説明

ガラスを仕上げるための使い捨てエッジングホイール

使い捨て研削工具はホイール部分を含み、このホイール部分は、ホイール部分の周囲に沿って円周に延在するプロファイル加工されたリセス(例えば、U、Vまたはボウル形状)を有する。多層ボンド研磨材(例えば、砥粒とボンド材料の三次元マトリックス、または研磨テープの多層)は、プロファイル加工されたリセスに沿って均一な厚さでコンフォーマルにコーティングまたは他の方法で塗布されている。ある特定の場合、ボンド研磨材は、ダイヤモンドを備えた金属ボンドを含む。しかしながら、有機、樹脂状、ビトリファイドおよびハイブリッドボンド、ならびにその他研磨グリットタイプを用いることができる。ホイール部分は、ホイール部分に取り外し可能に結合された、またはホイール部分と一体形成されたアーバ部分により支持されている。工具は、例えば、シートガラス等のワークピースをエッジ研削するのに有用である。工具の使用方法および工具の製造方法も開示されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年7月10日出願の米国特許出願第11/775,269号明細書の優先権を主張し、その教示内容は、本明細書に全て参考文献として援用される。
【0002】
本発明は、概して、研削工具、特に、エッジ研削および/または仕上げに用いる研削工具に関する。
【背景技術】
【0003】
ダイヤモンドを含む研磨ホイールを用いて、自動車、建築、家具および電化製品業界に用いられるような平坦なガラス(本明細書においては、シートガラスとも称す)のエッジに輪郭取りおよび/または面取りすることは、周知であり、典型的に、安全と外見の理由の両方のために行われている。先行技術の研磨ホイールは、ホイールの周囲のリセスに配置されたプロファイル加工されたボンド研磨マトリックスを含む(例えば、それぞれ全内容が参考文献として援用される米国特許第3,830,020号明細書、米国特許第4,457,113号明細書および米国特許第6,769,964号明細書参照)。
【0004】
現在のダイヤモンド平坦ガラスエッジングホイールは、ホットプレスかコールドプレスのいずれかにより得られたダイヤモンドの深さおよび焼結による金属成形体を完全に利用するためには、型をリツルーイングまたはリプロファイル加工する必要がある。ダイヤモンド部分の型のこのリプロファル加工は、ダイヤモンドホイールの寿命中、8回まで行えるが、現在のところ費用がかさんでいる。かかる従来のエッジングホイールの型は、一般的に、鉛筆エッジング、玉縁および反曲タイプの3つの部類の1つに該当する。その他のより複雑な形状のエッジ、例えば、「三重滝」または「三重反曲」も、主にガラステーブルトップについては作製される。
【0005】
リプロファイルエッジ研削工具に関しては、数多くの未解決の問題がある。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施形態は、ガラスシートのエッジを成形するための使い捨ての研削工具を提供するものである。工具は、アーバと係合するように構成されたホイール(回転軸を有するホイール)と、ホイールの周囲に沿って延在する、ガラスシートの所望のエッジプロファイル(例えば、U形、V形またはバスケット形)に対応するプロファイルを有するプロファイル加工されたリセスとを有する。多層ボンド研磨材が、プロファイル加工されたリセスに配置され、所定のプロファイルに沿って実質的に均一な厚さでコンフォーマルに配置されており、軸周囲での工具の回転の際に、所望のエッジプロファイルをガラスシートに付与するように構成された研磨プロファイルを備えた多層ボンド研磨材を与える。多層ボンド研磨材は、例えば、自由焼結される。あるいは、多層結合研磨材を、割型でホットプレスまたはホットコイニングしてよい。ホイールは、アーバ(工具に含まれていてもいなくてもよい)に取り外し可能に結合できる。ある特定の実施形態において、ホイールおよびアーバは単体構造である。ホイールは、例えば、アルミニウム合金、マグネシウム合金および鉄合金等の材料から製造することができる。あるいは、ホイールは、非金属(例えば、複合体またはポリマー)または少なくともその一部とすることができる。多種の材料を含むハイブリッドホイールを用いてもよい(例えば、金属および非金属部分の両方を含む)。ある特定の実施形態において、ボンド研磨材は、マトリックス内に配置された超砥粒を含む。ある場合において、砥粒は、約2ミクロン以上、かつ、約300ミクロン以下の粒径分布を含む。他の場合において、超砥粒は、約20ミクロン以上、かつ、約200ミクロン以下の粒径分布を含む。マトリックスは、例えば、約5体積パーセント以上の超砥粒、および約25体積パーセント以下の超砥粒であってよい。マトリックスは、金属、有機、樹脂状および/またはビトリファイドボンドを含んでいてよい。ある特定の場合においては、マトリックスは、ダイヤモンドを含む金属ボンドマトリックスである。金属ボンドは、例えば、青銅、銅、亜鉛、コバルト、鉄、ニッケル、銀、錫、アルミニウム、インジウム、リン、アンチモン、チタン、タングステン、ジルコニウム、クロム、ハフニウムならびにこれらの水素化物、合金および混合物が挙げられる。ある特定の場合において、金属ボンドは、青銅合金と、コバルト、鉄、タングステンならびにこれらの混合物および合金からなる群から選択される材料とを含む。あるいは、金属ボンドは、ニッケル−クロム合金を含む。ある特定の場合において、金属ボンドは、ニッケル−クロム合金と、コバルト、鉄、タングステンならびにそれらの混合物および合金からなる群から選択される材料とを含む。ホイールは、例えば、約75ミリメートル以上、かつ、約300ミリメートル以下の直径を有する。
【0007】
本発明の他の実施形態は、ガラスシートのエッジを成形する方法を提供する。本方法には、研削機に、使い捨て研削工具を装着することが含まれる。使い捨て研削工具は、アーバと係合するように構成されたホイール(回転軸を有するホイール)と、ホイールの周囲に沿って延在する、ガラスシートの所望のエッジプロファイルに対応するプロファイルを有するプロファイル加工されたリセスとを有する。多層ボンド研磨材は、プロファイル加工されたリセスに配置され、所定のプロファイルに沿って実質的に均一な厚さでコンフォーマルに配置されて、軸周囲の工具の回転の際に、所望のエッジプロファイルをガラスシートに付与するように構成された研磨プロファイルを供えた多層ボンド研磨材が提供される。本方法は続いて、ガラスシートのエッジを、使い捨て研削工具が軸周囲で研削機を回転する際に、多層ボンド研磨材に当てる。かかる一実施形態において、本方法は続いて、研磨プロファイルが、所望のエッジプロファイルに関連した寸法仕様(例えば、エッジ丸まり、エッジ尖りおよび/またはエッジ仕上がり)を超えたら、研削工具を廃棄する。
【0008】
本発明の他の実施形態は、ガラスを仕上げるための使い捨てエッジング工具を製造する方法を提供する。本方法は、回転軸を有するホイールと、ホイールの周囲に沿って延在する、ガラスワークピースの所望のプロファイルに対応するプロファイルを有するリセスとを含むホイールを提供することを含む。本方法は続いて、多層ペーストおよび/または研磨材およびボンドのテープを、プロファイルに沿ってコンフォーマルに配置し、熱および/または圧力を、ペースト/テープに加えて、工具が軸周囲を回転する際に、所望のエッジプロファイルをガラスワークピースに付与するように構成された研磨プロファイルを有する多層ボンド研磨材を形成する。熱および/または圧力を加える前に、本方法には、さらに、テンプレートをペースト/テープに適用して、プロファイルに沿って実質的に均一な厚さをペーストに与えることが含まれる。熱および/または圧力を加えることには、例えば、ペースト/テープの自由焼結が含まれる。あるいは、熱および/または圧力を加えることには、割型で、ペースト/テープをホットプレスまたはホットコイニングすることが含まれる。
【0009】
本明細書に記載された特徴および利点は、包括的なものではなく、特に、多くの追加の特徴および利点が、図面、明細書および請求項より、当業者には明白であろう。さらに、明細書で用いた文言は、読み易さおよび示唆的な目的のために主に選択されたものであり、本発明の対象範囲を限定しないことに留意すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1A】先行技術の研削ホイールの概略図である。
【図1B】先行技術の研削ホイールの概略図である。
【図2A】本発明の一実施形態による研削工具の断面図である。
【図2B】図2Aの研削工具の一部を拡大した断面図である。
【図3A】本発明の研削工具の他の実施形態の図2Bと同様の図である。
【図3B】本発明の研削工具のさらに他の実施形態の図2Bおよび図3Aと同様の図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本発明の実施形態には、研削工具、ならびに自動車の窓、建築または装飾品、家具および電化製品をはじめとする様々な用途に用いられるシートガラス等のワークピースのエッジ研削に有用な関連の技術が含まれる。
【0012】
総括
本発明の実施形態により構成された研削工具は、結果として生じたプロセス変数によりもたらされた変化によるホイール性能の劣化に関連するような、リプロファイルエッジ研削工具に関連した様々な未解決の問題に対処するものである。特に、リプロファイル工具は、固定モータ毎分回転数(RPM)の機械で表面速度の減少を示す。例えば、放射状に毎回約0.030’’、7プロファイリング分直径が減少した、直径150mmのホイールだと、元の5412毎分送り速度(sfm)に対し、5028sfmで回転し(ホイール速度7%減少)、これによって、エッジングホイールが、ライン速度と表面仕上げの両方を維持する能力が損なわれる。また、冷却液ジャケットは、通常、固定されている。すなわち、ホイールをリプロファイル加工するたびに、研削ゾーンに達する冷却剤の量が多少変化することを意味する。また、ホイールの直径と、型の軸方向位置の両方が、リプロファイル加工毎にシフトするため、ホイールの設定をさらに難しくさせている。さらに、工具の元の指定された型に適合するための個々のガラス処理プラントやリプロファル加工企業の能力にばらつきがある。
【0013】
本発明の原理に従って構成された使い捨てホイールを用いることにより、プロセスをより制御でき、保守コストを減じることができる。ある特定の実施形態において、エッジリプロファイル加工工具は、ホイールの最初の使用と同等の研削に必要な最低量の研磨材を備えており、典型的には、最初のリプロファイル加工前、厚さ4mmのガラスについては100,000〜300,000リニアインチで十分である。最初の使用で十分に厚いコンフォーマルな研磨層は、適切な面幾何形状を有するコアに支持される。コアは、例えば、鋼またはその他の好適な材料(例えば、アルミニウムまたは非金属複合体)で作製し、プレフォーム周囲形状(例えば、U、Vまたはボウル形状)を、エッジング工具の研磨材面幾何形状に付与し、今度は、その形状がワークピースのエッジに付与される。アルミニウム等の低融点コア材料を用いるときは、エッジングホイールの研磨部分は、例えば、鋼コア(または高処理温度に耐えられるその他の好適な材料)にリングとして作製してもよい。研磨リングは、続いて、アルミニウムまたはその他の低融点コアに(例えば、エポキシやブレージングを用いて)取り付けることができる。あるいは、金属ボンドが、アルミニウムの融点より低い温度で処理できるのであれば、研磨グリット(例えば、ダイヤモンド等の超砥粒)を保持するために、低温金属ボンド(例えば、ブレージング組成物またはその他の好適な低温ボンド)を用いることができる。他の低融点コア材料(例えば、ポリマーコア)にも同じことが当てはまる。
【0014】
いずれにしても、支持されたコンフォーマルな研磨層は、例えば、エッジング機(例えば、コンフォーマルな研磨層を、ホイールのプレフォーム周囲に含む一体構造のホイール)でそのまま用いることができる。あるいは、支持されたコンフォーマルな研磨層は、リングとして、射出成形ダイカストに組み込んだり、ホイール組立体に挟んだり、その他一体化させることができる(例えば、コンフォーマルな研磨層をリングのプレフォーム周囲に含み、軽量アルミニウムホイール本体構造の射出成形ダイカストに組み込まれる金属リング)。
【0015】
本発明の一実施形態において、使い捨て研削工具は、ホイール部分の周辺に沿って円周に延在するプロファイル加工されたリセス(例えば、U、Vまたはボウル形状)を有するホイール部分を含む。多層ボンド研磨材(例えば、砥粒とボンド材料の三次元マトリックスまたは研磨テープの多層)を、プロファイル加工されたリセスに沿って均一な厚さでコンフォーマルにコーティングまたは他の方法で塗布する。ホイール部分は、ホイール部分に取り外し可能に結合、またはホイール部分と一体形成されていてもよいアーバ部分により支持されている。アーバ部分は、ねじエンドまたは従来の研削機に結合するためのその他の好適な手段を含んでいる。本明細書で用いる「使い捨て」という用語は、リプロファイル加工が必要なとき、エッジ研削工具の寿命時点までの使用期間を説明するものであることに留意する。さらに、この使用期間は、一回の研削セッションに対して、複数回の研削セッションについて生じることにも留意する。
【0016】
本発明の様々な実施形態は、シートガラスをエッジ研削するのに経済的に用いられ、使い捨て後に廃棄または再生される比較的安価な工具を提供し有利である。また、固定RPMの機械での表面速度の減少、固定冷却剤保護装置からの一定しない冷却剤の分布、およびホイール直径とツールの型の軸方向位置の両方の変動により必要とされるあまり容易でないホイールの設定等の、リプロファイル加工工具に関連した問題を排除することができる。
【0017】
本明細書で用いるアーバという用語は、研削機のスピンドルまたは軸に結合し、典型的に行われる回転運動を付与するための切断、研削または研磨ホイール等の工具が装着された装置のことを指す。一体型アーバとは、工具と一体化された部分であり、研削ホイールとアーバが一体の構造であるアーバのことを指す。エッジ研削という用語は、シートガラス等のワークピースが、そのエッジを研削することにより、成形(例えば、研磨、輪郭取りおよび/または面取り)される研削操作のことを指す。
【0018】
ホイールの構成
図1Aおよび1Bに、典型的に、アーバ30、30’に装着可能な(例えば、ボルト締めすることにより)研削ホイール20、20’を含む従来の研削工具50、50’の例を示す。概して、図1Aおよび1Bに示す構成は、以下に説明する本発明の様々な実施形態に用いることもできる。研削ホイール20、20’には、典型的に、ボンド研磨材26が配置されている。研削ホイール20、20’は、典型的に、平坦な環形体部分22、22’を含み、その周囲は、放射状内側(例えば、ほぼ中心面)にスロットがあって、環形リセス24となり、ボンド研磨材26を保持し、その支持構造として機能する。ボンド研磨材26は、研削または他の方法で作製されたUまたはV形プロファイル28を有していて、ガラスにそれが再生される。この構造のホイールは、一般的に、そのプロファイル28から「鉛筆エッジング」研削ホイールと呼ばれている。研削ホイール20、20’は、典型的に、操作応力を中心孔から分散する役割を果たすフランジ40、40’を用いて、アーバ30、30’に装着されている。
【0019】
研削工具50、50’は、典型的に、自動車、家具、建築および電化製品に用いられるようなシートガラスを成形するのに用いられる。研削ホイール20、20’を、周期的に整えて(例えば、酸化アルミニウム研磨スティックにより)、砥粒を再露出し、嵌入したガラス微粉を、ホイール表面から除去する。プロファイル28が、許容範囲外となったり、エッジチッピング(プロファイル28が劣化したとき、エッジチッピングがよく見られる)が生成されるほど摩耗したら、ホイールは、例えば、炭化ケイ素ホイールによる総形研削、または放電加工機(EDM)により、除去およびリプロファイル加工する。リプロファイル加工中、ホイール20、20’は、典型的に、アーバ30、30’から取り外される。
【0020】
従来のエッジ研削工具は、典型的に、鋼リングとコアとを用いて作製されることに留意する。コアの周囲は、研磨材ボンド粉末で充填され、鋼リングがその上に配置される。過剰の鋼を機械で除去して、研磨材ボンド層を露出する。幾何学的プロファイルを、カービングその他機械加工して(例えば、研削またはEDMにより)、研磨材ボンド層とする。従来のエッジングホイールのボンドの機械的特性(例えば、硬度)は、ホイールの軸方向厚さについて、変動もある。これは、ダイ壁および研磨材ボンド層内の内部摩擦による。粒構造は、軸方向に配置される。
【0021】
本発明の実施形態には、研磨材ボンド層が適合する予めプロファイル加工したリセスを有するホイールを用いて、プロファイルを研磨ボンド層にカービングする必要がない。これについて、図2A〜Bおよび3A〜Bを参照して述べる。また、本発明の様々な実施形態は、液相焼結を用いることにより、ダイ壁摩擦が排除され、内部摩擦が減少するため、より均一な特性を有する。かかる特定の場合において、研磨材が保持されるボンドは、特定の所望の摩耗特性を与えるフィラーと共に構成されたニッケル−クロム合金である。典型的に、最大62.5/37.5に保たれるボンド−研磨材体積比をさらに変えて(高濃度に)、より多孔性の製品、例えば、ビトリファイドエッジ研削ホイールに適切なものとしてもよい。かかる用途において、ボンド−研磨材体積比は、例えば、約90/10とすることができる。従来のポア形成技術を、必要であれば、用いることができる(例えば、処理中に燃焼する犠牲ポア形成剤を用いるか、処理に耐え、仕上げ工具に残るポア形成剤を用いるか、または密な充填密度を抑制する砥粒およびボンドの凝集体を用いる)。
【0022】
さらに、本発明の実施形態に従って構成されたホイールを、制御された工場条件下でプロファイル加工して、現場または他の方法のリプロファイル加工プロセスに関連するあまり正確でない操作により生じる凹凸を防ぐ補助としてもよい。かかる使い捨てのホイールは、図1A、1Bに示すとおり、アーバ30、30’(例えば、フランジ40、40’により)に機械的に締結してもよい。あるいは、他の実施形態では、図2Aを参照して述べるとおり、一体型アーバを有していてもよい。かかる変形実施形態は、アーバとホイールとの間の偏心を排除して、過渡的なエッジチッピングおよびホイールとアーバとの間の非偏心連結に関連したその他の問題をさらに削減または排除することができる。この変形方法はまた、比較的高価な多目的アーバの供給を維持する必要性を排除する。このように、本発明の様々な実施形態は、資本コストと事業経費の両方を減じる。便宜上、本発明の実施形態は、単一のアーバで示し、記載しているが、この説明は、機械的に締結されたアーバを用いた実施形態にも適用できるものと考えられる。
【0023】
図2Aを参照すると、本発明の一実施形態に従って構成された研削工具が示されている。図にあるとおり、研削工具100は、プロファイル加工したリセス125が周囲に沿って延在する本体120を有するホイール部分110を含む。リセス125の一体型プロファイルは、研削されるガラスシートまたはその他のワークピースの所望のエッジプロファイルに対応している。多層ボンド研磨材130は、プロファイル加工されたリセス125に沿って実質的に均一な厚さでコンフォーマルに配置される(例えば、以下に説明する現場での自由焼結やその他の好適な方法により)。ボンド研磨材130は、このように、ホイール部分110の研磨手段として機能し、プロファイル加工されたリセス125は、ボンド研磨材130の支持手段として機能する。
【0024】
この構成によって、多層ボンド研磨材130が、研磨プロファイル128(プロファイル加工された研削表面とも呼ばれる)を有するようになり、これは、操作中に、所望のプロファイルをガラスシートまたはその他のワークピースのエッジに付与するための所定の寸法仕様のサイズおよび形状を有している。さらに、ボンド研磨材130の均一な厚さは使い捨てとする所定のものであり、十分な厚さを与えて、リセス125が、研削操作中に、ガラスに露出されるのを実質的に防ぐものである。これは、研磨プロファイル128が、上述の寸法仕様内にある場合に限る。概して、単層のボンド研磨材は不適切である。というのは、かかる層は、十分な界面をプロファイル加工されたリセス125に与えず、ベア本体120をワークピースに露出する打痕跡も受け易いからである。これは直感的なことではなく、金属ワークピースの粗研磨等、他の用途に有効に用いることのできる数多くの単層金属ボンド研磨製品があるからである。当然のことながら、本開示内容を踏まえると、異なる研削用途が、それぞれ、考慮すべき数多くの課題に関係していて、その課題のいくつかは、言うまでもなく、解決策を見出すことさえ難しいことが分かる。
【0025】
研磨プロファイル128を、許容範囲外まで用いたら(またはさもなければ使用済みとなったら)、ホイール100を単に取り外し、廃棄(例えば、再生)し、新たなホイール100と交換する。多層ボンド研磨材130を固定するために自由焼結技術と組み合わせて、予めプロファイル加工されたリセス125を有する本体120を用いると、本体自体を、研磨材130の鋳型として効率的に機能させることができ、研磨プロファイル128が自動的に付与される。これは、概して、必要な研磨プロファイルを与えるために、個別の鋳型および比較的複雑な機械加工操作に頼る従来のエッジ研削ホイールに比べ、製造コストを下げる傾向があるので、有利である。変形実施形態において、多層ボンド研磨材130は、「割」型(自由焼結に対し)で、ホットプレスまたはホットコイニングすることができる。ホイールが他のやり方で取り外せない型のときは特に、割型を用いて、ホイールを鋳型から取り外す。ホットプレスは、概して、製品を圧縮するために、熱と圧力を同時に加えるものである。ホットプレスは、例えば、温度が450℃より低い場合には鋼鋳型にて、高い温度(例えば、450℃〜1100℃)ではグラファイト鋳型で実施することができる。ホットコイニングの場合には、ボンド粉末を含有する研磨材(例えば、ダイヤモンド)で、好適な鋳型(例えば、鋼)を充填した後、炉(例えば、500℃〜750℃の間)で加熱する。研磨材ボンド粉末を入れた鋳型を加熱しながら取り出し、炉に近接するプレスで圧縮する。鋼鋳型の場合は、鋼は750℃を超えると軟化する傾向があるため、ホットコイニングについてはプロセス温度に制限がある。
【0026】
また、単体アーバ150とホイール110の組み合わせを利用する本発明の実施形態は、両者間の製造許容度を近く保つ必要性を排除することによって、製造コストをさらに削減することができる。かかる単体構成によって、互いに機械的に締結された別個の構成要素に対して、構造上の完全性を高められる。このように、単体構成は、比較的安価な材料を用いることを可能とする。さらに、工具100は、使い捨てのものとして設計されていて、繰り返しの使用による疲労に耐える必要がないため、ホイール部分110(および備えている場合は、単体アーバ150)を、比較的安価なプラスチックや複合体をはじめとする、必要とされるよりも強度の少ない材料で製造することができる。加えて、アーバ150とホイール部分110は、例えば、新たなボンド研磨材130をプロファイル加工されたリセス125に挿入する等、再生の容易な材料および/または構造技術を用いて製造することができることに留意する。しかしながら、本発明の変形実施形態は、従来の組立品および材料で製造することができ、単体構造または特定の材料を必要としないことに留意されたい。
【0027】
プロファイル加工されたリセス125(従って、研磨プロファイル128)は、典型的に、U、Vまたはバスケット形であるが、斜め、室のある、反曲、平坦、稜線等のエッジパターンをシートガラスに与えるのに必要な実質的に任意の形状であってよい。研磨プロファイル128は、研削しているガラスの厚さに応じて異なり、図2Bに示すとおり、幅(W)、深さ(D)および曲率(R)により画定される。比較的長寿命かつ満足いくエッジ品質を与える傾向のある標準的なプロファイルの1つは、
【数1】


で定義され、式中、幅(W)はワークピース(例えば、ガラス)の厚さプラス0.5ミリメートルに等しく、最小曲率半径(R)は、2で除算したガラスの厚さにほぼ等しい。
【0028】
多くの用途において、バスケットプロファイル:W/2=RCos(a/2)−(R−D)Tan(a/2)を用いて、良好な表面仕上げが得られる。式中、aは夾角(バスケットのフラスト円錐エッジ間)で、約50〜約60度であり、Rはバスケットの下部の曲率半径である。V形128’およびバスケット形128’’研磨プロファイルをそれぞれ、図3Aおよび3Bに示す。研磨プロファイル128、128’、128’’の所望の幾何形状が決まったら、プロファイル加工されたリセス125、125’、125’’の幾何形状を決めて、これらの研磨プロファイル128、128’、128’’および研磨材130の所定の厚さに適合させることができる。
【0029】
前述し、図2Aの実施形態に示したとおり、使い捨ての研削工具100は、ホイール部分110および本体120と一体化されたアーバ部分150を含む。従って、アーバ部分150は、研削機からホイール部分110まで回転運動を付与するためのアーバ手段として機能する。アーバ部分150は、ねじエンド160または研削機に結合するためのその他の好適な手段を含んでいる。アーバ部分150およびホイール部分110は、実質的にあらゆる材料(例えば、工具鋼等の鉄合金、アルミニウム合金やマグネシウム合金等の比較的軽量な材料、特定の用途に好適な強度の非金属複合体または組み合わせ)から製造してよい。比較的軽量な工具は、使用中の電力消費を減じ、ドライブスピンドルおよびその他研削機構成要素の摩耗を減少させるため有利である。軽量工具はまた、研削機からの脱着が比較的容易な傾向もある。さらに、研削工具と研削機との間の係合面に硬化鋼インサートを有するアルミニウム本体を含む研削工具はまた、高耐摩耗性のアーバ部分150を有する軽量研削工具を提供する、という点でも望ましいことに留意する。
【0030】
研削工具100は、研削しているガラスのサイズおよび形状に応じて実質的に任意のサイズであってよい。典型的な用途について、研削工具100は、約75〜約300ミリメートルの直径を有するホイール部分110(例えば、254または256ミリメートルのホイール)を含む。
【0031】
ボンド研磨材130は、実質的に任意の砥粒材料を含んでいてよい。研磨材としては、粒度約0.5〜約5000ミクロン、ある特定の実施形態においては、粒度約2〜約300ミクロン、他の特定の実施形態においては、粒度約20〜約200ミクロンのアルミナ、酸化セリウム、シリカ、炭化ケイ素、ジルコニア−アルミナ、ガーネットおよびエメリーが例示される。同様の粒度を有するダイヤモンドおよび立方晶窒化ホウ素(CBN)を含む超砥粒を用いてもよい。必要に応じて、超砥粒と通常の研磨材の組み合わせを用いてもよい。たいていのガラス成形用途について、ダイヤモンド粒が典型的であるが、必要ではない。エッジ品質は、ダイヤモンド粒の粒径により決まる傾向がある。ダイヤモンド粒の粒径が大きくなると、エッジ品質が低下するが研削速度およびホイール寿命が増大し、ダイヤモンド粒径が小さくなると、研削速度およびホイール寿命が低下するがエッジ品質が改善される傾向がある。自動車ガラスの鉛筆エッジングに用いることのできる超砥粒は、本発明の一実施形態によれば、約74〜約88ミクロンの粒径分布を含む(例えば、U.S.メッシュ(標準篩)170より細かく、U.S.メッシュ200より粗い)。面取りについては、一例の超砥粒は、約63〜約74ミクロンの粒径分布を有する(U.S.メッシュ200より細かく、U.S.メッシュ230より粗い)。建築ガラスは、典型的に、自動車ガラスより細かい仕上げを必要とし、様々な工具、例えば、約125〜約149ミクロン(例えば、U.S.メッシュ100より細かく、U.S.メッシュ120より粗い)の超砥粒の粒径を有する粗い工具の後、約63〜76ミクロン(例えば、U.S.メッシュ180より細かく、U.S.メッシュ220より粗い)の超砥粒の粒径を有する細かい工具で研削することができる。ボンドマトリックス内の超砥粒の濃度は、比較的大きく異なるが、本発明の一実施形態によれば、輪郭取り用途については約5〜約13体積パーセント、面取り用途については約12〜約25体積パーセントの範囲内である。超砥粒濃度を増やすと、ホイール寿命(および電力消費)を増やし、研削速度を減じる傾向があることに留意する。さらに、ダイヤモンドは、典型的に、ガラス仕上げ用途に用いる超砥粒であるが、CBNは、温和な研削動作なら許容される(所望の材料除去速度および粒硬さ等の因子に応じて)薄いガラス、例えば、LCDシートをエッジングするのに好適な溶液を与えることに留意する。また、あるタイプのガラスは、グリットタイプとしてCBNを必要とする。例えば、高フッ素含量を含むガラスセラミックスは、ダイヤモンドのフッ素に対する高親和性を与えるために、CBNホイールで研削すべきである。
【0032】
本発明のある特定の実施形態において、ニッケル−クロム金属ボンドシステムを、ボンド研磨材130に用いる。金属ボンドマトリックスに用いることのできる他の例示の材料としては、これらに限られるものではないが、青銅、銅および亜鉛合金(例えば、黄銅)、コバルト、鉄、ニッケル、銀、錫、アルミニウム、インジウム、リン、アンチモン、チタン、タングステン、ジルコニウム、クロム、ハフニウムおよびこれらの水素化物、合金および組み合わせが挙げられる。低レベルのコバルト、鉄および/またはタングステンを添加した青銅合金が、概して、たいていのガラスエッジング用途に望ましい。軟性のあまり耐摩耗性のないボンドを、家具、建築または電化製品ガラスに用いてよく、概して、比較的低レベルのコバルト、鉄および/またはタングステンを用いて作製される。青銅を減らして、コバルト、鉄および/またはタングステンを増やすと、耐摩耗性が増大する傾向がある。自動車ガラス研削用途を、比較的高レベルのコバルト、鉄および/またはタングステンを有する高耐摩耗性のボンドを利用して、寿命を長くし、完全自動ラインでのホイールの変化を最少にし、経費のかかるダウンタイムを減じる。しかしながら、有機、樹脂状またはビトリファイドボンド(必要であれば、適切な硬化剤と共に)を含む非金属ボンドを、必要であれば、ボンド研磨材130に用いてもよいことに留意する。
【0033】
例えば、ビトリファイドボンドシステムを有する共焼結モノリシックホイール構造実施形態を考えてみると、コア(ボンド/研磨材を保持するための任意のプレフォーム)は、処理または研削セッション中に使い捨ての研磨セクションが壊れないような同程度の熱膨張率を有するビトリファイドセンターである。ANSI B7.1−2000では、かかる構造の全ホイールを1.5倍の操作速度で試験する必要があることを想起する。有機セメントのホイールについては、鋼コアを用いることができる。かかる設計は、例えば、1分当たり16,000表面フィートの標準速度に適している。かかる一実施形態において、円周リングにフープ応力があると、適格性に合格するのを難しくさせるため、部分構造を用いて、様々な安全適格性に適合させる。
【0034】
ボンド組成物の特定の選択は、研削用途、コストの厳しさ(耐久性のために)と炉での処理(焼結)中に流れる能力との一般的に競合する要件に応じて異なる。コストは、さらなる因子である(例えば、セグメント設計は、円周設計より高価である)。ある特定の実施形態において、ボンド研磨材130は、自由焼結プロセス中に流れる十分に軟性なもので、損傷することなく、予めプロファイル加工されたリセス125、125’、125’’と均一なボンドを形成する。また、仕上げ研磨材130は、妥当な耐用年数を与えるべく十分に硬質なものでなければならない。例えば、鋼ホイール110に適用された青銅ベースのペースト系を用いて、ある用途にとって十分な硬度と共に所望の流動性を与えてもよい。しかしながら、青銅ベースのシステムが特定の用途に軟性過ぎると考えられる場合には、様々な添加剤を添加して、より長い寿命のための硬度/耐久性を増大してもよい。かかる添加剤としては、鋳鉄(例えば、10〜20体積パーセント)、DELCROME(登録商標)合金90番(Deloro Stellite Company,Inc.,Goshen,Indianaより入手可能な白色鋳鉄合金)、炭化タングステンおよび/または上述したようなその他の材料が例示される。あるいは、特定の高硬度が望ましい用途については、ニッケル−クロームボンドを、ステンレス鋼から製造されたホイール110と組み合わせて用いてもよい。このやり方だと、比較的高レベルの硬度が得られ、一方で、炉での処理中の、ホイール110とアーバ150部分の過剰な変形を避けるために、十分に低い処理温度を用いることができ有利である。
【0035】
本発明の実施形態は、従来の技術を用いて製造することができる。例えば、ホイールおよびアーバ部分110、150は、一体型または別個の構成要素のいずれかとして、前述したとおり、様々な材料、例えば、十分な構造上の完全性を有し、関連の製造温度に耐え得る鋼、ステンレス鋼あるいはその他金属または非金属(例えば、複合体)材料から製造される。これらのホイール/アーバ部分は、所望の製造方法、例えば、機械加工、鋳造/成形、複合体製造およびこれらの組み合わせ等の任意の所望の製造方法を用いて製造される。ある特定の実施形態において、研磨材を、任意の所望のバインダーおよびフィラーと共に好適なボンド(例えば、金属合金粉末の形態の)と混合してペーストを形成する。均一な厚さのこのペーストを、予めプロファイル加工されたリセス125、125’、125’’にコーティングまたは他の方法で塗布する。この均一な厚さは、例えば、ホイールをゆっくり回転し、過剰のペーストをリセスから、予めプロファイル加工されたリセス125、125’、125’’の逆として形成されたテンプレートを用いて擦り取って、所望の研磨プロファイル128、128’、128’’を与えることにより得られる。あるいは、研磨材−ボンドテープを、1枚以上の層で、予めプロファイル加工されたリセス125、125’、125’’に適用して、所望の名目上均一な厚さの研磨プロファイル128、128’、128’’を与えてもよい。
【0036】
ペースト、テープまたはその他の好適な研磨材130を、予めプロファイル加工されたリセス125、125’、125’’に適用すると、バインダーが燃え尽きるだけの十分な温度の炉に配置することにより、ホイールは自由焼結され、金属合金は、溶融し、流れて、研磨材およびフィラーをカプセル化し、ホイールに均一にボンドされる。ある特定の実施形態において、自由焼結は、保護雰囲気中、例えば、真空、あるいはアルゴン、窒素、水素雰囲気またはこれらの組み合わせにおいて、実施される。かかる保護雰囲気は、例えば、金属ボンドの酸化を防ぐのに有用である。酸化によって、通常、各ボンド粒子表面に酸化物層が形成され、焼結性およびグリット保持が損なわれる。このように、ボンド組成物の酸化傾向および所望のグリット保持等の因子によっては、保護雰囲気中での自由焼結が適切である。一方、あるボンドは、空気または保護雰囲気中のいずれかで炉で処理することができる(例えば、ビトリファイドボンド)。特定のボンド組成物および処理条件は、従来のやり方で制御して、均一な収縮を確保する補助としてよい。研磨プロファイル128、128’、128’’を、研磨手段(例えば、酸化アルミニウム研磨スティックまたは炭化ケイ素研削ホイール)で改良したり、機械加工(例えば、EDM)により、プロファイルが確実に所定の許容度内となるのを補助してもよい。
【0037】
前述したとおり、研磨材130がホイール部分110まで磨滅するのを実質的に防ぐために、または研磨プロフィール128、128’、128’’が、仕様外となるまで劣化する前に、研磨材130の厚さを所定のものとする。研磨プロファイル128、128’、128’’は、許容できるエッジを特定のガラスワークピースに与えることのできる許容範囲内で僅かに変わることに留意する。エッジ研削の通常の過程中、砥粒は、リセス125、125’、125’’から徐々に除去されて、最終的に、プロファイルが、許容範囲を超えて、仕様外となるまで、研磨プロファイル128、128’、128’’を劣化させる傾向がある。使い捨ての平均寿命は、使用の推定合計時間に基づき、エンドユーザーが、工具100の使用を止めるときを決める指針として用いるものである。そうなると、工具100は、廃棄され、新たな工具と取り換えられる。
【0038】
予めプロファイルしたリセス125、125’、125’’を、自由焼結研磨材130、130’、130’’と組み合わせて用いると、図1A、1Bに示すような従来のエッジングホイールのプロファイル加工していないリセスに、比較的厚い研磨ボンドを成形するのに一般的に用いられる別個の鋳型およびリセス成形プロセスの必要性が排除される。この態様自体、そして、単体のホイール/アーバ110、150の使用を任意で組み合わせると、比較的単純かつ効率的な製造が行え、そして、使い捨てのディスポーザブル品として、工具100を製造できるコストを効率的に十分に抑えられる。
【0039】
本発明の様々な研削工具実施形態を、BYSTRONIC(登録商標)Machinen Corporation(Switzerland)、BANDO(登録商標)Chemical Industries Corporation(Japan)およびGlassline Corporation(Perrysburg,Ohio)等の実質的にあらゆる従来の研削機と共に用いることができる。典型的な研削操作中、ガラスは、1分当たり約2〜約30メートルの速度で研削される。研削速度およびエッジ品質を維持するために、研磨プロファイル128を、酸化アルミニウム研磨スティック等の手段を用いて周期的に整えてもよい。
【0040】
以下の例示の実施例は、本発明の特定の態様および実施形態を例示するものであり、本発明をある特定の実施形態または一連の特徴に限定しようとするものではない。
【実施例】
【0041】
実施例1
使い捨てのエッジングホイールを、一体型ホイール/アーバ部分110、150を用いて、工具100に関して実質的に示し、記載したようにして、製造した。ホイール110は、鋼から製造され、図2Bに関して実質的に示し、記載したリセス125を有していた。以下の青銅ベースのペースト系を用いて、多層ボンド研磨材130とした。
・91重量パーセントのプレ合金青銅(77/23Cu/Sn)−325メッシュ
・9重量パーセントの水素化チタン
・10体積パーセントミクロンダイヤモンド(3〜5ミクロン、耐摩耗性)
・基材に適用するのに適した硬さを有するペーストを形成するための40〜50体積パーセント水系バインダー(Vitta(商標)バインダー)
・実用研磨材として機能する150〜220メッシュ範囲の7〜14体積パーセントダイヤモンド
【0042】
また、10〜20体積パーセントの鋳鉄、DELCROME(登録商標)90合金、炭化タングステンおよび/またはその他の同様の材料を、ペースト系に任意で添加して、耐久性/硬度をさらに増大することができる。
【0043】
実施例2
使い捨てエッジングホイールを、上述した工具100に関して実質的に示し、記載したようにして、一体型ホイール/アーバ部分110、150を用いて製造した。ホイール110は、304ステンレス鋼から製造され、図2Bに関して実質的に示し、記載したリセス125を有していた。以下のニッケル−クロムベースのペースト系を用いた。
・Nicrobraze LMブレージング合金(Wall Colmonoy Corporation,Detroit,Michigan)
・基材に適用するのに適した硬さを有するペーストを形成するための40〜50体積パーセントの水ベースのブレージングバインダー(Vitta Corporation製Vitta Braz−Binder Gel(商標))
・実用研磨材として機能する7〜14体積パーセントのダイヤモンド(150〜220メッシュ)
【0044】
また、10〜20体積パーセントの鋳鉄、DELCROME(登録商標)90合金、ステンレス鋼および/またはその他の同様の材料を、ペースト系に任意で添加して、耐久性/硬度をさらに増大する。
【0045】
本発明の実施形態の前述の説明は、例示および説明のために示されたものである。包括的なものでも、本発明を開示されたもののみに限定しようとするものでもない。本開示内容を考慮すると、多くの修正および変形が可能である。本発明の範囲は、詳細な説明に限定されず、添付の特許請求の範囲によって限定されるものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガラスシートのエッジを成形するための使い捨て研削工具であって、
アーバと係合するよう構成された回転軸を有するホイールと、
前記ホイールの周囲に沿って延在する、前記ガラスシートの所望のエッジプロファイルに対応するプロファイルを有するプロファイル加工されたリセスと、
前記プロファイル加工されたリセスに配置された、所定のプロファイルに沿って実質的に均一な厚さでコンフォーマルに配置されて、前記軸周囲の前記工具の回転の際に、前記所望のエッジプロファイルを前記ガラスシートに付与するように構成された研磨プロファイルを備えた多層ボンド研磨材と
を含む研削工具。
【請求項2】
前記多層ボンド研磨材が、自由焼結されている請求項1に記載の研削工具。
【請求項3】
前記多層ボンド研磨材が、割型で、ホットプレスまたはホットコイニングされている請求項1に記載の研削工具。
【請求項4】
前記ホイールが、アーバに取り外し可能に結合されている請求項1に記載の研削工具。
【請求項5】
前記アーバを含む請求項1に記載の研削工具。
【請求項6】
前記ホイールおよび前記アーバが、一体型構造である請求項5に記載の研削工具。
【請求項7】
前記ホイールが、アルミニウム合金、マグネシウム合金、鉄合金、非金属複合体、ポリマーおよびこれらの組み合わせからなる群から選択される材料から製造されている請求項1に記載の研削工具。
【請求項8】
前記ボンド研磨材が、マトリックス内に配置された超砥粒を含む請求項1に記載の研削工具。
【請求項9】
前記超砥粒が、
約2ミクロン以上、かつ
約300ミクロン以下
の粒径分布を有する請求項8に記載の研削工具。
【請求項10】
前記超砥粒が、
約20ミクロン以上、かつ
約200ミクロン以下
の粒径分布を有する請求項8に記載の研削工具。
【請求項11】
前記マトリックスが、
約5体積パーセント以上の超砥粒、かつ
約25体積パーセント以下の超砥粒
を含む請求項8に記載の研削工具。
【請求項12】
前記マトリックスが、金属、有機、樹脂状およびビトリファイドボンドからなる群から選択されるボンドを含む請求項8に記載の研削工具。
【請求項13】
前記マトリックスが、金属ボンドマトリックスである請求項8に記載の研削工具。
【請求項14】
前記超砥粒が、ダイヤモンドを含む請求項13に記載の研削工具。
【請求項15】
前記金属ボンドが、青銅、銅、亜鉛、コバルト、鉄、ニッケル、銀、錫、アルミニウム、インジウム、リン、アンチモン、チタン、タングステン、ジルコニウム、クロム、ハフニウムならびにこれらの水素化物、合金および混合物からなる群から選択される請求項13に記載の研削工具。
【請求項16】
前記金属ボンドが、青銅合金を含む請求項13に記載の研削工具。
【請求項17】
前記金属ボンドが、青銅合金と、コバルト、鉄、タングステンならびにこれらの混合物および合金からなる群から選択される材料とを含む請求項13に記載の研削工具。
【請求項18】
前記金属ボンドが、ニッケル−クロム合金を含む請求項13に記載の研削工具。
【請求項19】
前記金属ボンドが、ニッケル−クロム合金と、コバルト、鉄、タングステンならびにこれらの混合物および合金からなる群から選択される材料とを含む請求項18に記載の研削工具。
【請求項20】
前記所望のエッジプロファイルが、U形、V形およびバスケット形からなる群から選択される形状を含む請求項1に記載の研削工具。
【請求項21】
前記ホイールが、
約75ミリメートル以上、かつ
約300ミリメートル以下
の直径を有する請求項1に記載の研削工具。
【請求項22】
ガラスシートのエッジを成形する方法であって、
研削機に装着することを含み、使い捨て研削工具が、
アーバと係合するよう構成された回転軸を有するホイールと、
前記ホイールの周囲に沿って延在する、前記ガラスシートの所望のエッジプロファイルに対応するプロファイルを有するプロファイル加工されたリセスと、
前記プロファイル加工されたリセスに配置された、所定のプロファイルに沿って実質的に均一な厚さでコンフォーマルに配置されて、前記軸周囲の前記工具の回転の際に、前記所望のエッジプロファイルを前記ガラスシートに付与するように構成された研磨プロファイルを備えた多層ボンド研磨材と
を含み、
前記ガラスシートのエッジを、前記使い捨て研削工具が前記軸周囲で前記研削機を回転する際に、前記多層ボンド研磨材に当てることを含む方法。
【請求項23】
前記研磨プロファイルが、前記所望のエッジプロファイルに関連した寸法仕様を超えたら、前記研削工具を廃棄することをさらに含む請求項22に記載の方法。
【請求項24】
ガラスを仕上げるための使い捨てエッジング工具を製造する方法であって、
回転軸を有するホイールおよび前記ホイールの周囲に沿って延在する、ガラスワークピースの所望のプロファイルに対応するプロファイルを有するリセスを提供し、
多層ペーストと、研磨材およびボンドのテープとのうち少なくとも1つを、前記プロファイルに沿ってコンフォーマルに配置し、
熱および圧力のうち少なくとも1つを、ペーストおよびテープのうち少なくとも1つに加えて、前記工具が前記軸周囲を回転する際に、前記所望のエッジプロファイルを前記ガラスワークピースに付与するように構成された研磨プロファイルを有する多層ボンド研磨材を形成することを含む方法。
【請求項25】
熱および圧力のうち少なくとも1つを加える前に、
テンプレートを、ペーストおよびテープのうち少なくとも1つに適用して、ペーストおよびテープのうち少なくとも1つに、前記プロファイルに沿って実質的に均一な厚さを与えることをさらに含む請求項24に記載の方法。
【請求項26】
熱および圧力のうち少なくとも1つを加えることが、ペーストおよびテープのうち少なくとも1つを自由焼結することを含む請求項24に記載の方法。
【請求項27】
熱および圧力のうち少なくとも1つを加えることが、割型にあるペーストおよびテープのうち少なくとも1つにホットプレスまたはホットコイニングのうち1つを行うことを含む請求項24に記載の方法。

【図1A】
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【図1B】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【公表番号】特表2010−530812(P2010−530812A)
【公表日】平成22年9月16日(2010.9.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−513501(P2010−513501)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【国際出願番号】PCT/US2008/069466
【国際公開番号】WO2009/009558
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(391010770)サンーゴバン アブレイシブズ,インコーポレイティド (87)
【出願人】(507169495)サン−ゴバン アブラジフ (41)
【Fターム(参考)】