説明

カラーフィルタの製造方法

【課題】ドライエッチング処理時の支持体ダメージの発生を抑制可能なカラーフィルタの製造方法を提供する。
【解決手段】ドライエッチング法を用いたカラーフィルタの製造方法において、ドライエッチング処理を、フッ素系ガスと酸素ガスとを含む混合ガスを用いて着色層除去部6を形成する第1のエッチング工程と、窒素ガスと酸素ガスとを含む混合ガスを用いて着色層除去部6を除去し支持体露出部を形成する第2のエッチング工程とで行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ドライエッチング法を用いたカラーフィルタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
液晶表示素子や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタを作製する方法としては、染色法、印刷法、電着法および顔料分散法が知られている。
【0003】
このうち、顔料分散法は、顔料を種々の感光性組成物に分散させた着色感放射線性組成物を用いてフォトリソ法によってカラーフィルタを作製する方法であり、顔料を使用しているために光や熱等に安定であるという利点を有している。また、フォトリソ法によってパターニングするため、位置精度が高く、大画面、高精細カラーディスプレイ用カラーフィルタを作製するのに好適な方法として広く利用されてきた。
【0004】
顔料分散法によりカラーフィルタを作製する場合、ガラス基板上に感放射線性組成物をスピンコーターやロールコーター等により塗布し乾燥させて塗膜を形成し、該塗膜をパターン露光・現像することによって着色された画素が形成され、この操作を各色ごとに繰り返し行なうことでカラーフィルタを得ることができる。
【0005】
前記の顔料分散法としては、アルカリ可溶性樹脂に光重合性モノマーと光重合開始剤とを併用したネガ型感光性組成物が記載されたものがある(例えば、特許文献1〜4参照)。
【0006】
さらに、前記ネガ型感光性組成物では実現できなかったカラーフィルタのさらなる高画質化に対応するため、カラーフィルタの画素を所望の大きさ、形状にコントロールしたカラーフィルタを提供することを目的とし、前記アルカリ可溶性樹脂として、分子中にアルキレンオキサイド鎖及び/またはヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)を有するアクリル樹脂を用いたネガ型感光性組成物が記載されたものがある(例えば、特許文献5参照)。
【0007】
一方、近年、固体撮像素子用のカラーフィルタにおいては更なる高精細化が望まれている。特に固体撮像素子の微細化は顕著であり、2.0μmサイズを下回る高解像技術が必要となっており、従来のフォトリソ法では解像力の限界になりつつある。
【0008】
前記フォトリソ法を利用するカラーフィルタの製造法に対して、より薄膜で、かつ微細パターンの形成に有効な方法としてドライエッチング法が古くから知られている。ドライエッチング法は、色素の蒸着薄膜に対してパターン形成する方法として従来から採用されており(例えば、特許文献6参照。)、薄膜形成に関してはフォトリソ系に比べ、分光特性を同じ程度としながら膜厚が1/2以下の薄膜の形成も可能である。また、フォトリソ法とドライエッチング法を組みわせたパターン形成法も提案されている。(例えば、特許文献7参照)。また、エッチングによるフォトレジストの表面変質層をアッシングにより除去することにより、フォトレジストの剥離を容易にする手法も提案されている(例えば、特許文献8参照)。
【特許文献1】特開平2−181704号公報
【特許文献2】特開平2−199403号公報
【特許文献3】特開平5−273411号公報
【特許文献4】特開平7−140654号公報
【特許文献5】特開2005−326453号公報
【特許文献6】特開昭55−146406号公報
【特許文献7】特開2001−249218号公報
【特許文献8】特開2003−332310号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
ドライエッチング法を用いたカラーフィルタの製造においては、一般にオーバーエッチング処理による支持体ダメージ(削れ)の問題が発生する傾向がある。例えば、支持体上の着色層をドライエッチングにより除去してパターンを形成する場合、着色層を除去した領域の支持体の一部までもが削られ、段差が発生してしまう場合がある。また、エッチング終点検出後に、支持体上から残渣を除去するためにオーバーエッチング処理を行う場合があるが、その際、支持体上に有機膜が存在する場合や、フッ素系ガスを含むエッチングガスを使用してオーバーエッチング処理を行う場合に、支持体ダメージの発生を回避することは困難であった。
【0010】
本発明は上記問題点に鑑みてなされたものであり、ドライエッチング処理時の支持体ダメージ(削れ)の発生が抑制されたカラーフィルタの製造方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
<1> (a)支持体上に、着色層を形成する着色層形成工程と、(b)前記着色層上に、フォトレジスト層を形成するフォトレジスト層形成工程と、(c)前記フォトレジスト層をパターン様に除去することにより、前記着色層上に画像を形成する画像形成工程と、(d)フッ素系ガスと酸素ガスとを含む第1の混合ガスを用いたドライエッチング法により、前記支持体が露出しない範囲で前記着色層の一部を除去し、前記画像形成工程によって形成されたパターン様に着色層除去部を形成する第1のエッチング工程と、(e)前記第1のエッチング工程後に、窒素ガスと酸素ガスとを含む第2の混合ガスを用いたドライエッチング法により前記着色層除去部の少なくとも一部を除去し、前記パターン様に支持体露出部を形成する第2のエッチング工程と、(f)前記第2のエッチング工程後に残存する前記フォトレジスト層を除去するフォトレジスト層除去工程と、を含むカラーフィルタの製造方法である。
【0012】
<2> 前記第2のエッチング工程は、フッ素系ガスを含まない前記第2の混合ガスを用いることを特徴とする前記<1>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
【0013】
<3> 前記第2のエッチング工程後であって、前記フォトレジスト層除去工程前に、酸素ガスを含む第3の混合ガスを用いたドライエッチング法により、前記第2のエッチング工程で生成した側壁堆積物の除去を行う第3のエッチング工程を更に含むことを特徴とする前記<1>又は<2>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<4> 前記第3のエッチング工程後であって、前記フォトレジスト層除去工程前に、酸素ガスを用いたドライエッチング法により、前記側壁堆積物及びフォトレジスト層に由来する変質層を除去する第4のエッチング工程を更に含むことを特徴とする前記<3>に記載のカラーフィルタの製造方法である。
【0014】
<5> 前記第2のエッチング工程が、オーバーエッチング処理工程を更に含むことを特徴とする前記<1>〜<4>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<6> 前記フッ素系ガスが、CF、C、C及びCHFの群から選ばれる少なくとも1種のフッ素系ガスであることを特徴とする前記<1>〜<5>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<7> 前記第1の混合ガスが、Ar、He、Kr、N、及びXeの群から選ばれる少なくとも1種のガスを更に含み、Ar、He、Kr、N、及びXeの群から選ばれる少なくとも1種のガスの含有量が、酸素ガスを1としたときの流量比で25以下であることを特徴とする前記<1>〜<6>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<8> 前記第2の混合ガスが、Ar、He、Kr、及びXeの群から選ばれる少なくとも1種のガスを更に含み、Ar、He、Kr、及びXeの群から選ばれる少なくとも1種のガスの含有量が、酸素ガスを1としたときの流量比で25以下であることを特徴とする前記<1>〜<7>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法である。
【0015】
<9> 前記第1のエッチング工程は、チャンバーの内部圧力が2.0〜6.0Paであることを特徴とする前記<1>〜<8>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<10> 前記第2のエッチング工程が、チャンバーの内部圧力が1.0〜4.0Paであることを特徴とする前記<1>〜<9>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法である。
<11> 前記第1のエッチング工程及び/又は前記第2のエッチング工程における前記支持体の温度が、30℃〜100℃であることを特徴とする前記<1>〜<10>のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法である。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、ドライエッチング処理時の支持体ダメージ(削れ)の発生が抑制されたカラーフィルタの製造方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
[着色層形成工程]
本発明のカラーフィルタの製造方法は、(a)支持体上に着色層を形成する着色層形成工程を含む。
<支持体>
本発明における支持体としては、カラーフィルタに用いられるものであれば特に制限はないが、例えば液晶表示素子等に用いられるソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、撮像素子等に用いられる光電変換素子基板、例えばシリコン基板、酸化膜、窒化シリコン等が挙げられる。また、これら支持体と着色層の間には本発明の効果を損なわない限り中間層など他の層を設けても良い。
【0018】
<着色層>
本発明における着色層は、本発明におけるカラーフィルタの画素の少なくとも1種を構成することができる。
本発明における着色層は、着色剤を含有する硬化性組成物によって形成されることが好ましい。前記硬化性組成物としては、着色光硬化性組成物及び非感光性の着色熱硬化性組成物を挙げることができる。本発明における着色層は、分光特性の観点から、非感光性の着色熱硬化性組成物を用いて、形成されることが好ましい。
【0019】
(着色光硬化性組成物)
本発明で用いる着色光硬化性組成物は、着色剤、光硬化性成分を少なくとも含むものである。この内「光硬化性成分」としては、フォトリソ法に通常用いられる光硬化性組成物であり、バインダー樹脂(アルカリ可溶性樹脂等)、感光性重合成分(光重合成モノマー等)、光重合開始剤等を少なくとも含む組成物を用いることができる。
着色光硬化性組成物については、例えば、特開2005−326453号公報の段落番号0017〜0064に記載の事項を好適に適用することができる。
【0020】
本発明における着色層形成工程は、上記の着色光硬化性組成物を支持体上に直接または他の層を介して塗布し、その後乾燥して塗布膜を形成する工程(塗膜形成工程)と、加熱処理を施す工程(ポストベーク工程)と、を含むことができる。
【0021】
(着色熱硬化性組成物)
本発明においては、非感光性の着色熱硬化性組成物を用いて着色層を形成することができる。本発明における非感光性の着色熱硬化性組成物は、着色剤と、熱硬化性化合物と、を含み、全固形分中の前記着色剤濃度が50質量%以上100質量%未満であることが好ましい。
【0022】
−着色剤−
本発明に用いることができる着色剤は、特に限定されず、従来公知の種々の染料や顔料を1種又は2種以上混合して用いることができる。
【0023】
本発明に用いることができる顔料としては、従来公知の種々の無機顔料または有機顔料を挙げることができる。また、無機顔料であれ有機顔料であれ、高透過率であることが好ましいことを考慮すると、平均粒子径がなるべく小さい顔料の使用が好ましく、ハンドリング性をも考慮すると、上記顔料の平均粒子径は、0.01μm〜0.1μmが好ましく、0.01μm〜0.05μmがより好ましい。
【0024】
本願発明において好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。但し本発明は、これらに限定されるものではない。
【0025】
C.I.ピグメント・イエロー11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185;
C.I.ピグメント・オレンジ36,71;
C.I.ピグメント・レッド122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264;
C.I.ピグメント・バイオレット19,23,32;
C.I.ピグメント・ブルー15:1,15:3,15:6,16,22,60,66;
C.I.ピグメント・ブラック1
【0026】
本発明において、着色剤が染料である場合には、組成物中に均一に溶解して非感光性の熱硬化性着色樹脂組成物を得ることができる。
【0027】
本発明における組成物を構成する着色剤として使用できる染料は、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用として公知の染料が使用できる。
【0028】
化学構造としては、ピラゾールアゾ系、アニリノアゾ系、トリフェニルメタン系、アントラキノン系、アンスラピリドン系、ベンジリデン系、オキソノール系、ピラゾロトリアゾールアゾ系、ピリドンアゾ系、シアニン系、フェノチアジン系、ピロロピラゾールアゾメチン系、キサテン系、フタロシアニン系、ペンゾピラン系、インジゴ系等の染料が使用できる。
【0029】
本発明における着色熱硬化性組成物の全固形分中の着色剤含有率は特に限定されるものではないが、好ましくは50質量%以上100質量%未満であり、55質量%以上90質量%以下がより好ましい。50質量%以上とすることでカラーフィルタとして適度な色度を得ることができる。また、100質量%未満とすることで光硬化を充分に進めることができ、膜としての強度低下を抑制することができる。
【0030】
−熱硬化性化合物−
本発明に使用可能な熱硬化性化合物としては、加熱により膜硬化を行えるものであれば特に限定はなく、例えば、熱硬化性官能基を有する化合物を用いることができる。前記熱硬化性化合物としては、例えば、エポキシ基、メチロール基、アルコキシメチル基およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの基を有するものが好ましい。
【0031】
更に好ましい熱硬化性化合物としては、(a)エポキシ化合物、(b)メチロール基、アルコキシメチル基およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、メラミン化合物、グアナミン化合物、グリコールウリル化合物またはウレア化合物、(c)メチロール基、アルコキシメチル基およびアシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの置換基で置換された、フェノール化合物、ナフトール化合物またはヒドロキシアントラセン化合物、が挙げられる。中でも、前記熱硬化性化合物としては、多官能エポキシ化合物が特に好ましい。
【0032】
着色熱硬化性組成物中における前記熱硬化性化合物の総含有量としては、素材により異なるが、該硬化性組成物の全固形分(質量)に対して、0.1〜50質量%が好ましく、0.2〜40質量%がより好ましく、1〜35質量%が特に好ましい。
【0033】
−各種添加物−
本発明における着色熱硬化性組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、必要に応じて、各種添加物、例えば、バインダー、硬化剤、硬化触媒、溶剤、充填剤、前記以外の高分子化合物、界面活性剤、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、分散剤、等を配合することができる。
【0034】
〜バインダー〜
前記バインダーは、顔料分散液調製時に添加する場合が多く、アルカリ可溶性を必要とせず、有機溶剤に可溶であればよい。
【0035】
前記バインダーとしては、線状有機高分子重合体で、有機溶剤に可溶であるものが好ましい。このような線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー、例えば、特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等が挙げられ、また同様に側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体が有用である。
【0036】
これら各種バインダーの中でも、耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
【0037】
前記アクリル系樹脂としては、ベンジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等から選ばれるモノマーからなる共重合体、例えばベンジルメタアクリレート/メタアクリル酸、ベンジルメタアクリレート/ベンジルメタアクリルアミドのような各共重合体、KSレジスト−106(大阪有機化学工業(株)製)、サイクロマーPシリーズ(ダイセル化学工業(株)製)等が好ましい。
これらのバインダー中に前記着色剤を高濃度に分散させることで、下層等との密着性を付与でき、これらはスピンコート、スリットコート時の塗布面状にも寄与している。
【0038】
〜硬化剤〜
本発明において、熱硬化性化合物として、エポキシ樹脂を使用する場合、硬化剤を添加することが好ましい。エポキシ樹脂の硬化剤は種類が非常に多く、性質、樹脂と硬化剤の混合物との可使時間、粘度、硬化温度、硬化時間、発熱などが使用する硬化剤の種類によって非常に異なるため、硬化剤の使用目的、使用条件、作業条件などによって適当な硬化剤を選ばねばならない。前記硬化剤に関しては垣内弘編「エポキシ樹脂(昇晃堂)」第5章に詳しく解説されている。前記硬化剤の例を挙げると以下のようになる。
触媒的に作用するものとしては、第三アミン類、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、エポキシ樹脂の官能基と化学量論的に反応するものとして、ポリアミン、酸無水物等;また、常温硬化のものとして、ジエチレントリアミン、ポリアミド樹脂、中温硬化のものの例としてジエチルアミノプロピルアミン、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;高温硬化の例として、無水フタル酸、メタフェニレンジアミン等がある。また化学構造別に見るとアミン類では、脂肪族ポリアミンとしてはジエチレントリアミン;芳香族ポリアミンとしてはメタフェニレンジアミン;第三アミンとしてはトリス(ジメチルアミノメチル)フェノール;酸無水物としては無水フタル酸、ポリアミド樹脂、ポリスルフィド樹脂、三フッ化ホウ素−モノエチルアミンコンプレックス;合成樹脂初期縮合物としてはフェノール樹脂、その他ジシアンジアミド等が挙げられる。
【0039】
これら硬化剤は、加熱によりエポキシ基と反応し、重合することによって架橋密度が上がり硬化するものである。薄膜化のためには、バインダー、硬化剤とも極力少量の方が好ましく、特に硬化剤に関しては熱硬化性化合物に対して35質量%以下、好ましくは30質量%以下、さらに好ましくは25質量%以下とすることが好ましい。
【0040】
〜硬化触媒〜
本発明において高い着色剤濃度を実現するためには、前記硬化剤との反応による硬化の他、主としてエポキシ基同士の反応による硬化が有効である。このため、硬化剤は用いず、硬化触媒を使用することもできる。前記硬化触媒の添加量としてはエポキシ当量が150〜200程度のエポキシ樹脂に対して、質量基準で1/10〜1/1000程度、好ましくは1/20〜1/500程度さらに好ましくは1/30〜1/250程度のわずかな量で硬化させることが可能である。
〜溶剤〜
本発明における着色熱硬化性組成物は各種溶剤に溶解された溶液として用いることができる。本発明における着色熱硬化性組成物に用いられるそれぞれの溶剤は、各成分の溶解性や着色熱硬化性組成物の塗布性を満足すれば基本的に特に限定されない
【0041】
〜分散剤〜
また、前記分散剤は顔料の分散性を向上させるために添加することができる。前記分散剤としては、公知のものを適宜選定して用いることができ、例えば、カチオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、高分子分散剤等が挙げられる。
これらの分散剤としては、多くの種類の化合物が用いられるが、例えば、フタロシアニン誘導体(市販品EFKA−745(エフカ社製))、ソルスパース5000(日本ルーブリゾール社製);オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等のカチオン系界面活性剤;ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル等のノニオン系界面活性剤;W004、W005、W017(裕商(株)製)等のアニオン系界面活性剤;EFKA−46、EFKA−47、EFKA−47EA、EFKAポリマー100、EFKAポリマー400、EFKAポリマー401、EFKAポリマー450(以上森下産業(株)製)、ディスパースエイド6、ディスパースエイド8、ディスパースエイド15、ディスパースエイド9100(サンノプコ(株)製)等の高分子分散剤;ソルスパース3000、5000、9000、12000、13240、13940、17000、24000、26000、28000などの各種ソルスパース分散剤(日本ルーブリゾール社製);アデカプルロニックL31、F38、L42、L44、L61、L64、F68、L72、P95、F77、P84、F87、P94、L101、P103、F108、L121、P−123(旭電化(株)製)およびイソネットS−20(三洋化成(株)製)が挙げられる
【0042】
前記分散剤は、単独で用いてもよくまた2種以上組み合わせて用いてもよい。前記分散剤の本発明における着色熱硬化性組成物中の添加量は、通常顔料100質量部に対して0.1〜50質量部程度が好ましい。
【0043】
〜その他の添加剤〜
本発明における非感光性の着色硬化性組成物には、必要に応じて各種添加剤を更に添加することができる。各種添加物の具体例としては、例えば、上記特開2005−326453号公報に記載の各種添加剤を挙げることができる。
【0044】
本発明における着色層は、例えば、上記の着色熱硬化性組成物を支持体に塗布し、乾燥して形成することができる。具体的には、例えば、溶剤を含んだ本発明における着色熱硬化性組成物を、支持体上に回転塗布、スリット塗布、流延塗布、ロール塗布等の塗布方法により塗布して形成することができる。
着色層の具体的な厚さとしては、0.005μm〜0.9μmが好ましく、0.05μm〜0.8μmが好ましく、0.1μm〜0.7μmで作製されることが更に好ましい。
【0045】
本発明における、着色層形成工程は、加熱工程(ポストベーク工程であってもよい)を更に含むことが好ましい。具体的に前記着色層は、本発明における着色熱硬化性組成物を支持体に塗布して塗布膜を形成した後、加熱工程により、該塗布膜を熱硬化させて形成することができる。前記加熱工程は塗布後の乾燥と同時であってもよく、また塗布乾燥後に別途熱硬化の工程を設けてもよい。前記加熱工程は、オーブン、ホットプレートなど公知の加熱手段を用い、好ましくは130℃〜300℃、更に好ましくは150℃〜280℃、特に好ましくは170℃〜260℃の条件下で、好ましくは10秒〜3時間、更に好ましくは30秒〜2時間、特に好ましくは60秒〜60分の範囲で行なうことができる。但し、製造を考慮すると硬化に要する時間は短時間であるほど好ましい。
【0046】
[フォトレジスト層形成工程]
本発明のカラーフィルタの製造方法は、(b)前記着色層上に、フォトレジスト層を形成するフォトレジスト層形成工程を含む。
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、フォトレジスト層をマスクとして、後のエッチング工程でエッチング処理することにより、着色層を所望の形状(例えば、矩形)に形成することができる。
上述のように、支持体上に(a)着色層形成工程で着色層が形成された後、この着色層上にフォトレジスト層(感光性樹脂層)が更に形成される。具体的には、前記着色層上にポジ又はネガ型の感光性樹脂組成物を塗布し、これを乾燥させてフォトレジスト層が形成される。本発明のフォトレジスト層の形成においては、更にプリベーク処理を行うことが好ましい。
【0047】
前記ポジ又はネガ型の感光性樹脂組成物としては、例えば、特開2007−11324号公報の段落番号0112〜0117に記載の事項を本発明においても好適に適用することができる。
前記感光性樹脂組成物の塗布方法としては、既述の塗布方法を好適に用いることができる。また、前記感光性樹脂層の具体的な厚さとしては、0.01μm〜3μmが好ましく、0.1μm〜2.5μmがより好ましく、0.15μm〜2μmで形成されることが更に好ましい。
【0048】
前記ポジ型の感光性樹脂組成物としては、紫外線(g線、i線)、エキシマー・レーザー等を含む遠紫外線、電子線、イオンビームおよびX線等の放射線に感応するポジ型フォトレジスト用に好適なポジ型レジスト組成物が使用できる。前記放射線のうち、前記感光性樹脂層を露光するものとしては、本発明の目的からは、g線、i線が好ましく、中でもi線露光が好ましい。
【0049】
[画像形成工程]
本発明のカラーフィルタの製造方法は、(c)前記フォトレジスト層をパターン様に除去することにより、前記着色層上に画像を形成する画像形成工程を含む。ここで前記着色層は、単一の着色層から構成されるものであっても、2種以上の着色層から構成されるものであってもよい。
【0050】
本発明においては、フォトレジスト層が除去されてなるパターンが、既に形成された着色層(第1の着色層)とは異なる第2の着色層が支持体上に形成される領域からなるパターンであることが好ましい。
前記画像形成工程においては、前記フォトレジスト層を、所望のパターン、例えば第2の着色層を支持体上に形成する領域に対応するパターン様に露光し、現像液で現像してエッチング用マスク(パターン画像)を形成することができる。
【0051】
前記画像形成工程により、前記パターン様に第1の着色層の表面(支持体と対向する側とは反対側の面)が露出することになる。一方、第1の着色層のうち、第2の着色層を支持体上に形成する領域以外の領域はフォトレジスト層で被覆された状態となっている。
本発明の製造方法によって製造されるカラーフィルタにおいては、第2の着色層を支持体上に形成することで、第1の着色層によって構成される画素に加えて、更にもう1種類の画素を形成することができる。マスク材となるフォトレジスト層は微細化が可能であり、かつ矩形性を有しているため、本発明の製造方法によって製造されるカラーフィルタの各画素を微細かつ矩形に形成することができる。
【0052】
前記フォトレジスト層の露光は、所定(画像様)のマスクパターンを介して、ポジ型又はネガ型の感光性樹脂組成物に、g線、h線、i線等、好ましくはi線で露光を施すことによって行うことができる。
【0053】
前記現像液としては、着色剤を含む着色層には影響を与えず、ポジレジストの露光部およびネガレジストの未硬化部を溶解するものであればいかなるものも用いることができる。具体的には、種々の有機溶剤の組合せやアルカリ性の水溶液を用いることができる。
【0054】
[第1のエッチング工程]
本発明のカラーフィルタの製造方法は、(d)フッ素系ガスと酸素ガスとを含む第1の混合ガスを用いたドライエッチング法により前記着色層の一部を除去し、前記画像形成工程によって形成されたパターン様に着色層除去部を形成する第1のエッチング工程を含む。
前記ドライエッチング法の代表的な例としては、特開昭59−126506号、特開昭59−46628号、同58−9108号、同58−2809号、同57−148706号、同61−41102号などの公報に記載されているような方法が知られている。
【0055】
本発明においては、(c)画像形成工程によって、第1の着色層のうち、第2の着色層を支持体上に形成する領域に対応する領域のみが露出された状態となる。この状態でフッ素系ガスと酸素ガスとを含む第1の混合ガスを用いたドライエッチング法(例えば、プラズマエッチング処理)で異方性エッチングを行うことにより、前記画像形成工程で形成されたパターン様に、第1の着色層の一部を除去することができる。
また、第1のエッチング工程においては、前記画像形成工程で形成されたパターン様に着色層除去部を形成する場合に、支持体が露出する前にエッチング処理を終了することで、支持体ダメージの発生を回避することができる。
【0056】
(第1の混合ガス)
本発明における(d)エッチング工程で用いる第1の混合ガスは、ドライエッチング法により除去される着色層部分(被エッチング部分)を矩形に加工可能であるという観点から、フッ素系ガスの少なくとも1種と酸素ガスとを少なくとも含む。
【0057】
前記フッ素系ガスとしては公知のフッ素系ガスを使用できるが、下記式(I)で表わされるフッ素系化合物のガスであることが好ましい。
式(I)
〔式中、nは1〜6を表し、mは0〜13を表し、lは1〜14を表す。〕
【0058】
前記式(I)で表されるフッ素系ガスとしては、例えば、CF、C、C、C、C、C、C、CHFの群からなる少なくとも1種を挙げることができる。本発明におけるフッ素系ガスは、前記群の中から1種のガスを選択して用いることができ、また2種以上のガスを組合せて用いることができる。
本発明におけるフッ素系ガスは、被エッチング部分の矩形性維持の観点から、CF、C、C、及びCHFの群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、CF及び/又はCであることがより好ましく、CFであることが特に好ましい。
【0059】
本発明における第1の混合ガスは、フッ素系ガスと酸素ガスとの含有比率(フッ素系ガス/酸素ガス)を流量比で2/1〜8/1とすることが好ましい。前記範囲内とすることにより、エッチング処理時におけるフォトレジスト層側壁へのエッチング生成物の付着を防止でき、後述するフォトレジスト層除去工程において、フォトレジスト層の剥離が容易になる。中でも特に、被エッチング部分の矩形性を維持しながらエッチング生成物のフォトレジスト側壁への再付着の防止の点で、フッ素系ガスと酸素ガスとの含有比率が2/1〜6/1であることが好ましく、3/1〜5/1であることが特に好ましい。
【0060】
本発明における第1の混合ガスは、エッチングプラズマの分圧コントロール安定性、及び被エッチング形状の垂直性を維持する観点から、前記フッ素系ガス及び酸素ガスに加え、他のガスとしてさらに、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)などの希ガス、塩素原子、フッ素原子、臭素原子等のハロゲン原子を含むハロゲン系ガス(例えば、CCl、CClF、AlF、AlCl等)、N、CO、及びCOの群から選ばれる少なくとも1種を含むことが好ましく、Ar、He、Kr、N、及びXeの群から選ばれる少なくとも1種を含むことがより好ましく、He、Ar、及びXeの群から選ばれる少なくとも1種を含むことが更に好ましい。
但し、エッチングプラズマの分圧コントロール安定性、及び被エッチング形状の垂直性を維持することが可能である場合は、第1の混合ガスが、フッ素系ガス及び酸素ガスのみからなっていてもよい。
本発明における第1の混合ガスにおいて、フッ素系ガス及び酸素ガスに加えて含んでいてもよい他のガスの含有量は、酸素ガスを1としたときの流量比で25以下であることが好ましく、10以上20以下であることがより好ましく、14以上18以下であることが特に好ましい。
【0061】
前記着色層除去部は、支持体上に形成された着色層の一部をドライエッチング法により除去することにより形成される。すなわち、前記パターン様に露出した着色層に対して前記第1の混合ガスを用いたドライエッチング処理を実施する際に、着色層の下層にある支持体が露出する前にドライエッチング処理を終了することで、着色層の一部が除去された着色層除去部を形成することができる。
支持体が露出する前にドライエッチング処理を終了するには、ドライエッチング処理の開始から、所定の処理時間経過後にドライエッチング処理を終了することが好ましい。ドライエッチング処理の処理時間は、例えば、下記「エッチング処理時間の算出方法」により算出できる。
本発明における前記着色層除去部の膜厚としては、パターン矩形性維持の点で、支持体上に形成された着色層の膜厚の50%以下であることが好ましく、10〜20%であることがより好ましい。
【0062】
(エッチング処理時間の算出方法)
本発明における第1のエッチング工程においては、下記手法により事前にエッチング処理時間を求めておくことが好ましい。
1)第1のエッチング工程におけるエッチングレート(nm/min.)を算出する。
2)上記で算出したエッチングレートより、第1のエッチング工程にて所望の厚さをエッチングするのに要する処理時間を算出する。
【0063】
前記エッチングレートは、例えば、エッチング時間と残膜との関係を示すデータを採取することによって、算出することができる。
本発明におけるエッチング処理時間としては、10分以内でエッチング処理を行うことが好ましく、7分以内で処理することがより好ましい。
【0064】
(チャンバーの内部圧力)
本発明における第1のエッチング工程は、チャンバーの内部圧力が2.0〜6.0Paであることが好ましく、4.0〜5.0Paであることより好ましい。チャンバーの内部圧力が前記範囲であることによりパターンの矩形性が良好になり、エッチングで生成される側壁保護膜のフォトレジストへの付着を抑制することができる。
チャンバーの内部圧力は、例えば、エッチングガスの流量とチャンバーの減圧度を適宜制御することによって調整することができる。
【0065】
(支持体温度)
本発明における第1のエッチング工程においては、前記支持体の温度が30℃以上100℃以下であることが好ましい。これにより、エッチング処理時におけるフォトレジスト層側壁へのエッチング生成物の付着をより抑制することができ、後述するフォトレジスト層除去工程におけるフォトレジスト層の剥離をより容易にすることができる。中でも特に、被エッチング部分の矩形性維持と、エッチング生成物のフォトレジスト層側壁への再付着抑制の観点から、前記支持体温度が30℃〜80℃であることがより好ましく、40℃〜60℃であることが特に好ましい。
第1のエッチング工程においては、例えば、ウエハステージの温度を30℃以上100℃以下に制御することで、前記支持体の温度を30℃以上100℃以下とすることができる。
【0066】
(その他の条件)
第1のエッチング工程におけるドライエッチングの条件は着色層の材質や層厚等によって異なるが、上記条件の以外の好ましい条件について以下説明する。
1)本発明における第1の混合ガスのガス流量としては、1500mL/min(0℃、1013hPa)以下が好ましく500〜1000mL/min(0℃、1013hPa)がより好ましい。
2)高周波としては、400kHz、60MHz、13.56MHz、2.45GHz等から選択可能であり、50〜2000W好ましくは100〜1000WのRFパワーで処理できる。
3)ソースパワー(RF)とバイアスの関係としては、RFパワー/アンテナバイアス/基板バイアス(ウエハバイアス)がそれぞれ、600〜1000W/300〜500W/150〜250Wであることが好ましく、より好ましくは700〜900W/350〜450/200Wである。
【0067】
[第2のエッチング工程]
本発明のカラーフィルタの製造方法は、前記(d)第1のエッチング工程後に、窒素ガスと酸素ガスとを含む第2の混合ガスを用いたドライエッチング法により前記着色層除去部の少なくとも一部を除去し、前記パターン様に支持体露出部を形成する第2のエッチング工程を含む。
上記のように、第1のエッチング工程によって、第2の着色層が形成される支持体上の領域には着色層除去部が形成され、その他の支持体上の領域はフォトレジスト層で被覆された着色層が形成された状態となっている。この状態で、窒素ガスと酸素ガスとを含む第2の混合ガスを用いてドライエッチング法(例えば、プラズマエッチング処理)で異方性エッチングを行うことにより、支持体上に形成された着色層除去部の一部又は全部が除去され、前記パターン様に支持体露出部を形成することができる。
【0068】
従来、着色層をパターン様に除去するエッチング工程において、第1の混合ガスを用いて支持体が露出するまでエッチング処理を行うと、支持体ダメージが発生してしまう傾向にあった。また発生する支持体ダメージは特にオーバーエッチング処理を実施する場合に顕著であった。これに対して、本発明においては、第1のエッチング工程で用いる第1の混合ガスとは異なる、窒素ガスと酸素ガスとを含む第2の混合ガスを用いて第2のエッチング工程を行うことで支持体ダメージの発生が抑制されたエッチング加工が可能になる。
【0069】
(第2の混合ガス)
本発明における第2の混合ガスは、窒素ガスと酸素ガスと含むが、本発明の効果を損なわない範囲でフッ素系ガスを含んでいてもよい。フッ素系ガスの含有比率(フッ素系ガス/酸素ガス)が流量比で5%以下であることが好ましく、フッ素系ガスを含まないことが特に好ましい。フッ素系ガスの含有量が前記範囲であることで支持体のダメージをより効果的に抑制することができる。
第2の混合ガスにおける窒素ガスと酸素ガスの含有比率(窒素ガス/酸素ガス)としては、流量比で10/1〜3/1とすることが好ましい。前記範囲内とすることにより、エッチング処理時におけるフォトレジスト層側壁へのエッチング生成物の付着をより効果的に抑制することができ、後述するフォトレジスト層除去工程における、フォトレジスト層の剥離をより容易にすることができる。前記含有比率は、被エッチング部分の矩形性維持と、エッチング生成物のフォトレジスト層側壁への再付着防止の観点から、20/1〜3/1が好ましい範囲であり、15/1〜4/1であることがより好ましく、10/1〜5/1であることが特に好ましい。
【0070】
本発明における第2の混合ガスは、エッチングプラズマの分圧コントロール安定性、及び被エッチング形状の垂直性を維持する観点から、前記窒素ガス及び酸素ガスに加え、他のガスとしてさらに、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)の群から選ばれる少なくとも1種のガスを含んでいることが好ましく、He、Ar、及びXeの群から選ばれる少なくとも1種のガスを含んでいることがより好ましい。
但し、エッチングプラズマの分圧コントロール安定性、及び被エッチング形状の垂直性を維持することが可能である場合は、前記第2の混合ガスが、窒素ガス及び酸素ガスのみからなることができる。
第2の混合ガスにおいて、窒素ガス及び酸素ガスに加えて、更に含有してもよい他のガスの含有量は、酸素ガスを1としたときの流量比で25以下であることが好ましく、5以上20以下であることが好ましく、8以上12以下であることが特に好ましい。
【0071】
本発明における第2のエッチング処理工程においては、例えば、着色層除去部を除去するドライエッチング処理の開始から、上記「エッチング処理時間の算出方法」と同様にして算出した処理時間の経過後にドライエッチング処理を終了することができる。また、エンドポイント検出によって着色層除去部を除去するドライエッチング処理時間を管理してもよい。本発明における第2のエッチング処理工程においては、エンドポイント検出で着色層除去部を除去するドライエッチング処理時間を管理することが好ましい。
エッチング処理時間としては10分以内であることが好ましく、7分以内で処理することがより好ましい。
【0072】
本発明における第2のエッチング工程は、オーバーエッチング処理工程を更に含むことが好ましい。前記第2の混合ガスを用いたドライエッチングにより着色層除去部を除去し、支持体露出部を形成した後に、更に第2の混合ガスを用いてオーバーエッチング処理することで、残存するエッチング残渣を、パターンの矩形性を維持したまま効率よく除去することができ、且つ支持体ダメージの発生をより効果的に抑制することができる。
【0073】
前記オーバーエッチング処理は、オーバーエッチング時間を設定して行うことが好ましい。オーバーエッチング時間は任意に設定できるが、フォトレジストのエッチング耐性と被エッチングパターンの矩形性維持の点で、第1のエッチング工程におけるエッチング処理時間(t)と、第2のエッチング工程において着色層除去部を除去するエッチング処理時間(t)との合計処理時間(t+t)の、30%以下であることが好ましく、5〜25%であることがより好ましく、15〜20%であることが特に好ましい。
【0074】
(ドライエッチングを行うチャンバーの内部圧力)
本発明においては第2のエッチング工程が、チャンバーの内部圧力が1.0〜5.0Paであることが好ましく、2.0〜4.0Paであることがより好ましい。
上記混合ガスの混合比率、及びチャンバーの内部圧力を満たす条件において、パターンの矩形性を損なうことなく、支持体ダメージの発生が抑制されたパターンをより効率よく形成することができる。
【0075】
第2のエッチング工程における高周波としては、400kHz、60MHz、13.56MHz、2.45GHz等から選択可能であり、例えば、50〜2000WのRFパワーで、好ましくは100〜1000WのRFパワーで処理することができる。
【0076】
第2のエッチング工程におけるソースパワー(RF)とバイアスの関係としては、RFパワー/アンテナバイアス/基板バイアスがそれぞれ、400〜800W/50〜200W/100〜300Wであることが好ましく、より好ましくは500〜700W/100〜150W/200〜300Wである。
第2のエッチング処理工程における、エッチング処理時の支持体温度及びその他の条件については、前記第1のエッチング処理工程おいて説明した事項を好適に適用することができる。
【0077】
[第3のエッチング工程]
本発明においては、前記第2のエッチング工程後であって、後述するフォトレジスト層除去工程前に、酸素ガスを含む第3の混合ガスを用いたドライエッチング法により、第2のエッチング工程で生成した側壁堆積物の除去を行う第3のエッチング工程を更に含むことが好ましい。これにより、第2のエッチング工程によって生成することがある側壁堆積物や支持体上の残渣を効果的に除去することができる。
ここでいう側壁堆積物とは、エッチング処理によって生成した窒化物もしくは酸窒化物のエッチング生成物で、支持体露出部の周囲に形成された着色層の側壁に付着し堆積したものを意味する。大量の側壁堆積物が付着した場合、分光性能を悪化させるため、本発明において第3のエッチング工程を行うことは有効である。また、第3のエッチング工程は、第2のエッチング工程後に、同一チャンバー内で連続処理することも、また別チャンバーで不連続処理することもできる。生産効率性の面で、同一チャンバー内で連続処理することが好ましい。
【0078】
(第3の混合ガス)
本発明における第3の混合ガスは酸素ガスを含む。第3の混合ガスは被エッチング形状の垂直性を維持する目的で他のガスを含むことが好ましい。他のガスとしてはヘリウム(He)、ネオン(Ne)、アルゴン(Ar)、クリプトン(Kr)、キセノン(Xe)の群から選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、より好ましくはヘリウム(He)及び/またはアルゴン(Ar)であり、更に好ましくはアルゴン(Ar)である。
【0079】
酸素ガスの含有比率(酸素ガス/他ガス)としては、流量比で10/800以上100/100以下であることが好ましく、4/100以上20/100以下であることがより好ましい。酸素ガスの含有比率が前記範囲であることで、被エッチング形状の垂直性を維持し、且つ第2のエッチング工程で被エッチング着色層の側壁に堆積した生成物及び支持体上の残渣をより効果的に除去できる。
本発明における第3の混合ガスは、酸素とアルゴンからなり、酸素/アルゴン=10/800〜100/500の範囲で混合したガスであることが特に好ましい。
【0080】
(その他の条件)
本発明における第3のエッチング工程は、チャンバーの内部圧力が1.0〜5.0Paであることが好ましく、2.0〜4.0Paであることがより好ましい。
また、第3のエッチング工程における高周波としては、400kHz、60MHz、13.56MHz、2.45GHz等から選択可能であり、例えば、50〜2000WのRFパワーで、好ましくは100〜1000WのRFパワーで処理することができる。
更に、ソースパワー(RF)とバイアスの関係としては、RFパワー/アンテナバイアス/基板バイアス(ウエハバイアス)がそれぞれ、300〜800W/50W〜500W/50〜600Wであることが好ましく、より好ましくは300〜500W/100W/100W〜150Wである。
【0081】
第3のエッチング工程におけるエッチング処理時間としては、第1のエッチング工程におけるエッチング処理時間と、第2のエッチング工程におけるエッチング処理時間とを合算した全エッチング処理時間の10%〜30%の範囲とすることが好ましい。前記範囲で処理することで、被エッチング形状の垂直性を維持し、且つ被エッチング着色層の側壁に堆積した生成物や、支持体上の残渣を効果的に除去できる。
また、本発明においては、第2のエッチング工程においてオーバーエッチング処理を行う代わりに、第3のエッチング工程においてオーバーエッチング処理を行うこともできる。第3の混合ガスを用いてオーバーエッチング処理を行うことで、支持体ダメージの発生をより効果的に抑制することができる。
【0082】
[第4のエッチング工程]
本発明においては、前記第3のエッチング工程後であって、後述するフォトレジスト層除去工程前に、酸素ガスを用いたドライエッチング法により、前記側壁堆積物及びフォトレジスト層に由来する変質層の除去を行う第4のエッチング工程を更に含むことが好ましい。これにより、第2のエッチング工程によって生成することがある側壁堆積物、及び、第1から第3のエッチング工程の際にフォトレジスト層の表層に形成されたプラズマに起因する変質層を効果的に除去することができる。さらに、第2のエッチング工程によって生成した側壁堆積物や支持体上の残渣も効果的に除去することができる。
フォトレジスト層の表層に形成された変質層を除去することにより、後述する剥離液や溶剤を用いたフォトレジスト層の除去をより容易に行うことができる。第4のエッチング工程は、第3のエッチング工程後に、同一チャンバー内で連続処理することも、また別チャンバーで不連続処理することもできる。生産効率性の面で、同一チャンバー内での連続処理することが好ましい。
【0083】
本発明における第4のエッチング工程は、酸素ガスを用いることを特徴とする。用いる酸素ガスの純度としては、90%以上であることが好ましく、99%以上であることがより好ましい。
また、エッチング処理における酸素ガスのガス流量としては、10〜100ml/minであることが好ましい。
【0084】
本発明において、第4のエッチング工程におけるチャンバーの内部圧力は、1.0〜5.0Paであることが好ましく、2.0〜4.0Paであることがより好ましい。
また、第3のエッチング工程における高周波としては、400kHz、60MHz、13.56MHz、2.45GHz等から選択可能であり、例えば、50〜2000WのRFパワーで、好ましくは100〜1000WのRFパワーで処理することができる。
更に、ソースパワー(RF)とバイアスの関係としては、RFパワー/アンテナバイアス/基板バイアス(ウエハバイアス)がそれぞれ、200〜400W/50W〜300W/50〜300Wであることが好ましく、より好ましくは300〜350W/100W/100W〜150Wである。
【0085】
本発明において、第4のエッチング工程におけるエッチング処理時間は、第1〜第3のエッチング工程で、フォトレジスト層の表層に形成されたプラズマに起因する変質層を除去できるエッチング処理時間とすることが好ましい。具体的には、エッチング処理時間としては15秒以内であることが好ましく、5秒以内で処理することがより好ましい。
【0086】
[フォトレジスト層除去工程]
本発明のカラーフィルタの製造方法は、(f)前記第2のエッチング工程後に残存する前記フォトレジスト層を除去するフォトレジスト層除去工程を含む。
エッチング処理終了後、マスクのレジスト(硬化後の感光性樹脂層)は専用の剥離液や溶剤によって除去される。
本発明においては、酸素ガスを用いた第4のエッチング工程を更に行うことにより、剥離液や溶剤によるフォトレジスト層の剥離をより容易に行うことができる。
【0087】
本発明におけるフォトレジスト層除去工程は、(1)フォトレジスト層上に、剥離液または溶剤を付与して、フォトレジスト層を除去可能な状態にする工程と、(2)前記フォトレジスト層を、洗浄水を用いて除去する工程と、を含むことが好ましい。
フォトレジスト層上に、剥離液または溶剤を付与して、除去可能な状態にする工程としては、例えば、剥離液または溶剤を、少なくともフォトレジスト層上に付与し、所定の時間停滞させるパドル現像工程を挙げることができる。剥離液または溶剤を停滞させる時間としては、特に制限はないが、数十秒から数分であることが好ましい。
【0088】
また、洗浄水を用いてフォトレジスト層を除去する工程としては、例えば、スプレー式またはシャワー式の噴射ノズルから、フォトレジスト層に洗浄水を噴射して、フォトレジスト層を除去する工程を挙げることができる。
洗浄水としては、純水を好ましく用いることができる。
また、噴射ノズルとしては、その噴射範囲内に支持体全体が包含される噴射ノズルや、可動式の噴射ノズルであってその可動範囲が支持体全体を包含する噴射ノズルを挙げることができる。噴射ノズルが可動式の場合、フォトレジスト層を除去する工程中に支持体中心部から支持体端部までを2回以上移動して洗浄水を噴射することで、より効果的にフォトレジスト層を除去することができる。
【0089】
前記剥離液は一般的には有機溶剤を含有するが、無機溶媒を更に含有してもよい。有機溶剤としては、例えば、1)炭化水素系化合物、2)ハロゲン化炭化水素系化合物、3)アルコール系化合物、4)エーテルまたはアセタール系化合物、5)ケトンまたはアルデヒド系化合物、6)エステル系化合物、7)多価アルコール系化合物、8)カルボン酸またはその酸無水物系化合物、9)フェノール系化合物、10)含窒素化合物、11)含硫黄化合物、12)含フッ素化合物が挙げられる。
本発明における剥離液としては、含窒素化合物を含有することが好ましく、非環状含窒素化合物と環状含窒素化合物とを含むことがより好ましい。
【0090】
非環状含窒素化合物としては、水酸基を有する非環状含窒素化合物であることが好ましい。具体的には例えば、モノイソプロパノールアミン、ジイソプロパノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−エチルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどが挙げられ、;好ましくはモノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンであり、より好ましくはモノエタノールアミン(HNCHCHOH)である。
【0091】
環状含窒素化合物としては、イソキノリン、イミダゾール、N−エチルモルホリン、ε−カプロラクタム、キノリン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、α−ピコリン、β−ピコリン、γ−ピコリン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペコリン、ピペラジン、ピペリジン、ピラジン、ピリジン、ピロリジン、N−メチル−2−ピロリドン、N−フェニルモルホリン、2,4−ルチジン、2,6−ルチジンなどが挙げられ、好ましくは、N−メチル−2−ピロリドン、N−エチルモルホリンであり、より好ましくはN−メチル−2−ピロリドン(NMP)である。
【0092】
本発明における剥離液は、非環状含窒素化合物と環状含窒素化合物とを含むことが好ましいが、中でも、非環状含窒素化合物として、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンから選ばれる少なくとも1種と、環状含窒素化合物として、N−メチル−2−ピロリドン及びN−エチルモルホリンから選ばれる少なくとも1種とを含むことがより好ましく、モノエタノールアミンとN−メチル−2−ピロリドンとを含むことが更に好ましい。
前記非環状含窒素化合物の含有量が、剥離液100質量部に対して、9質量部以上11質量部以下であって、環状含窒素化合物の含有量が65質量部以上70質量部以下であることが望ましい。
また本発明における剥離液は、非環状含窒素化合物と環状含窒素化合物の混合物を純水で希釈したものであることが好ましい。
【0093】
本発明におけるフォトレジスト層除去工程においては、着色層上に形成されたフォトレジスト層が除去されていればよく、着色層の側壁にエッチング生成物であるデポ物が付着している場合であっても、該デポ物が完全に除去されていなくてもよい。ここで、デポ物とは、エッチング生成物が着色層の側壁に付着し堆積したものを表わす。
【0094】
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、上記のようにして支持体上にパターン様に着色層と支持体露出部とが形成される。前記支持体露出部に既に形成された着色層とは異なる着色層を形成することで、例えば、2色のカラーフィルタを製造することができる。更に、本発明における(b)フォトレジスト層形成工程から(f)フォトレジスト層除去工程をこの順に行い、次いで、形成された支持体露出部に新たに着色層を形成することで、例えば3色のカラーフィルタを製造することができる。
【0095】
以下に、本発明のカラーフィルタの製造方法の1態様を、図面を参照して説明する。
(a)着色層形成工程
図1に示すように、支持体1の表面に所定の色成分に対応付けられる着色熱硬化性組成物を所望の膜厚で塗布し、ポストベーク処理を行い、着色層2を形成する。
【0096】
(b)フォトレジスト層形成工程
図2に示すように、着色層2上にポジ又はネガ型フォトレジスト組成物を塗布、プリベーク処理を実施し所望の膜厚を有するフォトレジスト層3を形成する。
【0097】
(c)画像形成工程
図3に示すように、第2の着色層で構成される所定のフィルタアレイ(画素群)に対応する開口領域を有するフォトマスクを介しフォトレジスト層3に露光処理を実施し、潜像領域4を形成する。
除去すべき潜像領域4のフォトレジスト層部分を現像処理により除去した後の状態を図4に示す。支持体上にはフォトレジスト層が除去された着色層露出部5が形成されており、この着色層露出部5は、着色層2(第1の着色層)を除去すべき領域に対応しており、着色層2とは異なる着色層(第2の着色層)を形成する領域のみフォトレジスト層が除去され、着色層2上と第3以降の着色層が形成される着色層上のフォトレジスト層3は残される。
【0098】
(d)第1のエッチング工程
次に図5に示すように、フォトレジスト層3をマスクとして第1のエッチング処理を行い、着色層2の一部を除去する。着色層2の下層の支持体が露出する前にエッチング処理を終了して、第2の着色層を形成する支持体上の領域に着色層除去部6を形成する。このとき着色層除去部6は、着色層2の支持体に近い部分の一部が残された薄膜として、支持体1上に形成された状態となっている。
【0099】
(e)第2のエッチング工程
次に図6に示すように、フォトレジスト層3をマスクとして第2のエッチング処理を行い、着色層除去部6を除去して第2の着色層を形成する領域(支持体露出部7)を形成する。
【0100】
(f)フォトレジスト層除去工程
エッチング処理を実施した後、フォトレジスト層3を剥離液などで溶解除去を実施する。フォトレジスト層除去工程終了後は図7に示すように、エッチングにより露出した支持体が、削れがなくダメージのない平坦な面の状態となっている。
【0101】
本発明の製造方法で作製したカラーフィルタは、液晶表示素子やCCD等の固体撮像素子に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCD素子やCMOS等に好適である。本発明のカラーフィルタは、例えば、CCDを構成する各画素の受光部と集光するためのマイクロレンズとの間に配置されるカラーフィルタとして用いることが可能となる。
【0102】
本発明のカラーフィルタの製造方法においては、第1のエッチング工程でフッ素系ガスと酸素ガスとを含む第1の混合ガスを用いてドライエッチング処理を行って着色層の一部を除去して着色層除去部を形成すること、及び、第2のエッチング工程で窒素ガスと酸素ガスとを含む第2の混合ガスを用いてドライエッチング処理を行って着色層除去部を除去することにより、ドライエッチング処理による支持体ダメージの発生を抑制することが可能となった。また、本発明における混合ガスを用いたドライエッチング法を用いると、エッチングで生成される側壁保護膜のフォトレジストへの付着を抑制することができ、ドライエッチング処理後に残存するフォトレジスト層の剥離を容易に行うことが可能になった。また、着色層の除去をドライエッチング処理により行うことでパターンの異方性を維持したまま矩形パターンを形成することが可能となった。このように、本発明のカラーフィルタの製造方法を用いれば、支持体ダメージの発生が抑制され、パターン矩形性の非常に高いカラーフィルタを作製でき、非常に有用である。
【実施例】
【0103】
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0104】
以下の各工程において、市販の処理液を用いた処理を行う場合、特記しない限りメーカー指定の方法に従って各処理を行った。
【0105】
(実施例1)
[(a)着色層形成工程]
シリコンウエハ上に富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製SG−5000Lをスピンコーター(東京エレクトロン製、Mark8)にて、膜厚が0.8μmの塗布膜となるように塗布した。ホットプレートを使用して、220℃で5分間の加熱を行い、塗布膜を硬化させて着色層を形成した。前記顔料含有熱硬化性組成物(着色熱硬化性組成物)により形成された着色層の膜厚は0.6μmであった。
【0106】
[(b)フォトレジスト層形成工程]
次に、前記SG−5000L上に、ポジ型フォトレジスト「FHi622BC」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)をスピンコーター(東京エレクトロン製、Mark8)にて塗布し、100℃で2分間の加熱処理を行い、膜厚が0.8μmになるようにフォトレジスト層を形成した。
【0107】
[(c)画像形成工程]
次にREDのフィルタアレイに対応する領域を、i線ステッパー(キャノン(株)製、FPA3000i5+)にて350mJ/cmのパターン露光を行い、110℃で1分間の加熱処理を実施した後、現像液「FHD−5」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)で1分間の現像処理後、120℃で2分間のポストベーク処理を実施して、REDのフィルタアレイを形成すべき領域のフォトレジストを除去し、1.5μm×1.5μmサイズのアイランドパターンを形成した。
【0108】
[(d)第1のエッチング工程]
次いで、ドライエッチング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、U−621)にて、RFパワー:800W、アンテナバイアス:400W、ウエハバイアス:200W、チャンバーの内部圧力:4.0Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量をCF:200mL/min.、O:50mL/min.、Ar:800mL/min.とし、90秒のエッチング処理を実施した。
先述のエッチング条件でのSG−5000Lのエッチングレートは326nm/minであって、着色層の削れ量は489nmである。したがって第1のエッチング工程ではSG−5000Lで形成された着色層の膜厚の81.5%が除去され、支持体上には膜厚111nmのSG−5000L残膜(着色層除去部)が形成された。
【0109】
[(e)第2のエッチング工程]
次いで、ドライエッチング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、U−621)にて、RFパワー:600W、アンテナバイアス:100W、ウエハバイアス:250W、チャンバーの内部圧力:2Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量をN:500mL/min.、O:50mL/min.、Ar:500mL/min.とし(N/O/Ar=10/1/10)、エッチングトータルでのオーバーエッチング率を20%としてエッチング処理を実施した。
第2のエッチング条件でのエッチングレートは700nm/minであって、SG−5000L残膜をエッチングするには約9.5秒の時間を要した。第1のエッチング時間の90秒と第2のエッチング時間9.5秒を加算したものを合計処理時間(合計エッチング時間)と算出した。その結果、合計エッチング時間:90+9.5=99.5秒、オーバーエッチング時間:99.5×0.2=19.9秒となった。全エッチング時間を99.5+19.9=119.4秒と設定してエッチング処理を行った。
【0110】
[(f)フォトレジスト層除去工程]
次にフォトレジスト剥離液「MS−230C」(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ社製)を使用して、120秒の剥離処理を実施して、フォトレジストの除去を行った。
以上のようにして、カラーフィルタパターンを形成し、単色のカラーフィルタを作製した。
【0111】
(実施例2)
実施例1における(e)第2のエッチング工程の、エッチング条件の一部を、以下の条件に変更した以外は実施例1と同様にして単色のカラーフィルタを作製した。
RFパワー:600W、アンテナバイアス:150W、チャンバーの内部圧力:2Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量をN:400mL/min.、O:50mL/min.、Ar:500mL/min.(N/O/Ar=8/1/10)とした。このときのエッチングレートは760nm/minであって、SG−5000Lの残膜をエッチングするには約8.7秒の時間を要した。第1のエッチング時間の90秒と第2のエッチング時間8.7秒を加算したものを合計エッチング時間と算出した。その結果、合計エッチング時間:90+8.7=98.7秒、オーバーエッチング時間:98.7×0.2=約19.7秒となった。全エッチング時間を98.7+19.7=118.4秒と設定してエッチング処理を実施した。
【0112】
(実施例3)
実施例1における(e)第2のエッチング工程の、エッチング条件の一部を、以下の条件に変更した以外は実施例1と同様にして単色のカラーフィルタを作製した。
RFパワー:600W、アンテナバイアス:150W、チャンバーの内部圧力:2Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量をN:300mL/min.、O:50mL/min.、Ar:500mL/min.(N/O/Ar=6/1/10)とし、このときのエッチングレートは815nm/minであって、SG−5000L残膜をエッチングするには約8.2秒の時間を要した。第1のエッチング時間の90秒と第2のエッチング時間8.2秒を加算したものを合計エッチング時間と算出した。その結果、合計エッチング時間:90+8.2=98.2秒、オーバーエッチング時間:98.2×0.2=約19.6秒となった。全エッチング時間を98.2+19.6=117.8秒と設定してエッチング処理を実施した。
【0113】
(実施例4)
実施例1における(e)第2のエッチング工程の、エッチング条件の一部を、以下の条件に変更した以外は実施例1と同様にして単色のカラーフィルタを作製した。
RFパワー:600W、アンテナバイアス:150W、チャンバーの内部圧力:2Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量をN:200mL/min.、O:50mL/min.、Ar:500mL/min.(N/O/Ar=4/1/10)とし、このときのエッチングレートは860nm/minであって、SG−5000L残膜をエッチングするには約7.7秒の時間を要した。第1のエッチング時間の90秒と第2のエッチング時間7.7秒を加算したものを合計エッチング時間と算出した。その結果、合計エッチング時間:90+7.7=97.7秒、オーバーエッチング時間:97.7×0.2=約19.5秒となった。全エッチング時間を97.7+19.5=117.2秒と設定してエッチング処理を実施した。
【0114】
(実施例5)
実施例1における(e)第2のエッチング工程の、エッチング条件の一部を、以下の条件に変更した以外は実施例1と同様にして単色のカラーフィルタを作製した。
RFパワー:600W、アンテナバイアス:150W、チャンバーの内部圧力:2Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量をN:100mL/min.、O:50mL/min.、Ar:500mL/min.(N/O/Ar=2/1/10)とし、このときのエッチングレートは890nm/minであって、SG−5000L残膜をエッチングするには約7.5秒の時間を要した。第1のエッチング時間の90秒と第2のエッチング時間7.5秒を加算したものを合計エッチング時間と算出した。その結果、合計エッチング時間:90+7.5=97.5秒、オーバーエッチング時間:97.5×0.2=19.5秒となった。全エッチング時間を97.5+19.5=117秒と設定してエッチング処理を実施した。
【0115】
(実施例6〜10)
実施例1における(e)第2のエッチング工程の、エッチング条件の一部を、以下の条件に変更した以外は実施例1と同様にして単色のカラーフィルタを作製した。
RFパワー:600W、アンテナバイアス:150W、チャンバーの内部圧力を、1.0、3.0、4.0、6.0、8.0Paにそれぞれ変更した。
各内部圧力におけるエッチングレート、全エッチング時間は下記のようになった。
・実施例6(1.0Pa) エッチングレート:680nm/min、残膜エッチング時間:9.7秒、全エッチング時間:(90+9.7)×1.2=119.6秒
・実施例7(2.0Pa) エッチングレート:710nm/min、残膜エッチング時間:9.4秒、全エッチング時間:(90+9.4)×1.2=119.3秒
・実施例8(4.0Pa) エッチングレート:725nm/min、残膜エッチング時間:9.2秒、全エッチング時間:(90+9.2)×1.2=119.0秒
・実施例9(6.0Pa) エッチングレート:735nm/min、残膜エッチング時間:9.1秒、全エッチング時間:(90+9.1)×1.2=119.0秒
・実施例10(8.0Pa) エッチングレート:740nm/min、残膜エッチング時間:9秒、全エッチング時間:(90+9)×1.2=119.0秒
【0116】
(実施例11〜14)
実施例1における(d)第1のエッチング工程及び(e)第2のエッチング工程の、エッチング条件のうち、基板温度を30℃、70℃、100℃、120℃にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして単色のカラーフィルタを作製した。
各温度でのエッチングレート、全エッチング時間は下記のようになった。
・実施例11(30℃) エッチングレート:680nm/min、残膜エッチング時間:9.7秒、全エッチング時間:(90+9.7)×1.2=119.6秒
・実施例12(70℃) エッチングレート:725nm/min、残膜エッチング時間:9.2秒、全エッチング時間:(90+9.2)×1.2=119.0秒
・実施例13(100℃) エッチングレート:730nm/min、残膜エッチング時間:9.1秒、全エッチング時間:(90+9.1)×1.2=119.0秒
・実施例14(120℃) エッチングレート:735nm/min、残膜エッチング時間:9.1秒、全エッチング時間:(90+9.1)×1.2=119.0秒
【0117】
(実施例15〜17)
実施例1における(d)第1のエッチング工程及び(e)第2のエッチング工程の、エッチング条件のうち、オーバーエッチング率を、0%、10%、30%にそれぞれ変更した以外は実施例1と同様にして単色のカラーフィルタを作製した。
各条件の全エッチング時間は下記のようになった。
・実施例15(0%) 全エッチング時間:90+9.5=99.5秒
・実施例16(10%) 全エッチング時間:(90+9.5)×1.1=109.5秒
・実施例17(30%) 全エッチング時間:(90+9.5)×1.3=129.5秒
【0118】
(実施例18)
実施例8において、第2のエッチング工程後であって、フォトレジスト層除去工程前に、下記条件で第3のエッチング工程と第4のエッチング工程を行ったこと以外は実施例8と同様にして単色のカラーフィルタを作製した。
(1)第3のエッチング工程
RFパワー:600W、アンテナバイアス:100W、ウエハバイアス:100W、チャンバーの内部圧力:2.0Pa、基板温度:50℃、ガス種及び流量:酸素ガス:25mL/min、Arガス:250mL/min(O/Ar=1:10)とし、エッチング処理時間を20秒間と設定した。
(2)第4のエッチング工程
RFパワー:300W、アンテナバイアス:100W、ウエハバイアス:100W
チャンバーの内部圧力:2.0Pa、基板温度:50℃、酸素ガス流量:50mL/minとし、処理時間を5秒間と設定した。
【0119】
(実施例19)
実施例18において、第3のエッチング工程を下記条件に変更した以外は実施例18と同様にして単色のカラーフィルタを作製した。
(1)第3のエッチング工程
RFパワー:600W、アンテナバイアス:100W、ウエハバイアス:100W
チャンバーの内部圧力:4.0Pa、基板温度:50℃、ガス種及び流量:酸素ガス:25mL/min、Arガス:250mL/min(O/Ar=1:10)とし、処理時間を20秒間と設定した。
【0120】
(実施例20)
実施例8において、第2のエッチング工程後であって、フォトレジスト層除去工程前に、下記条件で第3のエッチング工程を行ったこと以外は実施例8と同様にして単色のカラーフィルタを作製した。
(1)第3のエッチング工程
RFパワー:600W、アンテナバイアス:100W、ウエハバイアス:100W、チャンバーの内部圧力:2.0Pa、基板温度:50℃、ガス種及び流量:酸素ガス:25mL/min、Arガス:250mL/min(O/Ar=1:10)とし、エッチング処理時間を20秒間と設定した。
【0121】
(実施例21)
実施例8において、第2のエッチング工程後であって、フォトレジスト層除去工程前に、下記条件で第3のエッチング工程を行ったこと以外は実施例8と同様にして単色のカラーフィルタを作製した。
(1)第3のエッチング工程
RFパワー:600W、アンテナバイアス:100W、ウエハバイアス:100W、チャンバーの内部圧力:2.0Pa、基板温度:50℃、ガス種及び流量:酸素ガス:50mL/min、Arガス:250mL/min(O/Ar=1:5)とし、エッチング処理時間を10秒間と設定した。
【0122】
(実施例22)
実施例8において、第2のエッチング工程後であって、フォトレジスト層除去工程前に、下記条件で第3のエッチング工程を行ったこと以外は実施例8と同様にして単色のカラーフィルタを作製した。
(1)第3のエッチング工程
RFパワー:600W、アンテナバイアス:100W、ウエハバイアス:100W、チャンバーの内部圧力:2.0Pa、基板温度:30℃、ガス種及び流量:酸素ガス:25mL/min、Arガス:250mL/min(O/Ar=2:5)とし、エッチング処理時間を20秒間と設定した。
【0123】
(実施例23)
実施例8において、第2のエッチング工程後であって、フォトレジスト層除去工程前に、下記条件で第3のエッチング工程を行ったこと以外は実施例8と同様にして単色のカラーフィルタを作製した。
(1)第3のエッチング工程
RFパワー:600W、アンテナバイアス:100W、ウエハバイアス:100W、チャンバーの内部圧力:4.0Pa、基板温度:50℃、ガス種及び流量:酸素ガス:25mL/min、Arガス:250mL/min(O/Ar=1:10)とし、エッチング処理時間を20秒間と設定した。
【0124】
(実施例24)
実施例8において、第2のエッチング工程後であって、フォトレジスト層除去工程前に、下記条件で第3のエッチング工程を行ったこと以外は実施例8と同様にして単色のカラーフィルタを作製した。
(1)第3のエッチング工程
RFパワー:600W、アンテナバイアス:100W、ウエハバイアス:100W、チャンバーの内部圧力:2.0Pa、基板温度:50℃、ガス種及び流量:酸素ガス:25mL/min、Arガス:500mL/min(O/Ar=1:20)とし、エッチング処理時間を20秒間と設定した。
【0125】
(比較例1)
実施例1における、(a)着色層形成工程、(b)フォトレジスト層形成工程、(c)画像形成工程と同様にして、フォトレジスト層による画像が形成された着色層を有するシリコンウエハを作製した。次いで実施例1における(d)第1のエッチング工程及び(e)第2のエッチング工程を行わず、下記エッチング条件にてエッチング工程を実施し、実施例1と同様にして(f)フォトレジスト層除去を行い、単色のカラーフィルタを作製した。
―エッチング条件―
ドライエッチング装置(日立ハイテクノロジーズ社製、U−621)にて、RFパワー:800W、アンテナバイアス:400W、ウエハバイアス:200W、チャンバーの内部圧力:4.0Pa、基板温度:50℃、混合ガスのガス種及び流量をCF:80mL/min.、O:40mL/min.、Ar:800mL/min.とした。また、オーバーエッチング率を20%とした。
上記エッチング条件で、SG−5000Lによって形成された着色層をエッチング(除去)して、パターン様に支持体を露出させるには約110秒の時間を要した。オーバーエッチング率が20%であることから、エッチング時間:110秒、オーバーエッチング時間:110×0.2=22秒となり、全エッチング時間を110+22=132秒と設定した。
【0126】
(比較例2)
比較例1において、オーバーエッチング処理を実施しなかった以外は比較例1と同様にして、単色のカラーフィルタを作製した。
【0127】
−評価−
(剥離性)
実施例1〜24、及び比較例1〜2で作製したカラーフィルタについて、顕微鏡による着色層の表面観察(倍率5万倍)、走査型電子顕微鏡(SEM)による着色層表面及び側壁の観察(倍率3万倍)により評価した。評価は以下の評価基準に従って行った。評価結果を表1に示す。
〜評価基準〜
○:フォトレジストの剥離残りは見られず、剥離性は極めて良好であった。
△:フォトレジストの剥離残りが僅かに見られたが、実用上許容できる範囲であった。
×:フォトレジストの剥離残りが全面に見られ、剥離性が悪かった。
【0128】
(矩形性)
実施例1〜24、比較例1〜2で作製したカラーフィルタについて、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察し(倍率:10万倍)、下記判定基準に従って評価した。評価結果を表1に示す。
〜評価基準〜
○:断面が、角が直角である長方形もしくは正方形であった。
△:断面が、角が直角でなく、やや丸みがあった。
×:断面が、テーパー状になった。
【0129】
(支持体ダメージ)
実施例1〜24、比較例1〜2で作製したカラーフィルタについて、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察し(倍率:2万倍)、下記判定基準に従って評価した。評価結果を表1に示す。
〜評価基準〜
○:支持体ダメージがなかった。
△:支持体ダメージが許容レベル(段差はあるが支持体削れが50nm以下であった)
×:50nm以上の支持体削れが発生していた。
【0130】
(残渣、エッチング残り)
実施例1〜24、比較例1〜2で作製したカラーフィルタについて、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察し(倍率:2万倍)、残渣及びエッチング残りを評価した。評価は以下の評価基準に従って行った。評価結果を表1に示す。
〜評価基準〜
◎:残渣、エッチング残りがまったくなかった。
○:残渣、エッチング残りがほとんどなかった。
△:残渣、エッチング残りがウエハ面内で一部発生したが、許容レベルであった。
×:残渣、エッチング残りが実用上の許容範囲を超えていた。
【0131】
(側壁堆積物)
実施例1〜24、比較例1〜2で作製したカラーフィルタについて、走査型電子顕微鏡(SEM)によって観察し(倍率:2万倍)、側壁堆積物の付着量を評価した。評価は以下の評価基準に従って行った。評価結果を表1に示す。
〜評価基準〜
○:側壁堆積物が除去され、まったくなかった。
△:側壁堆積物が少しあったが、許容レベルであった。
×:側壁堆積物が大量に付着していた。
【0132】
【表1】



【0133】
上記表1の結果より、本発明の製造方法で作製した実施例1〜24のカラーフィルタにおいては、支持体ダメージは許容範囲又は認められなかった。また、フォトレジスト層の、剥離性が良好であり、フォトレジスト層除去工程におけるフォトレジストの剥離残りは見られなかった。更に、着色層パターンの矩形性も良好であった。
また、第3のエッチング工程を行った実施例18〜実施例24においては、第3のエッチング工程を行わない場合に比べて、側壁堆積物及び支持体上の残渣がより効果的に除去されていた。更にオーバーエッチング処理に伴う支持体のダメージもより効果的に抑制されていた。
【図面の簡単な説明】
【0134】
【図1】支持体上に着色層が形成された状態を示す断面図である。
【図2】着色層上にフォトレジスト層が形成された状態を示す断面図である。
【図3】露光後のフォトレジスト層の状態を示す断面図である。
【図4】現像処理後のフォトレジスト層の状態を示す断面図である。
【図5】第1のエッチング処理後の層構造を示す断面図である。
【図6】第2のエッチング処理後の層構造を示す断面図である。
【図7】フォトレジスト層除去後の層構造を示す断面図である。
【符号の説明】
【0135】
1 支持体
2 着色層
3 フォトレジスト層
4 未硬化の潜像領域
5 着色層露出部
6 着色層除去部
7 支持体露出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)支持体上に、着色層を形成する着色層形成工程と、
(b)前記着色層上に、フォトレジスト層を形成するフォトレジスト層形成工程と、
(c)前記フォトレジスト層をパターン様に除去することにより、前記着色層上に画像を形成する画像形成工程と、
(d)フッ素系ガスと酸素ガスとを含む第1の混合ガスを用いたドライエッチング法により、前記支持体が露出しない範囲で前記着色層の一部を除去し、前記画像形成工程によって形成されたパターン様に着色層除去部を形成する第1のエッチング工程と、
(e)前記第1のエッチング工程後に、窒素ガスと酸素ガスとを含む第2の混合ガスを用いたドライエッチング法により前記着色層除去部の少なくとも一部を除去し、前記パターン様に支持体露出部を形成する第2のエッチング工程と、
(f)前記第2のエッチング工程後に残存する前記フォトレジスト層を除去するフォトレジスト層除去工程と、
を含むカラーフィルタの製造方法。
【請求項2】
前記第2のエッチング工程は、フッ素系ガスを含まない前記第2の混合ガスを用いることを特徴とする請求項1に記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項3】
前記第2のエッチング工程後であって、前記フォトレジスト層除去工程前に、酸素ガスを含む第3の混合ガスを用いたドライエッチング法により、前記第2のエッチング工程で生成した側壁堆積物の除去を行う第3のエッチング工程を更に含むことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項4】
前記第3のエッチング工程後であって、前記フォトレジスト層除去工程前に、酸素ガスを用いたドライエッチング法により、前記側壁堆積物及びフォトレジスト層に由来する変質層を除去する第4のエッチング工程を更に含むことを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項5】
前記第2のエッチング工程が、オーバーエッチング処理工程を更に含むことを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項6】
前記フッ素系ガスが、CF、C、C及びCHFの群から選ばれる少なくとも1種のフッ素系ガスであることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項7】
前記第1の混合ガスが、Ar、He、Kr、N、及びXeの群から選ばれる少なくとも1種のガスを更に含み、Ar、He、Kr、N、及びXeの群から選ばれる少なくとも1種のガスの前記第1の混合ガス中における含有量が、酸素ガスを1としたときの流量比で25以下であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項8】
前記第2の混合ガスが、Ar、He、Kr、及びXeの群から選ばれる少なくとも1種のガスを更に含み、Ar、He、Kr、及びXeの群から選ばれる少なくとも1種のガスの前記第2の混合ガス中における含有量が、酸素ガスを1としたときの流量比で25以下であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項9】
前記第1のエッチング工程は、チャンバーの内部圧力が2.0〜6.0Paであることを特徴とする請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項10】
前記第2のエッチング工程は、チャンバーの内部圧力が1.0〜4.0Paであることを特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。
【請求項11】
前記第1のエッチング工程及び/又は前記第2のエッチング工程における前記支持体の温度が、30℃〜100℃であることを特徴とする請求項1〜請求項10のいずれか1項に記載のカラーフィルタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−216970(P2008−216970A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−285298(P2007−285298)
【出願日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】