説明

クロマン−2−オン誘導体を含む調製物

本発明は、少なくとも1つの式(I)の化合物であって、式中、置換基R1〜R4が請求項1に示される意味を有する化合物ならびにその塩および溶媒和物に関し、ならびにそれらおよび式(I)の選択された化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、少なくとも1つの式Iの化合物
【0002】
【化1】

【0003】
であって、
式中、
1〜R3はそれぞれ互いに独立に、H、A、Y、OCOA、またはNHCOAを表し、
4は、H、A、Y’、OCOA、またはNHCOAを表し、
23またはR14はそれぞれ互いに独立に、一緒になってメチレンジオキシまたはエチレンジオキシを表し、
Aはそれぞれの場合、互いに独立に、1〜18個のC原子を有する、飽和または不飽和の、直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基を表し、このアルキル基は、OH、O−アルキル、CO−アルキル、COOH、COO−アルキル、NH2、NH−アルキル、N(アルキル)2、NHCO−アルキル、CONH2、CONH−アルキル、スルホナート、OSi(アルキル)3、F、ClまたはBrで置換されていてもよく、
Yは、OH、OA、COA、COOH、COOA、NH2、NHA、NA2、NHCOA、CONH2、CONHA、スルホナート、シリルオキシ、F、ClまたはBrを表し、
Y’は、OA、COA、COOH、COOA、NH2、NHA、NA2、NHCOA、CONH2、CONHA、スルホナート、OSi(A)3、F、ClまたはBrを表し、かつ
アルキルは、1〜18個のC原子を有する、飽和または不飽和の、直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基を表す
化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む調製物に関し、ならびにそれらおよび式Iの選択された化合物の使用に関する。
【0004】
式Iのクロマン−2−オンは、具体的には、ヒトの皮膚の美白に適する、または色素増加症、そばかす、加齢によるしみ、日焼けによるしみ、および環境誘発の皮膚老化などの色素欠陥(pigment defects)の予防および/または治療に適するチロシナーゼ阻害剤である。
【0005】
皮膚および髪の色は、メラニン(窒素含有の濃色色素)の含有量、サイズおよび種類によって決まり、メラニンはメラニン形成が可能な細胞であるメラノサイトから生成される。チロシンから出発し、チロシナーゼまたはチロシナーゼ関連タンパク質など、種々のメラノサイト特異性酵素の助けによって、メラニンがメラノソーム内で生成され、続いてメラノソームはケラチノサイトに変わる。
【0006】
皮膚中のメラニンは紫外線に対する適切な防護ではあるが、皮膚が黒くなるまたは色素過剰になると、既に述べたように、美容に影響し深刻な美容上の問題を引き起こす恐れがある。色素過剰の皮膚状態または病変は、黒皮症(肝斑としても知られる)、すなわち不規則な形の黄褐色の斑点を含む。
【0007】
色素斑の場合、そばかす(雀卵斑(ephelides))、年齢によるしみ(黒子(lentigines))、いわゆる加齢いぼ(脂漏性いぼ)および色素増加症(例えば肝斑または黒皮症)は一般に区別され、ここでは日光が重要な影響を及ぼすことが非常に多い。非常に色白の皮膚と赤味がかった髪を持つ人々は特に、そばかすになる傾向がある。対照的に、色素増加症(肝斑)は多くの場合、定期的にエストロゲンを体内に導入している女性に見られる。
【0008】
予防は、特に、高い光防御指数での日常的な日焼け防止によって実現できる。しかし、一度それらが生じてしまうと、見た目の悪い加齢によるしみは、レーザー、皮膚切除術または他の電気外科的方法、およびいわゆる漂白クリームなどの種々の可能性により除去することができる。後者の選択肢(漂白クリーム)は、患者にとって電気外科的方法よりも著しく安価であるという利点がある。
【0009】
皮膚美白作用を有する多数の化合物が、色素斑の治療のために市販されている。
【0010】
これらは、とりわけ、コウジ酸、アルブチン、アロエシンまたはルシノールなどの化合物であり、これらは皮膚中のメラニン生成を抑制する。これらは、酵素のチロシナーゼを妨害することによりチロシンからメラニンへの変換を遅らせる。
【0011】
しかし、これらの化合物はいくつかの欠点を有する。例えば、色素脱失の効率が低いこと、副作用(皮膚炎または皮膚剥脱(皮膚剥離)、細胞損傷など)、皮膚への浸透性が低いこと、または製剤の安定性が低いことなどである。したがって、より高い有効性を有する新規皮膚美白剤が必要とされている。
【0012】
したがって本発明の目的は、皮膚の美白の能力を有する活性化合物を含む新規調製物を提供することであった。
【0013】
いくつかの式Iの化合物が公知である。
【0014】
Dadakら、Collection of Czechoslovak Chemical Communications 1973、38(8)、2313−19は、6−ゲラニル−7−ヒドロキシクマリンの還元生成物、例えば6−(3,7−ジメチルオクチル)−3,4−ジヒドロ−7−ヒドロキシ−2H−1−ベンゾピラン−2−オンを記載している。
【0015】
FR2293191は、置換基R1〜R3がOH、OCH3、OC25、CH3、C25、Hまたはハロゲンを表すクロマン−2−オン誘導体を記載しており、これらは髪のトリートメントに適している。
【0016】
WO2001/16108は、6−アルキルアミノクロマン−2−オン化合物、特にアンドロゲン受容体アゴニストとして例217の3,4−ジヒドロ−6−(ビス−2,2,2−トリフルオロエチル)アミノ−4−トリフルオロメチルクマリンを、ホルモン補充療法のための補充物質として記載している。
【0017】
式Iの下位式である式Iaの化合物
【0018】
【化2】

【0019】
[式中、
4が4〜18個のC原子を有する直鎖または環状アルキル基を表す]、ならびにその塩および溶媒和物は、新規であり同様に本発明の主題である。
【0020】
驚くことに、式Iの化合物は、以下に述べるように、非常にすぐれた皮膚美白特性を有することが今ではわかっている。これらはメラニンの合成を抑制し、メラニンの過剰生成を防ぎ、そのためあらゆる種類の色素斑の治療に適している。
【0021】
類似の化合物、すなわちクロマン−2−オン骨格のC−4上にさらなるジアルキル基を含む6−ヒドロキシクロマン−2−オン誘導体がJP2003321463に記載されており、これらの化合物は細胞内のグルタチオン合成を誘発することによりメラニン生成を抑制し、チロシナーゼ活性の直接的な阻害は示さない。
【0022】
したがって本発明は第1に、少なくとも1つの式Iの化合物
【0023】
【化3】

【0024】
であって、
式中、
1〜R3はそれぞれ互いに独立に、H、A、Y、OCOAまたはNHCOAを表し、
4は、H、A、Y’、OCOAまたはNHCOAを表し、
23またはR14はそれぞれ互いに独立に、一緒になってメチレンジオキシまたはエチレンジオキシを表し、
Aはそれぞれの場合、互いに独立に、1〜18個のC原子を有する、飽和または不飽和の、直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基を表し、このアルキル基は、OH、O−アルキル、CO−アルキル、COOH、COO−アルキル、NH2、NH−アルキル、N(アルキル)2、NHCO−アルキル、CONH2、CONH−アルキル、スルホナート、OSi(アルキル)3、F、ClまたはBrで置換されていてもよく、
Yは、OH、OA、COA、COOH、COOA、NH2、NHA、NA2、NHCOA、CONH2、CONHA、スルホナート、シリルオキシ、F、ClまたはBrを表し、
Y’は、OA、COA、COOH、COOA、NH2、NHA、NA2、NHCOA、CONH2、CONHA、スルホナート、OSi(A)3、F、ClまたはBrを表し、かつ
アルキルは、1〜18個のC原子を有する、飽和または不飽和の、直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基を表す
化合物またはその塩もしくは溶媒和物を含む調製物に関する。
【0025】
式IまたはIaの化合物の溶媒和物は、式IまたはIaの化合物に不活性溶媒が付加したものを意味すると解釈され、これはそれらの相互的な引力のために生成する。溶媒和物は、例えば、一水和物もしくは二水和物、またはアルコール(例えばメタノールもしくはエタノールなど)との付加化合物である。
【0026】
式IまたはIaの化合物が少なくとも1つのキラル中心を有する場合、それらの化合物は多数の立体異性体として生じうる。これらのすべての形態(例えばD体およびL体)およびそれらの混合物(例えばDL体)が式に含まれる。
【0027】
好ましい実施形態において、式Iの基R2は、OHに相当する。
【0028】
好ましい実施形態において、式Iの基R4は、HまたはAに相当する。
【0029】
好ましい実施形態において、式Iの基R3は、Hに相当する。
【0030】
特に好ましい実施形態において、少なくとも1つの式Iの化合物は、式Iaの化合物
【0031】
【化4】

【0032】
であって、式中、
4が4〜18個のC原子を有する直鎖または環状のアルキル基を表す
化合物またはその塩もしくは溶媒和物の1つである。
【0033】
式IおよびIaにおいて、Aおよびアルキルは互いに独立に、飽和または不飽和の、直鎖、分岐鎖または環状のアルキル基、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、sec−ブチルもしくはtert−ブチル、さらにはまたペンチル、1−、2−もしくは3−メチルブチル、1,1−、1,2−もしくは2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−もしくは4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−もしくは3,3−ジメチルブチル、1−もしくは2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−もしくは1,2,2−トリメチルプロピル、あるいはまた経験式C715〜C1837のアルキル基およびその異性体、1〜18個のC原子を有するアルケニル基またはアルキニル基、好ましくはエテニル、プロペニル、ブテニル、エチニル、プロピニルもしくはブチニル、または3〜9個のC原子を有するシクロアルキル、好ましくはシクロペンチル、シクロヘキシルもしくはシクロヘプチル、または5〜9個のC原子を有するシクロアルケニル、好ましくはシクロペンテニル、シクロヘキセニルもしくはシクロヘプテニルを表す。
【0034】
Aはまた場合により置換されてもよく、すなわち少なくとも1つのHが、例えばOH、O−アルキル、CO−アルキル、COOH、CO−アルキル、NH2、NH−アルキル、N(アルキル)2、NHCO−アルキル、CONH2、CONH−アルキル、スルホナート、OSi(アルキル)3、F、ClまたはBrの群から選択される置換基により置換されてもよく、ここでアルキルは上述の意味または好ましいとして挙げた意味のうちの1つを有する。
【0035】
アルキルは、特に好ましくは1〜8個のC原子を有するアルキル基を表す。
【0036】
置換されたAの特に好ましい例は、ヒドロキシエチル、ヒドロキシプロピル、アミノエチル、アミノプロピル、アルコキシエチル(例えばメトキシエチル、エトキシエチル)、アルコキシプロピル(例えばメトキシプロピル、エトキシプロピル)、カルボキシアルキル(例えばカルボキシメチル、カルボキシエチル)、アルキルオキシカルボニルアルキル(例えばメトキシカルボニルメチル、エトキシカルボニルメチル、メトキシカルボニルエチル、エトキシカルボニルエチル)またはアシルアルキル(例えばアセチルエチル)である。
【0037】
式Ia中のR4は、好ましくは4〜18個のC原子を有する直鎖または環状のアルキル基である。式Ia中のR4は、特に好ましくはブチル、ヘキシル、オクチル、シクロヘキシル、ドデシルを表し、さらに特に好ましくはヘキシルを表す。
【0038】
置換基のさらに好ましい組み合わせは、特許請求の範囲に開示される。
【0039】
式IまたはIaの特に好ましい化合物は、
6−ヘキシル−7−ヒドロキシクロマン−2−オン、
6−エチル−7−ヒドロキシクロマン−2−オン、
7−ヒドロキシクロマン−2−オン、
7−ヒドロキシ−5−メチルクロマン−2−オン、
5,7−ジヒドロキシクロマン−2−オン、
6−ブチル−7−ヒドロキシクロマン−2−オン、
6−シクロヘキシル−7−ヒドロキシクロマン−2−オン、
6−ドデシル−7−ヒドロキシクロマン−2−オン、
6−tert−オクチル−7−ヒドロキシクロマン−2−オン、
ならびにそれらの塩および溶媒和物である。
【0040】
好ましい化合物の具体的なグループは、6−ヘキシル−7−ヒドロキシクロマン−2−オン、6−エチル−7−ヒドロキシクロマン−2−オン、および7−ヒドロキシクロマン−2−オンの物質により成る。化合物6−ヘキシル−7−ヒドロキシクロマン−2−オンはさらに特に好ましい。
【0041】
式Iの化合物およびそれらを調製するための出発物質もまた、さらに、それ自体が公知の方法により、例えばヒドロキシ置換ベンゼンとカルボン酸誘導体との縮合(例えばSynthesis、2003、1、27−29)により調製される。
【0042】
しかし、本発明はさらに、
(a)式IIaの化合物
【0043】
【化5】

【0044】
[式中、R4は先に示した意味または好ましいとして示した意味を有する]をアクリル酸と反応させること、
および
(b)場合により
式Iaの塩基性または酸性化合物を、酸または塩基での処理によってその化合物の塩または溶媒和物の1つに変換すること
を特徴とする、式Iaの化合物ならびにそれらの塩および溶媒和物の調製方法に関する。
【0045】
式IIaの化合物は、種々の方法により調製されるか、または場合によっては市販もされている公知の化合物である。例えば、レゾルシノールまたはヒドロキシフェノールは一般に、塩化亜鉛の存在下でカルボン酸RCOOHと反応させることができ、Lille. J.Bitterら、Inst.Slantsev 1969、18、127と同様にして、得られる縮合物を亜鉛/アマルガム/塩酸を用いて還元することができる。
【0046】
さらに、レゾルシノールまたはヒドロキシフェノールは一般に、アルミニウム触媒の存在下、200〜400℃の高温で、GB1581428と同様にして、アルコールHO−CH2−Rを用いて調製することができる。
【0047】
上記および下記のすべての出願、特許、および公開の完全な開示内容は、参照により本出願に組み込まれる。
【0048】
式Iの化合物は、例えば不活性溶媒(エタノールなど)中で等量の塩基と酸を反応させ、次いで蒸発させることにより、酸を用いて会合酸付加塩に変換することができる。この反応に特に適した酸は、生理学的に許容可能な塩を生成させる酸である。このように、無機酸、例えば硫酸、亜硫酸、ジチオン酸、硝酸、ハロゲン化水素酸(塩酸または臭化水素酸など)、リン酸(例えばオルトリン酸など)、スルファミン酸、さらには有機酸、特に脂肪族、脂環式、芳香脂肪族、芳香族または複素環式の、一塩基または多塩基のカルボン酸、スルホン酸、もしくは硫酸、例えばギ酸、酢酸、プロピオン酸、ヘキサン酸、オクタン酸、デカン酸、ヘキサデカン酸、オクタデカン酸、ピバル酸、ジエチル酢酸、マロン酸、コハク酸、ピメリン酸、フマル酸、マレイン酸、乳酸、酒石酸、リンゴ酸、クエン酸、グルコン酸、アスコルビン酸、ニコチン酸、イソニコチン酸、メタンスルホン酸もしくはエタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリメトキシ安息香酸、アダマンタンカルボン酸、p−トルエンスルホン酸、グリコール酸、エンボン酸、クロロフェノキシ酢酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、プロリン、グリオキシル酸、パルミチン酸、p−クロロフェノキシイソ酪酸、シクロヘキサンカルボン酸、グルコース−1−ホスファート、ナフタレンスルホン酸およびナフタレンジスルホン酸、またはラウリル硫酸を用いることが可能である。生理学的に許容不可能な酸との塩(例えばピクリン酸塩)は、式Iの化合物の単離および/または精製に用いることができる。一方で、式Iの化合物は、塩基(例えばナトリウムもしくはカリウムの水酸化物または炭酸塩)を用いて、対応する金属塩(特にアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩)または対応するアンモニウム塩に変換することができる。
【0049】
皮膚美白活性化合物としての式IまたはIaの化合物、または好ましいとして示された化合物の利点は、特に以下が考えられる:
− それらを調製物中に容易に組み込むことができる、
− それらが調製物中で向上した安定性を有する、
− それらが皮膚の炎症性を示さない、
− それらが、皮膚美白活性化合物としてのそれらの作用に関して、高く長期間持続する活性を示す。
【0050】
特に、記載された式IまたはIaの化合物は、実施例の欄で裏付けられるように、チロシナーゼ阻害剤であり、この特性があるために皮膚美白剤としての所望の活性を示す。
【0051】
本発明はさらに、上記のような少なくとも1つの式IまたはIaの化合物、および局所施用に適した少なくとも1つの賦形剤を含む、調製物または組成物に関する。
【0052】
局所的用途に適するとは、局所的に(特に表面へ)施用できる形態に適することを意味する。
【0053】
調製物は通常、局所施用のための調製物(例えば化粧品用、医薬用、または皮膚科用製剤)か、または食品もしくは栄養補助食品のいずれかである。この場合、調製物は、化粧品として、医薬品としてまたは皮膚科用として適切な賦形剤と、所望の特性プロファイルに応じて場合によりさらなる適切な成分とを含む。局所的調製物は、好ましくは化粧品または皮膚科用調製物として、特に好ましくは化粧品調製物として使用される。栄養補助食品の場合、食品に適した賦形剤が用いられる。
【0054】
本発明の目的において、薬剤(agent)、組成物(composition)または配合物(formulation)という用語は、調製物(preparation)という用語と同義的に用いられる。
【0055】
上記のように、式IまたはIaの化合物は典型的には、本発明に従い調製物において0.01〜20重量%の量、好ましくは0.05重量%〜10重量%の量で使用される。当業者はここでは、意図する調製物の作用に応じて相応に量を選択するのに何ら困難がない。
【0056】
さらに、特に皮膚美白用調製物として、または色素欠陥(色素増加症、そばかす、加齢によるしみ、日焼けによるしみおよび環境誘発の皮膚老化など)の予防および/もしくは治療のための化粧品および/もしくは医薬品調製物としての使用において、本発明による調製物が1つもしくは複数の抗酸化剤および/または1つもしくは複数のビタミンを含むことは望ましい。
【0057】
抗酸化剤を使用することにより、一般に酸化的ストレスに対するまたはフリーラジカルの作用に対する保護作用を得ることが可能になり、当業者は、適切な迅速にまたは時間遅延的方法で適切に作用する抗酸化剤を選択するのに何ら困難がない。
【0058】
抗酸化剤として用いることができる、専門の文献で公知の証明済みの物質が多数ある。例えば、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびその誘導体、D,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシンなどのペプチドおよびその誘導体(例えばアンセリン)、カロチノイド、カロテン(例えばα−カロテン、β−カロテン、リコペン)およびその誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、オーロチオグルコース、プロピルチオウラシル、および他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、ならびにそのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、およびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリル、およびグリセリルエステル)およびその塩、ジラウリルチオジプロピオナート、ジステアリルチオジプロピオナート、チオジプロピオン酸、およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、および塩)、ならびに非常に低耐量(例えばpmol〜μmol/kg)でのスルホキシイミン化合物(例えばブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、およびヘプタチオニンスルホキシイミン)、ならびにまた(金属)キレート剤(例えばα−ヒドロキシ脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA、およびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えばアスコルビルパルミタート、マグネシウムアスコルビルホスファート、アスコルビルアセタート)、トコフェロールおよび誘導体(例えばビタミンEアセタート)、ならびにベンゾイン樹脂のコニフェリルベンゾアート、ルチン酸(rutinic acid)およびその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤレチン酸、トリヒドロキシブチロフェノン、ケルセチン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えばスチルベンオキシド、trans−スチルベンオキシド)である。
【0059】
好適な抗酸化剤はまた、WO2006/111233およびWO2006/111234にも記載されている。
【0060】
一般式AまたはBの化合物
【0061】
【化6】

【0062】
もまた好適な抗酸化剤であり、式中、
1は−C(O)CH3、−CO23、−C(O)NH2、および−C(O)N(R42の群から選択することができ、
XはOまたはNHを表し、
2は1〜30個のC原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキルを表し、
3は1〜20個のC原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキルを表し、
4はそれぞれの場合、互いに独立に、Hまたは1〜8個のC原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキルを表し、
5は1〜8個のC原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルキル、または1〜8個のC原子を有する直鎖もしくは分岐鎖のアルコキシを表し、かつ
6は1〜8個のC原子を有する直鎖または分岐鎖のアルキルを表し、好ましくは、2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジリデン)マロン酸の誘導体、および/または2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジル)マロン酸の誘導体、特に好ましくはビス−(2−エチルヘキシル)2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジリデン)マロナート(例えばOxynex(登録商標)ST Liquid)、および/またはビス(2−エチルヘキシル)2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジル)マロナート(例えばRonaCare(登録商標)AP)である。
【0063】
抗酸化剤の混合物は、同様に本発明による調製物において使用するのに適している。公知であり市販の混合物は、例えば、活性成分として、レシチン、L−(+)−アスコルビルパルミタート、およびクエン酸を含む混合物(例えばOxynex(登録商標)AP)、天然トコフェロール、L−(+)−アスコルビルパルミタート、L−(+)−アスコルビン酸、およびクエン酸を含む混合物(例えばOxynex(登録商標)K LIQUID)、天然源由来のトコフェロール抽出物、L−(+)−アスコルビルパルミタート、L−(+)−アスコルビン酸、およびクエン酸を含む混合物(例えばOxynex(登録商標)L LIQUID)、DL−α−トコフェロール、L−(+)−アスコルビルパルミタート、クエン酸、およびレシチンを含む混合物(例えばOxynex(登録商標)LM)、またはブチルヒドロキシトルエン(BHT)、L−(+)−アスコルビルパルミタート、およびクエン酸を含む混合物(例えばOxynex(登録商標)2004)である。このタイプの抗酸化剤は通常、式IまたはIaの化合物と共に、重量比によるパーセントで1000:1〜1:1000、好ましくは重量比によるパーセントで100:1〜1:100の範囲であるような組成物中で使用される。
【0064】
本発明による調製物は、さらなる成分としてビタミンを含んでいてもよい。本発明による化粧品調製物は、好ましくはビタミンA、ビタミンAプロピオナート、ビタミンAパルミタート、ビタミンAアセタート、レチノール、ビタミンB、チアミンクロリド塩酸塩(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ニコチンアミド、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD、エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、ビタミンE、DL−α−トコフェロール、トコフェロールEアセタート、トコフェロール水素スクシナート、ビタミンK1、エスクリン(ビタミンP活性化合物)、チアミン(ビタミンB1)、ニコチン酸(ナイアシン)、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン(ビタミンB6)、パントテン酸、ビオチン、葉酸、およびコバラミン(ビタミンB12)、特に好ましくはビタミンCおよびその誘導体、DL−α−トコフェロール、トコフェロールEアセタート、ニコチン酸、パントテン酸、およびビオチンから選択されるビタミンおよびビタミン誘導体を含む。ビタミンは通常ここでは、重量比によるパーセントで1000:1〜1:1000、好ましくは重量比によるパーセントで100:1〜1:100の範囲において式IまたはIaの化合物と共に使用される。
【0065】
抗酸化作用を有するフェノールのうち、ポリフェノール(その一部は天然に存在する)は医薬、化粧品、または栄養の分野での施用において特に対象となる。例えば、主に植物色素として知られるフラボノイドまたはビオフラボノイドは多くの場合、抗酸化剤の潜在能力を有する。K.Lemanska、H.Szymusiak、B.Tyrakowska、R.Zielinski、I.M.C.M. Rietjens;Current
Topics in Biophysics 2000、24(2)、101−108は、モノ−およびジヒドロキシフラボンの置換パターンの効果に関する。そこでは、3’,4’−もしくは6,7−もしくは7,8−位のケト官能基またはOH基に隣接するOH基を含有するジヒドロキシフラボンは抗酸化特性を有するが、一方で他のモノ−およびジヒドロキシフラボンは場合によっては抗酸化特性を有していないことが観察される。
【0066】
ケルセチン(シアニダノール、シアニデノロン1522、メレチン、ソホレチン、エリシン、3,3’,4’,5,7−ペンタヒドロキシフラボン)は特に効果的な抗酸化剤として挙げられることが多い(例えばC.A.Rice−Evans、N.J.Miller、G.Paganga、Trends in Plant Science 1997、2(4)、152−159)。K.Lemanska、H.Szymusiak、B.Tyrakowska、R.Zielinski、A.E.M.F.Soffers、I
.M.C.M.Rietjens;Free Radical Biology & Medicine 2001、31(7)、869−881は、ヒドロキシフラボンの抗酸化作用のpH依存性を調べている。ケルセチンは、調べた構造の中で、全pH範囲にわたって最も大きい活性を示す。
【0067】
式IまたはIaの化合物が、皮膚へのそれらの正の作用を特によく高めることができるように、式IまたはIaの化合物をより深い皮膚の層へ浸透させることが好ましいと思われる。この目的のためにいくつかの可能性が利用できる。第1に、式IまたはIaの化合物は、外側の皮膚層を通って上皮層へ浸透できるように、適切な親油性を有することができる。さらなる可能性として、外側の皮膚層を通しての式IまたはIaの化合物の輸送を可能にする、対応する輸送剤(例えばリポソーム)もまた調製物中に提供してもよい。最後に、式IまたはIaの化合物の全身への輸送もまた考えられる。その場合、調製物は例えば、経口投与に適するような方法で設計される。
【0068】
式IまたはIaの化合物をカプセル化形態で、例えばセルロースもしくはキチンカプセルとして、ゼラチンもしくはワックスのマトリックス中で、またはシクロデキストリンで封入して投与することもまた有利である。
【0069】
本発明による好ましい調製物はまた、少なくとも1つの式IまたはIaの化合物に加えて紫外フィルターも含む。
【0070】
原則として、あらゆる紫外フィルターは、本発明による調製物において式IまたはIaの化合物との組み合わせに適している。生理学的な許容可能性が既に実証されている紫外フィルターが特に優先される。UVAおよびUVBフィルターの両方について、専門の文献で公知の証明済みの物質が多数ある。例えば、
3−(4’−メチルベンジリデン)−dl−カンフル(例えばEusolex(登録商標)6300)、3−ベンジリデンカンフル(例えばMexoryl(登録商標)SD)、N−{(2および4)−[(2−オキソボルン−3−イリデン)メチル]ベンジル}アクリルアミドのポリマー(例えばMexoryl(登録商標)SW)、N,N,N−トリメチル−4−(2−オキソボルン−3−イリデンメチル)アニリニウムメチルスルファート(例えばMexoryl(登録商標)SK)、または(2−オキソボルン−3−イリデン)トルエン−4−スルホン酸(例えばMexoryl(登録商標)SL)などの、ベンジリデンカンフル誘導体、
1−(4−tert−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン(例えばEusolex(登録商標)9020)、または4−イソプロピルジベンゾイルメタン(例えばEusolex(登録商標)8020)などの、ベンゾイル−またはジベンゾイルメタン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(例えばEusolex(登録商標)4360)、または2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸およびそのナトリウム塩(例えばUvinul(登録商標)MS−40)などの、ベンゾフェノン、
オクチルメトキシシンナマート(例えばEusolex(登録商標)2292)、例えば異性体の混合物としてのイソペンチル4−メトキシシンナマート(例えばNeo Heliopan(登録商標)E1000)などの、メトキシケイ皮酸エステル、
2−エチルヘキシルサリチラート(例えばEusolex(登録商標)OS)、4−イソプロピルベンジルサリチラート(例えばMegasol(登録商標))、または3,3,5−トリメチルシクロヘキシルサリチラート(例えばEusolex(登録商標)HMS)などの、サリチル酸塩誘導体
4−アミノ安息香酸、2−エチルヘキシル4−(ジメチルアミノ)ベンゾアート(例えばEusolex(登録商標)6007)、エトキシ化エチル4−アミノベンゾアート(例えばUvinul(登録商標)P25)などの、4−アミノ安息香酸および誘導体、
2−フェニルベンゾイミダゾール−5−スルホン酸ならびにそのカリウム、ナトリウム、およびトリエタノールアミン塩(例えばEusolex(登録商標)232)、2,2−(1,4−フェニレン)ビスベンゾイミダゾール−4,6−ジスルホン酸およびその塩(例えばNeoheliopan(登録商標)AP)、または2,2−(1,4−フェニレン)ビスベンゾイミダゾール−6−スルホン酸などの、フェニルベンゾイミダゾールスルホン酸、
ならびに、
− 2−エチルヘキシル 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリラート(例えばEusolex(登録商標)OCR)、
− 3,3’−(1,4−フェニレンジメチレン)ビス(7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イルメタンスルホン酸およびその塩(例えばMexoryl(登録商標)SX)、
− 2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(例えばUvinul(登録商標)T150)、および
− ヘキシル2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)ベンゾアート(例えばUvinul(登録商標)UVA Plus、BASF)などの、さらなる物質である。
【0071】
リストに挙げた化合物はただ例として見なされるべきである。当然他の紫外フィルターを用いることも可能である。
【0072】
これらの有機紫外フィルターは一般に、0.5〜10重量%、好ましくは1〜8重量%の量で化粧品配合物中に組み込まれる。
【0073】
さらなる好適な有機紫外フィルターは、例えば、
− 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フェノール(INCI:ドロメトリゾールトリシロキサン、例えばMexoryl(登録商標)XL)、
− α−(トリメチルシリル)−ω−[トリメチルシリル)オキシ]ポリ[オキシ(ジメチル[およびおよそ6%のメチル[2−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル]ビニル]フェノキシ]−1−メチレンエチル]およびおよそ1.5%のメチル[3−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル)ビニル)フェノキシ)プロペニル)および0.1〜0.4%の(メチル水素]−シリレン]](n≒60)(CAS No.207 574−74−1)(INCI:ポリシリコーン−15、例えばParsol(登録商標)SLX)、
− 2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノール)(CAS No.103 597−45−1)(INCI:メチレンビス−ベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、例えばTinosorb(登録商標)M)、
− 2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(1H−ベンゾイミダゾール−4,6−ジスルホン酸,一ナトリウム塩)(CAS No.180 898−37−7)、
− 2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(CAS No.103 597−45−、187 393−00−6)(INCI:ビス−エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、例えばTinosorb(登録商標)S)、または
− 2−エチルヘキシル4,4’−[(6−[4−((1,1−ジメチルエチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]ビス(ベンゾアート)(INCI:ジエチルヘキシルブトアミドトリアゾン、例えばUvasorb(登録商標)HEB)
である。
【0074】
有機紫外フィルターは一般に、0.5〜20重量%、好ましくは1〜15重量%の量で化粧品配合物中に組み込まれる。
【0075】
考えられる無機紫外フィルターは、二酸化チタン、例えば被覆二酸化チタン(例えばEusolex(登録商標)T−2000、Eusolex(登録商標)T−AQUA、Eusolex(登録商標)T−AVO)など、酸化亜鉛(例えばSachtotec(登録商標))、酸化鉄、またはさらに酸化セリウムの群からのものである。これらの無機紫外フィルターは一般に、0.5〜20重量%、好ましくは2〜10重量%の量で化粧品配合物中に組み込まれる。
【0076】
1つまたは複数の式IもしくはIaの化合物とさらなる紫外フィルターとの組み合わせを通して、紫外線の有害な影響に対する防護作用を最大限に利用できる。これは広帯域の防護系を生じさせ、この系はまた無機紫外フィルターを加えることによって補うこともできる。
【0077】
すべての前記紫外フィルターはまた、カプセル化形態で使用することもできる。特に、有機紫外フィルターをカプセル化形態で使用するのが有利である。詳細には、以下の利点が生じる:
− カプセル壁の親水性は、紫外フィルターの溶解性とは関係なく設定することができる。このようにして、例えば、疎水性紫外フィルターを純粋に水性の調製物に組み込むことも可能である。さらに、不快に感じられることが多い、疎水性紫外フィルターを含む調製物の施用における油っぽい印象が抑えられる。
− 特定の紫外フィルター(特にジベンゾイルメタン誘導体)は、化粧品調製物において低下した光安定性しか示さない。これらのフィルター(例えばケイ皮酸誘導体)の光安定性を損なうこれらのフィルターまたは化合物をカプセル化することにより、調製物全体の光安定性を向上させることが可能となる。
− 有機紫外フィルターによる皮膚浸透、およびそれに伴うヒトの皮膚への直接施用における炎症の可能性は、文献において繰り返し論じられている。ここで提案されている相当する物質のカプセル化は、この影響を抑制する。
− 一般に、個々の紫外フィルターまたは他の成分をカプセル化することにより、個々の調製成分の互いの相互作用によって引き起こされる調製上の問題、例えば結晶化プロセス、沈殿および凝集物の形成を回避することが可能になり、これは相互作用が抑制されるためである。
【0078】
したがって1つまたは複数の上記の紫外フィルターはカプセル化形態であることが好ましい。ここでカプセルは肉眼で見ることができないほど小さいのが有利である。上記の効果を得るために、カプセルが十分に安定であり、封入された活性化合物(紫外フィルター)が環境へわずかな程度しか放出されないか、全く放出されないことがさらに必要である。
【0079】
好適なカプセルは、無機または有機ポリマーの壁を有していてもよい。例えば、US6,242,099B1は、キチン、キチン誘導体、またはポリヒドロキシル化ポリアミンの壁を有する好適なカプセルの製造を記載している。本発明に従い特に好ましく使用できるカプセルは、WO00/09652、WO 0/72806、およびWO00/71084の出願に記載される、ゾルゲル法により得ることができる壁を有する。ここで、壁がシリカゲル(シリカ;未定義のケイ素酸化物/水酸化物)から作られているカプセルがさらに優先される。対応するカプセルの製造は、例えば引用した特許出願により当業者に公知であり、その内容は明らかに本発明の主題にも属する。
【0080】
カプセルは好ましくは、封入されたUVフィルターが先に示した量で調製物中に確実に存在するような量で、本発明による調製物中に存在する。
【0081】
本発明による調製物はまた、1つまたは複数のさらなる皮膚美白活性化合物を含んでいてもよい。皮膚美白活性化合物は、原則として当業者に公知のあらゆる活性化合物であってもよい。皮膚美白活性を有する化合物の例は、ヒドロキノン、コウジ酸、アルブチン、アロエシンおよびルシノールである。
【0082】
さらに、本発明による調製物は、さらなる老化防止活性化合物、脂肪沈着防止活性化合物、または従来の皮膚保護もしくはスキンケア活性化合物を含んでいてもよい。皮膚保護またはスキンケア活性化合物は、原則として当業者に公知のあらゆる活性化合物であってもよい。
【0083】
特に好ましい老化防止活性化合物は、ピリミジンカルボン酸、アリールオキシム、ビオフラボノイド、ビオフラボノイド含有抽出物、クロモンおよびレチノイドである。
【0084】
ピリミジンカルボン酸は好塩性微生物中に生じ、これらの生物の浸透圧調整において役割を果たす(E.A.Galinskiら、Eur.J.Biochem.、149(1985)135〜139頁)。ピリミジンカルボン酸のうち、ここでは特に、エクトイン((S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)、およびヒドロキシエクトイン((S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸、ならびにそれらの誘導体を挙げるべきである。これらの化合物は、水性溶液および有機溶媒中の酵素および他の生体分子を安定化させる。さらに、それらは特に、塩、極端なpH値、界面活性剤、尿素、塩化グアニジニウム、および他の化合物などの変性の条件に対抗して、酵素を安定化させる。
【0085】
エクトインおよびエクトイン誘導体(ヒドロキシエクトインなど)は、薬剤において有利に用いることができる。特にヒドロキシエクトインは、皮膚疾患の治療用の薬剤を調製するために使用できる。ヒドロキシエクトインおよび他のエクトイン誘導体の、他の応用分野は、典型的には例えばトレハロースが添加剤として用いられる分野におけるものである。このように、ヒドロキシエクトインなどのエクトイン誘導体は、乾燥酵母および細菌細胞における保護剤として用いることができる。非グリコシル化の医薬活性ペプチドおよびタンパク質などの医薬品(例えばt−PA)もまた、エクトインまたはその誘導体によって保護できる。
【0086】
化粧品用途のうち、加齢肌、乾燥肌、または炎症を起こした肌のケアにおけるエクトインおよびエクトイン誘導体の使用を特に挙げるべきである。例えば、欧州特許出願EP−A−0 671 161は特に、エクトインおよびヒドロキシエクトインが化粧品調製物(パウダー、石鹸、界面活性剤含有クレンジング製品、口紅、ルージュ、メーキャップ、ケアクリームおよび日焼け止め調製物など)において使用されることを記載している。
【0087】
ここでは次式:
【0088】
【化7】

【0089】
のピリミジンカルボン酸の使用が優先され、
式中、R1は、H基またはC18−アルキルであり、R2は、H基またはC14−アルキルであり、R3、R4、R5、およびR6はそれぞれ、互いに独立に、H、OH、NH2、およびC14−アルキルの群からの基である。R2がメチルまたはエチル基であり、R1またはR5およびR6がHであるピリミジンカルボン酸の使用が優先される。ピリミジンカルボン酸であるエクトイン((S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびヒドロキシエクトイン((S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸の使用が特に優先される。本発明による調製物は、好ましくはこのタイプのピリミジンカルボン酸を15重量%までの量で含む。ピリミジンカルボン酸は、ここでは好ましくは式Iの化合物に対して100:1〜1:100の重量比によるパーセントで使用され、1:10〜10:1の範囲である重量比によるパーセントが特に好ましい。
【0090】
アリールオキシムの中で、HMLO、LPO、またはF5としても知られる、2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムの使用が優先される。化粧品組成物におけるその使用の適合性は、例えばDE−A−4116123に開示されている。それに応じて2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムを含む調製物は、炎症を伴う皮膚疾患の治療に適している。ここで調製物は好ましくは0.01〜10重量%のアリールオキシムを含み、調製物が0.05〜5重量%のアリールオキシムを含むのが特に好ましい。
【0091】
公知のビオフラボノイドは、例えば、トロキセルチン、チリロシド(tiliroside)、α−グルコシルルチン、ルチンまたはイソケルセチンであり、前記の選択が制限的効果を有することを意図しない。
【0092】
ビオフラボノイド含有抽出物は、例えばイチョウ(gingko biloba)またはエンブリカ(emblica)である。
【0093】
公知の老化防止物質はまた、クロモン(例えばEP1508327に記載の通り)、ならびにレチノイド、例えばレチノール(ビタミンA)、レチノイン酸、レチンアルデヒドおよびさらにビタミンAを合成により修飾した化合物である。
【0094】
記載されたクロモンおよびレチノイドは同時にまた、効果的な脂肪沈着防止活性化合物でもある。同様の公知の脂肪沈着防止活性化合物はカフェインである。
【0095】
調製物は、前記の必要なもしくは任意追加の構成要素または成分を含有するもしくは含むか、本質的にそれらから成るか、またはそれらから成っていてもよい。調製物において使用できるすべての化合物または成分は、公知であり市販されているか、または公知の方法により合成できる。
【0096】
1つまたは複数の式IもしくはIaの化合物は、上記のように、慣例的な方法で化粧品調製物または皮膚科用調製物中に組み込むことができる。好適な調製物は、外用のもの、例えばクリーム、ローション、ジェルまたは皮膚に噴霧できる溶液としての形態のものである。
【0097】
内用に適しているのは、カプセル、糖衣錠、粉末、錠剤溶液または溶液などの投与形態である。
【0098】
挙げることができる本発明による調製物の使用形態は、例えば:溶液、懸濁液、エマルジョン、PITエマルジョン、ペースト、軟膏、ジェル、クリーム、ローション、パウダー、石鹸、界面活性剤含有クレンジング調製物、オイル、エアロゾルおよびスプレーである。他の使用形態の例は、スティック、シャンプーおよびシャワー調製物である。任意の所望の慣例的な賦形剤、補助剤、および所望であればさらなる活性化合物を調製物へ加えてもよい。
【0099】
好ましい補助剤は、保存料、安定剤、可溶化剤、着色剤(すなわち顔料または染料)または臭気改善剤の群が元となる。
【0100】
軟膏、ペースト、クリームおよびジェルは、慣例的な賦形剤、例えば動物性および植物性脂肪、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルクおよび酸化亜鉛、またはこれらの物質の混合物を含んでいてもよい。
【0101】
パウダーおよびスプレーは、慣例的な賦形剤、例えばラクトース、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウムおよびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含んでいてもよい。スプレーはさらに、慣例的な高圧推進剤、例えばクロロフルオロカーボン、プロパン/ブタンまたはジメチルエーテルを含んでいてもよい。
【0102】
溶液およびエマルジョンは、溶媒、可溶化剤および乳化剤、例えば水、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾアート、プロピレングリコール、3−ブチルグリコール、オイル(特に綿実油、ピーナッツ油、コムギ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油およびゴマ油)、グリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングルコールおよびソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などの、慣例的な賦形剤を含んでいてもよい。
【0103】
懸濁液は、液体希釈剤、例えば水、エタノールまたはプロピレングリコール、懸濁媒体、例えばエトキシ化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステルおよびポリオキシエチレンソルビタンエステル、微結晶セルロース、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、アガー−アガーおよびトラガカント、またはこれらの物質の混合物などの、慣例的な賦形剤を含んでいてもよい。
【0104】
石鹸は、脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸モノエステルの塩、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオナート、ラノリン、脂肪アルコール、植物油、植物抽出物、グリセロール、糖類、またはこれらの物質の混合物などの、慣例的な賦形剤を含んでいてもよい。
【0105】
界面活性剤含有クレンジング製品は、脂肪アルコール硫酸塩、脂肪アルコールエーテル硫酸(塩)、スルホコハク酸モノエステル(塩)、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオナート、イミダゾリニウム塩誘導体、メチルタウラート、サルコシナート、脂肪酸アミドエーテル硫酸(塩)、アルキルアミドベタイン、脂肪アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物油および合成油、ラノリン誘導体、エトキシ化グリセロール脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物などの、慣例的な賦形剤を含んでいてもよい。
【0106】
顔用および体用のオイルは、合成油(脂肪酸エステル、脂肪アルコール、シリコーン油など)、天然油(植物油および油脂植物抽出物、パラフィン油、ラノリン油など)またはこれらの物質の混合物などの、慣例的な賦形剤を含んでいてもよい。
【0107】
さらなる典型的な化粧品の使用形態はまた、パウダー、エマルジョンおよびワックス化粧品、ならびに日焼け止め、日焼け前および日焼け後用調製物である。
【0108】
本発明による好ましい調製形態としては、特にエマルジョンが挙げられる。
【0109】
本発明によるエマルジョンは有利であり、例えば、このタイプの調製物に通常用いられるような前記脂肪、オイル、ワックスおよび他の脂肪性物質、ならびに水および乳化剤を含む。
【0110】
脂質相は以下の物質の群から好都合に選択することができる:
− 鉱油、鉱物ワックス;
− 油、例えばカプリン酸またはカプリル酸のトリグリセリド、さらには天然油(例えばヒマシ油など)など;
− 脂肪、ワックス、ならびに他の天然および合成の脂肪性物質、好ましくは脂肪酸と低炭素数を有するアルコールとの(例えばイソプロパノール、プロピレングリコールまたはグリセロールとの)エステル、または脂肪アルコールと低炭素数を有するアルカン酸または脂肪酸とのエステル;
− シリコーン油、例えばジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、およびそれらの混合形態など。
【0111】
本発明の目的において、エマルジョン、オレオゲル(oleogel)、またはヒドロ分散液(hydrodispersion)、またはリポ分散液(lipodispersion)の油相は、3〜30個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の分岐および/または非分岐アルカンカルボン酸と3〜30個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の分岐および/または非分岐アルコールとのエステルの群から、あるいは芳香族カルボン酸と3〜30個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の分岐および/または非分岐アルコールとのエステルの群から、有利に選択される。このタイプのエステル油はその場合、イソプロピルミリスタート、イソプロピルパルミタート、イソプロピルステアラート、イソプロピルオレアート、n−ブチルステアラート、n−ヘキシルラウラート、n−デシルオレアート、イソオクチルステアラート、イソノニルステアラート、イソノニルイソノナノアート、2−エチルヘキシルパルミタート、2−エチルヘキシルラウラート、2−ヘキシルデシルステアラート、2−オクチルドデシルパルミタート、オレイルオレアート、オレイルエルカート、エルシルオレアート、エルシルエルカート、ならびにこのタイプのエステルの合成、半合成および天然混合物、例えばホホバ油の群から有利に選択できる。
【0112】
油相はさらに、分岐および非分岐の炭化水素および炭水化物ワックス、シリコーン油、ジアルキルエステルの群、あるいは飽和および/または不飽和の分岐および/または非分岐アルコール、ならびに脂肪酸トリグリセリドの群、特に8〜24、特に12〜18個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の分岐および/または非分岐アルカンカルボン酸のトリグリセロールエステルから有利に選択できる。脂肪酸トリグリセリドは例えば、合成、半合成および天然油、例えばオリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、ピーナッツ油、菜種油、アーモンド油、ヤシ油、ココナツ油、パーム核油などの群から有利に選択できる。
【0113】
このタイプの油およびワックス成分の所望の混合物もまた、本発明の目的において有利に使用できる。ワックス(例えばセチルパルミタート)を単に油相の脂質成分として使用することもまた有利である場合がある。
【0114】
油相は、2−エチルヘキシルイソステアラート、オクチルドデカノール、イソトリデシルイソノナノアート、イソエイコサン、2−エチルヘキシルココアート、C1215−アルキルベンゾアート、トリカプリル・カプリン酸グリセリド、ジカプリルエーテルの群から有利に選択される。
【0115】
1215−アルキルベンゾアートおよび2−エチルヘキシルイソステアラートの混合物、C1215−アルキルベンゾアートおよびイソトリデシルイソノナノアートの混合物、ならびにC1215−アルキルベンゾアート、2−エチルヘキシルイソステアラート、およびイソトリデシルイソノナノアートの混合物が特に有利である。
【0116】
炭化水素の中で、パラフィン油、スクアランおよびスクアレンが、本発明の目的において有利に使用できる。
【0117】
さらに、シリコーン油(1つまたは複数)に加えて他の油相成分のさらなる内容物を使用するのが好ましいにもかかわらず、油相はまた好都合には、環状または直鎖のシリコーン油の内容物を有するか、または完全にこのタイプのオイルから成っていてもよい。
【0118】
本発明に従って用いようとするシリコーンは、シクロメチコン(オクタメチルシクロテトラシロキサン)であるのが有利である。しかし、本発明の目的において、他のシリコーン油、例えばヘキサメチルシクロトリシロキサン、ポリジメチルシロキサン、ポリ(メチルフェニルシロキサン)を用いることもまた有利である。
【0119】
シクロメチコンおよびイソトリデシルイソノナノアートの混合物、ならびにシクロメチコンおよび2−エチルヘキシルイソステアラートの混合物もまた特に有利である。
【0120】
本発明による調製物の水性相は、場合により、低炭素数を有するアルコール、ジオール、またはポリオール、およびそれらのエーテル、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルまたはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチルまたはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテルおよび類似の製品、さらには低炭素数を有するアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、1,2−プロパンジオール、グリセロール、および特に1つまたは複数の増粘剤を含むことが有利であり、増粘剤は、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、多糖類およびその誘導体、例えばヒアルロン酸、キタンサンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの群から有利に選択することができ、特に有利には、ポリアクリラートの群、好ましくはいわゆるカルボポール(Carbopol)の群(例えばカルボポールのグレード980、981、1382、2984、5984)からのポリアクリラートから、それぞれの場合で個々にまたは組み合わせで選択することができる。
【0121】
特に、上記の溶媒の混合物が用いられる。アルコール性溶媒の場合、水がさらなる構成要素であってもよい。
【0122】
本発明によるエマルジョンは有利であり、例えば、このタイプの調製物に通常用いられるような前記脂肪、オイル、ワックスおよび他の脂肪性物質、ならびに水および乳化剤を含む。
【0123】
好ましい実施形態において、本発明による調製物は親水性界面活性剤を含む。
【0124】
親水性界面活性剤は、好ましくはアルキルグルコシド、アシルラクチラート、ベタイン、およびココナツアンホアセタート(coconut amphoacetate)の群から選択される。
【0125】
アルキルグルコシドは、それ自体が構造式
【0126】
【化8】

【0127】
により区別されるアルキルグルコシドの群から有利に選択され、
式中、Rは4〜24個の炭素原子を有する分岐または非分岐のアルキル基を表し、
【0128】
【化9】

【0129】
は2までの平均のグルコシル化の度合いを表す。
【0130】

【0131】
【化10】

【0132】
は、本発明に従い使用されるアルキルグルコシドのグルコシド化の度合いを表し、
【0133】
【数1】

【0134】
として定義され、
式中、p1、p2、p3...piは、モノ−、ジ−、トリ−、...i倍のグルコシル化生成物の重量パーセントでの比率を表す。本発明による有利な生成物は、1〜2、特に有利には1.1〜1.5、さらに特に有利には1.3のグルコシル化の度合いを有するものである。
【0135】
値DPは、アルキルグルコシドが一般にその調製の結果として、モノ−およびオリゴグルコシドの混合物の形態であるという事実を考慮に入れている。比較的高い含量のモノグルコシド(典型的にはおよそ40〜70重量%)が、本発明によれば有利である。
【0136】
本発明の目的において特に有利に用いられるアルキルグルコシドは、オクチルグルコピラノシド、ノニルグルコピラノシド、デシルグルコピラノシド、ウンデシルグルコピラノシド、ドデシルグルコピラノシド、テトラデシルグルコピラノシド、およびヘキサデシルグルコピラノシドの群から選択される。
【0137】
本発明に従って用いられる活性化合物(例えばPlantaren(登録商標)1200(Henkel KGaA)、Oramix(登録商標)NS 10(Seppic))の有効含量によって区別される、天然または合成原料および補助剤または混合物を使用することも同様に有利である。
【0138】
アシルラクチラートは、構造式
【0139】
【化11】

【0140】
により区別される物質の群からそれ自体が有利に選択され、
式中、R1は1〜30個の炭素原子を有する分岐または非分岐のアルキル基を表し、M+はアルカリ金属イオンの群、ならびに1つもしくは複数のアルキルおよび/または1つもしくは複数のヒドロキシアルキル基により置換されるアンモニウムイオンの群から選択されるか、あるいは1/2当量のアルカリ土類金属イオンに相当する。
【0141】
例えば、ナトリウムイソステアリルラクチラート(例えばAmerican Ingredients Company製の製品Path−ionic(登録商標) ISL)が有利である。
【0142】
ベタインは、構造式
【0143】
【化12】

【0144】
により区別される物質の群から有利に選択され、
式中、R2は1〜30個の炭素原子を有する分岐または非分岐のアルキル基を表す。
【0145】
2は特に有利には6〜12個の炭素原子を有する分岐または非分岐のアルキル基を表す。
【0146】
例えば、カプラミドプロピルベタイン、例えばTh.Goldschmidt AG製の製品Tego(登録商標)Betain810が有利である。
【0147】
本発明の目的において有利であるココナツアンホアセタートは、例えばMiranol(登録商標)Ultra C32の名称でMiranol Chemical Corpより入手可能であるような、ナトリウムココナツアンホアセタートである。
【0148】
本発明による調製物は、有利には、親水性界面活性剤(1つまたは複数)が0.01〜20重量%、好ましくは0.05〜10重量%、特に好ましくは0.1〜5重量%の濃度で存在する(それぞれの場合で組成物の総重量を基準とする)ことを特徴とする。
【0149】
使用において、本発明による化粧品組成物および皮膚科用組成物は、化粧品における通常の方法で十分な量で皮膚に施用される。
【0150】
本発明による化粧品組成物および皮膚科用組成物は、種々の形態で存在してもよい。このように、それらは例えば、溶液、無水調製物、油中水(W/O)型もしくは水中油(O/W)型のエマルジョンまたはマイクロエマルジョン、多重エマルジョン(例えば水中油中水(W/O/W)型)、ジェル、固形スティック、軟膏またはエアロゾルであってもよい。エクトインを例えばコラーゲンマトリックスおよび他の従来型のカプセル化材料中に(例えばセルロースカプセル化として、ゼラチン、ワックスのマトリックス中で、またはリポソームで封入して)、カプセル化した形態で投与することもまた有利である。特に、DE−A4308282に記載されるように、ワックスマトリックスは好都合であることが実証されている。エマルジョンが優先される。O/Wエマルジョンが特に好ましい。エマルジョン、W/OエマルジョンおよびO/Wエマルジョンは従来法で得ることができる。
【0151】
使用できる乳化剤は、例えば公知のW/OおよびO/W乳化剤である。本発明による好ましいO/Wエマルジョンにおいて、さらなる従来型の共乳化剤(co−emulsifier)を使用するのが有利である。
【0152】
本発明の目的において有利である共乳化剤は、O/W乳化剤が飽和基RおよびR’を有するのであれば、例えば主に11〜16のHLB値を有する、さらに特に有利には14.5〜15.5のHLB値を有する物質の群からのO/W乳化剤である。O/W乳化剤が不飽和基Rおよび/またはR’を有する場合、またはイソアルキル誘導体の場合、そのような乳化剤の好ましいHLB値はより低いかより高い場合もある。
【0153】
脂肪アルコールエトキシラートは、エトキシ化ステアリルアルコール、セチルアルコール、セチルステアリルアルコール(セテアリルアルコール)の群から選択するのが有利である。以下が特に優先される:ポリエチレングリコール(13)ステアリルエーテル(ステアレス(steareth)−13)、ポリエチレングリコール(14)ステアリルエーテル(ステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)ステアリルエーテル(ステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)ステアリルエーテル(ステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)ステアリルエーテル(ステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)ステアリルエーテル(ステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)ステアリルエーテル(ステアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)ステアリルエーテル(ステアレス−20)、ポリエチレングリコール(12)イソステアリルエーテル(イソステアレス(isosteareth)−12)、ポリエチレングリコール(13)イソステアリルエーテル(イソステアレス−13)、ポリエチレングリコール(14)イソステアリルエーテル(イソステアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソステアリルエーテル(イソステアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソステアリルエーテル(イソステアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)イソステアリルエーテル(イソステアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソステアリルエーテル(イソステアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソステアリルエーテル(イソステアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)イソステアリルエーテル(イソステアレス−20)、ポリエチレングリコール(13)セチルエーテル(セテス(ceteth)−13)、ポリエチレングリコール(14)セチルエーテル(セテス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルエーテル(セテス−15)、ポリエチレングリコール(16)セチルエーテル(セテス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルエーテル(セテス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルエーテル(セテス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルエーテル(セテス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルエーテル(セテス−20)、ポリエチレングリコール(13)イソセチルエーテル(イソセテス(isoceteth)−13)、ポリエチレングリコール(14)イソセチルエーテル(イソセテス−14)、ポリエチレングリコール(15)イソセチルエーテル(イソセテス−15)、ポリエチレングリコール(16)イソセチルエーテル(イソセテス−16)、ポリエチレングリコール(17)イソ−セチルエーテル(イソセテス−17)、ポリエチレングリコール(18)イソセチルエーテル(イソセテス−18)、ポリエチレングリコール(19)イソセチルエーテル(イソセテス−19)、ポリエチレングリコール(20)イソセチルエーテル(イソセテス−20)、ポリエチレングリコール(12)オレイルエーテル(オレス(oleth)−12)、ポリエチレングリコール(13)オレイルエーテル(オレス−13)、ポリエチレングリコール(14)オレイルエーテル(オレス−14)、ポリエチレングリコール(15)オレイルエーテル(オレス−15)、ポリエチレングリコール(12)ラウリルエーテル(ラウレス(laureth)−12)、ポリエチレングリコール(12)イソラウリルエーテル(イソラウレス(isolaureth)−12)、ポリエチレングリコール(13)セチルステアリルエーテル(セテアレス(ceteareth)−13)、ポリエチレングリコール(14)セチルステアリルエーテル(セテアレス−14)、ポリエチレングリコール(15)セチルステアリルエーテル(セテアレス−15)、ポリエチレングリコール(16)セチルステアリルエーテル(セテアレス−16)、ポリエチレングリコール(17)セチルステアリルエーテル(セテアレス−17)、ポリエチレングリコール(18)セチルステアリルエーテル(セテアレス−18)、ポリエチレングリコール(19)セチルステアリルエーテル(セテアレス−19)、ポリエチレングリコール(20)セチルステアリルエーテル(セテアレス−20)。
【0154】
脂肪酸エトキシラートは以下の群から選択するのがさらに有利である:
ポリエチレングリコール(20)ステアラート、ポリエチレングリコール(21)ステアラート、ポリ−エチレングリコール(22)ステアラート、ポリエチレングリコール(23)ステアラート、ポリエチレングリコール(24)ステアラート、ポリエチレングリコール(25)ステアラート、ポリエチレングリコール(12)イソステアラート、ポリエチレングリコール(13)イソステアラート、ポリエチレングリコール(14)イソステアラート、ポリエチレングリコール(15)イソステアラート、ポリエチレングリコール(16)イソステアラート、ポリエチレングリコール(17)イソステアラート、ポリエチレングリコール(18)イソステアラート、ポリエチレングリコール(19)イソステアラート、ポリエチレングリコール(20)イソステアラート、ポリエチレングリコール(21)イソステアラート、ポリエチレングリコール(22)イソステアラート、ポリエチレングリコール(23)イソステアラート、ポリエチレングリコール(24)イソステアラート、ポリエチレングリコール(25)イソステアラート、ポリエチレングリコール(12)オレアート、ポリエチレングリコール(13)オレアート、ポリエチレングリコール(14)オレアート、ポリエチレングリコール(15)オレアート、ポリエチレングリコール(16)オレアート、ポリエチレングリコール(17)オレアート、ポリエチレングリコール(18)オレアート、ポリエチレングリコール(19)オレアート、ポリエチレングリコール(20)オレアート。
【0155】
有利に使用できるエトキシ化アルキルエーテルカルボン酸またはその塩は、ナトリウムラウレス−11カルボキシラートである。有利に使用できるアルキルエーテル硫酸塩は、ナトリウムラウレス−14スルファートである。有利に使用できるエトキシ化コレステロール誘導体は、ポリエチレングリコール(30)コレステリルエーテルである。ポリエチレングリコール(25)ソヤステロール(soyasterol)もまた好結果であることが実証されている。有利に使用できるエトキシ化トリグリセリドは、ポリエチレングリコール(60)マツヨイグサ(evening primrose)グリセリドである。
【0156】
ポリエチレングリコールグリセリン脂肪酸エステルは、ポリエチレングリコール(20)グリセリルラウラート、ポリエチレングリコール(21)グリセリルラウラート、ポリエチレングリコール(22)グリセリルラウラート、ポリエチレングリコール(23)グリセリルラウラート、ポリエチレングリコール(6)グリセリルカプラート/カプリナート、ポリエチレングリコール(20)グリセリルオレアート、ポリエチレングリコール(20)グリセリルイソステアラート、ポリエチレングリコール(18)グリセリルオレアート/ココアートの群から選択するのがさらに有利である。
【0157】
ソルビタンエステルは、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノラウラート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノステアラート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノイソステアラート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノパルミタート、ポリエチレングリコール(20)ソルビタンモノオレアートの群から選択するのが同様に好ましい。
【0158】
任意追加のW/O乳化剤ではあるが、本発明の目的において有利であり得るのは、以下のものがあり得る:
8〜30個の炭素原子を有する脂肪アルコール、8〜24(特に12〜18)個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の分岐および/または非分岐アルカンカルボン酸のモノグリセロールエステル、8〜24(特に12〜18)個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の分岐および/または非分岐アルカンカルボン酸のジグリセロールエステル、8〜24(特に12〜18)個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の分岐および/または非分岐アルコールのモノグリセロールエーテル、8〜24(特に12〜18)個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の分岐および/または非分岐アルコールのジグリセロールエーテル、8〜24(特に12〜18)個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の分岐および/または非分岐アルカンカルボン酸のプロピレングリコールエステル、ならびに8〜24(特に12〜18)個のC原子の鎖長を有する飽和および/または不飽和の分岐および/または非分岐アルカンカルボン酸のソルビタンエステル。
【0159】
特に有利なW/O乳化剤は、グリセリルモノステアラート、グリセリルモノイソステアラート、グリセリルモノミリスタート、グリセリルモノオレアート、ジグリセリルモノステアラート、ジグリセリルモノイソステアラート、プロピレングリコールモノステアラート、プロピレングリコールモノイソステアラート、プロピレングリコールモノカプリラート、プロピレングリコールモノラウラート、ソルビタンモノイソステアラート、ソルビタンモノラウラート、ソルビタンモノカプリラート、ソルビタン モノイソオレアート、スクロースジステアラート、セチルアルコール、ステアリルアルコール、アラキジルアルコール、ベヘニルアルコール、イソベヘニルアルコール、セラキルアルコール、キミルアルコール、ポリエチレングリコール(2)ステアリルエーテル(ステアレス−2)、グリセリルモノラウラート、グリセリルモノカプリナート、グリセリルモノカプリラート、およびPEG30ジポリヒドロキシステアラートである。
【0160】
記載した薬剤または調製物は、ヒトの皮膚の美白、または色素増加症、そばかす、加齢によるしみ、日焼けによるしみ、および環境誘発の皮膚老化などの色素欠陥の予防および/もしくは治療に特に適している。これに関連して、それらはこの施用に通常用いられる種々の投与形態をとっている。例えば、調製物は特に、クリームもしくは乳液(O/W、W/O、O/W/O、W/O/W)の形態などの、ローションまたはエマルジョンの形態、油性−アルコール性、油性−水性、または水性−アルコール性のジェルまたは溶液の形態、固形スティックの形態をとってもよく、あるいはエアロゾルとして製剤されてもよい。
【0161】
調製物は、例えば増粘剤、柔軟剤、保湿剤、界面活性剤、乳化剤、保存料、消泡剤、香料、ワックス、ラノリン、推進剤、組成物自体または皮膚を着色する染料および/または顔料、ならびに化粧品において通常用いられる他の成分などの、このタイプの調製物に通常用いられる化粧品補助剤を含んでいてもよい。
【0162】
使用される染料は、好ましくはCosmetics Regulation,Annex3にポジティブリストとして列挙される認可された染料である。
【0163】
使用される保存料は、好ましくはCosmetics Regulation,Annex6にポジティブリストとして列挙される認可された保存料であるか、または例えばWO2004/0092283もしくはWO2004/091567に記載されるような抗菌性顔料でもよい。
【0164】
したがって好適な保存料は、p−ヒドロキシ安息香酸のアルキルエステル、ヒダントイン誘導体、プロピオン酸塩または多数のアンモニウム化合物である。
【0165】
さらに特に好ましい保存料は、メチルパラベン、プロピルパラベン、イミダゾリジニルウレア、ナトリウムデヒドロキシアセタート(sodium dehydroxyacetate)またはベンジルアルコールである。保存料は、0.5〜2重量%の間の量で使用される。
【0166】
皮膚軟化剤または柔軟剤は、多くの場合化粧品調製物中に組み込まれる。それらは好ましくは、全体としての組成物を基準として0.5〜50重量%、好ましくは5〜30重量%で使用される。一般に柔軟剤は、例えばエステル、脂肪酸または脂肪アルコール、ポリオール、炭化水素、および少なくとも1つのアミド構造単位を含有する油のカテゴリーなどの種類に分類できる。
【0167】
少なくとも1つのアミド構造単位を含有する代表的な油は、その合成と共に、特にEP1044676およびEP0928608に記載されている。特に好ましく示される化合物は、イソプロピルN−ラウロイルサルコシナートであり、これはAjinomotoよりEldew SL−205の製品名で市販されている。
【0168】
エステルの中では、モノ−またはジエステルを選択できる。これに関しての例は、アジピン酸ジブチル、セバシン酸ジエチル、ジイソプロピルジメラート(diisopropyl dimerate)またはコハク酸ジオクチルである。分岐鎖脂肪酸エステルは、例えば2−エチルヘキシルミリスタート、ステアリン酸イソプロピルまたはパルミチン酸イソステアリルである。三塩基エステルは例えば、トリイソプロピルトリリノレアートまたはクエン酸トリラウリルである。直鎖脂肪酸エステルは例えば、パルミチン酸ラウリル、乳酸ミリスチル、エルカ酸オレイルまたはオレイン酸ステアリルである。好ましいエステルは、ココ−カプリラート/カプラート(=INCI名、これらはココナツ脂肪アルコールと飽和中鎖脂肪酸とのエステルである)、プロピレングリコールミリスチルエーテルアセタート、アジピン酸ジイソプロピルまたはオクタン酸セチルである。
【0169】
好適な脂肪アルコールおよび脂肪酸は、10〜20個のC原子を有する化合物である。特に好ましい化合物は、セチル、ミリスチル、パルミチル、もしくはステアリルアルコールまたは酸である。
【0170】
好適なポリオールは、直鎖または分岐鎖のアルキルポリヒドロキシル化合物、例えばプロピレングリコール、ソルビトールまたはグリセロールである。しかし、ポリマーポリオール、例えばポリプロピレングリコールまたはポリエチレングリコールを使用することもまた可能である。ブチレングリコールおよびプロピレングリコールは、浸透力(penetration capacity)を高めるのに特に適した化合物でもある。
【0171】
柔軟剤としての炭化水素の例は、一般に12〜30個のC原子を有する化合物である。具体例は、安息香酸アリールアルキル、安息香酸アルキル、鉱油、ワセリン、スクアレンまたはイソパラフィンである。
【0172】
さらなる皮膚軟化剤または疎水化剤は好ましくは、安息香酸C12〜C15アルキル、アジピン酸ジオクチル、ステアリン酸オクチル、オクチルドデカノール、ラウリン酸ヘキシル、オクチルドデシルネオペンタノアート、シクロメチコン、ジカプリルエーテル、ジメチコン、フェニルトリメチコン、ミリスチン酸イソプロピル、カプリル酸/カプリン酸グリセリル、プロピレングリコールジカプリラート/ジカプラートまたはオレイン酸デシルである。
【0173】
化粧品調製物の機能性成分のさらなるカテゴリーは増粘剤である。増粘剤は一般に、総量を基準として0.1〜20重量%の間、好ましくは0.5〜10重量%の間の量で使用される。これらの化合物の例は、B.F.Goodrich CompanyよりCarbopolの商標名で市販されている架橋ポリアクリラート材料である。キサンタンガム、カラギーナンガム、ゼラチンガム、カラヤガム、ペクチンガム、またはイナゴマメ種子粉末(carob seed flour)などの増粘剤を用いることもまた可能である。
【0174】
特定の環境下で、化合物は増粘剤とさらには柔軟剤の両方になることが可能である。その例は、シリコーンガム(動粘性率>10センチストーク)、エステル(例えばステアリン酸グリセリンなど)、またはセルロース誘導体(例えばヒドロキシプロピルセルロース)である。
【0175】
使用される分散剤または可溶化剤は、油、ワックスまたは他の脂肪性物質、低級モノアルコール、もしくは低級ポリオール、またはそれらの混合物であってもよい。特に好ましいモノアルコールまたはポリオールとしては、エタノール、i−プロパノール、プロピレングリコール、グリセロールおよびソルビトールが挙げられる。
【0176】
本発明の好ましい実施形態は、例えば脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、特に脂肪酸のトリグリセリド、ラノリン、天然および合成の油またはワックス、および乳化剤を水の存在下で含む、保護クリームまたは乳液の形態のエマルジョンである。
【0177】
さらなる好ましい実施形態は、天然もしくは合成の油およびワックス、ラノリン、脂肪酸エステル、特に脂肪酸のトリグリセリドをベースとする油性ローション、または低級アルコール(エタノールなど)、もしくはグリセリン(プロピレングリコールなど)、および/もしくはポリオール(グリセロールなど)、および油、ワックス、および脂肪酸エステル(脂肪酸のトリグリセリドなど)をベースとする油性−アルコール性ローションである。
【0178】
本発明による調製物はまた、1つまたは複数の低級アルコールまたはポリオール(エタノール、プロピレングリコールまたはグリセロールなど)、および増粘剤(ケイ質土など)を含む、アルコール性ジェルであってもよい。油性−アルコール性ジェルはまた、天然もしくは合成の油またはワックスも含む。
【0179】
固形スティックは、天然または合成のワックスおよび油、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、ラノリンおよび他の脂肪性物質から成る。
【0180】
調製物がエアロゾルとして調合されている場合、アルカン、フルオロアルカンおよびクロロフルオロアルカンなどの慣例的な高圧ガスが一般的に用いられる。
【0181】
本発明はさらに、上記のような基を含有する1つまたは複数の式IもしくはIaの化合物が、局所施用に適した賦形剤(例えば、化粧品として、薬学的に、または皮膚科用として適切な賦形剤)と混合されることを特徴とする調製物の調製方法に関する。
【0182】
同方法は、上記の基を含有する1つまたは複数の式IもしくはIaの化合物が、食品に適した賦形剤と混合されることを特徴とする栄養補助食品の調製に適用される。
【0183】
本発明による調製物は、当業者に周知である技術の助けによって調製できる。
【0184】
混合することによって、上記のような少なくとも1つの式IまたはIaの化合物の、賦形剤における溶解、乳化または分散を引き起こすことができる。
【0185】
上記のような式IまたはIaの特性は同様に、食品での使用において、または栄養補助食品として、または機能性食品として有益と見なされるべきである。食品に関してなされるさらなる説明は、栄養補助食品および機能性食品にも対応して適用される。
【0186】
食品は、動物の飼料用またはヒトの食用に適しているすべての物質、例えばビタミンおよびそのビタミン前駆体、脂肪、ミネラルまたはアミノ酸を包含する。食品は固形でいいが、液体、すなわち飲料の形態でもいい。
【0187】
したがって本発明はさらに、ヒトまたは動物の栄養摂取用の食品添加物としての、少なくとも1つの式IまたはIaの化合物の使用に関し、また、食品または栄養補助食品であり対応する賦形剤を含む調製物に関する。
【0188】
例えば、単一の天然物源に由来する食品、例えば砂糖、単一の植物種の甘味無添加ジュース、スカッシュまたはピューレなど、例えば甘味無添加のリンゴジュース(例えば異なる種類のリンゴジュースの混合物も)、グレープフルーツジュース、オレンジジュース、リンゴの甘煮、アプリコットスカッシュ、トマトジュース、トマトソース、トマトピューレなども、本発明の目的における食品である。本発明に従い1つまたは複数の式IもしくはIaの化合物によって栄養強化できる食品のさらなる例は、単一の植物種由来の穀物またはシリアル、およびこのタイプの植物種から製造される材料、例えば、穀物シロップ、ライ麦粉、小麦粉またはオーツ麦のふすまなどである。このタイプの食品の混合物、例えば総合ビタミン調製物、ミネラル混合物または甘味入りジュースもまた好適である。挙げることができる食品のさらなる例は、食品調製物、例えば調製シリアル、ビスケット、混合飲料、ヨーグルトなどの特に子供向けに調製された食品、ダイエット食品、低カロリー食品または動物飼料である。
【0189】
このように食品は、炭水化物、脂質、タンパク質、無機元素、微量元素、ビタミン、水、または植物および動物の活性代謝物の、あらゆる食用の組み合わせを包含する。
【0190】
食品は好ましくは経口用として、例えばあらびき粉、丸薬、錠剤、カプセル、粉末、シロップ、溶液または懸濁液の形態で用いられる。
【0191】
本発明による食品は、当業者に周知である技術の助けによって調製できる。
【0192】
それらの作用のおかげで、式Iの化合物はまた医薬成分としても好適である。
【0193】
本発明は例に関連して以下により詳細に説明される。本発明は特許請求の範囲全体にわたって実施することができ、ここで示される例に制限されない。
【0194】
実施例:
例1:6−ヘキシル−7−ヒドロキシクロマン−2−オンの合成
【0195】
【化13】

【0196】
アクリル酸(328mmol)を淡黄色の4−ヘキシルレゾルシノール(257mmol)のトルエン(250ml)中懸濁液に加える。続いて3.5gのAmberlyst−15を加え、黄色の反応溶液を水分離器上で約21時間加熱還流する。活性炭をオレンジ色の反応溶液に加え、次いでこの反応液を約1時間加熱還流する。Amberlyst−15および活性炭をろ過して除き、溶媒を蒸留により除去し、6−ヘキシル−7−ヒドロキシクロマン−2−オンを得る。
【0197】
1H NMR(DMSO−d6)δ 9.48(s,1H)、6.95(s,1H)、6.49(s,1H)、2.85(dd,J=7.6,6.7Hz,2H)、2.74(dd,J=7.6,5.5Hz,2H)、2.49(t,J=7.7Hz,2H)、1.57−1.46、8m,2H)、1.35−1.24(m,6H)、0.09(t,J=6.7Hz,3H)。EI−MS:248.1(M+)、177.0、149.0、69.0。
【0198】
例2:6−エチル−7−ヒドロキシクロマン−2−オンの合成
【0199】
【化14】

【0200】
4−エチルレゾルシノールおよびアクリル酸を例1と同様に反応させる。
1H NMR(DMSO−d6)δ 9.51(s,1H)、6.97(s,1H)、6.49(s,1H)、2.86(dd,J=7.7,6.6Hz,2H)、2.74(m,2H)、2.51(q,J=7.4Hz,2H)、1.13(t,J=7.4Hz,3H)
EI−MS:192.1(M+)、177.0、149.0、122.1、107.0、69.0。
【0201】
例3:7−ヒドロキシクロマン−2−オンの合成
【0202】
【化15】

【0203】
レゾルシノールおよびアクリル酸を例1と同様に反応させる。
1H NMR(DMSO−d6)δ 9.57(s,1H)、7.05(d,J=8.3Hz,1H)、6.52(dd,J=8.2,2.4Hz,1H)、6.43(d,J=2.4Hz,1H)、2.85(dd,J=7.7,6.6Hz,2H)、2.74(m,2H)
EI−MS:164.1(M+)、136.0、122.0、107.0、94.0、66.0。
【0204】
例4:7−ヒドロキシ−5−メチルクロマン−2−オンの合成
【0205】
【化16】

【0206】
5−メチルレゾルシノールおよびアクリル酸を例1と同様に反応させる。
【0207】
例5:5,7−ジヒドロキシクロマン−2−オンの合成
【0208】
【化17】

【0209】
フロログルシノールおよびアクリル酸を例1と同様に反応させる。
【0210】
例6:6−ブチル−7−ヒドロキシクロマン−2−オンの合成
【0211】
【化18】

【0212】
4−ブチルレゾルシノールおよびアクリル酸を例1と同様に反応させる。
【0213】
例7:6−シクロヘキシル−7−ヒドロキシクロマン−2−オンの合成
【0214】
【化19】

【0215】
4−シクロヘキシルレゾルシノールおよびアクリル酸を例1と同様に反応させる。
【0216】
例8:6−ドデシル−7−ヒドロキシクロマン−2−オンの合成
【0217】
【化20】

【0218】
4−ドデシルレゾルシノールおよびアクリル酸を例1と同様に反応させる。
【0219】
例9:6−tert−オクチル−7−ヒドロキシクロマン−2−オンの合成
【0220】
【化21】

【0221】
4−tert−オクチルレゾルシノールおよびアクリル酸を例1と同様に反応させる。
【0222】
例10:6−ヒドロキシ−4,4,5,8−テトラメチルクロマン−2−オンの合成
JP2003321463との比較例。
【0223】
【化22】

【0224】
ナトリウムジチオナイト(23.4mmol)の水(38ml)中懸濁液を、黄色の2,5−ジメチル−p−ベンゾキノン(18.4mmol)のジエチルエーテル(75ml)中溶液に加え、混合物を撹拌する。二相反応混合物をろ過し、続いて二相のろ液を分液漏斗で分液し、水性相をジエチルエーテルで2回抽出し、溶媒を留去し、1.1gの2,5−ジメチル−1,6−ベンゼンジオールを得る。2,5−ジメチル−1,6−ベンゼンジオール(7.2mmol)を3−メチルクロトン酸(7.2mmol)に溶解させ、続いてメタンスルホン酸(8ml)を加え、褐色溶液を60℃で加熱する。約6時間後、褐色溶液を氷(約50g)に加え、酢酸エチルにより数回抽出する。溶媒を留去し、800mgの6−ヒドロキシ−4,4,5,8−テトラメチルクロマン−2−オンを得る。
1H NMR(DMSO−d6)δ 9.15(s,1H)、6.60(s,1H)、2.59(s,2H)、2.21(s,3H)、2.10(s,3H)、1.36(s,6H)。
【0225】
例11:6−ヒドロキシ−4,4,5,7,8−ペンタメチルクロマン−2−オンの合成
JP2003321463との比較例
【0226】
【化23】

【0227】
トリメチルヒドロキノン(6.6mmol)を3−メチルクロトン酸(6.7mmol)に溶解させ、続いてメタンスルホン酸(8ml)を加え、褐色溶液を60℃で加熱する。約6時間後、褐色溶液を氷(約50g)に加え、酢酸エチルにより数回抽出する。溶媒を留去し、930mgの6−ヒドロキシ−4,4,5,7,8−ペンタメチルクロマン−2−オンを得る。
1H NMR(DMSO−d6)δ 2.56(s,2H)、2.26(s,3H)、2.10(s,3H)、2.09(s,3H)、1.32(s,6H)
EI−MS:234.1(M+)、219.1 192.0。
【0228】
例A:
チロシナーゼアッセイ
皮膚美白剤としての化合物IまたはIaの作用を、酵素チロシナーゼを阻害しそれに伴いメラニン合成を抑制するそれらの能力によって試験する。
【0229】
式IまたはIaの化合物のチロシナーゼに対する阻害作用を、菌類由来のチロシナーゼおよび基質としてのL−DOPAを用いて評価する。
【0230】
例1〜3に記載の化合物、ならびに例10および11の比較化合物、およびL−dopaを、リン酸緩衝液(pH6.8)中で10分間25℃にてプレインキュベートし、続いて菌類由来のチロシナーゼ(16U)(FLUKA)を加える。試料の光学濃度を、負の対照(活性化合物を含まない)に対して470nmにて測定する。コウジ酸をチロシナーゼの基準(すなわち正の対照)として同様に試験する。
【0231】
結果を、IC50値で表される(50%のチロシナーゼ活性が阻害されるときの試験化合物の濃度)以下の表に示す。
【0232】
【表1】

【0233】
例B:
皮膚の色素脱失活性
式IまたはIaの化合物の色素脱失活性を、水で戻したヒトの日焼けした上皮モデル(SkinEthic Laboratories)を用いてin vitroで試験する。
【0234】
日焼けした上皮組織(11日齢、サイズ0.5cm2)を、4日間毎日5μlの化合物6−ヘキシル−7−ヒドロキシクロマン−2−オンのリン酸緩衝溶液で処理する。
【0235】
並行して、負の対照(純粋なリン酸緩衝液でのみ処理した上皮組織)および正の対照を、比較のために準備する。すべての皮膚培養物を37℃で6日間インキュベートする。
【0236】
処理後、目視評価により細胞のモルフォロジーおよび細胞の発生能力に関して、すべての上皮組織を調べる。さらにメラニン含量を定量的に測定する。
【0237】
例C:調製
例1〜3による化合物を含む化粧品調製物のための実例的な配合を下記に示す。さらに、市販の化合物のINCI名を示す。
【0238】
UV−Pearl、OMCは、INCI名と共に調製物を示している:
水(EUではAqua)、エチルヘキシルメトキシシンナマート、シリカ、PVP、クロロフェネシン(chlorophenesin)、BHT;この調製物はMerck KGaA、DarmstadtよりEusolex(登録商標)UV Pearl(商標)OMCの名称で市販されている。
【0239】
表中に示した他のUV−Pearl製品はそれぞれ類似した組成を有し、OMCがUVフィルターに置き換えられて示される。
【0240】
【表2−1】

【0241】
【表2−2】

【0242】
【表3−1】

【0243】
【表3−2】

【0244】
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの式Iの化合物
【化1】

[式中、
1〜R3はそれぞれ互いに独立に、H、A、Y、OCOA、またはNHCOAを表し、
4は、H、A、Y’、OCOA、またはNHCOAを表し、
23またはR14はそれぞれ互いに独立に、一緒になってメチレンジオキシまたはエチレンジオキシを表し、
Aはそれぞれの場合、互いに独立に、1〜18個のC原子を有する、飽和または不飽和の、直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基を表し、このアルキル基は、OH、O−アルキル、CO−アルキル、COOH、COO−アルキル、NH2、NH−アルキル、N(アルキル)2、NHCO−アルキル、CONH2、CONH−アルキル、スルホナート、OSi(アルキル)3、F、Cl、またはBrで置換されていてもよく、
Yは、OH、OA、COA、COOH、COOA、NH2、NHA、NA2、NHCOA、CONH2、CONHA、スルホナート、シリルオキシ、F、Cl、またはBrを表し、
Y’は、OA、COA、COOH、COOA、NH2、NHA、NA2、NHCOA、CONH2、CONHA、スルホナート、OSi(A)3、F、Cl、またはBrを表し、かつ
アルキルは、1〜18個のC原子を有する、飽和または不飽和の、直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基を表す]
またはその塩もしくは溶媒和物を含む調製物。
【請求項2】
式Iの化合物においてR2がOHを表すことを特徴とする、請求項1に記載の調製物。
【請求項3】
式Iの化合物においてR4がHまたはAを表すことを特徴とする、請求項1または2に記載の調製物。
【請求項4】
式Iの化合物においてR3がHを表すことを特徴とする、請求項1から3の一項または複数項に記載の調製物。
【請求項5】
局所施用に適した少なくとも1つの賦形剤を含む、請求項1から4の一項または複数項に記載の調製物。
【請求項6】
1つまたは複数の式Iの化合物を、調製物の総重量を基準として0.01〜20重量%の量で含むことを特徴とする、請求項1から5の一項または複数項に記載の調製物。
【請求項7】
1つもしくは複数の抗酸化剤および/または1つもしくは複数のビタミンを含むことを特徴とする、請求項1から6の一項または複数項に記載の調製物。
【請求項8】
1つまたは複数の紫外フィルターを含むことを特徴とする、請求項1から7の一項または複数項に記載の調製物。
【請求項9】
皮膚美白活性を有する少なくとも1つのさらなる化合物を含むことを特徴とする、請求項1から8の一項または複数項に記載の調製物。
【請求項10】
皮膚美白活性を有するさらなる化合物が、ヒドロキノン、コウジ酸、アルブチン、アロエシン、またはルシノールから選択されることを特徴とする、請求項9に記載の調製物。
【請求項11】
請求項1から4の一項または複数項に記載の1つまたは複数の式Iの化合物が、局所施用に適した少なくとも1つの賦形剤と混合されることを特徴とする、請求項1から10の一項または複数項に記載の調製物の調製方法。
【請求項12】
ヒトの皮膚を美白するための、少なくとも1つの式Iの化合物
【化2】

[式中、
1〜R3はそれぞれ互いに独立に、H、A、Y、OCOA、またはNHCOAを表し、
4は、H、A、Y’、OCOA、またはNHCOAを表し、
23またはR14はそれぞれ互いに独立に、一緒になってメチレンジオキシまたはエチレンジオキシを表し、
Aはそれぞれの場合、互いに独立に、1〜18個のC原子を有する、飽和または不飽和の、直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基を表し、このアルキル基は、OH、O−アルキル、CO−アルキル、COOH、COO−アルキル、NH2、NH−アルキル、N(アルキル)2、NHCO−アルキル、CONH2、CONH−アルキル、スルホナート、OSi(アルキル)3、F、Cl、またはBrで置換されていてもよく、
Yは、OH、OA、COA、COOH、COOA、NH2、NHA、NA2、NHCOA、CONH2、CONHA、スルホナート、シリルオキシ、F、Cl、またはBrを表し、
Y’は、OA、COA、COOH、COOA、NH2、NHA、NA2、NHCOA、CONH2、CONHA、スルホナート、OSi(A)3、F、Cl、またはBrを表し、かつ
アルキルは、1〜18個のC原子を有する、飽和または不飽和の、直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基を表す]
またはその塩もしくは溶媒和物の使用、または請求項1から10の一項または複数項に記載の調製物の使用。
【請求項13】
チロシナーゼ阻害剤としての、少なくとも1つの式Iの化合物
【化3】

[式中、
1〜R3はそれぞれ互いに独立に、H、A、Y、OCOA、またはNHCOAを表し、
4は、H、A、Y’、OCOA、またはNHCOAを表し、
23またはR14はそれぞれ互いに独立に、一緒になってメチレンジオキシまたはエチレンジオキシを表し、
Aはそれぞれの場合、互いに独立に、1〜18個のC原子を有する、飽和または不飽和の、直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基を表し、このアルキル基は、OH、O−アルキル、CO−アルキル、COOH、COO−アルキル、NH2、NH−アルキル、N(アルキル)2、NHCO−アルキル、CONH2、CONH−アルキル、スルホナート、OSi(アルキル)3、F、Cl、またはBrで置換されていてもよく、
Yは、OH、OA、COA、COOH、COOA、NH2、NHA、NA2、NHCOA、CONH2、CONHA、スルホナート、シリルオキシ、F、Cl、またはBrを表し、
Y’は、OA、COA、COOH、COOA、NH2、NHA、NA2、NHCOA、CONH2、CONHA、スルホナート、OSi(A)3、F、Cl、またはBrを表し、かつ
アルキルは、1〜18個のC原子を有する、飽和または不飽和の、直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基を表す]
またはその塩もしくは溶媒和物の使用。
【請求項14】
色素増加症、そばかす、加齢によるしみ、日焼けによるしみ、および環境誘発の皮膚老化などの色素欠陥を予防および/または治療するための、少なくとも1つの式Iの化合物
【化4】

[式中、
1〜R3はそれぞれ互いに独立に、H、A、Y、OCOA、またはNHCOAを表し、
4は、H、A、Y’、OCOA、またはNHCOAを表し、
23またはR14はそれぞれ互いに独立に、一緒になってメチレンジオキシまたはエチレンジオキシを表し、
Aはそれぞれの場合、互いに独立に、1〜18個のC原子を有する、飽和または不飽和の、直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基を表し、このアルキル基は、OH、O−アルキル、CO−アルキル、COOH、COO−アルキル、NH2、NH−アルキル、N(アルキル)2、NHCO−アルキル、CONH2、CONH−アルキル、スルホナート、OSi(アルキル)3、F、Cl、またはBrで置換されていてもよく、
Yは、OH、OA、COA、COOH、COOA、NH2、NHA、NA2、NHCOA、CONH2、CONHA、スルホナート、シリルオキシ、F、Cl、またはBrを表し、
Y’は、OA、COA、COOH、COOA、NH2、NHA、NA2、NHCOA、CONH2、CONHA、スルホナート、OSi(A)3、F、Cl、またはBrを表し、かつ
アルキルは、1〜18個のC原子を有する、飽和または不飽和の、直鎖、分岐鎖、または環状のアルキル基を表す]
またはその塩もしくは溶媒和物の使用、または請求項1から10の一項もしくは複数項に記載の調製物の使用。
【請求項15】
式Iaの化合物
【化5】

[式中、
4は4〜18個のC原子を有する直鎖または環状のアルキル基を表す]
ならびにその塩および溶媒和物。
【請求項16】
式Iaの化合物ならびにその塩および溶媒和物の調製方法であって、
(a)式IIaの化合物
【化6】

[式中、R4は請求項15に示される意味を有する]
をアクリル酸と反応させること、
および
(b)場合により
式Iの塩基性または酸性化合物を、酸または塩基で処理することによってその化合物の塩または溶媒和物の1つに変換すること
を特徴とする方法。

【公表番号】特表2011−509954(P2011−509954A)
【公表日】平成23年3月31日(2011.3.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−542528(P2010−542528)
【出願日】平成20年12月12日(2008.12.12)
【国際出願番号】PCT/EP2008/010601
【国際公開番号】WO2009/089880
【国際公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】