説明

カリウムチャネル調節剤として有用な、新規な芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体

本発明は、カリウムチャネルの強力な調節剤であることが見出され、したがってカリウムチャネル調節に反応する疾患又は障害などの多岐にわたる疾患又は障害を治療するための貴重な候補である、式(I)の新規な芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イオンチャネルの強力な調節剤であることが見出され、したがってイオンチャネル調節に反応する疾患又は障害などの多岐にわたる疾患又は障害を治療するための貴重な候補である、新規な芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
イオンチャネルは、全ての細胞の細胞膜を通るイオンの流れを調節する細胞タンパク質であり、異なったイオン(カリウム、塩化物、ナトリウムなど)に対する選択的透過性によって分類される。最大の、最も多様なイオンチャネルのサブグループであるカリウムチャネルはカリウムイオンを選択的に通過させ、そうしながら主として細胞の静止膜電位を制御し、且つ/又はそれらの興奮レベルを調節する。
【0003】
カリウムチャネル、並びに他のイオンチャネルの機能障害により、細胞制御の劣化を生じ、生理学的機能の変化及び疾患状態を招く。イオンチャネル遮断剤及び開口剤は、イオンチャネル機能を調節する且つ/又は後天性若しくは遺伝性チャネル異常においてイオンチャネル活性を回復させるそれらの能力によって、広範な病理的疾患の薬理学的処置に使用されつつあり、一層広範な治療適応症に取り組む潜在性を有する。例えば、カリウムチャネル開口剤についての主な適応症は、糖尿病、動脈高血圧、循環器病、尿失禁、心房細動、てんかん、疼痛及び癌など多岐にわたる状態を包含する。
【0004】
数多くのカリウムチャネルタイプの中で、高コンダクタンスカルシウム活性化カリウムチャネルサブタイプが、薬理学的介入のための、及び新たなカリウムチャネル調節剤の開発のための明らかな部位である。カリウムチャネルの生理学的役割は、それらが神経興奮性の、神経伝達物質放出の重要な制御体である神経系において、並びにそれらが血管、気管支気管、尿道、子宮若しくは胃腸の筋組織の緊張力を調節するのに非常に重要である平滑筋において特に研究されている。
【0005】
これらの含意が示される場合、BK開口特性を有する小さな薬剤は、喘息、尿失禁及び膀胱痙縮、胃腸管自発運動過剰性、精神病、発作後神経保護、痙攣、不安並びに疼痛などの筋肉性及び神経性過剰興奮についての数多くの因果関係を調節及び制御する点で、強力な影響を及ぼす可能性を有し得るであろう。心血管系に関する限り、これらのイオンチャネルの生理学的機能は、基本的な定常状態機作を呈して、血管の脱分極性、血管収縮性及び血管内圧力増加を調節しており、BKチャネルの選択的活性化剤の開発は、高血圧症、勃起不全、冠状動脈疾患、並びに糖尿病又は高コレステロール血症に関連した血管性合併症を含む血管症について可能性のある薬理学的治療法になると見られる。
【0006】
WO2007/044724は、PIM−1及びPIM−3プロテインキナーゼ阻害剤として有用な、ある種のN−テトラゾリルフェニルカルボキサミド誘導体を記載している。しかし、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体については記述されておらず、確かにカリウムチャネル調節剤としてのそれらの使用は示唆されていない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
イオンチャネル調節剤として有用な、新規な芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体を提供することが、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、式I
【化1】


(式中、
Xは、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、メトキシイミノメチル、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、N−アリール−アミノ、N,N−ジアリール−アミノ、アルキル−スルホニル−アミノ、アリール−スルホニル−アミノ、アルキル−カルボニル−アミノ、アリール−カルボニル−アミノ、フェニル、又はイミダゾリル、2−オキソピロリジン−1−イル、ピペリジニル、モルホリン−4−イル及びピリジニルから選択される5員若しくは6員複素環基を表し、これらのフェニル及び複素環基は、アルキル、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ、フェニル及びアルコキシ−カルボニルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されており;
Lは、存在せず(すなわち、共有結合を表し)、又は連結基−CH−若しくは−CONH−を表し;
HETは、フラニル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル及びトリアゾリルから選択される5員芳香族複素環基を表し、この複素環基は、アルキル、ハロ、トリフルオロメチル及びシアノからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されており;
は、テトラゾリル、テトラゾリル−アルコキシ、N−フェニル−カルバモイル、アルキル−スルホニル−アミノ−カルボニル、N−アルキル−スルホニル−カルボキサミド、N−フェニル−スルホニル−カルボキサミド、カルボキシ、N−シアノ−カルボキサミド、スルファモイル、スルホン酸、スルホン酸アルキルエステル、スルホン酸フェニルエステル、又は5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル及び5−チオキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルから選択されるオキサジアゾリルオキソ−若しくはチオ−誘導体を表し;
は、ハロ又はトリフルオロメチルを表し;
は、水素、ハロ、トリフルオロメチル、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、ピペリジニル又はモルホリニルを表す)、立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又はその医薬として許容できる付加塩によって特徴付けることができる。
【0009】
他の態様において、本発明は、治療有効量の本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体を含む医薬組成物を提供する。
【0010】
第3の態様において、本発明は、医薬組成物を製造するための本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体の使用に関する。
【0011】
さらなる態様において、本発明は、ヒトを含む動物の生体の、カリウムチャネルの調節に反応する疾患、障害又は状態を治療、予防又は軽減する方法であって、それを必要とするこのような動物の生体に、治療有効量の、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体を投与するステップを含む方法を提供する。
本発明の他の目的は、下記の詳細な説明及び実施例から、当業者に明らかであろう。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1A】化合物2不在の状態における(対照標準)、及び0.01〜31.6μMの化合物2の存在におけるコンダクタンス(μS)対膜電位(mV)を示すグラフである。
【図1B】化合物2により誘発されるBKCa−活性化曲線、すなわちΔV(mV)対log[c](M)、の左方シフトについての、濃度−応答関係を示すグラフである。計算されたEC50値は2.4μMであり、BK−活性化曲線についての最大左方シフトは−94mVである。
【図2A】化合物1不在の状態における(対照標準)、及び0.01〜31.6μMの化合物1の存在におけるコンダクタンス(μS)対膜電位(mV)を示すグラフである。
【図2B】化合物1により誘発されるBKCa−活性化曲線、すなわちΔV(mV)対log[c](M)、の左方シフトについての、濃度−応答関係を示すグラフである。計算されたEC50値は4.4μMであり、BK−活性化曲線についての最大左方シフトは−88mVである。
【図3A】化合物9不在の状態における(対照標準)、及び0.01〜31.6μMの化合物9の存在におけるコンダクタンス(μS)対膜電位(mV)を示すグラフである。
【図3B】化合物9により誘発されるBKCa−活性化曲線、すなわちΔV(mV)対log[c](M)、の左方シフトについての、濃度−応答関係を示すグラフである。計算されたEC50値は0.97μMであり、BK−活性化曲線についての最大左方シフトは−99mVである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
その第1の態様において、本発明は、式Iの新規な芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体
【化2】


(式中、
Xは、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、メトキシイミノメチル、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、N−アリール−アミノ、N,N−ジアリール−アミノ、アルキル−スルホニル−アミノ、アリール−スルホニル−アミノ、アルキル−カルボニル−アミノ、アリール−カルボニル−アミノ、フェニル、又はイミダゾリル、2−オキソピロリジン−1−イル、ピペリジニル、モルホリン−4−イル及びピリジニルから選択される5員若しくは6員複素環基を表し、これらのフェニル及び複素環基は、アルキル、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ、フェニル及びアルコキシ−カルボニルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されており;
Lは、存在せず(すなわち、共有結合を表し)、又は連結基−CH−若しくは−CONH−を表し;
HETは、フラニル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル及びトリアゾリルから選択される5員芳香族複素環基を表し、この複素環基は、アルキル、ハロ、トリフルオロメチル及びシアノからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されており;
は、テトラゾリル、テトラゾリル−アルコキシ、N−フェニル−カルバモイル、アルキル−スルホニル−アミノ−カルボニル、N−アルキル−スルホニル−カルボキサミド、N−フェニル−スルホニル−カルボキサミド、カルボキシ、N−シアノ−カルボキサミド、スルファモイル、スルホン酸、スルホン酸アルキルエステル、スルホン酸フェニルエステル、又は5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル及び5−チオキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルから選択されるオキサジアゾリルオキソ−若しくはチオ−誘導体を表し;
は、ハロ又はトリフルオロメチルを表し;
は、水素、ハロ、トリフルオロメチル、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、ピペリジニル又はモルホリニルを表す)、立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又はその医薬として許容できる付加塩を提供する。
【0014】
好ましい実施形態において、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、式Iの化合物(式中、Xは、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、メトキシ−イミノメチル(すなわち、式CHO−N=C−の置換基)、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、N−アリール−アミノ、N,N−ジアリール−アミノ、アルキル−スルホニル−アミノ、アリール−スルホニル−アミノ、アルキル−カルボニル−アミノ、アリール−カルボニル−アミノ、フェニル、又はイミダゾリル、2−オキソピロリジン−1−イル、ピペリジニル、モルホリン−4−イル及びピリジニルから選択される5員若しくは6員複素環基を表し、これらのフェニル及び複素環基は、アルキル、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ、フェニル及びアルコキシ−カルボニルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されている)又はその医薬として許容できる付加塩である。
【0015】
より好ましい実施形態において、Xは、アルキル、アルケニル、アルキニル、メトキシ−イミノメチル(すなわち、式CHO−N=C−の置換基)、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、N−アリール−アミノ、N,N−ジアリール−アミノ、アルキル−スルホニル−アミノ、アリール−スルホニル−アミノ、アルキル−カルボニル−アミノ、アリール−カルボニル−アミノ、フェニル、又はイミダゾリル、2−オキソピロリジン−1−イル及びモルホリン−4−イルから選択される5員若しくは6員複素環基を表し、これらのフェニル及び複素環基は、アルキル、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ及びフェニルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されている。
【0016】
他のより好ましい実施形態において、Xは、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、メトキシイミノメチル、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、N−アリール−アミノ、N,N−ジアリール−アミノ、アルキル−スルホニル−アミノ、アリール−スルホニル−アミノ、アルキル−カルボニル−アミノ又はアリール−カルボニル−アミノを表す。
【0017】
第3のより好ましい実施形態において、Xは、アルキル、アルケニル、アルキニル、メトキシイミノメチル、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、N−アリール−アミノ、N,N−ジアリール−アミノ、アルキル−スルホニル−アミノ、アリール−スルホニル−アミノ、アルキル−カルボニル−アミノ又はアリール−カルボニル−アミノを表す。
【0018】
第4のより好ましい実施形態において、Xは、アルキル又はシクロアルキルを表す。
【0019】
第5のより好ましい実施形態において、Xは、シクロアルキル、及び特にシクロペンチルを表す。
【0020】
第6のより好ましい実施形態において、Xはフェニル、又はイミダゾリル、2−オキソピロリジン−1−イル、ピペリジニル、モルホリン−4−イル及びピリジニルから選択される5員若しくは6員複素環基を表し、これらのフェニル及び複素環基は、アルキル、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ、フェニル及びアルコキシ−カルボニルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されている。
【0021】
第7のより好ましい実施形態において、Xはフェニル、又はイミダゾリル、2−オキソピロリジン−1−イル及びモルホリン−4−イルから選択される5員若しくは6員複素環基を表し、これらのフェニル及び複素環基は、アルキル、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ及びフェニルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されている。
【0022】
第8のより好ましい実施形態において、Xはフェニル、ピペリジニル、モルホリン−4−イル又はピリジニルを表し、これらのフェニル及び複素環基は、ハロ、トリフルオロメチル又はアルコキシ−カルボニルで場合によって置換されている。
【0023】
第9のより好ましい実施形態において、Xはフェニル、ピペリジニル又はピリジニルを表し、これらのフェニル、ピペリジニル及びピリジニル基は、ハロ、トリフルオロメチル又はアルコキシ−カルボニルで場合によって置換されている。
【0024】
第10のより好ましい実施形態において、Xはフェニル、ピペリジニル、モルホリン−4−イル又はピリジニルを表し、これらのフェニル及び複素環基は、クロロ、ブロモ、トリフルオロメチル又はイソブトキシ−カルボニルで場合によって置換されている。
【0025】
第11のより好ましい実施形態において、Xはフェニル、ピペリジニル、モルホリン−4−イル又はピリジニルを表し、これらのフェニル及び複素環基は、クロロ、ブロモ、トリフルオロメチル又はイソブトキシ−カルボニルで場合によって置換されている。
【0026】
第12のより好ましい実施形態において、Xはフェニルを表し、このフェニルは、アルキル、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ及びフェニルからなる群から選択される置換基で1若しくは2回場合によって置換されている。
【0027】
第13のより好ましい実施形態において、Xは、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ及びフェニルで置換されたフェニルを表す。
【0028】
第14のより好ましい実施形態において、Xは、ハロ、特にクロロ若しくはブロモ、又はトリフルオロメチルで置換されたフェニルを表す。
【0029】
第15のより好ましい実施形態において、Xは、イミダゾリル、2−オキソピロリジン−1−イル及びモルホリン−4−イルから選択される5員若しくは6員複素環基を表し、この複素環基は、アルキル、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ又はフェニルで場合によって置換されている。
【0030】
第16のより好ましい実施形態において、Xは、モルホリン−4−イルを表す。
【0031】
第17のより好ましい実施形態において、Xは、イミダゾリル基を表し、このイミダゾリル基は、アルキル、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ又はフェニルで場合によって置換されている。
【0032】
第18のより好ましい実施形態において、Xは、2−オキソピロリジン−1−イル基を表し、この2−オキソピロリジン−1−イル基は、アルキル、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ又はフェニルで場合によって置換されている。
【0033】
第19のより好ましい実施形態において、Xは、モルホリン−4−イル基を表し、このモルホリン−4−イル基は、アルキル、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ又はフェニルで場合によって置換されている。
【0034】
他の好ましい実施形態において、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、式Iの化合物(式中、Lは、存在せず(すなわち、共有結合を表し)、又は連結基−CH−若しくは−CONH−を表す)又はその医薬として許容できる付加塩である。
【0035】
より好ましい実施形態において、Lは、存在せず(すなわち、共有結合を表し)、又は連結基−CH−を表す。
【0036】
他のより好ましい実施形態において、Lは、存在しない(すなわち、共有結合を表す)。
【0037】
第3のより好ましい実施形態において、Lは、連結基−CH−を表す。
【0038】
第4のより好ましい実施形態において、Lは、連結基−CONH−を表す。
【0039】
第3の好ましい実施形態において、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、式Iの化合物(式中、HETは、フラニル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル及びトリアゾリルから選択される5員芳香族複素環基を表し、その複素環基が、アルキル、ハロ及びトリフルオロメチルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されている)又はその医薬として許容できる付加塩である。
【0040】
より好ましい実施形態において、HETは、フラニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル及びトリアゾリルから選択される5員芳香族複素環基を表し、この複素環基は、アルキル、ハロ及びトリフルオロメチルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されている。
【0041】
他のより好ましい実施形態において、HETは、アルキル特にメチル、ハロ及びトリフルオロメチルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されているフラニルを表す。
【0042】
第3のより好ましい実施形態において、HETは、アルキル特にメチル、ハロ及びトリフルオロメチルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されているオキサゾリルを表す。
【0043】
第4のより好ましい実施形態において、HETは、アルキル特にメチル、ハロ及びトリフルオロメチルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されているチアゾリルを表す。
【0044】
第5のより好ましい実施形態において、HETは、アルキル特にメチル、ハロ及びトリフルオロメチルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されているピラゾリルを表す。
【0045】
第6のより好ましい実施形態において、HETは、トリアゾリル基、及び特に1,2,3−トリアゾリルを表し、この複素環基は、アルキル特にメチル、ハロ及びトリフルオロメチルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されている。
【0046】
第7のより好ましい実施形態において、HETは、フラン−2,4−ジイル、チエン−2,4−ジイル、オキサゾール−2,4−ジイル、チアゾール−2,4−ジイル、ピラゾール−2,4−ジイル及び1,2,3−トリアゾール−1,4−ジイルから選択される5員芳香族複素環基を表し、この複素環基は、アルキル特にメチル、ハロ及びトリフルオロメチルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されている。
【0047】
より一層好ましい実施形態において、この5員芳香族複素環基は、アルキル特にメチル、ハロ又はトリフルオロメチルで場合によって置換されている。
【0048】
さらにより好ましい実施形態において、この5員芳香族複素環基は、アルキル特にメチル、又はトリフルオロメチルで場合によって置換されている。
【0049】
まださらにより好ましい実施形態において、この5員芳香族複素環基は、メチル又はトリフルオロメチルで場合によって置換されている。
【0050】
第4の好ましい実施形態において、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、式Iの化合物(式中、Rは、テトラゾリル、テトラゾリル−アルコキシ、N−フェニル−カルバモイル、アルキル−スルホニル−アミノ−カルボニル、N−アルキル−スルホニル−カルボキサミド、N−フェニル−スルホニル−カルボキサミド、カルボキシ、N−シアノ−カルボキサミド、スルファモイル、スルホン酸、スルホン酸アルキルエステル、スルホン酸フェニルエステル、又は5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル及び5−チオキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルから選択されるオキサジアゾリルオキソ−若しくはチオ−誘導体を表す)又はその医薬として許容できる付加塩である。
【0051】
より好ましい実施形態において、Rは、テトラゾリル基、及び特に1H−テトラゾール−5−イルを表す。
【0052】
他のより好ましい実施形態において、Rは、テトラゾリル−アルコキシ基、及び特に1H−テトラゾール−5−イル−メトキシを表す。
【0053】
第3のより好ましい実施形態において、Rは、N−フェニル−カルバモイルを表す。
【0054】
第4のより好ましい実施形態において、Rは、アルキル−スルホニル−アミノ−カルボニル基、及び特にメチル−スルホニル−アミノ−カルボニルを表す。
【0055】
第5のより好ましい実施形態において、Rは、N−アルキル−スルホニル−カルボキサミド基、及び特にN−メチル−スルホニル−カルボキサミドを表す。
【0056】
第6のより好ましい実施形態において、Rは、N−フェニル−スルホニル−カルボキサミドを表す。
【0057】
第7のより好ましい実施形態において、Rは、カルボキシを表す。
【0058】
第8のより好ましい実施形態において、Rは、N−シアノ−カルボキサミドを表す。
【0059】
第9のより好ましい実施形態において、Rは、スルファモイルを表す。
【0060】
第10のより好ましい実施形態において、Rは、スルホン酸を表す。
【0061】
第11のより好ましい実施形態において、Rは、スルホン酸アルキルエステル、及び特にスルホン酸メチルエステルを表す。
【0062】
第12のより好ましい実施形態において、Rは、スルホン酸フェニルエステルを表す。
【0063】
第13のより好ましい実施形態において、Rは、5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルを表す。
【0064】
第14のより好ましい実施形態において、Rは、5−チオキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルを表す。
【0065】
第5の好ましい実施形態において、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、式Iの化合物(式中、Rは、ハロ又はトリフルオロメチルを表す)又はその医薬として許容できる付加塩である。
【0066】
より好ましい実施形態において、Rは、ハロを表す。
【0067】
より一層好ましい実施形態において、Rは、フルオロ又はクロロを表す。
【0068】
第6の好ましい実施形態において、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、式Iの化合物(式中、Rは、水素、ハロ、トリフルオロメチル、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、ピペリジニル又はモルホリニルを表す)又はその医薬として許容できる付加塩である。
【0069】
より好ましい実施形態において、Rは、水素、ハロ又はトリフルオロメチルを表す。
【0070】
他のより好ましい実施形態において、Rは、水素、ハロ、N,N−ジアルキル−アミノ、ピペリジニル又はモルホリニルを表す。
【0071】
より好ましい実施形態において、Rは、水素又はハロを表す。
【0072】
より一層好ましい実施形態において、Rは、水素を表す。
【0073】
さらにより好ましい実施形態において、Rは、ハロ、特にフルオロを表す。
【0074】
他のより好ましい実施形態において、Rは、水素又はフルオロを表す。
【0075】
さらに又より好ましい実施形態において、Rは、N,N−ジアルキル−アミノ、及び特にN,N−ジメチル−アミノ;ピペリジニル又はモルホリニルを表す。
【0076】
最も好ましい実施形態において、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
1−(4−クロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
1−(4−ブロモ−ベンジル)−5−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸(5−クロロ−2−フェニルカルバモイル−フェニル)−アミド;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸(5−クロロ−2−メタンスルホニルアミノカルボニル−フェニル)−アミド;
4−クロロ−2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニル]−アミノ}−ベンゼンスルホン酸;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イルメトキシ)−フェニル]−アミド;
4,5−ジクロロ−2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニル]−アミノ}−ベンゼンスルホン酸;
4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
4−クロロ−2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニル]−アミノ}−安息香酸;
4−クロロ−2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニル]−アミノ}−ベンゾイルシアナミド;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−メチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニル]−アミノ}−4,5−ジフルオロ−安息香酸;
4,5−ジクロロ−2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニル]−アミノ}−ベンゼンスルホン酸メチルエステル;
5−メチル−2−フェニル−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
5−トリフルオロメチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
5−トリフルオロメチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[4,5−ジクロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−メチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
2−(4−クロロ−ベンジル)−チアゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−2,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
1−(4−ブロモ−ベンジル)−5−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
4−メチル−2−モルホリン−4−イル−チアゾール−5−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
4−メチル−2−モルホリン−4−イル−チアゾール−5−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
2−(3−クロロ−フェニル)−5−メチル−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
4−{5−[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニルカルバモイル]−4−メチル−チアゾール−2−イル}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;
4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−4−モルホリン−4−イル−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−4−ジメチルアミノ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−4−ピペリジン−1−イル−フェニル]−アミド;
2−(3−クロロ−フェニル)−5−メチル−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
4−メチル−2−ピリジン−4−イル−チアゾール−5−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−4−ピペリジン−1−イル−フェニル]−アミド;
5−(シクロペンタンカルボニル−アミノ)−3−メチル−チオフェン−2−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;又は
2,4−ジクロロ−6−[(4−メチル−2−モルホリン−4−イル−チアゾール−5−カルボニル)−アミノ]−安息香酸;
又はそれらの医薬として許容できる付加塩である。
【0077】
本明細書において記述される2つ以上の実施形態の任意の組合せは、本発明の範囲内にあるものとみなされる。
【0078】
置換基の定義
本発明の文脈において、アルキル基は、一価の飽和、直鎖若しくは分岐炭化水素鎖を指す。この炭化水素鎖は、炭素原子1〜18個を含有する(C1〜18−アルキル)ことが好ましく、炭素原子1〜6個を含有する(C1〜6−アルキル;低級アルキル)ことがより好ましく、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、第三級ペンチル、ヘキシル及びイソヘキシルを含む。好ましい実施形態において、アルキルはC1〜4−アルキル基を表し、ブチル、イソブチル、第二級ブチル及び第三級ブチルを含む。本発明の他の好ましい実施形態において、アルキルはC1〜3−アルキル基を表し、これらは特にメチル、エチル、プロピル又はイソプロピルとすることができる。
【0079】
本発明の文脈において、アルケニル基は、1つ又は複数の二重結合を含有する、直鎖若しくは分岐炭素鎖を指し、ジ−エン、トリ−エン及びポリ−エンを含む。好ましい実施形態において、本発明のアルケニル基は、炭素原子2〜8個を含み(C2〜8−アルケニル)、より好ましくは炭素原子2〜6個を含み(C2〜6−アルケニル)、少なくとも1つの二重結合を含む。最も好ましい実施形態において、本発明のアルケニル基は、エテニル;1−若しくは2−プロペニル(アリル);1−、2−若しくは3−ブテニル、又は1,3−ブタジエニル;1−、2−、3−、4−若しくは5−ヘキセニル、又は1,3−ヘキサジエニル、又は1,3,5−ヘキサトリエニル;1−、2−、3−、4−、5−、6−若しくは7−オクテニル、又は1,3−オクタジエニル、又は1,3,5−オクタトリエニル、又は1,3,5,7−オクタテトラエニルである。
【0080】
本発明の文脈において、アルキニル基は、1つ又は複数の三重結合を含有する、直鎖若しくは分岐炭素鎖を指し、ジ−イン、トリ−イン及びポリ−インを含む。好ましい実施形態において、本発明のアルキニル基は、炭素原子2〜8個を含み(C2〜8−アルキニル)、より好ましくは炭素原子2〜6個を含み(C2〜6−アルキニル)、少なくとも1つの三重結合を含む。その最も好ましい実施形態において、本発明のアルキニル基は、エチニル;1−若しくは2−プロピニル;1−、2−若しくは3−ブチニル、又は1,3−ブタジイニル;1−、2−、3−、4−ペンチニル、又は1,3−ペンタジイニル;1−、2−、3−、4−若しくは5−ヘキシニル、又は1,3−ヘキサジイニル、又は1,3,5−ヘキサトリイニル;1−、2−、3−、4−、5−若しくは6−ヘプチニル、又は1,3−ヘプトジイニル、又は1,3,5−ヘプトトリイニル;1−、2−、3−、4−、5−、6−若しくは7−オクチニル、又は1,3−オクトジイニル、又は1,3,5−オクトトリイニル、又は1,3,5,7−オクトテトライニルである。
【0081】
本発明の文脈において、N−アルキル−アミノ基は、上記において定義したアルキル基で単置換した、(第二級)アミノ基を指す。
【0082】
本発明の文脈において、N−アリール−アミノ基は、下記において定義しているアリール基で単置換した、(第二級)アミノ基を指す。
【0083】
本発明の文脈において、N,N−ジアルキル−アミノ基は、上記において定義したアルキル基で二置換した、(第三級)アミノ基を指す。
【0084】
本発明の文脈において、N,N−ジアリール−アミノ基は、下記において定義しているアリール基で二置換した、(第三級)アミノ基を指す。
【0085】
本発明の文脈において、アルキル−スルホニル−アミノ基は、アルキルが上記において定義した通りである「アルキル−SO−NH−」基を指す。
【0086】
本発明の文脈において、アリール−スルホニル−アミノ基は、アリールが下記において定義している通りである「アリール−SO−NH−」基を指す。
【0087】
本発明の文脈において、アルキル−カルボニル−アミノ基は、アルキルが上記において定義した通りである「アルキル−CO−NH−」基を指す。
【0088】
本発明の文脈において、アリール−カルボニル−アミノ基は、アリールが下記において定義している通りである「アリール−CO−NH−」基を指す。
【0089】
本発明の文脈において、アルコキシ−カルボニルは、アルコキシが上記において定義した通りである「アルコキシ−CO−」基を指す。
【0090】
本発明の文脈において、ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモ又はヨードを表す。
【0091】
本発明の文脈において、アリール基は、単環若しくは多環芳香族炭化水素基を指す。本発明の好ましいアリール基の例には、フェニル、インデニル、ナフチル、アズレニル、フルオレニル及びアントラセニルが含まれる。最も好ましい実施形態において、本発明のアリール基はフェニルである。
【0092】
医薬として許容できる塩
本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、意図される投与に適した任意の形態で提供できる。適切な形態には、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体の医薬として(すなわち生理学的に)許容できる塩、及びプレ−若しくはプロドラッグ形態のものが含まれる。
【0093】
医薬として許容できる付加塩の例には、限定されずに、塩酸塩、臭化水素酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リン酸塩、硫酸塩、ギ酸塩、酢酸塩、アコニット酸塩、アスコルビン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、ケイ皮酸塩、クエン酸塩、エンボネート(embonate)、エナント酸塩、フマル酸塩、グルタミン酸塩、グリコール酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、ナフタレン−2−スルホン酸塩由来、フタル酸塩、サリチル酸塩、ソルビン酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、トルエン−p−スルホン酸塩などの、無毒性無機及び有機酸付加塩が含まれる。このような塩は、当技術分野でよく知られ記述されている手順により形成できる。
【0094】
本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体の医薬として許容できるカチオン塩の例には、限定されずに、アニオン基を含有する本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体のナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム、リチウム及びアンモニウム塩などが含まれる。このようなカオチン塩は、当技術分野でよく知られ記述されている手順により形成できる。
【0095】
立体異性体
本発明の化合物が、鏡像異性体、ジアステレオマー、並びに幾何異性体(シス−トランス異性体)を含む、異なった立体異性体形態で存在できることは、当業者により理解されるであろう。本発明には、全てのこのような異性体、及びラセミ混合物を含むそれらの任意の混合物が含まれる。
【0096】
ラセミ体は、知られている方法及び技術によって光学的鏡像異性体に分割することができる。ラセミ化合物を光学的鏡像異性体に分割する一方法は、光学的活性マトリックス上のクロマトグラフィーに基づいている。したがって、本発明のラセミ化合物は、例えばD−若しくはL−塩(酒石酸塩、マンデル酸塩又はショウノウスルホン酸塩)の例えば分別晶出によって、それらの光学的鏡像異性体に分割することができる。
【0097】
光学異性体を分割するさらなる方法が、当技術分野で知られている。このような方法には、Jaques J,Collet A,& Wilen Sにより、「鏡像異性体、ラセミ化合物、及び分割(Enantiomers,Racemates, and Resolutions)」、John Wiley and Sons、New York(1981)において記述されている方法が含まれる。
【0098】
光学活性化合物は、光学的に活性な出発材料又は中間体から調製することもできる。
【0099】
調製の方法
本発明による化合物は、従来の化学合成方法、例えば実施例中に記述されている方法によって、調製できる。
【0100】
生理活性
本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、標準的な電気生理学的方法により測定したカリウムチャネル調節活性を有することが見出されている。カリウムチャネルにおけるそれらの活性のため、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、広い範囲の疾患及び状態の治療のために有用と考えられる。
【0101】
特有の実施形態において、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、呼吸器疾患、てんかん、痙攣、発作、欠神発作、血管痙縮、冠状動脈痙縮、運動ニューロン疾患、筋波動症、腎疾患、多嚢胞性腎疾患、膀胱過剰興奮、膀胱痙縮、尿生殖器障害、尿失禁、膀胱流出阻害(outflow obstrction)、勃起不全、胃腸障害、胃腸運動減弱障害、胃腸運動性機能不全、術後性腸閉塞、便秘、胃食道逆流性障害、分泌性下痢、閉塞性若しくは炎症性気道疾患、虚血、脳虚血、虚血性心疾患、狭心症、冠動脈性心疾患、運動失調、外傷性脳障害、脳卒中、パーキンソン病、双極性障害、精神病、統合失調症、自閉症、不安、気分障害、うつ病、躁うつ病、精神病性障害、認知症、学習欠陥、年令関連性記憶忘失、記憶及び注意力欠損、アルツハイマー病、筋委縮性側索硬化症(ALS)、月経困難症、睡眠発作病、睡眠障害、睡眠時無呼吸、レイノー病、間欠性跛行、シェーグレン症候群、口内乾燥症、心血管性障害、高血圧症、筋緊張性ジストロフィー、筋緊張性筋異栄養症、痙直、口内乾燥症、II型糖尿病、高インスリン血症、早産、癌、脳腫瘍、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、大腸炎、クローン病性腸炎、免疫抑制、聴力障害、片頭痛、疼痛、神経障害性疼痛、炎症性疼痛、三叉神経痛、視覚障害、鼻漏、高眼圧症(緑内障)又は脱毛症の治療、予防又は軽減のために有用と考えられる。
【0102】
より好ましい実施形態において、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、呼吸器疾患、尿失禁、勃起不全、不安、てんかん、精神病、統合失調症、双極性障害、うつ病、筋委縮性側索硬化症(ALS)、パーキンソン病又は疼痛の治療、予防又は軽減のために有用と考えられる。
【0103】
他のより好ましい実施形態において、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、精神病、統合失調症、双極性障害、うつ病、てんかん、パーキンソン病又は疼痛の治療、予防又は軽減のために有用と考えられる。
【0104】
第3のより好ましい実施形態において、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、疼痛、軽い若しくは中位の又は激しい痛み、急性、慢性若しくは回帰性痛、片頭痛に起因する痛み、術後痛、幻影肢痛、炎症性疼痛、神経障害性疼痛、慢性頭痛、中枢痛、糖尿病性神経障害関連の痛み、治療性神経痛関連の痛み、又は末梢神経傷害関連の痛みの治療、予防又は軽減のために有用と考えられる。
【0105】
第4のより好ましい実施形態において、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、心性虚血、虚血性心疾患、心臓肥大、心筋症又は心不全の治療、予防又は軽減のために有用と考えられる。
【0106】
第5のより好ましい実施形態において、本発明の化合物は、循環器病の治療、予防又は軽減に有用と考えられる。より好ましい一実施形態において、この循環器病は、アテローム性動脈硬化症、虚血/再灌流、高血圧症、再狭窄、動脈性炎症、心筋虚血又は虚血性心疾患である。
【0107】
第6のより好ましい実施形態において、本発明の化合物は、心臓のプレコンディショニングを得るのに有用と考えられる。プレコンディショニングは、虚血プレコンディショニング及び心筋プリコンディショニングを含み、長く続く虚血が始まる前の、短期間の虚血事象を見出すものである。本発明の化合物は、このような虚血事象により得られるプレコンディショニングと同様の効果を有すると考えられる。プレコンディショニングにより、長く続く虚血事象が招来するその後の組織の損傷に対して保護される。
【0108】
第7のより好ましい実施形態において、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、統合失調症、うつ病又はパーキンソン病の治療、予防又は軽減のために有用と考えられる。
【0109】
第8のより好ましい実施形態において、本発明の化合物は、閉塞性若しくは炎症性気道疾患の治療、予防又は軽減のために有用と考えられる。より好ましい一実施形態において、この閉塞性若しくは炎症性気道疾患は、気道過敏性;アルミニウム沈着症、炭症、石綿沈着症、石粉肺症、羽毛吸入性肺じん症(ptilosis)、鉄沈着症、ケイ肺症、タバコ症及び綿繊維吸入性肺炎などのじん肺症;慢性閉塞性肺疾患(COPD)、気管支炎;気道過敏性の憎悪又は嚢胞性線維症である。
【0110】
その最も好ましい実施形態において、閉塞性気道疾患は、慢性閉塞性肺疾患(COPD)である。
【0111】
第9のより好ましい実施形態において、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、男性性機能不全及び女性性機能不全を含む、男性勃起不全を含む、性機能不全の治療、予防又は軽減のために有用と考えられる。
【0112】
より一層好ましい実施形態において、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、ホスホジエステラーゼ阻害剤、特にホスホジエステラーゼ5(PED5)阻害剤例えばスリデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル及びジピリダモールと同時投与でき、又は内皮由来過分極因子に媒介される応答を増強する薬剤、特にドベシル酸カルシウム若しくは同様な2,5−ジヒドロキシベンゼンスルホン酸塩類似体と同時投与できる。
【0113】
最も好ましい実施形態において、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、シルデナフィル、タダラフィル、バルデナフィル又はドベシル酸カルシウムと一緒に、併用療法において使用される。
【0114】
目下、活性医薬成分(API)の適切な投与量は、1日当り約0.1〜約1000mgAPIの、より好ましくは1日当り約10〜約500mgAPIの、最も好ましくは1日当り約30〜約100mgAPIの範囲内にあるものとするが、それは正確な投与方法、それが投与される形態、考慮される適応症、関係する被験者及び特に被験者の体重、さらに担当の医師又は獣医師の好み及び経験に依存しているものであるように企図されている。
【0115】
本発明の好ましい芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、マイクロモル以下及びマイクロモル範囲において、すなわち1未満〜約100μMについて生理活性を示す。
【0116】
医薬組成物
他の態様において、本発明は、治療有効量の本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体を含む新規な医薬組成物を提供する。
【0117】
治療において使用する本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体は、未加工の化学的化合物の形態で投与できるが、この活性成分を、場合によって生理学的に許容できる塩の形態で、1種又は複数の補助剤、賦形剤、担体、緩衝剤、希釈剤、及び/又は他の慣例的医薬補助物質と一緒に医薬組成物中に配合することが好ましい。
【0118】
好ましい実施形態において、本発明は、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体を、そのための1種又は複数の医薬として許容できる担体と、場合によって、当技術分野において知られ且つ使用されている他の治療及び/又は予防成分と一緒に含む医薬組成物を提供する。この1種又は複数の担体は、製剤の他の成分と適合でき、且つその受容者に有害でないという意味で「許容可能(acceptable)」でなければならない。
【0119】
本発明の医薬組成物は、所望される治療に相応しい任意の適当な経路によって投与できる。好ましい投与経路には、特に錠剤、カプセル、糖衣錠、粉末における又は液体形態における経口投与、並びに特に皮膚、皮下、筋肉内又は静脈内注射における非経口投与が含まれる。本発明の医薬組成物は、いずれの当業者によっても、所望される製剤に適した、標準的方法及び従来の技術の使用によって製造することができる。所望される場合、持続される本活性成分の放出をもたらすよう適応された組成物を使用できる。
【0120】
製剤及び投与技術についてのさらなる詳細は、Remington’s Pharmaceutical Sciences(Maack Publishing Co.、Easton、PA)の最新版中に見出すことができる。
【0121】
実際の投与量は、治療される疾患の特性及び重症度によって決まり、医師の裁量範囲内にあり、所望の治療効果をもたらすための、本発明の特定の状況に従った投薬物の増減によって変動し得る。しかし、目下、個々の1用量当り約0.1〜約500mgの、好ましくは約1〜約100mgの、最も好ましくは約1〜約10mgの活性成分を含有する医薬組成物が治療処置に適するものであるように企図されている。
【0122】
活性成分は、1日当り1回若しくは数回の用量で投与できる。ある例では、0.1μg/kgi.v.(静脈内)及び1μg/kgp.o.(経口)という低い投与量で満足される結果を得ることができる。投与量範囲の上限は、目下の所、約10mg/kgi.v.及び100mg/kgp.o.であると考えられる。好ましい範囲は、約0.1μg/kg〜約10mg/kg/日i.v.及び約1μg/kg〜約100mg/kg/日p.o.である。
【0123】
医薬用パーツキット
本発明により、それを必要とする患者への少なくとも2種の別々の単位剤形(A)及び(B)を備えたパーツキット(kit of parts):
(A)本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体;及び
(B1)ホスホジエステラーゼ阻害剤;又は
(B2)内皮由来の過分極因子に媒介される応答を増強する薬剤;並びに場合によって
(C)本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体A、及びホスホジエステラーゼ阻害剤B1、又は内皮由来の過分極因子に媒介される応答を増強する薬剤B2の同時、順次若しくは別個投与向けの指示書
をも提供する。
【0124】
より好ましい実施形態において、本発明により使用するためのホスホジエステラーゼ阻害剤(B1)は、ホスホジエステラーゼ5(PDE5)阻害剤であり、より一層好ましい実施形態において、本発明により使用するためのホスホジエステラーゼ阻害剤は、シルデナフィル、タダラフィル又はバルデナフィルである。
【0125】
他のより好ましい実施形態において、本発明により使用する内皮由来の過分極因子に媒介される応答を増強する薬剤(B2)は、ドベシル酸カルシウムである。
【0126】
本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体、及び本発明により使用するホスホジエステラーゼ阻害剤又は内皮由来の過分極因子に媒介される応答を増強する薬剤は、他方と一緒に投与するのに適した形態で提供できることが好ましい。このことは、他方の成分を投与する前に、投与した後に、且つ/又は投与すると同時に、2つの製剤の一方若しくは他方を投与できる(場合によって反復して)例を含むことを意図している。
【0127】
又、本発明の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体、及び本発明により使用するホスホジエステラーゼ阻害剤又は内皮由来の過分極因子に媒介される応答を増強する薬剤は、組み合わせた形態で、或いは別々に又は別々且つ順次に投与することもでき、この場合、順次の投与は時間的に接近し、又は時間的に離れているものである。このことは、特に、時間的に十分接近して2種の製剤が投与される(場合によって反復して)ことを含むことができ、それは関連した病状の治療過程にわたって他方の製剤が存在しない状態で2種の製剤のいずれかが単独で投与される(場合によって反復して)場合よりも、その同じ治療過程にわたって患者に大きい、有利な効果があるからである。併用が、特定の病状に関して又その治療の過程にわたって、より大きい有利な効果を提供するかどうかを決定するのは、治療又は予防される病状にかかっているであろうが、当業者によれば日常的に達成できることである。
【0128】
この文脈で使用する場合、用語「同時に投与される(administered simultaneously)」及び「と同時に投与される(administered at the same time as」」には、個々の用量の正アロステリックニコチン受容体調節剤及び向知性薬(cognitive enhancer)が、互いに48時間以内に、例えば24時間で、投与されることが含まれる。
【0129】
2つの成分を互いに関連させることは、別々の製剤として(すなわち互いに独立に)成分(A)及び(B)を提供でき、これらを、併用療法として互いに一緒に使用するため、その後一緒にすること;又は併用療法として互いに一緒に使用するため、「併用パック(combination pack)」の別々の成分として包装し、一緒に提供することを含む。
【0130】
治療の方法
他の態様において、本発明は、ヒトを含む動物の生体の、カリウムチャネルの活性化に反応する疾患、障害又は状態を治療、予防又は軽減する方法であって、それを必要とするこのような動物の生体に、カリウムチャネルを活性化することが可能な化合物又はその医薬として許容できる付加塩を、治療有効量だけ投与するステップを含む方法を提供する。
【0131】
本発明により企図される好ましい医学的適応症は、上記において列挙したものである。
【0132】
目下、活性医薬成分(API)の適切な投与量は、1日当り約0.1〜約1000mgAPIの、より好ましくは1日当り約1〜約500mgAPIの、最も好ましくは1日当り約1〜約100mgAPIの範囲内にあるものとするが、それは正確な投与方法、それが投与される形態、考慮される適応症、関係する被験者及び特に被験者の体重、さらに担当の医師又は獣医師の好み及び経験に依存しているものであるように企図されている。
【0133】
本発明は、添付図面を参照することによりさらに例示される。図面において、アフリカツメガエル卵母細胞(Xenopus Oocytes)において発現されるBKCaチャネルの電圧依存性について、図1A及び1Bは化合物2(すなわち、1−(4−クロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド)の効果を示し、図2A及び2Bは、化合物1(すなわち、5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド)の効果を示し、図3A及び3Bは、化合物9(すなわち、4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド)の効果を示している。
【実施例】
【0134】
本発明は、特許請求される本発明の範囲を決して限定しようとするものではない下記の実施例を参照してさらに例示される。
【0135】
(実施例1)
調製例
本明細書において使用している略語:
AcOEt:酢酸エチル、
CFM:クロロホルム、
DCM:ジクロロメタン、
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド、
DMAP:4−ジメチルアミノピリジン、
EDC・HCl:1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、
EtOH:エタノール、
Hex:ヘキサン、
MeOH:メタノール、
MgSO4:硫酸マグネシウム、
PE:石油エーテル(40〜60℃で沸騰する留分)、
Py:ピリジン、
TEA:トリエチルアミン、
THF:テトラヒドロフラン、
TOL:トルエン。
【0136】
中間体の調製
N−(4−クロロ−2−ニトロ−ベンゾイル)−メタンスルホンアミド(INT−1)(スキーム1)
DCM(100ml)中の4−クロロ−2−ニトロ安息香酸(5g、1当量)の懸濁液に、EDC・HCl(9.5g、2当量)及びDMAP(9g、3当量)を添加する。得られた褐色溶液を10分間撹拌し、次いでメタンスルホンアミド(2.35g、1当量)を添加する。帯赤色溶液を室温で1晩撹拌し、DCM(100ml)で希釈し、1.5N HCl(2×50ml)及び水(50ml)で洗浄し、乾燥及び蒸発乾固して、帯黄色固体(4.6g、収率67%)を与える。この粗製材料をDCM(15ml)中に懸濁させ、15分間撹拌し、濾過及び乾燥して、白色固体として主題の化合物をもたらし(2g、29%、純度98%)、これをそのまま次のステップ向けに使用している。
【0137】
N−(2−アミノ−4−クロロ−ベンゾイル)−メタンスルホンアミド(INT−2)(スキーム1)
MeOH(80ml)中の中間体H(1g、1当量)の溶液に、ラネー−ニッケル(0.2g)を注意深く添加する。反応混合物を7時間水素化し、次いでセライトを通して濾過する。このセライトをMeOH(50ml)で洗浄し、その濾液を蒸発させて、オフホワイト固体として主題の化合物を与えている(0.8g、収率90%;純度84%)。この化合物を、さらに精製せずにそのまま次のステップ向けに使用している。
【0138】
(5−クロロ−2−ヒドロキシ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(INT−3)(スキーム2)
1,4−ジオキサン(50ml)中の市販2−アミノ−4−クロロフェノール(10g、1当量)の氷冷溶液に、1,4−ジオキサン中のboc−無水物(15.96g、1.05当量)の氷冷溶液を添加し、得られた混合物を室温で1晩撹拌する。次いで、この反応混合物をDCM(100ml)で希釈し、水(2×100ml)、食塩水(2×100ml)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、蒸発乾固して、帯褐色ゴム状物質(17.2g)を与え、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(230〜400メッシュシリカゲルを使用)により精製し、Hex中の4%AcOEtで溶離させる(12.1g、収率71%)。
【0139】
(5−クロロ−2−シアノメトキシ−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル(INT−4)(スキーム2)
2−ブタノン(20ml)中のINT−3(5g、1当量)の懸濁液に、ヨウ化ナトリウム(3.69g、1.2当量)及び炭酸カリウム(3.40g、1.2当量)及びクロロアセトニトリル(1.86g、1.2当量)を添加する。この反応混合物を85℃で24時間加熱し、次いで水(100ml)中に注ぎ、AcOEt(2×75ml)で抽出する。集めて一緒にした有機相を水(100ml)、食塩水(100ml)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、蒸発乾固して、帯褐色半固体を与えている(5.08g、収率100%)。
【0140】
[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イルメトキシ)−フェニル]−カルバミン酸tert−ブチルエステル(INT−5)(スキーム2)
DMF(5ml)中のINT−4(0.2g、1当量)、アジ化ナトリウム(0.092g、2当量)及び塩化アンモニウム(0.007、2当量)の懸濁液を6時間加熱する(120℃)。この反応混合物を蒸発乾固して、帯褐色ゴム状残渣を与え、これを水(50ml)及び1.5N HCl(10ml)の混合物中に懸濁させ、室温で30分間撹拌する。生成された白色固体を濾過し、水で洗浄し、乾燥して、主題の化合物を与えている(0.200mg、収率86%)。
【0141】
5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イルメトキシ)−フェニルアミン(INT−6)(スキーム2)
DCM(30ml)中のINT−5(0.5g、1当量)の撹拌及び氷冷した懸濁液に、DCM(10ml)中のトリフルオロ酢酸(1.19ml、10当量)を1滴ずつ添加し、得られた混合物を室温で2時間撹拌する。有機溶液を、水で数回洗浄し、MgSO上で乾燥して、主題の化合物をもたらしている(0.35g、収率100%)。
【0142】
INT−7、INT−8、INT−9は、Journal of Medicinal Chemistry 1985 28(10)1387〜1393においてIshikawaらにより記述される通りに合成した。
【0143】
2−アミノ−4−クロロ−N−ヒドロキシ−5−モルホリン−4−イル−ベンズアミジン(INT−10)(スキーム3)
EtOH(10ml)中のINT−7(0.200g、1当量)の撹拌及び沸騰している溶液に、水(5ml)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(0.119g、2当量)及び重炭酸ナトリウム(0.212g、3当量)の溶液を添加し、還流を8時間継続する。この反応混合物を蒸発乾固し、残渣を水(20ml)中に懸濁させ、得られた懸濁液を、濾過し、水で洗浄し、乾燥する(0.140g、収率63%)。この化合物をそのまま、次のステップ向けに使用している。
【0144】
2−アミノ−4−クロロ−5−ジメチルアミノ−N−ヒドロキシ−ベンズアミジン(INT−11)(スキーム3)
EtOH(10ml)中のINT−8(0.200g、1当量)の撹拌及び沸騰している溶液に、水(5ml)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(0.145g、2当量)及び重炭酸ナトリウム(0.257g、3当量)の溶液を添加し、還流を8時間継続する。この反応混合物を蒸発乾固し、残渣を水(20ml)中に懸濁させ、得られた懸濁液を、濾過し、水で洗浄し、乾燥する(0.150g、収率67%)。この化合物をそのまま、次のステップ向けに使用している。
【0145】
2−アミノ−4−クロロ−N−ヒドロキシ−5−ピペリジン−1−イル−ベンズアミジン(INT−12)(スキーム3)
EtOH(10ml)中のINT−9(0.200g、1当量)の撹拌及び沸騰している溶液に、水(5ml)中のヒドロキシルアミン塩酸塩(0.120g、2当量)及び重炭酸ナトリウム(0.214g、3当量)の溶液を添加し、還流を8時間継続する。この反応混合物を蒸発乾固し、残渣を水(20ml)中に懸濁させ、得られた懸濁液を、濾過し、水で洗浄し、乾燥する(0.190g、収率86%)。この化合物をそのまま、次のステップ向けに使用している。
【0146】
3−(2−アミノ−4−クロロ−5−モルホリン−4−イル−フェニル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン(INT−13)(スキーム3)
無水EtOH(10ml)中のナトリウム(0.0256g、2当量)の撹拌及び沸騰している溶液に、INT−10(0.150g、1当量)を添加し、還流を1時間継続する。次いで、0.27ml(4当量)の炭酸ジエチルを添加し、還流を24時間継続する。この反応混合物を蒸発乾固し、残渣を0.5M HCl(5ml)中に懸濁させる。懸濁液を1晩撹拌し、濾過して、白色粉末として主題の化合物をもたらし(0.120g、収率73%)、これをそのまま次のステップ向けに使用している。
【0147】
3−(2−アミノ−4−クロロ−5−ジメチルアミノ−フェニル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン(INT−14)(スキーム3)
無水EtOH(10ml)中のナトリウム(0.0202g、2当量)の撹拌及び沸騰している溶液に、INT−11(0.100g、1当量)を添加し、還流を1時間継続する。次いで、0.214ml(4当量)の炭酸ジエチルを添加し、還流を24時間継続する。この反応混合物を蒸発乾固し、残渣を0.5M HCl(5ml)中に懸濁させる。懸濁液を1晩撹拌し、濾過して、白色粉末として主題の化合物をもたらし(0.072g、収率63%)、これをそのまま次のステップ向けに使用している。
【0148】
3−(2−アミノ−4−クロロ−5−ピペリジン−1−イル−フェニル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン(INT−15)(スキーム3)
無水EtOH(30ml)中のナトリウム(0.507g、2当量)の撹拌及び沸騰している溶液に、INT−11(2.95g、1当量)を添加し、還流を1時間継続する。次いで、5.37ml(4当量)の炭酸ジエチルを添加し、還流を24時間継続する。この反応混合物を蒸発乾固し、残渣を0.5M HCl(25ml)中に懸濁させる。懸濁液を1晩撹拌し、濾過して、白色粉末として主題の化合物をもたらし(0.072g、収率63%)、これをそのまま次のステップ向けに使用している。融点186.3〜189.4℃。
スキーム1
【化3】


スキーム2
【化4】


スキーム3
【化5】

【0149】
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド(1)
乾燥THF(6ml)中の市販5−(4−クロロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)フラン−3−カルボニルクロリド(0.2g、1当量)の溶液に、窒素下において、TEA(0.45ml、5当量)及び5−クロロ−2(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニルアミン(0.150g、1当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加する。この混合物を、窒素下及び室温で1晩撹拌し続け、次いで水(20ml)に注入する。得られた懸濁液から、酢酸エチル(3×25ml)により抽出を行い、集めて一緒にした有機相を、1.5N HCl、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、蒸発乾固して、黄色固体(0.32g)を得ている。この粗製材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(230〜400メッシュシリカゲルを使用)により精製し、CFM中の8%MeOHで溶離して、白色粉末として主題の化合物をもたらす(0.105g、収率32%)。[M−H]−のLC−ESI−HRMSは、466.0078Daを示している。計算値466.00854Da、偏差−1.6ppm。
【0150】
1−(4−クロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド(2)
DCM(10ml)中の市販2−(4−クロロフェニル)−3−(トリフルオロメチル)−ピラゾール−4−カルボン酸(0.235g、1当量)の懸濁液に、EDC・HCl(0.31g、2当量)及びDMAP(0.30g、3当量)を添加する。得られた混合物を室温で10分間撹拌し、5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニルアミン(0.144g、1当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加し、室温で1晩撹拌を継続する。反応混合物をDCM(20ml)で希釈し、1.5N HCl(2×15ml)及び水(15ml)で洗浄し、乾燥し、蒸発乾固して、黄色固体(0.255g)を与えている。この粗製材料を、シリカゲル(230〜400メッシュ)を使用してフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、CFM中の0〜5%MeOHで溶離して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.090g、収率24%)。融点176.3〜180.4℃[M−H]−のLC−ESI−HRMSは、466.0193Daを示している。計算値466.019773Da、偏差−1ppm。
【0151】
1−(4−ブロモ−ベンジル)−5−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド(3)
DCM(15ml)中の市販1−(4−ブロモ−ベンジル)−5−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸(0.200g、1当量)の撹拌している懸濁液に、過剰の塩化オキサリル(1ml)を0℃で1滴ずつ添加し、続いて1〜2滴の乾燥DMFを添加する。得られた黄色溶液を自然に室温に到達させ、次いで室温でTLC上において、出発材料が完全に消失するまで撹拌する(〜1時間)。次いでこの混合物を真空下で蒸発乾固させ、その残渣をDCM中に溶解し、冷NaHCO水溶液で洗浄する。MgSO上で乾燥し、蒸発乾固した有機相は、0.212g(〜100%収率)の1−(4−ブロモ−ベンジル)−5−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボニルクロリドを与え、これを窒素下でTOL(10ml)及びPy(0.5ml)中に溶解する。新たな溶液を氷冷し、5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニルアミン(0.119g、0.9当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加し、窒素下で室温において1晩撹拌を継続する。反応混合物を、蒸発乾固し、粗製固体残渣を、MeOHからの晶出によって精製する(0.105g、収率22%)。[M−H]−のLC−ESI−HRMSは、471.007Daを示している。計算値471.008423Da、偏差−3ppm。
【0152】
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸(5−クロロ−2−フェニル−カルバモイル−フェニル)−アミド(4)
DCM(10ml)中の市販5−(4−クロロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)フラン−3−カルボン酸(0.25g、1当量)の懸濁液に、EDC・HCl(0.33g、2当量)及びDMAP(0.315g、3当量)を添加する。得られた褐色溶液を10分間撹拌し、次いで市販2−アミノ−4−クロロ−N−フェニル−ベンズアミド(0.21g、1当量)を添加する。反応混合物を、室温で1晩撹拌し、DCM(20ml)で希釈し、1.5N HCl(2×25ml)及び水(25ml)で洗浄し、最後にMgSO上で乾燥し、蒸発乾固して、帯黄色固体(0.315g)を与えている。この粗製材料を、シリカゲル(230〜400メッシュ)を使用してフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、Hex中の0〜10%AcOEtで溶離して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.120g、収率27%)。融点176.3〜180.4℃。
【0153】
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸(5−クロロ−2−メタンスルホニルアミノカルボニル−フェニル)−アミド(5)
乾燥THF(10ml)中の市販5−(4−クロロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)フラン−3−カルボニルクロリド(0.200g、1当量)の氷冷溶液に、窒素下において、Py(0.1ml、2当量)及びINT−2(0.161g、1当量)を添加する。この混合物を、窒素下及び室温で1晩撹拌し続け、次いで水(20ml)に注入する。得られた懸濁液から、酢酸エチル(3×25ml)により抽出を行い、集めて一緒にした有機相を、1.5N HCl、水で洗浄し、MgSO上で乾燥し、蒸発乾固して、黄色固体(0.200g)を得ている。この粗製材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(60〜120メッシュシリカゲルを使用)により精製し、CFM中の5%MeOHで溶離して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.055g、収率16%)。融点:259〜262℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、520.9935Daを示している。計算値520.995259Da、偏差−3.4ppm。
【0154】
4−クロロ−2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニル]−アミノ}−ベンゼンスルホン酸(6)
DCM(15ml)中の市販5−(4−クロロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)フラン−3−カルボン酸(0.27g、1当量)の懸濁液に、EDC・HCl(0.214g、2当量)及びDMAP(0.227g、2当量)を添加する。得られた褐色溶液を10分間撹拌し、次いで Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した市販2−アミノ−4−クロロ−ベンゼンスルホン酸(0.202g、1当量)を添加する。反応混合物を、室温で1晩撹拌し、DCM(20ml)で希釈し、1.5N HCl(2×25ml)及び水(25ml)で洗浄し、最後にMgSO上で乾燥し、蒸発乾固して、帯黄色固体(0.300g)を与えている。この粗製材料を、分取HPLCにより精製して(0.070g、収率16%)、白色粉末として主題の化合物をもたらしている。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、479.9685Daを示している。計算値479.96871Da、偏差−0.4ppm。
【0155】
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イルメトキシ)−フェニル]−アミド(7)
乾燥DCM(25ml)中の市販5−(4−クロロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)フラン−3−カルボニルクロリド(0.500g、1当量)の氷冷溶液に、窒素下において、TEA(0.64ml、3当量)及びINT−6(0.346g、1当量)を添加する。この混合物を、窒素下及び室温で1晩撹拌し続け、次いで蒸発乾固して、オフホワイト固体(〜0.700g)を得ている。この粗製残渣を中性アルミナ上のフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、CFM中の20%MeOHで溶離して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.423g、収率55%)。融点:226.9〜236,1℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、498.0331Daを示している。計算値498.034755Da、偏差−3.3ppm。
【0156】
4,5−ジクロロ−2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニル]−アミノ}−ベンゼンスルホン酸(8)
乾燥DCM(15ml)中の市販5−(4−クロロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)フラン−3−カルボニルクロリド(0.250g、1当量)の氷冷溶液に、窒素下において、Py(0.2ml、3当量)及び2−アミノ−4,5−ジクロロ−ベンゼンスルホン酸(0.125g、1当量)(DE4112692中に記載された通りに調製した)を添加する。この混合物を、窒素下及び室温で1晩撹拌し続け、次いでDCM(20ml)で希釈する。新たな溶液を、1.5N HCl(2×25ml)、水(2×25)で洗浄し、MgSO上で乾燥し、蒸発乾固して、黄色固体(0.372g)を得ている。この粗製材料を、フラッシュカラムクロマトグラフィー(230〜400メッシュシリカゲルを使用)により精製し、CFM中の3%MeOHで溶離して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.145g、収率38%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、513.9299Daを示している。計算値513.929738Da、偏差0.3ppm。
【0157】
4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド(9)
乾燥THF(7ml)中の市販4−メチル−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−チアゾール−5−カルボニルクロリド(0.300g、1当量)の溶液に、窒素下において、TEA(0.27ml、2当量)及び5−クロロ−2(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニルアミン(0.194g、1当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加する。この混合物を、窒素下及び室温で1晩撹拌し続け、次いで水(40ml)に注入する。得られた懸濁液から、酢酸エチル(3×40ml)により抽出を行い、集めて一緒にした有機相を、1.5N HCl、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、蒸発乾固して、褐色固体(0.325g)を得ている。この粗製材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(230〜400メッシュシリカゲルを使用)により精製し、CFM中の2%MeOHで溶離して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.124g、収率27%)。融点325〜337.2℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、465.0503Daを示している。計算値465.051217Da、偏差−2ppm。
【0158】
4−クロロ−2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニル]−アミノ}−安息香酸(10)
乾燥DCM(10ml)中の市販5−(4−クロロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)フラン−3−カルボニルクロリド(0.200g、1当量)の溶液に、窒素下において、Py(0.13ml、3当量)及び市販2−アミノ−4−クロロ安息香酸(0.111、1当量)を添加する。この混合物を、窒素下及び室温で1晩撹拌し続ける。得られた混合物は、1.5N HCl(20ml)により反応を止め、次いでDCM(3×25ml)により抽出を行う。集めて一緒にした有機相を、MgSO4上で乾燥し、蒸発乾固して、黄色固体(0.279g)を得ている。この粗製材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(60〜120メッシュシリカゲルを使用)により精製し、CFM中の3%MeOHで溶離して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.191g、収率66%)。[M−H]−のLC−ESI−HRMSは、441.9844Daを示している。計算値441.986074Da、偏差−3.8ppm。
【0159】
4−クロロ−2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニル]−アミノ}−ベンゾイルシアナミド(11)
乾燥THF(5ml)中の水素化ナトリウム(0.027g、2当量)の氷冷及び撹拌している懸濁液に、シアナミド(0.014g、1当量)を添加し、室温で30分間撹拌を継続する。その間に、化合物10は、塩化オキサリルで処理すると、対応する酸塩化物(4−クロロ−2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニル]−アミノ}−ベンゾイルクロリド)に変換される。THF(15ml)中のこの後者(1当量)の溶液を、THF中のナトリウムシアナミドの氷冷混合物に1滴ずつ添加し、室温で1時間撹拌を継続する。次いでこの反応混合物について、10mlの水で反応を止め、AcOEt(3×30ml)により抽出を行う。有機相を水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、蒸発乾固して、帯褐色固体(0.02g)を得、これをフラッシュカラムクロマトグラフィー(60〜120メッシュシリカゲルを使用)により精製し、CFM中の8%MeOHで溶離して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.045g、収率25%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、468.0115Daを示している。計算値468.012957Da、偏差−3.1ppm。
【0160】
5−(4−クロロ−フェニル)−2−メチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド(12)
乾燥THF(10ml)中の市販5−(4−クロロフェニル)−2−メチルフラン−3−カルボニルクロリド(0.100g、1当量)の溶液に、窒素下において、TEA(0.08ml、1.5当量)及び5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニルアミン(0.078g、1当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加する。この混合物を、窒素下及び室温で1晩撹拌し続ける。得られた混合物は、1.5N HCl(10ml)により反応を止め、次いでAcOEt(3×25ml)により抽出を行う。集めて一緒にした有機相を、MgSO4上で乾燥し、蒸発乾固して、白色固体(0.135g)を得ている。この粗製材料をAcOEt/PEからの晶出によって精製して、オフホワイト固体として主題の化合物をもたらしている(0.042g、収率26%)。融点246.7〜255.4℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、414.0537Daを示している。計算値414.052456Da、偏差3ppm。
【0161】
2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニル]−アミノ}−4,5−ジフルオロ−安息香酸(13)
乾燥THF(15ml)中の市販5−(4−クロロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)フラン−3−カルボニルクロリド(0.100g、1当量)の溶液に、窒素下において、TEA(0.18ml、4当量)及び市販2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸(0.056、1当量)を添加する。この混合物を、窒素下及び室温で1晩撹拌し続ける。得られた混合物は、1.5N HCl(10ml)により反応を止め、次いでAcOEt(3×25ml)により抽出を行う。集めて一緒にした有機相を、MgSO4上で乾燥し、蒸発乾固して、白色固体(0.122g)を得ている。この粗製材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(60〜120メッシュシリカゲルを使用)により精製し、CFM中の3%MeOHで溶離して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.060g、収率42%)。融点337.2〜340.2℃。[M−H]−のLC−ESI−HRMSは、444.0058Daを示している。計算値444.006202Da、偏差−0.9ppm。
【0162】
4,5−ジクロロ−2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニル]−アミノ}−ベンゼンスルホン酸メチルエステル(14)
乾燥DCM(2ml)中の8(0.070g)の氷冷懸濁液に、トリフルオロメタンスルホン酸メチル(0.025g、1.1当量)及びTEA(0.021ml、1.1当量)を添加し、得られた混合物を、室温で1晩撹拌する。蒸発乾固により、〜70mgの粗製固体材料がもたらされ、それを中性アルミナ上のフラッシュクロマトグラフィーにより、且つPE中の4%AcOEtで溶離することにより精製する(0.018g、収率25%)。[M−H]−のLC−ESI−HRMSは、525.9299Daを示している。計算値525.929738Da、偏差0.3ppm。
【0163】
5−メチル−2−フェニル−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド(15)
DCM(15ml)中の4−メチル−2−フェニル−1,2,3−トリアゾール−5−カルボン酸(0.25g、1当量)の懸濁液に、EDC・HCl(0.472g、2当量)及びDMAP(0.451g、3当量)を添加する。得られた褐色溶液を10分間撹拌し、5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニルアミン(0.241g、1当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加する。この溶液を室温で1晩撹拌し、DCM(20ml)で希釈し、1.5N HCl(30ml)及び水(30ml)で洗浄し、乾燥し、蒸発乾固して、帯黄色固体(0.369g)を与えている。この粗製材料を、DCMから晶出させることにより精製する(0.250、収率53%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、381.099Daを示している。計算値381.09791Da、偏差2.9ppm。
【0164】
5−トリフルオロメチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド(16)
DCM(15ml)中の5−(トリフルオロメチル)−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−オキサゾール−4−カルボン酸(0.25g、1当量)の懸濁液に、EDC・HCl(0.295g、2当量)及びDMAP(0.282g、3当量)を添加する。得られた溶液を10分間撹拌し、3−(2−アミノ−4−クロロ−フェニル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン(0.166g、1当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加する。この溶液を室温で1晩撹拌し、DCM(20ml)で希釈し、1.5N HCl(30ml)及び水(30ml)で洗浄し、乾燥し、蒸発乾固して、純白色固体を与えている(0.176g、収率45%)。[M−H]−のLC−ESI−HRMSは、517.0135Daを示している。計算値517.013827Da、偏差−0.6ppm。
【0165】
5−トリフルオロメチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド(17)
DCM(15ml)中の5−(トリフルオロメチル)−2−[4−(トリフルオロメチル)フェニル]−1,3−オキサゾール−4−カルボン酸(0.25g、1当量)の懸濁液に、EDC・HCl(0.295g、2当量)及びDMAP(0.282g、3当量)を添加する。得られた溶液を10分間撹拌し、5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニルアミン(0.150g、1当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加する。この溶液を室温で1晩撹拌し、DCM(20ml)で希釈し、1.5N HCl(30ml)及び水(30ml)で洗浄し、乾燥し、蒸発乾固して、固体残渣(0.340g)を与え、これをEtOHから晶出させることにより精製している(0.142g、37%)。[M−H]−のLC−ESI−HRMSは、501.0297Daを示している。計算値501.030145Da、偏差−0.9ppm。
【0166】
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド(18)
乾燥THF(6ml)中の市販5−(4−クロロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)フラン−3−カルボニルクロリド(0.2g、1当量)の溶液に、窒素下において、TEA(0.45ml、5当量)及び3−(2−アミノ−4−クロロ−フェニル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン(0.160g、1当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加する。この混合物を、窒素下及び室温で1晩撹拌し続け、次いで水(20ml)に注入する。得られた懸濁液から、酢酸エチル(3×25ml)により抽出を行い、集めて一緒にした有機相を、1.5N HCl、水で洗浄し、MgSO4上で乾燥し、蒸発乾固して、黄色固体(0.301g)を得ている。この粗製材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(230〜400メッシュシリカゲルを使用)により精製し、Hex中の20%AcOEtで溶離して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.145g、収率36%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、484.0063Daを示している。計算値484.007872Da、偏差−3.2ppm。
【0167】
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[4,5−ジクロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド(19)
乾燥DCM(6ml)中の市販5−(4−クロロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)フラン−3−カルボニルクロリド(0.1g、1当量)の溶液に、窒素下において、TEA(0.225ml、5当量)及び、例えばUS3838126中に記載されている4,5−ジクロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニルアミン(0.074、1当量)を添加する。得られた混合物は、1.5N HCl(10ml)により反応を止め、次いでDCM(3×20ml)により抽出する。集めて一緒にした有機相を、MgSO4上で乾燥し、蒸発乾固して、黄色固体(0.160g)を得ている。この粗製材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(60〜120メッシュシリカゲルを使用)により精製し、CFM中の5%MeOHで溶離して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.030g、収率18%)。[M−H]−のLC−ESI−HRMSは、499.9698Daを示している。計算値499.969568Da、偏差0.5ppm。
【0168】
5−(4−クロロ−フェニル)−2−メチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド(20)
乾燥THF(7ml)中の市販5−(4−クロロフェニル)−2−メチルフラン−3−カルボニルクロリド(0.100g、1当量)の溶液に、窒素下において、TEA(〜0.3ml、5当量)及び3−(2−アミノ−4−クロロ−フェニル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン(0.1167、1.2当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加する。得られた混合物は、1.5N HCl(10ml)により反応を止め、次いでDCM(3×20ml)により抽出する。集めて一緒にした有機相を、MgSO4上で乾燥し、蒸発乾固して、黄色固体(0.150g)を得ている。この粗製材料をフラッシュカラムクロマトグラフィー(230〜400メッシュシリカゲルを使用)により精製し、CFM中の2%MeOHで溶離して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.055g、収率25%)。[M−H]−のLC−ESI−HRMSは、428.0211Daを示している。計算値428.020488Da、偏差1.4ppm。融点248.1〜250.9℃。
【0169】
2−(4−クロロ−ベンジル)−チアゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−2,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド(21)
DCM(10ml)中の市販2−(4−クロロ−ベンジル)−チアゾール−4−カルボン酸(0.25g、1当量)の懸濁液に、EDC・HCl(0.3778g、2当量)及びDMAP(0.3612g、3当量)を添加する。得られた溶液を10分間撹拌し、3−(2−アミノ−4−クロロ−フェニル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン(0.2085g、1当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加する。この溶液を、室温で1晩撹拌し、DCM(20ml)で希釈し、1.5N HCl(30ml)及び水(30ml)で洗浄し、乾燥し、蒸発乾固して、固体残渣(0.400g)を与え、これを、分取LCMSにより精製し、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.088g、収率20%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、447.008Daを示している。計算値447.008543Da、偏差−1.2ppm。
【0170】
1−(4−ブロモ−ベンジル)−5−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド(22)
DCM(10ml)中の市販1−(4−ブロモ−ベンジル)−5−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸(0.25g、1当量)の懸濁液に、EDC・HCl(0.3237g、2当量)及びDMAP(0.3094g、3当量)を添加する。得られた溶液を10分間撹拌し、3−(2−アミノ−4−クロロ−フェニル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン(0.1786g、1当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加する。この溶液を、室温で1晩撹拌し、DCM(20ml)で希釈し、1.5N HCl(30ml)及び水(30ml)で洗浄し、乾燥し、蒸発乾固して、固体残渣(〜0.300g)を与え、これを、DMSO/水からの晶出により精製し、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(〜0.080g、収率〜20%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、489.0091Daを示している。計算値489.007755Da、偏差2.8ppm。
【0171】
4−メチル−2−モルホリン−4−イル−チアゾール−5−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド(23)
DCM(10ml)中の市販4−メチル−2−モルホリン−4−イル−チアゾール−5−カルボン酸(0.25g、1当量)の懸濁液に、EDC・HCl(0.4538g、2当量)及びDMAP(0.4338g、3当量)を添加する。得られた溶液を10分間撹拌し、3−(2−アミノ−4−クロロ−フェニル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン(0.250g、1当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加する。この溶液を、室温で1晩撹拌し、DCM(20ml)で希釈し、1.5N HCl(30ml)及び水(30ml)で洗浄し、乾燥し、蒸発乾固して、固体残渣(〜0.370g)を与え、これを、DMSO/水からの晶出により精製して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.126g、収率〜20%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、422.0686Daを示している。計算値422.068979Da、偏差−0.9ppm。
【0172】
4−メチル−2−モルホリン−4−イル−チアゾール−5−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド(24)
DCM(10ml)中の市販4−メチル−2−モルホリン−4−イル−チアゾール−5−カルボン酸(0.25g、1当量)の懸濁液に、EDC・HCl(0.4538g、2当量)及びDMAP(0.4338g、3当量)を添加する。得られた溶液を10分間撹拌し、5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニルアミン(0.2315g、1当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加する。この溶液を、室温で1晩撹拌し、DCM(20ml)で希釈し、1.5N HCl(30ml)及び水(30ml)で洗浄し、乾燥し、蒸発乾固して、固体残渣(〜0.390g)を与え、これを、DMSO/水からの晶出により精製して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.240g、収率〜50%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、406.0843Daを示している。計算値406.085297Da、偏差−2.5ppm。
【0173】
2−(3−クロロ−フェニル)−5−メチル−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド(25)
DCM(10ml)中の市販2−(3−クロロ−フェニル)−5−メチル−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸(0.25g、1当量)の懸濁液に、EDC・HCl(0.4033g、2当量)及びDMAP(0.3856g、3当量)を添加する。得られた溶液を10分間撹拌し、3−(2−アミノ−4−クロロ−フェニル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン(0.2226g、1当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加する。この溶液を、室温で1晩撹拌し、DCM(20ml)で希釈し、1.5N HCl(30ml)及び水(30ml)で洗浄し、乾燥し、蒸発乾固して、固体残渣(〜0.400g)を与え、これを、メタノールからの晶出により精製して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.302g、収率〜67%)。[M−H]−のLC−ESI−HRMSは、429.0278Daを示している。計算値429.02697Da、偏差1.9ppm。
【0174】
4−{5−[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニルカルバモイル]−4−メチル−チアゾール−2−イル}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(26)
DCM(10ml)中の市販4−(5−カルボキシ−4−メチル−チアゾール−2−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル(0.25g、1当量)の懸濁液に、EDC・HCl(0.2937g、2当量)及びDMAP(0.2807g、3当量)を添加する。得られた溶液を10分間撹拌し、3−(2−アミノ−4−クロロ−フェニル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン(0.1621g、1当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加する。この溶液を、室温で1晩撹拌し、DCM(20ml)で希釈し、1.5N HCl(30ml)及び水(30ml)で洗浄し、乾燥し、蒸発乾固して、固体残渣(〜0.370g)を与え、これを、分取LCMSにより精製して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.101g、収率〜25%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、520.1411Daを示している。計算値520.142144Da、偏差−2ppm。
【0175】
4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド(27)
DCM(40ml)中の市販4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸(1.00g、1当量)の懸濁液に、EDC・HCl(0.8008g、1.2当量)及びDMAP(0.25104g、1.2当量)を添加する。得られた溶液を10分間撹拌し、3−(2−アミノ−4−クロロ−フェニル)−4H−[1,2,4]オキサジアゾール−5−オン(0.7366g、1当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加する。この溶液を、室温で1晩撹拌し、DCM(80ml)で希釈し、1.5N HCl(120ml)及び水(120ml)で洗浄し、乾燥し、蒸発乾固して、固体残渣(〜1.5g)を与え、これを、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCM中の10%MeOHで溶離して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.326g、収率〜20%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、481.0338Daを示している。計算値481.034899Da、偏差−2.3ppm。
【0176】
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−4−モルホリン−4−イル−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド(28)
乾燥DCM(25ml)中の市販5−(4−クロロ−フェニル)−2−(トリフルオロメチル)フラン−3−カルボニルクロリド(0.500g、1当量)の氷冷溶液に、窒素下において、TEA(0.67ml、3当量)及びINT−13(0.48g、1当量)を添加する。この混合物を、窒素下及び室温で1晩撹拌し続け、次いで蒸発乾固して、オフホワイト固体(〜0.800g)を得ている。この粗製残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、Hex中の10%AcOEtで溶離して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.131g、収率14%)。融点226.9〜236.1℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、569.0627Daを示している。計算値569.060636Da、偏差3.6ppm。融点229〜234℃。
【0177】
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−4−ジメチル−アミノ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド(29)
乾燥DCM(25ml)中の市販5−(4−クロロ−フェニル)−2−(トリフルオロメチル)フラン−3−カルボニルクロリド(0.500g、1当量)の氷冷溶液に、窒素下において、TEA(0.67ml、3当量)及びINT−14(0.412g、1当量)を添加する。この混合物を、窒素下及び室温で1晩撹拌し続け、次いで蒸発乾固して、オフホワイト固体(〜0.600g)を得ている。この粗製残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、Hex中の10%AcOEtで溶離して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.32g、収率37%)。融点256.2〜258.4℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、527.0529Daを示している。計算値527.050071Da、偏差5.4ppm。
【0178】
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−4−ピペリジン−1−イル−フェニル]−アミド(30)
乾燥DCM(25ml)中の市販5−(4−クロロフェニル)−2−(トリフルオロメチル)フラン−3−カルボニルクロリド(0.400g、1当量)の氷冷溶液に、窒素下において、TEA(0.54ml、3当量)及びINT−15(0.381g、1当量)を添加する。この混合物を、窒素下及び室温で1晩撹拌し続け、次いで蒸発乾固して、オフホワイト固体(〜0.550g)を得ている。この粗製残渣をフラッシュクロマトグラフィーにより精製し、Hex中の10%AcOEtで溶離して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.312g、収率43%)。融点247.8〜249.6℃。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、567.0822Daを示している。計算値567.081371Da、偏差1.5ppm。
【0179】
2−(3−クロロ−フェニル)−5−メチル−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル−フェニル]−アミド(31)
DCM(10ml)中の市販2−(3−クロロ−フェニル)−5−メチル−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸(0.25g、1当量)の懸濁液に、EDC・HCl(0.4033g、2当量)及びDMAP(0.3856g、3当量)を添加する。得られた溶液を10分間撹拌し、5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニルアミン(0.2058g、1当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加する。この溶液を、室温で1晩撹拌し、DCM(20ml)で希釈し、1.5N HCl(30ml)及び水(30ml)で洗浄し、乾燥し、蒸発乾固して、固体残渣(〜0.400g)を与え、これを、メタノールからの晶出により精製して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.190g、収率〜43%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、415.0593Daを示している。計算値415.058938Da、偏差0.9ppm。
【0180】
4−メチル−2−ピリジン−4−イル−チアゾール−5−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド(32)
DCM(10ml)中の市販4−メチル−2−ピリジン−4−イル−チアゾール−5−カルボン酸(0.25g、1当量)の懸濁液に、EDC・HCl(0.4352g、2当量)及びDMAP(0.416g、3当量)を添加する。得られた溶液を10分間撹拌し、5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニルアミン(0.2058g、1当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加する。この溶液を、室温で1晩撹拌し、DCM(20ml)で希釈し、1.5N HCl(30ml)及び水(30ml)で洗浄し、乾燥し、蒸発乾固して、固体残渣(〜0.410g)を与え、これを、メタノールからの晶出により精製して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.214g、収率〜47%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、398.0612Daを示している。計算値398.059082Da、偏差5.3ppm。
【0181】
4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−4−ピペリジン−1−イル−フェニル]−アミド(33)
DCM(25ml)中の市販4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸(0.500g、1当量)の懸濁液に、EDC・HCl(0.667g、2当量)及びDMAP(0.638g、3当量)を添加する。得られた溶液を10分間撹拌し、INT−15(0.513g、1当量)を添加する。この溶液を、室温で1晩撹拌し、DCM(30ml)で希釈し、1.5N HCl(45ml)及び水(45ml)で洗浄し、乾燥し、蒸発乾固して、固体残渣(0.720g)を与え、これを、DMF/水からの晶出により精製する(0.464g、収率47%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、564.1078Daを示している。計算値564.108398Da、偏差−1.1ppm。
【0182】
5−(シクロペンタンカルボニル−アミノ)−3−メチル−チオフェン−2−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド(34)
DCM(25ml)中の市販5−(シクロペンタンカルボニル−アミノ)−3−メチル−チオフェン−2−カルボン酸(0.500g、1当量)の懸濁液に、EDC・HCl(0.454g、1.2当量)及びDMAP(0.2894g、1.2当量)を添加する。得られた溶液を10分間撹拌し、5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニルアミン(0.386g、1当量)(Journal of Medicinal Chemistry 2004 47(27)6948〜6957においてValgeirssonらにより記述される通りに調製した)を添加する。この溶液を、室温で1晩撹拌し、DCM(30ml)で希釈し、1.5N HCl(45ml)及び水(45ml)で洗浄し、乾燥し、蒸発乾固して、固体残渣(0.750g)を与え、これを、フラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製し、DCM中の10%MeOHで溶離して、白色粉末として主題の化合物をもたらしている(0.228g、収率26%)。[M+H]+のLC−ESI−HRMSは、431.106Daを示している。計算値431.105698Da、偏差0.7ppm。
【0183】
2,4−ジクロロ−6−[(4−メチル−2−モルホリン−4−イル−チアゾール−5−カルボニル)−アミノ]−安息香酸(35)
DCM(30ml)中の市販4−メチル−2−モルホリン−4−イル−チアゾール−5−カルボン酸(0.4086g、1当量)の撹拌している懸濁液に、過剰の塩化オキサリル(1.5ml)を0℃で1滴ずつ添加し、続いて1〜2滴の乾燥DMFを添加する。得られた黄色溶液を自然に室温に到達させ、次いで室温でTLC上において、出発材料が完全に消失するまで撹拌する(〜3時間)。次いでこの混合物を真空下で蒸発乾固させ、その残渣をDCM中に溶解し、冷NaHCO水溶液で洗浄する。有機相を、MgSO上で乾燥し、蒸発乾固して、0.440g(収率〜100%)の4−メチル−2−モルホリン−4−イル−チアゾール−5−カルボニルクロリドを与え、これを窒素下でTOL(20ml)及びPy(1.5ml)中に溶解する。新たな溶液を氷冷し、2−アミノ−4,6−ジクロロ−安息香酸(0.295g、0.8当量)(Journal of Organic Chemistry 1956 21(171〜173)においてSheibleyらにより記述される通りに調製した)を添加し、窒素下で室温において1晩撹拌を継続する。反応混合物を、蒸発乾固し、粗製固体残渣を、DMSO/水からの晶出によって精製する(0.256g、収率34%)。[M−H]−のLC−MS:414。
【0184】
(実施例2)
生理活性
この実施例では、アフリカツメガエル(Xenopus laevis)卵母細胞において不均質に発現されるBKチャネルを使用して、化合物2(図1A及び1B)、化合物1(図2A及び2B)及び化合物9(図3A及び3B)のBKチャネル開口活性を測定している。
【0185】
従来の二電極電圧クランプを用い、BKチャネルを通る電流を測定している。BK電流は、ランププロトコルを繰り返すことにより活性化される。簡単に言うと、2秒以内に膜電位を−120mV〜+120mVに連続的に変化させる。BK活性化のための閾値は、制御状態下でおよそ+30mVである。化合物を100秒間適用し、その間ランププロトコルは10秒間隔で10回繰り返される。このランププロトコルの中間では、膜電位は−80mVでクランプされる。最初の化合物の適用3回は、電流レベルを安定化する対照ブランクである。その後の8回の適用では、濃度を増加させた(0.01〜31.6μM)化合物が適用され、脱分極電位における電流レベルの著しい上昇が観察されている。
【0186】
これらの化合物がBK活性化曲線をより低い膜電位側にシフトさせる能力を評価するために、オームの法則g=I/(Ememb−Erev)(式中、gはコンダクタンスであり、Iは電流であり、Emembは膜電位であり、Erevは反転電位である)を使用することにより、BK電流をコンダクタンスに変換した。これらの実験用の細胞外溶液はK2.5mMを含有し、卵母細胞の細胞内K濃度は100mMと推定される。これらの条件下で、ネルンストの式により、反転電位Erev=−93.2mVと予測される。膜電位+100mVにおける対照標準コンダクタンスレベルが計算され、化合物の効果は、化合物が存在する状態において同一のコンダクタンスレベルが得られる膜電位に対する電位差ΔVとして評価された。
【0187】
この電位差についての濃度応答曲線は、S字形算定式:ΔV=ΔVmax/(1+(EC50/[化合物]))(式中、ΔVmaxは、BK活性化曲線の最大左方シフトを表し、EC50は最大半減応答をもたらす濃度であり、nは勾配係数である)に適合していた。
【0188】
化合物1、2及び9についてのEC50計算値は、それぞれ4.4μM、2.4μM及び0.97μMである。この3種の化合物についての対応するΔVmax値は、それぞれ−88mV、−94mV及び−99mVである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体
【化1】


(式中、
Xは、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、メトキシイミノメチル、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、N−アリール−アミノ、N,N−ジアリール−アミノ、アルキル−スルホニル−アミノ、アリール−スルホニル−アミノ、アルキル−カルボニル−アミノ、アリール−カルボニル−アミノ、フェニル、又はイミダゾリル、2−オキソピロリジン−1−イル、ピペリジニル、モルホリン−4−イル及びピリジニルから選択される5員若しくは6員複素環基を表し、これらのフェニル及び複素環基は、アルキル、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ、フェニル及びアルコキシ−カルボニルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されており;
Lは、存在せず(すなわち、共有結合を表し)、又は連結基−CH−若しくは−CONH−を表し;
HETは、フラニル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル及びトリアゾリルから選択される5員芳香族複素環基を表し、この複素環基は、アルキル、ハロ、トリフルオロメチル及びシアノからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されており;
は、テトラゾリル、テトラゾリル−アルコキシ、N−フェニル−カルバモイル、アルキル−スルホニル−アミノ−カルボニル、N−アルキル−スルホニル−カルボキサミド、N−フェニル−スルホニル−カルボキサミド、カルボキシ、N−シアノ−カルボキサミド、スルファモイル、スルホン酸、スルホン酸アルキルエステル、スルホン酸フェニルエステル、又は5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル及び5−チオキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルから選択されるオキサジアゾリルオキソ−若しくはチオ−誘導体を表し;
は、ハロ又はトリフルオロメチルを表し;
は、水素、ハロ、トリフルオロメチル、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、ピペリジニル又はモルホリニルを表す)、立体異性体若しくはその立体異性体の混合物、又はその医薬として許容できる付加塩。
【請求項2】
Xが、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、メトキシ−イミノメチル、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、N−アリール−アミノ、N,N−ジアリール−アミノ、アルキル−スルホニル−アミノ、アリール−スルホニル−アミノ、アルキル−カルボニル−アミノ、アリール−カルボニル−アミノ、フェニル、又はイミダゾリル、2−オキソピロリジン−1−イル、ピペリジニル、モルホリン−4−イル及びピリジニルから選択される5員若しくは6員複素環基を表し、これらのフェニル及び複素環基は、アルキル、ハロ、トリフルオロメチル、シアノ、ヒドロキシ、フェニル及びアルコキシ−カルボニルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されている、請求項1に記載の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体、又はその医薬として許容できる付加塩。
【請求項3】
Lが、存在せず(すなわち、共有結合を表し)、又は連結基−CH−若しくは−CONH−を表す、請求項1又は2に記載の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体、又はその医薬として許容できる付加塩。
【請求項4】
HETが、フラニル、チエニル、オキサゾリル、チアゾリル、ピラゾリル及びトリアゾリルから選択される5員芳香族複素環基を表し、その複素環基が、アルキル、ハロ及びトリフルオロメチルからなる群から選択される置換基で1回若しくは複数回場合によって置換されている、請求項1から3までのいずれか一項に記載の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体、又はその医薬として許容できる付加塩。
【請求項5】
が、テトラゾリル、テトラゾリル−アルコキシ、N−フェニル−カルバモイル、アルキル−スルホニル−アミノ−カルボニル、N−アルキル−スルホニル−カルボキサミド、N−フェニル−スルホニル−カルボキサミド、カルボキシ、N−シアノ−カルボキサミド、スルファモイル、スルホン酸、スルホン酸アルキルエステル、スルホン酸フェニルエステル、又は5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル及び5−チオキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イルから選択されるオキサジアゾリルオキソ−若しくはチオ−誘導体を表す、請求項1から4までのいずれか一項に記載の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体、又はその医薬として許容できる付加塩。
【請求項6】
が、ハロ又はトリフルオロメチルを表す、請求項1から5までのいずれか一項に記載の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体、又はその医薬として許容できる付加塩。
【請求項7】
が、水素、ハロ、トリフルオロメチル、アミノ、N−アルキル−アミノ、N,N−ジアルキル−アミノ、ピペリジニル又はモルホリニルを表す、請求項1から6までのいずれか一項に記載の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体、又はその医薬として許容できる付加塩。
【請求項8】
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
1−(4−クロロ−フェニル)−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
1−(4−ブロモ−ベンジル)−5−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸(5−クロロ−2−フェニルカルバモイル−フェニル)−アミド;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸(5−クロロ−2−メタンスルホニルアミノカルボニル−フェニル)−アミド;
4−クロロ−2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニル]−アミノ}−ベンゼンスルホン酸;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イルメトキシ)−フェニル]−アミド;
4,5−ジクロロ−2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニル]−アミノ}−ベンゼンスルホン酸;
4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
4−クロロ−2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニル]−アミノ}−安息香酸;
4−クロロ−2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニル]−アミノ}−ベンゾイルシアナミド;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−メチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニル]−アミノ}−4,5−ジフルオロ−安息香酸;
4,5−ジクロロ−2−{[5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボニル]−アミノ}−ベンゼンスルホン酸メチルエステル;
5−メチル−2−フェニル−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
5−トリフルオロメチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
5−トリフルオロメチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−オキサゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[4,5−ジクロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−メチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
2−(4−クロロ−ベンジル)−チアゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−2,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
1−(4−ブロモ−ベンジル)−5−メチル−1H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
4−メチル−2−モルホリン−4−イル−チアゾール−5−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
4−メチル−2−モルホリン−4−イル−チアゾール−5−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
2−(3−クロロ−フェニル)−5−メチル−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
4−{5−[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニルカルバモイル]−4−メチル−チアゾール−2−イル}−ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチルエステル;
4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−4−モルホリン−4−イル−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−4−ジメチルアミノ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−フェニル]−アミド;
5−(4−クロロ−フェニル)−2−トリフルオロメチル−フラン−3−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−4−ピペリジン−1−イル−フェニル]−アミド;
2−(3−クロロ−フェニル)−5−メチル−2H−[1,2,3]トリアゾール−4−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
4−メチル−2−ピリジン−4−イル−チアゾール−5−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;
4−メチル−2−(4−トリフルオロメチル−フェニル)−チアゾール−5−カルボン酸[5−クロロ−2−(5−オキソ−4,5−ジヒドロ−[1,2,4]オキサジアゾール−3−イル)−4−ピペリジン−1−イル−フェニル]−アミド;
5−(シクロペンタンカルボニル−アミノ)−3−メチル−チオフェン−2−カルボン酸[5−クロロ−2−(1H−テトラゾール−5−イル)−フェニル]−アミド;又は
2,4−ジクロロ−6−[(4−メチル−2−モルホリン−4−イル−チアゾール−5−カルボニル)−アミノ]−安息香酸;
である、請求項1に記載の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体、又はその医薬として許容できる付加塩。
【請求項9】
治療有効量の、請求項1から8までのいずれか一項に記載の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体又はその医薬として許容できる付加塩若しくはそのプロドラッグを、1種又は複数の補助剤、賦形剤、担体及び/又は希釈剤と一緒に含む医薬組成物。
【請求項10】
ヒトを含む哺乳動物の、カリウムチャネルの調節に反応する疾患又は障害又は状態を治療、予防又は軽減するための医薬組成物/薬物を製造するための、請求項1から8までのいずれか一項に記載の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体又はその医薬として許容できる付加塩の使用。
【請求項11】
前記疾患、障害又は状態が、呼吸器疾患、てんかん、痙攣、発作、欠神発作、血管痙縮、冠状動脈痙縮、運動ニューロン疾患、筋波動症、腎疾患、多嚢胞性腎疾患、膀胱過剰興奮、膀胱痙縮、尿生殖器障害、尿失禁、膀胱流出阻害、勃起不全、胃腸障害、胃腸運動減弱障害、胃腸運動性機能不全、術後性腸閉塞、便秘、胃食道逆流性障害、分泌性下痢、閉塞性若しくは炎症性気道疾患、虚血、脳虚血、虚血性心疾患、狭心症、冠動脈性心疾患、運動失調、外傷性脳障害、脳卒中、パーキンソン病、双極性障害、精神病、統合失調症、自閉症、不安、気分障害、うつ病、躁うつ病、精神病性障害、認知症、学習欠陥、年令関連性記憶忘失、記憶及び注意力欠損、アルツハイマー病、筋委縮性側索硬化症(ALS)、月経困難症、睡眠発作病、睡眠障害、睡眠時無呼吸、レイノー病、間欠性跛行、シェーグレン症候群、口内乾燥症、心血管性障害、高血圧症、筋緊張性ジストロフィー、筋緊張性筋異栄養症、痙直、口内乾燥症、II型糖尿病、高インスリン血症、早産、癌、脳腫瘍、炎症性腸疾患、過敏性腸症候群、大腸炎、クローン病性腸炎、免疫抑制、聴力障害、片頭痛、疼痛、神経障害性疼痛、炎症性疼痛、三叉神経痛、視覚障害、鼻漏、高眼圧症(緑内障)又は脱毛症である、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
ヒトを含む動物の生体の、カリウムチャネルの調節に反応する疾患又は障害又は状態を治療、予防又は軽減する方法であって、それを必要とするこのような動物の生体に、治療有効量の、請求項1から8までのいずれか一項に記載の芳香族複素環式カルボン酸アミド誘導体を投与するステップを含む上記方法。


【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【公表番号】特表2010−526850(P2010−526850A)
【公表日】平成22年8月5日(2010.8.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−507894(P2010−507894)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【国際出願番号】PCT/EP2008/055803
【国際公開番号】WO2008/138917
【国際公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【出願人】(505377201)ノイロサーチ アクティーゼルスカブ (135)
【Fターム(参考)】