クリップ
【課題】 被固定部材に巻き付けられる巻き付け部と第1及び第2板部とを備えたクリップを用いて被固定部材を固定する場合に、第1及び第2板部を簡単に係合できるようにして、クリップによる被固定部材の固定作業を容易にする。
【解決手段】 第1板部20には、第1板部20に重なった状態の第2板部30に係合する係合部22aを設けるとともに、第1板部20を第2板部30に重ねる際に係合部22aを案内する案内部22bを設ける。巻き付け部10を拡げた状態で成形しておく。巻き付け部10を変形させて被固定部材Aに巻き付ける際、案内部22bによって係合部22aを案内して第2板部30に係合させる。
【解決手段】 第1板部20には、第1板部20に重なった状態の第2板部30に係合する係合部22aを設けるとともに、第1板部20を第2板部30に重ねる際に係合部22aを案内する案内部22bを設ける。巻き付け部10を拡げた状態で成形しておく。巻き付け部10を変形させて被固定部材Aに巻き付ける際、案内部22bによって係合部22aを案内して第2板部30に係合させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、配管や配線等の被固定部材を固定しておくためのクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種のクリップとして、金属製の長尺状の板材を成形してなるものが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。特許文献1〜3のクリップは、配管の外周面に巻き付けられるように湾曲形成された巻き付け部と、巻き付け部の周方向の両端部から延びる一対の板部とを備えている。これら板部は互いに重なり合うようになっている。一方の板部の端部には、両板部が互いに重なった状態で、他方の板部の端部が係合する係合片が形成されている。
【0003】
被固定部材を固定する前の状態にあるクリップの形状は、両板部が互い離れた形状となっている。被固定部材を固定する際には、クリップの巻き付け部の内方に被固定部材を入れてから、両板部が重なり合うように巻き付け部を変形させることにより、巻き付け部を被固定部材に巻き付ける。そして、一方の板部の係合片に他方の板部の端部を係合させることにより、両板部が離れなくなってクリップが被固定部材と一体化する。このクリップをボルト等により各種機械や装置等に締結することで、被固定部材が固定される。
【特許文献1】特開平4−224383号公報
【特許文献2】特開平3−177678号公報
【特許文献3】実公平8−10719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1〜3のクリップのように、巻き付け部を変形させて配管に巻き付けるようにする場合には、巻き付け部が狙い通りに変形するとは限らず、例えば、他方の板部の端部が一方の板部の係合片に対して多少ずれてしまい、係合片と係合しなくなることがある。このようになった場合には、他方の板部の端部が係合片に係合するように、巻き付け部の形状を修正しなければならず、作業が煩雑である。
【0005】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、巻き付け部を変形させて被固定部材に巻き付ける際に、両板部を簡単に係合できるようにしてクリップによる被固定部材の固定作業を容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、一方の板部に設けた案内部により係合部を案内して他方の板部に係合させるようにした。
【0007】
具体的には、請求項1の発明では、長尺状の板材を成形してなるクリップにおいて、被固定部材に巻き付けられるように形成された巻き付け部と、上記巻き付け部の周方向両端部に連なるとともに、互いに厚み方向に重なり合う第1及び第2板部とを備え、上記第1及び第2板部の少なくとも一方には、上記被固定部材を固定しておくための所定物に取り付けられる取付部が設けられ、上記第1板部には、該第1板部に重なった状態の上記第2板部の所定部位に係合する係合部と、上記第1板部を第2板部に重ねる際に上記係合部を上記第2板部の所定部位に案内する案内部とが設けられている構成とする。
【0008】
この構成によれば、被固定部材を所定物に固定する際、巻き付け部を変形させて被固定部材に巻き付けていくと、第1板部と第2板部とが厚み方向に重なる。この第1板部が第2板部に重なる際に、係合部が案内部により第2板部の所定部位に案内されて係合する。これにより、巻き付け部の形状が狙いとする形状から多少ずれても、第1板部と第2板部とが重なった状態で保持され、クリップと被固定部材とが一体化する。そして、取付部を所定物に取り付けることで、被固定部材がクリップによって所定物に固定される。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、係合部は、第1板部の幅方向両側に設けられている構成とする。
【0010】
この構成によれば、第1板部の幅方向両側が第2板部の幅方向両側に係合することになる。
【0011】
請求項3の発明では、請求項1または2の発明において、係合部は、第1板部の折り曲げ成形された部位によって構成されているものとする。
【0012】
この構成によれば、係合部を第1板部に容易に一体成形することが可能になる。
【0013】
請求項4の発明では、請求項1から3のいずれか1つの発明において、第1板部は、該第1板部から立ち上がるように形成された補強板部を有している構成とする。
【0014】
この構成によれば、補強板部によって第1板部の強度が向上し、この強度が向上した第1板部に係合部を設けていることで、係合部の強度が十分に確保される。また、クリップ自体の強度も向上する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、被固定部材に巻き付けられる巻き付け部の両端部に第1及び第2板部を設け、第1板部に、係合部を案内する案内部を設けたので、巻き付け部を変形させて被固定部材に巻き付けていく際に、巻き付け部の形状が狙いとする形状から多少ずれても、係合部を第2板部の所定部位に係合させることができる。これにより、第1及び第2板部を簡単に係合でき、クリップによる被固定部材の固定作業を容易にできる。
【0016】
請求項2の発明によれば、第1板部の幅方向両側が第2板部の幅方向両側に係合するので、第1板部と第2板部とが重なり合った状態で安定し、これにより、被固定部材を確実に固定しておくことができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、第1板部を折り曲げ成形することによって係合部を構成したので、クリップの低コスト化を図ることができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、第1板部に補強板部を設けたので、該第1板部の係合部の強度を十分に確保でき、係合部を第2板部の所定部位に対してしっかりと係合させることができる。また、クリップ自体の強度も向上でき、被固定部材を強固に固定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0020】
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るクリップ1を示すものである。このクリップ1は、自動車用空調装置の冷凍サイクルを構成する各機器を接続するための配管(被固定部材)Aを車体のパネル部材(図示せず)に固定する際に用いられるものである。尚、この配管Aは、アルミニウム合金製の円管部材で構成されている。
【0021】
上記クリップ1は、鋼板等の弾性を有する長尺状の金属板材を成形してなるものであり、上記配管Aに巻き付けられる巻き付け部10と、巻き付け部10の周方向両端部に連なる非固定板部20及び固定板部30とを備えている。これら巻き付け部10と非固定板部20及び固定板部30とは、一体成形されている。巻き付け部10は、配管Aの外周面を覆う大略円環状をなすように湾曲形成されており、この巻き付け部10の内径は、配管Aの外径よりも大きめに設定されている。したがって、巻き付け部10の内周面と配管Aの外周面との間には、全周に亘って隙間が形成されるようになっている。
【0022】
図2に示すように、上記巻き付け部10の幅方向中間部には、周方向に延びる第1スリット11が形成されている。また、巻き付け部10の周方向中間部には、幅方向に延びる第2スリット12が第1スリット11と連なるように形成されている。この第2スリット12が形成された部分の強度は、巻き付け部10の他の部位に比べて弱くなっている。
【0023】
上記巻き付け部10の内部には、該巻き付け部10の内周面と配管Aの外周面との間に介在するように弾性部材40が配設されている。この弾性部材40は、巻き付け部10の内周面に沿うように湾曲したゴム製の板材からなるものであり、巻き付け部10の幅方向両側から突出している。弾性部材40には、上記第1スリット11に嵌入される突条部41が一体成形されている。この突条部41の突出高さは、第1スリット11に嵌入された状態で巻き付け部10の外周面から突出する程度に設定されている。この突条部41が第1スリット11に嵌入することで、弾性部材40がクリップ1に取り付けられるようになっている。尚、弾性部材40は、ゴム以外にも、振動吸収性を有する弾性材料で構成することが可能である。
【0024】
図1に示すように、上記非固定板部20は、巻き付け部10の周方向一端部から該巻き付け部10の接線方向に真っ直ぐに延びている。また、固定板部30は、巻き付け部10の周方向他端部から略直角に折れ曲がった後、非固定板部20に沿うように延びている。このような非固定板部20及び固定板部30の形状により、巻き付け部10は、固定板部30側に位置するようになる。また、上記非固定板部20及び固定板部30の幅は、巻き付け部10の幅と略同じに設定されている。
【0025】
上記固定板部30の長手方向中間部には、巻き付け部10とは反対側へ向けて略直角に折り曲げられた屈曲部31が形成されている。固定板部30の屈曲部31よりも先端側は、平坦に延びている。固定板部30の先端部には、突片32が一体成形されている。この突片32は、巻き付け部10と反対側へ突出するように折り曲げられており、図示しないが、車体の位置決め孔に挿入されるようになっている。固定板部30の屈曲部31と突片32との間には、取付孔(取付部)33が形成されている。この取付孔33には、図示しないが、車体のねじ孔に螺合するボルトが挿通するようになっている。固定板部30の屈曲部31よりも巻き付け部10側には、幅方向両側へ突出する一対の突出板部34、34が一体成形されている。これら突出板部34、34は、互いに同じ矩形状をなしている。
【0026】
上記非固定板部20の長手方向の長さは、固定板部30の同方向の長さよりも短く設定され、非固定板部20の先端部は、固定板部30の屈曲部31近傍に位置している。したがって、非固定板部20は、固定板部30の基端部から屈曲部31近傍までの範囲に重なっている。
【0027】
上記非固定板部20の長手方向中間部には、幅方向両側に、固定板部30側へ折り曲げられた折り曲げ部21、21がそれぞれ形成されている。これら折り曲げ部21、21は、突出板部34、34よりも固定板部30の先端側に位置している。各折り曲げ部21には、突出板部34側へ向けて突出する爪部22が形成されている。この爪部22の突出高さは、図3にも示すように、折り曲げ部21の基端側へ行くほど高くなっている。爪部22の周縁部は、図1にも示すように、突出板部34の非固定板部20と反対側の面に沿うように真っ直ぐに延びる係合縁部(係合部)22aと、折り曲げ部21の先端部から係合縁部22a近傍まで傾斜して延びる案内縁部(案内部)22bとで構成されている。係合縁部22aは、固定板部30が非固定板部20に重なった状態で突出板部34の係合部分に係合するものである。係合縁部22aの形成位置は、固定板部30が非固定板部20に重なった状態で該係合縁部22aが突出板部34に圧接するように設定されており、両板部20、30のがたつきが抑制されるようになっている。また、案内縁部22bは、詳細は後述するが、巻き付け部10を変形させて配管Aに巻き付ける際に、係合縁部22aを突出板部34の係合部分に案内するためのものである。尚、上記2つの折り曲げ部21、21は同じ形状である。上記非固定板部20が本発明の第1板部であり、固定板部30が本発明の第2板部である。
【0028】
上記のように構成されたクリップ1は、プレス成形機(図示せず)によって成形される。成形直後のクリップ1の形状は、図1に仮想線で示すように、巻き付け部10が第2スリット12を起点として開いた形状となっており、非固定板部20と固定板部30とが離れている。
【0029】
次に、上記クリップ1を用いて配管Aを車体のパネル部材に固定する場合について説明する。成形直後の形状を有するクリップ1の第1スリット11に弾性部材40の突条部41を嵌入して、弾性部材40をクリップ1に取り付ける。その後、配管Aを非固定板部20及び固定板部30の間から巻き付け部10の内方へ入れる。次いで、非固定板部20及び固定板部30が重なり合うように巻き付け部10を変形させる。このとき、巻き付け部10は、第2スリット12を起点として変形するので、変形に要する力は小さくて済む。そして、非固定板部20と固定板部30とが接近すると、図3に仮想線で示すように、折り曲げ部21の案内縁部22bに固定板部30の突出板部34が摺接していく。これにより、巻き付け部10の形状が狙いとする形状から多少ずれていても、係合縁部22aが突出板部34の係合部分に案内される。そして、非固定板部20と固定板部30とが重なると、図1や図2に示すように、係合縁部22aが突出板部34の非固定板部20と反対側の面に圧接して係合し、巻き付け部10が配管Aに巻き付けられた状態で保持される。このようにして、クリップ1と配管Aとが一体化する。そして、固定板部30の突片32を車体の位置決め孔に挿入し、取付孔33にボルトを挿入してねじ孔に螺合することで、配管Aがクリップ1によって車体のパネル部材に固定される。
【0030】
以上説明したように、この実施形態に係るクリップ1によれば、配管Aに巻き付けられる巻き付け部10の両端部に非固定板部20及び固定板部30を設け、非固定板部20に、係合縁部22aを案内する案内縁部22bを設けたので、巻き付け部10を変形させて配管Aに巻き付けていく際に、巻き付け部10の形状が狙いとする形状から多少ずれても、係合縁部22aを突出板部34に係合させることができる。これにより、非固定板部20及び固定板部30を簡単に係合でき、クリップ1による配管Aの固定作業を容易にできる。
【0031】
また、非固定板部20の幅方向両側に係合縁部22aをそれぞれ設けたので、非固定板部20の幅方向両側を固定板部30の幅方向両側に係合させることができる。これにより、非固定板部20と固定板部30とを重ね合わせた状態で安定させることができ、配管Aを確実に固定しておくことができる。
【0032】
また、非固定板部20の折り曲げ成形した部分によって係合縁部22aを構成したので、クリップ1の低コスト化を図ることができる。
【0033】
また、上記実施形態では、折り曲げ部21を突出板部34よりも固定板部30の先端側に位置するように設けたが、これに限らず、例えば、図4に示す変形例1のように、折り曲げ部21を突出板部34よりも固定板部30の基端側に位置するように設けてもよい。この変形例1の爪部22の周縁部の形状は、図5に示すように、係合縁部22aが折り曲げ部21の先端側へ向かって傾斜している。
【0034】
また、上記実施形態では、固定板部30に突出板部34を設け、非固定板部20に折り曲げ部21を設けているが、図6に示す変形例2のように、非固定板部20に突出板部24を設け、固定板部30に折り曲げ部35を設けてもよい。これら突出板部24及び折り曲げ部21の形状は上記実施形態のものと同じである。
【0035】
また、図7に示す変形例3のように、非固定板部20に突出板部24を設け、固定板部30に折り曲げ部35を設ける場合に、折り曲げ部35の爪部36の周縁部の形状を円弧形状としてもよい。この変形例3では、図8に示すように、爪部36の周縁部のうち、折り曲げ部35の基端側の部分が係合縁部36aであり、折り曲げ部35の先端側の部分が案内縁部36bである。
【0036】
また、図9に示す変形例4のように、非固定板部20の長手方向中間部に固定板部30の突出板部34と同様な突出板部25を形成し、この突出板部25に折り曲げ部26を設けてもよい。この変形例4では、折り曲げ部26の爪部27が非固定板部20の幅方向内方に向けて突出している。
【0037】
また、図10に示す変形例5のように、非固定板部20に折り曲げ部26を有する突出板部25を形成する場合に、1つの突出板部25に折り曲げ部26を2つ形成するようにしてもよい。
【0038】
また、図11に示す変形例6のように、固定板部30の長手方向中間部に変形例4の非固定板部20と同様な突出板部37及び折り曲げ部38を形成し、非固定板部20に突出板部28を形成してもよい。
【0039】
また、図12に示す変形例7のように、固定板部30に折り曲げ部38を有する突出板部37を形成する場合に、1つの突出板部37に折り曲げ部38を2つ形成するようにしてもよい。
【0040】
また、図13に示す変形例8のように、固定板部30の幅方向両端部に、該固定板部30から立ち上がる形状の補強板部50をそれぞれ設けてもよい。補強板部50は、固定板部30の基端部から屈曲部31よりも先端側の範囲に亘って設けられており、この補強板部50によって、固定板部30の変形が抑制されるようになっている。また、非固定板部20の突出板部29は、補強板部50に沿って立ち上がるように形成されている。補強板部50には、補強板部50の立ち上がり方向に突出する爪部51が形成されており、この爪部51が突出板部29に係合するようになっている。上記補強板部50によって固定板部30の強度が向上し、この強度が向上した固定板部30に爪部51を設けていることで、爪部51の強度が十分に確保される。これにより、爪部51の係合縁部を非固定板部20の突出板部29に対してしっかりと係合させることができる。また、補強板部50を設けることで、クリップ1自体の強度を向上でき、配管Aを強固に固定できる。
【0041】
上記変形例2、3、6、7、8においては、固定板部30が第1板部であり、非固定板部20が第2板部である。
【0042】
また、上記実施形態では、2枚の板部20、30のうち、1枚のみを車体のパネル部材に固定するようにしているが、これに限らず、例えば、図14に示す変形例9のように、2つの板部20、30を同じ長さにし、両板部20、30をパネル部材に一緒に固定するようにしてもよい。この場合、板部20には、略長円形状の取付孔60を取付孔33と一致するように形成しておく。
【0043】
また、上記変形例1〜9の各爪部の形状は、図3、図5、図8に示す各形状のいずれであってもよい。爪部の数も任意に設定することができる。
【0044】
また、クリップ1は鋼板以外にも、弾性を有する材料で構成することができる。
【0045】
また、弾性部材40は省略してもよい。
【0046】
また、巻き付け部10の形状は、被固定部材の形状に合わせて様々な形状にすることが可能である。
【0047】
また、本発明に係るクリップ1は、配管Aを固定する場合以外にも、例えば、配線等を固定する場合に用いることができ、また、自動車以外の車両や、建築物に配管等を固定する場合に用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上説明したように、本発明に係るクリップは、例えば、自動車の各種配管や配線等を車体に固定するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施形態に係るクリップの側面図である。
【図2】クリップの斜視図である。
【図3】折り曲げ部の拡大図である。
【図4】変形例1に係るクリップの斜視図である。
【図5】変形例1に係る図3相当図である。
【図6】変形例2に係るクリップの斜視図である。
【図7】変形例3に係るクリップの斜視図である。
【図8】変形例3に係る図3相当図である。
【図9】変形例4に係るクリップの斜視図である。
【図10】変形例5に係るクリップの斜視図である。
【図11】変形例6に係るクリップの斜視図である。
【図12】変形例7に係るクリップの斜視図である。
【図13】変形例8に係るクリップの斜視図である。
【図14】変形例9に係るクリップの斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
1 クリップ
10 巻き付け部
20 非固定板部
21 折り曲げ部
22 爪部
22a 係合縁部(係合部)
22b 案内縁部(案内部)
30 固定板部
33 取付孔
34 突出板部
40 弾性部材
50 補強板部
A 配管(被固定部材)
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、配管や配線等の被固定部材を固定しておくためのクリップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、この種のクリップとして、金属製の長尺状の板材を成形してなるものが知られている(例えば、特許文献1〜3参照)。特許文献1〜3のクリップは、配管の外周面に巻き付けられるように湾曲形成された巻き付け部と、巻き付け部の周方向の両端部から延びる一対の板部とを備えている。これら板部は互いに重なり合うようになっている。一方の板部の端部には、両板部が互いに重なった状態で、他方の板部の端部が係合する係合片が形成されている。
【0003】
被固定部材を固定する前の状態にあるクリップの形状は、両板部が互い離れた形状となっている。被固定部材を固定する際には、クリップの巻き付け部の内方に被固定部材を入れてから、両板部が重なり合うように巻き付け部を変形させることにより、巻き付け部を被固定部材に巻き付ける。そして、一方の板部の係合片に他方の板部の端部を係合させることにより、両板部が離れなくなってクリップが被固定部材と一体化する。このクリップをボルト等により各種機械や装置等に締結することで、被固定部材が固定される。
【特許文献1】特開平4−224383号公報
【特許文献2】特開平3−177678号公報
【特許文献3】実公平8−10719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1〜3のクリップのように、巻き付け部を変形させて配管に巻き付けるようにする場合には、巻き付け部が狙い通りに変形するとは限らず、例えば、他方の板部の端部が一方の板部の係合片に対して多少ずれてしまい、係合片と係合しなくなることがある。このようになった場合には、他方の板部の端部が係合片に係合するように、巻き付け部の形状を修正しなければならず、作業が煩雑である。
【0005】
本発明は斯かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、巻き付け部を変形させて被固定部材に巻き付ける際に、両板部を簡単に係合できるようにしてクリップによる被固定部材の固定作業を容易にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明では、一方の板部に設けた案内部により係合部を案内して他方の板部に係合させるようにした。
【0007】
具体的には、請求項1の発明では、長尺状の板材を成形してなるクリップにおいて、被固定部材に巻き付けられるように形成された巻き付け部と、上記巻き付け部の周方向両端部に連なるとともに、互いに厚み方向に重なり合う第1及び第2板部とを備え、上記第1及び第2板部の少なくとも一方には、上記被固定部材を固定しておくための所定物に取り付けられる取付部が設けられ、上記第1板部には、該第1板部に重なった状態の上記第2板部の所定部位に係合する係合部と、上記第1板部を第2板部に重ねる際に上記係合部を上記第2板部の所定部位に案内する案内部とが設けられている構成とする。
【0008】
この構成によれば、被固定部材を所定物に固定する際、巻き付け部を変形させて被固定部材に巻き付けていくと、第1板部と第2板部とが厚み方向に重なる。この第1板部が第2板部に重なる際に、係合部が案内部により第2板部の所定部位に案内されて係合する。これにより、巻き付け部の形状が狙いとする形状から多少ずれても、第1板部と第2板部とが重なった状態で保持され、クリップと被固定部材とが一体化する。そして、取付部を所定物に取り付けることで、被固定部材がクリップによって所定物に固定される。
【0009】
請求項2の発明では、請求項1の発明において、係合部は、第1板部の幅方向両側に設けられている構成とする。
【0010】
この構成によれば、第1板部の幅方向両側が第2板部の幅方向両側に係合することになる。
【0011】
請求項3の発明では、請求項1または2の発明において、係合部は、第1板部の折り曲げ成形された部位によって構成されているものとする。
【0012】
この構成によれば、係合部を第1板部に容易に一体成形することが可能になる。
【0013】
請求項4の発明では、請求項1から3のいずれか1つの発明において、第1板部は、該第1板部から立ち上がるように形成された補強板部を有している構成とする。
【0014】
この構成によれば、補強板部によって第1板部の強度が向上し、この強度が向上した第1板部に係合部を設けていることで、係合部の強度が十分に確保される。また、クリップ自体の強度も向上する。
【発明の効果】
【0015】
請求項1の発明によれば、被固定部材に巻き付けられる巻き付け部の両端部に第1及び第2板部を設け、第1板部に、係合部を案内する案内部を設けたので、巻き付け部を変形させて被固定部材に巻き付けていく際に、巻き付け部の形状が狙いとする形状から多少ずれても、係合部を第2板部の所定部位に係合させることができる。これにより、第1及び第2板部を簡単に係合でき、クリップによる被固定部材の固定作業を容易にできる。
【0016】
請求項2の発明によれば、第1板部の幅方向両側が第2板部の幅方向両側に係合するので、第1板部と第2板部とが重なり合った状態で安定し、これにより、被固定部材を確実に固定しておくことができる。
【0017】
請求項3の発明によれば、第1板部を折り曲げ成形することによって係合部を構成したので、クリップの低コスト化を図ることができる。
【0018】
請求項4の発明によれば、第1板部に補強板部を設けたので、該第1板部の係合部の強度を十分に確保でき、係合部を第2板部の所定部位に対してしっかりと係合させることができる。また、クリップ自体の強度も向上でき、被固定部材を強固に固定できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものではない。
【0020】
図1及び図2は、本発明の実施形態に係るクリップ1を示すものである。このクリップ1は、自動車用空調装置の冷凍サイクルを構成する各機器を接続するための配管(被固定部材)Aを車体のパネル部材(図示せず)に固定する際に用いられるものである。尚、この配管Aは、アルミニウム合金製の円管部材で構成されている。
【0021】
上記クリップ1は、鋼板等の弾性を有する長尺状の金属板材を成形してなるものであり、上記配管Aに巻き付けられる巻き付け部10と、巻き付け部10の周方向両端部に連なる非固定板部20及び固定板部30とを備えている。これら巻き付け部10と非固定板部20及び固定板部30とは、一体成形されている。巻き付け部10は、配管Aの外周面を覆う大略円環状をなすように湾曲形成されており、この巻き付け部10の内径は、配管Aの外径よりも大きめに設定されている。したがって、巻き付け部10の内周面と配管Aの外周面との間には、全周に亘って隙間が形成されるようになっている。
【0022】
図2に示すように、上記巻き付け部10の幅方向中間部には、周方向に延びる第1スリット11が形成されている。また、巻き付け部10の周方向中間部には、幅方向に延びる第2スリット12が第1スリット11と連なるように形成されている。この第2スリット12が形成された部分の強度は、巻き付け部10の他の部位に比べて弱くなっている。
【0023】
上記巻き付け部10の内部には、該巻き付け部10の内周面と配管Aの外周面との間に介在するように弾性部材40が配設されている。この弾性部材40は、巻き付け部10の内周面に沿うように湾曲したゴム製の板材からなるものであり、巻き付け部10の幅方向両側から突出している。弾性部材40には、上記第1スリット11に嵌入される突条部41が一体成形されている。この突条部41の突出高さは、第1スリット11に嵌入された状態で巻き付け部10の外周面から突出する程度に設定されている。この突条部41が第1スリット11に嵌入することで、弾性部材40がクリップ1に取り付けられるようになっている。尚、弾性部材40は、ゴム以外にも、振動吸収性を有する弾性材料で構成することが可能である。
【0024】
図1に示すように、上記非固定板部20は、巻き付け部10の周方向一端部から該巻き付け部10の接線方向に真っ直ぐに延びている。また、固定板部30は、巻き付け部10の周方向他端部から略直角に折れ曲がった後、非固定板部20に沿うように延びている。このような非固定板部20及び固定板部30の形状により、巻き付け部10は、固定板部30側に位置するようになる。また、上記非固定板部20及び固定板部30の幅は、巻き付け部10の幅と略同じに設定されている。
【0025】
上記固定板部30の長手方向中間部には、巻き付け部10とは反対側へ向けて略直角に折り曲げられた屈曲部31が形成されている。固定板部30の屈曲部31よりも先端側は、平坦に延びている。固定板部30の先端部には、突片32が一体成形されている。この突片32は、巻き付け部10と反対側へ突出するように折り曲げられており、図示しないが、車体の位置決め孔に挿入されるようになっている。固定板部30の屈曲部31と突片32との間には、取付孔(取付部)33が形成されている。この取付孔33には、図示しないが、車体のねじ孔に螺合するボルトが挿通するようになっている。固定板部30の屈曲部31よりも巻き付け部10側には、幅方向両側へ突出する一対の突出板部34、34が一体成形されている。これら突出板部34、34は、互いに同じ矩形状をなしている。
【0026】
上記非固定板部20の長手方向の長さは、固定板部30の同方向の長さよりも短く設定され、非固定板部20の先端部は、固定板部30の屈曲部31近傍に位置している。したがって、非固定板部20は、固定板部30の基端部から屈曲部31近傍までの範囲に重なっている。
【0027】
上記非固定板部20の長手方向中間部には、幅方向両側に、固定板部30側へ折り曲げられた折り曲げ部21、21がそれぞれ形成されている。これら折り曲げ部21、21は、突出板部34、34よりも固定板部30の先端側に位置している。各折り曲げ部21には、突出板部34側へ向けて突出する爪部22が形成されている。この爪部22の突出高さは、図3にも示すように、折り曲げ部21の基端側へ行くほど高くなっている。爪部22の周縁部は、図1にも示すように、突出板部34の非固定板部20と反対側の面に沿うように真っ直ぐに延びる係合縁部(係合部)22aと、折り曲げ部21の先端部から係合縁部22a近傍まで傾斜して延びる案内縁部(案内部)22bとで構成されている。係合縁部22aは、固定板部30が非固定板部20に重なった状態で突出板部34の係合部分に係合するものである。係合縁部22aの形成位置は、固定板部30が非固定板部20に重なった状態で該係合縁部22aが突出板部34に圧接するように設定されており、両板部20、30のがたつきが抑制されるようになっている。また、案内縁部22bは、詳細は後述するが、巻き付け部10を変形させて配管Aに巻き付ける際に、係合縁部22aを突出板部34の係合部分に案内するためのものである。尚、上記2つの折り曲げ部21、21は同じ形状である。上記非固定板部20が本発明の第1板部であり、固定板部30が本発明の第2板部である。
【0028】
上記のように構成されたクリップ1は、プレス成形機(図示せず)によって成形される。成形直後のクリップ1の形状は、図1に仮想線で示すように、巻き付け部10が第2スリット12を起点として開いた形状となっており、非固定板部20と固定板部30とが離れている。
【0029】
次に、上記クリップ1を用いて配管Aを車体のパネル部材に固定する場合について説明する。成形直後の形状を有するクリップ1の第1スリット11に弾性部材40の突条部41を嵌入して、弾性部材40をクリップ1に取り付ける。その後、配管Aを非固定板部20及び固定板部30の間から巻き付け部10の内方へ入れる。次いで、非固定板部20及び固定板部30が重なり合うように巻き付け部10を変形させる。このとき、巻き付け部10は、第2スリット12を起点として変形するので、変形に要する力は小さくて済む。そして、非固定板部20と固定板部30とが接近すると、図3に仮想線で示すように、折り曲げ部21の案内縁部22bに固定板部30の突出板部34が摺接していく。これにより、巻き付け部10の形状が狙いとする形状から多少ずれていても、係合縁部22aが突出板部34の係合部分に案内される。そして、非固定板部20と固定板部30とが重なると、図1や図2に示すように、係合縁部22aが突出板部34の非固定板部20と反対側の面に圧接して係合し、巻き付け部10が配管Aに巻き付けられた状態で保持される。このようにして、クリップ1と配管Aとが一体化する。そして、固定板部30の突片32を車体の位置決め孔に挿入し、取付孔33にボルトを挿入してねじ孔に螺合することで、配管Aがクリップ1によって車体のパネル部材に固定される。
【0030】
以上説明したように、この実施形態に係るクリップ1によれば、配管Aに巻き付けられる巻き付け部10の両端部に非固定板部20及び固定板部30を設け、非固定板部20に、係合縁部22aを案内する案内縁部22bを設けたので、巻き付け部10を変形させて配管Aに巻き付けていく際に、巻き付け部10の形状が狙いとする形状から多少ずれても、係合縁部22aを突出板部34に係合させることができる。これにより、非固定板部20及び固定板部30を簡単に係合でき、クリップ1による配管Aの固定作業を容易にできる。
【0031】
また、非固定板部20の幅方向両側に係合縁部22aをそれぞれ設けたので、非固定板部20の幅方向両側を固定板部30の幅方向両側に係合させることができる。これにより、非固定板部20と固定板部30とを重ね合わせた状態で安定させることができ、配管Aを確実に固定しておくことができる。
【0032】
また、非固定板部20の折り曲げ成形した部分によって係合縁部22aを構成したので、クリップ1の低コスト化を図ることができる。
【0033】
また、上記実施形態では、折り曲げ部21を突出板部34よりも固定板部30の先端側に位置するように設けたが、これに限らず、例えば、図4に示す変形例1のように、折り曲げ部21を突出板部34よりも固定板部30の基端側に位置するように設けてもよい。この変形例1の爪部22の周縁部の形状は、図5に示すように、係合縁部22aが折り曲げ部21の先端側へ向かって傾斜している。
【0034】
また、上記実施形態では、固定板部30に突出板部34を設け、非固定板部20に折り曲げ部21を設けているが、図6に示す変形例2のように、非固定板部20に突出板部24を設け、固定板部30に折り曲げ部35を設けてもよい。これら突出板部24及び折り曲げ部21の形状は上記実施形態のものと同じである。
【0035】
また、図7に示す変形例3のように、非固定板部20に突出板部24を設け、固定板部30に折り曲げ部35を設ける場合に、折り曲げ部35の爪部36の周縁部の形状を円弧形状としてもよい。この変形例3では、図8に示すように、爪部36の周縁部のうち、折り曲げ部35の基端側の部分が係合縁部36aであり、折り曲げ部35の先端側の部分が案内縁部36bである。
【0036】
また、図9に示す変形例4のように、非固定板部20の長手方向中間部に固定板部30の突出板部34と同様な突出板部25を形成し、この突出板部25に折り曲げ部26を設けてもよい。この変形例4では、折り曲げ部26の爪部27が非固定板部20の幅方向内方に向けて突出している。
【0037】
また、図10に示す変形例5のように、非固定板部20に折り曲げ部26を有する突出板部25を形成する場合に、1つの突出板部25に折り曲げ部26を2つ形成するようにしてもよい。
【0038】
また、図11に示す変形例6のように、固定板部30の長手方向中間部に変形例4の非固定板部20と同様な突出板部37及び折り曲げ部38を形成し、非固定板部20に突出板部28を形成してもよい。
【0039】
また、図12に示す変形例7のように、固定板部30に折り曲げ部38を有する突出板部37を形成する場合に、1つの突出板部37に折り曲げ部38を2つ形成するようにしてもよい。
【0040】
また、図13に示す変形例8のように、固定板部30の幅方向両端部に、該固定板部30から立ち上がる形状の補強板部50をそれぞれ設けてもよい。補強板部50は、固定板部30の基端部から屈曲部31よりも先端側の範囲に亘って設けられており、この補強板部50によって、固定板部30の変形が抑制されるようになっている。また、非固定板部20の突出板部29は、補強板部50に沿って立ち上がるように形成されている。補強板部50には、補強板部50の立ち上がり方向に突出する爪部51が形成されており、この爪部51が突出板部29に係合するようになっている。上記補強板部50によって固定板部30の強度が向上し、この強度が向上した固定板部30に爪部51を設けていることで、爪部51の強度が十分に確保される。これにより、爪部51の係合縁部を非固定板部20の突出板部29に対してしっかりと係合させることができる。また、補強板部50を設けることで、クリップ1自体の強度を向上でき、配管Aを強固に固定できる。
【0041】
上記変形例2、3、6、7、8においては、固定板部30が第1板部であり、非固定板部20が第2板部である。
【0042】
また、上記実施形態では、2枚の板部20、30のうち、1枚のみを車体のパネル部材に固定するようにしているが、これに限らず、例えば、図14に示す変形例9のように、2つの板部20、30を同じ長さにし、両板部20、30をパネル部材に一緒に固定するようにしてもよい。この場合、板部20には、略長円形状の取付孔60を取付孔33と一致するように形成しておく。
【0043】
また、上記変形例1〜9の各爪部の形状は、図3、図5、図8に示す各形状のいずれであってもよい。爪部の数も任意に設定することができる。
【0044】
また、クリップ1は鋼板以外にも、弾性を有する材料で構成することができる。
【0045】
また、弾性部材40は省略してもよい。
【0046】
また、巻き付け部10の形状は、被固定部材の形状に合わせて様々な形状にすることが可能である。
【0047】
また、本発明に係るクリップ1は、配管Aを固定する場合以外にも、例えば、配線等を固定する場合に用いることができ、また、自動車以外の車両や、建築物に配管等を固定する場合に用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
以上説明したように、本発明に係るクリップは、例えば、自動車の各種配管や配線等を車体に固定するのに適している。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】実施形態に係るクリップの側面図である。
【図2】クリップの斜視図である。
【図3】折り曲げ部の拡大図である。
【図4】変形例1に係るクリップの斜視図である。
【図5】変形例1に係る図3相当図である。
【図6】変形例2に係るクリップの斜視図である。
【図7】変形例3に係るクリップの斜視図である。
【図8】変形例3に係る図3相当図である。
【図9】変形例4に係るクリップの斜視図である。
【図10】変形例5に係るクリップの斜視図である。
【図11】変形例6に係るクリップの斜視図である。
【図12】変形例7に係るクリップの斜視図である。
【図13】変形例8に係るクリップの斜視図である。
【図14】変形例9に係るクリップの斜視図である。
【符号の説明】
【0050】
1 クリップ
10 巻き付け部
20 非固定板部
21 折り曲げ部
22 爪部
22a 係合縁部(係合部)
22b 案内縁部(案内部)
30 固定板部
33 取付孔
34 突出板部
40 弾性部材
50 補強板部
A 配管(被固定部材)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長尺状の板材を成形してなるクリップにおいて、
被固定部材に巻き付けられるように形成された巻き付け部と、
上記巻き付け部の周方向両端部に連なるとともに、互いに厚み方向に重なり合う第1及び第2板部とを備え、
上記第1及び第2板部の少なくとも一方には、上記被固定部材を固定しておくための所定物に取り付けられる取付部が設けられ、
上記第1板部には、該第1板部に重なった状態の上記第2板部の所定部位に係合する係合部と、上記第1板部を第2板部に重ねる際に上記係合部を上記第2板部の所定部位に案内する案内部とが設けられていることを特徴とするクリップ。
【請求項2】
請求項1に記載のクリップにおいて、
係合部は、第1板部の幅方向両側に設けられていることを特徴とするクリップ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のクリップにおいて、
係合部は、第1板部の折り曲げ成形された部位によって構成されていることを特徴とするクリップ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載のクリップにおいて、
第1板部は、該第1板部から立ち上がるように形成された補強板部を有していることを特徴とするクリップ。
【請求項1】
長尺状の板材を成形してなるクリップにおいて、
被固定部材に巻き付けられるように形成された巻き付け部と、
上記巻き付け部の周方向両端部に連なるとともに、互いに厚み方向に重なり合う第1及び第2板部とを備え、
上記第1及び第2板部の少なくとも一方には、上記被固定部材を固定しておくための所定物に取り付けられる取付部が設けられ、
上記第1板部には、該第1板部に重なった状態の上記第2板部の所定部位に係合する係合部と、上記第1板部を第2板部に重ねる際に上記係合部を上記第2板部の所定部位に案内する案内部とが設けられていることを特徴とするクリップ。
【請求項2】
請求項1に記載のクリップにおいて、
係合部は、第1板部の幅方向両側に設けられていることを特徴とするクリップ。
【請求項3】
請求項1または2に記載のクリップにおいて、
係合部は、第1板部の折り曲げ成形された部位によって構成されていることを特徴とするクリップ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか1つに記載のクリップにおいて、
第1板部は、該第1板部から立ち上がるように形成された補強板部を有していることを特徴とするクリップ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−223885(P2008−223885A)
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−63249(P2007−63249)
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(000152826)株式会社日本クライメイトシステムズ (154)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月25日(2008.9.25)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月13日(2007.3.13)
【出願人】(000152826)株式会社日本クライメイトシステムズ (154)
【Fターム(参考)】
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