キャップ分別装置
【課題】容器のキャップ、特にペットボトルのキャップの特徴を考慮して、高い精度でキャップの色を識別できるキャップ分別装置を提供する。
【解決手段】本発明のキャップ分別装置10は、容器のキャップ12の第1方向から視認される色を判断して、第1色結果を出力する第1色判断手段14と、第1方向と異なる第2方向から視認されるキャップの色を判断して、第2色結果を出力する第2色判断手段15と、第1色結果および第2色結果に基づいて、キャップの色を識別する識別手段20と、を備え、キャップの色に基づいてキャップを分別する。
【解決手段】本発明のキャップ分別装置10は、容器のキャップ12の第1方向から視認される色を判断して、第1色結果を出力する第1色判断手段14と、第1方向と異なる第2方向から視認されるキャップの色を判断して、第2色結果を出力する第2色判断手段15と、第1色結果および第2色結果に基づいて、キャップの色を識別する識別手段20と、を備え、キャップの色に基づいてキャップを分別する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器のキャップ、特にペットボトルのキャップを、色を基準に識別して分別するキャップ分別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現代社会において、人々の生活を支える様々な物品は、プラスチック樹脂などで作られている。高度成長期においては、これらプラスチック樹脂で作られた樹脂製品は、使用後においては焼却処理や埋め立て処理によって廃棄されていた。
【0003】
しかしながら、近年の原油高騰や原材料不足などにより、樹脂製品の再利用が求められている。また、原油を精製し、精製された原料からプラスチック樹脂を製造する工程は、大気中に多くの二酸化炭素を排出することになる。近年では、二酸化炭素の排出量の削減が求められており、この観点からも、樹脂製品の再利用が求められている。
【0004】
このような社会環境において、プラスチック製品、ペットボトルなどの分別回収および回収された製品の再利用が行われている。
【0005】
ところが、容器のキャップ特にペットボトルのキャップは、ペットボトル本体のPET素材と異なるので、一般ごみとして回収されることが多い。このため、ペットボトルのキャップは再利用されることが少ない問題があった。
【0006】
このような状況を解決するために、ペットボトルのキャップを回収して再利用商品を製造し、そこから得られる利益の一部を発展途上国やその他の便益に役立てるボランティア活動などが始まりつつある。
【0007】
従来はペットボトルのキャップをはじめとする容器のキャップは、再利用や回収を意図されておらず、その分別についての技術提案も少ない。例えば、容器キャップの形状と色を、撮像した画像と経験的データ値とから判断する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−86000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ペットボトルは透明であることが多く、その他の樹脂製品も単色に印刷された包装が取り付けられているだけであるので、分類は容易である。
【0009】
一方、ペットボトルのキャップは、様々な色を有していたり、印刷を有していたり、上面にシールが貼付されていたりする。異なる色のキャップを一緒に溶融して樹脂材料として再生する場合には、ばらばらの色味を有する樹脂材料となってしまい、再利用のフレキシビリティを低減させる問題がある。あるいは、シールはキャップとは異なる素材であり、シールの貼付されたキャップを一緒に溶融させると、品質の劣る樹脂材料を再生してしまう問題がある。
【0010】
加えて、ペットボトルのキャップは、上面に印刷やシールがあったり、内部にパッキンがあったりして、色識別を困難にさせている。
【0011】
特許文献1に開示される技術では、ある方向から見た場合だけでキャップの色を判断しており、印刷やシールなどによって間違った色識別をしてしまう問題がある。また、シールが貼付されたキャップをそのまま再利用の材料として識別してしまうので、品質の劣る樹脂材料を製造する問題もある。また、特許文献1の技術では、一つのキャップに関して、複数の色を有すると判断した場合の分別方式が不明瞭である問題もある。
【0012】
すなわち、特許文献1の技術は、印刷やシールなどのあるペットボトルをはじめとする容器のキャップの特徴を考慮した色識別をできない。
【0013】
本発明は、以上の課題に鑑み、容器のキャップ、特にペットボトルのキャップの特徴を考慮して、高い精度でキャップの色を識別できるキャップ分別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題に鑑み、本発明のキャップ分別装置は、容器のキャップの第1方向から視認される色を判断して、第1色結果を出力する第1色判断手段と、第1方向と異なる第2方向から視認されるキャップの色を判断して、第2色結果を出力する第2色判断手段と、第1色結果および第2色結果に基づいて、キャップの色を識別する識別手段と、を備える、キャップの色に基づいてキャップを分別する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のキャップ分別装置は、異なる特徴を有する異なる角度からの色判断を総合してキャップの色を最終的に決定できる。このため、キャップ分別装置は、高い精度でキャップの色を識別できる。
【0016】
キャップの色識別の精度が高いことで、分別されたキャップから樹脂材料を再生する場合に、色が確実に分類された樹脂材料が提供できる。また、シールなどの異物を有するキャップを、再利用するキャップと分けることができるので、再利用するために製造される樹脂材料に不純物を混入させずに済む。結果として、回収したキャップから製造される樹脂材料の品質が向上し、樹脂材料の再利用価値が高まる。
【0017】
キャップ分別装置が高い精度で色を識別できることで、キャップを樹脂材料として再利用する際に、分別コストが低下して樹脂材料としてのキャップの再利用へのモチベーションが高まる。結果としてキャップの再利用率が高まり、地球環境保護に資することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の第1の発明に係るキャップ分別装置は、容器のキャップの第1方向から視認される色を判断して、第1色結果を出力する第1色判断手段と、第1方向と異なる第2方向から視認されるキャップの色を判断して、第2色結果を出力する第2色判断手段と、第1色結果および第2色結果に基づいて、キャップの色を識別する識別手段と、を備え、キャップの色に基づいてキャップを分別する。
【0019】
この構成により、キャップの特徴を考慮した高い精度での分別が可能となる。特に、ペットボトルのキャップの特徴に最適に合致したキャップの分別が可能となる。
【0020】
本発明の第2の発明に係るキャップ分別装置では、第1の発明に加えて、容器のキャップは、ペットボトルのキャップを含む。
【0021】
この構成により、ペットボトルのキャップの特徴に、最適に合致したキャップの分別が可能となる。
【0022】
本発明の第3の発明に係るキャップ分別装置では、第1又は第2の発明に加えて、第1方向はキャップの側面を視認する方向であって、第1色判断手段は、キャップの両側面の側面画像を撮像する第1撮像部と、側面画像の波長から、キャップの側面の色を、第1色結果として判断する第1判断部と、を有する。
【0023】
この構成により、キャップのベースとなる色の出やすい側面での色判断結果を活用して、キャップ分別装置はキャップを分別できる。この結果、キャップ特徴にあわせた分別ができる。
【0024】
本発明の第4の発明に係るキャップ分別装置では、第3の発明に加えて、第1撮像部と対向する位置に反射鏡を有し、第1撮像部は、直接視認可能なキャップの第1側面と、反射鏡に映る第1側面と逆側の第2側面と、を撮像可能である。
【0025】
この構成により、キャップ分別装置の製造コストを低減させることができる。
【0026】
本発明の第5の発明に係るキャップ分別装置では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、第2方向は、キャップの上面を視認する方向であって、第2色判断手段は、キャップの上面の上面画像を撮像する第2撮像部と、上面画像の波長から、キャップの上面の色を、第2色結果として判断する第2判断部と、を有する。
【0027】
この構成により、印刷面やシールなどキャップの上面に表れやすい特徴をも加味して、キャップを分別できる。
【0028】
本発明の第6の発明に係るキャップ分別装置では、第5の発明に加えて、第2判断部は、上面画像が、所定数以上の波長のピーク値を有する場合に、キャップの上面に異物があると判断する。
【0029】
この構成により、キャップ分別装置は、簡易な手段で、シールなどの異物の存在を判断できる。
【0030】
本発明の第7の発明に係るキャップ分別装置では、第5又は第6の発明に加えて、第2判断部は、上面画像の中央部の光透過率が上面画像の周縁部の光透過率よりも低い場合に、キャップの上面に異物があると判断する。
【0031】
この構成により、キャップ分別装置は、高い確率で、シールなどの異物の存在を判断できる。
【0032】
本発明の第8の発明に係るキャップ分別装置では、第1から第7のいずれかの発明に加えて、第1色結果および第2色結果のそれぞれは、色分類を示す色情報および異物の有無を示す異物情報の少なくとも一つの情報を含む。
【0033】
この構成により、キャップ分別装置は、キャップの特徴のそれぞれに対応した判断で、キャップの色を識別できる。
【0034】
本発明の第9の発明に係るキャップ分別装置では、第8の発明に加えて、第1色結果の示す色分類と第2色結果の示す色分類とが、同一結果を示す場合に、識別手段は、第1色結果および第2色結果のいずれかが示す色分類を、キャップの色として識別する。
【0035】
この構成により、2以上の視点から得られた判断によって、キャップ分別装置は、キャップの色を識別できる。
【0036】
本発明の第10の発明に係るキャップ分別装置では、第8の発明に加えて、第1色結果の示す色分類と第2色結果の示す色分類とが、異なる結果を示す場合に、識別手段は、第1色結果の示す色分類を優先して、キャップの色を識別する。
【0037】
この構成により、キャップのベースとなる色を示す側面での判断結果を優先して、キャップ分別装置は、キャップの色を識別できる。
【0038】
本発明の第11の発明に係るキャップ分別装置では、第8の発明に加えて、第1色結果の示す色分類と第2色結果の示す色分類とが、異なる結果を示す場合に、識別手段は、第1色結果の示す色分類と第2色結果の示す色分類の混合色を、キャップの色として識別する。
【0039】
この構成により、更に細かな分別が可能となる。
【0040】
本発明の第12の発明に係るキャップ分別装置では、第8の発明に加えて、識別手段は、第2色結果が異物有りとの判断を示す場合に、キャップの色を識別不能として識別する。
【0041】
この構成により、異物のあるキャップを、再利用から除外でき、再生する樹脂材料の品質劣化を防止できる。
【0042】
本発明の第13の発明に係るキャップ分別装置では、第1から第12のいずれかの発明に加えて、キャップを搬送するコンベアと、コンベアで搬送されるキャップの天地向きを揃える反転装置を更に備える。
【0043】
この構成により、常にキャップの上面を上方に向けた状態で、キャップ分別装置は、キャップの色を識別できる。
【0044】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0045】
(実施の形態1)
まず、容器のキャップの特徴について説明する。ここでは、ペットボトルのキャップを例にとって説明する。なお、キャップのような物体の色を識別するには、これら物体をカメラで撮像して、得られた画像のスペクトラム解析から確認される波長のピーク位置が用いられることが多い。
【0046】
(キャップの特徴)
図1は、本発明の実施の形態1におけるキャップの特徴を示す説明図である。
【0047】
ペットボトルのキャップには、様々な種類がある。図1は、多種多様なキャップから3つのパターンのキャップを示している。図1は、左からパターン1、パターン2、パターン3のキャップを示しており、パターン1〜パターン3のそれぞれにおいて上から順に上面、側面、底面を示している。
【0048】
パターン1は、単色であって上面1、側面2および底面3のいずれにも模様や印刷を有していないキャップを示している。図1では立体的でないので分かりにくいが、底面3はキャップとしての凹みとねじ溝を有している。パターン1のキャップは上面1、側面2、底面3のいずれの方向から視認しても、同一の色を有している。このため、パターン1のキャップが撮像されて、撮像画像のスペクトラム解析から得られる波長のピーク位置は、上面1の画像でも、側面2の画像でも、底面3の画像でも同じである。このため、パターン1のキャップは、どの方向から画像処理されたとしても同じ色として識別されやすい。
【0049】
パターン2は、上面に印刷文字を有するキャップを示している。側面6と底面7とは、同じ色を有している。キャップの上面4には、商品名、キャッチコピーなどの文字やマークが印刷されることがあるが、需要者の目につきにくいキャップの側面や底面には、印刷が付されることはほとんど無い。図1においては、パターン2のキャップは、その上面に「緑茶 美味しい」との印刷面5を有している。
【0050】
例えば、パターン2のキャップのベースの色は白であるが、「緑茶 美味しい」との印刷面5が青色であるとする。この場合、側面6と底面7から撮像された画像から得られる波長のピークは同じ(白色が示す波長のピークで略一致する)となるが、上面4から撮像された画像から得られる波長のピークは異なる。あるいは、複数の波長の値においてピークを有することが生じる。または、印刷文字の大きさや色によっては、ベースの色である白色が示すはずのピーク位置と異なる位置にピーク位置を持つことになる。
【0051】
すなわち、パターン2のキャップでは、上面4からの画像処理で識別される色と、側面6(あるいは底面7)からの画像で識別される色とは、異なる識別結果となりうる。
【0052】
次に、パターン3は、上面にシール9が貼付されたキャップを示している。商品の宣伝や当たりくじなど、キャップの上面にはシール9が貼られることも多い。キャップはポリプロピレンなどの樹脂製であって、ペットボトルのキャップであれば商品の別なく同一素材であることがほとんどであるが、シール9は紙製であって、本来は焼却廃棄されるものであってキャップと共に再利用されるものではない。キャップと一緒にシール9が溶融されて樹脂材料が製造されると、この樹脂材料の品質が著しく劣化して、樹脂材料が使い物にならなくなってしまう。このようなシール9の貼られたキャップが混在していると、キャップの再利用が困難となり、再利用へのモチベーションが下がることにもなる。
【0053】
また、シール9は上面8のベースの色と異なる色を有していることが多く、シール9の存在によって、キャップの上面の本来の色と異なる色として識別されることの原因ともなる。
【0054】
パターン2やパターン3のキャップでは、色を識別するための撮像方向によって、異なる色に識別される可能性があり、ある単一方向のみからの撮像だけで色を識別するだけでは、色の識別を誤ってしまうことになる。色の識別を誤ってしまうと、白色のキャップ、青色のキャップ、赤色のキャップなどのそれぞれに分別して樹脂材料を再生することができなくなる。
【0055】
一方、シールの貼付を見逃すと、再生される樹脂材料の品質を著しく劣化させてしまう。また、キャップの底面には樹脂製のパッキンがはめ込まれていることもあり、このパッキンによってキャップのベースとなる色と異なる色に判断される可能性もある。
【0056】
いずれの場合でも再生される樹脂材料の品質を劣化させ、キャップの再利用へのモチベーションを下げる。
【0057】
以上のように、キャップには様々な特徴があり、これらの特徴を考慮しながら、色を基準としてキャップを分別する必要がある。
【0058】
(全体概要)
図2は、本発明の実施の形態1におけるキャップ分別装置の斜視図である。
【0059】
図2は、キャップ分別装置が工場などに設置された状態を示している。
【0060】
キャップ分別装置10は、キャップ12を投入するフィーダー11、フィーダー11から送り出されるキャップ12を順々に搬送するコンベア13、キャップ12の第1方向から視認される色を判断して第1色結果を出力する第1色判断手段14、キャップ12の第2方向から視認される色を判断して第2色結果を出力する第2色判断手段15、分別機16、分別レーン17を備える。
【0061】
キャップ分別装置10は、フィーダー11に投入された多数のキャップ12を、一つずつ並べてコンベア13に送り込む。コンベア13は、キャップ12を一列にした状態で搬送する。コンベア13の途中には、第1色判断手段14の一例としてのフォト検出器が備えられている。
【0062】
フォト検出器は、キャップ12を第1方向から撮像する。フォト検出器は、キャップ12の第1方向から撮像した画像をスペクトラム解析する。すなわち、波長とゲインとの対応関係を生成する。物体の色は波長によって定まる。波長が長い場合には、その物体の色は赤色に近く、波長が短い場合には、その物体の色は青色に近い。フォト検出器は、キャップ12の第1方向から撮像した画像(実際に撮像を必要とするわけではなく、スペクトラム解析できれば良い)から得られるピークのゲインを示す波長の値より、キャップの第1方向から視認される色を判断する。フォト検出器は、判断した色を、第1色結果として出力する。
【0063】
ここで、第1方向は好ましくはキャップの側面を視認する方向である。フォト検出器は、キャップ12の側面から撮像する。撮像される画像には、キャップ12の側面が映されておりフォト検出器は、キャップ12の側面の色を、第1色結果として判断する。フォト検出器は、キャップ12の側面を撮像するために、コンベア13を流れるキャップ12の横に設置されると良い。
【0064】
図1を用いて説明したとおり、キャップの色は、側面にそのベースとなる色が現れる。上面や底面は、キャップのベースの色と異なる色を表すことも多い。このため、第1色判断手段14は、キャップ12の側面の色を識別することが好ましい。この第1色判断手段14における第1色結果によって、キャップのベースとなる色が判断される。
【0065】
また、キャップ分別装置10は、キャップ12の第2方向の色を判断する第2色判断手段15を備える。図2では、第2色判断手段15の一例としてのカラーカメラが示されている。
【0066】
カラーカメラは、キャップ12を第2方向から撮像する。ここで、第2方向は第1方向と異なる方向である。カラーカメラは、キャップ12の第2方向から撮像した画像をスペクトラム解析する。すなわち、波長とゲインとの対応関係を生成する。カラーカメラは、キャップ12の第2方向から撮像した画像(実際に撮像を必要とするわけではなく、スペクトラム解析できれば良い)から得られるピークのゲインを示す波長の値より、キャップの第2方向から視認される色を判断する。カラーカメラは、判断した色を、第2色結果として出力する。
【0067】
ここで、第2方向は好ましくはキャップの上面を視認する方向である。カラーカメラは、キャップ12の上面から撮像する。撮像される画像には、キャップ12の上面が映されておりカラーカメラは、キャップ12の上面の色を、第2色結果として判断する。カラーカメラは、キャップ12の上面を撮像するために、コンベア13を流れるキャップ12の上方に設置されると良い。
【0068】
第2色結果は、キャップ12の上面の色を判断した結果である。このため、キャップ上面に印刷面があるとこの印刷面によって生じる色によって、第2色結果は、第1色結果と異なる結果となることもある。この場合には、種々の判断基準によって、キャップが分別されれば良い。
【0069】
キャップ分別装置10は、識別手段(カラーカメラ内部もしくはフォト検出器内部に設けられればよい)を更に備える。
【0070】
識別手段は、第1色結果と第2色結果とに基づいて、キャップ12を色に基づいて分別する。例えば、赤、白、緑、灰、青、黄などに分別する。
【0071】
識別手段によって色が分別されたキャップ12は、分別機16によって、分別レーン17の対応するレーンに投入される。分別レーン17は、分別する種類に対応する個数のレーンを備えており、図2のキャップ分別装置10の分別レーン17は、赤、白、緑、灰、青、黄の6種類のレーンを備えている。
【0072】
分別機16は、例えば赤として識別されたキャップを赤のレーンに送風や送り出し機構によって投入する。このとき、コンベア13の搬送速度とキャップ12の数などから、どの順番にあるキャップがどの色に識別されたかが判断される。分別機16は、この判断結果に従って、識別手段が分別したとおりに、キャップ12を分別レーン17に投入する。分別機16は、色の識別されたキャップ12を分別レーン17に分配するには、公知の技術を用いてよい。
【0073】
このように、キャップ分別装置10は、第1方向から判断されたキャップの色を示す第1色結果と、第2方向から判断されたキャップの色を示す第2色結果の両方に基づいて、キャップを分別する。第1方向と第2方向の両方で、キャップの色を最終判断することで、高い精度での分別が可能となる。
【0074】
(詳細説明)
次に、キャップ分別装置の詳細について説明する。
【0075】
図3は、本発明の実施の形態1におけるキャップ分別装置のブロック図である。
【0076】
キャップ分別装置10は、第1色判断手段14、第2色判断手段15、識別手段20を備える。
【0077】
(第1色判断手段)
まず、第1色判断手段14について説明する。
【0078】
第1色判断手段14は、キャップ12の第1方向から視認される色を判断して、第1色結果を識別手段20に出力する。
【0079】
第1色判断手段14は、キャップ12を第1方向から撮像する第1撮像部21と、第1撮像部21で撮像された画像の波長から、キャップ12の第1方向における色を判断する第1判断部26を備える。ここで、第1方向は、キャップ12の側面23を視認する方向であることが好ましい。上述の通り、キャップ12の側面には、印刷面やシールが張られていることがなく、キャップのベースとなる色が高い確率で表れる。このため、第1方向はキャップ12の側面23を視認する方向であることが好ましい。
【0080】
撮像部21は、キャップ12を側面23から撮像する。
【0081】
ここで、撮像部21は、キャップ12の両側面を撮像することが好ましい。片方の側面だけの撮像であると、反射光やストロボ光の映りこみによって色の判断に狂いが生じる可能性があるからである。
【0082】
図4は、本発明の実施の形態1における第1撮像部による撮像を示す斜視図である。
【0083】
図4は、二つの第1撮像部21a、21bが、キャップ12の両側面23a、23bとを撮像する状態を示している。2つの第1撮像部21a、21bによって、キャップ12の側面23aと側面23bとのそれぞれが撮像される。この2つの撮像画像のスペクトラム解析によって、キャップ12の側面の色が判断できる。両側面の撮像画像からキャップ12の側面の色を判断することで、第1判断部26は、高い精度で色を判断できる。
【0084】
図4のように、2つの第1撮像部21a、21bを用いると、コストがUPする問題もある。これを解決するために、図5に示されるように側面の一方については、反射鏡に映る画像が撮像されることでもよい。図5は、本発明の実施の形態1における第1撮像部による撮像を示す斜視図である。
【0085】
キャップ12の側面23b側には、側面23bを映す反射鏡30が設置される。第1撮像部21は、側面23aを直接的に視認して撮像し、反射鏡30に映る側面23bの写像31を撮像する。このとき、第1撮像部21は、写像31を撮像できることで、1台の装置だけで対向する両側面23a、23bを撮像できる。
【0086】
第1判断部26は、第1撮像部21が撮像した画像をスペクトラム解析する。
【0087】
スペクトラム解析によって、波長とゲインとの関係が得られる。この関係からゲインが最大となる波長の値を検出する。ゲインがピークを示す波長の値と物体の色とは一般的な対応関係が知られている。第1判断部26は、この対応関係に基づいてキャップ12の側面23の色を判断する。
【0088】
ここで、側面23aと側面23bとが示す波長ピークの位置が、略同一であれば、第1判断部26は、その波長の値からキャップ12の側面23の色をそのまま判断できる。
【0089】
一方、側面23aと側面23bとが示す波長ピークの位置が、異なる場合には、
(1)ピークにおけるゲインの値の大きい方の波長の値に基づいて色を判断する、
(2)ピーク位置の中央の波長の値に基づいて色を判断する、
(3)ピーク位置とそれぞれのピーク位置でのゲインの値から補間された位置の波長の値から色を判断する、
などの手段で、第1判断部26はキャップ12の側面23の色を判断する。
【0090】
第1判断部26は、判断した色を、第1色結果として識別手段20に出力する。例えば、キャップ12の側面の色が、「赤」であるあるいは「白」である、などの情報を含む第1色結果を出力する。キャップは、その側面にベースとなる色が表れる特徴を有しているので、第1色結果によって、識別手段20は、キャップ12のベースとなる色を識別できる。すなわち、キャップ分別装置10は、第1色結果によって、キャップのベースとなる色を識別できる。
【0091】
ここで、第1判断部26は、所定ビット数を有するデジタルデータとして、第1色結果を識別手段20に出力すればよい。
【0092】
なお、第1色判断手段14は、キャップ12の片方の側面からのみでキャップ12の側面の色を判断してもよい。
【0093】
(第2色判断手段)
次に、第2色判断手段15について説明する。
【0094】
第2色判断手段15は、キャップ12の第2方向から視認される色を判断して、第2色結果を識別手段20に出力する。
【0095】
第2色判断手段15は、キャップ12を第2方向から撮像する第2撮像部22と、第2撮像部22で撮像された画像の波長から、キャップ12の第2方向における色を判断する第2判断部27を備える。ここで、第2方向は、キャップ12の上面24を視認する方向であることが好ましい。上述の通り、キャップ12の上面24には、印刷面やシールが張られていることがあり、キャップ12本来の色を見誤らせる原因となりうるからである。また、印刷面の量やシールに代表される異物の有無によっては、分別対象から外して、廃棄すべきキャップである場合もあるからである。
【0096】
図6は、本発明の実施の形態1における第2撮像部がキャップ上面を撮像する状態を示す説明図である。第2撮像部22は、キャップ12の上面24を撮像する。このためには、コンベアを流れるキャップ12の上から第2撮像部22は、キャップ12を撮像すればよい。
【0097】
第2撮像部22は、キャップ12の上面24の画像を撮像する。第2判断部27は、上面24の画像をスペクトラム解析し、キャップ上面24の色を判断する。第2判断部27は、判断した色を第2色結果として識別手段20に出力する。
【0098】
ここで、キャップ12の上面24は、印刷面を有していることがある。印刷面がある場合には、上面24のスペクトラム解析の結果は、図7に示すように複数のピーク位置を示すことになる。印刷面は、キャップ12のベースの色と異なる色を有するからである。図7は、本発明の実施の形態1における上面画像のスペクトラム解析結果である。
【0099】
この場合には、第2判断部27は、
(1)複数の色を有するとの情報、
(2)複数の色は、それぞれどのような色であるかの情報、
(3)複数の色を有するが、そのゲイン値から見てベースの色に影響を与えるほどではない、
(4)複数の色を有し、ゲイン値から見て、ベースの色に影響を与える、
などの情報を、第2色結果として出力する。例えば、第2色結果が(4)の情報を含んでいる場合には、識別手段20は、当該キャップを「再利用の対象外」として分別してもよい。また、第2色結果が(2)や(3)の情報を含んでいる場合には、識別手段20は、再利用において他のキャップを混合しても問題ないと判断して、第1色結果から得られるベースの色に、当該キャップを分類しても良い。
【0100】
実際的には、印刷面はキャップ12の上面24の一部かつ表面のみを占めるに過ぎず、印刷面の色は、キャップを溶融させて再生する樹脂材料の色味へ大きな影響を与えない。このため、第2判断部27が、キャップ上面24に印刷面があることを判断した場合でも、識別手段20は、第1色結果を優先して、キャップの色を識別しても良い。
【0101】
次に、キャップ12の上面24には、シールが貼付されていることが多い。シールは、紙製であることが多く、他のキャップと一緒に溶融されて、樹脂材料に再生されると、樹脂材料の品質を劣化させる。
【0102】
第2判断部27は、上面24にシールが貼付されていることを判断することが重要である。勿論、コンベアに投入する多数のキャップ12から、予め人的作業でシールを取り外しておくことも考えられるが、これではキャップの再利用コストが増大してしまう。キャップの色を識別する際に、シールなどの異物の有無も自動で検出できることが好ましい。
【0103】
第2判断部27は、様々な手段で、シールなどの異物を検出する。
【0104】
(判断手段その1)
第2判断部27は、上面24の画像のスペクトラム解析から、所定数以上のピークが存在することを基準に、異物の有無を判断する。
【0105】
図8は、本発明の実施の形態1における上面画像のスペクトラム解析結果である。図8に示されるように、あるキャップの上面24は、異なる波長の値において3以上のピークを有する。
【0106】
キャップの上面24に印刷面が設けられているとしても、印刷面は1色かせいぜい2色程度であることが多い。このため、ベースの色と合わせても、上面24の色は、2色ないしは3色程度がほとんどである。一方、シールは、いろいろな情報を記載している上に、シールそのもののベースの色も有する。このため、シールが貼付されている場合には、上面24は3色以上を有することがほとんどになる。
【0107】
このため、上面24の画像のスペクトラム解析によって、3以上の波長のピーク値が存在する場合(すなわち3色以上を有する)には、シールなどの異物があるものと、第2判断部27は、判断する。勿論、所定数は、3個でもよいし4個以上でも良い。要は、ピークを示す波長の値が3以上あるいは4以上などの所定数以上である場合に、第2判断部27は、印刷面ではなく、シールなどの異物が貼付されているものと判断する。
【0108】
このような異物を含むとの情報は、異物情報として第2色結果に含まれて識別手段20に出力される。識別手段20は、この異物を含むとの情報に基づいて、当該キャップを再利用しないものとして分別する。あるいは、キャップの色を識別不能として分別する。
【0109】
なお、上面24が、所定数以上の波長のピークを有する場合であっても、シールなどの異物ではなく印刷面が原因であることもある。このような場合には、識別不能として分別されたキャップ(分別された後なので、その個数は少ないはずである)を、人的手段によって再分別したり、異物を取り除くなどしたりしても良い。
【0110】
(判断手段その2)
第2判断部27は、上面24の光透過率によって、異物の有無を判断しても良い。
【0111】
第2撮像部22は、キャップ12の上面24を撮像するために、ストロボ光を照射する。このとき、ストロボ光と撮像レンズでキャップ12の上面24を挟むことで、第2撮像部22は、上面24の光透過状態を撮像できる。キャップ12の上面24の裏側から照射されたストロボ光を、第2撮像部22が撮像することで、ストロボ光が上面24をどの程度通過したかが判別できるからである。
【0112】
一般にシールは紙製であって、キャップはポリプロピレンなどの樹脂製である。ポリプロピレンは、紙よりも光の透過率が高い。樹脂の結晶構造と紙の結晶構造の相違によるものである。
【0113】
シールは、上面24の略中央部に貼付されていることがほとんどである。シールそのものは、需要者への情報提供であって、小さな上面24の周縁部に貼付する理屈が無いからである。
【0114】
第2判断部27は、上面24の光透過率を解析する。シールが貼付されている場合には、図9に示されるように、略中央部40の光透過率は、周縁部41の光透過率よりも低いはずである。貼付されているシールによって、略中央部40では、光の透過が妨げられるからである。
【0115】
このように、第2判断部27は、上面24の略中央部40における光透過率が、周縁部41の光透過率よりも低いことを基準に、異物の有無を判断する。
【0116】
図9は、本発明の実施の形態1における上面の光透過率を示す説明図である。
【0117】
第2判断部27は、判断手段その1、その2で判断した「異物の有無」を、異物情報として第2色結果に含めて識別手段20に出力する。
【0118】
以上のように、第2色判断手段15は、キャップ12の上面24の色および異物情報を含んだ第2色結果を、識別手段20に出力する。
【0119】
なお、異物の有無の判断は、これら以外の手段を用いてもよい。
【0120】
第1判断部26、第2判断部27における色の判断手法には、スペクトラム解析による波長に基づく以外に、種々の公知の手法を用いることができる。
【0121】
また、第1撮像部21、第2撮像部22は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどの撮像機能を有する装置を用いればよい。あるいは、レンズと撮像機能を有する素子からなる装置でも良い。撮像された画像を記録する機能は無くてもよい。例えば、工場のラインにおいて物品の良/不良を識別する撮像装置が流用されても良い。
【0122】
(識別手段)
次に、識別手段20での、キャップの色の識別について説明する。
【0123】
識別手段20は、第1色結果および第2色結果に基づいて、キャップの色を識別し、最終的に色に基づいてキャップを分類する。例えば、「赤色」、「青色」「白色」、「灰色」、「黄色」、「ピンク色」などの分類によって、キャップが分別される。同じ色分類として分別されたキャップは、回収されて溶融され、所定の処理を経て、再利用される樹脂材料に再生される。この際に、本来であれば異なる色を有するキャップが、ある色分類のキャップに混在してしまうと、再生される樹脂材料の色味に悪影響を与える。
【0124】
このため、識別手段20は、高い精度で、キャップの色を識別する必要を有する。
【0125】
第1色結果および第2色結果のそれぞれは、第1判断部26および第2判断部27のそれぞれで判断された色情報および異物情報を含んでいる。識別手段20は、この第1色結果および第2色結果の含む色情報と異物情報との組み合わせに基づいて、キャップの色を識別する。
【0126】
このように、異なる方向である第1方向と第2方向から得られる色情報と異物情報との組み合わせに基づくことで、識別手段20は、キャップの色を高い精度で識別できる。
【0127】
図10は、本発明の実施の形態1における識別手段での判定パターンを定義づける判定テーブルである。第1色結果および第2色結果の組み合わせによって、識別手段20が最終的に判断する結果が定められる。
【0128】
図10では、第1色結果が赤であることを例として説明している。なお、図10に示されるテーブルは、識別手段20での判断基準の一例であって、これに限定されるものではない。
【0129】
(パターン1)
パターン1では、第1色結果(すなわち、キャップの側面の色)は、赤色であるとの色情報を有し、第2色結果(すなわちキャップの上面の色)は、赤色であるとの色情報を有している。
【0130】
この組み合わせによれば、キャップのベースとしての色である側面の色に加えて、上面の色も同一色である「赤色」と判断されているので、キャップの色は全体を通して赤色と見てよい。このため、識別手段20は、キャップの色を赤色として識別する。
【0131】
このように、識別手段は、第1色結果の有する色情報と第2色結果の有する色情報の両方が、同じ色を示している場合には、第1色結果もしくは第2色結果の示す色(図10では赤色)をキャップの色として識別する。
【0132】
(パターン2)
パターンで2は、第1色結果(すなわち、キャップの側面の色)は、赤色であるとの色情報を有し、第2色結果(すなわちキャップの上面の色)は、赤色(70%)および青色(30%)であるとの色情報を有している。
【0133】
第1色結果と第2色結果の含む色情報の示す色が異なる場合には、識別手段20は、一つの手法として第1色結果を優先する。第1色結果はキャップの側面の色を示しており、キャップのベースとなる色は側面に大きく表れるからである。第2色結果は、30%の青色を含んでいることを示しているが、この青色はキャップの素材そのものの色(ベースとなる色)ではなく、上面に設けられた印刷面の色であると考えられる。印刷面は、表面のみに色を有するだけで、キャップの総体積において占める割合は非常に小さい。
【0134】
このため、キャップを溶融して樹脂材料を再生する場合への、印刷面の色の影響度は小さいと考えられる。すなわち、図10における「青色」の影響度は無視できる。
【0135】
このような経験則から、識別手段20は、第1色結果と第2色結果の示す色が異なる場合でも、第1色結果を優先して、キャップの色を識別する。
【0136】
ここで、第2色結果の示す色において、第1色結果の示す色の割合が多く、その他の色の割合が少ない場合には、キャップ全体に及ぼすその他の色(図10では青色)の影響は非常に小さいと考えられる。
【0137】
図10では、赤色が70%であり青色が30%であると判断されている。これは、第2判断部27が、キャップ上面のスペクトラム解析において、赤色の波長におけるゲインが、青色の波長におけるゲインに対して7:3の比率を有していたことによる。このように上面の色は、70%の赤色と30%の青色を示していることは、青色の影響がほとんど無いことを示している。
【0138】
このように、第1色結果が示す色と異なる色を、第2色結果が含んでいる場合でも、その異なる色の割合が第1色結果の示す色の割合よりも小さい場合に、識別手段20は、第1色結果の示す色をキャップの色として識別する。
【0139】
このように、識別手段20は、第1色結果を優先して、キャップの色を識別してもよいし、第1色結果の示す色と異なる色の比率に基づいて、キャップの色を識別しても良い。
【0140】
(パターン3)
パターン3では、第1色結果(すなわちキャップの側面の色)は赤色であるとの色情報を有し、第2色結果(すなわち、キャップの上面の色)は、赤色(30%)および青色(70%)であるとの色情報を有している。
【0141】
パターン2と異なり、第2色結果の含む色情報は、第1色結果の示す色よりも高い割合の他の色を示す。すなわち、キャップ上面に印刷されている印刷面が含む他の色(図10では白色)がかなりの面積を有している状態であると考えられる。
【0142】
この場合であっても、パターン2と同様に印刷面の影響度は少ないと考えて、第1色結果を優先して、識別手段20がキャップの色を識別しても良い。すなわち、識別手段20は、第1色結果を優先して、キャップを赤色として識別する。
【0143】
一方で、影響度が低いとしても、影響度が全く無いわけでもない。第2色結果は、70%の割合の白色を示していることを考慮すると、キャップを溶融して製造される樹脂材料は、完全な赤色になるとは限らない。
【0144】
このような場合には、赤色と白色との補色であるピンク色として、識別手段20は、キャップの色を識別することも好適である。再生される樹脂材料の色分類をより細かな段階で分別できれば、樹脂材料の用途が飛躍的に広がるからである。
【0145】
なお、第2色結果の示す赤色と白色との割合は、パターン2の場合と同じく、上面のスペクトラム解析が示す赤色と白色の波長のピーク値の比率によって決定される。
【0146】
このように、識別手段20は、第1色結果と第2色結果の示す色が異なる場合に、第2色結果の示す複数の色の割合に基づいて、キャップの色を異なる色同士の補色であると識別することも好適である。
【0147】
(パターン4)
パターン4では、第1色結果(すなわちキャップの側面の色)は、赤色であるとの色情報を有し、第2色結果(すなわちキャップの上面の色)は、3色以上なので異物有りとの異物情報を有している。
【0148】
第2判断部27は、キャップ上面のスペクトラム解析において3以上の波長においてピーク値を検出したことで、キャップ上面に異物があると判断している。このため第2判断部27は、異物ありとの異物情報を第2色結果として識別手段20に出力している。
【0149】
識別手段20は、この異物情報によって、当該キャップは識別不能であるとして識別する。言い換えると、どの色にも分類せず、廃棄するか、手作業で異物を取り除くか、再び分別処理を行うかに分別する。
【0150】
このため、赤や青などのどの色にも属さない分別レーンを設けておき、この分別レーンに配分される。このその他の分別レーンに配分されたキャップは、手作業の異物チェックを受けて処理される。
【0151】
なお、パターン4では、異物情報によって異物有りと通知されているので、当該キャップを識別不能として分別したが、第1色結果を優先して第1色結果が示す色に合わせて分別しても良い。これらは、キャップ分別装置の仕様に応じて適宜定まればよい。
【0152】
(パターン5)
パターン5では、第1色結果(すなわちキャップの側面の色)は、赤色であるとの色情報を有し、第2色結果(すなわちキャップ上面の色)は、光透過率の結果より異物ありとの異物情報を有している。
【0153】
第2判断部27は、キャップ上面の光透過率の検査において、略中央部の光透過率が周縁部の光透過率よりも低いことで、キャップ上面に異物があると判断している。この異物ありとの異物情報を、第2色結果として、識別手段20に出力する。
【0154】
識別手段20は、この異物情報によって、当該キャップは識別不能であるとして識別する。言い換えると、どの色にも分類せず、廃棄するか、手作業で異物を取り除くか、再び分別処理を行うかに分別する。
【0155】
このため、赤や青などのどの色にも属さない分別レーンを設けておき、この分別レーンに配分される。このその他の分別レーンに配分されたキャップは、手作業の異物チェックを受けて処理される。
【0156】
なお、パターン4と同様に、仕様によっては第1色結果を優先した分別を行っても良い。
【0157】
ここで説明したパターン1〜パターン5は、一例であり、第1色結果と第2色結果とを適宜組み合わせて、識別手段20は、キャップを分別できる。
【0158】
以上のように、実施の形態1におけるキャップ分別装置は、第1色結果と第2色結果の両方の組み合わせによって、高い精度でキャップを色に基づいて分類できる。
【0159】
この結果、同一色のキャップのみが集められ、集められたキャップが溶融されて樹脂材料に再生される。この再生された樹脂材料は、分別された色を有し、広い用途で用いられる。このため、色が混ざったままで再生された樹脂材料よりも使い勝手がよく、キャップの再利用へのモチベーションが高まる。加えて、色に基づいてキャップを分別する作業が、人的作業ではなく自動で行われるので、樹脂材料の再生コストが下がり、この点でもキャップの再利用へのモチベーションが高まる。
【0160】
(実施の形態2)
次に実施の形態2について説明する。
【0161】
図11は、本発明の実施の形態2におけるキャップ分類装置に一部分を示す説明図である。図11の上側は、コンベアで搬送されるキャップを上から見た状態を、図11の下側は、コンベアで搬送されるキャップを横から見た状態を示している。
【0162】
図2で説明したように、キャップ分別装置は、多数のキャップを搬送するコンベア50を有していても良い。コンベア50の上を、順々にキャップが移動する。
【0163】
キャップ51とキャップ52は同じキャップであり、コンベア50が右から左に向けてキャップを搬送している前後状態を示している。キャップ51は、裏向き(底面を上に向けている)の状態である。コンベア50にキャップが投入された際に、裏向きになって搬送されているからである。
【0164】
キャップ51は底面を上に見せているので、第2色判断手段は、キャップの底面を撮像してしまい、底面側の色を判断することになってしまう。底面側には、パッキンが嵌められていることがあり、このパッキンはキャップのベースとなる色と異なるため、第2色判断手段は、本来の色と異なる色として判断する可能性もある。加えて、キャップ上面には、シールや印刷面など、キャップの分別において問題となる要素が多くあり、これらを判断しないままに分別することは良くない。
【0165】
一方で、第2判断手段が備える第2撮像部は、コンベアを流れるキャップを上方から撮像するように設置されているので、コンベア50を流れるキャップが、キャップ51のように底面を上に見せていると、キャップ上面を撮像できない。そのままコンベア50をキャップ51が流れてしまうと、第2色判断手段は、キャップの底面の色の判断結果を第2色結果として識別手段に出力することになってしまう。
【0166】
コンベア50は、反転装置53を備える。
【0167】
反転装置53は、キャップの天地を揃える。キャップ51は底面を上に見せているので、この天地をひっくり返すことで、キャップ52のようにキャップの上面を上に見せるようになる。
【0168】
反転装置53は、コンベア50の底面から突出を繰り返す突き出し棒を備えればよい。コンベア50を流れるキャップが底面を上に見せている場合には、上面がコンベア50と接する。このため、コンベア50の底面から突出される突き出し棒が、この上面に当たって、キャップがひっくり返る。
【0169】
一方、キャップ52のように、キャップの上面を上に見せている場合には、コンベア50には、キャップの底面が接する。キャップの底面側は、当然ながら窪みを持っているので、突き出し棒が当たらない(突き出し棒は、キャップの内部空間に入るだけである)。このため、キャップはひっくり返ることなく、上面を上に見せたままである。
【0170】
このようなキャップの反転装置53を備えることで、第2色判断手段は、常にキャップ上面を撮像しつつその色や異物を判断できる。
【0171】
なお、突き出し棒に持ち上げられたキャップに風を送って、キャップをひっくり返しやすくする機構を、反転装置53が更に備えることも好適である。
【0172】
以上のように、実施の形態2のキャップ分別装置は、コンベア50を流れるキャップが常に上面を上に向けることができ、キャップの分別の精度を向上させる。
【0173】
また、図には示していないが、キャップの上面を撮像して色を判断する第2色判断手段に加えて、キャップの底面を撮像して色を判断する第3色判断手段を設けることも好適である。キャップの底面にはパッキンがはめ込まれていることがあり、このパッキンがキャップのベースとなる色と異なることがあるからである。
【0174】
このようになると、キャップの側面、キャップの上面、キャップの底面の全ての色判断を合わせた上で、キャップ分別装置は、キャップの色を識別できる。例えば、底面に存在するパッキンの色が、側面で判断されたキャップのベースとなる色と大きく異なる場合には、識別不能として識別しても良いし、ベースの色とパッキンの色(側面から判断された色と底面から判断された色)との混合色として識別しても良い。あるいは、側面の色、上面の色、底面の色の全ての混合色として、キャップ分別装置は、キャップの色を分別しても良い。
【0175】
このような第3色判断手段を設ける場合には、反転装置53の前後に、第2色判断手段と第3色判断手段とを設けることで、それぞれ上面と底面とが確実に撮像できる。キャップを反転させる反転装置53によって、キャップの撮像方向が更に増加し、キャップの色識別の精度が向上する。
【0176】
実施の形態1、2で説明したキャップ分別装置は、一例であって、本発明の趣旨を逸脱しない他の形態をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明の実施の形態1におけるキャップの特徴を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるキャップ分別装置の斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1におけるキャップ分別装置のブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1における第1撮像部による撮像を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態1における第1撮像部による撮像を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態1における第2撮像部がキャップ上面を撮像する状態を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1における上面画像のスペクトラム解析結果である。
【図8】本発明の実施の形態1における上面画像のスペクトラム解析結果である。
【図9】本発明の実施の形態1における上面の光透過率を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態1における識別手段での判定パターンを定義づける判定テーブルである。
【図11】本発明の実施の形態2におけるキャップ分類装置に一部分を示す説明図である。
【符号の説明】
【0178】
10 キャップ分別装置
11 フィーダー
12 キャップ
13 コンベア
14 第1色判断手段
15 第2色判断手段
20 識別手段
21 第1撮像部
22 第2撮像部
23 側面
24 上面
26 第1判断部
27 第2判断部
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器のキャップ、特にペットボトルのキャップを、色を基準に識別して分別するキャップ分別装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
現代社会において、人々の生活を支える様々な物品は、プラスチック樹脂などで作られている。高度成長期においては、これらプラスチック樹脂で作られた樹脂製品は、使用後においては焼却処理や埋め立て処理によって廃棄されていた。
【0003】
しかしながら、近年の原油高騰や原材料不足などにより、樹脂製品の再利用が求められている。また、原油を精製し、精製された原料からプラスチック樹脂を製造する工程は、大気中に多くの二酸化炭素を排出することになる。近年では、二酸化炭素の排出量の削減が求められており、この観点からも、樹脂製品の再利用が求められている。
【0004】
このような社会環境において、プラスチック製品、ペットボトルなどの分別回収および回収された製品の再利用が行われている。
【0005】
ところが、容器のキャップ特にペットボトルのキャップは、ペットボトル本体のPET素材と異なるので、一般ごみとして回収されることが多い。このため、ペットボトルのキャップは再利用されることが少ない問題があった。
【0006】
このような状況を解決するために、ペットボトルのキャップを回収して再利用商品を製造し、そこから得られる利益の一部を発展途上国やその他の便益に役立てるボランティア活動などが始まりつつある。
【0007】
従来はペットボトルのキャップをはじめとする容器のキャップは、再利用や回収を意図されておらず、その分別についての技術提案も少ない。例えば、容器キャップの形状と色を、撮像した画像と経験的データ値とから判断する技術が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−86000号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ペットボトルは透明であることが多く、その他の樹脂製品も単色に印刷された包装が取り付けられているだけであるので、分類は容易である。
【0009】
一方、ペットボトルのキャップは、様々な色を有していたり、印刷を有していたり、上面にシールが貼付されていたりする。異なる色のキャップを一緒に溶融して樹脂材料として再生する場合には、ばらばらの色味を有する樹脂材料となってしまい、再利用のフレキシビリティを低減させる問題がある。あるいは、シールはキャップとは異なる素材であり、シールの貼付されたキャップを一緒に溶融させると、品質の劣る樹脂材料を再生してしまう問題がある。
【0010】
加えて、ペットボトルのキャップは、上面に印刷やシールがあったり、内部にパッキンがあったりして、色識別を困難にさせている。
【0011】
特許文献1に開示される技術では、ある方向から見た場合だけでキャップの色を判断しており、印刷やシールなどによって間違った色識別をしてしまう問題がある。また、シールが貼付されたキャップをそのまま再利用の材料として識別してしまうので、品質の劣る樹脂材料を製造する問題もある。また、特許文献1の技術では、一つのキャップに関して、複数の色を有すると判断した場合の分別方式が不明瞭である問題もある。
【0012】
すなわち、特許文献1の技術は、印刷やシールなどのあるペットボトルをはじめとする容器のキャップの特徴を考慮した色識別をできない。
【0013】
本発明は、以上の課題に鑑み、容器のキャップ、特にペットボトルのキャップの特徴を考慮して、高い精度でキャップの色を識別できるキャップ分別装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題に鑑み、本発明のキャップ分別装置は、容器のキャップの第1方向から視認される色を判断して、第1色結果を出力する第1色判断手段と、第1方向と異なる第2方向から視認されるキャップの色を判断して、第2色結果を出力する第2色判断手段と、第1色結果および第2色結果に基づいて、キャップの色を識別する識別手段と、を備える、キャップの色に基づいてキャップを分別する。
【発明の効果】
【0015】
本発明のキャップ分別装置は、異なる特徴を有する異なる角度からの色判断を総合してキャップの色を最終的に決定できる。このため、キャップ分別装置は、高い精度でキャップの色を識別できる。
【0016】
キャップの色識別の精度が高いことで、分別されたキャップから樹脂材料を再生する場合に、色が確実に分類された樹脂材料が提供できる。また、シールなどの異物を有するキャップを、再利用するキャップと分けることができるので、再利用するために製造される樹脂材料に不純物を混入させずに済む。結果として、回収したキャップから製造される樹脂材料の品質が向上し、樹脂材料の再利用価値が高まる。
【0017】
キャップ分別装置が高い精度で色を識別できることで、キャップを樹脂材料として再利用する際に、分別コストが低下して樹脂材料としてのキャップの再利用へのモチベーションが高まる。結果としてキャップの再利用率が高まり、地球環境保護に資することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の第1の発明に係るキャップ分別装置は、容器のキャップの第1方向から視認される色を判断して、第1色結果を出力する第1色判断手段と、第1方向と異なる第2方向から視認されるキャップの色を判断して、第2色結果を出力する第2色判断手段と、第1色結果および第2色結果に基づいて、キャップの色を識別する識別手段と、を備え、キャップの色に基づいてキャップを分別する。
【0019】
この構成により、キャップの特徴を考慮した高い精度での分別が可能となる。特に、ペットボトルのキャップの特徴に最適に合致したキャップの分別が可能となる。
【0020】
本発明の第2の発明に係るキャップ分別装置では、第1の発明に加えて、容器のキャップは、ペットボトルのキャップを含む。
【0021】
この構成により、ペットボトルのキャップの特徴に、最適に合致したキャップの分別が可能となる。
【0022】
本発明の第3の発明に係るキャップ分別装置では、第1又は第2の発明に加えて、第1方向はキャップの側面を視認する方向であって、第1色判断手段は、キャップの両側面の側面画像を撮像する第1撮像部と、側面画像の波長から、キャップの側面の色を、第1色結果として判断する第1判断部と、を有する。
【0023】
この構成により、キャップのベースとなる色の出やすい側面での色判断結果を活用して、キャップ分別装置はキャップを分別できる。この結果、キャップ特徴にあわせた分別ができる。
【0024】
本発明の第4の発明に係るキャップ分別装置では、第3の発明に加えて、第1撮像部と対向する位置に反射鏡を有し、第1撮像部は、直接視認可能なキャップの第1側面と、反射鏡に映る第1側面と逆側の第2側面と、を撮像可能である。
【0025】
この構成により、キャップ分別装置の製造コストを低減させることができる。
【0026】
本発明の第5の発明に係るキャップ分別装置では、第1から第4のいずれかの発明に加えて、第2方向は、キャップの上面を視認する方向であって、第2色判断手段は、キャップの上面の上面画像を撮像する第2撮像部と、上面画像の波長から、キャップの上面の色を、第2色結果として判断する第2判断部と、を有する。
【0027】
この構成により、印刷面やシールなどキャップの上面に表れやすい特徴をも加味して、キャップを分別できる。
【0028】
本発明の第6の発明に係るキャップ分別装置では、第5の発明に加えて、第2判断部は、上面画像が、所定数以上の波長のピーク値を有する場合に、キャップの上面に異物があると判断する。
【0029】
この構成により、キャップ分別装置は、簡易な手段で、シールなどの異物の存在を判断できる。
【0030】
本発明の第7の発明に係るキャップ分別装置では、第5又は第6の発明に加えて、第2判断部は、上面画像の中央部の光透過率が上面画像の周縁部の光透過率よりも低い場合に、キャップの上面に異物があると判断する。
【0031】
この構成により、キャップ分別装置は、高い確率で、シールなどの異物の存在を判断できる。
【0032】
本発明の第8の発明に係るキャップ分別装置では、第1から第7のいずれかの発明に加えて、第1色結果および第2色結果のそれぞれは、色分類を示す色情報および異物の有無を示す異物情報の少なくとも一つの情報を含む。
【0033】
この構成により、キャップ分別装置は、キャップの特徴のそれぞれに対応した判断で、キャップの色を識別できる。
【0034】
本発明の第9の発明に係るキャップ分別装置では、第8の発明に加えて、第1色結果の示す色分類と第2色結果の示す色分類とが、同一結果を示す場合に、識別手段は、第1色結果および第2色結果のいずれかが示す色分類を、キャップの色として識別する。
【0035】
この構成により、2以上の視点から得られた判断によって、キャップ分別装置は、キャップの色を識別できる。
【0036】
本発明の第10の発明に係るキャップ分別装置では、第8の発明に加えて、第1色結果の示す色分類と第2色結果の示す色分類とが、異なる結果を示す場合に、識別手段は、第1色結果の示す色分類を優先して、キャップの色を識別する。
【0037】
この構成により、キャップのベースとなる色を示す側面での判断結果を優先して、キャップ分別装置は、キャップの色を識別できる。
【0038】
本発明の第11の発明に係るキャップ分別装置では、第8の発明に加えて、第1色結果の示す色分類と第2色結果の示す色分類とが、異なる結果を示す場合に、識別手段は、第1色結果の示す色分類と第2色結果の示す色分類の混合色を、キャップの色として識別する。
【0039】
この構成により、更に細かな分別が可能となる。
【0040】
本発明の第12の発明に係るキャップ分別装置では、第8の発明に加えて、識別手段は、第2色結果が異物有りとの判断を示す場合に、キャップの色を識別不能として識別する。
【0041】
この構成により、異物のあるキャップを、再利用から除外でき、再生する樹脂材料の品質劣化を防止できる。
【0042】
本発明の第13の発明に係るキャップ分別装置では、第1から第12のいずれかの発明に加えて、キャップを搬送するコンベアと、コンベアで搬送されるキャップの天地向きを揃える反転装置を更に備える。
【0043】
この構成により、常にキャップの上面を上方に向けた状態で、キャップ分別装置は、キャップの色を識別できる。
【0044】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明する。
【0045】
(実施の形態1)
まず、容器のキャップの特徴について説明する。ここでは、ペットボトルのキャップを例にとって説明する。なお、キャップのような物体の色を識別するには、これら物体をカメラで撮像して、得られた画像のスペクトラム解析から確認される波長のピーク位置が用いられることが多い。
【0046】
(キャップの特徴)
図1は、本発明の実施の形態1におけるキャップの特徴を示す説明図である。
【0047】
ペットボトルのキャップには、様々な種類がある。図1は、多種多様なキャップから3つのパターンのキャップを示している。図1は、左からパターン1、パターン2、パターン3のキャップを示しており、パターン1〜パターン3のそれぞれにおいて上から順に上面、側面、底面を示している。
【0048】
パターン1は、単色であって上面1、側面2および底面3のいずれにも模様や印刷を有していないキャップを示している。図1では立体的でないので分かりにくいが、底面3はキャップとしての凹みとねじ溝を有している。パターン1のキャップは上面1、側面2、底面3のいずれの方向から視認しても、同一の色を有している。このため、パターン1のキャップが撮像されて、撮像画像のスペクトラム解析から得られる波長のピーク位置は、上面1の画像でも、側面2の画像でも、底面3の画像でも同じである。このため、パターン1のキャップは、どの方向から画像処理されたとしても同じ色として識別されやすい。
【0049】
パターン2は、上面に印刷文字を有するキャップを示している。側面6と底面7とは、同じ色を有している。キャップの上面4には、商品名、キャッチコピーなどの文字やマークが印刷されることがあるが、需要者の目につきにくいキャップの側面や底面には、印刷が付されることはほとんど無い。図1においては、パターン2のキャップは、その上面に「緑茶 美味しい」との印刷面5を有している。
【0050】
例えば、パターン2のキャップのベースの色は白であるが、「緑茶 美味しい」との印刷面5が青色であるとする。この場合、側面6と底面7から撮像された画像から得られる波長のピークは同じ(白色が示す波長のピークで略一致する)となるが、上面4から撮像された画像から得られる波長のピークは異なる。あるいは、複数の波長の値においてピークを有することが生じる。または、印刷文字の大きさや色によっては、ベースの色である白色が示すはずのピーク位置と異なる位置にピーク位置を持つことになる。
【0051】
すなわち、パターン2のキャップでは、上面4からの画像処理で識別される色と、側面6(あるいは底面7)からの画像で識別される色とは、異なる識別結果となりうる。
【0052】
次に、パターン3は、上面にシール9が貼付されたキャップを示している。商品の宣伝や当たりくじなど、キャップの上面にはシール9が貼られることも多い。キャップはポリプロピレンなどの樹脂製であって、ペットボトルのキャップであれば商品の別なく同一素材であることがほとんどであるが、シール9は紙製であって、本来は焼却廃棄されるものであってキャップと共に再利用されるものではない。キャップと一緒にシール9が溶融されて樹脂材料が製造されると、この樹脂材料の品質が著しく劣化して、樹脂材料が使い物にならなくなってしまう。このようなシール9の貼られたキャップが混在していると、キャップの再利用が困難となり、再利用へのモチベーションが下がることにもなる。
【0053】
また、シール9は上面8のベースの色と異なる色を有していることが多く、シール9の存在によって、キャップの上面の本来の色と異なる色として識別されることの原因ともなる。
【0054】
パターン2やパターン3のキャップでは、色を識別するための撮像方向によって、異なる色に識別される可能性があり、ある単一方向のみからの撮像だけで色を識別するだけでは、色の識別を誤ってしまうことになる。色の識別を誤ってしまうと、白色のキャップ、青色のキャップ、赤色のキャップなどのそれぞれに分別して樹脂材料を再生することができなくなる。
【0055】
一方、シールの貼付を見逃すと、再生される樹脂材料の品質を著しく劣化させてしまう。また、キャップの底面には樹脂製のパッキンがはめ込まれていることもあり、このパッキンによってキャップのベースとなる色と異なる色に判断される可能性もある。
【0056】
いずれの場合でも再生される樹脂材料の品質を劣化させ、キャップの再利用へのモチベーションを下げる。
【0057】
以上のように、キャップには様々な特徴があり、これらの特徴を考慮しながら、色を基準としてキャップを分別する必要がある。
【0058】
(全体概要)
図2は、本発明の実施の形態1におけるキャップ分別装置の斜視図である。
【0059】
図2は、キャップ分別装置が工場などに設置された状態を示している。
【0060】
キャップ分別装置10は、キャップ12を投入するフィーダー11、フィーダー11から送り出されるキャップ12を順々に搬送するコンベア13、キャップ12の第1方向から視認される色を判断して第1色結果を出力する第1色判断手段14、キャップ12の第2方向から視認される色を判断して第2色結果を出力する第2色判断手段15、分別機16、分別レーン17を備える。
【0061】
キャップ分別装置10は、フィーダー11に投入された多数のキャップ12を、一つずつ並べてコンベア13に送り込む。コンベア13は、キャップ12を一列にした状態で搬送する。コンベア13の途中には、第1色判断手段14の一例としてのフォト検出器が備えられている。
【0062】
フォト検出器は、キャップ12を第1方向から撮像する。フォト検出器は、キャップ12の第1方向から撮像した画像をスペクトラム解析する。すなわち、波長とゲインとの対応関係を生成する。物体の色は波長によって定まる。波長が長い場合には、その物体の色は赤色に近く、波長が短い場合には、その物体の色は青色に近い。フォト検出器は、キャップ12の第1方向から撮像した画像(実際に撮像を必要とするわけではなく、スペクトラム解析できれば良い)から得られるピークのゲインを示す波長の値より、キャップの第1方向から視認される色を判断する。フォト検出器は、判断した色を、第1色結果として出力する。
【0063】
ここで、第1方向は好ましくはキャップの側面を視認する方向である。フォト検出器は、キャップ12の側面から撮像する。撮像される画像には、キャップ12の側面が映されておりフォト検出器は、キャップ12の側面の色を、第1色結果として判断する。フォト検出器は、キャップ12の側面を撮像するために、コンベア13を流れるキャップ12の横に設置されると良い。
【0064】
図1を用いて説明したとおり、キャップの色は、側面にそのベースとなる色が現れる。上面や底面は、キャップのベースの色と異なる色を表すことも多い。このため、第1色判断手段14は、キャップ12の側面の色を識別することが好ましい。この第1色判断手段14における第1色結果によって、キャップのベースとなる色が判断される。
【0065】
また、キャップ分別装置10は、キャップ12の第2方向の色を判断する第2色判断手段15を備える。図2では、第2色判断手段15の一例としてのカラーカメラが示されている。
【0066】
カラーカメラは、キャップ12を第2方向から撮像する。ここで、第2方向は第1方向と異なる方向である。カラーカメラは、キャップ12の第2方向から撮像した画像をスペクトラム解析する。すなわち、波長とゲインとの対応関係を生成する。カラーカメラは、キャップ12の第2方向から撮像した画像(実際に撮像を必要とするわけではなく、スペクトラム解析できれば良い)から得られるピークのゲインを示す波長の値より、キャップの第2方向から視認される色を判断する。カラーカメラは、判断した色を、第2色結果として出力する。
【0067】
ここで、第2方向は好ましくはキャップの上面を視認する方向である。カラーカメラは、キャップ12の上面から撮像する。撮像される画像には、キャップ12の上面が映されておりカラーカメラは、キャップ12の上面の色を、第2色結果として判断する。カラーカメラは、キャップ12の上面を撮像するために、コンベア13を流れるキャップ12の上方に設置されると良い。
【0068】
第2色結果は、キャップ12の上面の色を判断した結果である。このため、キャップ上面に印刷面があるとこの印刷面によって生じる色によって、第2色結果は、第1色結果と異なる結果となることもある。この場合には、種々の判断基準によって、キャップが分別されれば良い。
【0069】
キャップ分別装置10は、識別手段(カラーカメラ内部もしくはフォト検出器内部に設けられればよい)を更に備える。
【0070】
識別手段は、第1色結果と第2色結果とに基づいて、キャップ12を色に基づいて分別する。例えば、赤、白、緑、灰、青、黄などに分別する。
【0071】
識別手段によって色が分別されたキャップ12は、分別機16によって、分別レーン17の対応するレーンに投入される。分別レーン17は、分別する種類に対応する個数のレーンを備えており、図2のキャップ分別装置10の分別レーン17は、赤、白、緑、灰、青、黄の6種類のレーンを備えている。
【0072】
分別機16は、例えば赤として識別されたキャップを赤のレーンに送風や送り出し機構によって投入する。このとき、コンベア13の搬送速度とキャップ12の数などから、どの順番にあるキャップがどの色に識別されたかが判断される。分別機16は、この判断結果に従って、識別手段が分別したとおりに、キャップ12を分別レーン17に投入する。分別機16は、色の識別されたキャップ12を分別レーン17に分配するには、公知の技術を用いてよい。
【0073】
このように、キャップ分別装置10は、第1方向から判断されたキャップの色を示す第1色結果と、第2方向から判断されたキャップの色を示す第2色結果の両方に基づいて、キャップを分別する。第1方向と第2方向の両方で、キャップの色を最終判断することで、高い精度での分別が可能となる。
【0074】
(詳細説明)
次に、キャップ分別装置の詳細について説明する。
【0075】
図3は、本発明の実施の形態1におけるキャップ分別装置のブロック図である。
【0076】
キャップ分別装置10は、第1色判断手段14、第2色判断手段15、識別手段20を備える。
【0077】
(第1色判断手段)
まず、第1色判断手段14について説明する。
【0078】
第1色判断手段14は、キャップ12の第1方向から視認される色を判断して、第1色結果を識別手段20に出力する。
【0079】
第1色判断手段14は、キャップ12を第1方向から撮像する第1撮像部21と、第1撮像部21で撮像された画像の波長から、キャップ12の第1方向における色を判断する第1判断部26を備える。ここで、第1方向は、キャップ12の側面23を視認する方向であることが好ましい。上述の通り、キャップ12の側面には、印刷面やシールが張られていることがなく、キャップのベースとなる色が高い確率で表れる。このため、第1方向はキャップ12の側面23を視認する方向であることが好ましい。
【0080】
撮像部21は、キャップ12を側面23から撮像する。
【0081】
ここで、撮像部21は、キャップ12の両側面を撮像することが好ましい。片方の側面だけの撮像であると、反射光やストロボ光の映りこみによって色の判断に狂いが生じる可能性があるからである。
【0082】
図4は、本発明の実施の形態1における第1撮像部による撮像を示す斜視図である。
【0083】
図4は、二つの第1撮像部21a、21bが、キャップ12の両側面23a、23bとを撮像する状態を示している。2つの第1撮像部21a、21bによって、キャップ12の側面23aと側面23bとのそれぞれが撮像される。この2つの撮像画像のスペクトラム解析によって、キャップ12の側面の色が判断できる。両側面の撮像画像からキャップ12の側面の色を判断することで、第1判断部26は、高い精度で色を判断できる。
【0084】
図4のように、2つの第1撮像部21a、21bを用いると、コストがUPする問題もある。これを解決するために、図5に示されるように側面の一方については、反射鏡に映る画像が撮像されることでもよい。図5は、本発明の実施の形態1における第1撮像部による撮像を示す斜視図である。
【0085】
キャップ12の側面23b側には、側面23bを映す反射鏡30が設置される。第1撮像部21は、側面23aを直接的に視認して撮像し、反射鏡30に映る側面23bの写像31を撮像する。このとき、第1撮像部21は、写像31を撮像できることで、1台の装置だけで対向する両側面23a、23bを撮像できる。
【0086】
第1判断部26は、第1撮像部21が撮像した画像をスペクトラム解析する。
【0087】
スペクトラム解析によって、波長とゲインとの関係が得られる。この関係からゲインが最大となる波長の値を検出する。ゲインがピークを示す波長の値と物体の色とは一般的な対応関係が知られている。第1判断部26は、この対応関係に基づいてキャップ12の側面23の色を判断する。
【0088】
ここで、側面23aと側面23bとが示す波長ピークの位置が、略同一であれば、第1判断部26は、その波長の値からキャップ12の側面23の色をそのまま判断できる。
【0089】
一方、側面23aと側面23bとが示す波長ピークの位置が、異なる場合には、
(1)ピークにおけるゲインの値の大きい方の波長の値に基づいて色を判断する、
(2)ピーク位置の中央の波長の値に基づいて色を判断する、
(3)ピーク位置とそれぞれのピーク位置でのゲインの値から補間された位置の波長の値から色を判断する、
などの手段で、第1判断部26はキャップ12の側面23の色を判断する。
【0090】
第1判断部26は、判断した色を、第1色結果として識別手段20に出力する。例えば、キャップ12の側面の色が、「赤」であるあるいは「白」である、などの情報を含む第1色結果を出力する。キャップは、その側面にベースとなる色が表れる特徴を有しているので、第1色結果によって、識別手段20は、キャップ12のベースとなる色を識別できる。すなわち、キャップ分別装置10は、第1色結果によって、キャップのベースとなる色を識別できる。
【0091】
ここで、第1判断部26は、所定ビット数を有するデジタルデータとして、第1色結果を識別手段20に出力すればよい。
【0092】
なお、第1色判断手段14は、キャップ12の片方の側面からのみでキャップ12の側面の色を判断してもよい。
【0093】
(第2色判断手段)
次に、第2色判断手段15について説明する。
【0094】
第2色判断手段15は、キャップ12の第2方向から視認される色を判断して、第2色結果を識別手段20に出力する。
【0095】
第2色判断手段15は、キャップ12を第2方向から撮像する第2撮像部22と、第2撮像部22で撮像された画像の波長から、キャップ12の第2方向における色を判断する第2判断部27を備える。ここで、第2方向は、キャップ12の上面24を視認する方向であることが好ましい。上述の通り、キャップ12の上面24には、印刷面やシールが張られていることがあり、キャップ12本来の色を見誤らせる原因となりうるからである。また、印刷面の量やシールに代表される異物の有無によっては、分別対象から外して、廃棄すべきキャップである場合もあるからである。
【0096】
図6は、本発明の実施の形態1における第2撮像部がキャップ上面を撮像する状態を示す説明図である。第2撮像部22は、キャップ12の上面24を撮像する。このためには、コンベアを流れるキャップ12の上から第2撮像部22は、キャップ12を撮像すればよい。
【0097】
第2撮像部22は、キャップ12の上面24の画像を撮像する。第2判断部27は、上面24の画像をスペクトラム解析し、キャップ上面24の色を判断する。第2判断部27は、判断した色を第2色結果として識別手段20に出力する。
【0098】
ここで、キャップ12の上面24は、印刷面を有していることがある。印刷面がある場合には、上面24のスペクトラム解析の結果は、図7に示すように複数のピーク位置を示すことになる。印刷面は、キャップ12のベースの色と異なる色を有するからである。図7は、本発明の実施の形態1における上面画像のスペクトラム解析結果である。
【0099】
この場合には、第2判断部27は、
(1)複数の色を有するとの情報、
(2)複数の色は、それぞれどのような色であるかの情報、
(3)複数の色を有するが、そのゲイン値から見てベースの色に影響を与えるほどではない、
(4)複数の色を有し、ゲイン値から見て、ベースの色に影響を与える、
などの情報を、第2色結果として出力する。例えば、第2色結果が(4)の情報を含んでいる場合には、識別手段20は、当該キャップを「再利用の対象外」として分別してもよい。また、第2色結果が(2)や(3)の情報を含んでいる場合には、識別手段20は、再利用において他のキャップを混合しても問題ないと判断して、第1色結果から得られるベースの色に、当該キャップを分類しても良い。
【0100】
実際的には、印刷面はキャップ12の上面24の一部かつ表面のみを占めるに過ぎず、印刷面の色は、キャップを溶融させて再生する樹脂材料の色味へ大きな影響を与えない。このため、第2判断部27が、キャップ上面24に印刷面があることを判断した場合でも、識別手段20は、第1色結果を優先して、キャップの色を識別しても良い。
【0101】
次に、キャップ12の上面24には、シールが貼付されていることが多い。シールは、紙製であることが多く、他のキャップと一緒に溶融されて、樹脂材料に再生されると、樹脂材料の品質を劣化させる。
【0102】
第2判断部27は、上面24にシールが貼付されていることを判断することが重要である。勿論、コンベアに投入する多数のキャップ12から、予め人的作業でシールを取り外しておくことも考えられるが、これではキャップの再利用コストが増大してしまう。キャップの色を識別する際に、シールなどの異物の有無も自動で検出できることが好ましい。
【0103】
第2判断部27は、様々な手段で、シールなどの異物を検出する。
【0104】
(判断手段その1)
第2判断部27は、上面24の画像のスペクトラム解析から、所定数以上のピークが存在することを基準に、異物の有無を判断する。
【0105】
図8は、本発明の実施の形態1における上面画像のスペクトラム解析結果である。図8に示されるように、あるキャップの上面24は、異なる波長の値において3以上のピークを有する。
【0106】
キャップの上面24に印刷面が設けられているとしても、印刷面は1色かせいぜい2色程度であることが多い。このため、ベースの色と合わせても、上面24の色は、2色ないしは3色程度がほとんどである。一方、シールは、いろいろな情報を記載している上に、シールそのもののベースの色も有する。このため、シールが貼付されている場合には、上面24は3色以上を有することがほとんどになる。
【0107】
このため、上面24の画像のスペクトラム解析によって、3以上の波長のピーク値が存在する場合(すなわち3色以上を有する)には、シールなどの異物があるものと、第2判断部27は、判断する。勿論、所定数は、3個でもよいし4個以上でも良い。要は、ピークを示す波長の値が3以上あるいは4以上などの所定数以上である場合に、第2判断部27は、印刷面ではなく、シールなどの異物が貼付されているものと判断する。
【0108】
このような異物を含むとの情報は、異物情報として第2色結果に含まれて識別手段20に出力される。識別手段20は、この異物を含むとの情報に基づいて、当該キャップを再利用しないものとして分別する。あるいは、キャップの色を識別不能として分別する。
【0109】
なお、上面24が、所定数以上の波長のピークを有する場合であっても、シールなどの異物ではなく印刷面が原因であることもある。このような場合には、識別不能として分別されたキャップ(分別された後なので、その個数は少ないはずである)を、人的手段によって再分別したり、異物を取り除くなどしたりしても良い。
【0110】
(判断手段その2)
第2判断部27は、上面24の光透過率によって、異物の有無を判断しても良い。
【0111】
第2撮像部22は、キャップ12の上面24を撮像するために、ストロボ光を照射する。このとき、ストロボ光と撮像レンズでキャップ12の上面24を挟むことで、第2撮像部22は、上面24の光透過状態を撮像できる。キャップ12の上面24の裏側から照射されたストロボ光を、第2撮像部22が撮像することで、ストロボ光が上面24をどの程度通過したかが判別できるからである。
【0112】
一般にシールは紙製であって、キャップはポリプロピレンなどの樹脂製である。ポリプロピレンは、紙よりも光の透過率が高い。樹脂の結晶構造と紙の結晶構造の相違によるものである。
【0113】
シールは、上面24の略中央部に貼付されていることがほとんどである。シールそのものは、需要者への情報提供であって、小さな上面24の周縁部に貼付する理屈が無いからである。
【0114】
第2判断部27は、上面24の光透過率を解析する。シールが貼付されている場合には、図9に示されるように、略中央部40の光透過率は、周縁部41の光透過率よりも低いはずである。貼付されているシールによって、略中央部40では、光の透過が妨げられるからである。
【0115】
このように、第2判断部27は、上面24の略中央部40における光透過率が、周縁部41の光透過率よりも低いことを基準に、異物の有無を判断する。
【0116】
図9は、本発明の実施の形態1における上面の光透過率を示す説明図である。
【0117】
第2判断部27は、判断手段その1、その2で判断した「異物の有無」を、異物情報として第2色結果に含めて識別手段20に出力する。
【0118】
以上のように、第2色判断手段15は、キャップ12の上面24の色および異物情報を含んだ第2色結果を、識別手段20に出力する。
【0119】
なお、異物の有無の判断は、これら以外の手段を用いてもよい。
【0120】
第1判断部26、第2判断部27における色の判断手法には、スペクトラム解析による波長に基づく以外に、種々の公知の手法を用いることができる。
【0121】
また、第1撮像部21、第2撮像部22は、デジタルカメラ、デジタルビデオカメラなどの撮像機能を有する装置を用いればよい。あるいは、レンズと撮像機能を有する素子からなる装置でも良い。撮像された画像を記録する機能は無くてもよい。例えば、工場のラインにおいて物品の良/不良を識別する撮像装置が流用されても良い。
【0122】
(識別手段)
次に、識別手段20での、キャップの色の識別について説明する。
【0123】
識別手段20は、第1色結果および第2色結果に基づいて、キャップの色を識別し、最終的に色に基づいてキャップを分類する。例えば、「赤色」、「青色」「白色」、「灰色」、「黄色」、「ピンク色」などの分類によって、キャップが分別される。同じ色分類として分別されたキャップは、回収されて溶融され、所定の処理を経て、再利用される樹脂材料に再生される。この際に、本来であれば異なる色を有するキャップが、ある色分類のキャップに混在してしまうと、再生される樹脂材料の色味に悪影響を与える。
【0124】
このため、識別手段20は、高い精度で、キャップの色を識別する必要を有する。
【0125】
第1色結果および第2色結果のそれぞれは、第1判断部26および第2判断部27のそれぞれで判断された色情報および異物情報を含んでいる。識別手段20は、この第1色結果および第2色結果の含む色情報と異物情報との組み合わせに基づいて、キャップの色を識別する。
【0126】
このように、異なる方向である第1方向と第2方向から得られる色情報と異物情報との組み合わせに基づくことで、識別手段20は、キャップの色を高い精度で識別できる。
【0127】
図10は、本発明の実施の形態1における識別手段での判定パターンを定義づける判定テーブルである。第1色結果および第2色結果の組み合わせによって、識別手段20が最終的に判断する結果が定められる。
【0128】
図10では、第1色結果が赤であることを例として説明している。なお、図10に示されるテーブルは、識別手段20での判断基準の一例であって、これに限定されるものではない。
【0129】
(パターン1)
パターン1では、第1色結果(すなわち、キャップの側面の色)は、赤色であるとの色情報を有し、第2色結果(すなわちキャップの上面の色)は、赤色であるとの色情報を有している。
【0130】
この組み合わせによれば、キャップのベースとしての色である側面の色に加えて、上面の色も同一色である「赤色」と判断されているので、キャップの色は全体を通して赤色と見てよい。このため、識別手段20は、キャップの色を赤色として識別する。
【0131】
このように、識別手段は、第1色結果の有する色情報と第2色結果の有する色情報の両方が、同じ色を示している場合には、第1色結果もしくは第2色結果の示す色(図10では赤色)をキャップの色として識別する。
【0132】
(パターン2)
パターンで2は、第1色結果(すなわち、キャップの側面の色)は、赤色であるとの色情報を有し、第2色結果(すなわちキャップの上面の色)は、赤色(70%)および青色(30%)であるとの色情報を有している。
【0133】
第1色結果と第2色結果の含む色情報の示す色が異なる場合には、識別手段20は、一つの手法として第1色結果を優先する。第1色結果はキャップの側面の色を示しており、キャップのベースとなる色は側面に大きく表れるからである。第2色結果は、30%の青色を含んでいることを示しているが、この青色はキャップの素材そのものの色(ベースとなる色)ではなく、上面に設けられた印刷面の色であると考えられる。印刷面は、表面のみに色を有するだけで、キャップの総体積において占める割合は非常に小さい。
【0134】
このため、キャップを溶融して樹脂材料を再生する場合への、印刷面の色の影響度は小さいと考えられる。すなわち、図10における「青色」の影響度は無視できる。
【0135】
このような経験則から、識別手段20は、第1色結果と第2色結果の示す色が異なる場合でも、第1色結果を優先して、キャップの色を識別する。
【0136】
ここで、第2色結果の示す色において、第1色結果の示す色の割合が多く、その他の色の割合が少ない場合には、キャップ全体に及ぼすその他の色(図10では青色)の影響は非常に小さいと考えられる。
【0137】
図10では、赤色が70%であり青色が30%であると判断されている。これは、第2判断部27が、キャップ上面のスペクトラム解析において、赤色の波長におけるゲインが、青色の波長におけるゲインに対して7:3の比率を有していたことによる。このように上面の色は、70%の赤色と30%の青色を示していることは、青色の影響がほとんど無いことを示している。
【0138】
このように、第1色結果が示す色と異なる色を、第2色結果が含んでいる場合でも、その異なる色の割合が第1色結果の示す色の割合よりも小さい場合に、識別手段20は、第1色結果の示す色をキャップの色として識別する。
【0139】
このように、識別手段20は、第1色結果を優先して、キャップの色を識別してもよいし、第1色結果の示す色と異なる色の比率に基づいて、キャップの色を識別しても良い。
【0140】
(パターン3)
パターン3では、第1色結果(すなわちキャップの側面の色)は赤色であるとの色情報を有し、第2色結果(すなわち、キャップの上面の色)は、赤色(30%)および青色(70%)であるとの色情報を有している。
【0141】
パターン2と異なり、第2色結果の含む色情報は、第1色結果の示す色よりも高い割合の他の色を示す。すなわち、キャップ上面に印刷されている印刷面が含む他の色(図10では白色)がかなりの面積を有している状態であると考えられる。
【0142】
この場合であっても、パターン2と同様に印刷面の影響度は少ないと考えて、第1色結果を優先して、識別手段20がキャップの色を識別しても良い。すなわち、識別手段20は、第1色結果を優先して、キャップを赤色として識別する。
【0143】
一方で、影響度が低いとしても、影響度が全く無いわけでもない。第2色結果は、70%の割合の白色を示していることを考慮すると、キャップを溶融して製造される樹脂材料は、完全な赤色になるとは限らない。
【0144】
このような場合には、赤色と白色との補色であるピンク色として、識別手段20は、キャップの色を識別することも好適である。再生される樹脂材料の色分類をより細かな段階で分別できれば、樹脂材料の用途が飛躍的に広がるからである。
【0145】
なお、第2色結果の示す赤色と白色との割合は、パターン2の場合と同じく、上面のスペクトラム解析が示す赤色と白色の波長のピーク値の比率によって決定される。
【0146】
このように、識別手段20は、第1色結果と第2色結果の示す色が異なる場合に、第2色結果の示す複数の色の割合に基づいて、キャップの色を異なる色同士の補色であると識別することも好適である。
【0147】
(パターン4)
パターン4では、第1色結果(すなわちキャップの側面の色)は、赤色であるとの色情報を有し、第2色結果(すなわちキャップの上面の色)は、3色以上なので異物有りとの異物情報を有している。
【0148】
第2判断部27は、キャップ上面のスペクトラム解析において3以上の波長においてピーク値を検出したことで、キャップ上面に異物があると判断している。このため第2判断部27は、異物ありとの異物情報を第2色結果として識別手段20に出力している。
【0149】
識別手段20は、この異物情報によって、当該キャップは識別不能であるとして識別する。言い換えると、どの色にも分類せず、廃棄するか、手作業で異物を取り除くか、再び分別処理を行うかに分別する。
【0150】
このため、赤や青などのどの色にも属さない分別レーンを設けておき、この分別レーンに配分される。このその他の分別レーンに配分されたキャップは、手作業の異物チェックを受けて処理される。
【0151】
なお、パターン4では、異物情報によって異物有りと通知されているので、当該キャップを識別不能として分別したが、第1色結果を優先して第1色結果が示す色に合わせて分別しても良い。これらは、キャップ分別装置の仕様に応じて適宜定まればよい。
【0152】
(パターン5)
パターン5では、第1色結果(すなわちキャップの側面の色)は、赤色であるとの色情報を有し、第2色結果(すなわちキャップ上面の色)は、光透過率の結果より異物ありとの異物情報を有している。
【0153】
第2判断部27は、キャップ上面の光透過率の検査において、略中央部の光透過率が周縁部の光透過率よりも低いことで、キャップ上面に異物があると判断している。この異物ありとの異物情報を、第2色結果として、識別手段20に出力する。
【0154】
識別手段20は、この異物情報によって、当該キャップは識別不能であるとして識別する。言い換えると、どの色にも分類せず、廃棄するか、手作業で異物を取り除くか、再び分別処理を行うかに分別する。
【0155】
このため、赤や青などのどの色にも属さない分別レーンを設けておき、この分別レーンに配分される。このその他の分別レーンに配分されたキャップは、手作業の異物チェックを受けて処理される。
【0156】
なお、パターン4と同様に、仕様によっては第1色結果を優先した分別を行っても良い。
【0157】
ここで説明したパターン1〜パターン5は、一例であり、第1色結果と第2色結果とを適宜組み合わせて、識別手段20は、キャップを分別できる。
【0158】
以上のように、実施の形態1におけるキャップ分別装置は、第1色結果と第2色結果の両方の組み合わせによって、高い精度でキャップを色に基づいて分類できる。
【0159】
この結果、同一色のキャップのみが集められ、集められたキャップが溶融されて樹脂材料に再生される。この再生された樹脂材料は、分別された色を有し、広い用途で用いられる。このため、色が混ざったままで再生された樹脂材料よりも使い勝手がよく、キャップの再利用へのモチベーションが高まる。加えて、色に基づいてキャップを分別する作業が、人的作業ではなく自動で行われるので、樹脂材料の再生コストが下がり、この点でもキャップの再利用へのモチベーションが高まる。
【0160】
(実施の形態2)
次に実施の形態2について説明する。
【0161】
図11は、本発明の実施の形態2におけるキャップ分類装置に一部分を示す説明図である。図11の上側は、コンベアで搬送されるキャップを上から見た状態を、図11の下側は、コンベアで搬送されるキャップを横から見た状態を示している。
【0162】
図2で説明したように、キャップ分別装置は、多数のキャップを搬送するコンベア50を有していても良い。コンベア50の上を、順々にキャップが移動する。
【0163】
キャップ51とキャップ52は同じキャップであり、コンベア50が右から左に向けてキャップを搬送している前後状態を示している。キャップ51は、裏向き(底面を上に向けている)の状態である。コンベア50にキャップが投入された際に、裏向きになって搬送されているからである。
【0164】
キャップ51は底面を上に見せているので、第2色判断手段は、キャップの底面を撮像してしまい、底面側の色を判断することになってしまう。底面側には、パッキンが嵌められていることがあり、このパッキンはキャップのベースとなる色と異なるため、第2色判断手段は、本来の色と異なる色として判断する可能性もある。加えて、キャップ上面には、シールや印刷面など、キャップの分別において問題となる要素が多くあり、これらを判断しないままに分別することは良くない。
【0165】
一方で、第2判断手段が備える第2撮像部は、コンベアを流れるキャップを上方から撮像するように設置されているので、コンベア50を流れるキャップが、キャップ51のように底面を上に見せていると、キャップ上面を撮像できない。そのままコンベア50をキャップ51が流れてしまうと、第2色判断手段は、キャップの底面の色の判断結果を第2色結果として識別手段に出力することになってしまう。
【0166】
コンベア50は、反転装置53を備える。
【0167】
反転装置53は、キャップの天地を揃える。キャップ51は底面を上に見せているので、この天地をひっくり返すことで、キャップ52のようにキャップの上面を上に見せるようになる。
【0168】
反転装置53は、コンベア50の底面から突出を繰り返す突き出し棒を備えればよい。コンベア50を流れるキャップが底面を上に見せている場合には、上面がコンベア50と接する。このため、コンベア50の底面から突出される突き出し棒が、この上面に当たって、キャップがひっくり返る。
【0169】
一方、キャップ52のように、キャップの上面を上に見せている場合には、コンベア50には、キャップの底面が接する。キャップの底面側は、当然ながら窪みを持っているので、突き出し棒が当たらない(突き出し棒は、キャップの内部空間に入るだけである)。このため、キャップはひっくり返ることなく、上面を上に見せたままである。
【0170】
このようなキャップの反転装置53を備えることで、第2色判断手段は、常にキャップ上面を撮像しつつその色や異物を判断できる。
【0171】
なお、突き出し棒に持ち上げられたキャップに風を送って、キャップをひっくり返しやすくする機構を、反転装置53が更に備えることも好適である。
【0172】
以上のように、実施の形態2のキャップ分別装置は、コンベア50を流れるキャップが常に上面を上に向けることができ、キャップの分別の精度を向上させる。
【0173】
また、図には示していないが、キャップの上面を撮像して色を判断する第2色判断手段に加えて、キャップの底面を撮像して色を判断する第3色判断手段を設けることも好適である。キャップの底面にはパッキンがはめ込まれていることがあり、このパッキンがキャップのベースとなる色と異なることがあるからである。
【0174】
このようになると、キャップの側面、キャップの上面、キャップの底面の全ての色判断を合わせた上で、キャップ分別装置は、キャップの色を識別できる。例えば、底面に存在するパッキンの色が、側面で判断されたキャップのベースとなる色と大きく異なる場合には、識別不能として識別しても良いし、ベースの色とパッキンの色(側面から判断された色と底面から判断された色)との混合色として識別しても良い。あるいは、側面の色、上面の色、底面の色の全ての混合色として、キャップ分別装置は、キャップの色を分別しても良い。
【0175】
このような第3色判断手段を設ける場合には、反転装置53の前後に、第2色判断手段と第3色判断手段とを設けることで、それぞれ上面と底面とが確実に撮像できる。キャップを反転させる反転装置53によって、キャップの撮像方向が更に増加し、キャップの色識別の精度が向上する。
【0176】
実施の形態1、2で説明したキャップ分別装置は、一例であって、本発明の趣旨を逸脱しない他の形態をも含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0177】
【図1】本発明の実施の形態1におけるキャップの特徴を示す説明図である。
【図2】本発明の実施の形態1におけるキャップ分別装置の斜視図である。
【図3】本発明の実施の形態1におけるキャップ分別装置のブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態1における第1撮像部による撮像を示す斜視図である。
【図5】本発明の実施の形態1における第1撮像部による撮像を示す斜視図である。
【図6】本発明の実施の形態1における第2撮像部がキャップ上面を撮像する状態を示す説明図である。
【図7】本発明の実施の形態1における上面画像のスペクトラム解析結果である。
【図8】本発明の実施の形態1における上面画像のスペクトラム解析結果である。
【図9】本発明の実施の形態1における上面の光透過率を示す説明図である。
【図10】本発明の実施の形態1における識別手段での判定パターンを定義づける判定テーブルである。
【図11】本発明の実施の形態2におけるキャップ分類装置に一部分を示す説明図である。
【符号の説明】
【0178】
10 キャップ分別装置
11 フィーダー
12 キャップ
13 コンベア
14 第1色判断手段
15 第2色判断手段
20 識別手段
21 第1撮像部
22 第2撮像部
23 側面
24 上面
26 第1判断部
27 第2判断部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
容器のキャップの第1方向から視認される色を判断して、第1色結果を出力する第1色判断手段と、
前記第1方向と異なる第2方向から視認される前記キャップの色を判断して、第2色結果を出力する第2色判断手段と、
前記第1色結果および前記第2色結果に基づいて、前記キャップの色を識別する識別手段と、を備え、キャップの色に基づいてキャップを分別するキャップ分別装置。
【請求項2】
前記容器のキャップは、ペットボトルのキャップを含む請求項1記載のキャップ分別装置。
【請求項3】
前記第1方向は前記キャップの側面を視認する方向であって、
前記第1色判断手段は、
前記キャップの両側面の少なくとも一方の側面画像を撮像する第1撮像部と、
前記側面画像の波長から、前記キャップの側面の色を、前記第1色結果として判断する第1判断部と、を有する請求項1又は2記載のキャップ分別装置。
【請求項4】
前記第1撮像部と対向する位置に反射鏡を有し、
前記第1撮像部は、直接視認可能な前記キャップの第1側面と、前記反射鏡に映る前記第1側面と逆側の第2側面と、を撮像可能である請求項3記載のキャップ分別装置。
【請求項5】
前記第2方向は、前記キャップの上面を視認する方向であって、
前記第2色判断手段は、
前記キャップの上面の上面画像を撮像する第2撮像部と、
前記上面画像の波長から、前記キャップの上面の色を、前記第2色結果として判断する第2判断部と、を有する請求項1から4のいずれか記載のキャップ分別装置。
【請求項6】
前記第2判断部は、前記上面画像が、所定数以上の波長のピーク値を有する場合に、前記キャップの上面に異物があると判断する請求項5記載のキャップ分別装置。
【請求項7】
前記第2判断部は、前記上面画像の中央部の光透過率が前記上面画像の周縁部の光透過率よりも低い場合に、前記キャップの上面に異物があると判断する請求項5又は6記載のキャップ分別装置。
【請求項8】
前記第1色結果および前記第2色結果のそれぞれは、色を示す色情報および異物の有無を示す異物情報の少なくとも一つの情報を含む請求項1から7のいずれか記載のキャップ分別装置。
【請求項9】
前記第1色結果の示す色と前記第2色結果の示す色とが、同一結果を示す場合に、前記識別手段は、前記第1色結果および前記第2色結果のいずれかが示す色を、前記キャップの色として識別する請求項8記載のキャップ分別装置。
【請求項10】
前記第1色結果の示す色と前記第2色結果の示す色とが、異なる結果を示す場合に、前記識別手段は、前記第1色結果の示す色を優先して、前記キャップの色を識別する請求項8記載のキャップ分別装置。
【請求項11】
前記第1色結果の示す色と前記第2色結果の示す色とが、異なる結果を示す場合に、前記識別手段は、前記第1色結果の示す色と前記第2色結果の示す色の混合色を、前記キャップの色として識別する請求項8記載のキャップ分別装置。
【請求項12】
前記識別手段は、前記第2色結果が異物有りとの判断を示す場合に、前記キャップの色を識別不能として識別する請求項8記載のキャップ分別装置。
【請求項13】
前記キャップを搬送するコンベアと、
前記コンベアで搬送される前記キャップの天地向きを揃える反転装置と、を更に備える請求項1から12のいずれか記載のキャップ分別装置。
【請求項14】
前記識別手段で識別された前記キャップを、識別された結果に従って分別する分別機を更に備える請求項1から13のいずれか記載のキャップ分別装置。
【請求項1】
容器のキャップの第1方向から視認される色を判断して、第1色結果を出力する第1色判断手段と、
前記第1方向と異なる第2方向から視認される前記キャップの色を判断して、第2色結果を出力する第2色判断手段と、
前記第1色結果および前記第2色結果に基づいて、前記キャップの色を識別する識別手段と、を備え、キャップの色に基づいてキャップを分別するキャップ分別装置。
【請求項2】
前記容器のキャップは、ペットボトルのキャップを含む請求項1記載のキャップ分別装置。
【請求項3】
前記第1方向は前記キャップの側面を視認する方向であって、
前記第1色判断手段は、
前記キャップの両側面の少なくとも一方の側面画像を撮像する第1撮像部と、
前記側面画像の波長から、前記キャップの側面の色を、前記第1色結果として判断する第1判断部と、を有する請求項1又は2記載のキャップ分別装置。
【請求項4】
前記第1撮像部と対向する位置に反射鏡を有し、
前記第1撮像部は、直接視認可能な前記キャップの第1側面と、前記反射鏡に映る前記第1側面と逆側の第2側面と、を撮像可能である請求項3記載のキャップ分別装置。
【請求項5】
前記第2方向は、前記キャップの上面を視認する方向であって、
前記第2色判断手段は、
前記キャップの上面の上面画像を撮像する第2撮像部と、
前記上面画像の波長から、前記キャップの上面の色を、前記第2色結果として判断する第2判断部と、を有する請求項1から4のいずれか記載のキャップ分別装置。
【請求項6】
前記第2判断部は、前記上面画像が、所定数以上の波長のピーク値を有する場合に、前記キャップの上面に異物があると判断する請求項5記載のキャップ分別装置。
【請求項7】
前記第2判断部は、前記上面画像の中央部の光透過率が前記上面画像の周縁部の光透過率よりも低い場合に、前記キャップの上面に異物があると判断する請求項5又は6記載のキャップ分別装置。
【請求項8】
前記第1色結果および前記第2色結果のそれぞれは、色を示す色情報および異物の有無を示す異物情報の少なくとも一つの情報を含む請求項1から7のいずれか記載のキャップ分別装置。
【請求項9】
前記第1色結果の示す色と前記第2色結果の示す色とが、同一結果を示す場合に、前記識別手段は、前記第1色結果および前記第2色結果のいずれかが示す色を、前記キャップの色として識別する請求項8記載のキャップ分別装置。
【請求項10】
前記第1色結果の示す色と前記第2色結果の示す色とが、異なる結果を示す場合に、前記識別手段は、前記第1色結果の示す色を優先して、前記キャップの色を識別する請求項8記載のキャップ分別装置。
【請求項11】
前記第1色結果の示す色と前記第2色結果の示す色とが、異なる結果を示す場合に、前記識別手段は、前記第1色結果の示す色と前記第2色結果の示す色の混合色を、前記キャップの色として識別する請求項8記載のキャップ分別装置。
【請求項12】
前記識別手段は、前記第2色結果が異物有りとの判断を示す場合に、前記キャップの色を識別不能として識別する請求項8記載のキャップ分別装置。
【請求項13】
前記キャップを搬送するコンベアと、
前記コンベアで搬送される前記キャップの天地向きを揃える反転装置と、を更に備える請求項1から12のいずれか記載のキャップ分別装置。
【請求項14】
前記識別手段で識別された前記キャップを、識別された結果に従って分別する分別機を更に備える請求項1から13のいずれか記載のキャップ分別装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−16040(P2011−16040A)
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−160681(P2009−160681)
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(509191894)株式会社プラテクノマテリアル (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年1月27日(2011.1.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年7月7日(2009.7.7)
【出願人】(509191894)株式会社プラテクノマテリアル (1)
【Fターム(参考)】
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