説明

カンナビノイド受容体のモジュレーターとなる非環状ヒドラジド

本発明の非環状ヒドラジンは、カンナビノイド−1(CB1)受容体のアンタゴニストおよび/または逆アゴニストであり、CB1受容体によって介在される疾患の治療、予防および抑制に有用である。本発明の化合物は、精神病、記憶欠落、認識障害、偏頭痛、ニューロパシー、多発性硬化症やギラン・バレー症候群のような神経炎症障害、ウイルス脳炎の炎症性後遺症、脳血管発作、頭部外傷、不安障害、ストレス、癲癇、パーキンソン病、運動障害および統合失調症の治療で中心作用薬として有用である。化合物はまた、物質濫用異常症(禁煙を含む)の治療、肥満症または摂食障害の治療、喘息、便秘、慢性偽腸閉塞および肝硬変の治療に有用である。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
マリファナ(Cannabis sativa L.)およびその誘導体は何世紀も前から医学目的および保養目的で使用されてきた。マリファナおよびハシシュの主要活性成分は、Δ9−テトラヒドロカンナビノール(Δ9−THC)であることが判明している。詳細な研究から、Δ9−THCおよびカンナビノイドファミリーの他の構成員の生物作用はCB1およびCB2と命名された2つのG−タンパク質結合受容体を介して生じることが解明された。CB1受容体は主として中枢神経系および末梢神経系に見出され、いくつかの末梢器官にも少しは見出される。CB2受容体は主としてリンパ系の組織および細胞に見出される。アラキドン酸に由来するカンナビノイド受容体の3つの内因性リガンドが同定されている(アナンダミド、2−アラキドノイルグリセロール、2−アラキドノイルグリセロールエーテル)。各々は、鎮静、低体温、腸静止、抗痛、鎮痛、カタレプシー、制吐および食欲刺激のようなΔ9−THCに類似の活性をもつアゴニストである。
【0002】
現在では摂食障害および/または禁煙を治療する臨床試験で逆アゴニストまたはアンタゴニストとして特性決定された少なくとも2つのCB1モジュレーター、N−(1−ピペリジニル)−5−(4−クロロフェニル)−l−(2,4−ジクロロフェニル)−4−メチルピラゾール−3−カルボキサミド(SR141716A)および3−(4−クロロフェニル−N’−(4−クロロフェニル)スルホニル−N−メチル−4−フェニル−4,5−ジヒドロ−lH−ピラゾール−l−カルボキサミド(SLV−319)が存在する。ヒト用医薬として使用するための適当な薬物動態学的特性および薬力学的特性をもつ強力な低分子量CB1モジュレーターが依然として要望されている。
【0003】
米国特許5,624,941、6,028,084および6,509,367、国際公開WO98/31227、WO98/41519、WO98/43636およびWO98/43635および欧州特許EP−658546はカンナビノイド受容体に拮抗活性を有している置換ピラゾールを開示している。
【0004】
別のカンナビノイド受容体変調化合物は、米国特許4,973,587、5,013,837、5,081,122、5,112,820、5,292,736、5,532,237、6,355,631、6,479,479および国際公開WO97/29079、98/37061、99/02499、00/10967、00/10968、01/58869、01/64632、01/64633、01/64634、01/70700、02/076949、03/026647、03/026648、03/027069、03/027076、03/027114および03/077847に開示されている。
【0005】
本発明の化合物はカンナビノイド−1(CB1)受容体のモジュレーターであり、カンナビノイド−1(CB1)受容体によって介在される疾患の治療、予防および抑制に有用である。本発明の化合物はCB1受容体のアンタゴニストまたは逆アゴニストである。本発明はカンナビノイド−1(CB1)受容体を変調するためのこれらの化合物の使用に関する。従って本発明の化合物は、精神病、記憶欠落、認識障害、偏頭痛、ニューロパシー、多発性硬化症やギラン・バレー症候群のような神経炎症障害、ウイルス脳炎の炎症性後遺症、脳血管発作、頭部外傷、不安障害、ストレス、癲癇、パーキンソン病、運動障害および統合失調症の治療で中心作用薬として有用である。化合物はまた、例えばアヘン剤、アルコール、マリファナおよびニコチンに関連するような物質濫用異常症の治療に有用である。化合物はまた過食を阻害することによって摂食障害の治療に有用であり、その結果として肥満症の治療や左心室肥大のような肥満合併症の治療に有用である。本発明の化合物はまた、便秘および慢性偽腸閉塞の治療に有用であり、喘息および肝硬変の治療にも有用である。
【発明の開示】
【0006】
本発明は一般式
【0007】
【化3】

の置換アラルキルアミン誘導体、その立体異性体、医薬的に許容される塩に関する。これらは、カンナビノイド−1(CB1)受容体のモジュレーター、特にアンタゴニストおよび/または逆アゴニストであり、カンナビノイド−1(CB1)受容体に介在される疾患の治療、予防または抑制に有用である。本発明は、カンナビノイド−1(CB1)受容体に選択的に拮抗するためのこれらの新規な化合物の使用に関する。従って本発明の化合物は、精神病、記憶欠落、認識障害、偏頭痛、ニューロパシー、多発性硬化症やギラン・バレー症候群のような神経炎症障害、ウイルス脳炎の炎症性後遺症、脳血管発作、頭部外傷、不安障害、ストレス、癲癇、パーキンソン病、運動障害および統合失調症の治療で中心作用薬として有用である。化合物はまた、例えばアヘン剤、アルコール、マリファナおよびニコチンに関連するような禁煙を含む物質濫用異常症の治療に有用である。化合物はまた過食に付随する肥満症または摂食障害の治療に有用であり、これらに付随する左心室肥大のような合併症の治療に有用である。本発明の化合物はまた便秘および慢性偽腸閉塞の治療に有用である。化合物はまた肝硬変の治療に有用である。化合物はまた喘息の治療に有用である。
【0008】
本発明はまた、これらの状態の治療、これらの状態の治療に有用な医薬を製造するための本発明の化合物の使用に関する。本発明はまた、式Iの化合物と現用の市販医薬との併用によるこれらの状態の治療に関する。
【0009】
本発明はまた、化合物の1つを有効成分として含む医薬配合物に関する。
【0010】
本発明はさらに本発明の化合物の製造方法に関する。
【0011】
本発明の方法に使用される化合物は、構造式I:
【0012】
【化4】

によって表される化合物または医薬的に許容されるその塩である。
【0013】
式中の、
は、
(1)水素、
(2)C1−4アルキル、
(3)C3−6シクロアルキル、
(4)C2−4アルケニル、および、
(5)C2−4アルキニル
から選択され、
は、
(1)C1−10アルキル、
(2)C2−10アルケニル、
(3)C2−10アルキニル、
(4)C3−10シクロアルキル、
(5)C3−10シクロアルキルC1−4アルキル、
(6)シクロヘテロアルキル、
(7)シクロヘテロアルキルC1−4アルキル、
(8)アリール、
(9)アリールC1−10アルキル、
(10)アリールC2−8アルケニル、
(11)ジアリールC1−4アルキル、
(12)ヘテロアリール、
(13)ヘテロアリールC1−10アルキル、
(14)NR
から選択され、
ここにアルキル、アルケニルおよびアルキニルの各々は直鎖状または分枝状で、未置換であるかまたはRから独立に選択された1−4個の置換基で置換されており、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールおよびヘテロアリールの各々は未置換であるかまたはRから独立に選択された1−4個の置換基で置換されており、
ArおよびArは独立に、
(1)アリール、および、
(2)ヘテロアリールから選択され、ここに、アリールおよびヘテロアリールは未置換であるかまたはRから独立に置換された1−4個の置換基で置換されており、
の各々は、独立に、
(1)−OR
(2)−NRS(O)mR
(3)ハロゲン、
(4)−SR
(5)−S(O)mR
(6)−S(O)mNR
(7)−NR
(8)−C(O)R
(9)−CO
(10)−CN、
(11)−C(O)NR
(12)−NRC(O)R
(13)−NRC(O)OR
(14)−NRC(O)NR
(15)−CF、および、
(16)−OCF
から選択され、
の各々は独立に、
(1)R
(2)C1−10アルキル、
(3)オキソ、
(4)アリール、
(5)アリールC1−4アルキル、
(6)ヘテロアリール、および、
(7)ヘテロアリールC1−4から選択され、
およびRの各々は独立に、
(1)水素、
(2)C1−10アルキル、
(3)C2−10アルケニル、
(4)シクロアルキル、
(5)シクロアルキル−C1−10アルキル、
(6)シクロヘテロアルキル、
(7)シクロヘテロアルキル−C1−10アルキル、
(8)アリール、
(9)ヘテロアリール、
(10)ピリジル、
(11)ピリミジル、
(12)アリール−C1−10アルキル、および、
(13)ヘテロアリール−C1−10アルキルから選択されるか、または、
とRとが(1つまたは複数の)結合原子と共に、酸素、イオウおよびN−Rgから独立に選択された0−2個の追加のヘテロ原子を含有している4−7員の複素環を形成しており、RおよびRの各々は未置換であるかまたはRから選択された1−3個の置換基で置換されていてもよく、
Rgの各々は独立に、
(1)水素,
(2)C1−4アルキル、
(3)−C(O)C1−4アルキル、
(4)−C(O)OR
(5)−C(O)NR
(6)−S(O)mR、および
(7)−S(O)mNR
から選択され、
の各々は独立に、
(1)ハロゲン、
(2)C1−10アルキル、
(3)−O−C1−4アルキル、
(4)−S−C1−4アルキル、
(5)−S(O)m−C1−4アルキル、
(6)−CN、
(7)−NO
(8)−CF
(9)−CHF、および
(10)−OCF
から選択され、
mは1および2から選択される。
【0014】
本発明の1つの実施態様では、Rが水素、C1−4アルキル、C2−4アルケニルおよびC2−4アルキニルから選択される。
【0015】
この実施態様の1つのクラスでは、Rが水素、C1−4アルキルおよびC2−4アルケニルから選択される。
【0016】
このクラスの1つのサブクラスでは、Rが水素、メチル、エチル、プロピルおよびアリルから選択される。
【0017】
本発明の別の実施態様では、RがC1−10アルキル、C2−10アルケニル、C2−10アルキニル、C3−10シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールC1−10アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールC1−10アルキルから選択され、ここに、アルキル、アルケニルおよびアルキニルの各々は、直鎖状または分枝状であり、未置換であるかまたはRから独立に選択された1、2、3または4個の置換基で置換されており、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールおよびヘテロアリールの各々は、未置換であるかまたはRから独立に選択された1、2、3または4個の置換基で置換されている。
【0018】
この実施態様の1つのクラスでは、RがC1−8アルキル、C2−8アルケニル、C3−8シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリール、アリールC1−6アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールC1−6アルキルから選択され、ここに、アルキルおよびアルケニルの各々は直鎖状または分枝状であり、未置換であるかまたはRから独立に選択された1、2または3個の置換基で置換されており、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールおよびヘテロアリールの各々は未置換であるかまたはRから独立に選択された1、2または3個の置換基で置換されている。
【0019】
このクラスの1つのサブクラスでは、RがC1−8アルキル、C3−6シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、フェニル、フェニルC1−3アルキル、ピリジル、ピリミジル、ピリジルC1−3アルキルおよびピリミジルC1−3アルキルから選択され、ここに、アルキル部分の各々は直鎖状または分枝状であり、未置換であるかまたはRから独立に選択された1、2または3個の置換基で置換されており、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、フェニルおよびヘテロアリール部分の各々は、未置換であるかまたはRから選択された1、2または3個の置換基で置換されている。
【0020】
別のサブクラスでは、Rがイソプロピル、n−プロピル、sec−ブチル、シクロペンチル、シクロブチル、アゼチジニル、1−フェニル−プロピルから選択され、ここに、アルキル部分の各々は未置換であるかまたは1または2個のR置換基で置換されており、シクロアルキル、シクロヘテロアルキルまたはフェニル部分は未置換であるかまたは1または2個のR置換基で置換されている。
【0021】
また別のサブクラスでは、R
【0022】
【化5】

から選択される。
【0023】
本発明のまた別の実施態様では、Arがアリールおよびヘテロアリールから選択され、ここに、アリールおよびヘテロアリールは未置換であるかまたはRから独立に選択された1、2、3または4個の置換基で置換されている。
【0024】
この実施態様の1つのクラスでは、Arがフェニルおよびピリジルから選択され、ここにフェニルおよびピリジルは未置換であるかまたは1−3個のR置換基で置換されている。
【0025】
このクラスの1つのサブクラスでは、Arがフェニルおよびピリジルから選択され、ここにフェニルおよびピリジルは未置換であるかまたはハロゲンおよびシアノから選択された1−3個の置換基で置換されている。
【0026】
このクラスの別のサブクラスでは、Arが1または2個のR置換基で置換されるかまたは未置換のフェニルである。
【0027】
また別のサブクラスでは、ArがR置換基でパラ置換されるかまたは未置換のフェニルである。
【0028】
また別のサブクラスでは、Arがハロゲンまたはシアノによってパラ位で置換されたフェニルである。
【0029】
追加のサブクラスでは、Arがパラ−クロロフェニルである。
【0030】
本発明のまた別の実施態様では、Arがアリールおよびヘテロアリールから選択され、ここに、アリールおよびヘテロアリールは未置換であるかまたはRから独立に選択された1−4個の置換基で置換されている。
【0031】
この実施態様の1つのクラスでは、Arがフェニルおよびピリジルから選択され、ここにフェニルおよびピリジルは未置換であるかまたは1−3個のR置換基かで置換されている。
【0032】
このクラスの1つのサブクラスでは、Arがフェニルおよびピリジルから選択され、ここにフェニルおよびピリジルは未置換であるかまたはハロゲンおよびシアノから選択された1−3個の置換基で置換されている。
【0033】
このクラスの別のサブクラスでは、Arが1または2個のR置換基で置換されるかまたは未置換のフェニルである。
【0034】
また別のサブクラスでは、Arが1個のR置換基でメタ置換されるかまたは未置換のフェニルである。
【0035】
また別のサブクラスでは、Arがハロゲンまたはシアノによってメタ位で置換されたフェニルである。
【0036】
1つの追加サブクラスでは、Arがメタ−クロロフェニルである。
【0037】
1つの追加サブクラスでは、Arがm−クロロフェニル、m−ブロモフェニルおよびm−シアノフェニルから選択される。
【0038】
本発明の1つのクラスでは、Rの各々が独立に、−OR、ハロゲン、シアノおよび−COから選択される。
【0039】
このクラスのサブクラスでは、Rの各々が独立に、−OR、−Br、−Cl、−CNおよびCOC(CHから選択される。
【0040】
本発明の1つの実施態様では、Rの各々が独立に、−OR、−NHS(O)mR、ハロゲン、−SR、−S(O)mR、−S(O)mNHR、−NHR、−C(O)R、−CO、−CN、−C(O)NR、−NHC(O)R、−NHC(O)OR、−NHC(O)NR、−CF、−OCF、シクロヘテロアルキル、C1−10アルキル、オキソ、アリール、アリールC1−4アルキル、ヘテロアリールおよびヘテロアリールC1−4アルキルから選択される。
【0041】
この実施態様の1つのクラスでは、Rの各々が独立に、−OR、ハロゲン、−CN、−CF、−OCF、シクロヘテロアルキル、C1−4アルキル、オキソ、フェニル、ベンジルおよびヘテロアリールから選択される。
【0042】
1つにサブクラスでは、Rの各々が独立に、−OR、−F、−Cl、−Br、シアノ、フェニル、ベンジル、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、−COHおよび−COC(CHから選択される。
【0043】
本発明の1つの実施態様では、Rの各々が独立に、
(1)水素、および、
(2)C1−4アルキル
から選択され、
の各々が独立に、
(1)ハロゲン、
(2)C1−4アルキル、
(3)C2−6アルケニル、
(4)シクロアルキル、
(5)シクロアルキル−C1−4アルキル、
(6)シクロヘテロアルキル、
(7)シクロヘテロアルキル−C1−4アルキル、
(8)フェニル、
(9)ヘテロアリール、
(10)フェニル−C1−4アルキル、
(11)ヘテロアリール−C1−4アルキル、
から選択されるか、または、
とRとが(1つまたは複数の)結合原子と共に、酸素、イオウおよびN−Rgから独立に選択された0−2個の追加のヘテロ原子を含む4−7員の複素環を形成しており、RおよびRの各々は未置換でもよくまたはRから選択された1−3個の置換基で置換されていてもよい。
【0044】
この実施態様の1つのクラスでは、Rの各々が独立に、水素およびC1−4アルキルから選択され、
の各々は独立に、
(1)水素、
(2)C1−5アルキル、
(3)−CHCH=CH
(4)シクロヘキシル、
(5)シクロペンチル、
(6)シクロプロピル、
(7)シクロブチルメチル、
(8)シクロペンチルメチル、
(9)シクロヘキシルメチル、
(10)ピロリジニル、
(11)フェニル、
(12)チアゾリル、
(13)ピリジル、
(14)ピリミジル、
(15)ベンゾチアゾリル、
(16)ベンズオキサゾリル、
(17)トリアゾリル、
(18)ベンジル、および、
(19)ピリジル−メチル−から選択されるか、または、
とRとが(1つまたは複数の)結合原子と共にピペリジニル環を形成しており、RおよびRの各々は未置換でもよくまたはRから選択された1−3個の置換基で置換されていてもよい。
【0045】
このクラスの1つのサブクラスでは、Rの各々が独立に、
(1)水素、および、
(2)C1−4アルキル
から選択され、
の各々が独立に
(1)水素、
(2)フェニル、
(3)ピリジル、および、
(4)ピリミジル
から選択され、ここに,フェニル、ピリジルおよびピリミジルは未置換であるかまたは1または2個のR置換基で置換されている。
【0046】
本発明の1つの実施態様では、Rgの各々は独立に、水素、C1−4アルキル、−C(O)C1−4アルキル.−C(O)OR、−C(O)NR、−C(O)mR、−S(O)mRおよび−S(O)mNRから選択される。この実施態様の1つのクラスでは、Rgの各々が、水素、C1−4アルキルおよび−C(O)C1−4アルキルから選択される。
【0047】
この実施態様に別のクラスでは、Rgの各々が、水素、メチルまたはメチルカルボニルである。
【0048】
このクラスの1つのサブクラスでは、Rgの各々が、水素またはメチルである。
【0049】
本発明の1つの実施態様では、Rの各々が独立に、ハロゲン、C1−10アルキル、−O−C1−4アルキル、−S−C1−4アルキル、−S(O)m−C1−4アルキル、−CN、−NO、−CF、−CHFおよび−OCFから選択される。
【0050】
この実施態様の1つのクラスでは、Rの各々が独立に、ハロゲン、メチル、メトキシ、−CN、−CF、−CHFおよび−OCFから選択される。
【0051】
別のクラスでは、Rの各々が独立に、ハロゲン、C1−10アルキル、−O−C1−4アルキル、−S−C1−4アルキル、−CN、−NO、−CF、−CHFおよび−OCFから選択される。
【0052】
この実施態様のまた別のクラスでは、Rの各々が独立に、ハロゲン、メチル、メトキシ、−S(O)m−CH、−CN、−CF、−CHFおよび−OCFから選択される。
【0053】
このクラスの1つのサブクラスでは、Rの各々が、−Cl、−F、−CH、−CFおよび−CHF2−から選択される。
【0054】
本発明の1つの実施態様では、mが1または2である。
【0055】
この実施態様の1つのクラスでは、mが2である。別のクラスではmが1である。
【0056】
本発明の別の実施態様では、構造式II:
【0057】
【化6】

の化合物が目的とされる。
【0058】
“アルキル”、および、アルコキシ、アルカノイルのような“アルキ”という接頭辞を有しているその他の基は直鎖状または分枝状または双方が混在する炭素鎖を意味する。アルキル基の例は、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−およびtert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニルなどである。
【0059】
“アルケニル”は、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有しており、直鎖状または分枝状または双方が混在する炭素鎖を意味する。アルケニルの例は、アリル、イソプロピル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、1−プロペニル、2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニルなどである。
【0060】
“アルキニル”は、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を有しており、直鎖状または分枝状または双方が混在する炭素鎖を意味する。アルキニルの例は、エチニル、プロパルギル、3−メチル−1−ペンチニル、2−ヘプチニルなどである。
【0061】
“シクロアルキル”は、各々が3−10個の炭素原子を有している単環式、二環式または架橋した飽和炭素環を意味する。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、テトラヒドロナフチル、デカヒドロナフチル、などである。
【0062】
“アリール”は炭素原子だけを含有する単環式または二環式の芳香環を意味する。アリールの例は、フェニル、ナフチルなどである。
【0063】
“ヘテロアリール”は、N、OおよびSから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含有し各々が5−6個の原子を含有している単環式または二環式の芳香環を意味する。ヘテロアリールの例は、ピロリル、イソキサゾリル、イソチアゾリル、ピラゾリル、ピリジル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、フラニル、トリアジニル、チエニル、ピリミジル、ピリダジニル、ピラジニル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾチアゾリル、フロ(2,3−b)ピリジル、キノリル、インドリル、イソキノリル、オキサゾリジニル、などである。ヘテロアリールの1つまたは複数の炭素原子が置換されていてもよい。本発明の1つの実施態様では、ヘテロアリールが、ピリジル、ピリミジル、イミダゾリルおよびチエニルである。この実施態様の1つのクラスではヘテロアリールがピリジルである。
【0064】
“シクロヘテロアルキル”は、N、SおよびOから選択された少なくとも1つのヘテロ原子を含有し各々が3−10個の原子を含有している単環式、二環式または架橋された飽和環を意味する。結合点は炭素または窒素でよい。“シクロヘテロアルキル”の例は、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、イミダゾリジニル、ピラニル、テトラヒドロフラニル、モルホリニル、ジオキサニル、オキサニル、アゼチジニル、ペルヒドロアゼピニル、テトラヒドロフラニル、1−チア−4−アザ−シクロヘキサン(チオモルホリニル)、ヘキサヒドロチエノピリジニル、チエノピリジニル、アザシクロヘプチル、などである。この用語はまた、窒素を介して結合した2−または4−ピリドンまたはN−置換−(lH,3H)−ピリミジン−2,4−ジオン(N−置換ウラシル)のような部分的に不飽和の非芳香族単環を含む。シクロヘテロアルキル環の環炭素および/または環窒素は置換されていてもよい。
【0065】
“ハロゲン”はフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を含む。
【0066】
いずれかの成分または式Iに選択要素(例えば、R、Rなど)が2つ以上存在するとき、各々の要素の定義はそれ以外の要素の定義から独立している。また、置換基および/または選択要素の共存はこのような共存が安定な化合物を与える場合に限って許容される。
【0067】
本発明の開示に使用した標準的命名法では、指定した側鎖の末端部分を最初に示し次いで隣接の官能基から結合点までの順序で示す。例えば、C1−5アルキルカルボニルアミノC1−6アルキル置換基は、
【0068】
【化7】

に等価である。
【0069】
本発明の化合物を選択するときに、化学構造の結合性および安定性に関する公知の原理に適合するように種々の置換基すなわちR、Rなどを選択すべきであることは平均的な当業者に明らかであろう。
【0070】
“置換された”という用語は、記載の置換基による多重置換を含むこととする。多重置換部分が開示されているかまたは特許請求の範囲に記載されているとき、置換化合物は、開示されたかまたは特許請求の範囲に記載された置換部分の1つまたは複数によって独立に置換されることができる。独立に置換されるという表現は、(2つまたはそれ以上の)置換基が同じでもよく異なってもよいことを意味する。
【0071】
式Iの化合物は1つまたは複数の非対称中心を含んでもよく、従って、ラセミ化合物およびラセミ混合物、単一鏡像異性体、ジアステレオマー混合物および個々のジアステレオマーとして生成し得る。本発明は、式Iの化合物のこのような異性体形態をすべて含意する。
【0072】
本文中に記載の化合物のいくつかはオレフィン二重結合を含有し、異なる指定がなければEおよびZの双方の幾何異性体を包含する。
【0073】
互変異性体は化合物の1つの原子から化合物の別の原子への迅速なプロトンシフトが生じる化合物であると定義される。本文中に記載の化合物のいくつかは異なる水素結合点を有している互変異性体として存在し得る。このような例はケトンであり、そのエノール形はケト−エノール互変異性体として公知である。個々の互変異性体およびそれらの混合物は式Iの化合物に包含される。
【0074】
式Iの化合物は、例えばMeOHまたは酢酸エチルまたはそれらの混合物のような適当な溶媒から分別結晶化によって鏡像異性体のジアステレオ異性体対に分割できる。このようにして得られた鏡像異性体対は慣用の手段、例えば、光学活性アミンを分割剤として使用するかまたはキラルHPLCカラムによって個々の立体異性体に分割できる。
【0075】
あるいは、既知の立体配置の光学的に純粋な材料または試薬を使用する立体特異的合成によって一般式Iの化合物の鏡像異性体を得ることもできる。
【0076】
さらに、本発明の化合物の結晶質形態のいくつかは、多形相として存在でき、これらも本発明に包含される。更に、本発明の化合物のいくつかは、水または常用の有機溶媒と共に溶媒和物を形成できる。このような溶媒和物も本発明の範囲に包含される。
【0077】
一般には、本発明の化合物を鏡像異性的に純粋な配合物として投与するのが好ましい。ラセミ混合物は多くの慣用方法のいずれかによって個々の鏡像異性体に分割できる。これらの方法には、キラルクロマトグラフィー、キラル補助剤で誘導体化し次いでクロマトグラフィー分離するか結晶化する方法、ジアステレオマー塩の分別結晶化などがある。
【0078】
“医薬的に許容される塩”という用語は、無機または有機の塩基および無機または有機の酸のような医薬的に許容される無毒の塩基または酸から製造された塩を表す。無機塩基から誘導された塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛、など、例えば、アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウムおよびナトリウムの塩から選択できる。医薬的に許容される無毒の有機塩基から誘導された塩は、第一級、第二級および第三級アミン、天然産生置換アミンを含む置換アミン、環状アミンの塩、塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リシン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン、などを含む。“医薬的に許容される塩”という用語はさらに、酢酸塩、ラクトビオン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ラウリン酸塩、安息香酸塩、リンゴ酸塩、炭酸水素塩、マレイン酸塩、硫酸水素塩、マンデル酸塩、酒石酸水素塩、メシラート、ホウ酸塩、メチルブロミド、臭化物、メチルニトレート、エデト酸カルシウム、メチルスルフェート、カムシラート、ムコ酸塩、炭酸塩、ナプシラート、塩化物、硝酸塩、クラブラン酸塩、N−メチルグルカミン、クエン酸塩、アンモニウム塩、二塩酸塩、オレイン酸塩、エデト酸塩、シュウ酸塩、エディシラート、パモ酸塩(embonate)、エストール酸塩、パルミチン酸塩、エシラート、パントテン酸塩、フマル酸塩、リン酸塩/二リン酸塩、グルセプト酸塩、ポリガラクツロン酸塩、グルコン酸塩、サリチル酸塩、グルタミン酸塩、ステアリン酸塩、グリコリルアルサニル酸塩、硫酸塩、ヘキシルレゾルシン酸塩、亜酢酸塩、ヒドラバミン、コハク酸塩、臭化水素酸塩、タンニン酸塩、塩酸塩、酒石酸塩、ヒドロキシナフトエ酸塩、テオクラート、ヨウ化物、トシラート、イソチオン酸塩、トリエチヨージド、乳酸塩、パノエート、吉草酸塩などのようなすべての許容される塩を包含する。これらは、溶解度特性または加水分解特性を修飾する剤形で使用されてもよくまたは持続放出配合物もしくはプロドラッグ配合物として使用されてもよい。
【0079】
本文中に使用した式Iの化合物の参照番号はまた医薬的に許容される塩も包含することは理解されよう。
【0080】
本発明の化合物はCB1受容体のモジュレーターである。より特定的には、構造式Iの化合物はCB1受容体のアンタゴニストまたは逆アゴニストである。
【0081】
“アゴニスト”は、受容体に結合し、収縮、弛緩、分泌、酵素活性の変化などのような内因性調節化合物の作用を模倣する化合物(ホルモン、神経伝達物質または合成化合物)である。“アンタゴニスト”は、固有の調節活性がなく、内因性アゴニストの結合を妨害するかまたはアゴニストの作用を阻害することによってその効果を生じる化合物である。“逆アゴニスト”は、受容体に作用するが特定受容体のアゴニストによる効果の反対の効果を生じる化合物である。
【0082】
本発明の化合物はCB1受容体のモジュレーターであり、従って、精神病、記憶欠落、認識障害、偏頭痛、ニューロパシー、多発性硬化症やギラン・バレー症候群のような神経炎症障害、ウイルス脳炎の炎症性後遺症、脳血管発作、頭部外傷、不安障害、ストレス、癲癇、パーキンソン病、運動障害および統合失調症の治療で中心作用薬として有用である。化合物はまた、例えばアヘン剤、アルコール、マリファナおよびニコチンのような物質濫用異常症の治療に有用である。化合物はまた過食に付随する肥満症や摂食障害の治療に有用であり、これらに付随する左心室肥大のようなその合併症の治療に有用である。本発明の化合物はまた、便秘および慢性偽腸閉塞の治療に有用である。本発明の化合物は肝硬変の治療に有用である。本発明の化合物は喘息の治療に有用である。
【0083】
化合物“の投与”または“を投与する”という用語は、本発明の化合物または本発明の化合物のプロドラッグを治療を要する個体に与えることを意味すると理解されたい。
【0084】
本発明による治療方法を実施するための構造式Iの化合物の投与は、このような治療または予防を必要とする患者に有効量の構造式Iの化合物を投与することによって行う。本発明による予防的投与の必要性は、公知の危険要因から判断する。個々の化合物の有効量は、症例を担当する医師が最終的分析で決定するが、この量は、治療すべき正確な病名、疾患の重篤度、患者が罹患している他の疾患または状態、選択した投与経路、患者に同時に必要な他の薬物および治療のような要因、および、医師の判断によるその他の要因に左右される。
【0085】
これらの疾患または障害に対する本発明の化合物の有効性は、文献に報告された動物疾患モデルで証明され得る。以下はこのような動物疾患モデルの例である:(a)ラットの摂食抑制およびその結果として生じた体重減少(Life Sciences 1998,63,113−117);(b)キヌザルのスウィートフード摂取の減少(Behavioural Pharm.1998,9,179−181);(c)マウスのショ糖およびエタノール摂取の減少(Psychopharm.1997,132,104−106);(d)ラットの運動活性および位置条件つけの増加(Psychopharm.1998,135,324−332;Psychopharmacol 2000,151:25−30);(e)マウスの自発歩行活性(J.Pharm.Exp.Ther.1996,277,586−594);(f)マウスのアヘン剤自己投与の減少(Sci.1999,283,401−404);(g)喘息の種々の病期のモデルであるヒツジおよびモルモットの気管支過応答(例えば、W.M.Abrahamら,“α4−Integrins mediate antigen−induced late bronchial responses and prolonged airway hyperresponsiveness in sheep”J.Clin.Invest.93,776(1993)およびA.A.Y.Milne and P.P.Piper,“Role of VLA−4 integrin in leucocyte recruitment and bronchial hyperresponsiveness in the guinea−pig.”Eur.J.Pharmacol.,282,243(1995));(h)四塩化炭素によって誘発された進行肝硬変の血管拡張状態の考察(Nature Medicine,2001,7(7),827−832);(i)マカクザルのアミトリプチリン誘発便秘は緩下薬の評価に役立つ(Biol.Pharm.Bulletin(Japan),2000,23(5),657−9);(j)小児の慢性偽腸閉塞のニューロパシーおよび小児の慢性偽腸閉塞のニューロパシーに関連した動物モデル(Journal of Pathology(England),2001,194(3),277−88)。
【0086】
予防的または治療的に投与する式Iの化合物の用量はもちろん、治療すべき状態の種類および重篤度と具体的な式Iの化合物およびその投与経路に従って変更されるであろう。また、個々の患者の年齢、体重および応答に従って変更されるであろう。一般に、1日あたりの用量は、哺乳動物の体重1kgあたり約0.001mg−約100mgの範囲である。例えば、0.01mg−約50mg/kg、さらに0.1−10mg/kgであり、この量を1回で投与するかまたは分割量を複数回で投与する。また、いくつかの場合にはこれらの範囲外の用量を使用することが必要であろう。
【0087】
静脈内投与組成物を使用する場合には、適当な用量範囲は、1日に体重1kgあたり約0.001mg−約100mg(例えば0.01mg−約50mg、さらに0.1mg−10mg)の化合物Iである。
【0088】
経口組成物を使用する場合には、適当な用量範囲は、例えば1日あたり約0.01mg−約1000mgの式Iの化合物、好ましくは約0.1mg−約10mg/日である。経口投与の場合、治療される患者の薬用量を症状に応じて調節するために場合によっては組成物を例えば0.01−1,000mg、例えば0.01、0.05、0.1、0.5、1、2.5、5、10、15、20、25、30、40、50、100、250、500、750または1000ミリグラムの有効成分を含有する錠剤の形態で提供する。
【0089】
本発明の別の目的は、式Iの化合物と医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物を提供することである。医薬組成物中の“組成物”という用語は、(1種類または複数の)有効成分と、担体を構成する(1種類または複数の)不活性成分(医薬的に許容される賦形剤)とを含む製品、並びに、2種以上の成分の組合せ、複合化または凝集、あるいは、1種類または複数の成分の解離、あるいは、1種類または複数の成分の他の種類の反応または相互作用から直接または間接に得られた製品を含意する。従って、本発明の医薬組成物は、式Iの組成物、(1種類または複数の)追加の有効成分および医薬的に許容される賦形剤を混合することによって製造した組成物を包含する。
【0090】
哺乳動物、特にヒトまたはイヌもしくはネコのような同伴動物に有効用量の本発明の化合物を与えるためには適当な投与経路のいずれかを使用し得る。例えば、経口、直腸、表在、非経口、眼内、肺内、鼻腔内、などの経路を使用し得る。剤形は、錠剤、トローチ剤、分散液、懸濁液、溶液、カプセル、クリーム、軟膏、エアロゾル、などである。
【0091】
本発明の医薬組成物は、有効成分として式Iの化合物を含むかまたは医薬的に許容されるその塩を含み、また、医薬的に許容される担体および場合によっては他の治療用成分を含有している。“医薬的に許容される”という表現は、担体、稀釈剤または賦形剤が配合物の他の成分と相溶性でなければならないこと、および、そのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。組成物は、経口、直腸、表在、非経口(皮下、筋肉内、静脈内を含む)、眼内(眼科用)、肺内(エアロゾル吸入)または鼻腔内投与を含むが、所与のいかなる場合にも最適投与経路は治療される状態の種類および重篤度と有効成分の種類に依存するであろう。これらは単位剤形で提供されるのが便利であり、製薬業界で公知の方法のいずれかによって調製され得る。
【0092】
吸入投与のためには、本発明の化合物を加圧パックまたはネブライザーからエアロゾルスプレーの形態で送達するのが便利である。化合物はまた、配合可能な粉末の形態で送達されてもよく、粉末組成物は吹送粉末の吸入デバイスを用いて吸入され得る。好ましい吸入剤デリバリーシステムは、炭化フッ素または炭化水素のような適当な噴射剤中の式Iの化合物の懸濁液または溶液として配合し得る計測量吸入(MDI)エアロゾル、または、追加の賦形剤を使用または不使用で式Iの化合物の乾燥粉末として配合し得る乾燥粉末吸入(DPI)エアロゾルである。
【0093】
式Iの化合物の適当な表在用配合物は、経皮デバイス、エアロゾル、クリーム、溶液、軟膏、ジェル、ローション、散布用粉末などである。本発明の化合物を含有している表在用医薬組成物は通常は、約0.005−5重量%の活性化合物を医薬的に許容されるビヒクルと混合して含んでいる。本発明の化合物を投与するために有用な経皮貼付薬は平均的な当業者によく知られた製品である。経皮デリバリーシステムの形態で投与するためにはもちろん、投与計画期間を通じて薬用量が断続的でなく連続的に投与されるであろう。
【0094】
実際の使用では、慣用の医薬配合技術に従って有効成分となる式Iの化合物を医薬担体と均質混合する。担体は、投与に望ましい製剤の形態次第で多様な形態、例えば、経口または非経口(静脈内を含む)の形態を有し得る。経口剤形の組成物を調製するためには常用の医薬媒体のいずれかを使用すればよく、例えば懸濁液、エリキシル剤および溶液のような経口液体製剤の場合には水、グリコール、油、アルコール、芳香剤、保存剤、着色剤などを使用し、例えば粉末、カプセルおよび錠剤のような経口固体製剤の場合には、デンプン、糖、微晶質セルロース、稀釈剤、造粒剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのような担体を使用する。固体経口製剤は液体製剤よりも好ましい。投与が容易であるという理由で錠剤およびカプセル剤がもっとも有利な剤形単位であり、この場合には明らかに固体医薬担体が使用される。所望の場合には標準的な水性または非水性技術によって錠剤に剤皮をかけてもよい。
【0095】
上記に挙げた常用の剤形以外に、式Iの化合物を米国特許US3,845,770;3,916,899;3,536,809;3,598,123;3,630,200および4,008,719に記載されているような調節放出手段および/またはデリバリーデバイスによって投与してもよい。
【0096】
経口投与に適した本発明の医薬組成物は、所定量の有効成分を各々が含有しているカプセル(適時放出配合物および持続放出配合物を含む)、丸剤、カシェ剤、散剤、顆粒剤、または錠剤のような不連続単位として、散剤または顆粒剤として、または、エリキシル剤、チンキ剤、溶液剤、懸濁液剤、シロップ剤、エマルション剤のような水性液体、非水性液体中の溶液もしくは懸濁液、水中油型エマルションもしくは油中水型エマルションとして提供され得る。このような組成物は製薬方法のいずれかによって調製し得るが、すべての方法が1種または複数の必要成分を構成する担体に有効成分を混合する段階を含む。一般に、組成物は、有効成分を液体担体または微砕固体担体または双方担体と均一および均質に混合し、次いで必要な場合には製品を所望の外見に整形することによって調製される。例えば、錠剤は、場合によっては1種または複数の補助成分と共に圧縮または成形することによって調製し得る。圧縮錠剤は、場合によっては結合剤、滑沢剤、不活性稀釈剤、表面活性剤または分散剤と混合した粉末または顆粒のような自由流動性形態の有効成分を適当な機械で圧縮することによって調製し得る。成形錠剤は、不活性液体稀釈剤で湿潤させた本発明の粉末状化合物の混合物を適当な機械で成形することによって調製し得る。治療される患者の症状に応じて薬用量を調節するために錠剤、カシェ剤またはカプセルの各々が、約0.01−1,000mg、特に0.01、0.05、0.1、0.5、1.0、2.5、3、5、6、10、15、25、30、40、50、75、100、125、150、175、180、200、225、250、500、750および1,000ミリグラムの有効成分を含有するのが望ましい。
【0097】
本発明の化合物の追加の適当な投与手段は、注射、静脈内濃縮塊または注入、腹腔内、皮下、筋肉内、および、封鎖または非封鎖の表在投与である。
【0098】
本発明の代表例は上記に記載の化合物のいずれかと医薬的に許容される担体とを含む医薬組成物である。本発明の代表例はまた、上記に記載の化合物のいずれかと医薬的に許容される担体とを組合せることによって調製された医薬組成物である。本発明の1つの例は、上記に記載の化合物のいずれかと医薬的に許容される担体とを組合せる段階を含む医薬組成物の製造方法である。
【0099】
用法は、1日用量を1回で投与してもよくまたは1日の合計用量を2回、3回または4回に分割して投与してもよい。さらに、投与すべく選択した個々の化合物の特性に基づいて、もっと少ない頻度、例えば週1回、隔週1回、月1回、などの投与としてもよい。投与頻度が少ないほど、これに対応して1回の投与量はもちろん増えるであろう。
【0100】
鼻腔経路、経皮経路、直腸または膣内座薬剤または連続静脈内溶液で投与するとき、投与計画期間を通じて投与は断続的でなく連続的であろう。
【0101】
以下の表は式Iの化合物の代表的な医薬剤形の例である。
【0102】
【表1】

【0103】
式Iの化合物は、式Iの化合物が有効である疾患または状態の治療/予防/抑制または改善に使用される他の薬剤と併用し得る。このような他の薬剤は、それらの常用の経路および量で式Iの化合物と同時または順次に投与され得る。式Iの化合物を1種または複数の他の薬剤と同時に使用するときは、式Iの化合物に加えてこのような他の薬剤を含有している医薬組成物が好ましい。従って本発明の医薬組成物は、式Iの化合物に加えて1種または複数の他の有効成分も含有しているものを包含する。式Iの化合物と併用し得る他の有効成分の非限定例は、抗精神病薬、認識増進薬、抗偏頭痛薬、抗喘息薬、抗炎症薬、不安寛解薬、抗パーキンソン薬、抗癲癇薬、食欲減退薬、セロトニン再吸収インヒビター、他の抗肥満薬、ならびに、抗糖尿病薬、脂質降下薬、降圧薬であり、これらは別個に投与してもよくまたは同一医薬組成物として投与してもよい。
【0104】
本発明はまた、CB1受容体モジュレーター介在疾患の治療または予防方法を提供する。該方法は、CB1受容体モジュレーター介在疾患の治療を要する患者または該疾患が発症する危険のある患者に、総合して有効な軽減を与えるそれぞれの量のCB1受容体モジュレーターと1種または複数の有効成分とを投与する段階を含む。
【0105】
本発明の別の目的によれば、CB1受容体モジュレーターと1種類または複数の有効成分とを少なくとも1種類の医薬的に許容される担体または賦形剤と共に含む医薬組成物が提供される。
【0106】
従って、本発明の別の目的によれば、CB1受容体モジュレーター介在疾患の治療または予防用医薬を製造するためのCB1受容体モジュレーターと1種類または複数の有効成分との使用が提案される。本発明の追加目的または代替目的によれば、CB1受容体モジュレーター介在疾患の予防または治療に同時的、個別的または順次的に使用するための組合せ製剤としてCB1受容体モジュレーターと1種類または複数の有効成分とを含む製品が提供される。このような組合せ製剤は例えばツインパックの形態でよい。
【0107】
肥満症、神経性過食症、強迫摂食障害のような摂食障害を治療および予防するために本発明の化合物を他の食欲減退薬と併用し得ることは理解されよう。
【0108】
本発明はまた、このような治療を要する患者に総合して有効な軽減を与えるそれぞれの量の本発明の化合物と食欲減退薬とを投与する段階を含む摂食障害の治療または予防方法を提供する。
【0109】
本発明の化合物と併用するための適当な食欲減退薬の非限定例は、アミノレックス、アンフェクローラル、アンフェタミン、ベンズフェタミン、クロルフェンテルミン、クロベンゾレックス、クロホレックス、クロミノレックス、クロルテルミン、シクレキセドリン、デクスフェンフルラミン、デクストロアンフェタミン、ジエチルプロピオン、ジフェメトキシジン、N−エチルアンフェタミン、フェンブトラザート、フェンフルラミン、フェニソレックス、フエンプロポレックス、フルドレックス、フルミノレックス、フルフリルメチルアンフェタミン、レバンフェタミン、レボファセトペラン、マジンドール、メフェノレックス、メタンフェプラモン、メタンフェタミン、ノルプソイドエフェドリン、ペントレックス、フェンジメトラジン、フェンメトラジン、フェンテルミン、フェニルプロパノールアミン、ピシロレックスおよびシブトラミンと医薬的に許容されるそれらの塩である。
【0110】
食欲減薬の1つの非限定クラスは、ハロゲン化アンフェタミン誘導体、例えば、クロルフェンテルミン、クロホレックス、クロルテルミン、デクスフェンフルラミン、フェンフルラミン、ピシロレックスおよびシブトラミンと医薬的に許容されるそれらの塩である。
【0111】
1つの実施態様は、本発明の化合物とフェンフルラミン、デクスフェンフルラミンおよび医薬的に許容されるそれらの塩から選択されたハロゲン化アンフェタミン誘導体との組合せを含む。
【0112】
本発明はまた、総合して有効な軽減を与えるそれぞれの量の本発明の化合物と肥満症および肥満関連状態との治療に有用な他の薬剤とを、治療を要する患者に投与する段階を含む肥満症の治療または予防方法を提供する。
【0113】
本発明の化合物と併用するための適当な抗肥満薬の非限定例は、
(a)抗糖尿病薬、(1)PPARγアゴニスト、例えば、グリタゾン(例えば、シグリタゾン;ダルグリタゾン;エングリタゾン;イサグリタゾン(MCC−555);ピオグリタゾン(ACTOS);ロシグリタゾン(AVANDIA);トログリタゾン;リボグリタゾン、BRL49653;CLX−0921;5−BTZD、GW−0207、LG−100641、R483およびLY−300512など、および、国際特許WO97/10813、97/27857、97/28115、97/28137、97/27847、03/000685、および03/027112に開示された化合物、および、SPPARMS(選択的PPARガンマモジュレーター)例えばT131(Amgen)、FK614(Fujisawa)、ネトグリタゾンおよびメタグリダセン;(2)ビグアニド、例えば、ブホルミン;メトホルミン;およびフェンホルミンなど;(3)タンパク質チロシンホスファターゼ−1B(PTP−1B)インヒビター、例えば、ISIS 113715、A−401674、A−364504、IDD−3、IDD 2846、KP−40046、KR61639、MC52445、MC52453、C7、OC−060062、OC−86839、OC29796、TTP−277BC1、および、国際特許WO04/041799、04/050646、02/26707、02/26743、04/092146、03/048140、04/089918、03/002569、04/065387、04/127570および米国特許US2004/167183に開示された薬剤;(4)スルホニルウレア、例えば、アセトヘキサミド;クロルプロパミド;ジアビネーゼ;グリベンクラミド;グリピチド;グリブリド;グリメピリド;グリクラジド;グリペンチド;グリキドン;グリソラミド;トラザミド;およびトルブタミドなど;(5)メグリチニド、例えば、レパグリニド、メチグリニド(GLUFAST)およびナテグリニドなど;(6)アルファグルコシドヒドロラーゼインヒビター、例えば、アカルボース;アジポシン;カミグリボース;エミグリテート;ミグリトール;ボグリボース;プラジミシン−Q;サルボスタチン;CKD−711;MDL−25,637;MDL−73,945;およびMOR 14など;(7)アルファ−アミラーゼインヒビター、例えば、テンダミスタット、トレスタチンおよびAl−3688など;(8)インスリン分泌促進薬、例えば、リノグリリド、ナテグリニド(GLUFAST)、ミチグリニド(GLUFAST)、ID1101 A−4166など;(9)脂肪酸酸化インヒビター、例えば、クロモキシルおよびエトモキシルなど;(10)A2アンタゴニスト、例えば、ミダグリゾール;イサグリドール;デリグリドール;イダゾキサン;イアロキサン;およびフルパロキサンなど;(11)インスリンまたはインスリン模擬物質、例えば、biota、LP−100、ノバラピッド、インスリンデテミール、インスリンリスプロ、インスリングラルジン、インスリン亜鉛懸濁液(遅効および超遅効);Lys−Proインスリン、GLP−I(17−36)、GLP−I(73−7)(インスリントロピン);GLP−I(7−36)−NH2)エキセナチド/エキセジン−4、エキセナチドLAR、リナグルチド、AVE0010、CJC 1131、BIM51077、CS 872、THO318、BAY−694326、GP010、ALBUGON(アルブミンに融合したGLP−I)、HGX−007(Epacアゴニスト)、S−23521、および、国際特許WO04/022004、WO04/37859に開示された化合物など;(12)ノンチアゾリジンジオン、例えば、JT−501およびファルグリタザール(GW−2570/GI−262579)など;(13)PPARα/γデュアルアゴニスト、例えば、AVE 0847、CLX−0940、GW−1536、GW1929、GW−2433、KRP−297、L−796449、LBM 642、LR−90、LY510919、MK−0767、ONO 5129、SB 219994、TAK−559、TAK−654、677954(GlaxoSmithkline)、E−3030(Eisai)、LY510929(Lilly)、AK109(Asahi)、DRF2655(Dr.Reddy)、DRF8351(Dr.Reddy)、MC3002(Maxocore)、TY51501(ToaEiyo)、ナベグリタザール、ムラグリタザール、ペリグリタザール、テサグリタザール(GALIDA)、レグリタザール(JTT−501)、チグリタザール、および、国際特許WO99/16758、WO99/19313、WO99/20614、WO99/38850、WO00/23415、WO00/23417、WO00/23445、WO00/50414、WO01/00579、WO01/79150、WO02/062799、WO03/033481、WO03/033450、WO03/033453に開示された化合物;および(14)他のインスリン感受性薬剤;(15)VPAC2受容体アゴニスト;(16)GLKモジュレーター、例えば、PSN105、RO 281675、RO 274375、および、国際特許WO 03/015774、WO 03/000262、WO 03/055482、WO 04/046139、WO 04/045614、WO 04/063179、WO 04/063194、WO 04/050645に開示された化合物など;(17)レチノイドモジュレーター、例えば、国際特許WO 03/000249に開示された化合物;(18)GSK3ベータ/GSK3インヒビター、例えば、4−[2−(2−ブロモフェニル)−4−(4−フルオロフェニル−lH−イミダゾール−5−イル]ピリジン、CT21022、CT20026、CT−98023、SB−216763、SB410111、SB−675236、CP−70949、XD4241、および、国際特許WO 03/037869、03/03877、03/037891、03/024447、05/000192、05/019218に開示された化合物など;(19)グリコーゲンホスホリラーゼ(HGLPa)インヒビター、例えば、AVE 5688、PSN 357、GPi−879、国際特許WO 03/037864、WO 03/091213、WO 04/092158、WO 05/013975、WO 05/013981、米国特許US 2004/0220229および日本特許JP 2004−196702に開示された化合物など;(20)ATP消費促進剤、例えば国際特許WO 03/007990に開示された化合物;(21)PPARγアゴニストとAVANDAMETのようなメトホルミンとの固定配合物;(22)PPAR汎アゴニスト、例えば、GSK 677954;(23)SNORF 55とも呼ばれるGPR40(G−タンパク質結合受容体40)、例えば、BG 700、および、国際特許WO 04/041266、04/022551、03/099793に開示された化合物;(24)GPRl19(RUP3;SNORF 25とも呼ばれる)、例えば、RUP3、HGPRBMY26、PFI 007、SNORF 25;(25)アデノシン受容体2Bアンタゴニスト、例えば、ATL−618、AT1−802、E3080など;(26)カルニチンパルミトイルトランスフェラーゼインヒビター、例えば、ST 1327およびST 1326など;(27)フルクトース1,6−ビスホスファターゼインヒビター、例えば、CS−917、MB7803など;(28)グルカゴンアンタゴニスト、例えば、AT77077、BAY 694326、GW 4123X、NN2501、および、国際特許WO 03/064404、WO 05/00781、米国特許US 2004/0209928、US 2004/029943に開示された化合物など;(30)グルコース−6−ホスファーゼインヒビター;(31)ホスホエノールピルベートカルボキシキナーゼ(PEPCK)インヒビター;(32)ピルベートデヒドロゲナーゼキナーゼ(PDK)活性化物質;(33)RXRアゴニスト、例えば、MC1036、CS00018、JNJ 10166806、および、国際特許WO 04/089916、米国特許US 6759546に開示された化合物など;(34)SGLTインヒビター、例えば、AVE 2268、KGT 1251、T1095/RWJ 394718;(35)BLX−1002;
(b)脂質降下剤、例えば、(1)胆汁酸封鎖剤、例えば、コレスチラミン、コレセベレム、コレスチポール、架橋デキストランのジアルキルアルキルアミノ誘導体;Colestid(R);LoCholest(R);およびQuestran(R)など;(2)HMG−CoAレダクターゼインヒビター、例えば、アトルバスタチン、イタバスタチン、ピタバスタチン、フルバスタチン、ロバスタチン、プラバスタチン、リバスタチン、ロスバスタチン、シンバスタチン、ロスバスタチン(ZD−4522)など、特にシンバスタチン;(3)HMG−CoAシンターゼインヒビター;(4)コレステロール吸収インヒビター、例えば、FMVP4(Forbes Medi−Tech)、KT6−971(Kotobuki Pharmaceutical)、FM−VA12(Forbes Medi−Tech)、FM−VP−24(Forbes Medi−Tech)、スタノールエステル、ベータシトステロール、ステロールグリコシド例えばチケシド;および、アゼチジン例えばエゼチミベ、および、国際特許WO04/005247に開示された化合物など;(5)アシル補酵素A−コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)インヒビター、例えば、アバシミベ、エフルシミベ、パクチミベ(KY505)、SMP 797(Sumitomo)、SM32504(Sumitomo)、および、国際特許WO 03/091216に開示された化合物など;(6)CETPインヒビター、例えば、JTT 705(Japan Tobacco)、トルセトラピブ、CP 532,632、BAY63−2149(Bayer)、SC 591、SC 795など;(7)スクアレンシンターゼインヒビター;(8)抗酸化剤、例えば、プロブコールなど;(9)PPARαアゴニスト、例えば、ベクロフィブラート、ベンザフィブラート、シプロフィブラート、クロロフィブラート、エトフィブラート、フェノフィブラート、ジェムカベンおよびジェムフィブロジル、GW 7647、BM 170744(Kowa)、LY518674(Lilly)、GW590735(GlaxoSmithkline)、KRP−101(Kyorin)、DRF10945(Dr.Reddy)、NS−220/R1593(Nippon Shinyaku/Roche、ST1929(Sigma Tau)MC3001/MC3004(MaxoCore Pharmaceuticals、ジェムカベンカルシウム、他のフィブル酸誘導体、例えば、Atromid(R)、Lopid(R)およびTricor(R)、および、米国特許US6,548,538に開示された化合物など;(10)FXR受容体モジュレーター、例えば、GW 4064(GlaxoSmithkline)、SR 103912、QRX401、LN−6691(Lion Bioscience)、および、国際特許WO 02/064125、WO 04/045511に開示された化合物など;(11)LXR受容体モジュレーター、例えば、GW 3965(GlaxoSmithkline)、T9013137およびXTCO179628(X−Ceptor Therapeutics/Sanyo)、および国際特許WO 03/031408、WO 03/063796、WO 04/072041に開示された化合物など;(12)リポタンパク質合成インヒビター、例えば、ナイアシン;(13)レニンアンギオテンシン系インヒビター;(14)PPARδ部分アゴニスト、例えば、国際特許WO 03/024395に開示された化合物;(15)胆汁酸再吸着インヒビター、例えば、BARI 1453、SC435、PHA384640、S8921、AZD7706など;および、胆汁酸封鎖剤、例えば、コレセベラム(WELCHOL/CHOLESTAGEL)、(16)PPARδアゴニスト、例えば、GW 501516(Ligand、GSK)、GW 590735、GW−0742(GlaxoSmithkline)、T659(Amgen/Tularik)、LY934(Lilly)、NNC610050(Novo Nordisk)、および、国際特許WO97/28149、WO 01/79197、WO 02/14291、WO 02/46154、WO 02/46176、WO 02/076957、WO 03/016291、WO 03/033493、WO 03/035603、WO 03/072100、WO 03/097607、WO 04/005253、WO 04/007439、および、日本特許JP10237049に開示された化合物など;(17)トリグリセリド合成インヒビター;(18)ミクロソームトリグリセリド運搬(MTTP)インヒビター、例えば、インプリタミピド、LAB687、JTT130(Japan Tobacco)、CP346086、および、国際特許WO 03/072532に開示された化合物など;(19)転写モジュレーター;(20)スクアレンエポキシダーゼインヒビター;(21)低密度リポタンパク質(LDL)受容体誘発物質;(22)血小板凝集インヒビター;(23)5−LOまたはFLAPインヒビター;および(24)ナイアシン受容体アゴニスト、例えば、HM74A受容体アゴニスト;(25)PPARモジュレーター、例えば、国際特許WO 01/25181、WO 01/79150、WO 02/79162、WO 02/081428、WO 03/016265、WO 03/033453に開示された化合物;(26)国際特許WO 03/039535に開示さているようなナイアシン結合クロム;(27)国際特許WO 03/040114に開示されているような置換酸誘導体;(28)HDL浸剤、例えば、LUV/ETC−588(Pfizer)、APO−Al Milano/ETC216(Pfizer)、ETC−642(Pfizer)、ISIS301012、D4F(Bruin Pharma)、合成トライマーApoAl、泡沫細胞にターゲットするBioral Apo Alなど;(29)EBATインヒビター、例えば、BARI143/HMR145A/HMR1453(Sanofi−Aventis、PHA384640E(Pfizer)、S8921(Shionogi)、AZD7806(AstrZeneca)、AK105(Asah Kasei)など;(30)Lp−PLA2インヒビター、例えば、SB480848(GlaxoSmithkline)、659032(GlaxoSmithkline)、677116(GlaxoSmithkline)など;(31)脂質組成に影響を与える他の薬剤、例えば、ETC1001/ESP31015(Pfizer)、ESP−55016(Pfizer)、AGI1067(AtheroGenics)、AC3056(Amylin)、AZD4619(AstrZeneca);および、
(c)降圧薬、例えば、(1)利尿薬、例えば、チアジド、クロルサリドン、クロルチアジド、ジクロロフェナミド、ヒドロフルメチアジド、インダパミドおよびヒドロクロロチアジド;係蹄利尿薬、例えば、ブメタニド、エタクリン酸、フロセミドおよびトルセミド;カルシウム保持薬、アミロリドおよびトリアムテレン;および、アルデステロンアンタゴニスト、例えばスピロノラクトン、エピレノンなど;(2)ベータ−アドレナリン作動性ブロッカー、例えば、アセブトロール、アテノロール、ベタキソロール、ベバントロール、ビソプロロール、ボポンドロール、カルテオロール、カルベジロール、セリプロロール、エスモロール、インデノロール、メタプロロール、ナドロール、ネビボロール、ペンブトロール、ピンドロール、プロパノロール、ソタロール、テルタトロール、チリソロールおよびチモロールなど;(3)カルシウムチャンネルブロッカー、例えば、アムロジピン、アラニジピン、アゼルニジピン、バルニジピン、ベニジピン、ベプリジル、シナルジピン、クレビジピン、ジルチアゼム、エフォニジピン、フェロジピン、ガロパミル、イソラジピン、ラシジピン、レミルジピン、レルカニジピン、ニカルジピン、ニフェジピン、ニルバジピン、ニモデピン、ニソルジピン、ニトレンジピン、マニジピン、プラニジピンおよびベラパミルなど;(4)アンギオテンシン変換酵素(ACE)インヒビター、例えば、ベナゼプリル、カプトプリル、シラザプリル、デラプリル、エナラプリル、フォシノプリル、イミダプリル、ロシノプリル、モエキシプリル、キナプリル、キナプリラト、ラミプリル、ペリンドプリル、ペリンドロプリル、クアニプリル、スピラプリル、テノカプリル、トランドラプリルおよびゾフェノプリルなど;(5)中性エンドペプチダーゼインヒビター、例えばオマパトリラト、カドキサトリルおよびエカドトリル、フォシドトリル、サンパトリラト、AVE7688、ER4030など;(6)エンドテリンアンタゴニスト、例えば、テゾセンタン、A308165およびYM62899など;(7)血管拡張薬、例えば、ヒドララジン、クロニジン、ミノキシジルおよびニコチニルアルコールなど;(8)アンギオテンシンII受容体アンタゴニスト、例えば、カンデサルタン、エプロサルタン、イルベサルタン、ロサルタン、プロトサルタン、タソサルタン、テルミサルタン、バルサルタン、および、EXP−3137、FI6828KおよびRNH6270など;(9)α/βアドレナリン作動性ブロッカー、例えば、ニプラジロール、アロチノロールおよびアモスラロールなど;(10)アルファ1ブロッカー、例えば、テラゾシン、ウラピジル、プラゾシン、ブナゾシン、トリマゾシン、ドキサゾシン、ナファトピジル、インドラミン、WHIP 164およびXEN010など;(11)アルファ2アゴニスト、例えば、ロフェキシジン、チアメニジン、モキソニジン、リルメニジンおよびグアノベンズなど;および、(12)アルドステロンインヒビターなど;および
(d)抗肥満薬、例えば、(1)5HT(セロトニン)輸送体インヒビター、例えば、パロキセチン、フルオキセチン、フェンフルラミン、フルボキサミン、セルトラリンおよびイミプラミン、および、国際特許WO 03/00663に開示された化合物、並びに、セロトニン/ノルアドレナリン再吸収インヒビター、例えば、シブトラミン(MERIDIA/REDUCTEL)、および、ドーパミン吸収インヒビター/ノルエピネフリン吸収インヒビター、例えば、ラダファキシン塩酸塩、353162(GlaxoSmithkline)など;(2)NE(ノルエピネフリン)輸送体インヒビター、例えば、GW 320659、デスピラミン、タルスプラムおよびノミフエンシン;(3)CBl(カンナビノイド−1受容体)アンタゴニスト/逆アゴニスト、例えば、リモナバント(ACCOMPLIA Sanofi Synthelabo)、SR−147778(Sanofi Synthelabo)、AVE1625(Sanofi−Aventis)、BAY 65−2520(Bayer)、SLV 319(Solvay)、SLV326(Solvay)、CP945598(Pfizer)、E−6776(Esteve)、01691(Organix)、ORG14481(Organon)、VER24343(Vernalis)、NESS0327(Univ of Sassari/Univ of Cagliari)、および、米国特許US4,973,587、5,013,837、5,081,122、5,112,820、5,292,736、5,532,237、5,624,941、6,028,084および6,509367;および国際特許WO 96/33159、WO97/29079、WO98/31227、WO 98/33765、WO98/37061、WO98/41519、WO98/43635、WO98/43636、WO99/02499、WO00/10967、WO00/10968、WO 01/09120、WO 01/58869、WO 01/64632、WO 01/64633、WO 01/64634、WO 01/70700、WO 01/96330、WO 02/076949、WO 03/006007、WO 03/007887、WO 03/020217、WO 03/026647、WO 03/026648、WO 03/027069、WO 03/027076、WO 03/027114、WO 03/037332、WO 03/040107、WO 04/096763、WO 04/111039、WO 04/111033、WO 04/111034、WO 04/111038、WO 04/013120、WO 05/000301、WO 05/016286、WO 05/066126および欧州特許EP−658546に開示された化合物など;(4)ghrelinアゴニスト/アンタゴニスト、例えば、BVT81−97(BioVitrum)、RC1291(Rejuvenon)、SRD−04677(Sumitomo)、アシル化ghrelin(TheraTechnologies)、および、国際特許WO 01/87335、WO 02/08250、WO 05/012331に開示された化合物など;(5)H3(ヒスタミンH3)アンタゴニスト/逆アゴニスト、例えば、チオペラミド、3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロピル N−(4−ペンテニル)カーバメート)、クロベンプロピット、ヨードフエンプロピット、イモプロキシファン、GT2394(Gliatech)およびA331440、および、国際特許WO 02/15905に開示された化合物;および、O−[3−(1H−イミダゾール−4−イル)プロパノール]カーバメート(Kiec−Kononowicz、K.ら、Pharmazie、55:349−55(2000))、ピペリジン含有ヒスタミンH3−受容体アンタゴニスト(Lazewska、D.ら、Pharmazie、56:927−32(2001)、ベンゾフェノン誘導体および近縁化合物(Sasse、A.ら、Arch.Pharm.(Weinheim)334:45−52(2001))、置換N−フェニルカーバメート(Reidemeister、S.ら、Pharmazie、55:83−6(2000))、および、プロキシファン誘導体(Sasse、A.ら、J.Med.Chem..43:3335−43(2000))、および、ヒスタミンH3受容体モジュレーター、例えば、国際特許WO 03/024928およびWO 03/024929に開示された化合物;(6)メラニン濃縮ホルモン1受容体(MCH1R)アンタゴニスト、例えば、T−226296(Takeda)、T71(Takeda/Amgen)、AMGN−608450、AMGN−503796(Amgen)、856464(GlaxoSmithkline)、A224940(Abbott)、A798(Abbott)、ATC0175/AR224349(Arena Pharmaceuticals)、GW803430(GlaxoSmithkine)、NBI−IA(Neurocrine Biosciences)、NGX−I(Neurogen)、SNP−7941(Synaptic)、SNAP9847(Synaptic)、T−226293(Schering Plough)、TPI−1361−17(Saitama Medical School/University of California Irvine)、および、国際特許WO 01/21169、WO 01/82925、WO 01/87834、WO 02/051809、WO 02/06245、WO 02/076929、WO 02/076947、WO 02/04433、WO 02/51809、WO 02/083134、WO 02/094799、WO 03/004027、WO 03/13574、WO 03/15769、WO 03/028641、WO 03/035624、WO 03/033476、WO 03/033480、WO 04/004611、WO 04/004726、WO 04/011438、WO 04/028459、WO 04/034702、WO 04/039764、WO 04/052848、WO 04/087680;および日本特許出願JP 13226269、JP 1437059、JP2004315511に開示された化合物など;(7)MCH2R(メラニン濃縮ホルモン2R)アゴニスト/アンタゴニスト;(8)NPYl(ニューロペプチドY Y1)アンタゴニスト、例えば、BMS205749、BIBP3226、J−115814、BBO 3304、LY−357897、CP−671906およびGI−264879A;および、米国特許US6,001,836;および、国際特許WO 96/14307、WO 01/23387、WO 99/51600、WO 01/85690、WO 01/85098、WO 01/85173およびWO 01/89528に開示された化合物;(9)NPY5(ニューロペプチドY Y5)アンタゴニスト、例えば、152,804、S2367(Shionogi)、E−6999(Esteve)、GW−569180A、GW−594884A(GlaxoSmithkline)、GW−587081X、GW−548118X;FR235,208;FR226928、FR240662、FR252384;1229U91、GI−264879A、CGP71683A、C−75(Fasgen)LY−377897、LY366377、PD−160170、SR−120562A、SR−120819A,S2367(Shionogi)、JCF−104およびH409/22;および、米国特許US6,140,354、6,191,160、6,258,837、6,313,298、6,326,375、6,329,395、6,335,345、6,337,332、6,329,395および6,340,683;および欧州特許EP−01010691、EP−01044970およびフランス特許FR252384;および、国際公開WO 97/19682、WO 97/20820、WO 97/20821、WO 97/20822、WO 97/20823、WO 98/27063、WO 00/107409、WO 00/185714、WO 00/185730、WO 00/64880、WO 00/68197、WO 00/69849、WO 01/09120、WO 01/14376、WO 01/85714、WO 01/85730、WO 01/07409、WO 01/02379、WO 01/02379、WO 01/23388、WO 01/23389、WO 01/44201、WO01/62737、WO 01/62738、WO 01/09120、WO 02/20488、WO 02/22592、WO 02/48152、WO 02/49648、WO 02/051806、WO 02/094789、WO 03/009845、WO 03/014083、WO 03/022849、WO 03/028726、WO 05/014592、WO 05/01493;および、Normanら、J.Med.Chem.43:4288−4312(2000)に開示された化合物;(10)レプチン、例えば、組換えヒトレプチン(PEG−OB、Hoffman La Roche)および組換えメチオニルヒトレプチン(Amgen);(11)レプチン誘導体、例えば、米国特許US5,552,524;5,552,523;5,552,522;5,521,283;および国際特許WO 96/23513;WO 96/23514;WO 96/23515;WO 96/23516;WO 96/23517;WO 96/23518;WO 96/23519;およびWO 96/23520に開示された化合物;(12)オピオイドアンタゴニスト、例えば、ナルメフェン(Revex(R))、3−メトキシナルトレソン、ナロキソンおよびナルトレキソン;および、国際特許WO 00/21509に開示された化合物;(13)オレキシンアンタゴニスト、例えば、SB−334867−A(GlaxoSmithkline);および国際特許WO 01/96302、01/68609、02/44172、02/51232、02/51838、02/089800、02/090355、03/023561、03/032991、03/037847、04/004733、04/026866、04/041791、04/085403に開示された化合物など;(14)BRS3(ボンベシン受容体サブタイプ3)アゴニスト;(15)CCK−A(コレシストキニン−A)アゴニスト、例えば、AR−R 15849、GI 181771、JMV−180、A−71378、A− 71623、PD170292、PD 149164、SR146131、SR125180、ブタビンジド、および米国特許US5,739,106に開示された化合物;(16)CNTF(毛様体神経栄養因子、例えば、GI−181771(Glaxo−SmithKline);SR146131(Sanofi Synthelabo);ブタビンジド;およびPD170,292、PD 149164(Pfizer);(17)CNTF誘導体、例えば、アキソキン(Regeneron);および、国際特許WO 94/09134、WO 98/22128およびWO 99/43813に開示された化合物;(18)GHS(成長ホルモン分泌促進物質受容体)アゴニスト、例えば、NN703、ヘキサレリン、MK−0677、SM−130686、CP−424,391、L−692,429およびL−163,255、および、米国特許US6358951、米国特許出願2002/049196および2002/022637;および国際特許WO 01/56592およびWO 02/32888に開示された化合物;(19)5HT
2c(セロトニン受容体2c)アゴニスト、例えば、APD3546/AR10A(Arena Pharmaceuticals)、ATH88651(Athersys)、ATH88740(Athersys)、BVT933(Biovitrum/GSK)、DPCA37215(BMS)、IK264;LY448100(Lilly)、PNU 22394;WAY 470(Wyeth)、WAY629(Wyeth)、WAY161503(Biovitrum)、R−1065、VR1065(Vernalis/Roche) YM 348;および、米国特許US3,914,250;および国際公開01/66548、02/36596、02/48124、02/10169、02/44152;02/51844、02/40456、02/40457、03/057698、05/000849に開示された化合物など;(20)Mc3r(メラノコルチン3受容体)アゴニスト;(21)Mc4r(メラノコルチン4受容体)アゴニスト、例えば、CHIR86036(Chiron)、CHIR915(Chiron);ME−10142(Melacure)、ME−10145(Melacure)、HS−131(Melacure)、NBI72432(Neurocrine Biosciences)、NNC 70−619(Novo Nordisk)、TTP2435(Transtech)、および、国際公開WO 99/64002、00/74679、01/991752、01/0125192、01/52880、01/74844、01/70708、01/70337、01/91752、01/010842、02/059095、02/059107、02/059108、02/059117、02/062766、02/069095、02/12166、02/11715、02/12178、02/15909、02/38544、02/068387、02/068388、02/067869、02/081430、03/06604、03/007949、03/009847、03/009850、03/013509、03/031410、03/094918、04/028453、04/048345、04/050610、04/075823、04/083208、04/089951、05/000339、および、欧州特許EP 1460069、および、米国特許US 2005049269、および、日本特許JP2005042839に開示された化合物など;(22)モノアミン再吸収インヒビター、例えば、シブトラミン(Meridia(R)/Reductil(R))およびそれらの塩、および、米国特許US4,746,680、4,806,570および5,436,272および米国特許公告2002/0006964、および、国際特許WO 01/27068およびWO 01/62341に開示された化合物;(23)セロトニン再吸収インヒビター、例えば、デクスフェンフルラミン、フルオキセチン、および、米国特許US6,365,633および国際特許WO 01/27060およびWO 01/162341に開示された化合物;(24)GLP−1(グルカゴン様ペプチド1)アゴニスト;(25)トピラメート(Topimax(R));(26)植物性薬用化合物57(CP 644,673);(27)ACC2(アセチル−CoAカルボキシラーゼ−2)インヒビター;(28)β3(ベータアドレナリン作動性受容体3)アゴニスト、例えば、ラフェベルグロン/AD9677/TAK677(Dainippon/Takeda)、CL−316,243、SB 418790、BRL−37344、L−796568、BMS−196085、BRL−35135A、CGP12177A、BTA−243、GRC1087(Glenmark Pharmaceuticals)、GW 427353(ソラベグロン塩酸塩)、Trecadrine、Zeneca D7114、N−5984(Nisshin Kyorin)、LY−377604(Lilly)、KT07924(Kissei)、SR 59119A、および、米国特許US5,705,515、US5,451,677;および国際特許WO94/18161、WO95/29159、WO97/46556、WO98/04526、WO98/32753、WO 01/74782、WO 02/32897、WO 03/014113、WO 03/016276、WO 03/016307、WO 03/024948、WO 03/024953、WO 03/037881、WO 04/108674に開示された化合物など;(29)DGAT1(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ1)インヒビター;(30)DGAT2(ジアシルグリセロールアシルトランスフェラーゼ2)インヒビター;(31)FAS(脂肪酸シンターゼ)インヒビター、例えば、セルレニンおよびC75;(32)PDE(ホスホジエステラーゼ)インヒビター、例えば、テオフィリン、ペントキシフィリン、ザプリナスト、シルデナフィル、アムリノン、ミルリノン、シロスタミド、ロリプラムおよびシロミラスト、ならびに、国際特許WO 03/037432、WO 03/037899に開示された化合物;(33)甲状腺ホルモンβアゴニスト、例えば、KB−2611(KaroBioBMS)、および、国際特許WO 02/15845;および日本特許出願JP 2000256190に開示された化合物;(34)UCP−1(非結合タンパク質1)、2または3活性化物質、例えば、フィタン酸、4−[(E)−2−(5,6,7,8−テトラヒドロ−5,5,8,8−テトラメチル−2−ナフタレニル)−1−プロペニル]安息香酸(TTNPB)、およびレチノイン酸;および、国際特許WO 99/00123に開示された化合物;(35)アシルエストロゲン、例えば、del Mar−Grasa、M.ら、Obesity Research、9:202−9(2001)に開示されたオレオイルエストロン;(36)グルココルチコイド受容体アンタゴニスト、例えば、CP472555(Pfizer)、KB 3305、および、国際特許WO 04/000869、WO 04/075864に開示された化合物など;(37)11βHSD−1(11−ベータヒドロキシステロイドデヒドロゲナーゼタイプ1)インヒビター、例えば、BVT 3498(AMG 331)、BVT 2733、3−(l−アダマンチル)−4−エチル−5−(エチルチオ)−4H−l,2,4−トリアゾール、3−(1−アダマンチル)−5−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール、3−アダマンタニル−4,5,6,7,8,9,10,11,12,3a−デカヒドロ−l,2,4−トリアゾロ[4,3−a][11]アニュレーン、および、国際特許WO 01/90091、01/90090、01/90092、02/072084、04/011410、04/033427、04/041264、04/027047、04/056744、04/065351、04/089415、04/037251に開示された化合物など;(38)SCD−1(ステアロイル−CoAデサチュラーゼ−1)インヒビター;(39)ジペプチジルペプチダーゼIV(DP−IV)インヒビター、例えば、イソロイシンチアゾリジド、バリンピロリジド、サキサグリプチン、NVP−DPP728、LAF237(ビルダグリプチン)、P93/01、TSL 225、TMC−2A/2B/2C、FE 999011、P9310/K364、VIP 0177、SDZ 274−444、GSK 823093、E 3024、SYR 322、TS021、SSR 162369、GRC 8200、K579、NN7201、CR 14023、PHX 1004、PHX 1149、PT−630、SK−0403;および、国際特許WO 02/083128、WO 02/062764、WO 02/14271、WO 03/000180、WO 03/000181、WO 03/000250、WO 03/002530、WO 03/002531、WO 03/002553、WO 03/002593、WO 03/004498、WO 03/004496、WO 03/005766、WO 03/017936、WO 03/024942、WO 03/024965、WO 03/033524、WO 03/055881、WO 03/057144、WO 03/037327、WO 04/041795、WO 04/071454、WO 04/0214870、WO 04/041273、WO 04/041820、WO 04/050658、WO 04/046106、WO 04/067509、WO 04/048532、WO 04/099185、WO 04/108730、WO 05/009956、WO 04/09806、WO 05/023762、米国特許US 2005/043292および欧州特許EP 1 258 476に開示された化合物;(40)リパーゼインヒビター、例えば、テトラヒドロリプスタチン(オルリスタット/XENICAL)、ATL962(Alizyme/Takeda)、GT389255(Genzyme/Peptimmune)Triton WR1339、RHC80267、リプスタチン、ティーサポニンおよびジエチルウンベリフェリルホスフェート、FL−386、WAY−121898、Bay−N−3176、バリラクトン、エステラシン、エベラクトンA、エベラクトンBおよびRHC 80267、および、国際特許WO 01/77094、WO 04/111004および米国特許US4,598,089、4,452,813、5,512,565、5,391,571、5,602,151、4,405,644、4,189,438および4,242,453に開示された化合物など;(41)脂肪酸輸送体インヒビター;(42)ジカルボキシレート輸送体インヒビター;(43)グルコース輸送体インヒビター;および、(44)ホスフェート輸送体インヒビター;(45)食欲減退二環化合物、例えば、1426(Aventis)および1954(Aventis)、および、国際特許WO 00/18749、WO 01/32638、WO 01/62746、WO 01/62747およびWO 03/015769に開示された化合物;(46)ペプチドYYおよびPYYアゴニスト、例えば、PYY336(Nastech/Merck)、AC162352(IC Innovations/Curis/Amylin)、TM30335/TM30338(7TM Pharma)、PYY336(Emisphere Tehcnologies)、PEG付加ペプチドYY3−36、国際特許WO 03/026591、04/089279に開示された化合物など;(47)脂質代謝モジュレーター、例えば、マスリン酸、エリトロジオール、ウルソール酸、ウバオール、ベチューリン酸、ベチューリンなど、および、国際特許WO 03/011267に開示された化合物;(48)転写因子モジュレーター、例えば、国際特許WO 03/026576に開示された化合物;(49)Mc5r(メラノコルチン5受容体)モジュレーター、例えば、国際特許WO 97/19952、WO 00/15826、WO 00/15790、米国特許US 20030092041に開示された化合物など;(50)脳由来神経栄養因子(BDNF)、(51)Mc1r(メラノコルチン1受容体モジュレーター、例えば、LK−184(Proctor & Gamble)など;(52)5HT6アンタゴニスト、例えば、BVT74316(BioVitrum)、BVT5182c(BioVitrum)、E−6795(Esteve)、E−6814(Esteve)、SB399885(GlaxoSmithkline)、SB271046(GlaxoSmithkline)、RO−0467
90(Roche)など;(53)脂肪酸輸送タンパク質4(FATP4);(54)アセチル−CoAカルボキシラーゼ(ACC)インヒビター、例えば、CP640186、CP610431、CP640188(Pfizer);(55)C−末端増殖ホルモンフラグメント、例えば、AOD9604(Monash Univ/Metabolic Pharmaceuticals)など;(56)オキシントモジューリン;(57)ニューロペプチドFF受容体アンタゴニスト、例えば国際特許WO 04/083218に開示された化合物など;(58)アミリンアゴニスト、例えば、Symlin/プラムリンチド/AC137(Amylin);(59)Hoodiaおよびtrichocaulon抽出物;(60)BVT74713およびその他の腸脂質食欲抑制剤;(61)ドーパミンアゴニスト、例えば、ブプロピオン(WELLBUTRIN/GlaxoSmithkline);(62)ゾニサミドなど(ZONEGRAN/Dainippon/Elan)など。
【0114】
本発明の化合物と併用できる具体的なNPY5アゴニストは、以下の化合物から成るグループから選択される:3−オキソ−N−(5−フェニル−2−ピラジニル)−スピロ[イソベンゾフラン−1(3H),4’−ピペリジン]−1’−カルボキサミド、3−オキソ−N−(7−トリフルオロメチルピリド[3,2−b]ピリジン−2−イル)スピロ−[イソベンゾフラン−1(3H),4’−ピペリジン]−1’−カルボキサミド、N−[5−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニル]−3−オキソスピロ−[イソベンゾフラン−1(3H),4’−ピペリジン]−1’−カルボキサミド、トランス−3’−オキソ−N−(5−フェニル−2−ピリミジニル)スピロ[シクロヘキサン−1、1’(3’H)−イソベンゾフラン]−4−カルボキサミド、トランス−3’−オキソ−N−[1−(3−キノリル)−4−イミダゾリル]スピロ[シクロヘキサン−1,1’(3’H−イソベンゾフラン]−4−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(5−フェニル−2−ピラジニル)スピロ[4−アザイソ−ベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−N−[5−(3−フルオロフェニル)−2−ピリミジニル]−3−オキソスピロ[5−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−N−[5−(2−フルオロフェニル)−2−ピリミジニル]−3−オキソスピロ[5−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−N−[1−(3,5−ジフルオロフェニル)−4−イミダゾリル]−3−オキソスピロ[7−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(1−フェニル−4−ピラゾリル)スピロ[4−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−N−[1−(2−フルオロフェニル)−3−ピラゾリル]−3−オキソスピロ[6−アザイソベンゾフラン−1(3H)、1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(1−フェニル−3−ピラゾリル)スピロ[6−アザイソベンゾフラン−1(3H)、1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、トランス−3−オキソ−N−(2−フェニル−1,2,3−トリアゾール−4−イル)スピロ[6−アザイソベンゾフラン−1(3H),1’−シクロヘキサン]−4’−カルボキサミド、および、医薬的に許容されるそれらの塩およびエステル。
【0115】
本発明の化合物と併用できる具体的なDP−IVインヒビターは、以下の化合物から成るグループから選択される:
【0116】
【化8】




および医薬的に許容されるその塩。式Iの化合物を7−[(3R)−3−アミノ−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタノイル]−3−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−1,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピラジンと併用するのが特に有利である。
【0117】
“肥満”は体脂肪過多の状態である。現行の肥満の定義はボディ・マス指数(BMI)を基準としており、これは、体重を身長(メートル)の二乗で除算した値である(kg/m)。“肥満”は、他の点では健康であるがボディ・マス指数(BMI)が30kg/m以上の患者の状態、または、少なくとも1つの病気に罹っておりBMIが27kg/m以上の患者の状態を表す。“肥満患者”は、他の点では健康であるがボディ・マス指数(BMI)が30kg/m以上の患者、または、少なくとも1つの病気に罹っておりBMIが27kg/m以上の患者を表す。“肥満危険患者”は、他の点では健康であるがBMIが25kg/mから30kg/m未満までの患者、または、少なくとも1つの病気に罹っておりBMIが25kg/mから27kg/m未満までの患者を表す。
【0118】
アジア人ではもっと低いボディ・マス指数(BMI)で肥満に付随する危険が増大する。日本を含めたアジア諸国では“肥満”は、減量を必要とするかまたは減量によって改善される少なくとも1つの肥満誘発疾患または肥満関連疾患にかかっているBMI25kg/m以上の患者の状態を表す。日本を含めたアジア諸国では“肥満患者”は、減量を必要とするかまたは減量によって改善される少なくとも1つの肥満誘発疾患または肥満関連疾患に罹っているBMI25kg/m以上の患者を表す。アジア諸国では、“肥満危険患者”は、23kg/mよりも大きく25kg/mよりも小さいBMIをもつ患者を表す。
【0119】
本文中に使用した“肥満”という用語は、上記の肥満の定義をすべて含意する。
【0120】
肥満誘発疾患または肥満関連疾患の非限定例を以下に挙げる:糖尿病、インスリン非依存性2型真性糖尿病、耐糖性低下、空腹時ブドウ糖低下、インスリン抵抗性症候群、異常脂質血症、高血圧、過尿酸尿症、痛風、冠動脈疾患、心筋梗塞、狭心症、睡眠時無呼吸症候群、ピクウィック症候群、脂肪肝、脳梗塞、脳血栓、一過性虚血発作、整形外科的障害、変形性関節炎、腰痛症、月経異常および不妊。肥満に伴う病気のサブセットは、高血圧、高脂血血症、異常脂肪血症、ブドウ糖不耐性、心血管疾患、睡眠時無呼吸、真性糖尿病およびその他の肥満関連状態である。
【0121】
(肥満および肥満関連障害)の“治療”は、肥満患者の体重を減量または維持するための本発明の化合物の投与を意味する。治療の1つの帰結は、本発明の化合物の投与直前の患者の体重に比べた肥満患者の体重の減少であろう。治療の別の帰結は、食事療法、運動または薬物治療の結果としてそれまでに減量した体重が戻ることの防止であろう。治療の別の帰結は、肥満関連疾患の発症および/または重篤化の抑制であろう。治療の適正な結果として、食物の全摂取量の減少または炭水化物や脂肪のような食事の特定成分の摂取量の減少を含む患者の食物またはカロリーの摂取量が減少し、および/または、栄養分の吸収阻害、および/または、代謝率低下の阻害が生じ、また、減量が必要な患者では体重減少が生じる。治療の結果として、および、代謝率低下の阻害に代替または追加して、代謝率増加のような代謝率の変更が生じ、および/または、体重が減少したときに通常は見られる代謝抵抗性が抑制される。
【0122】
(肥満および肥満関連障害)の“予防”は、肥満危険患者の体重を減量または維持するための本発明の化合物の投与を意味する。予防の1つの帰結は、本発明の化合物の投与直前の患者の体重に比べた肥満危険患者の体重の減少であろう。予防の別の帰結は、食事療法、運動または薬物治療の結果としてそれまでに減量した体重が戻ることの防止であろう。予防の別の帰結は、肥満危険患者の肥満の開始前に投与するならば肥満の発症の防止であろう。予防の別の帰結は、肥満危険患者の肥満の開始前に投与するならば肥満関連疾患の発症および/または重篤化の抑制であろう。また、既に肥満した患者に治療を開始するならば、このような治療は、II型糖尿病、多嚢胞性卵巣疾患、心血管疾患、骨関節炎、皮膚科疾患、高血圧、インスリン抵抗性、高コレステロール血症、高トリグリセリド血症および胆石症を非限定例とするような肥満関連障害の発症、進行または重篤化を予防するであろう。
【0123】
本文中の肥満関連疾患は、肥満に付随するかまたは肥満を原因とするかまたは肥満の結果として生じる疾患である。肥満関連疾患の例は、過食、食欲亢進症、高血圧、糖尿病、血漿インスリン濃度およびインスリン抵抗性の向上、異常脂質血症、高脂質血症、子宮内膜癌、乳癌、前立腺癌、結腸癌、骨関節炎、閉塞性睡眠時無呼吸、胆石症、胆石、心疾患、異常心拍および不整脈、心筋梗塞、うっ血性心不全、冠動脈性心疾患、突然死、卒中、多嚢胞性卵巣疾患、頭蓋咽頭腫、プレーダー・ウィリィ症候群、フレーリッヒ症候群、GH欠損患者、正常変異体不足体質(normal variant short stature)、ターナー症候群、および、代謝活性の低下またはその他の病的状態であり、例えば、急性リンパ芽球白血病の小児では全無脂肪重量のパーセンテージとして表される安静時エネルギー消費の減少を示す。肥満関連疾患の別の例は、X症候群として知られた代謝症候群、インスリン抵抗性症候群、不妊症、男性の性機能不全症、女性の多毛症のような性機能および生殖機能の不全、胃食道逆流のような肥満関連胃腸の運動障害、肥満低換気症候群(ピクウィック症候群)のような呼吸障害、心血管障害、全身脈管系炎症のような炎症、アテローム性動脈硬化症、高コレステロール血症、高尿酸血症、背下部疼痛、胆嚢病、痛風および腎臓癌である。本発明の化合物はまた、左心室肥大の危険のような肥満症の副作用の危険の抑制にも有効である。
【0124】
本文中に使用した“糖尿病”という用語は、インスリン依存性真性糖尿病(すなわち、IDDM、I型糖尿病としても知られる)、および、II型糖尿病としても知られるインスリン非依存性真性糖尿病(すなわち、NIDDM)の双方を含む。I型糖尿病またはインスリン依存性真性糖尿病は、ブドウ糖利用を調節するホルモンであるインスリンの絶対量欠如の結果として生じる。II型糖尿病またはインスリン非依存性糖尿病(すなわち、インスリン非依存性真性糖尿病)は、インスリンレベルが正常な場合にもしばしば生じ、また、インスリンレベルが高い場合にも生じるので、組織がインスリンに適正に反応する能力を失った結果であると考えられる。また、II型糖尿病の殆どが肥満である。本発明の化合物は、I型およびII型の双方の糖尿病の治療に有用である。化合物はII型糖尿病の治療に特に有効である。本発明の化合物はまた、妊娠性真性糖尿病の治療および/または予防に有用である。
【0125】
偏頭痛を治療または予防するためには本発明の化合物をエルゴタミンまたは5−HTアゴニストのような他の抗偏頭痛薬、特に、スマトリプタン、ナラトリプタン、ゾルマトリプタンまたはリザトリプタンと併用し得ることは理解されよう。
【0126】
抑鬱または不安の治療には本発明の化合物を他の抗欝薬または抗不安薬と併用し得ることが理解されよう。
【0127】
抗欝薬の適当なクラスは、ノルエピネフリン再吸収インヒビター、選択的セロトニン再吸収インヒビター(SSRI)、モノアミンオキシダーゼインヒビター(MAOI)、モノアミンオキシダーゼの可逆性インヒビター(RIMA)、セロトニンおよびノルアドレナリンの再吸収インヒビター(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α−アドレノレセプターアンタゴニスト、ニューロキニン−1受容体アンタゴニストおよび非定型抗欝薬である。
【0128】
適当なノルエピネフリン再吸収インヒビターは、第三級アミン三環系および第二級アミン三環系である。第三級アミン三環系の適例は、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン、トリミプラミンおよび医薬的に許容されるそれらの塩である。第二級アミン三環系の適例は、アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン、プロトリプチリンおよび医薬的に許容されるそれらの塩である。選択的セロトニン再吸収インヒビターの適例は、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、イミプラミン、セルトラリンおよび医薬的に許容されるそれらの塩である。適当なモノアミンオキシダーゼインヒビターは、イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン、セレジリンおよび医薬的に許容されるそれらの塩である。モノアミンオキシダーゼの可逆性インヒビターの適例は、モクロベミドおよび医薬的に許容されるその塩である。本発明に使用するための適当なセロトニンおよびノルアドレナリンの再吸収インヒビターは、ベンラファキシンおよび医薬的に許容されるその塩である。
【0129】
適当なCRFアンタゴニストは、国際特許明細書WO 94/13643、WO 94/13644、WO 94/13661、WO 94/13676およびWO 94/13677に記載された化合物である。
【0130】
さらに、ニューロキニン−1(NK−1)受容体アンタゴニストは本発明のCB1受容体モジュレーターと有利に併用し得る。本発明に有用なNK−1受容体アンタゴニストは、例えば、米国特許US5,162,339、5,232,929、5,242,930、5,373,003、5,387,595、5,459,270、5,494,926、5,496,833、5,637,699;欧州特許公開EP 0 360 390、0 394989、0428 434、0429 366、0430771、0436334、0443 132、0482539、0498 069、0499 313、0 512 901、0 512 902、0 514 273、0 514 274、0 514 275、0 514 276、0 515 681、0 517 589、0 520 555、0 522 808、0 528 495、0 532 456、0 533 280、0 536 817、0 545 478、0 558 156、0 577 394、0 585 913、0 590 152、0 599 538、0 610793、0 634 402、 0 686 629、 0 693 489、 0 694 535、0 699 655、0 699 674、0 707 006、0 708 101、0 709 375、0 709 376、0 714 891、0 723 959、0 733 632および0 776 893;国際特許公開WO 90/05525、90/05729、91/09844、91/18899、92/01688、92/06079、92/12151、92/15585、92/17449、92/20661、92/20676、92/21677、92/22569、93/00330、93/00331、93/01159、93/01165、93/01169、93/01170、93/06099、93/09116、93/10073、93/14084、93/14113、93/18023、93/19064、93/21155、93/21181、93/23380、93/24465、94/00440、94/01402、94/02461、94/02595、94/03429、94/03445、94/04494、94/04496、94/05625、94/07843、94/08997、94/10165、94/10167、94/10168、94/10170、94/11368、94/13639、94/13663、94/14767、94/15903、94/19320、94/19323、94/20500、94/26735、94/26740、94/29309、95/02595、95/04040、95/04042、95/06645、95/07886、95/07908、95/08549、95/11880、95/14017、95/15311、95/16679、95/17382、95/18124、95/18129、95/19344、95/20575、95/21819、95/22525、95/23798、95/26338、95/28418、95/30674、95/30687、95/33744、96/05181、96/05193、96/05203、96/06094、96/07649、96/10562、96/16939、96/18643、96/20197、96/21661、96/29304、96/29317、96/29326、96/29328、96/31214、96/32385、96/37489、97/01553、97/01554、97/03066、97/08144、97/14671、97/17362、97/18206、97/19084、97/19942、97/21702、97/49710、98/24438−98/24441、98/24442−98/24445、02/16343および02/16344;および、英国特許公開2 266 529、2 268 931、2 269 170、2 269 590、2 271 774、2 292 144、2 293 168、2 293 169および2 302 689に記載されている。
【0131】
本発明に有用な具体的なNK−1アンタゴニストは:[(±)−(2R3R,2S3S)−N−{[2−シクロプロポキシ−5−(トリフルオロメトキシ)−フェニル]メチル}−2−フェニルピペリジン−3−アミン;2−(R)−(1−(R)−(3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)エトキシ)−4−(3−(5−オキソ−1H,4H−1,2,4−トリアゾロ)メチル)−3−(S)−フェニル−モルホリン;オペルピタント;CJ17493;GW597599;GW679769;R673;R067319;R1124;R1204;SSR246977;SSR2400600;T2328;およびT2763;または医薬的に許容されるそれらの塩である。
【0132】
適当な非定型抗欝薬は、ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドン、ビロキサジンおよび医薬的に許容されるそれらの塩である。
【0133】
抗不安薬の適当なクラスは、ベンゾジアゼピンおよび5−HT1Aアゴニストまたはアンタゴニスト、特に5−HT1A部分アゴニスト、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストである。
【0134】
適当なベンゾジアゼピンは、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼパート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、プラゼパムおよび医薬的に許容されるそれらの塩である。
【0135】
適当な5−HT1A受容体アゴニストまたはアンタゴニストは例えば5−HT1A受容体部分アゴニスト、ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロン、イプサピロンおよび医薬的に許容されるそれらの塩である。
【0136】
適当なコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストについては本文中で前述した。
【0137】
本文中に使用した“物質濫用異常症”という用語は、生理学的依存性を伴ったり伴わなかったりする物質依存または物質濫用を意味する。これらの異常症に関連する物質は、アルコール、アンフェタミン(またはアンフェタミン様物質)、カフェイン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入薬、マリファナ、ニコチン、オピオイド、フェンシクラジン(またはフェンシクラジン様化合物)、鎮静−催眠剤またはベンゾジアゼピンおよび他の(または未知の)物質およびこれらのすべての組合せである。
【0138】
“物質濫用異常症”という用語は、知覚的障害を伴うかまたは伴わないアルコール禁断、アルコール禁断譫妄、アンフェタミン禁断、コカイン禁断、ニコチン禁断、オピオイド禁断、知覚的障害を伴うかまたは伴わない鎮静剤、催眠剤または不安寛解剤の禁断、鎮静剤、催眠剤または不安寛解剤の禁断譫妄のような薬物禁断異常症、および、他の物質に起因する禁断症状を含む。ニコチン禁断の治療は禁煙に付随する症候群の治療も含むことは理解されよう。
【0139】
その他の“物質濫用異常症”は、禁断中に発症する物質誘発不安障害、禁断中に発症する物質誘発情緒障害、禁断中に発症する物質誘発睡眠障害を含む。
【0140】
より特定的には、構造式Iの化合物は、タバコ消費の停止を支援するために有用であり、また、ニコチン依存およびニコチン禁断を治療するために有用である。式Iの化合物は、喫煙者のようなニコチン消費者の全面的または部分的な禁煙を成功させる。さらに、禁断症状を軽減し、禁煙に一般的に付随する体重増加を抑制または阻止する。禁煙のためには、式Iの化合物をバレニクリンまたはモノアミンオキシダーゼインヒビター(MAOI)のようなニコチンアゴニストもしくはニコチン部分アゴニスト、または、禁煙の支援に有効な他の有効成分、例えば、ブプロピオン、ドキセピン、オルノルトリプチリンのような抗欝剤またはブスピロン、クロニジンのような不安寛解剤と併用するとよい。
【0141】
慣用の抗精神病薬とCB1受容体モジュレーターとの組合せが躁病の治療効果を増進することは理解されよう。このような組合せは、躁病エピソードを治療するために迅速に作用を開始すると期待され、従って“必要基剤として”処方できる。さらにこのような組合せは、抗精神病薬の薬効を低下させることなく抗精神病薬の用量を減少することができるので、有害な副作用の危険を最小に抑制できる。このような組合せのまた別の利点は、CB1受容体モジュレーターの作用があるので、急性ジストニー、ジスキネジア、アカシジアおよび振戦のような抗精神病薬によって引き起こされる有害な副作用を抑制または防止できることである。
【0142】
従って、本発明の別の目的によれば、躁病の治療または予防用医薬を製造するためのCB1受容体モジレーターと抗精神病薬との使用が提案される。
【0143】
本発明はまた、躁病の治療または予防方法を提供する。該方法は、このような治療を要するかまたは躁病を発症する危険のある患者に、総合して有効な軽減を達成するそれぞれの量のCB1受容体モジュレーターと抗精神病薬とを投与する段階を含む。
【0144】
本発明の別の目的によれば、CB1受容体モジュレーターと抗精神病薬とを少なくとも1種類の医薬的に許容される担体または賦形剤と共に含む医薬組成物が提供される。
【0145】
CB1受容体モジュレーターと抗精神病薬とが躁病を治療または予防するために同時的、個別的または順次的に使用される組合せ製剤の形態を有し得ることは理解されよう。このような組合せ製剤は例えばツインパックの形態でよい。
【0146】
従って本発明の追加または代替実施態様によれば、躁病を治療または予防するために同時的、個別的または順次的に使用できる組合せ製剤としてCB1受容体モジュレーターと抗精神病薬とを含む製品が提供される。
【0147】
“組合せ”という用語は、化合物を別々の剤形で提供し順次的に投与する場合も含む。従って例えば、抗精神病薬を錠剤として投与し、次いで適当な時間内にCB1受容体モジュレーターを錠剤のような経口剤形または即時に溶解する経口剤形として投与してもよい。“即時に溶解する経口配合物”という表現は、患者の舌に載せると約10秒以内に溶解する経口デリバリー形態を意味する。
【0148】
軽躁病を治療または予防するためにCB1受容体モジュレーターを抗精神病薬と併用することも本発明の範囲に包含される。
【0149】
慣用の抗精神病薬とCB1受容体モジュレーターとの組合せが統合失調障害の治療効果を増進することは理解されよう。このような組合せは、統合失調症状の治療作用を迅速に開始すると期待され、従って“必要基剤として”処方できる。さらにこのような組合せは、抗精神病薬の薬効を低下させることなくCNS薬の用量を減少することができるので、有害な副作用の危険を最小に抑制できる。このような組合せのまた別の利点は、CB1受容体モジュレーターの作用があるので、急性ジストニー、ジスキネジア、アカシジアおよび振戦のような抗精神病薬によって引き起こされる有害な副作用が抑制または防止できることである。
【0150】
本文中に使用した“統合失調障害”という用語は、妄想性統合失調症、解体型統合失調症、緊張型統合失調症、未分化型統合失調症および残遺統合失調症;統合失調症型障害;分裂情緒的異常症;妄想性異常症;暫定精神異常症;共有精神異常症;物質誘発精神異常症;特定されない精神異常症を含む。統合失調障害に付随するその他の状態でよく見られるものは自傷行為(例えば、レッシュ・ナイハン症候群)および自殺挙動である。
【0151】
CB1受容体モジュレーターと併用できる適当な抗精神病薬は、フェノチアジン、チオキサンテン、複素環式ジベンズアゼピン、ブチロフェノン、ジフェニルブチルピペリジンおよびインドロロンクラスの抗精神病薬である。フェノチアジンの適例は、クロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジンおよびトリフルオペラジンである。チオキサンテンの適例は、クロルプロチキセンおよびチエチキセンである。ジベンズアゼピンの適例は、クロザピンおよびオランザピンである。ブチロフェノンの一例は、ハロペリドールである。ジフェニルブチルピペリジンの一例はピモジドである。インドロロンの一例はモリンドロンである。他の抗精神病薬には、ロキサピン、スルピリドおよびリスペリドンがある。CB1受容体モジュレーターと併用するときの抗精神病薬は医薬的に許容される塩の形態、例えば、クロルプロマジン塩酸塩、メソリダジンベシラート、チオリダジン塩酸塩、アセトフェナジンマレイン酸塩、フルフェナジン塩酸塩、フルフェナジンエナント酸塩、フルフェナジンデカン酸塩、トリフルオペラジン塩酸塩、チオチキセン塩酸塩、ハロペリドールデカン酸塩、ロキサピンコハク酸塩、モリンドン塩酸塩である。ペルフェナジン、クロルプロチキセン、クロザピン、オランザピン、ハロペリドール、ピモジドおよびリスペリドンは非塩形態で使用されるのが普通である。
【0152】
CB1受容体モジュレーターと併用できる別のクラスの抗精神病薬は、ドーパミン受容体アンタゴニスト、特に、D2、D3およびD4ドーパミン受容体アンタゴニスト、および、ムスカリニックm1受容体アゴニストである。D3ドーパミン受容体アンタゴニストの一例は化合物PNU−99194Aである。D4ドーパミン受容体アンタゴニストの一例は化合物PNU−101387である。ムスカリニックm1受容体アゴニストの一例はキサノメリンである。
【0153】
CB1受容体モジュレーターと併用できる別のクラスの抗精神病薬は、5−HT2A受容体アンタゴニストである。その例はMDL 100907およびファナンセリンである。同じくCB1受容体モジュレーターと併用できるのは、セロトニンドーパミンアンタゴニスト(SDA)であり、これらは5−HT2Aおよびドーパミンの双方の受容体のアンタゴニスト活性を有すると考えられる。これらの例はオランザピンおよびジペラシドンである。
【0154】
さらにまた、NK−1受容体アンタゴニストは本発明のCB1受容体モジュレーターと有利に併用できる。本発明に使用するためのNK−1受容体アンタゴニストは上述の化合物のクラスから選択される。
【0155】
慣用の抗喘息薬とCB1受容体モジュレーターとの組合せが喘息の治療効果を増進すること、喘息の治療または予防に使用できること、該方法が、かかる治療を必要とする患者に、総合して有効な軽減を与えるそれぞれの量の本発明の化合物と抗喘息薬とを投与する段階を含むことは理解されよう。従って本発明の別の目的によれば、喘息の治療または予防用医薬を製造するためのCB1受容体モジュレーターと抗喘息薬との使用が提案される。
【0156】
本発明の化合物と併用できる適当な抗喘息薬の非限定例は、(a)VLA−4アンタゴニスト、例えば、ナタリズマブ、および、米国特許US 5,510,332、国際特許WO97/03094、WO97/02289、WO96/40781、WO96/22966、WO96/20216、WO96/01644、WO96/06108、WO95/15973およびWO96/31206に記載の化合物;(b)ステロイドおよびコルチコステロイド、例えば、ベクロメタゾン、メチルプレドニゾロン、ベタメタゾン、プレドニゾン、デキサメタゾンおよびヒドロコルチゾン;(c)抗ヒスタミン(H1−ヒスタミンアンタゴニスト)、例えば、ブロモフェニラミン、クロルフェニラミン、デクスクロルフェニラミン、トリプロリジン、クレマスチン、ジフェニルヒドラミン、ジフェニルピラリン、トリペレンナミン、ヒドロキシジン、メトジラジン、プロメタジン、トリメプラジン、アザタジン、シプロヘプタジン、アンタゾリン、フェニラミン、ピリラミン、アステミゾール、テルフェナジン、ロラタジン、デスロラタジン、セチリジン、フェキソフェナジン、デスカルボエトキシロラタジン、など;(d)非ステロイド系抗喘息薬、例えば、β2−アゴニスト(例えば、テルブタリン、メタプロテレノール、フェノテロール、イソエタリン、アルブテロール、ビトルテロール、サルメテロール、エピネフリンおよびピルブテロール)、テオフィリン、クロモリンナトリウム、アトロピン、イプラトロピウムブロミド、ロイコトリエンアンタゴニスト(例えば、ザフィルカスト、モンテルカスト、プランルカスト、イラルカスト、ポビルカストおよびSKB−106,203)、および、ロイコトリエン生合成インヒビター(例えば、ジロイトンおよびBAY−1005);(e)抗コリン作動薬、例えば、ムスカリニックアンタゴニスト(例えばイプラトロピウムブロミドおよびアトロピン);および(f)ケモカイン受容体のアンタゴニスト、特に、CCR−3;および、医薬的に許容されるそれらの塩。
【0157】
慣用の抗便秘薬とCB1受容体モジュレーターの組合せが便秘または慢性の偽腸閉塞の治療効果を増進させること、便秘または慢性の偽腸閉塞の治療または予防用医薬の製造に使用できることは理解されよう。
【0158】
本発明はまた、便秘の治療または予防方法を提供する。該方法は、かかる治療を必要とする患者に、総合して有効な軽減を与えるそれぞれの量の本発明の化合物と抗喘息薬とを投与する段階を含む。
【0159】
本発明の化合物と併用できる適当な抗便秘薬の非限定例は、浸透薬、緩下薬、洗浄性緩下薬(または湿潤剤)、膨張剤および刺激剤、および、医薬的に許容されるそれらの塩である。浸透薬のクラスの非限定例は、ソルビトール、ラクツロース、ポリエチレングリコール、マグネシウム、ホスフェート、スルフェートおよび医薬的に許容されるそれらの塩である。緩下薬および洗浄性緩下薬のクラスの非限定例は、マグネシウム、ドクサートナトリウム、および、医薬的に許容されるそれらの塩である。膨張剤のクラスの非限定例は、プシリウム、メチルセルロース、カルシウムポリカルボフィル、および、医薬的に許容されるそれらの塩である。刺激剤のクラスの非限定例は、アントラキノンおよびフェノールフタレイン、および、医薬的に許容されるそれらの塩である。
【0160】
慣用の抗硬変薬とCB1受容体モジュレーターの組合せが肝硬変の治療効果を増進させること、これらを肝硬変の治療または予防用医薬の製造に使用できることは理解されよう。
【0161】
本発明はまた、肝硬変の治療または予防方法を提供する。該方法は、かかる治療を必要とする患者に、総合して有効な軽減を与えるそれぞれの量の本発明の化合物と抗硬変薬とを投与する段階を含む。
【0162】
本発明の化合物と併用できる適当な抗硬変薬の非限定例は、コルチコステロイド、ペニシラミン、コルチシン、インターフェロン−γ、2−オキソグルタレートアナローグ、プロスタグランジンアナローグおよびその他の抗炎症薬、および、抗代謝薬、例えば、アザチオプリン、メトトレキセート、レフルナミド、インドメタシン、ナプロキセンおよび6−メルカプトプリン、および、医薬的に許容されるそれらの塩である。
【0163】
本発明の治療方法は、他のCB受容体またはG−タンパク質結合受容体に優先してCB1受容体に選択的に拮抗作用を示す無毒の治療有効量の本発明の化合物をかかる治療が必要な患者に投与することによって、CB1受容体を変調し、CB1受容体介在疾患を治療する方法を含む。
【0164】
“治療有効量”という用語は、治療される組織、系、動物またはヒト体内で研究者、獣医師、内科医または他の医師が求める生物学的または医学的応答を誘発するような構造式Iの化合物の量を意味する。上記応答には治療される障害の症状の緩和が含まれる。本発明の新規な治療方法は、当業者に公知の障害に対する治療方法である。“哺乳動物”という用語はヒトおよびイヌやネコのような同伴動物を含む。
【0165】
式Iの化合物対第二有効成分の重量比は変更してもよく、各成分の有効用量に依存するであろう。一般的に、各成分の有効用量を使用する。従って、例えば式Iの化合物をβ−3アゴニストと組合せるとき、式Iの化合物対β−3アゴニストの重量比は一般には約1000:1−約1:1000、好ましくは約200:1−約1:200であろう。式Iの化合物と他の有効成分との組合せも一般的に上記の範囲内であろうが、どの場合にも各有効成分の有効用量を使用しなければならない。
【0166】
以下の反応スキームおよび実施例に略号を使用した。Ac:アセチル;aq.:水性;API−ES:大気圧イオン化エレクトロスプレー(質量スペクトル用語);Boc:tert−ブチルオキシカルボニル;DEAD:ジエチルアゾジカルボキシレート;DMAP:4−ジメチルアミノピリジン;DMF:ジメチルホルムアミド;DMSO:ジメチルスルホキシド;EDC:l−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)−カルボジイミド塩酸塩;EPA:エチレンポリアクリルアミド(プラスチック);Et:エチル;g:グラム;h:時;Hex:ヘキサン;HOBt:1−ヒドロキシベンゾトリアゾール;HPLC:高圧液体クロマトグラフィー;HPLC/MS:高圧液体クロマトグラフィー/質量スペクトル;in vacuo:回転蒸発;IPACまたはIPAc:イソプロピルアセテート;KHMDS:カリウムヘキサメチルジシラジド;LAH:水素化アルミニウムリチウム;LC:液体クロマトグラフィー;LC/MS、LC−MS:液体クロマトグラフィー−質量スペクトル;LDA:リチウムジイソプロピルアミド;M:モル;Me:メチル;MHz:メガヘルツ;min:分;mL:ミリリットル;mmol:ミリモル;MSまたはms:質量スペクトル;MsCl:メタンスルホニルクロリド;N:規定;NaBHCN:シアノホウ水素化ナトリウム;NaBH(OAc):トリアセトキシホウ水素化ナトリウム;NaHMDS:ナトリウムヘキサメチルジシラジド;NMR:核磁気共鳴;PhH:ベンゼン;PtO:二酸化白金;PyBOP:(ベンゾトリアゾール−1−イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート;Rh(OAc):酢酸ロジウム(II);Rt:保持時間;rtまたはRT:室温;TFA:トリフルオロ酢酸;THF:テトラヒドロフラン;TLC:薄層クロマトグラフィー;TMS−CN:トリメチルシリルシアニド。
【0167】
本発明の化合物は、以下のスキームに示す反応を文献で公知または実験手順に例示した他の標準操作と共に使用することによって製造し得る。従って、以下の代表的スキームは表に示した化合物または例示目的で使用した何らかの特定置換基によって限定されない。スキームに示した置換基の番号は特許請求の範囲に使用した番号とは必ずしも相関していない。また、明瞭にするという観点からしばしば、前記に定義した式Iの化合物の定義で許容される多数置換基の代りに化合物に結合した単一置換基を示している。
【0168】
本発明を例示するために、以下のスキームおよび実施例を記載する。これらの実施例は本発明を限定するものではない。これらは本発明を実施するための1つの方法を示唆するだけである。当業者は、彼らには明らかな本発明を実施する別の方法を容易に想到できるであろう。しかしながら、それらの方法もまた本発明の範囲内に包含されると考えるべきである。
【0169】
【化9】

【0170】
スキーム1では、適宜置換したヒドロラジンをカルボン酸と標準的アミン結合形成条件下で反応させて、カルボン酸ヒドラジドとする。本発明を例示するために、以下の実施例を記載する。これらの実施例は本発明を限定するものではない。これらは本発明を実施するための1つの方法を示唆するだけである。しかしながら、これらの方法もまた本発明の範囲内に包含されると考えるべきである。
【0171】
一般的手順。LC/MS分析は、YMC ODS−A 4.6×50mmカラムを利用するAGILENT 1100シリーズHPLCに結合したMICROMASS ZMD質量分析計を使用し、10−95%Bで4.5分超、次いで95%Bで0.5分の溶媒勾配を用い2.5mL/分で溶出させることによって行った:溶媒A=水中に0.06%のTFA;溶媒B=アセトニトリル中に0.05%のTFA。H−NMRスペクトルは指定通りにCDClまたはCDOD中で500MHz VARIAN分光計で得られた。化学シフトは溶媒ピークを参照として使用してδで示し、結合定数はヘルツ(Hz)で示す。
【0172】
(参考実施例1)
N−メチル−N−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]ヒドラジン
段階A N−メチル−N−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]アミン
100mLのベンゼン中の3−クロロベンジルアルデヒド(4.3mL,38mmol)の溶液に5gの4Aモレキュラーシーブおよびメチルアミン(THF中の2M溶液、95mL、190mmol)を添加した。反応混合物を室温で一夜撹拌後、モレキュラーシーブを濾過によって除去し、濾液を濃縮すると粗イミンが得られた。これを,100mLの無水THFに溶解し、4−クロロベンジルマグネシウムクロリド(EtO中に0.25M、168mL,42mmol)をカニューレによって−10℃で添加した。冷却浴を除去し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。NHClで反応停止させ、2NのNaOHで塩基性にし、EtOAcで抽出した。有機抽出物をMgSOで乾燥し、濾過し、真空下で濃縮すると、標題化合物が得られたので、それ以上精製しないで次段階で使用した。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.32(s,1H),7.24−7.21(m,3H),7.17(d,2H),6.97(d,2H),3.70(dd,1H),3.05(dd,1H),2.82(dd,1H),2.19(s,3H)。LC−MS:m/e280(M+H)(2.5min)。
【0173】
段階B N−ニトロソ−N−メチル−N−[(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]アミン
140mLのCHCl中の段階AのN−メチル−N−[l−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)]エチルアミンとN−クロロスクシンイミド(10g,76mmol)の溶液に、NaNO水溶液(140mLの水中に10.5g,152mmol)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(34.7g,152mmol)を添加した。反応混合物を室温で一夜撹拌後、層を分離し、有機層を水、炭酸水素ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固した。ヘキサン中の20%酢酸エチルで溶出させるシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、標題化合物が得られた。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.41−7.36(m,3H),7.32(s,1H),7.24(d,2H),6.92(d,2H),5.85(dd,1H),3.64(dd,1H),3.51(dd,1H),2.86(s,3H)。
【0174】
段階C N−メチル−N−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]ヒドラジン
ジクロロメタン/ジエチルエーテル(500mL、4/1 v/v)の混合物にTiCl(19.52mL、178mmol)およびマグネシウム粉末(4.33g、178mmol)をN下で添加した。室温で2時間撹拌後、100mLのエーテル中のN−ニトロソ−N−メチル−N−[(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]アミン化合物(段階B、11g、35.6mmol)を添加し、反応混合物をさらに30分間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、希HCl(HO/濃HCl、40:1 v/v)を添加した。さらに2時間撹拌後、得られた紫色溶液を2NのNaOHの添加によってアルカリ性にし、EtOAcで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固した。ヘキサン中の30−60%酢酸エチルで溶出させるシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、標題化合物が得られた。H NMR(500MHz,CDOD):δ7.32−7.26(m、3H)、7.23(s、1H)、7.12(d、2H)、6.94(d、2H)、3.61(dd、1H)、3.42(dd、1H)、2.93(dd、1H)、2.39(s、3H)。LC−MS:m/e295(M+H)(2.6min)。
【0175】
(参考実施例2)
N−メチルN−[1−(3−ブロモフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]ヒドラジン
段階Aの3−クロロベンジルアルデヒドに代えて3−ブロモベンジルアルデヒドを使用し、参考実施例1の記載と同じ手順によって標題化合物を製造した。LC−MS:m/e340(M+H)(3.0min)。
【0176】
(参考実施例3)
N−エチル−N−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]ヒドラジン
段階A N−エチル−N−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]アミン
50mLのベンゼン中の3−クロロベンジルアルデヒド(42.3mL、20mmol)の溶液に5gの4Åモレキュラーシーブおよびエチルアミン(THF中の2M溶液、50mL、100mmol)を添加した、反応混合物を室温で一夜撹拌後、濾過によってモレキュラーシーブを除去し、濾液を濃縮すると、粗イミンが得られた。これを60mLの無水THFに溶解した。4−クロロベンジルマグネシウムクロリド(EtO中に0.25M、120mL、30mmol)を−10℃で添加した。冷却浴を除去し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。NHCl水溶液で反応を停止させ、2NのNaOHでアルカリ性にし、EtOAcで抽出した。有機抽出物をMgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮すると、標題化合物が得られたので、それ以上精製しないで次段階で使用した。H NMR(500MHz、CDOD):δ7.33(s、1H)、7.24−7.21(m、3H)、7.18(d、2H)、6.98(d、2H)、3.81(dd、1H)、3.06(dd、1H)、2.81(dd、1H)、2.42(m、2H)、1.03(t、3H)。
【0177】
段階B N−ニトロソ−N−エチル−N−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]アミン
70mLのCHCl中の段階AのN−エチル−N−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)]エチルアミンおよびN−クロロスクシンイミド(5.34g、40mmol)の溶液に、NaNO水溶液(5.52g、80mmolのNaNO、70mLの水中)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(18.2g、80mmol)を添加した。反応混合物を48時間撹拌後、層を分離し、有機層を水、炭酸水素ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄した。次いで、有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固した。ヘキサン中の0−15%酢酸エチルで溶出させるシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):δ7.42(s、1H)、7.39−7.33(m、3H)、7.24(d、2H)、7.21(d、2H)、5.62(dd、1H)、3.70(m、2H)、3.43(dd、1H)、3.22(dd、1H)、0.72(t、3H)。LC−MS:m/e323((M+H)(4.2min)。
【0178】
段階C N−エチル−N−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]ヒドラジン
ジクロロメタン/ジエチルエーテル(250mL、4/1 v/v)の混合物にTiCl(8.7mL、79mmol)およびマグネシウム粉末(1.92g、79mmol)をN下で添加した。反応混合物を2時間撹拌後、50mLのジエチルエーテル中の段階BのN−ニトロソ−N−エチル−N−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]アミン(5.1g、15.8mmol)を添加し、反応混合物を30分間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、希HClを添加した。さらに1時間撹拌後、得られた紫色溶液を2NのNaOHの添加によってアルカリ性にし、EtOAcで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固した。ヘキサン中の20−50%酢酸エチルで溶出させるシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):δ7.40(s、1H)、7.35−7.21(m、3H)、7.21(s、4H)、4.41(dd、1H)、3.63(dd,1H)、3.20(m、2H)、3.12(dd、1H)、0.87(t、3H)。
【0179】
(参考実施例4)
N−アリル−N−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]ヒドラジン
段階A N−アリル−N−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]アミン
100mLのベンゼン中の3−クロロベンジルアルデヒド(3.4mL、30mmol) の溶液に8gの4Åモレキュラーシーブおよびアリルアミン(11.3mL、150mmol)を添加した。反応混合物を室温で一夜撹拌後、濾過によってモレキュラーシーブを除去し、濾液を濃縮すると、粗イミンが得られた。これを100mLの無水THFに溶解し、4−クロロベンジルマグネシウムクロリド(EtO中に0.25M、180mL、45mmol)を−10℃で添加した。冷却浴を除去し、反応混合物を室温で1時間撹拌した。NHCl水溶液で反応停止させ、2NのNaOHで塩基性にし、EtOAcで抽出した。有機抽出物をMgSOで乾燥し、濾過し、真空中で濃縮すると標題化合物が得られたので、それ以上精製しないで次段階で使用した。H NMR(500MHz、CDOD):δ7.33(s、1H)、7.21(m、3H)、7.18(d、2H)、6.98 (d、2H)、5.80(m、1H)、5.04(s、1H)、5.02(d,1H)、3.82(dd、1H)、3.03(dd、1H)、2.98(dd、1H)、2.82(dd、1H)。
【0180】
段階B N−ニトロソ−N−アリル−N−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]アミン
100mLのCHCl中の段階AのN−アリル−N−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)]エチルアミンおよびN−クロロスクシンイミド(8g、60mmol)の溶液にNaNO水溶液(8.28g、120mmolのNaNO、100mLの水中)およびベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(27.4g、120mmol)を添加した。反応混合物を室温で48時間撹拌後、層を分離し、有機層を水、炭酸水素ナトリウム水溶液およびブラインで洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固した。ヘキサン中の0−15%酢酸エチルで溶出させるシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):δ7.41(s、1H)、7.18−7.11(m、3H)、7.21(d、2H)、7.20(d、2H),5.58(dd、1H)、5.38(m、1H)、4.96(d、1H)、4.83(s、1H)、4.37(dd、1H)、3.77(m、2H)、3.43(dd、1H)。LC−MS:m/e335((M+H)(4.3min)。
【0181】
段階C N−アリル−N−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]ヒドラジン
ジクロロメタン/ジエチルエーテル(250mL、4/1 v/v)の混合物にTiCl(8.7mL、79mmol)およびマグネシウム粉末(1.92g、79mmol)をN下で添加した。反応混合物を2時間撹拌後、50mLのエーテル中の段階BのN−ニトロソ−N−アリル−N−[l−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]アミン(5.3g、15.8mmol)を添加し、反応混合物をさらに30分間撹拌した。反応混合物を0℃に冷却し、希HCl(HO/濃HCl、40:1 v/v)を添加した。さらに1時間撹拌後、得られた紫色溶液を2NのNaOHの添加によってアルカリ性にし、EtOAcで抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固した。ヘキサン中の20−30%酢酸エチルで溶出させるシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):δ7.24(s、1H)、7.23−7.20(m、3H)、7.13(d、2H),6.98(d、2H)、5.84(m、1H)、5.19(s、1H)、5.18(d、1H)、3.80(dd、1H)、3.43(dd、1H)、3.17(dd、1H)、3.03(dd、1H)、2.96(dd、1H)。LC−MS:m/e321(M+H)(3.4min)。
【0182】
(参考実施例5)
2−(2−フルオロフェニルオキシ)−2−メチルプロピオン酸
段階A 2−(2−フルオロフェニルオキシ)−2−メチルプロピオン酸
アセトン(100mL)中の2−フルオロフェノール(2.0g、18mmol)および1,1,1−トリクロロ−2−メチル−2−プロパノール(7.9g,45mmol)の溶液に水酸化ナトリウム(7.1g、0.18mol)を添加し、緩やかな還流を維持するために水浴を定期的に加えた。還流が静まった後、反応混合物をさらに1時間撹拌した。回転蒸発器で揮発性材料を除去し、残渣をエーテル(100mL)、ヘキサン(100mL)および水(200mL)に分配した。水層を分離し、濃塩酸で酸性化し(pH=2)、エーテル(3×100mL)で抽出した。集めた抽出物を無水MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮乾固すると、標題化合物が得られた。それ以上精製しないで使用した。H NMR(500MHz、CDOD):δ7.15−7.05(m、4H)、1.56(s、6H)。LC−MS:m/e199(M+H)(2.3min)。
【0183】
参考実施例6および7の酸は、2−フルオロフェノールの代わりに適宜置換したフェノールを使用し、参考実施例5に記載の手順で製造した。
【0184】
(参考実施例6)
2−(3−クロロフェニルオキシ)−2−メチル]プロピオン酸
H NMR(500MHz、CDOD):δ7.23(t、1H)、7.00(dd、1H)、6.93(t、1H)、6.84(dd、1H)、1.59(s、6H)。
【0185】
LC−MS:m/e 215(M+H)(2.7 min)。
【0186】
(参考実施例7)
2−(3,5−ジクロロフェニルオキシ)−2−メチルプロピオン酸
H NMR(500MHz、CDOD):δ7.05(t、1H)、6.84(d、2H)、1.60(s、6H)。
【0187】
(参考実施例8)
2−(2−ピリジルオキシ)−2−メチルブタン酸
段階A ベンジル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピオネート
100mLのCHCl中の2−ヒドロキシピリジン(2.9g、30mmol)、ベンジルラクテート(5.0g、21mmol)およびトリフェニルホスフィン(12g、47mmol)の混合物にジエチルアゾジカルボキシレート(7.8mL、45mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温に昇温させ4時間維持した。得られた混合物をヘキサン(100mL)で希釈し、20gのシリカゲルで濃縮した。材料をシリカゲルカラムに充填し、ヘキサン中の10%EtOAcで溶出させると標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):δ8.00(dd、1H)、7.68(ddd、1H)、7.36−7.28(m、5H)、6.94(dd、1H)、6.84(dd、1H),5.30(q、1H)、5.18(s、2H)、1.59(d、3H)。LC−MS:m/e258(M+H)(3.3min)。
【0188】
段階B ベンジル 2−(2−ピリジルオキシ)−2−メチルブタノエート
10mLの無水THF中のベンジル 2−(2−ピリジルオキシ)プロピオネート(1.6g、6.2mmol)およびエチルヨージド(1.5mL、25mmol)の−78℃溶液に、ナトリウムヘキサメチルジシラジド(THF中に1M、9.3mL、9.3mmol)を添加した(トルエン中のカリウムヘキサメチルジシラジドを使用しても同様の結果が得られる)。反応混合物を室温に昇温させ2時間維持し、飽和塩化アンモニウム(100mL)およびEtOAc(100mL)に分配した。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×50mL)で抽出した。集めた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固した。ヘキサン中の10%EtOAcで溶出させるシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):δ7.87(dd、1H)、7.63(ddd、1H)、7.27(m、3H)、7.18(m、2H)、6.85(dd、1H)、6.74(dd、1H)、5.08(ABq、2H)、2.13(m、1H)、1.94(m、1H)、1.65(s、3H)、0.95(t、3H)。LC−MS:m/e286(M+H)(3.8min)。
【0189】
段階C 2−(2−ピリジルオキシ)−2−メチルブタン酸
50mLのMeOH中のベンジル2−(2−ピリジルオキシ)−2−メチルブタノエート(1.6g、5.5mmol)および10%の炭素に付けたパラジウム(50mg)の混合物を脱ガスし、バルーンを使用して水素を充填した。室温で一夜撹拌後、反応混合物をCELITE珪藻土で濾過し、MeOH(20mL)で洗浄し、濾液を濃縮乾固すると標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):δ8.03(dd、1H)、7.64(ddd、1H)、6.89(dd、1H)、6.76(dd、1H)、2.14(m、1H)、1.94(m、1H)、1.64(s、3H)、0.99(t、3H)。LC−MS:m/e196(M+H)(1.8min)。
【0190】
(参考実施例9)
2−(2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオン酸
段階Bのエチルヨージドおよびナトリウムヘキサメチルジシラジドの代わりにそれぞれメチルヨージドおよびカリウムヘキサメチルジシラジドを使用し参考実施例8に記載の手順に従って標題化合物を製造した。H NMR(500MHz、CDOD):δ8.04(dd、1H)、7.64(ddd,1H)、6.89(dd、1H)、6.76(dd、1H)、1.66(s、6H)。LC−MS:m/e182(M+H)(1.5min)。
【0191】
(参考実施例10)
2−メチル2−(5−クロロ−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
段階A エチル 2−メチル2−(5−クロロ−2−ピリジルオキシ)プロピオネート
50mLのアセトニトリル中の5−クロロ−2−ヒドロキシピリジン(5.0g、39mmol)、エチル 2−ブロモイソブチレート(5.7mL、39mmol)および炭酸セシウム(25g、77mmol)の混合物を50℃で一夜加熱した。回転蒸発器で濃縮することによって揮発性材料を除去し、残渣を水(100mL)およびEtOAc(100mL)に分配した。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×100mL)で抽出した。集めた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固した。ヘキサン中の5%EtOAcで溶出させるシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):δ7.99(d、1H)、7.67(dd、1H)、6.68(d、1H)、4.13(q、2H)、1.64(s、6H)、1.14(t、3H)。LC−MS:m/e244(M+H)(3.41min)。
【0192】
段階B 2−メチル2−(5−クロロ−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
15mLのアセトニトリルおよび15mLの水に入れたエチル 2−メチル−2−(5−クロロ−2−ピリジルオキシプロピオネートおよび水酸化ナトリウム(0.85g、21mmol)の混合物を50℃で一夜加熱した。回転蒸発器で濃縮することによって揮発性材料を除去し、残渣を2Mの塩酸(100mL)およびエーテル(100mL)に分配した。有機層を分離し、水(2×50mL)で洗浄し、無水MgSOで乾燥し、濾過し、濃縮乾固すると、標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):δ8.02 (d、1H)、7.65(dd、1H)、6.77(d、1H)、1.62(s、6H)。LC− MS:m/e216(M+H)(2.33min)。
【0193】
(参考実施例11)
2−メチル2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
段階Aの5−クロロ−2−ヒドロキシピリジンの代わりに5−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシピリジンを使用し、参考実施例10に記載の手順で標題化合物を製造した。H NMR(500MHz、CDOD):δ8.38(br s、1H)、7.93(dd、1H)、7.13(d、1H)、1.70(s、6H)。LC−MS:m/e250(M+H)(2.6min)。
【0194】
(参考実施例12)
2−メチル2−(6−メチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
段階Aの5−クロロ−2−ヒドロキシピリジンの代わりに6−メチル−2−ヒドロキシピリジンを使用し、参考実施例10に記載の手順で標題化合物を製造した。H NMR(500MHz、CDOD):δ7.51(t、1H)、6.74(d、1H)、6.53(d、1H)、2.34(s、3H)、1.64(s、6H)。LC−MS:m/e196(M+H)(1.3min)。
【0195】
(参考実施例13)
2−メチル2−(2−ピリミジルオキシ)プロピオン酸
段階Aの5−クロロ−2−ヒドロキシピリジンの代わりに2−ヒドロキシピリミジンを使用し、参考実施例10に記載の手順で標題化合物を製造した。H NMR(500MHz、CDOD):δ8.53(d、2H)、7.09(t、1H)、1.74(s、6H)。
【0196】
(参考実施例14)
2−メチル2−(4−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
段階Aの5−クロロ−2−ヒドロキシピリジンの代わりに4−トリフルオロメチル−2−ヒドロキシピリミジンを使用し、参考実施例10に記載の手順で標題化合物を製造した。H NMR(500MHz、CDOD):δ8.30(d、1H)、7.18(d、1H)、7.05(s、1H)、1.71(s、6H)。
【0197】
(参考実施例15)
2−メチル2−(6−トリフルオロメチル−4−ピリミジルオキシ)プロピオン酸
段階Aの5−クロロ−2−ヒドロキシピリジンの代わりに6−トリフルオロメチル−4ヒドロキシピリミジンを使用し、参考実施例10に記載の手順で標題化合物を製造した。H NMR(500MHz、CDOD:δ8.81(s、1H)、7.28(s、1H)、1.75(s、6H)。LC−MS:m/e251(M+H)(2.1min)。
【0198】
(参考実施例16)
2−メチル2−(5−メチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
5−メチル−2−ヒドロキシピリジンを出発材料とし参考実施例10に記載の手順で標題化合物を製造した。H NMR(500MHz、CDOD):δ7.85(s、1H)、7.47(dd、1H)、6.65(d、1H)、2.22(s、3H)、1.62(s、6H)。LC−MS:m/e196(M+H)(2.3min)。
【0199】
(参考実施例17)
2−メチル−2−(5−シアノ−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
段階A メチル 2−メチル−2−(5−シアノ−2−ピリジルオキシ)プロピオネート
ジクロロメタン(10mL)およびメタノール(10mL)中の2−メチル−2−(5−クロロ−2−ピリジルオキシプロピオン酸(参考実施例11、1.0g、4.6mmol)の0℃溶液に、トリメチルシリルジアゾメタン(ヘキサン中に2M)を液が黄色を維持するまで添加した。室温で15分間撹拌後、反応混合物を濃縮乾固すると、粗メチルエステルが得られたので、それ以上精製しないで使用した。すなわち、粗メチルエステルをアセトニトリル(5mL)に溶解し、シアン化カリウム(0.45g、7.0mmol)、トリブチルスズクロリド(0.10mL、0.37mmol)を添加した。混合物を脱ガスし、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0.15g、0.16mmol)およびトリ(tert−ブチル)ホスフィン(10%重量、2.2mL、0.84mmol)を添加し、さらに2回脱ガスした。80℃で一夜加熱後、反応混合物を室温に冷却し、ジメチルスルホキシド(5mL)および水(2mL)で希釈し、濾過した。濾液を逆相HPLCカラムに充填し、アセトニトリル中20−100%の水で溶出させると、標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):δ8.43(d、1H)、7.97(dd、1H)、6.91(d、1H)、3.63(s、3H)、1.66(s、6H)。
【0200】
段階B 2−メチル2−(5−シアノ−2−ピリジルオキシプロピオン酸
テトラヒドロフラン(2mL)および水(1mL)に入れたメチル 2−メチル−2−(5−シアノ−2−ピリジルオキシ)プロピオネート(12mg)の溶液に水酸化リチウム一水和物(10mg)を添加した。室温で一夜撹拌後、反応混合物を1Nの塩酸で酸性化し、得られた混合物を水(50mL)および酢酸エチル(50mL)に分配した。有機層を分離し、水およびブラインで洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固すると標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):δ8.23(d、1H)、7.96(dd、1H)、6.91(d、1H),1.64(s、6H)。
【0201】
(参考実施例18)
2−メチル−2−(5−フルオロ−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
段階A ベンジル 2−(5−フルオロ−2−ピリジルオキシ)プロピオネート
50mLのCHCl中の5−フルオロ−2−ヒドロキシピリジン(2.0g、18mmol)、ベンジルラクテート(3.2g、18mmol)およびトリフェニルホスフィン(9.3g、35mmol)の混合物にジイソプロピルアゾジカルボキシレート(7.0mL、35mmol)を0℃で添加した。反応混合物を室温に昇温させ一夜維持した。得られた混合物をシリカゲルカラムに充填し、ヘキサン中の0−25%EtOAcで溶出させると、標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):δ7.81(d、1H)、7.50(ddd、1H)、7.36−7.26(m、5H)、6.85(dd、1H)、5.24(q、1H)、5.16(ABq、2H)、1.55(d、3H)。LC−MS:m/e276(M+H)(3.6min)。
【0202】
段階B ベンジル 2−(5−フルオロ−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオネート
40mLの無水THF中のベンジル 2−(5−フルオロ−2−ピリジルオキシ)プロピオネート(2.9g、10mmol)およびメチルヨージド(3.3mL、53mmol)の−78℃溶液にカリウムヘキサメチルジシラジド(トルエン中に0.5M、32mL、16mmol)を添加した。反応混合物を室温に昇温させ3時間維持し、飽和アンモニウムクロリド(150mL)およびEtOAc(150mL)に分配した。有機層を分離し、水層をEtOAc(2×50mL)で抽出した。集めた有機抽出物を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固し、ヘキサン中の0−20%EtOAcで溶出させるシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):δ7.63(d、1H)、7.44(ddd、1H)、7.27(m、3H)、7.18(m、2H)、6.74(dd、1H)、5.09(s、2H)、1.64(s、6H)。LC−MS:m/e290(M+H)(3.7min)。
【0203】
段階C 2−(5−フルオロ−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオン酸
20mLのMeOH中のベンジル 2−(5−フルオロ−2−ピリジルオキシ)−2−メチルプロピオネート(2.6g、9.2mmol)および炭素に付けた10%パラジウム(0.26mg)の混合物を脱ガスし、バルーンを使用して水素を充填した。室温で3時間撹拌後、反応混合物をCELITE珪藻土で濾過し、MeOH(20mL)で洗浄し、濾液を濃縮乾固すると標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):δ7.91(d、1H)、7.48(ddd、1H)、6.78(dd、1H)、1.65(s、6H)。LC−MS:m/e200(M+H)(2.6min)。
【0204】
(参考実施例19)
2−メチル2−(4−メチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
段階Aの5−フルオロ−2−ヒドロキシピリジンの代わりに4−メチル−2−ヒドロキシピリジンを使用し参考実施例17に記載の手順で2−メチル2−(4−メチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸を製造した。H NMR(500MHz、CDOD):δ7.88(d、1H)、6.73(d、1H)、6.57(s、1H)2.28(s、3H)、1.63(s、6H)。
【0205】
(参考実施例20)
2−メチル2−(5−ジフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
段階A 4−クロロ−3−ピリジンカルボキサルデヒド
エーテル(100mL)およびテトラヒドロフラン(100mL)中の2−クロロ−5−ヨードピリジン(18g、75mmol)の−78℃溶液に、tert−ブチルリチウム(ペンタン中に1.7M、60mL、100mmol)を添加した。−78℃で30分間撹拌後、DMF(11mL、150mmol)を添加し、反応混合物を0℃に昇温させ30分維持し、氷(200g)、濃塩酸(20mL)およびエーテル(200mL)の撹拌混合物に注いだ。有機層を分離し、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固した。ヘキサン/ジクロロメタン(1:1)中の0−10%エーテルで溶出させるシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):10.18(s、1H)、8.90(s、1H)、8.17(d、1H)、7.55(d、1H)。
【0206】
段階B 4−クロロ−3−ジフルオロメチルピリジン
15mLのジクロロメタン中の4−クロロ−3−ピリジンカルボキサルデヒド(3.7g、26mmol)の−78℃溶液に、(ジメチルアミノ)三フッ化イオウ(15mL、0.15mol)を添加し、反応混合物を室温に昇温させ一夜維持した。氷(100g)と亜硫酸ナトリウム(10g)との混合物に慎重に移し入れることによって反応停止させた。生成物をエーテル(100mL×2)で抽出し、集めた抽出物を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固した。ヘキサン中の0−10%エーテルで溶出させるシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって残渣を精製すると、標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):δ8.59(s、1H)、7.84(d、1H)、7.48(d、1H)、6.74(t、1H)。
【0207】
段階C 2−メチル2−(5−ジフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸
参考実施例15に記載の手順を以下のように変更して4−クロロ−3−ジフルオロメチルピリジン(3.0g)から標題化合物(1.6g)を製造した。エステル中間体をヘキサン中の0−10%エーテルで溶出させるシリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーによって精製した。メタノール/テトラヒドロフラン/水中の水酸化リチウムによってエステルを加水分解して標題化合物とした。H NMR(500MHz、CDOD):δ8.22(d、1H)、7.82(dd、1H)、6.88(d,1H)、6.77(t、1H)、1.64(s、6H)。
【0208】
(参考実施例21)
1−メチルシクロブタンカルボン酸
段階A エチル 1−メチルシクロブタンカルボン酸
20mLの無水テトラヒドロフラン中のエチルシクロブタンカルボキシレート(1.0g、7.8mmol)およびメチルヨージド(2.4mL、39mmol)の−78℃溶液にカリウムヘキサメチルジシラジド(トルエン中に0.5M、23mL、12mmol)を添加し、反応混合物を室温に加温して一夜維持した。飽和塩化アンモニウム(10mL)で反応停止させた後、得られた混合物を水(100mL)および酢酸エチル(100mL)に分配した。有機層を分離し、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固すると、標題化合物が得られたので、それ以上精製しないで使用した。H NMR(500MHz、CDOD):δ4.12(q,2H)、2.5−1.8(m、6H)、1.48(s、3H)、1.25(t、3H)。
【0209】
段階B 1−メチルシクロブタンカルボン酸
水(10mL)およびジオキサン(10mL)中のエチル 1−メチルシクロブタンカルボキシレート(段階A、1.0g、7.0mmol)の溶液に水酸化リチウム一水和物(2g、48mmol)を添加し、混合物を100℃に加熱して2日間維持した。室温に冷却後、2Mの塩酸でpH=2にして反応停止させ、得られた混合物を水(100mL)および酢酸エチル(100mL)に分配した。有機層を分離し、水およびブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固すると、標題化合物が得られたので、それ以上精製しないで使用した。H NMR(500MHz、CDOD):δ2.5−1.8(m、6H)、1.39(s、3H)。
【0210】
(参考実施例22)
1−エチルシクロブタンカルボン酸
メチルヨージドの代わりにエチルヨージドを使用し参考実施例9の記載と同じ手順で標題化合物を製造した。H NMR(500MHz、CDOD):δ2.44−2.34(m,2H)、1.96−1.84(m、4H)、1.81(q、2H)、0.84(t、3H)。
【0211】
(参考実施例23)
1−プロピルシクロブタンカルボン酸
メチルヨージドの代わりにプロピルヨージドを使用し参考実施例9の記載と同じ手順で標題化合物を製造した。H NMR(500MHz、CDOD):δ2.46−2.34(m,2H)、1.96−1.84(m、4H)、1.78−1.70(m、2H)、1.30−1.20(m、2H)、0.92(t、3H)。
【0212】
(参考実施例24)
1−イソプロピルシクロブタンカルボン酸
段階Aの メチルヨージドの代わりにイソプロピルヨージドを使用し、ジメチルスルホキシドおよび水に入れた水酸化カリウムの代わりにジオキサンおよび水に入れた水酸化リチウムを使用し参考実施例9の記載と同じ手順で標題化合物を製造した。H NMR(500MHz、CDOD):δ2.7−1.7(m、7H)、0.93(d、6H)。
【0213】
(参考実施例25)
1−ベンジルシクロブタンカルボン酸
メチルヨージドの代わりにベンジルブロミドを使用し参考実施例9の記載と同じ手順で標題化合物を製造した。H NMR(500MHz、CDOD):δ7.26−7.14(m、5H)、3.09(s、2H)、2.42−2.34(m、2H)、2.11−2.04(m、2H)、1.95−1.83(m、2H)。
【0214】
(参考実施例26)
1−フェニルシクロブタンカルボン酸
水(50mL)および濃塩酸(50mL)中の1−フェニルシクロブタンカルボニトリル(5.0g、32mmol)の混合物を100℃で3時間加熱した。室温に冷却後、生成物を酢酸エチル(2×50mL)で抽出し、酢酸エチル溶液を2Mの水酸化ナトリウム水溶液(2×50mL)で逆抽出した。水性抽出物を濃塩酸(pH=2)で中和し、生成物を酢酸エチル(2×50mL)で抽出した。有機抽出物を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過し、濃縮乾固すると、標題化合物が白色固体として得られた(0.06g)。H NMR(500MHz、CDOD):δ7.40−7.18(m、5H),2.86−2.75(m、2H)、2.54−2.43(m、2H)、2.08−1.98(m、1H)、1.90−1.80(m、1H)。
【0215】
(参考実施例27)
1−tert−ブトキシカルボニル−3−エチルアゼチジン−3−カルボン酸
段階A メチル 1−tert−ブトキシカルボニルアゼチジン−3−カルボキシレート
メタノール(10mL)およびメチレンクロリド(10mL)中の1−tert−ブトキシカルボニルアゼチジン−3−カルボン酸(0.90g、4.5mmol)の0℃溶液に、トリメチルシリルジアゾメタン(ヘキサン中に2M、4mL、7.0mmol)を液が黄色に維持されるまで添加した。反応混合物を室温で10分間撹拌し、濃縮乾固すると、標題化合物が得られたので、それ以上精製しないで使用した。H NMR(400MHz、CDOD):δ4.15(d、2H)、3.76(s、3H)、3.72(d、2H)、1.94(q、2H)、1.42(s、9H)、0.88(t、3H)。LC−MS:m/e266(M+Na)
【0216】
段階B 1−tert−ブトキシカルボニル−3−エチルアゼチジン−3−カルボン酸
シクロブタンカルボキシレートの代わりにメチル1−tert−ブトキシカルボニルアゼチジン−3−カルボキシレートを使用し参考実施例10に記載の手順で標題化合物を製造した。H NMR(500MHz、CDOD):δ4.12(d、2H)、3.70(d、2H)、1.82(q、2H)、1.42(s、9H)、0.90(t、3H)。
【0217】
(実施例1)
【0218】
【化10】

【0219】
N’−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−メチル−N−{2−メチル−2−[5−(トリフルオロメチルピリジン−2−イル)オキシ]プロパノイル}ヒドラジド
4mLのジクロロメタン中のN−メチル−N−[l−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]ヒドラジン(参考実施例1、295mg、1mmol)および2−メチル−2−(5−トリフルオロメチル−2−ピリジルオキシ)プロピオン酸(参考実施例11、299mg、1.2mmol)の溶液にPyBop(1.04g、2mmol)およびN−メチルモルホリン(0.329mL、3mmol)を添加した。室温で一夜撹拌後、、反応混合物をシリカカラムに充填し、ヘキサン中の20−30%EtOAcで溶出させると、標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):δ8.30(bs、1H)、7.96(dd、1H)、7.18(s、1H)、7.15(m、1H)、7.12(dd、1H)、7.05(d、2H),7.01(d、1H)、6.95(d、1H)、6.71(d、2H)、3.82(dd、1H)、3.23(dd、1H)、2.71(dd、1H)、2.41(s、3H)、1.63(s、3H)、1.55(s、3H)。LC−MS:m/e526(M+H)(4.2min)。
【0220】
上記の材料をChiralpak ADカラムで溶出させることによって2つの純粋な鏡像異性体に分割した。
遅く溶出する異性体:保持時間8.9分(流速=0.75mL/分、ヘキサン中に7%EtOH)。H NMR(500MHz、CDOD):δ8.30(bs、1H)、7.96(dd、1H)、7.18(s、1H)、7.15(m、1H)、7.12(dd、1H)、7.05(d,2H)、7.01(d、1H)、6.95(d、1H)、6.71(d、2H)、3.82(dd、1H)、3.23(dd、1H)、2.71(dd、1H)、2.41(s、3H)、1.63(s、3H)、1.55(s、3H)。LC−MS:m/e526(M+H)(4.2min)。
早く溶出する異性体:保持時間6.6分(流速=0.75mL/分、ヘキサン中に7%EtOH)。H NMR(500MHz、CDOD):δ8.30(bs、1H)、7.96(dd、1H)、7.18(s、1H)、7.15(m、1H)、7.12(dd、1H)、7.05(d,2H)、7.01(d、1H)、6.95(d、1H)、6.71(d、2H)、3.82(dd、1H)、3.23(dd、1H)、2.71(dd、1H)、2.41(s、3H)、1.63(s、3H)、1.55(s、3H)。LC−MS:m/e526(M+H)(4.2min)。
【0221】
実施例2−13の化合物(表1)は参考実施例2−4のヒドラジンおよび参考実施例または市販ソースの適切なカルボン酸を出発材料として実施例1に記載の手順に従って製造した。
【0222】
【表5】


【0223】
(実施例15)
【0224】
【化11】

【0225】
N’−[1−(3−シアノフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−メチル−N−{2−メチル−2−[(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)オキシ]プロパノイル}ヒドラジド
N’−[1−(3−ブロモフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−メチル−_N−{2−メチル−2−[(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)オキシ]プロパノイル}ヒドラジド(実施例2、100mg、0.175mmol)、シアン化ナトリウム(8.6mg、0.175mmol)、および、18−クラウン−6(46.2mg、0.175mmol)を5mL容の丸底フラスコに充填し、これに2mLの無水1,4−ジオキサン、Pd(PPh(101mg,0.0875mmol)を順次に添加した。100℃で一夜撹拌後、反応混合物をEtOAcで希釈し、水洗した。有機層をMgSOで乾燥し、濃縮すると粗生成物が得られたので、ヘキサン中の20−50%EtOAcで溶出させるシリカカラムによって精製すると標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):δ8.30(bs、1H)、7.96(dd、1H)、7.51(dd、1H)、7.49(s、1H)、7.33(m、2H)、7.06(d、2H),7.00(d、1H)、6.71(d、2H)、3.91(dd、1H)、3.26(dd、1H)、2.69(dd、1H)、2.42(s、3H)、1.62(s、3H)、1.52(s、3H)。LC−MS:m/e517(M+H)(3.9min)。
【0226】
上記の材料をChiralpak ADカラムで溶出することによって純粋な鏡像異性体に分割した。
早く溶出する異性体:保持時間8.4分(流速0.75ml/分、ヘキサン中に8%EtOH)。H NMR(500MHz、CDOD):δ8.30(bs、1H)、7.96(dd、1H)、7.51(dd、1H)、7.49(s、1H)、7.33(m、2H)、7.06(d、2H)、7.00(d、1H)、6.71(d、2H)、3.91(dd、1H)、3.26(dd、1H)、2.69(dd、1H)、2.42(s、3H)、1.62(s、3H)、1.52(s、3H)。LC−MS:m/e 517(M+H)(3.9min)。
遅く溶出する異性体:保持時間10.4分(流速0.75ml/分、8ヘキサン中に8%EtOH)。H NMR(500MHz、CDOD):δ8.30(bs、1H)、7.96(dd,1H)、7.51(dd、1H)、7.49(s、1H)、7.33(m、2H)、7.06(d、2H)、7.00(d、1H)、6.71(d、2H)、3.91(dd、1H)、3.26(dd、1H)、2.69(dd、1H)、2.42(s、3H)、1.62(s、3H)、1.52(s、3H)。LC−MS:m/e517(M+H)(3.9min)。
【0227】
(実施例16)
【0228】
【化12】

【0229】
N’−[1−(3−シアノフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−メチル−N−[(2S)−フェニルブタノイル]ヒドラジド
N’−[l−(3−ブロモフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−メチル−N−[(2S)−フェニルブタノイル]ヒドラジドのそれぞれの異性体(実施例6および7)から実施例15に記載の手順に従って標題化合物を製造した。早く溶出する異性体:LC−MS:m/e432(M+H)(3.8min)。遅く溶出する異性体:LC−MS:m/e432(M+H)(3.8min)。
【0230】
(実施例17)
【0231】
【化13】

【0232】
N’−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−プロピル−N−{2−メチル−2−[5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル]オキシ}プロパノイル}ヒドラジド
N’−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−アリル−N−{2−メチル−2−[5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)オキシ]プロパノイル}ヒドラジド(実施例11、150mg、0.27mmol)、4mLのEtOAc、0.5mLのEtOH、およびPtO(15mg)の混合物をHバルーン下、室温で2時間撹拌した。反応混合物を濾過し、濾液を濃縮乾固した。ヘキサン中の10−30%EtOAcで溶出させるシリカカラムでフラッシュカラムクロマトグラフイーによって残渣を精製すると標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):δ8.29(s、1H)、7.96(dd、1H)、7.20−6.80(m、9H)、3.37(m、3H)、2.68(m、1H)、2.41(m、1H)、1.67(s、6H)、1.33(m、2H)、0.77(t、3H)。LC−MS:m/e554(M+H)(4.6min)。
【0233】
(実施例18)
【0234】
【化14】

【0235】
N’−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル−N−{2−メチル−2−[5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル]オキシ}プロパノイル]ヒドラジド
2mLのジクロロメタン中のN’−[l−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−アリル−N−{2−メチル−2−[5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)オキシ]プロパノイル}ヒドラジド(実施例11、150mg、0.27mmol)、酢酸(0.062mL、1.08mmol)、および、Pd(PPh(16mg、0.014mmol)の混合物にフェニルシラン(0.066mL、0.54mmol)を添加した。室温で5時間撹拌後、トリエチルアミン(2mL)で反応停止させ、得られた混合物をシリカカラムに充填しヘキサン中の10−40%EtOAcで溶出させると標題化合物が得られた。H NMR(500MHz、CDOD):δ8.23(bd、1H)、7.82(dd、1H),7.22(m、1H)、7.15(d、2H)、7.11(m、2H)、6.98(m、1H)、6.95(d、2H)、6.83(d、1H)、4.18(dd、3H)、2.95(dd、1H)、2.76(dd、1H)、1.58(s、3H)、1.56(s、3H)。LC−MS:m/e512(M+H)(4.5min)。
【0236】
(生物学的実施例1)
カンナビノイド受容体−1(CB1)結合アッセイ
結合親和性の定量は、チャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞(Felderら、Mol.Pharmacol.48:443−450、1995)で発現された組換えヒトCB1受容体に基づいて行う。全アッセイ用量を250μLとする(240μLのCB1受容体膜溶液+5μLの被験化合物溶液+5μLの[3H]CP−55940溶液)。[3H]CP−55940の最終濃度は0.6nMである。結合バッファは、50mMのトリス−HCl、pH7.4、2.5mMのEDTA、5mMのMgCl、0.5mg/mLの無脂肪ウシ血清アルブミンおよびプロテアーゼインヒビター(Cat#P8340、Sigma製)を含有している。結合反応を開始させるために、5μLのラジオリガンド溶液を加え、混合物をシェーカーに載せて緩やかに撹拌しながら30℃で1.5時間インキュベートする。96ウェルのハーベスターを使用し、0.05%ポリエチレンイミンに予浸したGF/Cフィルターで濾過することによって結合を終了させる。シンチレーションカウンターを使用して結合ラジオラベルを定量する。種々の化合物に対する見掛け結合親和性をIC50値から計算する(DeBlasiら、Trends Pharmacol Sci 10:227−229、1989)。
【0237】
CHO細胞中で発現された組換えヒトCB2受容体を使用し同様の手順でCB2受容体の結合アッセイを行う。
【0238】
上記アッセイで試験した実施例1−18の化合物は2マイクロモル未満のIC50値を有していることが知見された。
【0239】
選択的CB1アンタゴニスト/逆アゴニスト化合物は、CB2結合アッセイでCB1アッセイの100倍以上のIC50値を示す。
【0240】
(生物学的実施例2)
カンナビノイド受容体−1(CB1)機能活性アッセイ
CB1受容体の機能活性化はCHO細胞(Felderら、Mol.Pharmacol.48:443−450、1995)で発現された組換えヒトCB1受容体に基づく。被験化合物のアゴニスト活性または逆アゴニスト活性を定量するために、50μLのCB1−CHO細胞懸濁液を被験化合物と混合し、0.34mMの3−イソブチル−1−メチルキサンチンおよび5.1μMのforskolinを含有している70μLのアッセイバッファとを96−ウェルプレートで混合する。アッセイバッファは、5mMのMgCl、1mMのグルタミン、10mMのHEPESおよび1mg/mLのウシ血清アルブミンを補充したアールの平衡塩類溶液から成る。
【0241】
混合物を室温で30分間インキュベートし、30μl/ウェルの0.5MのHClを加えて反応停止させる。New England Nuclear FlashplateおよびcAMPラジオイムノアッセイキットを使用して細胞内cAMP全レベルを定量する。
【0242】
被験化合物のアンタゴニスト活性を定量するためには、反応混合物に、0.5nMのアゴニストCP55940も含有させ、CP55940効果の逆転を定量する。あるいは、CP55940の一連の用量応答曲線を、各用量応答曲線における被験化合物の濃度を増加させながら作成する。
【0243】
CHO細胞中で発現された組換えヒトCB2受容体を使用し同様の手順でCB2受容体の機能アッセイを行う。
【0244】
本発明のCB1アンタゴニスト/逆アゴニスト化合物は一般にCB1機能アッセイで1マイクロモル未満のEC50値を有している。また、選択的CB1アンタゴニスト/逆アゴニストは一般にCB2機能アッセイで1マイクロモルを上回るEC50値を有している。
【0245】
(生物学的実施例3)
ラットまたはマウスの短期的摂食試験:一般手順
これらの試験では成体のラットまたはマウスを使用する。飼育箱の条件(湿度および温度の管理、24時間のうち12時間の昼光)に少なくとも2日間馴化させた後、齧歯類のケージから餌を撤去する。実験化合物またはそれらのビヒクルを、経口、腹腔内、皮下または静脈内経路で投与した後、既知量の餌をケージに戻す。化合物の投与から餌を戻すまでの最適間隔は化合物の半減期に基づく。この半減期は化合物の脳内濃度が最大になる時間に基づく。残っている餌を定期的に数回測定する。測定から測定までの時間に摂取した餌の量を体重1グラムあたりの摂取グラムとして摂食量を計算し、化合物の食欲抑制効果をビヒクルの効果に比較する。これらの実験ではマウスまたはラットの多くの系統、また、数種類の齧歯類標準食を使用できる。
【0246】
(生物学的実施例4)
ラットまたはマウスの長期的体重減少試験:一般手順
これらの試験には成体のラットまたはマウスを使用する。離乳時または離乳直後から対照食餌よりも高い割合の脂肪およびショ糖を含有する食餌だけを与えることによってラットまたはマウスを肥満させる。常用のラット系はCharles River Laboratoriesで飼育したスプレーグ・ドーリーである。いくつかのマウス系を使用し得るが、c57Bl/6マウスは他の系統よりも肥満症になり易く高インスリン血症になり易い。肥満症の誘発に使用した常食は、:Research Diets D12266B(32%脂肪)またはD12451(45%脂肪)およびBioServ S3282(60%脂肪)である。齧歯類が対照食餌のラットよりも有意に体重が増え体脂肪の割合が高くなるまでこれらの食餌を与えるが、この期間はしばしば9週間である。齧歯類に実験化合物またはそれらのビヒクルを、経口、腹腔内、皮下または静脈内の経路で注射(1−4回/日)または連続注入する。食物摂取量と体重とを毎日またはもっと高頻度で測定する。測定から測定までの時間に摂取した餌の量を体重1グラムあたりの摂取グラムとして摂食量を計算し、化合物の食欲抑制および体重減少効果をビヒクルの効果に比較する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I:
【化1】

[式中、Rは、
(1)水素、
(2)C1−4アルキル、
(3)C3−6シクロアルキル、
(4)C2−4アルケニル、および、
(5)C2−4アルキニル
から選択され、
は、
(1)C1−10アルキル、
(2)C2−10アルケニル、
(3)C2−10アルキニル、
(4)C3−10シクロアルキル、
(5)C3−10シクロアルキルC1−4アルキル、
(6)シクロヘテロアルキル、
(7)シクロヘテロアルキルC1−4アルキル、
(8)アリール、
(9)アリールC1−10アルキル、
(10)アリールC2−8アルケニル、
(11)ジアリールC1−4アルキル、
(12)ヘテロアリール、
(13)ヘテロアリールC1−10アルキル、
(14)NR
から選択され、ここにアルキル、アルケニルおよびアルキニルの各々は直鎖状または分枝状で、未置換であるかまたはRから独立に選択された1−4個の置換基で置換されており、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、アリールおよびヘテロアリールの各々は未置換であるかまたはRから独立に選択された1−4個の置換基で置換されており、
ArおよびArは独立に、
(1)アリール、および、
(2)ヘテロアリールから選択され、ここに、アリールおよびヘテロアリールは未置換であるかまたはRから独立に置換された1−4個の置換基で置換されており、
の各々は、独立に、
(1)−OR
(2)−NRS(O)mR
(3)ハロゲン、
(4)−SR
(5)−S(O)mR
(6)−S(O)mNR
(7)−NR
(8)−C(O)R
(9)−CO
(10)−CN、
(11)−C(O)NR
(12)−NRC(O)R
(13)−NRC(O)OR
(14)−NRC(O)NR
(15)−CFおよび
(16)−OCF
から選択され、
の各々は独立に、
(1)R
(2)C1−10アルキル、
(3)オキソ、
(4)アリール、
(5)アリールC1−4アルキル、
(6)ヘテロアリールおよび
(7)ヘテロアリールC1−4から選択され、
およびRの各々は独立に、
(1)水素、
(2)C1−10アルキル、
(3)C2−10アルケニル、
(4)シクロアルキル、
(5)シクロアルキル−C1−10アルキル、
(6)シクロヘテロアルキル、
(7)シクロヘテロアルキル−C1−10アルキル、
(8)アリール、
(9)ヘテロアリール、
(10)ピリジル、
(11)ピリミジル、
(12)アリール−C1−10アルキルおよび
(13)ヘテロアリール−C1−10アルキルから選択されるか、または、
とRとが(1つまたは複数の)結合原子と共に、酸素、イオウおよびN−Rgから独立に選択された0−2個の追加のヘテロ原子を含有している4−7員の複素環を形成しており、RおよびRの各々は未置換であるかまたはRから選択された1−3個の置換基で置換されていてもよく、
Rgの各々は独立に、
(1)水素,
(2)C1−4アルキル、
(3)−C(O)C1−4アルキル、
(4)−C(O)OR
(5)−C(O)NR
(6)−S(O)mRおよび
(7)−S(O)mNRから選択され、
の各々は独立に、
(1)ハロゲン、
(2)C1−10アルキル、
(3)−O−C1−4アルキル、
(4)−S−C1−4アルキル、
(5)−S(O)m−C1−4アルキル、
(6)−CN、
(7)−NO
(8)−CF
(9)−CHFおよび
(10)−OCFから選択され、
mは1および2から選択される]の化合物または医薬的に許容されるその塩。
【請求項2】
Arがフェニルおよびピリジルから選択され、ここにフェニルおよびピリジルは未置換であるかまたは1−3個のR置換基から選択され、
Arがフェニルおよびピリジルから選択され、ここにフェニルおよびピリジルが未置換であるかまたは1−3個のR置換基から選択される請求項1に記載の化合物および医薬的に許容されるその塩。
【請求項3】
Arがパラ−クロロフェニルであり、Arがm−クロロフェニル、m−ブロモフェニルおよびm−シアノフェニルから選択される請求項2に記載の化合物および医薬的に許容されるその塩。
【請求項4】
が、
(1)水素、
(2)メチル、
(3)エチル、
(4)プロピル、および、
(5)アリル
から選択される請求項1に記載の化合物および医薬的に許容されるその塩。
【請求項5】
が、
(1)C1−8アルキル、
(2)C3−6シクロアルキル、
(3)シクロヘテロアルキル、
(4)フェニル、
(5)フェニルC1−3アルキル、
(6)ピリジル、
(7)ピリミジル、
(8)ピリジルC1−3アルキル、および、
(9)ピリミジルC1−3アルキルから選択され、各アルキル部分が直鎖状または分枝状であり、未置換であるかまたはRから独立に選択された1−3個の置換基で置換されており、シクロアルキル、シクロヘテロアルキル、フェニルおよびヘテロアリール部分の各々は未置換であるかまたはRから独立に選択された1−3個の置換基で置換されており、Rの各々は独立に、
(1)−OR
(2)ハロゲン、
(3)−CN、
(4)−CF
(5)−OCF
(6)シクロヘテロアルキル、
(7)C1−4アルキル、
(8)オキソ、
(9)フェニル、
(10)ベンジル、および、
(11)ヘテロアリールから選択され、
の各々は独立に、
(1)水素、
(2)C1−5アルキル、
(3)−CHCH=CH
(4)シクロヘキシル、
(5)シクロペンチル、
(6)シクロプロピル、
(7)シクロブチルメチル、
(8)シクロペンチルメチル、
(9)シクロヘキシルメチル、
(10)ピロリジニル、
(11)フェニル、
(12)チアゾリル、
(13)ピリジル、
(14)ピリミジル、
(15)ベンゾチアゾリル、
(16)ベンズオキサゾリル、
(17)トリアゾリル、
(18) ベンジル、および、
(19)ピリジル−メチル−から選択され、ここにRの各々は未置換であるかまたはRから選択された1−3個の置換基で置換されており、Rの各々は独立に、
(1)ハロゲン、
(2)メチル、
(3)メトキシ、
(4)−S(O)m−C1−4アルキル、
(5)−CN、
(6)−CF
(7)−CHFおよび
(8)−OCF
から選択される請求項1に記載の化合物および医薬的に許容されるその塩。
【請求項6】

【化2】

から選択され、
の各々が独立に
(1)水素、
(2)フェニル、
(3)ピリジル、および、
(4)ピリミジル
から選択され、ここに,フェニル、ピリジルおよびピリミジルは未置換であるかまたは1または2個のR置換基で置換されており、Rgの各々は独立に、
(1)水素、
(2)C1−4アルキル
から選択される請求項1に記載の化合物および医薬的に許容されるその塩。
【請求項7】
(1)N’−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−メチル−N−{2−メチル−2−[5−(トリフルオロメチルピリジン−2−イル)オキシ]プロパノイル}ヒドラジド;
(2)N’−[1−(3−ブロモフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−メチル−N−{2−メチル−2−[5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)オキシ]プロパノイル}ヒドラジド;
(3)N’−[1−(3−ブロモフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−メチル−N−(1−フェニルシクロペンタンカルボキシル)ヒドラジド;
(4)N’−[1−(3−ブロモフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−メチル−N−[(2S)−フェニルブタノイル]ヒドラジド;
(5)N’−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−メチル−N−[(2S)−フェニルブタノイル]ヒドラジド;
(6)N’−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−メチル−N−{2−[5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)オキシ]ブタノイル}ヒドラジド;
(7)N’−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−アリル−N−{2−メチル−2−[5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)オキシ]プロパノイル}ヒドラジド;
8)N’−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−メチル−N−(2−メチル−2−ヒドロキシプロパノイル)ヒドラジド;
(9)N’−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−メチル−N−(2−メチル−2−ヒドロキシプロパノイル)ヒドラジド;
(10)N’−[1−(3−シアノフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−メチル−N−{2−メチル−2−[(5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)オキシ]プロパノイル}ヒドラジド;
(11)N’−[1−(3−シアノフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−メチル−N−[(2S)−フェニルブタノイル]ヒドラジド;
(12)N’−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N’−プロピル−N−{2−メチル−2−[5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)オキシ]プロパノイル}ヒドラジド;および
(13)N’−[1−(3−クロロフェニル)−2−(4−クロロフェニル)エチル]−N−{2−メチル−2−[5−トリフルオロメチルピリジン−2−イル)オキシ]プロパノイル}ヒドラジド;から成るグループから選択される請求項1に記載の化合物および医薬的に許容されるその塩。
【請求項8】
カンナビノイド−1受容体に介在される疾患の治療に有用な医薬を製造するための請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項9】
カンナビノイド−1受容体に介在される疾患が、精神病、記憶欠落、認識障害、偏頭痛、ニューロパシー、神経炎症障害、脳血管発作、頭部外傷、不安障害、ストレス、癲癇、パーキンソン病、統合失調症、アヘン剤、アルコール、マリファナ、およびニコチンに関連する物質濫用異常症、便秘、慢性偽腸閉塞、肝硬変、喘息、肥満症またはその他の過食に付随する摂食障害から選択される請求項12に記載の使用。
【請求項10】
肥満症の治療に有用な医薬を製造するための請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項11】
カンナビノイド−1受容体に介在される疾患の治療に有用な医薬を製造するための請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項12】
カンナビノイド受容体に介在される疾患が、精神病、記憶欠落、認識障害、偏頭痛、ニューロパシー、神経炎症障害、脳血管発作、頭部外傷、不安障害、ストレス、癲癇、パーキンソン病、統合失調症、アヘン剤、アルコール、マリファナ、およびニコチンに関連する物質濫用異常症、便秘、慢性偽腸閉塞、肝硬変、喘息、肥満症またはその他の過食に付随する摂食障害から選択される請求項11に記載の使用。
【請求項13】
肥満症の治療に有用な医薬を製造するための請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項14】
肥満症の危険がある人の肥満症の予防に有用な医薬を製造するための請求項1に記載の化合物の使用。
【請求項15】
請求項1に記載の化合物と医薬的に許容される担体とを含む組成物。
【請求項16】
さらにHMG−CoAレダクターゼインヒビターを含む請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
さらに、7−[(3R)−3−アミノ−4−(2,4,5−トリフルオロフェニル)ブタノイル]−3−(トリフルオロメチル)−5,6,7,8−テトラヒドロ−l,2,4−トリアゾロ[4,3−a]ピラジンまたは医薬的に許容されるその塩を含む請求項15に記載の組成物。

【公表番号】特表2008−515892(P2008−515892A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535734(P2007−535734)
【出願日】平成17年10月3日(2005.10.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/035560
【国際公開番号】WO2006/041797
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】