キャリブレーション機能付き画像出力装置
【課題】カラープリンタ等の画像出力装置において、内部機構の経時的な状態変化等により出力画像が異なることがないように、テストチャートと基準チャートとを目視にて評価を行い、評価結果に基きキャリブレーションを行う。
【解決手段】画像出力装置1は、キャリブレーション実施判定部11、キャリブレーション機能部12、画像出力装置部13からなる。画像出力装置1は、通常の印刷を行うとともにキャリブレーション用のテストチャートを出力する画像出力手段(例、レーザビームプリンタ)と、粒状性、階調性、色再現性等の評価項目の変動が少なく、キャリブレーション用の基準チャートを出力する画像出力手段(例、インクジェットプリンタ)を有し、テストチャートと基準チャートを用い、所定の評価項目における目視評価を行い、評価結果を画像出力装置に入力してキャリブレーションを行うか否か決定する。
【解決手段】画像出力装置1は、キャリブレーション実施判定部11、キャリブレーション機能部12、画像出力装置部13からなる。画像出力装置1は、通常の印刷を行うとともにキャリブレーション用のテストチャートを出力する画像出力手段(例、レーザビームプリンタ)と、粒状性、階調性、色再現性等の評価項目の変動が少なく、キャリブレーション用の基準チャートを出力する画像出力手段(例、インクジェットプリンタ)を有し、テストチャートと基準チャートを用い、所定の評価項目における目視評価を行い、評価結果を画像出力装置に入力してキャリブレーションを行うか否か決定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリブレーション機能付き画像出力装置に関し、さらに詳しくは、テストチャートと基準チャートとを用いて評価を行い、評価結果に基きキャリブレーションを行うキャリブレーション機能付き画像出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラープリンタ等の画像出力装置は、該装置の内部機構の経時的な状態変化等により、同じ画像を出力させても、出力画像が異なったものとなってしまう場合があった。この問題を解決させるためには、画像出力装置のキャリブレーションを定期的に行う必要がある。このキャリブレーションについては、例えば、特許文献1に開示された「画像処理装置及びその方法、及び画像形成装置」のように、画像出力装置にスキャナ等の読取り装置が備えつけられている場合、読み取った画像信号に対して視覚特性を加味し、その画像信号に基づいて画質を判定することによって行う方法が提案されてきた。
しかし、特許文献1に開示された方法では、画質を判定するために、画像形成装置にスキャナ等の読取り装置を備え付けなければならず、画像形成装置が大きくなってしまうという問題がある。
【0003】
そこで、特許文献2に開示された「カラープリンタのキャリブレーション調整方法」において、CMYKのハイライト、ミドル、シャドーそれぞれについて、プリントアウトしたテストチャートと予め用意されていた基準チャートとの比較を行い、同じ濃度のパッチを選択することによってキャリブレーションを実施するものが提案されている。
しかし、特許文献2に開示された方法では、基準チャートの保存、管理をユーザに要求しなければならないこと、及び保存時における基準チャートの退色が問題となる。
【0004】
また、特許文献3に開示された「カラーレーザプリンタのキャリブレーション方法及びテストチャート」において、テストチャート上に基準となるベタパッチと評価対象となるパッチを出力し、色差が最小となるパッチを選択することにより、キャリブレーションを実施するものが提案されている。
しかし、特許文献3に開示された方法では、基準となるパッチもテストパッチと同様の出力装置より出力するため、安定した基準パッチが出力できないという問題がある。
【特許文献1】特開2000−168054号公報
【特許文献2】特開平10−6562号公報
【特許文献3】特開2002−44455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術が有する上記したような問題を解消することを目的としてなされたもので、テストチャートを第1の出力装置より出力し、基準チャートを第1の出力装置よりも評価項目において変動の少ない第2の出力装置(基準チャート出力装置)より出力し、テストチャートと基準チャートとの目視比較によって、画質評価項目における評価を行、評価結果に基いてキャリブレーションを実施するようにしたキャリブレーション機能付き画像出力装置を提供するものである。ここで、第2の出力装置は、第1の出力装置内に組み込まれていてもよいし、第1の出力装置とネットワークで接続されていてもよい。
また、基準チャートを簡単に入手し、この基準チャートを用いて、第1の出力装置が出力するテストチャートを精度よく画質評価を行うことができるキャリブレーション機能付き画像出力装置を提供することを目的とする。
また、画質評価を行うための基準チャートをユーザにより保存・管理する必要をなくし、退色の影響をなくすことができるキャリブレーション機能付き画像出力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、テストチャートを出力する第1の画像出力手段と、基準チャートを出力する第2の画像出力手段と、前記テストチャートと前記基準チャートを用い、所定の評価項目における評価を行い、評価結果によりキャリブレーションを実施する手段を有するキャリブレーション機能付き画像出力装置であることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置において、前記第2の画像出力手段は、前記第1の画像出力手段よりも前記評価項目において変動が少ない画像出力手段であることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置において、前記第2の画像出力手段は、前記第1の画像出力手段内に組み込まれていることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2または3に記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置において、前記第2の画像出力手段は、インクジェットプリンタであることを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置において、前記評価項目は、粒状性、階調性、色再現性の少なくとも1以上であることを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置おいて、明るさの異なる所定パターンのパッチを配列させたパッチ群をテストチャートとして出力する前記第1の画像出力手段と、前記テストチャートの各パッチと略等しい明るさを有し、かつ異なる変動を有するパッチ群からなるパターンを基準チャートとして出力する前記第2の画像出力手段と、前記テストチャートと前記基準チャートとの粒状性の比較の結果、前記テストチャートのパッチと最も近似するパッチを前記基準チャートから選択する選択手段と、該選択手段によって選択されたパッチに基づいて粒状度劣化レベルが決定され、該粒状度劣化レベルに基づいてキャリブレーションを実施するか否かを決定する決定手段とを有することを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置おいて、一定の濃度差で並べた複数の濃度域を配列させたパッチ群をテストチャートとして出力する前記第1の画像出力手段と、濃度領域が所定の基準濃度からなるパターンを基準チャートとして出力する前記第2の画像出力手段と、前記テストチャートと前記基準チャートとの濃度の比較の結果、前記テストチャートのパッチと最も近似するパッチを前記基準チャートから選択する選択手段と、該選択手段によって選択されたパッチに基づいて濃度補正データを演算する演算手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項8の発明は、シアン、マゼンタ、イエロー、黒4色の色材において、複数の濃度域を配列させたパッチ群を第1のテストチャートとして出力する第1の画像出力手段と、濃度領域が所定の基準濃度からなるパターンを第1の基準チャートとして出力する第2の画像出力手段と、前記テストチャートと前記基準チャートとの濃度の比較の結果、前記第1のテストチャートのパッチと最も近似するパッチを前記第1の基準チャートから選択する第1の選択手段と、該第1の選択手段によって選択されたパッチに基づいて濃度調整を行う手段と、シアン、マゼンタ、イエローの比を少しずつ変えた自然画を配列させたパッチ群を第2のテストチャートとして複数の濃度域において出力する第3の画像出力手段と、濃度領域が所定の基準色からなるパターンを第2の基準チャートとして出力する第4の画像出力手段と、前記第2のテストチャートと前記第2の基準チャートとの色合いにおける比較の結果、前記第2のテストチャートのパッチと最も近似するパッチを前記第2の基準チャートから選択する第2の選択手段と、該第2の選択手段によって選択されたパッチに基づいて色濃度補正データを演算する演算手段を有するキャリブレーション機能付き画像出力装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に対する作用効果
請求項1に記載の画像出力装置においては、キャリブレーション実施時に基準チャートを画像出力手段より出力するので、基準チャートのユーザによる保存・管理の必要がなくなり、また退色の影響をなくすことができる。
【0015】
請求項2に対する作用効果
請求項2に記載の画像出力装置においては、基準チャートを出力する第2の画像出力手段が評価項目において変動の少ないので、経時的に変動することが少ない基準チャートを出力することができる。
【0016】
請求項3に対する作用効果
請求項3に記載の画像出力装置においては、第2の画像出力手段が第1の画像出力手段に組み込まれているので、基準チャートの出力を簡易な形態で行うことができる。
【0017】
請求項4に対する作用効果
請求項4に記載の画像出力システムにおいては、第2の画像出力手段がインクジェットプリンタであるので、より簡単な構成で、変動の少ない基準チャートを出力することができる。
【0018】
請求項5に対する作用効果
請求項5に記載の画像出力システムにおいては、評価項目が粒状性、階調性、色再現性であるので、画質の見え方に対して線形に評価することができる。
【0019】
請求項6に対する作用効果
請求項6に記載の画像出力システムにおいては、明るさの異なるパターンのパッチを配列したパッチ群からなるテストチャートとテストチャートの各パッチと略等しい明るさを有し、かつ異なる変動を有するパッチ群のパターンからなる基準チャートを用いるので、粒状度劣化レベルが簡易、かつ精度良く分かり、キャリブレ−ションを実施するか否かを精度よく決定することができる。
【0020】
請求項7に対する作用効果
請求項7に記載の画像出力システムにおいては、一定の濃度差で並べた複数の濃度域を配列させたパッチ群からなるテストチャートと濃度領域が所定の基準濃度のパターンからなる基準チャートとを用いるので、階調特性のキャリブレーションを精度よく行うことができる。
【0021】
請求項8に対する作用効果
請求項8に記載の画像出力システムにおいては、CMYKの色材において複数の濃度域を配列させたパッチ群からなる第1のテストチャートと濃度領域が所定の基準濃度のパターンからなる第1の基準チャート、及びCMYの比を少しずつ変えた自然画を配列させたパッチ群からなる第2のテストチャートと濃度領域が所定の基準色のパターンを第2基準のチャートとを用いるので、色再現性のキャリブレーションを精度よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
カラープリンタ等の画像出力装置において、画像出力装置からテストチャートと基準チャートとを出力させ、テストチャートを基準チャートを用いて目視評価を行い、評価結果に基きキャリブレーションを行うか否かを精度よく決定して、画像出力装置の内部機構の経時的な状態変化等により出力画像が経時的に変化することがないようにするもので、そのための画像出力装置は、通常の印刷時に用いられるとともにキャリブレーション実施時にテストチャートを出力するのに用いられる第1の画像出力手段(例えば、レーザビームプリンタ)と、粒状性、階調性、色再現性等の評価項目の変動が少なく、キャリブレーション実施時に基準チャートを出力するインクジェットプリンタからなる第2の画像出力手段(例えば、インクジェットプリンタ)と、前記テストチャートと前記基準チャートを用い、所定の評価項目において目視評価を行い、評価結果に基いて、画像出力装置がキャリブレーションを行うか否かを決定する手段と、キャリブレーションを行う場合には画像出力装置の出力γ補正テーブル等のデータを変更、更新する等によりキャリブレーションを実施する手段を有する。これにより、基準チャートを簡単に入手し、この基準チャートを用いて、第1の出力装置が出力するテストチャートを精度よく画質評価を行うことができ、また画質評価を行うための基準チャートをユーザにより保存・管理する必要をなくし、退色の影響をなくすことができる。
以下、図1〜図30を参照して、本発明の実施例について詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
本発明の実施例1の画像出力装置1は、印刷装置としてカラーレーザビームプリンタ(以下、「LBP」ともいう)を用い、通常においては電子写真方式の印刷を行うものであるが、キャリブレーション機能を有しており、キャリブレーションを行う際に用いられるインクジェットプリンタのプリントヘッドを補助的に備えている。
図1は、実施例1のカラーレーザビームプリンタからなる画像出力装置1の機能構成を示すブロック図で、この画像出力装置1は、キャリブレーション実施判定部11、キャリブレーション機能部12、画像出力装置部13からなる。
【0024】
図5は、実施例1の画像出力装置として用いられるカラーレーザビームプリンタの構成を示すブロック図である。
カラーレーザビームプリンタ(LBP)1030は、図示しないインクジェットプリンタのプリントヘッドとともに画像出力装置1の構成要素であって、パーソナルコンピュータ等情報処理装置としてのホストコンピュータ1001と通信線1002を介して接続され、印刷システムを構成している。LBP1030において、プリンタコントローラ1031は、プリンタ全体の動作制御やデータ処理を実行する制御ユニットである。すなわち、プリンタコントローラ1031は、この制御ユニット全体におけるデータ処理を制御するCPU1033,CPU1033が行う制御の処理手順を記述したプログラムを格納するプログラムROM1034、及びCPU1033による制御において、制御コードやデータの解釈、印刷に必要な演算、さらには印刷データの処理等のためのワークエリアとして用いられるRAM1035を有して、上記動作制御やデータ処理を実行することができる。
【0025】
プログラムROM1034には、図5に示すように、ホストコンピュータ1001からの印刷データに基づいて、画像処理を行い本プリンタで印刷する画像オブジェクトを生成する処理プログラムである画像情報生成1041、この画像情報生成1041の処理における所定のテーブルデータを更新するための、キャリブレーションを実行する処理プログラムである実行/判断1044、及び印刷の片面印刷または両面印刷の制御、及びユーザの指定による給紙口、排紙口の設定を行う処理プログラムである給排紙口設定1042も格納されている。
【0026】
以上の構成によって、プリンタコントローラ1031は、ホストコンピュータ1001から送られる印刷データに基づいた印刷処理を実行するが、この際、入出力バッファ1032は、ホストコンピュータ1001との間のデータの入出力を制御するホストI/F部1048を介して入出力されるデータを一時的に格納する。さらに、ビットマップ画像転送部1040は、画像処理生成1041によって生成された画像オブジェクトをビットマップ画像に展開し、エンジンI/F部1046を介して印刷エンジン部1036へ転送する。
【0027】
LBP1030、またはそのプリンタコントローラ1031は以上の構成の他、ユーザがプリンタに関する種々の操作を行うための操作パネル1037、この操作パネルとプリンタコントローラ1031との信号接続を行うためのパネルI/F部1047、また印刷データや本プリンタの様々な情報等の保存に利用される、フレキシブルディスク等の外部メモリ1038とこの外部メモリ1038とプリンタコントローラ1031とのデータ接続を行うためのメモリI/F部1039、さらに上述した各要素間を接続するシステムバス1043を有している。
【0028】
図2は、キャリブレーション実施判定部11の機能構成を示すブロック図、図3は、キャリブレーション機能部12の機能構成を示すブロック図、図4は、画像出力装置部13の機能構成を示すブロック図である。
キャリブレーション実施判定部11は、入力情報認識部111、テストチャート出力処理部112、劣化レベル認識部113、劣化レベル記憶部114、実施判定部115、使用情報計数部116、実施基準情報記憶部117、出力処理部118からなる。
また、キャリブレーション機能部12は、テストチャート出力処理部121、パターン用テーブル記憶部122、パターン情報認識部123、パターン設定部124からなり、画像出力装置部13は、基準チャート出力処理部131からなる。
【0029】
入力情報認識部111は、ユーザがキャリブレーションを実施したい場合、画像出力装置1の操作画面上でキャリブレーションボタンを選択したことを認識する。
ここで、画像出力装置部13は、画像出力装置1つまり実施例1のLBP、に組み込まれている印刷装置に相当し、画像出力装置1よりも所定の評価項目(例えば、粒状性、諧調性、色再現性等)において変動の少ない出力装置(実施例1の場合、インクジェットプリンタ)が用いられ、所定の時期に定期的にキャリブレーションが行われるものとする。
【0030】
画像出力装置1に組み込まれている印刷装置とは、例えば、インクジェットプリンタのプリントヘッド部分をLBPの排紙口等に装着するものとする。
インクジェットプリンタは、基本的に、電子写真方式プリンタ(LBP)等よりもプリントするまでのプロセスが簡単であるため、評価項目において変動は少ない。また、通常キャリブレーションは、印刷を開始してからの経過時間や印刷した用紙の枚数に応じた一定周期もしくは一定条件で行われる。すなわち、印刷を実行する直前(例えば、印刷データを受信した後)や印刷を実行している途中に、このような周期や条件を満たしているか否かを判断し、満たしている場合には、キャリブレーションを実行するものである。
【0031】
また、このキャリブレーションの内容は、上述のLBPの場合、感光体ドラム上もしくは中間転写体上にトナーによって形成したパッチ像の濃度を光学センサによって読取り、これに基づいて画像データを処理する際に用いる出力γ補正テーブル等のデータを変更、更新するものである。
【0032】
基準チャート出力処理部131は、入力情報認識部111において、ユーザが画像出力装置1の操作画面上でキャリブレーションボタンを選択したことを認識した場合、予めハードディスク等に記録されているキャリブレーション用のチャートデータにより、基準チャートをプリントする。
テストチャート出力処理部112は、入力情報認識部111において、テストチャートを出力する命令を認識した場合、予めハードディスク等に記録されているキャリブレーション用のチャートデータにより、テストチャートをプリントする。
図6は、粒状度劣化レベル(画像のざらつき度合い)を評価するためのテストチャートを示す図、図7は、粒状度劣化レベルを評価するための基準チャートを示す図である。
なお、本実施例では、レベルの数が小さいほど粒状性が低く(画質良い)、レベルの数が大きいほど粒状性が高い(画質悪い)ものとする。
【0033】
そして、基準チャートとテストチャートとを目視比較する。劣化レベル認識部113は、画像出力装置1の操作画面上に入力した目視結果を認識し、劣化レベル記憶部114へ記憶する。使用情報計数部116は、LBPからなる画像出力装置の使用により、使用枚数、稼動時間、各種状態情報(例えば、トナー濃度制御電圧値)等の使用情報を計数(インクリメント)または計測して記憶するものである。
【0034】
使用枚数を測定するセンサや稼動時間や各種状態情報等を測定するセンサ等はエンジン部1036に設けられている。センサで検知された使用情報は一時的にRAM1035に記憶される。
【0035】
また、キャリブレーションを実施するか否かの判断基準値が実施基準情報記憶部117に予め記憶されている。目視結果や使用情報計数部116に記憶されている情報と、実施基準情報記憶部117に記憶されている基準値を比較し、実施判定部115でキャリブレーションを実施するか否かの判定を行う。実施判定部115においては、レベル6以上(レベル6,7が対象となる)の場合はキャリブレーションを実施しないと判定される。なお、レベルについては、基準チャートの説明において後述する。
【0036】
キャリブレーションを実施しない判定された場合、前回のキャリブレーション実施時からの使用情報(使用枚数や稼動時間等)を取得し、その使用情報を含めてキャリブレーションを実施するか否かを決定する。その場合、実施判定部115において、粒状度劣化レベル5、かつ印刷された数が1万枚未満である場合、キャリブレーションを実施しないと判定され、粒状度劣化レベル6、かつ1万枚以上である場合、キャリブレーションを実施すると判定される。これによって、キャリブレーションを実施するか否かの決定を精度よく行うことができる。
【0037】
キャリブレーションを実施すると判定された場合、図3に示すキャリブレーション機能部12によってキャリブレーションが実施される。キャリブレーション機能部12は、テストチャート出力処理部121、パターン用テーブル記憶部122、パターン情報認識部123、パターン設定部124からなる。
【0038】
テストチャート出力処理部121は、パターン用テーブル記憶部122で予め記憶されている中間調処理パターン用テーブル(数種類の処理パターン)を用いた数種類の処理パターンを図6に示すようにテストチャートとしてプリントする。テストチャートにより、ユーザが所望する処理パターンを目視選択し、画像出力装置1の操作画面上に入力する。パターン情報認識部123は、画像出力装置1の操作画面上に入力した処理パターンの選択結果を認識し、パターン設定部124において、処理パターンを設定する。
【0039】
図8は、ユーザが所望する処理パターンを目視選択し、操作画面上に入力する際に表示される操作画面を示す図、図9は、図8に示す操作画面上の一部の表示画面を示す図である。
ユーザが所望する処理パターンを目視選択し、操作画面2000に入力する際の操作画面上への入力方法の一例は、操作画面2000に表示されているキャリブレーション実施ボタンを押すと、表示画面2001は図9に示すような表示に切り替わり、パターン選択の操作に移る。そして、操作画面上の上下向きのボタン2003によって、パターンを選択する。上向きのボタンをクリックすると数が増し、下向きのボタンをクリックすると数が減る。例えば、初期設定が1と表示されているとして、目視によって6と判断された場合、上向きボタンを5回クリックすることで6と表示される。そして、設定ボタンをクリックする。
【0040】
キャリブレーションを実施しないと判定された場合、出力処理部118によって、ユーザへキャリブレーションを実施しないことを操作画面上に表示するか、またはプリントすることができる。これによって、ユーザは画像出力装置1がキャリブレーションを実施したとしても、画質向上とならないことを知ることができ、ユーザ支援の向上となる。
キャリブレーションを実施しないことをユーザに知らせる手段としては、例えば図8に示す操作画面のキャリブレーション無しのボタンが点滅することによって行われる。
【0041】
実施例1の画像出力装置が実施するキャリブレーションついて説明する。
図10は、実施例1の画像出力装置がキャリブレーションを実施する際のフローチャートである。
まず、使用者であるユーザがキャリブレーション要求のため、画像出力装置1の操作画面2000上にあるキャリブレーションボタンを選択すると、テストチャート出力処理部112より図6に示すような粒状度劣化レベル(画像のざらつき度合い)を評価するための図6に示すようなテストチャート1120を出力する(ステップ101)。このテストチャート上では、明るさを変化させた(例えば、a(明るい)〜e(暗い)の5段階)単色パッチ群を出力する。ここで、単色とは、例えば黒色や肌色のような記憶色である。
【0042】
また、基準チャート出力処理部131から、図7に示すような基準チャートを出力する(ステップ102)。基準チャートパッチには粒状度劣化レベルが記載されている(例えば、劣化レベル1(画質良い)〜7(画質悪い))。なお、レベルの数が小さいほど粒状性が低く(画質良い)、レベルの数が大きいほど粒状性が高い(画質悪い)ものとする。この基準チャート上には、テストチャートと等しい明るさで、かつノイズのない電子データにガウシアンノイズを加えたデータで作成された単色パッチが形成されている。基準チャートを画像出力装置1より出力することによって、基準チャートのユーザによる保存・管理の必要がなくなり、また退色の影響をなくすことができる。
【0043】
ここで、画像出力装置部13は、前述したように画像出力装置1よりも所定の評価項目(この例では、粒状度)において変動の少ない画像出力装置(例えば、インクジェットプリンタ)を用いている。これによって、退色等の変動の少ない基準チャートを簡易な形態で出力することができる。
【0044】
次に、ユーザはテストチャートのパッチの中から基準チャートと同じ明るさのパッチを選択し(例えば、c)、目視によってそのテストチャート上のパッチに最も粒状性(ざらつき)の近いパッチを基準チャートより選択する(例えば、6)(ステップ103)。これによって、スキャナ等を用いず、簡易な形態で画質のレベルを得ることができる。そして、選択したパッチの横に記載された数値を画像出力装置1に登録する(ステップ104)。
【0045】
ここで、画質のレベルを登録する方法について説明する。
図8に示す操作画面2000に表示されているキャリブレーション実施ボタンを押すと、表示画面2001は図9に示すような表示に切り替わり、パターン選択の操作に移る。そして、操作画面上の上下向きのボタン2003によって、パターンを選択する。上向きのボタンをクリックすると表示画面2001に表示された数が増し、下向きのボタンをクリックすると数が減少する。例えば、初期設定が1と表示されているとして、目視によって6と判断された場合、上向きボタンを5回クリックすることで6と表示される。そして、設定ボタンをクリックする。
【0046】
次に、登録結果を基にキャリブレーションを実施するか否かを決定する(ステップ105)。キャリブレーションを実施するか否かの判定は、実施判定部115において予め設定されている所定値R1に基づいて行われる。
【0047】
次に、登録結果と前回のキャリブレーション実施時期からの使用情報(使用枚数や稼動時間等)を基にキャリブレーションを実施するか否かを決定する。これは、粒状度レベルが高い(画質悪い)ものほど、キャリブレーションを実施したとしても画質向上は望まれにくく、また、前回のキャリブレーション実施時期からの使用枚数が多い、または稼動時間が長いほど、キャリブレーションの実施による画質向上は望まれにくいことによる。そのため、キャリブレーションを実施するか否かを決定するには、粒状度レベルと前回の交換時期からの使用情報の双方を考慮する必要がある。
【0048】
まず、粒状度レベルが非常に高い(画質悪い)場合は、前回のキャリブレーション実施時期からの使用情報によらず、キャリブレーションを実施したとしても画質向上は望まれない。そのため、所定値R1にキャリブレーションを実施したとしても画質向上とならない粒状度レベルを設定する。例えば、粒状度レベル6以上であるとき、キャリブレーションを実施したとしても画質向上は望まれないとする。その場合、所定値R1にはレベル6が設定される。
【0049】
次に、上記したように設定したレベル(キャリブレーションを実施したとしても画質向上とならない粒状度レベル)以外の場合について説明する。
図11は、キャリブレーションを実施する際の、粒状度レベルと前回のキャリブレーション実施時期からの使用枚数の基準値との関係を示す図である。
実施基準情報記憶部117には、図11に示すように粒状度レベル毎に前回のキャリブレーション実施時期からの使用枚数を基準値とした値が予め記憶されていて、設定された使用枚数以上の場合、キャリブレーションを実施しないと決定される。もちろん、前回の交換時期からの使用枚数を設定するだけでなく、稼動時間と使用枚数を用いた設定でもよい。
【0050】
そこで、まず、実施判定部115において、レベル6以上(レベル6,7がキャリブレーションの対象となる)の場合はキャリブレーションを実施しないと判定される(ステップ109)。
次に、キャリブレーションを実施しないと判定されなかった場合、前回のキャリブレーション実施時期からの使用情報(使用枚数や稼動時間等)を取得し(ステップ106)、その使用情報を含めてキャリブレーションを実施するか否かを決定する(ステップ107)。その場合、実施判定部115において、粒状度劣化レベル5、かつ1万枚以上である場合、キャリブレーションを実施しないと判定され(ステップ109)、粒状度劣化レベル5、かつ1万枚未満である場合、キャリブレーションを実施すると判定される(ステップ108)。これによって、キャリブレーションを実施するか否かの決定を精度よく行うことができる。
【0051】
ここで、キャリブレーション実施しない(ステップ109)と決定された場合、保守作業を促す情報を画像出力装置上に表示をする等の方法でユーザに知らせる。ここで、保守作業を促す手段としては、例えば図8に示す操作パネル2000の保守作業のボタンが点滅することによりユーザに知らせる。
【0052】
そして、保守作業を促す情報は画像出力装置1を遠隔管理するホストコンピュータ1001等の中央管理装置へ、ホストコンピュータ1001との間のデータの入出力を制御するホストI/F部1048を介して送信する。これによって、ユーザは画像出力装置の状態を知ることができ、またユーザ支援を向上することができる。
【0053】
逆に、キャリブレーション実施する(ステップ108)と決定された場合、所定の方法でキャリブレーションを実施する。キャリブレーションの方法の例として、まず、異なる中間調処理(例えば、ディザ処理、誤差拡散処理)パターンをテストチャートとして出力する。ここで、ディザ処理、誤差拡散処理等の中間調処理は公知であり、その一例が特開2003−69820号公報「画像情報処理装置」に記載されている。
【0054】
テストチャートには、粒状性を評価するためのものと、鮮鋭性を評価するためのものがある。これは、処理パターンによって、粒状性を重視したものは、鮮鋭性が悪くなる可能性がある。また逆に、鮮鋭性を重視したものは、粒状性が悪くなる可能性がある。よって、粒状性と鮮鋭性の相互関係を考慮した処理パターン(例えば、3)を選択し、画像出力装置へ入力する。入力情報により、処理パターンが設定される。これによって、ユーザの所望する画質を精度よく提供することができる。
【実施例2】
【0055】
本発明の実施例2の画像出力装置は、画像出力装置においてキャリブレーション機能を有している。
図12、図14は、それぞれ第1、第2の画像出力装置の機能構成の一部を示すブロック図である。
この第1、第2の画像出力装置2、3は、それぞれキャリブレーション部21、31からなる。第2の画像出力装置3は第1の画像出力装置2とネットワークを介して接続されており、第1の画像出力装置2よりも所定の評価項目において変動の少ない画像出力装置である。ここで、第2の画像出力装置3の選択方法であるが、第1の画像出力装置2とネットワークを介して接続されている画像出力装置が複数台存在するとした場合、第2の画像出力装置3はその複数の画像出力装置の中で前回のキャリブレーション実施時期からの使用情報(使用枚数や稼動時間等)に基づき(例えば、前回のキャリブレーション実施時期からの使用枚数が少ない)選択する等の方法があるが、もちろん、この方法に限られるものではない。
【0056】
図13、図15は、それぞれ第1、第2のキャリブレーション機能部21、31の構成を示すブロック図である。
図13において、第1のキャリブレーション機能部21は、入力情報認識部211、テストチャート出力処理部212、濃度段階差情報認識部213、補正データ演算部214、補正データテーブル記憶部215からなる。また、図15において、第2のキャリブレーション機能部31は、入力情報認識部311、基準チャート出力処理部312からなる。
ユーザがキャリブレーションを実施したい場合、第1の画像出力装置2の操作画面上でキャリブレーション実施ボタンを選択する。キャリブレーションボタンを選択した情報が入力情報認識部211、311で認識される。図8に示す操作画面2000は、実施例2の画像出力装置の操作画面としても使用され、キャリブレーション実施ボタンを選択すると、表示画面2001にパターン選択の画面に切り替わり、上下向きボタン2003をクリックすることでパターンを選択することができる。
【0057】
図16は、実施例2の画像出力装置が出力する階調性を評価するためのテストチャートを示す図、図17は、実施例2の画像出力装置が出力する階調性を評価するための基準チャートを示す図である。
テストチャート出力処理部212は、キャリブレーションを実施しようとしていることが入力情報認識部211で認識された場合、予めハードディスクなどに記録されているキャリブレーション用のチャートデータにより、テストチャートをプリントする。
基準チャート出力処理部312は、基準チャートを出力することが入力情報認識部311で認識された場合、予めハードディスクなどに記録されているキャリブレーション用のチャートデータにより、基準チャートをプリントする。なお、第3の画像出力装置3にキャリブレーション用のチャートデータを記録せず、第2の画像出力装置2に記録されているキャリブレーション用のチャートデータをネットワークを介して取得することもできる。
【0058】
ユーザがテストチャートと基準チャートを目視比較し、第1の画像出力装置2の操作画面上に濃度段階差を入力する。濃度段階差情報認識部213は、第1の画像出力装置2の操作画面上に入力した濃度段階差を認識し、補正データ演算部214において補正データを演算し、補正データのテーブルを作成し、補正データテーブル記憶部215に記憶する。
【0059】
実施例2の画像出力装置が実施するキャリブレーションついて説明する。
図20は、実施例2の画像出力装置がキャリブレーションを実施する際のフローチャートである。
まず、使用者であるユーザがキャリブレーション要求のため、画像出力装置の操作画面上にあるキャリブレーションボタンを選択すると、第1の画像出力装置2は図17に示した階調性を評価するためのテストチャートを出力する(ステップ201)。
【0060】
テストチャート上には、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各々について、網%濃度が0%〜100%まで一定の濃度差(5%)で並べた21個のカラーパッチが出力されている。これらのカラーパッチは、濃度の高い順に「ハイライト」(70%〜100%)、「ミドル」(35%〜65%)、「シャドー」(0%〜30%)の3つの濃度グループに区分されている。
【0061】
次に、第2の画像出力装置3は、図17に示す階調性を評価するための基準チャートを出力する(ステップ202)。第2の画像出力装置3は第1の画像出力装置2よりも所定の評価項目(例、階調性)において変動の少ない画像出力装置であるため、基準チャートを変動の少なくすることができる。また、基準チャートを第2の画像出力装置より出力することによって、基準チャートのユーザによる保存・管理の必要がなくなり、また退色の影響をなくすことができる。
【0062】
基準チャート上には、テストチャート上の7個のカラーパッチの長さに相当する長尺のカラーパッチがK,C,M,Yの各々の「ハイライト」、「ミドル」、「シャドー」の3つの濃度グループについて出力されている。ここで、「ハイライト」、「ミドル」、「シャドー」の長尺カラーパッチの網%濃度は、各濃度グループ7個のカラーパッチの中間網%濃度であり、各々85%、50%、15%である。上記カラーパッチの並べ方はK,C,M,Yを横に並べたが、もちろん縦1列に並べてもよい。
なお、テストチャートデータは、補正データで補正されていないものを用いる。
【0063】
次に、基準チャートとテストチャートとの目視比較を行う(ステップ203)。
図18は、目視比較を行う際のテストチャートを示す図であり、図19は、目視比較を行う際の基準チャートを示す図である。
目視比較は、例えば図18、図19のように行われ、各々の濃度グループ(ハイライト、ミドル、シャドー)におけるテストチャートの複数の濃度領域(7個のカラーパッチ)と、これらのカラーパッチと同一の濃度グループに属する基準チャートの長尺のカラーパッチとの2箇所を比較する。この比較において、長尺のカラーパッチの濃度がテストチャートの7個のカラーパッチのうち、いずれの濃度に一致しているかを探し、何段パッチがずれているかを(濃度段階差)を見い出す。例えば、長尺のカラーパッチの濃度が、7個のカラーパッチの中間カラーパッチ濃度に一致している場合は濃度段階差が0段、最も高い濃度のカラーパッチ濃度に一致している場合には濃度段階差が+3段、最も低い濃度のカラーパッチ濃度に一致している場合には濃度段階差が−3段となる。そして、Y,M,C,Kの各々について、ハイライト、ミドル、シャドー部の計12箇所の濃度段階差(補正データ)を求める。
【0064】
次に、ユーザは、上記補正データを第1の画像出力装置2の操作画面上に入力する(ステップ204)。該入力により、キャリブレーションの必要か否かを判定する(ステップ205)。キャリブレーションの必要がない場合、すなわち、Y,M,C,Kの各々におけるハイライト、ミドル、シャドー部の計12箇所の濃度段階差が全て0段である場合、もしくは「キャンセル」等の要求があった場合、キャリブレーション調整を終了する(ステップ206)。
【0065】
キャリブレーションの必要がある場合、入力されたY,M,C,Kにおけるハイライト、ミドル、シャドー部の濃度段階差に基づいてプリンタ条件補正データを演算し、補正データのテーブルを作成する(ステップ207)。
【0066】
ここで、演算方法について説明する。
データを出力する出力部に実際に入力すべき信号のQL値をQ’とすれば、演算するための式は式1となる。
Q’ = Q + (α * ΔQ) ・・式1
ただし、αは画像出力装置の操作画面上に入力された濃度段階差、ΔQは各パッチの濃度が1段異なる毎のQL値の変動量、Qは基準となるQL値を示す。
そして、ハイライト、ミドル、シャドー部における基準となるQL値を各々Qh、Qm、Qsとして、式1を用いて各々のQ’値である、Qh’、Qm’、Qs’を求め、QとQ’との関係をグラフにプロットすると、図21の点h、m、sのように表わされる。
図21は、基準となるQL値:Qと、実際に入力すべき信号のQL値:Q’の関係を示すグラフである。
【0067】
図21に示すように、QとQ’の関係では、基準チャートとテストチャートとの間に濃度段階差がない場合は、点h、m、sの3点は直線(Q’=Q)上に乗るはずであるが、濃度段階差が存在するので、αh*ΔQh、αm*ΔQm、αs*ΔQs、の差があることがわかる。ただし、αh、αm、αsは、ハイライト、ミドル、シャドー部における濃度段階差、ΔQh、ΔQm、ΔQsは、ハイライト、ミドル、シャドー部におけるΔQ値を示す。
【0068】
そして、点h、m、sの3点を通る変換曲線を近似的に求め、3点以外の中間部の点をこの変換曲線で補間する。この変換曲線は、上記3点を通る円弧や2次関数で近似することにより求められる。この変換曲線による変換に基づき、Y、M、C、K各色毎に補正データのテーブルを作成する。
【0069】
以上のようにして補正データのテーブルを作成すると、該補正データのテーブルを補正データテーブル記憶部215に登録する(ステップ208)。これによって、階調性におけるキャリブレーションを簡易な形態で精度よく行うことができる。
【0070】
なお、上記補正データの演算方法は、補正データで補正されていないテストチャートを出力し、このテストチャートから判断された濃度段階差から補正データを演算するようにしたが、この例に限られるものではない。例えば、適当に選ばれた補正データで補正したテストチャートを出力し、この補正されたテストチャートから判断された濃度段階差から、補正データを補正するという処理を行ってもよい。
【実施例3】
【0071】
本発明の実施例3の画像出力装置は、画像出力装置におけるキャリブレーション機能を有している。
図22、図24は、それぞれ第1、第2の画像出力装置の機能構成の一部を示すブロック図である。
この第1、第2の画像出力装置4、5は、それぞれキャリブレーション部41、51からなる。第2の画像出力装置5は第1の画像出力装置4とネットワークを介して接続されており、第1の画像出力装置4よりも所定の評価項目において変動の少ない画像出力装置である。ここで第2の画像出力装置5の選択方法であるが、第1の画像出力装置4とネットワークで接続されている画像出力装置が複数台存在するとした場合、第2の画像出力装置5はその複数の画像出力装置の中で前回の交換時期からの使用情報(使用枚数や稼動時間等)に基づき(例えば、前回の交換時期からの使用枚数が少ない)選択する等の方法があるが、もちろん、この方法に限られるものではない。
【0072】
図23、図25は、それぞれ第1、第2のキャリブレーション機能部41,51の構成を示す図である。
図23において、第1のキャリブレーション機能部41は、入力情報認識部411、テストチャート出力処理部412、パッチ番号認識部413、ガンマカーブ作成部414、自然画番号部415、ガンマカーブ修正部416、ガンマテーブル記憶部417からなる。また、図25において、第5のキャリブレーション機能部51は、入力情報認識部511、基準チャート出力処理部512からなる。
【0073】
ユーザがキャリブレーションを実施したい場合、第1の画像出力装置4の操作画面上でキャリブレーションボタンを選択する。キャリブレーションボタンを選択した情報が入力情報認識部411、511で認識される。
テストチャート出力処理部412は、入力情報認識部411でキャリブレーションボタンが選択されたことを認識した場合、予めハードディスクなどに記録されているキャリブレーション用のチャートデータにより、第1のテストチャートを出力する。
図26は、実施例3の画像出力装置が出力する第1のテストチャートを示す図、図27は、実施例3の画像出力装置が出力する第1の基準チャートを示す図である。
【0074】
基準チャート出力処理部512は、ユーザがキャリブレーションボタンを選択したことを入力情報認識部511で認識した場合、予めハードディスクなどに記録されているキャリブレーション用のチャートデータにより、第1の基準チャートを出力する。なお、第2の画像出力装置5にキャリブレーション用のチャートデータを記録せず、第1の画像出力装置4に記録されているキャリブレーション用のチャートデータをネットワークを介して取得することもできる。
【0075】
ユーザが第1のテストチャートと第1の基準チャートの目視比較し、第1の画像出力装置4の操作画面上に同じ濃度であると思われるパッチ番号を入力する。パッチ番号認識部413は、第1の画像出力装置4の操作画面上に入力したパッチ番号を認識し、ガンマカーブ作成部414においてガンマカーブを作成し、テストチャート出力処理部412でガンマカーブ作成結果に基づいた第2のテストチャートを出力する。また、入力情報認識部511でパッチ番号を入力したという情報を認識した場合、基準チャート出力処理部512によって、予めハードディスク等に記録されているキャリブレーション用のチャートデータにより、第2の基準チャートを出力する。
図28は、第2のテストチャートを示す図、図29は、第2の基準チャートを示す図である。
【0076】
ユーザが第2のテストチャートと第2の基準チャートの目視比較し、第1の画像出力装置4の操作画面上に色合い等が正しいと思われる自然画番号を入力する。自然画番号情報認識部415は、第1の画像出力装置4の操作画面上に入力した自然画番号を認識し、ガンマカーブ修正部416においてガンマカーブを修正し、ガンマテーブル記憶部417に記憶する。
【0077】
以上の実施例3の構成に基づくキャリブレーションついて説明する。
図30は、実施例3の画像出力装置がキャリブレーションを実施する際のフローチャートである。
まず、使用者であるユーザがキャリブレーション要求のため、第1の画像出力装置4の操作画面上にあるキャリブレーションボタンを選択すると、第1の画像出力装置4は図26に示したような各々CMYK単色のパッチをある1点の基準となる濃度で形成した第1のテストチャートを出力する(ステップ301)。ここで、第1のテストチャートの各パッチにはC,M,Y,K各々上下に少しずつ濃度を変えて出力する。
【0078】
次に、第2の画像出力装置5は、図27に示したような各々C,M,Y,K単色のパッチをある1点の基準となる濃度で形成した第1の基準チャートを出力する(ステップ302)。第2の画像出力装置5は第1の画像出力装置4よりも所定の評価項目(例えば、色再現性)において変動の少ない画像出力装置であるため、変動の少ない基準チャートを出力することができる。また、基準チャートを画像出力装置より出力することによって、基準チャートのユーザによる保存・管理の必要がなくなり、また退色の影響をなくすことができる。
【0079】
そして、第1の基準チャートを基準濃度として、第1のテストチャートと目視によって比較し、同じ濃度であると思われるパッチを選択する(ステップ303)。そして、C,M,Y,K各々選択したパッチの番号を画像出力装置4の操作画面上に登録する(ステップ304)。この登録方法では、ある1点の濃度の濃度特性しかわからないことになるが、ここでは、その1点の濃度特性からそれ以外の部分の濃度特性を推定する。そして、その推定値に基づいて規定通りの濃度特性になるようC,M,Y,K各々のガンマカーブの作成を行う(ステップ305)。
【0080】
次に、第1の画像出力装置4から、各々ハイライト、ミドル、シャドーの3種類の第2のテストチャート(ステップ306)を、第2の画像出力装置5から第2の基準チャート(ステップ307)を出力する。上記したのと同様に、第2の画像出力装置5は第1の画像出力装置4よりも所定の評価項目(例えば、色再現性)において変動の少ない画像出力装置であるため、変動の少ない基準チャートを出力することができる。また、基準チャートの取得を画像出力装置より出力することによって、基準チャートのユーザによる保存・管理の必要がなくなり、また退色の影響をなくすことができる。
【0081】
この第2のテストチャートでは、各濃度毎に自然画を使用して、各々の第2のテストチャート上にC,M,Yの色のうちある1つの色、例えばMの濃度を固定し、他の色の濃度を上下、左右に行くにしたがい変化させるような形で複数の自然画を出力する。もちろん、ここではMを固定したが、CまたはYを固定してもよい。また、単色パッチの選択結果により作成されたガンマカーブにおいてC,M,Yのバランスがとれていると思われる色の割合の画像を各テストチャートの中央に配置する。これらの第2のテストチャートについて第2の基準チャートとの比較を目視によって行い、色合い等が正しいと思われる自然画を各々のテストチャートごとに選択し(ステップ308)、その選択結果を第1の画像出力装置4の操作画面上に登録する(ステップ309)。第1の画像出力装置4は、登録結果からCMYがどの割合でバランスがとれているかがわかるため、その結果からC,M,Yのバランスが良くなるような方向に、各々のガンマカーブの修正を行っていく(ステップ310)。ここでのガンマカーブの修正では、自然画の選択結果におけるC,M,Yのバランスに完全にあうように修正するのではなく、C,M,Y単色での結果もふまえ、その結果があまり変わらない形で、かつ自然画の選択結果のバランスにより近づくような形に修正を行っていく。ガンマカーブの修正結果をガンマテーブル記憶部417へ記憶する(ステップ311)。これによって、色再現性におけるキャリブレーションを簡易な形態で精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】実施例1の画像出力装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】キャリブレーション実施判定部の機能構成を示すブロック図である。
【図3】キャリブレーション機能部の機能構成を示すブロック図である。
【図4】画像出力装置部の機能構成を示すブロック図である。
【図5】カラーレーザビームプリンタの構成を示すブロック図である。
【図6】粒状度劣化レベル(画像のざらつき度合い)を評価するためのテストチャートを示す図である。
【図7】粒状度劣化レベルを評価するための基準チャートを示す図である。
【図8】ユーザが所望する処理パターンを目視選択し、操作画面上に入力する際に表示される操作画面を示す図である。
【図9】図8に示す操作画面上の一部の表示画面を示す図である。
【図10】実施例1の画像出力装置がキャリブレーションを実施する際のフローチャートである。
【図11】キャリブレーションを実施する際の、粒状度レベルと前回のキャリブレーション実施時期からの使用枚数の基準値との関係を示す図である。
【図12】実施例2の第1の画像出力装置の機能構成の一部を示すブロック図である。
【図13】実施例2の第1のキャリブレーション機能部の構成を示すブロック図である。
【図14】実施例2の第2の画像出力装置の機能構成の一部を示すブロック図である。
【図15】実施例2の第2のキャリブレーション機能部の構成を示すブロック図である。
【図16】階調性を評価するためのテストチャートを示す図である。
【図17】階調性を評価するための基準チャートを示す図である。
【図18】目視比較を行う際のテストチャートを示す図である。
【図19】目視比較を行う際の基準チャートを示す図である。
【図20】キャリブレーションを実施する際のフローチャートである。
【図21】基準となるQL値Qと、実際に入力すべき信号のQL値Q’の関係を示すグラフである。
【図22】実施例3の第1の画像出力装置の機能構成の一部を示すブロック図である。
【図23】実施例3の第1のキャリブレーション機能部を示すブロック図である。
【図24】実施例3の第2の画像出力装置の機能構成の一部を示すブロック図である。
【図25】実施例3の第2のキャリブレーション機能部を示すブロック図である。
【図26】第1のテストチャートを示す図である。
【図27】第1の基準チャートを示す図である。
【図28】第2のテストチャートを示す図である。
【図29】第2の基準チャートを示す図である。
【図30】キャリブレーションを実施する際のフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
1…画像出力装置、11…キャリブレーション実施判定部、111…入力情報認識部、112…テストチャート出力処理部、113…劣化レベル認識部、114…劣化レベル記憶部、115…実施判定部、116…使用情報係数部、117…実施基準記憶部、118…出力処理部、12…キャリブレーション機能定部、121…テストチャート出力処理部、122…パターン用テーブル記憶部、123…パターン情報記憶部、124…パターン設定部、13…画像出力部、131…基準チャート出力処理部、2…第1の画像出力装置、21…キャリブレーション機能部、211…入力情報認識部、212…テストチャート出力処理部、213…濃度段階差情報認識部、214…補正データ演算部、3…第2の画像出力装置、31…キャリブレーション機能部、311…入力情報認識部、312…基準チャート出力処理部、4…第1の画像出力装置、41…キャリブレーション機能部、411…入力情報認識部、412…テストチャート出力処理部、413…パッチ番号認識部、414…ガンマカーブ作成部、415…自然番号認識部、416…ガンマカーブ修正部、417…ガンマテーブル記憶部、5…第2の画像出力装置、51…第2のキャリブレーション機能部、511…入力情報認識部、512…基準チャート出力処理部、1001…ホストコンピュータ、1030…レーザビームプリンタ(LBP)、1031…プリンタコントローラ、2000…操作画面、2001…表示画面、2003…上下向きのボタン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、キャリブレーション機能付き画像出力装置に関し、さらに詳しくは、テストチャートと基準チャートとを用いて評価を行い、評価結果に基きキャリブレーションを行うキャリブレーション機能付き画像出力装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、カラープリンタ等の画像出力装置は、該装置の内部機構の経時的な状態変化等により、同じ画像を出力させても、出力画像が異なったものとなってしまう場合があった。この問題を解決させるためには、画像出力装置のキャリブレーションを定期的に行う必要がある。このキャリブレーションについては、例えば、特許文献1に開示された「画像処理装置及びその方法、及び画像形成装置」のように、画像出力装置にスキャナ等の読取り装置が備えつけられている場合、読み取った画像信号に対して視覚特性を加味し、その画像信号に基づいて画質を判定することによって行う方法が提案されてきた。
しかし、特許文献1に開示された方法では、画質を判定するために、画像形成装置にスキャナ等の読取り装置を備え付けなければならず、画像形成装置が大きくなってしまうという問題がある。
【0003】
そこで、特許文献2に開示された「カラープリンタのキャリブレーション調整方法」において、CMYKのハイライト、ミドル、シャドーそれぞれについて、プリントアウトしたテストチャートと予め用意されていた基準チャートとの比較を行い、同じ濃度のパッチを選択することによってキャリブレーションを実施するものが提案されている。
しかし、特許文献2に開示された方法では、基準チャートの保存、管理をユーザに要求しなければならないこと、及び保存時における基準チャートの退色が問題となる。
【0004】
また、特許文献3に開示された「カラーレーザプリンタのキャリブレーション方法及びテストチャート」において、テストチャート上に基準となるベタパッチと評価対象となるパッチを出力し、色差が最小となるパッチを選択することにより、キャリブレーションを実施するものが提案されている。
しかし、特許文献3に開示された方法では、基準となるパッチもテストパッチと同様の出力装置より出力するため、安定した基準パッチが出力できないという問題がある。
【特許文献1】特開2000−168054号公報
【特許文献2】特開平10−6562号公報
【特許文献3】特開2002−44455号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術が有する上記したような問題を解消することを目的としてなされたもので、テストチャートを第1の出力装置より出力し、基準チャートを第1の出力装置よりも評価項目において変動の少ない第2の出力装置(基準チャート出力装置)より出力し、テストチャートと基準チャートとの目視比較によって、画質評価項目における評価を行、評価結果に基いてキャリブレーションを実施するようにしたキャリブレーション機能付き画像出力装置を提供するものである。ここで、第2の出力装置は、第1の出力装置内に組み込まれていてもよいし、第1の出力装置とネットワークで接続されていてもよい。
また、基準チャートを簡単に入手し、この基準チャートを用いて、第1の出力装置が出力するテストチャートを精度よく画質評価を行うことができるキャリブレーション機能付き画像出力装置を提供することを目的とする。
また、画質評価を行うための基準チャートをユーザにより保存・管理する必要をなくし、退色の影響をなくすことができるキャリブレーション機能付き画像出力装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1の発明は、テストチャートを出力する第1の画像出力手段と、基準チャートを出力する第2の画像出力手段と、前記テストチャートと前記基準チャートを用い、所定の評価項目における評価を行い、評価結果によりキャリブレーションを実施する手段を有するキャリブレーション機能付き画像出力装置であることを特徴とする。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1に記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置において、前記第2の画像出力手段は、前記第1の画像出力手段よりも前記評価項目において変動が少ない画像出力手段であることを特徴とする。
【0008】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置において、前記第2の画像出力手段は、前記第1の画像出力手段内に組み込まれていることを特徴とする。
【0009】
請求項4の発明は、請求項2または3に記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置において、前記第2の画像出力手段は、インクジェットプリンタであることを特徴とする。
【0010】
請求項5の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置において、前記評価項目は、粒状性、階調性、色再現性の少なくとも1以上であることを特徴とする。
【0011】
請求項6の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置おいて、明るさの異なる所定パターンのパッチを配列させたパッチ群をテストチャートとして出力する前記第1の画像出力手段と、前記テストチャートの各パッチと略等しい明るさを有し、かつ異なる変動を有するパッチ群からなるパターンを基準チャートとして出力する前記第2の画像出力手段と、前記テストチャートと前記基準チャートとの粒状性の比較の結果、前記テストチャートのパッチと最も近似するパッチを前記基準チャートから選択する選択手段と、該選択手段によって選択されたパッチに基づいて粒状度劣化レベルが決定され、該粒状度劣化レベルに基づいてキャリブレーションを実施するか否かを決定する決定手段とを有することを特徴とする。
【0012】
請求項7の発明は、請求項1乃至5のいずれかに記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置おいて、一定の濃度差で並べた複数の濃度域を配列させたパッチ群をテストチャートとして出力する前記第1の画像出力手段と、濃度領域が所定の基準濃度からなるパターンを基準チャートとして出力する前記第2の画像出力手段と、前記テストチャートと前記基準チャートとの濃度の比較の結果、前記テストチャートのパッチと最も近似するパッチを前記基準チャートから選択する選択手段と、該選択手段によって選択されたパッチに基づいて濃度補正データを演算する演算手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項8の発明は、シアン、マゼンタ、イエロー、黒4色の色材において、複数の濃度域を配列させたパッチ群を第1のテストチャートとして出力する第1の画像出力手段と、濃度領域が所定の基準濃度からなるパターンを第1の基準チャートとして出力する第2の画像出力手段と、前記テストチャートと前記基準チャートとの濃度の比較の結果、前記第1のテストチャートのパッチと最も近似するパッチを前記第1の基準チャートから選択する第1の選択手段と、該第1の選択手段によって選択されたパッチに基づいて濃度調整を行う手段と、シアン、マゼンタ、イエローの比を少しずつ変えた自然画を配列させたパッチ群を第2のテストチャートとして複数の濃度域において出力する第3の画像出力手段と、濃度領域が所定の基準色からなるパターンを第2の基準チャートとして出力する第4の画像出力手段と、前記第2のテストチャートと前記第2の基準チャートとの色合いにおける比較の結果、前記第2のテストチャートのパッチと最も近似するパッチを前記第2の基準チャートから選択する第2の選択手段と、該第2の選択手段によって選択されたパッチに基づいて色濃度補正データを演算する演算手段を有するキャリブレーション機能付き画像出力装置であることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
請求項1に対する作用効果
請求項1に記載の画像出力装置においては、キャリブレーション実施時に基準チャートを画像出力手段より出力するので、基準チャートのユーザによる保存・管理の必要がなくなり、また退色の影響をなくすことができる。
【0015】
請求項2に対する作用効果
請求項2に記載の画像出力装置においては、基準チャートを出力する第2の画像出力手段が評価項目において変動の少ないので、経時的に変動することが少ない基準チャートを出力することができる。
【0016】
請求項3に対する作用効果
請求項3に記載の画像出力装置においては、第2の画像出力手段が第1の画像出力手段に組み込まれているので、基準チャートの出力を簡易な形態で行うことができる。
【0017】
請求項4に対する作用効果
請求項4に記載の画像出力システムにおいては、第2の画像出力手段がインクジェットプリンタであるので、より簡単な構成で、変動の少ない基準チャートを出力することができる。
【0018】
請求項5に対する作用効果
請求項5に記載の画像出力システムにおいては、評価項目が粒状性、階調性、色再現性であるので、画質の見え方に対して線形に評価することができる。
【0019】
請求項6に対する作用効果
請求項6に記載の画像出力システムにおいては、明るさの異なるパターンのパッチを配列したパッチ群からなるテストチャートとテストチャートの各パッチと略等しい明るさを有し、かつ異なる変動を有するパッチ群のパターンからなる基準チャートを用いるので、粒状度劣化レベルが簡易、かつ精度良く分かり、キャリブレ−ションを実施するか否かを精度よく決定することができる。
【0020】
請求項7に対する作用効果
請求項7に記載の画像出力システムにおいては、一定の濃度差で並べた複数の濃度域を配列させたパッチ群からなるテストチャートと濃度領域が所定の基準濃度のパターンからなる基準チャートとを用いるので、階調特性のキャリブレーションを精度よく行うことができる。
【0021】
請求項8に対する作用効果
請求項8に記載の画像出力システムにおいては、CMYKの色材において複数の濃度域を配列させたパッチ群からなる第1のテストチャートと濃度領域が所定の基準濃度のパターンからなる第1の基準チャート、及びCMYの比を少しずつ変えた自然画を配列させたパッチ群からなる第2のテストチャートと濃度領域が所定の基準色のパターンを第2基準のチャートとを用いるので、色再現性のキャリブレーションを精度よく行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
カラープリンタ等の画像出力装置において、画像出力装置からテストチャートと基準チャートとを出力させ、テストチャートを基準チャートを用いて目視評価を行い、評価結果に基きキャリブレーションを行うか否かを精度よく決定して、画像出力装置の内部機構の経時的な状態変化等により出力画像が経時的に変化することがないようにするもので、そのための画像出力装置は、通常の印刷時に用いられるとともにキャリブレーション実施時にテストチャートを出力するのに用いられる第1の画像出力手段(例えば、レーザビームプリンタ)と、粒状性、階調性、色再現性等の評価項目の変動が少なく、キャリブレーション実施時に基準チャートを出力するインクジェットプリンタからなる第2の画像出力手段(例えば、インクジェットプリンタ)と、前記テストチャートと前記基準チャートを用い、所定の評価項目において目視評価を行い、評価結果に基いて、画像出力装置がキャリブレーションを行うか否かを決定する手段と、キャリブレーションを行う場合には画像出力装置の出力γ補正テーブル等のデータを変更、更新する等によりキャリブレーションを実施する手段を有する。これにより、基準チャートを簡単に入手し、この基準チャートを用いて、第1の出力装置が出力するテストチャートを精度よく画質評価を行うことができ、また画質評価を行うための基準チャートをユーザにより保存・管理する必要をなくし、退色の影響をなくすことができる。
以下、図1〜図30を参照して、本発明の実施例について詳細に説明する。
【実施例1】
【0023】
本発明の実施例1の画像出力装置1は、印刷装置としてカラーレーザビームプリンタ(以下、「LBP」ともいう)を用い、通常においては電子写真方式の印刷を行うものであるが、キャリブレーション機能を有しており、キャリブレーションを行う際に用いられるインクジェットプリンタのプリントヘッドを補助的に備えている。
図1は、実施例1のカラーレーザビームプリンタからなる画像出力装置1の機能構成を示すブロック図で、この画像出力装置1は、キャリブレーション実施判定部11、キャリブレーション機能部12、画像出力装置部13からなる。
【0024】
図5は、実施例1の画像出力装置として用いられるカラーレーザビームプリンタの構成を示すブロック図である。
カラーレーザビームプリンタ(LBP)1030は、図示しないインクジェットプリンタのプリントヘッドとともに画像出力装置1の構成要素であって、パーソナルコンピュータ等情報処理装置としてのホストコンピュータ1001と通信線1002を介して接続され、印刷システムを構成している。LBP1030において、プリンタコントローラ1031は、プリンタ全体の動作制御やデータ処理を実行する制御ユニットである。すなわち、プリンタコントローラ1031は、この制御ユニット全体におけるデータ処理を制御するCPU1033,CPU1033が行う制御の処理手順を記述したプログラムを格納するプログラムROM1034、及びCPU1033による制御において、制御コードやデータの解釈、印刷に必要な演算、さらには印刷データの処理等のためのワークエリアとして用いられるRAM1035を有して、上記動作制御やデータ処理を実行することができる。
【0025】
プログラムROM1034には、図5に示すように、ホストコンピュータ1001からの印刷データに基づいて、画像処理を行い本プリンタで印刷する画像オブジェクトを生成する処理プログラムである画像情報生成1041、この画像情報生成1041の処理における所定のテーブルデータを更新するための、キャリブレーションを実行する処理プログラムである実行/判断1044、及び印刷の片面印刷または両面印刷の制御、及びユーザの指定による給紙口、排紙口の設定を行う処理プログラムである給排紙口設定1042も格納されている。
【0026】
以上の構成によって、プリンタコントローラ1031は、ホストコンピュータ1001から送られる印刷データに基づいた印刷処理を実行するが、この際、入出力バッファ1032は、ホストコンピュータ1001との間のデータの入出力を制御するホストI/F部1048を介して入出力されるデータを一時的に格納する。さらに、ビットマップ画像転送部1040は、画像処理生成1041によって生成された画像オブジェクトをビットマップ画像に展開し、エンジンI/F部1046を介して印刷エンジン部1036へ転送する。
【0027】
LBP1030、またはそのプリンタコントローラ1031は以上の構成の他、ユーザがプリンタに関する種々の操作を行うための操作パネル1037、この操作パネルとプリンタコントローラ1031との信号接続を行うためのパネルI/F部1047、また印刷データや本プリンタの様々な情報等の保存に利用される、フレキシブルディスク等の外部メモリ1038とこの外部メモリ1038とプリンタコントローラ1031とのデータ接続を行うためのメモリI/F部1039、さらに上述した各要素間を接続するシステムバス1043を有している。
【0028】
図2は、キャリブレーション実施判定部11の機能構成を示すブロック図、図3は、キャリブレーション機能部12の機能構成を示すブロック図、図4は、画像出力装置部13の機能構成を示すブロック図である。
キャリブレーション実施判定部11は、入力情報認識部111、テストチャート出力処理部112、劣化レベル認識部113、劣化レベル記憶部114、実施判定部115、使用情報計数部116、実施基準情報記憶部117、出力処理部118からなる。
また、キャリブレーション機能部12は、テストチャート出力処理部121、パターン用テーブル記憶部122、パターン情報認識部123、パターン設定部124からなり、画像出力装置部13は、基準チャート出力処理部131からなる。
【0029】
入力情報認識部111は、ユーザがキャリブレーションを実施したい場合、画像出力装置1の操作画面上でキャリブレーションボタンを選択したことを認識する。
ここで、画像出力装置部13は、画像出力装置1つまり実施例1のLBP、に組み込まれている印刷装置に相当し、画像出力装置1よりも所定の評価項目(例えば、粒状性、諧調性、色再現性等)において変動の少ない出力装置(実施例1の場合、インクジェットプリンタ)が用いられ、所定の時期に定期的にキャリブレーションが行われるものとする。
【0030】
画像出力装置1に組み込まれている印刷装置とは、例えば、インクジェットプリンタのプリントヘッド部分をLBPの排紙口等に装着するものとする。
インクジェットプリンタは、基本的に、電子写真方式プリンタ(LBP)等よりもプリントするまでのプロセスが簡単であるため、評価項目において変動は少ない。また、通常キャリブレーションは、印刷を開始してからの経過時間や印刷した用紙の枚数に応じた一定周期もしくは一定条件で行われる。すなわち、印刷を実行する直前(例えば、印刷データを受信した後)や印刷を実行している途中に、このような周期や条件を満たしているか否かを判断し、満たしている場合には、キャリブレーションを実行するものである。
【0031】
また、このキャリブレーションの内容は、上述のLBPの場合、感光体ドラム上もしくは中間転写体上にトナーによって形成したパッチ像の濃度を光学センサによって読取り、これに基づいて画像データを処理する際に用いる出力γ補正テーブル等のデータを変更、更新するものである。
【0032】
基準チャート出力処理部131は、入力情報認識部111において、ユーザが画像出力装置1の操作画面上でキャリブレーションボタンを選択したことを認識した場合、予めハードディスク等に記録されているキャリブレーション用のチャートデータにより、基準チャートをプリントする。
テストチャート出力処理部112は、入力情報認識部111において、テストチャートを出力する命令を認識した場合、予めハードディスク等に記録されているキャリブレーション用のチャートデータにより、テストチャートをプリントする。
図6は、粒状度劣化レベル(画像のざらつき度合い)を評価するためのテストチャートを示す図、図7は、粒状度劣化レベルを評価するための基準チャートを示す図である。
なお、本実施例では、レベルの数が小さいほど粒状性が低く(画質良い)、レベルの数が大きいほど粒状性が高い(画質悪い)ものとする。
【0033】
そして、基準チャートとテストチャートとを目視比較する。劣化レベル認識部113は、画像出力装置1の操作画面上に入力した目視結果を認識し、劣化レベル記憶部114へ記憶する。使用情報計数部116は、LBPからなる画像出力装置の使用により、使用枚数、稼動時間、各種状態情報(例えば、トナー濃度制御電圧値)等の使用情報を計数(インクリメント)または計測して記憶するものである。
【0034】
使用枚数を測定するセンサや稼動時間や各種状態情報等を測定するセンサ等はエンジン部1036に設けられている。センサで検知された使用情報は一時的にRAM1035に記憶される。
【0035】
また、キャリブレーションを実施するか否かの判断基準値が実施基準情報記憶部117に予め記憶されている。目視結果や使用情報計数部116に記憶されている情報と、実施基準情報記憶部117に記憶されている基準値を比較し、実施判定部115でキャリブレーションを実施するか否かの判定を行う。実施判定部115においては、レベル6以上(レベル6,7が対象となる)の場合はキャリブレーションを実施しないと判定される。なお、レベルについては、基準チャートの説明において後述する。
【0036】
キャリブレーションを実施しない判定された場合、前回のキャリブレーション実施時からの使用情報(使用枚数や稼動時間等)を取得し、その使用情報を含めてキャリブレーションを実施するか否かを決定する。その場合、実施判定部115において、粒状度劣化レベル5、かつ印刷された数が1万枚未満である場合、キャリブレーションを実施しないと判定され、粒状度劣化レベル6、かつ1万枚以上である場合、キャリブレーションを実施すると判定される。これによって、キャリブレーションを実施するか否かの決定を精度よく行うことができる。
【0037】
キャリブレーションを実施すると判定された場合、図3に示すキャリブレーション機能部12によってキャリブレーションが実施される。キャリブレーション機能部12は、テストチャート出力処理部121、パターン用テーブル記憶部122、パターン情報認識部123、パターン設定部124からなる。
【0038】
テストチャート出力処理部121は、パターン用テーブル記憶部122で予め記憶されている中間調処理パターン用テーブル(数種類の処理パターン)を用いた数種類の処理パターンを図6に示すようにテストチャートとしてプリントする。テストチャートにより、ユーザが所望する処理パターンを目視選択し、画像出力装置1の操作画面上に入力する。パターン情報認識部123は、画像出力装置1の操作画面上に入力した処理パターンの選択結果を認識し、パターン設定部124において、処理パターンを設定する。
【0039】
図8は、ユーザが所望する処理パターンを目視選択し、操作画面上に入力する際に表示される操作画面を示す図、図9は、図8に示す操作画面上の一部の表示画面を示す図である。
ユーザが所望する処理パターンを目視選択し、操作画面2000に入力する際の操作画面上への入力方法の一例は、操作画面2000に表示されているキャリブレーション実施ボタンを押すと、表示画面2001は図9に示すような表示に切り替わり、パターン選択の操作に移る。そして、操作画面上の上下向きのボタン2003によって、パターンを選択する。上向きのボタンをクリックすると数が増し、下向きのボタンをクリックすると数が減る。例えば、初期設定が1と表示されているとして、目視によって6と判断された場合、上向きボタンを5回クリックすることで6と表示される。そして、設定ボタンをクリックする。
【0040】
キャリブレーションを実施しないと判定された場合、出力処理部118によって、ユーザへキャリブレーションを実施しないことを操作画面上に表示するか、またはプリントすることができる。これによって、ユーザは画像出力装置1がキャリブレーションを実施したとしても、画質向上とならないことを知ることができ、ユーザ支援の向上となる。
キャリブレーションを実施しないことをユーザに知らせる手段としては、例えば図8に示す操作画面のキャリブレーション無しのボタンが点滅することによって行われる。
【0041】
実施例1の画像出力装置が実施するキャリブレーションついて説明する。
図10は、実施例1の画像出力装置がキャリブレーションを実施する際のフローチャートである。
まず、使用者であるユーザがキャリブレーション要求のため、画像出力装置1の操作画面2000上にあるキャリブレーションボタンを選択すると、テストチャート出力処理部112より図6に示すような粒状度劣化レベル(画像のざらつき度合い)を評価するための図6に示すようなテストチャート1120を出力する(ステップ101)。このテストチャート上では、明るさを変化させた(例えば、a(明るい)〜e(暗い)の5段階)単色パッチ群を出力する。ここで、単色とは、例えば黒色や肌色のような記憶色である。
【0042】
また、基準チャート出力処理部131から、図7に示すような基準チャートを出力する(ステップ102)。基準チャートパッチには粒状度劣化レベルが記載されている(例えば、劣化レベル1(画質良い)〜7(画質悪い))。なお、レベルの数が小さいほど粒状性が低く(画質良い)、レベルの数が大きいほど粒状性が高い(画質悪い)ものとする。この基準チャート上には、テストチャートと等しい明るさで、かつノイズのない電子データにガウシアンノイズを加えたデータで作成された単色パッチが形成されている。基準チャートを画像出力装置1より出力することによって、基準チャートのユーザによる保存・管理の必要がなくなり、また退色の影響をなくすことができる。
【0043】
ここで、画像出力装置部13は、前述したように画像出力装置1よりも所定の評価項目(この例では、粒状度)において変動の少ない画像出力装置(例えば、インクジェットプリンタ)を用いている。これによって、退色等の変動の少ない基準チャートを簡易な形態で出力することができる。
【0044】
次に、ユーザはテストチャートのパッチの中から基準チャートと同じ明るさのパッチを選択し(例えば、c)、目視によってそのテストチャート上のパッチに最も粒状性(ざらつき)の近いパッチを基準チャートより選択する(例えば、6)(ステップ103)。これによって、スキャナ等を用いず、簡易な形態で画質のレベルを得ることができる。そして、選択したパッチの横に記載された数値を画像出力装置1に登録する(ステップ104)。
【0045】
ここで、画質のレベルを登録する方法について説明する。
図8に示す操作画面2000に表示されているキャリブレーション実施ボタンを押すと、表示画面2001は図9に示すような表示に切り替わり、パターン選択の操作に移る。そして、操作画面上の上下向きのボタン2003によって、パターンを選択する。上向きのボタンをクリックすると表示画面2001に表示された数が増し、下向きのボタンをクリックすると数が減少する。例えば、初期設定が1と表示されているとして、目視によって6と判断された場合、上向きボタンを5回クリックすることで6と表示される。そして、設定ボタンをクリックする。
【0046】
次に、登録結果を基にキャリブレーションを実施するか否かを決定する(ステップ105)。キャリブレーションを実施するか否かの判定は、実施判定部115において予め設定されている所定値R1に基づいて行われる。
【0047】
次に、登録結果と前回のキャリブレーション実施時期からの使用情報(使用枚数や稼動時間等)を基にキャリブレーションを実施するか否かを決定する。これは、粒状度レベルが高い(画質悪い)ものほど、キャリブレーションを実施したとしても画質向上は望まれにくく、また、前回のキャリブレーション実施時期からの使用枚数が多い、または稼動時間が長いほど、キャリブレーションの実施による画質向上は望まれにくいことによる。そのため、キャリブレーションを実施するか否かを決定するには、粒状度レベルと前回の交換時期からの使用情報の双方を考慮する必要がある。
【0048】
まず、粒状度レベルが非常に高い(画質悪い)場合は、前回のキャリブレーション実施時期からの使用情報によらず、キャリブレーションを実施したとしても画質向上は望まれない。そのため、所定値R1にキャリブレーションを実施したとしても画質向上とならない粒状度レベルを設定する。例えば、粒状度レベル6以上であるとき、キャリブレーションを実施したとしても画質向上は望まれないとする。その場合、所定値R1にはレベル6が設定される。
【0049】
次に、上記したように設定したレベル(キャリブレーションを実施したとしても画質向上とならない粒状度レベル)以外の場合について説明する。
図11は、キャリブレーションを実施する際の、粒状度レベルと前回のキャリブレーション実施時期からの使用枚数の基準値との関係を示す図である。
実施基準情報記憶部117には、図11に示すように粒状度レベル毎に前回のキャリブレーション実施時期からの使用枚数を基準値とした値が予め記憶されていて、設定された使用枚数以上の場合、キャリブレーションを実施しないと決定される。もちろん、前回の交換時期からの使用枚数を設定するだけでなく、稼動時間と使用枚数を用いた設定でもよい。
【0050】
そこで、まず、実施判定部115において、レベル6以上(レベル6,7がキャリブレーションの対象となる)の場合はキャリブレーションを実施しないと判定される(ステップ109)。
次に、キャリブレーションを実施しないと判定されなかった場合、前回のキャリブレーション実施時期からの使用情報(使用枚数や稼動時間等)を取得し(ステップ106)、その使用情報を含めてキャリブレーションを実施するか否かを決定する(ステップ107)。その場合、実施判定部115において、粒状度劣化レベル5、かつ1万枚以上である場合、キャリブレーションを実施しないと判定され(ステップ109)、粒状度劣化レベル5、かつ1万枚未満である場合、キャリブレーションを実施すると判定される(ステップ108)。これによって、キャリブレーションを実施するか否かの決定を精度よく行うことができる。
【0051】
ここで、キャリブレーション実施しない(ステップ109)と決定された場合、保守作業を促す情報を画像出力装置上に表示をする等の方法でユーザに知らせる。ここで、保守作業を促す手段としては、例えば図8に示す操作パネル2000の保守作業のボタンが点滅することによりユーザに知らせる。
【0052】
そして、保守作業を促す情報は画像出力装置1を遠隔管理するホストコンピュータ1001等の中央管理装置へ、ホストコンピュータ1001との間のデータの入出力を制御するホストI/F部1048を介して送信する。これによって、ユーザは画像出力装置の状態を知ることができ、またユーザ支援を向上することができる。
【0053】
逆に、キャリブレーション実施する(ステップ108)と決定された場合、所定の方法でキャリブレーションを実施する。キャリブレーションの方法の例として、まず、異なる中間調処理(例えば、ディザ処理、誤差拡散処理)パターンをテストチャートとして出力する。ここで、ディザ処理、誤差拡散処理等の中間調処理は公知であり、その一例が特開2003−69820号公報「画像情報処理装置」に記載されている。
【0054】
テストチャートには、粒状性を評価するためのものと、鮮鋭性を評価するためのものがある。これは、処理パターンによって、粒状性を重視したものは、鮮鋭性が悪くなる可能性がある。また逆に、鮮鋭性を重視したものは、粒状性が悪くなる可能性がある。よって、粒状性と鮮鋭性の相互関係を考慮した処理パターン(例えば、3)を選択し、画像出力装置へ入力する。入力情報により、処理パターンが設定される。これによって、ユーザの所望する画質を精度よく提供することができる。
【実施例2】
【0055】
本発明の実施例2の画像出力装置は、画像出力装置においてキャリブレーション機能を有している。
図12、図14は、それぞれ第1、第2の画像出力装置の機能構成の一部を示すブロック図である。
この第1、第2の画像出力装置2、3は、それぞれキャリブレーション部21、31からなる。第2の画像出力装置3は第1の画像出力装置2とネットワークを介して接続されており、第1の画像出力装置2よりも所定の評価項目において変動の少ない画像出力装置である。ここで、第2の画像出力装置3の選択方法であるが、第1の画像出力装置2とネットワークを介して接続されている画像出力装置が複数台存在するとした場合、第2の画像出力装置3はその複数の画像出力装置の中で前回のキャリブレーション実施時期からの使用情報(使用枚数や稼動時間等)に基づき(例えば、前回のキャリブレーション実施時期からの使用枚数が少ない)選択する等の方法があるが、もちろん、この方法に限られるものではない。
【0056】
図13、図15は、それぞれ第1、第2のキャリブレーション機能部21、31の構成を示すブロック図である。
図13において、第1のキャリブレーション機能部21は、入力情報認識部211、テストチャート出力処理部212、濃度段階差情報認識部213、補正データ演算部214、補正データテーブル記憶部215からなる。また、図15において、第2のキャリブレーション機能部31は、入力情報認識部311、基準チャート出力処理部312からなる。
ユーザがキャリブレーションを実施したい場合、第1の画像出力装置2の操作画面上でキャリブレーション実施ボタンを選択する。キャリブレーションボタンを選択した情報が入力情報認識部211、311で認識される。図8に示す操作画面2000は、実施例2の画像出力装置の操作画面としても使用され、キャリブレーション実施ボタンを選択すると、表示画面2001にパターン選択の画面に切り替わり、上下向きボタン2003をクリックすることでパターンを選択することができる。
【0057】
図16は、実施例2の画像出力装置が出力する階調性を評価するためのテストチャートを示す図、図17は、実施例2の画像出力装置が出力する階調性を評価するための基準チャートを示す図である。
テストチャート出力処理部212は、キャリブレーションを実施しようとしていることが入力情報認識部211で認識された場合、予めハードディスクなどに記録されているキャリブレーション用のチャートデータにより、テストチャートをプリントする。
基準チャート出力処理部312は、基準チャートを出力することが入力情報認識部311で認識された場合、予めハードディスクなどに記録されているキャリブレーション用のチャートデータにより、基準チャートをプリントする。なお、第3の画像出力装置3にキャリブレーション用のチャートデータを記録せず、第2の画像出力装置2に記録されているキャリブレーション用のチャートデータをネットワークを介して取得することもできる。
【0058】
ユーザがテストチャートと基準チャートを目視比較し、第1の画像出力装置2の操作画面上に濃度段階差を入力する。濃度段階差情報認識部213は、第1の画像出力装置2の操作画面上に入力した濃度段階差を認識し、補正データ演算部214において補正データを演算し、補正データのテーブルを作成し、補正データテーブル記憶部215に記憶する。
【0059】
実施例2の画像出力装置が実施するキャリブレーションついて説明する。
図20は、実施例2の画像出力装置がキャリブレーションを実施する際のフローチャートである。
まず、使用者であるユーザがキャリブレーション要求のため、画像出力装置の操作画面上にあるキャリブレーションボタンを選択すると、第1の画像出力装置2は図17に示した階調性を評価するためのテストチャートを出力する(ステップ201)。
【0060】
テストチャート上には、黒(K),シアン(C),マゼンタ(M),イエロー(Y)の各々について、網%濃度が0%〜100%まで一定の濃度差(5%)で並べた21個のカラーパッチが出力されている。これらのカラーパッチは、濃度の高い順に「ハイライト」(70%〜100%)、「ミドル」(35%〜65%)、「シャドー」(0%〜30%)の3つの濃度グループに区分されている。
【0061】
次に、第2の画像出力装置3は、図17に示す階調性を評価するための基準チャートを出力する(ステップ202)。第2の画像出力装置3は第1の画像出力装置2よりも所定の評価項目(例、階調性)において変動の少ない画像出力装置であるため、基準チャートを変動の少なくすることができる。また、基準チャートを第2の画像出力装置より出力することによって、基準チャートのユーザによる保存・管理の必要がなくなり、また退色の影響をなくすことができる。
【0062】
基準チャート上には、テストチャート上の7個のカラーパッチの長さに相当する長尺のカラーパッチがK,C,M,Yの各々の「ハイライト」、「ミドル」、「シャドー」の3つの濃度グループについて出力されている。ここで、「ハイライト」、「ミドル」、「シャドー」の長尺カラーパッチの網%濃度は、各濃度グループ7個のカラーパッチの中間網%濃度であり、各々85%、50%、15%である。上記カラーパッチの並べ方はK,C,M,Yを横に並べたが、もちろん縦1列に並べてもよい。
なお、テストチャートデータは、補正データで補正されていないものを用いる。
【0063】
次に、基準チャートとテストチャートとの目視比較を行う(ステップ203)。
図18は、目視比較を行う際のテストチャートを示す図であり、図19は、目視比較を行う際の基準チャートを示す図である。
目視比較は、例えば図18、図19のように行われ、各々の濃度グループ(ハイライト、ミドル、シャドー)におけるテストチャートの複数の濃度領域(7個のカラーパッチ)と、これらのカラーパッチと同一の濃度グループに属する基準チャートの長尺のカラーパッチとの2箇所を比較する。この比較において、長尺のカラーパッチの濃度がテストチャートの7個のカラーパッチのうち、いずれの濃度に一致しているかを探し、何段パッチがずれているかを(濃度段階差)を見い出す。例えば、長尺のカラーパッチの濃度が、7個のカラーパッチの中間カラーパッチ濃度に一致している場合は濃度段階差が0段、最も高い濃度のカラーパッチ濃度に一致している場合には濃度段階差が+3段、最も低い濃度のカラーパッチ濃度に一致している場合には濃度段階差が−3段となる。そして、Y,M,C,Kの各々について、ハイライト、ミドル、シャドー部の計12箇所の濃度段階差(補正データ)を求める。
【0064】
次に、ユーザは、上記補正データを第1の画像出力装置2の操作画面上に入力する(ステップ204)。該入力により、キャリブレーションの必要か否かを判定する(ステップ205)。キャリブレーションの必要がない場合、すなわち、Y,M,C,Kの各々におけるハイライト、ミドル、シャドー部の計12箇所の濃度段階差が全て0段である場合、もしくは「キャンセル」等の要求があった場合、キャリブレーション調整を終了する(ステップ206)。
【0065】
キャリブレーションの必要がある場合、入力されたY,M,C,Kにおけるハイライト、ミドル、シャドー部の濃度段階差に基づいてプリンタ条件補正データを演算し、補正データのテーブルを作成する(ステップ207)。
【0066】
ここで、演算方法について説明する。
データを出力する出力部に実際に入力すべき信号のQL値をQ’とすれば、演算するための式は式1となる。
Q’ = Q + (α * ΔQ) ・・式1
ただし、αは画像出力装置の操作画面上に入力された濃度段階差、ΔQは各パッチの濃度が1段異なる毎のQL値の変動量、Qは基準となるQL値を示す。
そして、ハイライト、ミドル、シャドー部における基準となるQL値を各々Qh、Qm、Qsとして、式1を用いて各々のQ’値である、Qh’、Qm’、Qs’を求め、QとQ’との関係をグラフにプロットすると、図21の点h、m、sのように表わされる。
図21は、基準となるQL値:Qと、実際に入力すべき信号のQL値:Q’の関係を示すグラフである。
【0067】
図21に示すように、QとQ’の関係では、基準チャートとテストチャートとの間に濃度段階差がない場合は、点h、m、sの3点は直線(Q’=Q)上に乗るはずであるが、濃度段階差が存在するので、αh*ΔQh、αm*ΔQm、αs*ΔQs、の差があることがわかる。ただし、αh、αm、αsは、ハイライト、ミドル、シャドー部における濃度段階差、ΔQh、ΔQm、ΔQsは、ハイライト、ミドル、シャドー部におけるΔQ値を示す。
【0068】
そして、点h、m、sの3点を通る変換曲線を近似的に求め、3点以外の中間部の点をこの変換曲線で補間する。この変換曲線は、上記3点を通る円弧や2次関数で近似することにより求められる。この変換曲線による変換に基づき、Y、M、C、K各色毎に補正データのテーブルを作成する。
【0069】
以上のようにして補正データのテーブルを作成すると、該補正データのテーブルを補正データテーブル記憶部215に登録する(ステップ208)。これによって、階調性におけるキャリブレーションを簡易な形態で精度よく行うことができる。
【0070】
なお、上記補正データの演算方法は、補正データで補正されていないテストチャートを出力し、このテストチャートから判断された濃度段階差から補正データを演算するようにしたが、この例に限られるものではない。例えば、適当に選ばれた補正データで補正したテストチャートを出力し、この補正されたテストチャートから判断された濃度段階差から、補正データを補正するという処理を行ってもよい。
【実施例3】
【0071】
本発明の実施例3の画像出力装置は、画像出力装置におけるキャリブレーション機能を有している。
図22、図24は、それぞれ第1、第2の画像出力装置の機能構成の一部を示すブロック図である。
この第1、第2の画像出力装置4、5は、それぞれキャリブレーション部41、51からなる。第2の画像出力装置5は第1の画像出力装置4とネットワークを介して接続されており、第1の画像出力装置4よりも所定の評価項目において変動の少ない画像出力装置である。ここで第2の画像出力装置5の選択方法であるが、第1の画像出力装置4とネットワークで接続されている画像出力装置が複数台存在するとした場合、第2の画像出力装置5はその複数の画像出力装置の中で前回の交換時期からの使用情報(使用枚数や稼動時間等)に基づき(例えば、前回の交換時期からの使用枚数が少ない)選択する等の方法があるが、もちろん、この方法に限られるものではない。
【0072】
図23、図25は、それぞれ第1、第2のキャリブレーション機能部41,51の構成を示す図である。
図23において、第1のキャリブレーション機能部41は、入力情報認識部411、テストチャート出力処理部412、パッチ番号認識部413、ガンマカーブ作成部414、自然画番号部415、ガンマカーブ修正部416、ガンマテーブル記憶部417からなる。また、図25において、第5のキャリブレーション機能部51は、入力情報認識部511、基準チャート出力処理部512からなる。
【0073】
ユーザがキャリブレーションを実施したい場合、第1の画像出力装置4の操作画面上でキャリブレーションボタンを選択する。キャリブレーションボタンを選択した情報が入力情報認識部411、511で認識される。
テストチャート出力処理部412は、入力情報認識部411でキャリブレーションボタンが選択されたことを認識した場合、予めハードディスクなどに記録されているキャリブレーション用のチャートデータにより、第1のテストチャートを出力する。
図26は、実施例3の画像出力装置が出力する第1のテストチャートを示す図、図27は、実施例3の画像出力装置が出力する第1の基準チャートを示す図である。
【0074】
基準チャート出力処理部512は、ユーザがキャリブレーションボタンを選択したことを入力情報認識部511で認識した場合、予めハードディスクなどに記録されているキャリブレーション用のチャートデータにより、第1の基準チャートを出力する。なお、第2の画像出力装置5にキャリブレーション用のチャートデータを記録せず、第1の画像出力装置4に記録されているキャリブレーション用のチャートデータをネットワークを介して取得することもできる。
【0075】
ユーザが第1のテストチャートと第1の基準チャートの目視比較し、第1の画像出力装置4の操作画面上に同じ濃度であると思われるパッチ番号を入力する。パッチ番号認識部413は、第1の画像出力装置4の操作画面上に入力したパッチ番号を認識し、ガンマカーブ作成部414においてガンマカーブを作成し、テストチャート出力処理部412でガンマカーブ作成結果に基づいた第2のテストチャートを出力する。また、入力情報認識部511でパッチ番号を入力したという情報を認識した場合、基準チャート出力処理部512によって、予めハードディスク等に記録されているキャリブレーション用のチャートデータにより、第2の基準チャートを出力する。
図28は、第2のテストチャートを示す図、図29は、第2の基準チャートを示す図である。
【0076】
ユーザが第2のテストチャートと第2の基準チャートの目視比較し、第1の画像出力装置4の操作画面上に色合い等が正しいと思われる自然画番号を入力する。自然画番号情報認識部415は、第1の画像出力装置4の操作画面上に入力した自然画番号を認識し、ガンマカーブ修正部416においてガンマカーブを修正し、ガンマテーブル記憶部417に記憶する。
【0077】
以上の実施例3の構成に基づくキャリブレーションついて説明する。
図30は、実施例3の画像出力装置がキャリブレーションを実施する際のフローチャートである。
まず、使用者であるユーザがキャリブレーション要求のため、第1の画像出力装置4の操作画面上にあるキャリブレーションボタンを選択すると、第1の画像出力装置4は図26に示したような各々CMYK単色のパッチをある1点の基準となる濃度で形成した第1のテストチャートを出力する(ステップ301)。ここで、第1のテストチャートの各パッチにはC,M,Y,K各々上下に少しずつ濃度を変えて出力する。
【0078】
次に、第2の画像出力装置5は、図27に示したような各々C,M,Y,K単色のパッチをある1点の基準となる濃度で形成した第1の基準チャートを出力する(ステップ302)。第2の画像出力装置5は第1の画像出力装置4よりも所定の評価項目(例えば、色再現性)において変動の少ない画像出力装置であるため、変動の少ない基準チャートを出力することができる。また、基準チャートを画像出力装置より出力することによって、基準チャートのユーザによる保存・管理の必要がなくなり、また退色の影響をなくすことができる。
【0079】
そして、第1の基準チャートを基準濃度として、第1のテストチャートと目視によって比較し、同じ濃度であると思われるパッチを選択する(ステップ303)。そして、C,M,Y,K各々選択したパッチの番号を画像出力装置4の操作画面上に登録する(ステップ304)。この登録方法では、ある1点の濃度の濃度特性しかわからないことになるが、ここでは、その1点の濃度特性からそれ以外の部分の濃度特性を推定する。そして、その推定値に基づいて規定通りの濃度特性になるようC,M,Y,K各々のガンマカーブの作成を行う(ステップ305)。
【0080】
次に、第1の画像出力装置4から、各々ハイライト、ミドル、シャドーの3種類の第2のテストチャート(ステップ306)を、第2の画像出力装置5から第2の基準チャート(ステップ307)を出力する。上記したのと同様に、第2の画像出力装置5は第1の画像出力装置4よりも所定の評価項目(例えば、色再現性)において変動の少ない画像出力装置であるため、変動の少ない基準チャートを出力することができる。また、基準チャートの取得を画像出力装置より出力することによって、基準チャートのユーザによる保存・管理の必要がなくなり、また退色の影響をなくすことができる。
【0081】
この第2のテストチャートでは、各濃度毎に自然画を使用して、各々の第2のテストチャート上にC,M,Yの色のうちある1つの色、例えばMの濃度を固定し、他の色の濃度を上下、左右に行くにしたがい変化させるような形で複数の自然画を出力する。もちろん、ここではMを固定したが、CまたはYを固定してもよい。また、単色パッチの選択結果により作成されたガンマカーブにおいてC,M,Yのバランスがとれていると思われる色の割合の画像を各テストチャートの中央に配置する。これらの第2のテストチャートについて第2の基準チャートとの比較を目視によって行い、色合い等が正しいと思われる自然画を各々のテストチャートごとに選択し(ステップ308)、その選択結果を第1の画像出力装置4の操作画面上に登録する(ステップ309)。第1の画像出力装置4は、登録結果からCMYがどの割合でバランスがとれているかがわかるため、その結果からC,M,Yのバランスが良くなるような方向に、各々のガンマカーブの修正を行っていく(ステップ310)。ここでのガンマカーブの修正では、自然画の選択結果におけるC,M,Yのバランスに完全にあうように修正するのではなく、C,M,Y単色での結果もふまえ、その結果があまり変わらない形で、かつ自然画の選択結果のバランスにより近づくような形に修正を行っていく。ガンマカーブの修正結果をガンマテーブル記憶部417へ記憶する(ステップ311)。これによって、色再現性におけるキャリブレーションを簡易な形態で精度よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0082】
【図1】実施例1の画像出力装置の機能構成を示すブロック図である。
【図2】キャリブレーション実施判定部の機能構成を示すブロック図である。
【図3】キャリブレーション機能部の機能構成を示すブロック図である。
【図4】画像出力装置部の機能構成を示すブロック図である。
【図5】カラーレーザビームプリンタの構成を示すブロック図である。
【図6】粒状度劣化レベル(画像のざらつき度合い)を評価するためのテストチャートを示す図である。
【図7】粒状度劣化レベルを評価するための基準チャートを示す図である。
【図8】ユーザが所望する処理パターンを目視選択し、操作画面上に入力する際に表示される操作画面を示す図である。
【図9】図8に示す操作画面上の一部の表示画面を示す図である。
【図10】実施例1の画像出力装置がキャリブレーションを実施する際のフローチャートである。
【図11】キャリブレーションを実施する際の、粒状度レベルと前回のキャリブレーション実施時期からの使用枚数の基準値との関係を示す図である。
【図12】実施例2の第1の画像出力装置の機能構成の一部を示すブロック図である。
【図13】実施例2の第1のキャリブレーション機能部の構成を示すブロック図である。
【図14】実施例2の第2の画像出力装置の機能構成の一部を示すブロック図である。
【図15】実施例2の第2のキャリブレーション機能部の構成を示すブロック図である。
【図16】階調性を評価するためのテストチャートを示す図である。
【図17】階調性を評価するための基準チャートを示す図である。
【図18】目視比較を行う際のテストチャートを示す図である。
【図19】目視比較を行う際の基準チャートを示す図である。
【図20】キャリブレーションを実施する際のフローチャートである。
【図21】基準となるQL値Qと、実際に入力すべき信号のQL値Q’の関係を示すグラフである。
【図22】実施例3の第1の画像出力装置の機能構成の一部を示すブロック図である。
【図23】実施例3の第1のキャリブレーション機能部を示すブロック図である。
【図24】実施例3の第2の画像出力装置の機能構成の一部を示すブロック図である。
【図25】実施例3の第2のキャリブレーション機能部を示すブロック図である。
【図26】第1のテストチャートを示す図である。
【図27】第1の基準チャートを示す図である。
【図28】第2のテストチャートを示す図である。
【図29】第2の基準チャートを示す図である。
【図30】キャリブレーションを実施する際のフローチャートである。
【符号の説明】
【0083】
1…画像出力装置、11…キャリブレーション実施判定部、111…入力情報認識部、112…テストチャート出力処理部、113…劣化レベル認識部、114…劣化レベル記憶部、115…実施判定部、116…使用情報係数部、117…実施基準記憶部、118…出力処理部、12…キャリブレーション機能定部、121…テストチャート出力処理部、122…パターン用テーブル記憶部、123…パターン情報記憶部、124…パターン設定部、13…画像出力部、131…基準チャート出力処理部、2…第1の画像出力装置、21…キャリブレーション機能部、211…入力情報認識部、212…テストチャート出力処理部、213…濃度段階差情報認識部、214…補正データ演算部、3…第2の画像出力装置、31…キャリブレーション機能部、311…入力情報認識部、312…基準チャート出力処理部、4…第1の画像出力装置、41…キャリブレーション機能部、411…入力情報認識部、412…テストチャート出力処理部、413…パッチ番号認識部、414…ガンマカーブ作成部、415…自然番号認識部、416…ガンマカーブ修正部、417…ガンマテーブル記憶部、5…第2の画像出力装置、51…第2のキャリブレーション機能部、511…入力情報認識部、512…基準チャート出力処理部、1001…ホストコンピュータ、1030…レーザビームプリンタ(LBP)、1031…プリンタコントローラ、2000…操作画面、2001…表示画面、2003…上下向きのボタン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
テストチャートを出力する第1の画像出力手段と、基準チャートを出力する第2の画像出力手段と、前記テストチャートと前記基準チャートを用い、所定の評価項目における評価を行い、評価結果によりキャリブレーションを実施する手段を有することを特徴とするキャリブレーション機能付き画像出力装置。
【請求項2】
請求項1に記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置において、前記第2の画像出力手段は、前記第1の画像出力手段よりも前記評価項目において変動が少ない画像出力手段であることを特徴とするキャリブレーション機能付き画像出力装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置において、前記第2の画像出力手段は、前記第1の画像出力手段内に組み込まれていることを特徴とするキャリブレーション機能付き画像出力装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置において、前記第2の画像出力手段は、インクジェットプリンタであることを特徴とするキャリブレーション機能付き画像出力装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置において、前記評価項目は、粒状性、階調性、色再現性の少なくとも1以上であることを特徴とするキャリブレーション機能付き画像出力装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置おいて、
明るさの異なる所定パターンのパッチを配列させたパッチ群をテストチャートとして出力する前記第1の画像出力手段と、
前記テストチャートの各パッチと略等しい明るさを有し、かつ異なる変動を有するパッチ群からなるパターンを基準チャートとして出力する前記第2の画像出力手段と、
前記テストチャートと前記基準チャートとの粒状性の比較の結果、前記テストチャートのパッチと最も近似するパッチを前記基準チャートから選択する選択手段と、
該選択手段によって選択されたパッチに基づいて粒状度劣化レベルが決定され、該粒状度劣化レベルに基づいてキャリブレーションを実施するか否かを決定する決定手段とを有することを特徴とするキャリブレーション機能付き画像出力装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかに記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置おいて、
一定の濃度差で並べた複数の濃度域を配列させたパッチ群をテストチャートとして出力する前記第1の画像出力手段と、
濃度領域が所定の基準濃度からなるパターンを基準チャートとして出力する前記第2の画像出力手段と、
前記テストチャートと前記基準チャートとの濃度の比較の結果、前記テストチャートのパッチと最も近似するパッチを前記基準チャートから選択する選択手段と、
該選択手段によって選択されたパッチに基づいて濃度補正データを演算する演算手段を有することを特徴とするキャリブレーション機能付き画像出力装置。
【請求項8】
シアン、マゼンタ、イエロー、黒4色の色材において、複数の濃度域を配列させたパッチ群を第1のテストチャートとして出力する第1の画像出力手段と、
濃度領域が所定の基準濃度からなるパターンを第1の基準チャートとして出力する第2の画像出力手段と、
前記第1のテストチャートと前記第1の基準チャートとの濃度の比較の結果、前記第1のテストチャートのパッチと最も近似するパッチを前記第1の基準チャートから選択する第1の選択手段と、
該第1の選択手段によって選択されたパッチに基づいて濃度調整を行う手段と、
シアン、マゼンタ、イエローの比を少しずつ変えた自然画を配列させたパッチ群を第2のテストチャートとして複数の濃度域において出力する第3の画像出力手段と、
濃度領域が所定の基準色からなるパターンを第2の基準チャートとして出力する第4の画像出力手段と、
前記第2のテストチャートと前記第2の基準チャートとの色合いにおける比較の結果、前記第2のテストチャートのパッチと最も近似するパッチを前記第2の基準チャートから選択する第2の選択手段と、
該第2の選択手段によって選択されたパッチに基づいて色濃度補正データを演算する演算手段を有することを特徴とするキャリブレーション機能付き画像出力装置。
【請求項1】
テストチャートを出力する第1の画像出力手段と、基準チャートを出力する第2の画像出力手段と、前記テストチャートと前記基準チャートを用い、所定の評価項目における評価を行い、評価結果によりキャリブレーションを実施する手段を有することを特徴とするキャリブレーション機能付き画像出力装置。
【請求項2】
請求項1に記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置において、前記第2の画像出力手段は、前記第1の画像出力手段よりも前記評価項目において変動が少ない画像出力手段であることを特徴とするキャリブレーション機能付き画像出力装置。
【請求項3】
請求項1または2に記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置において、前記第2の画像出力手段は、前記第1の画像出力手段内に組み込まれていることを特徴とするキャリブレーション機能付き画像出力装置。
【請求項4】
請求項2または3に記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置において、前記第2の画像出力手段は、インクジェットプリンタであることを特徴とするキャリブレーション機能付き画像出力装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置において、前記評価項目は、粒状性、階調性、色再現性の少なくとも1以上であることを特徴とするキャリブレーション機能付き画像出力装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置おいて、
明るさの異なる所定パターンのパッチを配列させたパッチ群をテストチャートとして出力する前記第1の画像出力手段と、
前記テストチャートの各パッチと略等しい明るさを有し、かつ異なる変動を有するパッチ群からなるパターンを基準チャートとして出力する前記第2の画像出力手段と、
前記テストチャートと前記基準チャートとの粒状性の比較の結果、前記テストチャートのパッチと最も近似するパッチを前記基準チャートから選択する選択手段と、
該選択手段によって選択されたパッチに基づいて粒状度劣化レベルが決定され、該粒状度劣化レベルに基づいてキャリブレーションを実施するか否かを決定する決定手段とを有することを特徴とするキャリブレーション機能付き画像出力装置。
【請求項7】
請求項1乃至5のいずれかに記載のキャリブレーション機能付き画像出力装置おいて、
一定の濃度差で並べた複数の濃度域を配列させたパッチ群をテストチャートとして出力する前記第1の画像出力手段と、
濃度領域が所定の基準濃度からなるパターンを基準チャートとして出力する前記第2の画像出力手段と、
前記テストチャートと前記基準チャートとの濃度の比較の結果、前記テストチャートのパッチと最も近似するパッチを前記基準チャートから選択する選択手段と、
該選択手段によって選択されたパッチに基づいて濃度補正データを演算する演算手段を有することを特徴とするキャリブレーション機能付き画像出力装置。
【請求項8】
シアン、マゼンタ、イエロー、黒4色の色材において、複数の濃度域を配列させたパッチ群を第1のテストチャートとして出力する第1の画像出力手段と、
濃度領域が所定の基準濃度からなるパターンを第1の基準チャートとして出力する第2の画像出力手段と、
前記第1のテストチャートと前記第1の基準チャートとの濃度の比較の結果、前記第1のテストチャートのパッチと最も近似するパッチを前記第1の基準チャートから選択する第1の選択手段と、
該第1の選択手段によって選択されたパッチに基づいて濃度調整を行う手段と、
シアン、マゼンタ、イエローの比を少しずつ変えた自然画を配列させたパッチ群を第2のテストチャートとして複数の濃度域において出力する第3の画像出力手段と、
濃度領域が所定の基準色からなるパターンを第2の基準チャートとして出力する第4の画像出力手段と、
前記第2のテストチャートと前記第2の基準チャートとの色合いにおける比較の結果、前記第2のテストチャートのパッチと最も近似するパッチを前記第2の基準チャートから選択する第2の選択手段と、
該第2の選択手段によって選択されたパッチに基づいて色濃度補正データを演算する演算手段を有することを特徴とするキャリブレーション機能付き画像出力装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【公開番号】特開2006−21401(P2006−21401A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−200613(P2004−200613)
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月7日(2004.7.7)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】
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