シアノホウ酸塩、フルオロアルキルリン酸塩、フルオロアルキルホウ酸塩またはイミド染料
本発明は、一般式CAT+Y−(I)、式中、Y−は、シアノホウ酸、フルオロアルキルリン酸、フルオロアルキルホウ酸またはイミド化物の群から選択された陰イオンであり、CAT+は、アジン、キサンテン、ポリメチン、スチリル、アゾ、テトラゾリウム、ピリリウム、ベンゾピリリウム、チオピリリウム、ベンゾチオピリリウム、チアジン、オキサジン、トリアリールメタン、ジアリールメタン、メチン、アクリジン、キノリン、イソキノリンまたは第四級アザフルオレノン染料の群から選択された陽イオンである、で表される、プラスチックおよびプラスチック繊維を着色するための、フレキソ印刷インクを製造するための、ボールペンペーストとしての、スタンプインクとしての、革および紙を着色するための、データ収集システム、複写、インクマイクロフィルター、感光起電、レーザー技術および写真工業において用いるための染料に関する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックおよびプラスチック繊維を着色するために、フレキソ印刷インク、ボールペンペースト、伝統的用途における革および紙を着色するためのスタンプインクを製造するために、しかしまた写真およびレーザー技術において、並びに電子工学工業において用いることができる、新規な陰イオンを有する陽イオン性染料に関する。
【0002】
多数の染料が、今日知られている。天然染料と合成染料との間の起源により、区別がなされている。既知の合成染料は、例えば、アニリンブルー、フクシンまたはメチルオレンジである。染料は、(a)発色団配置に基づく純粋に化学的な観点による科学的名称により(例えば:アゾ、アジン、アントラキノン、アクリジン、シアニン、オキサジン、ポリメチン、チアジン、トリアリールメタン染料);(b)繊維上での挙動および用いるべき染色手法により;塩基性または陽イオン性染料、媒染剤、直接、分散、地染の糸、大だる、金属複合体、反応性、酸性または硫黄染料;(c)数系(C.I...)または言語/数系(Acid Red..)を有する色指数により;(d)登録商標として一般的に保護されている名称により(商業的な染料指定);例えばシリウス(Sirius)、アントラゾール(Anthrasol)、エリオ(Erio)、インダントレン(Indanthrene)、レマゾール(Remazol)、バシレン(Basilen)、レバフィックス(Levafix)、シバクロン(Cibacron)、ドリマレン(Drimaren)またはプロシオン(Procion)染料と指定されている。
【0003】
ほとんどの合成染料は、芳香族または複素環式であり、イオン性(例えばすべての水溶性染料)または非イオン性化合物(例えば分散染料)のいずれかである。イオン性染料の場合において、陰イオン性染料と陽イオン性染料との間で区別がされる。
【0004】
陽イオン性染料は、共役結合にわたり非局在化する正の電荷を有する有機陽イオンおよび通常無機の陰イオンからなる。これらは、通常、また置換されていてもよいアミノ基が共鳴に関与する染料である。H. Zollinger, Color Chemistry, VCH, Weinheim 1991に記載されているように、既知の陽イオン性染料の選択は、大きく、一方陰イオンの数は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、アルキルまたはアリール硫酸、特にトシル酸、酢酸またはシュウ酸に限定されている。
【0005】
既知の陽イオン性染料は、例えば、ローダミン、サフラニンまたはビクトリアブルーであり、これらは、通常、対イオンとして塩化物イオンまたはトシル酸を有する。これらの化合物は、あまり電気化学的に安定ではない。従来技術において、染料を一層電気化学的に安定にする新規な陰イオンを導入する試行が、見出されている。しかし、用いられる陰イオン、例えば(BF4)−または(PF6)−は、他の欠点を有する。テトラフルオロホウ酸陰イオンを有する染料は、比較的熱的に安定ではなく、有機溶媒への乏しい溶解度を有する。ヘキサフルオロリン酸陰イオンを有する染料は、良好な熱的安定性も良好な加水分解安定性も有していない。
【0006】
特開平2-3052号には、光重合開始剤としての染料トリフルオロメチルトリフルオロホウ酸3,3’−ジエトキシエチル−2,2’−チアジカルボシアニンが記載されている。これらのおよび同様の化合物は、600〜900nmまたはこれ以上の波長を有する光を照射した際に重合を開始することができる空気に対して安定な開始剤を得るために、合成された。
【0007】
本発明の目的は、電気化学的に安定であり、熱的に安定であり、加水分解に対して安定であり、有機溶媒への良好な溶解度を有する染料を提供することにあった。
【0008】
この目的は、一般式(I):
CAT+Y− (I)
式中、Y−は、CAB−、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
ここで、CAB−は、一般式(II−1)
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
に適合し、
y1は、1、2、3または4を示し、
x1は、0、1、2または3を示し、
R0は、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよく、
【0009】
FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
【0010】
FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
【0011】
Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4のアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよく、
および、
【0012】
CAT+は、アジン、キサンテン、ポリメチン、スチリル、アゾ、テトラゾリウム、ピリリウム、ベンゾピリリウム、チオピリリウム、ベンゾチオピリリウム、チアジン、オキサジン、トリアリールメタン、ジアリールメタン、アクリジン、キノリン、イソキノリンまたは四級化アザフルオレノン染料の群から選択された陽イオンであり、
ここで、トリフルオロメチルトリフルオロホウ酸3,3’−ジエトキシエチル−2,2’−チアジカルボシアニンは、除外される、
で表される陽イオン性染料により、達成される。
【0013】
以下でCAB陰イオン(CAB−)と略すシアノホウ酸陰イオンおよびこれらの製造方法は、E. Bernhardt, G. Henkel, H. Willner, Z. Anorg. Allg. Chem. 626 (2000) 560; D. Williams, B. Pleune, J. Kouvetakis, M. D. Williams, R. A. Andersen, J. Amer. Chem. Soc. 122 (2000) 7735; E. Bernhardt, M. Berkei, M. Schuermann, H. Willner, Z. Anorg. Allg. Chem. 628 (2002) 1734)およびE. Bernhardt, G. Henkel, H. Willner, G. Pawelke, H. Buerger, Chem. Eur. J. 7 (2001) 4696; G. Pawelke, H. Buerger, Coord. Chem. Rev. 215 (2001) 243)から知られているか、またはこれらの方法と同様にして製造することができる。
【0014】
式II−1において、y1は、好ましくは1または4、特に好ましくは4である。式II−1において、x1は、好ましくは2または3、特に好ましくは3である。
【0015】
【化1】
【0016】
CAB−は、特に好ましくは[B(CN)(CF3)3]−、[B(CN)F3]−、[B(CN)2F2]−または[B(CN)4]−である。
CAB−は、極めて特に好ましくは、[B(CN)4]−である。
【0017】
以下でFAP陰イオンと略すフルオロアルキルリン酸陰イオンおよびこれらの製造方法は、EP 0929558 B1および米国特許第6,423,454号から知られている。
式II−2において、p2は、好ましくは1、2、3、4、5、6、7または8、特に好ましくは2、3または4である。
特に好ましいFAP陰イオンは、−PF3(C2F5)3、−PF3(C4F9)3、−PF3(C3F7)3または−PF4(C2F5)2である。
【0018】
以下でFAB陰イオンと略すフルオロアルキルホウ酸陰イオンおよびこれらの製造方法は、EP 1174941、EP 1205480およびEP 1229038から知られている。
【0019】
式II−3において、m3は、好ましくは0であり、p3は、好ましくは1、2、3、4、5、6、7または8、特に好ましくは1または2であり、ここで、トリフルオロメチルトリフルオロホウ酸は、除外される。
特に好ましいFAB陰イオンは、
【化2】
である。FAB−は、極めて特に好ましくは[B(CF3)4]−である。
【0020】
以下でIm陰イオン(Im−)と略すイミド陰イオンおよびこれらの製造方法は、米国特許第5,874,616号、米国特許第5,723,664号、米国特許第5,072,040号、米国特許第4,387,222号、EP 1363345から、またはH. Matsumoto et al, Chem. Commun., 2002, 1726-1727から知られている。環式イミド類の合成は、WO 97/31909、R. Jaeschke, G. Henkel, P. Sartori, Z. Naturforsch, 52 (1997), 359-366またはS. Sukhijinder et al, J. Am. Chem. Soc. 109 (1987), 7194-7196から知られている。
【0021】
式II−4において、p4およびqは、各々、互いに独立して、好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12、特に好ましくは1、2または4である。
式II−4で表される環式イミド類は、4員環、5員環、6員環または7員環を形成し、ここで、得られたアルキレン鎖の水素原子は、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよい。好ましいのは、6員環を形成する環式イミド類である。
【0022】
一般性を限定せずに、Im陰イオンの例は、
【化3】
である。
【0023】
特に好ましいIm陰イオンは、
【化4】
【0024】
Y−は、特に好ましくは、
【化5】
である。
【0025】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、ここでCAT+がアジン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
アジン骨格を有する化合物は、例えば、フェナジン
【化6】
に基づく化合物である。
【0026】
フェナジン類の群から、次に、好ましいのは、サフラニン、インジュリンおよびニグロシンである。
好ましい陽イオンを、式III
【化7】
式中、
Rは、各々の場合において互いに独立して、H、アルキルまたはアリールを示し、
R1は、水素またはアリールを示し、
R2、R3、R4、R5は、各々、互いに独立して、H、アルキル、アリールまたはNR2を示す、
により記載することができる。
【0027】
上記または下記の式において、アルキル(alkyl)は、直鎖状または分枝状であり、1〜20個のC原子、好ましくは1〜12個のC原子、特に好ましくは1、2、3または4個のC原子を有するアルキル基を示し、随意に完全に、または部分的にフッ素化されている。アルキルは、好ましくは、メチル、さらにエチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、さらにまたペンチル、1−、2−もしくは3−メチルブチル、1,1−、1,2−もしくは2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピルまたはヘキシルを示す。随意に、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピルまたはノナフルオロブチルである。特に好ましいのは、メチルまたはエチルである。
【0028】
以下の式において、アルケニル(alkenyl)は、2〜20個のC原子を有し、ここで複数の二重結合がまた存在し得る、直鎖状または分枝状アルケニル、好ましくはアリル、2−または3−ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニルを意味し、好ましいのは、さらに、4−ペンテニル、イソペンテニルまたは5−ヘキセニルである。
【0029】
以下の式において、アルキニル(alkynyl)は、2〜20個のC原子を有し、ここで複数の三重結合がまた存在し得る、直鎖状または分枝状アルキニル、好ましくはエチニル、1−または2−プロピニル、2−または3−ブチニルを意味し、好ましいのは、さらに、4−ペンチニル、3−ペンチニルまたは5−ヘキシニルである。
【0030】
アルキルアリールにおいて、アリール(aryl)は、以下に示す好ましい意味の1つを有する。アルキルアリールについて特に好ましいのは、ベンジル、4−メトキシフェニルエチル、3−メトキシフェニルエチル、2−メトキシベンジル、3−メトキシベンジル、4−メトキシベンジル、2−エトキシベンジル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−tert−ブチルベンジル、2−(トリフルオロメチル)ベンジル、3−(トリフルオロメチル)ベンジル、4−フルオロベンジル、3−ヨードベンジル、4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル、3−(トリフルオロメトキシ)ベンジルまたは4−(トリフルオロメチルスルファニル)ベンジルである。
【0031】
上記または下記の式において、アリールは、好ましくは、Zにより単置換、二置換または三置換されているフェニルを示し、ここで、Zは、水素、アルキル、NO2、F、Cl、Br、I、OH、カルボキシル、アルコキシ、OCF3、SCN、SCF3、C(O)Oアルキル、CH2−C(O)Oアルキル、アミノまたはアルキルアミノを示すことができる。アリールの定義はまた、パーフルオロ化されているアリール、特にパーフルオロ化されているフェニルを含む。
【0032】
従って、アリールは、好ましくはフェニル、o−、m−もしくはp−メチルフェニル、o−、m−もしくはp−エチルフェニル、o−、m−もしくはp−プロピルフェニル、o−、m−もしくはp−イソプロピルフェニル、o−、m−もしくはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−もしくはp−アミノフェニル、o−、m−もしくはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−もしくはp−ニトロフェニル、o−、m−もしくはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−もしくはp−メトキシフェニル、o−、m−もしくはp−エトキシフェニル、o−、m−、p−(トリフルオロメチル)フェニル、o−、m−、p−(トリフルオロメトキシ)フェニル、o−、m−、p−(トリフルオロメチルスルファニル)フェニル、o−、m−もしくはp−フルオロフェニル、o−、m−もしくはp−クロロフェニル、o−、m−もしくはp−ブロモフェニル、o−、m−もしくはp−ヨードフェニル、さらに好ましくは2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジメチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジヒドロキシフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジブロモフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジメトキシフェニル、5−フルオロ−2−メチルフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニルまたは2,4,5−トリメチルフェニルを示す。
【0033】
以下の式において、アリールアルキルは、1〜4個のC原子を有するアルキルにより単置換または多置換されているアリールを示す。
以下の式において、炭素環(carbocycle)は、上記したようにZにより単置換または多置換されていてもよい、5〜14個の環要素を有する不飽和単環式または二環式基、好ましくはシクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、1,3−もしくは1,4−シクロヘキサジエニル、フェニル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクテニル、インデニル、フルオレニル、ナフチル、アントラセニルまたはフェナントレニルを示す。
【0034】
上記または下記の式において、シクロアルキル(cycloalkyl)は、3〜8個のC原子を有するシクロアルキル基、好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルを示す。
以下の式において、シクロアルキレン(cycloalkylene)は、5〜8個のC原子を有し、部分的に不飽和であるシクロアルキル基を示す。好ましくは、シクロペント−1−エニル、シクロヘクス−1−エニル、シクロヘクス−1,3−ジエニル、シクロヘクス−1,4−ジエニル、シクロヘプト−1−エニルまたはシクロオクト−1−エニルである。
【0035】
以下の式において、ヘテロアリール(heteroaryl)は、5〜13個の環要素を有し、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基が、上記したようにZにより単置換または多置換されていてもよい、不飽和単環式または二環式複素環式基を示す。
【0036】
ヘテロアリールは、好ましくは、置換または非置換2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2−、4−または5−イミダゾリル、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、さらに好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、2−、3−、4−、5−または6−2H−チオピラニル、2−、3−または4−4H−チオピラニル、3−または4−ピリダジニル、ピラジニル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾフリル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾチエニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−1H−インドリル、1−、2−、4−または5−ベンズイミダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンズイソキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンズイソチアゾリル、4−、5−、6−または7−ベンズ−2,1,3−オキサジアゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリニル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリニル、1−、2−、3−、4−または9−カルバゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−アクリジニル、3−、4−、5−、6−、7−または8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニルである。
【0037】
フェナジン骨格に基づく特に好ましい陽イオンCAT+は、以下の陽イオンである:
【化8】
【0038】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がキサンテン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0039】
好ましい陽イオンを、式IV
【化9】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、OH、Oアルキル、OC(O)アルキル、NH2、NH−アルキル、NH−アリール、NH−ヘテロアリール、ClまたはBrを示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アリール、アルキルアリール、OH、Oアルキル、OC(O)アルキル、Cl、BrまたはIを示し、
R2は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アリール、OH、Oアルキル、OC(O)アルキル、OC(O)アリール、CN、NO2、Cl、BrまたはIを示し、
R3は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、OH、Oアルキル、Cl、BrまたはIを示し、
R4は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、CH2C(O)H、COOH、COOアルキル、COOシクロアルキル、COOアリール、COOヘテロアリール、Oアルキル、Cl、BrまたはIを示す、
により記載することができる。
【0040】
隣接するR、R1、R2、R3またはR4は、互いに、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【0041】
キサンテン類の群からの特に好ましい化合物は、式IVa
【化10】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリールまたは部分的にCOOHで置換されたアルキルを示し、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、アリール−COOR、NH2、NH−アルキル、NH−アリール、NH−ヘテロアリールまたはN(アルキル)2を示し、
R”は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、部分的にCOORで置換されたアルキルまたはアリール−COORを示す、
で表される化合物である。
【0042】
Rは、各々の場合において独立して、特に好ましくはHまたはアルキルである。R’は、各々の場合において独立して、特に好ましくはHまたはアルキルである。R”は、特に好ましくは、少なくとも1つの置換基COORにより置換されており、随意にさらにZにより置換されていてもよいアリールであり、ここでZは、アリールの場合において上記で示した意味の1つを有する。
隣接するR、R’またはR”は、互いに、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【0043】
キサンテン骨格に基づく特に好ましい陽イオンCAT+は、以下の陽イオンである:
【化11】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がポリメチン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0044】
ポリメチン染料の群には、シアニン、カルボシアニン、アザカルボシアニン、ジアザカルボシアニン、トリアザカルボシアニン、ヘミシアニンおよびジアザヘミシアニン染料が含まれる。ヘミシアニン染料は、スチリル染料の選択された群であり、また後者に分類され得る。ジアザヘミシアニン染料は、アゾ染料の選択された群であり、また後者に分類され得る。
【0045】
シアニン染料の好ましい陽イオンを、式V−1
【化12】
式中、
nは、0、1、2、3、4または5を示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、Cl、Br、I、アルキル、部分的に、または完全に塩素化されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、Oアルキル、Oアリール、Sアルキル、Sアリール、NHアルキル、N(アルキル)2、C(O)H、C(O)アルキル、C(O)アリール、CN、N=N−アリール、P(アリール)2、NHCOアルキルまたはNHCOアリールを示し、
【化13】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、さらに、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、前に記載したZにより単置換または多置換されていてもよい、
により記載することができる。
nは、特に好ましくは1である。
【0046】
シアニン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化14】
【0047】
カルボシアニン染料の好ましい陽イオンを、式V−2
【化15】
式中、
Xは、N、OまたはSを示し、
X’は、N、O、SまたはCを示し、
nは、0、1、2、3、4または5を示し、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
および
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、Cl、Br、I、アルキル、部分的に、または完全に塩素化されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、Oアルキル、Oアリール、Sアルキル、Sアリール、NHアルキル、N(アルキル)2、C(O)H、C(O)アルキル、C(O)アリール、CN、N=N−アリール、P(アリール)2、NHCOアルキルまたはNHCOアリールを示す、
により記載することができる。
【0048】
それぞれの基Rおよび/またはR1は、各々互いに、または環系の置換基に、単結合または二重結合により結合していてもよい。n=2である式
【化16】
の引用について、これは、シクロヘキセンまたはシクロペンテンが、化合物、例えば
【化17】
中に存在し得ることを意味する。
【0049】
【化18】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、前に記載したZにより単置換または多置換されていてもよい。
【0050】
環系は、好ましくは、ピリジン、キノリン、α−ピラン、γ−チオピラン、チアゾール、ピロール、イミダゾールまたはオキサゾールを示し、これはさらに、フェニルに縮合していてもよい。閉環は、窒素と隣接する炭素との間のみならず、窒素と、炭素を含む場合には鎖またはR1基中の続く炭素原子との間または芳香族系を形成する炭素原子間にも存在し得る。
【0051】
特に好ましい環系は、3,3−ジメチル−3H−インドール、1,1−ジメチル−1H−ベンゾ[e]インドール、ベンゾ[cd]インドール、ベンゾチアゾール、ベンゾキサゾール、ベンズイミダゾールまたはベンゾピリジンであり、これは、随意に、さらにZにより置換されていてもよい。Zはここで、特に好ましくはアルキルまたはClである。
nは、好ましくは1、2または3である。
式V−2中のR1は、好ましくはアルキル、Cl、Oアルキル、Oアリール、Sアリールまたはアリールである。
式V−2中のRは、各々の場合において独立して、好ましくはメチル、エチル、プロピルまたはブチルであり、ここで、それぞれのアルキルは、随意にSO3HまたはCOOHにより置換されていてもよい。
【0052】
カルボシアニン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化19】
【0053】
【化20】
【0054】
【化21】
【0055】
【化22】
【0056】
【化23】
【0057】
【化24】
【0058】
アザカルボシアニン染料の好ましい陽イオンを、式V−3
【化25】
式中、
nは、1または2を示し、
R’は、水素またはアルキルを示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
および
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、Cl、Br、I、アルキル、部分的に、または完全に塩素化されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、Oアルキル、Oアリール、Sアルキル、Sアリール、NHアルキル、N(アルキル)2、C(O)H、C(O)アルキル、C(O)アリール、CN、N=N−アリール、P(アリール)2、NHCOアルキルまたはNHCOアリールを示す、
により記載することができる。
【0059】
それぞれの基Rおよび/またはR1は、各々互いに、または環系の置換基に、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【化26】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、前に記載したZにより単置換または多置換されていてもよい。
【0060】
環系は、好ましくは、ピリジン、キノリン、α−ピラン、γ−チオピラン、チアゾール、ピロール、イミダゾールまたはオキサゾールを示し、これはさらに、フェニルに縮合していてもよい。閉環は、窒素と隣接する炭素との間のみならず、窒素と、炭素を含む場合には鎖またはR1基中の続く炭素原子との間または芳香族系を形成する炭素原子間にも存在し得る。
【0061】
特に好ましい環系は、3,3−ジメチル−3H−インドールである。
【化27】
により表される環系は、5〜14個の環要素を有する不飽和単環式もしくは二環式炭素環または5〜13個の環要素を有する不飽和単環式、二環式もしくは三環式複素環を示し、これは、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、炭素環式または複素環式基は、前に記載したZにより単置換または多置換されていてもよい。
【0062】
環系は、好ましくはアリールを示す。
nは、好ましくは1である。
式V−3中のR1は、好ましくはHまたはアルキルである。
式V−3中のRは、好ましくはアルキルである。
【0063】
アザカルボシアニン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化28】
【0064】
ジアザカルボシアニン染料の好ましい陽イオンを、式V−4
【化29】
式中、
nは、1を示し、
R’は、水素またはアルキルを示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
および
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、Cl、Br、I、アルキル、部分的に、または完全に塩素化されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、Oアルキル、Oアリール、Sアルキル、Sアリール、NHアルキル、N(アルキル)2、C(O)H、C(O)アルキル、C(O)アリール、CN、N=N−アリール、P(アリール)2、NHCOアルキルまたはNHCOアリールを示す、
により記載することができる。
【0065】
それぞれの基Rおよび/またはR1は、各々互いに、または環系の置換基に、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【化30】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、前に記載したZにより単置換または多置換されていてもよい。
【0066】
環系は、好ましくは、ピリジン、キノリン、α−ピラン、γ−チオピラン、チアゾール、ピロール、イミダゾールまたはオキサゾールを示し、これはさらに、フェニルに縮合していてもよい。閉環は、窒素と隣接する炭素との間のみならず、窒素と、炭素を含む場合には鎖またはR1基中の続く炭素原子との間または芳香族系を形成する炭素原子間にも存在し得る。
【0067】
特に好ましい環系は、3,3−ジメチル−3H−インドールである。
【化31】
により表される環系は、5〜14個の環要素を有する不飽和単環式または二環式炭素環を示し、これは、前に記載したZ、好ましくはアリールにより単置換または多置換されていてもよい。
式V−4中のR1は、好ましくはHまたはアルキルである。
式V−4中のRは、好ましくはアルキルである。
【0068】
ジアザカルボシアニン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化32】
【0069】
トリアザカルボシアニン染料の好ましい陽イオンを、式V−5
【化33】
式中、
R’は、水素またはアルキルを示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示す、
により記載することができる。
【0070】
それぞれの基Rおよび/またはR’は、各々、環系の置換基に、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【化34】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、前に記載したZにより単置換または多置換されていてもよい。
【0071】
環系は、好ましくは、ピリジン、キノリン、α−ピラン、γ−チオピラン、チアゾール、ピロール、イミダゾールまたはオキサゾールを示し、これはさらに、フェニルに縮合していてもよい。閉環は、窒素と隣接する炭素との間のみならず、窒素と、炭素を含む場合には鎖またはR1基中の続く炭素原子との間または芳香族系を形成する炭素原子間にも存在し得る。特に好ましい環系は、ベンゾチアゾールである。
【0072】
【化35】
により表される環系は、5〜14個の環要素を有する不飽和単環式または二環式炭素環を示し、これは、前に記載したZ、好ましくはアリールにより単置換または多置換されていてもよい。
式V−5中のRは、好ましくはアルキルである。
【0073】
トリアザカルボシアニン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化36】
【0074】
ヘミシアニン染料の好ましい陽イオンを、式V−6
【化37】
式中、
nは、1、2、3、4または5を示し、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、Hまたはアルキルを示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
R2は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、NO2、NH2、NHアルキルまたはN(アルキル)2を示し、
および
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、Cl、Br、I、アルキル、部分的に、または完全に塩素化されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、Oアルキル、Oアリール、Sアルキル、Sアリール、NHアルキル、N(アルキル)2、C(O)H、C(O)アルキル、C(O)アリール、CN、N=N−アリール、P(アリール)2、NHCOアルキルまたはNHCOアリールを示す、
により記載することができる。
【0075】
それぞれの基R、R1および/またはR2は、各々互いに、または環系の置換基に、単結合または二重結合により結合していてもよい。n=2である式
【化38】
の引用について、これは、シクロヘキセンが、化合物、例えば
【化39】
中に存在し得、ここで、シクロヘキセンが、随意にさらに前に記載したZにより置換されていてもよいことを意味する。
【0076】
【化40】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、前に記載したZにより単置換または多置換されていてもよい。
【0077】
環系は、好ましくは、ピリジン、キノリン、チアゾール、ピロール、イミダゾールまたはオキサゾールを示し、これはさらに、フェニルに縮合していてもよい。閉環は、窒素と隣接する炭素との間のみならず、窒素と、炭素を含む場合には鎖またはR1基中の続く炭素原子との間または芳香族系を形成する炭素原子間にも存在し得る。
【0078】
特に好ましい環系は、3,3−ジメチル−3H−インドール、ベンゾチアゾール、ベンゾキサゾール、ピリジンまたはキノリンであり、これは、随意に、さらにZにより置換されていてもよい。Zはここで、特に好ましくはアルキルである。
nは、好ましくは1、2または3である。
式V−6におけるR1は、好ましくは水素である。
R2は、好ましくは水素またはアルキルである。
式V−6におけるRは、好ましくはアルキルである。
【0079】
ヘミシアニン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化41】
【0080】
ジアザヘミシアニン染料の好ましい陽イオンを、式V−7
【化42】
式中、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、Hまたはアルキルを示し、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、および
R2は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、NO2、NH2、NHアルキルまたはN(アルキル)2を示す、
により記載することができる。
【0081】
それぞれの基R、R’および/またはR2は、各々互いに、または環系の置換基に、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【化43】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、前に記載したZにより単置換または多置換されていてもよい。
【0082】
環系は、好ましくは、ピリジン、キノリン、チアゾール、ピロール、イミダゾールまたはオキサゾールを示し、これはさらに、フェニルに縮合していてもよい。閉環は、窒素と隣接する炭素との間のみならず、窒素と、炭素を含む場合には鎖またはR1基中の続く炭素原子との間または芳香族系を形成する炭素原子間にも存在し得る。
【0083】
特に好ましい環系は、チアゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ピリジン、インダゾールまたは1,2,4−トリアゾールであり、これは、随意に、さらにZにより置換されていてもよい。Zはここで、特に好ましくはアルキルである。
R2は、好ましくは水素である。
式V−7におけるRは、各々の場合において独立して、好ましくはアルキルまたはCONH2置換アルキルである。
【0084】
ジアザヘミシアニン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化44】
【0085】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がスチリル染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0086】
好ましい陽イオンを、式VI
【化45】
式中、A+は、ヘテロアリールの場合において上記で定義した、正に帯電した複素環式基であり、これは、部分的に飽和されていてもよく、Bは、炭素環式または複素環式基を示し、ここで、各々の場合において、1つまたは2つ以上の二重結合が存在し、
nは、1、2または3を示し、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、F、Cl、Brまたはアルキルを示し、ここで、隣接するRは、随意に不飽和単環式または二環式基を形成してもよい、
により記載することができる。
【0087】
n=2である式
【化46】
の引用について、これは、シクロペンテンが、化合物、例えば
【化47】
中に存在し得、ここで、シクロペンテンが、随意にさらに前に記載したZにより置換されていてもよいことを意味する。
上記で定義したヘミシアニン染料は、除外される。
Rは、好ましくはHを示す。
【0088】
スチリル染料の群からの好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化48】
【0089】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+が陽イオン性アゾ染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0090】
好ましい陽イオンを、式VII
【化49】
式中、R’およびR”は、各々、互いに独立して、上記で定義したアリールまたはヘテロアリールであり、2つの芳香族核の1つは、正に帯電している、
により記載することができる。
【0091】
染料分子が2個のアゾ基を含む場合には、ビスアゾ染料が生成し、3個のアゾ基の場合には、トリアゾ染料が生成する。
ジアザヘミシアニン染料は、ここでは除外される。
R’は、特に好ましくはN2+−置換フェニルであり、ここで、フェニル環は、さらにアルキルもしくはOアルキルにより置換されていてもよいか、またはチアゾリルもしくはフェナジニルである。
Rは、特に好ましくはアリールまたはチエニルである。
【0092】
アゾ染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化50】
【0093】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がテトラゾリウム染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0094】
好ましい陽イオンを、式VIII
【化51】
により記載することができる。
Rは、各々の場合において、互いに独立して、アリールまたはヘテロアリールを示し、
R1は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルケニル、シクロアルケニル、OH、SH、Oアルキル、Sアルキル、SO2−アルキル、SO2−アリール、COOH、COOアルキル、COOアリール、C(O)−アリール、C(O)−アルキル、C(O)−ヘテロアリール、C(O)NHアルキル、C(O)NHアリール、C(O)N(アルキル)(アリール)、C(O)N(アルキル)2、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、N=NOH、N=NOアルキル、N=N−アリール、NHCOアルキル、NHCOアリール、NHSO2アルキル、NHSO2アリール、CN、F、ClまたはBrを示す。
【0095】
R1は、特に好ましくはフェニルであり、Rは、各々の場合において、互いに独立して、アリールまたはヘテロアリールである。
隣接する置換基RまたはR1は、互いに、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【0096】
テトラゾリウム染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化52】
【0097】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がピリリウム染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0098】
好ましいピリリウム陽イオンを、式IX
【化53】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、OH、Oアルキル、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、COOH、COOアルキル、ClまたはBrを示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルケニル、OH、Oアルキル、COOアルキル、COOアリール、OC(O)−アリール、OC(O)−アルキル、C(O)−H、CONH2、C(O)NHアルキル、C(O)NHアリール、C(O)アリール、C(O)アルキル、NHアルキル、N(アルキル)2、NHCOアルキル、NHCOCF3、NHCOアリール、NHCOOアルキル、NO2、ClまたはBrを示す、
により記載することができる。
【0099】
Rは、特に好ましくはフェニルである。
隣接する置換基RまたはR1は、互いに、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【0100】
式IXで表される好ましい群の陽イオンは、RおよびR1が縮合したフェニル環を形成する陽イオン、式X
【化54】
式中、
Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、OH、Oアルキル、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、COOH、COOアルキル、ClまたはBrを示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、OH、Oアルキル、NHアルキル、N(アルキル)2、NHCOアリール、NHCOOアルキル、ClまたはBrを示し、
【0101】
R2は、水素、アルキル、CH2−Cl、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、OH、Oアルキル、Sアルキル、COOアルキル、COOアリール、C(O)H、C(O)アリール、C(O)アルキル、C(O)アルケニル、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、ClまたはBrを示し、
R3は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、OH、Oアルキル、C(O)アルキル、C(O)アルケニル、CN、C(O)アリール、OC(O)アルキル、OC(O)アリール、NHCOアルキル、NHCOCF3、NO2、F、Cl、BrまたはIを示し、
【0102】
R4は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルケニル、アリール、OH、Oアルキル、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、OC(O)アルキル、OC(O)アリール、CN、NO2、Cl、BrまたはIを示し、
R5は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、NHCOアルキル、NHCOCF3、OH、Oアルキル、CN、NO2、ClまたはBrを示す、
で表されるいわゆるベンゾピリリウム塩である。
【0103】
式Xにおいて、Rは、特に好ましくはアリールであり、R2は、特に好ましくはアルキルであり、R1、R3〜R5は、特に好ましくはHである。
隣接する置換基R、R1、R2、R3、R4またはR5は、互いに、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【0104】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がチオピリリウム染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0105】
好ましいチオピリリウム陽イオンを、式XI
【化55】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロアリール、OH、Oアルキル、Sアルキル、Seアルキル、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、N(アルキル)(アリール)、N(アリール)2、C(O)アルキル、C(O)アリール、COOH、COOアルキル、CONH2、CONHアルキル、CON(アルキル)2、CN、ClまたはBrを示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルケニル、OH、Oアルキル、Sアルキル、COOH、COOアルキル、COOアリール、OC(O)−アリール、OC(O)−アルキル、CONH2、CONHアルキル、CONHアリール、C(S)アルキル、C(O)アリール、C(O)アルキル、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、CN、Cl、BrまたはIを示す、
により記載することができる。
【0106】
Rは、特に好ましくは、各々の場合において、互いに独立して、フェニルまたは水素であり、R1は、水素である。
隣接する置換基RまたはR1は、互いに、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【0107】
式XIで表される陽イオンの好ましい群は、RおよびR1が縮合したフェニル環を形成する陽イオン、式XII
【化56】
式中、
Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、Oアルキル、Sアルキル、NH2、NHアルキル、NHヘテロアリール、N(アルキル)2、COOH、COOアルキル、Cl、BrまたはIを示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、OH、Oアルキル、Sアルキル、NHアルキル、N(アルキル)2、ClまたはBrを示し、
【0108】
R2は、水素、アルキル、CH2−Cl、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルケニル、シクロアルケニル、OH、Oアルキル、Sアルキル、COOH、COOアルキル、COOアリール、OC(O)アルキル、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、CN、F、ClまたはBrを示し、
R3は、水素、アルキル、シクロアルキル、OH、Oアルキル、CN、NO2、F、Cl、BrまたはIを示し、
【0109】
R4は、水素、アルキル、シクロアルキル、Oアルキル、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、CN、F、Cl、BrまたはIを示し、
R5は、水素、アルキル、シクロアルキル、OH、Oアルキル、CN、F、ClまたはBrを示す、
で表されるいわゆるベンゾチオピリリウム塩である。
【0110】
隣接する置換基R、R1、R2、R3、R4またはR5は、互いに、単結合または二重結合により結合していてもよい。
式XIIにおいて、Rは、特に好ましくはアリールである。
【0111】
ピリリウム、ベンゾピリリウムおよびチオピリリウム染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化57】
【0112】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がチアジン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0113】
好ましい陽イオンを、式XIII
【化58】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、OアルキルまたはNO2を示し、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、部分的にヒドロキシルにより置換されているアルキル、部分的にBrもしくはCOOHにより置換されているアルキル、またはC(O)アルキル、COOHまたはCOOアルキルを示す、
により記載することができる。
Rは、特に好ましくはHまたはアルキルである。R’は、特に好ましくはHまたはアルキルである。
【0114】
チアジン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化59】
【0115】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がオキサジン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0116】
好ましい陽イオンを、式XIV
【化60】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、OH、Oアルキル、COOH、COOアルキル、CONH2、CONHアルキル、CON(アルキル)2、NH2、NHアルキルまたはN(アルキル)2を示し、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキルまたはCONH2、CONHアルキル、C(O)N(アルキル)2、COOHもしくはCOOヘテロアリールにより部分的に置換されているアルキルを示し、
R”は、水素、アルキル、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、NHヘテロアリール、Sアリール、SO2−アリール、S−C(O)−アルキル、SC(N)NH2、またはCONH2、CONHアルキル、CON(アルキル)2、COOHもしくはCOOヘテロアリールにより部分的に置換されているアルキルを示す、
により記載することができる。
【0117】
Rは、特に好ましくはH、アルキル、OHまたはCOOHであり、ここで、隣接する置換基Rはまた、一緒に、縮合したフェニル環を形成していてもよい。R’は、特に好ましくはHまたはアルキルである。R”は、好ましくはH、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2またはOHである。
【0118】
オキサジン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化61】
【0119】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がトリアリールメタン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0120】
好ましい陽イオンを、式XV
【化62】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、COOH、ClまたはFを示し、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、OHにより部分的に置換されているアルキル、またはアルケニル、アルキニル、アリールまたはC(O)アルキルを示し、
【0121】
R”は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アリール、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、N(アルキル)(アリール)、OH、Oアルキル、COOH、COOアルキル、SO2−アルキル、CN、NO2、F、Cl、BrまたはIを示し、
R”’は、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、N(アルキル)(アリール)、OH、Oアルキル、COOH、COOアルキル、COO−ヘテロアリール、CONHアルキル、SO2−アルキル、SO2H、SO3H、SO3アルキル、CN、NO2、F、Cl、Br、I、N3またはNCSを示す、
により記載することができる。
【0122】
Rは、特に好ましくはHまたはアルキルであり、ここで、隣接する置換基RおよびR”はまた、一緒に、縮合したフェニル環を形成していてもよい。R’は、特に好ましくはHまたはアルキルである。
【0123】
トリアリールメタン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化63】
【0124】
トリアリールメタン染料のさらに好ましい陽イオンは、
【化64】
である。
【0125】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がジアリールメタン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0126】
好ましい陽イオンを、式XVI
【化65】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキルまたはCOOHを示し、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、OHにより部分的に置換されているアルキル、またはアルキルアリールまたはアリールを示し、
R”は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アリール、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、N(アルキル)(アリール)、OH、Oアルキル、COOH、CN、F、ClまたはBrを示し、
Xは、水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアリール、Sアルキル、OH、Oアルキル、CN、F、ClまたはBrを示す、
により記載することができる。
【0127】
Rは、特に好ましくはHである。R’は、特に好ましくはアルキルである。R”は、特に好ましくはHである。
Xは、特に好ましくはHまたはアルケニルであり、ここで、アルケニル鎖は、第2のジアリールメタン染料への結合要素であってもよい。
【0128】
ジアリールメタン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化66】
【0129】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がアクリジン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0130】
好ましい陽イオンを、式XVII
【化67】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルキルアリール、C(O)CH2ClまたはC(O)アルキルを示し、
式XVIIにおけるNRRはまた、N=N−アリールを示すことができ、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、またはCOOHもしくはCONHアリールにより部分的に置換されているアルキルを示し、
R”は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アリール、アルキルアリール、NHCOアルキルまたはNHCOアリールを示し、
R”’は、水素、アルキル、アルキルアリール、アリール、ヘテロアリール、SアルキルまたはCNを示す、
により記載することができる。
【0131】
Rは、特に好ましくはHまたはアルキルである。R’は、特に好ましくはHまたはアルキルである。R”は、特に好ましくはHである。
R”’は、特に好ましくはHである。
【0132】
アクリジン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化68】
【0133】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がキノリン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0134】
好ましい陽イオンを、式XVIII
【化69】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリール、CH2COOHまたはCH2COアルキルを示し、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、ヘテロアリールにより部分的に置換されているアルケニル、またはアルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアルキルアリールを示し、
R”は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、ヘテロアリールにより部分的に置換されているアルケニル、またはアリール、アルキルアリール、OH、Oアルキル、Sアルキル、NH2、NHアルキル、NHアリール、COOH、COOアルキル、F、Cl、BrまたはIを示し、
R”’は、水素、アルキル、Oアルキル、CNまたはNO2を示す、
により記載することができる。
【0135】
隣接する置換基R、R’、R”またはR”’は、互いに、単結合または二重結合により結合していてもよい。
キノリン構造の3および4位における隣接する置換基RおよびR”は、好ましくは、随意にR、R’またはR”により置換されていてもよいフェニル環を形成する。
【0136】
キノリン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化70】
【0137】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がイソキノリン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0138】
好ましい陽イオンを、式XIX
【化71】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、アルキル、アルケニルまたはCH2COアルキルを示し、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアルキルアリールを示し、
R”は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、Oアルキル、NH2またはNHアルキルを示し、
R”’は、水素、アルキル、Oアルキル、NH2、NHCO−アルケニル、CNまたはNO2を示す、
により記載することができる。
【0139】
イソキノリン構造の3および4位における隣接する置換基RおよびR”は、好ましくは、随意にR、R’またはR”により置換されていてもよいフェニル環を形成する。
Rは、好ましくはアルキルを示す。R’は、好ましくはHまたはアリールを示す。R”は、好ましくはHまたはOアルキルを示す。R”’は、好ましくはNH2、OアルキルまたはNHCO−アルケニルを示す。
【0140】
イソキノリン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化72】
【0141】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+が四級化アザフルオレノン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0142】
好ましい陽イオンを、式XX
【化73】
式中、
R1、R2、R3およびR4は、各々、互いに独立して、水素、F、Cl、Br、アルキル、Oアルキル、1〜4個のC原子を有するヒドロキシアルコキシ、OH、NO2、NH2、NHアルキル、Nアルキル2またはCOアルキルを示し、ここで、2つの基はまた、一緒に縮合した芳香族環を形成していてもよく、
Q1、Q2、Q3およびQ4は、合計で3個の炭素原子および1個の第四級窒素原子において、アルキル、1〜4個のC原子を有するヒドロキシアルキル、COOアルキル、Sアルキル、アリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールの意味を有する基R5を担持し、これはまたN−オキシドを形成することができる、
により記載することができる。
R1〜R4は、好ましくは水素である。R5は、好ましくはアルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリールである。
【0143】
第四級アザフルオレノン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化74】
【0144】
好ましいのは、本発明において、CAT+が各々の場合において式Iまたは式III〜XXの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、Y−が上記したように式II−1で表されるシアノホウ酸イオン(cyanoborate)である、式Iで表される化合物の群である。
【0145】
好ましいのは、本発明において、CAT+が各々の場合において式Iまたは式III〜XXの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、Y−が上記したように式II−2で表されるフルオロアルキルリン酸イオン(fluoroalkylphosphate)である、式Iで表される化合物の群である。
【0146】
好ましいのは、本発明において、CAT+が各々の場合において式Iまたは式III〜XXの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、Y−が上記したように式II−3で表されるフルオロアルキルホウ酸イオン(fluoroalkylborate)であり、ここでトリフルオロメチルトリフルオロホウ酸3,3’−ジエトキシエチル−2,2’−チアジカルボシアニンは除外される、式Iで表される化合物の群である。
【0147】
好ましいのは、本発明において、CAT+が各々の場合において式Iまたは式III〜XXの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、Y−が上記したように式II−4で表されるイミドである、式Iで表される化合物の群である。
【0148】
驚異的なことに、本発明の陽イオン性染料は、特に安定であることが見出された。これらの電気化学的、熱的および加水分解安定性は、Cl−、トシル酸イオン(tosylate)またはヘキサフルオロリン酸陰イオンを有する慣用の陽イオン性染料よりも、顕著に高い。
【0149】
さらに、本発明の染料は、有機溶媒への改善された溶解性を示す。慣用の染料、例えばローダミンB、ヤヌスグリーンまたはナイルブルーは、例えばベンゼンに不溶である。CAB陰イオンを有する本発明の陽イオン性染料、例えばローダミンCAB、ヤヌスグリーンCABまたはナイルブルーCAB、FAP陰イオンを有する陽イオン性染料、例えばサフラニンFAPまたはナイルブルーFAP、FAB陰イオンを有する陽イオン性染料、例えばサフラニンFABまたはナイルブルーFABおよびIm陰イオンを有する陽イオン性染料、例えばローダミンIm、ヤヌスグリーンImまたはナイルブルーImは、対照的にベンゼンに可溶である。
【0150】
陰イオンとして硫酸水素を有する慣用のナイルブルーは、炭酸ジメチルに不溶であり、一方、対照的に、本発明のナイルブルーCAB、ナイルブルーFAP、ナイルブルーFABまたはナイルブルーImは、容易に、または極めて容易に可溶である。
従って、本発明の陽イオン性染料を、溶媒に基づく系において用いることができる。
【0151】
本発明の陽イオン性染料の改善された安定性のために、これらは、多数の用途に適する。従って、本発明はまた、随意に補助剤と一緒の本発明の陽イオン性染料の、プラスチック、プラスチック繊維、木材、金属、布地、毛皮製品、セラミック材料、ガラス、フィルムを着色するための、農業部門における、例えば種子の着色における、フレキソ印刷インクを製造するための、ボールペンペーストとしての、スタンプインクとしての、並びに革および紙を着色するための、化粧品配合物における、塗料工業における、生化学、生物学、医学、分析論および電子工学における、顕微鏡法および組織化学における、例えば組織および細菌を染色するための、有毒物質の場合における、例えば液体発泡剤または洗浄剤における警告色としての、光学および電子写真における増感剤としての、動物ケア製品における、クロマトグラフィー物質における、塗料および被膜、印刷インクにおける、セキュリティー印刷、化粧品配合物、コンタクトレンズにおける、薬学における、並びに着色組成物、例えばパーレット(pearlet)およびペースト並びに好ましくは印刷インクおよび塗料において用いられる乾燥製剤、例えばペレット、顆粒、チップなどの製造のための使用に関する。
【0152】
塗料および被膜における陽イオン性染料の使用の際に、当業者に知られているすべての適用の分野、例えば粉末被膜、自動車塗料、グラビア、オフセット、スクリーンまたはフレキソ印刷用の、並びに屋内および屋外用途における被膜用の印刷インクが、可能である。適用の特定の分野は、さらに、データ収集システム、複写、インクマイクロフィルター、感光起電、レーザー技術および写真工業(有機着色料の高技術適用、P. Gregory, Plenum Press, N.Y. 1991)においてである。本発明の陽イオン性染料について、また、CDレコーダー(CD−R)、DVDレコーダー(DVD+R、DVD+RW)、ブルーレイディスク(BD−ROM、BD−R、BD−RE)、コンピュータから印刷用刷版を直接作成する方式(CTP)、レーザーフィルター、レーザーマーキングおよび光重合などの適用の分野がある。
【0153】
さらに、本発明の陽イオン性染料をまた、すべての既知の顔料および無機着色料と有利に混合することができる。
本発明の陽イオン性染料を、当業者に知られている好適な添加剤と共に、特定の用途に供給することができる。織った、および編んだ布を着色するために、添加剤、例えば染色補助剤(染料溶媒、分散剤、固定剤および還元剤、湿潤剤、染色促進剤など)、塩、アルカリ類または酸類を含む懸濁液中の染料を、用いる。
【0154】
本発明は、さらに、本発明の陽イオン性染料の製造方法に関する。この方法において、一般式XXI
CAT+A− (XXI)
式中、CAT+は、式Iの場合において示した意味を有するか、または式III〜XXの1つに適合し、
およびA−は、Cl−、Br−、I−、BF4−、PF6−、ClO4−、硫酸イオン(sulfate)、トシル酸イオン(tosylate)、ヒドロ硫酸イオン(hydrosulfate)、トリフレート(triflate)、トリフルオロ酢酸イオン(trifluoroacetate)、酢酸イオン(acetate)またはシュウ酸イオン(oxalate)を示す、
で表される化合物を、一般式XXII
E+Y− (XXII)
式中、Y−は、式I、II−1〜II−4または好ましい意味の場合において示した意味を有し、
E+は、アルカリ金属、アルカリ土類金属または11および12族からの金属の陽イオンである、
で表される化合物と反応させる。
【0155】
塩交換とも呼ぶことができる反応を、有機溶媒中で、好ましくは水性溶液中で0℃〜100℃の温度において、好ましくは10℃〜40℃において、特に好ましくは室温において行う。しかし、E+はまた、アンモニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルアンモニウム、ホスホニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルホスホニウム、イミダゾリウム、グアニジニウム、ウロニウム、チオウロニウム、ピリジニウム、ピロリジニウムまたは他の複素環式陽イオンの意味を有していてもよく、この場合において、反応を、水中で、または有機水混和性溶媒、例えばジメトキシエタン、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、メタノール、エタノールまたはイソプロパノール中で行う。
【0156】
E+は、好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属または11および12族からの金属、アンモニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルアンモニウム、ホスホニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルホスホニウムまたはグアニジニウムの陽イオンである。C1〜C4アルキルを含むアルキルアンモニウムは、1〜4個のC原子を有するアルキル基により単置換されているか、または二置換、三置換もしくは四置換されているアンモニウムを共に意味するものと解釈される。C1〜C4アルキルを含むアルキルホスホニウムは、1〜4個のC原子を有するアルキル基により単置換されているか、または二置換、三置換もしくは四置換されているホスホニウムを共に意味するものと解釈される。E+は、極めて特に好ましくは、アルカリ金属陽イオン、例えばLi+またはK+である。
【0157】
本発明はまた、式XXIII
【化75】
式中、
nは、0、1、2、3、4または5を示し、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、Cl、Br、I、アルキル、部分的に、または完全に塩素化されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、Oアルキル、Oアリール、Sアルキル、Sアリール、NHアルキル、N(アルキル)2、C(O)H、C(O)アルキル、C(O)アリール、CN、N=N−アリール、P(アリール)2、NHCOアルキルまたはNHCOアリールを示し、
【化76】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、さらに、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、上記したZにより単置換または多置換されていてもよく、
【0158】
式中、Y−は、CAB−、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
式中、CAB−は、一般式(II−1)
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
に適合し、
y1は、1、2、3または4を示し、
x1は、0、1、2または3を示し、
R0は、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよく、
【0159】
式中、FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
【0160】
式中、FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
【0161】
式中、Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4のアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよい、
で表されるカルボシアニン染料の製造方法であって、
【0162】
式XXIV
【化77】
式中、環系およびY−は、式XXIIIの場合において示した意味の1つを有し、
nは、0、1、2、3または4を示し、
R1は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、Sアリール、Sアルキル、Oアルキル、CON(アルキル)2、Oアリール、N(アルキル)2、NH(アリール)、N(アルキル)(アリール)、OC(O)アリール、OH、CN、Cl、F、アルキルアリール、C(O)アルキル、CONH2またはCOOアルキルを示し、
Gは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、N=C(R)2、CONH−アリール、C(O)アリールまたはCONHアルキルを示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示す、
で表される化合物を用いることを特徴とする、前記方法に関する。
【0163】
上記した式XXIVで表される出発物質を用いた、式XXIIIで表されるカルボシアニン染料の合成を、当業者に知られている方法、特に
T.V.S. Rao, J. B. Huff, C. Bieniarz, Tetrahedron 54 (1998), 10627-10634、
L.G.S. Brooker, F.L. White, G.H. Keyes, C.P. Smyth and P.F. Oesper, J. Am. Chem. Soc, 63, (1941), 3192-3203または
F.M. Hamer and R.J. Rathbone, J. Chem. Soc, (1945), 595-600
からの手順により、行うことができる。
【0164】
本発明はまた、式XXIVで表される化合物に関する。特に、Gが水素を示す、式XXIVで表される化合物に関する。
式XXIVで表される好ましい化合物は、以下の化合物であり、ここで、Y−は、式Iまたは式II−1〜II−4または好ましい意味の場合における意味を有する:
【化78】
【0165】
【化79】
【0166】
本発明はさらに、上記で定義した式XXIVで表される化合物の製造方法であって、
式XXV
【化80】
式中、
A−は、Cl−、Br−、I−、BF4−、PF6−、ClO4−、硫酸イオン、トシル酸イオン、ヒドロ硫酸イオン、トリフレート、トリフルオロ酢酸イオン、酢酸イオンまたはシュウ酸イオンを示し、
【化81】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、さらに、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、前に定義したZにより単置換または多置換されていてもよく、
【0167】
nは、0、1、2、3または4を示し、
R1は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、Sアリール、Sアルキル、Oアルキル、CON(アルキル)2、Oアリール、N(アルキル)2、NH(アリール)、N(アルキル)(アリール)、OC(O)アリール、OH、CN、Cl、F、アルキルアリール、C(O)アルキル、CONH2またはCOOアルキルを示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
Gは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、N=C(R)2、CONH−アリール、C(O)アリールまたはCONHアルキルを示す、
で表される化合物を、
【0168】
式XXVI
E+Y− XXVI
式中、
Y−は、式Iまたは式II−1〜II−4または好ましい意味の場合において示した意味を有し、
E+は、アルカリ金属、アルカリ土類金属または11もしくは12族からの金属の陽イオンである、
で表される化合物と反応させることを特徴とする、前記方法に関する。
【0169】
塩交換とも呼ぶことができる反応を、好ましくは水性溶液中で0℃〜100℃の温度において、好ましくは10℃〜40℃において、特に好ましくは室温において行う。しかし、E+はまた、アンモニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルアンモニウム、ホスホニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルホスホニウム、イミダゾリウム、グアニジニウム、ウロニウム、チオウロニウム、ピリジニウム、ピロリジニウムまたは他の複素環式陽イオンの意味を有していてもよく、この場合において、反応を、好ましくは、有機溶媒、例えばアルコール類中で行う。
【0170】
E+は、好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属または11および12族からの金属、アンモニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルアンモニウム、ホスホニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルホスホニウムまたはグアニジニウムの陽イオンである。E+は、極めて特に好ましくは、アルカリ金属陽イオン、例えばLi+またはK+である。
【0171】
本発明はさらに、式XXIVにおけるnが、0を示すという制限の下での、式XXIVで表される化合物を製造するための代替の方法であって、
式XXVII
【化82】
式中、
Gは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、N=C(R)2、CONH−アリール、C(O)アリールまたはCONHアルキルを示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
【0172】
【化83】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、さらに、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、上記したZにより単置換または多置換されていてもよい、
で表される化合物を、HY、式中、
Y−は、式II−2〜II−4または好ましい意味の場合において示した意味を有する、
と反応させることを特徴とする、前記方法に関する。
【0173】
HFAPの製造は、例えば、国際公開第03/02579号に記載されている。
HFABの製造は、例えば、R.D. Chambers et al, J. Am. Chem. Soc. 82, (1960), 5298に記載されている。
Yが式II−2〜II−4の場合において定義された通りである、HYとの反応を、好ましくは、有機溶媒中で、−30℃〜40℃の温度において、好ましくは−0℃〜25℃において、特に好ましくは室温において行う。好ましい溶媒は、エタノールである。
【0174】
本発明はまた、式XXVIII
【化84】
式中、
R’およびR”は、アリールまたはヘテロアリールを示し、2つの芳香族核の1つは、正に帯電しており、Y−は、式Iまたは式II−1〜II−4の場合において示した意味の1つを有する、
を有するアゾ染料の製造方法であって、
式XXIX
R’−N2+Y− XXIX
式中、R’およびY−は、式XXVIIIの場合において示した意味の1つを有する、
で表される化合物を、芳香族環式または複素環式化合物R”と反応させることを特徴とする、前記方法に関する。
【0175】
この反応を、例えばBeyer Walter, Lehrbuch der Organischen Chemie [有機化学の教科書]、第21版、S. Hirzel Verlag Stuttgart 1988からの、アゾカップリングに典型的であり、当業者に適切に知られている反応条件の下で、行う。
【0176】
本発明はまた、式XXIXで表される化合物に関する。
式XXIXで表される好ましい化合物は、以下の化合物であり、ここで、Y−は、式I、式II−1〜II−4または好ましい意味の場合において示した意味を有する:
【化85】
【0177】
式XXIXで表される化合物の合成を、上記したように、後の塩交換を伴うジアゾ化の既知の方法と同様にして、行う。
以下の例は、本発明を一層詳細に説明することを意図するが、これを限定することを意図しない。
【0178】
例1:
ヤヌスグリーンからのテトラシアノホウ酸塩としてのアゾ染料の製造
【化86】
【0179】
0.49g(0.959mmol)の染料ヤヌスグリーンを、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.15g(0.975mmol)のテトラシアノホウ酸カリウムK[B(CN)4]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、さらに5分間撹拌する。沈殿物を濾別し、50cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で80℃において乾燥し、0.41gのヤヌスグリーンが、テトラシアノホウ酸塩として得られ、これは、72.4%の収率に相当する。
【0180】
【化87】
【0181】
例2:
サフラニンOからのテトラシアノホウ酸塩としてのアジン染料の製造
【化88】
【0182】
0.57g(1.62mmol)の染料サフラニンOを、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.26g(1.69mmol)のテトラシアノホウ酸カリウムK[B(CN)4]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、さらに5分間撹拌する。沈殿物を濾別し、50cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および80℃において乾燥し、0.64gのサフラニンOが、テトラシアノホウ酸塩として得られ、これは、91.8%の収率に相当する。
【0183】
【化89】
【0184】
例3:
ローダミンBからのテトラシアノホウ酸塩としてのキサンテン染料の製造
【化90】
【0185】
0.68g(1.42mmol)の染料ローダミンBを、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.23g(1.50mmol)のテトラシアノホウ酸カリウムK[B(CN)4]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、さらに5分間撹拌する。沈殿物を濾別し、50cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および80℃において乾燥し、0.755gのローダミンBが、テトラシアノホウ酸塩として得られ、これは、95.2%の収率に相当する。
【0186】
【化91】
【0187】
例4:
ナイルブルーからのテトラシアノホウ酸塩としてのオキサジン染料の製造
【化92】
【0188】
0.62g(1.49mmol)の染料ナイルブルー硫酸水素塩を、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.24g(1.56mmol)のテトラシアノホウ酸カリウムK[B(CN)4]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、さらに5分間撹拌する。沈殿物を濾別し、50cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および80℃において乾燥し、0.59gのナイルブルーが、テトラシアノホウ酸塩として得られ、これは、88.2%の収率に相当する。
【0189】
【化93】
【0190】
例5:
テトラシアノホウ酸3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムの製造
【化94】
【0191】
5mlの水中の1.64g(10.66mmol)のテトラシアノホウ酸カリウムK[B(CN)4]を、撹拌しながら、2.76g(10.69mmol)の臭化3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムを50mlの水に溶解した溶液に滴加する。下方の液体相を、50mlのジクロロメタンで多数回抽出し、混ぜ合わせた有機相を、Mg2SO4を用いて乾燥する。その後、溶媒を、蒸留により除去し、残留物を、1.3Paの減圧下で、および60℃において乾燥し、2.78gのテトラシアノホウ酸3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムが得られ、これは、89.1%の収率に相当する。
【0192】
【化95】
【0193】
例6:
テトラシアノホウ酸3−エチル−2−[3−(3−エチル−3H−ベンゾチアゾール−2−イリデン)プロペニル]ベンゾチアゾリウムの製造
【化96】
【0194】
2.73g(9.32mmol)のテトラシアノホウ酸3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムを、0.710g(4.79mmol)のオルトギ酸トリエチルを15mlの乾燥ピリジンに溶解した溶液に加える。反応混合物を、110〜115℃の油浴温度において、保護ガス雰囲気下で、15時間加熱する。1.3Paの減圧下で、および80℃において、溶媒を蒸留により除去した後に、固体を、冷エタノールで多数回洗浄し、1.3Paの減圧下で、および60℃において乾燥し、1.76gのテトラシアノホウ酸3−エチル−2−[3−(3−エチル−3H−ベンゾチアゾール−2−イリデン)プロペニル]ベンゾチアゾリウムが得られ、これは、78.6%の収率に相当する。
【0195】
【化97】
【0196】
例7:
テトラシアノホウ酸塩としてのナイルブルーの溶解度検査
例4においてナイルブルーから製造した染料を、種々の溶媒に触れさせる。
基準として、陰イオンとして硫酸水素を有する慣用の染料ナイルブルーを、同一の条件下で検査する。
【0197】
【表1】
【0198】
例8:
テトラシアノホウ酸塩としてのローダミンBの溶解度検査
例3においてローダミンBから製造した染料を、種々の溶媒に触れさせる。
基準として、陰イオンとして塩化物を有する慣用の染料ローダミンBを、同一の条件下で検査する。
【0199】
【表2】
【0200】
例9:
テトラシアノホウ酸塩としてのサフラニンOの溶解度検査
例2においてサフラニンOから製造した染料を、種々の溶媒に触れさせる。
基準として、陰イオンとして塩化物を有する慣用の染料サフラニンOを、同一の条件下で検査する。
【0201】
【表3】
【0202】
例10:
テトラシアノホウ酸塩としてのヤヌスグリーンの溶解度検査
例4においてヤヌスグリーンから製造した染料を、種々の溶媒に触れさせる。
基準として、陰イオンとして塩化物を有する慣用の染料ヤヌスグリーンを、同一の条件下で検査する。
【0203】
【表4】
【0204】
例11:
ヤヌスグリーンからのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのアゾ染料の製造
【化98】
【0205】
0.347g(0.679mmol)の染料ヤヌスグリーンを、100cm3の水に溶解する。3cm3の水中の0.380g(0.7853mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウムK[(C2F5)3PF3]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、さらに5分間撹拌する。沈殿物を濾別し、20cm3の水で3回洗浄する。残留物を、減圧下で乾燥し、0.481gのヤヌスグリーンが、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、77%である。
【0206】
【化99】
【0207】
例12:
サフラニンOからのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのアジン染料の製造
【化100】
【0208】
0.513g(1.46mmol)の染料サフラニンOを、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.780g(1.61mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウムK[(C2F5)3PF3]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、20cm3の水で3回洗浄する。残留物を、減圧下で乾燥し、1.019gのサフラニンOが、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、91.8%である。
【0209】
【化101】
【0210】
例13:
ローダミンBからのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのキサンテン染料の製造
【化102】
【0211】
0.462g(0.964mmol)の染料ローダミンBを、100cm3の水に溶解する。3cm3の水中の0.502g(1.037mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウムK[(C2F5)3PF3]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、20cm3の水で3回洗浄する。残留物を、減圧下で乾燥し、0.600gのローダミンBが、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、70%である。
【0212】
【化103】
【0213】
例14:
ピロニンGからのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのキサンテン染料の製造
【化104】
【0214】
0.356g(1.176mmol)の染料ピロニンGを、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.602g(1.243mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウムK[(C2F5)3PF3]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、20cm3の水で3回洗浄する。残留物を、減圧下で乾燥し、0.655gのピロニンGが、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、78.2%である。
【0215】
【化105】
【0216】
例15:
ナイルブルーからのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのオキサジン染料の製造
【化106】
【0217】
0.511g(1.23mmol)の染料ナイルブルー硫酸水素塩を、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.725g(1.50mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウムK[(C2F5)3PF3]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、20cm3の水で3回洗浄する。残留物を、減圧下で乾燥し、0.832gのナイルブルーが、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、89.1%である。
【0218】
【化107】
【0219】
例16:
クリスタルバイオレットからのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのトリフェニルメタン染料の製造
【化108】
【0220】
0.359g(0.88mmol)の染料クリスタルバイオレットを、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.508g(1.049mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウムK[(C2F5)3PF3]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、20cm3の水で3回洗浄する。残留物を、減圧下で乾燥し、0.559gのクリスタルバイオレットが、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、77.7%である。
【0221】
【化109】
【0222】
例17:
臭化エチジウムからのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのキノリン染料の製造
【化110】
【0223】
0.114g(0.289mmol)の染料臭化エチジウムを、50cm3の水に溶解する。2cm3の水中の0.140g(0.289mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウムK[(C2F5)3PF3]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、50cm3のジエチルエーテルで抽出し、抽出物を、40cm3の水で2回洗浄し、無水MgSO4を用いて乾燥する。溶媒を濾過して除去し、残留物を、減圧下で乾燥し、0.207gのエチジウムが、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、94.5%である。
【0224】
【化111】
【0225】
例18:
メチレンブルーからのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのチアジン染料の製造
【化112】
【0226】
0.210g(0.657mmol)の染料メチレンブルーを、50cm3の水に溶解する。3cm3の水中の0.325g(0.671mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウムK[(C2F5)3PF3]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、20cm3の水で3回洗浄する。残留物を、減圧下で乾燥し、0.432gのメチレンブルーが、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、90.2%である。
【0227】
【化113】
【0228】
例19:
サフラニンOからのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのアジン染料の製造
【化114】
【0229】
0.250g(0.712mmol)の染料サフラニンOを、50cm3の水に溶解する。3cm3の水中の0.390g(0.727mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸五水和物H[(C2F5)3PF3]5H2Oを、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、20cm3の水で3回洗浄する。残留物を、減圧下で乾燥し、0.490gのサフラニンが、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、90.6%である。
【0230】
この物質を、1H−および19F−NMR並びに31Pスペクトルにより分析し、例12に示すデータに相当する。
【0231】
例20:
トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのカルボシアニン染料の製造
【化115】
【0232】
5cm3の水中の0.070g(0.130mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸五水和物H[(C2F5)3PF3]5H2Oを、0.020g(0.086mmol)の酸化銀を用いて中和する。得られた溶液を、0.050g(0.103mmol)のシアニン染料(C)を200cm3の水に溶解した溶液に、撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、10cm3のメタノールで12回洗浄する。溶媒を、蒸留により除去し、残留物を、減圧下で60℃において乾燥し、0.035gのカルボシアニン染料が、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、42.2%である。
【0233】
【化116】
【0234】
例21:
トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸1,2,3,3−テトラメチル−3H−インドリウムの製造
【化117】
【0235】
4.00g(7.46mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸五水和物H[(C2F5)3PF3]5H2Oを、15cm3の水に溶解する。1.175g(6.78mmol)の2−メチレン−1,3,3−トリメチルインドリン(フィッシャー塩基)を、この溶液に、撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、10cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および室温において8時間乾燥し、4.16gのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸1,2,3,3−テトラメチル−3H−インドリウムが得られる。収率は、99%である。エタノールから結晶させた後の融点は、81℃である。
【0236】
【化118】
【0237】
例22:
トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムの製造
【化119】
【0238】
4.39g(8.19mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸五水和物H[(C2F5)3PF3]5H2Oを、30cm3の水に溶解する。2.5g(8.19mmol)のヨウ化3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムを、この溶液に、撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、10cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および60℃において8時間乾燥し、5.03gのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムが得られる。収率は、98.4%である。エタノールから結晶させた後の融点は、62〜63℃である。
【0239】
【化120】
【0240】
例23:
トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸3−エチル−2−メチルベンゾキサゾリウムの製造
【化121】
【0241】
4.63g(8.64mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸五水和物H[(C2F5)3PF3]5H2Oを、30cm3の水に溶解する。2.5g(8.64mmol)のヨウ化3−エチル−2−メチルベンゾキサゾリウムを、この溶液に、撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、10cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および60℃において8時間乾燥し、4.49gのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸3−エチル−2−メチルベンゾキサゾリウムが得られる。収率は、85.6%である。エタノールから結晶させた後の融点は、71〜72℃である。
【0242】
【化122】
【0243】
例24:
トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸2,3−ジメチルベンゾキサゾリウムの製造
【化123】
【0244】
9.37g(17.48mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸五水和物H[(C2F5)3PF3]5H2Oを、15cm3の水に溶解する。50cm3の水中の4.81g(17.48mmol)のヨウ化2,3−ジメチルベンゾキサゾリウムを、この溶液に、撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、10cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および70℃において8時間乾燥し、10.12gのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸2,3−ジメチルベンゾキサゾリウムが得られる。収率は、85.6%である。エタノールから結晶させた後の融点は、94〜95℃である。
【0245】
【化124】
【0246】
例25:
トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸2−[3−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)プロペニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウムの製造
【化125】
【0247】
1.642g(2.65mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸1,2,3,3−テトラメチル−3H−インドリウムを、0.194g(1.31mmol)のオルトギ酸トリエチルを15cm3のピリジンに溶解した溶液に加える。反応混合物を、13時間加熱し、その後溶媒を、蒸留により除去する。残留物を、15cm3のエタノール中に吸収させ、50cm3のエタノール中の0.11gのNaOHを加える。エタノールを蒸留により除去した後に、残留物を、ジクロロメタンで抽出し、有機相を、100cm3の水で3回洗浄し、乾燥する。ジクロロメタンを、蒸留により除去し、残留物を、減圧下で60℃において乾燥し、0.79gのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸2−[3−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)プロペニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウムが得られる。収率は、74.3%である。
【0248】
【化126】
【0249】
例26:
トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸3−エチル−2−[3−(3−エチル−3H−ベンゾチアゾール−2−イリデン)プロペニル]ベンゾチアゾリウムの製造
【化127】
【0250】
例15と同様にして、0.28g(1.89mmol)のオルトギ酸トリエチルを、ピリジン中の2.35g(3.77mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸1−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムと反応させ、1.00gのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸3−エチル−2−[3−(3−エチル−3H−ベンゾチアゾール−2−イリデン)プロペニル]ベンゾチアゾリウムが、65.4%の収率で得られる。
【0251】
【化128】
【0252】
例27:
【化129】
【0253】
例15と同様にして、0.38g(2.56mmol)のオルトギ酸トリエチルを、ピリジン中の3.03g(5.11mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸1,2−ジメチルベンゾキサゾリウムと反応させ、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸3−メチル−2−[3−(3−メチル−3H−ベンゾキサゾール−2−イリデン)プロペニル]ベンゾキサゾリウムが、トルエン:ジクロロメタン(1:1)からの再結晶の後に、31.3%の収率で得られる。
【0254】
【化130】
【0255】
例28:
3−ジアゾチオフェン−2−カルボン酸メチルトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩の製造
【化131】
【0256】
10.3g(65.52mmol)の3−アミノチオフェン−2−カルボン酸メチルを、撹拌しながら、25cm3の6M塩酸溶液に加える。反応混合物を、室温で、さらに30分間撹拌し、その後−10℃〜−15℃に冷却する。4.52g(65.51mmol)の亜硝酸ナトリウムを10cm3の水に溶解した溶液を加え、塩化ジアゾニウムが生成する。次に、35.12g(65.55mmol)のH[(C2H5)3PF3]×5H2Oを、この温度で加える。得られた沈殿物を、濾別し、10cm3のH[(C2H5)3PF3]×5H2Oを20cm3の水に溶解した冷溶液で、および10cm3の冷メタノールで2回洗浄し、その後室温で減圧下で乾燥し、38.90gの3−ジアゾチオフェン−2−カルボン酸メチルトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩が得られる。これは、96.7%の収率に相当する。
【0257】
【化132】
【0258】
例29:
ナイルブルーFAPの溶解度検査
FAPがトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸を示す、例15においてナイルブルーから製造した染料(ナイルブルーFAP)を、種々の溶媒に触れさせる。
基準として、陰イオンとして硫酸水素を有する慣用の染料ナイルブルーを、同一の条件下で検査する。
【0259】
【表5】
【0260】
例30:
サフラニンFAPの溶解度検査
例12においてサフラニンOから製造した染料を、種々の溶媒に触れさせる。基準は、陰イオンとして塩化物を有するサフラニンOである。
【0261】
【表6】
【0262】
例31:
ローダミンBからのテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸塩としてのキサンテン染料の製造
【化133】
【0263】
0.233g(0.72mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸カリウムK[B(CF3)4]を5cm3の水に溶解した溶液を、室温で、0.312g(0.65mmol)のローダミンBを50cm3の水に溶解した溶液にゆっくりと加える。反応混合物を、室温でさらに30分間撹拌し、その後沈殿物を濾過する。濾過ケークを、300cm3の水で洗浄し、次に減圧下で乾燥する。収率:86%(0.450g;0.62mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸塩としてのローダミンB。
【0264】
【化134】
【0265】
例32:
ナイルブルーからのテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸塩としてのオキサジン染料の製造
【化135】
【0266】
0.383g(1.18mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸カリウムK[B(CF3)4]を5cm3の水に溶解した溶液を、室温で、0.444g(1.07mmol)のナイルブルーを50cm3の水に溶解した溶液にゆっくりと加える。反応混合物を、室温でさらに30分間撹拌し、その後沈殿物を濾過する。濾過ケークを、300cm3の水で洗浄し、次に減圧下で乾燥する。収率:84%(0.543g;0.90mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸塩としてのナイルブルー。
【0267】
【化136】
【0268】
例33:
サフラニンOからのテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸塩としてのアジン染料の製造
【化137】
【0269】
例32と同様にして、0.412g(1.17mmol)のサフラニンOを50cm3の水に溶解した溶液を、0.421g(1.29mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸カリウムK[B(CF3)4]の溶液と反応させる。
収率:68%(0.479g;0.80mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸塩としてのサフラニンO。
【0270】
【化138】
【0271】
例34:
クリスタルバイオレットからのテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸塩としてのトリフェニルメタン染料の製造
【化139】
【0272】
例32と同様にして、0.204g(0.50mmol)のクリスタルバイオレットを50cm3の水に溶解した溶液を、0.179g(0.55mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸カリウムK[B(CF3)4]を5cm3の水に溶解した溶液と反応させる。
収率:85%(0.281g;0.43mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸塩としてのクリスタルバイオレット。
【0273】
【化140】
【0274】
例35:
ヨウ化3,3’−ジエチルオキサジカルボシアニン(DODCl)からのテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸塩としてのカルボシアニン染料の製造
【化141】
【0275】
0.051g(0.16mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸カリウムK[B(CF3)4]を5cm3のエタノールに溶解した溶液を、室温で、0.034g(0.07mmol)のDODClを5cm3のエタノールに溶解した溶液にゆっくりと加える。反応混合物を、12時間撹拌し、その後溶媒を、蒸留により除去する。残留物を、各々の回において10cm3のジクロロメタンで2回抽出し、乾燥し、すべての揮発性の構成成分を、減圧下で除去する。収率:91%(0.041g;0.06mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸3,3’−ジエチルオキサジカルボシアニン。
【0276】
【化142】
【0277】
例36:
テトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸2−[3−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)プロペニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウムの製造
【化143】
【0278】
0.436g(0.55mmol)の[H(OEt2)2][B(CF3)4]および0.091g(0.53mmol)の2−メチレン−1,3,3−メチルインドリンを、各々4cm3のジクロロメタンにアルゴン雰囲気下で溶解し、0℃で撹拌しながらゆっくりと混ぜ合わせる。反応混合物を、室温に加温し、その後すべての揮発性の構成成分を、減圧下で除去する。アルゴン雰囲気中で、得られたテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸1,2,3,3−テトラメチルインドリウムを、5cm3の無水ピリジンに溶解し、0.043g(0.29mmol)のオルトギ酸トリエチルを加える。混合物を、還流下で15時間加熱する。冷却後、すべての揮発性の構成成分を、減圧下で除去し、固体を、100cm3のジクロロメタンに溶解する。0.25g(4.5mmol)の水酸化カリウムを、10cm3の蒸留水に溶解し、ジクロロメタン溶液に撹拌しながら加える。撹拌しながら2時間後、水性相を、分離して除去し、有機相を、炭酸カリウムを用いて乾燥する。溶液を濾過し、溶媒を、蒸留により除去する。粗製の生成物を、ジクロロメタン/ペンタンからの結晶化により精製する。収率:75%(0.117g;0.20mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸2−[3−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)プロペニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウム(2−メチレン−1,3,3−メチルインドリンを基準として)。
【0279】
【化144】
【0280】
例37:
【表7】
溶解度を、g/cm3で示す。
【0281】
例38:
ヤヌスグリーンからのビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとしてのアゾ染料の製造
【化145】
【0282】
0.43g(0.841mmol)の染料ヤヌスグリーンを、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.25g(0.871mmol)のリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドLi[(CF3SO2)2N]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、さらに5分間撹拌する。沈殿物を濾別し、50cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および80℃において乾燥し、0.44gのヤヌスグリーンが、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとして得られ、これは、69.3%の収率に相当する。
【0283】
【化146】
【0284】
例39:
サフラニンOからのビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとしてのアジン染料の製造
【化147】
【0285】
0.64g(1.82mmol)の染料サフラニンOを、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.60g(2.09mmol)のリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドLi[(CF3SO2)2N]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、さらに5分間撹拌する。沈殿物を濾別し、50cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および80℃において乾燥し、0.99gのサフラニンOが、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとして得られ、これは、91.3%の収率に相当する。
【0286】
【化148】
【0287】
例40:
ローダミンBからのビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとしてのキサンテン染料の製造
【化149】
【0288】
0.61g(1.27mmol)の染料ローダミンBを、100cm3の水に溶解する。3cm3の水中の0.38g(1.32mmol)のリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドLi[(CF3SO2)2N]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、さらに5分間撹拌する。沈殿物を濾別し、50cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および80℃において乾燥し、0.85gのローダミンBが、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとして得られ、これは、92.5%の収率に相当する。
【0289】
【化150】
【0290】
例41:
ナイルブルーからのビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとしてのオキサジン染料の製造
【化151】
【0291】
0.63g(1.52mmol)の染料ナイルブルー硫酸水素塩を、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.45g(1.57mmol)のリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドLi[(CF3SO2)2N]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、さらに5分間撹拌する。沈殿物を濾別し、50cm3の水で3回洗浄する。残留物を、減圧下で乾燥し、0.83gのナイルブルーが、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとして得られ、これは、87.8%の収率に相当する。
【0292】
【化152】
【0293】
例42:
1,2,3,3−テトラメチル−3H−インドリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの製造
【化153】
【0294】
1.88g(10.85mmol)の2−メチレン−1,3,3−トリメチルインドリン(フィッシャー塩基)を、数分間にわたり、撹拌しながら、3.054g(10.86mmol)のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(CF3SO2)2NHを15mlの乾燥エタノールに溶解した溶液に加える。反応混合物を、室温においてさらに5分間撹拌する。その後、溶媒を蒸留により除去し、残留物を、1.3Paの減圧下で、および60℃において乾燥し、4.86gの1,2,3,3−テトラメチル−3H−インドリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが得られ、これは、98.6%の収率に相当する。
【0295】
【化154】
【0296】
例43:
3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの製造
【化155】
【0297】
5mlの水中の2.22g(7.73mmol)のリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドLi[(CF3SO2)2N]を、撹拌しながら、2.00g(7.75mmol)の臭化3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムを50mlの水に溶解した溶液に滴加する。下方の液体相を、50mlのジクロロメタンで多数回抽出し、混ぜ合わせた有機相を、Mg2SO4を用いて乾燥する。その後、溶媒を、蒸留により除去し、残留物を、1.3Paの減圧下で、および60℃において乾燥し、3.14gの3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが得られ、これは、88.7%の収率に相当する。
【0298】
【化156】
【0299】
例44:
2−[3−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)プロペニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの製造
【化157】
【0300】
4.751g(10.46mmol)の1,2,3,3−テトラメチル−3H−インドリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを、0.783g(5.28mmol)のオルトギ酸トリエチルを15mlの乾燥ピリジンに溶解した溶液に加える。反応混合物を、120〜125℃の油浴温度において、30時間加熱する。溶媒を、1.3Paの減圧下で、および80℃において、蒸留により除去した後に、固体を、冷エタノールで多数回洗浄し、1.3Paの減圧下で、および60℃において乾燥し、2.90gの2−[3−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)プロペニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが得られ、これは、87%の収率に相当する。
【0301】
【化158】
【0302】
例45:
3−エチル−2−[3−(3−エチル−3H−ベンゾチアゾール−2−イリデン)プロペニル]ベンゾチアゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの製造
【化159】
【0303】
3.03g(6.61mmol)の3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを、0.489g(3.30mmol)のオルトギ酸トリエチルを15mlの乾燥ピリジンに溶解した溶液に加える。反応混合物を、110〜115℃の油浴温度において、15時間加熱する。溶媒を、1.3Paの減圧下で、および80℃において、蒸留により除去した後に、固体を、冷エタノールで多数回洗浄し、1.3Paの減圧下で、および60℃において乾燥し、1.83gの3−エチル−2−[3−(3−エチル−3H−ベンゾチアゾール−2−イリデン)プロペニル]ベンゾチアゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが得られ、これは、85.9%の収率に相当する。
【0304】
【化160】
【0305】
例46:
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとしてのナイルブルーの溶解度検査
例41においてナイルブルーから製造した染料を、種々の溶媒に触れさせる。
基準として、陰イオンとして硫酸水素を有する慣用の染料ナイルブルーを、同一の条件下で検査する。
【0306】
【表8】
【0307】
例47:
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとしてのローダミンBの溶解度検査
例40においてローダミンBから製造した染料を、種々の溶媒に触れさせる。
基準として、陰イオンとして塩化物を有する慣用の染料ローダミンBを、同一の条件下で検査する。
【0308】
【表9】
【0309】
例48:
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとしてのサフラニンOの溶解度検査
例39においてサフラニンOから製造した染料を、種々の溶媒に触れさせる。
基準として、陰イオンとして塩化物を有する慣用の染料サフラニンOを、同一の条件下で検査する。
【0310】
【表10】
【0311】
例49:
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとしてのヤヌスグリーンの溶解度検査
例38においてヤヌスグリーンから製造した固体を、種々の溶媒に触れさせる。
基準として、陰イオンとして塩化物を有する慣用の染料ヤヌスグリーンを、同一の条件下で検査する。
【0312】
【表11】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラスチックおよびプラスチック繊維を着色するために、フレキソ印刷インク、ボールペンペースト、伝統的用途における革および紙を着色するためのスタンプインクを製造するために、しかしまた写真およびレーザー技術において、並びに電子工学工業において用いることができる、新規な陰イオンを有する陽イオン性染料に関する。
【0002】
多数の染料が、今日知られている。天然染料と合成染料との間の起源により、区別がなされている。既知の合成染料は、例えば、アニリンブルー、フクシンまたはメチルオレンジである。染料は、(a)発色団配置に基づく純粋に化学的な観点による科学的名称により(例えば:アゾ、アジン、アントラキノン、アクリジン、シアニン、オキサジン、ポリメチン、チアジン、トリアリールメタン染料);(b)繊維上での挙動および用いるべき染色手法により;塩基性または陽イオン性染料、媒染剤、直接、分散、地染の糸、大だる、金属複合体、反応性、酸性または硫黄染料;(c)数系(C.I...)または言語/数系(Acid Red..)を有する色指数により;(d)登録商標として一般的に保護されている名称により(商業的な染料指定);例えばシリウス(Sirius)、アントラゾール(Anthrasol)、エリオ(Erio)、インダントレン(Indanthrene)、レマゾール(Remazol)、バシレン(Basilen)、レバフィックス(Levafix)、シバクロン(Cibacron)、ドリマレン(Drimaren)またはプロシオン(Procion)染料と指定されている。
【0003】
ほとんどの合成染料は、芳香族または複素環式であり、イオン性(例えばすべての水溶性染料)または非イオン性化合物(例えば分散染料)のいずれかである。イオン性染料の場合において、陰イオン性染料と陽イオン性染料との間で区別がされる。
【0004】
陽イオン性染料は、共役結合にわたり非局在化する正の電荷を有する有機陽イオンおよび通常無機の陰イオンからなる。これらは、通常、また置換されていてもよいアミノ基が共鳴に関与する染料である。H. Zollinger, Color Chemistry, VCH, Weinheim 1991に記載されているように、既知の陽イオン性染料の選択は、大きく、一方陰イオンの数は、塩化物、臭化物、ヨウ化物、過塩素酸、テトラフルオロホウ酸、ヘキサフルオロリン酸、アルキルまたはアリール硫酸、特にトシル酸、酢酸またはシュウ酸に限定されている。
【0005】
既知の陽イオン性染料は、例えば、ローダミン、サフラニンまたはビクトリアブルーであり、これらは、通常、対イオンとして塩化物イオンまたはトシル酸を有する。これらの化合物は、あまり電気化学的に安定ではない。従来技術において、染料を一層電気化学的に安定にする新規な陰イオンを導入する試行が、見出されている。しかし、用いられる陰イオン、例えば(BF4)−または(PF6)−は、他の欠点を有する。テトラフルオロホウ酸陰イオンを有する染料は、比較的熱的に安定ではなく、有機溶媒への乏しい溶解度を有する。ヘキサフルオロリン酸陰イオンを有する染料は、良好な熱的安定性も良好な加水分解安定性も有していない。
【0006】
特開平2-3052号には、光重合開始剤としての染料トリフルオロメチルトリフルオロホウ酸3,3’−ジエトキシエチル−2,2’−チアジカルボシアニンが記載されている。これらのおよび同様の化合物は、600〜900nmまたはこれ以上の波長を有する光を照射した際に重合を開始することができる空気に対して安定な開始剤を得るために、合成された。
【0007】
本発明の目的は、電気化学的に安定であり、熱的に安定であり、加水分解に対して安定であり、有機溶媒への良好な溶解度を有する染料を提供することにあった。
【0008】
この目的は、一般式(I):
CAT+Y− (I)
式中、Y−は、CAB−、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
ここで、CAB−は、一般式(II−1)
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
に適合し、
y1は、1、2、3または4を示し、
x1は、0、1、2または3を示し、
R0は、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよく、
【0009】
FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
【0010】
FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
【0011】
Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4のアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよく、
および、
【0012】
CAT+は、アジン、キサンテン、ポリメチン、スチリル、アゾ、テトラゾリウム、ピリリウム、ベンゾピリリウム、チオピリリウム、ベンゾチオピリリウム、チアジン、オキサジン、トリアリールメタン、ジアリールメタン、アクリジン、キノリン、イソキノリンまたは四級化アザフルオレノン染料の群から選択された陽イオンであり、
ここで、トリフルオロメチルトリフルオロホウ酸3,3’−ジエトキシエチル−2,2’−チアジカルボシアニンは、除外される、
で表される陽イオン性染料により、達成される。
【0013】
以下でCAB陰イオン(CAB−)と略すシアノホウ酸陰イオンおよびこれらの製造方法は、E. Bernhardt, G. Henkel, H. Willner, Z. Anorg. Allg. Chem. 626 (2000) 560; D. Williams, B. Pleune, J. Kouvetakis, M. D. Williams, R. A. Andersen, J. Amer. Chem. Soc. 122 (2000) 7735; E. Bernhardt, M. Berkei, M. Schuermann, H. Willner, Z. Anorg. Allg. Chem. 628 (2002) 1734)およびE. Bernhardt, G. Henkel, H. Willner, G. Pawelke, H. Buerger, Chem. Eur. J. 7 (2001) 4696; G. Pawelke, H. Buerger, Coord. Chem. Rev. 215 (2001) 243)から知られているか、またはこれらの方法と同様にして製造することができる。
【0014】
式II−1において、y1は、好ましくは1または4、特に好ましくは4である。式II−1において、x1は、好ましくは2または3、特に好ましくは3である。
【0015】
【化1】
【0016】
CAB−は、特に好ましくは[B(CN)(CF3)3]−、[B(CN)F3]−、[B(CN)2F2]−または[B(CN)4]−である。
CAB−は、極めて特に好ましくは、[B(CN)4]−である。
【0017】
以下でFAP陰イオンと略すフルオロアルキルリン酸陰イオンおよびこれらの製造方法は、EP 0929558 B1および米国特許第6,423,454号から知られている。
式II−2において、p2は、好ましくは1、2、3、4、5、6、7または8、特に好ましくは2、3または4である。
特に好ましいFAP陰イオンは、−PF3(C2F5)3、−PF3(C4F9)3、−PF3(C3F7)3または−PF4(C2F5)2である。
【0018】
以下でFAB陰イオンと略すフルオロアルキルホウ酸陰イオンおよびこれらの製造方法は、EP 1174941、EP 1205480およびEP 1229038から知られている。
【0019】
式II−3において、m3は、好ましくは0であり、p3は、好ましくは1、2、3、4、5、6、7または8、特に好ましくは1または2であり、ここで、トリフルオロメチルトリフルオロホウ酸は、除外される。
特に好ましいFAB陰イオンは、
【化2】
である。FAB−は、極めて特に好ましくは[B(CF3)4]−である。
【0020】
以下でIm陰イオン(Im−)と略すイミド陰イオンおよびこれらの製造方法は、米国特許第5,874,616号、米国特許第5,723,664号、米国特許第5,072,040号、米国特許第4,387,222号、EP 1363345から、またはH. Matsumoto et al, Chem. Commun., 2002, 1726-1727から知られている。環式イミド類の合成は、WO 97/31909、R. Jaeschke, G. Henkel, P. Sartori, Z. Naturforsch, 52 (1997), 359-366またはS. Sukhijinder et al, J. Am. Chem. Soc. 109 (1987), 7194-7196から知られている。
【0021】
式II−4において、p4およびqは、各々、互いに独立して、好ましくは1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11または12、特に好ましくは1、2または4である。
式II−4で表される環式イミド類は、4員環、5員環、6員環または7員環を形成し、ここで、得られたアルキレン鎖の水素原子は、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよい。好ましいのは、6員環を形成する環式イミド類である。
【0022】
一般性を限定せずに、Im陰イオンの例は、
【化3】
である。
【0023】
特に好ましいIm陰イオンは、
【化4】
【0024】
Y−は、特に好ましくは、
【化5】
である。
【0025】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、ここでCAT+がアジン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
アジン骨格を有する化合物は、例えば、フェナジン
【化6】
に基づく化合物である。
【0026】
フェナジン類の群から、次に、好ましいのは、サフラニン、インジュリンおよびニグロシンである。
好ましい陽イオンを、式III
【化7】
式中、
Rは、各々の場合において互いに独立して、H、アルキルまたはアリールを示し、
R1は、水素またはアリールを示し、
R2、R3、R4、R5は、各々、互いに独立して、H、アルキル、アリールまたはNR2を示す、
により記載することができる。
【0027】
上記または下記の式において、アルキル(alkyl)は、直鎖状または分枝状であり、1〜20個のC原子、好ましくは1〜12個のC原子、特に好ましくは1、2、3または4個のC原子を有するアルキル基を示し、随意に完全に、または部分的にフッ素化されている。アルキルは、好ましくは、メチル、さらにエチル、イソプロピル、プロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチル、さらにまたペンチル、1−、2−もしくは3−メチルブチル、1,1−、1,2−もしくは2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピルまたはヘキシルを示す。随意に、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピルまたはノナフルオロブチルである。特に好ましいのは、メチルまたはエチルである。
【0028】
以下の式において、アルケニル(alkenyl)は、2〜20個のC原子を有し、ここで複数の二重結合がまた存在し得る、直鎖状または分枝状アルケニル、好ましくはアリル、2−または3−ブテニル、イソブテニル、sec−ブテニルを意味し、好ましいのは、さらに、4−ペンテニル、イソペンテニルまたは5−ヘキセニルである。
【0029】
以下の式において、アルキニル(alkynyl)は、2〜20個のC原子を有し、ここで複数の三重結合がまた存在し得る、直鎖状または分枝状アルキニル、好ましくはエチニル、1−または2−プロピニル、2−または3−ブチニルを意味し、好ましいのは、さらに、4−ペンチニル、3−ペンチニルまたは5−ヘキシニルである。
【0030】
アルキルアリールにおいて、アリール(aryl)は、以下に示す好ましい意味の1つを有する。アルキルアリールについて特に好ましいのは、ベンジル、4−メトキシフェニルエチル、3−メトキシフェニルエチル、2−メトキシベンジル、3−メトキシベンジル、4−メトキシベンジル、2−エトキシベンジル、2−メチルベンジル、3−メチルベンジル、4−tert−ブチルベンジル、2−(トリフルオロメチル)ベンジル、3−(トリフルオロメチル)ベンジル、4−フルオロベンジル、3−ヨードベンジル、4−(トリフルオロメトキシ)ベンジル、3−(トリフルオロメトキシ)ベンジルまたは4−(トリフルオロメチルスルファニル)ベンジルである。
【0031】
上記または下記の式において、アリールは、好ましくは、Zにより単置換、二置換または三置換されているフェニルを示し、ここで、Zは、水素、アルキル、NO2、F、Cl、Br、I、OH、カルボキシル、アルコキシ、OCF3、SCN、SCF3、C(O)Oアルキル、CH2−C(O)Oアルキル、アミノまたはアルキルアミノを示すことができる。アリールの定義はまた、パーフルオロ化されているアリール、特にパーフルオロ化されているフェニルを含む。
【0032】
従って、アリールは、好ましくはフェニル、o−、m−もしくはp−メチルフェニル、o−、m−もしくはp−エチルフェニル、o−、m−もしくはp−プロピルフェニル、o−、m−もしくはp−イソプロピルフェニル、o−、m−もしくはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−もしくはp−アミノフェニル、o−、m−もしくはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−もしくはp−ニトロフェニル、o−、m−もしくはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−もしくはp−メトキシフェニル、o−、m−もしくはp−エトキシフェニル、o−、m−、p−(トリフルオロメチル)フェニル、o−、m−、p−(トリフルオロメトキシ)フェニル、o−、m−、p−(トリフルオロメチルスルファニル)フェニル、o−、m−もしくはp−フルオロフェニル、o−、m−もしくはp−クロロフェニル、o−、m−もしくはp−ブロモフェニル、o−、m−もしくはp−ヨードフェニル、さらに好ましくは2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジメチルフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジヒドロキシフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジブロモフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−もしくは3,5−ジメトキシフェニル、5−フルオロ−2−メチルフェニル、3,4,5−トリメトキシフェニルまたは2,4,5−トリメチルフェニルを示す。
【0033】
以下の式において、アリールアルキルは、1〜4個のC原子を有するアルキルにより単置換または多置換されているアリールを示す。
以下の式において、炭素環(carbocycle)は、上記したようにZにより単置換または多置換されていてもよい、5〜14個の環要素を有する不飽和単環式または二環式基、好ましくはシクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、1,3−もしくは1,4−シクロヘキサジエニル、フェニル、シクロヘプタトリエニル、シクロオクテニル、インデニル、フルオレニル、ナフチル、アントラセニルまたはフェナントレニルを示す。
【0034】
上記または下記の式において、シクロアルキル(cycloalkyl)は、3〜8個のC原子を有するシクロアルキル基、好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルまたはシクロオクチルを示す。
以下の式において、シクロアルキレン(cycloalkylene)は、5〜8個のC原子を有し、部分的に不飽和であるシクロアルキル基を示す。好ましくは、シクロペント−1−エニル、シクロヘクス−1−エニル、シクロヘクス−1,3−ジエニル、シクロヘクス−1,4−ジエニル、シクロヘプト−1−エニルまたはシクロオクト−1−エニルである。
【0035】
以下の式において、ヘテロアリール(heteroaryl)は、5〜13個の環要素を有し、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基が、上記したようにZにより単置換または多置換されていてもよい、不飽和単環式または二環式複素環式基を示す。
【0036】
ヘテロアリールは、好ましくは、置換または非置換2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2−、4−または5−イミダゾリル、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、さらに好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、2−、3−、4−、5−または6−2H−チオピラニル、2−、3−または4−4H−チオピラニル、3−または4−ピリダジニル、ピラジニル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾフリル、2−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾチエニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−1H−インドリル、1−、2−、4−または5−ベンズイミダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンズイソキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンズイソチアゾリル、4−、5−、6−または7−ベンズ−2,1,3−オキサジアゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリニル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリニル、1−、2−、3−、4−または9−カルバゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−、7−、8−または9−アクリジニル、3−、4−、5−、6−、7−または8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニルである。
【0037】
フェナジン骨格に基づく特に好ましい陽イオンCAT+は、以下の陽イオンである:
【化8】
【0038】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がキサンテン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0039】
好ましい陽イオンを、式IV
【化9】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、OH、Oアルキル、OC(O)アルキル、NH2、NH−アルキル、NH−アリール、NH−ヘテロアリール、ClまたはBrを示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アリール、アルキルアリール、OH、Oアルキル、OC(O)アルキル、Cl、BrまたはIを示し、
R2は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アリール、OH、Oアルキル、OC(O)アルキル、OC(O)アリール、CN、NO2、Cl、BrまたはIを示し、
R3は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、OH、Oアルキル、Cl、BrまたはIを示し、
R4は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、CH2C(O)H、COOH、COOアルキル、COOシクロアルキル、COOアリール、COOヘテロアリール、Oアルキル、Cl、BrまたはIを示す、
により記載することができる。
【0040】
隣接するR、R1、R2、R3またはR4は、互いに、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【0041】
キサンテン類の群からの特に好ましい化合物は、式IVa
【化10】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリールまたは部分的にCOOHで置換されたアルキルを示し、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、アリール−COOR、NH2、NH−アルキル、NH−アリール、NH−ヘテロアリールまたはN(アルキル)2を示し、
R”は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、部分的にCOORで置換されたアルキルまたはアリール−COORを示す、
で表される化合物である。
【0042】
Rは、各々の場合において独立して、特に好ましくはHまたはアルキルである。R’は、各々の場合において独立して、特に好ましくはHまたはアルキルである。R”は、特に好ましくは、少なくとも1つの置換基COORにより置換されており、随意にさらにZにより置換されていてもよいアリールであり、ここでZは、アリールの場合において上記で示した意味の1つを有する。
隣接するR、R’またはR”は、互いに、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【0043】
キサンテン骨格に基づく特に好ましい陽イオンCAT+は、以下の陽イオンである:
【化11】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がポリメチン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0044】
ポリメチン染料の群には、シアニン、カルボシアニン、アザカルボシアニン、ジアザカルボシアニン、トリアザカルボシアニン、ヘミシアニンおよびジアザヘミシアニン染料が含まれる。ヘミシアニン染料は、スチリル染料の選択された群であり、また後者に分類され得る。ジアザヘミシアニン染料は、アゾ染料の選択された群であり、また後者に分類され得る。
【0045】
シアニン染料の好ましい陽イオンを、式V−1
【化12】
式中、
nは、0、1、2、3、4または5を示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、Cl、Br、I、アルキル、部分的に、または完全に塩素化されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、Oアルキル、Oアリール、Sアルキル、Sアリール、NHアルキル、N(アルキル)2、C(O)H、C(O)アルキル、C(O)アリール、CN、N=N−アリール、P(アリール)2、NHCOアルキルまたはNHCOアリールを示し、
【化13】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、さらに、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、前に記載したZにより単置換または多置換されていてもよい、
により記載することができる。
nは、特に好ましくは1である。
【0046】
シアニン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化14】
【0047】
カルボシアニン染料の好ましい陽イオンを、式V−2
【化15】
式中、
Xは、N、OまたはSを示し、
X’は、N、O、SまたはCを示し、
nは、0、1、2、3、4または5を示し、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
および
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、Cl、Br、I、アルキル、部分的に、または完全に塩素化されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、Oアルキル、Oアリール、Sアルキル、Sアリール、NHアルキル、N(アルキル)2、C(O)H、C(O)アルキル、C(O)アリール、CN、N=N−アリール、P(アリール)2、NHCOアルキルまたはNHCOアリールを示す、
により記載することができる。
【0048】
それぞれの基Rおよび/またはR1は、各々互いに、または環系の置換基に、単結合または二重結合により結合していてもよい。n=2である式
【化16】
の引用について、これは、シクロヘキセンまたはシクロペンテンが、化合物、例えば
【化17】
中に存在し得ることを意味する。
【0049】
【化18】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、前に記載したZにより単置換または多置換されていてもよい。
【0050】
環系は、好ましくは、ピリジン、キノリン、α−ピラン、γ−チオピラン、チアゾール、ピロール、イミダゾールまたはオキサゾールを示し、これはさらに、フェニルに縮合していてもよい。閉環は、窒素と隣接する炭素との間のみならず、窒素と、炭素を含む場合には鎖またはR1基中の続く炭素原子との間または芳香族系を形成する炭素原子間にも存在し得る。
【0051】
特に好ましい環系は、3,3−ジメチル−3H−インドール、1,1−ジメチル−1H−ベンゾ[e]インドール、ベンゾ[cd]インドール、ベンゾチアゾール、ベンゾキサゾール、ベンズイミダゾールまたはベンゾピリジンであり、これは、随意に、さらにZにより置換されていてもよい。Zはここで、特に好ましくはアルキルまたはClである。
nは、好ましくは1、2または3である。
式V−2中のR1は、好ましくはアルキル、Cl、Oアルキル、Oアリール、Sアリールまたはアリールである。
式V−2中のRは、各々の場合において独立して、好ましくはメチル、エチル、プロピルまたはブチルであり、ここで、それぞれのアルキルは、随意にSO3HまたはCOOHにより置換されていてもよい。
【0052】
カルボシアニン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化19】
【0053】
【化20】
【0054】
【化21】
【0055】
【化22】
【0056】
【化23】
【0057】
【化24】
【0058】
アザカルボシアニン染料の好ましい陽イオンを、式V−3
【化25】
式中、
nは、1または2を示し、
R’は、水素またはアルキルを示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
および
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、Cl、Br、I、アルキル、部分的に、または完全に塩素化されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、Oアルキル、Oアリール、Sアルキル、Sアリール、NHアルキル、N(アルキル)2、C(O)H、C(O)アルキル、C(O)アリール、CN、N=N−アリール、P(アリール)2、NHCOアルキルまたはNHCOアリールを示す、
により記載することができる。
【0059】
それぞれの基Rおよび/またはR1は、各々互いに、または環系の置換基に、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【化26】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、前に記載したZにより単置換または多置換されていてもよい。
【0060】
環系は、好ましくは、ピリジン、キノリン、α−ピラン、γ−チオピラン、チアゾール、ピロール、イミダゾールまたはオキサゾールを示し、これはさらに、フェニルに縮合していてもよい。閉環は、窒素と隣接する炭素との間のみならず、窒素と、炭素を含む場合には鎖またはR1基中の続く炭素原子との間または芳香族系を形成する炭素原子間にも存在し得る。
【0061】
特に好ましい環系は、3,3−ジメチル−3H−インドールである。
【化27】
により表される環系は、5〜14個の環要素を有する不飽和単環式もしくは二環式炭素環または5〜13個の環要素を有する不飽和単環式、二環式もしくは三環式複素環を示し、これは、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、炭素環式または複素環式基は、前に記載したZにより単置換または多置換されていてもよい。
【0062】
環系は、好ましくはアリールを示す。
nは、好ましくは1である。
式V−3中のR1は、好ましくはHまたはアルキルである。
式V−3中のRは、好ましくはアルキルである。
【0063】
アザカルボシアニン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化28】
【0064】
ジアザカルボシアニン染料の好ましい陽イオンを、式V−4
【化29】
式中、
nは、1を示し、
R’は、水素またはアルキルを示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
および
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、Cl、Br、I、アルキル、部分的に、または完全に塩素化されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、Oアルキル、Oアリール、Sアルキル、Sアリール、NHアルキル、N(アルキル)2、C(O)H、C(O)アルキル、C(O)アリール、CN、N=N−アリール、P(アリール)2、NHCOアルキルまたはNHCOアリールを示す、
により記載することができる。
【0065】
それぞれの基Rおよび/またはR1は、各々互いに、または環系の置換基に、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【化30】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、前に記載したZにより単置換または多置換されていてもよい。
【0066】
環系は、好ましくは、ピリジン、キノリン、α−ピラン、γ−チオピラン、チアゾール、ピロール、イミダゾールまたはオキサゾールを示し、これはさらに、フェニルに縮合していてもよい。閉環は、窒素と隣接する炭素との間のみならず、窒素と、炭素を含む場合には鎖またはR1基中の続く炭素原子との間または芳香族系を形成する炭素原子間にも存在し得る。
【0067】
特に好ましい環系は、3,3−ジメチル−3H−インドールである。
【化31】
により表される環系は、5〜14個の環要素を有する不飽和単環式または二環式炭素環を示し、これは、前に記載したZ、好ましくはアリールにより単置換または多置換されていてもよい。
式V−4中のR1は、好ましくはHまたはアルキルである。
式V−4中のRは、好ましくはアルキルである。
【0068】
ジアザカルボシアニン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化32】
【0069】
トリアザカルボシアニン染料の好ましい陽イオンを、式V−5
【化33】
式中、
R’は、水素またはアルキルを示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示す、
により記載することができる。
【0070】
それぞれの基Rおよび/またはR’は、各々、環系の置換基に、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【化34】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、前に記載したZにより単置換または多置換されていてもよい。
【0071】
環系は、好ましくは、ピリジン、キノリン、α−ピラン、γ−チオピラン、チアゾール、ピロール、イミダゾールまたはオキサゾールを示し、これはさらに、フェニルに縮合していてもよい。閉環は、窒素と隣接する炭素との間のみならず、窒素と、炭素を含む場合には鎖またはR1基中の続く炭素原子との間または芳香族系を形成する炭素原子間にも存在し得る。特に好ましい環系は、ベンゾチアゾールである。
【0072】
【化35】
により表される環系は、5〜14個の環要素を有する不飽和単環式または二環式炭素環を示し、これは、前に記載したZ、好ましくはアリールにより単置換または多置換されていてもよい。
式V−5中のRは、好ましくはアルキルである。
【0073】
トリアザカルボシアニン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化36】
【0074】
ヘミシアニン染料の好ましい陽イオンを、式V−6
【化37】
式中、
nは、1、2、3、4または5を示し、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、Hまたはアルキルを示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
R2は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、NO2、NH2、NHアルキルまたはN(アルキル)2を示し、
および
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、Cl、Br、I、アルキル、部分的に、または完全に塩素化されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、Oアルキル、Oアリール、Sアルキル、Sアリール、NHアルキル、N(アルキル)2、C(O)H、C(O)アルキル、C(O)アリール、CN、N=N−アリール、P(アリール)2、NHCOアルキルまたはNHCOアリールを示す、
により記載することができる。
【0075】
それぞれの基R、R1および/またはR2は、各々互いに、または環系の置換基に、単結合または二重結合により結合していてもよい。n=2である式
【化38】
の引用について、これは、シクロヘキセンが、化合物、例えば
【化39】
中に存在し得、ここで、シクロヘキセンが、随意にさらに前に記載したZにより置換されていてもよいことを意味する。
【0076】
【化40】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、前に記載したZにより単置換または多置換されていてもよい。
【0077】
環系は、好ましくは、ピリジン、キノリン、チアゾール、ピロール、イミダゾールまたはオキサゾールを示し、これはさらに、フェニルに縮合していてもよい。閉環は、窒素と隣接する炭素との間のみならず、窒素と、炭素を含む場合には鎖またはR1基中の続く炭素原子との間または芳香族系を形成する炭素原子間にも存在し得る。
【0078】
特に好ましい環系は、3,3−ジメチル−3H−インドール、ベンゾチアゾール、ベンゾキサゾール、ピリジンまたはキノリンであり、これは、随意に、さらにZにより置換されていてもよい。Zはここで、特に好ましくはアルキルである。
nは、好ましくは1、2または3である。
式V−6におけるR1は、好ましくは水素である。
R2は、好ましくは水素またはアルキルである。
式V−6におけるRは、好ましくはアルキルである。
【0079】
ヘミシアニン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化41】
【0080】
ジアザヘミシアニン染料の好ましい陽イオンを、式V−7
【化42】
式中、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、Hまたはアルキルを示し、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、および
R2は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、NO2、NH2、NHアルキルまたはN(アルキル)2を示す、
により記載することができる。
【0081】
それぞれの基R、R’および/またはR2は、各々互いに、または環系の置換基に、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【化43】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、前に記載したZにより単置換または多置換されていてもよい。
【0082】
環系は、好ましくは、ピリジン、キノリン、チアゾール、ピロール、イミダゾールまたはオキサゾールを示し、これはさらに、フェニルに縮合していてもよい。閉環は、窒素と隣接する炭素との間のみならず、窒素と、炭素を含む場合には鎖またはR1基中の続く炭素原子との間または芳香族系を形成する炭素原子間にも存在し得る。
【0083】
特に好ましい環系は、チアゾール、ベンゾチアゾール、イミダゾール、ピリジン、インダゾールまたは1,2,4−トリアゾールであり、これは、随意に、さらにZにより置換されていてもよい。Zはここで、特に好ましくはアルキルである。
R2は、好ましくは水素である。
式V−7におけるRは、各々の場合において独立して、好ましくはアルキルまたはCONH2置換アルキルである。
【0084】
ジアザヘミシアニン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化44】
【0085】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がスチリル染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0086】
好ましい陽イオンを、式VI
【化45】
式中、A+は、ヘテロアリールの場合において上記で定義した、正に帯電した複素環式基であり、これは、部分的に飽和されていてもよく、Bは、炭素環式または複素環式基を示し、ここで、各々の場合において、1つまたは2つ以上の二重結合が存在し、
nは、1、2または3を示し、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、F、Cl、Brまたはアルキルを示し、ここで、隣接するRは、随意に不飽和単環式または二環式基を形成してもよい、
により記載することができる。
【0087】
n=2である式
【化46】
の引用について、これは、シクロペンテンが、化合物、例えば
【化47】
中に存在し得、ここで、シクロペンテンが、随意にさらに前に記載したZにより置換されていてもよいことを意味する。
上記で定義したヘミシアニン染料は、除外される。
Rは、好ましくはHを示す。
【0088】
スチリル染料の群からの好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化48】
【0089】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+が陽イオン性アゾ染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0090】
好ましい陽イオンを、式VII
【化49】
式中、R’およびR”は、各々、互いに独立して、上記で定義したアリールまたはヘテロアリールであり、2つの芳香族核の1つは、正に帯電している、
により記載することができる。
【0091】
染料分子が2個のアゾ基を含む場合には、ビスアゾ染料が生成し、3個のアゾ基の場合には、トリアゾ染料が生成する。
ジアザヘミシアニン染料は、ここでは除外される。
R’は、特に好ましくはN2+−置換フェニルであり、ここで、フェニル環は、さらにアルキルもしくはOアルキルにより置換されていてもよいか、またはチアゾリルもしくはフェナジニルである。
Rは、特に好ましくはアリールまたはチエニルである。
【0092】
アゾ染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化50】
【0093】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がテトラゾリウム染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0094】
好ましい陽イオンを、式VIII
【化51】
により記載することができる。
Rは、各々の場合において、互いに独立して、アリールまたはヘテロアリールを示し、
R1は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルケニル、シクロアルケニル、OH、SH、Oアルキル、Sアルキル、SO2−アルキル、SO2−アリール、COOH、COOアルキル、COOアリール、C(O)−アリール、C(O)−アルキル、C(O)−ヘテロアリール、C(O)NHアルキル、C(O)NHアリール、C(O)N(アルキル)(アリール)、C(O)N(アルキル)2、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、N=NOH、N=NOアルキル、N=N−アリール、NHCOアルキル、NHCOアリール、NHSO2アルキル、NHSO2アリール、CN、F、ClまたはBrを示す。
【0095】
R1は、特に好ましくはフェニルであり、Rは、各々の場合において、互いに独立して、アリールまたはヘテロアリールである。
隣接する置換基RまたはR1は、互いに、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【0096】
テトラゾリウム染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化52】
【0097】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がピリリウム染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0098】
好ましいピリリウム陽イオンを、式IX
【化53】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、OH、Oアルキル、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、COOH、COOアルキル、ClまたはBrを示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルケニル、OH、Oアルキル、COOアルキル、COOアリール、OC(O)−アリール、OC(O)−アルキル、C(O)−H、CONH2、C(O)NHアルキル、C(O)NHアリール、C(O)アリール、C(O)アルキル、NHアルキル、N(アルキル)2、NHCOアルキル、NHCOCF3、NHCOアリール、NHCOOアルキル、NO2、ClまたはBrを示す、
により記載することができる。
【0099】
Rは、特に好ましくはフェニルである。
隣接する置換基RまたはR1は、互いに、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【0100】
式IXで表される好ましい群の陽イオンは、RおよびR1が縮合したフェニル環を形成する陽イオン、式X
【化54】
式中、
Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、OH、Oアルキル、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、COOH、COOアルキル、ClまたはBrを示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、OH、Oアルキル、NHアルキル、N(アルキル)2、NHCOアリール、NHCOOアルキル、ClまたはBrを示し、
【0101】
R2は、水素、アルキル、CH2−Cl、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルケニル、シクロアルケニル、アルキニル、OH、Oアルキル、Sアルキル、COOアルキル、COOアリール、C(O)H、C(O)アリール、C(O)アルキル、C(O)アルケニル、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、ClまたはBrを示し、
R3は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、OH、Oアルキル、C(O)アルキル、C(O)アルケニル、CN、C(O)アリール、OC(O)アルキル、OC(O)アリール、NHCOアルキル、NHCOCF3、NO2、F、Cl、BrまたはIを示し、
【0102】
R4は、水素、アルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、アルケニル、アリール、OH、Oアルキル、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、OC(O)アルキル、OC(O)アリール、CN、NO2、Cl、BrまたはIを示し、
R5は、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、NHCOアルキル、NHCOCF3、OH、Oアルキル、CN、NO2、ClまたはBrを示す、
で表されるいわゆるベンゾピリリウム塩である。
【0103】
式Xにおいて、Rは、特に好ましくはアリールであり、R2は、特に好ましくはアルキルであり、R1、R3〜R5は、特に好ましくはHである。
隣接する置換基R、R1、R2、R3、R4またはR5は、互いに、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【0104】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がチオピリリウム染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0105】
好ましいチオピリリウム陽イオンを、式XI
【化55】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、アルケニル、アルキニル、ヘテロアリール、OH、Oアルキル、Sアルキル、Seアルキル、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、N(アルキル)(アリール)、N(アリール)2、C(O)アルキル、C(O)アリール、COOH、COOアルキル、CONH2、CONHアルキル、CON(アルキル)2、CN、ClまたはBrを示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、アルケニル、OH、Oアルキル、Sアルキル、COOH、COOアルキル、COOアリール、OC(O)−アリール、OC(O)−アルキル、CONH2、CONHアルキル、CONHアリール、C(S)アルキル、C(O)アリール、C(O)アルキル、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、CN、Cl、BrまたはIを示す、
により記載することができる。
【0106】
Rは、特に好ましくは、各々の場合において、互いに独立して、フェニルまたは水素であり、R1は、水素である。
隣接する置換基RまたはR1は、互いに、単結合または二重結合により結合していてもよい。
【0107】
式XIで表される陽イオンの好ましい群は、RおよびR1が縮合したフェニル環を形成する陽イオン、式XII
【化56】
式中、
Rは、水素、アルキル、シクロアルキル、アリール、アルケニル、Oアルキル、Sアルキル、NH2、NHアルキル、NHヘテロアリール、N(アルキル)2、COOH、COOアルキル、Cl、BrまたはIを示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、OH、Oアルキル、Sアルキル、NHアルキル、N(アルキル)2、ClまたはBrを示し、
【0108】
R2は、水素、アルキル、CH2−Cl、シクロアルキル、アリール、アルキルアリール、ヘテロアリール、アルケニル、シクロアルケニル、OH、Oアルキル、Sアルキル、COOH、COOアルキル、COOアリール、OC(O)アルキル、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、CN、F、ClまたはBrを示し、
R3は、水素、アルキル、シクロアルキル、OH、Oアルキル、CN、NO2、F、Cl、BrまたはIを示し、
【0109】
R4は、水素、アルキル、シクロアルキル、Oアルキル、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、CN、F、Cl、BrまたはIを示し、
R5は、水素、アルキル、シクロアルキル、OH、Oアルキル、CN、F、ClまたはBrを示す、
で表されるいわゆるベンゾチオピリリウム塩である。
【0110】
隣接する置換基R、R1、R2、R3、R4またはR5は、互いに、単結合または二重結合により結合していてもよい。
式XIIにおいて、Rは、特に好ましくはアリールである。
【0111】
ピリリウム、ベンゾピリリウムおよびチオピリリウム染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化57】
【0112】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がチアジン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0113】
好ましい陽イオンを、式XIII
【化58】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、OアルキルまたはNO2を示し、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、部分的にヒドロキシルにより置換されているアルキル、部分的にBrもしくはCOOHにより置換されているアルキル、またはC(O)アルキル、COOHまたはCOOアルキルを示す、
により記載することができる。
Rは、特に好ましくはHまたはアルキルである。R’は、特に好ましくはHまたはアルキルである。
【0114】
チアジン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化59】
【0115】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がオキサジン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0116】
好ましい陽イオンを、式XIV
【化60】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、OH、Oアルキル、COOH、COOアルキル、CONH2、CONHアルキル、CON(アルキル)2、NH2、NHアルキルまたはN(アルキル)2を示し、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキルまたはCONH2、CONHアルキル、C(O)N(アルキル)2、COOHもしくはCOOヘテロアリールにより部分的に置換されているアルキルを示し、
R”は、水素、アルキル、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、NHヘテロアリール、Sアリール、SO2−アリール、S−C(O)−アルキル、SC(N)NH2、またはCONH2、CONHアルキル、CON(アルキル)2、COOHもしくはCOOヘテロアリールにより部分的に置換されているアルキルを示す、
により記載することができる。
【0117】
Rは、特に好ましくはH、アルキル、OHまたはCOOHであり、ここで、隣接する置換基Rはまた、一緒に、縮合したフェニル環を形成していてもよい。R’は、特に好ましくはHまたはアルキルである。R”は、好ましくはH、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2またはOHである。
【0118】
オキサジン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化61】
【0119】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がトリアリールメタン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0120】
好ましい陽イオンを、式XV
【化62】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、COOH、ClまたはFを示し、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、OHにより部分的に置換されているアルキル、またはアルケニル、アルキニル、アリールまたはC(O)アルキルを示し、
【0121】
R”は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アリール、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、N(アルキル)(アリール)、OH、Oアルキル、COOH、COOアルキル、SO2−アルキル、CN、NO2、F、Cl、BrまたはIを示し、
R”’は、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリール、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、N(アルキル)(アリール)、OH、Oアルキル、COOH、COOアルキル、COO−ヘテロアリール、CONHアルキル、SO2−アルキル、SO2H、SO3H、SO3アルキル、CN、NO2、F、Cl、Br、I、N3またはNCSを示す、
により記載することができる。
【0122】
Rは、特に好ましくはHまたはアルキルであり、ここで、隣接する置換基RおよびR”はまた、一緒に、縮合したフェニル環を形成していてもよい。R’は、特に好ましくはHまたはアルキルである。
【0123】
トリアリールメタン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化63】
【0124】
トリアリールメタン染料のさらに好ましい陽イオンは、
【化64】
である。
【0125】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がジアリールメタン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0126】
好ましい陽イオンを、式XVI
【化65】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキルまたはCOOHを示し、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、OHにより部分的に置換されているアルキル、またはアルキルアリールまたはアリールを示し、
R”は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アリール、NH2、NHアルキル、N(アルキル)2、NHアリール、N(アルキル)(アリール)、OH、Oアルキル、COOH、CN、F、ClまたはBrを示し、
Xは、水素、アルキル、アルケニル、ヘテロアリール、Sアルキル、OH、Oアルキル、CN、F、ClまたはBrを示す、
により記載することができる。
【0127】
Rは、特に好ましくはHである。R’は、特に好ましくはアルキルである。R”は、特に好ましくはHである。
Xは、特に好ましくはHまたはアルケニルであり、ここで、アルケニル鎖は、第2のジアリールメタン染料への結合要素であってもよい。
【0128】
ジアリールメタン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化66】
【0129】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がアクリジン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0130】
好ましい陽イオンを、式XVII
【化67】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルキルアリール、C(O)CH2ClまたはC(O)アルキルを示し、
式XVIIにおけるNRRはまた、N=N−アリールを示すことができ、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルキルアリール、またはCOOHもしくはCONHアリールにより部分的に置換されているアルキルを示し、
R”は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アリール、アルキルアリール、NHCOアルキルまたはNHCOアリールを示し、
R”’は、水素、アルキル、アルキルアリール、アリール、ヘテロアリール、SアルキルまたはCNを示す、
により記載することができる。
【0131】
Rは、特に好ましくはHまたはアルキルである。R’は、特に好ましくはHまたはアルキルである。R”は、特に好ましくはHである。
R”’は、特に好ましくはHである。
【0132】
アクリジン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化68】
【0133】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がキノリン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0134】
好ましい陽イオンを、式XVIII
【化69】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、アルキル、アルケニル、アリール、アルキルアリール、CH2COOHまたはCH2COアルキルを示し、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、ヘテロアリールにより部分的に置換されているアルケニル、またはアルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアルキルアリールを示し、
R”は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、ヘテロアリールにより部分的に置換されているアルケニル、またはアリール、アルキルアリール、OH、Oアルキル、Sアルキル、NH2、NHアルキル、NHアリール、COOH、COOアルキル、F、Cl、BrまたはIを示し、
R”’は、水素、アルキル、Oアルキル、CNまたはNO2を示す、
により記載することができる。
【0135】
隣接する置換基R、R’、R”またはR”’は、互いに、単結合または二重結合により結合していてもよい。
キノリン構造の3および4位における隣接する置換基RおよびR”は、好ましくは、随意にR、R’またはR”により置換されていてもよいフェニル環を形成する。
【0136】
キノリン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化70】
【0137】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+がイソキノリン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0138】
好ましい陽イオンを、式XIX
【化71】
式中、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、アルキル、アルケニルまたはCH2COアルキルを示し、
R’は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリールまたはアルキルアリールを示し、
R”は、各々の場合において、互いに独立して、H、アルキル、アルケニル、Oアルキル、NH2またはNHアルキルを示し、
R”’は、水素、アルキル、Oアルキル、NH2、NHCO−アルケニル、CNまたはNO2を示す、
により記載することができる。
【0139】
イソキノリン構造の3および4位における隣接する置換基RおよびR”は、好ましくは、随意にR、R’またはR”により置換されていてもよいフェニル環を形成する。
Rは、好ましくはアルキルを示す。R’は、好ましくはHまたはアリールを示す。R”は、好ましくはHまたはOアルキルを示す。R”’は、好ましくはNH2、OアルキルまたはNHCO−アルケニルを示す。
【0140】
イソキノリン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化72】
【0141】
好ましいのは、本発明において、Y−が各々の場合において式Iの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、CAT+が四級化アザフルオレノン染料の陽イオンである、式Iで表される化合物の群である。
【0142】
好ましい陽イオンを、式XX
【化73】
式中、
R1、R2、R3およびR4は、各々、互いに独立して、水素、F、Cl、Br、アルキル、Oアルキル、1〜4個のC原子を有するヒドロキシアルコキシ、OH、NO2、NH2、NHアルキル、Nアルキル2またはCOアルキルを示し、ここで、2つの基はまた、一緒に縮合した芳香族環を形成していてもよく、
Q1、Q2、Q3およびQ4は、合計で3個の炭素原子および1個の第四級窒素原子において、アルキル、1〜4個のC原子を有するヒドロキシアルキル、COOアルキル、Sアルキル、アリール、アリールアルキルまたはヘテロアリールの意味を有する基R5を担持し、これはまたN−オキシドを形成することができる、
により記載することができる。
R1〜R4は、好ましくは水素である。R5は、好ましくはアルキル、アリールアルキルまたはアルキルアリールである。
【0143】
第四級アザフルオレノン染料の群からの特に好ましい陽イオンCAT+は、以下のものである:
【化74】
【0144】
好ましいのは、本発明において、CAT+が各々の場合において式Iまたは式III〜XXの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、Y−が上記したように式II−1で表されるシアノホウ酸イオン(cyanoborate)である、式Iで表される化合物の群である。
【0145】
好ましいのは、本発明において、CAT+が各々の場合において式Iまたは式III〜XXの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、Y−が上記したように式II−2で表されるフルオロアルキルリン酸イオン(fluoroalkylphosphate)である、式Iで表される化合物の群である。
【0146】
好ましいのは、本発明において、CAT+が各々の場合において式Iまたは式III〜XXの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、Y−が上記したように式II−3で表されるフルオロアルキルホウ酸イオン(fluoroalkylborate)であり、ここでトリフルオロメチルトリフルオロホウ酸3,3’−ジエトキシエチル−2,2’−チアジカルボシアニンは除外される、式Iで表される化合物の群である。
【0147】
好ましいのは、本発明において、CAT+が各々の場合において式Iまたは式III〜XXの場合において示したかまたは好ましくは記載した意味の1つを有し、Y−が上記したように式II−4で表されるイミドである、式Iで表される化合物の群である。
【0148】
驚異的なことに、本発明の陽イオン性染料は、特に安定であることが見出された。これらの電気化学的、熱的および加水分解安定性は、Cl−、トシル酸イオン(tosylate)またはヘキサフルオロリン酸陰イオンを有する慣用の陽イオン性染料よりも、顕著に高い。
【0149】
さらに、本発明の染料は、有機溶媒への改善された溶解性を示す。慣用の染料、例えばローダミンB、ヤヌスグリーンまたはナイルブルーは、例えばベンゼンに不溶である。CAB陰イオンを有する本発明の陽イオン性染料、例えばローダミンCAB、ヤヌスグリーンCABまたはナイルブルーCAB、FAP陰イオンを有する陽イオン性染料、例えばサフラニンFAPまたはナイルブルーFAP、FAB陰イオンを有する陽イオン性染料、例えばサフラニンFABまたはナイルブルーFABおよびIm陰イオンを有する陽イオン性染料、例えばローダミンIm、ヤヌスグリーンImまたはナイルブルーImは、対照的にベンゼンに可溶である。
【0150】
陰イオンとして硫酸水素を有する慣用のナイルブルーは、炭酸ジメチルに不溶であり、一方、対照的に、本発明のナイルブルーCAB、ナイルブルーFAP、ナイルブルーFABまたはナイルブルーImは、容易に、または極めて容易に可溶である。
従って、本発明の陽イオン性染料を、溶媒に基づく系において用いることができる。
【0151】
本発明の陽イオン性染料の改善された安定性のために、これらは、多数の用途に適する。従って、本発明はまた、随意に補助剤と一緒の本発明の陽イオン性染料の、プラスチック、プラスチック繊維、木材、金属、布地、毛皮製品、セラミック材料、ガラス、フィルムを着色するための、農業部門における、例えば種子の着色における、フレキソ印刷インクを製造するための、ボールペンペーストとしての、スタンプインクとしての、並びに革および紙を着色するための、化粧品配合物における、塗料工業における、生化学、生物学、医学、分析論および電子工学における、顕微鏡法および組織化学における、例えば組織および細菌を染色するための、有毒物質の場合における、例えば液体発泡剤または洗浄剤における警告色としての、光学および電子写真における増感剤としての、動物ケア製品における、クロマトグラフィー物質における、塗料および被膜、印刷インクにおける、セキュリティー印刷、化粧品配合物、コンタクトレンズにおける、薬学における、並びに着色組成物、例えばパーレット(pearlet)およびペースト並びに好ましくは印刷インクおよび塗料において用いられる乾燥製剤、例えばペレット、顆粒、チップなどの製造のための使用に関する。
【0152】
塗料および被膜における陽イオン性染料の使用の際に、当業者に知られているすべての適用の分野、例えば粉末被膜、自動車塗料、グラビア、オフセット、スクリーンまたはフレキソ印刷用の、並びに屋内および屋外用途における被膜用の印刷インクが、可能である。適用の特定の分野は、さらに、データ収集システム、複写、インクマイクロフィルター、感光起電、レーザー技術および写真工業(有機着色料の高技術適用、P. Gregory, Plenum Press, N.Y. 1991)においてである。本発明の陽イオン性染料について、また、CDレコーダー(CD−R)、DVDレコーダー(DVD+R、DVD+RW)、ブルーレイディスク(BD−ROM、BD−R、BD−RE)、コンピュータから印刷用刷版を直接作成する方式(CTP)、レーザーフィルター、レーザーマーキングおよび光重合などの適用の分野がある。
【0153】
さらに、本発明の陽イオン性染料をまた、すべての既知の顔料および無機着色料と有利に混合することができる。
本発明の陽イオン性染料を、当業者に知られている好適な添加剤と共に、特定の用途に供給することができる。織った、および編んだ布を着色するために、添加剤、例えば染色補助剤(染料溶媒、分散剤、固定剤および還元剤、湿潤剤、染色促進剤など)、塩、アルカリ類または酸類を含む懸濁液中の染料を、用いる。
【0154】
本発明は、さらに、本発明の陽イオン性染料の製造方法に関する。この方法において、一般式XXI
CAT+A− (XXI)
式中、CAT+は、式Iの場合において示した意味を有するか、または式III〜XXの1つに適合し、
およびA−は、Cl−、Br−、I−、BF4−、PF6−、ClO4−、硫酸イオン(sulfate)、トシル酸イオン(tosylate)、ヒドロ硫酸イオン(hydrosulfate)、トリフレート(triflate)、トリフルオロ酢酸イオン(trifluoroacetate)、酢酸イオン(acetate)またはシュウ酸イオン(oxalate)を示す、
で表される化合物を、一般式XXII
E+Y− (XXII)
式中、Y−は、式I、II−1〜II−4または好ましい意味の場合において示した意味を有し、
E+は、アルカリ金属、アルカリ土類金属または11および12族からの金属の陽イオンである、
で表される化合物と反応させる。
【0155】
塩交換とも呼ぶことができる反応を、有機溶媒中で、好ましくは水性溶液中で0℃〜100℃の温度において、好ましくは10℃〜40℃において、特に好ましくは室温において行う。しかし、E+はまた、アンモニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルアンモニウム、ホスホニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルホスホニウム、イミダゾリウム、グアニジニウム、ウロニウム、チオウロニウム、ピリジニウム、ピロリジニウムまたは他の複素環式陽イオンの意味を有していてもよく、この場合において、反応を、水中で、または有機水混和性溶媒、例えばジメトキシエタン、アセトニトリル、アセトン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、メタノール、エタノールまたはイソプロパノール中で行う。
【0156】
E+は、好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属または11および12族からの金属、アンモニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルアンモニウム、ホスホニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルホスホニウムまたはグアニジニウムの陽イオンである。C1〜C4アルキルを含むアルキルアンモニウムは、1〜4個のC原子を有するアルキル基により単置換されているか、または二置換、三置換もしくは四置換されているアンモニウムを共に意味するものと解釈される。C1〜C4アルキルを含むアルキルホスホニウムは、1〜4個のC原子を有するアルキル基により単置換されているか、または二置換、三置換もしくは四置換されているホスホニウムを共に意味するものと解釈される。E+は、極めて特に好ましくは、アルカリ金属陽イオン、例えばLi+またはK+である。
【0157】
本発明はまた、式XXIII
【化75】
式中、
nは、0、1、2、3、4または5を示し、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、Cl、Br、I、アルキル、部分的に、または完全に塩素化されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、Oアルキル、Oアリール、Sアルキル、Sアリール、NHアルキル、N(アルキル)2、C(O)H、C(O)アルキル、C(O)アリール、CN、N=N−アリール、P(アリール)2、NHCOアルキルまたはNHCOアリールを示し、
【化76】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、さらに、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、上記したZにより単置換または多置換されていてもよく、
【0158】
式中、Y−は、CAB−、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
式中、CAB−は、一般式(II−1)
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
に適合し、
y1は、1、2、3または4を示し、
x1は、0、1、2または3を示し、
R0は、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよく、
【0159】
式中、FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
【0160】
式中、FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
【0161】
式中、Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4のアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよい、
で表されるカルボシアニン染料の製造方法であって、
【0162】
式XXIV
【化77】
式中、環系およびY−は、式XXIIIの場合において示した意味の1つを有し、
nは、0、1、2、3または4を示し、
R1は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、Sアリール、Sアルキル、Oアルキル、CON(アルキル)2、Oアリール、N(アルキル)2、NH(アリール)、N(アルキル)(アリール)、OC(O)アリール、OH、CN、Cl、F、アルキルアリール、C(O)アルキル、CONH2またはCOOアルキルを示し、
Gは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、N=C(R)2、CONH−アリール、C(O)アリールまたはCONHアルキルを示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示す、
で表される化合物を用いることを特徴とする、前記方法に関する。
【0163】
上記した式XXIVで表される出発物質を用いた、式XXIIIで表されるカルボシアニン染料の合成を、当業者に知られている方法、特に
T.V.S. Rao, J. B. Huff, C. Bieniarz, Tetrahedron 54 (1998), 10627-10634、
L.G.S. Brooker, F.L. White, G.H. Keyes, C.P. Smyth and P.F. Oesper, J. Am. Chem. Soc, 63, (1941), 3192-3203または
F.M. Hamer and R.J. Rathbone, J. Chem. Soc, (1945), 595-600
からの手順により、行うことができる。
【0164】
本発明はまた、式XXIVで表される化合物に関する。特に、Gが水素を示す、式XXIVで表される化合物に関する。
式XXIVで表される好ましい化合物は、以下の化合物であり、ここで、Y−は、式Iまたは式II−1〜II−4または好ましい意味の場合における意味を有する:
【化78】
【0165】
【化79】
【0166】
本発明はさらに、上記で定義した式XXIVで表される化合物の製造方法であって、
式XXV
【化80】
式中、
A−は、Cl−、Br−、I−、BF4−、PF6−、ClO4−、硫酸イオン、トシル酸イオン、ヒドロ硫酸イオン、トリフレート、トリフルオロ酢酸イオン、酢酸イオンまたはシュウ酸イオンを示し、
【化81】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、さらに、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、前に定義したZにより単置換または多置換されていてもよく、
【0167】
nは、0、1、2、3または4を示し、
R1は、水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、Sアリール、Sアルキル、Oアルキル、CON(アルキル)2、Oアリール、N(アルキル)2、NH(アリール)、N(アルキル)(アリール)、OC(O)アリール、OH、CN、Cl、F、アルキルアリール、C(O)アルキル、CONH2またはCOOアルキルを示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
Gは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、N=C(R)2、CONH−アリール、C(O)アリールまたはCONHアルキルを示す、
で表される化合物を、
【0168】
式XXVI
E+Y− XXVI
式中、
Y−は、式Iまたは式II−1〜II−4または好ましい意味の場合において示した意味を有し、
E+は、アルカリ金属、アルカリ土類金属または11もしくは12族からの金属の陽イオンである、
で表される化合物と反応させることを特徴とする、前記方法に関する。
【0169】
塩交換とも呼ぶことができる反応を、好ましくは水性溶液中で0℃〜100℃の温度において、好ましくは10℃〜40℃において、特に好ましくは室温において行う。しかし、E+はまた、アンモニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルアンモニウム、ホスホニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルホスホニウム、イミダゾリウム、グアニジニウム、ウロニウム、チオウロニウム、ピリジニウム、ピロリジニウムまたは他の複素環式陽イオンの意味を有していてもよく、この場合において、反応を、好ましくは、有機溶媒、例えばアルコール類中で行う。
【0170】
E+は、好ましくは、アルカリ金属、アルカリ土類金属または11および12族からの金属、アンモニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルアンモニウム、ホスホニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルホスホニウムまたはグアニジニウムの陽イオンである。E+は、極めて特に好ましくは、アルカリ金属陽イオン、例えばLi+またはK+である。
【0171】
本発明はさらに、式XXIVにおけるnが、0を示すという制限の下での、式XXIVで表される化合物を製造するための代替の方法であって、
式XXVII
【化82】
式中、
Gは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、N=C(R)2、CONH−アリール、C(O)アリールまたはCONHアルキルを示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
【0172】
【化83】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、さらに、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、上記したZにより単置換または多置換されていてもよい、
で表される化合物を、HY、式中、
Y−は、式II−2〜II−4または好ましい意味の場合において示した意味を有する、
と反応させることを特徴とする、前記方法に関する。
【0173】
HFAPの製造は、例えば、国際公開第03/02579号に記載されている。
HFABの製造は、例えば、R.D. Chambers et al, J. Am. Chem. Soc. 82, (1960), 5298に記載されている。
Yが式II−2〜II−4の場合において定義された通りである、HYとの反応を、好ましくは、有機溶媒中で、−30℃〜40℃の温度において、好ましくは−0℃〜25℃において、特に好ましくは室温において行う。好ましい溶媒は、エタノールである。
【0174】
本発明はまた、式XXVIII
【化84】
式中、
R’およびR”は、アリールまたはヘテロアリールを示し、2つの芳香族核の1つは、正に帯電しており、Y−は、式Iまたは式II−1〜II−4の場合において示した意味の1つを有する、
を有するアゾ染料の製造方法であって、
式XXIX
R’−N2+Y− XXIX
式中、R’およびY−は、式XXVIIIの場合において示した意味の1つを有する、
で表される化合物を、芳香族環式または複素環式化合物R”と反応させることを特徴とする、前記方法に関する。
【0175】
この反応を、例えばBeyer Walter, Lehrbuch der Organischen Chemie [有機化学の教科書]、第21版、S. Hirzel Verlag Stuttgart 1988からの、アゾカップリングに典型的であり、当業者に適切に知られている反応条件の下で、行う。
【0176】
本発明はまた、式XXIXで表される化合物に関する。
式XXIXで表される好ましい化合物は、以下の化合物であり、ここで、Y−は、式I、式II−1〜II−4または好ましい意味の場合において示した意味を有する:
【化85】
【0177】
式XXIXで表される化合物の合成を、上記したように、後の塩交換を伴うジアゾ化の既知の方法と同様にして、行う。
以下の例は、本発明を一層詳細に説明することを意図するが、これを限定することを意図しない。
【0178】
例1:
ヤヌスグリーンからのテトラシアノホウ酸塩としてのアゾ染料の製造
【化86】
【0179】
0.49g(0.959mmol)の染料ヤヌスグリーンを、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.15g(0.975mmol)のテトラシアノホウ酸カリウムK[B(CN)4]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、さらに5分間撹拌する。沈殿物を濾別し、50cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で80℃において乾燥し、0.41gのヤヌスグリーンが、テトラシアノホウ酸塩として得られ、これは、72.4%の収率に相当する。
【0180】
【化87】
【0181】
例2:
サフラニンOからのテトラシアノホウ酸塩としてのアジン染料の製造
【化88】
【0182】
0.57g(1.62mmol)の染料サフラニンOを、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.26g(1.69mmol)のテトラシアノホウ酸カリウムK[B(CN)4]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、さらに5分間撹拌する。沈殿物を濾別し、50cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および80℃において乾燥し、0.64gのサフラニンOが、テトラシアノホウ酸塩として得られ、これは、91.8%の収率に相当する。
【0183】
【化89】
【0184】
例3:
ローダミンBからのテトラシアノホウ酸塩としてのキサンテン染料の製造
【化90】
【0185】
0.68g(1.42mmol)の染料ローダミンBを、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.23g(1.50mmol)のテトラシアノホウ酸カリウムK[B(CN)4]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、さらに5分間撹拌する。沈殿物を濾別し、50cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および80℃において乾燥し、0.755gのローダミンBが、テトラシアノホウ酸塩として得られ、これは、95.2%の収率に相当する。
【0186】
【化91】
【0187】
例4:
ナイルブルーからのテトラシアノホウ酸塩としてのオキサジン染料の製造
【化92】
【0188】
0.62g(1.49mmol)の染料ナイルブルー硫酸水素塩を、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.24g(1.56mmol)のテトラシアノホウ酸カリウムK[B(CN)4]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、さらに5分間撹拌する。沈殿物を濾別し、50cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および80℃において乾燥し、0.59gのナイルブルーが、テトラシアノホウ酸塩として得られ、これは、88.2%の収率に相当する。
【0189】
【化93】
【0190】
例5:
テトラシアノホウ酸3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムの製造
【化94】
【0191】
5mlの水中の1.64g(10.66mmol)のテトラシアノホウ酸カリウムK[B(CN)4]を、撹拌しながら、2.76g(10.69mmol)の臭化3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムを50mlの水に溶解した溶液に滴加する。下方の液体相を、50mlのジクロロメタンで多数回抽出し、混ぜ合わせた有機相を、Mg2SO4を用いて乾燥する。その後、溶媒を、蒸留により除去し、残留物を、1.3Paの減圧下で、および60℃において乾燥し、2.78gのテトラシアノホウ酸3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムが得られ、これは、89.1%の収率に相当する。
【0192】
【化95】
【0193】
例6:
テトラシアノホウ酸3−エチル−2−[3−(3−エチル−3H−ベンゾチアゾール−2−イリデン)プロペニル]ベンゾチアゾリウムの製造
【化96】
【0194】
2.73g(9.32mmol)のテトラシアノホウ酸3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムを、0.710g(4.79mmol)のオルトギ酸トリエチルを15mlの乾燥ピリジンに溶解した溶液に加える。反応混合物を、110〜115℃の油浴温度において、保護ガス雰囲気下で、15時間加熱する。1.3Paの減圧下で、および80℃において、溶媒を蒸留により除去した後に、固体を、冷エタノールで多数回洗浄し、1.3Paの減圧下で、および60℃において乾燥し、1.76gのテトラシアノホウ酸3−エチル−2−[3−(3−エチル−3H−ベンゾチアゾール−2−イリデン)プロペニル]ベンゾチアゾリウムが得られ、これは、78.6%の収率に相当する。
【0195】
【化97】
【0196】
例7:
テトラシアノホウ酸塩としてのナイルブルーの溶解度検査
例4においてナイルブルーから製造した染料を、種々の溶媒に触れさせる。
基準として、陰イオンとして硫酸水素を有する慣用の染料ナイルブルーを、同一の条件下で検査する。
【0197】
【表1】
【0198】
例8:
テトラシアノホウ酸塩としてのローダミンBの溶解度検査
例3においてローダミンBから製造した染料を、種々の溶媒に触れさせる。
基準として、陰イオンとして塩化物を有する慣用の染料ローダミンBを、同一の条件下で検査する。
【0199】
【表2】
【0200】
例9:
テトラシアノホウ酸塩としてのサフラニンOの溶解度検査
例2においてサフラニンOから製造した染料を、種々の溶媒に触れさせる。
基準として、陰イオンとして塩化物を有する慣用の染料サフラニンOを、同一の条件下で検査する。
【0201】
【表3】
【0202】
例10:
テトラシアノホウ酸塩としてのヤヌスグリーンの溶解度検査
例4においてヤヌスグリーンから製造した染料を、種々の溶媒に触れさせる。
基準として、陰イオンとして塩化物を有する慣用の染料ヤヌスグリーンを、同一の条件下で検査する。
【0203】
【表4】
【0204】
例11:
ヤヌスグリーンからのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのアゾ染料の製造
【化98】
【0205】
0.347g(0.679mmol)の染料ヤヌスグリーンを、100cm3の水に溶解する。3cm3の水中の0.380g(0.7853mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウムK[(C2F5)3PF3]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、さらに5分間撹拌する。沈殿物を濾別し、20cm3の水で3回洗浄する。残留物を、減圧下で乾燥し、0.481gのヤヌスグリーンが、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、77%である。
【0206】
【化99】
【0207】
例12:
サフラニンOからのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのアジン染料の製造
【化100】
【0208】
0.513g(1.46mmol)の染料サフラニンOを、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.780g(1.61mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウムK[(C2F5)3PF3]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、20cm3の水で3回洗浄する。残留物を、減圧下で乾燥し、1.019gのサフラニンOが、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、91.8%である。
【0209】
【化101】
【0210】
例13:
ローダミンBからのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのキサンテン染料の製造
【化102】
【0211】
0.462g(0.964mmol)の染料ローダミンBを、100cm3の水に溶解する。3cm3の水中の0.502g(1.037mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウムK[(C2F5)3PF3]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、20cm3の水で3回洗浄する。残留物を、減圧下で乾燥し、0.600gのローダミンBが、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、70%である。
【0212】
【化103】
【0213】
例14:
ピロニンGからのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのキサンテン染料の製造
【化104】
【0214】
0.356g(1.176mmol)の染料ピロニンGを、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.602g(1.243mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウムK[(C2F5)3PF3]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、20cm3の水で3回洗浄する。残留物を、減圧下で乾燥し、0.655gのピロニンGが、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、78.2%である。
【0215】
【化105】
【0216】
例15:
ナイルブルーからのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのオキサジン染料の製造
【化106】
【0217】
0.511g(1.23mmol)の染料ナイルブルー硫酸水素塩を、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.725g(1.50mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウムK[(C2F5)3PF3]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、20cm3の水で3回洗浄する。残留物を、減圧下で乾燥し、0.832gのナイルブルーが、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、89.1%である。
【0218】
【化107】
【0219】
例16:
クリスタルバイオレットからのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのトリフェニルメタン染料の製造
【化108】
【0220】
0.359g(0.88mmol)の染料クリスタルバイオレットを、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.508g(1.049mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウムK[(C2F5)3PF3]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、20cm3の水で3回洗浄する。残留物を、減圧下で乾燥し、0.559gのクリスタルバイオレットが、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、77.7%である。
【0221】
【化109】
【0222】
例17:
臭化エチジウムからのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのキノリン染料の製造
【化110】
【0223】
0.114g(0.289mmol)の染料臭化エチジウムを、50cm3の水に溶解する。2cm3の水中の0.140g(0.289mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウムK[(C2F5)3PF3]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、50cm3のジエチルエーテルで抽出し、抽出物を、40cm3の水で2回洗浄し、無水MgSO4を用いて乾燥する。溶媒を濾過して除去し、残留物を、減圧下で乾燥し、0.207gのエチジウムが、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、94.5%である。
【0224】
【化111】
【0225】
例18:
メチレンブルーからのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのチアジン染料の製造
【化112】
【0226】
0.210g(0.657mmol)の染料メチレンブルーを、50cm3の水に溶解する。3cm3の水中の0.325g(0.671mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸カリウムK[(C2F5)3PF3]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、20cm3の水で3回洗浄する。残留物を、減圧下で乾燥し、0.432gのメチレンブルーが、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、90.2%である。
【0227】
【化113】
【0228】
例19:
サフラニンOからのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのアジン染料の製造
【化114】
【0229】
0.250g(0.712mmol)の染料サフラニンOを、50cm3の水に溶解する。3cm3の水中の0.390g(0.727mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸五水和物H[(C2F5)3PF3]5H2Oを、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、20cm3の水で3回洗浄する。残留物を、減圧下で乾燥し、0.490gのサフラニンが、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、90.6%である。
【0230】
この物質を、1H−および19F−NMR並びに31Pスペクトルにより分析し、例12に示すデータに相当する。
【0231】
例20:
トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩としてのカルボシアニン染料の製造
【化115】
【0232】
5cm3の水中の0.070g(0.130mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸五水和物H[(C2F5)3PF3]5H2Oを、0.020g(0.086mmol)の酸化銀を用いて中和する。得られた溶液を、0.050g(0.103mmol)のシアニン染料(C)を200cm3の水に溶解した溶液に、撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、10cm3のメタノールで12回洗浄する。溶媒を、蒸留により除去し、残留物を、減圧下で60℃において乾燥し、0.035gのカルボシアニン染料が、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩として得られる。収率は、42.2%である。
【0233】
【化116】
【0234】
例21:
トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸1,2,3,3−テトラメチル−3H−インドリウムの製造
【化117】
【0235】
4.00g(7.46mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸五水和物H[(C2F5)3PF3]5H2Oを、15cm3の水に溶解する。1.175g(6.78mmol)の2−メチレン−1,3,3−トリメチルインドリン(フィッシャー塩基)を、この溶液に、撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、10cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および室温において8時間乾燥し、4.16gのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸1,2,3,3−テトラメチル−3H−インドリウムが得られる。収率は、99%である。エタノールから結晶させた後の融点は、81℃である。
【0236】
【化118】
【0237】
例22:
トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムの製造
【化119】
【0238】
4.39g(8.19mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸五水和物H[(C2F5)3PF3]5H2Oを、30cm3の水に溶解する。2.5g(8.19mmol)のヨウ化3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムを、この溶液に、撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、10cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および60℃において8時間乾燥し、5.03gのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムが得られる。収率は、98.4%である。エタノールから結晶させた後の融点は、62〜63℃である。
【0239】
【化120】
【0240】
例23:
トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸3−エチル−2−メチルベンゾキサゾリウムの製造
【化121】
【0241】
4.63g(8.64mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸五水和物H[(C2F5)3PF3]5H2Oを、30cm3の水に溶解する。2.5g(8.64mmol)のヨウ化3−エチル−2−メチルベンゾキサゾリウムを、この溶液に、撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、10cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および60℃において8時間乾燥し、4.49gのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸3−エチル−2−メチルベンゾキサゾリウムが得られる。収率は、85.6%である。エタノールから結晶させた後の融点は、71〜72℃である。
【0242】
【化122】
【0243】
例24:
トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸2,3−ジメチルベンゾキサゾリウムの製造
【化123】
【0244】
9.37g(17.48mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸五水和物H[(C2F5)3PF3]5H2Oを、15cm3の水に溶解する。50cm3の水中の4.81g(17.48mmol)のヨウ化2,3−ジメチルベンゾキサゾリウムを、この溶液に、撹拌しながら滴加する。沈殿物を濾別し、10cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および70℃において8時間乾燥し、10.12gのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸2,3−ジメチルベンゾキサゾリウムが得られる。収率は、85.6%である。エタノールから結晶させた後の融点は、94〜95℃である。
【0245】
【化124】
【0246】
例25:
トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸2−[3−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)プロペニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウムの製造
【化125】
【0247】
1.642g(2.65mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸1,2,3,3−テトラメチル−3H−インドリウムを、0.194g(1.31mmol)のオルトギ酸トリエチルを15cm3のピリジンに溶解した溶液に加える。反応混合物を、13時間加熱し、その後溶媒を、蒸留により除去する。残留物を、15cm3のエタノール中に吸収させ、50cm3のエタノール中の0.11gのNaOHを加える。エタノールを蒸留により除去した後に、残留物を、ジクロロメタンで抽出し、有機相を、100cm3の水で3回洗浄し、乾燥する。ジクロロメタンを、蒸留により除去し、残留物を、減圧下で60℃において乾燥し、0.79gのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸2−[3−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)プロペニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウムが得られる。収率は、74.3%である。
【0248】
【化126】
【0249】
例26:
トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸3−エチル−2−[3−(3−エチル−3H−ベンゾチアゾール−2−イリデン)プロペニル]ベンゾチアゾリウムの製造
【化127】
【0250】
例15と同様にして、0.28g(1.89mmol)のオルトギ酸トリエチルを、ピリジン中の2.35g(3.77mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸1−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムと反応させ、1.00gのトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸3−エチル−2−[3−(3−エチル−3H−ベンゾチアゾール−2−イリデン)プロペニル]ベンゾチアゾリウムが、65.4%の収率で得られる。
【0251】
【化128】
【0252】
例27:
【化129】
【0253】
例15と同様にして、0.38g(2.56mmol)のオルトギ酸トリエチルを、ピリジン中の3.03g(5.11mmol)のトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸1,2−ジメチルベンゾキサゾリウムと反応させ、トリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸3−メチル−2−[3−(3−メチル−3H−ベンゾキサゾール−2−イリデン)プロペニル]ベンゾキサゾリウムが、トルエン:ジクロロメタン(1:1)からの再結晶の後に、31.3%の収率で得られる。
【0254】
【化130】
【0255】
例28:
3−ジアゾチオフェン−2−カルボン酸メチルトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩の製造
【化131】
【0256】
10.3g(65.52mmol)の3−アミノチオフェン−2−カルボン酸メチルを、撹拌しながら、25cm3の6M塩酸溶液に加える。反応混合物を、室温で、さらに30分間撹拌し、その後−10℃〜−15℃に冷却する。4.52g(65.51mmol)の亜硝酸ナトリウムを10cm3の水に溶解した溶液を加え、塩化ジアゾニウムが生成する。次に、35.12g(65.55mmol)のH[(C2H5)3PF3]×5H2Oを、この温度で加える。得られた沈殿物を、濾別し、10cm3のH[(C2H5)3PF3]×5H2Oを20cm3の水に溶解した冷溶液で、および10cm3の冷メタノールで2回洗浄し、その後室温で減圧下で乾燥し、38.90gの3−ジアゾチオフェン−2−カルボン酸メチルトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸塩が得られる。これは、96.7%の収率に相当する。
【0257】
【化132】
【0258】
例29:
ナイルブルーFAPの溶解度検査
FAPがトリス(ペンタフルオロエチル)トリフルオロリン酸を示す、例15においてナイルブルーから製造した染料(ナイルブルーFAP)を、種々の溶媒に触れさせる。
基準として、陰イオンとして硫酸水素を有する慣用の染料ナイルブルーを、同一の条件下で検査する。
【0259】
【表5】
【0260】
例30:
サフラニンFAPの溶解度検査
例12においてサフラニンOから製造した染料を、種々の溶媒に触れさせる。基準は、陰イオンとして塩化物を有するサフラニンOである。
【0261】
【表6】
【0262】
例31:
ローダミンBからのテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸塩としてのキサンテン染料の製造
【化133】
【0263】
0.233g(0.72mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸カリウムK[B(CF3)4]を5cm3の水に溶解した溶液を、室温で、0.312g(0.65mmol)のローダミンBを50cm3の水に溶解した溶液にゆっくりと加える。反応混合物を、室温でさらに30分間撹拌し、その後沈殿物を濾過する。濾過ケークを、300cm3の水で洗浄し、次に減圧下で乾燥する。収率:86%(0.450g;0.62mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸塩としてのローダミンB。
【0264】
【化134】
【0265】
例32:
ナイルブルーからのテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸塩としてのオキサジン染料の製造
【化135】
【0266】
0.383g(1.18mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸カリウムK[B(CF3)4]を5cm3の水に溶解した溶液を、室温で、0.444g(1.07mmol)のナイルブルーを50cm3の水に溶解した溶液にゆっくりと加える。反応混合物を、室温でさらに30分間撹拌し、その後沈殿物を濾過する。濾過ケークを、300cm3の水で洗浄し、次に減圧下で乾燥する。収率:84%(0.543g;0.90mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸塩としてのナイルブルー。
【0267】
【化136】
【0268】
例33:
サフラニンOからのテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸塩としてのアジン染料の製造
【化137】
【0269】
例32と同様にして、0.412g(1.17mmol)のサフラニンOを50cm3の水に溶解した溶液を、0.421g(1.29mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸カリウムK[B(CF3)4]の溶液と反応させる。
収率:68%(0.479g;0.80mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸塩としてのサフラニンO。
【0270】
【化138】
【0271】
例34:
クリスタルバイオレットからのテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸塩としてのトリフェニルメタン染料の製造
【化139】
【0272】
例32と同様にして、0.204g(0.50mmol)のクリスタルバイオレットを50cm3の水に溶解した溶液を、0.179g(0.55mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸カリウムK[B(CF3)4]を5cm3の水に溶解した溶液と反応させる。
収率:85%(0.281g;0.43mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸塩としてのクリスタルバイオレット。
【0273】
【化140】
【0274】
例35:
ヨウ化3,3’−ジエチルオキサジカルボシアニン(DODCl)からのテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸塩としてのカルボシアニン染料の製造
【化141】
【0275】
0.051g(0.16mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸カリウムK[B(CF3)4]を5cm3のエタノールに溶解した溶液を、室温で、0.034g(0.07mmol)のDODClを5cm3のエタノールに溶解した溶液にゆっくりと加える。反応混合物を、12時間撹拌し、その後溶媒を、蒸留により除去する。残留物を、各々の回において10cm3のジクロロメタンで2回抽出し、乾燥し、すべての揮発性の構成成分を、減圧下で除去する。収率:91%(0.041g;0.06mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸3,3’−ジエチルオキサジカルボシアニン。
【0276】
【化142】
【0277】
例36:
テトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸2−[3−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)プロペニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウムの製造
【化143】
【0278】
0.436g(0.55mmol)の[H(OEt2)2][B(CF3)4]および0.091g(0.53mmol)の2−メチレン−1,3,3−メチルインドリンを、各々4cm3のジクロロメタンにアルゴン雰囲気下で溶解し、0℃で撹拌しながらゆっくりと混ぜ合わせる。反応混合物を、室温に加温し、その後すべての揮発性の構成成分を、減圧下で除去する。アルゴン雰囲気中で、得られたテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸1,2,3,3−テトラメチルインドリウムを、5cm3の無水ピリジンに溶解し、0.043g(0.29mmol)のオルトギ酸トリエチルを加える。混合物を、還流下で15時間加熱する。冷却後、すべての揮発性の構成成分を、減圧下で除去し、固体を、100cm3のジクロロメタンに溶解する。0.25g(4.5mmol)の水酸化カリウムを、10cm3の蒸留水に溶解し、ジクロロメタン溶液に撹拌しながら加える。撹拌しながら2時間後、水性相を、分離して除去し、有機相を、炭酸カリウムを用いて乾燥する。溶液を濾過し、溶媒を、蒸留により除去する。粗製の生成物を、ジクロロメタン/ペンタンからの結晶化により精製する。収率:75%(0.117g;0.20mmol)のテトラキス(トリフルオロメチル)ホウ酸2−[3−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)プロペニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウム(2−メチレン−1,3,3−メチルインドリンを基準として)。
【0279】
【化144】
【0280】
例37:
【表7】
溶解度を、g/cm3で示す。
【0281】
例38:
ヤヌスグリーンからのビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとしてのアゾ染料の製造
【化145】
【0282】
0.43g(0.841mmol)の染料ヤヌスグリーンを、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.25g(0.871mmol)のリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドLi[(CF3SO2)2N]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、さらに5分間撹拌する。沈殿物を濾別し、50cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および80℃において乾燥し、0.44gのヤヌスグリーンが、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとして得られ、これは、69.3%の収率に相当する。
【0283】
【化146】
【0284】
例39:
サフラニンOからのビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとしてのアジン染料の製造
【化147】
【0285】
0.64g(1.82mmol)の染料サフラニンOを、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.60g(2.09mmol)のリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドLi[(CF3SO2)2N]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、さらに5分間撹拌する。沈殿物を濾別し、50cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および80℃において乾燥し、0.99gのサフラニンOが、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとして得られ、これは、91.3%の収率に相当する。
【0286】
【化148】
【0287】
例40:
ローダミンBからのビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとしてのキサンテン染料の製造
【化149】
【0288】
0.61g(1.27mmol)の染料ローダミンBを、100cm3の水に溶解する。3cm3の水中の0.38g(1.32mmol)のリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドLi[(CF3SO2)2N]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、さらに5分間撹拌する。沈殿物を濾別し、50cm3の水で3回洗浄する。残留物を、1.3Paの減圧下で、および80℃において乾燥し、0.85gのローダミンBが、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとして得られ、これは、92.5%の収率に相当する。
【0289】
【化150】
【0290】
例41:
ナイルブルーからのビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとしてのオキサジン染料の製造
【化151】
【0291】
0.63g(1.52mmol)の染料ナイルブルー硫酸水素塩を、100cm3の水に溶解する。5cm3の水中の0.45g(1.57mmol)のリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドLi[(CF3SO2)2N]を、この溶液に、室温で撹拌しながら滴加する。反応混合物を、さらに5分間撹拌する。沈殿物を濾別し、50cm3の水で3回洗浄する。残留物を、減圧下で乾燥し、0.83gのナイルブルーが、ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとして得られ、これは、87.8%の収率に相当する。
【0292】
【化152】
【0293】
例42:
1,2,3,3−テトラメチル−3H−インドリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの製造
【化153】
【0294】
1.88g(10.85mmol)の2−メチレン−1,3,3−トリメチルインドリン(フィッシャー塩基)を、数分間にわたり、撹拌しながら、3.054g(10.86mmol)のビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミド(CF3SO2)2NHを15mlの乾燥エタノールに溶解した溶液に加える。反応混合物を、室温においてさらに5分間撹拌する。その後、溶媒を蒸留により除去し、残留物を、1.3Paの減圧下で、および60℃において乾燥し、4.86gの1,2,3,3−テトラメチル−3H−インドリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが得られ、これは、98.6%の収率に相当する。
【0295】
【化154】
【0296】
例43:
3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの製造
【化155】
【0297】
5mlの水中の2.22g(7.73mmol)のリチウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドLi[(CF3SO2)2N]を、撹拌しながら、2.00g(7.75mmol)の臭化3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムを50mlの水に溶解した溶液に滴加する。下方の液体相を、50mlのジクロロメタンで多数回抽出し、混ぜ合わせた有機相を、Mg2SO4を用いて乾燥する。その後、溶媒を、蒸留により除去し、残留物を、1.3Paの減圧下で、および60℃において乾燥し、3.14gの3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが得られ、これは、88.7%の収率に相当する。
【0298】
【化156】
【0299】
例44:
2−[3−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)プロペニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの製造
【化157】
【0300】
4.751g(10.46mmol)の1,2,3,3−テトラメチル−3H−インドリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを、0.783g(5.28mmol)のオルトギ酸トリエチルを15mlの乾燥ピリジンに溶解した溶液に加える。反応混合物を、120〜125℃の油浴温度において、30時間加熱する。溶媒を、1.3Paの減圧下で、および80℃において、蒸留により除去した後に、固体を、冷エタノールで多数回洗浄し、1.3Paの減圧下で、および60℃において乾燥し、2.90gの2−[3−(1,3−ジヒドロ−1,3,3−トリメチル−2H−インドール−2−イリデン)プロペニル]−1,3,3−トリメチル−3H−インドリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが得られ、これは、87%の収率に相当する。
【0301】
【化158】
【0302】
例45:
3−エチル−2−[3−(3−エチル−3H−ベンゾチアゾール−2−イリデン)プロペニル]ベンゾチアゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドの製造
【化159】
【0303】
3.03g(6.61mmol)の3−エチル−2−メチルベンゾチアゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドを、0.489g(3.30mmol)のオルトギ酸トリエチルを15mlの乾燥ピリジンに溶解した溶液に加える。反応混合物を、110〜115℃の油浴温度において、15時間加熱する。溶媒を、1.3Paの減圧下で、および80℃において、蒸留により除去した後に、固体を、冷エタノールで多数回洗浄し、1.3Paの減圧下で、および60℃において乾燥し、1.83gの3−エチル−2−[3−(3−エチル−3H−ベンゾチアゾール−2−イリデン)プロペニル]ベンゾチアゾリウムビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドが得られ、これは、85.9%の収率に相当する。
【0304】
【化160】
【0305】
例46:
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとしてのナイルブルーの溶解度検査
例41においてナイルブルーから製造した染料を、種々の溶媒に触れさせる。
基準として、陰イオンとして硫酸水素を有する慣用の染料ナイルブルーを、同一の条件下で検査する。
【0306】
【表8】
【0307】
例47:
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとしてのローダミンBの溶解度検査
例40においてローダミンBから製造した染料を、種々の溶媒に触れさせる。
基準として、陰イオンとして塩化物を有する慣用の染料ローダミンBを、同一の条件下で検査する。
【0308】
【表9】
【0309】
例48:
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとしてのサフラニンOの溶解度検査
例39においてサフラニンOから製造した染料を、種々の溶媒に触れさせる。
基準として、陰イオンとして塩化物を有する慣用の染料サフラニンOを、同一の条件下で検査する。
【0310】
【表10】
【0311】
例49:
ビス(トリフルオロメタンスルホニル)イミドとしてのヤヌスグリーンの溶解度検査
例38においてヤヌスグリーンから製造した固体を、種々の溶媒に触れさせる。
基準として、陰イオンとして塩化物を有する慣用の染料ヤヌスグリーンを、同一の条件下で検査する。
【0312】
【表11】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式I
CAT+Y− (I)
式中、Y−は、CAB−、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
ここで、CAB−は、一般式(II−1)
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
に適合し、
y1は、1、2、3または4を示し、
x1は、0、1、2または3を示し、
R0は、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよく、
FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4で表されるアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよく、
および、
CAT+は、アジン、キサンテン、ポリメチン、スチリル、アゾ、テトラゾリウム、ピリリウム、ベンゾピリリウム、チオピリリウム、ベンゾチオピリリウム、チアジン、オキサジン、トリアリールメタン、ジアリールメタン、アクリジン、キノリン、イソキノリンまたは四級化アザフルオレノン染料の群から選択された陽イオンであり、
ここで、トリフルオロメチルトリフルオロホウ酸3,3’−ジエトキシエチル−2,2’−チアジカルボシアニンは、除外される、
で表される、陽イオン性染料。
【請求項2】
CAT+が、アジン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項3】
CAT+が、キサンテン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項4】
CAT+が、ポリメチン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項5】
CAT+が、スチリル染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項6】
CAT+が、アゾ染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項7】
CAT+が、テトラゾリウム染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項8】
CAT+が、ピリリウム染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項9】
CAT+が、ベンゾピリリウム染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項10】
CAT+が、チオピリリウム染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項11】
CAT+が、ベンゾチオピリリウム染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項12】
CAT+が、チアジン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項13】
CAT+が、オキサジン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項14】
CAT+が、トリアリールメタン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項15】
CAT+が、ジアリールメタン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項16】
CAT+が、アクリジン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項17】
CAT+が、キノリン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項18】
CAT+が、イソキノリン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項19】
CAT+が、第四級アザフルオレノン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項20】
CAT+が、シアニン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項4に記載の染料。
【請求項21】
CAT+が、カルボシアニン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項4に記載の染料。
【請求項22】
CAT+が、アザカルボシアニン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項4に記載の染料。
【請求項23】
CAT+が、ジアザカルボシアニン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項4に記載の染料。
【請求項24】
CAT+が、トリアザカルボシアニン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項4に記載の染料。
【請求項25】
CAT+が、ヘミシアニン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項4に記載の染料。
【請求項26】
CAT+が、ジアザヘミシアニン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項4に記載の染料。
【請求項27】
Y−が、式II−1
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
で表されるシアノホウ酸であり、
y1が、1、2、3または4を示し、
x1が、0、1、2または3を示し、
R0が、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよい
ことを特徴とする、請求項1〜26のいずれかに記載の染料。
【請求項28】
Y−が、式II−2
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
で表されるフルオロアルキルリン酸であり、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4である
ことを特徴とする、請求項1〜26のいずれかに記載の染料。
【請求項29】
Y−が、式II−3
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
で表されるフルオロアルキルホウ酸であり、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
ここで、トリフルオロメチルトリフルオロホウ酸3,3’−ジエトキシエチル−2,2’−チアジカルボシアニンは、除外される
ことを特徴とする、請求項1〜26のいずれかに記載の染料。
【請求項30】
Y−が、式II−4
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
で表されるイミドであり、
変数
Xが、炭素または硫黄を示し、
p4が、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qが、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4が、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4が2を示し、Xが炭素である場合には、y4が1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4のアルキル鎖の炭素原子が、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖が、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよい
ことを特徴とする、請求項1〜26のいずれかに記載の染料。
【請求項31】
請求項1〜30のいずれかに記載の陽イオン性染料の製造方法であって、
一般式XXI
CAT+A− (XXI)
式中、CAT+は、アジン、キサンテン、ポリメチン、スチリル、アゾ、テトラゾリウム、ピリリウム、ベンゾピリリウム、チオピリリウム、ベンゾチオピリリウム、チアジン、オキサジン、トリアリールメタン、ジアリールメタン、アクリジン、キノリン、イソキノリンまたは四級化アザフルオレノン染料の群から選択された陽イオンであり、
A−は、Cl−、Br−、I−、BF4−、PF6−、ClO4−、硫酸イオン、トシル酸イオン、ヒドロ硫酸イオン、トリフレート、トリフルオロ酢酸イオン、酢酸イオンまたはシュウ酸イオンを示す、
で表される化合物を、一般式XXII
E+Y− (XXII)
式中、Y−は、CAB−、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
ここで、CAB−は、一般式(II−1)
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
に適合し、
y1は、1、2、3または4を示し、
x1は、0、1、2または3を示し、
R0は、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよく、
FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4で表されるアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよく、
E+は、アルカリ金属、アルカリ土類金属または11および12族からの金属、アンモニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルアンモニウム、ホスホニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルホスホニウムまたはグアニジニウムの陽イオンである、
で表される化合物と反応させることを特徴とする、前記方法。
【請求項32】
カルボシアニン染料が、式XXIII
【化1】
式中、
nは、0、1、2、3、4または5を示し、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、Cl、Br、I、アルキル、部分的に、または完全に塩素化されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、Oアルキル、Oアリール、Sアルキル、Sアリール、NHアルキル、N(アルキル)2、C(O)H、C(O)アルキル、C(O)アリール、CN、N=N−アリール、P(アリール)2、NHC(O)アルキルまたはNHC(O)アリールを示し、
【化2】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、さらに、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、Zにより単置換または多置換されていてもよく、
Zは、水素、アルキル、NO2、F、Cl、Br、I、OH、COOH、Oアルキル、SCN、SCF3、COOアルキル、CH2−COOアルキル、NH2、NHアルキルまたはN(アルキル)2を示し、
および、
式中、Y−は、CAB−、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
ここで、CAB−は、一般式(II−1)
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
に適合し、
y1は、1、2、3または4を示し、
x1は、0、1、2または3を示し、
R0は、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよく、
FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4のアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよい、
に適合する、請求項21に記載のカルボシアニン染料の製造方法であって、
式XXIV
【化3】
式中、環系、R、R1およびY−は、式XXIIIの場合において示した意味の1つを有し、
nは、0、1、2、3または4を示し、
Gは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、N=C(R)2、CONH−アリール、C(O)アリールまたはCONHアルキルを示す、
で表される化合物を用いることを特徴とする、前記方法。
【請求項33】
式XXIV
【化4】
式中、
nは、0、1、2、3または4を示し、
Gは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、N=C(R)2、CONH−アリール、C(O)アリールまたはCONHアルキルを示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、Cl、Br、I、アルキル、部分的に、または完全に塩素化されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、Oアルキル、Oアリール、Sアルキル、Sアリール、NHアルキル、N(アルキル)2、C(O)H、C(O)アルキル、C(O)アリール、CN、N=N−アリール、P(アリール)2、NHC(O)アルキルまたはNHC(O)アリールを示し、
【化5】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、さらに、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、Zにより単置換または多置換されていてもよく、
Zは、水素、アルキル、NO2、F、Cl、Br、I、OH、COOH、Oアルキル、SCN、SCF3、COOアルキル、CH2−COOアルキル、NH2、NHアルキルまたはN(アルキル)2を示し、
および、
式中、Y−は、CAB−、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
ここで、CAB−は、一般式(II−1)
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
に適合し、
y1は、1、2、3または4を示し、
x1は、0、1、2または3を示し、
R0は、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよく、
FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4のアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよい、
で表される化合物。
【請求項34】
請求項33に記載の式XXIVで表される化合物の製造方法であって、
式XXV
【化6】
式中、
A−は、Cl−、Br−、I−、BF4−、PF6−、ClO4−、硫酸イオン、トシル酸イオン、ヒドロ硫酸イオン、トリフレート、トリフルオロ酢酸イオン、酢酸イオンまたはシュウ酸イオンを示し、
【化7】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、さらに、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、Zにより単置換または多置換されていてもよく、
Zは、水素、アルキル、NO2、F、Cl、Br、I、OH、COOH、Oアルキル、SCN、SCF3、COOアルキル、CH2−COOアルキル、NH2、NHアルキルまたはN(アルキル)2を示し、
nは、0、1、2、3または4を示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、Cl、Br、I、アルキル、部分的に、または完全に塩素化されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、Oアルキル、Oアリール、Sアルキル、Sアリール、NHアルキル、N(アルキル)2、C(O)H、C(O)アルキル、C(O)アリール、CN、N=N−アリール、P(アリール)2、NHC(O)アルキルまたはNHC(O)アリールを示し、
Gは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、N=C(R)2、CONH−アリール、C(O)アリールまたはCONHアルキルを示す、
で表される化合物を、
式XXVI
E+Y− XXVI
式中、
E+は、アルカリ金属、アルカリ土類金属または11および12族からの金属、アンモニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルアンモニウム、ホスホニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルホスホニウムまたはグアニジニウムの陽イオンであり、
および、
式中、Y−は、CAB−、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
ここで、CAB−は、一般式(II−1)
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
に適合し、
y1は、1、2、3または4を示し、
x1は、0、1、2または3を示し、
R0は、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよく、
FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4のアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよい、
で表される化合物と反応させることを特徴とする、前記方法。
【請求項35】
式XXIVにおけるnが、0を示すという制限の下での、請求項33に記載の式XXIVで表される化合物の製造方法であって、
式XXVII
【化8】
式中、
Gは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、N=C(R)2、CONH−アリール、C(O)アリールまたはCONHアルキルを示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
【化9】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、さらに、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、Zにより単置換または多置換されていてもよく、
Zは、水素、アルキル、NO2、F、Cl、Br、I、OH、COOH、Oアルキル、SCN、SCF3、COOアルキル、CH2−COOアルキル、NH2、NHアルキルまたはN(アルキル)2を示す、
で表される化合物を、HY
式中、Y−は、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
ここで、FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4のアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよい、
と反応させることを特徴とする、前記方法。
【請求項36】
アゾ染料が、式XXVIII
【化10】
式中、
R’およびR”は、アリールまたはヘテロアリールを示し、2つの芳香族核の1つは、正に帯電しており、
式中、Y−は、CAB−、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
ここで、CAB−は、一般式(II−1)
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
に適合し、
y1は、1、2、3または4を示し、
x1は、0、1、2または3を示し、
R0は、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよく、
FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4のアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよい、
に適合する、請求項6に記載のアゾ染料の製造方法であって、
式XXIX
R’−N2+Y− XXIX
式中、R’およびY−は、式XXVIIIの場合において示した意味の1つを有する、
で表される化合物を、芳香族環式または複素環式化合物R”と反応させることを特徴とする、前記方法。
【請求項37】
式XXIX
R’−N2+Y− XXIX
式中、
R’は、アリールまたはヘテロアリールを示し、
式中、Y−は、CAB−、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
ここで、CAB−は、一般式(II−1)
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
に適合し、
y1は、1、2、3または4を示し、
x1は、0、1、2または3を示し、
R0は、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよく、
FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4のアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよい、
で表される化合物。
【請求項38】
請求項1〜30のいずれかに記載の染料の、プラスチックおよびプラスチック繊維を着色するための、フレキソ印刷インクを製造するための、ボールペンペーストとしての、スタンプインクとしての、革および紙を着色するための、塗料工業における、化粧品配合物における、生化学、生物学、医学、分析または電子工学における使用。
【請求項39】
請求項1〜30のいずれかに記載の染料の、データ収集システム、複写、インクマイクロフィルター、感光起電、レーザー技術または写真工業における使用。
【請求項40】
請求項1〜30のいずれかに記載の染料の、CDレコーダー、DVDレコーダー(DVD+R、DVD+RW)、ブルーレイディスク(BD−ROM、BD−R、BD−RE)、コンピュータから印刷用刷版を直接作成する方式、レーザーフィルター、レーザーマーキングまたは光重合のための使用。
【請求項1】
一般式I
CAT+Y− (I)
式中、Y−は、CAB−、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
ここで、CAB−は、一般式(II−1)
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
に適合し、
y1は、1、2、3または4を示し、
x1は、0、1、2または3を示し、
R0は、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよく、
FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4で表されるアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよく、
および、
CAT+は、アジン、キサンテン、ポリメチン、スチリル、アゾ、テトラゾリウム、ピリリウム、ベンゾピリリウム、チオピリリウム、ベンゾチオピリリウム、チアジン、オキサジン、トリアリールメタン、ジアリールメタン、アクリジン、キノリン、イソキノリンまたは四級化アザフルオレノン染料の群から選択された陽イオンであり、
ここで、トリフルオロメチルトリフルオロホウ酸3,3’−ジエトキシエチル−2,2’−チアジカルボシアニンは、除外される、
で表される、陽イオン性染料。
【請求項2】
CAT+が、アジン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項3】
CAT+が、キサンテン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項4】
CAT+が、ポリメチン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項5】
CAT+が、スチリル染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項6】
CAT+が、アゾ染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項7】
CAT+が、テトラゾリウム染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項8】
CAT+が、ピリリウム染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項9】
CAT+が、ベンゾピリリウム染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項10】
CAT+が、チオピリリウム染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項11】
CAT+が、ベンゾチオピリリウム染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項12】
CAT+が、チアジン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項13】
CAT+が、オキサジン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項14】
CAT+が、トリアリールメタン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項15】
CAT+が、ジアリールメタン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項16】
CAT+が、アクリジン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項17】
CAT+が、キノリン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項18】
CAT+が、イソキノリン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項19】
CAT+が、第四級アザフルオレノン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項1に記載の染料。
【請求項20】
CAT+が、シアニン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項4に記載の染料。
【請求項21】
CAT+が、カルボシアニン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項4に記載の染料。
【請求項22】
CAT+が、アザカルボシアニン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項4に記載の染料。
【請求項23】
CAT+が、ジアザカルボシアニン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項4に記載の染料。
【請求項24】
CAT+が、トリアザカルボシアニン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項4に記載の染料。
【請求項25】
CAT+が、ヘミシアニン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項4に記載の染料。
【請求項26】
CAT+が、ジアザヘミシアニン染料の陽イオンであることを特徴とする、請求項4に記載の染料。
【請求項27】
Y−が、式II−1
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
で表されるシアノホウ酸であり、
y1が、1、2、3または4を示し、
x1が、0、1、2または3を示し、
R0が、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよい
ことを特徴とする、請求項1〜26のいずれかに記載の染料。
【請求項28】
Y−が、式II−2
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
で表されるフルオロアルキルリン酸であり、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4である
ことを特徴とする、請求項1〜26のいずれかに記載の染料。
【請求項29】
Y−が、式II−3
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
で表されるフルオロアルキルホウ酸であり、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
ここで、トリフルオロメチルトリフルオロホウ酸3,3’−ジエトキシエチル−2,2’−チアジカルボシアニンは、除外される
ことを特徴とする、請求項1〜26のいずれかに記載の染料。
【請求項30】
Y−が、式II−4
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
で表されるイミドであり、
変数
Xが、炭素または硫黄を示し、
p4が、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qが、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4が、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4が2を示し、Xが炭素である場合には、y4が1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4のアルキル鎖の炭素原子が、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖が、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよい
ことを特徴とする、請求項1〜26のいずれかに記載の染料。
【請求項31】
請求項1〜30のいずれかに記載の陽イオン性染料の製造方法であって、
一般式XXI
CAT+A− (XXI)
式中、CAT+は、アジン、キサンテン、ポリメチン、スチリル、アゾ、テトラゾリウム、ピリリウム、ベンゾピリリウム、チオピリリウム、ベンゾチオピリリウム、チアジン、オキサジン、トリアリールメタン、ジアリールメタン、アクリジン、キノリン、イソキノリンまたは四級化アザフルオレノン染料の群から選択された陽イオンであり、
A−は、Cl−、Br−、I−、BF4−、PF6−、ClO4−、硫酸イオン、トシル酸イオン、ヒドロ硫酸イオン、トリフレート、トリフルオロ酢酸イオン、酢酸イオンまたはシュウ酸イオンを示す、
で表される化合物を、一般式XXII
E+Y− (XXII)
式中、Y−は、CAB−、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
ここで、CAB−は、一般式(II−1)
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
に適合し、
y1は、1、2、3または4を示し、
x1は、0、1、2または3を示し、
R0は、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよく、
FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4で表されるアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよく、
E+は、アルカリ金属、アルカリ土類金属または11および12族からの金属、アンモニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルアンモニウム、ホスホニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルホスホニウムまたはグアニジニウムの陽イオンである、
で表される化合物と反応させることを特徴とする、前記方法。
【請求項32】
カルボシアニン染料が、式XXIII
【化1】
式中、
nは、0、1、2、3、4または5を示し、
Rは、各々の場合において、互いに独立して、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、Cl、Br、I、アルキル、部分的に、または完全に塩素化されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、Oアルキル、Oアリール、Sアルキル、Sアリール、NHアルキル、N(アルキル)2、C(O)H、C(O)アルキル、C(O)アリール、CN、N=N−アリール、P(アリール)2、NHC(O)アルキルまたはNHC(O)アリールを示し、
【化2】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、さらに、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、Zにより単置換または多置換されていてもよく、
Zは、水素、アルキル、NO2、F、Cl、Br、I、OH、COOH、Oアルキル、SCN、SCF3、COOアルキル、CH2−COOアルキル、NH2、NHアルキルまたはN(アルキル)2を示し、
および、
式中、Y−は、CAB−、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
ここで、CAB−は、一般式(II−1)
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
に適合し、
y1は、1、2、3または4を示し、
x1は、0、1、2または3を示し、
R0は、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよく、
FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4のアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよい、
に適合する、請求項21に記載のカルボシアニン染料の製造方法であって、
式XXIV
【化3】
式中、環系、R、R1およびY−は、式XXIIIの場合において示した意味の1つを有し、
nは、0、1、2、3または4を示し、
Gは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、N=C(R)2、CONH−アリール、C(O)アリールまたはCONHアルキルを示す、
で表される化合物を用いることを特徴とする、前記方法。
【請求項33】
式XXIV
【化4】
式中、
nは、0、1、2、3または4を示し、
Gは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、N=C(R)2、CONH−アリール、C(O)アリールまたはCONHアルキルを示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、Cl、Br、I、アルキル、部分的に、または完全に塩素化されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、Oアルキル、Oアリール、Sアルキル、Sアリール、NHアルキル、N(アルキル)2、C(O)H、C(O)アルキル、C(O)アリール、CN、N=N−アリール、P(アリール)2、NHC(O)アルキルまたはNHC(O)アリールを示し、
【化5】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、さらに、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、Zにより単置換または多置換されていてもよく、
Zは、水素、アルキル、NO2、F、Cl、Br、I、OH、COOH、Oアルキル、SCN、SCF3、COOアルキル、CH2−COOアルキル、NH2、NHアルキルまたはN(アルキル)2を示し、
および、
式中、Y−は、CAB−、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
ここで、CAB−は、一般式(II−1)
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
に適合し、
y1は、1、2、3または4を示し、
x1は、0、1、2または3を示し、
R0は、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよく、
FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4のアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよい、
で表される化合物。
【請求項34】
請求項33に記載の式XXIVで表される化合物の製造方法であって、
式XXV
【化6】
式中、
A−は、Cl−、Br−、I−、BF4−、PF6−、ClO4−、硫酸イオン、トシル酸イオン、ヒドロ硫酸イオン、トリフレート、トリフルオロ酢酸イオン、酢酸イオンまたはシュウ酸イオンを示し、
【化7】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、さらに、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、Zにより単置換または多置換されていてもよく、
Zは、水素、アルキル、NO2、F、Cl、Br、I、OH、COOH、Oアルキル、SCN、SCF3、COOアルキル、CH2−COOアルキル、NH2、NHアルキルまたはN(アルキル)2を示し、
nは、0、1、2、3または4を示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
R1は、各々の場合において、互いに独立して、H、Cl、Br、I、アルキル、部分的に、または完全に塩素化されているアルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、Oアルキル、Oアリール、Sアルキル、Sアリール、NHアルキル、N(アルキル)2、C(O)H、C(O)アルキル、C(O)アリール、CN、N=N−アリール、P(アリール)2、NHC(O)アルキルまたはNHC(O)アリールを示し、
Gは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、N=C(R)2、CONH−アリール、C(O)アリールまたはCONHアルキルを示す、
で表される化合物を、
式XXVI
E+Y− XXVI
式中、
E+は、アルカリ金属、アルカリ土類金属または11および12族からの金属、アンモニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルアンモニウム、ホスホニウム、C1〜C4アルキルを含むアルキルホスホニウムまたはグアニジニウムの陽イオンであり、
および、
式中、Y−は、CAB−、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
ここで、CAB−は、一般式(II−1)
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
に適合し、
y1は、1、2、3または4を示し、
x1は、0、1、2または3を示し、
R0は、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよく、
FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4のアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよい、
で表される化合物と反応させることを特徴とする、前記方法。
【請求項35】
式XXIVにおけるnが、0を示すという制限の下での、請求項33に記載の式XXIVで表される化合物の製造方法であって、
式XXVII
【化8】
式中、
Gは、水素、アルキル、アルケニル、アリール、ヘテロアリール、N=C(R)2、CONH−アリール、C(O)アリールまたはCONHアルキルを示し、
Rは、アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリールまたはヘテロアリールを示し、
【化9】
により表される環系は、5〜13個の環要素を有する窒素含有不飽和単環式、二環式または三環式複素環を示し、これは、さらに、1、2もしくは3個のN原子および/または1もしくは2個のSもしくはO原子を含むことができ、ここで、複素環式基は、Zにより単置換または多置換されていてもよく、
Zは、水素、アルキル、NO2、F、Cl、Br、I、OH、COOH、Oアルキル、SCN、SCF3、COOアルキル、CH2−COOアルキル、NH2、NHアルキルまたはN(アルキル)2を示す、
で表される化合物を、HY
式中、Y−は、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
ここで、FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4のアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよい、
と反応させることを特徴とする、前記方法。
【請求項36】
アゾ染料が、式XXVIII
【化10】
式中、
R’およびR”は、アリールまたはヘテロアリールを示し、2つの芳香族核の1つは、正に帯電しており、
式中、Y−は、CAB−、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
ここで、CAB−は、一般式(II−1)
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
に適合し、
y1は、1、2、3または4を示し、
x1は、0、1、2または3を示し、
R0は、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよく、
FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4のアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよい、
に適合する、請求項6に記載のアゾ染料の製造方法であって、
式XXIX
R’−N2+Y− XXIX
式中、R’およびY−は、式XXVIIIの場合において示した意味の1つを有する、
で表される化合物を、芳香族環式または複素環式化合物R”と反応させることを特徴とする、前記方法。
【請求項37】
式XXIX
R’−N2+Y− XXIX
式中、
R’は、アリールまたはヘテロアリールを示し、
式中、Y−は、CAB−、FAP−、FAB−またはIm−の群から選択された陰イオンであり、
ここで、CAB−は、一般式(II−1)
[B(CN)y1F4−y1−x1(R0)x1]− (II−1)
に適合し、
y1は、1、2、3または4を示し、
x1は、0、1、2または3を示し、
R0は、アルキル、アリール、フッ素化アルキル、フッ素化アリール、シクロアルキルまたはアルキルアリールを示し、ただし、R0は、y1が>2である場合には、水素であってもよく、
FAP−は、一般式(II−2)
[P(Cp2F2p2+1−m2Hm2)y2F6−y2]− (II−2)
に適合し、
p2:1〜20、
m2:0、1、2または3および
y2:1、2、3または4であり、
FAB−は、一般式(II−3)
[B(Cp3F2p3+1−m3Hm3)y3F4−y3]− (II−3)
に適合し、
p3 1〜20、
m3 0、1、2または3および
y3 1、2、3または4であり、
Im−は、一般式(II−4)
[(Cp4F2p4+1−m4Hm4XOy4)N(CqF2q+1−kHkXOy4)]− (II−4)
に適合し、
変数
Xは、炭素または硫黄を示し、
p4は、0〜20を示し、かつ0≦m4≦2p4+1であり、
qは、0〜20を示し、かつ0≦k≦2q+1であり、
y4は、1または2を示し、
ここで、p4=0である場合には、m4=0であり、q=0である場合には、k=0であり、
ただし、
Xが硫黄である場合には、y4は2を示し、Xが炭素である場合には、y4は1を示し、かつp4またはq≧1であり、
ここで、式II−4のアルキル鎖の炭素原子は、互いに単結合により結合していてもよく、ここで、得られたアルキレン鎖は、次に、部分的に、または完全にFにより置換されていてもよい、
で表される化合物。
【請求項38】
請求項1〜30のいずれかに記載の染料の、プラスチックおよびプラスチック繊維を着色するための、フレキソ印刷インクを製造するための、ボールペンペーストとしての、スタンプインクとしての、革および紙を着色するための、塗料工業における、化粧品配合物における、生化学、生物学、医学、分析または電子工学における使用。
【請求項39】
請求項1〜30のいずれかに記載の染料の、データ収集システム、複写、インクマイクロフィルター、感光起電、レーザー技術または写真工業における使用。
【請求項40】
請求項1〜30のいずれかに記載の染料の、CDレコーダー、DVDレコーダー(DVD+R、DVD+RW)、ブルーレイディスク(BD−ROM、BD−R、BD−RE)、コンピュータから印刷用刷版を直接作成する方式、レーザーフィルター、レーザーマーキングまたは光重合のための使用。
【公表番号】特表2007−503477(P2007−503477A)
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−523551(P2006−523551)
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008174
【国際公開番号】WO2005/021661
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】
【公表日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年7月22日(2004.7.22)
【国際出願番号】PCT/EP2004/008174
【国際公開番号】WO2005/021661
【国際公開日】平成17年3月10日(2005.3.10)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】
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