説明

コネクタの製造方法

【課題】好適に他のコネクタに接続され得るコネクタを容易かつ確実に製造することができるコネクタの製造方法を提供すること。
【解決手段】 コネクタの製造方法は、成形型100の第1のキャビティ101内に光導波路20をその一端面203が底部107に突き当たるまで挿入する第1の工程と、未硬化で液状をなし、硬化した際にコネクタハウジング2およびガイドピン4a、4bとなる第1の樹脂材料10を、液状の状態で、第1のキャビティ101内および第2のキャビティ105a、105b内に充填する第2の工程と、液状の第1の樹脂材料10を硬化させ、その硬化した第1の樹脂材料10で、コネクタハウジング2およびガイドピン4a、4bを一括して成形する第3の工程と、成形型100を離型する第4の工程とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コネクタの製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、光周波搬送波を使用してデータを移送する光通信がますます重要になっている。このような光通信において、信号伝搬光を、一地点から他地点に導くための手段として、光導波路がある。
【0003】
この光導波路は、例えば、一対のクラッド層の間に設けられたコア層を有して構成される。コア層は、線状のコア部とクラッド部とを有し、これらが交互に配列されている。なお、コア部はコア層内に概して複数存在するが、1本の場合もある。コア部は、光周波搬送波の光に対して実質的に透明な材料によって構成され、クラッド層およびクラッド部は、コア部より屈折率が低い材料によって構成されている。
【0004】
そして、このような光導波路は、その一端部にコネクタハウジング(フェルール)が装着されて、当該装着された部分がコネクタとして用いられる(例えば、特許文献1参照)。また、このコネクタは、例えば当該コネクタと同様の構成の他のコネクタを接続する際に、2本のガイドピンを介してその接続が行われる。このため、コネクタハウジングには、各ガイドピンがそれぞれ挿入されるガイド孔(挿入孔)が予め設けられている。
【0005】
特許文献1に記載されているコネクタを製造する際には、筒状をなすコネクタハウジングに光導波路の一端部を挿入し、その挿入状態で、コネクタハウジングの内周部と光導波路の外周部との間に形成された間隙に接着剤を充填し、硬化させる。
【0006】
しかしながら、この特許文献1に記載されているコネクタでは、例えば接着剤が硬化する過程で当該接着剤の厚さに大小が生じた場合、光導波路がズレたり、光導波路にしわ等の変形が生じたりすることがある。この場合、光導波路とコネクタハウジングの各ガイド孔との位置精度が低下してしまうと言う問題が生じる。このように製造過程で問題(不具合)が生じたコネクタと、他のコネクタとをガイドピンを介して接続しても、光導波路同士間での光の出入り(行き来)が確実に行なうことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2008−96669号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、好適に他のコネクタに接続され得るコネクタを容易かつ確実に製造することができるコネクタの製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的は、下記(1)〜(13)の本発明により達成される。
【0010】
(1) 帯状をなす光導波路と、該光導波路の一端部に装着されたコネクタハウジングと、他のコネクタと接続される際に、該他のコネクタとの位置決めを行なうガイドピンとを備えるコネクタを製造する方法であって(以下、「ガイドピンコネクタ製造方法」という場合がある。)、
底部と該底部の縁部から立設した側壁とを有し、前記底部と前記側壁とで囲まれた内腔部が前記コネクタハウジングを成形する第1のキャビティとなり、前記第1のキャビティに連通し、前記底部に凹没して形成された凹部が前記ガイドピンを成形する第2のキャビティとなる成形型の前記第1のキャビティ内に前記光導波路をその一端面が前記底部に突き当たるまで挿入する第1の工程と、
未硬化で液状をなし、硬化した際に前記コネクタハウジングおよび前記ガイドピンとなる樹脂材料を、前記液状の状態で、前記第1のキャビティ内および前記第2のキャビティ内に充填する第2の工程と、
前記液状の樹脂材料を硬化させ、その硬化した樹脂材料で、前記コネクタハウジングおよび前記ガイドピンを一括して成形する第3の工程と、
前記成形型を離型する第4の工程とを有することを特徴とするコネクタの製造方法。
(2)帯状をなす光導波路と、該光導波路の一端部に装着されたコネクタハウジングとを備え、他のコネクタと接続される際に、該他のコネクタとの位置決めを行なうガイド孔が前記コネクタハウジングに形成されているコネクタを製造する方法であって(以下、「ガイド孔コネクタ製造方法」という場合がある。)、
底部と該底部の縁部から立設した側壁とを有し、前記底部と前記側壁とで囲まれた内腔部が前記コネクタハウジングを成形するキャビティとなり、前記ガイド孔を成形するための突出部が前記底部から前記キャビティ内に向かって突出形成された成形型の前記キャビティ内に前記光導波路をその一端面が前記底部に突き当たるまで挿入する第1の工程と、
未硬化で液状をなし、硬化した際に前記コネクタハウジングとなる樹脂材料を前記液状の状態で前記キャビティ内に充填する第2の工程と、
前記液状の樹脂材料を硬化させ、その硬化した樹脂材料で、前記ガイド孔が形成された前記コネクタハウジングを成形する第3の工程と、
前記成形型を離型する第4の工程とを有することを特徴とするコネクタの製造方法。
【0011】
(3) 前記側壁には、前記第1のキャビティに連通し、該第1のキャビティ内に前記液状の樹脂材料を注入する注入口が設けられており、
前記第2の工程では、前記液状の樹脂材料を前記注入口を介して充填する上記(1)、または(2)に記載のコネクタの製造方法。
【0012】
(4) 前記コネクタは、前記光導波路の一端部の少なくとも一方の面に当接し、前記一端部を支持する支持板を備えるものであり、
前記第1の工程で、前記光導波路を前記第1のキャビティに挿入する際、前記支持板を前記光導波路の一端部に当接させたままその挿入を行なう上記(1)ないし(3)のいずれか一項に記載のコネクタの製造方法。
【0013】
(5) 前記支持板の幅は、前記光導波路の幅よりも大きい上記(4)に記載のコネクタ。
【0014】
(6) 帯状をなす光導波路と、該光導波路の一端部に装着されたコネクタハウジングと、他のコネクタと接続される際に、該他のコネクタとの位置決めを行なうガイドピンとを備えるコネクタを製造する方法であって、
底部と該底部の縁部から立設した側壁とを有し、前記底部と前記側壁とで囲まれた内腔部が前記コネクタハウジングを成形する第1のキャビティとなり、前記第1のキャビティに連通し、前記底部に凹没して形成された凹部が前記ガイドピンを成形する第2のキャビティとなる成形型の前記第1のキャビティ内および前記第2のキャビティ内に、未硬化で液状をなし、硬化した際に前記コネクタハウジングおよび前記ガイドピンとなる樹脂材料を前記液状の状態で充填する第1の工程と、
前記第1のキャビティ内に前記光導波路をその一端面が前記底部に突き当たるまで挿入する第2の工程と、
前記液状の樹脂材料を硬化させ、その硬化した樹脂材料で、前記コネクタハウジングおよび前記ガイドピンを一括して成形する第3の工程と、
前記成形型を離型する第4の工程とを有することを特徴とするコネクタの製造方法。
【0015】
(7) 帯状をなす光導波路と、該光導波路の一端部に装着されたコネクタハウジングとを備え、他のコネクタと接続される際に、該他のコネクタとの位置決めを行なうガイド孔が前記コネクタハウジングに形成されているコネクタを製造する方法であって、
底部と該底部の縁部から立設した側壁とを有し、前記底部と前記側壁とで囲まれた内腔部が前記コネクタハウジングを成形するキャビティとなり、前記ガイド孔を成形するための突出部が前記底部から前記キャビティ内に向かって突出形成された成形型の前記キャビティ内に、未硬化で液状をなし、硬化した際に前記コネクタハウジングとなる樹脂材料を前記液状の状態で充填する第1の工程と、
前記キャビティ内に前記光導波路をその一端面が前記底部に突き当たるまで挿入する第2の工程と、
前記液状の樹脂材料を硬化させ、その硬化した樹脂材料で、前記ガイド孔が形成された前記コネクタハウジングを成形する第3の工程と、
前記成形型を離型する第4の工程とを有することを特徴とするコネクタの製造方法。
【0016】
(8) 前記側壁には、前記第1のキャビティに連通し、該第1のキャビティ内に前記液状の樹脂材料を注入する注入口が設けられており、
前記第1の工程では、前記液状の樹脂材料を前記注入口を介して充填する上記(6)または(7)に記載のコネクタの製造方法。
【0017】
(9) 前記コネクタは、前記光導波路の一端部の少なくとも一方の面に当接し、前記一端部を支持する支持板を備えるものであり、
前記第2の工程で、前記光導波路を前記第1のキャビティに挿入する際、前記支持板を前記光導波路の一端部に当接させたままその挿入を行なう上記(6)ないし(8)のいずれか一項に記載のコネクタの製造方法。
【0018】
(10) 前記支持板の幅は、前記光導波路の幅よりも大きい上記(9)に記載のコネクタ。
【0019】
(11) 前記光導波路は、少なくとも1本のコア部を有するものであり、
前記第3の工程に先立って、前記コア部を基準として、前記光導波路と前記第2のキャビティとの位置決めを行なう上記(1)ないし(10)のいずれか一項に記載のコネクタの製造方法。
【0020】
(12) 前記樹脂材料は、紫外線を照射することにより硬化するものである上記(1)ないし(11)のいずれか一項に記載のコネクタの製造方法。
【0021】
(13) 前記コネクタは、前記光導波路が少なくとも1本のコア部を有するものであり、該コア部の一端面を覆うレンズをさらに備え、
前記成形型は、前記レンズを形成するための凹部を有する上記(1)ないし(12)のいずれか一項に記載のコネクタの製造方法。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、コネクタハウジングで光導波路を直接的に固定することができるとともに、コネクタハウジングとガイドピンとを一括して成形することができる。これにより、例えば光導波路を接着剤を介して固定したり、ガイドピンをコネクタハウジングと別体で設けるような従来の製造方法よりも、コネクタを構成する各部材同士の位置精度が高い
コネクタを容易かつ確実に製造することができる。このようなコネクタは、好適に他のコネクタに接続され得る。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明のコネクタの製造方法(第1実施形態)で製造されたコネクタを示す斜視図である。
【図2】本発明のコネクタの製造方法(第1実施形態)での各工程を順に説明するための正面図である。
【図3】本発明のコネクタの製造方法(第1実施形態)での各工程を順に説明するための正面図である。
【図4】本発明のコネクタの製造方法(第1実施形態)での各工程を順に説明するための正面図である。
【図5】本発明のコネクタの製造方法(第1実施形態)での各工程を順に説明するための正面図である。
【図6】本発明のコネクタの製造方法(第1実施形態)での各工程を順に説明するための正面図である。
【図7】本発明のコネクタの製造方法(第1実施形態)での各工程を順に説明するための正面図である。
【図8】図2中の矢印A方向から見た図である。
【図9】「ガイドピンコネクタ製造方法」の場合において、図3中のB−B線断面図である。
【図10】「ガイド孔コネクタ製造方法」の場合において、図3中のB−B線断面図である。
【図11】「ガイドピンコネクタ製造方法」の場合において、図4中のC−C線断面図である。
【図12】「ガイド孔コネクタ製造方法」の場合において、図4中のC−C線断面図である。
【0024】

【図13】「ガイドピンコネクタ製造方法」の場合において、図5中のD−D線断面図である。
【図14】「ガイド孔コネクタ製造方法」の場合において、図5中のD−D線断面図である。
【図15】「ガイドピンコネクタ製造方法」の場合において、図6中のE−E線断面図である。
【図16】「ガイド孔コネクタ製造方法」の場合において、図6中のE−E線断面図である。
【図17】「ガイドピンコネクタ製造方法」の場合において、図7中のF−F線断面図である。
【図18】「ガイド孔コネクタ製造方法」の場合において、図7中のF−F線断面図である。
【図19】「ガイドピンコネクタ製造方法」の場合において、本発明のコネクタの製造方法(第2実施形態)での各工程を順に説明するための縦断面図である。
【図20】「ガイド孔コネクタ製造方法」の場合において、本発明のコネクタの製造方法(第2実施形態)での各工程を順に説明するための縦断面図である。
【図21】「ガイドピンコネクタ製造方法」の場合において、本発明のコネクタの製造方法(第2実施形態)での各工程を順に説明するための縦断面図である。
【図22】「ガイド孔コネクタ製造方法」の場合において、本発明のコネクタの製造方法(第2実施形態)での各工程を順に説明するための縦断面図である。
【図23】「ガイドピンコネクタ製造方法」の場合において、本発明のコネクタの製造方法(第3実施形態)での1つの工程を説明するための縦断面図である。
【図24】「ガイド孔コネクタ製造方法」の場合において、本発明のコネクタの製造方法(第3実施形態)での1つの工程を説明するための縦断面図である。
【図25】「ガイドピンコネクタ製造方法」の場合において、本発明のコネクタの製造方法(第4実施形態)での1つの工程を説明するための部分縦断面図である。
【図26】「ガイド孔コネクタ製造方法」の場合において、本発明のコネクタの製造方法(第4実施形態)での1つの工程を説明するための部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明のコネクタの製造方法を添付図面に示す好適な実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0026】
<第1実施形態>
図1は、本発明のコネクタの製造方法(第1実施形態)で製造されたコネクタを示す斜視図、図2〜図7は、それぞれ、本発明のコネクタの製造方法(第1実施形態)での各工程を順に説明するための正面図、図8は、図2中の矢印A方向から見た図、図9(ガイドピンコネクタ製造方法)、または図10(ガイド孔コネクタ製造方法)は、図3中のB−B線断面図、図11(ガイドピンコネクタ製造方法)、または図12(ガイド孔コネクタ製造方法)は、図4中のC−C線断面図、図13(ガイドピンコネクタ製造方法)、または図14(ガイド孔コネクタ製造方法)は、図5中のD−D線断面図、図15(ガイドピンコネクタ製造方法)、または図16(ガイド孔コネクタ製造方法)は、図6中のE−E線断面図、図17(ガイドピンコネクタ製造方法)、または図18(ガイド孔コネクタ製造方法)は、図7中のF−F線断面図である。なお、以下では、説明の都合上、図1〜図7中の上側を「上」または「上方」、下側を「下」または「下方」と言う。また、図1中の左下側を「一端側」、右上側を「他端側」と言い、図8〜図18中(図19〜図24についても同様)の下側を「一端側」、上側を「他端側」と言う。
【0027】
図1に示すコネクタ1は、帯状をなす光導波路20と、光導波路20の一端部を支持し合う一対の支持板5a、5bと、光導波路20の一端部に支持板5a、5bごと装着されたコネクタハウジング2と、ガイドピン4a、4bとを備えている。また、コネクタ1には、その接続される相手体(他のコネクタ)である光ケーブル90を接続することができる。以下、各部の構成について説明する。
【0028】
光導波路20は、平面視で長尺状(線状)をなすコア部(導波路チャンネル)201a、201b、201cと、クラッド部202a、202b、202c、202dとが形成され、これらが交互に配置されている。また、コア部201a、201b、201cと、クラッド部202a、202b、202c、202dとは、その上下方向からそれぞれ上側クラッド部204aと下側クラッド部204bとに挟持されている。このように光導波路20は、複数のコア部を有するマルチチャンネルのものとなっている。そして、コア部201a〜201cの一端面は、それぞれ、光ケーブル90の光導波路(通過路)20’のコア部201a〜201cの一端面と接続される接続端となる。そして、光は、光導波路20、20’間でコア部201a〜201cをそれぞれ通過することができる。
【0029】
また、コア部201a〜201cと、クラッド部202a〜202d、上側クラッド部204a、下側クラッド部204bとは、互いに光の屈折率が異なり、その屈折率の差は、0.5%以上であるのが好ましく、より好ましくは、0.8以上であり、特に好ましくは、1.0%以上である。
【0030】
コア部201a〜201c、クラッド部202a〜202d、上側クラッド部204a、下側クラッド部204bの各構成材料は、それぞれ、屈折率に差が生じる材料であれば
特に限定されないが、例えば、特開2010−090328号公報に記載されている「コア領域」や「クラッド領域」の構成材料、特開2010−189458号公報に記載されている「コア層(コア部、クラッド部)」、「第1クラッド層」、「第2クラッド層」の構成材料を用いることができる。
【0031】
また、光導波路20の厚さは、15〜200μm程度であるのが好ましく、30〜100μm程度であるのがより好ましい。
【0032】
このような構成により、光導波路20は、可撓性を有するものとなり、コネクタ1が設置される装置(例えばHPC(High Performance Computing Server)サーバ、ルータ・自
動車など短・中距離ハーネス・汎用のパソコン、モバイルフォン内部配線)内での配線(ケーブリング)が容易となる。
【0033】
光導波路20の一端部には、当該一端部をその両面側から挟持する一対の支持板5a、5bが配置されている。支持板5aは、光導波路20の下面に当接しており、支持板5bは、光導波路20の上面に当接している。また、支持板5a、5bは、それぞれ、接着剤30を介して光導波路20に接着されている。
【0034】
支持板5a、5bは、それぞれ、短冊状をなす小片(平板)で構成されている。そして、支持板5a、5bは、それぞれ、光導波路20よりも剛性が高いものであり、例えば厚さが0.01〜5.00mmであるのが好ましく、0.10〜1.00mmであるのがより好ましい。
【0035】
また、支持板5a、5bの幅は、光導波路20の幅よりも大きく設定されており、例えば、光導波路20の幅の1.01〜1.50倍であるのが好ましく、1.05〜1.20倍であるのがより好ましい。これにより、例えば支持板5aを光導波路20に設置する際に支持板5aが光導波路20に対しその幅方向に若干ズレたとしても、支持板5aの方が幅が大であるため、当該支持板5aと光導波路20の一端部の下面全体とが確実に当接することができる(支持板5bについても同様)。従って、コネクタ1を製造する過程での、支持板5a、5bの光導波路20の幅方向に対する位置決めを比較的ラフに行なうことができる。
【0036】
ところで、光導波路20は可撓性を有するものであるため、コネクタ1を製造する際に、支持板5a、5bを省略した状態で一端部を成形型100内で、液状の状態の第1の樹脂材料(樹脂材料)10で封止した(モールドした)場合、第1の樹脂材料10が硬化する過程で、当該第1の樹脂材料10の変化に追従して、光導波路20が位置ズレたり、変形したり(例えばしわが生じる等)することがある。ここで、ガイドピンコネクタ製造方法の場合、第1の樹脂材料10とは、コネクタハウジング2およびガイドピン4a、4bを構成する材料であり、ガイド孔コネクタ製造方法の場合、第1の樹脂材料10とは、コネクタハウジング2を構成する材料である。
【0037】
しかしながら、コネクタ1では、光導波路20の一端部は、支持板5aと支持板5bとの間に挟持されているため、支持、補強されることとなり、前記位置ズレや変形を確実に防止することができる。これにより、コネクタ1を光ケーブル90に接続した状態では、光導波路20のコア部201aと光導波路20’のコア部201aとが確実に光学的に接続され、光導波路20のコア部201bと光導波路20’のコア部201bとが確実に光学的に接続され、光導波路20のコア部201cと光導波路20’のコア部201cとが確実に光学的に接続される。そして、このように接続されたコネクタ1と光ケーブル90との間では、光の出入り(行き来)を確実に行なうことができる。
【0038】
コネクタハウジング2は、光導波路20の一端部の外周側を支持板5a、5bごと覆うように設けられている。このコネクタハウジング2は、成形型100でブロック状に成形される(図6、図7、図17、図18参照)。
【0039】
また、図1に示すように、コネクタ1では、コネクタハウジング2内に、支持板5a、5bの全体がそれぞれ埋設されている。これにより、コネクタハウジング2が硬化する過程で、当該コネクタハウジング2により支持板5aと支持板5bとが互いに反対方向に向かって光導波路20を押圧することができる。よって、光導波路20は、支持板5a、5bの平面形状に沿って矯正されることとなり、前記変形をより確実に防止することができる。
ガイドピンコネクタ製造方法の場合、コネクタハウジング2の一端面21には、ガイドピン4a、4bがそれぞれ突出形成されている。また、ガイドピン4aとガイドピン4bとは、光導波路20を介して離間して配置されている。ガイドピン4a、4bは、成形型100で成形される(図17、図18参照)。
【0040】
ガイドピン4a、4bは、コネクタ1が光ケーブル90に接続される際に、光ケーブル90のガイド孔902a、902bにそれぞれ挿入される。これにより、コネクタ1の光導波路20と光ケーブル90の光導波路20’との位置決めがなされる。よって、前述した光導波路20のコア部201a〜201cと光導波路20’のコア部201a〜201cとの光学的な接続を、より確実に行なうことができる。
【0041】
ガイドピン4a、4bは、それぞれ、その形状が円柱状をなすものであり、一端面41が平面であってもよいし、丸みを帯びた曲面であってもよい。
【0042】
コネクタハウジング2およびガイドピン4a、4bと、支持板5a、5bとは、それぞれ、樹脂材料で構成されているが、その組成は互いに異なる。
ガイド孔コネクタ製造方法の場合、コネクタハウジング2には、その一端面21から他端面24までを貫通する、ガイド孔22a、22bがそれぞれ形成されている。ガイド孔22aの内径と、ガイド孔22bの内径とは、長手方向に沿って一定となっており、互いの大きさも同じである。また、ガイド孔22aとガイド孔22bとは、光導波路20を介して離間して配置されている。
【0043】
ガイド孔22a、22bは、コネクタ1が光ケーブル90に接続される際に、光ケーブル90のガイドピン902a、902bにそれぞれ挿入される。これにより、コネクタ1の光導波路20と光ケーブル90の光導波路20’との位置決めがなされる。よって、前述した光導波路20のコア部201a〜201cと光導波路20’のコア部201a〜201cとの光学的な接続を、より確実に行なうことができる。
【0044】
このようなコネクタハウジング2と、支持板5a、5bとは、それぞれ、樹脂材料で構成されているが、その組成は互いに異なる。
【0045】


コネクタハウジング2およびガイドピン4a、4bを構成する第1の樹脂材料10(ガイドピンコネクタ製造方法の場合)、または、コネクタハウジング2を構成する第1の樹脂材料10(ガイド孔コネクタ製造方法の場合)としては、光硬化性樹脂を用いることができ、その樹脂としては、例えば、アクリル系化合物(アクリル系樹脂)を主成分とする紫外線硬化性樹脂、環状オレフィン系化合物(環状オレフィン系樹脂)を主成分とする紫外線硬化性樹脂、ウレタンアクリレートオリゴマーまたはポリエステルウレタンアクリレートオリゴマーを主成分とする紫外線硬化性樹脂、エポキシ系樹脂、ビニルフェノール系
樹脂の群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする紫外線硬化性樹脂等が挙げられる。これらの中でも、アクリル系化合物を主成分とする紫外線硬化性樹脂、および、環状オレフィン系化合物を主成分とする紫外線硬化性樹脂の群から選ばれる少なくとも1種を主成分とする紫外線硬化性樹脂が好ましい。アクリル系化合物および環状オレフィン系化合物は光を照射した際の硬化速度が速く、これにより、比較的少量の照射量で樹脂を硬化させることができ、コネクタ1の製造上好ましい。
【0046】
光硬化性樹脂として、アクリル系化合物(アクリル系樹脂)を主成分とする紫外線硬化性樹脂を用いた場合、アクリル系化合物としては、例えば、アクリル酸エステルもしくはメタクリル酸エステルのモノマー等が挙げられ、具体的にはジアクリル酸エチレングリコール、ジメタクリ酸エチレングリコール、ジアクリル酸1,6-ヘキサンジオール、ジメ
タクリル酸1,6-ヘキサンジオール、ジアクリル酸グリセリン、ジメタクリル酸グリセ
リン、ジアクリル酸1,10-デカンジオール、ジメタクリル酸1,10-デカンジオール等の2官能アクリレート、トリアクリル酸トリメチロールプロパン、トリメタクリル酸トリメチロールプロパン、トリアクリル酸ペンタエリスリトール、トリメタクリル酸ペンタエリスリトール、ヘキサアクリル酸ジペンタエリスリトール、ヘキサメタクリル酸ジペンタエリスリトール等の多官能アクリレートなどが挙げられる。これらの中でもアクリル酸エステルが好ましく、特に好ましくはエステル部位の炭素数が1〜15のアクリル酸エステルまたはメタクリル酸アルキルエステルが好ましい。
【0047】
一方、支持板5a、5bを構成する第2の樹脂材料としては、例えば、無機材料である、アルミナのようなセラミックス材料、石英ガラス、ソーダガラスのようなガラス材料、アルミニウム、ステンレス鋼のような金属材料、その他、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、シクロオレフィンポリマー、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリアリレートのような樹脂材料等が用いられる。
【0048】
このように互いに組成が異なる樹脂材料を用いることにより、例えば、各部材のそれぞれの成形に適した材料を用いることができる。
【0049】
以上のような構成のコネクタ1は、本発明のコネクタの製造方法により製造される。
【0050】
図1に示すように、光ケーブル90は、コネクタ1の光導波路20と光学的に接続されるものである。この光ケーブル90は、光導波路20と同様に、コア部201a、201b、201cと、クラッド部202a、202b、202c、202dとを有する光導波路20’と、光導波路20’の一端部に装着されたコネクタハウジング(以下単に「ハウジング」と言う)901とを有している。
【0051】
光ケーブル90とコネクタ1とが接続された接続状態では、光ケーブル90の光導波路20’とコネクタ1の光導波路20との間で光通信を行なうことができる。
ガイドピンコネクタ製造方法の場合、ハウジング901は、筒体で構成され、その内側で光導波路20’の一端部を固定することができる。このハウジング901には、前述したようにコネクタ1のコネクタハウジング2のガイドピン4a、4bがそれぞれ挿入される、ガイド孔902a、902bが形成されている。
ガイド孔コネクタ製造方法の場合、ハウジング901は、筒体で構成され、その内側で光導波路20’の一端部を固定することができる。このハウジング901には、円柱状のガイドピン902a、902bが突出して形成されている。そして、ガイドピン902aがコネクタ1のコネクタハウジング2のガイド孔22aに挿入され、ガイドピン902bがコネクタ1のコネクタハウジング2のガイド孔22bに挿入される。
【0052】
次に、コネクタ1を製造する方法(ガイドピンコネクタ製造方法の場合)について、図
2〜図9、図11、図13、図15、図17)を参照しつつ説明する。
【0053】
この製造方法では、製造工程の途中で、図3〜図6、図9、図11、図13、図15に示す成形型100を用いる。
【0054】
成形型100は、底部107と底部107の縁部から立設した壁部(側壁)103とを有する有底筒状(角筒状)の部材で構成されている。そして、底部107と壁部103とで囲まれた内腔部が、コネクタハウジング2をブロック状に成形する第1のキャビティ101となる。
【0055】
底部107には、その他端面108に凹没して形成された凹部で構成された第2のキャビティ105a、105bが形成されている。第2のキャビティ105a、105bは、それぞれ、他端面108に開口しており、第1のキャビティ101に連通している。第2のキャビティ105aは、ガイドピン4aを成形する部分であり、第2のキャビティ105bは、ガイドピン4bを成形する部分である。
【0056】
また、底部107には、その一端面104から第2のキャビティ105a、105bにそれぞれ連通する細孔で構成された排気孔106a、106bが形成されている。図11に示すように、コネクタ1の製造途中では、排気孔106aを介して、第2のキャビティ105a内の空気Gが排出され、排気孔106bを介して、第2のキャビティ105b内の空気Gが排出される。なお、排気孔106a、106bには、疎水フィルタ(図示せず)が設置されている。これにより、排気孔106a、106bから液状状態の第1の樹脂材料10が漏出するのを確実に防止することができる。
【0057】
また、成形型100の壁部103には、液状状態の第1の樹脂材料10が注入される湯口(注入口)102が形成されている。湯口102は、第1のキャビティ101と連通している。この湯口102を介して成形型100内に第1の樹脂材料10を充填する(注入する)ことができる。湯口102は、底部107側よりも基端開口部109側に近い位置に配されているのが好ましい。
【0058】
また、成形型100は、それを使用する際には、底部107が鉛直下方に位置し、基端開口部109が鉛直上方を向くよう設置されるのが好ましい。
【0059】
このような構成の成形型100は、光透過性を有し、その材料としては、特に限定されないが、例えば、ガラス、アクリル、ポリエステル(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シリコーンゴム等が挙げられる。
【0060】
また、成形型100は、底部107と壁部103とが一体的に形成されたものであってもよいし、底部107と壁部103とがそれぞれ別体で構成され、これら別体同士が接合されたものであってもよい。
【0061】
さらに、成形型100は、底部107に、レンズとして機能するレンズ部が設けられていてもよい。このレンズ部は、コネクタ1の製造途中で第1のキャビティ101内の液状状態の第1の樹脂材料10を紫外線を照射して硬化する際に、その紫外線を第1の樹脂材料10に向けて集光することができるよう構成されている。これにより、紫外線を第1の樹脂材料10に十分かつ確実に当てることができ、よって、当該第1の樹脂材料10を確実に硬化させることができる。
【0062】
ガイドピンコネクタ製造方法の場合、コネクタ1の製造方法は、準備工程と、挿入工程(第1の工程)と、充填工程(第2の工程)と、位置決め工程と、硬化工程(第3の工程
)と、離型工程(第4の工程)とを有し、各工程がこの順に行なわれる。
【0063】
[A−1] 準備工程
まず、図2、図8に示すように、1本の光導波路20と、支持板5a、5bとを用意する。そして、ラミネータでボンディングシート(接着剤30)を貼りつけた状態の光導波路20の一端部の下面に支持板5aを当接させ、ラミネータでボンディングシート(接着剤30)を貼りつけた状態の光導波路20の一端部の上面に支持板5bを当接させ、圧着する。また、図8に示すように、このとき、支持板5a、5bの各一端面51をそれぞれ光導波路20の一端面203に重ならせとともに、光導波路20を支持板5a、5bの幅方向のほぼ中央部に位置させる。
【0064】
[A−2] 挿入工程(第1の工程)
次に、図3、図9に示すように、支持板5a、5bがそれぞれ当接した状態の光導波路20の一端部を成形型100の第1のキャビティ101内に挿入する(収納する)。このときも光導波路20と支持板5a、5bとの位置関係は、前記準備工程での位置関係と同様の状態で維持されている。これにより、以降の工程でも、光導波路20が支持板5a、5bで支持される。
【0065】
また、第1のキャビティ101に対する光導波路20の挿入深さは、当該光導波路20の一端面203が成形型100の底部107の他端面108に突き当たるまでである。
【0066】
また、この挿入の際には、光導波路20は、成形型100(第1のキャビティ101)の中央部、すなわち、成形型100の中心軸上に配置される。
【0067】
図9に示すように、成形型100の一端側には、位置決め工程で用いられるCCD(Charge Coupled Device)カメラ500が配置されている。このCCDカメラ500は、次
工程以降もこの位置に配されたままとなっている。
【0068】
[A−3] 充填工程(第2の工程)
次に、図4、図11に示すように、成形型100の湯口102から液状状態(未硬化状態)の第1の樹脂材料10を注入する(充填する)。これにより、第1のキャビティ101内と、第2のキャビティ105a、105b内とが第1の樹脂材料10で確実に満たされる。このとき、第2のキャビティ105a内の空気Gは、第1の樹脂材料10に押されて、排気孔106aから排出され、第2のキャビティ105b内の空気Gも、第1の樹脂材料10に押されて、排気孔106bを介して排出される。これにより、第1のキャビティ101よりも小さい(狭い)空間を有する第2のキャビティ105a、105b内全体に第1の樹脂材料10が確実に行き渡る。
【0069】
[A−4] 位置決め工程
次に、光導波路20の他端側からその方向に向かって、例えば面光源を用いて光を照射する。これにより、光導波路20のコア部201a〜201cの一端面がそれぞれ発光する。
【0070】
さらに、この状態の光導波路20の一端面側の濃淡画像を、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラ500を用いて撮像する。これにより、コア部201a〜201c
が発光している箇所、すなわち、3つの発光点を検出することができる。そして、これら3つの発光点のうちの最も左側に位置する発光点を抽出して、当該発光点(中心点)を、光導波路20と第2のキャビティ105a(ガイドピン4a)との位置を決定する際の基準Sとする。
【0071】
次に、第2のキャビティ105aの中心点Oが、基準Sから図5中の左側に所定距離Lx離間し、上下方向で基準Sと同じ位置となるように、光導波路20の位置を微調整する(図11参照)。これにより、光導波路20とガイドピン4a、4b(第2のキャビティ105a、105b)との正確な位置決めがなされたコネクタ1を得る。なお、第2のキャビティ105aの中心点Oは、予め検出されており、所定距離Lxも予め決定されたものである。
【0072】
ところで、コネクタ1は、光ケーブル90との接続状態では、光導波路20のコア部201a〜201cと、光導波路20’のコア部201a〜201cとの位置決め、すなわち、接続が最も重要である。そこで、前述したようにコア部を基準Sとして第2のキャビティ105aの位置を決定すれば、第2のキャビティ105aで成形されるガイドピン4aが、光ケーブル90のガイド孔902aに挿入されるだけで、コア部201a〜201c同士の位置決めが確実に行なわれることとなる。従って、「コア部を基準Sとする」のは、第2のキャビティ105aの位置を決定する上で好ましいことが分かる。
【0073】
また、微調整された光導波路20の位置を規制する位置規制手段(図示せず)が成形型100に設置されているのが好ましい。この位置規制手としては、特に限定されないが、例えば、万力が挙げられる。
【0074】
[A−5] 硬化工程(第3の工程)
次に、図6に示すように、紫外線を照射する紫外線照射装置400aを成形型100の図中上側に配置し、紫外線照射装置400bを成形型100の図中下側に配置する。そして、この状態で紫外線照射装置400a、400bを作動させて、紫外線を照射する。これにより、第1のキャビティ101内の第1の樹脂材料10と、第2のキャビティ105a、105b内の第1の樹脂材料10とを確実に硬化させることができ、よって、この硬化した第1の樹脂材料10でコネクタハウジング2およびガイドピン4a、4bを一括して成形することができる(図6、図15参照)。
【0075】
なお、本工程での紫外線の波長は、200〜500nmであるのが好ましく、350〜380nmであるのがより好ましい。また、紫外線の露光量は、10〜200kJ/m
が好ましく、60〜120kJ/mであるのがより好ましい。
【0076】
[A−6] 離型工程(第4の工程)
次に、図7、図17に示すように、成形型100を離型する。
【0077】
以上のような工程を経ることにより、好適に光ケーブル90に接続され得るコネクタ1を容易かつ確実に製造することができる。
【0078】
また、本製造方法により、光導波路20に対して正確に位置決めされたガイドピン4a、4bと、コネクタハウジング2とを一体的に形成することができ、よって、例えばガイドピンをコネクタハウジングと別体で設けるような従来の製造方法よりもコネクタ1の製造が容易となる。本製造方法は、従来の製造方法よりもガイドピンの位置精度が通常10μm以内の誤差範囲内となり、精度が向上する。
【0079】
また、本製造方法では、コネクタハウジング2の一端面21に対する研磨加工を省略することができる。
【0080】
<第2実施形態>
図19、図21は、それぞれ、本発明のコネクタの製造方法(第2実施形態)での各工程を順に説明するための縦断面図である。
【0081】
以下、これらの図を参照して本発明のコネクタの製造方法の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0082】
本実施形態は、一部の工程の順番が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。すなわち、本実施形態での製造方法は、充填工程と挿入工程との順番が入れ替わること以外は、前記第1実施形態と同様である。
【0083】
本実施形態での製造方法は、前記第1実施形態での製造方法の[A−1]準備工程と同様の工程を経、次に、[B−2]充填工程(第1の工程)、[B−3]挿入工程(第2の工程)を経、最後に、前記第1実施形態での製造方法の[A−4]位置決め工程と、[A−5]硬化工程(第3の工程)と、[A−6]離型工程(第4の工程)と同様の各工程を経る。このような工程を経ることによっても、好適に光ケーブル90に接続され得るコネクタ1を容易かつ確実に製造することができる。
【0084】
ここでは、[B−2]充填工程、[B−3]挿入工程について説明する。
【0085】
[B−2] 充填工程
図19に示すように、成形型100の湯口102から液状状態の第1の樹脂材料10を充填する。これにより、第1のキャビティ101内と第2のキャビティ105a、105b内とが第1の樹脂材料10で確実に満たされる。なお、第1のキャビティ101内には、光導波路20は、未だ挿入されていない。
【0086】
また、第1の樹脂材料10を充填した際には、第2のキャビティ105a内の空気Gは、第1の樹脂材料10に押されて、排気孔106aから排出され、第2のキャビティ105b内の空気Gも、第1の樹脂材料10に押されて、排気孔106bを介して排出される。これにより、第2のキャビティ105a、105b内全体に第1の樹脂材料10が確実に行き渡る。
【0087】
[B−3] 挿入工程
次に、図21に示すように、支持板5a、5bがそれぞれ当接した状態の光導波路20の一端部を成形型100の第1のキャビティ101内に挿入する。このときの挿入深さは、当該光導波路20の一端面203が成形型100の底部107の他端面108に突き当たるまでである。
【0088】
また、このとき、光導波路20は、成形型100(第1のキャビティ101)の中央部、すなわち、成形型100の中心軸上に配置される。
【0089】
その後、[A−4]位置決め工程、[A−5]硬化工程、[A−6]離型工程を順に経ることにより、コネクタ1を得る。
【0090】
<第3実施形態>
図23は、本発明のコネクタの製造方法(第3実施形態)での1つの工程を説明するための縦断面図である。
【0091】
以下、この図を参照して本発明のコネクタの製造方法の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0092】
本実施形態は、コネクタの構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。す
なわち、本実施形態では、コネクタは支持板が省略されたものであること以外は、前記第1実施形態と同様である。
【0093】
図23に示すように、挿入工程では、支持板5a、5bによる支持が省略された光導波路20、すなわち、光導波路20単体で、当該光導波路20の一端部を成形型100の成形型100の第1のキャビティ101内に挿入する。このときの挿入深さは、当該光導波路20の一端面203が成形型100の底部107の他端面108に突き当たるまでである。
【0094】
また、この挿入の際には、光導波路20は、成形型100(第1のキャビティ101)の中央部、すなわち、成形型100の中心軸上に配置される。
【0095】
その後、充填工程、位置決め工程、硬化工程、離型工程を順に経ることにより、支持板5a、5bが省略されたコネクタ1を得る。
【0096】
<第4実施形態>
図25は、本発明のコネクタの製造方法(第4実施形態)での1つの工程を説明するための部分縦断面図である。
【0097】
以下、この図を参照して本発明のコネクタの製造方法の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0098】
本実施形態は、コネクタおよび成形型の構成がそれぞれ異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0099】
図25に示すように、成形型100は、その底部107の他端面108に3つの凹部110が凹没して形成されている。各凹部110は、それぞれ、光導波路20のコア部201a〜201cに対応する、すなわち、臨む位置に配置されている。
【0100】
そして、成形型100は、充填工程で湯口102から液状状態の第1の樹脂材料10を充填すると、当該第1の樹脂材料10は、各凹部110にも充填されるよう構成されている。この各凹部110にそれぞれ充填された第1の樹脂材料10は、硬化工程で硬化して、コア部201a〜201cの一端面を覆うレンズとなる。
【0101】
コネクタ1が光ケーブル90に接続された際に、コネクタ1の光導波路20と光ケーブル90の光導波路20’とが若干ズレた場合でも、当該レンズの集光効果により、コネクタ1と光ケーブル90との間で光の行き来が確実に行われる。
【0102】
以上、本発明のコネクタの製造方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。また、コネクタを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0103】
また、本発明のコネクタの製造方法は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0104】
また、光導波路のコア部の本数は、前記各実施形態では3本であったが、これに限定されず、例えば、1本、2本または4本以上であってもよい。
【0105】
また、支持板は、前記各実施形態では光導波路の両面にそれぞれ当接するよう2枚設置
されているが、これに限定されず、例えば、光導波路の片面(一方の面)に当接するよう1枚設置されていてもよい。
【0106】
また、支持板を構成する第2の樹脂材料としては、前記各実施形態では第1の樹脂材料と異なる樹脂材料であったが、これに限定されず、同じ材料であってもよい。
【0107】
また、支持板の構成材料としては、樹脂材料の他に、ステンレス鋼等のような金属材料も用いることができる。
次に、コネクタ1を製造する方法(ガイド孔コネクタ製造方法)について、図2〜図10、図12、図14、図16、図18を参照しつつ説明する。
【0108】
この製造方法では、製造工程の途中で、図3〜図6、図10、図12、図14、図16に示す成形型100を用いる。
【0109】
成形型100は、底部107と底部107の縁部から立設した壁部(側壁)103とを有する有底筒状(角筒状)の部材で構成されている。そして、底部107と壁部103とで囲まれた内腔部が、コネクタハウジング2をブロック状に成形するキャビティ101となる。
【0110】
底部107には、その他端面108からキャビティ101内に向かって、すなわち、他端側に向かって、突出部105a、105bが突出形成されている。突出部105a、105bは、それぞれ、その形状が円柱状をなしている。また、突出部105a、105bの外径は、それぞれ、その長手方向に沿って一定となっている。そして、コネクタ1の製造過程で、突出部105aは、コネクタハウジング2のガイド孔22aを成形するための部分となり、突出部105bは、コネクタハウジング2のガイド孔22bを成形するための部分となる。
【0111】
また、成形型100の壁部103には、液状状態の第1の樹脂材料10が注入される湯口(注入口)102が形成されている。湯口102は、キャビティ101と連通している。この湯口102を介してキャビティ101内に第1の樹脂材料10を充填する(注入する)ことができる。湯口102は、底部107側よりも基端開口部109側に近い位置に配されているのが好ましい。さらに、湯口102は、突出部105a、105bの各端面(頂面)106よりも底部107側に位置するのが好ましい。
【0112】
また、成形型100は、それを使用する際には、底部107が鉛直下方に位置し、基端開口部109が鉛直上方を向くよう設置されるのが好ましい。
【0113】
このような構成の成形型100は、光透過性を有し、その材料としては、特に限定されないが、例えば、ガラス、アクリル、ポリエステル(PES)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、シリコーンゴム等が挙げられる。
【0114】
また、成形型100は、底部107と壁部103とが一体的に形成されたものであってもよいし、底部107と壁部103とがそれぞれ別体で構成され、これら別体同士が接合されたものであってもよい。
【0115】
さらに、成形型100は、底部107に、レンズとして機能するレンズ部が設けられていてもよい。このレンズ部は、コネクタ1の製造途中でキャビティ101内の液状状態の第1の樹脂材料10を紫外線を照射して硬化する際に、その紫外線を第1の樹脂材料10に向けて集光することができるよう構成されている。これにより、紫外線を第1の樹脂材料10に十分かつ確実に当てることができ、よって、当該第1の樹脂材料10を確実に硬
化させることができる。
【0116】
ガイド孔コネクタ製造方法の場合において、コネクタ1の製造方法は、準備工程と、挿入工程(第1の工程)と、充填工程(第2の工程)と、位置決め工程と、硬化工程(第3の工程)と、離型工程(第4の工程)とを有し、各工程がこの順に行なわれる。
【0117】
[A−1] 準備工程
まず、図2、図8に示すように、1本の光導波路20と、支持板5a、5bとを用意する。そして、ラミネータでボンディングシート(接着剤30)を貼りつけた状態の光導波路20の一端部の下面に支持板5aを当接させ、ラミネータでボンディングシート(接着剤30)を貼りつけた状態の光導波路20の一端部の上面に支持板5bを当接させ、圧着する。また、図8に示すように、このとき、支持板5a、5bの各一端面51をそれぞれ光導波路20の一端面203に重ならせとともに、光導波路20を支持板5a、5bの幅方向のほぼ中央部に位置させる。
【0118】
[A−2] 挿入工程(第1の工程)
次に、図3、図10に示すように、支持板5a、5bがそれぞれ当接した状態の光導波路20の一端部を成形型100のキャビティ101内に挿入する(収納する)。このときも光導波路20と支持板5a、5bとの位置関係は、前記準備工程での位置関係と同様の状態で維持されている。これにより、以降の工程でも、光導波路20が支持板5a、5bで支持される。
【0119】
また、キャビティ101に対する光導波路20の挿入深さは、当該光導波路20の一端面203が成形型100の底部107の他端面108に突き当たるまでである。
【0120】
また、この挿入の際には、光導波路20は、成形型100(キャビティ101)の中央部、すなわち、成形型100の中心軸上に配置される。
【0121】
図10に示すように、成形型100の一端側には、位置決め工程で用いられるCCD(Charge Coupled Device)カメラ500が配置されている。このCCDカメラ500は、
次工程以降もこの位置に配されたままとなっている。
【0122】
[A−3] 充填工程(第2の工程)
次に、図4、図12に示すように、成形型100の湯口102から液状状態(未硬化状態)の第1の樹脂材料10を注入する(充填する)。これにより、キャビティ101内が第1の樹脂材料10で確実に満たされる。
【0123】
なお、第1の樹脂材料10の充填量は、図14に示す構成では、その液面が突出部105a、105bの各端面106よりも一端側に位置する程度である。これにより、ガイド孔22a、22bがそれぞれコネクタハウジング2を貫通したものとなる。
【0124】
[A−4] 位置決め工程
次に、光導波路20の他端側からその方向に向かって、例えば面光源を用いて光を照射する。これにより、光導波路20のコア部201a〜201cの一端面がそれぞれ発光する。
【0125】
さらに、この状態の光導波路20の一端面側の濃淡画像を、例えばCCD(Charge Coupled Device)カメラ500を用いて撮像する。これにより、コア部201a〜201c
が発光している箇所、すなわち、3つの発光点を検出することができる。そして、これら3つの発光点のうちの最も左側に位置する発光点を抽出して、当該発光点(中心点)を、
光導波路20とキャビティ101(ガイド孔22a)との位置を決定する際の基準Sとする。
【0126】
次に、突出部105aの中心点Oが、基準Sから図5中の左側に所定距離Lx離間し、上下方向で基準Sと同じ位置となるように、光導波路20の位置を微調整する(図14参照)。これにより、光導波路20とガイド孔22a、22b(突出部105a、105b)との正確な位置決めがなされたコネクタ1を得る。なお、突出部105aの中心点Oは、予め検出されており、所定距離Lxも予め決定されたものである。
【0127】
ところで、コネクタ1は、光ケーブル90との接続状態では、光導波路20のコア部201a〜201cと、光導波路20’のコア部201a〜201cとの位置決め、すなわち、接続が最も重要である。そこで、前述したようにコア部を基準Sとして突出部105aの位置を決定すれば、突出部105aで成形されるガイド孔22aが、光ケーブル90のガイドピン902aに挿入されるだけで、コア部201a〜201c同士の位置決めが確実に行なわれることとなる。従って、「コア部を基準Sとする」のは、突出部105aの位置を決定する上で好ましいことが分かる。
【0128】
また、微調整された光導波路20の位置を規制する位置規制手段(図示せず)が成形型100に設置されているのが好ましい。この位置規制手としては、特に限定されないが、例えば、万力が挙げられる。
【0129】
[A−5] 硬化工程(第3の工程)
次に、図6に示すように、紫外線を照射する紫外線照射装置400aを成形型100の図中上側に配置し、紫外線照射装置400bを成形型100の図中下側に配置する。そして、この状態で紫外線照射装置400a、400bを作動させて、紫外線を照射する。これにより、キャビティ101内の第1の樹脂材料10を確実に硬化させることができ、よって、この硬化した第1の樹脂材料10で、ガイド孔22a、22bが一括して形成されたコネクタハウジング2を成形することができる(図6、図16参照)。
【0130】
なお、本工程での紫外線の波長は、200〜500nmであるのが好ましく、350〜380nmであるのがより好ましい。また、紫外線の露光量は、10〜200kJ/m
が好ましく、60〜120kJ/mであるのがより好ましい。
【0131】
[A−6] 離型工程(第4の工程)
次に、図7、図18に示すように、成形型100を離型する。
【0132】
以上のような工程を経ることにより、好適に光ケーブル90に接続され得るコネクタ1を容易かつ確実に製造することができる。
【0133】
また、本製造方法により、光導波路20に対して正確に位置決めされたガイド孔22a、22bを有するコネクタハウジング2を、当該ガイド孔22a、22bの形成とともに成形することができる。よって、例えばガイド孔をコネクタハウジングの成形後に加工して形成するような従来の製造方法よりもコネクタ1の製造が容易となる。本製造方法は、従来の製造方法よりもガイド孔の位置精度が通常10μm以内の誤差範囲内となり、精度が向上する。
【0134】
また、本製造方法では、コネクタハウジング2の一端面21に対する研磨加工を省略することができる。
【0135】
<第2実施形態>
図20、図22は、それぞれ、本発明のコネクタの製造方法(第2実施形態)での各工程を順に説明するための縦断面図である。
【0136】
以下、これらの図を参照して本発明のコネクタの製造方法の第2実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0137】
本実施形態は、一部の工程の順番が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。すなわち、本実施形態での製造方法は、充填工程と挿入工程との順番が入れ替わること以外は、前記第1実施形態と同様である。
【0138】
本実施形態での製造方法は、前記第1実施形態での製造方法の[A−1]準備工程と同様の工程を経、次に、[B−2]充填工程(第1の工程)、[B−3]挿入工程(第2の工程)を経、最後に、前記第1実施形態での製造方法の[A−4]位置決め工程と、[A−5]硬化工程(第3の工程)と、[A−6]離型工程(第4の工程)と同様の各工程を経る。このような工程を経ることによっても、好適に光ケーブル90に接続され得るコネクタ1を容易かつ確実に製造することができる。
【0139】
ここでは、[B−2]充填工程、[B−3]挿入工程について説明する。
【0140】
[B−2] 充填工程
図14に示すように、成形型100の湯口102から液状状態の第1の樹脂材料10を充填する。これにより、キャビティ101内が第1の樹脂材料10で確実に満たされる。なお、キャビティ101内には、光導波路20は、未だ挿入されていない。
【0141】
[B−3] 挿入工程
次に、図15に示すように、支持板5a、5bがそれぞれ当接した状態の光導波路20の一端部を成形型100のキャビティ101内に挿入する。このときの挿入深さは、当該光導波路20の一端面203が成形型100の底部107の他端面108に突き当たるまでである。
【0142】
また、このとき、光導波路20は、成形型100(キャビティ101)の中央部、すなわち、成形型100の中心軸上に配置される。
【0143】
その後、[A−4]位置決め工程、[A−5]硬化工程、[A−6]離型工程を順に経ることにより、コネクタ1を得る。
【0144】
<第3実施形態>
図24は、本発明のコネクタの製造方法(第3実施形態)での1つの工程を説明するための縦断面図である。
【0145】
以下、この図を参照して本発明のコネクタの製造方法の第3実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0146】
本実施形態は、コネクタの構成が異なること以外は前記第1実施形態と同様である。すなわち、本実施形態では、コネクタは支持板が省略されたものであること以外は、前記第1実施形態と同様である。
【0147】
図24に示すように、挿入工程では、支持板5a、5bによる支持が省略された光導波路20、すなわち、光導波路20単体で、当該光導波路20の一端部を成形型100の成
形型100のキャビティ101内に挿入する。このときの挿入深さは、当該光導波路20の一端面203が成形型100の底部107の他端面108に突き当たるまでである。
【0148】
また、この挿入の際には、光導波路20は、成形型100(キャビティ101)の中央部、すなわち、成形型100の中心軸上に配置される。
【0149】
その後、充填工程、位置決め工程、硬化工程、離型工程を順に経ることにより、支持板5a、5bが省略されたコネクタ1を得る。
【0150】
<第4実施形態>
図26は、本発明のコネクタの製造方法(第4実施形態)での1つの工程を説明するための部分縦断面図である。
【0151】
以下、この図を参照して本発明のコネクタの製造方法の第4実施形態について説明するが、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項はその説明を省略する。
【0152】
本実施形態は、コネクタおよび成形型の構成がそれぞれ異なること以外は前記第1実施形態と同様である。
【0153】
図26に示すように、成形型100は、その底部107の他端面108に3つの凹部110が凹没して形成されている。各凹部110は、それぞれ、光導波路20のコア部201a〜201cに対応する、すなわち、臨む位置に配置されている。
【0154】
そして、成形型100は、充填工程で湯口102から液状状態の第1の樹脂材料10を充填すると、当該第1の樹脂材料10は、各凹部110にも充填されるよう構成されている。この各凹部110にそれぞれ充填された第1の樹脂材料10は、硬化工程で硬化して、コア部201a〜201cの一端面を覆うレンズとなる。
【0155】
コネクタ1が光ケーブル90に接続された際に、コネクタ1の光導波路20と光ケーブル90の光導波路20’とが若干ズレた場合でも、当該レンズの集光効果により、コネクタ1と光ケーブル90との間で光の行き来が確実に行われる。
【0156】
以上、本発明のコネクタの製造方法を図示の実施形態について説明したが、本発明は、これに限定されるものではない。また、コネクタを構成する各部は、同様の機能を発揮し得る任意の構成のものと置換することができる。また、任意の構成物が付加されていてもよい。
【0157】
また、本発明のコネクタの製造方法は、前記各実施形態のうちの、任意の2以上の構成(特徴)を組み合わせたものであってもよい。
【0158】
また、光導波路のコア部の本数は、前記各実施形態では3本であったが、これに限定されず、例えば、1本、2本または4本以上であってもよい。
【0159】
また、支持板は、前記各実施形態では光導波路の両面にそれぞれ当接するよう2枚設置されているが、これに限定されず、例えば、光導波路の片面(一方の面)に当接するよう1枚設置されていてもよい。
【0160】
また、支持板を構成する第2の樹脂材料としては、前記各実施形態では第1の樹脂材料と異なる樹脂材料であったが、これに限定されず、同じ材料であってもよい。
【0161】
また、支持板の構成材料としては、樹脂材料の他に、ステンレス鋼等のような金属材料も用いることができる。
【0162】
また、コネクタハウジングに形成される各ガイド孔は、それぞれ、前記各実施形態ではコネクタハウジングを貫通するものであるが、これに限定されず、例えば、コネクタハウジングの途中まで形成されたものであってもよい。
【符号の説明】
【0163】
1 コネクタ
2 コネクタハウジング
21 一端面
22a、22b ガイド孔
24 他端面
4a、4b ガイドピン
41 一端面
5a、5b 支持板
51 一端面
10 第1の樹脂材料(樹脂材料)
20、20’ 光導波路
201a、201b、201c コア部(導波路チャンネル)
202a、202b、202c、202d クラッド部
203 一端面
204a 上側クラッド部
204b 下型クラッド部
30 接着剤
90 光ケーブル
901 コネクタハウジング(ハウジング)
902a、902b ガイド孔
100 成形型
101 第1のキャビティ
102 湯口(注入口)
103 壁部(側壁)
104 一端面
105a、105b 第2のキャビティ
106a、106b 排気孔
107 底部
108 他端面
109 開口部
110 凹部
400a、400b 紫外線照射装置
500 CCD(Charge Coupled Device)カメラ
G 空気
Lx 所定距離
S 基準
中心点



【特許請求の範囲】
【請求項1】
帯状をなす光導波路と、該光導波路の一端部に装着されたコネクタハウジングと、他のコネクタと接続される際に、該他のコネクタとの位置決めを行なうガイドピンとを備えるコネクタを製造する方法であって、
底部と該底部の縁部から立設した側壁とを有し、前記底部と前記側壁とで囲まれた内腔部が前記コネクタハウジングを成形する第1のキャビティとなり、前記第1のキャビティに連通し、前記底部に凹没して形成された凹部が前記ガイドピンを成形する第2のキャビティとなる成形型の前記第1のキャビティ内に前記光導波路をその一端面が前記底部に突き当たるまで挿入する第1の工程と、
未硬化で液状をなし、硬化した際に前記コネクタハウジングおよび前記ガイドピンとなる樹脂材料を、前記液状の状態で、前記第1のキャビティ内および前記第2のキャビティ内に充填する第2の工程と、
前記液状の樹脂材料を硬化させ、その硬化した樹脂材料で、前記コネクタハウジングおよび前記ガイドピンを一括して成形する第3の工程と、
前記成形型を離型する第4の工程とを有することを特徴とするコネクタの製造方法。
【請求項2】
帯状をなす光導波路と、該光導波路の一端部に装着されたコネクタハウジングとを備え、他のコネクタと接続される際に、該他のコネクタとの位置決めを行なうガイド孔が前記コネクタハウジングに形成されているコネクタを製造する方法であって、
底部と該底部の縁部から立設した側壁とを有し、前記底部と前記側壁とで囲まれた内腔部が前記コネクタハウジングを成形するキャビティとなり、前記ガイド孔を成形するための突出部が前記底部から前記キャビティ内に向かって突出形成された成形型の前記キャビティ内に前記光導波路をその一端面が前記底部に突き当たるまで挿入する第1の工程と、
未硬化で液状をなし、硬化した際に前記コネクタハウジングとなる樹脂材料を前記液状の状態で前記キャビティ内に充填する第2の工程と、
前記液状の樹脂材料を硬化させ、その硬化した樹脂材料で、前記ガイド孔が形成された前記コネクタハウジングを成形する第3の工程と、
前記成形型を離型する第4の工程とを有することを特徴とするコネクタの製造方法。
【請求項3】
前記側壁には、前記第1のキャビティに連通し、該第1のキャビティ内に前記液状の樹脂材料を注入する注入口が設けられており、
前記第2の工程では、前記液状の樹脂材料を前記注入口を介して充填する請求項1、または2に記載のコネクタの製造方法。
【請求項4】
前記コネクタは、前記光導波路の一端部の少なくとも一方の面に当接し、前記一端部を支持する支持板を備えるものであり、
前記第1の工程で、前記光導波路を前記第1のキャビティに挿入する際、前記支持板を前記光導波路の一端部に当接させたままその挿入を行なう請求項1ないし3のいずれか1項に記載のコネクタの製造方法。
【請求項5】
前記支持板の幅は、前記光導波路の幅よりも大きい請求項4に記載のコネクタ。
【請求項6】
帯状をなす光導波路と、該光導波路の一端部に装着されたコネクタハウジングと、他のコネクタと接続される際に、該他のコネクタとの位置決めを行なうガイドピンとを備えるコネクタを製造する方法であって、
底部と該底部の縁部から立設した側壁とを有し、前記底部と前記側壁とで囲まれた内腔部が前記コネクタハウジングを成形する第1のキャビティとなり、前記第1のキャビティに連通し、前記底部に凹没して形成された凹部が前記ガイドピンを成形する第2のキャビティとなる成形型の前記第1のキャビティ内および前記第2のキャビティ内に、未硬化で
液状をなし、硬化した際に前記コネクタハウジングおよび前記ガイドピンとなる樹脂材料を前記液状の状態で充填する第1の工程と、
前記第1のキャビティ内に前記光導波路をその一端面が前記底部に突き当たるまで挿入する第2の工程と、
前記液状の樹脂材料を硬化させ、その硬化した樹脂材料で、前記コネクタハウジングおよび前記ガイドピンを一括して成形する第3の工程と、
前記成形型を離型する第4の工程とを有することを特徴とするコネクタの製造方法。
【請求項7】
帯状をなす光導波路と、該光導波路の一端部に装着されたコネクタハウジングとを備え、他のコネクタと接続される際に、該他のコネクタとの位置決めを行なうガイド孔が前記コネクタハウジングに形成されているコネクタを製造する方法であって、
底部と該底部の縁部から立設した側壁とを有し、前記底部と前記側壁とで囲まれた内腔部が前記コネクタハウジングを成形するキャビティとなり、前記ガイド孔を成形するための突出部が前記底部から前記キャビティ内に向かって突出形成された成形型の前記キャビティ内に、未硬化で液状をなし、硬化した際に前記コネクタハウジングとなる樹脂材料を前記液状の状態で充填する第1の工程と、
前記キャビティ内に前記光導波路をその一端面が前記底部に突き当たるまで挿入する第2の工程と、
前記液状の樹脂材料を硬化させ、その硬化した樹脂材料で、前記ガイド孔が形成された前記コネクタハウジングを成形する第3の工程と、
前記成形型を離型する第4の工程とを有することを特徴とするコネクタの製造方法。
【請求項8】
前記側壁には、前記第1のキャビティに連通し、該第1のキャビティ内に前記液状の樹脂材料を注入する注入口が設けられており、
前記第1の工程では、前記液状の樹脂材料を前記注入口を介して充填する請求項6、または7に記載のコネクタの製造方法。
【請求項9】
前記コネクタは、前記光導波路の一端部の少なくとも一方の面に当接し、前記一端部を支持する支持板を備えるものであり、
前記第2の工程で、前記光導波路を前記第1のキャビティに挿入する際、前記支持板を前記光導波路の一端部に当接させたままその挿入を行なう請求項6ないし8のいずれか1項に記載のコネクタの製造方法。
【請求項10】
前記支持板の幅は、前記光導波路の幅よりも大きい請求項9に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記光導波路は、少なくとも1本のコア部を有するものであり、
前記第3の工程に先立って、前記コア部を基準として、前記光導波路と前記第2のキャビティとの位置決めを行なう請求項1ないし10のいずれか1項に記載のコネクタの製造方法。
【請求項12】
前記樹脂材料は、紫外線を照射することにより硬化するものである請求項1ないし11のいずれか1項に記載のコネクタの製造方法。
【請求項13】
前記コネクタは、前記光導波路が少なくとも1本のコア部を有するものであり、該コア部の一端面を覆うレンズをさらに備え、
前記成形型は、前記レンズを形成するための凹部を有する請求項1ないし12のいずれかに記載のコネクタの製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2013−41262(P2013−41262A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−155103(P2012−155103)
【出願日】平成24年7月11日(2012.7.11)
【出願人】(000002141)住友ベークライト株式会社 (2,927)
【Fターム(参考)】