説明

ケーブル保護管及びケーブル保護管製造装置

【課題】 柔軟で可撓性に富み、挿入されるケーブルとの間に生じる摩擦抵抗や緊張抵抗を低減できるケーブル保護管を簡単に製造できるようにする。
【解決手段】 螺旋状に巻回したときに重合させて融着するための接合部を両端に有し、ケーブル保護管の内側になる面に管に加わるたわみに対して柔軟性を持たせるための可撓凹部を形成した帯板状部材を使用し、この帯板状部材の両端にある接合部を螺旋状に重合させながら巻回し、重合させた接合部を融着して筒状に形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外ケーブル或いは他のケーブルを保護する為に使用されるケーブル保護管及びケーブル保護管製造装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的なケーブル保護管には、例えば、PE(硬質ポリエチレン)管やFRP(繊維強化プラスチック)管等が使用されている。これらのケーブル保護管は、射出成形等により製造されている。
【0003】
ところで、上述したようなケーブル保護管を合成樹脂で製造する場合、耐候性や防錆性に優れるものの、ケーブルに緊張力を加えた場合に、保護管に対する摩擦抵抗が大きくなりケーブルが喰い込んで緊張力が低下すると云う問題があり、また、ケーブルとの当接部で保護管が潰れてしまいケーブルの保護をなさないと云う欠点が存在した。
【0004】
そこで、ケーブルの緊張によって摩擦抵抗が増加したり、潰れたりすることのないケーブル保護管の製造方法として、鋼線を螺旋状に成形し、両縁側に互い違いの接合段部を有するとともに中央部に鋼線保持用リブ溝を有した帯状体を射出成型し、螺旋状に形成された鋼線に沿って帯状に形成された合成樹脂の鋼線保持用リブ溝を嵌合しつつ一体の筒状体とし、一体化された筒状体の外周面に外被体を被覆することにより、可撓性に富み、ケーブルの緊張抵抗の増加を低減できるケーブル保護管を製造するケーブル保護管の製造方法などが考案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特許第3522320号公報(第2−4頁、図3)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述したケーブル保護管の製造方法(特許第3522320号公報)では、複数の部材(鋼線、鋼線保持用リブ溝を有した帯状体、外被体)で構成する必要であり、また、これらの部材を一体化するように加工しなければならないため、製造装置や製造工程が複雑になり、コストがかかるという問題がある。
【0006】
また、上記製造方法で製造されたケーブル保護管では、挿入したケーブルが螺旋状に形成された鋼線と点接触して緊張抵抗の増加を低減し、鋼線の緊張により潰れが防止できるものの、被覆が施されたケーブルを挿入した場合、鋼線によって被覆が破損してしまうことがあるという問題もある。
【0007】
従って、柔軟で可撓性に富み、挿入されるケーブルとの間に生じる摩擦抵抗や緊張抵抗を低減できるケーブル保護管を簡単に製造できるようにすることに解決しなければならない課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題を解決するため、本発明に係るケーブル保護管及びケーブル保護管製造装置は次のような構成にすることである。
【0009】
(1)螺旋状に巻回したときに重合させて融着するための接合部を両端に有し、ケーブル保護管の内側になる面に管に加わるたわみに対して柔軟性を持たせるための可撓凹部を形成した帯板状部材を使用し、前記帯板状部材の両端にある接合部を螺旋状に重合させながら巻回し、前記重合させた接合部を融着して筒状に形成することを特徴とするケーブル保護管。
(2)螺旋状に巻回したときに重合させて融着するための接合部を両端に有し、ケーブル保護管の外側となる面に凹部と凸部を交互に形成し、ケーブル保護管の内側になる面の前記凸部と対向する位置に管に加わるたわみに対して柔軟性を持たせるための可撓凹部を形成した帯板状部材を使用し、前記帯板状部材の両端にある接合部を螺旋状に重合させながら巻回し、前記重合させた接合部を融着して筒状に形成することを特徴とするケーブル保護管。
(3)前記帯板状部材の可撓凹部は、凹曲面状に形成されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載のケーブル保護管。
(4)前記帯板状部材は、合成樹脂で形成されていることを特徴とする(1)又は(2)に記載のケーブル保護管。
【0010】
(5)螺旋状に巻回するときに重合して融着するための接合部を両端に有し、ケーブル保護管の内側になる面に管に加わるたわみに対して柔軟性を持たせるための可撓凹部と挿入されるケーブルとの間で生じる抵抗を低減するための保護凸部を形成した帯板状部材を使用し、前記帯板状部材の両端にある接合部を螺旋状に重合させながら巻回し、前記重合させた接合部を融着して筒状に形成することを特徴とするケーブル保護管。
(6)螺旋状に巻回するときに重合して融着するための接合部を両端に有し、ケーブル保護管の外側となる面には、凹部と凸部を交互に形成し、ケーブル保護管の内側になる面には、前記凸部と対向する位置に管に加わるたわみに対して柔軟性を持たせるための可撓凹部と前記凹部と対向する位置に挿入されるケーブルとの間で生じる抵抗を低減するための保護凸部を形成した帯板状部材を使用し、前記帯板状部材の両端にある接合部を螺旋状に重合させながら巻回し、前記重合させた接合部を融着して筒状に形成することを特徴とするケーブル保護管。
(7)前記帯板状部材の可撓凹部は、凹曲面状に形成されていることを特徴とする(5)又は(6)に記載のケーブル保護管。
(8)前記帯板状部材の保護凸部は、凸曲面状に形成されていることを特徴とする(5)又は(6)に記載のケーブル保護管。
(9)前記帯板状部材は、合成樹脂で形成されていることを特徴とする(5)又は(6)に記載のケーブル保護管。
【0011】
(10)ケーブル保護管を製造するケーブル保護管製造装置であって、両端に接合部を有する帯板状部材を巻き付けるための芯金を備えた部材巻回手段と、前記部材巻回手段を回転させる回転駆動手段と、前記帯板状部材に熱を加えて軟化させる部材予熱手段と、前記部材予熱手段で軟化させた前記帯板状部材を挟み込み、該帯板状部材の接合部が重合する角度に位置決めをして前記部材巻回手段に送り出す部材供給手段と、前記帯板状部材の重合した接合部を溶融する融着手段と、前記部材供給手段から供給される前記帯板状部材を前記部材巻回手段の芯金との間で挟み込み、前記回転駆動手段と連動して回転することによって該帯板状部材を引き込み、前記芯金に前記帯板状部材の接合部を重合するように螺旋状に巻回させ、前記融着手段で溶融された前記接合部を圧着して筒状に整形する部材整形手段と、を備えたケーブル保護管製造装置。
(11)前記部材供給手段は、前記帯板状部材における前記ケーブル保護管の外側となる面に形成された凹部に噛合するローラーを備えていること
を特徴とする(10)に記載のケーブル保護管製造装置。
【0012】
上記構成により、ケーブル保護管の内側となる面に管に加わるたわみに対して柔軟性を持たせるための可撓凹部が形成された帯板状部材の接合部を螺旋状に重合させながら巻回し、重合した接合部を融着して筒状に形成することで、ケーブル保護管の内面に螺旋状に形成された可撓凹部が管に加わるたわみを吸収して、ケーブル保護管の柔軟性が向上する。
【0013】
また、ケーブル保護管の内側となる面に、上記と同様の可撓凹部とケーブルとの間で生じる抵抗を低減するための保護凸部を形成した帯板状部材を使用することで、ケーブル保護管の内面に可撓凹部と保護凸部が螺旋状に形成されるので、可撓凹部によって管に加わるたわみが吸収されて柔軟性が向上し、保護凸部によって挿入されるケーブルとの接触面積が小さくなり、ケーブルとの間に生じる摩擦抵抗や緊張抵抗が低減する。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、ケーブル保護管の内側となる面に管に加わるたわみに対して柔軟性を持たせるための可撓凹部を形成した帯板状部材を使用し、この帯板状部材の両端にある接合部を螺旋状に重合させながら巻回し、重合した接合部を融着するだけで柔軟で可撓性に優れたケーブル保護管を簡単に製造することができるので、従来のように、複数の部材を使用することもなく、また、これらの部材を一体化するような複雑な製造工程がないので、製造装置も簡素化され、材料や製造のコストを低減できるという優れた効果を奏するものである。
【0015】
また、ケーブル保護管の内側になる面に、上記と同様の可撓凹部に加え、ケーブルとの間で生じる抵抗を低減するための保護凸部を形成した帯板状部材を使用することで、柔軟で可撓性に優れ、且つ、ケーブルとの間に生じる摩擦抵抗や緊張抵抗を低減させるケーブル保護管を簡単に製造することができる。
【0016】
また、上述した帯板状部材は、合成樹脂など単一の材料で作ることができるので、製造コストが低減するとともに、管の強度を向上させるための鋼線などを使用しないので、挿入されるケーブルの損傷を防ぐことができるというメリットもある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
次に、本発明のケーブル保護管及びケーブル保護管製造装置による実施の形態について図面を参照して説明する。但し、図面は専ら解説のためのものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【実施例】
【0018】
まず、本発明のケーブル保護管の製造に使用される帯板状に形成された帯板状部材について説明する。
【0019】
図1(A)の帯板状部材10Aは、本発明のケーブル保護管の製造に使用される帯板状部材の一実施例の断面図であり、筒状にしてケーブル保護管を製造するため合成樹脂等で帯板状に形成された部材であり、螺旋状に巻回したときに重合させて融着できるように左右両端に接合部11a/11bを有し、ケーブル保護管の外側となる面(外側面)には、凹凸部が交互に形成され、ケーブル保護管の内側になる面(内側面)には、外側面凸部と対向する位置に曲面状の凹部(以下、可撓凹部12)が形成してある。
【0020】
また、図1(B)のように、ケーブル保護管の外側となる面に凹部及び凸部を形成せず、内側になる面にのみ可撓凹部12を形成した帯板状部材であってもよい。
【0021】
図2は、図1に示す帯板状部材10Aの接合部11aと接合部11bを螺旋状に重合させながら巻回し、筒状に整形して作られたケーブル保護管の縦断面図とその一部を拡大した拡大図であり、図示するようにケーブル保護管の内側面には、可撓凹部12が螺旋状に形成される。
【0022】
このケーブル保護管の内側面に螺旋状に形成された可撓凹部によって、ケーブル保護管となったときに加わるたわみが吸収され、ケーブル保護管の柔軟性が向上する。
【0023】
また、図3(A)に示す帯板状部材10Bは、図1の帯板状部材10Aと同様に、螺旋状に巻回したときに重合させて融着できるように左右両端に接合部11a/11bを有し、ケーブル保護管の外側となる面(外側面)には、凹凸部が交互に形成され、ケーブル保護管の内側になる面(内側面)には、外側面凸部と対向する位置に管に加わるたわみに対して柔軟性を持たせるための可撓凹部が形成してあり、更に、外面凹部と対向する位置には、曲面状の凸部(以下、保護凸部13)が形成してある。
【0024】
また、図3(B)のように、ケーブル保護管の外側となる面に凹部及び凸部を形成せず、内側になる面にのみ可撓凹部12と保護凸部13を交互に形成した帯板状部材であってもよい。
【0025】
図4は、図3(A)に示す帯板状部材10Bを筒状に整形して作られたケーブル保護管の縦断面図とその一部を拡大した拡大図であり、図示するようにケーブル保護管の内側面には、可撓凹部12と保護凸部13が螺旋状に交互に形成される。
【0026】
このケーブル保護管の内側面に螺旋状に交互に形成される可撓凹部と保護凸部により、図3の説明と同様、ケーブル保護管になったときに加わるたわみが可撓凹部で吸収され、且つ、保護凸部によって挿入されるケーブルとの接触面積が小さくなり、ケーブルとの間に生じる摩擦抵抗や緊張抵抗が低減する。
【0027】
なお、上述した帯板状部材は一実施例であり、凹部及び凸部の数、間隔、形状は、図1や図3に示す帯板状部材と同じ数、間隔、形状に限定されるものではない。
【0028】
続いて、図1や図3に示すような帯板状部材を使用してケーブル保護管を製造するケーブル保護管製造装置について説明する。なお、以下の説明では、図1(A)又は図3(A)の帯板状部材を用いた場合を例にして説明する。
【0029】
図5は、本発明のケーブル保護管の製造装置を説明するための簡略化した図であり、ケーブル保護管製造装置200は、部材巻回部210、回転駆動部220、部材供給部230、融着部240、部材整形部250などから構成される。
【0030】
部材巻回部210は、回転駆動部220と連結し、帯板状部材10A(10B)を巻きつける筒状の芯金を有する。
【0031】
回転駆動部220は、部材巻回部210とフランジ継手などで連結され、モーター(図示せず)などによって部材巻回部210を回転させることにより、芯金に帯板状部材10A(10B)を螺旋状に巻付けさせる。
【0032】
部材供給部230は、部材巻回部210に対して所定の角度で帯板状部材10A(10B)を供給できる位置に配置され、予熱ヒータ231、ガイド232、供給ローラー233などを備えた構成となっている。
【0033】
部材供給部230の予熱ヒータ231は、帯板状部材10A(10B)を加熱して軟化させ、軟化した帯板状部材10A(10B)をガイド232に沿って供給ローラー233に送る。
【0034】
部材供給部230の供給ローラー233は、帯板状部材10A(10B)を部材巻回部210に巻き付ける為、帯板状部材10A(10B)のケーブル保護管の外側となる面に交互に形成されている凹凸部(図1(A),図3(A)参照)の凹部に噛合するローラーであり、このローラーによって軟化した帯板状部材10A(10B)を上下から挟んで供給する位置を定めてから部材巻回部210に送り出すことにより、帯板状部材10A(10B)の左右両端にある接合部11aと接合部11bを正確に重合させる。
【0035】
なお、ケーブル保護管の外側となる面に交互に形成されている凹凸部がない帯板状部材10A(10B)の場合(図1(B),図3(B)参照)であっても、供給ローラー233で部材を上下から挟んで位置を定めて送り出すことができるので、帯板状部材10A(10B)の左右両端にある接合部11aと接合部11bを正確に重合することができる。
【0036】
融着部240は、部材巻回部210の芯金に巻付けられた帯板状部材10A(10B)の接合部11aと接合部11bが重合する部分(以下、重合部)に配置され、帯板状部材10A(10B)の重合部を溶融する溶融ヒータなどを備えている。
【0037】
部材整形部250は、部材供給部230から送られてくる帯板状部材10A(10B)を部材巻回部210の芯金との間に挟み込み、部材巻回部210と連動して回転することにより、帯板状部材10A(10B)を引き込み、芯金に接合部11aと接合部11bを重合させながら螺旋状に巻付けさせ、且つ、融着部240によって溶融された帯板状部材10A(10B)の重合部を圧着させるための整形ローラーを備え、筒状に整形した帯板状部材10A(10B)であるケーブル保護管20を回転させながら芯金の先方に送り出す。
【0038】
次に、図5で示したケーブル保護管製造装置によるケーブル保護管の製造過程を説明する。
【0039】
まず、図1や図3に示すような帯板状部材10A(10B)を、図5のケーブル保護管製造装置200の部材供給部230に挿入する。このとき、部材巻回部210へ帯板状部材10A(10B)を供給する角度を調整する。
【0040】
部材供給部230に挿入された帯板状部材10A(10B)は、予熱ヒータ231を通過することによって部材巻回部210の芯金に巻付き易くなるように加熱されて軟化した状態となる。
【0041】
軟化した帯板状部材10A(10B)は、ガイド232に沿って供給ローラー233に送られ、帯板状部材10A(10B)のケーブル保護管の外側となる面に交互に形成されている凹凸部(図1(A),図3(A)参照)が供給ローラー233のローラーに噛合されることによって部材巻回部210への供給する位置が定められる。
【0042】
そして、供給ローラー233を回転させると、軟化した帯板状部材10A(10B)がその先に設置されている部材巻回部210の芯金と部材整形部250の整形ローラーとの間へ所定の角度で送り出される。
【0043】
部材供給部230から送り出された帯板状部材10A(10B)が部材巻回部210の芯金と部材整形部250の整形ローラーとの間に狭入されると、回転駆動部220を駆動させる。
【0044】
回転駆動部220が駆動すると、フランジ継手で連結された部材巻回部210の芯金が回転し、部材巻回部210の芯金と部材整形部250の整形ローラーの間へ狭入された帯板状部材10A(10B)が引き込まれ、帯板状部材10A(10B)の接合部11aと接合部11bを重合させながら螺旋状に芯金に巻付けられて行く。
【0045】
そして、融着部240によって、帯板状部材10A(10B)の接合部11aと接合部11bの重合した部分(以下、重合部)を融着部240の融着ヒータで加熱して溶融する。
【0046】
更に、回転駆動部220によって部材巻回部210を回転させると、融着部240によって溶融した帯板状部材10A(10B)の重合部が部材整形部250の整形ローラーで圧着されて完全に融着される。このとき、重合部にエアーなどを吹き付けて冷却することにより硬化を促進させるようにしても良い。
【0047】
更に、回転駆動部220によって部材巻回部210を回転させると、部材整形250の整形ローラーが回転し、硬化した帯板状部材10A(10B)の重合部が押し出され、部材巻回部210の芯金から外れ、筒状に整形されたケーブル保護管20が先方に送り出されてゆく。
【0048】
このように、回転駆動部220を回転させてゆくと、部材巻回部210の芯金に対して帯板状部材10A(10B)の接合部11aと接合部11bが重合しながら螺旋状に巻付けられ、融着部240によって重合した帯板状部材10A(10B)の接合部同士が融着され、筒状に整形され、硬化した筒状の帯板状部材10A(10B)を部材巻回部210の芯金から順次送り出してゆくことによってケーブル保護管が製造される。
【0049】
なお、部材巻回部210の芯金を異なる大きさ(径)の芯金に取り替えることにより、所望の内径をもつケーブル保護管を製造することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明のケーブル保護管の製造に使用される帯板状に形成された帯板状部材の一実施例の断面図である。
【図2】図1で示した帯板状部材を筒状に整形したケーブル保護管の縦断面図とその一部拡大図である。
【図3】本発明のケーブル保護管の製造に使用される帯板状に形成された帯板状部材の一実施例の断面図である。
【図4】図3で示した帯板状部材を筒状に整形したケーブル保護管の縦断面図とその一部拡大図である。
【図5】本発明のケーブル保護管の製造装置及び製造方法の一実施例を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0051】
10A,10B;帯板状部材
11a,11b;接合部
12;可撓凹部
13;保護凸部
200;ケーブル保護管製造装置
210;部材巻回部
220;回転駆動部
230;部材供給部
231;予熱ヒータ
232;ガイド
233;供給ローラー
240;融着部
250;部材整形

【特許請求の範囲】
【請求項1】
螺旋状に巻回したときに重合させて融着するための接合部を両端に有し、ケーブル保護管の内側になる面に管に加わるたわみに対して柔軟性を持たせるための可撓凹部を形成した帯板状部材を使用し、
前記帯板状部材の両端にある接合部を螺旋状に重合させながら巻回し、前記重合させた接合部を融着して筒状に形成すること
を特徴とするケーブル保護管。
【請求項2】
螺旋状に巻回したときに重合させて融着するための接合部を両端に有し、ケーブル保護管の外側となる面に凹部と凸部を交互に形成し、ケーブル保護管の内側になる面の前記凸部と対向する位置に管に加わるたわみに対して柔軟性を持たせるための可撓凹部を形成した帯板状部材を使用し、
前記帯板状部材の両端にある接合部を螺旋状に重合させながら巻回し、前記重合させた接合部を融着して筒状に形成すること
を特徴とするケーブル保護管。
【請求項3】
前記帯板状部材の可撓凹部は、凹曲面状に形成されていること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のケーブル保護管。
【請求項4】
前記帯板状部材は、合成樹脂で形成されていること
を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のケーブル保護管。
【請求項5】
螺旋状に巻回するときに重合して融着するための接合部を両端に有し、ケーブル保護管の内側になる面に管に加わるたわみに対して柔軟性を持たせるための可撓凹部と挿入されるケーブルとの間で生じる抵抗を低減するための保護凸部を形成した帯板状部材を使用し、
前記帯板状部材の両端にある接合部を螺旋状に重合させながら巻回し、前記重合させた接合部を融着して筒状に形成すること
を特徴とするケーブル保護管。
【請求項6】
螺旋状に巻回するときに重合して融着するための接合部を両端に有し、ケーブル保護管の外側となる面には、凹部と凸部を交互に形成し、ケーブル保護管の内側になる面には、前記凸部と対向する位置に管に加わるたわみに対して柔軟性を持たせるための可撓凹部と前記凹部と対向する位置に挿入されるケーブルとの間で生じる抵抗を低減するための保護凸部を形成した帯板状部材を使用し、
前記帯板状部材の両端にある接合部を螺旋状に重合させながら巻回し、前記重合させた接合部を融着して筒状に形成すること
を特徴とするケーブル保護管。
【請求項7】
前記帯板状部材の可撓凹部は、凹曲面状に形成されていること
を特徴とする請求項5又は請求項6に記載のケーブル保護管。
【請求項8】
前記帯板状部材の保護凸部は、凸曲面状に形成されていること
を特徴とする請求項5又は請求項6に記載のケーブル保護管。
【請求項9】
前記帯板状部材は、合成樹脂で形成されていること
を特徴とする請求項5又は請求項6に記載のケーブル保護管。
【請求項10】
ケーブル保護管を製造するケーブル保護管製造装置であって、
両端に接合部を有する帯板状部材を巻き付けるための芯金を備えた部材巻回手段と、
前記部材巻回手段を回転させる回転駆動手段と、
前記帯板状部材に熱を加えて軟化させる部材予熱手段と、
前記部材予熱手段で軟化させた前記帯板状部材を挟み込み、該帯板状部材の接合部が重合する角度に位置決めをして前記部材巻回手段に送り出す部材供給手段と、
前記帯板状部材の重合した接合部を溶融する融着手段と、
前記部材供給手段から供給される前記帯板状部材を前記部材巻回手段の芯金との間で挟み込み、前記回転駆動手段と連動して回転することによって該帯板状部材を引き込み、前記芯金に前記帯板状部材の接合部を重合するように螺旋状に巻回させ、前記融着手段で溶融された前記接合部を圧着して筒状に整形する部材整形手段と、
を備えたケーブル保護管製造装置。
【請求項11】
前記部材供給手段は、前記帯板状部材における前記ケーブル保護管の外側となる面に形成された凹部に噛合するローラーを備えていること
を特徴とする請求項10に記載のケーブル保護管製造装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2006−137088(P2006−137088A)
【公開日】平成18年6月1日(2006.6.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−328908(P2004−328908)
【出願日】平成16年11月12日(2004.11.12)
【出願人】(000163110)極東鋼弦コンクリート振興株式会社 (29)
【Fターム(参考)】