説明

コード表示装置

【課題】 現在位置を示すコードを、移動中に手軽に表示することができるコード表示装置を提供する。
【解決手段】 コード表示装置であるレーダ探知機1は、レーダ監視のため、ソーラーパネル28aと充電電池とを備えていて、常時電力を供給できるように構成されている。そのため、このレーダ探知機1では、現在位置を常時特定することができ、しかも、その常時特定可能な現在位置情報を示すバーコードを液晶モニタ24に表示することが、いつでもすばやくできる。従って、このレーダ探知機1を用いれば、事故など必要なときにすばやく現在位置情報を含むバーコードを提示することができるので、事故など、現在位置を正確に警察等に伝えたいとき、カメラ付き携帯電話に備えられたカメラを利用してバーコードを読み込むことで、警察等に現在位置を正確に伝えることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現在位置を示すコードが表示されるコード表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カメラ付き携帯電話の中には、二次元バーコードをカメラで撮影すると、二次元バーコードが示す位置の周囲のお店を探すアプリケーションなど、二次元バーコードが示す位置に関連した様々なアプリケーションを実行することができるものがある。
【0003】
そのため、移動中に現在位置を示す二次元バーコードを表示できるものがあれば、上述したアプリケーションを利用し、現在位置の周囲のお店を探すことなどが簡単にできるので便利である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、現在位置を示す二次元バーコードを移動中に表示できるものが存在しないのが実状である。
そこで本発明では、現在位置を示すコードを、移動中に手軽に表示することができるコード表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した問題を解決するためになされた請求項1に記載のコード表示装置は、現在位置を特定する現在位置特定手段と、この現在位置特定手段で特定された前記現在位置を示すコードを作成するコード作成手段と、このコード作成手段で作成された前記コードを表示する表示手段と、を備えることを特徴とする。
【0006】
これによれば、現在位置特定手段が特定した現在位置を示すコードが表示手段で表示されるので、現在位置を示すコードを、移動中に手軽に表示することができる。
次に、請求項2に記載したコード表示装置のように、現在位置特定手段は、少なくとも、GPS衛星から送信される信号を受信して現在位置を特定できるものであることが望ましいが、その他にも、ビーコンなど現在位置を示す情報を発信する装置から、現在位置を示す情報を受信して現在位置を特定するなどしてもよい。
【0007】
次に、請求項3に記載したように、コードは、二次元バーコードでもよいし、請求項4に記載したように、複数桁の数字で示されたコードでもよい。請求項4の具体例としては、マップコード(登録商標)等が例示される。
【0008】
ところでこのコード表示装置を駆動させる電力を供給する供給源としては、車両のバッテリーや乾電池が考えられる。
しかし、バッテリーの場合、事故時にはバッテリーや送電系統が破損して、バッテリーから電力の供給を受けることができるとは限らず、乾電池の場合も、事故時に電池切れが生じていないとも限らない。
【0009】
そこで、事故のときなどでも確実に動作させるための第1の方法として、コード表示装置は、請求項5に記載したように、ソーラーパネルと、ソーラーパネルが発電を行っているときは充電を行い、ソーラーパネルが発電を行っていないときは放電する充放電手段と、を備えることが好ましい。
【0010】
これによれば、ソーラーパネルで行われる発電、あるいは、充放電手段で行われる放電により、コード表示装置を常時動作させることができるので、事故が発生したときでも、これらの電力を受けて、コードを確実に表示することができる。
【0011】
第2の方法として、請求項6に記載したように、接続すると車両の電力供給源から電力の供給を受けることができる車内用出力端子に対し着脱可能な入力端子を備えてもよい。
これによれば、事故により、事故を起した車両から電力供給源から電力の供給を受けられなくなっても、通りがかりの車両など、他の車両の車両用出力端子に入力端子をつなげれば、コードを表示することができるので、事故が発生したときでも、コードを確実に表示することができる。
【0012】
次に、請求項7に記載したコード表示装置のように、車両の外部から、車両の速度を検出するため車両に向かって発射されるレーダを検出するレーダ検出手段を備え、表示手段は、コードや、レーダ検出手段での検出結果を表示することを特徴とする。
【0013】
これによれば、コード表示装置は、コードを表示するとき以外はレーダ探知機として機能するので、利用効率が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明が適用された実施形態について図面を用いて説明する。
ここで図1は、レーダ探知機の斜視図である。
1.レーダ探知機(本発明のコード表示装置に相当)の外部構成
本実施形態のレーダ探知機1は、図1に示すように、上下方向に沿った断面で切断した断面形状がL字を時計方向に90°回転させた形状に形成された筐体10を備えている。
【0015】
そして、この筐体10の断面のL字に沿った側面であって、上面10aとでこのL字をなす正面10bには、図1に示すように、後述する液晶モニタ24の表示画面24aが形成されている。また、上面10aには、ソーラーパネル28aが設けられている。
2.レーダ探知機の内部構成。
【0016】
次に、本実施形態のレーダ探知機1の内部構造について説明する。
ここで図2は、本実施形態のレーダ探知機1の内部構成を示すブロック図である。
このレーダ探知機1は、中央制御装置20と、GPS受信部22と、液晶モニタ24と、レーダ探知アンテナ26と、電源供給部28、リモコン受信部30とを備えている。
【0017】
中央制御装置20は、図示しないCPU、ROM、RAM等を備えるコンピュータ装置であり、本実施形態のレーダ探知機1で実行される各種処理を実行する。
GPS受信部22は、GPS衛星から発信される位置測定用の信号を受信し、この位置測定用の信号に基づいて、その受信位置である現在位置の現在位置情報を作成する。
【0018】
液晶モニタ24は、中央制御装置20で実行される各種処理に基づく画像を表示するものである。
レーダ探知アンテナ26は、走行路の中央分離帯に設置された速度取締機から発信されるレーダであって、車両の速度を検出するためのレーダを受信するためのものである。
【0019】
電源供給部28は、前述したソーラーパネル28aと、充電電池28bと、シガーソケット接続端子28cを備えている。本実施形態のレーダ探知機1は、ソーラーパネル28aが太陽光を受光して発電を行っているときは、ソーラーパネル28aから電力の供給をうけて動作し、また、充電電池28bの充電がなされる。一方、ソーラーパネル28aが発電を行っていないとき、レーダ探知機1は、充電電池28bから電力供給を受けて動作する。また、このレーダ探知機1は、シガーソケット接続端子28cを、車内に設けられているシガーソケットに接続すると、車両のバッテリー等から電力の供給を受けて動作させることもできる。
【0020】
リモコン受信部30は、図示しないリモコンからの操作信号を受信するものであり、中央制御装置20は、リモコン受信部30が操作信号を受信すると、この操作信号に基づいた処理を実行する。
3.各種処理
次に、中央制御装置20で実行される各種処理について説明する。
【0021】
ここで、図3は、表示切替処理のフローチャートである。図4は、二次元バーコードであり、液晶モニタ24の表示画面24aに表示された状態のものを示している。
中央制御装置20は、図示しないリモコンが操作され、液晶モニタ24が表示する画像を切り替えることを指示する操作信号をリモコン受信部30が受信すると、その操作信号が何を示すものかを判定する(S10)。
【0022】
この判定で(S10)、現在位置情報を表示する旨の操作信号を受信した場合は(S10:現在位置)、GPS受信部22がGPS衛星から位置測定用の信号を受信して特定した現在位置情報を含む、二次元バーコード情報を作成する処理(S12)が実行された後、この処理で作成された二次元バーコードが、図4に示すように、液晶モニタ24の表示画面24aに表示される(S14)。
【0023】
一方、この判定で(S10)、現在位置情報の表示を解除する旨の操作信号を受信した場合は(S10:解除)、液晶モニタ24の表示画面24aに表示していた画像を消して、他の処理により、レーダ探知アンテナ26がレーダを受信したとき、受信を知らせる画像を表示するまで待機するための画像を表示する処理が実行される(S20)。
【0024】
そして、これらS14及びS20の処理が終了すると再びS10の処理が実行され、S10では、いずれの操作信号も受信しないときは、待機する処理が実行される(S10:NO)。
4.実施形態に係るレーダ探知機1の特徴
このレーダ探知機1は、レーダの監視のためソーラーパネル28aと充電電池28bとを備えていて、常時電力を供給できるように構成されている。そのため、このレーダ探知機1では、GPS受信部22においてGPS衛星から発信される位置測定用の信号を常時受信して現在位置を常時特定することができ、しかも、その常時特定可能な現在位置情報を示す二次元バーコードを液晶モニタ24に表示することが、いつでもすばやくできる。
【0025】
従って、このレーダ探知機1を用いれば、事故など必要なときにすばやく現在位置情報を含む二次元バーコードを提示することができるので、事故など、現在位置を正確に警察等に伝えたいとき、多くの携帯電話に備えられたバーコード読み込み機能を利用して提示された二次元バーコードを読み込むことで、警察等に現在位置を正確に伝えることができる。
5.実施形態と発明特定事項との対応関係
本実施形態のGPS受信部22は本発明の現在位置特定手段に相当し、S12を実行する中央制御装置20がコード作成手段に相当し、液晶モニタ24が表示手段に相当する。
【0026】
本実施形態の充電電池28bが本発明の充放電手段に相当し、車内に設けられているシガーソケットが車内用出力端子に相当し、シガーソケット接続端子28cが入力端子に相当する。
【0027】
本実施形態のレーダ探知アンテナ26が本発明のレーダ検出手段に相当する。
(その他の実施形態)
上記実施形態では、二次元バーコードを液晶モニタ24に表示しているが、現在位置を示すコードとしては1次元バーコードでもよいし、マップコード(登録商標)でもよい。
【0028】
このマップコードとは、地図を一定の大きさに相当するマス目(例えば、実測で30m×30mの大きさに相当するマス目)に分割し、各マス目に、各マス目の位置を示す複数桁の数字(例えば13桁)で示されたコードを付与したものである。
【0029】
また、GPS受信部22に代えて、ビーコンや携帯電話の中継局(PHSの電柱等に設置された中継アンテナを含む)等から現在位置に関する情報を取得するようにしてもよい(携帯電話の場合、中継局やアンテナの位置情報を取得するようにしてもよい)。
【0030】
また、本発明は、特許請求の範囲に記載された発明の趣旨に合致するものであればよく、上述の実施形態に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本実施形態のレーダ探知機の斜視図である。
【図2】本実施形態のレーダ探知機1の内部構成を示すブロック図である。
【図3】表示切替処理のフローチャートである。
【図4】二次元バーコードであり、液晶モニタ24の表示画面24aに表示された状態のものを示している。
【符号の説明】
【0032】
1…レーダ探知機、10…筐体、10a…上面、10b…正面、20…中央制御装置、22…GPS受信部、24…液晶モニタ、24a…表示画面、26…レーダ探知アンテナ、28…電源供給部、28a…ソーラーパネル、28b…充電電池、28c…シガーソケット接続端子、30…リモコン受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現在位置を特定する現在位置特定手段と、
この現在位置特定手段で特定された前記現在位置を示すコードを作成するコード作成手段と、
このコード作成手段で作成された前記コードを表示する表示手段と、
を備えることを特徴とするコード表示装置。
【請求項2】
請求項1に記載のコード表示装置において、
前記現在位置特定手段は、GPS衛星から送信される信号を受信して前記現在位置を特定することを特徴とするコード表示装置。
【請求項3】
請求項1〜2のいずれかに記載のコード表示装置において、
前記コードは、二次元バーコードであることを特徴とするコード表示装置。
【請求項4】
請求項1〜2のいずれかに記載のコード表示装置において、
前記コードは、複数桁の数字で示されたコードであることを特徴とするコード表示装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれかに記載のコード表示装置において
ソーラーパネルと、
前記ソーラーパネルが発電を行っているときは充電を行い、前記ソーラーパネルが発電を行っていないときは放電する充放電手段と、
を備えることを特徴とするコード表示装置。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載のコード表示装置において、
接続すると車両の電力供給源から電力の供給を受けることができる車内用出力端子に対し着脱可能な入力端子を備えることを特徴とするコード表示装置。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載のコード表示装置において、
車両の外部から、前記車両の速度を検出するため前記車両に向かって発射されるレーダを検出するレーダ検出手段を備え、
前記表示手段は、
前記コードと、前記レーダ検出手段での検出結果を表示することを特徴とするコード表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−52959(P2009−52959A)
【公開日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−218531(P2007−218531)
【出願日】平成19年8月24日(2007.8.24)
【出願人】(391019681)株式会社コムテック (11)
【Fターム(参考)】