説明

サーバ装置および給電予約受付方法

【課題】電力駆動される移動体のために、給電設備の利用状況に応じて適切な給電環境を提供することを課題とする。
【解決手段】車載機1と通信可能に接続されたサーバ装置に、車載バッテリーに対して給電可能な給電設備への到着予定時刻および滞在時間を含む車両情報を取得する車両情報取得部21と、到着予定時刻および滞在時間に係る給電設備の利用スケジュールを取得する利用スケジュール取得部22と、推奨される給電プランを作成する給電プラン作成部23と、給電プランを車載機1に対して出力する給電プラン出力部24と、車載機1から、車両の識別情報を含む予約申込を受信する予約受付部25と、予約申込に含まれる車両の識別情報を、給電設備の利用枠に関連付けて保存する利用スケジュール更新部26と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は移動体に搭載されたバッテリーへ給電するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
陸上輸送の分野においては、大気汚染や化石燃料の枯渇に対する懸念から、電力を使って走行する自動車の研究開発が盛んに行われている。そして、このような電気自動車に電力を供給するための技術として、従来、目的地近傍に充電設備がある場合に、現在地から目的地までの走行がバッテリーの残存容量で可能かどうかを判断し、その判断結果を出力する技術がある(特許文献1を参照)。
【0003】
また、走行用バッテリーの残存容量について複数の規定値を設け、規定値に応じて異なる発信者電話番号を設け、バッテリーの残存容量が各規定値となると夫々の規定値に応じた発信者電話番号を用いて発信し、着信側で発信者電話番号に応じた呼出音を出力させる技術がある(特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−294463号公報
【特許文献2】特開2006−113889号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来、目的地としてガソリンスタンド等を検索し、ルート探索およびルート案内をすることが可能なカーナビゲーション装置が用いられている。また、電気自動車のために、充電スタンドを案内することが可能なカーナビゲーション装置も提案されている。しかし、ガソリンや水素等の燃料の充填と異なり、電気自動車におけるバッテリーへの充電には、一定以上の時間がかかることが通常である。このため、仮に目的地として充電スタンドや充電可能な駐車場を検索およびルート探索し、ルート案内したとしても、給電設備の利用状況によっては、充電が出来ないか又は十分な充電時間が確保出来ない等の理由で、その後の走行のために必要な電池残量を確保することが出来ない虞がある。また、このような問題は、電力を用いて駆動される移動体全般に共通する問題である。
【0006】
本発明は、上記した問題に鑑み、電力駆動される移動体のために、給電設備の利用状況に応じて適切な給電環境を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、サーバ装置に以下の手段を備えることとした。即ち、本発明は、バッテリーからの電力で駆動される車両に搭載された情報処理装置と通信可能に接続されたサーバ装置であって、前記バッテリーに対して給電可能な給電設備への前記車両の到着予定時刻、および該車両の該給電設備における滞在時間、を把握可能な情報を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、前記到着予定時刻および前記滞在時間に係る前記給電設備の利用スケジュールを取得する利用スケジュール取得手段と、前記利用スケジュールおよび前記車両情報に基づいて、前記到着予定時刻および前記滞在時間において前記車両に対して推奨される前記給電設備の給電プランを作成する給電プラン作成手段と、前記給電プランを前記情報処理装置に対して出力する給電プラン出力手段と、前記給電プランの出力を受けた前記情報処理装置から、前記車両の識別情報を含む前記給電設備の利用の予約申込を受け付ける予約受付手段と、前記予約申込に含まれる前記車両
の識別情報を、前記到着予定時刻および前記滞在時間に係る前記給電設備の利用枠に関連付けて前記利用スケジュールを更新する利用スケジュール更新手段と、を備えるサーバ装置である。
【0008】
上述のように、バッテリーへの充電には一定以上の時間がかかることが通常であり、仮に目的地として給電設備を有する目的地(例えば、充電スタンドや充電可能な駐車場)を検索およびルート探索し、ルート案内したとしても、給電設備の利用状況によっては、充電が出来ないか又は十分な充電時間が確保出来ない等の理由で、その後の走行のために必要な電池残量を確保することが出来ない虞がある。そこで、本発明では、車両情報および給電設備の利用スケジュールに応じて、車両に提示される給電プランを作成し、この給電プランに応じて給電設備の予約を行うことで、給電設備の利用状況に応じた適切な給電環境を提供することとした。
【0009】
本発明に係るサーバ装置は、車両に搭載されたバッテリーからの電力で駆動される車両に搭載されたカーナビゲーション装置等の情報処理装置からの給電予約を受け付ける機能を有するサーバ装置であり、このバッテリーは、駐車場等に設置された給電設備によって給電される。
【0010】
なお、本発明において、給電プランとは、車両またはユーザに対して推奨される給電の計画であり、例えば、ユーザの希望する充電が完了するまでに必要な時間や、該当給電設備で給電を行った場合に得られる電池残量、給電に必要な料金、給電におけるポイントサービスの利用や給電で付与されるポイント、駐車料金や給電料金の割引、等がユーザに対して提案される。
【0011】
また、本発明において、前記給電プラン作成手段は、前記利用スケジュールを参照して、前記利用枠の予約の可否を判別可能な情報を含む給電プランを作成してもよい。本発明において、利用スケジュールとは、給電設備の利用予定を把握可能な情報である。
【0012】
また、本発明において、前記車両情報取得手段は、前記車両情報として、処理基準時の電池残量、および前記給電設備までの走行経路を更に取得し、前記給電プラン作成手段は、前記処理基準時の電池残量および前記走行経路を走行した場合の消費電力に基づいて前記給電設備への到着時電池残量を予測し、前記給電設備に係る情報、該到着時電池残量および前記滞在時間に基づいて、前記給電設備に滞在した場合の、滞在後電池残量を含む給電プランを作成してもよい。
【0013】
ここで、処理基準時とは、本発明に係る給電予約処理において、給電設備までの経路探索や到着時電池残量予測の基準となる時刻である。走行開始時または走行中に本発明に係る給電予約処理を実行する場合、取得される処理基準時の電池残量は、処理時点(現在)の電池残量であるが、走行開始前に運行スケジュール等に基づいて給電予約処理を予め実行し、給電設備を走行開始前に予約しておく場合には、処理基準時は、運行スケジュールにおける走行開始時刻等の時刻であり、この場合に取得される処理基準時の電池残量は、運行スケジュールにおける所定の時刻等、電池残量を取得する必要がある未来の時刻における電池残量が予測されて取得される。
【0014】
給電設備は、互いに給電能力が異なる場合がある。また、滞在中に充電できる電力量は、滞在時間によって左右される。このため、本発明では、滞在後電池残量を予測することで、より有利な給電を行うための判断材料を提供することとしている。
【0015】
なお、走行経路の探索には、従来からカーナビゲーション等の分野において用いられている技術を用いることが出来る。このようにして探索された経路情報に含まれる走行距離
や走行時間等を用いることで、より正確な到着時電池残量の予測を行うことが可能となる。また、到着時電池残量の予測においては、探索された経路の傾斜や時間帯、季節、気温、渋滞情報、運転者のアクセル操作の傾向等、電費(単位電力量あたりの走行可能距離)に影響を与える要素に関する情報を収集し、これらの情報を加味して到着時電池残量を算出することとしてもよい。
【0016】
また、給電設備に係る情報(以下、「給電設備情報」とも称する)には、給電設備の有無を示す情報の他、給電設備が有る場合には、給電設備による給電方式、規格、給電能力(急速充電の可否)、設備の空き情報、予約情報、等が含まれていてもよい。なお、給電方式としては、無線伝送方式であるか有線伝送方式であるかの区別の他、無線伝送方式のうちコイル間の電磁誘導を用いる方式、磁界共鳴方式、マイクロ波伝送方式、等のうち何れの伝送方式であるのかの区別がある。また、同様の伝送方式を用いる場合でも、複数の規格が策定されている場合に、何れの規格であるのかを識別可能な情報が示されることが好ましい。また、コイルを用いて無線伝送を行う場合には、駐車スペースにおけるコイルの設置位置や、コイルの可動範囲、コイルの径、共振周波数等の情報も有用であるため、給電設備情報に含まれることが好ましい。
【0017】
また、本発明に係るサーバ装置は、前記車両の前記給電設備への入庫時に該車両の識別情報を取得し、前記更新された利用スケジュールの識別情報と照合することで、入庫車両を認証する認証手段と、前記給電設備に対して、認証された車両に対する給電許可を発行する給電許可発行手段と、を更に備えてもよい。
【0018】
上記認証手段および給電許可発行手段によって車両の認証及び給電許可の発行が行われることで、給電設備における設備(具体的には、送電ユニットが設置された駐車スペース等)を、車両の到着予定時刻において適切に確保することが可能となる。
【0019】
更に、本発明は、給電予約受付方法、又はコンピュータによって実行される給電予約受付用プログラムとしても把握することが可能である。また、本発明は、そのようなプログラムをコンピュータその他の装置、機械等が読み取り可能な記録媒体に記録したものでもよい。ここで、コンピュータ等が読み取り可能な記録媒体とは、データやプログラム等の情報を電気的、磁気的、光学的、機械的、または化学的作用によって蓄積し、コンピュータ等から読み取ることができる記録媒体をいう。
【0020】
例えば、本発明は、バッテリーからの電力で駆動される車両に搭載された情報処理装置と通信可能に接続されたコンピュータによって、前記バッテリーに対して給電可能な給電設備への前記車両の到着予定時刻、および該車両の該給電設備における滞在時間、を把握可能な情報を含む車両情報を取得する車両情報取得ステップと、前記到着予定時刻および前記滞在時間に係る前記給電設備の利用スケジュールを取得する利用スケジュール取得ステップと、前記利用スケジュールおよび前記車両情報に基づいて、前記到着予定時刻および前記滞在時間において前記車両に対して推奨される前記給電設備の給電プランを作成する給電プラン作成ステップと、前記給電プランを前記情報処理装置に対して出力する給電プラン出力ステップと、前記給電プランの出力を受けた前記情報処理装置から、前記車両の識別情報を含む前記給電設備の利用の予約申込を受け付ける予約受付ステップと、前記予約申込に含まれる前記車両の識別情報を、前記到着予定時刻および前記滞在時間に係る前記給電設備の利用枠に関連付けて前記利用スケジュールを更新する利用スケジュール更新ステップと、が実行される給電予約受付方法である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、電力駆動される移動体のために、給電設備の利用状況に応じて適切な給電環境を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】実施形態に係るサーバ装置を含む給電システム全体の構成を示す図である。
【図2】実施形態に係る無線電力伝送装置の構成を示す図である。
【図3】実施形態に係る車載機の構成の概略を示した図である。
【図4】実施形態に係る車載機の機能構成を示す図である。
【図5】実施形態に係る目的地検索処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】実施形態に係る目的地検索処理の流れを示すフローチャートである。
【図7】実施形態に係る情報センタまたは給電設備管理サーバの機能構成を示す図である。
【図8】実施形態に係る予約処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】実施形態に係る、予約に基づく給電処理の流れを示すフローチャートである。
【図10】実施形態に係る、サーバ装置から給電プランが提示される予約処理の流れを示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る給電システムの実施の形態について、図面に基づいて説明する。なお、本実施形態では、主に無線電力伝送装置を備えることで、車載バッテリーに対して磁界共鳴を用いた無線電力伝送によって充電を行うことが可能な車両について説明する。但し、本発明は、無線電力伝送を用いて充電を行う方式の車両のための給電システムに限らず、バッテリーからの電力を用いて駆動される車両のための給電システム全般に適用することが可能である。例えば、電力伝送ケーブルを介して給電装置と車載の充電ユニットとを有線で接続して充電するような方式を採用する給電システムについても、本発明は適用可能であるし、また、無線電力伝送についても、コイル間の電磁誘導を用いる方式や、磁界共鳴方式、マイクロ波伝送方式、等様々な伝送方式を採用した給電システムに適用可能である。
【0024】
<給電システム全体の構成>
図1は、本実施形態に係るサーバ装置を含む給電システム全体の構成を示す図である。本実施形態において、本発明に係るサーバ装置は、情報センタ2または給電設備管理サーバ3として実施され、本発明に係る情報処理装置は、車載機1として実施される。但し、本実施形態において、本発明に係る情報処理装置は、カーナビゲーション機能を備えた装置として実現されるが、その他の車載装置として実現されてもよい。本実施形態に係る給電システムは、後述する受電ユニット120を有する車両に搭載された車載機1と、情報センタ2と、後述する送電ユニット110を含む給電設備を管理する給電設備管理サーバ3と、VICS(Vehicle Information and Communication System)等のリアルタイム道路情報配信システム4と、が互いにネットワークを介して接続されることで構成される。
【0025】
なお、ネットワークにはインターネット、携帯電話網、専用回線、プライベートネットワーク、イントラネット等が相互に接続されたものを用いることが可能であり、具体的なネットワークとしては、情報センタ2や給電設備管理サーバ3、車載機1等が互いに通信を行うのに適したネットワークが採用されることが好ましい。例えば、本実施形態では、車載機1は、ユーザの携帯電話5を介することで、携帯電話網を用いて情報センタ2または給電設備管理サーバ3との間で情報の送受を行う。但し、情報の送受には、衛星通信やモバイルWiMAX(Worldwide Interoperability for
Microwave Access)等、その他の通信方式が採用されてもよい。
【0026】
なお、本発明に係る情報処理装置は、所謂カーナビゲーションシステムとして実施する
ことが出来るが、この際、処理を行うカーナビゲーションシステムのうち、ユーザに対するインターフェースを提供する部分、および車両に係る情報を取得する部分以外は、必ずしも車載される必要はない。必要な入力を外部に設置されたナビゲーション装置本体やサーバ装置に送信し、本体またはサーバ装置において必要な処理を行い、処理結果をユーザインターフェースに送信して表示させる方式が採用されてもよい。
【0027】
情報センタ2は、駐車場情報、給電設備による給電の課金情報、道路情報を有するデータセンタであり、ネットワークを介して車載機1からの情報要求を受け付け、車載機1に対して必要な情報を提供する。ここで、駐車場情報には、駐車場の空き情報、予約情報、サービス情報(給電設備情報)が含まれる。また、道路情報には、渋滞情報、工事情報、観光スポット情報が含まれる。なお、道路情報は、VICS等のリアルタイム道路情報配信システム4から配信された情報が蓄積されたものであってもよい。このようにすることで、車載機1は、リアルタイム道路情報配信システム4によって配信される情報を直接得ることが出来ない場合であっても、情報センタ2から同様の道路情報を得ることが出来る。
【0028】
給電設備管理サーバ3は、目的地候補として索出される各地点に設けられた給電設備を管理するサーバであり、給電設備による給電方式、規格、給電能力(急速充電の可否等)、設備の空き情報、予約情報、等を管理する。また、給電設備管理サーバ3は、ネットワークを介した車載機1の要求に応じて、管理する情報を提供し、また、給電設備の予約処理を行う。但し、給電設備の予約処理は、給電設備情報を情報センタ2と同期することで、情報センタ2によって行われてもよい。
【0029】
<無線電力伝送装置の構成>
なお、本実施形態では、車載バッテリー133に対する給電方法として、無線電力伝送が用いられる。図2は、本実施形態に係る無線電力伝送装置101の構成を示す図である。無線電力伝送装置101は、大きく分けて送電ユニット110および受電ユニット120を備える。このうち、送電ユニット110は、車両が停止する位置(例えば、駐車スペース)の地面側に設けられ、送電コントローラ117、コンバータ113、送電アンプ114、送電コイル115、共振制御ユニット116、発振回路118、アンテナ111およびデータ送受信ユニット112を備える。ここで、送電コイル115は、例えば、駐車スペースの車止めを基準とした所定位置等、車両が停止した場合の位置合わせが容易な位置に、車両底面に設けられた受電コイル125に対向するように設けられることが好ましい。
【0030】
送電コントローラ117は、予め設定された送電用の設定内容、データ送受信ユニット112による受電ユニット120とのデータ送受信結果、および送電アンプ114から得られた送電電力モニタ結果に従って、発振回路118、共振制御ユニット116、コンバータ113を制御する。データ送受信ユニット112は、アンテナ111に接続された、無線通信のための通信インターフェースである。また、コンバータ113は、供給された交流または直流の電力を直流電流へ変換し、送電アンプ114へ送る。なお、コンバータ113による出力電圧は、送電コントローラ117によって制御される。また、送電アンプ114は、コンバータ113から送られた電力を、発振回路118から与えられた周波数で、送電コイル115へ入力する。ここで、発振回路118によって与えられる周波数は、送電コントローラ117によって制御される。
【0031】
共振制御ユニット116は、送電コントローラ117による指示に従って、送電コイル115に設けられたコンデンサ(キャパシタ)の容量を制御する等の方法で、送電ユニット110の共振周波数を、受電ユニット120の共振周波数と一致するように制御する。また、発振回路118は、送電コントローラ117による指示に従って、送電コイル11
5へ発振される周波数を、共振周波数と一致するように制御する。即ち、本実施形態に係る送電ユニット110は、送電コントローラ117によって送電ユニット110の共振周波数と受電ユニット120の共振周波数が一致するように制御され、この共振周波数で送電されるように、発振回路118が制御されることで、磁界共鳴による無線電力伝送を可能とするものである。
【0032】
また、受電ユニット120は、車両に設けられ、受電コントローラ127、受電コイル125、共振制御ユニット126、整流回路128、DC/DCコンバータ129、アンテナ121およびデータ送受信ユニット122を備える。ここで、受電コイル125は、車両底面の、地面に設置された送電ユニット110と対向する位置に設けられることが好ましい。また、受電ユニット120は、車載の充放電制御装置131を介して、車載バッテリー133やモータ132に接続される。なお、充放電制御装置131は、アクセル操作に応じて車載バッテリー133から車両駆動用の電力を放電させ、また、ブレーキが操作された場合には、モータ132によって発電された電力が車載バッテリー133に充電されるように制御される。
【0033】
受電コントローラ127は、予め設定された受電用の設定内容、データ送受信ユニット122による送電ユニット110とのデータ送受信結果、および整流回路128から得られた受電電力モニタ結果に従って、共振制御ユニット126、整流回路128およびDC/DCコンバータ129を制御する。データ送受信ユニット122は、アンテナ121に接続された、無線通信のための通信インターフェースである。また、受電コイル125には、送電コイル115との間の磁界共鳴によって電流が流れる。ここで、受電コントローラ127は、送電コイル115との間で磁界共鳴を発生させるために、受電コイル125の共振周波数が送電ユニット110と一致するように共振制御ユニット126を制御する。
【0034】
整流回路128(AC/DCコンバータ)およびDC/DCコンバータ129は、充放電制御側による取り出し電力を一定に保つことで、送電側の電圧変更による受電側の見かけの負荷抵抗の制御を可能とする。
【0035】
<車載機の構成>
図3は、本実施形態に係る車載機1の構成の概略を示した図である。車載機1は、CPU(Central Processing Unit)13、RAM(Random Access Memory)10、ROM(Read Only Memory)11、HDD(Hard Disk Drive)12、タッチパネルディスプレイおよびボタン類からなる入出力装置8、CD/DVDデッキ14、TV/AM/FMチューナ15等が電気的に接続された情報処理装置である。また、車載機1は、パワーアンプ16と、スピーカ17と、GPS受信機18と、車速センサ19と、車載バッテリー133の充放電制御装置131とに接続される。
【0036】
CPU13は、中央処理装置であり、RAM10等に展開された命令及びデータを処理することで、RAM10、HDD12、入出力装置8等を制御する。RAM10は、主記憶装置であり、CPU13によって制御され、各種命令やデータが書き込まれ、読み出される。HDD12は、補助記憶装置であり、主に車載機1の電源を落としても保持したい情報が書き込まれ、読み出される。入出力装置8は、タッチパネルディスプレイや各種ボタン類からなり、CPU13によって制御され、出力された表示データを表示し、ユーザによる操作を受け付ける。入出力装置8から入力された内容はRAM10に記録され、CPU13によって処理される。
【0037】
本実施形態に係る車載機1では、入出力装置8として、タッチパネルディスプレイおよ
びボタン類からなる入出力装置が用いられ、主にユーザの視覚を通じて情報を提供し、ユーザによるタッチ操作やボタン押下操作等を介してユーザによる入力を受け付けるが、ユーザインターフェースとして、タッチパネルディスプレイ等を介した画面表示を介した入出力の他、音声による入出力、カメラを用いたジェスチャによる入出力等を用いることとしてもよい。
【0038】
HDD12には、RAM10にロードされる目的地検索用プログラム等の各種プログラムの他、車載機1によって使用される各種データが記憶される。具体的には、HDD12には、車両のナビゲーションに必要な地点情報データベースが構築され、また地図データ等が記憶されている。そして、車載機1は、GPS受信機18および車速センサ19からの信号と、HDD12内に記憶されている地点情報および地図データ等に基づいて、車両のナビゲーションを行う。
【0039】
地点情報データベースは、地点情報が検索可能に蓄積されたデータベースであり、地点情報には、各地点の名称、住所、位置情報、属性情報の他、給電設備に係る情報(給電設備情報)、および地点情報毎のユーザの平均滞在時間等が含まれる。また、給電設備情報には、給電設備の有無を示す情報の他、給電設備が有る場合には、給電設備による給電方式(無線伝送方式であるか有線伝送方式であるかの区別の他、無線伝送方式では電磁誘導方式、磁界共鳴方式、マイクロ波伝送方式、等の区別がある)、規格(例えば、コイルを用いて無線伝送を行う場合には、駐車スペースにおけるコイルの設置位置や、コイルの可動範囲、コイルの径、共振周波数等の情報が含まれる)、給電能力(急速充電の可否)、設備の空き情報、予約情報、等が含まれてもよい。給電設備情報は、情報センタ2または給電設備管理サーバ3によっても管理され、HDD12に蓄積されたこれらの情報は、情報センタ2または給電設備管理サーバ3との通信によって適宜更新されることが好ましい。また、車載機1は、必要に応じて、これらの情報のうちの全部または一部を、地点情報データベース、情報センタ2または給電設備管理サーバ3から取得して処理に用いることが出来る。原則として、給電設備情報は変更される可能性が高いため、情報センタ2または給電設備管理サーバ3から直接取得されることが好ましい。特に、設備の空き情報や予約情報のような、リアルタイム性の高い情報については、情報センタ2または給電設備管理サーバ3から直接取得されることが好ましい。
【0040】
地図データは、後述する経路探索部23によって索出された目的地等までの経路を探索することが可能な地図情報を含む。地図データを用いた経路検索については、従来カーナビゲーション分野において用いられている技術を用いて行うことが可能であるため、詳細な説明は省略する。
【0041】
図4は、本実施形態に係る車載機1の機能構成を示す図である。本実施形態に係る情報処理装置は、CPU13が、RAM10に展開された目的地検索用プログラムを解釈および実行することで、入力受付部21、目的地候補索出部22、経路探索部23、到着前必要残量予測部24、電池残量取得部25、到着時電池残量予測部26、滞在後必要残量予測部27、滞在時間取得部28、滞在後電池残量予測部29、目的地候補絞込部30、出力部31、予約処理部32、および経路案内部33を備える車載機1として機能する。
【0042】
目的地候補索出部22は、地点情報データベースから、検索条件に合致する目的地候補を索出する。なお、本実施形態において、目的地候補索出部22は、到着前必要残量と現在の電池残量とを比較し、現在の電池残量で到達可能な目的地候補のみを索出する。また、経路探索部23は、地図データを参照して、目的地候補までの経路を探索する。
【0043】
到着前必要残量予測部24は、経路探索部23によって探索された走行経路を走行した場合の消費電力を算出することで、目的地候補までの走行に必要な到着前必要残量を予測
する。また、滞在後必要残量予測部27は、経路探索部23によって探索された滞在後の走行経路を走行した場合の消費電力を算出することで、前記滞在後必要残量を予測する。
【0044】
滞在後電池残量予測部29は、給電設備の給電能力に係る情報、到着時電池残量および目的地候補における滞在時間に基づいて、索出された目的地候補に滞在した場合の、滞在後電池残量を予測する。そして、目的地候補絞込部30は、索出された目的地候補から、滞在後電池残量が滞在後必要残量を上回るような給電設備を備える目的地候補を絞り込む。なお、本実施形態において、目的地候補絞込部30は、到着時電池残量が滞在後必要残量を下回る場合に、給電設備を備える目的地候補への絞り込みを行う。
【0045】
<目的地検索処理の詳細>
図5および図6は、本実施形態に係る目的地検索処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された処理は、目的地を索出するための検索条件が入力されることによって開始される。なお、本フローチャートに示された処理の具体的な内容および順序は一例であり、処理内容および順序には、実施の形態に適したものが適宜採用されることが好ましい。
【0046】
なお、本実施形態では、主に走行開始時または走行中に目的地検索処理を実行する場合について主に説明しているため、後述する処理において取得される処理基準時の電池残量は、処理時点(現在)の電池残量であるが、走行開始前に運行スケジュール等に基づいて目的地検索処理を予め実行し、給電設備利用の事前プランを作成しておく場合には、処理基準時は、運行スケジュールにおける走行開始時刻等の時刻であり、電池残量取得部25は、運行スケジュールにおける所定の時刻等、電池残量を取得する必要がある未来の時刻における電池残量を予測して取得する。
【0047】
ここで、運行スケジュールは、所定の期間における車両の運行計画を含む情報であり、例えば、1または複数の目的地(最終目的地を含む)、各目的地に係る到着予定時間、各目的地における滞在時間、各目的地に係る出発予定時間、優先して探索すべき経路を指定する情報(有料道路の利用可否等)、等を含む。運行スケジュール等に基づいて目的地検索処理を予め実行し、給電設備利用の事前プランを作成しておくことで、実際の車両の運行前に、充電の計画を含む詳細な計画を立てることが出来る。
【0048】
ステップS101では、目的地を索出するための検索条件の入力が受け付けられる。入力受付部21は、車載機1に備えられたタッチパネルディスプレイやボタン等の入出力装置8を介してユーザによって入力された検索条件や、車載機1に内蔵された補助記憶装置や外部の記憶装置から読み出された検索条件の入力を受け付ける(ステップS101)。なお、入力される検索条件は、単に1または複数の検索条件が入力されるものであってもよいし、より詳細な情報を含む運行スケジュールの形式で入力されたものであってもよい。その後、処理はステップS102へ進む。
【0049】
ステップS102およびS103では、目的地候補の検索および経路探索が行われる。入力受付部21によって検索条件が受け付けられると、目的地候補索出部22は、検索条件に従って地点情報データベースに蓄積された地点情報を検索することで、検索条件に合致する目的地候補を索出する(ステップS102)。また、経路探索部23は、地図データを参照して、索出された目的地候補までの経路(ルート)を探索する(ステップS103)。なお、目的地候補の検索および経路探索については、従来のカーナビゲーションシステムにおいて用いられている検索技術および探索技術を用いて行うことが可能であるため、詳細な説明を省略する。その後、処理はステップS104へ進む。
【0050】
ステップS104では、目的地候補に到達するために必要な電池残量(以下、「到着前
必要残量」とも称する)が予測される。到着前必要残量予測部24は、ステップS103において探索された経路を通って目的地候補へ走行した場合に、この目的地候補に到着するまでに必要な電池残量を算出する。
【0051】
目的地候補までの必要残量(到着前必要残量)は、最も単純には、走行距離あたりの消費電力に索出経路の距離を乗算する方法や、走行時間あたりの消費電力に目的地候補までの走行時間を乗算する方法等を用いて算出することが出来る。但し、より正確な到着前必要残量を算出するために、到着前必要残量予測部24は、経路の傾斜や時間帯、季節、気温、渋滞情報、運転者のアクセル操作の傾向等、電費に影響を与える要素に関する情報を収集し、これらの情報を加味して到着前必要残量を算出することとしてもよい。例えば、情報収集により何らかの電費に影響を与える要素が取得された場合、その要素の程度に応じて係数を設定し、到着前必要残量に修正を加える方法等で、より正確な到着前必要残量を予測することが可能となる。なお、算出される到着前必要残量の単位には、電力量、時間、距離、または独自の形式で表現される負荷等、様々な形式が採用されてよい。
【0052】
ステップS105およびS106では、処理基準時(運行中に目的地検索処理を実行している場合には、現在)の電池残量が取得され、目的地候補ごとの到着前必要残量と比較される。電池残量取得部25は、車両に搭載された車載バッテリー133の充放電制御装置131から、電池残量を取得する(ステップS105)。なお、ここで取得される電池残量は、目的地候補に到達するために必要な電池残量との比較が可能な形式であればよく、例えば、満充電に対する比率や、走行可能時間、走行可能距離、等の形式で取得することが出来る。取得された電池残量は、必要であれば比較可能な形式に変換され、ステップS104において予測された到着前必要残量と比較される(ステップS106)。その後、処理はステップS107へ進む。
【0053】
ステップS107およびS108では、比較の結果に応じて目的地候補が絞り込まれ、目的地候補への到着時の電池残量(以下、「到着時電池残量」とも称する)が予測される。目的地候補索出部22は、ステップS106における比較の結果に基づいて、夫々の目的地候補が、処理基準時の電池残量で到達可能であるか否かを判断する(ステップS107)。そして、到着時電池残量予測部26は、処理基準時の電池残量で到達可能であると判定された目的地候補について、到着時電池残量を算出する(ステップS108)。到着時電池残量予測部26は、具体的には、処理基準時の電池残量と、ステップS103における探索の結果得られた経路を目的地候補まで走行した場合の消費電力と、に基づいて到着時電池残量を算出する。例えば、電池残量および消費電力が、走行時間や走行距離等で表されている場合、単純に処理基準時の電池残量から目的地候補まで走行した場合の消費電力を減算することで算出可能である。その後、処理はステップS109へ進む。
【0054】
ステップS109では、目的地滞在が終了した後の走行に必要な滞在後必要残量が予測される。滞在後必要残量予測部27は、目的地候補における滞在が終了し、目的地候補を出発した後、更に次の充電設備を有する目的地や、一連の運行スケジュールにおける最終目的地(自宅等)までの走行に必要な滞在後必要残量を算出する。このため、経路探索部23は、目的地候補を出発した後の経路を探索する。そして、滞在後必要残量予測部27は、経路探索部23による目的地滞在後の経路探索結果を用いて、探索された経路を通って走行した場合に、次の給電可能な目的地または最終目的地に到着するまでに必要な電池残量を算出することで、滞在後必要残量を予測する。必要残量の具体的な算出方法は、ステップS104において説明した、到着前必要残量予測部24による目的地候補に到着するまでに必要な電池残量の算出と概略同様であるため、説明を省略する。その後、処理はステップS110へ進む。
【0055】
ステップS110では、給電設備の給電能力、到着時電池残量、および滞在時間に基づ
いて、目的地候補に滞在した場合の、目的地候補の出発時における電池残量(以下、「滞在後電池残量」とも称する)が予測される。滞在時間取得部28は、入出力装置8を介したユーザによる入力を受け付ける、予め作成された運行スケジュールから取得する、または目的地候補の属性情報等から推定する、等の方法で、目的地における滞在時間を取得する。運行スケジュールから取得する場合、目的地候補への到着予定時刻を予測し、運行スケジュールにおいて予定されている出発時刻との差分を算出することで滞在時間を取得することが出来る。到着予定時刻は、最も単純には、探索された経路の距離を平均車速等で割ることで算出した走行時間を、処理基準時(例えば、現在時刻)に加算することで算出することが出来る。但し、渋滞情報等に基づく情報を考慮することで、より正確な到着予定時刻を算出することとしてもよい。
【0056】
なお、ここで目的地候補の属性情報とは、目的地候補となった滞在場所の性格(ユーザがどの程度の時間滞在するか推測可能な情報であることが好ましい)を示す情報である。滞在時間取得部28は、例えば、目的地候補の属性がコンビニエンスストアである場合には、滞在時間を数分と予測することができ、目的地候補の属性がショッピングセンターである場合には、滞在時間を数時間と予測することが出来る。また、このような滞在時間としては、地点情報データベースや情報センタ2、給電設備管理サーバ3等に蓄積された、地点情報毎のユーザの平均滞在時間等を用いることが出来る。
【0057】
そして、滞在後電池残量予測部29は、情報センタ2または各給電設備から、ネットワークを介して給電設備の給電能力等の情報を取得し、この情報によって得られた給電設備の能力で、到着時電池残量がどの程度まで回復されるかを算出する。例えば、ある目的地候補が、急速充電が可能な給電設備を備える場合、該目的地候補における単位時間あたりの給電量は多くなるため、短い滞在時間であっても、電池残量を滞在後必要残量以上まで回復させることが可能である。なお、給電能力は、給電開始からの経過時間と電池残量との関係を示すマップ等を用いて示すことが出来る。このようにして、滞在後電池残量予測部29は、滞在中の充電が完了した場合の滞在後電池残量を予測する。その後、処理はステップS111へ進む。
【0058】
ステップS111では、滞在後電池残量および滞在後必要残量に応じて、目的地候補の絞込みが行われる。目的地候補絞込部30は、ステップS107において処理基準時の電池残量で到達可能であると判定された目的地候補から、更に目的地候補を絞り込む。具体的には、目的地候補絞込部30は、目的地候補を、滞在後電池残量が滞在後必要残量以上となる目的地候補に絞り込むことで、目的地候補の給電設備を用いて目的地滞在時間分の給電を行った場合に、電池残量を到着時電池残量から滞在後必要残量以上まで回復させることが可能な給電設備を備える目的地候補を索出する。その後、処理はステップS112へ進む。
【0059】
なお、本実施形態では、目的地候補絞込部30は、到着時電池残量が滞在後必要残量を下回る場合に、給電設備を備える目的地候補への絞り込みを行う。このようにすることで、到着時電池残量が十分であって、滞在中の充電を必要としないような場合には、給電設備を備えない目的地候補を索出の対象とし、ユーザに対してより広範な目的地候補を提示することが出来る。また、給電設備を備える目的地候補への絞込みには、先述した給電設備情報が参照され、車両の受電ユニットに適したものであるか否かが含めて判断される。具体的には、給電設備情報に示された伝送方式や、駐車スペースにおけるコイルの設置位置、コイルの可動範囲、コイルの径、共振周波数等が、車両の受電ユニットの伝送方式、コイル位置やコイル径、調整可能な共振周波数の範囲にあるか否か、等が判断され、適切な目的地候補への絞込みが行われる。
【0060】
ステップS112およびS113では、目的地候補および滞在後電池残量が出力され、
ユーザによる目的地の選択が受け付けられる。出力部31は、ステップS111までに絞り込まれた1または複数の目的地候補、および夫々の目的地候補を選択した場合の滞在後電池残量をタッチパネルディスプレイ等の入出力装置8に出力し、ユーザに通知を行う(ステップS112)。この際、出力部13は、絞り込まれた目的地候補に優先順位(例えば、滞在後電池残量が多い順)をつけて出力することで、電池残量に関して有利な目的地候補をユーザが把握し易くすることが出来る。また、出力部31は、ユーザによる目的地の選択を促す表示を入出力装置8に行わせ、入力受付部21は、入出力装置8を介して、ユーザが選択した目的地を受け付ける(ステップS113)。ユーザによる選択結果が受け付けられると、処理はステップS114へ進む。
【0061】
ステップS114では、予約処理が行われる。予約処理部32は、ユーザによって選択された目的地の給電設備が予約可能な設備である場合、目的地への到着予定時刻における利用スケジュール(予約情報または空き情報)を取得し、空きがあれば予約処理を行う。なお、到着予定時刻としては、ステップS110において取得された到着予定時刻を用いることが出来る。
【0062】
より具体的には、給電設備の利用スケジュールは、各給電設備を集中管理する情報センタ2によって管理されていてもよいし、各給電設備に対して設置された給電設備管理サーバ3によって管理されていてもよい。予約処理部32は、ネットワークを介して情報センタ2または給電設備管理サーバ3から、到着予定時刻における給電設備の利用スケジュールを取得し、空きがある場合、情報センタ2または給電設備管理サーバ3に対して、自車両を識別可能な情報と共に、給電設備および利用時間帯を指定する予約申込を送信することで、予約処理を行う。予約申込を受信した情報センタ2または給電設備管理サーバ3は、予約申込の送信元の車両を識別可能な情報を、給電設備および利用時間帯に関連付けて保存することで、利用スケジュールを更新する。その後、処理はステップS115へ進む。
【0063】
ステップS115では、経路案内が開始される。なお、本フローチャートに示した目的地検索処理の目的が運行スケジュールに基づく事前プランの作成であった場合、ステップS115以降の処理は、実際に車両の運行が開始した後に実行される。経路案内部33は、タッチパネルディスプレイへの画像出力、およびスピーカを介した音声出力等によって、ユーザに対して、ステップS111においてユーザによって指定された目的地への経路案内を開始する。なお、経路案内は、ステップS103において探索された経路に従って行われる。経路案内は、従来のカーナビゲーションシステムにおいて用いられている経路案内技術を用いて行うことが可能であるため、詳細な説明を省略する。その後、処理はステップS116へ進む。
【0064】
ステップS116では、目的地に到着したか否かが判定される。目的地に到着した場合、経路案内は終了し、本フローチャートに示された処理は終了する。目的地に到着していない場合、経路案内が継続され、処理はステップS103へ進む。即ち、本フローチャートに示された処理では、経路案内中には定期的または継続的に現在位置からの経路探索(所謂「リプラン」または「リルート」)処理が繰り返される。
【0065】
このとき、車載機1は、ドライバーの運転傾向や渋滞情報等の、電力消費の傾向に関する情報を収集し、繰り返される目的地検索処理に反映する。例えば、渋滞に巻き込まれる等したことが原因で、当初目的地としていた目的地までの必要残量が増え、当初目的地としていた目的地に到達することが困難であると判断される場合や、目的地における充電ではその後の走行に十分でないと判断される場合等が考えられる。このような場合、本実施形態に示した例によれば、ステップS103以降の処理が再度行われることによって、現在の目的地とは異なる目的地候補への絞込みが行われ、ユーザに対して目的地の変更を促
すことが出来る。
【0066】
本実施形態に係る車載機1、および目的地検索方法によれば、バッテリー電力を用いて電力駆動される車両において、バッテリーへの充電に一定以上の時間がかかることが原因で走行のための電池残量が不足する虞を低減させ、目的地や運行スケジュールに応じた適切な充電を行うことが出来る。特に、無線電力伝送によって給電を行う給電システムでは、事前に給電設備の情報を得て、給電設備の規格等が合致し、且つ十分な給電が得られる目的地候補を索出することで、ユーザに対して適切な目的地候補を案内することが可能となる。
【0067】
<サーバ装置の構成>
本実施形態では、情報センタ2および給電設備管理サーバ3の少なくとも何れかが、本発明のサーバ装置に相当する。情報センタ2および給電設備管理サーバ3は、何れも、CPU(Central Processing Unit)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、HDD(Hard Disk Drive)、および入出力装置、等が電気的に接続された情報処理装置である(図示は省略する)。ここで、CPU、RAM、HDD、入出力装置等の果たす役割は、上記車載機1と概略同様であるため、説明を省略する。
【0068】
HDDには、RAMにロードされる給電予約受付用プログラム等の各種プログラムの他、情報センタ2または給電設備管理サーバ3によって使用される各種データが記憶される。具体的には、HDDには、各給電設備に係る利用スケジュールを含む給電設備情報等が記憶されている。
【0069】
本実施形態において、利用スケジュールは、給電設備の利用予定を把握可能な情報であって、予約情報または空き情報を含む。利用スケジュールには、給電設備と時間帯との組み合わせによって定義される利用枠が用意されており、車両の識別情報が夫々の利用枠に関連付けられて保存されることで、給電設備の利用予定が保持される。
【0070】
図7は、本実施形態に係る情報センタ2または給電設備管理サーバ3の機能構成を示す図である。本実施形態に係る情報センタ2または給電設備管理サーバ3(以下、単に「サーバ装置」ともいう)は、CPU13が、RAM10に展開された給電予約受付用プログラムを解釈および実行することで、車両情報取得部41、利用スケジュール取得部42、給電プラン作成部43、給電プラン出力部44、予約受付部45、利用スケジュール更新部46、認証部47、および給電許可発行部48を備えるサーバ装置として機能する。
【0071】
給電プラン作成部43は、前記利用スケジュールおよび前記車両情報に基づいて、前記到着予定時刻および前記滞在時間において前記車両に対して推奨される前記給電設備の給電プランを作成する。例えば、給電プラン作成部43は、利用スケジュールを参照して作成された、利用枠の予約の可否を判別可能な情報や、給電設備に係る情報、到着時電池残量および滞在時間に基づいて作成された、給電設備に滞在した場合の滞在後電池残量、等を含む給電プランを作成する。
【0072】
<予約処理の詳細>
次に、本実施形態に係る給電システムにおいて用いられる予約処理の内容を説明する。図8は、本実施形態に係る予約処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された予約処理は、図6に示されたステップS114における処理の内容をより詳細に説明したものであり、ユーザによる目的地の選択が受け付けられたこと(ステップS113)を契機として実行される。なお、本フローチャートに示された処理の具体的な内容および順序は一例であり、処理内容および順序には、実施の形態に適したものが適宜採
用されることが好ましい。
【0073】
ステップS201およびS202では、利用スケジュールの問い合わせが行われる。車載機の予約処理部32は、車載機が搭載されている車両を識別可能な情報(以下、「車両の識別情報」とも称する)と、到着予定時刻と、到着後の滞在時間と、ユーザ識別子と、を含み、給電設備の利用スケジュールを取得するための要求メッセージを、ネットワークを介して、サーバ装置へ送信する(ステップS201)。給電設備の利用スケジュールは、各給電設備を集中管理する情報センタ2によって管理されていてもよいし、各給電設備に対して設置された給電設備管理サーバ3によって管理されていてもよい。ここで、到着予定時刻としては、ステップS110において取得された到着予定時刻を用いることが出来る。また、要求メッセージには、上記説明した情報の他、車両が備える受電ユニットの規格/仕様や、処理基準時の電池残量、走行する予定の経路等、その他の情報が含まれてもよい。サーバ装置の車両情報取得部41が要求メッセージを受信すると(ステップS202)、処理はステップS203へ進む。
【0074】
ステップS203からS205では、利用スケジュールが取得され、車載機へ通知される。サーバ装置の利用スケジュール取得部42は、車載機からの要求を受けて、給電設備情報のうち、到着予定時刻以降、滞在時間中における給電設備の利用スケジュールを取得する(ステップS203)。なお、利用スケジュールは、サーバ装置によって保持される給電設備情報のうち、給電設備の利用に関する情報であり、給電設備の空き情報、および予約情報(他の車両に係る予約枠の予約状況を示す情報)を含む。また、利用スケジュールには、空き情報および予約情報の他、他の車両によって利用されている給電設備の残り給電時間等の情報が含まれてもよい。サーバ装置の給電プラン出力部44は、取得した利用スケジュールを、他の情報、例えば料金算出のための情報(給電レート等)や、ユーザ識別子に関連付けられたポイントサービス情報等と共に、ネットワークを介して車載機に送信し(ステップS204)、車載機の予約処理部32は、この利用スケジュールを受信することで取得する(ステップS205)。その後、処理はステップS206へ進む。
【0075】
ステップS206およびS207では、給電設備の利用スケジュールが確認され、予約可能な状態であれば、ユーザによる予約の指示(選択)が受け付けられる。車載機の予約処理部32は、ステップS205で取得された利用スケジュールを参照し、目的地に対して到着予定時刻に到達した場合に給電設備の利用が可能であるか否かの判断を行う(ステップS206)。具体的には、給電設備の利用が可能であるか否かの判断は、空き情報または予約情報に基づいて到着予定時刻における設備の空きがあるか否か、給電設備の規格や仕様が搭載車両の受電ユニットに対応するものであるか否か、給電設備が滞在時間において十分な給電を受けられるだけの送電能力を有しているか否か、等を判定することで行われる。
【0076】
判断の結果、到着予定時刻において給電設備が利用不可である(または、利用に適さない)場合には、車載機は、出力部31を用いてその旨をユーザに通知し、再度、目的地検索処理を実行する。判断の結果、到着予定時刻において給電設備が利用可能である(または、利用に適している)場合には、車載機は、出力部31を用いて、ユーザに対して給電設備の予約を行ってよいか否かの確認を促す通知、およびステップS205で取得された情報(料金や給電レート、ポイントサービス情報等)の通知を行う(ステップS207)。その後、入力受付部21は、ユーザによる予約指示操作またはキャンセル操作を受け付ける。その後、処理はステップS208へ進む。
【0077】
ステップS208からS210では、給電設備の利用の予約申込、予約受付および予約内容の保存が行われる。車載機の予約処理部32は、到着予定時刻における利用スケジュールに空きがある場合、ユーザによる予約指示操作が受け付けられると、サーバ装置に対
して、車両の識別情報と共に、給電設備および利用時間帯を指定する予約申込を送信する(ステップS208)。サーバ装置の予約受付部45は、予約申込を受信(ステップS209)し、利用スケジュール更新部46は、予約申込の送信元の車両の識別情報を、予約対象の給電設備および利用時間帯(到着予定時刻および滞在時間)によって特定される利用枠に関連付けて保存することで、利用スケジュールを更新する(ステップS210)。その後、処理は図6に示したステップS115へ進み、経路案内が開始される。
【0078】
次に、予約車両が目的地に到着し、給電設備を実際に利用する場合の処理の流れを説明する。図9は、本実施形態に係る、予約に基づく給電処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された給電処理は、図8に示された予約処理が終了し、更に図6に示した経路案内によって車両が目的地に到着したことをもって実行される。なお、本フローチャートに示された処理の具体的な内容および順序は一例であり、処理内容および順序には、実施の形態に適したものが適宜採用されることが好ましい。
【0079】
ステップS301からS303では、給電設備への入庫時の認証が行われ、予約の有無が確認される。認証は、通信やセンシング等の方法を用いて、サーバ装置の認証部47が、車両を識別可能な情報を得ることで行われる(ステップS301およびS302)。また、車載機の予約処理部32も、通信やセンシング等の方法を用いて給電設備を識別可能な情報を得て、設定された目的地の給電設備であるか否かを判断してもよい。なお、認証のための具体的な技術としては、DSRC(Dedicated Short Range Communication)、携帯電話網を介した通信による認証技術の他、入庫用ゲートに設けられたカメラ等によって撮像されたナンバープレートの画像認識によって車両を認証する技術等が用いられてよい。
【0080】
認証部47は、車両の識別情報を取得すると、利用スケジュールを参照して、ステップS210で保存された車両の識別情報が、利用スケジュールに予約車両を示す識別情報として保存されているか否か、即ち、取得した識別情報に係る車両の給電予約があるか否かを判定する(ステップS303)。取得された識別情報と利用スケジュールに保存されている識別情報との照合の結果、識別情報が合致した場合、車両は給電予約に係る車両として認証される。ここで、該当車両についての予約が存在しない場合、処理はステップS304へ進む。該当車両についての予約の存在が確認された場合、処理はステップS305へ進む。
【0081】
ステップS304では、予約が存在しない車両に対する対応処理が実行される。サーバ装置は、給電設備または車載機において、車両のユーザに対する警告、警報等を出力させる、または給電設備への入庫用ゲートを閉じさせる、等することで、予約がない車両が給電設備を利用することを防止する。但し、車両が目的地に到着した時点で給電設備に空きがある場合には、該車両に給電を行うこととしてもよい。給電を行う場合、サーバ装置の利用スケジュール更新部46は、認証処理において得られた車両を識別可能な情報を、給電設備および利用時間帯(この場合、現在時刻から滞在時間分の時間帯)に関連付けて保存することで、利用スケジュールを更新する。その後、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0082】
ステップS305およびS306では、予約の存在が確認された車両に対する給電が行われる。車両が認証され、予約の存在が確認されると、給電許可発行部48は、給電設備に対して、認証された車両に対する給電許可を発行する。給電許可の発行を受けて、送電ユニットは送電を開始し(ステップS305)、受電ユニットは受電を開始する(ステップS306)。給電の詳細な内容については図2を用いて説明した通りであるため、ここでは説明を省略する。利用スケジュールに設定された車両への給電が完了すると、本フローチャートに示された処理は終了する。
【0083】
本実施形態に示された給電システムによれば、給電設備に係る予約スケジュールその他の情報を取得して適切な給電設備を選択し、予め利用の予約(利用枠の確保)を行うことが出来る。ここで、給電の利用枠は、到着予定時刻を用いて予約されているため、予約車両が給電設備に到着した際に他の車両が給電設備を利用中であるために給電が出来ない、といった事態を防止することが出来る。
【0084】
なお、上記説明した実施形態では、ステップS113においてユーザの選択操作に従って目的地候補から目的地が決定されており、予め決定された目的地について予約処理が行われるが、予約処理の前に予め目的地を決定する処理順序に代えて、他の処理順序が採用されてもよい。例えば、1または複数の目的地候補について利用スケジュール情報を取得してユーザに情報を提供し、ユーザに対して目的地候補と夫々の目的地候補において予約が可能であるか否か、予約が可能であるとすればどのような給電設備を予約可能か、等の情報を示した上でユーザに目的地を決定させ、決定した目的地の給電設備を予約する処理順序が採用されてもよい。また、複数の目的地候補がある場合には、夫々の目的地候補に係る利用スケジュールを参照して、予約可能な目的地候補への絞込みが行われてもよい。目的地候補の絞込みは、例えば、給電設備の規格、目的地候補までの残り走行距離、目的地候補における滞在時間、給電設備の空き予定、等が考慮されて行われる。
【0085】
また、本実施形態において、サーバ装置は、ユーザに対して推奨される給電計画を提示するための給電プランを作成し、ユーザに提供してもよい。サーバ装置は、車載機から取得された情報を参照して給電プランを作成し、ユーザに提示する。給電プランによって提示される具体的な内容には、例えば、ユーザの希望する充電量までに必要な時間の提示(「○○分で満充電可能」等)、該当給電設備で給電を行った場合の電池残量の提示、料金の提示、ポイントサービスの利用やポイントの付加、駐車料金や給電料金の割引の提示(「お買い上げ○○円以上で駐車料金無料、給電料金割引」等)、等が含まれてよい。
【0086】
図10は、本実施形態に係る、サーバ装置から給電プランが提示される予約処理の流れを示すフローチャートである。本フローチャートに示された予約処理は、図8に示された予約処理に代えて実行される。なお、本フローチャートに示された処理の具体的な内容および順序は一例であり、処理内容および順序には、実施の形態に適したものが適宜採用されることが好ましい。
【0087】
ステップS401およびS402では、給電プランの要求が行われる。車載機の予約処理部32は、車載機が搭載されている車両を識別可能な情報(以下、「車両の識別情報」とも称する)と、到着予定時刻と、到着後の滞在時間と、処理基準時の電池残量と、車両の電費と、ユーザ識別子と、を含み、給電設備から提示される給電プランを取得するための要求メッセージを、ネットワークを介して、サーバ装置へ送信する(ステップS401)。これらの情報を得ることで、サーバ装置は、車両が給電設備に到着した時点の電池残量(上記「到着時電池残量」に相当)を予測し、適切な給電プランを作成することが出来る。なお、到着時電池残量の予測方法は車載機1の到着時電池残量予測部26によって行われる場合と概略同様であるため、説明を省略する。
【0088】
ここで、到着予定時刻としては、ステップS110において取得された到着予定時刻を用いることが出来る。また、要求メッセージには、上記説明した情報の他、車両が備える受電ユニットの規格/仕様や、走行する予定の経路等、その他の情報が含まれてもよい。サーバ装置の車両情報取得部41が要求メッセージを受信すると(ステップS402)、処理はステップS403へ進む。
【0089】
ステップS403からS405では、給電プランが作成され、車載機へ通知される。サ
ーバ装置の利用スケジュール取得部42は、車載機からの要求メッセージを受けて、給電設備の利用スケジュールを取得し、給電プラン作成部43は、利用スケジュールを含む給電設備情報に基づいて、給電プランを作成する(ステップS403)。具体的には、給電プラン作成部43は、(1)電池残量が到着時電池残量から滞在後必要残量または満充電まで回復するのにかかる時間を、給電設備の給電能力に応じて算出し、(2)当該給電設備で給電を行った場合の滞在後電池残量を、給電設備に係る情報(主に給電能力)、予測された到着時電池残量および滞在時間に基づいて算出し、(3)給電される時間や給電される電力量等に給電レートを乗算する等して料金を算出し、(4)また、給電時間や電力量、給電回数等に応じたサービスポイントの算出、これまでに溜まったサービスポイントのユーザ識別子に基づく索出、サービスポイントの利用案内、提示可能な駐車料金や給電料金の割引サービスの索出、等を行う。
【0090】
到着前必要残量や到着時電池残量、滞在後電池残量、滞在後必要残量、到着予定時刻、走行距離、走行時間、等の給電プラン作成に必要な各種情報は、車載機1から算出のために必要な情報を得て、サーバ装置において算出することが出来る。算出の具体的な方法は、車載機1によって算出される場合と概略同様である。
【0091】
また、給電プランには予約可否情報も含まれてよい。予約可否情報は、空き情報または予約情報に基づいて到着予定時刻における設備の空きがあるか否か、給電設備の規格や仕様が搭載車両の受電ユニットに対応するものであるか否か、給電設備が滞在時間において十分な給電を受けられるだけの送電能力を有しているか否か、等を判定することで作成される。
【0092】
そして、サーバ装置の給電プラン出力部44は、ステップS403で作成された、ユーザの希望する充電量までに必要な時間、該当給電設備で給電を行った場合の電池残量、給電にかかる料金、ポイントサービスや駐車料金、給電料金の割引等の各種サービスに係る内容、等を含む給電プランを、ネットワークを介して車載機に送信し(ステップS404)、車載機の予約処理部32は、この給電プランを受信することで取得する(ステップS405)。その後、処理はステップS406へ進む。
【0093】
ステップS406およびS407では、給電設備の給電プランが確認され、予約可能な状態であれば、ユーザによる予約の指示(選択)が受け付けられる。車載機の予約処理部32は、ステップS405で取得された給電プランに含まれる予約可否情報を参照し、目的地に対して到着予定時刻に到達した場合に給電設備の利用が可能であるか否かの判断を行う(ステップS406)。
【0094】
判断の結果、到着予定時刻において給電設備が利用不可である場合には、車載機は、出力部31を用いてその旨をユーザに通知し、再度、目的地検索処理を実行する。判断の結果、到着予定時刻において給電設備が利用可能である場合には、車載機は、出力部31を用いて、ユーザに対して給電プランの表示、および給電設備の予約を行ってよいか否かの確認を促す通知を行う(ステップS407)。その後、入力受付部21は、ユーザによる予約指示操作またはキャンセル操作を受け付ける。その後、処理はステップS408へ進む。
【0095】
ステップS408からS410では、給電設備の利用の予約申込、予約受付および予約内容の保存が行われる。予約受付および予約内容の保存についての詳細は、図8に示したステップS208からS210の処理と概略同様であるため、説明を省略する。その後、処理は図6に示したステップS115へ進み、経路案内が開始される。なお、上記説明された給電設備の予約処理は、車両の走行状態の変化や経路の変更、運行スケジュールの変更に応じて、条件を変更して再実行(リプラン)されてもよい。
【0096】
本実施形態に示された給電システムによれば、給電設備について推奨される給電プランが作成され、車両またはユーザに提示されることで、予約車両が給電設備に到着した際に他の車両が給電設備を利用中であるために給電が出来ない、といった事態の防止に加え、更に、給電設備の予約の可否や、充電完了までにかかる時間、滞在後電池残量、料金、サービスに関する情報、等の提示を行って、ユーザ又は車両にとって最も有利な給電設備を選択させることが可能となる。
【符号の説明】
【0097】
1 車載機
41 車両情報取得部
42 利用スケジュール取得部
43 給電プラン作成部
44 給電プラン出力部
45 予約受付部
46 利用スケジュール更新部
47 認証部
48 給電許可発行部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッテリーからの電力で駆動される車両に搭載された情報処理装置と通信可能に接続されたサーバ装置であって、
前記バッテリーに対して給電可能な給電設備への前記車両の到着予定時刻、および該車両の該給電設備における滞在時間、を把握可能な情報を含む車両情報を取得する車両情報取得手段と、
前記到着予定時刻および前記滞在時間に係る前記給電設備の利用スケジュールを取得する利用スケジュール取得手段と、
前記利用スケジュールおよび前記車両情報に基づいて、前記到着予定時刻および前記滞在時間において前記車両に対して推奨される前記給電設備の給電プランを作成する給電プラン作成手段と、
前記給電プランを前記情報処理装置に対して出力する給電プラン出力手段と、
前記給電プランの出力を受けた前記情報処理装置から、前記車両の識別情報を含む前記給電設備の利用の予約申込を受け付ける予約受付手段と、
前記予約申込に含まれる前記車両の識別情報を、前記到着予定時刻および前記滞在時間に係る前記給電設備の利用枠に関連付けて前記利用スケジュールを更新する利用スケジュール更新手段と、
を備えるサーバ装置。
【請求項2】
前記給電プラン作成手段は、前記利用スケジュールを参照して、前記利用枠の予約の可否を判別可能な情報を含む給電プランを作成する、
請求項1に記載のサーバ装置。
【請求項3】
前記車両情報取得手段は、前記車両情報として、現在の電池残量、および前記給電設備までの走行経路を更に取得し、
前記給電プラン作成手段は、前記現在の電池残量および前記走行経路を走行した場合の消費電力に基づいて前記給電設備への到着時電池残量を予測し、前記給電設備に係る情報、該到着時電池残量および前記滞在時間に基づいて、前記給電設備に滞在した場合の、滞在後電池残量を含む給電プランを作成する、
請求項1または2に記載のサーバ装置。
【請求項4】
前記車両の前記給電設備への入庫時に該車両の識別情報を取得し、前記更新された利用スケジュールの識別情報と照合することで、入庫車両を認証する認証手段と、
前記給電設備に対して、認証された車両に対する給電許可を発行する給電許可発行手段と、
を更に備える請求項1から3の何れか一項に記載のサーバ装置。
【請求項5】
バッテリーからの電力で駆動される車両に搭載された情報処理装置と通信可能に接続されたコンピュータによって、
前記バッテリーに対して給電可能な給電設備への前記車両の到着予定時刻、および該車両の該給電設備における滞在時間、を把握可能な情報を含む車両情報を取得する車両情報取得ステップと、
前記到着予定時刻および前記滞在時間に係る前記給電設備の利用スケジュールを取得する利用スケジュール取得ステップと、
前記利用スケジュールおよび前記車両情報に基づいて、前記到着予定時刻および前記滞在時間において前記車両に対して推奨される前記給電設備の給電プランを作成する給電プラン作成ステップと、
前記給電プランを前記情報処理装置に対して出力する給電プラン出力ステップと、
前記給電プランの出力を受けた前記情報処理装置から、前記車両の識別情報を含む前記
給電設備の利用の予約申込を受け付ける予約受付ステップと、
前記予約申込に含まれる前記車両の識別情報を、前記到着予定時刻および前記滞在時間に係る前記給電設備の利用枠に関連付けて前記利用スケジュールを更新する利用スケジュール更新ステップと、
が実行される給電予約受付方法。
【請求項6】
前記給電プラン作成ステップでは、前記利用スケジュールを参照して、前記利用枠の予約の可否を判別可能な情報を含む給電プランが作成される、
請求項5に記載の給電予約受付方法。
【請求項7】
前記車両情報取得ステップでは、前記車両情報として、現在の電池残量、および前記給電設備までの走行経路が更に取得され、
前記給電プラン作成ステップでは、前記現在の電池残量および前記走行経路を走行した場合の消費電力に基づいて前記給電設備への到着時電池残量が予測され、前記給電設備に係る情報、該到着時電池残量および前記滞在時間に基づいて、前記給電設備に滞在した場合の、滞在後電池残量を含む給電プランが作成される、
請求項5または6に記載の給電予約受付方法。
【請求項8】
前記コンピュータによって、
前記車両の前記給電設備への入庫時に該車両の識別情報を取得し、前記更新された利用スケジュールの識別情報と照合することで、入庫車両を認証する認証ステップと、
前記給電設備に対して、認証された車両に対する給電許可を発行する給電許可発行ステップと、
が更に実行される請求項5から7の何れか一項に記載の給電予約受付方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−153892(P2011−153892A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−15173(P2010−15173)
【出願日】平成22年1月27日(2010.1.27)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.VICS
【出願人】(000237592)富士通テン株式会社 (3,383)
【Fターム(参考)】