説明

ガラス基板のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置及び方法

エッジ欠陥及びディスカラー検査装置。薄膜トランジスタ液晶表示装置用のガラス基板を運ぶローディングユニットと、ローディングユニットにより供給されるガラス基板のエッジ及びディスカラーを検査する検査ユニットと、ローディングユニット及び検査ユニットを制御する制御ユニットとを具備し、このような構成のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置により、ガラス基板のエッジ欠陥及びディスカラーの有無の検査を薄膜トランジスタ液晶表示装置の製造工程中において自動で行うことができるので経済的であり、かつ連続の蒸着やエッチング、スパッタリングなどのプラズマを用いた工程間に本発明のエッジ欠陥及びディスカラーの検査装置を配して、リアルタイムにガラス基板の適合性を確認することができるので経済的かつ迅速な工程を図ることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はガラス基板のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置に関し、特に、薄膜トランジスタ液晶表示装置(TFT−LCD)において薄膜トランジスタ(TFT)及びカラーフィルタ(color filter)を形成するためのガラス基板のエッジ(edge)欠陥及びディスカラー(discolor)検査装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に薄膜トランジスタ液晶表示装置は、大きく分けて、薄膜トランジスタが形成されている下部ガラス基板と、カラーフィルタが形成されている上部ガラス基板、及び上部ガラス基板と下部ガラス基板との間に注入される液晶で構成されている。
【0003】
このような薄膜トランジスタとカラーフィルタを形成するためのガラス基板に欠陥が生ずると、すなわち、ガラス基板のエッジが割れたり亀裂が生じたりするなどの欠陥が発生していたら、ガラス基板上に薄膜トランジスタ及びカラーフィルタを蒸着、エッチングなどの工程中にガラス基板の全体が割れるような事が発生する。
【0004】
そうすると、工程中のチャンバ内部の電極などに損傷を加えたり、割れたガラス基板の破片が飛び散ってチャンバ内部を汚染させたりする。
【0005】
また、ガラス基板にフィルムの蒸着やエッチングなどが均一でなかった場合、薄膜トランジスタ液晶表示装置の液晶から現れる色に異常が生じ、すなわち、ディスカラーが生じ不良製品を生産することになる。
【0006】
よって、ガラス基板を工程チャンバに入れて蒸着やエッチング、スパッタリングなどのプラズマを用いた工程を実施する前に、ガラス基板のエッジに欠陥有無及び不均一の蒸着やエッチングなどの有無をそれぞれの工程に入る前にガラス基板の検査を行う。
【0007】
このような検査装備として、従来では薄膜トランジスタ液晶表示装置の製造工程に用いられた装置とは別に、ガラス基板エッジ検査装置とガラス基板ディスカラー検査装置を用意していた。
【0008】
ところが、従来のガラス基板エッジ検査装置とガラス基板ディスカラー検査装置のそれぞれは薄膜トランジスタ液晶表示装置の製造設備とは別に構成されている。すなわち、薄膜トランジスタ液晶表示装置はその製造のために多くの工程を繰り返すことになるが、それぞれの工程ごとにガラス基板のエッジ検査とディスカラー検査を薄膜トランジスタ液晶表示装置の製造設備と一体に構成されてなく、それぞれの装置によってエッジ検査及びディスカラー検査を行うという不具合と時間の無駄となるという非経済的な問題があった。
【0009】
また、ディスカラー検査装置の場合、ガラス基板に特定波長の光を照射してガラス基板表面と入社光との反射角によって観測される模様を視覚的に判断することになり、観測者の主観によって観測結果が異なるので正確な観測ができないという問題点があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は上述の問題点を解決するために創出したことであって、薄膜トランジスタ液晶表示装置の製造のためのそれぞれの連続された工程装置間にエッジ欠陥及びディスカラー検査装置を配して、連続的にガラス基板のエッジ欠陥及びディスカラーをリアルタイムで検査することができる改善されたエッジ欠陥及びディスカラー検査装置を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記の目的を達成するために本発明のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置は、薄膜トランジスタ液晶表示装置の製造のためのガラス基板を運ぶローディングユニットと、前記ローディングユニットによって供給された前記ガラス基板のエッジ及びディスカラーを検査する検査ユニットと、前記ローディングユニット及び前記検査ユニットを制御する制御ユニットとを備える。
【0012】
この場合、前記ガラス基板に対する前記エッジ検査と前記ディスカラー検査は同時に行うことが好ましい。
【0013】
また、前記ガラス基板に対する前記エッジ検査と前記ディスカラー検査は選択的にいずれか一つの検査を実行することが好ましい。
【0014】
また、前記ローディングユニットは、前記ガラス基板を収容するプレートと、前記プレートが回動できるように前記プレートの一側に結合した移送部材と、を備えることが好ましい。
【0015】
また、前記検査ユニットは、前記ガラス基板が通過できるように検査窓が形成された検査フレームと、前記ガラス基板進行方向の検査フレーム両面に設けられて前記検査窓を通過する前記ガラス基板の存在有無を感知する感知センサと、前記検査窓上部に設けられて前記ガラス基板のエッジを検査する複数のカメラと、前記検査窓下部に設けられて前記検査窓を通過する前記ガラス基板に光を照射する照明器と、前記検査フレーム上部に設けられて、前記照明器から照射された光を集光して前記制御ユニットに伝送する複数の集光レンズを備えることが好ましい。
【0016】
また、前記検査フレーム上部には前記照明器から照射された光を集光して前記制御ユニットに伝送する複数の集光レンズが設けられて、前記制御ユニットには前記集光レンズによって集光された光を分析する分光器が備えられることが好ましい。
【0017】
また、前記分光器の観測波長は180〜1100ナノメートルであり、解像度は0.1〜10ナノメートルであることが好ましい。
【0018】
また、前記複数のカメラは、前記検査窓を最初及び最後に通過するガラス基板の両端部エッジ欠陥を検査するために前記ガラス基板と垂直に設けられた複数の中央カメラと、前記中央カメラを対称軸として両側に、前記ガラス基板の両端部を連結する両側端部のエッジ欠陥を検査するための少なくとも一対の側部カメラと、を備えることが好ましい。
【0019】
また、前記側部カメラは前記中央カメラと平行であることが好ましい。
【0020】
また、前記側部カメラは前記中央カメラに対して所定の角度に傾斜されていることが好ましい。
【0021】
また、前記側部カメラはラインスキャンCCDカメラであることが好ましい。
【0022】
また、前記制御ユニットは前記カメラから撮影した映像を視覚化するモニタを具備していることが好ましい。
【0023】
また、前記ローディングユニット及び検査ユニットは薄膜トランジスタ液晶表示装置の製造のためのプラズマを用いる工程設備それぞれの出入側ゲートバルブ前方及び排出側ゲートバルブ後方のうちの少なくとも1ヶ所に設けられることが好ましい。
【0024】
そして、本発明のエッジ欠陥検査方法は、カメラでガラス基板を撮影する段階と、前記撮影された映像をデジタルコードに変換する段階と、前記デジタルコードを正常データと数学的に比較演算する段階と、前記数学的比較演算値が使用者の指定した許容範囲を逸脱した場合に警告する段階とを含む。
【0025】
この場合、前記正常データは、エッジに欠陥がないガラス基板がエッジ検査装置を通過しながら前記カメラによって撮影された映像のデジタルコード変換値であることが好ましい。
【0026】
そして、本発明のディスカラー検査方法は、集光レンズによってガラス基板に照射された光を集光する段階と、前記集光された光の波長を分析する段階と、前記波長と正常水準の波長を比較する段階と、前記比較された波長が使用者の指定した許容範囲を逸脱した場合に警告する段階とを含む。
【0027】
この場合、前記正常水準の波長は、薄膜厚さ測定装置によって異物及び薄膜の厚さに異常のないガラス基板がディスカラー検査装置を通過しながら受光された波長であることが好ましい。
【0028】
そして、本発明のさらに他のディスカラー検査方法は、集光レンズによってガラス基板に照射された光を集光する段階と、前記集光された光の波長を分析する段階と、前記波長と以前に集光されて分析された波長を比較された段階と、前記比較された波長が使用者の指定した許容範囲を逸脱した場合に警告する段階とを含む。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係るエッジ欠陥及びディスカラー検査装置は、ガラス基板のエッジ欠陥及びディスカラー有無の検査を薄膜トランジスタ液晶表示装置の製造工程中に自動で行うことができるので経済的であり、連続される蒸着やエッチング、スパッタリングなどのプラズマを用いた工程間に、本発明のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置を配してリアルタイムでガラス基板の適合性を確認することができ経済的であって、工程を迅速に行うことができる。
【0030】
本発明は好適な実施形態で説明されたが、本発明はこの実施形態に限定されることではなく、特許請求の範囲内でさらに多くの変形及び変形例を可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下、添付された図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を詳しく説明する。
【0032】
図1は、本発明のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置が薄膜トランジスタ液晶表示装置の製造のための蒸着やエッチング工程設備のゲートバルブ(gate valve)前に設けられたことを示す側面図であり、図2は本発明の第1実施形態によるエッジ欠陥及びディスカラー検査装置を示す斜視図である。
【0033】
図1を参照すると、前記エッジ欠陥及びディスカラー検査装置は、薄膜トランジスタ液晶表示装置の製造のための蒸着、エッチング、スパッタリング工程などのプラズマを用いる工程設備50のそれぞれの流入側ゲートバルブ52前方または/及び排出側ゲートバルブ(図示せず)後方に選択的に設けられている。
【0034】
これは、後述のガラス基板40のエッジ欠陥及びディスカラーを薄膜トランジスタ液晶表示装置の製造のための蒸着やエッチング、スパッタリング工程のような各種工程設備のチャンバ(chamber)51内部に入る前に検査するか、またはそれぞれの工程が終了して排出されるガラス基板40のエッジ及びディスカラーをリアルタイムで検査及び連続に次の工程への移送を決定するためのことである。
【0035】
前記エッジ欠陥及びディスカラー検査装置は、エッジ欠陥及びディスカラー検査が同時に、または、選択的にいずれか一つの検査だけが行われたり、時間間隔を置いて両検査が行われたりすることができ、図2のようにローディングユニット(loading unit)10、検査ユニット20及び制御ユニット30を備える。
【0036】
前記ローディングユニット10は、ガラス基板40を支持するプレート(plate)11及び該プレート11を適正な位置に移動させる移送部材12を備える。
【0037】
前記移送部材12は、複数の回転アーム12a、12b、12c、12dがそれぞれ所定角度で回転できるように積層結合されて連動する。すなわち、複数の回転アーム12a、12b、12c、12dのうち、いずれかの回転アーム12bを基準として、その直下の回転アーム12aと一側端部で回転可能に結合され、他側端部で基準回転アーム12bの直上の回転アーム12cと回転可能に結合され、最初は一直線に積層された状態から移送部材12の駆動によって下部の回転アーム12aから上部の回転アーム12dに順に所定角度を有して回転することでガラス基板40を移送させることになる。
【0038】
前記検査ユニット20は、検査フレーム26と、ガラス基板40を感知する感知センサ24と、照明器25及びカメラ22を備える。
【0039】
前記検査フレーム26にはローディングユニット10によって移送されたガラス基板40を通過させるための検査窓21が形成され、ガラス基板40の進行方向に、検査フレーム26の両面には感知センサ24が設けられている。
【0040】
前記感知センサ24のうち、ガラス基板40が検査窓21に流入される側の感知センサ24aは、ガラス基板40が検査窓21に流入した時点を感知して前記カメラ22及び照明器25の動作がスタートするようにその感知内容を制御ユニット30に伝送する。そして、前記感知センサ24のうち、ガラス基板40が検査窓21を出る側に設けられた感知センサ24bは、ガラス基板40が検査窓21に存在しなくなったことを感知してカメラ22及び照明器25の動作が止められるように制御ユニット30にその感知内容を伝送することになる。
【0041】
前記照明器25は、検査窓21下部に設けられて検査窓21を通過するガラス基板40に光を照射する。ここで、前記照明器25は発光ダイオード(light emitting diode;LED)などが用いられる。
【0042】
前記カメラ22は、ガラス基板40のエッジ欠陥及びディスカラーを検査するためのもので、照明器25から照射された光を利用してガラス基板40のエッジ及びディスカラー有無を容易に検査できるように図3ないし図5のように前記検査窓21上部に複数の中央カメラ22a及び側部カメラ22bが設けられている。ここで、前記カメラ22は高解像度のCCD(Charge−Coupled Device)カメラが用いられる。そして、このカメラ22はガラス基板のエッジから5mm以上を検査することができる。すなわち、エッジに隣接した微細な部分までも検査することができる。
【0043】
前記中央カメラ22aは、図3及び図5のように検査窓21を最初及び最後に通過するガラス基板40両端部のエッジ及びディスカラーを検査するためのもので、ガラス基板40に対して垂直方向でガラス基板40のエッジ及びディスカラーを検査する。
【0044】
前記側部カメラ22bは前記中央カメラ22aを中心にして、少なくとも一対が対称するように設けられている。該側部カメラ22bは図4のように中央カメラ22aの認識できないガラス基板40の側端部、すなわち、中央カメラ22aの認識できるガラス基板40の両端部を連結する側端部のエッジ及びディスカラーを検査するために選択的に中央カメラ22aと平行に、または中央カメラ22aに対して所定の角度を有し傾くように検査窓21上部に設けられている。この場合、側部カメラ22bを検査窓21上部で回転できるようにヒンジ結合させることによって中央カメラ22aに対して所定の角度を有し傾くようにすることができる。一方、側部カメラ22bを中央カメラ22aに対して所定の角度で傾くようにする理由は、ガラス基板40の大きさによって平行状態の側部カメラ22bがガラス基板40のエッジを検査することが困難の場合、側部カメラ22bを所定の角度に回転させてガラス基板40のエッジを検査できるようにするためである。
【0045】
前記カメラ22から撮影された映像は、リアルタイムでデジタルコード(digital code)に変換させてガラス基板40の損傷有無などを判断することができる。
【0046】
このとき、入力された映像を介してガラス基板40に蒸着されたフィルムの異常有無も確認することができる。すなわち、図6のように、ガラス基板を撮影(S1)して入力される映像をデジタルコードなどの数字に変換(S2)し、これをあらかじめ入力した正常なガラス基板40のデータとリアルタイムで数学的比較演算(S3)し、その際に示された差を確認して使用者が指定した特定許容範囲以上にその差が発生(S4)した場合、エッジ及びディスカラーに問題があると判断して使用者に警告(S5)することができる。ここで、前記正常データとは、エッジに欠陥のないガラス基板をエッジ検査装置に通過させて前記カメラで撮影した映像のデジタルコード変換値をいう。
【0047】
前記制御ユニット30は、モニタ31及びコントローラ(図示せず)を備える。
【0048】
前記モニタ31は中央カメラ22a及び側部カメラ22bが撮影した映像を視覚的に示すためのものである。
【0049】
前記コントローラは、感知センサ24で感知した内容を受け取ってカメラ22及び照明器25の動作を制御し、カメラ22から撮影した映像をデジタルコードに変換したり、数学的演算などを行ったりしてエッジ欠陥及びディスカラー検査装置100の全般的な駆動を制御する。
【0050】
このようなガラス基板40のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置100は次のように動作する。
【0051】
まず、ローディングユニット10によりガラス基板40を検査フレーム26の検査窓21に移送する。次に、ガラス基板40の流入側検査フレーム26に用意された感知センサ24aはこれを感知して制御ユニット30に伝送し、制御ユニット30はカメラ22及び照明器25を動作させてガラス基板40のエッジ及びディスカラーを撮影してデジタルコードに変換し、また、数学的演算によってエッジ欠陥及びディスカラー有無を確認する。そして、ガラス基板40が検査窓21を通って排出されると、検査フレーム26に用意された感知センサ24bがガラス基板40の排出を確認して制御ユニット30にその内容を伝送されると制御ユニット30はカメラ22及び照明器25の動作を中止させる。
【0052】
このような構成のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置100は、蒸着やエッチング工程設備50の流入側ゲートバルブ52前方または/及び排出側ゲートバルブ52後方に選択的に設けられて蒸着やエッチングの工程進入前のガラス基板40のエッジ欠陥及びディスカラーをあらかじめ検査して不良製品は工程チャンバ51内部に流入しないようにしたり、工程終了後の排出されたガラス基板40のエッジ欠陥やディスカラーを検査して不良となった製品は次の工程に提供できないようにしたりして、不良製品の流入を防止する。
【0053】
万一、蒸着やエッチング工程の終了後、排出されるガラス基板40にエッジ欠陥やディスカラーが発見された場合は、それと共に、蒸着やエッチング、スパッタリングなどのプラズマを用いた工程設備の欠点もリアルタイムで認知することができる。すなわち、蒸着やエッチング、スパッタリング工程に流入される前のガラス基板に欠点はなかったが、工程終了後に排出されたガラス基板に欠点が発見された場合は、工程設備に欠点があったからである。
【0054】
図7は、本発明の第2実施形態のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置によるガラス基板のディスカラーを検査するための他の検査方法の適用例を示す平面図であり、図8はその他の検査方法を順次に示したフローチャートである。
【0055】
第2実施形態において、図1ないし図3に示す参照符号と同じ参照符号は同一構成及び作用をする、同一部材である。
【0056】
そして、前記第2実施形態では、第1実施形態の構成及び作用と同様であり、重複する説明は省略する。
【0057】
前記エッジ欠陥及びディスカラー検査装置100は、ローディングユニット10と、検査ユニット20及び制御ユニット30を具備し、前記検査ユニット20の検査フレーム26上部には集光レンズ23が複数個設けられている。そして、前記制御ユニット30には分光器(図示せず)が具備されている。
【0058】
前記集光レンズ23は、照明器25からガラス基板40に対して照射した光を集光(S10)し、これを制御ユニット30の分光器に伝送する。この分光器は180〜1100ナノメートル(nano meter)の波長を観測することができ、その解像度は0.1〜10ナノメートルである。
【0059】
そして、分光器では、不均一に蒸着されたガラス基板40を通って集光された光の波長を分析(S20)し、集光された光の波長による明暗度レベル(intensity level)に示し、この明暗度レベルを正常レベルにおいて入力した特定ガラス基板40のデータと不均一な蒸着部41があるガラス基板40とをリアルタイムで比較(S30)してその差を求め、その差が使用者指定の許容範囲と所定水準以上に差があった場合(S40)は警告メッセージを使用者に知らせる(S50)。
【0060】
このような方法以外に、さらに他の実施形態として、前記方法のように集光レンズ23によりガラス基板40に照射された光の集光(S100)、集光された光の波長分析(S200)、時間ごとに入射される光の波長データを、直前に集光された光の波長データといま入射された光の波長データとを比較(S300)し、その差が使用者指定の許容範囲から所定水準以上(S400)であれば、警告メッセージを使用者に知らせる方式(S500)も用いることができる。
【0061】
このような構成のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置によれば、多数の蒸着やエッチング工程間に本発明のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置を配してガラス基板のエッジ欠陥及びディスカラー有無を薄膜トランジスタ液晶表示装置の連続された製造工程においてリアルタイムで確認することができる。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明に係るエッジ欠陥及びディスカラー検査装置が配置される位置を示す側面図である。
【図2】本発明の第1実施形態によるエッジ欠陥及びディスカラー検査装置を示す斜視図である。
【図3】図1の検査ユニットによるガラス基板のエッジを順次に検査する過程を示す動作図である。
【図4】図1の検査ユニットによるガラス基板のエッジを順次に検査する過程を示す動作図である。
【図5】図1の検査ユニットによるガラス基板のエッジを順次に検査する過程を示す動作図である。
【図6】図2によるエッジ欠陥及びディスカラー検査方法を順次に示すフローチャートである。
【図7】本発明の第2実施形態によるエッジ欠陥及びディスカラー検査装置を示す平面図でである
【図8】図7によるディスカラー検査方法を順次に示すフローチャートである。
【図9】図7による他のディスカラー検査方法を順次に示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0063】
10 ローディングユニット
11 プレート
12 移送部材
12a、12b、12c、12d 回転アーム
20 検査ユニット
21 検査窓
22 カメラ
22a、22b 中央カメラ及び側部カメラ
24、24a、24b 感知センサ
25 照明器
26 検査フレーム
30 制御ユニット
40 ガラス基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
薄膜トランジスタ液晶表示装置製造のためのガラス基板を運ぶローディングユニットと、
前記ローディングユニットにより供給された前記ガラス基板のエッジ及びディスカラーを検査する検査ユニットと、
前記ローディングユニット及び前記検査ユニットを制御する制御ユニットと、
を備えたことを特徴とするエッジ欠陥及びディスカラー検査装置。
【請求項2】
前記ガラス基板に対する前記エッジ検査と前記ディスカラー検査は同時に行われることを特徴とする請求項1に記載のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置。
【請求項3】
前記ガラス基板に対する前記エッジ検査と前記ディスカラー検査は、選択的にいずれか一つの検査を行うことを特徴とする請求項1に記載のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置。
【請求項4】
前記ローディングユニットは、
前記ガラス基板を収容するプレートと、
前記プレートが回動できるように前記プレートの一側に結合した移送部材と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置。
【請求項5】
前記検査ユニットは、
前記ガラス基板が通過できるように検査窓が形成された検査フレームと、
前記ガラス基板進行方向の検査フレーム両面に設けられて前記検査窓を通過する前記ガラス基板の存在有無を感知する感知センサと、
前記検査窓上部に設けられて前記ガラス基板のエッジを検査する複数のカメラと、
前記検査窓下部に設けられて前記検査窓を通過する前記ガラス基板に光を照射する照明器と、
を備えたことを特徴とする請求項1に記載のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置。
【請求項6】
前記検査フレーム上部には、前記照明器から照射された光を集光して前記制御ユニットに伝送する複数の集光レンズが設けられていることを特徴とする請求項5に記載のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置。
【請求項7】
前記制御ユニットには、前記集光レンズにより集光された光を分析する分光器が備えられたことを特徴とする請求項1または請求項5に記載のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置。
【請求項8】
前記分光器の観測波長は、180〜1100ナノメートルであり、解像度は0.1〜10ナノメートルであることを特徴とする請求項6に記載のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置。
【請求項9】
前記複数のカメラは、
前記検査窓を最初及び最後に通過するガラス基板の両端部エッジ欠陥を検査するために前記ガラス基板と垂直に設けられた複数の中央カメラと、
前記中央カメラを対称軸にして両側に、前記ガラス基板の両端部を連結する両側端部のエッジ欠陥を検査するための少なくとも一対の側部カメラと、
を備えたことを特徴とする請求項5に記載のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置。
【請求項10】
前記側部カメラは、前記中央カメラと平行であることを特徴とする請求項9に記載のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置。
【請求項11】
前記側部カメラは、前記中央カメラに対して所定の角度で傾いていることを特徴とする請求項9に記載のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置。
【請求項12】
前記側部カメラは、ラインスキャンCCDカメラであることを特徴とする請求項9に記載のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置。
【請求項13】
前記制御ユニットは、前記カメラにより撮れた映像を視覚化するモニタを備えたことを特徴とする請求項1に記載のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置。
【請求項14】
前記ローディングユニット及び検査ユニットは、薄膜トランジスタ液晶表示装置の製造のためのプラズマを用いる工程設備のそれぞれの出入側ゲートバルブ前方及び排出側ゲートバルブ後方のうちの少なくとも1ヶ所に設けられたことを特徴とする請求項1に記載のエッジ欠陥及びディスカラー検査装置。
【請求項15】
カメラで検査窓を通過したガラス基板を撮影する段階と、
前記撮影された映像をデジタルコードに変換する段階と、
前記デジタルコードを正常データと数学的に比較演算する段階と、
前記数学的比較演算値が使用者の指定許容範囲を逸脱した場合に警告する段階と、
を含むことを特徴とするエッジ欠陥検査方法。
【請求項16】
前記正常データは、エッジ欠陥のないガラス基板がエッジ検査装置を通過して前記カメラにより撮影された映像のデジタルコード変換値であることを特徴とする請求項15に記載のエッジ欠陥検査方法。
【請求項17】
前記カメラにより撮影された映像は、
検査窓を最初及び最後に通過するガラス基板の両端部エッジ部分と、
前記ガラス基板の両端部を連結する両側端部のエッジ部分と
を含むことを特徴とする請求項15に記載のエッジ欠陥の検査方法。
【請求項18】
前記ガラス基板の両端部を連結する両側端部のエッジ部分は、ラインスキャン方式により撮影されることを特徴とする請求項17に記載のエッジ欠陥の検査方法。
【請求項19】
前記撮影段階は、撮影された映像をモニタによってディスプレイする段階をさらに含むことを特徴とする請求項15に記載のエッジ欠陥の検査方法。
【請求項20】
集光レンズによりガラス基板に照射された光を集光する段階と、
前記集光された光の波長を分析する段階と、
前記分析された波長と正常水準の波長を比較する段階と、
前記比較された波長が使用者の指定許容範囲を逸脱した場合に警告する段階と、
を含むことを特徴とするディスカラー検査方法。
【請求項21】
前記正常水準の波長は、薄膜厚さ測定装置により異物及び薄膜厚さに異常がないガラス基板をディスカラー検査装置に通過させて受光された波長であることを特徴とする請求項20に記載のディスカラー検査方法。
【請求項22】
前記集光された光の波長分析は、分光器により行われることを特徴とする請求項20に記載のディスカラー検査方法。
【請求項23】
前記分光器により分析される波長は、明暗度レベルで示されることを特徴とする請求項22に記載のディスカラー検査方法。
【請求項24】
集光レンズでガラス基板に照射された光を集光する段階と、
前記集光された光の波長を分析する段階と、
前記波長と以前集光して分析された波長を比較する段階と、
前記比較された波長が使用者の指定許容範囲を逸脱した場合に警告する段階と、
を含むことを特徴とするディスカラー検査方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公表番号】特表2008−522213(P2008−522213A)
【公表日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−542932(P2007−542932)
【出願日】平成18年2月27日(2006.2.27)
【国際出願番号】PCT/KR2006/000678
【国際公開番号】WO2006/093381
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(507162360)セミシスコ・カンパニー・リミテッド (5)
【Fターム(参考)】