サーバ、クライアント、ライセンス管理システムおよびライセンス管理方法
【課題】モバイル型の機器などのクライアントを、ホームネットワーク外に一時的に持ち出すような場合でも、同じドメインに属するサーバのコンテンツ及びライセンスを利用できるようにする。
【解決手段】サーバ10は、クライアント11からのコンテンツの利用要求に応じて、該クライアント11が、サーバ10と同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、クライアント11に対して、前記コンテンツおよび前記ライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を供与し、クライアント11は、供与された前記コンテンツ、前記ライセンスおよび前記近傍確認情報を保持し、前記近傍確認情報に基づいて、近傍確認処理を省略して前記コンテンツを利用できるか否かを判定する。
【解決手段】サーバ10は、クライアント11からのコンテンツの利用要求に応じて、該クライアント11が、サーバ10と同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、クライアント11に対して、前記コンテンツおよび前記ライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を供与し、クライアント11は、供与された前記コンテンツ、前記ライセンスおよび前記近傍確認情報を保持し、前記近傍確認情報に基づいて、近傍確認処理を省略して前記コンテンツを利用できるか否かを判定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、著作権保護されているコンテンツの利用を管理するライセンス管理システム、それに用いるサーバ、クライアントおよびライセンス管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、音楽や映像、ゲーム等のデジタル著作物であるコンテンツを、インターネットやデジタル放送等で配信するシステムがある。
【0003】
また、家庭内においても、テレビ受像機やビデオ再生装置などの各種の家電機器あるいはコンピュータをネットワーク接続し、各機器間での通信を可能とした、いわゆるホームネットワークが浸透しつつある。かかるホームネットワークは、多くの場合、ルータ経由でインターネットを始めとする外部の広域ネットワークに相互接続されており、インターネット等を経由して正当に取得されたコンテンツは、ホームネットワーク上のサーバに蓄積された後、家庭内の他のクライアントにホームネットワーク経由で配信され、クライアントで視聴することができる。
【0004】
前記サーバには、私的なコンテンツや有料コンテンツ等の著作権管理を要求されるコンテンツが格納されることも多い一方で、ホームネットワークは、ルータを介して外部のネットワークと相互接続されているので、コンテンツの利用権(ライセンス)を有していない第三者からの不正アクセスを阻止しなければならない。
【0005】
このような第三者による複製や再利用を難しくする技術として、デジタル著作権管理(DRM)がある。このDRM技術として、ホームネットワーク内にある機器を一つのドメインとして扱い、同一のドメインに属する機器間では著作権保護対象となるコンテンツを共有できるようにする、いわゆるコンテンツのドメイン管理がある。
【0006】
ドメイン管理されたコンテンツを再生する際には、機器がホームネットワーク内に存在することを確認する必要があるが、その手法の一つに近傍確認がある。これはサーバからクライアントに対する呼び出し要求に対する応答時間の長さが特定時間以内の場合、サーバとクライアントは、同じホームネットワーク内に存在すると判定する方法である。
【0007】
例えば、特許文献1では、コンテンツを配信するサーバとコンテンツを利用するクライアントが短い時間内で同じ物理媒体へのアクセスを共有することができたかどうかによって、同じホームネットワークに接続されているかどうかを識別している。
【特許文献1】特開2004−334756号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1のように、アクセス時間の長さが短いときには、クライアントがサーバと同じホームネットワーク内に属している、すなわち、同じドメインに属しているという判定は、ホームネットワーク内に据え置きする機器に対しては有効な方法である。
【0009】
しかしながら、ノートパソコンやPDA(携帯情報端末)などのモバイル型の機器でこの方法を適用すると、一時的にホームネットワーク外となる外出先にモバイル型の機器を持ち出した場合には、近傍確認に失敗することになり、結果として外出先からでは自ドメインに属するサーバのコンテンツ及びライセンスが利用できないという不具合がある。
【0010】
本発明は、上述のような点に鑑みて為されたものであって、ホームネットワーク外からでも同じドメインに属するサーバのコンテンツ及びライセンスを利用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明のライセンス管理システムは、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、サーバが、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するライセンス管理システムであって、前記サーバは、前記コンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが、前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび前記ライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を生成し、前記近傍確認情報を、前記サーバまたは前記クライアントが保持し、前記サーバまたは前記クライアントは、前記近傍確認情報に基づいて、近傍確認処理を省略できるか否かを判定するものである。
【0012】
近傍確認処理では、例えば、サーバからクライアントに対する呼び出し要求に対する応答時間の長さが特定時間以内のときに、サーバとクライアントは、同じホームネットワーク内に存在すると判定するのが好ましい。
【0013】
この近傍確認処理とともに、クライアントのライセンスの正当性の判定を行うのが好ましい。
【0014】
近傍確認情報は、近傍確認処理によって同一のホームネットワークに存在することが確認できた後の次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含むものであって、サーバが、近傍確認情報を保持する場合には、この条件は、例えば、近傍確認処理によって同一のホームネットワーク内に存在することが確認されてコンテンツおよびライセンスの供与を既に受けているクライアントであることを示すクライアント名などの情報であるのが好ましく、クライアントが、近傍確認情報を保持する場合には、この条件は、例えば、近傍確認処理の省略できる期間などの時間的な情報を含むのが好ましい。
【0015】
サーバが近傍確認情報を保持し、この近傍確認情報に基づいて、近傍確認処理を省略できると判定したときには、要求されたコンテンツおよびライセンスをクライアントに供与してクライアントで利用可能とするのが好ましく、また、クライアントが近傍確認情報を保持し、この近傍確認情報に基づいて、近傍確認処理を省略できると判定したときには、既に供与されているコンテンツを利用可能とするのが好ましい。
【0016】
本発明のライセンス管理システムによれば、サーバとクライアントとが、同一ホームネットワーク内にあることが、近傍確認処理によって確認できた場合には、サーバは、近傍確認情報を生成し、それをサーバまたはクライアントで保持する。これによって、次回以降のアクセスでは、近傍確認情報に含まれる条件の範囲内で近傍確認の実施を省略することが出来るため、クライアントをホームネットワーク外となる外出先に持ち出した場合においても、サーバからクライアントに供与されるドメイン管理対象のコンテンツおよびライセンス、あるいは、クライアントに既に格納されているドメイン管理対象のコンテンツ及びライセンスを利用することが可能となる。
【0017】
(2)本発明のライセンス管理システムは、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、サーバが、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するライセンス管理システムであって、前記サーバは、前記コンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが、前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび前記ライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を供与し、前記クライアントは、供与された前記コンテンツ、前記ライセンスおよび前記近傍確認情報を保持し、前記近傍確認情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略して前記コンテンツを利用できるか否かを判定するものである。
【0018】
近傍確認情報は、近傍確認処理によって同一のホームネットワークに存在することが確認できた後の次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含むものであって、この条件は、例えば、近傍確認処理の省略できる期間などの時間的な情報を含むのが好ましい。
【0019】
クライアントでは、サーバから供与された近傍確認情報をそのまま保持してもよいし、近傍確認情報に処理を施して保持してもよい。
【0020】
本発明のライセンス管理システムによれば、サーバとクライアントとが、同一ホームネットワーク内にあることが、近傍確認処理によって確認できた場合には、サーバは、近傍確認情報を生成し、それをクライアント内で保持する。これにより次回以降のアクセスでは、近傍確認情報に含まれる条件の範囲内で近傍確認の実施を省略することが出来るため、クライアントをホームネットワーク外となる外出先に持ち出した場合においても、クライアントに格納されたドメイン管理対象のコンテンツ及びライセンスを利用することが可能となる。
【0021】
(3)本発明のライセンス管理システムは、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、サーバが、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するライセンス管理システムであって、前記サーバは、前記コンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが、前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび前記ライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を生成して保持し、前記サーバは、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、前記近傍確認情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略してコンテンツおよび対応するライセンスを供与するか否かを判定するものである。
【0022】
近傍確認情報は、近傍確認処理によって同一のホームネットワークに存在することが確認できた後の次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含むものであって、この条件は、例えば、近傍確認処理によって同一のホームネットワーク内に存在することが確認されてコンテンツおよびライセンスの供与を既に受けているクライアントであることを示すクライアント名などの情報であるのが好ましい。
【0023】
本発明のライセンス管理システムによれば、サーバとクライアントとが、同一ホームネットワーク内にあることが、近傍確認処理によって確認できた場合には、サーバは、近傍確認情報を生成して保持する。これにより次回以降のアクセスでは、近傍確認情報に含まれる条件の範囲内で近傍確認の実施を省略することが出来るため、クライアントをホームネットワーク外となる外出先に持ち出した場合においても、要求されたドメイン管理対象のコンテンツおよびライセンスをクライアントに供与し、クライアントで利用することが可能となる。
【0024】
(4)本発明のクライアントは、サーバが、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を供与するシステムの前記クライアントであって、供与された前記コンテンツを保持するメモリと、供与された前記ライセンスを保持するライセンス管理部と、供与された前記近傍確認情報を保持する近傍確認情報管理部とを有し、前記近傍確認情報管理部は、前記近傍確認情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略して前記コンテンツを利用できるか否かを判定するものである。
【0025】
本発明のクライアントによれば、サーバとクライアントとが、同一ホームネットワーク内にあることが、サーバの近傍確認処理によって確認できた場合には、サーバからコンテンツ、ライセンスおよび近傍確認情報が供与されるので、それを保持し、次回以降のアクセスでは、近傍確認情報に含まれる条件の範囲内で近傍確認の実施を省略してコンテンツおよびライセンスを利用することが可能となる。これによって、当該クライアントをホームネットワーク外となる外出先に持ち出した場合においても、クライアントに格納されたドメイン管理対象のコンテンツ及びライセンスを利用することが可能となる。
【0026】
(5)本発明のクライアントの一つの実施形態では、前記サーバに対して、定期的なアクセスを行って、前記サーバから最新の前記近傍確認情報の供与を受けて、前記近傍情報管理部の近傍確認情報を更新するようにしてもよい。
【0027】
近傍確認情報に含まれる条件が、時間的な条件であるように場合には、クライアントを外出先に持ち出した時には、既に時間的な条件を満たさなくなっている可能性があるため、出来る限りホームネットワーク内に属していた最新の時点での近傍確認情報を保持することが好ましい。この実施形態によれば、サーバ及びクライアントが同一ホームネットワーク内にある場合、定期的に通信を行うことにより、近傍確認情報を常に最新の状態に更新することが可能である。
【0028】
(6)本発明のクライアントの他の実施形態では、前記近傍確認情報には、前記同一のホームネットワーク内に存在することが確認された前記近傍確認処理の実施時に付与する時間情報を含むようにしてもよい。
【0029】
この実施形態によれば、クライアントで保持する近傍確認情報は時間情報を含んでいるので、クライアントを外出先に持ち出した際にドメイン管理対象のコンテンツまたは対象のライセンスを利用できる期間について制限をかけることが可能となり、著作権保護を考慮しつつ、一時的にホームネットワーク外へ持ち出しするクライアントの利便性を高めることが可能である。
【0030】
(7)上記(6)の実施形態では、前記時間情報は、前記次回以降の近傍確認処理を省略できる時間的な長さを示す近傍確認省略期間情報であり、時間を計測する計測手段を備え、前記近傍確認情報管理部は、前記計測手段による計測値および前記近傍確認省略期間情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略して前記コンテンツおよび前記ライセンスの少なくとも一方を利用できる期限を示す近傍確認省略有効期限情報を算出するようにしてもよい。
【0031】
近傍確認省略期間情報は、近傍確認処理を省略できる時間的な長さ、例えば、24時間といった情報である。
【0032】
時間を計測する計測手段は、例えば、時刻を計時するものであってもよいし、クロックを計数するものであってもよい。
【0033】
近傍確認情報管理部は、例えば、計測手段で計測される現在時刻やクロック数に、サーバからの近傍確認省略期間情報の近傍確認処理を省略できる時間的な長さを加算して、近傍確認処理を省略できる期限を示す近傍確認省略有効期限情報を算出するようにしてもよい。
【0034】
この実施形態によれば、サーバから近傍確認処理を省略できる時間的な長さを示す近傍確認省略期間情報を受け取り、クライアント内で管理する計測手段の計測値に、近傍確認省略期間情報を加えたものを、近傍確認処理を省略できる期限を示す近傍確認省略有効期限情報として管理するので、サーバ側で時間を計測して管理することなく、クライアント内のコンテンツまたは対応するライセンスを利用できる期間について制限をかけることが可能である。
【0035】
(8)上記(6)の実施形態では、前記サーバの時間情報管理部と同期を取って時間を管理する時間情報管理部を備え、前記時間情報が、前記次回以降の近傍確認処理を省略できる期間の開始時間および終了時間であり、前記近傍確認情報管理部は、前記時間情報管理部によって管理される前記開始時間から前記終了時間までの期間、近傍確認処理を省略して前記コンテンツおよび前記ライセンスの少なくとも一方を利用するようにしてもよい。
【0036】
この実施形態によれば、サーバから与えられる時間情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる期間の開始時間および終了時間であり、近傍確認処理を省略してコンテンツを利用できる期間を任意の期間に設定することが可能である。
【0037】
(9)本発明のクライアントの一つの実施形態では、前記サーバが複数であり、前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記近傍確認処理を実施する前記サーバのサーバ名を含むようにしてもよい。
【0038】
この実施形態によれば、当該クライアントが複数のサーバと近傍確認処理を行なってコンテンツまたは対応するライセンスが供与される場合において、サーバ毎に、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を設定することができる。
【0039】
(10)本発明のクライアントの他の実施形態では、前記サーバが複数であり、前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記近傍確認処理を実施する前記サーバが属するドメイン名を含むようにしてもよい。
【0040】
この実施形態によれば、ドメイン単位で、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を設定することができる。また、クライアントが同じドメインに属する複数のサーバと近傍確認処理を行うような場合には、複数のサーバの内の任意のサーバにアクセスすることで近傍確認情報の更新が可能になる。
【0041】
(11)本発明のクライアントの更に他の実施形態では、前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記コンテンツ名を含むようにしてもよい。
【0042】
この実施形態によれば、コンテンツ単位で、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を設定することができる。
【0043】
(12)本発明のクライアントの一つの実施形態では、前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記コンテンツを所有するユーザ名を含むようにしてもよい。
【0044】
この実施形態によれば、コンテンツの所有者単位で、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を設定することができ、例えば、ドメイン管理されているコンテンツのうち、自分が保有者であるコンテンツを、家族の誰かが保有するコンテンツよりも近傍確認処理を省略できる期間を、長く設定するといったことが可能になる。
【0045】
(13)本発明のクライアントの他の実施形態では、前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記コンテンツおよび前記ライセンスの少なくとも一方の利用制限回数を含むようにしてもよい。
【0046】
この実施形態によれば、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、近傍確認処理を省略できる合計回数を設定することができる。
【0047】
(14)本発明のクライアントの更に他の実施形態では、当該クライアントが複数であり、各クライアントは、他のクライアントからのアクセスに応じて、該他のクライアントが同一のホームネットワーク内に存在することを確認する近傍確認処理を行なって、同一のホームネットワーク内に存在することが確認された前記他のクライアントに対して、当該クライアントが保持している近傍確認情報を供与するようにしてもよい。
【0048】
この実施形態によれば、ホームネットワーク外にあるクライアント同士であっても、サーバに再接続することなく近傍確認情報を更新することが可能になる。
【0049】
(15)本発明のクライアントの一つの実施形態では、前記サーバは、当該クライアントからの前記近傍確認情報および前記ライセンスの更新要求に応じて、当該クライアントが前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを近傍確認処理によって確認するとともに、ライセンスの正当性を確認した後に、当該クライアントに対して、更新した前記近傍確認情報および前記ライセンスを供与するものであり、 当該クライアントは、近傍確認情報管理部に保持されている近傍確認情報および前記ライセンス管理部に保持されているライセンスを、供与された近傍確認情報およびライセンスで更新するようにしてもよい。
【0050】
この実施形態によれば、サーバとクライアント間で再認証を実施するとき、近傍確認情報およびライセンスを更新し、既に転送済みのコンテンツを有効とすることでコンテンツの送信を省略して通信量を削減することが可能になる。
【0051】
(16)上記(15)の実施形態では、前記サーバは、当該クライアントからの前記ライセンスの更新要求に応じて、前記ライセンスの正当性が確認できなかったときには、当該クライアントに対して、そのライセンスおよび対応するコンテンツを無効にすることを要求し、当該クライアントは、要求されたライセンスおよびコンテンツを無効にするようにしてもよい。
【0052】
この実施形態によれば、サーバとクライアント間で再認証を実施するとき、ライセンスの正当性が確認できなかったとき、すなわち、サーバから既に削除済みのコンテンツおよび対応するライセンスがクライアントに存在するときには、該当のコンテンツ及びライセンスを削除することで、サーバから消去されたコンテンツをクライアントで利用できない仕組みを提供することが可能になる。
【0053】
(17)本発明のサーバは、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を供与するものである。
【0054】
本発明のサーバによれば、サーバとクライアントとが、同一ホームネットワーク内にあることが、近傍確認処理によって確認できた場合には、サーバからコンテンツ、ライセンスおよび近傍確認情報が供与されるので、クライアントでは、それを保持し、次回以降のアクセスでは、近傍確認情報に含まれる条件の範囲内で近傍確認の実施を省略してコンテンツおよびライセンスを利用することが可能となる。これによって、クライアントをホームネットワーク外となる外出先に持ち出した場合においても、クライアントに格納されたドメイン管理対象のコンテンツ及びライセンスを利用することが可能となる。
【0055】
(18)本発明のサーバは、サーバが、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するシステムの前記サーバであって、前記コンテンツおよび前記ライセンスを供与したクライアントであることを示す近傍確認情報を保持する近傍確認情報管理部を備え、クライアントからコンテンツの利用要求に応じて、該クライアントが、コンテンツおよびライセンスを供与されたクライアントであるか否かを前記近傍確認情報に基づいて判定し、供与されたクライアントであるときには、前記同一のホームネットワーク内に存在することの確認を省略するものである。
【0056】
本発明のサーバによれば、近傍確認情報は、同一のホームネットワーク内に存在することを近傍確認処理によって確認してコンテンツおよびライセンスを既に供与されたことがあるクライアントであることを示す情報、例えば、クライアント名であり、これを当該サーバで保持することで、前記クライアントが外出先のネットワークを使用してサーバへアクセス可能な場合、近傍確認を省略した上で、サーバはコンテンツまたはライセンスを供与することが可能になる。
【0057】
(19)本発明のサーバの他の実施形態では、前記近傍確認情報には、前記同一のホームネットワーク内に存在することが確認された前記近傍確認処理の実施時に付与する時間情報を含むようにしてもよい。
【0058】
この実施形態によれば、当該サーバで保持する近傍確認情報には、ホームネットワーク内に存在することが確認された近傍確認処理の実施時に付与される時間情報を含んでいるので、この時間情報に基づいて、クライアントへの近傍確認処理を省略する期間を設定するといったことが可能になる。
【0059】
(20)本発明のライセンス管理方法は、サーバが、クライアントからのコンテンツ利用要求に対して、該クライアントが、前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを確認する近傍確認処理を行なうステップと、前記サーバが、前記近傍確認処理によって、前記クライアントが前記同一のホームネットワーク内に存在することを確認したときに、該クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を供与するステップと、前記クライアントが、供与された前記コンテンツ、前記ライセンスおよび前記近傍確認情報を保持するステップと、前記クライアントが、保持した前記近傍確認情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略して前記コンテンツを利用できるか否かを判定するステップとを含んでいる。
【0060】
本発明のライセンス管理方法によれば、サーバとクライアントとが、同一ホームネットワーク内にあることが、近傍確認処理によって確認できた場合には、サーバは、近傍確認情報を生成し、それをクライアント内で保持する。これにより次回以降のアクセスでは、近傍確認情報に含まれる条件の範囲内で近傍確認の実施を省略することが出来るため、クライアントをホームネットワーク外となる外出先に持ち出した場合においても、クライアントに格納されたドメイン管理対象のコンテンツ及びライセンスを利用することが可能となる。
【発明の効果】
【0061】
本発明によれば、サーバとクライアントで近傍確認処理を実施し、それぞれが同一ホームネットワーク内にあると判定できた場合に、サーバで次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を生成し、それをサーバまたはクライアントで保持する。これにより次回以降のアクセスでは、近傍確認情報に含まれる条件の範囲内で近傍確認処理の実施を省略することが出来るため、クライアントをホームネットワーク外となる外出先に持ち出した場合においても、サーバからクライアントに供与されるドメイン管理対象のコンテンツ及びライセンス、あるいは、クライアントに既に格納されたドメイン管理対象のコンテンツ及びライセンスを利用することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
以下、本発明の実施の形態に係るライセンス管理システムについて、添付図面を参照しながら説明する。
【0063】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るサーバ10およびクライアント11を備えるホームネットワーク12の基本構成を示すブロック図である。
【0064】
家庭内に敷設されるホームネットワーク12は、ルータ13を経由してインターネット14などの外部ネットワークに接続されている。
【0065】
ホームネットワーク12には、ライセンス管理システムを構成するサーバ10とクライアント11とが接続されており、サーバ10には、インターネット14を経由して正当に取得されたコンテンツが蓄積されており、クライアント11からのコンテンツの利用要求に応じて、後述のようにしてコンテンツおよびライセンスを、クライアント11に供与する。
【0066】
このクライアント11は、ホームネットワーク12外となる外出先に持ち出すことが可能なノートパソコンやPDA(携帯情報端末)などのモバイル型の機器であり、図1においては、クライアント11がホームネットワーク12内にある状態を示している。
【0067】
図2は、サーバ10およびクライアント11のライセンス管理のための要部のブロック図である。
【0068】
サーバ10とクライアント11は、それぞれ、サーバ側ライセンス管理装置101とクライアント側ライセンス管理装置106を備えている。
【0069】
サーバ側ライセンス管理装置101は、クライアント側ライセンス管理装置101との間で、制御情報のやり取りを行うとともに、後述の近傍確認情報、コンテンツ及びライセンスの出力処理を行なうデータ送受信制御部102と、クライアント側ライセンス管理装置106に対して、クライアント11が同一のホームネットワーク内に存在することを確認するための近傍確認処理を実施する近傍確認処理部103と、クライアント11の正当性を認めたときに、クライアント側ライセンス管理装置106に後述の近傍確認情報及びライセンスを発行するライセンス・近傍確認情報発行部104と、コンテンツを格納するメモリ領域105と、を備えている。
【0070】
また、クライアント側ライセンス管理装置106は、サーバ側ライセンス管理装置101との間において、制御情報のやり取りを行うとともに、近傍確認情報、コンテンツ及びライセンスの入力処理を行なうデータ送受信制御部107と、ライセンス・近傍確認情報発行部104から発行される近傍確認情報を後述のように処理して格納する近傍確認情報管理部108と、ライセンス・近傍確認情報発行部104から発行されるライセンスを管理するライセンス管理部109と、一定周期でカウンタがインクリメントする計測手段としてのタイマを備え、かつ、他の構成要素からの要求に応じて現時点のタイマ値を提供する時間情報管理部112と、近傍確認およびライセンスの正当性が認められたときにコンテンツを再生する画像・音声再生部110と、サーバ10側から供与されたコンテンツを格納するメモリ領域111と、を備えている。
【0071】
次に、図2に示すサーバ側ライセンス管理装置101とクライアント側ライセンス管理装置106それぞれの各構成要素の主機能を説明する。
【0072】
サーバ側ライセンス管理装置101のデータ送受信制御部102は、クライアント側ライセンス管理装置106のデータ送受信制御部107と接続し、装置間でドメイン管理されたコンテンツのやり取りを行うための各種認証処理及びデータ送受信を行う。この際、サーバ側ライセンス管理装置101のデータ送受信制御部102と、クライアント側ライセンス管理装置106のデータ送受信制御部107との間の通信は、セキュリティ強度向上のため暗号化されていてもよい。サーバ側ライセンス管理装置101の近傍確認処理部103は、クライアント側ライセンス管理装置106からコンテンツ利用要求があった際、クライアント11が同一のホームネットワーク内に存在することを確認する近傍確認処理の実施およびその判定を行う。この近傍確認処理では、例えば、サーバ10からクライアント11に対する呼び出し要求に対する応答時間の長さが特定時間以内のときに、サーバ10とクライアント11は、同じホームネットワーク内に存在すると判定する。
【0073】
サーバ側ライセンス管理装置101のライセンス・近傍確認情報発行部104は、近傍確認処理の結果およびライセンス判定の結果に応じてクライアント側ライセンス管理装置106に供与するライセンス及び近傍確認情報を生成する。
【0074】
クライアント側ライセンス管理装置106の近傍確認情報管理部108は、サーバ側ライセンス管理装置101のライセンス・近傍確認情報発行部104から供与された近傍確認情報を、後述のように加工して格納し、コンテンツを利用する際、格納している近傍確認情報に含まれる条件を満たしているか否か、すなわち、近傍確認の正当性を確認する。クライアント側ライセンス管理装置106のライセンス管理部109は、サーバ側ライセンス管理装置101のライセンス・近傍確認情報発行部104から供与されたライセンスを格納し、コンテンツを利用する際、格納しているライセンスの正当性を確認する。
【0075】
なお、サーバ側ライセンス管理装置101のデータ送受信制御部102と、近傍確認処理部103と、ライセンス・近傍確認情報発行部104、およびクライアント側ライセンス管理装置106のデータ送受信制御部107と、近傍確認情報管理部108と、ライセンス管理部109と、画像・音声再生部110は、それぞれ1チップLSIで構成してもよい。
【0076】
図3は、実施の形態1において、初めてクライアント11から該当サーバ10へアクセスを行なう際のライセンス管理システムの処理フローを示している。
【0077】
先ず、コンテンツを利用するクライアント側ライセンス管理装置106は、サーバ側ライセンス管理装置101にコンテンツの利用要求を行う(ステップA201)。
【0078】
上記利用要求を受けたサーバ側ライセンス管理装置101は、クライアント11がサーバ10と同じホームネットワーク12上にあって、かつ同じドメインに属しているかを判断するために近傍確認処理を行い、併せてライセンス判定を実施する(ステップA202)。
【0079】
サーバ側ライセンス管理装置101は、ステップA202でNGと判定した場合、すなわち、上記利用要求を行ったクライアント11に対する近傍確認処理によってクライアント11が同一のホームネットワークに存在することが確認できないと判定した場合、または、ライセンスが正当でないと判定した場合には、クライアント側ライセンス管理装置106に対し認証NGを返して処理を終了し、判定がOKの場合、すなわち、近傍確認処理によってクライアント11が同一のホームネットワークに存在することが確認でき、かつ、ライセンスが正当であると判定した場合には、処理を継続する(ステップA203)。すなわち、サーバ側ライセンス管理装置101は利用要求のあったコンテンツ及び、対応するライセンスを、クライアント側ライセンス管理装置106側に送信する(ステップA204)。次に、サーバ側ライセンス管理装置101は、ステップA202で実施した近傍確認処理の結果から、サーバ10とクライアント11が同一のホームネットワークに存在することが確認された場合には、ライセンス・近傍確認情報発行部104で近傍確認情報を生成し、その生成した近傍確認情報をクライアント側ライセンス管理装置106に送信する。
【0080】
この近傍確認情報は、近傍確認処理によってサーバ10とクライアント11が同一のホームネットワークに存在することが確認できた後の次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含んでいる。
【0081】
この実施形態では、近傍確認情報は、例えば、サーバ10とクライアント11が同一のホームネットワークに存在することが確認された近傍確認処理の実施時から近傍確認処理を省略できる期間、すなわち、現時点からどれくらいの期間の範囲で近傍確認を省略することが可能かの一定の時間的な長さを示す情報である近傍確認省略期間情報である。
【0082】
この近傍確認情報の設定は、例えば、サーバ10に対してコンテンツを配布したコンテンツプロバイダーが許可する近傍確認省略条件を満たす範囲内で、サーバ10が設定する。
【0083】
クライアント側ライセンス管理装置106では、図4に示すように、サーバ側ライセンス管理装置101から受け取った近傍確認省略期間情報501に、時間情報管理部112で管理している上述のタイマ値を加えたもの502を、次回以降の近傍確認処理を省略できる期限を示す近傍確認省略期限情報504とし、近傍確認情報管理部108に格納する(ステップA205)。最後に上記手順で取得したコンテンツをクライアント側で利用することにより、ライセンス管理処理フローが終了する(ステップA206)。
【0084】
図5は、実施の形態1における、クライアント側ライセンス管理装置106で取得済みのコンテンツを利用する際のライセンス管理システムの処理フローを示す。
【0085】
クライアント側ライセンス管理手装置106においては、そのメモリ領域111に、利用するコンテンツが存在し、またライセンス管理部109で、対応するライセンスが所定のライセンス条件を満たしていることを確認する(ステップA301)。次にクライアント側ライセンス管理装置106では、その近傍確認情報管理部108で管理している近傍確認省略期限情報と、時間情報管理部112で管理され、逐次インクリメントされるタイマ値が、近傍確認省略期限情報の値以内であるか否か、すなわち、近傍確認処理を省略できる期限内であるか否かの正当性検証を行なう(ステップA302)。クライアント側ライセンス管理装置106は、A302の正当性検証の結果を判定し、NGの場合は再度、図3のライセンス管理フローを実施する(ステップA303)。
【0086】
A303の判定がOKの場合は、クライアント側ライセンス管理装置106は、A301で確認したコンテンツを画像・音声再生部107で利用する(ステップA304)。今回使用した近傍確認情報の更新が必要な場合、更新処理を行ない近傍確認情報管理部108に保管し、取得済みのコンテンツを利用する際のクライアント11側でのライセンス管理処理フローを終了する(ステップA305)。
【0087】
以上の処理を行なうことで、コンテンツ、対応するライセンスおよび近傍確認情報を一度取得することによって、近傍確認情報の条件を満たすときには、クライアント11はサーバ10にアクセスすることなくコンテンツを利用できるようになる。
【0088】
したがって、クライアント11が、ホームネットワーク内にあるときに、コンテンツ、ライセンスおよび近傍確認情報を、一度取得した後は、近傍確認情報の条件を満たすときには、ホームネットワーク外となる外出先にあってもコンテンツを利用することができ、著作権保護を考慮しつつ、クライアントの利便性を高めることができる。
【0089】
上述の実施形態では、近傍確認情報は、次回以降の近傍確認を省略できる期間を示時間情報のみであったけれども、本発明の他の実施形態として、図6(a)〜(e)に示すように、時間情報に加えて、近傍確認処理を実施するサーバ名、近傍確認処理を実施するサーバが属するドメイン名、近傍確認処理を実施して利用するコンテンツ名、近傍確認処理を実施して利用するコンテンツの所有者名、近傍確認処理を実施して利用するコンテンツの使用制限回数の少なくともいずれか一つを組み合わせてもよい。
【0090】
近傍確認情報として、サーバ名を加えることによって、クライアントが複数のサーバと近傍確認処理を行なってコンテンツまたは対応するライセンスが供与される場合において、サーバごとに、次回以降の近傍確認処理を省略できる期間を設定することができる。
【0091】
近傍確認情報として、サーバが属するドメイン名を加えることによって、ドメイン単位で、次回以降の近傍確認処理を省略できる期間を設定することができる。
【0092】
また、クライアントが同じドメインに属する複数のサーバと近傍確認処理を行うような場合には、複数のサーバの内の任意のサーバにアクセスすることで近傍確認情報の更新が可能になる。更に、近傍確認情報の生成後に、サーバやクライアントの所属ドメインが変更になったような場合において、近傍確認情報の利用を制限できる。
【0093】
近傍確認情報として、コンテンツ名を加えることによって、利用するコンテンツ単位で、次回以降の近傍確認処理を省略できる期間を設定することができる。
【0094】
近傍確認情報として、コンテンツの所有者名を加えることによって、コンテンツの所有者単位で、次回以降の近傍確認処理を省略できる期間を設定することができ、例えば、自分が所有者であるコンテンツについて、家族の誰かが所有するコンテンツに比べて、近傍確認処理を省略できる期間を長く設定するといったことが可能になる。
【0095】
近傍確認情報として、コンテンツの使用制限回数を加えることによって、次回以降の近傍確認処理を省略できる合計回数を設定することができる。
【0096】
以上のように、一度取得したコンテンツ及びそれに対応するライセンスと保持している近傍確認情報の近傍確認処理を省略できる近傍確認省略期限情報504及び付随する情報が条件を満たすとき、サーバ10にアクセスすることなく、クライアント11でコンテンツを利用できるようになる。
【0097】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係るサーバ10−1およびクライアント11−1の要部のブロック図であり、上述の図2に対応する図である。
【0098】
サーバ側ライセンス管理装置601は、データ送受信制御部602と、近傍確認処理部603と、メモリ領域605とを備えており、これらは、上述の実施の形態1のサーバ側ライセンス管理装置101のデータ送受信制御部102、近傍確認処理部103およびメモリ領域105と同様である。
【0099】
クライアント側ライセンス管理装置607は、データ送受信制御部611と、ライセンス管理部610と、画像・音声再生部608と、メモリ領域612とを備えており、これらは、上述の実施の形態1のクライアント側ライセンス管理装置106のデータ送受信制御部107、ライセンス管理部109、画像・音声再生部110およびメモリ領域111と同様である。
【0100】
サーバ側ライセンス管理装置601のライセンス・近傍確認情報発行部604は、上述の実施の形態1のライセンス・近傍確認情報発行部104と異なり、近傍確認情報として、近傍確認処理によって同一のホームネットワークに存在することが確認できた後の次回以降の近傍確認処理を省略できる期間の開始時間である近傍確認省略開始時間および前記期間の終了時間である近傍確認省略終了時間を発行する。
【0101】
クライアント11−1側のライセンス管理装置607の近傍確認情報管理部609は、近傍確認情報である近傍確認省略開始時間および近傍確認省略終了時間を格納し、コンテンツを利用する際、格納している近傍確認情報に含まれる近傍確認処理を省略できる条件を満たしているか否か、すなわち、近傍確認の正当性を確認する。
【0102】
サーバ10−1側およびクライアント11−1側の各ライセンス管理装置601,607は、現在時刻をそれぞれ管理する時間情報管理部606および時間情報管理部613をそれぞれ備えており、他の構成要素からの要求に応じて現在時刻をそれぞれ提供する。時間情報管理部606と時間情報管理部613との間では、常に時刻を同期させている。
【0103】
図8は、サーバ10−1で近傍確認情報を生成し、クライアント11−1内で保持する際のデータフローを示している。
【0104】
サーバ側ライセンス管理装置601からクライアント側ライセンス管理装置607へ近傍確認情報705が送信される。この近傍確認情報705には、上述のように近傍確認省略を許容する近傍確認省略開始時間及び、近傍確認省略を禁止する近傍確認省略終了時間が含まれている。この近傍確認情報705は、サーバ側ライセンス管理装置601の時間情報管理部606で現在時刻を取得し、ライセンス・近傍確認情報発行部604にて生成され、クライアント側ライセンス管理装置607に送信し、クライアント側ライセンス管理装置607の近傍確認情報管理部609で管理される。このときクライアント側ライセンス管理装置106の時間情報管理部613で取得される時刻が、クライアント側ライセンス管理装置106の近傍確認情報管理部609で管理する近傍確認省略開始時間から近傍確認省略終了時間の範囲内である場合に、近傍確認処理の省略が可能となる。
【0105】
この実施の形態では、近傍確認情報として、次回以降の近傍確認処理を省略できる近傍確認省略開始時間および近傍確認省略終了時間を用いるものであり、その他の構成は、上述の実施の形態1と同様である。
【0106】
この実施の形態においても、上述の実施の形態1と同様に、近傍確認情報として、図6(a)〜(e)に示すサーバ名、ドメイン名、コンテンツ名、コンテンツの所有者名、コンテンツの使用制限回数の少なくともいずれか一つを組み合わせてもよい。
【0107】
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3に係るサーバ10および複数、この例では2台のクライアント11−2a,11−2bを示す図である。
【0108】
サーバ10は、上述の実施の形態1のサーバ10と同様の構成である。また、各クライアント11−2a,11−2bのライセンス管理装置901,903におけるデータ送受信制御部107、近傍確認情報管理部108、ライセンス管理部109、時間情報管理部112、画像・音声再生部110およびメモリ領域111は、上述の実施の形態1のクライアント11のライセンス管理装置106と同様の構成である。
【0109】
この実施の形態のサーバ10および各クライアント11−2a,11−2bは、上述の実施の形態1の図3および図5のライセンス管理フローの処理をそれぞれ行なって、上述の実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0110】
更に、この実施の形態では、各クライアント11−2a,11−2bのライセンス管理装置901,903は、近傍確認処理部902,904をそれぞれ備えており、クライアント11−2a,11−2b間においても近傍確認情報の更新を可能としている。
【0111】
すなわち、両クライアント11−2a,11−2bがサーバ10と同一のホームネットワーク内に存在しない場合に、例えば、一方のクライアント11−2aが他方のクライアント11−2bにアクセスすると、他方のクライアント11−2bの近傍確認処理部904で近傍確認処理を実施し、同一のホームネットワーク内に存在することが確認されたときには、近傍確認情報管理部108に保持している近傍確認情報を、一方のクライアント11−2aに供与するものであり、これによって、或るクライアントが保持する近傍確認情報を他のクライアントにコピーして更新することが可能になる。
【0112】
(実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4に係るサーバ10−3およびクライアント11−3の要部のブロック図であり、上述の図2に対応する図である。
【0113】
サーバ側ライセンス管理装置101は、データ送受信制御部102と、近傍確認処理部103と、ライセンス・近傍確認情報発行部104と、コンテンツを格納するメモリ領域105とを備えており、これらは、上述の実施の形態1と同様である。
【0114】
また、クライアント側ライセンス管理装置106は、データ送受信制御部107と、近傍確認情報管理部108と、ライセンス管理部109と、時間情報管理部112と、画像・音声再生部110と、メモリ領域111とを備えており、これらは、上述の実施の形態1と同様である。
【0115】
この実施の形態のサーバ10−3およびクライアント11−3は、上述の実施の形態1の図3および図5のライセンス管理フローの処理を行なって、上述の実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0116】
更に、この実施の形態では、図11のライセンス管理フローに従って更新処理を行なう。
【0117】
すなわち、図11に示すように、一定周期ごとにクライアント側ライセンス管理装置101からサーバ側ライセンス管理装置106に対して、近傍確認情報及びライセンスの更新を要求する(ステップA1001)。ステップA1001を受けて、サーバ側ライセンス管理装置101からクライアント側ライセンス管理装置106に対して近傍確認処理を実施し、判定がNGの場合は、クライアント側ライセンス管理装置11−3が一時的にホームネットワーク外にあると判定し、更新処理を行なわずにフローを終了する(ステップA1002)。
【0118】
ステップA1002の判定がOKの場合、サーバ側ライセンス管理装置101で保持するライセンスの正当性を確認し、更新処理を実施する(ステップA1003)。A1003の判定条件がOKの場合、更新した近傍確認情報及び、ライセンスをクライアント側ライセンス管理装置106に送信しフローを終了する(ステップA1004)。
【0119】
A1003の判定条件がNGの場合には、サーバ側ライセンス管理装置101内に条件を満たすライセンスがないとして、過去にクライアント側ライセンス管理装置106に供与されたそのライセンスおよび対応するコンテンツの削除を要求し、クライアント側ライセンス管理装置106は、対応するコンテンツおよびライセンスを削除してフローを終了する(ステップA1005)。
【0120】
以上の処理を行なうことで、既にクライアント11−3で保持しているコンテンツについては再転送することなく、ライセンス及び近傍確認情報の更新を行ってコンテンツを利用することができ、コンテンツを再転送しない分、通信量を削減できる。また、サーバ10−3から消去されたライセンス及びコンテンツについては、更新処理を行なうタイミングで、クライアント11−3から削除することができる。
【0121】
(実施の形態5)
図12は、本発明の実施の形態5に係るサーバ10−4およびクライアント11−4の要部のブロック図である。
【0122】
上述の各実施の形態では、サーバ10,10−1,10−3で生成した近傍確認情報を、クライアント11,11−1,11−2a,2b,11−3に供与してクライアント11,11−1,11−2a,2b,11−3で保持したけれども、この実施の形態では、サーバ10−4で生成した近傍確認情報をクライアント11−4に供与することなく、サーバ10−4で保持するようにしている。
【0123】
このため、サーバ側ライセンス管理装置1101は、クライアント側ラインセンス管理装置1107との間においてコンテンツ及びライセンスの入出力処理を行なうデータ送受信制御部1102と、クライアント側ライセンス管理装置1107に対し近傍確認処理を実施する近傍確認処理部1103と、クライアント側ライセンス管理装置1107の正当性を認めたときに、近傍確認情報及びライセンスを発行するライセンス・近傍確認情報発行部1104と、コンテンツを格納するメモリ領域1105とを備えるとともに、近傍確認情報を保持する近傍確認情報管理部1106を備えている。
【0124】
また、クライアント側ライセンス管理装置1107は、サーバ側ライセンス管理装置1101との間においてコンテンツの入出力処理を行なうデータ送受信制御部1110と、サーバ側ライセンス管理装置1101から発行されるライセンスを管理するライセンス管理部1109と、近傍確認およびライセンスの正当性が認められたときにコンテンツを再生する画像・音声再生部1108と、サーバ側から供与されたコンテンツを格納するメモリ領域1111とを備えている。
【0125】
次に、図12に示すライセンス管理装置1101,1107の各構成要素の主機能を説明する。
【0126】
サーバ側ライセンス管理装置1101のデータ送受信制御部1102は、クライアント側ライセンス管理装置1107のデータ送受信制御部1110と接続し、装置間でドメイン管理されたコンテンツのやり取りを行うための各種認証処理及び、データ送受信を行う。この際、データ送受信制御部1102とデータ送受信制御部1110の間の通信は、セキュリティ強度向上のため暗号化されていてもよい。近傍確認処理部1103は、クライアント側ライセンス管理装置1107から要求があった際、近傍確認処理の実施および判定を行う。ライセンス・近傍確認情報発行部1104は、近傍確認処理の結果に応じてライセンス及び近傍確認情報を生成する。近傍確認情報管理部1106は、ライセンス・近傍確認情報発行部1104で生成した近傍確認情報を管理し、クライアントからコンテンツの利用要求がある場合、管理している近傍確認情報を必要に応じて利用する。
【0127】
上述の各実施の形態では、近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として時間情報を含んでいたけれども、この実施の形態では、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、近傍確認処理によってホームネットワークに存在することが確認されてコンテンツおよびライセンスを既に供与されたクライアントであることを示す情報、例えば、クライアント名を含んでいる。
【0128】
クライアント側ライセンス管理装置1107のライセンス管理部1109は、サーバ側ライセンス管理装置1101から供与されたライセンスを格納し、コンテンツを利用する際、格納しているライセンスの正当性を確認する。
【0129】
図13は、この実施の形態のライセンス管理システムの処理フローを示す。
【0130】
先ず、コンテンツを利用するクライアント側ライセンス管理装置1107から、サーバ側ライセンス管理装置1101に対してコンテンツの利用要求を行う(ステップA1201)。要求を受けたサーバ側ライセンス管理装置1101は、クライアント側ライセンス管理装置1107がサーバと同じホームネットワーク上にあって、かつ同じドメインに属しているかを判断するために近傍確認処理を行ない、併せてライセンス判定を実施する(ステップA1202,A1203)。
【0131】
ステップA1203の判定がOKとなった場合は、最新の近傍確認情報を生成/更新する(ステップA1204)。この生成あるいは更新される近傍確認情報は、例えば、ステップA1203の判定がOK、すなわち、同一のホームネットワーク内に存在することが確認されたクライアント名であり、このクライアント名に加えて供与するコンテンツおよび対応するライセンスを含むものであってもよい。
【0132】
その後、サーバ側ライセンス管理装置1101からクライアント側ライセンス管理装置1107のメモリ領域1111または、ライセンス管理部1109に対してコンテンツ及び、対応するライセンスを転送し(ステップA1206)、クライアント側ライセンス管理装置1107でそのコンテンツを利用する(ステップA1207)。
【0133】
ステップA1203の判定がNGとなった場合、クライアント側ライセンス管理装置1107は、サーバ側ライセンス管理装置1101のホームネットワーク外にあるとみなされるが、この実施の形態では、ステップA1205において、近傍確認情報管理部1106の近傍確認情報の条件を満たすか否かが判断される。すなわち、コンテンツの利用を要求しているクライアント名が、近傍確認処理によって同一のホームネットワーク内に存在することが確認されてコンテンツおよびライセンスの供与を既に受けたことがあるクライアント名として近傍確認情報に含まれているか否かを判断する。
【0134】
コンテンツの利用を要求しているクライアント名が、既にコンテンツおよびライセンスの供与を受けたクライアント名として近傍確認情報に含まれているときには、近傍確認処理を省略できるため、ステップA1206以降の処理を実施でき、コンテンツおよびライセンスの供与を受けて利用することが可能となる。
【0135】
この実施の形態においても、近傍確認情報として、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として時間情報を含むようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明は、DRM対応のデジタル機器への適用によって、ユーザの利便性を保持しつつ、コンテンツ提供者の利益が保護できる。例えばデジタルTV、HDDレコーダ、DVDレコーダ、デジタルオーディオプレーヤ、携帯電話、パソコンへの適用が有用である。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】本発明の実施の形態1に係るサーバおよびクライアントを含むホームネットを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るサーバおよびクライアントの要部のブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るライセンス管理の処理手順を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るライセンス管理に関する近傍確認情報のフローを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るライセンス管理における処理手順を示す図である。
【図6】本発明の他の実施の形態に係る近傍確認情報の具体的内容を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るサーバおよびクライアントの要部のブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係るライセンス管理に関する近傍確認情報のフローを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係るサーバおよびクライアントの要部のブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係るサーバおよびクライアントの要部のブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態4に係るライセンス管理における処理手順を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態5に係るサーバおよびクライアントの要部のブロック図である。
【図13】本発明の実施の形態5に係るライセンス管理における処理手順を示す図である。
【符号の説明】
【0138】
10,10−1,10−3,10−4 サーバ
11,11−1,11−2a,2b,11−3,11−4 クライアント
101,601, 1101 サーバ側ライセンス管理装置
106,607,901,903,1107 クライアント側ライセンス管理装置
104,604,1104 ライセンス・近傍確認情報発行部
103,603,1103 近傍確認処理部
108,609,1106 近傍確認情報管理部
102,107,602,611,1102,1110 データ送受信制御部
105,111,605,612,1105,1111 メモリ領域
109,610,1109 ライセンス管理部
110,608,1108 画像・音声再生部
112,613 時間情報管理部
【技術分野】
【0001】
本発明は、著作権保護されているコンテンツの利用を管理するライセンス管理システム、それに用いるサーバ、クライアントおよびライセンス管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、音楽や映像、ゲーム等のデジタル著作物であるコンテンツを、インターネットやデジタル放送等で配信するシステムがある。
【0003】
また、家庭内においても、テレビ受像機やビデオ再生装置などの各種の家電機器あるいはコンピュータをネットワーク接続し、各機器間での通信を可能とした、いわゆるホームネットワークが浸透しつつある。かかるホームネットワークは、多くの場合、ルータ経由でインターネットを始めとする外部の広域ネットワークに相互接続されており、インターネット等を経由して正当に取得されたコンテンツは、ホームネットワーク上のサーバに蓄積された後、家庭内の他のクライアントにホームネットワーク経由で配信され、クライアントで視聴することができる。
【0004】
前記サーバには、私的なコンテンツや有料コンテンツ等の著作権管理を要求されるコンテンツが格納されることも多い一方で、ホームネットワークは、ルータを介して外部のネットワークと相互接続されているので、コンテンツの利用権(ライセンス)を有していない第三者からの不正アクセスを阻止しなければならない。
【0005】
このような第三者による複製や再利用を難しくする技術として、デジタル著作権管理(DRM)がある。このDRM技術として、ホームネットワーク内にある機器を一つのドメインとして扱い、同一のドメインに属する機器間では著作権保護対象となるコンテンツを共有できるようにする、いわゆるコンテンツのドメイン管理がある。
【0006】
ドメイン管理されたコンテンツを再生する際には、機器がホームネットワーク内に存在することを確認する必要があるが、その手法の一つに近傍確認がある。これはサーバからクライアントに対する呼び出し要求に対する応答時間の長さが特定時間以内の場合、サーバとクライアントは、同じホームネットワーク内に存在すると判定する方法である。
【0007】
例えば、特許文献1では、コンテンツを配信するサーバとコンテンツを利用するクライアントが短い時間内で同じ物理媒体へのアクセスを共有することができたかどうかによって、同じホームネットワークに接続されているかどうかを識別している。
【特許文献1】特開2004−334756号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記特許文献1のように、アクセス時間の長さが短いときには、クライアントがサーバと同じホームネットワーク内に属している、すなわち、同じドメインに属しているという判定は、ホームネットワーク内に据え置きする機器に対しては有効な方法である。
【0009】
しかしながら、ノートパソコンやPDA(携帯情報端末)などのモバイル型の機器でこの方法を適用すると、一時的にホームネットワーク外となる外出先にモバイル型の機器を持ち出した場合には、近傍確認に失敗することになり、結果として外出先からでは自ドメインに属するサーバのコンテンツ及びライセンスが利用できないという不具合がある。
【0010】
本発明は、上述のような点に鑑みて為されたものであって、ホームネットワーク外からでも同じドメインに属するサーバのコンテンツ及びライセンスを利用できるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)本発明のライセンス管理システムは、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、サーバが、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するライセンス管理システムであって、前記サーバは、前記コンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが、前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび前記ライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を生成し、前記近傍確認情報を、前記サーバまたは前記クライアントが保持し、前記サーバまたは前記クライアントは、前記近傍確認情報に基づいて、近傍確認処理を省略できるか否かを判定するものである。
【0012】
近傍確認処理では、例えば、サーバからクライアントに対する呼び出し要求に対する応答時間の長さが特定時間以内のときに、サーバとクライアントは、同じホームネットワーク内に存在すると判定するのが好ましい。
【0013】
この近傍確認処理とともに、クライアントのライセンスの正当性の判定を行うのが好ましい。
【0014】
近傍確認情報は、近傍確認処理によって同一のホームネットワークに存在することが確認できた後の次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含むものであって、サーバが、近傍確認情報を保持する場合には、この条件は、例えば、近傍確認処理によって同一のホームネットワーク内に存在することが確認されてコンテンツおよびライセンスの供与を既に受けているクライアントであることを示すクライアント名などの情報であるのが好ましく、クライアントが、近傍確認情報を保持する場合には、この条件は、例えば、近傍確認処理の省略できる期間などの時間的な情報を含むのが好ましい。
【0015】
サーバが近傍確認情報を保持し、この近傍確認情報に基づいて、近傍確認処理を省略できると判定したときには、要求されたコンテンツおよびライセンスをクライアントに供与してクライアントで利用可能とするのが好ましく、また、クライアントが近傍確認情報を保持し、この近傍確認情報に基づいて、近傍確認処理を省略できると判定したときには、既に供与されているコンテンツを利用可能とするのが好ましい。
【0016】
本発明のライセンス管理システムによれば、サーバとクライアントとが、同一ホームネットワーク内にあることが、近傍確認処理によって確認できた場合には、サーバは、近傍確認情報を生成し、それをサーバまたはクライアントで保持する。これによって、次回以降のアクセスでは、近傍確認情報に含まれる条件の範囲内で近傍確認の実施を省略することが出来るため、クライアントをホームネットワーク外となる外出先に持ち出した場合においても、サーバからクライアントに供与されるドメイン管理対象のコンテンツおよびライセンス、あるいは、クライアントに既に格納されているドメイン管理対象のコンテンツ及びライセンスを利用することが可能となる。
【0017】
(2)本発明のライセンス管理システムは、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、サーバが、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するライセンス管理システムであって、前記サーバは、前記コンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが、前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび前記ライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を供与し、前記クライアントは、供与された前記コンテンツ、前記ライセンスおよび前記近傍確認情報を保持し、前記近傍確認情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略して前記コンテンツを利用できるか否かを判定するものである。
【0018】
近傍確認情報は、近傍確認処理によって同一のホームネットワークに存在することが確認できた後の次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含むものであって、この条件は、例えば、近傍確認処理の省略できる期間などの時間的な情報を含むのが好ましい。
【0019】
クライアントでは、サーバから供与された近傍確認情報をそのまま保持してもよいし、近傍確認情報に処理を施して保持してもよい。
【0020】
本発明のライセンス管理システムによれば、サーバとクライアントとが、同一ホームネットワーク内にあることが、近傍確認処理によって確認できた場合には、サーバは、近傍確認情報を生成し、それをクライアント内で保持する。これにより次回以降のアクセスでは、近傍確認情報に含まれる条件の範囲内で近傍確認の実施を省略することが出来るため、クライアントをホームネットワーク外となる外出先に持ち出した場合においても、クライアントに格納されたドメイン管理対象のコンテンツ及びライセンスを利用することが可能となる。
【0021】
(3)本発明のライセンス管理システムは、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、サーバが、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するライセンス管理システムであって、前記サーバは、前記コンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが、前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび前記ライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を生成して保持し、前記サーバは、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、前記近傍確認情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略してコンテンツおよび対応するライセンスを供与するか否かを判定するものである。
【0022】
近傍確認情報は、近傍確認処理によって同一のホームネットワークに存在することが確認できた後の次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含むものであって、この条件は、例えば、近傍確認処理によって同一のホームネットワーク内に存在することが確認されてコンテンツおよびライセンスの供与を既に受けているクライアントであることを示すクライアント名などの情報であるのが好ましい。
【0023】
本発明のライセンス管理システムによれば、サーバとクライアントとが、同一ホームネットワーク内にあることが、近傍確認処理によって確認できた場合には、サーバは、近傍確認情報を生成して保持する。これにより次回以降のアクセスでは、近傍確認情報に含まれる条件の範囲内で近傍確認の実施を省略することが出来るため、クライアントをホームネットワーク外となる外出先に持ち出した場合においても、要求されたドメイン管理対象のコンテンツおよびライセンスをクライアントに供与し、クライアントで利用することが可能となる。
【0024】
(4)本発明のクライアントは、サーバが、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を供与するシステムの前記クライアントであって、供与された前記コンテンツを保持するメモリと、供与された前記ライセンスを保持するライセンス管理部と、供与された前記近傍確認情報を保持する近傍確認情報管理部とを有し、前記近傍確認情報管理部は、前記近傍確認情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略して前記コンテンツを利用できるか否かを判定するものである。
【0025】
本発明のクライアントによれば、サーバとクライアントとが、同一ホームネットワーク内にあることが、サーバの近傍確認処理によって確認できた場合には、サーバからコンテンツ、ライセンスおよび近傍確認情報が供与されるので、それを保持し、次回以降のアクセスでは、近傍確認情報に含まれる条件の範囲内で近傍確認の実施を省略してコンテンツおよびライセンスを利用することが可能となる。これによって、当該クライアントをホームネットワーク外となる外出先に持ち出した場合においても、クライアントに格納されたドメイン管理対象のコンテンツ及びライセンスを利用することが可能となる。
【0026】
(5)本発明のクライアントの一つの実施形態では、前記サーバに対して、定期的なアクセスを行って、前記サーバから最新の前記近傍確認情報の供与を受けて、前記近傍情報管理部の近傍確認情報を更新するようにしてもよい。
【0027】
近傍確認情報に含まれる条件が、時間的な条件であるように場合には、クライアントを外出先に持ち出した時には、既に時間的な条件を満たさなくなっている可能性があるため、出来る限りホームネットワーク内に属していた最新の時点での近傍確認情報を保持することが好ましい。この実施形態によれば、サーバ及びクライアントが同一ホームネットワーク内にある場合、定期的に通信を行うことにより、近傍確認情報を常に最新の状態に更新することが可能である。
【0028】
(6)本発明のクライアントの他の実施形態では、前記近傍確認情報には、前記同一のホームネットワーク内に存在することが確認された前記近傍確認処理の実施時に付与する時間情報を含むようにしてもよい。
【0029】
この実施形態によれば、クライアントで保持する近傍確認情報は時間情報を含んでいるので、クライアントを外出先に持ち出した際にドメイン管理対象のコンテンツまたは対象のライセンスを利用できる期間について制限をかけることが可能となり、著作権保護を考慮しつつ、一時的にホームネットワーク外へ持ち出しするクライアントの利便性を高めることが可能である。
【0030】
(7)上記(6)の実施形態では、前記時間情報は、前記次回以降の近傍確認処理を省略できる時間的な長さを示す近傍確認省略期間情報であり、時間を計測する計測手段を備え、前記近傍確認情報管理部は、前記計測手段による計測値および前記近傍確認省略期間情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略して前記コンテンツおよび前記ライセンスの少なくとも一方を利用できる期限を示す近傍確認省略有効期限情報を算出するようにしてもよい。
【0031】
近傍確認省略期間情報は、近傍確認処理を省略できる時間的な長さ、例えば、24時間といった情報である。
【0032】
時間を計測する計測手段は、例えば、時刻を計時するものであってもよいし、クロックを計数するものであってもよい。
【0033】
近傍確認情報管理部は、例えば、計測手段で計測される現在時刻やクロック数に、サーバからの近傍確認省略期間情報の近傍確認処理を省略できる時間的な長さを加算して、近傍確認処理を省略できる期限を示す近傍確認省略有効期限情報を算出するようにしてもよい。
【0034】
この実施形態によれば、サーバから近傍確認処理を省略できる時間的な長さを示す近傍確認省略期間情報を受け取り、クライアント内で管理する計測手段の計測値に、近傍確認省略期間情報を加えたものを、近傍確認処理を省略できる期限を示す近傍確認省略有効期限情報として管理するので、サーバ側で時間を計測して管理することなく、クライアント内のコンテンツまたは対応するライセンスを利用できる期間について制限をかけることが可能である。
【0035】
(8)上記(6)の実施形態では、前記サーバの時間情報管理部と同期を取って時間を管理する時間情報管理部を備え、前記時間情報が、前記次回以降の近傍確認処理を省略できる期間の開始時間および終了時間であり、前記近傍確認情報管理部は、前記時間情報管理部によって管理される前記開始時間から前記終了時間までの期間、近傍確認処理を省略して前記コンテンツおよび前記ライセンスの少なくとも一方を利用するようにしてもよい。
【0036】
この実施形態によれば、サーバから与えられる時間情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる期間の開始時間および終了時間であり、近傍確認処理を省略してコンテンツを利用できる期間を任意の期間に設定することが可能である。
【0037】
(9)本発明のクライアントの一つの実施形態では、前記サーバが複数であり、前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記近傍確認処理を実施する前記サーバのサーバ名を含むようにしてもよい。
【0038】
この実施形態によれば、当該クライアントが複数のサーバと近傍確認処理を行なってコンテンツまたは対応するライセンスが供与される場合において、サーバ毎に、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を設定することができる。
【0039】
(10)本発明のクライアントの他の実施形態では、前記サーバが複数であり、前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記近傍確認処理を実施する前記サーバが属するドメイン名を含むようにしてもよい。
【0040】
この実施形態によれば、ドメイン単位で、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を設定することができる。また、クライアントが同じドメインに属する複数のサーバと近傍確認処理を行うような場合には、複数のサーバの内の任意のサーバにアクセスすることで近傍確認情報の更新が可能になる。
【0041】
(11)本発明のクライアントの更に他の実施形態では、前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記コンテンツ名を含むようにしてもよい。
【0042】
この実施形態によれば、コンテンツ単位で、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を設定することができる。
【0043】
(12)本発明のクライアントの一つの実施形態では、前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記コンテンツを所有するユーザ名を含むようにしてもよい。
【0044】
この実施形態によれば、コンテンツの所有者単位で、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を設定することができ、例えば、ドメイン管理されているコンテンツのうち、自分が保有者であるコンテンツを、家族の誰かが保有するコンテンツよりも近傍確認処理を省略できる期間を、長く設定するといったことが可能になる。
【0045】
(13)本発明のクライアントの他の実施形態では、前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記コンテンツおよび前記ライセンスの少なくとも一方の利用制限回数を含むようにしてもよい。
【0046】
この実施形態によれば、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、近傍確認処理を省略できる合計回数を設定することができる。
【0047】
(14)本発明のクライアントの更に他の実施形態では、当該クライアントが複数であり、各クライアントは、他のクライアントからのアクセスに応じて、該他のクライアントが同一のホームネットワーク内に存在することを確認する近傍確認処理を行なって、同一のホームネットワーク内に存在することが確認された前記他のクライアントに対して、当該クライアントが保持している近傍確認情報を供与するようにしてもよい。
【0048】
この実施形態によれば、ホームネットワーク外にあるクライアント同士であっても、サーバに再接続することなく近傍確認情報を更新することが可能になる。
【0049】
(15)本発明のクライアントの一つの実施形態では、前記サーバは、当該クライアントからの前記近傍確認情報および前記ライセンスの更新要求に応じて、当該クライアントが前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを近傍確認処理によって確認するとともに、ライセンスの正当性を確認した後に、当該クライアントに対して、更新した前記近傍確認情報および前記ライセンスを供与するものであり、 当該クライアントは、近傍確認情報管理部に保持されている近傍確認情報および前記ライセンス管理部に保持されているライセンスを、供与された近傍確認情報およびライセンスで更新するようにしてもよい。
【0050】
この実施形態によれば、サーバとクライアント間で再認証を実施するとき、近傍確認情報およびライセンスを更新し、既に転送済みのコンテンツを有効とすることでコンテンツの送信を省略して通信量を削減することが可能になる。
【0051】
(16)上記(15)の実施形態では、前記サーバは、当該クライアントからの前記ライセンスの更新要求に応じて、前記ライセンスの正当性が確認できなかったときには、当該クライアントに対して、そのライセンスおよび対応するコンテンツを無効にすることを要求し、当該クライアントは、要求されたライセンスおよびコンテンツを無効にするようにしてもよい。
【0052】
この実施形態によれば、サーバとクライアント間で再認証を実施するとき、ライセンスの正当性が確認できなかったとき、すなわち、サーバから既に削除済みのコンテンツおよび対応するライセンスがクライアントに存在するときには、該当のコンテンツ及びライセンスを削除することで、サーバから消去されたコンテンツをクライアントで利用できない仕組みを提供することが可能になる。
【0053】
(17)本発明のサーバは、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を供与するものである。
【0054】
本発明のサーバによれば、サーバとクライアントとが、同一ホームネットワーク内にあることが、近傍確認処理によって確認できた場合には、サーバからコンテンツ、ライセンスおよび近傍確認情報が供与されるので、クライアントでは、それを保持し、次回以降のアクセスでは、近傍確認情報に含まれる条件の範囲内で近傍確認の実施を省略してコンテンツおよびライセンスを利用することが可能となる。これによって、クライアントをホームネットワーク外となる外出先に持ち出した場合においても、クライアントに格納されたドメイン管理対象のコンテンツ及びライセンスを利用することが可能となる。
【0055】
(18)本発明のサーバは、サーバが、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するシステムの前記サーバであって、前記コンテンツおよび前記ライセンスを供与したクライアントであることを示す近傍確認情報を保持する近傍確認情報管理部を備え、クライアントからコンテンツの利用要求に応じて、該クライアントが、コンテンツおよびライセンスを供与されたクライアントであるか否かを前記近傍確認情報に基づいて判定し、供与されたクライアントであるときには、前記同一のホームネットワーク内に存在することの確認を省略するものである。
【0056】
本発明のサーバによれば、近傍確認情報は、同一のホームネットワーク内に存在することを近傍確認処理によって確認してコンテンツおよびライセンスを既に供与されたことがあるクライアントであることを示す情報、例えば、クライアント名であり、これを当該サーバで保持することで、前記クライアントが外出先のネットワークを使用してサーバへアクセス可能な場合、近傍確認を省略した上で、サーバはコンテンツまたはライセンスを供与することが可能になる。
【0057】
(19)本発明のサーバの他の実施形態では、前記近傍確認情報には、前記同一のホームネットワーク内に存在することが確認された前記近傍確認処理の実施時に付与する時間情報を含むようにしてもよい。
【0058】
この実施形態によれば、当該サーバで保持する近傍確認情報には、ホームネットワーク内に存在することが確認された近傍確認処理の実施時に付与される時間情報を含んでいるので、この時間情報に基づいて、クライアントへの近傍確認処理を省略する期間を設定するといったことが可能になる。
【0059】
(20)本発明のライセンス管理方法は、サーバが、クライアントからのコンテンツ利用要求に対して、該クライアントが、前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを確認する近傍確認処理を行なうステップと、前記サーバが、前記近傍確認処理によって、前記クライアントが前記同一のホームネットワーク内に存在することを確認したときに、該クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を供与するステップと、前記クライアントが、供与された前記コンテンツ、前記ライセンスおよび前記近傍確認情報を保持するステップと、前記クライアントが、保持した前記近傍確認情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略して前記コンテンツを利用できるか否かを判定するステップとを含んでいる。
【0060】
本発明のライセンス管理方法によれば、サーバとクライアントとが、同一ホームネットワーク内にあることが、近傍確認処理によって確認できた場合には、サーバは、近傍確認情報を生成し、それをクライアント内で保持する。これにより次回以降のアクセスでは、近傍確認情報に含まれる条件の範囲内で近傍確認の実施を省略することが出来るため、クライアントをホームネットワーク外となる外出先に持ち出した場合においても、クライアントに格納されたドメイン管理対象のコンテンツ及びライセンスを利用することが可能となる。
【発明の効果】
【0061】
本発明によれば、サーバとクライアントで近傍確認処理を実施し、それぞれが同一ホームネットワーク内にあると判定できた場合に、サーバで次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を生成し、それをサーバまたはクライアントで保持する。これにより次回以降のアクセスでは、近傍確認情報に含まれる条件の範囲内で近傍確認処理の実施を省略することが出来るため、クライアントをホームネットワーク外となる外出先に持ち出した場合においても、サーバからクライアントに供与されるドメイン管理対象のコンテンツ及びライセンス、あるいは、クライアントに既に格納されたドメイン管理対象のコンテンツ及びライセンスを利用することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0062】
以下、本発明の実施の形態に係るライセンス管理システムについて、添付図面を参照しながら説明する。
【0063】
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1に係るサーバ10およびクライアント11を備えるホームネットワーク12の基本構成を示すブロック図である。
【0064】
家庭内に敷設されるホームネットワーク12は、ルータ13を経由してインターネット14などの外部ネットワークに接続されている。
【0065】
ホームネットワーク12には、ライセンス管理システムを構成するサーバ10とクライアント11とが接続されており、サーバ10には、インターネット14を経由して正当に取得されたコンテンツが蓄積されており、クライアント11からのコンテンツの利用要求に応じて、後述のようにしてコンテンツおよびライセンスを、クライアント11に供与する。
【0066】
このクライアント11は、ホームネットワーク12外となる外出先に持ち出すことが可能なノートパソコンやPDA(携帯情報端末)などのモバイル型の機器であり、図1においては、クライアント11がホームネットワーク12内にある状態を示している。
【0067】
図2は、サーバ10およびクライアント11のライセンス管理のための要部のブロック図である。
【0068】
サーバ10とクライアント11は、それぞれ、サーバ側ライセンス管理装置101とクライアント側ライセンス管理装置106を備えている。
【0069】
サーバ側ライセンス管理装置101は、クライアント側ライセンス管理装置101との間で、制御情報のやり取りを行うとともに、後述の近傍確認情報、コンテンツ及びライセンスの出力処理を行なうデータ送受信制御部102と、クライアント側ライセンス管理装置106に対して、クライアント11が同一のホームネットワーク内に存在することを確認するための近傍確認処理を実施する近傍確認処理部103と、クライアント11の正当性を認めたときに、クライアント側ライセンス管理装置106に後述の近傍確認情報及びライセンスを発行するライセンス・近傍確認情報発行部104と、コンテンツを格納するメモリ領域105と、を備えている。
【0070】
また、クライアント側ライセンス管理装置106は、サーバ側ライセンス管理装置101との間において、制御情報のやり取りを行うとともに、近傍確認情報、コンテンツ及びライセンスの入力処理を行なうデータ送受信制御部107と、ライセンス・近傍確認情報発行部104から発行される近傍確認情報を後述のように処理して格納する近傍確認情報管理部108と、ライセンス・近傍確認情報発行部104から発行されるライセンスを管理するライセンス管理部109と、一定周期でカウンタがインクリメントする計測手段としてのタイマを備え、かつ、他の構成要素からの要求に応じて現時点のタイマ値を提供する時間情報管理部112と、近傍確認およびライセンスの正当性が認められたときにコンテンツを再生する画像・音声再生部110と、サーバ10側から供与されたコンテンツを格納するメモリ領域111と、を備えている。
【0071】
次に、図2に示すサーバ側ライセンス管理装置101とクライアント側ライセンス管理装置106それぞれの各構成要素の主機能を説明する。
【0072】
サーバ側ライセンス管理装置101のデータ送受信制御部102は、クライアント側ライセンス管理装置106のデータ送受信制御部107と接続し、装置間でドメイン管理されたコンテンツのやり取りを行うための各種認証処理及びデータ送受信を行う。この際、サーバ側ライセンス管理装置101のデータ送受信制御部102と、クライアント側ライセンス管理装置106のデータ送受信制御部107との間の通信は、セキュリティ強度向上のため暗号化されていてもよい。サーバ側ライセンス管理装置101の近傍確認処理部103は、クライアント側ライセンス管理装置106からコンテンツ利用要求があった際、クライアント11が同一のホームネットワーク内に存在することを確認する近傍確認処理の実施およびその判定を行う。この近傍確認処理では、例えば、サーバ10からクライアント11に対する呼び出し要求に対する応答時間の長さが特定時間以内のときに、サーバ10とクライアント11は、同じホームネットワーク内に存在すると判定する。
【0073】
サーバ側ライセンス管理装置101のライセンス・近傍確認情報発行部104は、近傍確認処理の結果およびライセンス判定の結果に応じてクライアント側ライセンス管理装置106に供与するライセンス及び近傍確認情報を生成する。
【0074】
クライアント側ライセンス管理装置106の近傍確認情報管理部108は、サーバ側ライセンス管理装置101のライセンス・近傍確認情報発行部104から供与された近傍確認情報を、後述のように加工して格納し、コンテンツを利用する際、格納している近傍確認情報に含まれる条件を満たしているか否か、すなわち、近傍確認の正当性を確認する。クライアント側ライセンス管理装置106のライセンス管理部109は、サーバ側ライセンス管理装置101のライセンス・近傍確認情報発行部104から供与されたライセンスを格納し、コンテンツを利用する際、格納しているライセンスの正当性を確認する。
【0075】
なお、サーバ側ライセンス管理装置101のデータ送受信制御部102と、近傍確認処理部103と、ライセンス・近傍確認情報発行部104、およびクライアント側ライセンス管理装置106のデータ送受信制御部107と、近傍確認情報管理部108と、ライセンス管理部109と、画像・音声再生部110は、それぞれ1チップLSIで構成してもよい。
【0076】
図3は、実施の形態1において、初めてクライアント11から該当サーバ10へアクセスを行なう際のライセンス管理システムの処理フローを示している。
【0077】
先ず、コンテンツを利用するクライアント側ライセンス管理装置106は、サーバ側ライセンス管理装置101にコンテンツの利用要求を行う(ステップA201)。
【0078】
上記利用要求を受けたサーバ側ライセンス管理装置101は、クライアント11がサーバ10と同じホームネットワーク12上にあって、かつ同じドメインに属しているかを判断するために近傍確認処理を行い、併せてライセンス判定を実施する(ステップA202)。
【0079】
サーバ側ライセンス管理装置101は、ステップA202でNGと判定した場合、すなわち、上記利用要求を行ったクライアント11に対する近傍確認処理によってクライアント11が同一のホームネットワークに存在することが確認できないと判定した場合、または、ライセンスが正当でないと判定した場合には、クライアント側ライセンス管理装置106に対し認証NGを返して処理を終了し、判定がOKの場合、すなわち、近傍確認処理によってクライアント11が同一のホームネットワークに存在することが確認でき、かつ、ライセンスが正当であると判定した場合には、処理を継続する(ステップA203)。すなわち、サーバ側ライセンス管理装置101は利用要求のあったコンテンツ及び、対応するライセンスを、クライアント側ライセンス管理装置106側に送信する(ステップA204)。次に、サーバ側ライセンス管理装置101は、ステップA202で実施した近傍確認処理の結果から、サーバ10とクライアント11が同一のホームネットワークに存在することが確認された場合には、ライセンス・近傍確認情報発行部104で近傍確認情報を生成し、その生成した近傍確認情報をクライアント側ライセンス管理装置106に送信する。
【0080】
この近傍確認情報は、近傍確認処理によってサーバ10とクライアント11が同一のホームネットワークに存在することが確認できた後の次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含んでいる。
【0081】
この実施形態では、近傍確認情報は、例えば、サーバ10とクライアント11が同一のホームネットワークに存在することが確認された近傍確認処理の実施時から近傍確認処理を省略できる期間、すなわち、現時点からどれくらいの期間の範囲で近傍確認を省略することが可能かの一定の時間的な長さを示す情報である近傍確認省略期間情報である。
【0082】
この近傍確認情報の設定は、例えば、サーバ10に対してコンテンツを配布したコンテンツプロバイダーが許可する近傍確認省略条件を満たす範囲内で、サーバ10が設定する。
【0083】
クライアント側ライセンス管理装置106では、図4に示すように、サーバ側ライセンス管理装置101から受け取った近傍確認省略期間情報501に、時間情報管理部112で管理している上述のタイマ値を加えたもの502を、次回以降の近傍確認処理を省略できる期限を示す近傍確認省略期限情報504とし、近傍確認情報管理部108に格納する(ステップA205)。最後に上記手順で取得したコンテンツをクライアント側で利用することにより、ライセンス管理処理フローが終了する(ステップA206)。
【0084】
図5は、実施の形態1における、クライアント側ライセンス管理装置106で取得済みのコンテンツを利用する際のライセンス管理システムの処理フローを示す。
【0085】
クライアント側ライセンス管理手装置106においては、そのメモリ領域111に、利用するコンテンツが存在し、またライセンス管理部109で、対応するライセンスが所定のライセンス条件を満たしていることを確認する(ステップA301)。次にクライアント側ライセンス管理装置106では、その近傍確認情報管理部108で管理している近傍確認省略期限情報と、時間情報管理部112で管理され、逐次インクリメントされるタイマ値が、近傍確認省略期限情報の値以内であるか否か、すなわち、近傍確認処理を省略できる期限内であるか否かの正当性検証を行なう(ステップA302)。クライアント側ライセンス管理装置106は、A302の正当性検証の結果を判定し、NGの場合は再度、図3のライセンス管理フローを実施する(ステップA303)。
【0086】
A303の判定がOKの場合は、クライアント側ライセンス管理装置106は、A301で確認したコンテンツを画像・音声再生部107で利用する(ステップA304)。今回使用した近傍確認情報の更新が必要な場合、更新処理を行ない近傍確認情報管理部108に保管し、取得済みのコンテンツを利用する際のクライアント11側でのライセンス管理処理フローを終了する(ステップA305)。
【0087】
以上の処理を行なうことで、コンテンツ、対応するライセンスおよび近傍確認情報を一度取得することによって、近傍確認情報の条件を満たすときには、クライアント11はサーバ10にアクセスすることなくコンテンツを利用できるようになる。
【0088】
したがって、クライアント11が、ホームネットワーク内にあるときに、コンテンツ、ライセンスおよび近傍確認情報を、一度取得した後は、近傍確認情報の条件を満たすときには、ホームネットワーク外となる外出先にあってもコンテンツを利用することができ、著作権保護を考慮しつつ、クライアントの利便性を高めることができる。
【0089】
上述の実施形態では、近傍確認情報は、次回以降の近傍確認を省略できる期間を示時間情報のみであったけれども、本発明の他の実施形態として、図6(a)〜(e)に示すように、時間情報に加えて、近傍確認処理を実施するサーバ名、近傍確認処理を実施するサーバが属するドメイン名、近傍確認処理を実施して利用するコンテンツ名、近傍確認処理を実施して利用するコンテンツの所有者名、近傍確認処理を実施して利用するコンテンツの使用制限回数の少なくともいずれか一つを組み合わせてもよい。
【0090】
近傍確認情報として、サーバ名を加えることによって、クライアントが複数のサーバと近傍確認処理を行なってコンテンツまたは対応するライセンスが供与される場合において、サーバごとに、次回以降の近傍確認処理を省略できる期間を設定することができる。
【0091】
近傍確認情報として、サーバが属するドメイン名を加えることによって、ドメイン単位で、次回以降の近傍確認処理を省略できる期間を設定することができる。
【0092】
また、クライアントが同じドメインに属する複数のサーバと近傍確認処理を行うような場合には、複数のサーバの内の任意のサーバにアクセスすることで近傍確認情報の更新が可能になる。更に、近傍確認情報の生成後に、サーバやクライアントの所属ドメインが変更になったような場合において、近傍確認情報の利用を制限できる。
【0093】
近傍確認情報として、コンテンツ名を加えることによって、利用するコンテンツ単位で、次回以降の近傍確認処理を省略できる期間を設定することができる。
【0094】
近傍確認情報として、コンテンツの所有者名を加えることによって、コンテンツの所有者単位で、次回以降の近傍確認処理を省略できる期間を設定することができ、例えば、自分が所有者であるコンテンツについて、家族の誰かが所有するコンテンツに比べて、近傍確認処理を省略できる期間を長く設定するといったことが可能になる。
【0095】
近傍確認情報として、コンテンツの使用制限回数を加えることによって、次回以降の近傍確認処理を省略できる合計回数を設定することができる。
【0096】
以上のように、一度取得したコンテンツ及びそれに対応するライセンスと保持している近傍確認情報の近傍確認処理を省略できる近傍確認省略期限情報504及び付随する情報が条件を満たすとき、サーバ10にアクセスすることなく、クライアント11でコンテンツを利用できるようになる。
【0097】
(実施の形態2)
図7は、本発明の実施の形態2に係るサーバ10−1およびクライアント11−1の要部のブロック図であり、上述の図2に対応する図である。
【0098】
サーバ側ライセンス管理装置601は、データ送受信制御部602と、近傍確認処理部603と、メモリ領域605とを備えており、これらは、上述の実施の形態1のサーバ側ライセンス管理装置101のデータ送受信制御部102、近傍確認処理部103およびメモリ領域105と同様である。
【0099】
クライアント側ライセンス管理装置607は、データ送受信制御部611と、ライセンス管理部610と、画像・音声再生部608と、メモリ領域612とを備えており、これらは、上述の実施の形態1のクライアント側ライセンス管理装置106のデータ送受信制御部107、ライセンス管理部109、画像・音声再生部110およびメモリ領域111と同様である。
【0100】
サーバ側ライセンス管理装置601のライセンス・近傍確認情報発行部604は、上述の実施の形態1のライセンス・近傍確認情報発行部104と異なり、近傍確認情報として、近傍確認処理によって同一のホームネットワークに存在することが確認できた後の次回以降の近傍確認処理を省略できる期間の開始時間である近傍確認省略開始時間および前記期間の終了時間である近傍確認省略終了時間を発行する。
【0101】
クライアント11−1側のライセンス管理装置607の近傍確認情報管理部609は、近傍確認情報である近傍確認省略開始時間および近傍確認省略終了時間を格納し、コンテンツを利用する際、格納している近傍確認情報に含まれる近傍確認処理を省略できる条件を満たしているか否か、すなわち、近傍確認の正当性を確認する。
【0102】
サーバ10−1側およびクライアント11−1側の各ライセンス管理装置601,607は、現在時刻をそれぞれ管理する時間情報管理部606および時間情報管理部613をそれぞれ備えており、他の構成要素からの要求に応じて現在時刻をそれぞれ提供する。時間情報管理部606と時間情報管理部613との間では、常に時刻を同期させている。
【0103】
図8は、サーバ10−1で近傍確認情報を生成し、クライアント11−1内で保持する際のデータフローを示している。
【0104】
サーバ側ライセンス管理装置601からクライアント側ライセンス管理装置607へ近傍確認情報705が送信される。この近傍確認情報705には、上述のように近傍確認省略を許容する近傍確認省略開始時間及び、近傍確認省略を禁止する近傍確認省略終了時間が含まれている。この近傍確認情報705は、サーバ側ライセンス管理装置601の時間情報管理部606で現在時刻を取得し、ライセンス・近傍確認情報発行部604にて生成され、クライアント側ライセンス管理装置607に送信し、クライアント側ライセンス管理装置607の近傍確認情報管理部609で管理される。このときクライアント側ライセンス管理装置106の時間情報管理部613で取得される時刻が、クライアント側ライセンス管理装置106の近傍確認情報管理部609で管理する近傍確認省略開始時間から近傍確認省略終了時間の範囲内である場合に、近傍確認処理の省略が可能となる。
【0105】
この実施の形態では、近傍確認情報として、次回以降の近傍確認処理を省略できる近傍確認省略開始時間および近傍確認省略終了時間を用いるものであり、その他の構成は、上述の実施の形態1と同様である。
【0106】
この実施の形態においても、上述の実施の形態1と同様に、近傍確認情報として、図6(a)〜(e)に示すサーバ名、ドメイン名、コンテンツ名、コンテンツの所有者名、コンテンツの使用制限回数の少なくともいずれか一つを組み合わせてもよい。
【0107】
(実施の形態3)
図9は、本発明の実施の形態3に係るサーバ10および複数、この例では2台のクライアント11−2a,11−2bを示す図である。
【0108】
サーバ10は、上述の実施の形態1のサーバ10と同様の構成である。また、各クライアント11−2a,11−2bのライセンス管理装置901,903におけるデータ送受信制御部107、近傍確認情報管理部108、ライセンス管理部109、時間情報管理部112、画像・音声再生部110およびメモリ領域111は、上述の実施の形態1のクライアント11のライセンス管理装置106と同様の構成である。
【0109】
この実施の形態のサーバ10および各クライアント11−2a,11−2bは、上述の実施の形態1の図3および図5のライセンス管理フローの処理をそれぞれ行なって、上述の実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0110】
更に、この実施の形態では、各クライアント11−2a,11−2bのライセンス管理装置901,903は、近傍確認処理部902,904をそれぞれ備えており、クライアント11−2a,11−2b間においても近傍確認情報の更新を可能としている。
【0111】
すなわち、両クライアント11−2a,11−2bがサーバ10と同一のホームネットワーク内に存在しない場合に、例えば、一方のクライアント11−2aが他方のクライアント11−2bにアクセスすると、他方のクライアント11−2bの近傍確認処理部904で近傍確認処理を実施し、同一のホームネットワーク内に存在することが確認されたときには、近傍確認情報管理部108に保持している近傍確認情報を、一方のクライアント11−2aに供与するものであり、これによって、或るクライアントが保持する近傍確認情報を他のクライアントにコピーして更新することが可能になる。
【0112】
(実施の形態4)
図10は、本発明の実施の形態4に係るサーバ10−3およびクライアント11−3の要部のブロック図であり、上述の図2に対応する図である。
【0113】
サーバ側ライセンス管理装置101は、データ送受信制御部102と、近傍確認処理部103と、ライセンス・近傍確認情報発行部104と、コンテンツを格納するメモリ領域105とを備えており、これらは、上述の実施の形態1と同様である。
【0114】
また、クライアント側ライセンス管理装置106は、データ送受信制御部107と、近傍確認情報管理部108と、ライセンス管理部109と、時間情報管理部112と、画像・音声再生部110と、メモリ領域111とを備えており、これらは、上述の実施の形態1と同様である。
【0115】
この実施の形態のサーバ10−3およびクライアント11−3は、上述の実施の形態1の図3および図5のライセンス管理フローの処理を行なって、上述の実施の形態1と同様の作用効果を奏することができる。
【0116】
更に、この実施の形態では、図11のライセンス管理フローに従って更新処理を行なう。
【0117】
すなわち、図11に示すように、一定周期ごとにクライアント側ライセンス管理装置101からサーバ側ライセンス管理装置106に対して、近傍確認情報及びライセンスの更新を要求する(ステップA1001)。ステップA1001を受けて、サーバ側ライセンス管理装置101からクライアント側ライセンス管理装置106に対して近傍確認処理を実施し、判定がNGの場合は、クライアント側ライセンス管理装置11−3が一時的にホームネットワーク外にあると判定し、更新処理を行なわずにフローを終了する(ステップA1002)。
【0118】
ステップA1002の判定がOKの場合、サーバ側ライセンス管理装置101で保持するライセンスの正当性を確認し、更新処理を実施する(ステップA1003)。A1003の判定条件がOKの場合、更新した近傍確認情報及び、ライセンスをクライアント側ライセンス管理装置106に送信しフローを終了する(ステップA1004)。
【0119】
A1003の判定条件がNGの場合には、サーバ側ライセンス管理装置101内に条件を満たすライセンスがないとして、過去にクライアント側ライセンス管理装置106に供与されたそのライセンスおよび対応するコンテンツの削除を要求し、クライアント側ライセンス管理装置106は、対応するコンテンツおよびライセンスを削除してフローを終了する(ステップA1005)。
【0120】
以上の処理を行なうことで、既にクライアント11−3で保持しているコンテンツについては再転送することなく、ライセンス及び近傍確認情報の更新を行ってコンテンツを利用することができ、コンテンツを再転送しない分、通信量を削減できる。また、サーバ10−3から消去されたライセンス及びコンテンツについては、更新処理を行なうタイミングで、クライアント11−3から削除することができる。
【0121】
(実施の形態5)
図12は、本発明の実施の形態5に係るサーバ10−4およびクライアント11−4の要部のブロック図である。
【0122】
上述の各実施の形態では、サーバ10,10−1,10−3で生成した近傍確認情報を、クライアント11,11−1,11−2a,2b,11−3に供与してクライアント11,11−1,11−2a,2b,11−3で保持したけれども、この実施の形態では、サーバ10−4で生成した近傍確認情報をクライアント11−4に供与することなく、サーバ10−4で保持するようにしている。
【0123】
このため、サーバ側ライセンス管理装置1101は、クライアント側ラインセンス管理装置1107との間においてコンテンツ及びライセンスの入出力処理を行なうデータ送受信制御部1102と、クライアント側ライセンス管理装置1107に対し近傍確認処理を実施する近傍確認処理部1103と、クライアント側ライセンス管理装置1107の正当性を認めたときに、近傍確認情報及びライセンスを発行するライセンス・近傍確認情報発行部1104と、コンテンツを格納するメモリ領域1105とを備えるとともに、近傍確認情報を保持する近傍確認情報管理部1106を備えている。
【0124】
また、クライアント側ライセンス管理装置1107は、サーバ側ライセンス管理装置1101との間においてコンテンツの入出力処理を行なうデータ送受信制御部1110と、サーバ側ライセンス管理装置1101から発行されるライセンスを管理するライセンス管理部1109と、近傍確認およびライセンスの正当性が認められたときにコンテンツを再生する画像・音声再生部1108と、サーバ側から供与されたコンテンツを格納するメモリ領域1111とを備えている。
【0125】
次に、図12に示すライセンス管理装置1101,1107の各構成要素の主機能を説明する。
【0126】
サーバ側ライセンス管理装置1101のデータ送受信制御部1102は、クライアント側ライセンス管理装置1107のデータ送受信制御部1110と接続し、装置間でドメイン管理されたコンテンツのやり取りを行うための各種認証処理及び、データ送受信を行う。この際、データ送受信制御部1102とデータ送受信制御部1110の間の通信は、セキュリティ強度向上のため暗号化されていてもよい。近傍確認処理部1103は、クライアント側ライセンス管理装置1107から要求があった際、近傍確認処理の実施および判定を行う。ライセンス・近傍確認情報発行部1104は、近傍確認処理の結果に応じてライセンス及び近傍確認情報を生成する。近傍確認情報管理部1106は、ライセンス・近傍確認情報発行部1104で生成した近傍確認情報を管理し、クライアントからコンテンツの利用要求がある場合、管理している近傍確認情報を必要に応じて利用する。
【0127】
上述の各実施の形態では、近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として時間情報を含んでいたけれども、この実施の形態では、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、近傍確認処理によってホームネットワークに存在することが確認されてコンテンツおよびライセンスを既に供与されたクライアントであることを示す情報、例えば、クライアント名を含んでいる。
【0128】
クライアント側ライセンス管理装置1107のライセンス管理部1109は、サーバ側ライセンス管理装置1101から供与されたライセンスを格納し、コンテンツを利用する際、格納しているライセンスの正当性を確認する。
【0129】
図13は、この実施の形態のライセンス管理システムの処理フローを示す。
【0130】
先ず、コンテンツを利用するクライアント側ライセンス管理装置1107から、サーバ側ライセンス管理装置1101に対してコンテンツの利用要求を行う(ステップA1201)。要求を受けたサーバ側ライセンス管理装置1101は、クライアント側ライセンス管理装置1107がサーバと同じホームネットワーク上にあって、かつ同じドメインに属しているかを判断するために近傍確認処理を行ない、併せてライセンス判定を実施する(ステップA1202,A1203)。
【0131】
ステップA1203の判定がOKとなった場合は、最新の近傍確認情報を生成/更新する(ステップA1204)。この生成あるいは更新される近傍確認情報は、例えば、ステップA1203の判定がOK、すなわち、同一のホームネットワーク内に存在することが確認されたクライアント名であり、このクライアント名に加えて供与するコンテンツおよび対応するライセンスを含むものであってもよい。
【0132】
その後、サーバ側ライセンス管理装置1101からクライアント側ライセンス管理装置1107のメモリ領域1111または、ライセンス管理部1109に対してコンテンツ及び、対応するライセンスを転送し(ステップA1206)、クライアント側ライセンス管理装置1107でそのコンテンツを利用する(ステップA1207)。
【0133】
ステップA1203の判定がNGとなった場合、クライアント側ライセンス管理装置1107は、サーバ側ライセンス管理装置1101のホームネットワーク外にあるとみなされるが、この実施の形態では、ステップA1205において、近傍確認情報管理部1106の近傍確認情報の条件を満たすか否かが判断される。すなわち、コンテンツの利用を要求しているクライアント名が、近傍確認処理によって同一のホームネットワーク内に存在することが確認されてコンテンツおよびライセンスの供与を既に受けたことがあるクライアント名として近傍確認情報に含まれているか否かを判断する。
【0134】
コンテンツの利用を要求しているクライアント名が、既にコンテンツおよびライセンスの供与を受けたクライアント名として近傍確認情報に含まれているときには、近傍確認処理を省略できるため、ステップA1206以降の処理を実施でき、コンテンツおよびライセンスの供与を受けて利用することが可能となる。
【0135】
この実施の形態においても、近傍確認情報として、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として時間情報を含むようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明は、DRM対応のデジタル機器への適用によって、ユーザの利便性を保持しつつ、コンテンツ提供者の利益が保護できる。例えばデジタルTV、HDDレコーダ、DVDレコーダ、デジタルオーディオプレーヤ、携帯電話、パソコンへの適用が有用である。
【図面の簡単な説明】
【0137】
【図1】本発明の実施の形態1に係るサーバおよびクライアントを含むホームネットを示す図である。
【図2】本発明の実施の形態1に係るサーバおよびクライアントの要部のブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態1に係るライセンス管理の処理手順を示す図である。
【図4】本発明の実施の形態1に係るライセンス管理に関する近傍確認情報のフローを示す図である。
【図5】本発明の実施の形態1に係るライセンス管理における処理手順を示す図である。
【図6】本発明の他の実施の形態に係る近傍確認情報の具体的内容を示す図である。
【図7】本発明の実施の形態2に係るサーバおよびクライアントの要部のブロック図である。
【図8】本発明の実施の形態2に係るライセンス管理に関する近傍確認情報のフローを示す図である。
【図9】本発明の実施の形態3に係るサーバおよびクライアントの要部のブロック図である。
【図10】本発明の実施の形態4に係るサーバおよびクライアントの要部のブロック図である。
【図11】本発明の実施の形態4に係るライセンス管理における処理手順を示す図である。
【図12】本発明の実施の形態5に係るサーバおよびクライアントの要部のブロック図である。
【図13】本発明の実施の形態5に係るライセンス管理における処理手順を示す図である。
【符号の説明】
【0138】
10,10−1,10−3,10−4 サーバ
11,11−1,11−2a,2b,11−3,11−4 クライアント
101,601, 1101 サーバ側ライセンス管理装置
106,607,901,903,1107 クライアント側ライセンス管理装置
104,604,1104 ライセンス・近傍確認情報発行部
103,603,1103 近傍確認処理部
108,609,1106 近傍確認情報管理部
102,107,602,611,1102,1110 データ送受信制御部
105,111,605,612,1105,1111 メモリ領域
109,610,1109 ライセンス管理部
110,608,1108 画像・音声再生部
112,613 時間情報管理部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、サーバが、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するライセンス管理システムであって、
前記サーバは、前記コンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが、前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび前記ライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を生成し、
前記近傍確認情報を、前記サーバまたは前記クライアントが保持し、前記サーバまたは前記クライアントは、前記近傍確認情報に基づいて、近傍確認処理を省略できるか否かを判定することを特徴とするライセンス管理システム。
【請求項2】
クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、サーバが、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するライセンス管理システムであって、
前記サーバは、前記コンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが、前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび前記ライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を供与し、
前記クライアントは、供与された前記コンテンツ、前記ライセンスおよび前記近傍確認情報を保持し、前記近傍確認情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略して前記コンテンツを利用できるか否かを判定することを特徴とするライセンス管理システム。
【請求項3】
クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、サーバが、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するライセンス管理システムであって、
前記サーバは、前記コンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが、前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび前記ライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を生成して保持し、
前記サーバは、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、前記近傍確認情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略してコンテンツおよび対応するライセンスを供与するか否かを判定することを特徴とするライセンス管理システム。
【請求項4】
サーバが、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を供与するシステムの前記クライアントであって、
供与された前記コンテンツを保持するメモリと、供与された前記ライセンスを保持するライセンス管理部と、供与された前記近傍確認情報を保持する近傍確認情報管理部とを有し、
前記近傍確認情報管理部は、前記近傍確認情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略して前記コンテンツを利用できるか否かを判定することを特徴とするクライアント。
【請求項5】
前記サーバに対して、定期的なアクセスを行って、前記サーバから最新の前記近傍確認情報の供与を受けて、前記近傍情報管理部の近傍確認情報を更新する請求項4に記載のクライアント。
【請求項6】
前記近傍確認情報には、前記同一のホームネットワーク内に存在することが確認された前記近傍確認処理の実施時に付与する時間情報を含む請求項4または5に記載のクライアント。
【請求項7】
前記時間情報は、前記次回以降の近傍確認処理を省略できる時間的な長さを示す近傍確認省略期間情報であり、
時間を計測する計測手段を備え、前記近傍確認情報管理部は、前記計測手段による計測値および前記近傍確認省略期間情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略して前記コンテンツおよび前記ライセンスの少なくとも一方を利用できる期限を示す近傍確認省略有効期限情報を算出する請求項6に記載のクライアント。
【請求項8】
前記サーバの時間情報管理部と同期を取って時間を管理する時間情報管理部を備え、
前記時間情報が、前記次回以降の近傍確認処理を省略できる期間の開始時間および終了時間であり、
前記近傍確認情報管理部は、前記時間情報管理部によって管理される前記開始時間から前記終了時間までの期間、近傍確認処理を省略して前記コンテンツおよび前記ライセンスの少なくとも一方を利用する請求項6に記載のクライアント。
【請求項9】
前記サーバが複数であり、
前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記近傍確認処理を実施する前記サーバのサーバ名を含む請求項4ないし8のいずれか一項に記載のクライアント。
【請求項10】
前記サーバが複数であり、
前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記近傍確認処理を実施する前記サーバが属するドメイン名を含む請求項4ないし9のいずれか一項に記載のクライアント。
【請求項11】
前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記コンテンツ名を含む請求項4ないし10のいずれか一項に記載のクライアント。
【請求項12】
前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記コンテンツを所有するユーザ名を含む請求項4ないし11のいずれか一項に記載のクライアント。
【請求項13】
前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記コンテンツおよび前記ライセンスの少なくとも一方の利用制限回数を含む請求項4ないし12のいずれか一項に記載のクライアント。
【請求項14】
当該クライアントが複数であり、
各クライアントは、他のクライアントからのアクセスに応じて、該他のクライアントが同一のホームネットワーク内に存在することを確認する近傍確認処理を行なって、同一のホームネットワーク内に存在することが確認された前記他のクライアントに対して、当該クライアントが保持している近傍確認情報を供与する請求項4ないし13のいずれか一項に記載のクライアント。
【請求項15】
前記サーバは、当該クライアントからの前記近傍確認情報および前記ライセンスの更新要求に応じて、当該クライアントが前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを近傍確認処理によって確認するとともに、ライセンスの正当性を確認した後に、当該クライアントに対して、更新した前記近傍確認情報および前記ライセンスを供与するものであり、
当該クライアントは、近傍確認情報管理部に保持されている近傍確認情報および前記ライセンス管理部に保持されているライセンスを、供与された近傍確認情報およびライセンスで更新する請求項4ないし14のいずれか一項に記載のクライアント。
【請求項16】
前記サーバは、当該クライアントからの前記ライセンスの更新要求に応じて、前記ライセンスの正当性が確認できなかったときには、当該クライアントに対して、そのライセンスおよび対応するコンテンツを無効にすることを要求し、
当該クライアントは、要求されたライセンスおよびコンテンツを無効にする請求項15に記載のクライアント。
【請求項17】
クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を供与することを特徴とするサーバ。
【請求項18】
サーバが、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するシステムの前記サーバであって、
前記コンテンツおよび前記ライセンスを供与したクライアントであることを示す近傍確認情報を保持する近傍確認情報管理部を備え、クライアントからコンテンツの利用要求に応じて、該クライアントが、コンテンツおよびライセンスを供与されたクライアントであるか否かを前記近傍確認情報に基づいて判定し、供与されたクライアントであるときには、前記同一のホームネットワーク内に存在することの確認を省略することを特徴とするサーバ。
【請求項19】
前記近傍確認情報には、前記同一のホームネットワーク内に存在することが確認された前記近傍確認処理の実施時に付与する時間情報を含む請求項18に記載のサーバ。
【請求項20】
サーバが、クライアントからのコンテンツ利用要求に対して、該クライアントが、前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを確認する近傍確認処理を行なうステップと、
前記サーバが、前記近傍確認処理によって、前記クライアントが前記同一のホームネットワーク内に存在することを確認したときに、該クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を供与するステップと、
前記クライアントが、供与された前記コンテンツ、前記ライセンスおよび前記近傍確認情報を保持するステップと、
前記クライアントが、保持した前記近傍確認情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略して前記コンテンツを利用できるか否かを判定するステップと、
を含むことを特徴とするライセンス管理方法。
【請求項1】
クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、サーバが、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するライセンス管理システムであって、
前記サーバは、前記コンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが、前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび前記ライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を生成し、
前記近傍確認情報を、前記サーバまたは前記クライアントが保持し、前記サーバまたは前記クライアントは、前記近傍確認情報に基づいて、近傍確認処理を省略できるか否かを判定することを特徴とするライセンス管理システム。
【請求項2】
クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、サーバが、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するライセンス管理システムであって、
前記サーバは、前記コンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが、前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび前記ライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を供与し、
前記クライアントは、供与された前記コンテンツ、前記ライセンスおよび前記近傍確認情報を保持し、前記近傍確認情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略して前記コンテンツを利用できるか否かを判定することを特徴とするライセンス管理システム。
【請求項3】
クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、サーバが、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するライセンス管理システムであって、
前記サーバは、前記コンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが、前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび前記ライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を生成して保持し、
前記サーバは、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、前記近傍確認情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略してコンテンツおよび対応するライセンスを供与するか否かを判定することを特徴とするライセンス管理システム。
【請求項4】
サーバが、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を供与するシステムの前記クライアントであって、
供与された前記コンテンツを保持するメモリと、供与された前記ライセンスを保持するライセンス管理部と、供与された前記近傍確認情報を保持する近傍確認情報管理部とを有し、
前記近傍確認情報管理部は、前記近傍確認情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略して前記コンテンツを利用できるか否かを判定することを特徴とするクライアント。
【請求項5】
前記サーバに対して、定期的なアクセスを行って、前記サーバから最新の前記近傍確認情報の供与を受けて、前記近傍情報管理部の近傍確認情報を更新する請求項4に記載のクライアント。
【請求項6】
前記近傍確認情報には、前記同一のホームネットワーク内に存在することが確認された前記近傍確認処理の実施時に付与する時間情報を含む請求項4または5に記載のクライアント。
【請求項7】
前記時間情報は、前記次回以降の近傍確認処理を省略できる時間的な長さを示す近傍確認省略期間情報であり、
時間を計測する計測手段を備え、前記近傍確認情報管理部は、前記計測手段による計測値および前記近傍確認省略期間情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略して前記コンテンツおよび前記ライセンスの少なくとも一方を利用できる期限を示す近傍確認省略有効期限情報を算出する請求項6に記載のクライアント。
【請求項8】
前記サーバの時間情報管理部と同期を取って時間を管理する時間情報管理部を備え、
前記時間情報が、前記次回以降の近傍確認処理を省略できる期間の開始時間および終了時間であり、
前記近傍確認情報管理部は、前記時間情報管理部によって管理される前記開始時間から前記終了時間までの期間、近傍確認処理を省略して前記コンテンツおよび前記ライセンスの少なくとも一方を利用する請求項6に記載のクライアント。
【請求項9】
前記サーバが複数であり、
前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記近傍確認処理を実施する前記サーバのサーバ名を含む請求項4ないし8のいずれか一項に記載のクライアント。
【請求項10】
前記サーバが複数であり、
前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記近傍確認処理を実施する前記サーバが属するドメイン名を含む請求項4ないし9のいずれか一項に記載のクライアント。
【請求項11】
前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記コンテンツ名を含む請求項4ないし10のいずれか一項に記載のクライアント。
【請求項12】
前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記コンテンツを所有するユーザ名を含む請求項4ないし11のいずれか一項に記載のクライアント。
【請求項13】
前記近傍確認情報は、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件として、前記コンテンツおよび前記ライセンスの少なくとも一方の利用制限回数を含む請求項4ないし12のいずれか一項に記載のクライアント。
【請求項14】
当該クライアントが複数であり、
各クライアントは、他のクライアントからのアクセスに応じて、該他のクライアントが同一のホームネットワーク内に存在することを確認する近傍確認処理を行なって、同一のホームネットワーク内に存在することが確認された前記他のクライアントに対して、当該クライアントが保持している近傍確認情報を供与する請求項4ないし13のいずれか一項に記載のクライアント。
【請求項15】
前記サーバは、当該クライアントからの前記近傍確認情報および前記ライセンスの更新要求に応じて、当該クライアントが前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを近傍確認処理によって確認するとともに、ライセンスの正当性を確認した後に、当該クライアントに対して、更新した前記近傍確認情報および前記ライセンスを供与するものであり、
当該クライアントは、近傍確認情報管理部に保持されている近傍確認情報および前記ライセンス管理部に保持されているライセンスを、供与された近傍確認情報およびライセンスで更新する請求項4ないし14のいずれか一項に記載のクライアント。
【請求項16】
前記サーバは、当該クライアントからの前記ライセンスの更新要求に応じて、前記ライセンスの正当性が確認できなかったときには、当該クライアントに対して、そのライセンスおよび対応するコンテンツを無効にすることを要求し、
当該クライアントは、要求されたライセンスおよびコンテンツを無効にする請求項15に記載のクライアント。
【請求項17】
クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を供与することを特徴とするサーバ。
【請求項18】
サーバが、クライアントからのコンテンツの利用要求に応じて、前記クライアントが前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを、近傍確認処理によって確認した後に、前記クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するシステムの前記サーバであって、
前記コンテンツおよび前記ライセンスを供与したクライアントであることを示す近傍確認情報を保持する近傍確認情報管理部を備え、クライアントからコンテンツの利用要求に応じて、該クライアントが、コンテンツおよびライセンスを供与されたクライアントであるか否かを前記近傍確認情報に基づいて判定し、供与されたクライアントであるときには、前記同一のホームネットワーク内に存在することの確認を省略することを特徴とするサーバ。
【請求項19】
前記近傍確認情報には、前記同一のホームネットワーク内に存在することが確認された前記近傍確認処理の実施時に付与する時間情報を含む請求項18に記載のサーバ。
【請求項20】
サーバが、クライアントからのコンテンツ利用要求に対して、該クライアントが、前記サーバと同一のホームネットワーク内に存在することを確認する近傍確認処理を行なうステップと、
前記サーバが、前記近傍確認処理によって、前記クライアントが前記同一のホームネットワーク内に存在することを確認したときに、該クライアントに対して、前記コンテンツおよび該コンテンツの利用条件を含むライセンスを供与するとともに、次回以降の近傍確認処理を省略できる条件を含む近傍確認情報を供与するステップと、
前記クライアントが、供与された前記コンテンツ、前記ライセンスおよび前記近傍確認情報を保持するステップと、
前記クライアントが、保持した前記近傍確認情報に基づいて、前記近傍確認処理を省略して前記コンテンツを利用できるか否かを判定するステップと、
を含むことを特徴とするライセンス管理方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
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【図10】
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【公開番号】特開2010−61252(P2010−61252A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−224317(P2008−224317)
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月2日(2008.9.2)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】
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