説明

カルボシロキサンデンドリマー構造を有する共重合体、並びに、それを含む組成物及び化粧料

【課題】他の化粧料原料との相溶性がよく、したがって、化粧料の配合安定性を向上させ、また、化粧料に良好な耐水性、耐皮脂性、光沢、触感、毛髪・皮膚への付着性等を付与し得る化粧料原料、並びに、該化粧料原料を配合してなる優れた表面保護特性、外観及び使用感を備えた化粧料を提供すること。
【解決手段】特定のカルボシロキサンデンドリマー構造及び炭素原子数14〜22の長鎖アルキル基を所定の割合で有する共重合体を化粧料原料として使用する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は化粧料に関し、特に、特定のカルボシロキサンデンドリマー構造を有する新規な共重合体、並びに、それを含む組成物及び化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ラジカル重合性基含有オルガノポリシロキサン及びラジカル重合性単量体の共重合体を化粧料用の皮膜形成剤として配合することが知られている。例えば、特許第2704730号公報では、片末端ラジカル重合性基含有ジメチルポリシロキサン及び各種アクリル酸アルキルを共重合して得られたビニル系重合体を皮膜形成剤として化粧料に配合することが提案されている。しかし、これらのビニル系重合体は化粧料に撥水性、滑り性を付与する一方、直鎖シリコーンがグラフトされているため他の化粧料原料との相溶性が低く、化粧料の配合安定性に劣り、また、形成される皮膜が十分な耐皮脂性、毛髪・皮膚への付着性を持たないという欠点があった。
【0003】
これらの問題を解決するため、カルボシロキサンデンドリマー構造を有するビニル系重合体、又は、カルボシロキサンデンドリマー構造及びフッ素化有機基の両方を有するビニル系重合体を主剤とする化粧料原料が提案されている(特開2000−63225号公報、特開2003−226611号公報参照)。しかしながら、このようなビニル系重合体であっても、耐水性、耐皮脂性等は必ずしも十分に満足できるものではなく、特に、形成される皮膜に十分な光沢を持たせることはできなかった。
【0004】
一方、特開2000−119139号公報では、片末端ラジカル重合性基含有ジメチルポリシロキサンと炭素数16〜22の長鎖アルキル基含有アクリル酸アルキルモノマーとのビニル系重合体が提案されている。しかしながら、このビニル系共重合体は、特許第2704730号公報記載の共重合体と比較して優れるもの、耐皮脂性に劣る等の問題点があり、更なる改良が求められていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第2704730号公報
【特許文献2】特開2000−63225号公報
【特許文献3】特開2003−226611号公報
【特許文献4】特開2000−119139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記の従来技術の現状に鑑みて為されたものであり、他の化粧料原料との相溶性がよく、したがって、化粧料の配合安定性を向上することができ、また、化粧料に良好な耐水性、耐皮脂性、光沢、触感、毛髪・皮膚への付着性等を付与し得る化粧料原料、並びに、該化粧料原料を配合してなる優れた表面保護特性、外観及び使用感を備えた化粧料を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の目的は、少なくとも、(A)下記式(1):
【化1】

{式中、
Zは、2価の有機基であり、
pは、0又は1であり、
1及びR2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、
1は、i=1とした場合の下記式(2)で示されるシリルアルキル基
【化2】

(式中、
Z及びpは、前記と同じであり、
1及びR2は、前記と同じであり、
iは、前記シリルアルキル基の総階層数を示す1〜10の整数であり、
i+1は、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基及び前記シリルアルキル基からなる群から選択される基であり、但し、i=c(cは前記シリルアルキル基の階層を示す1〜10の整数である)の場合は、Li+1は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、i<cの場合は前記シリルアルキル基であり、
aiは、0〜3の整数である)である}で示されるカルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体、及び
(B)炭素原子数14〜22の長鎖アルキル基を有する不飽和単量体
[但し、{(A)成分の重量/全単量体の重量}≧{(B)成分の重量/全単量体の重量}]の共重合体によって達成される。
【0008】
前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体は、一般式:
【化3】

(式中、R4は水素原子若しくはメチル基であり、R5は炭素原子数1〜10のアルキレン基である。)、若しくは、
【化4】

(式中、R4及びR5は前記と同じである。)で示されるアクリル基若しくはメタクリル基含有有機基、一般式:
【化5】

(式中、R6は水素原子若しくはメチル基であり、R7は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、R8は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、bは0〜4の整数であり、cは0又は1である。)で示されるアルケニルアリール基含有有機基、及び、炭素原子数2〜10のアルケニル基からなる群から選択される基を有することが好ましい。
【0009】
前記(B)炭素原子数14〜22の長鎖アルキル基を有する不飽和単量体は、C14〜22アルキル(メタ)アクリレートであることが好ましい。
【0010】
本発明の共重合体は、上記(A)及び(B)成分に加えて、更に、炭素原子数14〜22の長鎖アルキル基を有さない少なくとも1種の不飽和単量体を共重合して得られたものでもよい。
【0011】
そして、本発明の目的は、最終的には、上記共重合体を含む化粧料によって達成される。すなわち、上記共重合体は、化粧料の皮膜形成性成分として使用される化粧料原料として極めて好適に用いることができる。
【0012】
さらに、本発明の共重合体は、油剤に分散あるいは均一に溶解した共重合体組成物の形態で化粧品に好適に配合することができる。本発明の化粧料は、上記の共重合体組成物に由来する油剤を含むことができ、さらに、化粧料の種類もしくはその処方に応じ、所望の油剤を別途配合した化粧料であっても良い。
【0013】
前記油剤はシリコーンオイルであることができ、また、当該シリコーンオイルは、25℃における粘度が0.65〜100,000mm/sの疎水性シリコーンオイルであることができる。
【0014】
また、前記シリコーンオイルは、下記一般式(3)、(4)、又は、(5):
【化6】

(式中、
9は、水素原子、水酸基、或いは、炭素原子数1〜30の、一価の非置換若しくはフッ素若しくはアミノ置換アルキル基、アリール基、アルコキシ基及び(CH3)3SiO{(CH3)2SiO}lSi(CH3)2CH2CH2-(lは0〜1000の整数)で示される基から選択される基であり、
a’は、0〜3の整数であり、
b’は、0〜1000の整数であり、
c’は、0〜1000の整数であり、但し、1≦b’+c’≦2000である)
【化7】

(式中、
9は、上記と同様であり、
dは、0〜8の整数であり、
eは、0〜8の整数であり、但し、3≦d+e≦8である)
【化8】

(式中、
9は、上記と同様であり、
fは1〜4の整数であり、
gは0〜500の整数である)
で表されるオルガノポリシロキサンであることができる。
【0015】
本発明の化粧料は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び、半極性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含むことができる。
【0016】
本発明の化粧料は、粉体及び/又は着色剤を更に含むことができる。前記粉体は、平均粒子径が1nm〜20μmの範囲にある無機顔料粉体、有機顔料粉体、及び、樹脂粉体からなる群より選ばれる少なくとも1種であることができる。前記粉体及び/又は前記着色剤の少なくとも一部が撥水化処理されていてもよい。
【0017】
本発明の化粧料は、水溶性高分子、油溶性ゲル化剤、及び、有機変性粘土鉱物からなる群から選択される少なくとも1種を更に含むことができる。
【0018】
本発明の化粧料は、シリコーン樹脂、シリコーンエラストマー、及び、有機変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも1種を更に含むことができる。
【0019】
本発明の化粧料は、紫外線防御成分を更に含むことができる。
【0020】
本発明は、上記の化粧料を含む、スキンケア製品、毛髪製品、制汗剤製品、脱臭剤製品、メイクアップ製品、又は、紫外線防御製品にも関する。
【発明の効果】
【0021】
本発明の共重合体は、直鎖状ではなく高度に枝分かれしたデンドリマー状のシリコーンが主鎖にグラフトされており、更に、長鎖アルキル基も主鎖にグラフトされているので、他の各種の化粧料原料との相溶性がよく、したがって、化粧料の配合安定性が優れる。しかも、本発明の共重合体は、良好な耐水性、耐皮脂性、光沢、触感、毛髪・皮膚への付着性等を化粧料に付与することができる。また、本発明の共重合体は、カルボシロキサンデンドリマーのグラフト量が長鎖アルキル鎖のグラフト量以上とされているので、耐皮脂性及び光沢の点で特に優れた特性を備える皮膜を形成することができる。加えて、本発明の共重合体は上記の少なくとも2種類の疎水性官能基がグラフトされていることにより、各種油剤との相溶性に優れ、油剤との組成物として化粧料に安定して配合することができるという取り扱い上の利点を有する。
【0022】
本発明の化粧料は、上記の共重合体を含むので、耐水性、耐皮脂性、光沢、触感、毛髪・皮膚への付着性等の点で優れた表面保護特性、外観及び使用感を備えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の共重合体は、少なくとも、下記式(1):
【化9】

{式中、
Zは、2価の有機基であり、
pは、0又は1であり、
1及びR2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、
1は、i=1とした場合の下記式(2)で示されるシリルアルキル基
【化10】

(式中、
Z及びpは、前記と同じであり、
1及びR2は、前記と同じであり、
iは、前記シリルアルキル基の総階層数を示す1〜10の整数であり、1〜5が好ましく、1〜3が更により好ましく、1又は2が更により好ましく、
i+1は、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基及び前記シリルアルキル基からなる群から選択される基であり、但し、i=c(cは前記シリルアルキル基の階層を示す1〜10の整数であり、1〜5が好ましく、1〜3が更により好ましく、1又は2が更により好ましい)の場合は、Li+1は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、i<cの場合は前記シリルアルキル基であり、
aiは、0〜3の整数であり、好ましくは0〜2であり、より好ましくは0〜1であり、更により好ましくは0である)である}で示されるカルボシロキサンデンドリマー構造、及び
炭素原子数14〜22の長鎖アルキル基
を有するものであり、ビニル重合単位を主鎖とし、側鎖にカルボシロキサンデンドリマー構造と炭素原子数14〜22の長鎖アルキル基が存在している構造が好ましい。但し、前記カルボシロキサンデンドリマー構造のグラフト量(数)は前記長鎖アルキル基のグラフト量(数)以上である。
【0024】
したがって、本発明の共重合体は、前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体、及び、前記(B)長鎖アルキル基を有する不飽和単量体の共重合体である[但し、{(A)成分の重量/全単量体の重量}≧{(B)成分の重量/全単量体の重量}]。(A)成分の重量/全単量体の重量は0.4〜0.9が好ましく、0.5〜0.8がより好ましい。(B)成分の重量/全単量体の重量は0.1〜0.4未満が好ましく、0.1〜0.3が好ましく、0.1〜0.2がより好ましい。
【0025】
2価の有機基としては、特に限定されるものではないが、例えば、炭素原子数1〜30の、置換又は非置換の、及び、直鎖状又は分岐状の二価炭化水素基が挙げられる。炭素原子数1〜30の、置換又は非置換の、及び、直鎖状又は分岐状の二価炭化水素基としては、例えば、メチレン基、ジメチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基等の炭素原子数1〜30の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基;ビニレン基、アリレン基、ブテニレン基、ヘキセニレン基、オクテニレン基等の炭素原子数2〜30のアルケニレン基;フェニレン基、ジフェニレン基等の炭素原子数6〜30のアリーレン基;ジメチレンフェニレン基等の炭素原子数7〜30のアルキレンアリーレン基;及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、又は、カルビノール基、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、アミド基、オキシアルキレン基等を含む有機基で置換された基が挙げられる。二価炭化水素基は、非置換の炭素原子数1〜30の二価飽和炭化水素基であることが好ましく、炭素原子数1〜6の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基であることが好ましく、ジメチレン基が特に好ましい。
【0026】
例えば、2価の有機基は、下記
【化11】

(式中、
3は、炭素原子数1〜30の、置換又は非置換の、及び、直鎖状又は分岐状の前記二価炭化水素基であり、既述したとおり、置換基を有していてもよく、
3’は、下記式
【化12】

で表される基から選択される基である)
から選択される基であってもよい。ケイ素原子結合水素原子及びアルケニル基の反応により導入可能な一般式−R3−又は−R−R3’−で示される2価の有機基が好ましい。同様に、ケイ素原子結合水素原子及び不飽和カルボン酸官能基の反応により導入可能な一般式−R−COO−R−又は−R−COO−R3’−で示される2価の有機基も好適である。
【0027】
特に、前記Zは、炭素原子数1〜30の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキレン基であることが好ましく、ジメチレン基(エチレン基)であることが特に好ましい。
【0028】
炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等の炭素原子数1〜10の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素原子数3〜10の環状のアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基等の炭素原子数6〜10のアリール基;ベンジル基等の炭素原子数7〜10のアラルキル基;及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、又は、カルビノール基、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、アミド基、オキシアルキレン基等を含む有機基で置換された基が挙げられる。アルキル基、アリール又はアラルキル基は、非置換の炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であることが好ましく、非置換の炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、又は、フェニル基が特に好ましい。
【0029】
前記カルボシロキサンデンドリマー構造は、1つのケイ素原子から放射状に高度に枝分かれした化学構造であり、前記シリルアルキル基の総階層数を示すiは枝分かれの程度を示す。例えば、総階層数iが1で、且つ、Li+1が例えばメチル基の場合、前記カルボシロキサンデンドリマー構造は以下の構造を意味する。
【化13】

(式中、Z、p、R1及びR2は前記と同じであり、aは0〜3の整数である)
【0030】
同様に、階層iが2で、且つ、Li+1が例えばメチル基の場合、前記カルボシロキサンデンドリマー構造は以下の構造(但し、p=1とする)を意味する。
【化14】

(式中、Z、R1及びR2は前記と同じであり、a及びa2は0〜3の整数である)
【0031】
更に、階層iが3で、且つ、Li+1が例えばメチル基の場合、前記カルボシロキサンデンドリマー構造は以下の構造(但し、p=1とする)を意味する。
【化15】

(式中、Z、R1及びR2は前記と同じであり、a、a2及びa3は0〜3の整数である)
【0032】
前記カルボシロキサンデンドリマー構造としては、特に、以下のものが好ましい。
【化16】

(式中、Z及びR2は前記と同じである)
【化17】

(式中、Z及びR2は前記と同じである)
【0033】
前記カルボシロキサンデンドリマー構造を有するシリルアルキル基は、カルボシロキサン単位がデンドリマー状に広がった構造を有しているため、線状或いは単なる分岐状のポリシロキサン単位に比して、高撥水性(高耐水性)を呈する官能基である。また、前記カルボシロキサンデンドリマー構造を有するシリルアルキル基は、化学的に安定であるために幅広い化粧料用原料と組み合わせて使用することができるという有利な特性を付与する官能基である。
【0034】
前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体は、例えば、下記式(1’)
【化18】

{式中、
Yはラジカル重合可能な不飽和含有基であり、
Z、p、R1、R2、L1及びaiは前記と同じである)
で表される。
【0035】
前記不飽和含有基は、ラジカル重合可能な不飽和を有する限り限定されるものではないが、例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基等が挙げられる。
【0036】
前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体は、一般式:
【化19】

(式中、R4は水素原子若しくはメチル基であり、R5は炭素原子数1〜10のアルキレン基である。)、若しくは、
【化20】

(式中、R4及びR5は前記と同じである。)で示されるアクリル基若しくはメタクリル基含有有機基、一般式:
【化21】

(式中、R6は水素原子若しくはメチル基であり、R7は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、R8は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、bは0〜4の整数であり、cは0又は1である。)で示されるアルケニルアリール基含有有機基、及び、炭素原子数2〜10のアルケニル基からなる群から選択される基を有するものが好ましい。
【0037】
前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体としては、例えば、下記式
【化22】

【化23】

で示されるものが挙げられる。
【0038】
前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体は、例えば、特開平11―1530号公報(特願平9−171154号)に記載された分岐状シロキサン・シルアルキレン共重合体の製造方法に従って製造できる。例えば、一般式:
【化24】

(式中、Y及びR2は前記と同じである)
で示されるケイ素原子結合水素原子含有ケイ素化合物と、アルケニル基含有有機ケイ素化合物とをヒドロシリル化反応させることにより製造することができる。上式で示されるケイ素化合物としては、例えば、3−メタクリロキシプロピルトリス(ジメチルシロキシ)シラン,3−アクリロキシプロピルトリス(ジメチルシロキシ)シラン,4−ビニルフェニルトリス(ジメチルシロキシ)シランが用いられる。アルケニル基含有有機ケイ素化合物としては、例えば、ビニルトリス(トリメチルシロキシ)シラン,ビニルトリス(ジメチルフェニルシロキシ)シラン,5−ヘキセニルトリス(トリメチルシロキシ)シランが用いられる。尚、このヒドロシリル化反応は、塩化白金酸や白金ビニルシロキサン錯体等の遷移金属触媒の存在下に行うのが好ましい。
【0039】
前記(B)長鎖アルキル基を有する不飽和単量体は、本発明の共重合体に、前記カルボシロキサンデンドリマー構造を有するシリルアルキル基に加えて、長鎖アルキル基を共重合体の主鎖にグラフトするための成分である。本発明の共重合体は、成分(B)に由来する長鎖アルキル基を有するため、シリルアルキル基のみを有する共重合体に比して、他の各種の化粧料原料、特に油剤との相溶性が改善され、したがって、化粧料の配合安定性、その使用感を改善することができる。成分(B)は炭素原子数14〜22の長鎖アルキル基及びラジカル重合可能な不飽和含有基を有する限り限定されるものではない。ここで、化粧料原料としての使用感、配合安定性の見地から、成分(B)の長鎖アルキル基は、好ましくは炭素原子数15〜22であり、より好ましくは16〜22であり、更により好ましくは17〜22であり、もっとも好適には、18〜22のアルキル基である。長鎖アルキル基は、非置換の長鎖アルキル基又は炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素等のハロゲン原子、又は、カルビノール基、エポキシ基、グリシジル基、アシル基、カルボキシル基、アミノ基、メタクリル基、メルカプト基、アミド基、オキシアルキレン基等を含む有機基で置換された置換長鎖アルキル基のいずれであってもよい。炭素原子数14〜22の長鎖アルキル基は、特に限定されるものではないが、例えば、ミリスチル基、パルミチル基、ステアリル基、イソステアリル基、ベヘニル基等が挙げられる。これらの長鎖アルキル基は、特に炭化水素系の油剤、脂肪酸エステル系の油剤に含まれる疎水性のアルキル基との親和性に優れ、化粧料の使用感、配合安定性が改善される利益がある。
【0040】
ラジカル重合可能な不飽和含有基としては、不飽和結合として、分子鎖末端に炭素-炭素二重結合を有する一価炭化水素基、一価の不飽和カルボン酸から誘導される基が例示される。例えば、ビニル基、アリル基、(メタ)アクリル基、(メタ)アクリルオキシ基等が挙げられる。
【0041】
前記(B)炭素原子数14〜22の長鎖アルキル基を有する不飽和単量体は、C14〜22アルキルアクリレートまたはC14〜22アルキル(メタ)アクリレートであることが好ましい。C14〜22アルキルアクリレートとして、ミリスチルアクリレート、パルミチルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルアクリレートが挙げられる。また、C14〜22アルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ミリスチル(メタ)アクリレート、パルミチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの不飽和単量体は1種類または2種類以上の混合物として用いることができ、特定の油剤との相溶性を改善する等の機能上の目的で、2種類以上の長鎖アルキル基を主鎖にグラフトすることもできる。
【0042】
本発明の共重合体は、少なくとも、前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体、及び、前記(B)長鎖アルキル基を有する不飽和単量体を共重合することによって合成することができる。但し、本発明の共重合体は、{(A)成分の重量/全単量体の重量}≧{(B)成分の重量/全単量体の重量}の条件で重合を行う。具体的には、(A)成分の重量/全単量体の重量は0.3〜0.9が好ましく、0.35〜0.65がより好ましい。(B)成分の重量/全単量体の重量は0.02〜0.5未満が好ましく、0.05〜0.4が好ましく、0.10〜0.4がより好ましい。(A)成分の使用量が(B)成分の使用量未満では、カルボシロキサンデンドリマー構造を有するシリルアルキル基に由来する特性を十分に共重合体に付与することができない場合がある。一方、(B)成分の使用量が前記下限未満では、本発明の特徴である、カルボシロキサンデンドリマー構造を有するシリルアルキル基と長鎖アルキル基の両方が主鎖にグラフトされている構造に基づく化粧料成分との相溶性等、本発明の共重合体の有利な特性が十分に発揮されない場合がある。
【0043】
上記(A)及び(B)成分に加えて、更に、(C)炭素原子数14〜22の長鎖アルキル基を有さない少なくとも1種の不飽和単量体を共重合してもよい。本発明において、これらの(C)成分である不飽和単量体は、2種類以上の混合物であってもよく、共重合体の機能性付与等を目的として、異種の官能基を主鎖にグラフトする分子設計を行うことができる。すなわち、本発明の共重合体を得るために、2種類以上の(C)成分を使用することもでき、かつ好ましい。(C)炭素原子数14〜22の長鎖アルキル基を有さない不飽和単量体としては、例えば、アクリル酸メチル,メタクリル酸メチル,アクリル酸エチル,メタクリル酸エチル,アクリル酸n−プロピル,メタクリル酸n−プロピル,アクリル酸イソプロピル,メタクリル酸イソプロピル等の低級アルキルアクリレート若しくはメタクリレート;アクリル酸グリシジル,メタクリル酸グリシジル;アクリル酸n−ブチル,メタクリル酸n−ブチル,アクリル酸イソブチル,メタクリル酸イソブチル,アクリル酸tert−ブチル,メタクリル酸tert−ブチル,アクリル酸n−ヘキシル,メタクリル酸n−ヘキシル,アクリル酸シクロヘキシル,メタクリル酸シクロヘキシル,アクリル酸2−エチルヘキシル,メタクリル酸2−エチルヘキシル,アクリル酸オクチル,メタクリル酸オクチル,アクリル酸ラウリル,メタクリル酸ラウリル等の炭素原子数13までの高級アルキルアクリレート又はメタクリレート;酢酸ビニル,プロピオン酸ビニル等の低級脂肪酸ビニルエステル;酪酸ビニル,カプロン酸ビニル,2−エチルヘキサン酸ビニル,ラウリル酸ビニル等の炭素原子数13までの高級脂肪酸エステル;スチレン,ビニルトルエン,ベンジルアクリレート,ベンジルメタクリレート,フェノキシエチルアクリレート,フェノキシエチルメタクリレート,ビニルピロリドン等の芳香族ビニル型単量体;ジメチルアミノエチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチルアミノエチルアクリレート、ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基含有ビニル系単量体;アクリルアミド,メタクリルアミド,N−メチロールアクリルアミド,N−メチロールメタクリルアミド,N−メトキシメチルアクリルアミド,N−メトキシメチルメタクリルアミド,イソブトキシメトキシアクリルアミド,イソブトキシメトキシメタクリルアミド,N,N−ジメチルアクリルアミド,N,N−ジメチルメタクリルアミド等のアミド基含有ビニル型単量体;アクリル酸ヒドロキシエチル,メタクリル酸ヒドロキシエチル,アクリル酸ヒドロキシプロピルアルコール,メタクリル酸ヒドロキシプロピルアルコール等の水酸基含有ビニル型単量体;アクリル酸,メタクリル酸,イタコン酸,クロトン酸,フマル酸,マレイン酸等のカルボン酸含有ビニル型単量体;テトラヒドロフルフリルアクリレート,テトラヒドロフルフリルメタクリレート,ブトキシエチルアクリレート,ブトキシエチルメタクリレート,エトキシジエチレングリコールアクリレート,エトキシジエチレングリコールメタクリレート,ポリエチレングリコールアクリレート,ポリエチレングリコールメタクリレート,ポリプロピレングリコールモノアクリレート,ポリプロピレングリコールモノメタクリレート,ヒドロキシブチルビニルエーテル,セチルビニルエーテル,2ーエチルヘキシルビニルエーテル等のエーテル結合含有ビニル型単量体;アクリロキシプロピルトリメトキシシラン,メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン,片末端にアクリル基若しくはメタクリル基を含有するポリジメチルシロキサン,片末端にアルケニルアリール基を含有するポリジメチルシロキサン等の不飽和基含有シリコ−ン化合物;ブタジエン;塩化ビニル;塩化ビニリデン;アクリロニトリル,メタクリロニトリル;フマル酸ジブチル;無水マレイン酸;ドデシル無水コハク酸;アクリルグリシジルエーテル,メタクリルグリシジルエーテル,3,4−エポキシシクロヘキシルメチルアクリレート,3,4−エポキシシクロヘキシルメチルメタクリレート:アクリル酸,メタクリル酸,イタコン酸,クロトン酸,フマル酸,マレイン酸等のラジカル重合性不飽和カルボン酸のアルカリ金属塩,アンモニウム塩,有機アミン塩,スチレンスルホン酸のようなスルホン酸基を有するラジカル重合性不飽和単量体及びそれらのアルカリ金属塩,アンモニウム塩,有機アミン塩;2−ヒドロキシ−3−メタクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライドのようなアクリル酸若しくはメタクリル酸から誘導される4級アンモニウム塩,メタクリル酸ジエチルアミンエステルのような3級アミン基を有するアルコールのメタクリル酸エステル及びそれらの4級アンモニウム塩が例示される。
【0044】
また、多官能ビニル系単量体も使用可能であり、例えば、トリメチロールプロパントリアクリレート,トリメチロールプロパントリメタクリレート,ペンタエリスリトールトリアクリレート,ペンタエリスリトールトリメタクリレート,エチレングリコールジアクリレート,エチレングリコールジメタクリレート,テトラエチレングリコールジアクリレート,テトラエチレングリコールジメタクリレート,ポリエチレングリコールジアクリレート,ポリエチレングリコールジメタクリレート,1,4−ブタンジオールジアクリレート,1,4−ブタンジオールジメタクリレート,1,6−ヘキサンジオールジアクリレート,1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート,ネオペンチルグリコールジアクリレート,ネオペンチルグリコールジメタクリレート,トリメチロールプロパントリオキシエチルアクリレート,トリメチロールプロパントリオキシエチルメタクリレート,トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジアクリレート,トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジメタクリレート,トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート,トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリメタクリレート,分子鎖両末端アルケニルアリール基封鎖ポリジメチルシロキサン等の不飽和基含有シリコ−ン化合物が例示される。
【0045】
更に、炭素原子数14〜22の長鎖アルキル基を有さないフッ素化有機基を含有するビニル系単量体を使用してもよい。前記フッ素化有機基を含有するビニル系単量体は、一般式:CH2=CR15COORfで表されるものが好ましい。式中、R15は水素原子又はメチル基であり、Rfはフッ素化有機基であり、前記したようなフルオロアルキル基やフルオロアルキルオキシフルオロアルキレン基が挙げられる。このような(A)成分として具体的には、下記式で示される化合物が挙げられる。下式中、zは1〜4の整数である。
CH2=CCH3COO-CF3、CH2=CCH3COO-C2F5、CH2=CCH3COO-nC3F7、CH2=CCH3COO-CF(CF3)2、CH2=CCH3COO-nC4F9、CH2=CCH3COO-CF2CF(CF3)2、CH2=CCH3COO-nC5F11、CH2=CCH3COO-nC6F13、CH2=CCH3COO-nC8F17、CH2=CCH3COO-CH2CF3、CH2=CCH3COO-CH(CF3)2、CH2=CCH3COO-CH2CH(CF3)2、CH2=CCH3COO-CH2(CF2)2F、CH2=CCH3COO-CH2(CF2)3F、CH2=CCH3COO-CH2(CF2)4F、CH2=CCH3COO-CH2(CF2)6F、CH2=CCH3COO-CH2(CF2)8F、CH2=CCH3COO-CH2CH2CF3、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)2F、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)3F、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)4F、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)6F、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)8F、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)10F 、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)12F 、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)14F 、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)16F 、CH2=CCH3COO-CH2CH2CH2CF3 、CH2=CCH3COO-CH2CH2CH2(CF2)2F 、CH2=CCH3COO-CH2CH2CH2(CF2)2H 、CH2=CCH3COO-CH2(CF2)4H 、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)3H、CH2=CCH3COO-CH2CH2CF(CF3)-[OCF2CF(CF3)]z-OC3F7、CH2=CCH3COO-CH2CH2CF2CF2-[OCF2CF(CF3)]z-OC3F7CH2=CHCOO-CF3、CH2=CHCOO-C2F5、CH2=CHCOO-nC3F7、CH2=CHCOO-CF(CF3)2、CH2=CHCOO-nC4F9、CH2=CHCOO-CF2CF(CF3)2、CH2=CHCOO-nC5F11、CH2=CHCOO-nC6F13、CH2=CHCOO-nC8F17、CH2=CHCOO-CH2CF3、CH2=CHCOO-CH(CF3)2、CH2=CHCOO-CH2CH(CF3)2、CH2=CHCOO-CH2(CF2)2F、CH2=CHCOO-CH2(CF2)3F、CH2=CHCOO-CH2(CF2)4F、CH2=CHCOO-CH2(CF2)6F、CH2=CHCOO-CH2(CF2)8F、CH2=CHCOO-CH2CH2CF3、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)2F、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)3F、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)4F、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)6F、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)8F、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)10F 、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)12F 、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)14F 、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)16F 、CH2=CHCOO-CH2CH2CH2CF3 、CH2=CHCOO-CH2CH2CH2(CF2)2F 、CH2=CHCOO-CH2CH2CH2(CF2)2H 、CH2=CHCOO-CH2(CF2)4H 、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)3H、CH2=CHCOO-CH2CH2CF(CF3)-[OCF2CF(CF3)]z-OC3F7、CH2=CHCOO-CH2CH2CF2CF2-[OCF2CF(CF3)]z-OC3F7。これらの中でも、下記式で示されるビニル単量体が好ましい。CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)6F、CH2=CHCOO-CH2CH2(CF2)8F、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)6F、CH2=CCH3COO-CH2CH2(CF2)8F、CH2=CHCOO-CH2CF3、CH2=CCH3COO-CH2CF3。特に、下記式で示されるビニル単量体がより好ましい。CH2=CHCOO-CH2CF3、CH2=CCH3COO-CH2CF3
【0046】
「(C)成分の重量/共重合体を構成する全単量体の重量」は0.05〜0.65が好ましく、0.1〜0.60がより好ましい。(C)成分の使用量が前記上限を超えると、本発明の共重合体に特徴的なカルボシロキサンデンドリマー構造を有するシリルアルキル基および長鎖アルキル基の共重合体の主鎖へのグラフト量が不十分となり、所望の特性を実現できない場合がある。
【0047】
特に、本発明の共重合体は、前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体、(B)炭素原子数14〜22の長鎖アルキル基を有する不飽和単量体 および(C)炭素原子数14〜22の長鎖アルキル基を有さない少なくとも1種の不飽和単量体を{(A)成分の重量/全単量体の重量}:{(B)成分の重量/全単量体の重量}:{(C)成分の重量/全単量体の重量}が、[0.3〜0.9:0.05〜0.4:0.05〜0.65]の範囲であり、かつ{(A)成分の重量/全単量体の重量}≧{(B)成分の重量/全単量体の重量}の条件を満たす重量比で共重合して得られることが好ましく、上記の重量比が、[0.35〜0.65:0.05〜0.4:0.10〜0.60]の範囲であり、かつ{(A)成分の重量/全単量体の重量}≧{(B)成分の重量/全単量体の重量}の条件を満たす共重合体が特に好ましい。かかる重合比で得られた共重合体は、カルボシロキサンデンドリマー構造を有するシリルアルキル基および長鎖アルキル基が主鎖に所定の比率でグラフトされているため、本発明の共重合体として、特に好適に使用することができる。
【0048】
共重合方法としては、ラジカル重合法やイオン重合法が使用されるが、中でもラジカル重合法が好ましく、特に溶液重合法が好適に使用される。この溶液重合は、溶媒中で、上記各不飽和単量体をラジカル開始剤の存在下に50〜150℃の温度条件下で3〜20時間反応させることにより行われる。このとき用いる溶媒としては、ヘキサン,オクタン,デカン,シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素;ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族炭化水素;ジエチルエーテル,ジブチルエーテル,テトラヒドロフラン,ジオキサン等のエーテル類;アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン,ジイソブチルケトン等のケトン類;酢酸メチル,酢酸エチル,酢酸ブチル,酢酸イソブチル等のエステル類;メタノール,エタノール,イソプロピルアルコール,ブタノール等のアルコール類;オクタメチルシクロテトラシロキサン,デカメチルシクロペンタシロキサン,ヘキサメチルジシロキサン,オクタメチルトリシロキサン等のオルガノシロキサンオリゴマーが例示される。ラジカル開始剤としては、一般にラジカル重合法に使用される従来公知の化合物が用いられ、具体的には、2,2'−アゾビス(イソブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、ジメチル-2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)等のアゾビス系化合物;過酸化ベンゾイル,過酸化ラウロイル,tert−ブチルパーオキシベンゾエート,tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の有機過酸化物が例示される。このラジカル開始剤は1種を単独で使用してもよく、2種類以上を混合して使用してもよい。ラジカル開始剤の使用量は、上記(A)成分〜(C)成分の合計100重量部に対して0.1〜5重量部の範囲であることが好ましい。また、重合時には連鎖移動剤を添加することができる。この連鎖移動剤として具体的には、2−メルカプトエタノール,ブチルメルカプタン,n−ドデシルメルカプタン,3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン,メルカプトプロピル基を有するポリジメチルシロキサン等のメルカプト化合物;塩化メチレン,クロロホルム,四塩化炭素,臭化ブチル,3−クロロプロピルトリメトキシシラン等のハロゲン化物が挙げられる。
【0049】
なお、重合後は、加熱下で減圧処理することにより、残存する未反応のビニル系単量体を除去する方法、もしくは水素化触媒の存在下、無溶媒もしくは溶媒中で水素添加反応による無臭化処理を行い、減圧下に窒素ガスを接触させて、軽質物を留去する方法を用いて精製することができる。特に、臭気の低減および他の化粧料成分との相溶性が求められる外用剤用途で使用する場合にはかかる精製品が好ましく用いられる。かかる水素添加反応、ストリッピング工程は、公知のオルガノポリシロキサン共重合体の精製に用いられる溶媒、反応条件、減圧条件等を特に制限なく用いることができ、また選択することができる。
【0050】
なお、ビニル系重合体の皮膚や毛髪への付着性をより一層向上させたり、使用後に適度な洗浄性を付与する目的で、(C)成分の一部にジメチルアミノエチルアクリレート,ジメチルアミノエチルメタクリレート,ジエチルアミノエチルアクリレート,ジエチルアミノエチルメタクリレート等のアミノ基含有ビニル系単量体を用いて該ビニル系重合体の側鎖にアミノ基を導入し、次いでこれを、モノクロロ酢酸のカリウム塩,モノクロロ酢酸のアンモニウム塩,モノクロロ酢酸のアミノメチルプロパノール塩,モノブロモ酢酸のトリエタノールアミン塩,モノクロロプロピオン酸のナトリウム塩等のハロゲン化脂肪酸のアルカリ金属塩,アンモニウム塩又はアミン塩で変性したり、(C)成分の一部にアクリル酸,メタクリル酸,イタコン酸,クロトン酸,フマル酸,マレイン酸等のカルボン酸含有ビニル型単量体を用いて該ビニル系重合体の側鎖にカルボン酸基を導入し、次いでこれを、トリエチルアミン,ジエチルアミン,トリエタノールアミン等のアミンにより中和してもよい。
【0051】
本発明の共重合体の数平均分子量は、化粧料への配合のしやすさから、3,000〜2,000,000であることが好ましく、5,000〜800,000であることがより好ましい。またその性状は、液状,ガム状,ペースト状,固体状,粉体状が例示される。化粧料に配合する際には、溶媒で希釈した溶液や分散液或いは粉体状の形態であることが好ましい。特に、油剤により本発明の共重合体を希釈してなる共重合体組成物の形態で化粧料に配合することが好適である。
【0052】
本発明の共重合体は、皮膜形成性を備えており、化粧料用の原料として好適である。したがって、本発明の共重合体は、好ましくは、化粧料に配合することができる。
【0053】
本発明の化粧料中の前記共重合体の配合量は特に限定されるものではなく、本発明の化粧料は、例えば、化粧料の全質量を基準にして1〜99重量%の前記共重合体を含むことができる。具体的には、前記共重合体の配合量は、化粧料の種類に応じて、例えば、10〜90重量%、20〜80重量%、30〜70重量%の範囲で適宜変更することができる。
【0054】
本発明の化粧料は、油剤を更に含んでもよい。油剤としては、化粧料一般に使用される動物油、植物油、合成油等が挙げられる。前記油剤は、疎水性であれば、起源を問わず、固形、半固形、液体のいずれでもよく、不揮発性、半揮発性、揮発性のいずれでもよい。油剤は、肌や毛髪に潤滑性を付与し、肌を柔軟にし、しっとり感を付与するために用いられる。また、油剤は、本発明の共重合体を希釈して共重合体組成物を得る目的でも使用することができ、特に、5〜100℃で液状であり、シリコーンオイル、炭化水素油及び脂肪酸エステル油から選択される少なくとも1種が好適に例示される。これらの油剤は、上記共重合体組成物と同時に、本発明の化粧料に配合されるものである。
【0055】
本発明の共重合体は、特に上記油剤との相溶性に優れ、長期間に亘って均一な共重合体組成物を得ることができる。かかる組成物は、そのまま化粧料に配合することができ、その取り扱い性、保存安定性の点から、化粧料の原料として極めて有用である。具体的には、本発明の共重合体 100質量部 および 油剤 5〜1000質量部、好ましくは50〜500質量部、より好ましくは100〜400質量部からなる共重合体組成物が好適に使用できる。なお、油剤により本発明の共重合体を希釈して共重合体組成物を得る場合、重合反応後に溶媒と未反応の単量体を除去した共重合体を機械力を用いて油剤中に均一分散させてもよく、重合反応時の揮発性溶媒を上記油剤により置換しても良い。
【0056】
前記油剤としては、シリコーンオイル類が好ましい。シリコーンオイル類は、油剤である以上疎水性であり、その分子構造は、環状、直鎖状、分岐状のいずれであってもよい。シリコーンオイル類の25℃における粘度は、通常、0.65〜100,000mm/sの範囲であり、0.65〜10,000mm/sの範囲が好ましい。
【0057】
前記シリコーンオイル類としては、具体的には、環状オルガノポリシロキサン;直鎖状オルガノポリシロキサン、分岐状オルガノポリシロキサンが挙げられる。これらの中でも、揮発性の、直鎖状オルガノポリシロキサン、分岐状オルガノポリシロキサン及び環状オルガノポリシロキサンが好ましい。
【0058】
前記シリコーンオイル類としては、例えば、下記一般式(3)、(4)、又は、(5):
【化25】

(式中、
9は、水素原子、水酸基、或いは、炭素原子数1〜30の、一価の非置換若しくはフッ素若しくはアミノ置換アルキル基、アリール基、アルコキシ基及び(CH3)3SiO{(CH3)2SiO}lSi(CH3)2CH2CH2-(lは0〜1000の整数)で示される基から選択される基であり、
a’は、0〜3の整数であり、
b’は、0〜1000の整数であり、
c’は、0〜1000の整数であり、但し、1≦b’+c’≦2000である)
【化26】

(式中、
9は、上記と同様であり、
dは、0〜8の整数であり、
eは、0〜8の整数であり、但し、3≦d+e≦8である)
【化27】

(式中、
9は、上記と同様であり、
fは1〜4の整数であり、
gは0〜500の整数である)
で表されるオルガノポリシロキサン
を使用することができる。
【0059】
炭素原子数1〜30の、一価の非置換若しくはフッ素若しくはアミノ置換アルキル基、アリール基、及び、アルコキシ基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等の炭素原子数1〜30の直鎖状若しくは分岐鎖状のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素原子数3〜30のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等の炭素原子数6〜30のアリール基;メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基等の炭素原子数1〜30のアルコキシ基;及び、これらの基の炭素原子に結合した水素原子が少なくとも部分的にフッ素又はアミノ基で置換された基が挙げられる。非置換のアルキル基又はアリール基であることが好ましく、非置換の炭素原子数1〜6のアルキル基又はアリール基であることがより好ましく、メチル基、エチル基、又は、フェニル基が特に好ましい。
【0060】
より具体的には、これらの構造を有するシリコーンオイルとして具体的には、環状オルガノポリシロキサンとしてヘキサメチルシクロトリシロキサン(D3)、オクタメチルシクロテトラシロキサン(D4)、デカメチルシクロペンタシロキサン(D5)、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン(D6)、1,1−ジエチルヘキサメチルシクロテトラシロキサン、フェニルヘプタメチルシクロテトラシロキサン、1、1−ジフェニルヘキサメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラシクロヘキシルテトラメチルシクロテトラシロキサン、トリス(3,3,3−トリフルオロプロピル)トリメチルシクロトリシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−メタクリロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−アクリロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−カルボキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(3−ビニロキシプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(p−ビニルフェニル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ[3−(p−ビニルフェニル)プロピル]テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N−アクリロイル−N−メチル−3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン、1,3,5,7−テトラ(N,N−ビス(ラウロイル)−3−アミノプロピル)テトラメチルシクロテトラシロキサン等が例示される。
【0061】
直鎖状オルガノポリシロキサンとしては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン(2cstや6cst等低粘度〜100万cst等高粘度のジメチルシリコーン)、オルガノハイドロジェンポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルフェニルポリシロキサン,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合体,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジフェニルポリシロキサン,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・ジフェニルシロキサン共重合体,トリメチルペンタフェニルトリシロキサン、フェニル(トリメチルシロキシ)シロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルアルキルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン・メチルアルキルシロキサン共重合体,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチル(3,3,3−トリフルオロプロピル)シロキサン共重合体、α,ω−ジヒドロキシポリジメチルシロキサン、α,ω−ジエトキシポリジメチルシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−オクチルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−ドデシルトリシロキサン、1,1,1,3,5,5,5−ヘプタメチル−3−ヘキサデシルトリシロキサン、トリストリメチルシロキシメチルシラン、トリストリメチルシロキシアルキルシラン、テトラキストリメチルシロキシシラン、テトラメチル−1,3−ジヒドロキシジシロキサン、オクタメチル−1,7−ジヒドロキシテトラシロキサン、ヘキサメチル−1,5−ジエトキシトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、高級アルコキシ変性シリコーン、高級脂肪酸変性シリコーン等が例示される。
【0062】
分岐状オルガノポリシロキサンとしては、メチルトリストリメチルシロキシシラン、エチルトリストリメチルシロキシシラン、プロピルトリストリメチルシロキシシラン、テトラキストリメチルシロキシシラン、フェニルトリストリメチルシロキシシラン等が挙げられる。
【0063】
本発明の化粧料に、これらのシリコーンオイルの少なくとも一種を含有せしめると、その経日安定性を改善でき、シリコーンオイル特有のさっぱりとした感触を実現することができる。
【0064】
シリコーンオイル類以外の油剤は5〜100℃で液状であることが好ましい。シリコーンオイル以外の油剤としては、炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油が好ましい。これらは単独でもよいが、前記シリコーンオイルとの併用が好ましい。炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油を前記シリコーンオイルと併用することにより、シリコーンオイル特有のさっぱりとした感触に加えて、肌上の水分を保持し、化粧料に肌や毛髪が潤うような保湿感(「しっとりした感触」ともいう)や滑らかな感触を付与することができ、しかも、化粧料の経日安定性を損なわないという利点がある。さらに、炭化水素油及び/又は脂肪酸エステル油と前記シリコーンオイルを含有する化粧料は、これらの保湿成分を肌上又は毛髪上により安定かつ均一な状態で塗布することができ、保湿成分の肌上の保湿効果が向上しており、シリコーンオイル以外の油剤(炭化水素油や脂肪酸エステル油)のみを含む化粧料に比して、より滑らかでしっとりした感触を付与するという利点がある。
【0065】
炭化水素油としては、流動パラフィン,軽質流動イソパラフィン、重質流動イソパラフィン,ワセリン,n−パラフィン,イソパラフィン,イソドデカン、イソヘキサデカン、ポリイソブチレン、水素化ポリイソブチレン、ポリブテン,オゾケライト,セレシン,マイクロクリスタリンワックス,パラフィンワックス、ポリエチレンワックス、ポリエチレン・ポリピロピレンワックス、スクワラン,スクワレン、プリスタン,ポリイソプレン等が例示される。
【0066】
脂肪酸エステル油としては、オクタン酸ヘキシルデシル、オクタン酸セチル,ミリスチン酸イソプロピル,パルミチン酸イソプロピル,ステアリン酸ブチル,ラウリン酸ヘキシル,ミリスチン酸ミリスチル,オレイン酸オレイル,オレイン酸デシル,ミリスチン酸オクチルドデシル,ジメチルオクタン酸ヘキシルデシル,乳酸セチル,乳酸ミリスチル,フタル酸ジエチル,フタル酸ジブチル,酢酸ラノリン,モノステアリン酸エチレングリコール,モノステアリン酸プロピレングリコール,ジオイレイン酸プロピレングリコール,モノステアリン酸グリセリル,モノオレイン酸グリセリル,トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル,トリ2−エチルヘキサン酸トリメチロールプロパン、トリエチルヘキサン酸ジトリメチロールプロパン、(イソステアリン酸/セバシン酸)ジトリメチロールプロパン、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソブチル、アジピン酸2−ヘキシルデシル、アジピン酸ジ−2−ヘプチルウンデシル、リンゴ酸ジイソステアリル、モノイソステアリン酸水添ヒマシ油、モノイソステアリン酸N−アルキルグリコール、イソステアリン酸オクチルドデシル、イソステアリン酸イソプロピル、イソステアリン酸イソセチル、ジ−2−エチルヘキサン酸エチレングリコール、2−エチルヘキサン酸セチル、テトラ−2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリトール、オクチルドデシルガムエステル、オレイン酸エチル、オレイン酸オクチルドデシル、ジカプリン酸ネオペンチルグリコール、クエン酸トリエチル、コハク酸2−エチルヘキシル、コハク酸ジオクチル、ステアリン酸イソセチル、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジ−2−エチルヘキシル、セバシン酸ジエチル、セバシン酸ジオクチル、セバシン酸ジブチルオクチル、パリミチン酸セチル、パルミチン酸オクチルドデシル、パルミチン酸オクチル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、パルミチン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−ヘプチルウンデシル、12−ヒドロキシステアリル酸コレステリル、ジペンタエリスリトール脂肪酸エステル、ミリスチン酸2−ヘキシルデシル、ラウリン酸エチル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸−2−オクチルドデシルエステル、N − ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/ベヘニル/
オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/ベヘニル/オクチルドデシル) 、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、N−ラウロイルサルコシンイソプロピル、リンゴ酸ジイソステアリル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、ネオペンタン酸イソデシル、ネオペンタン酸イソトリデシル、ネオペンタン酸イソステアリル、イソノナン酸イソノニル、イソノナン酸イソトリデシル、イソノナン酸オクチル、イソノナン酸イソトリデシル、ジネオペンタン酸ジエチルペンタンジオール、ジネオペンタン酸メチルペンタンジオール、ネオデカン酸オクチルドデシル、ジオクタン酸2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、テトラオクタン酸ペンタエリスリチル、水素添加ロジンペンタエリスリチル、トリエチルヘキサン酸ペンタエリスリチル、(ヒドロキシステアリン酸/ステアリン酸/ロジン酸)ジペンタエリスリチル、テトライソステアリン酸ポリグリセリル、ノナイソステアリン酸ポリグリセリル−10 、デカ( エルカ酸/イソステアリン酸/リシノレイン酸)ポリグリセリル−8、(ヘキシルデカン酸/セバシン酸)ジグリセリルオリゴエステル、ジステアリン酸グリコール(ジステアリン酸エチレングリコール)、ダイマージリノール酸ジイソプロピル、ダイマージリノール酸ジイソステアリル、ダイマージリール酸ジ(イソステアリル/フィトステリル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸(フィトステリル/ イソステアリル/セチル/ステアリル/ベヘニル)、ダイマージリノール酸ダイマージリノレイル、ジイソステアリン酸ダイマージリノレイル、ダイマージリノレイル水添ロジン縮合物、ダイマージリノール酸硬化ヒマシ油、ヒドロキシアルキルダイマージリノレイルエーテル、トリイソオクタン酸グリセリル、トリイソステアリン酸グリセリル、トリミリスチン酸グリセリル、トリイソパルミチン酸グリセリル、トリオクタン酸グリセリル、トリオレイン酸グリセリル、ジイソステアリン酸グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸)グリセリル、トリ(カプリル酸/カプリン酸/ミリスチン酸/ステアリン酸) グリセリル、水添ロジントリグリセリド(水素添加エステルガム
)、ロジントリグリセリド(エステルガム)、ベヘン酸エイコサン二酸グリセリル、ジ−2−ヘプチルウンデカン酸グリセリル、ミリスチン酸イソステアリン酸ジグリセリル、酢酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、ステアリン酸コレステリル、イソステアリン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、12−ヒドロキシステアリン酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸コレステリル、マカデミアナッツ油脂肪酸フィトステリル、イソステアリン酸フィトステリル、軟質ラノリン脂肪酸コレステリル、硬質ラノリン脂肪酸コレステリル、長鎖分岐脂肪酸コレステリル、長鎖α−ヒドロキシ脂肪酸コレステリル、リシノレイン酸オクチルドデシル、ラノリン脂肪酸オクチルドデシル、エルカ酸オクチルドデシル、イソステアリン酸硬化ヒマシ油、アボカド油脂肪酸エチル、ラノリン脂肪酸イソプロピル等が例示される。
【0067】
上記以外にも、油脂類、高級アルコール、高級脂肪酸、フッ素系油等を油剤として使用してもよく、また、これら2種類以上を併用してもよい。例えば、下記に表される油剤の2種以上を併用してもよい。以下、本発明に用いることができるシリコーンオイル類、炭化水素油、及び、脂肪酸エステル油以外の油剤をより具体的に例示する。
【0068】
油脂としては、天然動植物油脂類及び半合成油脂として、アボガド油、アマニ油、アーモンド油、イボタロウ、エノ油、オリーブ油、カカオ脂、カポックロウ、カヤ油、カルナウバロウ、肝油、キャンデリラロウ、牛脂、牛脚脂、牛骨脂、硬化牛脂、キョウニン油、鯨ロウ、硬化油、小麦胚芽油、ゴマ油、コメ胚芽油、コメヌカ油、サトウキビロウ、サザンカ油、サフラワー油、シアバター、シナギリ油、シナモン油、ジョジョバロウ、オリーブスクワラン、セラックロウ、タートル油、大豆油、茶実油、ツバキ油、月見草油、トウモロコシ油、豚脂、ナタネ油、日本キリ油、ヌカロウ、胚芽油、馬脂、パーシック油、パーム油、パーム核油、ヒマシ油、硬化ヒマシ油、ヒマシ油脂肪酸メチルエステル、ヒマワリ油、ブドウ油、ベイベリーロウ、ホホバ油、水添ホホバエステル、マカデミアナッツ油、ミツロウ、ミンク油、綿実油、綿ロウ、モクロウ、モクロウ核油、モンタンロウ、ヤシ油、硬化ヤシ油、トリヤシ油脂肪酸グリセライド、羊脂、落花生油、ラノリン、液状ラノリン、還元ラノリン、ラノリンアルコール、硬質ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、POEラノリンアルコールエーテル、POEラノリンアルコールアセテート、ラノリン脂肪酸ポリエチレングリコール、POE水素添加ラノリンアルコールエーテル、卵黄油等が挙げられる。但し、POE はポリオキシエチレンを意味する。
【0069】
高級アルコールとしては、例えば、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、パルミチルアルコール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、ヘキサデシルアルコール、オレイルアルコール、イソステアリルアルコール、ヘキシルドデカノール、オクチルドデカノール、セトステアリルアルコール、2−デシルテトラデシノール、コレステロール、シトステロール、フィトステロール、ラノステロール、POEコレステロールエーテル、モノステアリルグリセリンエーテル(バチルアルコール) 、モノオレイルグリセリルエーテル(セラキルアルコール)等が挙げられる。
【0070】
高級脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、ウンデシレン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)、イソステアリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸等が挙げられる。
【0071】
フッ素系油としては、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカリン、パーフルオロオクタン等が挙げられる。
【0072】
本発明の化粧料は、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び、半極性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種又は2種類以上の界面活性剤を併用することができる。
【0073】
以下に具体的に例示すると、アニオン性界面活性剤として、飽和または不飽和脂肪酸塩(例えば、ラウリン酸ナトリウム,ステアリン酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,リノレン酸ナトリウム等),アルキル硫酸塩,アルキルベンゼンスルホン酸(例えば、ヘキシルベンゼンスルホン酸,トクチルベンゼンスルホン酸,ドデシルベンゼンスルホン酸等)およびその塩,ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩,ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩,ポリオキシエチレンアルキル硫酸エステル塩,スルホコハク酸アルキルエステル塩,ポリオキシアルキレンスルホコハク酸アルキルエステル塩,ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩,アルカンスルホン酸塩,オクチルトリメチルアンモニウムヒドロキシド,ドデシルトリメチルアンモニウムヒドロキシド,アルキルスルホネート,ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩,ポリオキシアルキレンアルキルエーテル酢酸塩,アルキルリン酸塩,ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩,アシルグルタミン酸塩,α−アシルスルホン酸塩、アルキルスルホン酸塩、アルキルアリルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、アルキルまたはアルケニル硫酸塩、アルキルアミド硫酸塩、アルキルまたはアルケニルリン酸塩、アルキルアミドリン酸塩、アルキロイルアルキルタウリン塩、N−アシルアミノ酸塩、スルホコハク酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アミドエーテルカルボン酸塩、α−スルホ脂肪酸エステル塩、アラニン誘導体、グリシン誘導体、アルギニン誘導体が例示される。塩としてはナトリウム塩等のアルカリ金属塩、マグネシウム塩等のアルカリ土類金属塩、トリエタノールアミン塩等のアルカノールアミン塩、さらにはアンモニウム塩が挙げられる。
【0074】
カチオン性界面活性剤として、塩化アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化セチルトリメチルアンモニウム、塩化牛脂アルキルトリメチルアンモニウム、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、塩化ジココイルジメチルアンモニウム、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、塩化ジ(POE)オレイルメチルアンモニウム(2EO)、塩化ベンザルコニウム、塩化アルキルベンザルコニウム,塩化アルキルジメチルベンザルコニウム,塩化ベンゼトニウム,塩化ステアリルジメチルベンジルアンモニウム、ラノリン誘導四級アンモニウム塩、ステアリン酸ジエチルアミノエチルアミド、ステアリン酸ジメチルアミノプロピルアミド、塩化ベヘニン酸アミドプロピルジメチルヒドロキシプロピルアンモニウム、塩化ステアロイルコラミノホルミルメチルピリジニウム、塩化セチルピリジニウム、塩化トール油アルキルベンジルヒドロキシエチルイミダゾリニウム、ベンジルアンモニウム塩が例示される。
【0075】
ノニオン性界面活性剤として、ポリオキシアルキレンエーテル類,ポリオキシアルキレンアルキルエーテル類,ポリオキシアルキレン脂肪酸エステル類,ポリオキシアルキレン脂肪酸ジエステル類,ポリオキシアルキレン樹脂酸エステル類,ポリオキシアルキレン(硬化)ヒマシ油類,ポリオキシアルキレンアルキルフェノール類,ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル類,ポリオキシアルキレンフェニルフェニルエーテル類,ポリオキシアルキレンアルキルエステル類,ポリオキシアルキレンアルキルエステル類,ソルビタン脂肪酸エステル,ポリオキシアルキレンソルビタンアルキルエステル類,ポリオキシアルキレンソルビタン脂肪酸エステル類,ポリオキシアルキレンソルビット脂肪酸エステル類,ポリオキシアルキレングリセリン脂肪酸エステル類,ポリグリセリンアルキルエーテル類,ポリグリセリン脂肪酸エステル類,ショ糖脂肪酸エステル類,脂肪酸アルカノールアミド,アルキルグルコシド類,ポリオキシアルキレン脂肪酸ビスフェニルエーテル類,ポリプロピレングリコール,ジエチレングリコール,ポリオキシアルキレン変性シリコーン,ポリグリセリル変性シリコーン,グリセリル変性シリコーン,糖変性シリコーン,フッ素系界面活性剤,ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマー,アルキルポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックポリマーエーテルが例示される。
【0076】
両性界面活性剤としてイミダゾリン型、アミドベタイン型、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、アルキルスルホベタイン型、アミドスルホベタイン型、ヒドロキシスルホベタイン型、カルボベタイン型、ホスホベタイン型、アミノカルボン酸型、アミドアミノ酸型両性界面活性剤が例示される。具体的には、2−ウンデシル−N,N,N−(ヒドロキシエチルカルボキシメチル)−2−イミダゾリンナトリウム、2−ココイル−2−イミタゾリニウムヒドロキサイド−1−カルボキシエチロキシ2ナトリウム塩等のイミダゾリン型両性界面活性剤;ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ミリスチルベタイン等のアルキルベタイン型両性界面活性剤;ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、パーム核油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、牛脂脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、硬化牛脂脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン 、オレイン酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン等のアミドベタイン型両性界面活性剤;ヤシ油脂肪酸ジメチルスルホプロピルベタイン等のアルキルスルホベタイン型両性界面活性剤;ラウリルジメチルアミノヒドロキシスルホベタイン等のアルキルヒドロキシスルホベタイン型両性界面活性剤;ラウリルヒドロキシホスホベタイン等のホスホベタイン型両性界面活性剤;N−ラウロイル−N’−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N−オレオイル−N’−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N−ココイル−N’−ヒドロキシエチル−N’−カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N−ラウロイル−N’−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチルエチレンジアミンカリウム、N−オレオイル−N’−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチルエチレンジアミンカリウム、N−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N−オレオイル−N−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチルエチレン
ジアミンナトリウム、N−ココイル−N−ヒドロキシエチル− N’−カルボキシメチルエチレンジアミンナトリウム、N−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル− N’, N’−ジカルボキシメチルエチレンジアミンモノナトリウム、N−オレオイル−N−ヒドロキシエチル− N’, N’−ジカルボキシメチルエチレンジアミンモノナトリウム、N−ココイル−N−ヒドロキシエチル−N’, N’−ジカルボキシメチルエチレンジアミンモノナトリウム、N−ラウロイル−N−ヒドロキシエチル− N’, N’−ジカルボキシメチルエチレンジアミンジナトリウム、N−オレオイル−N−ヒドロキシエチル− N’, N’−ジカルボキシメチルエチレンジアミンジナトリウム、N−ココイル−N−ヒドロキシエチル− N’, N’−ジカルボキシメチルエチレンジアミンジナトリウム等のアミドアミノ酸型両性界面活性剤が例示される。
【0077】
半極性界面活性剤としては、アルキルアミンオキサイド型界面活性剤、アルキルアミンオキサイド、アルキルアミドアミンオキサイド、アルキルヒドロキシアミンオキサイド等が例示され、炭素数10〜18のアルキルジメチルアミンオキサイド、炭素数8〜18のアルコキシエチルジヒドロキシエチルアミンオキサイド等が好ましく用いられる。具体的には、ドデシルジメチルアミンオキサイド、ジメチルオクチルアミンオキサイド、ジエチルデシルアミンオキサイド、ビス−(2−ヒドロキシエチル)ドデシルアミンオキサイド、ジプロピルテトラデシルアミンオキサイド、メチルエチルへキサデシルアミンオキサイド、ドデシルアミドプロピルジメチルアミンオキサイド、セチルジメチルアミンオキサイド、ステアリルジメチルアミンオキサイド、タロウジメチルアミンオキサイド、ジメチル−2−ヒドロキシオクタデシルアミンオキサイド、ラウリルジメチルアミンオキシド、ミリスチルジメチルアミンオキシド、ステアリルジメチルアミンオキシド、イソステアリルジメチルアミンオキシド、ヤシ脂肪酸アルキルジメチルアミンオキシド、カプリル酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、カプリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ラウリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ミリスチン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、パルミチン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ステアリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、イソステアリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、オレイン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、リシノレイン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、12−ヒドロキシステアリン酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ヤシ脂肪酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、パーム核油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ヒマシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミンオキシド、ラウリン酸アミドエチルジメチルアミンオキシド、ミリスチン酸アミドエチルジメチルアミンオキシド、ヤシ脂肪酸アミドエチルジメチルアミンオキシド、ラウリン酸アミドエチルジエチルアミンオキシド、ミリスチン酸アミドエチルジエチルアミンオキシド、ヤシ脂肪酸アミドエチルジエチルアミンオキシド、ラウリン酸アミドエチルジヒドロキシエチルアミンオキシド、ミリスチン酸アミドエチルジヒドロキシエチルアミンオキ
シド、及びヤシ脂肪酸アミドエチルジヒドロキシエチルアミンオキシドが例示される。
【0078】
本発明の化粧料は、上記の成分の他に、各種の化粧料用原料を含むことができる。かかる原料は、室温において、水に対して全く溶解しないか、水100gに対する該成分の溶解度が1重量%未満であるような疎水性のものが好ましい。そのような化粧料原料としては、例えば、粉体、着色剤、水溶性高分子、油溶性ゲル化剤、有機変性粘土鉱物、シリコーンガム、シリコーン樹脂、シリコーンエラストマー、有機変性シリコーン、紫外線防御成分等が挙げられる。
【0079】
粉体及び/又は着色剤は通常の化粧料に使用されるものであれば、その形状(球状、棒状、針状、板状、不定形状、紡錘状等)や粒子径(煙霧状、微粒子、顔料 級等)、粒子構造(多孔質、無孔質等)を問わず、いずれのものも使用することができるが、これらの粉体及び/または着色剤を顔料として配合する場合、平均粒子径が1nm〜20μmの範囲にある無機顔料粉体、有機顔料粉体、樹脂粉体から選択される1種類又は2種類以上を配合することが好ましい。
【0080】
粉体及び/又は着色剤としては、例えば、無機粉体、有機粉体、界面活性剤金属塩粉体(金属石鹸)、有色顔料、パール顔料、金属粉末顔料等が挙げられ、さらにこれらの顔料を複合化したものも使用することができる。具体的には、無機粉体としては、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化セリウム、酸化マグネシウム、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、タルク、マイカ、カオリン、セリサイト、白雲母、合成雲母、金雲母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、ケイ酸、無水ケイ酸、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸ナトリウム、ケイ酸ナトリウムマグネシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸バリウム、ケイ酸ストロンチウム、タングステン酸金属塩、ヒドロキシアパタイト、バーミキュライト、ハイジライト、ベントナイト、モンモリロナイト、ヘクトライト、ゼオライト、セラミックスパウダー、第二リン酸カルシウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、窒化ホウ素、窒化ボロン等;有機粉体としては、ポリアミドパウダー、ポリエステルパウダー、ポリエチレンパウダー、ポリプロピレンパウダー、ポリスチレンパウダー、ポリウレタンパウダー、ベンゾグアナミンパウダー、ポリメチルベンゾグアナミンパウダー、ポリテトラフルオロエチレンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、セルロース、シルクパウダー、ナイロンパウダー、12ナイロン、6ナイロン、シリコーンパウダー、シリコーンゴムパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンで表面を被覆したシリコーンエラストマー球状粉体、ポリメチルシルセスキオキサン球状粉体、スチレン・アクリル酸共重合体、ジビニルベンゼン・スチレン共重合体、ビニル樹脂、尿素樹脂、フェノール樹脂、フッ素樹脂、ケイ素樹脂、アクリル樹脂、メラミン樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネイト樹脂、微結晶繊維粉体、デンプン末、ラウロイルリジン等;界面活性剤金属塩粉体 としては、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、ミリスチン酸亜鉛、ミリスチン酸マグネシウム、パルミチン酸亜鉛、ラウリン酸亜鉛、セチルリン酸亜鉛、セチルリン酸カルシウム、セチルリン酸亜鉛ナトリウム等;有色顔料としては、ベンガラ、酸化鉄、水酸化鉄、チタン酸鉄の無機赤色顔料、γー酸化鉄等の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料、黒酸化鉄、カーボンブラック等の無機黒色顔料、マンガンバイオレット、コバルトバイオレット等の無機紫色顔料、水酸化クロム、酸化クロム、酸化コバルト、チタン酸コバルト等の無機緑色顔料、紺青、群青等の無機青色系顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色227号、赤色228号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、黄色204号、黄色401号、青色1号、青色2号、青色201号、青色404号、緑色3号、緑色201号、緑色204号、緑色205号、橙色201号、橙色203号、橙色204号、橙色206号、橙色207号等のタール系色素をレーキ化したもの、カルミン酸、ラッカイン酸、カルサミン、ブラジリン、クロシン等の天然色素をレーキ化したもの等;パール顔料としては、酸化チタン被覆雲母、雲母チタン、酸化鉄処理雲母チタン、酸化チタン被覆マイカ、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆タルク、魚鱗箔、酸化チタン被覆着色雲母等;金属粉末顔料 としては、アルミニウム、金、銀、銅、白金、ステンレス等の金属粉末が挙げられる。
【0081】
さらに、これらの粉体及び/または着色剤には、その一部または全部が撥水化処理がされていることが特に好ましい。また、これらの粉体及び/または着色剤同士を複合化したり、一般油剤や、本発明に係るオルガノポリシロキサン共重合体以外のシリコーン化合物、又はフッ素化合物、界面活性剤等で表面処理が行われたものも使用することができ、必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。これらの粉体及び/または着色剤の配合量としては、化粧料全体の0.1〜99質量% の範囲が好適である。特に、粉末固形化粧料の場合の配合量としては、化粧料全体の80〜99 質量%の範囲が好適である。
【0082】
その他の撥水化処理の例としては、前記の粉体及び/又は着色剤を各種の撥水化表面処理剤で処理したものが挙げられ、例えばメチルハイドロジェンポリシロキサン処理、シリコーンレジン処理、シリコーンガム処理、アクリルシリコーン処理、フッ素化シリコーン処理等のオルガノシロキサン処理、ステアリン酸亜鉛処理等の金属石鹸処理、シランカップリング剤処理、アルキルシラン処理等のシラン処理、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロアルキルリン酸エステル塩、パーフルオロポリエーテル処理等のフッ素化合物処理、N-ラウロイル-L-リジン処理等のアミノ酸処理、スクワラン処理等の油剤処理、アクリル酸アルキル処理等のアクリル処理等が挙げられ、これらの1種以上を組み合わせて使用することが可能である。
【0083】
水溶性高分子としては、1種又は2種以上の水溶性高分子を用いることができる。天然の水溶性高分子としては、例えば、アラビアガム、トラガカントガム、ガラクタン、グアーガム、キャロブガム、カラヤガム、カラギーナン、ペクチン、カンテン、クインスシード(マルメロ)、アルゲコロイド(カッソウエキス)、デンプン(コメ、トウモロコシ、バレイショ、コムギ)、グリチルリチン酸等の植物系高分子、キサンタンガム、デキストラン、サクシノグルカン、プルラン等の微生物系高分子、コラーゲン、カゼイン、アルブミン、ゼラチン等の動物系高分子が挙げられる。また、半合成の水溶性高分子としては、例えば、カルボキシメチルデンプン、メチルヒドロキシプロピルデンプン等のデンプン系高分子、メチルセルロース、ニトロセルロース、エチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、セルロース硫酸ナトリウム、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム(CMC)、結晶セルロース、セルロース末等のセルロース系高分子、アルギン酸ナトリウム、アルギン酸プロピレングリコールエステル等のアルギン酸系高分子が挙げられる。合成の水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、ポリビニルメチルエーテル系高分子、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー(CARBOPOL 940, 941; BF Goodrich社)等のビニル系高分子、ポリエチレングリコール20,000、ポリエチレングリコール6,000、ポリエチレングリコール4,000等のポリオキシエチレン系高分子、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン共重合体、PEG/PPGメチルエーテル等の共重合体系高分子、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリエチルアクリレート、ポリアクリルアミド等のアクリル系高分子、ポリエチレンイミン、カチオンポリマー等が例示される。その他のカチオン性水溶性高分子としては、特に、毛髪化粧料に好適に配合できる成分として、第4級窒素変性ポリサッカライド(例えば、カチオン変性セルロース、カチオン変性ヒドロキシエチルセルロース、カチオン変性グアーガム、カチオン変性ローカストビーンガム、カチオン変性デンプン等)、塩化ジメチルジアリルアンモニウム誘導体(例えば、塩化ジメチルジアリルアンモニウム・アクリルアミド共重合体、ポリ塩
化ジメチルメチレンピペリジニウム等)、ビニルピロリドン誘導体(例えば、ビニルピロリドン・ジメチルアミノエチルメタクリル酸共重合体塩、ビニルピロリドン・メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライド共重合体、ビニルピロリドン・塩化メチルビニルイミダゾリウム共重合体等)が例示できる。
【0084】
油溶性ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α、γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体等が挙げられる。これらは必要に応じて一種、又は二種以上用いることができる。
【0085】
有機変性粘土鉱物としては、例えば、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー、ジメチルアルキルアンモニウムヘクトライト、ベンジルジメチルステアリルアンモニウムヘクトライト、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム処理ケイ酸アルミニウムマグネシウム等が挙げられる。これらの市販品としては、ベントン27(ベンジルジメチルステアリルアンモニウムクロライド処理ヘクトライト: ナショナルレッド社製)、ベントン38(ジステアリルジメチルアンモニウムクロライド処理ヘクトライト: ナショナルレッド社製)等がある。
【0086】
シリコーンガムは、超高重合度の直鎖状ジオルガノポリシロキサンであり、シリコーン生ゴムやオルガノポリシロキサンガムとも称されている。シリコーン生ゴムは、その重合度が高いため、測定可能な程度の可塑度を有する点で、上記の油状シリコーン類と区別される。このようなシリコーン生ゴムとしては、ジアルキルシロキシ単位(D単位)を有する置換又は非置換のオルガノポリシロキサン、例えばジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、アミノポリシロキサン、メチルフロロアルキルポリシロキサン等、または、それらの微架橋構造を有したもの等が挙げられ、代表例として、一般式:R10(CHSiO{(CHSiO}s{(CH)R11SiO}tSi(CH10(式中、R11はビニル基、フェニル基、炭素数が6〜20のアルキル基、炭素数3〜15のアミノアルキル基、炭素数3〜15のパーフロロアルキル基、炭素数3〜15の4級アンモニウム塩基含有アルキル基から選択される基であり、末端基R10は、炭素数1〜8のアルキル基、フェニル基、ビニル基、炭素数3〜15のアミノアルキル基、水酸基及び炭素数1〜8のアルコキシ基から選択される基である。また、s=2,000〜6,000、t=0〜1,000、s+t=2,000〜6,000)で示されるものがある。中でも、重合度3000〜20000のジメチルポリシロキサン生ゴムが好ましい。
【0087】
シリコーン樹脂は、高度の分岐状構造、網状構造又は籠状構造を有するオルガノポリシロキサンであり、常温で液状又は固形状であり、本発明の目的に反しない限り、通常化粧料に用いられるシリコーン樹脂であればいずれのものでもよい。固形状のシリコーン樹脂には、例えば、トリオルガノシロキシ単位(M単位)(オルガノ基はメチル基のみ、メチル基とビニル基若しくはフェニル基である)、ジオルガノシロキシ単位(D単位)(オルガノ基はメチル基のみ、メチル基とビニル基若しくはフェニル基である)、モノオルガノシロキシ単位(T単位)(オルガノ基はメチル基、ビニル基、又はフェニル基である)及びシロキシ単位(Q単位)の任意の組み合わせからなるMQ樹脂、MDQ樹脂、MTQ樹脂、MDTQ樹脂、TD樹脂、TQ樹脂、TDQ樹脂がある。さらには、トリメチルシロキシケイ酸、ポリアルキルシロキシケイ酸、ジメチルシロキシ単位含有トリメチルシロキシケイ酸、アルキル(パーフルオロアルキル)シロキシケイ酸が例示される。これらのシリコーン樹脂は油溶性であり、D4やD5に溶解しうるものが特に好ましい。
【0088】
シリコーンエラストマーは、その目的に応じて任意の形態で化粧料に配合することが可能であるが、特に、オルガノポリシロキサンエラストマー粉体または架橋性オルガノポリシロキサンとして配合することが好ましい。
【0089】
シリコーンエラストマー粉体は、主として直鎖状ジオルガノポリシロキサンの架橋物であり、球状、扁平状、不定形状等種々の形状を取りうる。形状を持たずに油分散体の形態を持つものでもよい。本発明の化粧料には、粒子形状を有するシリコーンエラストマーであり、電子顕微鏡を用いた観察による一次粒子径及び/又はレーザー回析/散乱法で測定された平均一次粒子径が0.1〜50μmの範囲に入り、かつ一次粒子の形状が球状のシリコーンエラストマー粉末が好ましい。シリコーンエラストマー粉末を構成するシリコーンエラストマーは、JIS K 6253「加硫ゴム及び熱可塑性ゴムの硬さ試験方法」のタイプAデュロメータによる硬さが80以下が好ましく、65以下がより好ましい。オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体はシリコーンレジンやシリカ等による表面処理がされていてもいなくても構わない。例えば、特開平2−243612号公報、特開平8−12545号公報、特開平8−12546号公報、特開平8−12524号公報、特開平9−241511号公報、特開平10−36219号公報、特開平11−193331号公報、特開2000−281523号公報等に記載されているものが挙げられる。「化粧料種別配合成分規格」収載の架橋型シリコーン末が該当する。オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体の市販品としては、例えば東レ・ダウコーニング社製のトレフィルE−506S,トレフィルE−508,9701 Cosmetic Powder,9702 Powder等が挙げられる。これらのシリコーンエラストマー粉末は表面処理がされていてもよく、表面処理剤の例としては、メチルハイドロジェンポリシロキサン、シリコーンレジン、金属石鹸、シランカップリング剤、シリカ、酸化チタン等の無機酸化物、パーフルオロアルキルシラン、パーフルオロアルキルリン酸エステル塩等のフッ素化合物が挙げられる。
【0090】
また、オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体は水分散液の形態としても、本発明の化粧料で使用することができる。このような水分散液の市販品としては、例えば東レ・ダウコーニング社製のBY 29−129,PF−2001 PIF Emulsion等が挙げられる。これらのシリコーンエラストマー粉末の水系分散体(=サスペンジョン)を配合することにより、本発明の化粧料の使用感をさらに改善することができる点で極めて有用である。
【0091】
架橋性オルガノポリシロキサンとしては、オルガノポリシロキサン鎖が架橋性成分等との反応により3次元架橋した構造のものであってポリオキシアルキレン単位等の親水部を有しない、非乳化性のものが好ましい。このような架橋性オルガノポリシロキサンであれば、希釈・性状等の物理的形態や製法等によらず制限なく使用できるが、特に好ましいものとしては米国特許第5654362号中に記載されているα,ω−ジエン架橋シリコーンエラストマー(市販品としては、DC 9040 Silicone Elastomer Blend, DC 9041 Silicone Elastomer Blend, DC 9045 Silicone Elastomer Blend, DC 9046 Silicone Elastomer Blend、米国ダウコーニング社製)が例示される。
【0092】
有機変性シリコーンは、親油性であるものが好ましい。具体的には、アミノ変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン、エポキシ変性シリコーン、カルボキシル変性シリコーン、アミノ酸変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、アクリル変性シリコーン、フェノール変性シリコーン、アミドアルキル変性シリコーン、アミノグリコール変性シリコーン、アルコキシ変性シリコーンを挙げることができる。該有機変性シリコーン類は、主鎖としてポリシロキサン結合の他に、アルキレン鎖、アミノアルキレン鎖又は化合物が親水性を有さない程度のポリエーテル鎖を有するものであってもよく、有機変性基は、ポリシロキサン鎖の側鎖又は末端の一方又は両方に有するものであってよい。本発明の化粧料を毛髪化粧料として使用する場合、アミノ変性シリコーン、カルビノール変性シリコーン、アミノポリエーテル変性シリコーン又はアミノグリコール変性シリコーンを好適に用いることができ、3−アミノプロピル基、N−(2−アミノエチル)3−アミノプロピル基等を有するアミノ変性シリコーンが一般的なものとして例示できる。
【0093】
紫外線防御成分には、無機系の紫外線防御成分と有機系の紫外線防御成分がある。本発明の化粧料が日焼け止め化粧料であれば、少なくとも1種の無機系又は有機系、特に有機系の紫外線防御成分を含有することが好ましい。
【0094】
無機系の紫外線防御成分は、前記の無機系の顔料粉体、金属粉末顔料等を紫外線分散剤として配合するものであっても良く、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化セリウム、低次酸化チタン、鉄ドープ酸化チタン等の金属酸化物、水酸化鉄等の金属水酸化物、板状酸化鉄、アルミニウムフレーク等の金属フレーク類、炭化珪素等のセラミック類が挙げられる。このうち、平均粒子径が1〜100nmの範囲にある、粒状、板状、針状又は繊維状の微粒子金属酸化物及び微粒子金属水酸化物から選ばれる少なくとも一種であることが特に好ましい。これらの粉末は、従来公知の表面処理、例えばフッ素化合物処理(パーフルオロアルキルリン酸エステル処理やパーフルオロアルキルシラン処理、パーフルオロポリエーテル処理、フルオロシリコーン処理、フッ素化シリコーン樹脂処理が好ましい)、シリコーン処理(メチルハイドロジェンポリシロキサン処理、ジメチルポリシロキサン処理、気相法テトラメチルテトラハイドロジェンシクロテトラシロキサン処理が好ましい)、シリコーン樹脂処理(トリメチルシロキシケイ酸処理が好ましい)、ペンダント処理(気相法シリコーン処理後にアルキル鎖等を付加する方法)、シランカップリング剤処理、チタンカップリング剤処理、シラン処理(アルキルシランやアルキルシラザン処理が好ましい)、油剤処理、N−アシル化リジン処理、ポリアクリル酸処理、金属石鹸処理(ステアリン酸やミリスチン酸塩が好ましい)、アクリル樹脂処理、金属酸化物処理等がされていることが好ましく、これらの処理の複数で処理されていることが好ましい。例えば、微粒子酸化チタン表面を酸化ケイ素やアルミナ等の金属酸化物で被覆した後、アルキルシランで表面処理すること等が挙げられる。表面処理量は、粉体に対して総計で0.1〜50重量%の範囲にあることが好ましい。
【0095】
有機系の紫外線防御成分は親油性の紫外線防御成分であり、例えば、パラアミノ安息香酸(以下PABAと略す),PABAモノグリセリンエステル,N,N−ジプロポキシPABAエチルエステル,N,N−ジエトキシPABAエチルエステル,N,N−ジメチルPABAエチルエステル,N,N−ジメチルPABAブチルエステル等の安息香酸系紫外線吸収剤、ホモメンチル−N−アセチルアントラニレート等のアントラニル酸系紫外線吸収剤、アミルサリシレート,メンチルサリシレート,ホモメンチルサリシレート,オクチルサリシレート,フェニルサリシレート,ベンジルサリシレート,p−イソプロパノールフェニルサリシレート等のサリチル酸系紫外線吸収剤、オクチルシンナメート,エチル−4−イソプロピルシンナメート,メチル−2,5−ジイソプロピルシンナメート,エチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート,メチル−2,4−ジイソプロピルシンナメート,プロピル−p−メトキシシンナメート,イソプロピル−p−メトキシシンナメート,イソアミル−p−メトキシシンナメート,オクチル−p−メトキシシンナメート(2−エチルヘキシル−p−メトキシシンナメート),2−エトキシエチル−p−メトキシシンナメート,シクロヘキシル−p−メトキシシンナメート,エチル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート,2−エチルヘキシル−α−シアノ−β−フェニルシンナメート,グリセリルモノ−2−エチルヘキサノイル−ジパラメトキシシンナメート,3,4,5−トリメトキシ桂皮酸3−メチル−4−[メチルビス(トリメチルシロキシ)シリル]ブチル等の桂皮酸系紫外線吸収剤、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン,2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン,2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン,2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン,2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン,2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン,2-ヒドロキシ−4メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩,4−フェニルベンゾフェノン,2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート,ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン,4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、3−(4’−メチルベンジリデン)-
d,l−カンファー、3−ベンジリデン−d,l−カンファー、ウロカニン酸、ウロカニン酸エチルエステル、2−フェニル−5−メチルベンゾキサゾール、2,2’−ヒドロキシ−5−メチルフェニルベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチルフェニル) ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニルベンゾトリアゾール、ジベンザラジン、ジアニソイルメタン、4−メトキシ−4’−t−ブチルジベンゾイルメタン、5−(3,3−ジメチル−2−ノルボルニリデン)−3−ペンタン−2−オン等が例示される。
【0096】
また、前記の有機系紫外線防御成分を疎水性のポリマー粉末中に含有したものを用いることも可能である。ポリマー粉末は中空であってもなくてもよく、平均一次粒子径は0.1〜50μmの範囲にあればよく、粒度分布はブロードであってもシャープであっても構わない。ポリマーの種類としてはアクリル樹脂、メタクリル樹脂、スチレン樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、シリコーン樹脂、ナイロン、アクリルアミド樹脂、シリル化ポリペプチド樹脂が例示される。有機系紫外線防御成分を0.1〜30重量%の範囲で含有するポリマー粉末が好ましく、特にUV−A吸収剤である4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタンを含有するポリマー粉末が好ましい。
【0097】
本発明の化粧料において、好適に使用できる紫外線防御成分は、微粒子酸化チタン、微粒子酸化亜鉛、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、及び、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤からなる群より選ばれる少なくとも1種である。これらの紫外線防御成分は、汎用されており、入手が容易で、かつ紫外線防御効果が高いため好適に使用することができる。特に、無機系と有機系の紫外線防御成分を併用することが好ましく、UV−Aに対応した紫外線防御成分とUV−Bに対応した紫外線防御成分を併用することがさらに好ましい。
【0098】
本発明の化粧料には、本発明の効果を妨げない範囲で通常の化粧料に使用されるその他の成分:アルコール類、有機樹脂、保湿剤、防腐剤、抗菌剤、香料、塩類、酸化防止剤、pH調整剤、キレート剤、清涼剤、抗炎症剤、美肌用成分(美白剤、細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、血行促進剤、皮膚収斂剤、抗脂漏剤等)、ビタミン類、アミノ酸類、核酸、ホルモン、包接化合物等を添加することができる。これらは特に限定されるものではない。
【0099】
アルコール類としては、1種又は2種以上の多価アルコール及び/又は低級一価アルコールを用いることができる。低級アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、t−ブタノール、s−ブタノール等が例示され、多価アルコールとしては、1,3−ブチレングリコール、1,2−ブチレングリコール、プロピレングリコール、トリメチレングリコール、テトラメチレングリコール、2,3−ブチレングリコール、ペンタメチレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、ジブチレングリコール、ペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、オクチレングリコール等の2価アルコール、グリセリン、トリメチロールプロパン、1,2,6−ヘキサントリオール等の3価アルコール、ペンタエリスリトール、キシリトール等の4価以上の多価アルコール、ソルビトール、マンニトール、マルチトール、マルトトリオース、ショ糖、エリトリトール、グルコース、フルクトース、デンプン分解物、マルトース、キシリトース、デンプン分解糖還元アルコール等の糖アルコールが挙げられる。さらに、これら低分子多価アルコールのほかに、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、テトラエチレングリコール、ジグリセリン、ポリエチレングリコール、トリグリセリン、テトラグリセリン、ポリグリセリン等の多価アルコール重合体等が例示される。中でも、1,3−ブチレングリコール、ソルビトール、ジプロピレングリコール、グリセリン、ポリエチレングリコールが特に好ましい。配合量は、化粧料全体の0.1〜50重量%の範囲が好適である。
【0100】
有機樹脂としては、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸アルキルコポリマー等が挙げられる。
【0101】
保湿剤としては、例えば、ヒアルロン酸、コンドロイチン硫酸、ピロリドンカルボン酸塩、ポリオキシエチレンメチルグルコシド、ポリオキシプロピレンメチルグルコシド等が挙げられる。なお、前記した多価アルコール類等が肌上あるいは毛髪上への保湿機能を発揮することは言うまでもない。
【0102】
防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸アルキルエステル、安息香酸、安息香酸ナトリウム、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、フェノキシエタノール等、抗菌剤としては、安息香酸、サリチル酸、石炭酸、ソルビン酸、パラオキシ安息香酸アルキルエステル、パラクロルメタクレゾール、ヘキサクロロフェン、塩化ベンザルコニウム、塩化クロルヘキシジン、トリクロロカルバニリド、トリクロサン、感光素等が挙げられるが、口紅の場合は配合しないことが好ましい。
【0103】
香料としては、種々の植物の花、種子、葉、根等から抽出した香料、海藻類から抽出した香料、動物の各部位又は分泌物から抽出した香料(例、じゃこう、マッコウ)、人工的に合成した香料(例、メントール、ムスク、酢酸エステル、バニラ)が例示される。香料は、化粧料に香気、香りを付与するため、或いは不快臭をマスクするために配合される。
【0104】
酸化防止剤としては、例えば、トコフェロール、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、フィチン酸等が挙げられる。
【0105】
pH調整剤としては、例えば、乳酸、クエン酸、グリコール酸、コハク酸、酒石酸、dl−リンゴ酸、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素アンモニウム等が挙げられる。
【0106】
キレート剤としては、例えば、アラニン、エデト酸ナトリウム塩、ポリリン酸ナトリウム、メタリン酸ナトリウム、リン酸等が挙げられる。
【0107】
清涼剤としては、l−メントール、カンフル等が挙げられる。
【0108】
抗炎症剤としては、ε−アミノカプロン酸、グリチルリチン酸、β−グリチルレチン酸、塩化リゾチーム、グアイアズレン、ヒドロコルチゾン、アラントイン、トラネキサム酸、アズレン等が挙げられる。
【0109】
美肌用成分としては、例えば、胎盤抽出液、アルブチン、グルタチオン、ユキノシタ抽出物等の美白剤、ロイヤルゼリー等の細胞賦活剤、肌荒れ改善剤、ノニル酸ワレニルアミド、ニコチン酸ベンジルエステル、ニコチン酸β−ブトキシエチルエステル、カプサイシン、ジンゲロン、カンタリスチンキ、イクタモール、カフェイン、タンニン酸、α−ボルネオール、ニコチン酸トコフェロール、イノシトールヘキサニコチネート、シクランデレート、シンナリジン、トラゾリン、アセチルコリン、ベラパミル、セファランチン、γ−オリザノール等の血行促進剤、酸化亜鉛、タンニン酸等の皮膚収斂剤、イオウ、チアントロール等の抗脂漏剤等が挙げられる。
【0110】
ビタミン類としては、ビタミンA油、レチノール、酢酸レチノール、パルミチン酸レチノール等のビタミンA類、リボフラビン、酪酸リボフラビン、フラビンアデニンヌクレオチド等のビタミンB2類、ピリドキシン塩酸塩、ピリドキシンジオクタノエート、ピリドキシントリパルミテート等のビタミンB6類、ビタミンB12及びその誘導体、ビタミンB15及びその誘導体等のビタミンB類、L−アスコルビン酸、L−アスコルビン酸ジパルミチン酸エステル、L−アスコルビン酸−2−硫酸ナトリウム、L−アスコルビン酸リン酸ジエステルジカリウム等のビタミンC類、エルゴカルシフェロール、コレカルシフェロール等のビタミンD類、α−トコフェノール、β−トコフェロール、γ−トコフェロール、酢酸dl−α−トコフェロール、ニコチン酸dl−α−トコフェロール、コハク酸dl−α−トコフェロール等のビタミンE類、ビタミンH、ビタミンP、ニコチン酸、ニコチン酸ベンジル等のニコチン酸類、パントテン酸カルシウム、D−パントテニルアルコール、パントテニルエチルエーテル、アセチルパントテニルエチルエーテル等のパントテン酸類等が挙げられる。
【0111】
アミノ酸類としては、グリシン、ヴァリン、ロイシン、イソロイシン、セリン、トレオニン、フェニルアラニン、アルギニン、リジン、アスパラギン酸、グルタミン酸、シスチン、システイン、メチオニン、トリプトファン等が挙げられる。
【0112】
核酸としては、デオキシリボ核酸等が挙げられる。
【0113】
ホルモンとしては、エストラジオール、エテニルエストラジオール等が挙げられる。
【0114】
本発明の化粧料には、その目的に応じて天然系の植物抽出成分、海藻抽出成分、生薬成分を配合することができる。これらの成分を2種以上配合してもよい。
【0115】
具体的な成分としては、例えばアシタバエキス、アボガドエキス、アマチャエキス、アルテアエキス、アルニカエキス、アロエエキス、アンズエキス、アンズ核エキス、イチョウエキス、ウイキョウエキス、ウコンエキス、ウーロン茶エキス、エイジツエキス、エチナシ葉エキス、オウゴンエキス、オウバクエキス、オウレンエキス、オオムギエキス、オトギリソウエキス、オドリコソウエキス、オランダカラシエキス、オレンジエキス、海水乾燥物、海藻エキス、加水分解エラスチン、加水分解コムギ末、加水分解シルク、カモミラエキス、カロットエキス、カワラヨモギエキス、甘草エキス、カルカデエキス、カキョクエキス、キウイエキス、キナエキス、キューカンバーエキス、グアノシン、クチナシエキス、クマザサエキス、クララエキス、クルミエキス、グレープフルーツエキス、クレマティスエキス、クロレラエキス、クワエキス、ゲンチアナエキス、紅茶エキス、酵母エキス、ゴボウエキス、コメヌカ発酵エキス、コメ胚芽油、コンフリーエキス、コラーゲン、コケモモエキス、サイシンエキス、サイコエキス、サイタイ抽出液、サルビアエキス、サボンソウエキス、ササエキス、サンザシエキス、サンショウエキス、シイタケエキス、ジオウエキス、シコンエキス、シソエキス、シナノキエキス、シモツケソウエキス、シャクヤクエキス、ショウブ根エキス、シラカバエキス、スギナエキス、セイヨウキズタエキス、セイヨウサンザシエキス、セイヨウニワトコエキス、セイヨウノコギリソウエキス、セイヨウハッカエキス、セージエキス、ゼニアオイエキス、センキュウエキス、センブリエキス、ダイズエキス、タイソウエキス、タイムエキス、茶エキス、チョウジエキス、チガヤエキス、チンピエキス、トウキエキス、トウキンセンカエキス、トウニンエキス、トウヒエキス、ドクダミエキス、トマトエキス、納豆エキス、ニンジンエキス、ニンニクエキス、ノバラエキス、ハイビスカスエキス、バクモンドウエキス、ハスエキス、パセリエキス、蜂蜜、ハマメリスエキス、パリエタリアエキス、ヒキオコシエキス、ビサボロール、ビワエキス、フキタンポポエキス、フキノトウエキス、ブクリョウエキス、ブッチャーブルームエキス、ブドウエキス、プロポリス、ヘチマエキス、ベニバナエキス、ペパーミントエキス、ボダイジュエキス、ボタンエキス、ホップエキス、マツエキス、マロニエエキス、ミズバショウエキス、ムクロジエキス、メリッサエキス、モモエキス、ヤグルマギクエキス、ユーカリエキス、ユキノシタエキス、ユズエキス、ヨクイニンエキス、ヨモギエキス、ラベンダーエキス、リンゴエキス、レタスエキス、レモンエキス、レンゲソウエキス、ローズエキス、ローズマリーエキス、ローマカミツレエキス、ローヤルゼリーエキス等を挙げることができる。親油性のものが特に好ましい。
【0116】
本発明の化粧料には、その目的に応じて、例えば、精製水、ミネラルウォーター等の水以外に、軽質イソパラフィン、エーテル類、LPG、N−メチルピロリドン、次世代フロン等の溶媒を配合してもよい。
【0117】
また、本発明の化粧料には、本発明の共重合体に加えて、アクリルシリコーンデンドリマーコポリマー、ポリアミド変性シリコーン、アルキル変性シリコーンワックス、アルキル変性シリコーンレジンワックスからなる群から選択される少なくとも1種を用いることができる。
【0118】
アクリルシリコーンデンドリマーコポリマーとしては、例えば、特許第4009382号公報(特開2000−063225号公報)中に記載されている、カルボシロキサンデンドリマー構造を側鎖に有するビニル系重合体が、特に好ましく例示される。市販品としては、東レ・ダウコーニング社製のFA 4001 CM Silicone Acrylate, FA 4002 ID Silicone Acrylate等が挙げられる。
【0119】
ポリアミド変性シリコーンとしては、例えば、米国特許5981680号中に記載されているシロキサンベースのポリアミドが例示され、市販品としては2−8178 Gellant, 2−8179 Gellant等(米国ダウコーニング社製)が挙げられる。
【0120】
アルキル変性シリコーンワックスとしては、室温でワックス状のアルキル変性シリコーンであればよく、例えば、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチル長鎖アルキルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン・メチル長鎖アルキルシロキサン共重合体,分子鎖両末端長鎖アルキル変性ジメチルポリシロキサン等が挙げられる。これらの市販品としては、AMS−C30 Cosmetic Wax, 2503 Cosmetic Wax等(米国ダウコーニング社製)が挙げられる。
【0121】
アルキル変性シリコーンレジンワックスとしては、例えば、特表2007−532754号公報に記載されているシルセスキオキサン樹脂ワックスが好ましく挙げられる。
【0122】
本発明の化粧料は、液状、乳液状、クリーム状、固形状、ペースト状、ゲル状、粉末状、多層状、ムース状、スプレー状のいずれの形態をもとることができる。本発明の化粧料は、例えば、日焼け止め等の紫外線防御製品;化粧水、乳液、クリーム、クレンジング、マッサージ料、洗浄剤等のスキンケア製品、ファンデーション、メークアップ下地、頬紅、アイシャドウ、マスカラ、アイライナー、口紅等のメークアップ製品、シャンプー、リンス、トリートメント等の毛髪製品;制汗剤製品;脱臭剤製品等が挙げられる。
【実施例】
【0123】
以下、実施例及び比較例により本発明をより詳細に例証するが、本発明は実施例に限定されるものではない。以下、単に「%」及び「部」とあるのは、それぞれ、重量%及び重量部を意味する。
【0124】
[実施例1]
攪拌装置,温度計,還流管を取り付けた500ミリリットル4つ口フラスコに、イソプロピルアルコールを100g仕込み、窒素ガスでバブリングを行い十分に脱気し、80℃に加熱した。滴下ロートにメチルメタクリレート34g、ステアリルメタクリレート10g、n−ブチルアクリレート16g、下記式(A)
【化28】

で示されるカルボシロキサンデンドリマーモノマー40g、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(大塚化学製)1.0gを仕込み、溶解させた。窒素雰囲気下、滴下ロートよりモノマー混合物を80℃に保ったまま、2時間かけて滴下した。滴下終了後、窒素雰囲気下6時間加熱攪拌した。攪拌後の反応生成物をガスクロマトグラフィーにより重合添加率を分析したところ、重合の添加率は97%であり、ビニル系重合体が得られたことが判明した。このビニル系重合体のイソプロピルアルコール溶液にデカメチルペンタシクロシロキサン250g加えた後、120℃でIPAを留出させた。減圧下、余剰のデカメチルペンタシクロシロキサン及び未反応単量体を留出させ、固形分濃度を30wt%に調整した。
【0125】
[実施例2]
攪拌装置,温度計,還流管を取り付けた500ミリリットル4つ口フラスコに、イソプロピルアルコールを100g仕込み、窒素ガスでバブリングを行い十分に脱気し、80℃に加熱した。滴下ロートにメチルメタクリレート27g、ステアリルメタクリレート20g、n−ブチルアクリレート8g、上記式(A)で示されるカルボシロキサンデンドリマーモノマー45g、ジメチル-2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)(WAKO製)1.0gを仕込み、溶解させた。窒素雰囲気下、滴下ロートよりモノマー混合物を80℃に保ったまま、2時間かけて滴下した。滴下終了後、窒素雰囲気下6時間加熱攪拌した。攪拌後の反応生成物をガスクロマトグラフィーにより重合添加率を分析したところ、重合の添加率は98%であり、ビニル系重合体が得られたことが判明した。このビニル系重合体のイソプロピルアルコール溶液にデカメチルペンタシクロシロキサン250g加えた。反応混合液を、1Lオートクレーブに移液し、スポンジニッケル触媒1gを仕込み、水素置換をおこなった。反応混合物を100℃まで加熱し、水素を0.8Mpaまでフィードした後で、6時間加熱熟成を行った。触媒をろ過後、140℃の加熱下で30分間、10mmHg減圧して、デカメチルペンタシクロシロキサンに溶剤置換し、水素化された未反応単量体を除去、固形分濃度を30wt%に調整した。
【0126】
[実施例3]
攪拌装置,温度計,還流管を取り付けた300ミリリットル4つ口フラスコに、イソプロピルアルコールを100g仕込み、窒素ガスでバブリングを行い十分に脱気し、80℃に加熱した。滴下ロートにメチルメタクリレート20g、ステアリルメタクリレート30g、n-ブチルアクリレート10g、上記式(A)で示されるカルボシロキサンデンドリマーモノマー40g、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(大塚化学製)1.0gを仕込み、溶解させた。窒素雰囲気下、滴下ロートよりモノマー混合物を80℃に保ったまま、2時間かけて滴下した。滴下終了後、窒素雰囲気下6時間加熱攪拌した。攪拌後の反応生成物をガスクロマトグラフィーにより重合添加率を分析したところ、重合の添加率は97%であり、ビニル系重合体が得られたことが判明した。このビニル系重合体のイソプロピルアルコール溶液にイソドデカン175g加えた後、120℃でIPAを留出させた。減圧下、余剰のイソドデカン及び未反応単量体を留出させ、固形分濃度を40wt%に調整した。
【0127】
[実施例4]
攪拌装置,温度計,還流管を取り付けた300ミリリットル4つ口フラスコに、イソプロピルアルコールを100g仕込み、窒素ガスでバブリングを行い十分に脱気し、80℃に加熱した。滴下ロートにトリフルオロエチルメタクリレート30g、ステアリルアクリレート15g、n-ブチルアクリレート5g、上記式(A)で示されるカルボシロキサンデンドリマーモノマー50g、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(大塚化学製)1.0gを仕込み、溶解させた。窒素雰囲気下、滴下ロートよりモノマー混合物を80℃に保ったまま、2時間かけて滴下した。滴下終了後、窒素雰囲気下6時間加熱攪拌した。攪拌後の反応生成物をガスクロマトグラフィーにより重合添加率を分析したところ、重合の添加率は97%であり、ビニル系重合体が得られたことが判明した。このビニル系重合体のイソプロピルアルコール溶液にジメチルポリシロキサン(2cs)250g加えた後、120℃でIPAを留出させた。減圧下、余剰のジメチルポリシロキサン(2cs)及び未反応単量体を留出させ、固形分濃度を30wt%に調整した。
【0128】
[比較例1]
攪拌装置,温度計,還流管を取り付けた300ミリリットル4つ口フラスコに、イソプロピルアルコールを100g仕込み、窒素ガスでバブリングを行い十分に脱気し、80℃に加熱した。滴下ロートにメチルメタクリレート5g、ステアリルメタクリレート55g、上記式(A)で示されるカルボシロキサンデンドリマーモノマー40g、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(大塚化学製)1.0gを仕込み、溶解させた。窒素雰囲気下、滴下ロートよりモノマー混合物を80℃に保ったまま、2時間かけて滴下した。滴下終了後、窒素雰囲気下6時間加熱攪拌した。攪拌後の反応生成物をガスクロマトグラフィーにより重合添加率を分析したところ、重合の添加率は97%であり、ビニル系重合体が得られたことが判明した。このビニル系重合体のイソプロピルアルコール溶液を、140℃の加熱下で30分間、10mmHg減圧して、イソプロピルアルコール及び未反応単量体を除去した。
【0129】
[比較例2]
攪拌装置,温度計,還流管を取り付けた500ミリリットル4つ口フラスコに、イソプロピルアルコールを100g仕込み、窒素ガスでバブリングを行い十分に脱気し、80℃に加熱した。滴下ロートにメチルメタクリレート50g、n−ブチルアクリレート10g、上記式(A)で示されるカルボシロキサンデンドリマーモノマー40g、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(大塚化学製)1.0gを仕込み、溶解させた。窒素雰囲気下、滴下ロートよりモノマー混合物を80℃に保ったまま、2時間かけて滴下した。滴下終了後、窒素雰囲気下6時間加熱攪拌した。攪拌後の反応生成物をガスクロマトグラフィーにより重合添加率を分析したところ、重合の添加率は97%であり、ビニル系重合体が得られたことが判明した。このビニル系重合体のイソプロピルアルコール溶液にデカメチルペンタシクロシロキサン250g加えた後、120℃でIPAを留出させた。減圧下、余剰のデカメチルペンタシクロシロキサン及び未反応単量体を留出させ、固形分濃度を30wt%に調整した。
【0130】
[比較例3]
攪拌装置,温度計,還流管を取り付けた500ミリリットル4つ口フラスコに、イソプロピルアルコールを100g仕込み、窒素ガスでバブリングを行い十分に脱気し、80℃に加熱した。滴下ロートにメチルメタクリレート34g、ステアリルメタクリレート10g、n−ブチルアクリレート16g、
【化29】

で示される片末端ラジカル重合性ジメチルポリシロキサン(25量体) 40g、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(大塚化学製)1.0gを仕込み、溶解させた。窒素雰囲気下、滴下ロートよりモノマー混合物を80℃に保ったまま、2時間かけて滴下した。滴下終了後、窒素雰囲気下6時間加熱攪拌した。攪拌後の反応生成物をガスクロマトグラフィーにより重合添加率を分析したところ、重合の添加率は97%であり、ビニル系重合体が得られたことが判明した。このビニル系重合体のイソプロピルアルコール溶液にデカメチルペンタシクロシロキサン250g加えた後、120℃でIPAを留出させた。減圧下、余剰のデカメチルペンタシクロシロキサン及び未反応単量体を留出させ、固形分濃度を30wt%に調整した。
【0131】
[評価]
実施例1〜4及び比較例1〜3のビニル系共重合体の耐水性(撥水性)、耐皮脂性、ガラス転移点、触感、及び、光沢の各特性について以下のように評価を行った。結果を表1に示す。
【0132】
[耐水性(撥水性)]
ビニル系共重合体をガラスプレート上に塗布後、室温にて溶媒を乾燥除去してビニル系重合体の塗膜を得た。この塗膜表面に水滴を載せて、水に対する接触角を測定した。測定装置は、自動接触角計(協和界面化学株式会社製)を用いた。
【0133】
[耐皮脂性]
ビニル系共重合体をガラスプレート上に塗布後、室温にて溶媒を乾燥除去してビニル系重合体の塗膜を得た。この塗膜表面にスクワラン滴を載せて、スクワランに対する接触角を測定した。測定装置は、自動接触角計(協和界面化学株式会社製)を用いた。50度以上を◎、40度超−50度未満を○、40度以下を△とした。
【0134】
[ガラス転移点]
ビニル系共重合体のガラス転移温度を示差熱量計(DSC)にて測定した。
【0135】
[触感]
ビニル系共重合体をガラスプレート上に塗布後、室温にて溶媒を乾燥除去してビニル系重合体の塗膜を得た。この塗膜表面の触感を指触により測定した。
【0136】
[光沢]
ビニル系共重合体を光を反射しないPETプレート上に塗布後、室温にて溶媒を乾燥除去してビニル系重合体の塗膜を得た。この塗膜表面の光沢を光沢度計(60度)で光沢を測定した。75度以上を◎、60度超−75度未満を○、60度以下を△とした。
【0137】
[有機ワックスとの相溶性]
各実施例、比較例で合成した共重合体を、一部分IPA溶液の状態で別のフラスコに移し、IPAを留去後、固体状の共重合体を得た。有機ワックスとして、市販のビーズワックス、キャンデリラロウを選択し、それぞれの共重合体を次の組成で、80度で加熱混合し、80度での外観で相溶性を判断した。

有機ワックス1部:共重合体1部:ネオペンタン酸イソデシル2.5部
【0138】
【表1】

【0139】
[実施例5]
攪拌装置,温度計,還流管を取り付けた300ミリリットル4つ口フラスコに、イソプロピルアルコールを100g仕込み、窒素ガスでバブリングを行い十分に脱気し、80℃に加熱した。滴下ロートにメチルメタクリレート30g、ベヘニルアクリレート20g、n-ブチルアクリレート10g、上記式(A)で示されるカルボシロキサンデンドリマーモノマー40g、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル(大塚化学製)1.0gを仕込み、溶解させた。窒素雰囲気下、滴下ロートよりモノマー混合物を80℃に保ったまま、2時間かけて滴下した。滴下終了後、窒素雰囲気下6時間加熱攪拌した。攪拌後の反応生成物をガスクロマトグラフィーにより重合添加率を分析したところ、重合の添加率は97%であり、ビニル系重合体が得られたことが判明した。このビニル系重合体のイソプロピルアルコール溶液にネオペンタン酸イソデシル250g加えた後、120℃でIPAを留出させた。減圧下、余剰のネオペンタン酸イソデシル及び未反応単量体を留出させ、固形分濃度を30wt%に調整した。
【0140】
得られたビニル系共重合体について、上記と同様に、撥水性及び感触を評価した。撥水性は「101」、感触は良好であった。
【0141】
以下、本発明の化粧料の処方例及び製造例を具体的に示す。
【0142】
処方例1:サンスクリーン(W/O)2層シェーキングタイプ

(成分)
相A
1)メトキシケイヒ酸オクチル 10部
2)酸化チタン、シクロペンタシロキサン(試作品TiO2 30%) 1部
3)酸化亜鉛、シクロペンタシロキサン(試作品 ZnO 50%) 32部
4)シクロペンタシロキサン 20.2部
5)ジメチコンクロスポリマー(注1) 3部
6)実施例2で得られたビニル系重合体 3.3部
7)フェノキシエタノール 0.9部
8)エタノール 5部

相B
9)BG 3部
10)水 21.6部

注1)ダウコーニング社製DC9045を使用した。
【0143】
1.成分4及び5を均一に混合して溶解させる。
2.成分7及び8を均一に混合して溶解させる。
3.成分9及び10を均一に混合して溶解させる。
4.工程1で得られた成分4及び5の混合物に成分1、2、3及び6、並びに、工程2で得られた成分7及び8の混合物を添加し、混合する。
5.工程4で得られた相Aを1500rpmで攪拌しながら、工程3で得られた相Bを相Aに30秒かけて投入する。
6.投入終了後、5分攪拌する。
【0144】
処方例2:サンスクリーン(W/O)クリーム

(成分)
相A
1)メトキシ桂皮酸オクチル 7.5部
2)シクロペンタシロキサン 5部
3)実施例3で得られたビニル系重合体 3部
4)ジメチコン(6cs)1部
5)イソノナン酸イソノニル 1部
6)シクロペンタシロキサン、ジメチコンクロスポリマー(注1) 3部
7)ポリシリコーン13(注2) 2部
8)酸化亜鉛、シクロペンタシロキサン(スラリー濃度 50%) 10部
9)シクロペンタシロキサン、酸化チタン(スラリー濃度 30%) 2部

相B
10)塩化ナトリウム 1部
11)パンテノール 0.5部
12)精製水 61.95部
13)グリセリン 2部
14)防腐剤 0.05部

注1)ダウコーニング社製DC9040を使用した。
注2)東レ・ダウコーニング社製 FZ−2233を使用した。
【0145】
1.成分2及び6をデイスパーで攪拌する。
2.工程1で得られた混合物に成分1、3、4、5、7、8及び9を加え均一に混合する。
3.成分10〜14を均一に混合する。
4.工程2で得られた相Aを3000rpmで攪拌しながら、工程3で得られた相Bを相Aに30秒かけて投入する。
5.投入後3分、3分、及び、4分攪拌する。
【0146】
処方例3:サンスクリーン(O/W)クリーム

(成分)
相A
1)PEG/PPG-30/10ジメチコン、ジメチコン他(注1) 10部
2)トリ(POE)ラウリルエーテルリン酸ナトリウム 0.05部
3)ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル及び安息香酸ヘキシル 6部
4)メトキシ桂皮酸エチルヘキシル 2部
5)実施例1で得られたビニル系重合体 3部
6)ジメチコン6cs 1部
7)ビス(ヒドロキシエトキシプロピル)ジメチコン(注2) 1部
8)フェニルトリメチコン 2部

相B
9)カルボマー(2%aq) 22.5部
10)精製水 27部
11)水酸化ナトリウム(1%aq) 10.5部

相C
12)ポリオキシプロピレンメチルグルコシド 0.4部
13)エタノール 2部
14)BG 5部
15)グリセリン 5部
16)防腐剤 0.05部

相D
17)(ジメチコン/ビニルジメチコン)クロスポリマー(注3) 2.5部

注1)東レ・ダウコーング社製FB−2540を使用した。
注2)ダウコーニング社製DC−5562を使用した。
注3)東レ・ダウコーング社製BY29-129を使用した。
【0147】
1.成分9〜11を均一に混合する。
2.成分12〜16を均一に混合する。
3.成分1、3及び4を混合し、更に、成分2、5、6、7及び8を混合する。
4.工程1で得られた相Bを3000rpmで攪拌しながら、工程3で得られた相Aを相Bに30秒かけて投入する。
5.投入後、3分、及び、5分攪拌する。
6.工程5で得られた混合物を2000rpmで攪拌しながら、工程2で得られた相Cを当該混合物に30秒かけて投入する。
7.投入後、2分、及び、4分攪拌する。
8.更に、成分17を加え、1000rpmで1分攪拌する。
【0148】
処方例4:リキッドファンデーション

(成分)
相A
1)パルミチン酸デキストリン 2.1部
2)トリカプリル・トリカプリン酸グリセリル 5部
3)PEG/PPG-18/18 ジメチコン(注1) 10部
4)PEG-12 ジメチコン(注2) 1.9部

相B
6)シクロペンタシロキサン 20部
7)シリコーン処理酸化鉄 3.5部
8)シリコーン処理マイカ 3.5部
9)実施例5で得られたビニル系重合体 3部
10)ジメチコンクロスポリマー(注3)2部

相C
11)精製水 48部
12)塩化ナトリウム 1部

注1)ダウコーニング社製DC5225Cを使用した。
注2)ダウコーニング社製DC193Cを使用した。
注3)ダウコーニング社製DC9040を使用した。
【0149】
1.成分1〜4を80〜90℃で混合し、完全に溶解させ、50℃に冷却する。
2.成分6〜10を均一に混合する。
3.工程1で得られた相Aと工程2で得られた相Bを混合する。
4.工程3で得られた混合物に成分11及び12を30秒かけて投入する。
5.投入後3分、3分、及び、4分攪拌する。
【0150】
処方例5:リキッドファンデーション(O/W)

(成分)
相A
1)ステアリン酸 3部
2)ステアリン酸グリセリル/PEG-100 ステアリル 2部
3)トリカプリル/トリカプリン酸グリセリル 3部
4)重質流動パラフィン 3.4部
5)ジメチコン(6cs) 2.3部
6)実施例4で得られたビニル系重合体 6.7部

相B
7)1,3−ブチレングリコール 8部
8)酸化チタン 9.5部
9)赤色酸化鉄 0.35部
10)黒色酸化鉄 0.1部
11)黄色酸化鉄 1.5部
12)タルク 1部
13)防腐剤 0.3部

相C
14)精製水 57.95部

相D
15)トリエタノールアミン 0.9部
【0151】
1.成分7〜13を混合する。
2.成分1〜6を80〜90℃で混合し、完全に溶解させ、50℃に冷却する。
3.成分14を85℃に加熱する。
4.工程3で得られた相Cに工程1で得られた相Bを30秒かけて投入し、3000rpmで攪拌する。
5.回転数を1000rpmに落とし、工程1で得られた相Bの混合物を添加する。
6.5分間攪拌する。
7.成分15を加え、pHを6〜6.5に調整する。
【0152】
処方例6:パウダーファンデーション

(成分)
1)タルク 残量
2)マイカ 3部
3)ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー/シリカ(注1) 1部
4)シリコーン処理酸化チタン 9部
5)シリコーン処理微粒子酸化亜鉛 5部
6)シリコーン処理微粒子酸化チタン 5部
7)ベンガラ 0.2部
8)黄色酸化鉄 1.4部
9)黒色酸化鉄 0.3部
10)板状硫酸バリウム(平均粒子径30μm) 7.5部
11)ポリメタクリル酸メチル 7.5部
12)パラベン 0.2部
13)フェニルメチルシリコーン 5部
14)実施例3で得られたビニル系重合体 2部
15)メトキシ桂皮酸エチルヘキシル 1部
16)リンゴ酸ジイソステアリル 3部
17)ジメチルポリシロキサン(350cSt) 2部
18)グリセリン 0.2部
19)香料 適量

注1)東レ・ダウコーニング社製9701Cosmetic Powder
【0153】
1.成分11〜18を混合溶解する。
2.成分1〜10を混合する。
3.工程1で得られた混合物に工程2で得られた混合物を加え、混合混練し、粉砕する。
4.工程3で得られた粉砕物を金型でプレス成型し、固形粉末状ファンデーションを得る。
【0154】
処方例7:口紅

(成分)
相A
1)PEG/PPG-18/18 ジメチコン(注1) 4.2部
2)アルキル変性シリコーン(注2) 2部
3)赤色酸化鉄 (69% in DC 5562 Carbinol Fluid) 1部
4)赤色7号 (42% in DC 5562 Carbinol Fluid) 10部
5)黄色酸化鉄(55% in DC 5562 Carbinol Fluid) 1部
6)リンゴ酸ジエステル 1部

相B
7)有機ベントナイト(ベントン38) 2部

相C
8)ジメチコン(2cs) 18.5部
9)高重合度ジメチコン(注3) 2部
10)実施例5で得られたビニル系重合体 19部
11)トリメチルシロキシケイ酸 2部

相D
12)シリル化シリカ 1部

相E
13)アルキルシラン処理マイカ 9部

相F
14)カルボマー(2%aq) 20部
15)防腐剤 適量
16)精製水 4.8部

相G
17)香料

注1)ダウコーニング社製DC5225Cを使用した。
注2)ダウコーニング社製AMS-C30 COSMETIC WAX
注3)東レ・ダウコーニング社製BY11-040を使用した。
【0155】
1.成分1〜6を80℃で混合する。
2.成分7を工程1で得られた相Aに添加し、混合する。
3.更に、成分8〜13を添加し、混合する。
4.更に、成分14〜16を添加し、70℃で混合する。
5.工程2で得られた相Aと相Bの混合物、及び、工程3で得られた相C、D及びEの混合物を混合して1000rpmで攪拌し、更に、工程4で得られた相Fを30秒かけて添加し、更に3分攪拌する。
6.更に成分17を添加して、混合する。
【0156】
処方例8:透明リップグロス

(成分)
1)ポリアミド変性シリコーン(2-8178) 16.5部
2)デカメチルペンタシクロシロキサン 33部
3)実施例2で得られたビニル系重合体 3部
4)ミリスチン酸イソプロピル 20部
5)トリカプリル/トリカプリン酸グリセリル 21.8部
6)トリメチルペンタフェニルトリシロキサン 5.5部
7)顔料 0.2部
【0157】
1.全ての成分を100℃で混合する。
2.金型に注ぎ込む
3.1時間放置する。
【0158】
処方例9:マスカラ

(成分)
相A
1)ビーズワックス 10部
2)オゾケライト 7部
3)カルナバワックス 3部
4)ステアリン酸 5部
5)ステアリン酸グリセリル 5部

相B
6)水 35.5部
7)プロピレングリコール 5部
8)トリエタノールアミン 1.5部

相C
9)黒色酸化鉄 10部

相D
10)実施例4で得られたビニル系重合体 10部
11)イソドデカン 8部
【0159】
1.成分1〜5を混合し、85℃に加熱する。
2.成分6〜8を混合し、80℃に加熱する。
3.工程2で得られた相Bを1000rpmで攪拌しながら、工程1で得られた相Aを相Bに30秒かけて添加する。
4.成分9を工程3で得られた溶液に添加し、2分間攪拌を継続する。
5.50℃に冷却する。
6.工程5で得られた混合物に成分10及び11を添加して、混合する。
【0160】
処方例10:アイシャドウ

(成分)
1)タルク 20部
2)マイカ 20部
3)セリサイト 10部
4)ナイロン(登録商標)パウダー 5部
5)着色顔料 10部
6)雲母チタン 20部
7)ジメチルポリシロキサン 5部
8)ワセリン 2部
9)実施例3で得られたビニル系重合体 1部
10)流動パラフィン 残余
【0161】
成分1〜10を混合し、粉砕機で処理してプレスする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、(A)下記式(1):
【化1】

{式中、
Zは、2価の有機基であり、
pは、0又は1であり、
1及びR2は、それぞれ独立して、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、
1は、i=1とした場合の下記式(2)で示されるシリルアルキル基
【化2】

(式中、
Z及びpは、前記と同じであり、
1及びR2は、前記と同じであり、
iは、前記シリルアルキル基の総階層数を示す1〜10の整数であり、
i+1は、水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基、アラルキル基及び前記シリルアルキル基からなる群から選択される基であり、但し、i=c(cは前記シリルアルキル基の階層を示す1〜10の整数である)の場合は、Li+1は水素原子、炭素原子数1〜10のアルキル基、アリール基又はアラルキル基であり、i<cの場合は前記シリルアルキル基であり、
aiは0〜3の整数である)である}で示されるカルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体、及び
(B)炭素原子数14〜22の長鎖アルキル基を有する不飽和単量体
[但し、{(A)成分の重量/全単量体の重量}≧{(B)成分の重量/全単量体の重量}]の共重合体。
【請求項2】
前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体が、一般式:
【化3】

(式中、R4は水素原子若しくはメチル基であり、R5は炭素原子数1〜10のアルキレン基である。)、若しくは、
【化4】

(式中、R4及びR5は前記と同じである。)で示されるアクリル基若しくはメタクリル基含有有機基、一般式:
【化5】

(式中、R6は水素原子若しくはメチル基であり、R7は炭素原子数1〜10のアルキル基であり、R8は炭素原子数1〜10のアルキレン基であり、bは0〜4の整数であり、cは0又は1である。)で示されるアルケニルアリール基含有有機基、及び、炭素原子数2〜10のアルケニル基からなる群から選択される基を有する、請求項1記載の共重合体。
【請求項3】
前記(B)炭素原子数14〜22の長鎖アルキル基を有する不飽和単量体が、C14〜22アルキル(メタ)アクリレートである、請求項1又は2記載の共重合体。
【請求項4】
更に、(C)炭素原子数14〜22の長鎖アルキル基を有さない少なくとも1種の不飽和単量体を共重合して得られる、請求項1乃至3のいずれかに記載の共重合体。
【請求項5】
前記(A)カルボシロキサンデンドリマー構造を有する不飽和単量体、
前記(B)炭素原子数14〜22の長鎖アルキル基を有する不飽和単量体 および
前記(C)炭素原子数14〜22の長鎖アルキル基を有さない少なくとも1種の不飽和単量体を
{(A)成分の重量/全単量体の重量}:{(B)成分の重量/全単量体の重量}:{(C)成分の重量/全単量体の重量}が、[0.3〜0.9:0.05〜0.4:0.05〜0.65]の範囲であり、かつ{(A)成分の重量/全単量体の重量}≧{(B)成分の重量/全単量体の重量}の条件を満たす重量比で共重合して得られる、請求項4記載の共重合体。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載の共重合体 100質量部;及び
油剤 5〜1000質量部からなる共重合体組成物。
【請求項7】
前記油剤が5〜100℃で液状であり、シリコーンオイル、炭化水素油及び脂肪酸エステル油から選択される少なくとも1種であることを特徴とする、請求項6記載の共重合体組成物。
【請求項8】
請求項6又は7記載の共重合体組成物からなる化粧料原料。
【請求項9】
請求項1乃至5記載の共重合体を含む化粧料。
【請求項10】
請求項6又は7記載の共重合体組成物を含む化粧料。
【請求項11】
油剤を更に含む請求項9記載の化粧料。
【請求項12】
前記油剤がシリコーンオイルである、請求項11記載の化粧料。
【請求項13】
前記シリコーンオイルが25℃における粘度が0.65〜100,000mm/sの疎水性シリコーンオイルである、請求項12記載の化粧料。
【請求項14】
前記シリコーンオイルが、下記一般式(3)、(4)、又は、(5):
【化6】

(式中、
9は、水素原子、水酸基、或いは、炭素原子数1〜30の、一価の非置換若しくはフッ素若しくはアミノ置換アルキル基、アリール基、アルコキシ基及び(CH3)3SiO{(CH3)2SiO}lSi(CH3)2CH2CH2-(lは0〜1000の整数)で示される基から選択される基であり、
a’は、0〜3の整数であり、
b’は、0〜1000の整数であり、
c’は、0〜1000の整数であり、但し、1≦b’+c’≦2000である)
【化7】

(式中、
9は、上記と同様であり、
dは、0〜8の整数であり、
eは、0〜8の整数であり、但し、3≦d+e≦8である)
【化8】

(式中、
9は、上記と同様であり、
fは1〜4の整数であり、
gは0〜500の整数である)
で表されるオルガノポリシロキサンである、請求項12又は13記載の化粧料。
【請求項15】
アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤、及び、半極性界面活性剤からなる群より選ばれる少なくとも1種を更に含む請求項9乃至14のいずれかに記載の化粧料。
【請求項16】
粉体及び/又は着色剤を更に含む、請求項9乃至15のいずれかに記載の化粧料。
【請求項17】
前記粉体が、平均粒子径が1nm〜20μmの範囲にある無機顔料粉体、有機顔料粉体、及び、樹脂粉体からなる群より選ばれる少なくとも1種である、請求項16記載の化粧料。
【請求項18】
前記粉体及び/又は前記着色剤の少なくとも一部が撥水化処理されている請求項16又は17記載の化粧料。
【請求項19】
水溶性高分子、油溶性ゲル化剤、及び、有機変性粘土鉱物からなる群から選択される少なくとも1種を更に含む請求項9乃至18のいずれかに記載の化粧料。
【請求項20】
シリコーン樹脂、シリコーンエラストマー、及び、有機変性シリコーンからなる群から選択される少なくとも1種を更に含む請求項9乃至19のいずれかに記載の化粧料。
【請求項21】
紫外線防御成分を更に含む請求項9乃至20のいずれかに記載の化粧料。
【請求項22】
請求項9乃至21のいずれかに記載の化粧料を含む、スキンケア製品、毛髪製品、制汗剤製品、脱臭剤製品、メイクアップ製品、又は、紫外線防御製品。

【公開番号】特開2011−149017(P2011−149017A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286545(P2010−286545)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000110077)東レ・ダウコーニング株式会社 (338)
【Fターム(参考)】