スクリーン印刷装置及びスクリーン印刷方法
【課題】被印刷面(例えばプリント基板表面)に印刷材料(例えばクリームはんだ)を安定して印刷する。
【解決手段】少なくとも二枚のマスクと、前記各マスクを重ねることによりその厚み方向に開口が貫通するスクリーン印刷用のマスクを構成するマスク構成手段と、を備えることを特徴とするスクリーン印刷装置。このスクリーン印刷装置は、例えば、前記スクリーン印刷用のマスクと被印刷面とを重ねる手段と、前記スクリーン印刷用のマスクが重ねられた被印刷面と前記開口とによって規定される空間に印刷材料を充填する充填手段と、前記充填手段による充填動作の後に、前記各マスクを順次分離する分離手段と、を備える。
【解決手段】少なくとも二枚のマスクと、前記各マスクを重ねることによりその厚み方向に開口が貫通するスクリーン印刷用のマスクを構成するマスク構成手段と、を備えることを特徴とするスクリーン印刷装置。このスクリーン印刷装置は、例えば、前記スクリーン印刷用のマスクと被印刷面とを重ねる手段と、前記スクリーン印刷用のマスクが重ねられた被印刷面と前記開口とによって規定される空間に印刷材料を充填する充填手段と、前記充填手段による充填動作の後に、前記各マスクを順次分離する分離手段と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン印刷装置に係り、特に、被印刷面(例えばプリント基板表面)に印刷材料(例えばクリームはんだ)を安定して印刷するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、はんだ付けを良好に行う観点より、プリント基板等の被印刷面にクリームはんだによる印刷が行われている。
【0003】
この従来の印刷工程について図面を参照しながら説明する。まず、図17(a)(b)に示すように、スクリーン印刷用のマスクM´(その厚み方向に開口が貫通している一枚のマスク)をプリント基板P表面に重ね、このマスクM´表面に沿ってスキージSを移動させて(図中矢印の方向)プリント基板表面と前記開口とによって規定される空間にクリームはんだKを充填する。この充填動作の後、図17(c)に示すように、プリント基板P表面からマスクM´を分離する。これにより、前記空間に充填されたクリームはんだKがその粘着力によってプリント基板表面に残り(転写され)、印刷が完了する。
【0004】
しかしながら、従来の印刷工程においては、図18に示すように、前記空間に充填されたクリームはんだKの一部(又は全部)がマスクM´側に残存し、その分だけプリント基板表面に転写されるクリームはんだKが減少する(すなわち、マスク分離の際のはんだ抜けが悪くなる)ことがあり、クリームはんだKを安定して印刷できないという問題がある。特に、開口内壁面積と開口の断面面積との比(アスペクト比)がある値より大きくなった場合(例えば一般的な板厚120〜150μmのマスクに300μm程度以下の開口を形成した場合)、はんだ抜けの悪さが目立つ。
【0005】
なお、本発明に関連すると思われるものとして版抜け性を向上する事を目的としたスクリーン印刷方法があるが(特許文献1、2)いずれも一枚のマスクによる印刷方法についてのものである。
【特許文献1】特開平7−304152号公報
【特許文献2】特開2000−127347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、被印刷面(例えばプリント基板表面)に印刷材料(例えばクリームはんだ)を安定して印刷するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、次の構成を採る。
【0008】
少なくとも二枚のマスクと、前記各マスクを重ねることによりその厚み方向に開口が貫通するスクリーン印刷用のマスクを構成するマスク構成手段と、を備えることを特徴とするスクリーン印刷装置。
【0009】
本発明によれば、少なくとも二枚のマスクを重ねることによりその厚み方向に貫通する開口が貫通するスクリーン印刷用のマスクを構成することが可能となる。
【0010】
また、上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記スクリーン印刷用のマスクと被印刷面とを重ねる手段と、前記スクリーン印刷用のマスクが重ねられた被印刷面と前記開口とによって規定される空間に印刷材料を充填する充填手段と、前記充填手段による充填動作の後に、前記各マスクを順次分離する分離手段と、を備える。
【0011】
このようにすれば、従来と同様に、スクリーン印刷用のマスクが重ねられた被印刷面とスクリーン印刷用のマスク開口とによって規定される空間に印刷材料(例えばクリームはんだ)を充填することが可能になるとともに、この充填動作の後に、各マスクを順次分離することが可能となる。すなわち、各マスクを順次分離するので各マスク分離の際、クリームはんだとマスク(に貫通した開口内壁)との接触面積が従来に比較して小さくなるから、マスク分離の際の印刷材料(例えばクリームはんだ)の抜けが良好となる。すなわち、マスクに貫通した開口のサイズにかかわらず(アスペクト比にかかわらず)、安定したスクリーン印刷が可能となる。
【0012】
また、本発明は次のように特定することができる。
【0013】
被印刷面に重ねられる第1マスクと、前記第1マスクに重ねられる第2マスクと、前記第1マスクと第2マスクとを重ねることによりその厚み方向に開口が貫通するスクリーン印刷用のマスクを構成するマスク構成手段と、を備えることを特徴とするスクリーン印刷装置。
【0014】
本発明によれば、第1マスクと第2マスクとを重ねることによりその厚み方向に開口が貫通するスクリーン印刷用のマスクを構成することが可能となる。
【0015】
上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記スクリーン印刷用のマスクと被印刷面とを重ねる手段と、前記スクリーン印刷用のマスクが重ねられた被印刷面と前記開口とによって規定される空間に印刷材料を充填する充填手段と、前記充填手段による充填動作の後に、前記第2マスクを前記第1マスクから分離する第1分離手段と、前記第1分離手段による分離動作の後に、前記第1マスクを前記被印刷面から分離する第2分離手段と、を備える。
【0016】
このようによれば、従来と同様に、スクリーン印刷用のマスクが重ねられた被印刷面とスクリーン印刷用のマスク開口とによって規定される空間に印刷材料(例えばクリームはんだ)を充填することが可能になるとともに、この充填動作の後に、まず第2マスクを分離し、次に第1マスクを分離することが可能となる。すなわち、各マスクを順次分離するので各マスク分離の際、クリームはんだと各マスク(に貫通した開口内壁)との接触面積が従来に比較して小さくなるから、マスク分離の際の印刷材料(例えばクリームはんだ)の抜けが良好となる。すなわち、マスクに貫通した開口のサイズにかかわらず(アスペクト比にかかわらず)、安定したスクリーン印刷が可能となる。
【0017】
また、上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記マスク構成手段は、前記第1マスクと第2マスクとを面接触するように重ねる。
【0018】
これは、重ね方の例示である。
【0019】
また、上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記マスク構成手段は、前記第1マスクと第2マスクとを一定間隔をおいて重ねる。
【0020】
これも、重ね方の例示である。このようにすれば、例えば、充填手段としてスキージを採用する場合には、少なくともスキージが位置する第2マスクの部分が弾性変形して第2マスクと第1マスクとが面接触するから印刷材料を充填しやすくなる。一方、印刷材料充填後、第2マスクは弾性変形前の形状に自然復帰する。すなわち、第1マスクを移動させるための構成(例えば第1実施形態におけるモータMOやボールねじN)を備えていないにもかかわらず、第1マスクから第2マスクを分離することが可能となる。したがって、スクリーン印刷装置の構造を簡素化できる。
【0021】
また、上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記第1マスクに貫通する開口の端部は面取りされている。
【0022】
このようにすれば、第1マスク分離の際にその開口端部がクリームはんだに接触してこれを掻き取ることを防止することが可能となる。
【0023】
また、上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記第2マスクに貫通する開口は第1マスクに貫通する開口よりも小さい。
【0024】
このようにすれば、第1マスク分離の際にその開口端部がクリームはんだに接触してこれを掻き取ることを防止することが可能となる。
【0025】
また、上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記第1マスクは第2マスクよりも剛性の低い材料により構成される。
【0026】
第1マスクをより剛性の低い材質からなるマスクとしたので、かりに被印刷面に凹凸や反りが生じていたとしても、その表面に密着する割合が高くなるから、従来のように被印刷面とマスクとの間から印刷材料がにじむことを防止することが可能となる。しかも、第2マスクをより剛性の高い材質からなるマスクとすることで、その摩耗を低減でき、長期間安定して印刷することが可能となる。例えば、前記第2マスクを金属材料により構成し、前記第1マスクを弾性材料、合成樹脂、又はゴム材料により構成することが考えられる。これは、各マスクを構成する材料の例示である。
【0027】
また、上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記第1マスクと第2マスクとは厚みが異なっている。例えば、前記第2マスクの厚みは第1マスクの厚みよりも大きい。
【0028】
これは、各マスクの厚みの例示である。第2マスクの方がアスペクト比が大きくても抜けやすいため、このようにすれば、第1マスクのアスペクト比を小さくしてより安定して印刷することが可能となる。
【0029】
また、上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記第1マスクと第2マスクとの接触面をクリーニングする手段をさらに備える。
【0030】
このようにすれば、機械を止めて各マスクを掃除する必要がないので生産効率を向上することが可能となる。
【0031】
また、上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記印刷材料はクリームはんだである。
【0032】
これは、印刷材料の例示である。
【0033】
また、本発明は方法の発明として次のように特定することができる。
【0034】
その厚み方向に開口が貫通するスクリーン印刷用マスクを少なくとも二枚のマスクを重ねることにより構成し、前記スクリーン印刷用マスクが重ねられる被印刷面と前記開口とによって規定される空間に印刷材料を充填し、この充填動作の後に、前記各マスクを順次分離することを特徴とするスクリーン印刷方法。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、被印刷面(例えばプリント基板表面)に印刷材料(例えばクリームはんだ)を安定して印刷することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の一実施形態(第1実施形態)であるスクリーン印刷装置について図面を参照しながら説明する。
【0037】
図1はスクリーン印刷装置の主要構成を説明するための図である。図1に示すように、スクリーン印刷装置10は上下二枚のマスクM1、M2を備えている。なお、必要に応じて適宜の枚数のマスクとすることが可能である。
(上側マスク支持構造)
図1、図2に示すように、上側のマスクM1は、例えばその周囲が枠M1aで囲われて補強されたメタルマスクであり、その厚み方向に複数の開口M1bが貫通している。図1に示すように、上側のマスクM1は、その枠M1aが左右のマスク支持プレート20にそれぞれねじ止め等で固定され、略水平の姿勢を維持している。
【0038】
各マスク支持プレート20にはその厚み方向にボールねじNが螺合するねじ穴21が形成されている。なお、左右マスク支持プレート20の間には、本発明の充填手段としてのスキージ50が配置されている。
【0039】
各ねじ穴21にはそれぞれボールねじNが螺合しており、したがって、後述するように固定されたモータMOが回転(あるいは逆回転)すると、各ボールねじNが同一位置において同速度で回転(あるいは逆回転)し、これにより、マスク支持プレート20及びこれに固定された上側マスクM1が略水平の姿勢を維持したまま下側マスクM2に対して接離可能(昇降可能)となっている。
(下側マスク支持構造)
図3に示すように、下側のマスクM2は、例えばその周囲が枠M2aで囲われて補強されたメタルマスクであり、その厚み方向に複数の開口M2bが貫通している。この開口M2bのサイズ及び配置は、上側のマスクM1における開口M1bのサイズ及び配置と同一となっている。図1に示すように、下側のマスクM2は、その枠M2aが左右のマスク支持フレーム30にそれぞれ固定され、略水平の姿勢を維持している。なお、下側マスクM2は上側マスクM1よりも大きいサイズとなっている(図4参照)。
【0040】
各マスク支持フレーム30の上端は内側に略水平に延びて上端プレート31を形成しており、各上端プレート31にはその厚み方向にボールねじNが挿通する貫通穴32が形成されている。各貫通穴32にはボールねじNがベアリング等を介して挿通されており、同一位置で回転可能となっている。一方の貫通穴32(図中右)に挿通されたボールねじNの上端にはこのボールねじNと同軸に回転するモータMOが接続されており、さらに、このボールねじNと他方のボールねじNとはチェーンベルトB(又はゴムベルト)等により接続されている。したがって、モータMOが回転(あるいは逆回転)すると、各ボールねじNが同一位置において同速度で回転する。これにより、マスク支持プレート20及びこれに固定された上側マスクM1が略水平の姿勢を維持したまま下側マスクM2に対して接離可能(昇降可能)となっている。
【0041】
すなわち、上側マスクM1が略水平の姿勢を維持したまま所定位置まで下降することにより、図4に示すように、上側マスクM1と下側マスクM2とを重ね、これにより、その厚み方向に開口(開口M1bと開口M2bとにより構成される開口Mb)が貫通するスクリーン印刷用のマスクMを構成することが可能となっている。また、上側マスクM2が略水平の姿勢を維持したまま所定位置まで上昇することにより、下側マスクM2から上側マスクM1を分離することが可能となっている。
(プリント基板支持構造)
プリント基板Pは基板ステージ40に載置される。基板ステージ40は下側マスクM2の下方に配置されており、モータ(図示せず)に接続されたボールねじNの作用により、そのモータが回転(あるいは逆回転)すると、これにより、基板ステージ40及びこれに載置されたプリント基板Pが下側マスクM2に対して接離可能(昇降可能)となっている。
【0042】
次に本実施形態のスクリーン印刷装置10の印刷動作について図面を参照しながら説明する。
【0043】
図5は、本実施形態のスクリーン印刷装置10の印刷動作を説明するためのフローチャートである。
【0044】
なお、以下の印刷動作は主として図示しないCPU等の制御装置が行い、この印刷動作が開始される前に、図1に示すように、上側マスクM1と下側マスクM2とを面接触するように重ね、これにより、その厚み方向に複数の開口(開口M1bと開口M2bとにより構成される開口Mb)が貫通するスクリーン印刷用のマスクMが構成されているものとする。
【0045】
まず、基板ステージ40上にプリント基板Pが搬入され正しい姿勢に規正される(ステップS2、S4)。次に、モータ(図示せず)が回転し、これにより、図6(a)に示すように、基板ステージ40上のプリント基板Pが略水平の姿勢を維持したまま所定の印刷位置まで上昇する(ステップS6、図1中(1))とともに、片側スキージ50が所定位置まで下降する(ステップS8、図1中(2))。
【0046】
図6(b)に示すように、片側スキージ50は、スクリーン印刷用のマスクM(上側マスクM1)の表面に沿って移動することにより、スクリーン印刷用のマスクMが重ねられたプリント基板P表面とその開口Mbとによって規定される空間にクリームはんだKを充填する(ステップS10、図1中(3))。この充填動作が完了すると、片側スキージ50は所定位置まで上昇する(ステップS12、図1中(4))。
【0047】
次に、モータMOが回転することにより、各ボールねじNが同一位置において同速度で回転し、これにより、図6(c)に示すように、マスク支持プレート20及びこれに固定された上側マスクM1が略水平の姿勢を維持したまま上昇する(ステップS14、図1中(5))。すなわち、下側マスクM2から上側マスクM1を分離する。
【0048】
次に、モータ(図示せず)が回転し、これにより、図6(d)に示すように、基板ステージ40及びこれに載置されたプリント基板Pが下降する(ステップS16、図1中(6))。すなわち、プリント基板P表面から下側マスクM2を分離する。
【0049】
その後、上側マスクM1が略水平の姿勢を維持したまま所定位置まで下降することにより、図1に示すように、上側マスクM1と下側マスクM2とを面接触するように重ね、これにより、その厚み方向に複数の開口Mbが貫通するスクリーン印刷用のマスクMを構成する(ステップS18、図1中(7))。そして最後に、クリームはんだKが表面に印刷されたプリント基板Pを搬出する(ステップS20)。
【0050】
以上説明したように、本実施形態のスクリーン印刷装置10によれば、上側マスクM1と下側マスクM2とを面接触するように重ねることによりその厚み方向に開口Mbが貫通するスクリーン印刷用のマスクMを構成する(図6(a)参照)。そして、そのスクリーン印刷用のマスクMが重ねられたプリント基板P表面と開口Mbとによって規定される空間にクリームはんだKを充填し(図6(b)参照)、この充填動作の後に、まず上側マスクM1を分離し(図6(c)参照)、次に下側マスクM2を分離する。
【0051】
すなわち、各マスクM1、M2を順次分離するので各マスク分離の際、クリームはんだKと各マスクM1、M2(に貫通した開口M1b、M2bの内壁)との接触面積が従来に比較して小さくなるから、マスク分離の際のクリームはんだの抜けが良好となる。すなわち、マスクMに貫通した開口Mbのサイズかかわらず(アスペクト比にかかわらず)、安定したスクリーン印刷が可能となる。
【0052】
以下、本発明の他の実施形態(第2実施形態)であるスクリーン印刷装置について図面を参照しながら説明する。
【0053】
図7は、本実施形態のスクリーン印刷装置10´の主要構成を説明するための図である。
【0054】
図7に示すように、本実施形態のスクリーン印刷装置10´は、上側マスクM1と下側マスクM2とを一定間隔(例えば上側マスクM1の厚みと同等の間隔)をおいて重ね、これにより、その厚み方向に複数の開口(開口M1bと開口M2bとにより構成される開口)が貫通するスクリーン印刷用のマスクMを構成したものである。本実施形態のスクリーン印刷装置10´においては、第1実施形態のスクリーン印刷装置10とは異なり、上側マスクM1を昇降させるための構成(モータMO、ボールねじN等)を備えていない。すなわち、上側のマスクM1は、その枠M1aが左右のマスク支持フレーム30にそれぞれねじ止め等で固定され、略水平の姿勢を維持している。それ以外の構成については第1実施形態のスクリーン印刷装置10と同様であるから同一の符号を付してその説明を省略する。
【0055】
次に本実施形態のスクリーン印刷装置10´の印刷動作について図面を参照しながら説明する。
【0056】
図8は、本実施形態のスクリーン印刷装置10´の印刷動作を説明するためのフローチャートである。
【0057】
なお、以下の印刷動作は主として図示しないCPU等の制御装置が行うものとする。
【0058】
まず、基板ステージ40上にプリント基板Pが搬入され正しい姿勢に規正される(ステップS30、S32)。次に、モータ(図示せず)が回転し、これにより、図9(a)に示すように、基板ステージ40上のプリント基板Pが略水平の姿勢を維持したまま所定の印刷位置まで上昇する(ステップS34、図8中(1))とともに、片側スキージ50が所定位置まで下降する(ステップS36、図8中(2))。
【0059】
図9(b)に示すように、片側スキージ50は、スクリーン印刷用のマスクM(上側マスクM1)の表面に沿って移動することにより、スクリーン印刷用のマスクMが重ねられたプリント基板P表面とその開口Mbとによって規定される空間にクリームはんだKを充填する(ステップS38、図8中(3))。なお、スキージ50は各マスクM1、M2を基板ステージ40(プリント基板P)に押しつけるように圧を加えながら移動するから、図9(a)(b)に示すように、少なくともスキージ50が位置する上側マスクM1の部分が弾性変形して上側マスクM1と下側マスクM2とが面接触し、これによって、第1実施形態と同様、クリームはんだKが充填される空間が形成されることになる。
【0060】
この充填動作が完了すると、片側スキージ50は所定位置まで上昇する(ステップS40、図8中(4))。これにより、上側マスクM1は弾性変形前のもとの形状に自然復帰する。すなわち、第1実施形態とは異なり、上側マスクM1を昇降させるための構成(第1実施形態におけるモータMOやボールねじN)を備えていないにもかかわらず、下側マスクM2から上側マスクM1を分離する。
【0061】
次に、モータ(図示せず)が回転し、これにより、図9(d)に示すように、基板ステージ40及びこれに載置されたプリント基板Pが下降する(ステップS42、図8中(5))。すなわち、プリント基板P表面から下側マスクM2を分離する。そして、クリームはんだKが表面に印刷されたプリント基板Pを搬出する(ステップS44)。
【0062】
以上説明したように、本実施形態のスクリーン印刷装置10´によれば、上側マスクM1と下側マスクM2とを一定間隔をおいて重ねることによりその厚み方向に貫通する開口Mbが貫通するスクリーン印刷用のマスクMを構成する(図7、図9(a)参照)。そして、そのスクリーン印刷用のマスクMが重ねられたプリント基板P表面と開口Mbとによって規定される空間にクリームはんだKを充填し(図9(b)参照)、この充填動作の後に、まず上側マスクM1を分離し(図9(c)参照)、次に下側マスクM2を分離する。
【0063】
すなわち、各マスクM1、M2を順次分離するので各マスク分離の際、クリームはんだKと各マスクM1、M2(に貫通した開口M1b、M2bの内壁)との接触面積が従来に比較して小さくなるから、マスク分離の際のクリームはんだの抜けが良好となる。すなわち、マスクMに貫通した開口Mbの大きさにかかわらず(アスペクト比にかかわらず)、安定したスクリーン印刷が可能となる。
【0064】
しかも、本実施形態のスクリーン印刷装置10´によれば、第1実施形態のスクリーン印刷装置10とは異なり、上側マスクM1が弾性変形前のもとの形状に自然復帰することで、下側マスクM2から上側マスクM1を分離する(図9(b)(c)参照)。上側マスクM1を昇降させるための構成(第1実施形態におけるモータMOやボールねじN)は不要である。
(変形例)
次に、変形例について説明する。
【0065】
例えば、図10(a)(b)に示すように、上記各実施形態における下側マスクM2の開口M2bの端部を、面取りするようにしてもよい。
【0066】
このようにすれば、下側マスクM2分離の際にその開口M2b端部がクリームはんだKに接触してこれを掻き取ることを防止することが可能となる。
【0067】
また、例えば、図11(a)(b)に示すように、上記各実施形態における上側マスクM1の開口M1bのサイズを、下側マスクM2の開口M2bのサイズより小さくするようにしてもよい。
【0068】
このようにすれば、上側マスクM1分離の際にその開口M1b端部がクリームはんだKに接触してこれを掻き取ることを防止することが可能となる。
【0069】
また、例えば、上記各実施形態における上側マスクM1を金属マスク(より剛性の高い材質からなるマスク)とし、下側マスクM2を樹脂マスク(より剛性の低い材質からなるマスク)とするようにしてもよい。
【0070】
下側マスクM2をより剛性の低い材質からなるマスクで構成すれば、かりにプリント基板表面に凹凸や反りが生じていたとしても、その表面に密着する割合が高くなるから(図12(a)参照)、従来のようにプリント基板表面とマスクとの間からはんだKがにじむこと(図12(b)参照)を防止することが可能となる。しかも、上側マスクM1をより剛性の高い材質からなるマスクとしたので、その摩耗を低減でき、長期間安定して印刷することが可能となる。
【0071】
また、例えば、図13(a)(b)に示すように、上記各実施形態における上側マスクM1の厚みを、下側マスクM2の厚みよりも厚くするようにしてもよい。
【0072】
上側マスクM1の方がアスペクト比が大きくても抜けやすいため、このようにすれば、下側マスクM2のアスペクト比を小さくしてもより安定して印刷することが可能となる。
【0073】
また、例えば、上記各実施形態における上側マスクM1底面と下側マスクM2表面をクリーニングする構造60を備えるようにしてもよい。
【0074】
例えば、図14から図16に示すように、一定の間隔をおいて二本のレール61を配置し、各レール61に棒状のゴム体62の端部を、それぞれ車輪等を介して接続することにより、ゴム体62がレールに沿って往復直線運動可能なように構成する。
【0075】
そして、クリーニングが必要となったときに例えば上側マスクM1を上昇させて上側マスクM1と下側マスクM2との間に棒状のゴム体62を配置するとともに、このゴム体62を図16中矢印の方向に移動させることで、上側マスクM1底面と下側マスクM2表面(に付着したフラックス等)をクリーニングする。
【0076】
なお、ゴム体62と各マスクとは線接触するのがクリーニングには望ましいから、ゴム体62は、その断面が円形であってもよいし、楕円径であってもよいし、四角等の多角形であってもよいし(多角形の角の部分で線接触させる)、あるいは図16に示すように、比較的鋭角の2つの部分を持つ円断面であってもよい。
【0077】
このようにすれば、機械を止めて各マスクM1、M2を掃除する必要がないので生産効率を向上することが可能となる。
【0078】
また、第2実施形態のスクリーン印刷装置10´においては、上側マスクM1はマスク支持フレーム30に固定されており、上側マスクM1を昇降させるための構成(モータMO、ボールねじN等)を備えていないように説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0079】
例えば、第1実施形態のスクリーン印刷装置によっても、第2実施形態のスクリーン印刷装置10と同じ状態を作り出すことで、第2実施形態のスクリーン印刷装置10´と同様の印刷動作を行わせることが可能である。
【0080】
具体的には、図8に示す印刷動作が開始される前に、上側マスクM1を下降させて、上側マスクM1と下側マスクM2とを一定間隔(例えば上側マスクM1の厚みと同等の間隔)をおいて重ね、これによりその厚み方向に複数の開口(開口M1bと開口M2bとにより構成される開口)が貫通するスクリーン印刷用のマスクMを構成する。これにより、第2実施形態のスクリーン印刷装置10と同じ状態を作り出す。なお、この後の印刷動作は図8と同様である。
【0081】
このようにすれば、上側マスクM1分離のための制御が不要になる。
【0082】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1実施形態であるスクリーン印刷装置の主要構成を説明するための図である。
【図2】上側マスクの平面図である。
【図3】下側マスクの平面図である。
【図4】上下マスクを重ねた状態の平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態であるスクリーン印刷装置の印刷動作について説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態であるスクリーン印刷装置の印刷動作について説明するための図である。
【図7】本発明の第2実施形態であるスクリーン印刷装置の主要構成を説明するための図である。
【図8】本発明の第2実施形態であるスクリーン印刷装置の印刷動作について説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態であるスクリーン印刷装置の印刷動作について説明するための図である。
【図10】各実施形態の変形例を説明するための図である。
【図11】各実施形態の変形例を説明するための図である。
【図12】(a)は各実施形態の変形例を説明するための図である。(b)は各実施形態の変形例の従来例を説明するための図である。
【図13】各実施形態の変形例を説明するための図である。
【図14】各実施形態の変形例を説明するための図である。
【図15】各実施形態の変形例を説明するための図である。
【図16】各実施形態の変形例を説明するための図である。
【図17】本発明の実施形態であるスクリーン印刷装置の従来技術について説明するための図である。
【図18】本発明の実施形態であるスクリーン印刷装置の従来技術の問題点について説明するための図である。
【符号の説明】
【0084】
10…スクリーン印刷装置、20…マスク支持フレーム、21…上端プレート、22…ねじ穴、30…マスク支持フレーム、31…上端プレート、32…貫通穴、40…基板ステージ、50…スキージ、60…クリーニング機構、61…レール、62…ゴム体、B…チェーンベルト、M…マスク、M1…上側マスク、M1a…枠、M1b…開口、M2…下側マスク、M2a…枠、M2b…開口、MO…モータ、P…プリント基板、M´…マスク(従来のマスク)
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクリーン印刷装置に係り、特に、被印刷面(例えばプリント基板表面)に印刷材料(例えばクリームはんだ)を安定して印刷するための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、はんだ付けを良好に行う観点より、プリント基板等の被印刷面にクリームはんだによる印刷が行われている。
【0003】
この従来の印刷工程について図面を参照しながら説明する。まず、図17(a)(b)に示すように、スクリーン印刷用のマスクM´(その厚み方向に開口が貫通している一枚のマスク)をプリント基板P表面に重ね、このマスクM´表面に沿ってスキージSを移動させて(図中矢印の方向)プリント基板表面と前記開口とによって規定される空間にクリームはんだKを充填する。この充填動作の後、図17(c)に示すように、プリント基板P表面からマスクM´を分離する。これにより、前記空間に充填されたクリームはんだKがその粘着力によってプリント基板表面に残り(転写され)、印刷が完了する。
【0004】
しかしながら、従来の印刷工程においては、図18に示すように、前記空間に充填されたクリームはんだKの一部(又は全部)がマスクM´側に残存し、その分だけプリント基板表面に転写されるクリームはんだKが減少する(すなわち、マスク分離の際のはんだ抜けが悪くなる)ことがあり、クリームはんだKを安定して印刷できないという問題がある。特に、開口内壁面積と開口の断面面積との比(アスペクト比)がある値より大きくなった場合(例えば一般的な板厚120〜150μmのマスクに300μm程度以下の開口を形成した場合)、はんだ抜けの悪さが目立つ。
【0005】
なお、本発明に関連すると思われるものとして版抜け性を向上する事を目的としたスクリーン印刷方法があるが(特許文献1、2)いずれも一枚のマスクによる印刷方法についてのものである。
【特許文献1】特開平7−304152号公報
【特許文献2】特開2000−127347号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の課題は、被印刷面(例えばプリント基板表面)に印刷材料(例えばクリームはんだ)を安定して印刷するための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、次の構成を採る。
【0008】
少なくとも二枚のマスクと、前記各マスクを重ねることによりその厚み方向に開口が貫通するスクリーン印刷用のマスクを構成するマスク構成手段と、を備えることを特徴とするスクリーン印刷装置。
【0009】
本発明によれば、少なくとも二枚のマスクを重ねることによりその厚み方向に貫通する開口が貫通するスクリーン印刷用のマスクを構成することが可能となる。
【0010】
また、上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記スクリーン印刷用のマスクと被印刷面とを重ねる手段と、前記スクリーン印刷用のマスクが重ねられた被印刷面と前記開口とによって規定される空間に印刷材料を充填する充填手段と、前記充填手段による充填動作の後に、前記各マスクを順次分離する分離手段と、を備える。
【0011】
このようにすれば、従来と同様に、スクリーン印刷用のマスクが重ねられた被印刷面とスクリーン印刷用のマスク開口とによって規定される空間に印刷材料(例えばクリームはんだ)を充填することが可能になるとともに、この充填動作の後に、各マスクを順次分離することが可能となる。すなわち、各マスクを順次分離するので各マスク分離の際、クリームはんだとマスク(に貫通した開口内壁)との接触面積が従来に比較して小さくなるから、マスク分離の際の印刷材料(例えばクリームはんだ)の抜けが良好となる。すなわち、マスクに貫通した開口のサイズにかかわらず(アスペクト比にかかわらず)、安定したスクリーン印刷が可能となる。
【0012】
また、本発明は次のように特定することができる。
【0013】
被印刷面に重ねられる第1マスクと、前記第1マスクに重ねられる第2マスクと、前記第1マスクと第2マスクとを重ねることによりその厚み方向に開口が貫通するスクリーン印刷用のマスクを構成するマスク構成手段と、を備えることを特徴とするスクリーン印刷装置。
【0014】
本発明によれば、第1マスクと第2マスクとを重ねることによりその厚み方向に開口が貫通するスクリーン印刷用のマスクを構成することが可能となる。
【0015】
上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記スクリーン印刷用のマスクと被印刷面とを重ねる手段と、前記スクリーン印刷用のマスクが重ねられた被印刷面と前記開口とによって規定される空間に印刷材料を充填する充填手段と、前記充填手段による充填動作の後に、前記第2マスクを前記第1マスクから分離する第1分離手段と、前記第1分離手段による分離動作の後に、前記第1マスクを前記被印刷面から分離する第2分離手段と、を備える。
【0016】
このようによれば、従来と同様に、スクリーン印刷用のマスクが重ねられた被印刷面とスクリーン印刷用のマスク開口とによって規定される空間に印刷材料(例えばクリームはんだ)を充填することが可能になるとともに、この充填動作の後に、まず第2マスクを分離し、次に第1マスクを分離することが可能となる。すなわち、各マスクを順次分離するので各マスク分離の際、クリームはんだと各マスク(に貫通した開口内壁)との接触面積が従来に比較して小さくなるから、マスク分離の際の印刷材料(例えばクリームはんだ)の抜けが良好となる。すなわち、マスクに貫通した開口のサイズにかかわらず(アスペクト比にかかわらず)、安定したスクリーン印刷が可能となる。
【0017】
また、上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記マスク構成手段は、前記第1マスクと第2マスクとを面接触するように重ねる。
【0018】
これは、重ね方の例示である。
【0019】
また、上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記マスク構成手段は、前記第1マスクと第2マスクとを一定間隔をおいて重ねる。
【0020】
これも、重ね方の例示である。このようにすれば、例えば、充填手段としてスキージを採用する場合には、少なくともスキージが位置する第2マスクの部分が弾性変形して第2マスクと第1マスクとが面接触するから印刷材料を充填しやすくなる。一方、印刷材料充填後、第2マスクは弾性変形前の形状に自然復帰する。すなわち、第1マスクを移動させるための構成(例えば第1実施形態におけるモータMOやボールねじN)を備えていないにもかかわらず、第1マスクから第2マスクを分離することが可能となる。したがって、スクリーン印刷装置の構造を簡素化できる。
【0021】
また、上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記第1マスクに貫通する開口の端部は面取りされている。
【0022】
このようにすれば、第1マスク分離の際にその開口端部がクリームはんだに接触してこれを掻き取ることを防止することが可能となる。
【0023】
また、上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記第2マスクに貫通する開口は第1マスクに貫通する開口よりも小さい。
【0024】
このようにすれば、第1マスク分離の際にその開口端部がクリームはんだに接触してこれを掻き取ることを防止することが可能となる。
【0025】
また、上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記第1マスクは第2マスクよりも剛性の低い材料により構成される。
【0026】
第1マスクをより剛性の低い材質からなるマスクとしたので、かりに被印刷面に凹凸や反りが生じていたとしても、その表面に密着する割合が高くなるから、従来のように被印刷面とマスクとの間から印刷材料がにじむことを防止することが可能となる。しかも、第2マスクをより剛性の高い材質からなるマスクとすることで、その摩耗を低減でき、長期間安定して印刷することが可能となる。例えば、前記第2マスクを金属材料により構成し、前記第1マスクを弾性材料、合成樹脂、又はゴム材料により構成することが考えられる。これは、各マスクを構成する材料の例示である。
【0027】
また、上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記第1マスクと第2マスクとは厚みが異なっている。例えば、前記第2マスクの厚みは第1マスクの厚みよりも大きい。
【0028】
これは、各マスクの厚みの例示である。第2マスクの方がアスペクト比が大きくても抜けやすいため、このようにすれば、第1マスクのアスペクト比を小さくしてより安定して印刷することが可能となる。
【0029】
また、上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記第1マスクと第2マスクとの接触面をクリーニングする手段をさらに備える。
【0030】
このようにすれば、機械を止めて各マスクを掃除する必要がないので生産効率を向上することが可能となる。
【0031】
また、上記スクリーン印刷装置においては、例えば、前記印刷材料はクリームはんだである。
【0032】
これは、印刷材料の例示である。
【0033】
また、本発明は方法の発明として次のように特定することができる。
【0034】
その厚み方向に開口が貫通するスクリーン印刷用マスクを少なくとも二枚のマスクを重ねることにより構成し、前記スクリーン印刷用マスクが重ねられる被印刷面と前記開口とによって規定される空間に印刷材料を充填し、この充填動作の後に、前記各マスクを順次分離することを特徴とするスクリーン印刷方法。
【発明の効果】
【0035】
本発明によれば、被印刷面(例えばプリント基板表面)に印刷材料(例えばクリームはんだ)を安定して印刷することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の一実施形態(第1実施形態)であるスクリーン印刷装置について図面を参照しながら説明する。
【0037】
図1はスクリーン印刷装置の主要構成を説明するための図である。図1に示すように、スクリーン印刷装置10は上下二枚のマスクM1、M2を備えている。なお、必要に応じて適宜の枚数のマスクとすることが可能である。
(上側マスク支持構造)
図1、図2に示すように、上側のマスクM1は、例えばその周囲が枠M1aで囲われて補強されたメタルマスクであり、その厚み方向に複数の開口M1bが貫通している。図1に示すように、上側のマスクM1は、その枠M1aが左右のマスク支持プレート20にそれぞれねじ止め等で固定され、略水平の姿勢を維持している。
【0038】
各マスク支持プレート20にはその厚み方向にボールねじNが螺合するねじ穴21が形成されている。なお、左右マスク支持プレート20の間には、本発明の充填手段としてのスキージ50が配置されている。
【0039】
各ねじ穴21にはそれぞれボールねじNが螺合しており、したがって、後述するように固定されたモータMOが回転(あるいは逆回転)すると、各ボールねじNが同一位置において同速度で回転(あるいは逆回転)し、これにより、マスク支持プレート20及びこれに固定された上側マスクM1が略水平の姿勢を維持したまま下側マスクM2に対して接離可能(昇降可能)となっている。
(下側マスク支持構造)
図3に示すように、下側のマスクM2は、例えばその周囲が枠M2aで囲われて補強されたメタルマスクであり、その厚み方向に複数の開口M2bが貫通している。この開口M2bのサイズ及び配置は、上側のマスクM1における開口M1bのサイズ及び配置と同一となっている。図1に示すように、下側のマスクM2は、その枠M2aが左右のマスク支持フレーム30にそれぞれ固定され、略水平の姿勢を維持している。なお、下側マスクM2は上側マスクM1よりも大きいサイズとなっている(図4参照)。
【0040】
各マスク支持フレーム30の上端は内側に略水平に延びて上端プレート31を形成しており、各上端プレート31にはその厚み方向にボールねじNが挿通する貫通穴32が形成されている。各貫通穴32にはボールねじNがベアリング等を介して挿通されており、同一位置で回転可能となっている。一方の貫通穴32(図中右)に挿通されたボールねじNの上端にはこのボールねじNと同軸に回転するモータMOが接続されており、さらに、このボールねじNと他方のボールねじNとはチェーンベルトB(又はゴムベルト)等により接続されている。したがって、モータMOが回転(あるいは逆回転)すると、各ボールねじNが同一位置において同速度で回転する。これにより、マスク支持プレート20及びこれに固定された上側マスクM1が略水平の姿勢を維持したまま下側マスクM2に対して接離可能(昇降可能)となっている。
【0041】
すなわち、上側マスクM1が略水平の姿勢を維持したまま所定位置まで下降することにより、図4に示すように、上側マスクM1と下側マスクM2とを重ね、これにより、その厚み方向に開口(開口M1bと開口M2bとにより構成される開口Mb)が貫通するスクリーン印刷用のマスクMを構成することが可能となっている。また、上側マスクM2が略水平の姿勢を維持したまま所定位置まで上昇することにより、下側マスクM2から上側マスクM1を分離することが可能となっている。
(プリント基板支持構造)
プリント基板Pは基板ステージ40に載置される。基板ステージ40は下側マスクM2の下方に配置されており、モータ(図示せず)に接続されたボールねじNの作用により、そのモータが回転(あるいは逆回転)すると、これにより、基板ステージ40及びこれに載置されたプリント基板Pが下側マスクM2に対して接離可能(昇降可能)となっている。
【0042】
次に本実施形態のスクリーン印刷装置10の印刷動作について図面を参照しながら説明する。
【0043】
図5は、本実施形態のスクリーン印刷装置10の印刷動作を説明するためのフローチャートである。
【0044】
なお、以下の印刷動作は主として図示しないCPU等の制御装置が行い、この印刷動作が開始される前に、図1に示すように、上側マスクM1と下側マスクM2とを面接触するように重ね、これにより、その厚み方向に複数の開口(開口M1bと開口M2bとにより構成される開口Mb)が貫通するスクリーン印刷用のマスクMが構成されているものとする。
【0045】
まず、基板ステージ40上にプリント基板Pが搬入され正しい姿勢に規正される(ステップS2、S4)。次に、モータ(図示せず)が回転し、これにより、図6(a)に示すように、基板ステージ40上のプリント基板Pが略水平の姿勢を維持したまま所定の印刷位置まで上昇する(ステップS6、図1中(1))とともに、片側スキージ50が所定位置まで下降する(ステップS8、図1中(2))。
【0046】
図6(b)に示すように、片側スキージ50は、スクリーン印刷用のマスクM(上側マスクM1)の表面に沿って移動することにより、スクリーン印刷用のマスクMが重ねられたプリント基板P表面とその開口Mbとによって規定される空間にクリームはんだKを充填する(ステップS10、図1中(3))。この充填動作が完了すると、片側スキージ50は所定位置まで上昇する(ステップS12、図1中(4))。
【0047】
次に、モータMOが回転することにより、各ボールねじNが同一位置において同速度で回転し、これにより、図6(c)に示すように、マスク支持プレート20及びこれに固定された上側マスクM1が略水平の姿勢を維持したまま上昇する(ステップS14、図1中(5))。すなわち、下側マスクM2から上側マスクM1を分離する。
【0048】
次に、モータ(図示せず)が回転し、これにより、図6(d)に示すように、基板ステージ40及びこれに載置されたプリント基板Pが下降する(ステップS16、図1中(6))。すなわち、プリント基板P表面から下側マスクM2を分離する。
【0049】
その後、上側マスクM1が略水平の姿勢を維持したまま所定位置まで下降することにより、図1に示すように、上側マスクM1と下側マスクM2とを面接触するように重ね、これにより、その厚み方向に複数の開口Mbが貫通するスクリーン印刷用のマスクMを構成する(ステップS18、図1中(7))。そして最後に、クリームはんだKが表面に印刷されたプリント基板Pを搬出する(ステップS20)。
【0050】
以上説明したように、本実施形態のスクリーン印刷装置10によれば、上側マスクM1と下側マスクM2とを面接触するように重ねることによりその厚み方向に開口Mbが貫通するスクリーン印刷用のマスクMを構成する(図6(a)参照)。そして、そのスクリーン印刷用のマスクMが重ねられたプリント基板P表面と開口Mbとによって規定される空間にクリームはんだKを充填し(図6(b)参照)、この充填動作の後に、まず上側マスクM1を分離し(図6(c)参照)、次に下側マスクM2を分離する。
【0051】
すなわち、各マスクM1、M2を順次分離するので各マスク分離の際、クリームはんだKと各マスクM1、M2(に貫通した開口M1b、M2bの内壁)との接触面積が従来に比較して小さくなるから、マスク分離の際のクリームはんだの抜けが良好となる。すなわち、マスクMに貫通した開口Mbのサイズかかわらず(アスペクト比にかかわらず)、安定したスクリーン印刷が可能となる。
【0052】
以下、本発明の他の実施形態(第2実施形態)であるスクリーン印刷装置について図面を参照しながら説明する。
【0053】
図7は、本実施形態のスクリーン印刷装置10´の主要構成を説明するための図である。
【0054】
図7に示すように、本実施形態のスクリーン印刷装置10´は、上側マスクM1と下側マスクM2とを一定間隔(例えば上側マスクM1の厚みと同等の間隔)をおいて重ね、これにより、その厚み方向に複数の開口(開口M1bと開口M2bとにより構成される開口)が貫通するスクリーン印刷用のマスクMを構成したものである。本実施形態のスクリーン印刷装置10´においては、第1実施形態のスクリーン印刷装置10とは異なり、上側マスクM1を昇降させるための構成(モータMO、ボールねじN等)を備えていない。すなわち、上側のマスクM1は、その枠M1aが左右のマスク支持フレーム30にそれぞれねじ止め等で固定され、略水平の姿勢を維持している。それ以外の構成については第1実施形態のスクリーン印刷装置10と同様であるから同一の符号を付してその説明を省略する。
【0055】
次に本実施形態のスクリーン印刷装置10´の印刷動作について図面を参照しながら説明する。
【0056】
図8は、本実施形態のスクリーン印刷装置10´の印刷動作を説明するためのフローチャートである。
【0057】
なお、以下の印刷動作は主として図示しないCPU等の制御装置が行うものとする。
【0058】
まず、基板ステージ40上にプリント基板Pが搬入され正しい姿勢に規正される(ステップS30、S32)。次に、モータ(図示せず)が回転し、これにより、図9(a)に示すように、基板ステージ40上のプリント基板Pが略水平の姿勢を維持したまま所定の印刷位置まで上昇する(ステップS34、図8中(1))とともに、片側スキージ50が所定位置まで下降する(ステップS36、図8中(2))。
【0059】
図9(b)に示すように、片側スキージ50は、スクリーン印刷用のマスクM(上側マスクM1)の表面に沿って移動することにより、スクリーン印刷用のマスクMが重ねられたプリント基板P表面とその開口Mbとによって規定される空間にクリームはんだKを充填する(ステップS38、図8中(3))。なお、スキージ50は各マスクM1、M2を基板ステージ40(プリント基板P)に押しつけるように圧を加えながら移動するから、図9(a)(b)に示すように、少なくともスキージ50が位置する上側マスクM1の部分が弾性変形して上側マスクM1と下側マスクM2とが面接触し、これによって、第1実施形態と同様、クリームはんだKが充填される空間が形成されることになる。
【0060】
この充填動作が完了すると、片側スキージ50は所定位置まで上昇する(ステップS40、図8中(4))。これにより、上側マスクM1は弾性変形前のもとの形状に自然復帰する。すなわち、第1実施形態とは異なり、上側マスクM1を昇降させるための構成(第1実施形態におけるモータMOやボールねじN)を備えていないにもかかわらず、下側マスクM2から上側マスクM1を分離する。
【0061】
次に、モータ(図示せず)が回転し、これにより、図9(d)に示すように、基板ステージ40及びこれに載置されたプリント基板Pが下降する(ステップS42、図8中(5))。すなわち、プリント基板P表面から下側マスクM2を分離する。そして、クリームはんだKが表面に印刷されたプリント基板Pを搬出する(ステップS44)。
【0062】
以上説明したように、本実施形態のスクリーン印刷装置10´によれば、上側マスクM1と下側マスクM2とを一定間隔をおいて重ねることによりその厚み方向に貫通する開口Mbが貫通するスクリーン印刷用のマスクMを構成する(図7、図9(a)参照)。そして、そのスクリーン印刷用のマスクMが重ねられたプリント基板P表面と開口Mbとによって規定される空間にクリームはんだKを充填し(図9(b)参照)、この充填動作の後に、まず上側マスクM1を分離し(図9(c)参照)、次に下側マスクM2を分離する。
【0063】
すなわち、各マスクM1、M2を順次分離するので各マスク分離の際、クリームはんだKと各マスクM1、M2(に貫通した開口M1b、M2bの内壁)との接触面積が従来に比較して小さくなるから、マスク分離の際のクリームはんだの抜けが良好となる。すなわち、マスクMに貫通した開口Mbの大きさにかかわらず(アスペクト比にかかわらず)、安定したスクリーン印刷が可能となる。
【0064】
しかも、本実施形態のスクリーン印刷装置10´によれば、第1実施形態のスクリーン印刷装置10とは異なり、上側マスクM1が弾性変形前のもとの形状に自然復帰することで、下側マスクM2から上側マスクM1を分離する(図9(b)(c)参照)。上側マスクM1を昇降させるための構成(第1実施形態におけるモータMOやボールねじN)は不要である。
(変形例)
次に、変形例について説明する。
【0065】
例えば、図10(a)(b)に示すように、上記各実施形態における下側マスクM2の開口M2bの端部を、面取りするようにしてもよい。
【0066】
このようにすれば、下側マスクM2分離の際にその開口M2b端部がクリームはんだKに接触してこれを掻き取ることを防止することが可能となる。
【0067】
また、例えば、図11(a)(b)に示すように、上記各実施形態における上側マスクM1の開口M1bのサイズを、下側マスクM2の開口M2bのサイズより小さくするようにしてもよい。
【0068】
このようにすれば、上側マスクM1分離の際にその開口M1b端部がクリームはんだKに接触してこれを掻き取ることを防止することが可能となる。
【0069】
また、例えば、上記各実施形態における上側マスクM1を金属マスク(より剛性の高い材質からなるマスク)とし、下側マスクM2を樹脂マスク(より剛性の低い材質からなるマスク)とするようにしてもよい。
【0070】
下側マスクM2をより剛性の低い材質からなるマスクで構成すれば、かりにプリント基板表面に凹凸や反りが生じていたとしても、その表面に密着する割合が高くなるから(図12(a)参照)、従来のようにプリント基板表面とマスクとの間からはんだKがにじむこと(図12(b)参照)を防止することが可能となる。しかも、上側マスクM1をより剛性の高い材質からなるマスクとしたので、その摩耗を低減でき、長期間安定して印刷することが可能となる。
【0071】
また、例えば、図13(a)(b)に示すように、上記各実施形態における上側マスクM1の厚みを、下側マスクM2の厚みよりも厚くするようにしてもよい。
【0072】
上側マスクM1の方がアスペクト比が大きくても抜けやすいため、このようにすれば、下側マスクM2のアスペクト比を小さくしてもより安定して印刷することが可能となる。
【0073】
また、例えば、上記各実施形態における上側マスクM1底面と下側マスクM2表面をクリーニングする構造60を備えるようにしてもよい。
【0074】
例えば、図14から図16に示すように、一定の間隔をおいて二本のレール61を配置し、各レール61に棒状のゴム体62の端部を、それぞれ車輪等を介して接続することにより、ゴム体62がレールに沿って往復直線運動可能なように構成する。
【0075】
そして、クリーニングが必要となったときに例えば上側マスクM1を上昇させて上側マスクM1と下側マスクM2との間に棒状のゴム体62を配置するとともに、このゴム体62を図16中矢印の方向に移動させることで、上側マスクM1底面と下側マスクM2表面(に付着したフラックス等)をクリーニングする。
【0076】
なお、ゴム体62と各マスクとは線接触するのがクリーニングには望ましいから、ゴム体62は、その断面が円形であってもよいし、楕円径であってもよいし、四角等の多角形であってもよいし(多角形の角の部分で線接触させる)、あるいは図16に示すように、比較的鋭角の2つの部分を持つ円断面であってもよい。
【0077】
このようにすれば、機械を止めて各マスクM1、M2を掃除する必要がないので生産効率を向上することが可能となる。
【0078】
また、第2実施形態のスクリーン印刷装置10´においては、上側マスクM1はマスク支持フレーム30に固定されており、上側マスクM1を昇降させるための構成(モータMO、ボールねじN等)を備えていないように説明したが、本発明はこれに限定されない。
【0079】
例えば、第1実施形態のスクリーン印刷装置によっても、第2実施形態のスクリーン印刷装置10と同じ状態を作り出すことで、第2実施形態のスクリーン印刷装置10´と同様の印刷動作を行わせることが可能である。
【0080】
具体的には、図8に示す印刷動作が開始される前に、上側マスクM1を下降させて、上側マスクM1と下側マスクM2とを一定間隔(例えば上側マスクM1の厚みと同等の間隔)をおいて重ね、これによりその厚み方向に複数の開口(開口M1bと開口M2bとにより構成される開口)が貫通するスクリーン印刷用のマスクMを構成する。これにより、第2実施形態のスクリーン印刷装置10と同じ状態を作り出す。なお、この後の印刷動作は図8と同様である。
【0081】
このようにすれば、上側マスクM1分離のための制御が不要になる。
【0082】
上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎない。これらの記載によって本発明は限定的に解釈されるものではない。本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく他の様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0083】
【図1】本発明の第1実施形態であるスクリーン印刷装置の主要構成を説明するための図である。
【図2】上側マスクの平面図である。
【図3】下側マスクの平面図である。
【図4】上下マスクを重ねた状態の平面図である。
【図5】本発明の第1実施形態であるスクリーン印刷装置の印刷動作について説明するためのフローチャートである。
【図6】本発明の第1実施形態であるスクリーン印刷装置の印刷動作について説明するための図である。
【図7】本発明の第2実施形態であるスクリーン印刷装置の主要構成を説明するための図である。
【図8】本発明の第2実施形態であるスクリーン印刷装置の印刷動作について説明するためのフローチャートである。
【図9】本発明の第2実施形態であるスクリーン印刷装置の印刷動作について説明するための図である。
【図10】各実施形態の変形例を説明するための図である。
【図11】各実施形態の変形例を説明するための図である。
【図12】(a)は各実施形態の変形例を説明するための図である。(b)は各実施形態の変形例の従来例を説明するための図である。
【図13】各実施形態の変形例を説明するための図である。
【図14】各実施形態の変形例を説明するための図である。
【図15】各実施形態の変形例を説明するための図である。
【図16】各実施形態の変形例を説明するための図である。
【図17】本発明の実施形態であるスクリーン印刷装置の従来技術について説明するための図である。
【図18】本発明の実施形態であるスクリーン印刷装置の従来技術の問題点について説明するための図である。
【符号の説明】
【0084】
10…スクリーン印刷装置、20…マスク支持フレーム、21…上端プレート、22…ねじ穴、30…マスク支持フレーム、31…上端プレート、32…貫通穴、40…基板ステージ、50…スキージ、60…クリーニング機構、61…レール、62…ゴム体、B…チェーンベルト、M…マスク、M1…上側マスク、M1a…枠、M1b…開口、M2…下側マスク、M2a…枠、M2b…開口、MO…モータ、P…プリント基板、M´…マスク(従来のマスク)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも二枚のマスクと、
前記各マスクを重ねることによりその厚み方向に開口が貫通するスクリーン印刷用のマスクを構成するマスク構成手段と、
を備えることを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項2】
前記スクリーン印刷用のマスクと被印刷面とを重ねる手段と、
前記スクリーン印刷用のマスクが重ねられた被印刷面と前記開口とによって規定される空間に印刷材料を充填する充填手段と、
前記充填手段による充填動作の後に、前記各マスクを順次分離する分離手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項3】
被印刷面に重ねられる第1マスクと、
前記第1マスクに重ねられる第2マスクと、
前記第1マスクと第2マスクとを重ねることによりその厚み方向に開口が貫通するスクリーン印刷用のマスクを構成するマスク構成手段と、
を備えることを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項4】
前記スクリーン印刷用のマスクと被印刷面とを重ねる手段と、
前記スクリーン印刷用のマスクが重ねられた被印刷面と前記開口とによって規定される空間に印刷材料を充填する充填手段と、
前記充填手段による充填動作の後に、前記第2マスクを前記第1マスクから分離する第1分離手段と、
前記第1分離手段による分離動作の後に、前記第1マスクを前記被印刷面から分離する第2分離手段と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項5】
前記マスク構成手段は、前記第1マスクと第2マスクとを面接触するように重ねることを特徴とする請求項3又は4に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項6】
前記マスク構成手段は、前記第1マスクと第2マスクとを一定間隔をおいて重ねることを特徴とする請求項3又は4に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項7】
前記第1マスクに貫通する開口の端部は面取りされていることを特徴とする請求項3から6のいずれかに記載のスクリーン印刷装置。
【請求項8】
前記第2マスクに貫通する開口は第1マスクに貫通する開口よりも小さいことを特徴とする請求項3から7のいずれかに記載のスクリーン印刷装置。
【請求項9】
前記第1マスクは第2マスクよりも剛性の低い材料により構成されることを特徴とする請求項3から8のいずれかに記載のスクリーン印刷装置。
【請求項10】
前記第2マスクは金属材料により構成され、前記第1マスクは弾性材料、合成樹脂、又はゴム材料により構成されることを特徴とする請求項9に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項11】
前記第1マスクと第2マスクとは厚みが異なっていることを特徴とする請求項3から10のいずれかに記載のスクリーン印刷装置。
【請求項12】
前記第2マスクの厚みは第1マスクの厚みよりも厚いことを特徴とする請求項11に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項13】
前記第1マスクと第2マスクとの接触面をクリーニングする手段をさらに備えることを特徴とする請求項3から12のいずれかに記載のスクリーン印刷装置。
【請求項14】
前記印刷材料はクリームはんだであることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のスクリーン印刷装置。
【請求項15】
その厚み方向に開口が貫通するスクリーン印刷用マスクを少なくとも二枚のマスクを重ねることにより構成し、前記スクリーン印刷用マスクが重ねられる被印刷面と前記開口とによって規定される空間に印刷材料を充填し、この充填動作の後に、前記各マスクを順次分離することを特徴とするスクリーン印刷方法。
【請求項1】
少なくとも二枚のマスクと、
前記各マスクを重ねることによりその厚み方向に開口が貫通するスクリーン印刷用のマスクを構成するマスク構成手段と、
を備えることを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項2】
前記スクリーン印刷用のマスクと被印刷面とを重ねる手段と、
前記スクリーン印刷用のマスクが重ねられた被印刷面と前記開口とによって規定される空間に印刷材料を充填する充填手段と、
前記充填手段による充填動作の後に、前記各マスクを順次分離する分離手段と、
を備えることを特徴とする請求項1に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項3】
被印刷面に重ねられる第1マスクと、
前記第1マスクに重ねられる第2マスクと、
前記第1マスクと第2マスクとを重ねることによりその厚み方向に開口が貫通するスクリーン印刷用のマスクを構成するマスク構成手段と、
を備えることを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項4】
前記スクリーン印刷用のマスクと被印刷面とを重ねる手段と、
前記スクリーン印刷用のマスクが重ねられた被印刷面と前記開口とによって規定される空間に印刷材料を充填する充填手段と、
前記充填手段による充填動作の後に、前記第2マスクを前記第1マスクから分離する第1分離手段と、
前記第1分離手段による分離動作の後に、前記第1マスクを前記被印刷面から分離する第2分離手段と、
を備えることを特徴とする請求項3に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項5】
前記マスク構成手段は、前記第1マスクと第2マスクとを面接触するように重ねることを特徴とする請求項3又は4に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項6】
前記マスク構成手段は、前記第1マスクと第2マスクとを一定間隔をおいて重ねることを特徴とする請求項3又は4に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項7】
前記第1マスクに貫通する開口の端部は面取りされていることを特徴とする請求項3から6のいずれかに記載のスクリーン印刷装置。
【請求項8】
前記第2マスクに貫通する開口は第1マスクに貫通する開口よりも小さいことを特徴とする請求項3から7のいずれかに記載のスクリーン印刷装置。
【請求項9】
前記第1マスクは第2マスクよりも剛性の低い材料により構成されることを特徴とする請求項3から8のいずれかに記載のスクリーン印刷装置。
【請求項10】
前記第2マスクは金属材料により構成され、前記第1マスクは弾性材料、合成樹脂、又はゴム材料により構成されることを特徴とする請求項9に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項11】
前記第1マスクと第2マスクとは厚みが異なっていることを特徴とする請求項3から10のいずれかに記載のスクリーン印刷装置。
【請求項12】
前記第2マスクの厚みは第1マスクの厚みよりも厚いことを特徴とする請求項11に記載のスクリーン印刷装置。
【請求項13】
前記第1マスクと第2マスクとの接触面をクリーニングする手段をさらに備えることを特徴とする請求項3から12のいずれかに記載のスクリーン印刷装置。
【請求項14】
前記印刷材料はクリームはんだであることを特徴とする請求項1から13のいずれかに記載のスクリーン印刷装置。
【請求項15】
その厚み方向に開口が貫通するスクリーン印刷用マスクを少なくとも二枚のマスクを重ねることにより構成し、前記スクリーン印刷用マスクが重ねられる被印刷面と前記開口とによって規定される空間に印刷材料を充填し、この充填動作の後に、前記各マスクを順次分離することを特徴とするスクリーン印刷方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2007−168127(P2007−168127A)
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−365333(P2005−365333)
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年7月5日(2007.7.5)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年12月19日(2005.12.19)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】
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