説明

キャブオーバ型車両の乗降口周縁部構造

【課題】 フロアパネル,ホイールハウス,ホイールハウスメンバを部組みすることができて精度の高い組み付けができると共に、組み付け作業性の向上を図ることができ、しかも乗降口周縁部の下側部分(サイドシル部分)の剛性の向上を図るようにする。
【解決手段】 フロアパネル2の車両左右方向両端部に、床面から下方側に向けて屈曲された屈曲部24を設け、フロアパネル2の車両左右方向両端部を下方に屈曲することにより形成された縦壁部25とフロアパネル2の裏面とに溶接結合されて、屈曲部24とで閉断面形状部αを形成するホイールハウスメンバ9を配設し、ホイールハウス3の前方側ロッカ部14を構成するフロントロッカパネル4を縦壁部25の下端縁25aに溶接結合すると共に、この溶接結合部の下方においてキャブサイドアウタパネル13をフロントロッカパネル4に溶接結合することにより閉断面形状の前方側ロッカ部14を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャブオーバ型車両の乗降口周縁部構造に関し、さらに詳しくは、ホイールハウスに接合されてこのホイールハウスから前方に延設されるホイールハウスメンバを設けたキャブオーバ型車両の乗降口周縁部構造に関する。
【背景技術】
【0002】
図6は、キャブオーバ型車両(キャブオーバ型トラック)1を示し、図7〜図9は、このキャブオーバ型車両1における従来の乗降口周縁部構造を示している。図7に示すように、キャブオーバ型車両1のフロアパネル2には車幅方向の両側部にホイールハウス3が組み付けられており、このホイールハウス3の車両前後方向の両側部にフロントロッカパネル(前方側ロッカパネル)4及びリヤロッカパネル(後方側ロッカパネル)5が溶接結合されている。一方、キャブオーバ型車両1のサイドフレーム6には、図8に示すように、サスペンションストラット(図示せず)を支持する2部品構成のストラットブラケット7が取付けられると共に、このストラットブラケット7とクロスメンバ8との間に、ホイールハウス3に接合されてこのホイールハウス3から前方に延設されるホイールハウスメンバ9が架設されている。そして、上述のストラットブラケット7がホイールハウス3に形成された開口10に挿通配置されてその上端部がホイールハウス3より上方の位置に突出配置されるようになっている。
【0003】
また、キャブオーバ型車両1の乗降口11の下方箇所のサイドシル部12(図6参照)の断面構造は、従来では図9に示すように構成されている。すなわち、フロントロッカパネル4の上端部に設けられた水平屈曲片4aがフロアパネル2の側縁部2aの上面に接合された状態の下でフロントロッカパネル4の水平屈曲片4aとフロアパネル2の側縁部2aとがスポット溶接Wにより互いに溶接結合されると共に、ホイールハウスメンバ9の水平フランジ部9aがフロアパネル2の側縁部2aの裏面に接合された状態の下でホイールハウスメンバ9の水平フランジ部9aとフロアパネル2の側縁部2aとが前記スポット溶接Wよりも車両中央寄りの箇所においてスポット溶接Wにより互いに溶接結合され、さらに前記水平フランジ部9aより下方のホイールハウスメンバ9の垂直フランジ部9bとキャブサイドアウタパネル13の上端側屈曲片13aとの間にフロントロッカパネル4の縦壁部4bが挟み込まれた状態の下でホイールハウスメンバ9の垂直フランジ部9bとキャブサイドアウタパネル13の上端側屈曲片13aとフロントロッカパネル4の縦壁部4bとがフロアパネル2の側部の屈曲片(縦壁部)2bよりも下方の箇所においてスポット溶接Wにより互いに溶接結合されている。かくして、この構造にあっては、フロアパネル2,フロントロッカパネル4,及びホイールハウスメンバ9の3部材によって閉断面形状部Mが形成されている。なお、上述のフロントロッカパネル4とキャブサイドアウタパネル13とで閉断面形状部Nを有する前方側ロッカ部14が形成されている。なお、図9において、15は車両ドアである。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述の如き従来のキャブオーバ型車両1の乗降口周縁部構造にあっては、乗降口11の下方の構造(サイドシル断面構造)の関係上、フロアパネル2とフロントロッカパネル4との溶接結合作業をホイールハウスメンバ9の溶接結合作業に先立って行なわなければならない。その理由は、ホイールハウスメンバ9の溶接結合作業を行なってしまうと、このホイールハウスメンバ9が邪魔な存在となって、フロントロッカパネル4の水平屈曲片4aとフロアパネル2の側縁部2aとを挟持した状態の下でのスポット溶接Wの作業を行なうことができないからである。このため、従来にあっては、ホイールハウスメンバ9を後付けする必要があるので、このホイールハウスメンバ9をサイドフレーム6の側に組み付けるようにしているのが実状である。しかしながら、ホイールハウスメンバ9を後付けするに際しては、ホイールハウスメンバ9のアーチ部の合わせにくい形状を後から合わせる必要があり、車体精度の向上を図るのは困難であった。
【0005】
また、ホイールハウスメンバ9がサイドフレーム6の側に組み付けられる関係上、このホイールハウスメンバ9の後端部をホイールハウス3の後壁にまで延ばすことが困難であり、ストラットブラケット7の途中で終わる構造となる(図8参照)。そのため、強度が最も必要な部分に切れ目(剛性の急変部)があるという不利な構造となっている。そこで、従来では、ストラットブラケット7の配設箇所の強度を充分に確保するために、サイドフレーム6の側に取付けられる2部品構成の大型の補強部品が必要であった。しかし、この補強部品もまた、ホイールハウス9と精度良く合わせることが困難であり、車体の組み立て精度に影響を与えているのが実状である。
【0006】
本発明は、上述の如き実状に鑑みてなされたものであって、その目的は、フロアパネル,ホイールハウス,ホイールハウスメンバを部組みすることができて精度の高い組み付けができると共に、組み付け作業性の向上を図ることができ、しかも乗降口周縁部の下側部分(サイドシル部分)の剛性の向上を図ることができるようなキャブオーバ型車両の乗降口周縁部構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述の目的を達成するために、本発明では、ホイールハウスに接合されて前記ホイールハウスから前方に延設されるホイールハウスメンバを備えるキャブオーバ型車両の乗降口周縁部構造において、車体の床面を構成するフロアパネルの車両左右方向両端部に、前記床面から下方側に向けて屈曲された屈曲部を設け、前記フロアパネルの車両左右方向両端部を下方に屈曲することにより形成された縦壁部と前記フロアパネルの裏面とに溶接結合されて、前記屈曲部とで閉断面形状部を形成するホイールハウスメンバを配設し、前記ホイールハウスの前方側ロッカ部を構成するフロントロッカパネルを前記縦壁部の下端縁に溶接結合すると共に、この溶接結合部の下方においてキャブサイドアウタパネルを前記フロントロッカパネルに溶接結合することにより閉断面形状の前方側ロッカ部を構成するようにしている。
また、本発明では、前記ホイールハウスメンバを、前記ホイールハウスの裏面側に溶接結合すると共に、サスペンションストラットを支持するストラットブラケットに溶接結合するようにしている。
また、本発明では、前記ホイールハウスメンバの前端を、前記フロアパネルの下方において車両前後方向に沿って延びるサイドフレームと前記前方側ロッカ部とを互いに繋ぐクロスメンバに結合すると共に、前記ホイールハウスメンバの後端を、前記ホイールハウスの後方側ロッカ部を構成するリヤロッカパネルに結合するようにしている。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の本発明は、車体の床面を構成するフロアパネルの車両左右方向両端部に、床面から下方側に向けて屈曲された屈曲部を設け、フロアパネルの車両左右方向両端部を下方に屈曲することにより形成された縦壁部とフロアパネルの裏面とに溶接結合されて、屈曲部とで閉断面形状部を形成するホイールハウスメンバを配設し、ホイールハウスの前方側ロッカ部を構成するフロントロッカパネルを縦壁部の下端縁に溶接結合すると共に、この溶接結合部の下方においてキャブサイドアウタパネルをフロントロッカパネルに溶接結合することにより閉断面形状の前方側ロッカ部を構成するようにしたものであるから、フロアパネルとフロントロッカパネルとの溶接結合位置をフロアパネルの床面より下方の位置に変更(すなわち、ホイールハウスメンバとフロアパネルとの接合順序に影響を及ぼさない位置に変更)することに伴って、フロアパネル,ホイールハウス,及びホイールハウスメンバを部組みした後にフロアパネルとフロントロッカパネルとの溶接結合作業を行なうことが可能になると共に、ホイールハウスメンバを先にフロアパネルに溶接結合することが可能になる。そのため、組立精度の向上並びに組付作業性の向上を図ることができる。しかも、フロアパネル及びホイールハウスメンバによって形成される閉断面形状部と、フロントロッカパネルとキャブサイドアウタパネルとによって形成される閉断面形状の前方側ロッカ部との上下2段の閉断面形状部が設けられることとなるので、サスペンションストラットから受ける力に対するホイールハウス周りの剛性を向上させることができる。さらに、前方側ロッカ部よりも上方でホイールハウスから前方に延びるフロアパネルとホイールハウスメンバとによる閉断面形状部を形成でき、この閉断面形状部と前方側ロッカ部の閉断面形状部とが上下2段で形成されるので、キャブオーバ型車両の乗降口周縁の剛性の向上を図ることができ、特にフロアパネルとホイールハウスとの接合部の強度・剛性の向上を図ることができる。そして、剛性の向上に伴って、乗降口の開口を大きく取ることが可能となり、乗降性の向上を図ることが可能となる。特に、乗員の足の通過する部分を広く形成することが可能となって、キャブオーバ型車両としての商品性を向上させることができる。
【0009】
また、請求項2に記載の本発明は、ホイールハウスメンバを、ホイールハウスの裏面側に溶接結合すると共に、サスペンションストラットを支持するストラットブラケットに溶接結合するようにしたものであるから、ホイールハウスメンバはホイールハウスの裏側に溶接結合されてホイールハウスの補強部材となると共に、それ自体がストラットブラケットに溶接結合されて、サスペンションストラットからの入力を車体に伝えることとなるので、効率良くホイールハウス部分の補強を行なうことが可能となり、補強部品(リンフォースメント)の小型化が可能となる。
【0010】
また、請求項3に記載の本発明は、ホイールハウスメンバの前端を、フロアパネルの下方において車両前後方向に沿って延びるサイドフレームと前方側ロッカ部とを互いに繋ぐクロスメンバに結合すると共に、ホイールハウスメンバの後端を、ホイールハウスの後方側ロッカ部を構成するリヤロッカパネルに結合するようにしたものであるから、キャブオーバ型車両の乗降口周縁部の下部箇所おいて、ホイールハウスメンバが、剛性の高いフロントピラーの下端部から剛性の高いリヤピラーの下端部にわたって連結されるので、乗降口周縁部の下部部分の剛性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明の一実施形態に係るキャブオーバ型車両の乗降口周縁部構造について図 1〜図5を参照して説明する。なお、図1〜図5において、図6〜図9と同様の部分には同一の符号を付して重複する説明を省略する。
【0012】
図1及び図2は、本発明の一実施形態に係る乗降口周縁部構造を備えたキャブオーバ型車両(キャブオーバ型トラック)の車体前部を示すものである。図1及び図2に示すように、車体の床面を構成するフロアパネル2の車両左右方向両端部には、前輪(図示せず)を収容するホイールハウス3と、このホイールハウス3の裏面3a(図3及び図4参照)に溶接結合されてホイールハウス3の裏面3aと閉断面を構成するホイールハウスメンバ9と、サイドフレーム6に取付けられかつホイールハウス3に組付けられたサスペンションストラット支持用のサスペンションブラケット7がそれぞれ配設されている。
【0013】
上述のホイールハウス3は、その下部のうちの車両前後方向の中央部分がサイドフレーム6にスポット溶接にて溶接結合されると共に、車両前後方向の前方側部分は、図3及び図4に示す如く、サイドフレーム6とホイールハウスメンバ9との間に挟まれた位置に配置されている。かくして、サスペンションストラットからの力はサイドフレーム6及びホイールハウスメンバ9に伝えられるが、サスペンションストラットからの力はホイールハウス3の縦壁3b(図1参照)にてサイドフレーム6に効率良く伝達されるため、別途補強部材を必要としない構造となっている。一方、ホイールハウス3の後側部分は、フロアパネル2の下方に設けられるエンジンルーム19の側壁となり、エンジンルームフロントパネル20及びエンジンルームサイドパネル21に結合され、エンジンルームフロントパネル20及びエンジンルームサイドパネル21によってさらに剛性の向上が図られている(図1及び図2参照)。
【0014】
上述のエンジンルームフロントパネル20は、キャブオーバ型車両の床下(フロアパネル2の下部箇所)に配置されるエンジンの収納部(エンジンルーム)の前壁をなすものであり、左右のホイールハウス3の車両前後方向の中央部分を互いに連結している。一方、上述のエンジンルームサイドパネル21は、ホイールハウス3,エンジンルームフロントパネル20,ホイールハウスメンバ9,リヤロッカパネル5,キャビンバックメンバ23、ストラットブラケット7にそれぞれ結合されている。
【0015】
また、図5に示すように、車体の床面を構成するフロアパネル2の車両左右方向両端部には、床面から下方側に向けて屈曲された屈曲部24が設けられ、フロアパネル2の車両左右方向両端部を下方に屈曲することにより形成された縦壁部25が設けられている。なお、フロアパネル2の縦壁部25は、従来の場合に比べて下方にさらに延長されて設けられており、フロアパネル2の裏面側であって上述の屈曲部24及び縦壁部25に対応する箇所には、断面ほぼL字形状のホイールハウスメンバ9が配設されている。さらに具体的に述べると、フロアパネル2の縦壁部25の裏面にホイールハウスメンバ9の垂直フランジ部9bが接合されてスポット溶接Wにて溶接結合されると共に、縦壁部25に連なるフロアパネル2の側縁部26の裏面にホイールハウスメンバ9の水平フランジ部9aが接合されてスポット溶接Wにて溶接結合されており、これにより縦壁部25及び側縁部26から成るフロアパネル2の屈曲部24とホイールハウスメンバ9とにより断面ほぼ矩形の閉断面形状部αが形成されている。
【0016】
さらに、図5に示すように、ホイールハウス3の前方箇所に配設されてダッシュサイドパネルの一部を構成するフロントロッカパネル4の上端縁4cが、フロアパネル2の縦壁部25の下端縁25aとホイールハウスメンバ9の垂直フランジ部9bとの接合部に当てがわれた状態の下で、これら3部材の重ね合わせ部が既述のスポット溶接Wにて3者一体に溶接結合されている。そして、このスポット溶接Wによる溶接結合部の下方においてキャブサイドアウタパネル13がフロントロッカパネル4に溶接結合されてこれら両部材にて閉断面形状部βを有する前方側ロッカ部(フロントロッカ部)28が構成されている。これにより、上下2段構成の閉断面形状部α,βが設けられている。また、上述の前方側ロッカ部28の閉断面形状部βは、後方へ屈曲しているフロントピラーの下端部の閉断面形状部(図示せず)に接続されて連続した閉断面形状部が形成されている。上述の前方側ロッカ部28は、その下端が車体の外観部分となるため、キャブオーバ型車両のように床位置が高い車両では、床位置に対して上下にずれた位置に設定される。なお、図5において、29はドア用ウエザストリップである。
【0017】
また、上述のホイールハウスメンバ9は、既述の如くホイールハウス3の裏面3aに溶接結合されて閉断面を構成し、それに連続してホイールハウス3から前方にフロアパネル2と前記閉断面形状部αが形成され、さらに延設された前端部9cが、フロアパネル2の下方において車両前後方向に沿って延びるサイドフレーム6と前方ロッカ部28(フロントロッカパネル4)とを互いに繋ぐクロスメンバ8に閉断面を連結するように結合されると共に(図3及び図4参照)、その後端部9dがホイールハウス2の後方に配設されてリヤピラーの下部を構成する後方側ロッカ部のリヤロッカパネル5(閉断面形状の後方側ロッカ部を構成するリヤロッカパネル5)に結合されている(図4参照)。そして、ホイールハウスメンバ9の前方側延出部分と、フロントロッカパネル4と、フロアパネル2とがスポット溶接Wにて溶接結合されている。
【0018】
このような構成によれば、キャブオーバ型車両のサイドシル部においてフロアパネル2の縦壁部25(フランジ)を下方に延長してフロントロッカパネル4との接合部を下側にもってくることにより、フロアパネル2へのホイールハウスメンバ9の溶接結合作業を行なった後にフロントロッカパネル4の溶接結合作業を行なうことができ、ホイールハウスメンバ9を先にフロアパネル2の側に溶接結合できる構造となる。実際の溶接結合作業の手順は、例えば、ホイールハウス3,ホイールハウスメンバ9,及びストラットブラケット7のサブコンプ工程を行ない、次いでその組合体をフロアパネル2に溶接結合した後にフロントロッカパネル4に溶接結合するという順番となる。従って、ホイールハウス3のサブコンプ工程(部組工程)が可能になり、合わせにくいホイールハウス3のアーチ部ついての曲面合わせを先に行なうことができることとなり、部品合わせの精度を向上させることができる。さらに、ホイールハウスメンバ9の後端部9dをホイールハウス3の後壁まで延長することが可能となり、リヤロッカパネル5と結合できるようになったため、強度が最も必要であるストラットブラケット配設箇所において強度の切れ目が無い構造にすることができる。それにより、ストラットブラケット配設箇所の強度を充分に確保できるため、ストラットブラケット7の締め付け点数の削減(例えば、3点から2点に削減)や、サイドフレーム6からの大型の補強部品の廃止,補強部品の削減,或いは補強部品の小型化が可能となり、従来機種と比べて簡素な構造にすることができる。また、フロアパネル2及びホイールハウスメンバ9にて構成された閉断面形状部αと前方側ロッカ部28の閉断面形状部βが上下2段に形成されているので、サスペンションストラットから受ける力に対するホイールハウス3並びにその周囲箇所の剛性を向上させることができる。また、サイドフレーム6と前方側ロッカ部28とを互いに繋ぐクロスメンバ8に閉断面を連結するようにホイールハウスメンバ9が結合されているので、フロントピラーに入力された前方からの衝撃荷重を、後方の強度部材に伝えることが可能となって、より強度のある車体を構成することができる。
【0019】
以上、本発明の一実施形態について述べたが、本発明はこの実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術的思想に基づいて各種の変形及び変更が可能である。例えば、既述の実施形態では、キャブオーバ型トラック(いわゆるフルキャブ車)に本発明を適用するようにしたが、その他の種類の各種のキャブオーバ型車両にも本発明を適用し得ることは言う迄もない。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態に係る乗降口周縁部構造を備えたキャブオーバ型車両の車体前部を示す斜視図である。
【図2】図1のキャブオーバ型車両の車体前部の側部部分を示す斜視図である。
【図3】図1のキャブオーバ型車両の車体前部の側部部分を下方側から見た斜視図である。
【図4】図1のキャブオーバ型車両の車体前部の側部部分を下方側から見た底面図である。
【図5】図1のキャブオーバ型車両の前方側ロッカ部配設箇所における縦断面図である。
【図6】キャブオーバ型車両の1種であるキャブオーバ型トラックの側面図である。
【図7】キャブオーバ型車両における従来の乗降口周縁部構造を示すものであって、フロアパネル側への組付構造を示す斜視図である。
【図8】キャブオーバ型車両における従来の乗降口周縁部構造を示すものであって、フレーム側への組付構造を示す斜視図である。
【図9】前方側ロッカ部配設箇所における縦断面図である。
【符号の説明】
【0021】
1 キャブオーバ型車両(キャブオーバ型トラック)
2 フロアパネル
3 ホイールハウス
3a 裏面
3b 縦壁
4 フロントロッカパネル
4c 上端縁
5 リヤロッカパネル
6 サイドフレーム
7 ストラットブラケット
8 クロスメンバ
9 ホイールハウスメンバ
9a 水平フランジ部
9b 垂直フランジ部
9c 前端部
9d 後端部
11 乗降口
12 サイドシル部
13 キャブサイドアウタパネル
20 エンジンルームフロントパネル
21 エンジンルームサイドパネル
23 キャビンバックメンバ
24 屈曲部
25 縦壁部
25a 下端縁
28 前方側ロッカ部
α,β 閉断面形状部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ホイールハウスに接合されて前記ホイールハウスから前方に延設されるホイールハウスメンバを備えるキャブオーバ型車両の乗降口周縁部構造において、
車体の床面を構成するフロアパネルの車両左右方向両端部に、前記床面から下方側に向けて屈曲された屈曲部を設け、
前記フロアパネルの車両左右方向両端部を下方に屈曲することにより形成された縦壁部と前記フロアパネルの裏面とに溶接結合されて、前記屈曲部とで閉断面形状部を形成するホイールハウスメンバを配設し、
前記ホイールハウスの前方側ロッカ部を構成するフロントロッカパネルを前記縦壁部の下端縁に溶接結合すると共に、この溶接結合部の下方においてキャブサイドアウタパネルを前記フロントロッカパネルに溶接結合することにより閉断面形状の前方側ロッカ部を構成したこと、
を特徴とするキャブオーバ型車両の乗降口周縁部構造。
【請求項2】
前記ホイールハウスメンバを、前記ホイールハウスの裏面側に溶接結合すると共に、サスペンションストラットを支持するストラットブラケットに溶接結合したことを特徴とする請求項1に記載のキャブオーバ型車両の乗降口周縁部構造。
【請求項3】
前記ホイールハウスメンバの前端を、前記フロアパネルの下方において車両前後方向に沿って延びるサイドフレームと前記前方側ロッカ部とを互いに繋ぐクロスメンバに結合すると共に、前記ホイールハウスメンバの後端を、前記ホイールハウスの後方側ロッカ部を構成するリヤロッカパネルに結合したことを特徴とする請求項1又は2に記載のキャブオーバ型車両の乗降口周縁部構造。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2007−131042(P2007−131042A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−323633(P2005−323633)
【出願日】平成17年11月8日(2005.11.8)
【出願人】(000002082)スズキ株式会社 (3,196)
【Fターム(参考)】