説明

スクリーン印刷装置および印刷方法

【課題】配線パターンの欠陥部の修正を行うにあたり、操作者の負担を小さくすることができるともに人為的な位置決めミス等のトラブルが発生することを抑制することができるスクリーン印刷装置および印刷方法を提供する。
【解決手段】スクリーン印刷装置に設けられた修正用スクリーン印刷部20は、貫通穴22aが設けられたスクリーン版22を介して修正用スキージ24により修正用ペースト28を印刷定盤30上の基材10に転移させる。制御部50は、撮像部40により撮像された基材10の画像に基づいて当該基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aを検出し、当該基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aに修正用ペースト28を付着させるよう修正用スクリーン印刷部20を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン印刷装置および印刷方法に関し、とりわけ、配線パターンの欠陥部の修正を行うにあたり、操作者の負担を小さくすることができるともに人為的な位置決めミス等のトラブルが発生することを抑制することができるスクリーン印刷装置および印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、タッチパネル等の、電極配線の配線パターンが形成された基材を製造する方法として、様々なタイプのものが知られている。このような基材を製造するにあたり、完成品において配線パターンは無欠陥のものとする必要がある。このため、基材に形成される配線パターンにおいて異物混入等により断線、ピンホール等が生じた場合には、スクリーン印刷機により修正するようになっている。このような配線パターンの欠陥部の修正装置として、例えば特許文献1等に開示されるものが知られている。
【0003】
特許文献1に開示される配線パターンの欠陥部の修正装置では、目視により配線パターンの欠陥部を確認し、基材が載置された印刷定盤を手動で動かし、その後、スクリーン版上でスキージが自動的に移動することにより修正用インキがスクリーン版を介して印刷定盤上の基材に転移されるようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭56−13172号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1等に開示されるような従来のスクリーン印刷装置では、基材における配線パターンの欠けた箇所に対するスクリーン版の貫通穴の位置合わせを操作者が手動で行っていたため、操作者の負担が大きくなってしまうという問題があった。また、このような位置合わせが手動で行われるため、基材における配線パターンの欠けた箇所に対するスクリーン版の貫通穴の位置決めを確実に行うことができず、人為的な位置決めミスが生じるおそれがあった。
【0006】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、配線パターンの欠陥部の修正を行うにあたり、印刷定盤に載置された基材を撮像し、撮像された基材の画像に基づいて当該基材における配線パターンの欠けた箇所を検出することにより、配線パターンの欠陥部の修正作業を自動的に行うことができるので、操作者の負担を小さくすることができるともに人為的な位置決めミス等のトラブルが発生することを抑制することができるスクリーン印刷装置および印刷方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のスクリーン印刷装置は、基材が載置される印刷定盤と、前記印刷定盤に載置された基材を撮像する撮像部と、前記印刷定盤に載置された基材に対して修正用ペーストを付着させる修正用スクリーン印刷部であって、貫通穴が設けられたスクリーン版を介して修正用スキージにより修正用ペーストを前記印刷定盤上の基材に転移させる修正用スクリーン印刷部と、前記撮像部により撮像された基材の画像に基づいて当該基材における配線パターンの欠けた箇所を検出し、当該基材における配線パターンの欠けた箇所に修正用ペーストを付着させるよう前記修正用スクリーン印刷部を制御する制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
このようなスクリーン印刷装置によれば、撮像部により撮像された基材の画像に基づいて当該基材における配線パターンの欠けた箇所を検出し、当該基材における配線パターンの欠けた箇所に修正用ペーストを付着させるようになる。このように、配線パターンの欠陥部の修正を行うにあたり、印刷定盤に載置された基材を撮像し、撮像された基材の画像に基づいて当該基材における配線パターンの欠けた箇所を検出することにより、配線パターンの欠陥部の修正作業を自動的に行うことができるので、操作者の負担を小さくすることができるともに人為的な位置決めミス等のトラブルが発生することを抑制することができる。
【0009】
本発明のスクリーン印刷装置においては、前記修正用スクリーン印刷部を水平方向に移動させる修正用スクリーン印刷部駆動機構を更に備え、前記制御部は、前記印刷定盤に載置された基材に修正用ペーストを付着させる際に、前記修正用スクリーン印刷部の前記スクリーン版に設けられた貫通穴と前記基材における配線パターンの欠けた箇所との位置が合うよう、前記修正用スクリーン印刷部駆動機構を制御して前記修正用スクリーン印刷部を移動させることにより前記基材に対する前記修正用スクリーン印刷部の位置を調整するようになっていてもよい。
【0010】
あるいは、前記印刷定盤を水平方向に移動させる印刷定盤駆動機構を更に備え、前記制御部は、前記印刷定盤に載置された基材に修正用ペーストを付着させる際に、前記修正用スクリーン印刷部の前記スクリーン版に設けられた貫通穴と前記基材における配線パターンの欠けた箇所との位置が合うよう、前記印刷定盤駆動機構を制御して前記印刷定盤を移動させることにより前記基材に対する前記修正用スクリーン印刷部の位置を調整するようになっていてもよい。
【0011】
本発明のスクリーン印刷装置においては、前記スクリーン版は、貫通穴の構成が異なる複数の種類のものが用意されており、前記修正用スクリーン印刷部において前記複数の種類のスクリーン版が交換可能となっていてもよい。
【0012】
本発明のスクリーン印刷装置においては、所定の配線パターンを予め記憶する配線パターン記憶部を更に備え、前記制御部は、前記撮像部により撮像された基材の画像における配線パターンと、前記配線パターン記憶部に記憶された配線パターンとを比較することにより、基材における配線パターンの欠けた箇所を検出するようになっていてもよい。
【0013】
本発明のスクリーン印刷方法は、印刷定盤に載置された基材を撮像する工程と、撮像された基材の画像に基づいて当該基材における配線パターンの欠けた箇所を検出する工程と、修正用スクリーン印刷部のスクリーン版に設けられた貫通穴と基材における配線パターンの欠けた箇所との位置が合うよう、前記基材に対する前記修正用スクリーン印刷部の位置を調整する工程と、前記修正用スクリーン印刷部により、前記基材における配線パターンの欠けた箇所に修正用ペーストを付着させる工程と、を備えたことを特徴とする。
【0014】
このようなスクリーン印刷方法によれば、印刷定盤に載置された基材を撮像し、撮像された基材の画像に基づいて当該基材における配線パターンの欠けた箇所を検出し、当該基材における配線パターンの欠けた箇所に修正用ペーストを付着させるようになる。このように、配線パターンの欠陥部の修正を行うにあたり、印刷定盤に載置された基材を撮像し、撮像された基材の画像に基づいて当該基材における配線パターンの欠けた箇所を検出することにより、配線パターンの欠陥部の修正作業を自動的に行うことができるので、操作者の負担を小さくすることができるともに人為的な位置決めミス等のトラブルが発生することを抑制することができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明のスクリーン印刷装置および印刷方法によれば、配線パターンの欠陥部の修正を行うにあたり、操作者の負担を小さくすることができるともに人為的な位置決めミス等のトラブルが発生することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の実施の形態におけるスクリーン印刷装置の構成を示す側面図である。
【図2】図1に示すスクリーン印刷装置における修正用スクリーン印刷部を上方から見たときの上面図である。
【図3】(a)は、撮像部により撮像された基材の画像における配線パターンであり、(b)は、配線パターン記憶部に記憶された配線パターンである。
【図4】修正用スクリーン印刷部により、基材における配線パターンの欠けた箇所に修正用ペーストを付着させる動作を示す図である。
【図5】図1に示すスクリーン印刷装置によるスクリーン印刷動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。図1乃至図5は、本実施の形態によるスクリーン印刷装置および印刷方法を示す図である。
【0018】
図1に示すように、本実施の形態によるスクリーン印刷装置は、基材10が載置される印刷定盤30と、印刷定盤30に載置された基材を撮像するマイクロスコープ40と、印刷定盤30に載置された基材10に対して修正用ペースト28を付着させる修正用スクリーン印刷部20と、を備えている。ここで、修正用スクリーン印刷部20は、貫通穴22aが設けられたスクリーン版22を介して修正用スキージ24により修正用ペースト28を印刷定盤30上の基材10に転移させるようになっている。
【0019】
以下、このようなスクリーン印刷装置の各構成要素について詳述する。
【0020】
図1に示すスクリーン印刷装置における修正用スクリーン印刷部20を上方から見たときの上面図を図2に示す。図1および図2に示すように、修正用スクリーン印刷部20は、1つの貫通穴22aが中心に設けられたスクリーン版22と、このスクリーン版22を保持する保持部材21とを有している。また、修正用スクリーン印刷部20には、スクリーン版22上で走査し、当該スクリーン版22の貫通穴22aを介して修正用ペースト28を基材10上に転移させる修正用スキージ24が設けられている。修正用スキージ24は、図示しないスキージ駆動部によりスクリーン版22上で往復移動させられるようになっている。より詳細には、修正用スキージ24は、図1における左右方向、および図2における上下方向に往復移動させられるようになっている。また、修正用スキージ24は、スキージ支持部26を介して保持部材21に取り付けられるようになっている。ここで、スキージ支持部26はスクリーン版22に向かって進退自在となっており、このことにより修正用スキージ24は図1における上下方向に移動するようになっている。そして、修正用スクリーン印刷部20は、貫通穴22aが設けられたスクリーン版22を介して修正用スキージ24により修正用ペースト28を印刷定盤30上の基材10に転移させるようになっている。修正用ペースト28としては、例えば銀ペーストが用いられるようになっている。
【0021】
また、図1に示すように、本実施の形態によるスクリーン印刷装置にはガイドレール29が設けられており、保持部材21はガイドレール29に取り付けられている。そして、保持部材21はガイドレール29に沿って水平方向に移動するようになっている。図1ではガイドレール29は左右方向に延びるよう表示されているが、実際には保持部材21は図1における左右方向(X方向)および図1の紙面に直交する方向(Y方向)の両方向に移動することができるようになっている。また、図1に示すように、修正用スクリーン印刷部20には修正用スクリーン印刷部駆動機構27が設けられており、この修正用スクリーン印刷部駆動機構27により、保持部材21がガイドレール29に沿ってX方向、Y方向の両方向における水平方向に移動するようになっている。
【0022】
図1に示すように、印刷定盤30の下方にもガイドレール30aが配置されており、印刷定盤30は、ガイドレール30aに沿って水平方向に移動するようになっている。図1ではガイドレール30aは左右方向に延びるよう表示されているが、実際には印刷定盤30は図1における左右方向(X方向)および図1の紙面に直交する方向(Y方向)の両方向に移動することができるようになっている。また、図1に示すように、印刷定盤30には印刷定盤駆動機構32が設けられており、この印刷定盤駆動機構32により、印刷定盤30がガイドレール30aに沿ってX方向、Y方向の両方向における水平方向に移動するようになっている。
【0023】
図1に示すように、マイクロスコープ40は修正用スクリーン印刷部20の保持部材21に取り付けられている。そして、印刷定盤30に載置された基材10の撮像をマイクロスコープ40により行う際には、保持部材21がガイドレール29に沿って水平方向に移動することにより、印刷定盤30上の基材10の全面をまんべんなく撮像することができるようになる。
【0024】
また、本実施の形態によるスクリーン印刷装置には、修正用スクリーン印刷部20、マイクロスコープ40、印刷定盤駆動機構32および修正用スクリーン印刷部駆動機構27にそれぞれ接続された制御部50が設けられている。この制御部50は、マイクロスコープ40により撮像された基材10の画像に基づいて当該基材10における配線パターン12(後述)の欠けた箇所12aを検出し、当該基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aに修正用ペースト28を付着させるよう修正用スクリーン印刷部20等を制御するようになっている。制御部50による各構成要素の制御方法の詳細については後述する。
【0025】
また、図1に示すように、制御部50には、所定の配線パターン13(図3(b)参照)を予め記憶する配線パターン記憶部52が接続されている。そして、制御部50は、マイクロスコープ40により撮像された基材10の画像における配線パターン12と、配線パターン記憶部52に記憶された配線パターン13とを比較することにより、基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aを検出するようになっている。
【0026】
次に、図1に示すスクリーン印刷装置によるスクリーン印刷動作について、図5に示すフローチャートを用いて具体的に説明する。より詳細には、図1に示すスクリーン印刷装置により、基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aに修正用ペースト28を付着させることにより、配線パターン12の欠陥部の修正を行う動作について以下に説明する。
【0027】
まず、図5のSTEP1に示すように、印刷定盤30に基材10をセットする。次に、マイクロスコープ40により基材10の配線パターン12を撮像する(図5のSTEP2)。マイクロスコープ40により撮像された基材10の配線パターン12は例えば図3(a)に示すようなものとなる。なお、図3(a)では、配線パターン12に欠陥部(具体的には、配線パターンにおける欠けた箇所12a)が生じた場合を示している。マイクロスコープ40により撮像された基材10の画像に係る情報は制御部50に送られるようになっている。
【0028】
次に、制御部50において、マイクロスコープ40により撮像された基材10の画像における配線パターン12と、配線パターン記憶部52に記憶された配線パターン13とを比較する(図5のSTEP3)。ここで、図3(a)は、マイクロスコープ40により撮像された基材10の画像における配線パターン12であり、図3(b)は、配線パターン記憶部52に記憶された配線パターン13である。両者の配線パターン12、13を比較した結果、両者の配線パターン12、13が一致したときには(図5のSTEP4の「YES」)、実際の基材10の配線パターン12に欠陥部が何ら生じていないと判断されるようになる。この場合には、修正用スクリーン印刷部20により基材10に対して修正用ペースト28を転移させる必要がないため、印刷定盤30から基材10を取り出すこととなる(図5のSTEP7)。
【0029】
一方、マイクロスコープ40により撮像された基材10の画像における配線パターン12と、配線パターン記憶部52に記憶された配線パターン13とが一致しない場合には(図5のSTEP4の「NO」)、修正用スクリーン印刷部20により基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aに対して修正用ペースト28を転移させる。具体的には、まず、基材10に対する修正用スクリーン印刷部20の位置を調整する(図5のSTEP5)。この際に、制御部50は、修正用スクリーン印刷部20のスクリーン版22に設けられた貫通穴22aと基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aとの位置が合うよう、修正用スクリーン印刷部駆動機構27を制御して修正用スクリーン印刷部20を移動させることにより基材10に対する修正用スクリーン印刷部20の位置を調整する。図4(a)に、修正用スクリーン印刷部20のスクリーン版22に設けられた貫通穴22aと基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aとの位置が一致したときの状態を示す。
【0030】
なお、基材10に対する修正用スクリーン印刷部20の位置を調整する方法として、修正用スクリーン印刷部20を移動させる代わりに、印刷定盤30を移動させるようにしてもよい。この場合には、制御部50は、修正用スクリーン印刷部20のスクリーン版22に設けられた貫通穴22aと基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aとの位置が合うよう、印刷定盤駆動機構32を制御して印刷定盤30を移動させることにより基材10に対する修正用スクリーン印刷部20の位置を調整する。
【0031】
そして、基材10に対する修正用スクリーン印刷部20の位置の調整が終わった後、修正用スクリーン印刷部20により、基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aに修正用ペースト28を付着させる(図5のSTEP6)。具体的には、修正用スクリーン印刷部20において、スキージ支持部26がスクリーン版22に向かって下方に伸びることにより修正用スキージ24が下方に移動し、この修正用スキージ24がスクリーン版22を下方に押して当該スクリーン版22が印刷定盤30上の基材10の表面に当接する。そして、図示しないスキージ駆動部により修正用スキージ24を水平方向(図1の左右方向、図2の上下方向)に移動させ、このときに修正用スキージ24がスクリーン版22を下方に押し続けるようにする。この際に、銀ペースト等の修正用ペースト28はスクリーン版22の貫通穴22aを通過して基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aに付着する(図4(b)参照)。その後、印刷定盤30から基材10を取り出し(図5のSTEP7)、この基材10の乾燥を行う。このことにより、基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aに付着した修正用ペースト28が熱硬化して配線パターン12の欠けた箇所12aが修復されるようになる。
【0032】
なお、インクジェット方式により基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aに修正用ペースト28を付着させる方法と比較して、スクリーン印刷方式により基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aに修正用ペースト28を付着させた場合には、当該基材10に付着される修正用ペースト28の膜厚を均一にすることができるという利点がある。すなわち、インクジェット方式により基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aに修正用ペースト28を付着させた場合には、基材10に付着した修正用ペースト28の形状は山型となってしまい、基材10の厚さにバラツキが生じるという問題がある。これに対し、スクリーン印刷方式により基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aに修正用ペースト28を付着させた場合には、基材10に付着した修正用ペースト28の膜厚が均一となるので、当該基材10に対して他のガラス板等の基材を確実に積層させることができるようになる。
【0033】
以上のように本実施の形態のスクリーン印刷装置および印刷方法によれば、マイクロスコープ(撮像部)40により撮像された基材10の画像に基づいて当該基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aを検出し、当該基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aに修正用ペースト28を付着させるようになっている。このように、配線パターン12の欠陥部の修正を行うにあたり、印刷定盤30に載置された基材10を撮像し、撮像された基材10の画像に基づいて当該基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aを検出することにより、配線パターン12の欠陥部の修正作業を自動的に行うことができるので、操作者の負担を小さくすることができるともに人為的な位置決めミス等のトラブルが発生することを抑制することができる。
【0034】
本実施の形態のスクリーン印刷装置においては、前述したように、制御部50は、印刷定盤30に載置された基材10に修正用ペースト28を付着させる際に、修正用スクリーン印刷部20のスクリーン版22に設けられた貫通穴22aと基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aとの位置が合うよう、修正用スクリーン印刷部駆動機構27を制御して修正用スクリーン印刷部20を移動させることにより基材10に対する修正用スクリーン印刷部20の位置を調整するようになっている。このことにより、基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aに対する、修正用スクリーン印刷部20のスクリーン版22に設けられた貫通穴22aの位置合わせを自動的に行うことができるようになる。
【0035】
また、制御部50は、印刷定盤30に載置された基材10に修正用ペースト28を付着させる際に、修正用スクリーン印刷部20のスクリーン版22に設けられた貫通穴22aと基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aとの位置が合うよう、印刷定盤駆動機構32を制御して印刷定盤30を移動させることにより基材10に対する修正用スクリーン印刷部20の位置を調整するようになっていてもよい。この場合でも、基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aに対する、修正用スクリーン印刷部20のスクリーン版22に設けられた貫通穴22aの位置合わせを自動的に行うことができるようになる。
【0036】
また、本実施の形態のスクリーン印刷装置においては、制御部50は、マイクロスコープ40により撮像された基材10の画像における配線パターン12と、配線パターン記憶部52に記憶された配線パターン13とを比較することにより、基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aを検出するようになっている。このような方法によれば、基材10における配線パターン12の欠けた箇所12aを確実に検出することができるようになる。
【0037】
なお、本実施の形態によるスクリーン印刷装置および印刷方法は、上記の態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0038】
例えば、修正用スクリーン印刷部20において、スクリーン版22は、貫通穴22aの形状や大きさ等の構成が異なる複数の種類のものが用意されていてもよい。この場合には、修正用スクリーン印刷部20において複数の種類のスクリーン版22が交換可能となっている。このことにより、配線パターン12の線幅に応じて当該線幅に合致する貫通穴22aが設けられた適切なスクリーン版22を選択することができるようになる。
【0039】
また、スクリーン版22として、メタルマスクやメッシュマスクを用いてもよい。
【0040】
また、本実施の形態のスクリーン印刷装置では、印刷定盤30に載置された基材10を撮像する撮像部としてマイクロスコープ40を例に挙げて説明したが、撮像部はマイクロスコープ40に限定されることはなく、他の装置を用いてもよい。
【符号の説明】
【0041】
10 基材
12 配線パターン
12a 欠けた箇所
13 配線パターン記憶部に記憶された配線パターン
20 修正用スクリーン印刷部
21 保持部材
22 スクリーン版
22a 貫通穴
24 修正用スキージ
26 スキージ支持部
27 修正用スクリーン印刷部駆動機構
28 修正用ペースト
29 ガイドレール
30 印刷定盤
30a ガイドレール
32 印刷定盤駆動機構
40 マイクロスコープ
50 制御部
52 配線パターン記憶部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材が載置される印刷定盤と、
前記印刷定盤に載置された基材を撮像する撮像部と、
前記印刷定盤に載置された基材に対して修正用ペーストを付着させる修正用スクリーン印刷部であって、貫通穴が設けられたスクリーン版を介して修正用スキージにより修正用ペーストを前記印刷定盤上の基材に転移させる修正用スクリーン印刷部と、
前記撮像部により撮像された基材の画像に基づいて当該基材における配線パターンの欠けた箇所を検出し、当該基材における配線パターンの欠けた箇所に修正用ペーストを付着させるよう前記修正用スクリーン印刷部を制御する制御部と、
を備えたことを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項2】
前記修正用スクリーン印刷部を水平方向に移動させる修正用スクリーン印刷部駆動機構を更に備え、
前記制御部は、前記印刷定盤に載置された基材に修正用ペーストを付着させる際に、前記修正用スクリーン印刷部の前記スクリーン版に設けられた貫通穴と前記基材における配線パターンの欠けた箇所との位置が合うよう、前記修正用スクリーン印刷部駆動機構を制御して前記修正用スクリーン印刷部を移動させることにより前記基材に対する前記修正用スクリーン印刷部の位置を調整することを特徴とする請求項1記載のスクリーン印刷装置。
【請求項3】
前記印刷定盤を水平方向に移動させる印刷定盤駆動機構を更に備え、
前記制御部は、前記印刷定盤に載置された基材に修正用ペーストを付着させる際に、前記修正用スクリーン印刷部の前記スクリーン版に設けられた貫通穴と前記基材における配線パターンの欠けた箇所との位置が合うよう、前記印刷定盤駆動機構を制御して前記印刷定盤を移動させることにより前記基材に対する前記修正用スクリーン印刷部の位置を調整することを特徴とする請求項1記載のスクリーン印刷装置。
【請求項4】
前記スクリーン版は、貫通穴の構成が異なる複数の種類のものが用意されており、
前記修正用スクリーン印刷部において前記複数の種類のスクリーン版が交換可能となっていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項5】
所定の配線パターンを予め記憶する配線パターン記憶部を更に備え、
前記制御部は、前記撮像部により撮像された基材の画像における配線パターンと、前記配線パターン記憶部に記憶された配線パターンとを比較することにより、基材における配線パターンの欠けた箇所を検出することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項6】
印刷定盤に載置された基材を撮像する工程と、
撮像された基材の画像に基づいて当該基材における配線パターンの欠けた箇所を検出する工程と、
修正用スクリーン印刷部のスクリーン版に設けられた貫通穴と基材における配線パターンの欠けた箇所との位置が合うよう、前記基材に対する前記修正用スクリーン印刷部の位置を調整する工程と、
前記修正用スクリーン印刷部により、前記基材における配線パターンの欠けた箇所に修正用ペーストを付着させる工程と、
を備えたことを特徴とするスクリーン印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−63523(P2013−63523A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−202045(P2011−202045)
【出願日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】