および第2のコイルの幅を、最初の室28の体積を変化するように変えることができるかである。
【0029】
傾斜した床30は、図2において詳述される。ゲル化溶液24およびカプセル化されるべき対象物は、次に角度のついた切り換え板22により最初の室28から室26に移動する。ドラム10または巻状物18が回転するとき、対象物は、ドラム10の長さを経てドラムの出力末端16に移動する間、カプセル化される。得られるカプセルおよびゲル化溶液24は、ドラム10の出力末端16で放出される。カプセルは、次に分離技術例えばふるい分けにより液体から単離できる。
【0030】
ゲル化溶液24は、次にプロセスに配置されるか、またはリサイクルされてプロセスに戻るかの何れかを行う。分離後、カプセルは、洗浄されそして乾燥されるか、または新しいプロセスの工程、例えば洗浄工程または追加の可塑化工程中に加えられる。
【0031】
図1に示される態様に再び戻って、最初の室28は、前面の板15と平行している。これは、最初の室28中のゲル化溶液の高さを、巻状物18の回転およびカプセル化されるべき対象物によるドラム10の充填の間を通して、より一定にさせる。図11に詳細に示されている最初の室28のこの例示の態様により、水路1110の出力は、ゲル化溶液に近づき、それにより水路1110から最初の室28に配置されたゲル化溶液24中へ移動する対象物の圧力を最低にする。対象物が最初の室28から次の室26中に入るために、角度のついた切り換え板34が付けられる。
【0032】
図2は、図1のカプセル化装置の正面図であり、図12にさらに詳細に示される。この例示の態様では、最初の室28に配置されるのは、傾斜した床30である。傾斜した床30は、角度のついた切り換え板22(図2では図示されず)に近い最初の室28で実質的に同じ点に配置された最初の高さ210および第2の高さ220を有する。最初の高さ210は、巻状物18と同じ高さではなく、そのため対象物およびゲル化溶液が、攪拌中他の室中へ漏れるのを防ぐ。傾斜した床30は、傾斜した床30がドラム10の床と同じ高さになるまで、高さを傾ける。図2の例示の態様に示されているのは、前面の板15に取り付けたビーチ40である。ビーチ40は、徐々に増す邪魔板310の上部の位置に近い高さで前面の板15に取り付けられる。また、図2の例示の態様に示されているには、傾斜した床30が低下されるにつれ高さが上昇する邪魔板310である。最初の室28は、矢印230の方向に回転する。この方法では、巻状物18またはドラム10が回転しそして対象物およびゲル化溶液24が最初の室28に加えられるとき、対象物およびゲル化溶液24は、それらが徐々に増して邪魔板310の上を通過するにつれ攪拌され、そして傾斜した床30の高さは、ゲル化溶液24の高さが最初の室28の回転を通して一定に維持されるように傾く。
【0033】
図3は、図1のカプセル化装置の背面図である。図3は、隣接する巻状物18に配置された複数の角度のついた邪魔板310を示す。邪魔板310の高さおよびデザインは、液体およびゲルになった対象物が1つの室から他の室中に上げるようなものではあってはならず、すなわち邪魔板のデザインでは、図2−4、7および10に画かれた例示の態様に類似したものであり、邪魔板310の高さ320は、巻状物18の高さ330より低くなければならない。巻状物18の隣接するコイル間に配置された邪魔板310の回転速度および大きさ、形状および数は、対象物が相互にまたは邪魔板310、コイル20および巻状物18に接着することを防ぐのに十分な攪拌を個々の室にもたらすものでなければならない。しかし、邪魔板310およびカプセル化装置の回転による攪拌は、カプセル化されつつある対象物の劣化および破壊を生じさせる激しい攪拌を生ずるものであってはならない。
【0034】
図4は、図3のカプセル化装置の例示の邪魔板310の詳細図である。邪魔板310の形状は、板、角度のついた板、三角、棒または当業者により理解されるような任意の他の好適な形状の形を有する。邪魔板310で示される邪魔板310は、三角の一般的な形状を有する。邪魔板310は、高さ410、底辺420および角度のついた辺430を有する。図4に示される邪魔板310の例示の態様は、90°の角度αおよび2つの45°の角度βを有する直角三角形を形成する。邪魔板310の底辺410は、ドラム10の内表面に確保されるか、または別に、邪魔板の辺は、隣接するコイル20に確保されて、巻状物18は回転でき、そしてドラム10は、静止したままである。図7は、巻状物18の高さより低い高さを有する邪魔板710を有するドラム10の側面図の他の例示の態様を画いている。図7に示された例示の態様によれば、邪魔板710は、1つ置きで巻状物に取り付けられている。
【0035】
図8は、本発明による室26の例示の態様の一部の平面図である。図8の態様によれば、邪魔板810は、コイル820に取り付けられそして角度βを形成する板である。他の邪魔板830は、隣接するコイル840の下流に配置されそして取り付けられ、そしてコイル840と角度βを形成する。図8に示される態様による邪魔板の配置は、矢印850により示されるように乱流を生ずる。邪魔板810および830は、1つ置きの巻状物に取り付けられていると示され、材料を各邪魔板のまわりに通すがまた同じ巻状物に加えられる隙間を形成する。この構造では、どんな材料もコイルを通り越すことにより1つのコイルから隣接するコイルへ移動しないことを隙間が確実なものとするため、邪魔板は、巻状物18それ自体と同様かまたはそれより高い高さのものである。別の方法として、2つ以上の邪魔板が連続する巻状物に配置されるか、または邪魔板が1つのコイルから隣接するコイルへの距離に及び、巻状物が回転するとき、ゲル化溶液および対象物は、邪魔板を強制的に通り越す。この構造では、邪魔板は、ゲル化溶液および対象物がコイルを越えて漏れないように、隣接するコイルの高さより低い高さを有する。
【0036】
図9は、図7に示される邪魔板710の平面図を示す。
図10は、本発明のカプセル化装置による邪魔板の配置のさらなる態様の底面図である。邪魔板1000は、ドラム10の床と角度を形成する曲がった板である。1つの態様によれば、邪魔板1000は、開いた側面1020を有するか、または閉じた側面1010を有して、材料が邪魔板1000の後ろに集まるのを防ぐ。1つの邪魔板の末端1030が流路の次の隣接する邪魔板の先端1040に重なるような長さを有する邪魔板1000が示される。
【0037】
図5について、それは本発明の例示の態様による例示の巻状物18およびドラム10、前面の板15およびビーチ40の分解図であるが、ドラム10は長さ510および高さ520を有する。ドラム10の長さ510、ドラム10の高さ520、室530の幅およびコイル20の高さ540は、邪魔板310(図5では示さず)のサイズおよび数とともに、それぞれの室26の最大の作業体積を決める。本発明のこの態様によれば、巻状物18は、図1に関して記載された最初のコンパートメント28の形の調節なしに、延長されそして前面の板に取り付けられる。ビーチ40は、巻状物が回転するとき、巻状物の最初のコイルの直上を通ることなく、ドラム中に対象物およびゲル化溶液を加える手段を用意する。対象物は、ビーチ40に直接添加できるか、または水路を経てビーチに加えられる。この例示の構造は、最初の回転で液体のレベルを比較的一定に維持する他の手段を提供し、そしてカプセル化されるべき対象物に対して働く圧力を最低にする。傾斜した床は、この場合には必須ではない。鋭角が望ましくない方法で処理される材料を捕らえるので、巻状物または前面の板の任意の部分、ビーチの外側の縁の間に鋭角が存在しないやり方で、前面15またはビーチ40に取り付けられるために、巻状物は有利に僅かに改変されうる。前面の板の高さは調節でき、その場合、ビーチは、巻状物の高さに近い高さまで、外側の縁に直接取り付けられる。ビーチの上部の高さは、有利には、巻状物の高さより高く、或る量の熱水のような洗浄溶液(巻状物を完全にカバーし、さらにビーチの高さによりドラム内に保持される)を使用することによりドラムを洗う機会をもたらす。
【0038】
図6は、前面の板15を有するドラム10に収納されるかまたは配置される巻状物18を画いている。さらに、巻状物18のそれぞれのコイル20の高さ540は、ゲル化対象物およびゲル化溶液が1つの室から他の室に通るのを防ぐのに十分な高さまたは構造のものでなければならない。静止ドラム10の内側のドラム10または巻状物18の回転速度(rpm)は、本発明のカプセル化装置の操作中に生じた平均の滞留時間の合計、1つの室のための充填時間および乱流の量を決める。そのため、ドラム中の得られた滞留時間は、平均の滞留時間±1/2充填時間内であろう。
【0039】
巻状物18の材料およびドラム10の内部は、ゲル化溶液またはゲルになった対象物が巻状物18およびドラム10の内部に接着するのを避ける表面を有する。可能な材料は、電解研磨されるか、または被覆されるか(例えば、非粘着表面剤例えばTEFLON(商標)フルオロカーボン樹脂により)、またはステンレス鋼またはプラスチック例えばポリエチレン、ポリプロピレンまたは当業者により周知であるような他の好適なプラスチックである。
【0040】
図13は、本発明のカプセル化装置の別の態様の概略図である。カプセル化装置1300は、有孔の板1320のような板に配置された巻状物1310を含む。巻状物1310および有孔の板1320は、ゲル化溶液24を含むトレイ1330中に設定される。カプセル化されるべき対象物は、水路1340により供給され、切り換え1350にあたり巻状物1310の最初の室(ゲル化溶液24中に浸漬されている)に入る。カプセル化されるべき対象物は、ゲル化溶液中に浮遊するか、またはゲル化溶液の底に沈むかの何れかであり、後者では、それらは有孔の板1320の上に静止する。巻状物1310は、カプセル化されるべき対象物を、ゲル化溶液を通って矢印1370の方向に輸送し、カプセル化されるべき対象物はゲル化溶液に予定された滞留時間で曝される。カプセル化されるべき対象物は、1つ以上の邪魔板1360により攪拌される。図14は、図13のカプセル化装置の態様の端面図である。
【0041】
図15は、カプセル化装置1の出力末端の上昇放出機構の例示の態様を画いている。図15は、ドラム10の出力末端からの側面図である。出力末端に取り付けられて、ドラム10の最後の巻状物19と流体連絡しているのは、成形したふるい1510からなる上昇放出機構である。ドラム10が矢印Aの方向に回転するにつれ、カプセル化される対象物は、ドラムの最後の巻状物から成形されたふるい1510中に輸送される。成形されたふるい1510は、カプセル化された対象物を集め、それらを漏斗1520または同様な捕捉装置中に導く。漏斗1520から、カプセルは、水路1530を経てラックの乾燥ステーションに輸送される。別の方法では、成形されたふるい1510は、カプセルが次の装置中に直接放出され、それにより水路1520の使用を避けるように成形される。
【0042】
上述のように、カプセル化装置1は、直列(すなわち複数のドラム)でそして振動管状材と関連して使用されるか、または振動管状材は、形成されるべき所望のカプセルまたはゲルになったビーズを生ずる望ましい滞留時間に応じて、単独でまたは直列で使用される。
振動管状材の1つの例示の態様によれば、振動管状材は、図16および17に画かれた平らなコイルの形に構成される。
【0043】
図16は、振動管状材の例示の平らなコイルの態様の頂部図である。この態様では、平らなコイルは、連続するらせん体1620からなり、カプセル化またはゲル化されるべき対象物およびゲルになったものは、入力1640で入り、コイル中を移動し、そして出力1650で出る。平らなコイルは、ゲル化溶液24を含む。平らなコイルの構造は、カプセルフラグメントがフラグメント形成から出力1650へ流れるとき、フラグメントが互いに接着しないやり方で、振動するゲル化溶液およびカプセルフラグメントを、その間を連続的に流れさせる。図17に示されるように、平らなコイルのらせん体に対する入力1640の角度は、カプセル化されるべき対象物が、進入時に損傷することがないようなものであり、そして出力1650の角度は、部分的または完全にカプセル化された対象物が、平らなコイルから他の平らなコイルへ、またはカプセル化装置へ、またはさらなる工程例えば洗浄または可塑化または貯蔵へ送られることにより、損傷しないようなものである。
【0044】
振動管状材の平らなコイルの態様は、連続的ならせん体1620からなり、それは、望まれる得られるカプセル化の厚さに従って任意の所望の線形の長さを有する。1つの態様によれば、らせん体は、約1ftから数百ft、例えば14ft(約4.3m)または35ft(約10.7m)の線形の長さを有する。コイル内の流れは、0.1−2ft/秒(約0.03−約0.61m/秒)、例えば約0.5ft/秒(約0.15m/秒)に調節できる。振動管状材のコイルの態様における対象物の平均滞留時間は、らせん体の線形の長さに依存し、そして約2秒から少なくとも1200秒例えば20±5秒または75±15秒に及び、さらに管状材の充填速度により決定される流速に依存し、平らなコイルの振動作用に依存し、そしてカプセル化されたまたはゲルになった対象物の密度に依存する。
【0045】
振動管状材の線形の長さの合計は、系の必要なゲル化時間に適合するように調節される。線形の長さは、例えば振動管状材の平らなコイルの態様におけるコイルの数を増やすことにより調節できる。1つの例示の態様によれば、直列のコイルが、他のものの頂部に積み重ねられて、もし必要ならば、より長い滞留時間をもたらす。このような設定では、平らなコイルは、パイプまたはホースのような簡単な接続により接続できる。別の態様として、もし下方の平らなコイルの入口が中心にあるとき、上記コイルの出口が中心にあるように、もしコイルが向かい合わせの方向に巻かれているならば、コイルは直接接続される。積み重なった平らなコイルによるこの設定は、有利に、開いたU字管の形状を有する管状材により作ることができる。このU字管状材により、頂部に積み重なった平らなコイルは、その直下の平らなコイルのための蓋として働き、そのため清掃工程における適切な洗浄および濯ぎのために容易に取り外すことができる閉じた系を形成する。
【0046】
平らなコイルは振動し、そして振動スクリーン1610に結合される。振動スクリーン1610は、ゲル化溶液24およびカプセル化されるべき対象物を穏やかに攪拌するか、またはゲル化溶液内の2つの対象物が互いに接着するのを防止するのに十分な力でゲルを形成する。しかし、振動は、カプセル化されるべき脆い対象物を破壊しない程度に穏やかである。
【0047】
例示の態様によれば、振動スクリーンのための振動の振動数は、1Hzから少なくとも42Hzであって、例えば2−2.5in(約5.1cmから約6.4cm)のホースについて約5mmの振幅をもたらす。好ましくは、振動の振動数は、2−30Hzまたは1−20Hzである。2Hzより低い例えば1Hzでは、カプセルは凝集しがちである。振動の振動数は、液体を攪拌しない系の反共振振動数に対応してはならない。振動は、液体が振動してカプセルをともにゲル化させつつ同時にカプセルを変形させない十分な攪拌をもたらすやり方で、適用されねばならない。
【0048】
平らなコイルの機構における振動管状材は、もし平らなコイルの機構の中心の高さが、平らなコイルの機構の外側のコイルより高いならば、僅かなスロープを有することができる。
振動管状材は、連続的に流れる液状のゲル化溶液により完全にまたは部分的に満たされる。もし振動管状材が部分的に満たされているならば、カプセル化されるべき対象物は、コントロールされた滞留時間および適切な攪拌をもたらすのに十分な力によりコントロールされたやり方で振動される。もし振動した管状材が完全に満たされているならば、カプセル化されるべき対象物は、適用される攪拌が部分的に満たされた管状材についてよりも激しいが、コントロールされた滞留時間および適切な攪拌をもたらすのに十分な力により、コントロールされたやり方で振動する。
【0049】
図18は、本発明の側面による振動管状材の例示の直立したらせん体の態様の斜視図である。直立したらせん体の構造は、直列の直立したらせん体1810に構成された或る長さの管状材または他の材料からなり、それは、振動テーブルのような振動装置によって振動される。この態様によれば、カプセル化されるべき対象物は、漸次のカーブ1830を有する入力1820を経て直立らせん体1810中に供給される。直立らせん体1810は、また、ゲル化溶液24を含む。カプセル化またはゲル化されるべき対象物の滞留時間は、図16および17におけるのと同じパラメーターに依存するが、ホースの直径/1つのらせん体の長さにより与えられるスロープからも影響される。実施例12では、スロープは5/140である。直立したらせん体を構成するホースの例示の線形の長さは、5−35m例えば20mである。直立らせん体におけるカプセル化されるべき対象物の平均の滞留時間は、20−300秒に及ぶ。
【0050】
図19は、図18の直立らせん体の頂部図である。
対象物のゲル化は、また、平らなコイルおよび直立するコイルの両方の組み合わせで行われ、その組み合わせは、直立する平らなコイルの機構からなる。
【0051】
図20は、振動管状材の他の態様を画いている。図20に示されているのは、振動水路2000の頂部図である。振動水路2000は振動でき、そしてゲル化溶液により満たされた直列の往復チャンネル2010からなる。1つの態様によれば、このような連続する下流のチャンネルは、その前のチャンネルと同じ高さであり、そのため同じ水平面にある。他の態様によれば、それぞれの連続する下流のチャンネルは、その前のチャンネルよりも僅かに低い高さにある。カプセル化されるべき対象物は、入力2015で振動水路2000に入りそして2030で出る。水路2000が振動するとき、カプセル化されるべき対象物は、図20において矢印2020により指示されるような方向および路でチャンネルに沿って流れる。振動水路2000は、チャンネルの長さに応じて、1−40、5−25または10チャンネルからなる。それぞれのチャンネルは、長さが2−30ft(約0.6mから約9.1m)、5−20ft(約1.5mから約6.1m)または10−15ft(約3.0mから約4.6m)である。1つの例示の態様によれば、直列の振動水路2000は、もし必要ならば、他のものの頂部に積み重ねられて、より長い滞留時間をもたらす。このような機構では、振動水路は、簡単な接続例えばパイプまたはホースにより接続される。別の態様では、振動水路は、もしより低い水路の入口が上の水路の出口の下に位置しているならば、直接接続できる。積み重ねられた振動水路による機構は、開いたU字管の形状を有する管状材で有利に作られる。このU字管では、頂部に積み重ねられた振動水路は、その直下の水路の蓋として働き、そのため清掃工程で適切な洗浄および濯ぎのために容易に取り外しができる。
【0052】
図21は、水路2100の最初の部分2210が45°から90°の間好ましくは70°から90°の間の角度γを有する特に急勾配であり、そして後の部分2120が−10°から50°好ましくは0°から45°の間のより急ではない勾配であるように製造された水路2100を示す。図に示されているように、後の部分2120は、1つより多い部分からなり、それぞれの連続する部分は、その前の部分よりも急勾配ではない。カプセル化またはゲル化されるべき対象物は、最初の部分で水路に垂直に添加され、それにより水路中の液状のゲル化溶液に非常に低い衝撃をあたえる。水路と対象物の添加角度との間の角度は、添加点で対象物の望ましくない変形を予防するために、十分に低く維持されねばならない。対象物は、水路2100を移動して水路の出口2150に達し、そこでそれらは、さらなるカプセル化装置または振動管状材にコントロールされた方法で加えられて、水路とさらなるカプセル化装置または振動管状材との間の転移における対象物に対する衝撃を最低にする。水路に対する角度は、段階的なやり方例えば2以上の曲がりの変化、または連続的なやり方(角度が水路の長さにわたって連続的に変化する)の何れかである。液状のゲル化溶液は、すなわち貯槽の末端壁でのホースコネクターを経て、水路の最初の部分の上の水路貯槽2130から加えられるか、または水路の最初の部分に直接添加される。液状のゲル化溶液は、次に水路の最初の部分で滝に似ている。この水路は、ゲル化浴への添加時に一般に容易に変形する大きなカプセルの製造に特に有用である。
【0053】
(カプセル化方法)
ゲルになったゲル形成性ポリマーを有するカプセルは、好適なゲル化剤を含むエマルションを好適なゲル形成性ポリマーを含むゲル化水溶液に部分的に添加し、それによりゲルになったゲル形成性ポリマーの層中のエマルションの部分をカプセル化することにより形成される。ゲルになったゲル形成性ポリマーの層すなわちカプセル壁は、ゲル形成性ポリマーをゲル化剤によりゲル化することにより形成される。ゲル化剤は、典型的な例では、ゲル形成性ポリマーをゲル化できる多価カチオン、典型的な例では二価および/または三価のカチオン、または多価カチオンの混合物からなる。
【0054】
ゲル形成性ポリマーは、ゲル形成性多糖であり、それらは、例えば、カラギーナン(例えばカッパ、カッパIIおよびイオタカラギーナン)、アルギネート、キトサン、およびペクチン(例えば、低メトキシおよびアミド化低メトキシペクチン)、およびこれらの混合物を含む。ゲル化溶液中のゲル形成性ポリマーの典型的な濃度は、ゲル化溶液の全重量の約0.1重量%から約10重量%、好ましくは約0.5重量%から約7重量%である。
【0055】
ペクチンは、種々の植物の根、茎、葉および果実特にカンキツ属例えばライム、レモン、グレープフルーツおよびオレンジの果実の皮に見いだされる天然の多糖である。ペクチンは、D−ガラクチュロン酸から由来するポリマー単位を含む。ペクチンの源に応じて、D−ガラクチュロン酸から由来する単位の約20−60%は、メチル基によりエステル化される。これらは、高メトキシペクチンおよび低メトキシペクチンとして工業的に周知であり、後者は、また、アミド化ペクチンを含む。
【0056】
カラギーナンは、赤色の海藻から抽出される硫酸化ガラクタンの群をいう。カラギーナンは、交互する(1→3)α−Dおよび(1→4)β−D−グリコシド結合により結合している線状の鎖である。カラギーナンは、部分的に硫酸化の度合および位置により区別できる。ほとんどの糖の単位は、炭素C−2またはC−6でヒドロキシル基にエステル化される1つまたは2つのスルフェート基を有する。3つの主なタイプのカラギーナン、すなわちカッパカラギーナン、イオタカラギーナンおよびラムダカラギーナンが存在する。カッパカラギーナンは、強い剛いゲルを生じ、イオタカラギーナンにより作られたものは、弛緩性かつ可撓性である。ラムダカラギーナンは水中でゲルにならない。イオタカラギーナンは、D−ガラクトース−4−スルフェート−3,6−アンヒドロ−D−ガラクトース−2−スルフェートの繰り返し単位を有し、約25−34%のスルフェートエスエル含量をもたらす。
【0057】
好ましいゲル形成性ポリマーはアルギネートである。アルギネートは、アルギン酸の塩である。海藻から単離されるアルギン酸は、2つのウロン酸すなわちD−マンニュロン酸(M)およびL−グルロン酸(G)からなるポリウロン酸である。アルギネートは、ランダムコポリマーではないが、類似かつ交互残基例えばMMMM、GGGGおよびGMGMのブロックからなり、そしてアルギン酸またはその塩の形で一般に有用である。マンニュロン酸およびグルロン酸の比は、ファクター例えば海藻の種、植物の齢および海藻の部分(例えば茎、葉)により変化する。
【0058】
主要なカチオンがカルシウムである水不溶性のアルギネート塩は、Phaeophyceae綱の海藻の葉状体および茎に見いだされ、その綱の例は、Fucus vesiculosus,Fucus spiralis,Ascophulium nodosum,Macrocystis pyrifera,Alaria esculenta,Eclonia maxima,Lessonia nigrescens,Lessonia trabeculata,Laminaria japonica,Durvillea antarctica,Laminaria hyperborea,Laminaria longicruris,Laminaria digitata,Laminaria saccharina,Laminaria cloustoniおよびSaragassum sp.である。天然の源からのアルギン酸およびその水溶性塩特にアルギン酸ナトリウムを回収する方法は、周知であり、そして例えば米国特許2036934および2128551に記載されている。
【0059】
アルギン酸は実質的に水に不溶である。それは、アルカリ金属、例えばナトリウム、カリウム、およびリチウム;マグネシウム;アンモニウム;および低級アミン例えばメチルアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、ジメチルエタノールアミン、メチルジエタノールアミンおよびトリエタノールアミンから由来する置換されたアンモニウムカチオンと水溶性の塩を形成する。これらの塩は、pH約4より高いpHで水性媒体に可溶であるが、pHがpH約4より低いときアルギン酸に転換される。水不溶性のアルギネートは、もし或る多価カチオン(ゲル化剤)、特にCa2+、Ba2+、Sr2+、Zn2+、Fe2+、Cu2+、Al3+およびこれらの混合物が、適切な濃度で媒体中に存在するならば、形成される。
【0060】
好適なアルギネートは、20000ダルトンから500000ダルトンの重量平均分子量、少なくとも30%好ましくは約40−80%または約50−90%のG含量を有する。重量平均分子量は、まず固有粘度を測定し、次にMartinsenら「Comparison of Different Methods for Determination of Molecular Weight and Molecular Weight Distrbution of Alginates」(Carbohydr.Polym.15,171−193,1991)にあるようなMark−Houwink Sakurada Equationを用いて計算される。ゲル化溶液24に好適なアルギネートは、20000ダルトンから500000ダルトンの重量平均分子量、少なくとも30%、好ましくは40−80%または50−90%の範囲のG含量を有するアルギネートである。
【0061】
ゲル化溶液中の低い重量平均分子量および高い重量平均分子量の両者のアルギネートの混合物は、アルギネートカプセル壁に好ましい性質をあたえる。例えば、アルギネートの好ましい混合物は、(i)30000ダルトンから40000ダルトンの低い重量平均分子量を有するアルギネート、および(ii)150000ダルトンから500000ダルトンの高い重量平均分子量を有するアルギネートからなる。高い重量平均分子量のアルギネートの比を上げることは、より弾性的なアルギネートゲルカプセルを生ずる。低い重量平均分子量のアルギネートの比を上げることは、より粘度の低いゲル化溶液およびカプセル形成のより好ましい速度を生ずる。エマルションのまわりに形成されるべきアルギネートを含むカプセル壁に望まれる特徴に応じて、ゲル化溶液中の低い重量平均分子量アルギネート(i)対高い重量平均分子量アルギネート(ii)の比は、それぞれ(i)の約0.1−20対(ii)の1(0.1−20:1)である。ゲル化溶液中の低い重量平均分子量アルギネート(i)対高い重量平均分子量アルギネート(ii)の好ましい比は、それぞれ(i)の約1−16対(ii)の1(1−16:1)である。
【0062】
ゲル化溶液24は、追加の成分例えば緩衝剤、染料、二次的フィルム形成剤、抗酸化剤、可塑剤、安定化ポリマー、エマルション不安定化剤、消泡剤を含むことができる。安定化ポリマーは、水相の粘度を上げることによりエマルションを安定化する物質である。エマルション不安定化剤は、ゲル化溶液に添加されたとき、ゲル化溶液中のエマルションの不安定化を増進する物質である。水は、典型的な例としてゲル化溶液のバランスをとる。
【0063】
比較的多量の油を含む水エマルションは、ゲル形成性ポリマーによりカプセル化される。油は、エマルションの全重量の少なくとも50%を構成する。油含量は、エマルション中の油、水、乳化剤およびゲル化溶液の全重量に基づいて計算される。下記されるように、エマルションは種々の添加される成分の担体または媒体として使用できるが、エマルションの全重量の少なくとも50%は、任意の添加される成分を除外する。
【0064】
油は、製薬(製薬は、ここでは獣医薬および機能性食品を含む)、食品、栄養、化粧品、農業および同様な産業で例えば使用されるカプセル化された形で有用である任意の油または油の組み合わせから選ばれる。好適な油は、例えば、動物、植物、微生物またはこれらの抽出物から由来する油;合成または他の手段により由来する化学化合物またはその処方物である油;脂肪酸、エステルまたはそれらの誘導体である油;または製薬上活性のある剤、栄養サプリメント、香油または食品である油を含む。油は、また、油溶性の活性材料、例えば油溶性の製薬上活性のある剤、栄養物、香料、フレーバー、サプリメントまたは食品のための担体または溶媒として働く油を含む。他の油は、天然に生ずる乳化剤を含むものである。そのような油の1つは、レシチンを含む大豆油である。レシチンは、脂肪および油の多い生成物中の乳化剤として食品製造に有用である。好ましい油は、液状であるもの、または約20℃から約95℃の温度で液状になるものである。
【0065】
油および水のエマルションは、不均一な系であり、その場合、油および水は不混和であり、1)水が油中に緊密に分散されているか、または2)油が水中に緊密に分散されているかの何れかであり、分散された物質は小滴の形をとる。乳化剤は、典型的な例では、1)親水性基および2)親油性基をその構造に有する。当業者に周知のように、乳化剤は、その親水性−親油性バランス(「HLB」)を特徴とする。有用な乳化剤は、典型的な例として、約1−19のHLB値を有する。一般に、低いHLB値例えば3−9を有する乳化剤は、油中水のエマルションを製造するのに、より好適であり、そして高いHLB値例えば9−18を有する乳化剤は、水中油のエマルションを製造するのに、より好適である。しかし、両方のタイプのエマルションに有用な乳化剤が存在する。
【0066】
典型的な乳化剤は、例えばグリセリン脂肪酸エステル;モノグリセリドの乳酸エステル;レシチン;ポリグリセロールポリリシノレート;脂肪酸エトキシレートのソルビタンエステル例えばポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(TWEEN(商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(TWEEN(商標)40)、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート(TWEEN(商標)60)、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート(TWEEN(商標)80)、ポリオキシエチレンソルビタントリオレエート(TWEEN(商標)85)、モノグリセリドのコハク酸エステル;モノグリセリドのクエン酸エステル;モノグリセリドのジアセチル酒石酸エステル;脂肪酸のポリグリセロールエステル;脂肪酸のしょ糖エステル;脂肪酸のポリオキシエチレンソルビトールエステル;オレイン酸、リノール酸、リノレン酸または他の市販の高級不飽和脂肪酸のモノグリセリドおよびジグリセリドを含む不飽和モノグリセリドおよびジグリセリド;およびこれらの混合物を含む。好ましい乳化剤は、例えば、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(TWEEN(商標)20)、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(TWEEN(商標)40)、脂肪酸のポリグリセロールエステル、ポリグリセロールポリリシノレート(PGPR(商標)90)、カルシウムステアロイル−2−ラクチレート(VERV(商標)K)、ソルビタンモノオレエート(SPAN(商標)80)、およびこれらの混合物を含む。より好ましい乳化剤は、ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンモノパルミテート(TWEEN(商標)40)、ポリグリセロールポリリシノレートおよびこれらの混合物を含む。
【0067】
エマルションは、ゲル化剤を含み、それは、ゲル形成性ポリマーをゲルにする。ゲル形成性ポリマーをゲルにする任意の酸および塩は、ゲル化剤として使用できる。典型的な例として、所望のカチオンまたはカチオンの混合物をもたらす塩または塩の組み合わせがゲル化剤として使用される。ゲル化剤は、ゲル形成性ポリマーをゲルにできるカチオン、典型的な例では2価および/または3価のカチオンまたはカチオンの混合物からなる。好適な多価カチオンは、例えばカルシウム(2+)、バリウム(2+)、ストロンチウム(2+)、鉄(2+)、亜鉛(2+)、銅(2+)およびアルミニウム(3+)を含む。別の態様として、ゲル形成性ポリマーは、酸により、典型的な例ではゲル化溶液のpHを約4以下に下げることによりゲルにできる。好ましいカチオンは、2価の金属カチオン、より好ましくはカルシウム(2+)カチオンである。好ましいゲル化剤は、水和された形または無水の形の何れかの水溶性のカルシウム塩、より好ましくは塩化カルシウムである。別の態様では、ゲル化剤は、ゲル形成性ポリマーをゲルにする酸、典型的な例ではゲル化溶液のpHを約4以下に下げる酸である。
【0068】
エマルション中のゲル化剤の濃度を上げることは、カプセル壁の厚さを増すことになり、それによりカプセルをより強くする。エマルションは、少なくともゲル形成性量、すなわちエマルションの対象物を囲むゲルになったゲル形成性ポリマーのカプセル壁を形成するのに十分な量のゲル化剤を含む。典型的な例では、ゲル化剤は、任意の添加された成分の1つ以上を除いてエマルションの重量に基づいてエマルションの25重量%以下、好ましくは任意の添加された成分の1つ以上を除いてエマルションの重量に基づいてエマルションの約2重量%から約15重量%を構成する。
【0069】
添加された任意の成分は、1つ以上の薬剤、獣医用薬剤、栄養サプリメント、農業用剤、食品、化粧品成分および/または助剤を含むことができる。
当業者に周知の、例えば心血管・腎薬、糖尿病薬、抗うつ薬、抗アレルギー薬、H2ブロッカー例えばシメチジンおよびラニチジン、および抗生物質のような種々の薬剤は、添加される成分として使用できる。好適な製薬上活性のある剤は、例えば、油溶性または油不溶性の薬剤、および高度の水溶解度を有する薬剤例えばパラセタモール(アセトアミノフェン)およびベラパミル塩酸塩を含む薬剤を含む。好適な栄養サプリメントは、酵素および助酵素例えばユビデカレノン(コエンザイムQ10)、ビタミン、ハーブ、根、葉、果実、花、草、樹皮、果実の皮、並びにイオンまたは元素の形のミネラルまたは微量ミネラル例えばカルシウム、マグネシウム、亜鉛、セレンおよび鉄を含む。好適な農業上の活性剤は、殺草剤および殺虫剤を含む。他の好適な成分は、例えば、染料;着色剤および顔料例えば二酸化チタンおよび炭酸カルシウム;可塑剤例えばグリセロール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトールおよびポリエチレングリコール;保存料例えば低級アルキルパラベン、安息香酸、安息香酸ナトリウムおよびベンジルアルコール、ソルビン酸カリウム;および抗酸化剤例えばアスコルビン酸およびその塩例えばアスコルビン酸ナトリウム、D−イソアスコルビン酸ナトリウム、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)塩、アスコルビルパルミテート、亜硫酸塩、トコフェロール例えばα−トコフェロールおよびL−トコフェロール、ブチル化ヒドロキシアニソールおよびプロピルガレートを含む。カプセル化される他の材料は、当業者にとり周知である。添加された成分は、乾燥したカプセルの85重量%までをしめる。好ましくは、添加された成分は、存在するとき、乾燥カプセルの30重量%から85重量%をしめる。
【0070】
添加された任意の成分は、液状の形例えばシメチヒコンまたはビタミンE(α−トコフェロール)、または固体例えば不溶性の医薬として添加される。添加された成分は、油、水、乳化剤およびゲル化剤の乳化の前後に混合されて分散物を形成する。エマルションに成分を添加する利点は、例えば、カプセル化の直前に多量の活性成分を添加する能力および高温、水および高度のせん断の環境との接触(これは、例えば分解、酸化および再結晶による、いくらかの成分を破壊するため)を最低にする能力を含む。その結果、カプセルは、薬剤、獣医薬、農薬または機能性食品の固体の投与形をとることができ、そしてスペシャルティ製品例えばペイントボール、または化粧品例えばバスオイルなどとして使用できる。使用されるエマルションおよび添加される成分に応じて、カプセルは、その最終の使用において望むように活性成分の放出をコントロールするように操作でき、例えば、生体内で、カプセルは瞬時または遅延した放出の形にできる。
【0071】
添加された任意の成分は、1つ以上の可塑剤、抗酸化剤、保存料および/または消泡剤を含む。抗酸化剤は、カプセルの成分の酸化を防ぐ物質である。保存料は、カプセル内の細菌の成長を防ぐ物質である。消泡剤は、泡立ちを防ぐ物質である。また、細胞系および微生物、プロバイティック、酵素のようなものもカプセル中に含むことができる。
【0072】
可塑剤は、ゲルになったゲル形成性ポリマーのカプセル壁に水を結合させるのを助け、それによりカプセル壁を柔らかくする。可塑剤例えばグリセロール、ソルビトール、マンニトール、キシリトール、マルチトールおよびポリエチレングリコールは、ゲル化浴、エマルションまたは分離工程に添加されてカプセルを柔らかくする。密度調節剤は、ときには増量剤として知られているが、典型的な例では、油のそれらよりも大きな重力を有する香りのない油溶性の物質である。それらは、添加されてエマルションの密度を調節し、典型的な例では、それはゲル化溶液中に沈む。通常使用される密度調節剤は、エステルガム、ダマールガム、およびしょ糖アセテートイソ−ブチラート(SAIB)である。
【0073】
二次的フィルム形成剤は、ゲル化溶液に添加および/または別の工程でカプセル壁に被覆されて、カプセル壁の性質例えばカプセル壁の強さ、弾性、気体透過性、溶解度および/または外観を変える。二次的フィイル形成剤は、例えば、ゲル化または非ゲル化のポリマー、および腸溶性のポリマー例えばアルギネート、プロピレングリコールアルギネート、カラギーナン、ペクチン例えば高メトキシ(HM)、低メトキシ(LM)およびアミド化低メトキシペクチン、キトサン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、酢酸セルロースフタレート、酢酸セルロースサクシネート、メチルセルロースフタレート、エチルヒドロキシセルロースフタレート、ポリビニルアセテートフタレート、ポリビニルブチレートアセテート、酢酸ビニル・無水マレイン酸コポリマー、スチレン・マレイン酸モノエステルコポリマー、メチルアクリレート・メタクリル酸コポリマー、メタクリレート・メタクリル酸・オクチルアクリレートコポリマーおよび他の腸溶性のポリマー、セチルヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、メチルセルロースおよび他のセルロース誘導体、ラノリンワックス、ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、グアガム、アラビアガム、プルーラン、ゲランガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、トラガントガム、澱粉、マルトデキストリンおよび他の二次的フィルム形成剤を含む。種々の濃度の二次的フィルム形成剤は、種々のレベルのカプセルの強さをもたらし、種々のカプセルの特性例えば放出速度をもたらす。
【0074】
金属イオン封鎖剤は、カプセル壁でゲル化イオン(典型的な例ではカルシウム)を結合しまたは錯体にし、それによりカプセル壁の物理的な特徴を変化させる、例えばカプセルをより水溶性にする化合物である。金属イオン封鎖剤は、例えば、クエン酸ナトリウム、リン酸塩、エチレンジアミンテトラ酢酸(EDTA)およびその塩、およびエチレングリコール−ビス(p−アミノエチルエステル)−N、N、N′、N′−テトラ酢酸(EGTA)を含む。カプセルをアルコールおよび/または金属イオン封鎖剤の水溶液で洗うことは、また、カプセルの水溶性を高めるために使用できる。
【0075】
エマルションは、水中油のエマルションでもよい。このエマルションは、ゲル化剤および少なくとも1つの乳化剤を水に溶解することにより製造できる。得られる混合物は、次に、均質化され、その間油例えば魚油、大豆油、オレイン酸または鉱油が徐々に添加されて、非常に粘度のある水中油のエマルションを形成する。油は、典型的な例では、油、水、乳化剤およびゲル化剤の重量に基づいてエマルションの約70重量%から98重量%、好ましくは油、水、乳化剤およびゲル化剤の重量に基づいてエマルションの約85重量%から95重量%をしめる。
【0076】
エマルションは、油中水のエマルションでもよい。このエマルションは、ゲル化剤および少なくとも1つの乳化剤の水溶液を油に加え、その間混合物を均質化して油中水のエマルションを得る。油は、典型的な例として、油、水、乳化剤およびゲル化剤の重量に基づいてエマルションの約65重量%から85重量%、好ましくは油、水、乳化剤およびゲル化剤の重量に基づいてエマルションの約70重量%から80重量%をしめる。大豆油の油中水のエマルションは、十分に長い時間安定であり、エマルションは、追加の乳化剤を含むことなくカプセル化される。
【0077】
エマルションは、水中油中水のエマルションでもよい。水中油中水のエマルションは、油、または油溶性の物質ばかりでなく、水溶性の物質または水溶性の活性成分をカプセル化する手段を提供する。従って、水中の水溶性の物質の溶液からなる内相は、油および乳化剤例えばポリグリセロールポリリシノレートからなる中間相に添加され、その間混合物は均質化されて油中水のエマルションを形成する。そのように形成された油中水のエマルションは、次に、ゲル化剤および乳化剤例えばポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(TWEEN(商標)20)の水溶液からなる外側の相に添加され、その間混合物は均質化されて高度の粘度が高い水中油中水のエマルションを形成する。油は、典型的な例として、油、水、乳化剤およびゲル化剤の重量に基づいて約50重量%から90重量%、好ましくは油、水、乳化剤およびゲル化剤の重量に基づいて約70重量%から80重量%をしめる。大豆油の油中水のエマルションは、十分な時間安定であり、エマルションは、追加の乳化剤を含むことなくカプセル化される。
【0078】
好ましいエマルションは、水中油のエマルションである。もし望むならば、そのカプセル化前の水中油のエマルションから水を除く高温度例えば約60℃での乾燥工程は、カプセル化工程から大部分の水を排除でき、それにより比較的乾燥した形のカプセルを提供できる。別のカプセル乾燥工程の長さは、それゆえ短縮できる。さらに、もし望まれるならばカプセル乾燥工程の長さを短縮する助けとして、エマルション中のいくらかの水は、水と混和できる溶媒例えばC−Cアルコール例えばエタノールにより置換できる。
【0079】
それにより油および水のエマルションまたは分散物がゲル化溶液24に添加される方法は、特に、形成されるカプセルのサイズをコントロールする。濃いペーストの形または低粘度の液体の形であるエマルションまたは分散物は、ゲル化溶液へのその添加と同時にまたはその前の何れかで、フラグメントになるか、または或る方法で部分に成形される。ゲル化溶液へのエマルションまたは分散物を添加する好適な方法は、例えば、ピペットまたはノズルからのエマルションの滴下、細断メカニズムを経るエマルションの押し出し、注型用型でのエマルションの成形および他の方法を含む。
【0080】
シームレスカプセルは、種々の形状で製造できる。形成されたカプセルの形状は、ゲル化溶液へのエマルションまたは分散物の添加方法により、およびエマルションまたは分散物の特定の組成物により決定できる。低粘度の組成物がピペットから滴下されるとき、最終のカプセルは球状である。ピペットからの高い粘度の組成物の滴下は、楕円のカプセルを生ずる。高い粘度の組成物は、成形または押し出される。型が使用されるとき、型は、球状、楕円および長円形のカプセルの形状を与えるようにデザインできる。組成物がノズルから押し出されそして切断装置例えばナイフ、ワイヤ、ウォータージェット、レーザーまたは虹彩シャッター様装置により切断されるとき、カプセルの形状は、孔の直径および切断されたエマルションのフラグメントの長さによって決定される。もし孔の直径がフラグメントの長さに近いならば、カプセルの形状は球状である。もしフラグメントの長さが孔の直径を超えるならば、カプセルの形状は楕円、長円形または円筒形である。ゲル化方法に従って、カプセル壁は、或る量の収縮をし、一方鋭い端は丸くなる。収縮の量は、エマルションの粘度またはエマルション媒体に添加される成分の量により影響される。
【0081】
エマルションの部分の表面は、ゲル化溶液への添加前に粘着性が低下される。エマルションの部分の表面の粘着性の低下は、(a)形状を形成するのに使用される任意の装置(例えば型)から部分の完全な離脱またはゲル化溶液への部分の移動を完全にする、(b)部分を取り扱う容易さおよび速度を増す、および/または(c)それらが最初にゲル化溶液に添加されたとき、エマルションの個々の部分の粘着または凝集を避けるのを助ける。エマルションの部分の表面は、一度それらがゲル化溶液に添加されると、エマルションの部分を取り巻く多糖ゲル膜の形成と干渉しない任意の好適な方法により、粘着性を低下できる。エマルションの部分の表面の粘着性を低下させるこのような好適な方法は、例えば、i)表面の乾燥、またはii)エマルションの各部分の表面硬化、またはiii)エマルションの各部分の少なくとも一部への表面コーティングを含む。好適な表面コーティング例えば離型剤、抗粘着剤および潤滑剤は、例えば、多糖例えばアルギネートおよび他の多糖;C10−C15アルキルラクテート例えばラウリルラクテート;珪酸カルシウム、マレイン酸ジオクチル、炭酸マグネシウム、D−マンニトール、シリカ、水和シリカ、タルク;油および水和油例えばひまし油、ココナツ油、綿実油、パーム油、大豆油、ホホバ油、アプリコット油、カーネル油、鉱油、オリーブ油、ごま油、クルミ油、コムギ胚芽油および他の油;ワックス例えばラノリンワックス、および他のワックス;微結晶セルロース;ステアレート例えばイソセチルステアレート、イソセチルステアロイルステアレート、イソプロピルステアレート、マグネシウムステアレート、亜鉛ステアレートおよび他のステアレート;グリセロール誘導体例えばグリセロールベヘネート、グリセロールココエート、グリセロールジオレエート、グリセロールジオレエートSE、グリセロールジステアレート、グリセロールジステアレートSE、グリセロールラウレートSE、グリセロールオレエートSE、グリセロールポリメタクリレート、グリセロールリシノレエートSE、および他のグリセロール誘導体;脂肪酸例えばパルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸および他の脂肪酸;ポリエチレングリコール(PEG)および誘導体例えばPEG−6、PEG−100、PEG−200、PEG−40ステアレートおよび他のポリエチレングリコール誘導体;これらの組み合わせおよび他の表面コーティングを含む。より好ましくは、アルギネートは、表面コーティングとして使用できる。1つの方法では、エマルションまたは分散物の部分は、例えば型で成形され、その場合、型の少なくとも一部は、エマルションまたは分散物の部分の成型前に好適な表面コーティング例えばアルギネートにより処理され、それによりエマルションまたは分散物の部分の少なくとも一部に表面コーティングを与える。型は、ゲル化溶液24の一部により処理されるか、または型はアルギネートの別の溶液により処理できる。
【0082】
油および水のエマルションまたは分散物をカプセル化する工程中、ゲル化溶液が少なくとも20℃そしてより好ましくは約20℃から約60℃の温度に維持されることが望ましい。有利には、カプセル壁は、高温度でカプセル化工程を行うとき、高いアルギネート固体レベルを有する。さらに、温度を上げることは、ゲル化の速度を上げ、その結果工程の温度を下げ、そしてまた改善された光沢のある外観を有するカプセルをもたらす。
【0083】
カプセルに望まれる特性は、使用される材料に応じて、当業者によりカプセル化の工程中最適にされる。一般に、この工程は、油および水のエマルションまたは分散物の部分の添加の開始から240分までの時間、好ましくは2−60分間そしてより好ましくは10−40分間で達成できる。上記の方法により製造されるカプセルは、約1mmから約40mmのカプセル直径を有するが、製造されるカプセルの直径は、製造方法によい制約されない。上記の方法により製造されたカプセル壁の厚さは、一般に約0.3mmから4mmである。
【0084】
検討したように、シームレスカプセルは、非球状の形状例えば楕円、長円形または円筒形のものであり、その場合、カプセルは長さおよび直径の両方を有し、長さはカプセルの直径とは異なりそして長さまたは直径の何れかは約1mmから約40mmである。非球状の大きなカプセルすなわち約12mmより大きい長さまたは直径を有するカプセルは、非球状の形状が、球状のカプセルに比べて飲み込みの容易さのような利点をもたらすので、経口の用途に特に有用である。
【0085】
カプセルは、カプセル化工程後そして任意の可塑化、乾燥およびコーティング工程前に、水溶液例えば水またはアルコール水溶液により洗われるかまたは濯がれる。洗われたまたは濯がれたカプセルは、また、それらが任意に乾燥および被覆される前に、硬化浴に移すこともできる。
【0086】
カプセルを洗浄する工程は、カプセルの芯から過剰のゲル化イオンを完全に除くには、約4時間から約8時間までの洗浄を要する。洗浄工程の時間は、カプセル化されるべき対象物の投与形の処方およびサイズおよび形状に依存する。洗浄工程は、1:1から1:8のカプセル:水の比、好ましくは1:1から1:4の比で行われる。洗浄の時間および比は、もし洗浄水が洗浄時間中連続して交換されるならば、小さくすることができる。洗浄工程が生ずる温度は、20−100℃好ましくは20−80℃に及ぶ。カプセルは、洗浄工程中穏やかに攪拌される。洗浄は、洗浄工程の結果として洗浄溶液に存在する任意の反応しないゲル化イオンを結合させるために、追加の化合物例えば錯体形成剤および金属イオン封鎖剤を含む水溶液または水で実施できる。
【0087】
可塑化工程は、十分な量の可塑剤をカプセルに適用するために、洗浄工程後に行われる。可塑剤浴は、0−99%好ましくは7−40%の可塑剤を含む。可塑化工程は、2時間まで好ましくは2−50分間実施できる。可塑化浴の温度は、20−100℃好ましくは20−60℃である。
【0088】
カプセルの乾燥およびコーティングは、別々にそして特殊な順序ではなく行うことができるが、1つの方法は、乾燥工程およびコーティング工程を同時に行うものである。カプセルの同時の乾燥およびコーティングは、例えば、1)湿ったカプセルを流動床装置で短い時間(約10分間)予備乾燥し、2)コーティングの溶液を加え、次に3)被覆されたカプセルを他の通常より長い乾燥時間に置き、カプセルを乾燥した形にすることにより達成できる。「流動床装置」は、カプセルを乾燥および/またはコーティングするのに使用できる装置であり、カプセルは、カプセルが空気の流れに浮遊する速度で空気(流体)の流れに置かれ、それによりそれらを乾燥させる。1つのこのような装置は、Niro−Aeromatic Ltd.Hauptstrasse,145,CH−4416 Budendorf、スイスにより製造されるSTREA−1の商品名で販売されている。
【0089】
カプセルの目的とする最終用途に応じて、カプセルは乾燥されているのが好ましい。乾燥工程では、カプセル壁内のカプセル化されている油および水のエマルションおよび水に含まれる水が取り除かれる。一度「乾燥されると」、カプセルは「乾燥した形」にあると考えられるが、当業者は、乾燥した形のカプセルが、いくらかの水例えば約20%までの水を含むと理解している。好ましくは、カプセルの水含量は、乾燥したカプセルの全重量の10%より少ない。一度乾燥されると、カプセル壁は、それが収縮してカプセルの外側の表面により薄い壁を形成するので、より強固になる。好ましくは、カプセル内の内容物は、乾燥後、カプセルの少なくとも70重量%、より好ましくは少なくとも90重量%の量で存在する。この方法で製造されるカプセルは、有利には、乾燥によりそれらの形状を失ってはならず、そのため滑らかでありシームレスである。乾燥した形のカプセルは、目的とする用途に応じて変化するカプセルの直径を有し、例えば、カプセルの直径は比較的小さいかまたはいくらか大きく、そして約0.5mmから約35mmであり、その場合、乾燥した多糖ゲルのフィルムは、一般に、約40μmから500μmの厚さを有する。
【0090】
シームレス乾燥カプセルは、非球状の形状例えば楕円、長円形または円筒形のものであり、その場合、カプセルは、長さおよび直径の両者を有し、長さはカプセルの直径とは異なり、そして長さまたは直径の何れかは0.5−35mmの範囲にある。非球状のより長いカプセルすなわち約12mmより大きい長さまたは直径を有するカプセルは、非球状の形状が球状のシームレスカプセルに比べて飲み込みの容易さのような利点をもたらすので、経口の用途に特に有用である。このような大きなカプセルに関する典型的な大きさは、約12mmから約30−35mmそして40mmの長さ、例えば約15mmから約30−35mm、約18mmから約30−35mm、約20mmから約30−35mmまたは約25mmから約30−35mm、並びに約5−12mmの直径例えば約7−12mm、約8−12mmまたは10−12mmである。このような大きなカプセルに関する充填重量は、約500−2500mg、例えば約750−2000mg、約1000−1500mgまたは1200−1400mgである。本発明のカプセル化装置は、これらの大きなカプセルの製造に好適である。乾燥中、カプセル化エマルションを形成した殆どの水は除かれ、そしてエマルションをカプセル化し得られたカプセルを乾燥する方法により、大きな「油が満たされた」カプセルを製造することができる。
【0091】
装置の操作は、また、油含量が50%より低い対象物のカプセル化に好適である。このような対象物は、例えば、人工のキャビアまたは魚卵であり、その場合、コントロールされた滞留時間および適切な攪拌は、製品の特性に重要である。人工の魚卵(人工キャビア)の製造の1つの方法は、米国特許4702921に記載されており、その記述は、本明細書において参考として引用される。この方法では、カプセル化されるべき対象物は、典型的な例として、水溶性の食品着色剤例えばガーデニア色素並びに水溶性の魚抽出物例えばサケおよび/またはアンチョビ抽出物および/またはカニ肉抽出物からなる。
【0092】
カプセル化されるべき他の対象物は、液状の油なしに製造され、従って粘性のある芯から完全になり、そしてゲル化剤、粘度調節剤およびさらなる添加された成分例えば製薬、食品または菓子の成分を含み、その場合、カプセル化された対象物は、例えば製薬、機能性食品、食品または菓子の領域内で使用される。
【0093】
対象物の操作が、カプセル壁がゲルになったゲル形成性ポリマーまたはゲル形成性多糖の層であるカプセルの形成について主に記述されてきたが、その使用は、この応用に限定されない。装置の他の使用は、従来のポリマービーズの製造について記述され、その場合、記述された装置の態様が、高い密度および低い密度の両方のビーズについて狭い滞留時間の分布を有するコントロールされた滞留時間およびコントロールされた攪拌の両方を生ずる、連続製造に関して大きな利点を有することが、驚くべきことに見いだされた。ゲルになったビーズを製造する場合、液状のゲル化溶液24は、ゲル化剤例えばアルギネート、ペクチンまたはイオタカラギーナンではCa2+、またはカッパカラギーナンではKからなるか、或いは液状のゲル化溶液24は、冷たいまたは熱い疎水性または親水性の液体例えば油であり、その場合、温度により誘導されるゲル化は、熱ゲル化ポリマーについて行われる。低温誘導ゲル化は、カラギーナン、アガー−アガーのようなポリマーまたはゼラチン(動物源により好ましくないが)でも行われるが、一方高温誘導ゲル化は、メチルセルロースまたはヒドロキシプロピルメチルセルロースについて生ずる。
【0094】
このような場合では、ゲル化されるべきフラグメントは、カプセル化されるべきゲル化ポリマーおよび成分例えば細胞、細菌例えばプロバイオティック細菌、油、脂肪、薬剤、機能性食品、菓子の成分例えば砂糖、フレーバーまたは着色剤、または食品例えばナッツ、根、植物、果実またはそれから製造されたピューレからなる。ゲル化されるべきフラグメントは、従来の方法、例えば1つまたは複数のノズルからの滴下、振動ノズルからの押し出し、切断メカニズムを通る押し出し、または他の従来の方法によりフラグメントにされる。ゲル化時間はカプセル化装置または振動管状材により効果的にコントロールできるが、部分的なゲル化または完全なゲル化の両者は、コントロールされた方法で達成できる。部分的なゲル化は、例えばゲルになったビーズの外側の部分がゲルになるときのみ、観察できる。記述された装置のコントロールされた攪拌および滞留時間と組み合わされた連続する操作は、例えば高速度に基づく形成装置に使用により、早い製造速度について有利である。記述された装置は、また、従来の振動する1本、2本または多数のノズルの技術と組み合わされて有利に使用できる。液状のゲル化溶液は、再循環されそして装置中に再供給される。ゲルになるべきフラグメントは、カプセル化装置または振動管状材中に、水路好ましくは急勾配の水路を経て添加できる。
【0095】
それは、多数のカプセル化方法例えば界面重合を含むもので使用でき、その場合、カプセル化されるべき対象物の反応性中間体の1つと他のものがゲル化浴中に存在する。例えば、カプセル化されるべき対象物は、ゲル化剤として機能する、反応性の多官能性酸塩化物または多官能性酸塩化物および/または反応性の多官能性イソシアナートの混合物、または反応性の多官能性イソシアネートおよび/または反応性の多官能性スルホン酸塩化物またはスルホン酸塩化物の混合物を含むエマルションの溶液またはフラグメントの一部であり、そして水性のゲル化浴は、ゲル形成性ポリマーとして機能する反応性の多官能性アミンまたは多官能性アミンの混合物を含むことができる。イソシアナートおよび/または酸塩化物とアミンとの界面反応は、カプセル壁を形成する。界面重合によるカプセル化は、当業者に周知であり、例えば、米国特許3577515、3959464、4140516、4309213、4324683に開示されており、これらの記述は、本明細書で参考として引用される。
【0096】
(工業的な応用)
本発明の方法および装置は、高い油含量を有するシームレス多糖カプセルを製造するのに使用でき、それは、ゼラチン含有カプセルの置換が、審美的、宗教的および/または健康関連の理由で望まれるとき、例えば、機能性食品または薬剤例えば魚油、濃縮オメガ−3脂肪酸、ボラージ油、にんにく油、コムギ胚芽油、あまに油、医薬の担体油および現在ゼラチンカプセルまたは非動物性カプセルまたは腸溶性カプセルの何れかで伝達される他の油および薬剤を伝達するゼラチンカプセルを置換するのに使用できる。
本発明の有利な性質は、以下の実施例を参照して理解でき、それらは、本発明を説明しているが、限定するものではない。
【実施例1】
【0097】
この実施例は、本発明の例示の装置を使用する油含有多糖カプセルの製造を説明している。
エマルションは、製造されそしてノズル(直径8.5mm)を通して圧送された。ノズルを出た後、エマルションは、直径約0.127mmの2つのポリアミドワイヤを含みそして各ワイヤに加えられる0.7gのゲージ厚さのおもりを有する、415rpmで回転する回転切断装置によりフラグメントに切断された。エマルションの押し出し速度は、955g/分であり、毎分1150mgの重量のエマルションの830フラグメントを生成した。これらのエマルションのフラグメントは、約25℃の温度でゲル化溶液を含むドラムのビーチに、1/2のスロープを有する1mの長さの供給水路で添加された。ゲル化溶液は、アルギネートおよび水からなった。水路の角度は小さく、そしてフラグメントは、入力末端から巻状物ビーチ中へドラムに供給された。ステンレスの巻状物は、長さ約3478mm、約1500mmの外径および9mmの壁の厚さのドラムからなった。ドラムは、20個のコイルを含む厚さ5mmの巻状物(ピッチ約123mm)を収容した。巻状物の隣接するコイルにより画成される室の側面の高さは、約200mmであった。巻状物の回転は1.2rpmであった。カプセルは、17分±25秒の滞留時間を有した。巻状物の最初の室は、ドラム中にゲル化溶液の高さを維持するために仮設または傾斜した床を備えた。ビーチは、約1000mmの内径、約1200mmの外径および約1/2のスロープを有しそして前面の板の上端に取り付けられた。
【0098】
カプセル化装置で平均17分後、形成したカプセルは、ゲル化溶液から分離され、それらは再循環され、ふるいにかけられ、そして過剰のゲル化剤を除く3時間の洗浄工程にまわされた。洗浄後、カプセルを、10%のグリセリンを含む可塑化工程に23分間加え、次にカプセルを回収し最終的に乾燥した。10時間にわたる不良率は、平均して1%より低かった。
【実施例2】
【0099】
この実施例は、本発明の装置を用いる油含有多糖カプセルの製造を説明する。
エマルションが作られ、そしてノズル(直径9mm)を通して圧送した。ノズルの直下で、エマルションを、直径0.2mmの2つのワイヤからなる回転切断装置(500rpm)によりフラグメントに切断した。圧送の速度は950g/分であり、毎分エマルションの1000フラグメント(950mg)を得た。
【0100】
これらのエマルションのフラグメントを、約36℃の温度でゲル化溶液を含むドラムへ、1/16のスロープを有する長さ1.2mの供給水路で添加した。ゲル化溶液は、アルギネート、可塑剤および水を含んだ。水路の角度は小さく、そしてフラグメントは、入力末端から巻状物中にドラムへ供給された。ステンレス巻状物は、長さ2000.3mm、外径1003.3mmおよび壁の厚さ4.7mmのドラムからなった。ドラムは、ピッチ101.6mmを有する20個のコイルを含む巻状物を収納した。巻状物の厚さは3.2mmであり、隣接するコイル間に形成される各室の幅は98.4mmであった。巻状物の隣接するコイルにより画成される室の側面の高さは、約200mmであった。巻状物の回転は1rpmであった。カプセルは、20±1/2分の滞留時間を有した。巻状物の最初の室は、ドラムを通してゲル化溶液の高さを維持するために、仮設または傾斜した床を備えた。
カプセル化装置で20分後、形成されたカプセルは、ふるいによりゲル化溶液から分離され、そして乾燥前に洗浄工程に送られた。
【実施例3】
【0101】
他の態様では、巻状物は、軸を含む規則正しいスクリュータイプであり、邪魔板が巻状物に取り付けられていた。巻状物が回転すると、邪魔板は、ドラム中のエマルションフラグメントが互いに接着するのを防ぐのに十分な乱流を生じた。回転運動は、また、巻状物中の各室の前進運動をもたらした。巻状物と板またはドラムとの間の距離は、1つのセグメントから他のセグメントへカプセルを輸送するのを避けるため、さらに巻状物とドラムの板または床との間にカプセルが捕捉されるのを避けるための理由により、十分に小さかった。
【0102】
1つの室中の液体およびエマルションフラグメントの最大の高さは、どんなフラグメントも次の室に輸送されないようなものであった。溶液の高さは、巻状物の軸よりも低かった。巻状物の出力末端で、形成されたカプセルおよび液体を、例えばふるいに放出し、そしてカプセルを洗いそして乾燥した。
【実施例4】
【0103】
本発明のカプセル化装置の他の態様として、有孔の板上におかれた巻状物を含む。記述された巻状物は、次にゲル化溶液の外部のタンクに置かれ、ゲル化溶液を有孔の板を通して自由に流す。液体の高さは、外部のタンク中の液体の高さによって決定された。有孔の板の孔は、ゲルになった生成物より遙かに小さく、外側のタンク中への漏れを防いだ。貯槽の外への十分に確実な流れが生じたとき、カプセルをゲル化溶液の貯槽の外へ輸送した。別の態様として、カプセルは、例えばベルトドライブまたは移動するふるいなどにより、溶液の外へ機械的に輸送された。
【実施例5】
【0104】
この実施例は、カプセル化装置と組み合わせた振動管状材の例示の平らなコイルの態様を用いる油含有多糖カプセルを形成する例示の製造方法を説明する。
エマルションをつくり、そしてノズル(直径9mm)を通して圧送した。ノズルの直下で、エマルションを、直径0.2mmの2つのワイヤからなる回転切断装置(500rpm)によりフラグメントに切断した。圧送の速度は950g/分であり、毎分エマルションの1000フラグメント(重量950mg)を得た。
【0105】
これらのエマルションフラグメントは、直径2ft(約0.61m)のSWEC0(商標)振動スクリーン内に含まれた隣接するらせん体中に構成された長さ13ft(約4.0m)直径2in(約5.1cm)のホースから作られた平らなコイルに添加された。平らなコイル中の滞留時間は20±5秒であった。平らなコイル中に配置されたゲル化溶液は、アルギネートおよび水からなった。
【0106】
平らなコイルを出ると、対象物は、カプセル化装置に送られた。カプセル化装置は、長さ3278mm、外径約1500mmおよび壁の厚さ9mmのドラムからなった。ドラムは、20個のコイルおよび約123mmのピッチを有する厚さ5mmのステンレス鋼の巻状物を収納した。ドラムは、また36℃に維持されたゲル化溶液を含んだ。巻状物の隣接するコイルにより画成された室の側面の高さは、約200mmであった。巻状物の回転は1.2rpmであった。カプセルは、約18±1/2分のカプセル化装置中の滞留時間を有した。巻状物の最初の室は、ドラムを通してゲル化溶液の高さを維持するために、仮設または傾斜した床を備えた。
【0107】
平らなコイルおよびカプセル化装置の両者中の全滞留時間は18分であった。カプセル化装置を出る形成されたカプセルは、ふるいによりゲル化溶液から分離され、そして乾燥前に洗浄および可塑化の工程にかけられた。
【実施例6】
【0108】
この実施例は、本発明のカプセル化と組み合わされた平らなコイルの形の振動管状材の例示の態様から形成される油含有多糖カプセルの例示の製造方法を説明する。
エマルションが作られ、そしてノズル(直径8.5mm)を通して圧送された。ノズルの直下で、エマルションは、直径0.127mmの2つのワイヤからなる回転切断装置(500rpm)によりフラグメントに切断された。圧送の速度は1150g/分であり、毎分1000エマルションフラグメント(重量1150mg)を生じ、油1000mgに相当した。
【0109】
これらのエマルションフラグメントを、急勾配(75度)の静置水路により集め、それを、直径4ftの振動スクリーン(SWECO(商標)48in(約1.22m)ステンレス鋼)内に含まれ、らせん体に構成された長さ35ft(約10.7m)、直径2.5in(約6.4cm)のホースからなる平らなコイルに導いた。平らなコイル中の滞留時間は75±15秒であった。SWECO(商標)振動スクリーンユニットの振動は11Hzであった。平らなコイル中へのゲル化溶液の流れは、12L/分であった。ゲル化溶液は、2.5%のアルギネートおよび水からなった。
【0110】
平らなコイルから、エマルションフラグメントはカプセル化装置に移動した。カプセル化装置は、長さ約3478mm、外径約1500mmおよび壁の厚さ9mmのドラムからなった。ドラムは、約20℃の温度でゲル化溶液を含んだ。ドラムは、20個のコイルおよび123mmのピッチを有する厚さ5mmのステンレス鋼の巻状物を収納した。ドラム中の巻状物の隣接するコイルにより画成される室の側面の高さは、約200mmであった。巻状物の回転は1.2rpmであった。カプセル化装置中のカプセルの滞留時間は17±1/2分であった。ドラムの巻状物の最初の室は、ドラムを通してゲル化溶液の高さを維持するために仮設または傾斜した床が備えられた。
【0111】
平らなコイルおよびカプセル化装置の両方の滞留時間は、約19分であった。カプセル化装置を出る形成されたカプセルは、ドラムの放出末端に取り付けられた成形したふるいの形の上昇放出機構を経て、ドラムの放出末端でゲル化溶液から分離された。ドラムが回転しカプセルが巻状物の最後のコイルを経て移動したとき、カプセルは成形したふるいに溜められた。成形したふるいは、次に水路に取り付けた漏斗中にカプセルを上げ、その水路は、第2のカプセル化装置中に重力によりカプセルを移した。
【0112】
第2のカプセル化装置は、形成されたカプセルを洗浄かつ可塑化するように構成された。第2のカプセル化装置は、長さ2000.3mm、外径1003.3mmおよび壁の厚さ4.7mmのドラムからなった。101.6mmのピッチを有する20個のコイルを含むステンレス鋼の巻状物を収納した。厚さ3.2mmの巻状物により、隣接するコイルの間に形成される各室の幅は、98.4mmであった。巻状物の隣接するコイルにより画成される室の側面の高さは、約200mmであった。巻状物の回転は0.1rpmであった。最初のコイルは、洗浄溶液および洗浄されるべきカプセルを含んだ。温度は周囲温度であり、最初の16室中の対象物の滞留時間は160±5分であった。17番目のコイルでのドラムの壁は有孔であり、それにより洗浄溶液をドラムから流出させた。l7番目のコイルの付近で、10%グリセリンを含む可塑剤溶液により、コイルを再び満たした。従って、最後の3つは可塑剤溶液を含み、そしてカプセルの可塑剤溶液中の滞留時間は、約30±5分であった。可塑剤による処理後、カプセルをドラムから放出させ、穏やかに振盪しそして回転ドライヤー、トレイドライヤーまたは両者の組み合わせの何れかでの乾燥にかけた。
【0113】
乾燥したカプセルは、平均長さ約20mmおよび直径約9.4mmを有し、そして長円形様の形状を有した。実施例6により形成された例示のカプセルは、0.1%より少ない不良カプセルを有し、そして漏れるカプセルも観察されなかった。
【実施例7】
【0114】
この実施例は、振動管状材の振動水路の態様におけるカプセル化により油含有多糖カプセルを製造する方法の他の態様を説明する。
油、水、乳化剤、着色剤およびCa塩を含むエマルションを製造し、そしてノズル(直径7mm)を通って圧送した。ノズルの直下で、エマルションを1つの金属ワイヤからなる回転切断装置(367rpm)によりフラグメントに切断した。カプセル化されるべき材料の平均のサイズは、500mgであった。毎時の製造速度は約22000カプセル/時であった。操業は19時間にわたって行われ、合計420000カプセルを製造した。
【0115】
これらのエマルションフラグメントは、液状の流れを含む振動水路に加えられた。流れは、水路を通って流れ、水路は、振動スクリーン(Carman Industries、外方の大きさ;140in(約356cm)の長さ、46in(117cm)の幅、60in(約117cm)の幅、60in(約152cm)の高さ)の頂部に設けられた。水路は、直列の10の隣接するチャンネルからなり、それらを通ってゲル化溶液およびエマルションフラグメントが流れた。水路を構成する10の連続するチャンネルは、それぞれ長さ約12ft(約3.7m)を有し、そして曲がった隅を通って接続し、約120ft(約36.6m)の全水路線長を生じた。液状の流れは、アルギネート、グリセリンおよび水を含んだ。カプセル化されるべき材料は、約20分の水路の滞留時間を有した。水路を出ると、カプセルは、ふるいにより液体から分離された。カプセルが乾燥される前に、それらは約10秒間水中で穏やかに濯がれた。カプセルは、乾燥前に、800±100ミクロンの平均の壁の厚さを示した。乾燥後の乾燥した壁の厚さは200±20ミクロンであった。
【実施例8】
【0116】
この実施例は、振動管状材の例示の直立らせん体の態様を用いるカプセル化による人工キャビアの例示の製造方法を説明する。
810cpsの粘度を有するエマルションを、水中のナトリウムカルボキシメチルセルロース(CMC)および塩化カルシウム2水和物を含む水性相2700gへの魚油300gのエマルション化により形成した。この実施例では添加されないが、水溶性食品着色剤および水溶性の魚またはカニ肉の抽出物もエマルションに添加できた。エマルションを90小滴/分の速度で小滴にフラグメント化した。小滴およびゲル化溶液は、直立らせん体に加えた。直立らせん体は、内径2in(約5.1cm)のホースから製造された。直立らせん体は、直列の14の積み重なったホースのコイルからなった。それぞれのコイルは、約140cmの円周、約45cmの直径および1/28のスロープを有した。直立らせん体を形成するホースの全長は、20mであった。直立らせん体は、120rpm(2Hz)に設定された攪拌テーブル(IKA Labortechnik KS250)の頂部に設けられ、直立らせん体およびその中の液体に振動を与えた。液体の流れは、周囲温度で1.2L/分であった。
【0117】
側管付き漏斗を通して小滴およびゲル化液体を添加し、小滴が液体中で直ぐ完全にカバーされることを確実に行った。装置中のゲル化時間は約3分であった。魚卵に似たカプセルは、ふるいにより回収されそして貯蔵溶液に添加された。それらは、球状の外観を有し、そして2つまたは3つのカプセルが付いたものは観察されなかった。カプセルは、約4.5mmの直径および約0.35mmのフィルムの厚さを有した。
【実施例9】
【0118】
この比較例は、実施例l8の装置を用いるが攪拌テーブルを用いないカプセル化により人工キャビアを製造することを説明する。
実施例8におけるのと同じ設備を用いて、振動テーブルの振動は行わず、エマルションの小滴を実施例8と同様な方法で水路に加えた。製造されたカプセルの10%が2つまたは3つの何れかの形であることが観察された。
【実施例10】
【0119】
この実施例は、直列の複数の直立らせん体の使用をシミュレートするカプセル化により油含有多糖カプセルを形成する例示の製造方法を説明する。
油、水、乳化剤、着色剤およびCa塩を含むエマルションを製造し、そしてノズル(直径8.5mm)を通して圧送した。ノズルの直下で、エマルションを、1つの金属ワイヤからなる回転切断装置(340rpm)によりフラグメントに切断した。カプセル化されるべき材料の平均のサイズは、1150mgであった。フラグメントおよびゲル化溶液を直立らせん体に加えた。直立らせん体は、内径2in(約5.1cm)を有するホースから作られた。直立らせん体は、直列の14の積み重なったホースのらせん体からなった。各らせん体は、約140cmの円周、約45cmの直径および1/28のスロープを有した。直立らせん体を形成するホースの全長は、20mであった。直立らせん体は、180rpm(3Hz)に設定された攪拌テーブル(IKA Labortechnik KS250)の頂部に設けられ、直立らせん体およびその中の液体に振動を与えた。液体の流れは、周囲温度で2.4L/分であった。
【0120】
直立らせん体のゲル化時間は約2分10秒であった。湿潤フィルムの厚さは均一であり、約0.45mmであると計算された。いくつかのカプセルを直立らせん体から回収し、そして直列の直立らせん体の使用をシミュレートする追加の8回、直立らせん体中で再操業した。これらのカプセルの全滞留時間は19.5分であった。これらのカプセルのフィルムの厚さは均一であり、0.95±0.05mmであると測定された。これらのカプセルは、長円形の形状を有し、長径は約23mmであり、短径は約11mmであった。
【実施例11】
【0121】
この比較例は、実施例10の装置を使用するが振動テーブルを使用しないカプセル化による油含有多糖カプセルの製造を説明する。
実施例10と同じ構成を使用して、攪拌テーブルの振動を行うことなく、エマルションフラグメントを同様な方法で直立らせん体に添加した。カプセルがホース中に固まり、粘着したフラグメントの塊を生じた。フラグメントの滞留時間は、塊のために計算するのが難しく、そして作られたカプセルの約97%が不良になったことが観察された。
【実施例12】
【0122】
この実施例は、振動管状材の直立らせん体の態様を使用するカプセル形成中の滞留時間の分布を説明する。
モデル材料(1000mgのアルギネートのカプセル)を、5秒の間隔で液体の流れを含む直立らせん体に加えた。流れは、内径2in(約5.1cm)を有するホースから作られた直立らせん体を通って流れた。直立らせん体は、直列の14個の積み重なったらせん体からなった。各らせん体は、約140cmの円周、約45cmの直径および1/28のスロープを有した。直立らせん体を形成するホースの全長は、20mであった。直立らせん体は、180rpm(3Hz)に設定された攪拌テーブル(IKA Labortechnik KS250)の頂部に設けられ、直立らせん体およびその中の液体に振動を与えた。液体の流れは、周囲温度で2.4L/分であった。モデル材料が直立らせん体を出る時間を記録し、そして平均滞留時間を20フラグメントについて計算した。これらの20フラグメントに関する平均滞留時間は117.5秒と計算され、標準偏差は1.1秒であった。最低の記録された滞留時間の値は116秒であり、最高の記録された値は120秒であり、振動する液体の設備に関する滞留時間の分布が狭いことを示唆した。
【実施例13】
【0123】
この実施例は、振動管状材の振動直立らせん体の態様におけるカプセル化によるアルギネートビーズの形成を説明する。
2%アルギネートを含むゲル形成ポリマー溶液を、滴下により2%塩化カルシウム2水和物を含むゲル誘導液体の液体流を含む直立らせん体に加えた。アルギネート溶液を220滴/分の速度で加え、Ca溶液の流速は、直立らせん体中へ0.9L/分であった。直立らせん体は、内径2in(約5.1cm)を有するホースからなった。直立らせん体は、14のコイルに巻かれ、各コイルは、約140cmの円周、約45cmの直径および1/28のスロープを有した。直立らせん体を形成するホースの全長は、20mであった。直立らせん体は、150rpm(2.5Hz)に設定された攪拌テーブル(IKA Labortechnik KS250)の頂部に設けられ、直立らせん体およびその中の液体に振動を与えた。直立らせん体におけるゲル化時間は約105−115秒であった。
【実施例14】
【0124】
上記の実施例13におけるのと同じ装置および条件を用いたが、ただし直立らせん体を振動させなかった。この構成では、カプセル形成のゲル化時間は、約80−140秒であると観察され、ゲル化時間における変動は60秒であった。この範囲のゲル化時間は、直立らせん体が実施例13におけるように振動するときのゲル化時間より遙かに長かった。
【実施例15】
【0125】
この実施例は、振動するコイルの振動直立らせん体の態様におけるカプセル化による対象物を含む沈むアルギネートビーズの形成を説明する。
2%のアルギネートおよび20%の炭酸カルシウムの対象物を含むゲル形成性ポリマー溶液を、0.9L/分の速度で流れぬける2%の塩化カルシウム2水和物を含むゲル誘導液体流を有する振動直立らせん体に滴下した。直立らせん体は、内径2in(約5.1cm)を有するホースからなった。直立らせん体は、14のコイルに巻かれ、各コイルは、約140cmの円周、約45cmの直径および1/28のスロープを有した。直立らせん体を形成するホースの全線長は、20mであった。直立らせん体は、150rpm(2.5Hz)に設定された攪拌テーブル(IKA Labortechnik KS250)の頂部に設けられ、直立らせん体およびその中の液体に振動を与えた。直立らせん体における平均ゲル化時間は約140秒であった。
【実施例16】
【0126】
上記の実施例15において使用されたのと同じ装置および条件を使用したが、ただし直立らせん体は振動させなかった。この構成では、ビーズは直立らせん体から出なかった。従って、この設備では、直立らせん体の振動が、重い材料のカプセル化には必要である。
【実施例17】
【0127】
この実施例は、振動直立らせん体におけるカプセル化によるアルギネートビーズの形成を使用する細菌のカプセル化を説明する。
2.4%のアルギネートおよび5%のBifidobacterium bifidumプロバイオティック細菌(INTB2、BioCare Ltd,英国)を含むゲル形成性ポリマー溶液を、2%の塩化カルシウム2水和物を含有する液状のゲル誘導流(0.9L/分の速度で直立らせん体中に流入)を含む振動直立らせん体に滴下した。直立らせん体は、内径2in(約5.1cm)を有するホースからなった。直立らせん体は、14のコイルに巻かれ、各コイルは、約140cmの円周、約45cmの直径および1/28のスロープを有した。直立らせん体を形成するホースの全線長は、20mであった。直立らせん体は、150rpm(2.5Hz)に設定された攪拌テーブル(IKA Labortechnik KS250)の頂部に設けられ、ビーズおよびその中の液体に振動を与えた。直立らせん体における平均ゲル化時間は約123±3秒であった。ゲル化および濯ぎ後のビーズの平均重量は65mg(n=30)であった。
【実施例18】
【0128】
この実施例は、振動管状材の振動直立らせん体の態様におけるカプセル化によるペクチンビーズ形成を説明する。
4%のペクチン(LM、アミド化)を含むゲル形成性ポリマー溶液を、2%の塩化カルシウム2水和物を含有する液状のゲル誘導流(0.9L/分の速度で直立らせん体中に流入)を含む振動直立らせん体に滴下した。直立らせん体は、内径2in(約5.1cm)を有するホースからなった。直立らせん体は、14個のコイルに巻かれ、各コイルは、約140cmの円周、約45cmの直径および1/28のスロープを有した。直立らせん体を形成するホースの全線長は、20mであった。直立らせん体は、150rpm(2.5Hz)に設定された攪拌テーブル(IKA Labortechnik KS250)の頂部に設けられ、ビーズおよびその中の液体に振動を与えた。装置中のゲル化時間は約120−123秒であった。
【図面の簡単な説明】
【0129】
【図1】本発明のカプセル化装置の例示の態様の切開側面図である。
【図2】図1のカプセル化装置の前面図である。
【図3】図1のカプセル化装置の背面図である。
【図4】図3のカプセル化装置の例示の邪魔板の詳細図である。
【図5】本発明のカプセル化装置による例示の巻状物およびドラムの分解図である。
【図6】図5の巻状物およびドラムの概略図である。
【図7】本発明のカプセル化装置による邪魔板の配置の別の態様の端面図である。
【図8】本発明のカプセル化装置による邪魔板の配置の例示の態様の概略図である。
【図9】本発明のカプセル化装置による邪魔板の例示の態様である。
【図10】本発明のカプセル化装置による邪魔板の配置の別の態様の端面図である。
【図11】本発明のカプセル化装置による例示の態様のドラムの入力末端の側面図である。
【図12】本発明のカプセル化装置による巻状物の例示の態様の最初の室の前面図である。
【図13】本発明のカプセル化装置の別の態様の概略図である。
【図14】図13のカプセル化装置の態様の端面図である。
【図15】高い放出構造を有するドラムの出力末端の例示の態様の端面図である。
【図16】振動管状材の例示の態様の平らなコイルの構造の頂部図である。
【図17】図16に示される振動管状材の例示の態様の平らなコイルの構造の側面図である。
【図18】振動管状材の他の例示の態様である直立らせん体の斜視図である。
【図19】図18で示される直立らせん体の頂部図である。
【図20】振動管状材の他の例示の態様である水路の頂部図である。
【図21】水路の最初の部分が後の部分よりも急勾配である変化する水路の角度を有する水路の側面図である。
【符号の説明】
【0130】
1 カプセル化装置
10 ドラム
12 長さ
14 入力末端
15 前面の板
16 出力末端
18 巻状物
20 隣接するコイル
22 中心軸
24 ゲル化溶液
26 室
28 最初の室
30 傾斜した床
34 切り換え板
40 ビーチ
210 最初の高さ
220 第2の高さ
230 矢印
310 邪魔板
320 310の高さ
330 28の高さ
410 310の高さ
420 310の底部
430 310の側面
510 10の長さ
520 10の高さ
530 10の幅
540 20の高さ
710 邪魔板
810 邪魔板
820 コイル
830 邪魔板
840 コイル
850 矢印
1000 邪魔板
1010 閉じた側面
1020 開いた側面
1040 開始
1110 水路
1300 カプセル化装置
1310 巻状物
1320 有孔の板
1330 トレイ
1340 水路
1350 切り換え
1360 邪魔板
1370 矢印
1510 ふるい
1520 漏斗
1530 水路
1610 スクリーン
1620 らせん体
1640 入力
1650 出力
1810 直立らせん体
1820 入力
1830 カーブ
2000 振動水路
2010 チャンネル
2015 入力
2020 矢印
2030 出力
2100 水路
2110 2100の最初の部分
2120 2100の後の部分
2130 貯槽
2150 出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のコイルをもち縦の中心軸のまわりに回転可能である巻状物;
それぞれの室が、巻状物の隣接するコイルにより画成された側面および支持板により画成された床を有する複数の室からなるカプセル化装置であって、板および複数の室は、或る体積のゲル化水溶液を含み、それによりカプセル化されるべき対象物がゲル浴装置に加えられ、そして予定された時間で巻状物によりゲル浴装置を通って運ばれることを特徴とするカプセル化装置。
【請求項2】
前面の壁、背面の壁、該前面および該背面より長い側面の壁、底面、およびゲル化水溶液からなり或る体積のゲル化水溶液を含むためのトレイ;
トレイに配置される支持板;
複数のコイルをもち支持板に隣接したトレイに配置され縦の中心軸のまわりに回転可能な巻状物;
それぞれの室が巻状物の隣接するコイルにより画成される側面および支持板により画成される床を有する複数の室
をさらに含む装置であって、板および複数の室が、或る体積のゲル化水溶液に浸漬され、それによりカプセル化されるべき対象物がゲル浴装置に加えられ、ゲル化水溶液に浸漬されそして予定された時間で巻状物によりゲル浴装置を通って運ばれる請求項1の装置。
【請求項3】
巻状物が20個のコイルからなる請求項2の装置。
【請求項4】
巻状物が、調節可能であって巻状物の長さに沿って変化するピッチを有する請求項1−3のいずれか1つの項の装置。
【請求項5】
支持板が巻状物を取り囲む請求項1−4のいずれか1つの項の装置。
【請求項6】
支持板が巻状物に取り付けられている請求項5の装置。
【請求項7】
支持板が固体である請求項1−6のいずれか1つの項の装置。
【請求項8】
支持板が有孔のものである請求項1−6のいずれか1つの項の装置。
【請求項9】
巻状物の少なくとも1つのコイルに取り付けた少なくとも1つの邪魔板をさらに含み、巻状物の回転が邪魔板をしてカプセル化されるべき対象物を攪拌させる請求項1−8のいずれか1つの項の装置。
【請求項10】
邪魔板が、水平な板、角度のついた板、三角形の板、棒およびこれらの2つ以上の任意の組み合わせから選ばれる形状を有する請求項9の装置。
【請求項11】
巻状物が、最初の室の壁を画成する最初のコイルをもち、最初の室が、最初のコイルが回転したとき室の体積を増やす傾斜した床を有する請求項1−10のいずれか1つの項の装置。
【請求項12】
巻状物が、角度のついた分割板により先端を切り落とされた最初の室を画成する最初のコイルをもつ請求項1−10のいずれか1つの項の装置。
【請求項13】
最初の室が、カプセル化されるべき対象物が最初の室に加えられたとき、カプセル化されるべき対象物の衝撃を弱めるための手段を含む請求項11または12の装置。
【請求項14】
カプセル化されるべき対象物の衝撃を弱めるための手段が、ゲル化浴の床と連続的な表面を形成するビーチ(beach)である請求項13の装置。
【請求項15】
それを通ってカプセル化されるべき対象物がゲル化浴に加えられる振動管状材をさらに含む請求項1−14のいずれか1つの項の装置。
【請求項16】
それを通ってカプセル化されるべき対象物が振動管状材に加えられる水路(slume)をさらに含む請求項15の装置。
【請求項17】
それを通ってカプセル化されるべき対象物がゲル化浴に加えられる水路をさらに含む請求項1−14のいずれか1つの項の装置。
【請求項18】
水路が、最初は急勾配であり、そして水路の長さに沿って変化する角度を有する請求項16または17の装置。
【請求項19】
2つ以上の巻状物が、直列に配置された請求項1−18のいずれか1つの項の装置。
【請求項20】
巻状物の放出末端に取り付けられた成形されたふるいからなる上昇放出機構をさらに含む請求項1−19のいずれか1つの項の装置。
【請求項21】
(a)カプセル化されるべき対象物をゲル化浴に配置されたゲル溶液に連続的に加え、その場合カプセル化されるべき対象物はゲル化浴に直接加えられるか、または水路から加えられるか、または振動管状材から加えられるかの何れかにより加えられる工程、
(b)巻状物を回転する工程、
(c)予定された速度で巻状物を回転させることにより予定された時間でゲル化水溶液を通ってカプセル化されるべき対象物を運ぶ工程、
(d)カプセル化されるべき対象物がゲル化水溶液を通って移動する間、カプセル化されるべき対象物およびゲル化水溶液を攪拌する工程、
(e)カプセル化されるべき対象物をカプセル化するカプセル壁を形成する工程
からなることを特徴とする請求項1−20のいずれか1つの項のカプセル化装置を使用してカプセル化する方法。
【請求項22】
カプセル化されるべき対象物が、振動管状材から添加されるか、または振動管状材および水路から添加される請求項21の方法。
【請求項23】
工程(a)が、入力および出力の末端を有し平らなコイルに成形された、ゲル化浴水溶液を含む振動管状材に、カプセル化されるべき対象物を添加する工程、および
カプセル化されるべき対象物が入力末端から出力末端へ平らなコイルを通過するのに十分な程度に平らなコイルを攪拌する工程からなる請求項22の方法。
【請求項24】
工程(a)が、入力および出力の末端を有し直立らせん体に成形された、ゲル化浴水溶液を含む振動管状材にカプセル化されるべき対象物を添加する工程、および
カプセル化されるべき対象物が入力末端から出力末端へ平らなコイルを通過するのに十分な程度に直立らせん体の平らなコイルを攪拌する工程からなる請求項22の方法。
【請求項25】
直立らせん体が、1/10から1/80の入力末端から出力末端へのスロープを有する請求項24の方法。
【請求項26】
カプセル化されるべき対象物が、水路から添加され、水路は振動水路であり、そして工程(a)は、カプセル化されるべき対象物を振動水路に加える工程を含み、振動水路は、ゲル化浴水溶液を含み、さらに入力末端および出力末端並びに入力末端および出力末端と流体連絡している直列の隣接するチャンネルを有する請求項21の方法。
【請求項27】
直列の隣接するチャンネルがスロープを有し、その場合連続する下流方向のチャンネルが、その前のチャンネルと同じ高さである請求項26の方法。
【請求項28】
直列の隣接するチャンネルがスロープを有し、その場合連続する下流方向のチャンネルの高さが、その前のチャンネルよりも僅かに低い請求項26の方法。
【請求項29】
カプセル化されるべき対象物が、油、水、乳化剤およびゲル化剤からなるエマルションのフラグメントであり、その場合、油はエマルションの少なくとも50重量%の量で存在し、
ゲル化剤は、ゲル形成性ポリマーをゲルにして、ゲルになったゲル形成性ポリマーからなるカプセル壁によりフラグメントをカプセル化する請求項21−28のいずれか1つの項の方法。
【請求項30】
エマルションのフラグメントが、エマルションを少なくとも1つのノズルを通して圧送し、そしてセパレーターの速度が400−1000cm/sであるセパレーターによりエマルションの流れを中断することにより形成される請求項29の方法。
【請求項31】
ゲル形成性ポリマーが、アルギネート、カラギーナンまたはペクチンであり、ゲル化剤が、Ca2+、Ba2+、Fe2+、Cu2+、Kおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる請求項29または30の方法。
【請求項32】
ゲル形成性ポリマーが、アルギネートであり、そしてゲル化剤がCa2+である請求項31の方法。
【請求項33】
カプセル化されるべき対象物が、ゲル形成性ポリマーおよびゲル化剤の溶液からなる請求項21−28のいずれか1つの項の方法。
【請求項34】
ゲル形成性ポリマーが、多糖例えばアルギネート、カラギーナンまたはペクチンであり、そしてゲル化剤が、Ca2+、Ba2+、Fe2+、Cu2+、Kおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる請求項33の方法。
【請求項35】
(f)工程(e)の後、過剰のゲル形成性ポリマーおよびゲル化剤を洗浄浴中のカプセル化したエマルションから取り出す工程、
(g)洗浄したカプセル化したエマルションを可塑化浴中に入れることにより可塑剤をカプセル壁に加える工程、および
(h)可塑化しかつカプセル化したエマルションを乾燥する工程
をさらに含む請求項29−34のいずれか1つの項の方法。
【請求項36】
工程(f)および(g)が、最初のカプセル化装置と直列に配置された次のカプセル化装置で生ずる請求項35の方法。
【請求項37】
可塑剤溶液を加える工程の前に、第2のカプセル化装置から洗浄溶液を流出させる工程をさらに含む請求項36の方法。
【請求項38】
工程(c)が、毎分0.5−2回転で巻状物を回転することからなる請求項21−37のいずれか1つの項の方法。
【請求項39】
予定された時間が10−40分である請求項21−38のいずれか1つの項の方法。
【請求項40】
ゲル化水溶液の高さが、エマルションがゲル化水溶液に連続的に添加されるとき、巻状物の最初のコイルと第2のコイルとの間の距離により画成される間隔の間に維持される請求項21−39のいずれか1つの項の方法。
【請求項41】
カプセル化されるべき対象物が、薬剤、栄養サプリメント、菓子成分、食品およびこれらの混合物からなる群から選ばれる1つ以上の添加される成分からなる請求項21−40のいずれか1つの項の方法。
【請求項42】
カプセルの長さが16−35mmであり直径が5−12mmである請求項21−41のいずれか1つの項の方法により製造された非球状のシームレスカプセル。
【請求項43】
カプセルが、20−35mmの長さおよび7−12mmの直径を有する請求項42のカプセル。
【請求項44】
カプセルが、25−35mmの長さおよび7−12mmの直径を有する請求項42のカプセル。
【請求項45】
カプセルの水含有量が、カプセルの全重量の10%より少ない請求項42−45のいずれか1つの項のカプセル。
【請求項46】
(a)入力末端および出力末端を有しゲル化水溶液を含む管状材に材料を連続的に加える工程、
(b)材料がコントロールかつ攪拌された方法によりそしてコントロールされた滞留時間で入力末端から出力末端へ管状材を通過するのに十分な程度に、管状材を振動する工程
からなる材料をカプセル化する方法であって、材料は、油、水、乳化剤およびゲル化剤からなるエマルションであり、油は該エマルションの少なくとも50重量%の量で存在することを特徴とする材料をカプセル化する方法。
【請求項47】
(a)入力末端および出力末端を有しゲル化水溶液を含む管状材へ材料を連続的に加える工程、
(b)材料がコントロールかつ攪拌された方法によりそしてコントロールされた滞留時間で入力末端から出力末端へ管状材を通過するのに十分な程度に、管状材を振動する工程
からなる人工キャビアを製造する方法であって、材料は、油、水、濃厚化剤、ゲル化剤、水溶性の食品着色剤および水溶性の魚またはカニ肉の抽出物からなるエマルションであることを特徴とする人工キャビアを製造する方法。
【請求項48】
(a)入力末端および出力末端を有しゲル化水溶液を含む管状材へゲルビーズの形の材料を連続的に添加する工程、
(b)ビーズがコントロールかつ攪拌された方法によりそしてコントロールされた滞留時間で入力末端から出力末端へ管状材を通過するのに十分な程度に、管状材を振動する工程
からなるゲルビーズを製造する方法であって、材料はポリマーの溶液からなることを特徴とするゲルビーズを製造する方法。
【請求項49】
ポリマーがイオン性の反応性ポリマーであり、ゲル化水溶液がゲル化剤の溶液からなる請求項48の方法。
【請求項50】
ポリマーが温度硬化ポリマーであり、ゲル化水溶液がゲル誘導温度に維持される請求項48の方法。
【請求項51】
材料が油または粒子をさらに含む請求項48の方法。
【請求項52】
工程(a)の前に、添加材料を個々の対象物にフラグメント化する工程をさらに含む請求項46−51のいずれか1つの項の方法。
【請求項53】
管状材が、ホース、U字管、取り外し可能な蓋で閉じられたU字管、パイプ、水路、チャンネルまたは導管である請求項46−51のいずれか1つの項の方法。
【請求項54】
工程(b)が、振盪テーブル、振動テーブル、振動スクリーンまたは取り付けた振動要素を使用して実施される請求項46−51のいずれか1つの項の方法。
【請求項55】
材料が、予定された時間で入力末端から出力末端へ管状材を通過する請求項46−51のいずれか1つの項の方法。
【請求項56】
予定された時間が約1分から約30分である請求項55の方法。
【請求項57】
イオン性の反応性ポリマーが、アルギネート、カラギーナンまたはペクチンであり、そしてゲル化剤が、Ca2+、Ba2+、Fe2+、Cu2+、Kおよびこれらの混合物からなる群から選ばれる請求項46−56のいずれか1つの項の方法。
【請求項58】
工程(a)において、ゲル化水溶液が、約5L/分から約30L/分の速度で管状材に流入する請求項46−57のいずれか1つの項の方法。
【請求項59】
管状材が、約2.5cmから約15.3cmの直径を有するホースである請求項46−58のいずれか1つの項の方法。
【請求項60】
管状材が平らなコイルに構成される請求項46−59のいずれか1つの項の方法。
【請求項61】
管状材が直立らせん体に構成される請求項46−59のいずれか1つの項の方法。
【請求項62】
管状材が水路に構成される請求項46−59のいずれか1つの項の方法。
【請求項63】
油が、ゲルになったゲル形成性ポリマーにより囲まれ、そしてカプセルが、16−35mmの長さおよび5−12mmの直径を有することを特徴とする油を含む非球状のシームレスカプセル。
【請求項64】
カプセルが20−35mmの長さおよび7−12mmの直径を有する請求項63のカプセル。
【請求項65】
カプセルが25−35mmの長さおよび7−12mmの直径を有する請求項63のカプセル。
【請求項66】
カプセルの充填量が500−2500mgである請求項63−65のいずれか1つの項のカプセル。
【請求項67】
カプセルの充填量が1000−1500mgである請求項63−65のいずれか1つの項のカプセル。
【請求項68】
ゲル形成性ポリマーがアルギネートである請求項63−67のいずれか1つの項のカプセル。
【請求項69】
カプセルがゲル化剤をさらに含む請求項63−68のいずれか1つの項のカプセル。
【請求項70】
カプセルが、薬剤、機能性食品、菓子成分、食品およびこれらの混合物からなる群から選ばれる材料をさらに含む請求項63−69のいずれか1つの項のカプセル。
【請求項71】
カプセルの水分量が、乾燥したカプセルの全重量の10%より少ない請求項63−70のいずれか1つの項のカプセル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13−14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2009−528823(P2009−528823A)
【公表日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−557404(P2008−557404)
【出願日】平成19年2月28日(2007.2.28)
【国際出願番号】PCT/US2007/005387
【国際公開番号】WO2007/103186
【国際公開日】平成19年9月13日(2007.9.13)
【出願人】(391022452)エフ エム シー コーポレーション (74)
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
【Fターム(参考)】