スクリーン印刷装置
【課題】2種類の印刷パターンをもつマスクを備えるスクリーン印刷装置において、付帯設備を要することなく一系統の装置と二系統の装置との間に介設できるようにする。
【解決手段】スクリーン印刷装置は、印刷パターン211、212を含むマスク21を備える印刷実行部20と、第1、第2の基板搬入部En1、En2および基板搬出部Exと、基板支持装置10と、制御装置等とを備える。基板支持装置10は、第1基板搬入部En1からの基板Wを受取る第1受取位置と、第2基板搬入部En2からの基板Wを受取る第2受取位置と、基板搬出部Exから基板Wを搬出する送出位置との間を移動し、制御装置は、基板Wを受取るべく基板支持装置10を第1又は第2受取位置に配置し、印刷パターン211、212のうち何れかのパターンを用いて印刷が行われるように基板支持装置10を配置し、印刷後の基板Wを搬出すべく基板支持装置10を送出位置に配置する。
【解決手段】スクリーン印刷装置は、印刷パターン211、212を含むマスク21を備える印刷実行部20と、第1、第2の基板搬入部En1、En2および基板搬出部Exと、基板支持装置10と、制御装置等とを備える。基板支持装置10は、第1基板搬入部En1からの基板Wを受取る第1受取位置と、第2基板搬入部En2からの基板Wを受取る第2受取位置と、基板搬出部Exから基板Wを搬出する送出位置との間を移動し、制御装置は、基板Wを受取るべく基板支持装置10を第1又は第2受取位置に配置し、印刷パターン211、212のうち何れかのパターンを用いて印刷が行われるように基板支持装置10を配置し、印刷後の基板Wを搬出すべく基板支持装置10を送出位置に配置する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板(PWB;Printed wiring board))等の基板に部品を実装するための前処理として当該基板にクリーム半田や導電性ペースト等を印刷するスクリーン印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷装置は、プリント回路板(PCB;Printed Circuit Board)の製造ラインに組み込まれ、上流側から搬送されてくる基板に導電性ペースト等の印刷を施して下流側の部品実装装置に送り出すものである。
【0003】
この種のスクリーン印刷装置は、装置内に一枚ずつ基板を受け入れ、1つの印刷パターンが形成された1枚のスクリーンマスクを用いて印刷処理を施して部品実装装置に送り出すように構成されているのが一般的である。
【0004】
しかし最近では、特許文献1に開示されるように、装置内に2つの搬送ラインと、これら搬送ラインに対応する2つの印刷パターンが形成された1つのスクリーンマスクとを備え、各搬送ラインに沿って個別に基板を受け入れつつ搬送ライン毎に異なる印刷パターンを用いて印刷を実施した後、個別に部品実装装置に送り出すものが提案されている。このような特許文献1の装置によれば、1台のスクリーン印刷装置でスクリーンマスクを交換することなく2種類のパターンの印刷が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−272964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1のスクリーン印刷装置は、上記の通り2つの搬送ラインに対して基板を搬入出することを前提としており、しかもこれら搬送ラインの基板搬入側のピッチと基板搬出側のピッチが同一であるために次のような課題がある。
【0007】
すなわち、プリント回路板の製造ラインは、生産性を上げるために様々な形態で構成され、例えば1つの基板搬送ラインをもつシングル搬送型の装置(一系統の装置と称す)と、2つの基板搬送ラインを並列に備えるデュアル搬送型の部品実装装置又はシングル搬送型の2台の部品実装装置(総括して二系統の装置と称す)との間に上記特許文献1のようなスクリーン印刷装置を設置したり、逆に、二系統の上流側装置と一系統の部品実装装置との間に同スクリーン印刷装置を設置したい場合がある。すなわち、一系統の上流側装置から順次搬送されてくる基板に適宜異なるパターンの印刷を施しつつ二系統の部品実装装置に送り出したり、逆に、二系統の上流側装置から搬送されてくる基板にそれぞれ異なるパターンの印刷を施して一系統の部品実装装置に送り出したい場合がある。
【0008】
ところが、2つの搬送ラインに沿って基板を搬入出する必要がある上記特許文献1に記載の従来装置では、それ単独で一系統の上流側装置と二系統の部品実装装置との間に配置することは不可能であり、従って、実際の運用では、上流側装置とスクリーン印刷装置との間に、上流側装置から搬送されてくる基板をスクリーン印刷装置の各基板搬送ラインに対して振り分けるための振り分け装置を付設することが必要となる。同様に、二系統の上流側装置と一系統の下流側装置(部品実装装置)との間に特許文献1に記載の従来装置を配置する場合には、スクリーン印刷装置と部品実装装置との間に基板の受け入り元を切り換える切り換え装置を付設することが必要となる。
【0009】
また、従来装置は、上記の通り搬送ラインの基板搬入側のピッチと基板搬出側のピッチが同一であるため、二系統の上流側装置と二系統の下流側装置(部品実装装置)との間に設置する場合であっても、上流側装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチと部品実装装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチとが異なる場合には、上流側装置と部品実装装置との間に単独で配置することは不可能であり、上流側装置とスクリーン印刷装置との間、又はスクリーン印刷装置と部品実装装置との間に基板の搬送を中継する中継装置を付設することが必要となる。
【0010】
しかし、このようにスクリーン印刷装置に加えて振り分け装置や切り換え装置等の付帯設備を設けるライン構成では、プリント回路板製造設備の省スペース化や低コスト化を図る上で望ましくなく、この点に改良の余地が残されている。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みて成されたものであり、2つの印刷パターンを含む単一のスクリーンマスクを備えたスクリーン印刷装置において、振り分け装置等の付帯設備を要することなく一系統の装置と二系統の装置との間や、基板搬送ラインのピッチが相互に異なる二系統の上流側装置と二系統の下流側装置との間に設置することができるスクリーン印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための本発明は、スクリーン印刷装置において、スクリーンマスクを具備し基板にスクリーン印刷を実施するための印刷実行部と、この印刷実行部の位置を挟んで特定方向における一方側の位置に設けられる基板搬入部および他方側の位置に設けられる基板搬出部と、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取って前記印刷実行部において印刷が可能となるように支持するとともに印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出す基板支持手段と、この基板支持手段を駆動制御する制御手段とを備えており、前記特定方向をX軸方向としたときに、前記基板搬入部は、X軸方向と直交するY軸方向に並ぶ第1基板搬入部と第2基板搬入部とからなり、前記印刷実行部は、前記スクリーンマスクとして一枚のスクリーンマスクに2つの印刷パターンがY軸方向に並ぶように形成されたものを備えており、前記基板支持手段は、前記第1基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な第1受取位置と、前記第2基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な第2受取位置と、前記基板搬出への基板の送り出しが可能となる送出位置とに亘ってY軸方向に移動可能に設けられており、前記制御手段は、前記第1、第2基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記基板支持手段を前記第1受取位置又は第2受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出すべく前記基板支持手段を前記送出位置に配置するように構成されているものである(請求項1)。
【0013】
このスクリーン印刷装置では、第1又は第2受取位置に基板支持手段が配置されることにより第1又は第2基板搬出部から択一的に基板支持手段に基板が受け入れられ、この基板支持手段により基板が支持された状態で印刷が実施される。その際、スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れか一方側の印刷パターンを用いて印刷が行われるように印刷実行部に対して基板支持手段が配置されることで、基板に対してその種類等に応じたパターンの印刷が実施される。そして、基板支持手段が送出位置に配置されて当該基板支持手段から基板が送り出されることにより印刷後の基板が基板搬出部から搬出されることとなる。すなわち、このスクリーン印刷装置によれば、従来装置(背景技術の特許文献1に開示されたスクリーン印刷装置:以下この欄において同じ)と同様に2つの印刷パターンを含むスクリーンマスクを用いて印刷を実施できることに加え、例えば、二系統の上流側装置と一系統の下流側装置との間にスクリーン印刷装置を配置する場合でも、従来のような付帯設備(切り換え装置)を設けることなく、スクリーン印刷装置単独で二系統の上流側装置から基板を受け入れつつ印刷を施して一系統の下流側装置に搬出することが可能となる。
【0014】
なお、前記基板搬出部は、前記第1、第2基板搬入部の配列ピッチとは異なるピッチでY軸方向に並ぶ第1基板搬出部および第2基板搬出部からなり、前記基板支持手段は、前記送出位置として、前記第1基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第1送出位置と前記第2基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第2送出位置とに移動可能に設けられ、前記制御手段は、印刷後の基板を搬出すべく前記基板支持手段を前記第1送出位置又は第2送出位置に配置するように構成されていてもよい(請求項2)。
【0015】
このスクリーン印刷装置の構成では、前記第1、第2基板搬入部から基板が受け入れられつつ印刷が施され、前記第1、第2基板搬入部とは異なるピッチで設けられた第1、第2基板搬出部から基板が搬出されることとなる。そのため、このスクリーン印刷装置によれば、二系統の上流側装置と二系統の下流側装置との間に配置する場合であって、かつ上流側装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチと下流側装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチとが異なるような場合でも、従来のような付帯設備(中継装置)を設けることなく当該スクリーン印刷単独で上流側装置から基板を受け入れつつ印刷を施して下流側装置に搬出することが可能となる。
【0016】
また、本発明に係る別のスクリーン印刷装置は、スクリーンマスクを具備し基板にスクリーン印刷を実施するための印刷実行部と、この印刷実行部の位置を挟んで特定方向における一方側の位置に設けられる基板搬入部および他方側の位置に設けられる基板搬出部と、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取って前記印刷実行部において印刷が可能となるように支持するとともに印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出す基板支持手段と、この基板支持手段を駆動制御する制御手段とを備えており、前記特定方向をX軸方向としたときに、前記基板搬出部は、X軸方向と直交するY軸方向に並ぶ第1基板搬出部と第2基板搬出部とからなり、前記印刷実行部は、前記スクリーンマスクとして一枚のスクリーンマスクに2つの印刷パターンがY軸方向に並ぶように形成されたものを備えており、前記基板支持手段は、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な受取位置と、前記第1基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第1送出位置と、前記第2基板搬出部への基板の送り出し可能となる第2送出位置とに亘ってY軸方向に移動可能に設けられており、前記制御手段は、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記基板支持手段を前記受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記第1、2基板搬出部のうち一方側から搬出すべく前記基板支持手段を前記第1送出位置又は第2送出位置に配置するように構成されたものである(請求項3)。
【0017】
このスクリーン印刷装置では、受取位置に基板支持手段が配置されることにより基板支持部材に基板が受け入れられ、この基板支持手段により基板が支持された状態で印刷が実施される。その際、スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち一方側の印刷パターンを用いて印刷が行われるように印刷実行部に対して基板支持手段が配置されることで、基板に対してその種類等に応じたパターンの印刷が行われる。そして、基板支持手段が第1又は第2送出位置に配置された状態で当該基板支持手段から基板が送り出されることにより第1又は第2基板搬出部から選択的に印刷後の基板が搬出されることとなる。このようなスクリーン印刷装置によれば、従来装置と同様に2つの印刷パターンを含むスクリーンマスクを用いて印刷を実施できることに加え、例えば、一系統の上流側装置と二系統の下流側装置との間にスクリーン印刷装置を配置する場合でも、従来のような付帯設備(振り分け装置)を設けることなく、スクリーン印刷装置単独で一系統の上流側装置から基板を受け入れつつ印刷を施して二系統の下流側装置に搬出することが可能となる。
【0018】
また、本発明に係る別のスクリーン印刷装置は、基板にスクリーン印刷を実施するための印刷実行部と、この印刷実行部の位置を挟んで特定方向における一方側の位置に設けられる基板搬入部および他方側の位置に設けられる基板搬出部と、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取って前記印刷実行部において印刷が可能となるように支持するとともに印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出す基板支持手段と、この基板支持手段を駆動制御する制御手段とを備えており、前記特定方向をX軸方向としたときに、前記基板搬入部は、X軸方向と直交するY軸方向に並ぶ第1基板搬入部と第2基板搬入部とからなり、前記基板支持手段は、Y軸方向にそれぞれ移動可能に設けられ、前記第1基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な第1受取位置と前記基板搬出部への基板の送り出しが可能となる送出位置との間を移動する第1基板支持手段および前記第2基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な第2受取位置と前記送出位置との間を移動する第2基板支持手段とを含み、前記印刷実行部は、前記スクリーンマスクとして一枚のスクリーンマスクに2つの印刷パターンがY軸方向に並ぶように形成されたものを備えており、前記制御手段は、前記第1基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記第1基板支持手段を前記第1受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記第1基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出すべく前記第1基板支持手段を前記送出位置に配置する一方、前記第2基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記第2基板支持手段を前記第2受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記第2基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出すべく前記第2基板支持手段を前記送出位置に配置するように構成されているものである(請求項4)。
【0019】
このスクリーン印刷装置では、第1基板搬入部から搬入される基板は、第1受取位置に配置された第1基板支持手段に受け入れられ、この第1基板支持手段に支持された状態で印刷が施される。その際、スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち一方側の印刷パターンを用いて印刷が行われるように印刷実行部に対して第1基板支持手段が配置されることで、基板に対してその種類等に応じたパターンの印刷が実施される。そして、この第1基板支持手段が送出位置に配置されて基板が送り出されることにより基板搬出部から印刷後の基板が搬出される。一方、第2基板搬入部から搬入される基板は、第2受取位置に配置された第2基板支持手段に受け入れられ、この第2基板支持手段に支持された状態で印刷が施される。その際も、スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち一方側の印刷パターンを用いて印刷が行われるように印刷実行部に対して基板支持手段が配置されることで、基板に対してその種類等に応じたパターンの印刷が実施される。そして、この第2基板支持手段が送出位置に配置されて基板が送り出されることにより基板搬出部から印刷後の基板が搬出される。すなわち、このスクリーン印刷装置よれば、従来装置と同様に2つの印刷パターンを含むスクリーンマスクを用いて印刷を実施できることに加え、例えば、二系統の上流側装置と一系統の下流側装置との間にスクリーン印刷装置を配置する場合でも、従来のような付帯設備(切り換え装置)を設けることなく、スクリーン印刷装置単独で二系統の上流側装置から基板を受け入れつつ印刷を施して一系統の下流側装置に搬出することが可能となる。
【0020】
なお、前記基板搬出部は、前記第1、第2基板搬入部の配列ピッチとは異なるピッチでY軸方向に並ぶ第1基板搬出部および第2基板搬出部からなり、前記第1基板支持手段は、前記送出位置として前記第1基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第1送出位置に移動可能に設けられる一方、前記第2基板支持手段は、前記送出位置として前記第2基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第2送出位置に移動可能に設けられており、前記制御手段は、前記第1基板支持手段に支持されている印刷後の基板を前記第1基板搬出部へ送り出すべく当該第1基板支持手段を前記第1送出位置に配置する一方、前記第2基板支持手段に支持されている印刷後の基板を前記第2基板搬出部へ送り出すべく当該第2基板支持手段を前記第2送出位置に配置するように構成されていてもよい(請求項5)。
【0021】
このスクリーン印刷装置の構成では、第1基板支持手段が第1送出位置に配置されることにより当該第1基板支持手段に支持された印刷後の基板が第1基板搬出部に送り出される一方で、第2基板支持手段が第2送出位置に配置されることにより当該第2基板支持手段に支持された印刷後の基板が第2基板搬出部に送り出される。これにより、印刷後の基板が前記第1、第2基板搬入部とは異なるピッチで設けられた第1、第2基板搬出部から搬出されることとなる。そのため、このスクリーン印刷装置によれば、二系統の上流側装置と二系統の下流側装置との間に配置する場合であって、かつ上流側装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチと部品実装装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチとが異なるような場合でも、従来のような付帯設備(中継装置)を設けることなく当該スクリーン印刷単独で上流側装置から基板を受け入れつつ印刷を施して下流側装置に搬出することが可能となる。
【0022】
また、本発明に係る別のスクリーン印刷装置は、基板にスクリーン印刷を実施するための印刷実行部と、この印刷実行部の位置を挟んで特定方向における一方側の位置に設けられる基板搬入部および他方側の位置に設けられる基板搬出部と、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取って前記印刷実行部において印刷が可能となるように支持するとともに印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出す基板支持手段と、この基板支持手段を駆動制御する制御手段とを備えており、前記特定方向をX軸方向としたときに、前記基板搬出部は、X軸方向と直交するY軸方向に並ぶ第1基板搬出部と第2基板搬出部とからなり、前記基板支持手段は、Y軸方向にそれぞれ移動可能に設けられ、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な受取位置と前記第1基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第1送出位置との間を移動する第1基板支持手段および前記受取位置と前記第2基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第2送出位置との間を移動する第2基板支持手段とからなり、前記印刷実行部は、前記スクリーンマスクとして一枚のスクリーンマスクに2つの印刷パターンがY軸方向に並ぶように形成されたものを備えており、前記制御手段は、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記第1基板支持手段を前記受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記第1基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記第1基板搬出部に送り出すべく前記第1基板支持手段を前記第1送出位置に配置する一方、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記第2基板支持手段を前記受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記第2基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記第2基板搬出部に送り出すべく前記第1基板支持手段を前記第1送出位置に配置するように構成されているものである(請求項6)。
【0023】
このスクリーン印刷装置では、基板搬入部から搬入される基板は、受取位置に配置される第1基板支持手段又は第2基板支持手段に受け入れられ、当該基板支持手段に支持された状態で印刷が施される。その際、スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち一方側の印刷パターンを用いて印刷が行われるように印刷実行部に対して基板支持手段が配置されることで、基板に対してその種類等に応じたパターンの印刷が実施される。そして、基板が第1基板支持手段に受け入れられて印刷が施された場合には、この第1基板支持手段が第1送出位置に配置された状態で当該第1基板支持手段から基板が送り出されることにより印刷後の基板が第1基板搬出部から搬出され、他方、基板が第2基板支持手段に受け入れられて印刷が施された場合には、この第2基板支持手段が第2送出位置に配置された状態で当該第2基板支持手段から基板が送り出されることにより印刷後の基板が第2基板搬出部から搬出される。このようなスクリーン印刷装置によれば、従来装置と同様に2つの印刷パターンを含むスクリーンマスクを用いて印刷を実施できることに加え、例えば、一系統の上流側装置と二系統の下流側装置との間にスクリーン印刷装置を配置する場合でも、従来のような付帯設備(振り分け装置)を設けることなく、スクリーン印刷装置単独で一系統の上流側装置から基板を受け入れつつ印刷を施して二系統の下流側装置に搬出することが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明のスクリーン印刷装置によれば、2つの印刷パターンを含むスクリーンマスクを用いて印刷を実施できることに加え、二系統の上流側装置から基板を受け入れつつ印刷を施して一系統の下流側装置に搬出すること、あるいは一系統の上流側装置から基板を受け入れつつ印刷を施して二系統の下流側装置に搬出することが可能となる。また、上流側装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチと部品実装装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチとが異なる場合でも支障なく上流側装置から基板を受け入れつつ印刷を施して下流側装置に搬出することが可能となる。従って、振り分け装置や切り換え装置等といった付帯設備を要することなく一系統の装置と二系統の装置との間にスクリーン印刷装置を設置すること、また中継装置等の付帯設備を要することなく基板搬送ラインのピッチが相互に異なる二系統の上流側装置と二系統の下流側装置との間に設置することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るスクリーン印刷装置の第1実施形態を示す模式図である。
【図2】スクリーン印刷装置を示す断面図(図1のII−II線断面図)である。
【図3】スクリーン印刷装置を示す断面図(図2のIII−III線断面図)である。
【図4】制御装置の制御に基づくスクリーン印刷装置の印刷動作を説明する平面模式図である((a)、(b)、(c)は印刷動作を時系列的に示す)。
【図5】本発明に係るスクリーン印刷装置の第2実施形態を示す平面模式図である。
【図6】本発明に係るスクリーン印刷装置の第3実施形態を示す平面模式図である。
【図7】本発明に係るスクリーン印刷装置の第4実施形態を示す平面模式図である。
【図8】制御装置の制御に基づくスクリーン印刷装置の印刷動作を説明する平面模式図である((a)、(b)は印刷動作を時系列的に示す)。
【図9】本発明に係るスクリーン印刷装置の第5実施形態を示す平面模式図である。
【図10】制御装置の制御に基づくスクリーン印刷装置の印刷動作を説明する平面模式図である((a)、(b)は印刷動作を時系列的に示す)。
【図11】本発明に係るスクリーン印刷装置の第6実施形態を示す平面模式図である。
【図12】制御装置の制御に基づくスクリーン印刷装置の印刷動作を説明する平面模式図である((a)、(b)は印刷動作を時系列的に示す)。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について詳述する。
【0027】
図1〜図3は、本発明に係るスクリーン印刷装置の第1実施形態を示しており、図1は平面図模式図で、図2及び図3は断面図でスクリーン印刷装置を示している。
【0028】
このスクリーン印刷装置1A(以下、印刷装置1Aと略す)は、二系統の上流側装置と一系統の下流側装置との間に介設された状態でプリント回路板(PCB)の製造ラインに組み込まれるものである。図示の例では、印刷装置1Aは、並列に配置された2台のローダL1、L2(第1ローダL1、第2ローダL2という)と1台の部品実装装置Mとの間に介設されており、上流側の各ローダL1、L2から繰り出されてくる基板Wに印刷を実施して下流側の部品実装装置Mに送り出す。
【0029】
なお、以下の説明では、製造ラインにおける基板Wの搬送方向をX軸方向、水平面上でX軸方向と直交する方向をY軸方向、これらX軸、Y軸の両方向に直交する方句(鉛直方向)をZ軸方向として印刷装置1Aの説明を行う。
【0030】
印刷装置1Aは、X軸方向における一方側の端部(基板搬送方向における上流側の端部)に2つの基板搬入部En1、En2(第1基板搬入部En1、第2基板搬入部En2という)を有する一方、他方側の端部(基板搬送方向における下流側の端部)に一つの基板搬出部Exを有しており、第1ローダL1から繰り出される基板Wを第1基板搬入部En1から装置内に、第2ローダL2から繰り出される基板Wを第2基板搬入部En2から装置内にそれぞれ搬入し、印刷後の基板Wを共通の基板搬出部Exから部品実装装置Mに搬出する。各基板搬入部En1、En2はY軸方向に近接して設けられており、基板搬出部ExはY軸方向において両基板搬入部En1、En2のほぼ中間の位置に設けられている。なお、同図中、符号CL1、CL2、SMはそれぞれローダL1、L2および部品実装装置Mに装備されるベルトコンベヤ対(基板の搬送ラインに相当する)であり、基板Wはこれらベルトコンベヤ対CL1、CL2、SM(以下、コンベヤ対CL1、CL2、SMと略す)に沿って搬送される。なお、符号は付与しないが、図示するように、ベルトコンベヤ対CL1、CL2、SMの延長上において基台2上には、それぞれベルトコンベア対が設けられており、下記するコンベア対12と各ベルトコンベヤ対CL1、CL2、SMとの中間コンベア対となっている。
【0031】
印刷装置1Aは、その基台2上に、基板Wを支持するための基板支持装置10と、基板支持装置10に支持された基板Wに印刷を実施する印刷実行部20とを備えている。
【0032】
基板支持装置10(本発明に係る基板支持手段に相当する)は、基板搬入部En1、En2から搬入される基板Wを受け取って印刷実行部20による印刷が可能となるように支持するとともに印刷後の当該基板Wを基板搬出部Exから送り出すものである。
【0033】
この基板支持装置10は、基台2上に設置された固定レール3に沿ってY軸方向に移動可能に設けられ、モータを駆動源とするねじ送り機構等により駆動されるようになっている。そして、後記制御装置によるモータ制御に基づき、第1基板搬入部En1から搬入されてくる基板Wを受け入れ(受け取り)可能な位置(第1受取位置という)と、基板Wを基板搬出部Exから搬出可能な位置(送出位置という)と、第2基板搬入部En2から搬入されてくる基板Wを受け入れ(受け取り)可能な受取位置(図1に示す位置;第2受取位置という)とに亘って移動する。
【0034】
基板支持装置10は、X軸方向に基板Wを搬送可能なコンベア対12と、このコンベヤ対12をY軸方向、Z軸方向およびR軸方向(Z軸回り)に移動させる移動機構と、コンベヤ対12の特定位置において基板Wを当該コンベヤ対12から上げる持ち上げるバックアップ機構と、持ち上げた基板Wを印刷可能に固定支持するクランプ機構14等を含む。なお、クランプ機構14はコンベヤ対12の不図示のフレームに固定支持される。
【0035】
前記コンベヤ対12は、互いに平行にX軸方向に延びる一対のベルトコンベヤからなり、モータ駆動により周回移動するベルトにより基板Wの両端部分を支持しつつ当該ベルトの移動に伴い基板WをX軸方向に搬送する。つまり、基板支持装置10は、基板搬入部En1、En2から搬入される基板Wを第1、第2受取位置に配置された状態でこのコンベヤ対12上に受け入れ、印刷後の基板Wを前記送出位置に配置された状態でコンベヤ対12から基板搬出部Exに送り出す。
【0036】
コンベヤ対12の前記移動機構は、基板支持装置10のベース15上に設けられてX軸方向に移動可能に支持されるX軸テーブル16と、このX軸テーブル16上に設けられてR軸方向に移動(Z軸回りに回転)可能に支持される回転テーブル17と、この回転テーブル17上に設けられてZ軸方向に移動(昇降)可能に支持される昇降テーブル18と、これら各テーブル16〜18を個別に駆動するモータを駆動源とする駆動機構等とを含み、後記制御装置によるモータ制御に基づきコンベヤ対12を上記各方向に移動させる。
【0037】
バックアップ機構は、前記昇降テーブル18上に設けられている。このバックアップ機構は、図示を省略するが、バックアップピンを備えた昇降可能なバックアップテーブルを有し、このバックアップテーブルを上昇させることにより、基板Wを前記バックアップピンにより支持した状態でコンベヤ対12(ベルト)から持ち上げるように構成されている。
【0038】
クランプ機構14は、前記コンベヤ対12に組付けられている。このクランプ機構14は、Y軸方向に接離可能な一対のクランプ部材を有し、前記バックアップ機構によりコンベヤ対12から持ち上げられた基板Wを前記クランプ部材により挟み込むことにより基板Wを固定、支持する。なお、以下の説明では、便宜上、上記のようにクランプ機構14により基板Wを保持した状態(コンベヤ対12から持ち上げられてクランプ部材によりクランプされた状態)を単にクランプ状態といい、保持が解除された状態をクランプ解除状態という。
【0039】
このように構成された基板支持装置10の上方に前記印刷実行部20が設けられている。
【0040】
この印刷実行部20は、基台2上に設置された図外の装置フレームに支持されており、主な構成要素として、マスク保持ユニット22と、2つのスキージユニット24A、24B(第1スキージユニット24A、第2スキージユニット24Bという)と、撮像ユニット28等とを含む。
【0041】
マスク保持ユニット22は、スクリーンマスク21(以下、マスク21と略す)を所定高さ位置に水平に張設した状態で固定的に保持するものである。なお、この印刷装置1Aで使用されるマスク21は、1枚のスクリーンマスクに互いに異なる2種類の印刷パターン211、212(第1パターン211、第2パターン212という)が形成されたものであり、これら印刷パターン211、212がY軸方向に並ぶように前記マスク保持ユニット22に保持されている。具体的には、基板搬出部Exに対して2つの印刷パターン211、212がY軸方向に等しく振り分けられた配置となるように保持されている。そして、第1パターン211に対して第1基板搬入部En1がほぼX軸方向に並び、第2パターン212に対して第2基板搬入部En2がほぼX軸方向に並ぶように、当該基板搬入部En1、En2が設けられている。
【0042】
スキージユニット24A、24Bは、クリーム半田、導電ペースト等のペーストをマスク21上でローリング(混練)しながら拡張するもので、第1スキージユニット24Aは、マスク保持ユニット22に保持された前記マスク21のうち第1印刷パターン211の上方に、第2スキージユニット24Bは、同第2印刷パターン211の上方にそれぞれ配置されている。つまり、マスク21のうち第1印刷パターン211を用いて印刷が行われる場合には第1スキージユニット24Aが使用され、第2パターン212を用いて印刷が行われる場合には第2スキージユニット24Bが使用される。
【0043】
これらのスキージユニット24A、24Bは、それぞれ図3の実線および仮想線に示すようにX軸方向に移動可能となるように上記図外の装置フレーム上に支持されており、モータを駆動源とするねじ送り機構等の駆動手段により個別に駆動されるようになっている。
【0044】
また、各スキージユニット24A、24Bはそれぞれ、Y軸方向に細長の単一のスキージ26と、マスク21に対するスキージ26の傾き方向および傾き角度を変更(図3参照)するための図外のスキージ角度可変機構と、スキージ26をこれがマスク21に摺接する印刷作業高さ位置とこの位置よりも上方の退避位置との間で昇降させる図外のスキージ昇降機構等とを含んでいる。
【0045】
すなわち、前記マスク21のうち第1印刷パターン211を使って印刷が行われる場合には、第1スキージユニット24Aのスキージ26が基板Wの表面(水平面)に対して所定角度にセットされて印刷作業位置に配置され、この状態で第1スキージユニット24AがX軸方向に駆動される。一方、前記マスク21のうち第2印刷パターン212を使って印刷が行われる場合には、第2スキージユニット24Bのスキージ26が基板Wの表面に対して所定角度にセットされて印刷作業位置に配置され、この状態で第2スキージユニット24BがX軸方向に駆動されるように構成されている。
【0046】
撮像ユニット28は、マスク21と基板Wとの相対的な位置関係を画像認識するためのものであり、マスク21の下面に記されるマークや記号等の複数の標識を下側から撮像するマスク認識カメラ28aと基板支持装置10に支持されている基板Wのマークや記号等の複数の標識を上側から撮像する基板認識カメラ28bを備えている。この撮像ユニット28は、図外のX−Yロボットに連結されることにより水平方向に二次元的に移動可能に設けられており、後記制御装置によるX−Yロボットの制御に基づき、印刷前(マスク重装前)のマスク21と基板Wとの間に介在して上記各標識を撮像する。
【0047】
なお、この印刷装置1Aは、CPU等を構成要素とする図外の制御装置(本発明の制御手段に相当する)を備えており、前記基板支持装置10、スキージユニット24A、24Bおよび撮像ユニット28等による一連の印刷処理動作、つまり基板搬入部En1、En2から搬入されてくる基板Wの受け取り、基板Wへの印刷および基板搬出部Exからの基板Wの搬出の一連の動作がこの制御装置により統括的に制御されるようになっている。
【0048】
次に、この制御装置の制御に基づく印刷装置1Aの印刷動作について図1および図4を参照しつつ説明する。
【0049】
図1は、印刷装置A1において連続的に行われている印刷動作の特定時点の状態を模式的に示しており、具体的には、マスク21の2つの印刷パターン211、212のうち第2パターン212を用いた基板Wの印刷実施直後の状態を示している。
【0050】
このような図1に示す状態から、まず、基板支持装置10が送出位置、すなわちコンベヤ対12が基板搬出部Exに対応する位置に移動する。そして、基板Wのクランプ状態が解除された後、コンベヤ対12、基台2上のコンベア対、およびコンベヤSMの駆動により、印刷後の基板Wが基板支持装置10から送り出されつつ基板搬出部Exから部品実装装置Mへ搬出される(図4(a))。
【0051】
基板Wの搬出が完了すると、後続の基板Wを受け取るべく基板支持装置10が第1又は第2受取位置、すなわちコンベヤ対12が第1基板搬入部En1又は第2基板搬入部En2に対応する位置に移動する。これにより第1基板搬入部En1又は第2基板搬入部En2から搬入されてくる基板Wが基板支持装置10のコンベヤ対12上に受け入れられる。例えば図4(b)に示すように、第1基板搬入部En1から搬入されてくる基板Wがコンベヤ対12上に受け入れられ、所定位置においてクランプ状態とされる。
【0052】
基板Wのクランプが完了すると、基板Wが、図4(c)に示すように上記マスク21の2つの印刷パターン211、212のうち印刷すべき印刷パターン下方の位置に配置される。基板Wは基板支持装置10のY軸方向の移動によりマスク21の何れの印刷パターン211、212の下方位置にも配置可能であるが、図示の例では、第1パターン211の下方位置に配置されている。
【0053】
そして、印刷に先立ち撮像ユニット28が所定の退避位置(図3に示す位置)から基板Wとマスク21との間に進行し、基板Wおよびマスク21の各標識を撮像した後、上記退避位置に移動する。これにより基板Wおよびマスク21の各位置が画像認識され、これらの認識結果に基づきマスク21と基板Wとの位置ずれが求められるとともに、この位置ずれに応じたX軸、Y軸およびR軸方向の補正値(ΔX、ΔY、ΔR)が求められる。このような認識処理および補正値の演算は、各カメラ28a、28bにより撮像された画像に基づき上記制御装置によって行われる。
【0054】
基板W等の認識が終了すると基板Wがマスク21に重装される。この際、上記補正値(ΔX、ΔY、ΔR)に基づき基板支持装置10がY軸方向に、コンベヤ対12の前記移動機構により当該コンベヤ対12がX軸およびR軸方向に駆動制御されることによりマスク21が基板Wに対して適正に重装される。
【0055】
そして、マスク21への基板Wの重装が完了すると、2つのスキージユニット24A、24Bのうち印刷すべき印刷パターン211、212に対応するものが作動し、これにより基板Wに印刷が施される。図4(c)の例の場合には、第1スキージユニット24Aのスキージ26が退避高さ位置から印刷作業高さ位置に下降移動した後、スキージ42を含むスキージユニット40全体がX軸方向に移動することにより基板Wに印刷が実施される。
【0056】
印刷が終了すると、コンベヤ対12が所定のホームポジションにリセットされる。すなわち、コンベヤ対12の上記移動機構の駆動によりコンベヤ対12がX軸、Y軸及びR軸の各方向に移動することにより、コンベヤ対12の不図示のフレームに固定支持されるクランプ機構14にクランプされた基板Wがマスク21から離版され、クランプ機構14のクランプが解除されてバックアップ機構の下降により基板Wがコンベア対12上に載置されるとともに、当該コンベヤ対12が上記各コンベヤ対CL1、CL2及びSMとの間で基板Wの受け渡しが可能となる位置に配置される。
【0057】
こうして基板Wの印刷が完了すると、基板支持装置10が送出位置に移動し、コンベヤ対12の駆動により印刷後の基板Wが基板支持装置10から送り出されつつ基板搬出部Exから部品実装装置Mに搬出される。そして、以後、第1基板搬入部En1又第2基板搬入部En2から搬入される基板Wが基板支持装置10に受け入れつつマスク21の2つの印刷パターン211、212のうち何れかを用いて印刷が行われて基板搬出部Exから部品実装装置Mに搬出される。
【0058】
以上説明した印刷装置1Aによると、従来装置(背景技術の特許文献1に開示されたスクリーン印刷装置)と同様に2つの印刷パターン211、212を含む1枚のマスク21を用いて印刷を実施できることに加え、印刷装置1A単独で二系統のローダL1、L2から板Wを受け入れつつ印刷を実施して一系統の部品実装装置Mに搬出することができる。従って、二系統の上流側装置(ローダL1、L2)と一系統の下流側装置(部品実装装置M)との間に印刷装置1Aを介設しながらも従来装置のような付帯設備(切り換え装置)は不要であり、これにより製造ラインをコンパクトに構成することができる。
【0059】
なお、この印刷装置1Aでは、マスク21として互いに異なる2種類の印刷パターン211、212が形成されものを適用した例について説明したが、印刷パターン211、212は同種類のパターンであってもよい(以下の第2〜第6実施形態について同じ)。
【0060】
次に、本発明に係るスクリーン印刷装置の第2の実施形態について図5を参照しつつ説明する。
【0061】
図5は第2実施形態に係るスクリーン印刷装置1B(以下、印刷装置1Bと略す)を平面図で模式的に示している。この第2実施形態に係る印刷装置1Bは、第1実施形態の印刷装置1Aの変形であり、次の点で第1実施形態の印刷装置1Aと構成が相違する。
【0062】
すなわち、この印刷装置1Bは、一つの基板搬入部Enと二つの基板搬出部Ex1、Ex2(第1基板搬出部Ex1、第2基板搬出部Ex2)とを有しており、図示の例では、1台のローダLから繰り出される基板Wを基板搬入部Enから装置内に搬入し、印刷後の基板Wを第1基板搬出部Ex1から第1部品実装装置M1に、又は第2基板搬出部Ex2から第2部品実装装置M2に選択的に搬出し得るように構成されている。そして、基板支持装置10が、基板搬入部Enから搬入される基板Wを受取可能な受取位置と、印刷後の基板Wを第1基板搬出部Ex1から搬出可能な第1送出位置と、印刷後の基板Wを第2基板搬出部Ex2から搬出可能な第2送出位置とに亘ってY軸方向に移動可能に設けられており、これらの点で印刷装置1Bは第1実施形態の印刷装置1Aと構成が相違している。
【0063】
時系列図を省略するが、この印刷装置1Bでは、まず基板支持装置10が受取位置に配置されることにより、基板搬入部Enから搬入されてくる基板Wが基板支持装置10(コンベヤ対12)に受け入れられる。そして、基板Wがクランプとされた後、マスク21の第1又は第2印刷パターン211、212のうち当該基板Wに印刷すべきパターンに対応するように基板支持装置10が配置され、この状態で当該基板Wにマスク21が重装されて印刷が実施される。印刷後は、基板支持装置10が第1送出位置又は第2送出位置に配置されることにより、基板Wが第1基板搬出部Ex1から第1部品実装装置M1に、又は第2基板搬出部Ex2から部品実装装置M2搬出される。
【0064】
このような第2実施形態の印刷装置1Bによると、2つの印刷パターン211、212を含むマスク21を用いて印刷を実施できることに加え、印刷装置1B単独で一系統のローダLから基板Wを受け入れつつ印刷を実施して二系統の部品実装装置M1、M2に搬出することができる。従って、この印刷装置1Bによれば、一系統の上流側装置(ローダL1)と二系統の下流側装置(部品実装装置M1、M2)との間に介設しながらも従来装置のような付帯設備(振り分け装置)は不要であり、これにより製造ラインをコンパクトに構成することができる。
【0065】
次に、本発明に係るスクリーン印刷装置の第3の実施形態について図6を参照しつつ説明する。
【0066】
図6は第3実施形態に係るスクリーン印刷装置1C(以下、印刷装置1Cと略す)を平面図で模式的に示している。この第3実施形態に係る印刷装置1Cは、第1実施形態の印刷装置1Aの変形であり、次の点で第1実施形態の印刷装置1Aと構成が相違する。
【0067】
すなわち、この印刷装置1Cは、基板搬出部として二つの基板搬出部Ex1、Ex2(第1基板搬出部Ex1、第2基板搬出部Ex2)を有しており、図示の例では、第1ローダL1から繰り出される基板Wを第1基板搬入部En1から装置内に、第2ローダL2から繰り出される基板Wを第2基板搬入部En2から装置内にそれぞれ搬入し、印刷後の基板Wを第1基板搬出部Ex1から第1部品実装装置M1に、又は第2基板搬出部Ex2から第2部品実装装置M2に選択的に搬出し得るように構成されている。そして、基板支持装置10がさらに印刷後の基板Wを第1基板搬出部Ex1から搬出可能な第1送出位置および印刷後の基板Wを第2基板搬出部Ex2から搬出可能な第2送出位置に移動可能に設けられており、これらの点で印刷装置1Cは第1実施形態の印刷装置1Aと構成が相違している。なお、前記基板搬出部Ex1、Ex2は、Y軸方向において両基板搬入部En1、En2の間の位置に設けられている。換言すれば、前記基板搬出部Ex1、Ex2は、両基板搬入部En1、En2の配列ピッチPt1とは異なる配列ピッチPt2(Pt2<Pt1)で設けられている。
【0068】
時系列図を省略するが、この印刷装置1Cでは、まず基板支持装置10が第1受取位置、又は第2受取位置に配置されることにより、基板搬入部En1、En2から搬入されてくる基板Wが基板支持装置10(コンベヤ対12)に受け入れられる。そして、基板Wがクランプとされた後、マスク21の第1印刷パターン211、又は第2印刷パターン212のうち当該基板Wに印刷すべきパターンに対応するように基板支持装置10が配置され、この状態で当該基板Wにマスク21が重装されて印刷が実施される。印刷後は、基板支持装置10が第1送出位置、又は第2送出位置に配置されることにより、基板Wが第1基板搬出部Ex1から第1部品実装装置M1に、又は第2基板搬出部Ex2から部品実装装置M2に搬出される。
【0069】
このような第3実施形態の印刷装置1Cによると、2つの印刷パターン211、212を含むマスク21を用いて印刷を実施できることに加え、この印刷装置1C単独で二系統のローダL1、L2から基板Wを受け入れつつ印刷を施してこれらローダL1、L2のコンベア対CL1、CL2のピッチ(Pt1)とは異なるピッチ(Pt2)で設置される部品実装装置M1、M2のコンベア対SM1、SM2に基板Wを搬出することができる。従って、この印刷装置1Cによれば、二系統の上流側装置(ローダL1、L2)と二系統の下流側装置(部品実装装置M1、M2)との間に配置する場合であって、かつ上流側装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチと下流側装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチとが異なるような場合でも、従来のような付帯設備(中継装置)は不要であり、これにより製造ラインをコンパクトに構成することができる。
【0070】
次に、本発明に係るスクリーン印刷装置の第4の実施形態について図7、図8を参照しつつ説明する。
【0071】
図7は第4実施形態に係るスクリーン印刷装置1D(以下、印刷装置1Dと略す)を平面図で模式的に示している。この第4実施形態に係る印刷装置1Dは、第1実施形態の印刷装置1Aの変形であり、次の点で第1実施形態の印刷装置1Aと構成が相違する。
【0072】
すなわち、この印刷装置1Dは、基板支持装置として2つの基板支持装置10A、10B(第1基板支持装置10A、第2基板支持装置10Bという)を有している。これら基板支持装置10A、10Bは、同一の構成であり、基台2上に設置された共通の固定レール3上に支持されており、モータを駆動源とするねじ送り機構等により個別にY軸方向に駆動されるようになっている。そして、第1基板支持装置10Aが、第1基板搬入部En1から搬入されてくる基板Wを受け取り可能な受取位置(第1受取位置)と前記送出位置とに亘って移動する一方で、第2基板支持装置10Bが、第2基板搬入部En2から搬入されてくる基板Wを受け取り可能な受取位置(第2受取位置)と前記送出位置とに亘って移動するようになっている。従って、この印刷装置1Dでは、第1基板支持装置10Aに支持される基板Wについては、マスク21の2つの印刷パターン211、212のうち第1パターン211による印刷のみが可能となり、他方、第2基板支持装置10Bに支持される基板Wについては、第2パターン212による印刷のみが可能となる。
【0073】
なお、この印刷装置1Cでは、一方側の基板支持装置10A(又は10B)への基板の受け入れ中に他方側の基板支持装置10B(又は10A)から基板搬出部Exへの基板Wの送り出しが可能となるように、換言すれば第1又は第2受入位置と送出位置とに同時に基板支持装置10A、10Bを配置できるように、例えば同図に示すように、両基板搬入部En1、En2がY軸方向においてマスク21よりも外側の位置に設けられている。
【0074】
この印刷装置1Dでは、同図に示すように、第1基板支持装置10Aがマスク21の下方位置に配置され、この第1基板支持装置10Aに支持された基板Wが第1パターン211に対して位置決めされた状態で当該マスク21に重装されて印刷が実施される。この印刷中にコンベア対CL2上の基板Wが、第2基板搬入部En2から第1受入位置の第2基板支持装置10Bに受け入れられクランプされる。
【0075】
この印刷が終了すると、図8(a)に示すように、第1基板支持装置10Aが送出位置に配置されて印刷後の基板Wが基板支持装置10から送り出されつつ基板搬出部Exから部品実装装置Mに搬出される。
【0076】
基板Wの搬出が完了すると、図8(b)に示すように、第1基板支持装置10Aが第1受入位置に配置され、第1基板搬入部En1から搬入されてくる基板Wが基板支持装置10のコンベヤ対12上に受け入れられてクランプされる。一方、第2基板支持装置10Bがマスク21の下方位置に配置され、この第1基板支持装置10Bに支持された基板Wが第2パターン212に対して位置決めされた状態で当該マスク21に重装されて印刷が実施される。
【0077】
このように、第1基板支持装置10Aが第1受取位置、マスク21(第1パターン211)の下方位置および送出位置と順次移動しつつ当該第1基板支持装置10Aに支持された基板Wの印刷、当該基板Wの搬出および後続基板Wの受け入れの各動作が順次行われる一方で、当該動作と一定の時間差をもって、第2基板支持装置10Bが第2受取位置、マスク21(第2パターン212)の下方位置および送出位置に順次移動しつつ第2基板支持装置10Bに支持された基板Wの印刷(図8(b))、基板Wの搬出および後続基板Wの受け入れ動作(図7、図8(a))が順次行われる。
【0078】
このような第4実施形態の印刷装置1Dについても、第1実施形態の印刷装置1Aと同様に、印刷装置1D単独で二系統の上流側装置(ローダL1、L2)から基板Wを受け入れつつ印刷を施して一系統の下流側装置(部品実装装置M)に搬出することができる。
【0079】
しかも、この印刷装置1Dによれば、2つの基板支持装置10A、10Bに交互に基板Wを受け入れつつ印刷を実施して搬出するため、第1実施形態の印刷装置1Aに比べると、先行する印刷済み基板Wの搬出後、後続の基板Wの印刷をより短時間で開始することが可能となる。従って、この第4実施形態の印刷装置1Dによると、二系統の上流側装置と一系統の下流側装置との間に印刷装置1を介設しながらも製造ラインをコンパクトに構成することができるという第1実施形態の印刷装置1Aと同様の作用効果に加え、スループットを向上させることができるという作用効果を享受することができる。
【0080】
上記の説明では特に言及していないが、撮像ユニット28は、両基板支持装置10A、10Bについて共通であり、各基板支持装置10A、10Bがマスク21の下方位置に配置された状態で、基板Wとマスク21(第1パターン211又は第2パターン212)との間に介在して各標識を撮像する。なお、この印刷装置1Dでは、一方側の基板支持装置10A(又は10B)がマスク21の下方位置に配置される時点では、通常、図7および図8(b)に示すように他方側の基板支持装置10B(又は10A)は受取位置に配置されており、従って当該他方側の基板支持装置10B(又は10A)が撮像ユニット28による標識撮像動作の邪魔になることはない。
【0081】
次に、本発明に係るスクリーン印刷装置の第5の実施形態について図9、図10を参照しつつ説明する。
【0082】
図9は第5実施形態に係るスクリーン印刷装置1E(以下、印刷装置1Eと略す)を平面図で模式的に示している。この第2実施形態に係る印刷装置1Eは、第4実施形態の印刷装置1Dの変形であり、次の点で第4実施形態の印刷装置1Dと構成が相違する。
【0083】
すなわち、この印刷装置1Eは、一つの基板搬入部Enと二つの基板搬出部Ex1、Ex2(第1基板搬出部Ex1、第2基板搬出部Ex2)とを有しており、図示の例では、印刷装置1Dは、1台のローダLから繰り出される基板Wを基板搬入部Enから装置内に搬入し、印刷後の基板Wを第1基板搬出部Ex1から第1部品実装装置M1に、第2基板搬出部Ex2から第2部品実装装置M2にそれぞれ搬出するように構成されている。
【0084】
基板搬入部Enは、第1基板搬出部Ex1に対してX軸方向に一列に並ぶように、換言すればY軸方向における第1基板搬出部Ex1と同じ位置に設けられている。
【0085】
そして、第1基板支持装置10Aが、基板搬入部Enから搬入される基板Wを受取可能でかつ印刷後の基板Wを第1基板搬出部Ex1から搬出可能な作業位置(同図に示す位置;本発明の受取位置および第1送出位置に相当)とこの位置より装置前側(同図では下方)に位置する待機位置とに移動可能に設けられる一方で、第2基板支持装置10Bが基板搬入部Enから搬入される基板Wを受取可能な受取位置(本発明の受取位置に相当)と印刷後の基板Wを第2基板搬出部Ex2へ送り出し可能な送出位置(本発明の第2送出位置に相当)とに移動可能に設けられている。なお、第1基板支持装置10Aにおける前記作業位置と第2基板支持装置10Bにおける受取位置とは同じ位置ではあるが当実施形態の説明では文言上区別する。
【0086】
また、マスク21は、2つの印刷パターン211、212のうち第1パターン211が作業位置(受取位置)に位置するように保持されている。また、各印刷パターン211、212に対して同時に基板Wを位置決めした状態で印刷が可能となるように各基板支持装置10A、10Bの構成との関係で各印刷パターン211、212のY軸方向の間隔等が設定されている。
【0087】
この印刷装置1Eでは、基板Wの印刷および印刷後の基板Wの搬出が各基板支持装置10A、10Bについてほぼ並行して実施される。すなわち、この印刷装置1Aでは、同図に示すように、第1基板支持装置10Aが作業位置(受入位置であってかつ第1送出位置)に配置された状態で基板搬入部Enから搬入される基板Wが第1基板支持装置10Aに受け入れられる。この際、先行する印刷済みの基板Wが第1基板支持装置10Aから送り出されつつ第1基板搬出部Ex1から第1部品実装装置M1に搬出される。また、これほぼ同時に、先行する印刷済みの基板Wが第2基板支持装置10Bから送り出されつつ第2基板搬出部Ex2から第2部品実装装置M2に搬出される。
【0088】
第1基板支持装置10Aへの基板Wの受け入れが完了し、かつ先行する基板Wの送り出しが完了すると、図10(a)に示すように、第1基板支持装置10Aが待機位置に配置される一方、第2基板支持装置10Bが受取位置に配置され、この状態で当該第2基板支持装置10Bに基板Wが受け入れられる。
【0089】
第2基板支持装置10Bへの基板Wの受け入れが完了すると、この第2基板支持装置10Bがマスク21(第2パターン212)の下方位置に配置されるとともに第1基板支持装置10Aがマスク21(第1パターン211)の下方位置に配置され、これにより図10(b)に示すように、第1基板支持装置10Aの基板Wが第1パターン211に、第2基板支持装置10Bの基板Wが第2パターン212にそれぞれ位置決めされ、撮像ユニット28による各標識の撮像が行われ、算出される補正量による各基板の位置補正がされた後、各基板Wがマスク21に重装されて当該両基板Wの印刷がほぼ同時に実施される。なお、撮像ユニット28による各標識の撮像は各基板Wについて同時に行われる。すなわち、撮像ユニット28が第1基板支持装置10Aの基板Wとマスク21(第1パターン211)との間および第2基板支持装置10Bの基板Wとマスク21(第2パターン212)との間を連続的に移動することにより各基板Wの標識およびマスク21(印刷パターン211、212)の標識を連続的に撮像する。
【0090】
印刷が終了すると、第1基板支持装置10Aが作業位置に配置されて印刷後の基板Wが第1基板搬出部Ex1に送り出されつつ後続の基板Wが基板搬出部Exから当該第1基板支持装置10Aに受け入れられる一方で、第2基板支持装置10Bが送出位置に配置されて印刷後の基板Wが第2基板搬出部Ex2に送り出される(図9参照)。
【0091】
こうして以後、基板Wの印刷および印刷後の基板Wの搬出が各基板支持装置10A、10Bについてほぼ並行して実施されることとなる。
【0092】
このような第5実施形態の印刷装置1Eによれば、印刷装置1E単独で一系統の上流側装置(ローダL)から基板Wを受け入れつつ印刷を施して二系統の下流側装置(部品実装装置M1、M2)に搬出することができるため、二系統の上流側装置と一系統の下流側装置との間に印刷装置1を介設しながらも製造ラインをコンパクトに構成することができるという上記第2実施形態の印刷装置1B(図5参照)と同様の作用効果を奏することができる。しかも、この印刷装置1Eでは、上記の通り2つの基板支持装置10A、10Bに基板Wを受け入れつつ印刷を実施して搬出するように構成された上で、さらにこのような基板Wの印刷および印刷後の基板Wの搬出が各基板支持装置10A、10Bについてほぼ並行して実施されるように構成されているため、基板Wを1枚ずつ装置内に受け入れて印刷し搬出する第2実施形態の印刷装置1Bと比べると、基板Wのスループットを向上させることができるという利点がある。
【0093】
次に、本発明に係るスクリーン印刷装置の第6の実施形態について図11、12を参照しつつ説明する。
【0094】
図11は第6実施形態に係るスクリーン印刷装置1F(以下、印刷装置1Fと略す)を平面図で模式的に示している。この第6実施形態に係る印刷装置1Fは、第4実施形態の印刷装置1Dの変形であり、次の点で第4実施形態の印刷装置1Dと構成が相違する。
【0095】
すなわち、この印刷装置1Fは、基板搬出部として二つの基板搬出部Ex1、Ex2(第1基板搬出部Ex1、第2基板搬出部Ex2)を有している。図示の例では、印刷装置1Fは、第1ローダL1から繰り出される基板Wを第1基板搬入部En1から装置内に、第2ローダL2から繰り出される基板Wを第2基板搬入部En2から装置内にそれぞれ搬入し、印刷後の基板Wを第1基板搬出部Ex1から第1部品実装装置M1に、第2基板搬出部Ex2から第2部品実装装置M2にそれぞれ搬出し得るように構成されている。
【0096】
各基板搬出部Ex1、Ex2は、Y軸方向において両基板搬入部En1、En2の間の位置に設けられている。換言すれば、前記基板搬出部Ex1、Ex2は、両基板搬入部En1、En2の配列ピッチPt1とは異なる配列ピッチPt2(Pt2<Pt1)で設けられている。
【0097】
そして、第1基板支持装置10Aが、前記第1受取位置と印刷後の基板Wを第1基板搬出部Ex1から搬出可能な第1送出位置とに亘って移動する一方で、第2基板支持装置10Bが前記第2受取位置と印刷後の基板Wを第2基板搬出部Ex2から搬出可能な第2送出位置とに移動可能に設けられており、これらの点で印刷装置1Fは第4実施形態の印刷装置1Dと構成が相違している。
【0098】
この印刷装置1Fでは、同図に示すように、第1基板支持装置10Aがマスク21の下方位置に配置され、この第1基板支持装置10Aに支持された基板Wが第1パターン211に対して位置決めされた状態で当該マスク21に重装されて印刷が実施される。
【0099】
この印刷が終了すると、図12(a)に示すように、第1基板支持装置10Aが第1送出位置に配置されて印刷後の基板Wが第1基板支持装置10Aから送り出されつつ第1基板搬出部Ex1から第1部品実装装置M1に搬出される。
【0100】
基板Wの搬出が完了すると、図12(b)に示すように、第1基板支持装置10Aが第1受入位置に配置され、第1基板搬入部En1から搬入されてくる基板Wが第1基板支持装置10Aのコンベヤ対12上に受け入れられてクランプされる。
【0101】
そして、第1基板支持装置10Aが第1受取位置、マスク21(第1パターン211)の下方位置および第1送出位置と順次移動しつつ当該第1基板支持装置10Aに支持された基板Wの印刷、当該基板Wの搬出および後続基板Wの受け入れ動作が順次行われる一方で、当該動作と一定の時間差をもって、第2基板支持装置10Bが第2受取位置、マスク21(第2パターン212)の下方位置および送出位置に順次移動しつつ第2基板支持装置10Bに支持された基板Wの印刷(図12(b))、基板Wの搬出および後続基板Wの受け入れ動作(図11)が順次行われる。
【0102】
このような第6実施形態の印刷装置1Fによれば、印刷装置1F単独で二系統のローダL1、L2から基板Wを受け入れつつ印刷を施してこれらローダL1、L2のコンベア対CL1、CL2のピッチ(Pt1)とは異なるピッチ(Pt2)で設置される部品実装装置M1、M2のコンベア対SM1、SM2に基板Wを搬出することができる。そのため、この印刷装置1Fによれば、二系統の上流側装置(ローダL1、L2)と二系統の下流側装置(部品実装装置M1、M2)との間であって、かつ上流側装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチと下流側装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチとが異なるものの間に配置しながらも製造ラインをコンパクトに構成することができるという、第3実施形態の印刷装置1C(図6参照)と同様の作用効果を奏することができる。しかも、この印刷装置1Dによれば、上記の通り2つの基板支持装置10A、10Bに交互に基板Wを受け入れつつ印刷を実施して搬出するため、第3実施形態の印刷装置1Cに比べると基板Wのスループットを向上させることができるという利点がある。
【0103】
ところで、上述した印刷装置1A〜1Fは、本発明に係るスクリーン印刷装置の好ましい実施形態の例示であって、その具体的な構成は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0104】
例えば、第4〜第6実施形態の印刷装置1D〜1Fでは、第1基板支持装置10Aに支持される基板Wについてはマスク21の2つの印刷パターン211,212のうち第1パターン211を用いて印刷を行う一方で、第2基板支持装置10Bに支持される基板Wについては第2パターン212を用いて印刷を行う構成となっているが、何れの基板支持装置10A、10Bに支持される基板Wに対しても2つの印刷パターン211,212を任意に用いて印刷が可能となるようにしてもよい。この場合には、例えば第4実施形態の印刷装置1Dであれば、第1基板支持装置10Aを第2パターン212に位置決めしたときに第2基板支持装置10Bが印刷実行部20の外側(図7では上側)の位置に退避し、逆に第2基板支持装置10Bを第1パターン211に位置決めしたときには第1基板支持装置10Aが印刷実行部20の外側(図7では下側)の位置に退避するようにすればよい。他の印刷装置1E、1Fについても同じである。
【0105】
また、第4実施形態の印刷装置1Dおよび第6実施形態の印刷装置1Fについても、第5実施形態の印刷装置1Eと同様に、両基板支持装置10A、10Bに支持された各基板Wを各印刷パターン211、212に対して同時に位置決めした状態で印刷が可能となるように構成してもよい。すなわち、両基板支持装置10A、10Bが各々印刷パターン211、212の下方に位置しても互いに干渉しない程度に、両印刷パターン211、212の配置ピッチを大きくする。
【0106】
さらに、第6実施形態の印刷装置1Fにおいて、部品実装装置M1、M2の配置のピッチ(Pt2)を可能な限り小さくすること(例えば、両印刷パターン211、212の配置ピッチと同程度、あるいはさらに小さくすること)もできる。この場合は、図12(a)に図示するような、印刷と基板搬出との同時実施は不可能となるが、例えば、印刷パターン211に重装した基板支持装置10A上の基板Wへの印刷中、および印刷後の基板支持装置10A上の基板Wを第1基板搬出部Ex1から搬出する期間中に、第2基板搬入部En2から基板支持装置10Bへの基板Wの受け入れを実施し、印刷パターン212に重装した基板支持装置10B上の基板Wへの印刷中、および印刷後の基板支持装置10B上の基板Wを第2基板搬出部Ex2から搬出する期間中に、第1基板搬入部En1から基板支持装置10Aへの基板Wの受け入れを実施するようにすることができる。すなわち、基板搬入中に印刷あるいは印刷後基板Wの搬出が可能となり、基板Wのスループットを向上させることができるという利点がある。
【符号の説明】
【0107】
1A〜1F スクリーン印刷装置
10(10A、10B) 基板支持装置(第1基板支持装置、第2基板支持装置)
14 クランプ機構
20 印刷実行部
21 スクリーンマスク
24A、24B 第1スキージユニット、第2スキージユニット
26 スキージ
En(En1、En2) 基板搬入部(第1基板搬入部、第2基板搬入部)
Ex(Ex1、Ex2) 基板搬出部(第1基板搬出部、第2基板搬出部)
W 基板
【技術分野】
【0001】
本発明は、プリント配線板(PWB;Printed wiring board))等の基板に部品を実装するための前処理として当該基板にクリーム半田や導電性ペースト等を印刷するスクリーン印刷装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
スクリーン印刷装置は、プリント回路板(PCB;Printed Circuit Board)の製造ラインに組み込まれ、上流側から搬送されてくる基板に導電性ペースト等の印刷を施して下流側の部品実装装置に送り出すものである。
【0003】
この種のスクリーン印刷装置は、装置内に一枚ずつ基板を受け入れ、1つの印刷パターンが形成された1枚のスクリーンマスクを用いて印刷処理を施して部品実装装置に送り出すように構成されているのが一般的である。
【0004】
しかし最近では、特許文献1に開示されるように、装置内に2つの搬送ラインと、これら搬送ラインに対応する2つの印刷パターンが形成された1つのスクリーンマスクとを備え、各搬送ラインに沿って個別に基板を受け入れつつ搬送ライン毎に異なる印刷パターンを用いて印刷を実施した後、個別に部品実装装置に送り出すものが提案されている。このような特許文献1の装置によれば、1台のスクリーン印刷装置でスクリーンマスクを交換することなく2種類のパターンの印刷が可能となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−272964号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、上記特許文献1のスクリーン印刷装置は、上記の通り2つの搬送ラインに対して基板を搬入出することを前提としており、しかもこれら搬送ラインの基板搬入側のピッチと基板搬出側のピッチが同一であるために次のような課題がある。
【0007】
すなわち、プリント回路板の製造ラインは、生産性を上げるために様々な形態で構成され、例えば1つの基板搬送ラインをもつシングル搬送型の装置(一系統の装置と称す)と、2つの基板搬送ラインを並列に備えるデュアル搬送型の部品実装装置又はシングル搬送型の2台の部品実装装置(総括して二系統の装置と称す)との間に上記特許文献1のようなスクリーン印刷装置を設置したり、逆に、二系統の上流側装置と一系統の部品実装装置との間に同スクリーン印刷装置を設置したい場合がある。すなわち、一系統の上流側装置から順次搬送されてくる基板に適宜異なるパターンの印刷を施しつつ二系統の部品実装装置に送り出したり、逆に、二系統の上流側装置から搬送されてくる基板にそれぞれ異なるパターンの印刷を施して一系統の部品実装装置に送り出したい場合がある。
【0008】
ところが、2つの搬送ラインに沿って基板を搬入出する必要がある上記特許文献1に記載の従来装置では、それ単独で一系統の上流側装置と二系統の部品実装装置との間に配置することは不可能であり、従って、実際の運用では、上流側装置とスクリーン印刷装置との間に、上流側装置から搬送されてくる基板をスクリーン印刷装置の各基板搬送ラインに対して振り分けるための振り分け装置を付設することが必要となる。同様に、二系統の上流側装置と一系統の下流側装置(部品実装装置)との間に特許文献1に記載の従来装置を配置する場合には、スクリーン印刷装置と部品実装装置との間に基板の受け入り元を切り換える切り換え装置を付設することが必要となる。
【0009】
また、従来装置は、上記の通り搬送ラインの基板搬入側のピッチと基板搬出側のピッチが同一であるため、二系統の上流側装置と二系統の下流側装置(部品実装装置)との間に設置する場合であっても、上流側装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチと部品実装装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチとが異なる場合には、上流側装置と部品実装装置との間に単独で配置することは不可能であり、上流側装置とスクリーン印刷装置との間、又はスクリーン印刷装置と部品実装装置との間に基板の搬送を中継する中継装置を付設することが必要となる。
【0010】
しかし、このようにスクリーン印刷装置に加えて振り分け装置や切り換え装置等の付帯設備を設けるライン構成では、プリント回路板製造設備の省スペース化や低コスト化を図る上で望ましくなく、この点に改良の余地が残されている。
【0011】
本発明は、このような事情に鑑みて成されたものであり、2つの印刷パターンを含む単一のスクリーンマスクを備えたスクリーン印刷装置において、振り分け装置等の付帯設備を要することなく一系統の装置と二系統の装置との間や、基板搬送ラインのピッチが相互に異なる二系統の上流側装置と二系統の下流側装置との間に設置することができるスクリーン印刷装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するための本発明は、スクリーン印刷装置において、スクリーンマスクを具備し基板にスクリーン印刷を実施するための印刷実行部と、この印刷実行部の位置を挟んで特定方向における一方側の位置に設けられる基板搬入部および他方側の位置に設けられる基板搬出部と、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取って前記印刷実行部において印刷が可能となるように支持するとともに印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出す基板支持手段と、この基板支持手段を駆動制御する制御手段とを備えており、前記特定方向をX軸方向としたときに、前記基板搬入部は、X軸方向と直交するY軸方向に並ぶ第1基板搬入部と第2基板搬入部とからなり、前記印刷実行部は、前記スクリーンマスクとして一枚のスクリーンマスクに2つの印刷パターンがY軸方向に並ぶように形成されたものを備えており、前記基板支持手段は、前記第1基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な第1受取位置と、前記第2基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な第2受取位置と、前記基板搬出への基板の送り出しが可能となる送出位置とに亘ってY軸方向に移動可能に設けられており、前記制御手段は、前記第1、第2基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記基板支持手段を前記第1受取位置又は第2受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出すべく前記基板支持手段を前記送出位置に配置するように構成されているものである(請求項1)。
【0013】
このスクリーン印刷装置では、第1又は第2受取位置に基板支持手段が配置されることにより第1又は第2基板搬出部から択一的に基板支持手段に基板が受け入れられ、この基板支持手段により基板が支持された状態で印刷が実施される。その際、スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れか一方側の印刷パターンを用いて印刷が行われるように印刷実行部に対して基板支持手段が配置されることで、基板に対してその種類等に応じたパターンの印刷が実施される。そして、基板支持手段が送出位置に配置されて当該基板支持手段から基板が送り出されることにより印刷後の基板が基板搬出部から搬出されることとなる。すなわち、このスクリーン印刷装置によれば、従来装置(背景技術の特許文献1に開示されたスクリーン印刷装置:以下この欄において同じ)と同様に2つの印刷パターンを含むスクリーンマスクを用いて印刷を実施できることに加え、例えば、二系統の上流側装置と一系統の下流側装置との間にスクリーン印刷装置を配置する場合でも、従来のような付帯設備(切り換え装置)を設けることなく、スクリーン印刷装置単独で二系統の上流側装置から基板を受け入れつつ印刷を施して一系統の下流側装置に搬出することが可能となる。
【0014】
なお、前記基板搬出部は、前記第1、第2基板搬入部の配列ピッチとは異なるピッチでY軸方向に並ぶ第1基板搬出部および第2基板搬出部からなり、前記基板支持手段は、前記送出位置として、前記第1基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第1送出位置と前記第2基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第2送出位置とに移動可能に設けられ、前記制御手段は、印刷後の基板を搬出すべく前記基板支持手段を前記第1送出位置又は第2送出位置に配置するように構成されていてもよい(請求項2)。
【0015】
このスクリーン印刷装置の構成では、前記第1、第2基板搬入部から基板が受け入れられつつ印刷が施され、前記第1、第2基板搬入部とは異なるピッチで設けられた第1、第2基板搬出部から基板が搬出されることとなる。そのため、このスクリーン印刷装置によれば、二系統の上流側装置と二系統の下流側装置との間に配置する場合であって、かつ上流側装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチと下流側装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチとが異なるような場合でも、従来のような付帯設備(中継装置)を設けることなく当該スクリーン印刷単独で上流側装置から基板を受け入れつつ印刷を施して下流側装置に搬出することが可能となる。
【0016】
また、本発明に係る別のスクリーン印刷装置は、スクリーンマスクを具備し基板にスクリーン印刷を実施するための印刷実行部と、この印刷実行部の位置を挟んで特定方向における一方側の位置に設けられる基板搬入部および他方側の位置に設けられる基板搬出部と、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取って前記印刷実行部において印刷が可能となるように支持するとともに印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出す基板支持手段と、この基板支持手段を駆動制御する制御手段とを備えており、前記特定方向をX軸方向としたときに、前記基板搬出部は、X軸方向と直交するY軸方向に並ぶ第1基板搬出部と第2基板搬出部とからなり、前記印刷実行部は、前記スクリーンマスクとして一枚のスクリーンマスクに2つの印刷パターンがY軸方向に並ぶように形成されたものを備えており、前記基板支持手段は、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な受取位置と、前記第1基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第1送出位置と、前記第2基板搬出部への基板の送り出し可能となる第2送出位置とに亘ってY軸方向に移動可能に設けられており、前記制御手段は、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記基板支持手段を前記受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記第1、2基板搬出部のうち一方側から搬出すべく前記基板支持手段を前記第1送出位置又は第2送出位置に配置するように構成されたものである(請求項3)。
【0017】
このスクリーン印刷装置では、受取位置に基板支持手段が配置されることにより基板支持部材に基板が受け入れられ、この基板支持手段により基板が支持された状態で印刷が実施される。その際、スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち一方側の印刷パターンを用いて印刷が行われるように印刷実行部に対して基板支持手段が配置されることで、基板に対してその種類等に応じたパターンの印刷が行われる。そして、基板支持手段が第1又は第2送出位置に配置された状態で当該基板支持手段から基板が送り出されることにより第1又は第2基板搬出部から選択的に印刷後の基板が搬出されることとなる。このようなスクリーン印刷装置によれば、従来装置と同様に2つの印刷パターンを含むスクリーンマスクを用いて印刷を実施できることに加え、例えば、一系統の上流側装置と二系統の下流側装置との間にスクリーン印刷装置を配置する場合でも、従来のような付帯設備(振り分け装置)を設けることなく、スクリーン印刷装置単独で一系統の上流側装置から基板を受け入れつつ印刷を施して二系統の下流側装置に搬出することが可能となる。
【0018】
また、本発明に係る別のスクリーン印刷装置は、基板にスクリーン印刷を実施するための印刷実行部と、この印刷実行部の位置を挟んで特定方向における一方側の位置に設けられる基板搬入部および他方側の位置に設けられる基板搬出部と、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取って前記印刷実行部において印刷が可能となるように支持するとともに印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出す基板支持手段と、この基板支持手段を駆動制御する制御手段とを備えており、前記特定方向をX軸方向としたときに、前記基板搬入部は、X軸方向と直交するY軸方向に並ぶ第1基板搬入部と第2基板搬入部とからなり、前記基板支持手段は、Y軸方向にそれぞれ移動可能に設けられ、前記第1基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な第1受取位置と前記基板搬出部への基板の送り出しが可能となる送出位置との間を移動する第1基板支持手段および前記第2基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な第2受取位置と前記送出位置との間を移動する第2基板支持手段とを含み、前記印刷実行部は、前記スクリーンマスクとして一枚のスクリーンマスクに2つの印刷パターンがY軸方向に並ぶように形成されたものを備えており、前記制御手段は、前記第1基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記第1基板支持手段を前記第1受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記第1基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出すべく前記第1基板支持手段を前記送出位置に配置する一方、前記第2基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記第2基板支持手段を前記第2受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記第2基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出すべく前記第2基板支持手段を前記送出位置に配置するように構成されているものである(請求項4)。
【0019】
このスクリーン印刷装置では、第1基板搬入部から搬入される基板は、第1受取位置に配置された第1基板支持手段に受け入れられ、この第1基板支持手段に支持された状態で印刷が施される。その際、スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち一方側の印刷パターンを用いて印刷が行われるように印刷実行部に対して第1基板支持手段が配置されることで、基板に対してその種類等に応じたパターンの印刷が実施される。そして、この第1基板支持手段が送出位置に配置されて基板が送り出されることにより基板搬出部から印刷後の基板が搬出される。一方、第2基板搬入部から搬入される基板は、第2受取位置に配置された第2基板支持手段に受け入れられ、この第2基板支持手段に支持された状態で印刷が施される。その際も、スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち一方側の印刷パターンを用いて印刷が行われるように印刷実行部に対して基板支持手段が配置されることで、基板に対してその種類等に応じたパターンの印刷が実施される。そして、この第2基板支持手段が送出位置に配置されて基板が送り出されることにより基板搬出部から印刷後の基板が搬出される。すなわち、このスクリーン印刷装置よれば、従来装置と同様に2つの印刷パターンを含むスクリーンマスクを用いて印刷を実施できることに加え、例えば、二系統の上流側装置と一系統の下流側装置との間にスクリーン印刷装置を配置する場合でも、従来のような付帯設備(切り換え装置)を設けることなく、スクリーン印刷装置単独で二系統の上流側装置から基板を受け入れつつ印刷を施して一系統の下流側装置に搬出することが可能となる。
【0020】
なお、前記基板搬出部は、前記第1、第2基板搬入部の配列ピッチとは異なるピッチでY軸方向に並ぶ第1基板搬出部および第2基板搬出部からなり、前記第1基板支持手段は、前記送出位置として前記第1基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第1送出位置に移動可能に設けられる一方、前記第2基板支持手段は、前記送出位置として前記第2基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第2送出位置に移動可能に設けられており、前記制御手段は、前記第1基板支持手段に支持されている印刷後の基板を前記第1基板搬出部へ送り出すべく当該第1基板支持手段を前記第1送出位置に配置する一方、前記第2基板支持手段に支持されている印刷後の基板を前記第2基板搬出部へ送り出すべく当該第2基板支持手段を前記第2送出位置に配置するように構成されていてもよい(請求項5)。
【0021】
このスクリーン印刷装置の構成では、第1基板支持手段が第1送出位置に配置されることにより当該第1基板支持手段に支持された印刷後の基板が第1基板搬出部に送り出される一方で、第2基板支持手段が第2送出位置に配置されることにより当該第2基板支持手段に支持された印刷後の基板が第2基板搬出部に送り出される。これにより、印刷後の基板が前記第1、第2基板搬入部とは異なるピッチで設けられた第1、第2基板搬出部から搬出されることとなる。そのため、このスクリーン印刷装置によれば、二系統の上流側装置と二系統の下流側装置との間に配置する場合であって、かつ上流側装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチと部品実装装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチとが異なるような場合でも、従来のような付帯設備(中継装置)を設けることなく当該スクリーン印刷単独で上流側装置から基板を受け入れつつ印刷を施して下流側装置に搬出することが可能となる。
【0022】
また、本発明に係る別のスクリーン印刷装置は、基板にスクリーン印刷を実施するための印刷実行部と、この印刷実行部の位置を挟んで特定方向における一方側の位置に設けられる基板搬入部および他方側の位置に設けられる基板搬出部と、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取って前記印刷実行部において印刷が可能となるように支持するとともに印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出す基板支持手段と、この基板支持手段を駆動制御する制御手段とを備えており、前記特定方向をX軸方向としたときに、前記基板搬出部は、X軸方向と直交するY軸方向に並ぶ第1基板搬出部と第2基板搬出部とからなり、前記基板支持手段は、Y軸方向にそれぞれ移動可能に設けられ、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な受取位置と前記第1基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第1送出位置との間を移動する第1基板支持手段および前記受取位置と前記第2基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第2送出位置との間を移動する第2基板支持手段とからなり、前記印刷実行部は、前記スクリーンマスクとして一枚のスクリーンマスクに2つの印刷パターンがY軸方向に並ぶように形成されたものを備えており、前記制御手段は、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記第1基板支持手段を前記受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記第1基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記第1基板搬出部に送り出すべく前記第1基板支持手段を前記第1送出位置に配置する一方、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記第2基板支持手段を前記受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記第2基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記第2基板搬出部に送り出すべく前記第1基板支持手段を前記第1送出位置に配置するように構成されているものである(請求項6)。
【0023】
このスクリーン印刷装置では、基板搬入部から搬入される基板は、受取位置に配置される第1基板支持手段又は第2基板支持手段に受け入れられ、当該基板支持手段に支持された状態で印刷が施される。その際、スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち一方側の印刷パターンを用いて印刷が行われるように印刷実行部に対して基板支持手段が配置されることで、基板に対してその種類等に応じたパターンの印刷が実施される。そして、基板が第1基板支持手段に受け入れられて印刷が施された場合には、この第1基板支持手段が第1送出位置に配置された状態で当該第1基板支持手段から基板が送り出されることにより印刷後の基板が第1基板搬出部から搬出され、他方、基板が第2基板支持手段に受け入れられて印刷が施された場合には、この第2基板支持手段が第2送出位置に配置された状態で当該第2基板支持手段から基板が送り出されることにより印刷後の基板が第2基板搬出部から搬出される。このようなスクリーン印刷装置によれば、従来装置と同様に2つの印刷パターンを含むスクリーンマスクを用いて印刷を実施できることに加え、例えば、一系統の上流側装置と二系統の下流側装置との間にスクリーン印刷装置を配置する場合でも、従来のような付帯設備(振り分け装置)を設けることなく、スクリーン印刷装置単独で一系統の上流側装置から基板を受け入れつつ印刷を施して二系統の下流側装置に搬出することが可能となる。
【発明の効果】
【0024】
以上説明したように、本発明のスクリーン印刷装置によれば、2つの印刷パターンを含むスクリーンマスクを用いて印刷を実施できることに加え、二系統の上流側装置から基板を受け入れつつ印刷を施して一系統の下流側装置に搬出すること、あるいは一系統の上流側装置から基板を受け入れつつ印刷を施して二系統の下流側装置に搬出することが可能となる。また、上流側装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチと部品実装装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチとが異なる場合でも支障なく上流側装置から基板を受け入れつつ印刷を施して下流側装置に搬出することが可能となる。従って、振り分け装置や切り換え装置等といった付帯設備を要することなく一系統の装置と二系統の装置との間にスクリーン印刷装置を設置すること、また中継装置等の付帯設備を要することなく基板搬送ラインのピッチが相互に異なる二系統の上流側装置と二系統の下流側装置との間に設置することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明に係るスクリーン印刷装置の第1実施形態を示す模式図である。
【図2】スクリーン印刷装置を示す断面図(図1のII−II線断面図)である。
【図3】スクリーン印刷装置を示す断面図(図2のIII−III線断面図)である。
【図4】制御装置の制御に基づくスクリーン印刷装置の印刷動作を説明する平面模式図である((a)、(b)、(c)は印刷動作を時系列的に示す)。
【図5】本発明に係るスクリーン印刷装置の第2実施形態を示す平面模式図である。
【図6】本発明に係るスクリーン印刷装置の第3実施形態を示す平面模式図である。
【図7】本発明に係るスクリーン印刷装置の第4実施形態を示す平面模式図である。
【図8】制御装置の制御に基づくスクリーン印刷装置の印刷動作を説明する平面模式図である((a)、(b)は印刷動作を時系列的に示す)。
【図9】本発明に係るスクリーン印刷装置の第5実施形態を示す平面模式図である。
【図10】制御装置の制御に基づくスクリーン印刷装置の印刷動作を説明する平面模式図である((a)、(b)は印刷動作を時系列的に示す)。
【図11】本発明に係るスクリーン印刷装置の第6実施形態を示す平面模式図である。
【図12】制御装置の制御に基づくスクリーン印刷装置の印刷動作を説明する平面模式図である((a)、(b)は印刷動作を時系列的に示す)。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好ましい実施の形態について詳述する。
【0027】
図1〜図3は、本発明に係るスクリーン印刷装置の第1実施形態を示しており、図1は平面図模式図で、図2及び図3は断面図でスクリーン印刷装置を示している。
【0028】
このスクリーン印刷装置1A(以下、印刷装置1Aと略す)は、二系統の上流側装置と一系統の下流側装置との間に介設された状態でプリント回路板(PCB)の製造ラインに組み込まれるものである。図示の例では、印刷装置1Aは、並列に配置された2台のローダL1、L2(第1ローダL1、第2ローダL2という)と1台の部品実装装置Mとの間に介設されており、上流側の各ローダL1、L2から繰り出されてくる基板Wに印刷を実施して下流側の部品実装装置Mに送り出す。
【0029】
なお、以下の説明では、製造ラインにおける基板Wの搬送方向をX軸方向、水平面上でX軸方向と直交する方向をY軸方向、これらX軸、Y軸の両方向に直交する方句(鉛直方向)をZ軸方向として印刷装置1Aの説明を行う。
【0030】
印刷装置1Aは、X軸方向における一方側の端部(基板搬送方向における上流側の端部)に2つの基板搬入部En1、En2(第1基板搬入部En1、第2基板搬入部En2という)を有する一方、他方側の端部(基板搬送方向における下流側の端部)に一つの基板搬出部Exを有しており、第1ローダL1から繰り出される基板Wを第1基板搬入部En1から装置内に、第2ローダL2から繰り出される基板Wを第2基板搬入部En2から装置内にそれぞれ搬入し、印刷後の基板Wを共通の基板搬出部Exから部品実装装置Mに搬出する。各基板搬入部En1、En2はY軸方向に近接して設けられており、基板搬出部ExはY軸方向において両基板搬入部En1、En2のほぼ中間の位置に設けられている。なお、同図中、符号CL1、CL2、SMはそれぞれローダL1、L2および部品実装装置Mに装備されるベルトコンベヤ対(基板の搬送ラインに相当する)であり、基板Wはこれらベルトコンベヤ対CL1、CL2、SM(以下、コンベヤ対CL1、CL2、SMと略す)に沿って搬送される。なお、符号は付与しないが、図示するように、ベルトコンベヤ対CL1、CL2、SMの延長上において基台2上には、それぞれベルトコンベア対が設けられており、下記するコンベア対12と各ベルトコンベヤ対CL1、CL2、SMとの中間コンベア対となっている。
【0031】
印刷装置1Aは、その基台2上に、基板Wを支持するための基板支持装置10と、基板支持装置10に支持された基板Wに印刷を実施する印刷実行部20とを備えている。
【0032】
基板支持装置10(本発明に係る基板支持手段に相当する)は、基板搬入部En1、En2から搬入される基板Wを受け取って印刷実行部20による印刷が可能となるように支持するとともに印刷後の当該基板Wを基板搬出部Exから送り出すものである。
【0033】
この基板支持装置10は、基台2上に設置された固定レール3に沿ってY軸方向に移動可能に設けられ、モータを駆動源とするねじ送り機構等により駆動されるようになっている。そして、後記制御装置によるモータ制御に基づき、第1基板搬入部En1から搬入されてくる基板Wを受け入れ(受け取り)可能な位置(第1受取位置という)と、基板Wを基板搬出部Exから搬出可能な位置(送出位置という)と、第2基板搬入部En2から搬入されてくる基板Wを受け入れ(受け取り)可能な受取位置(図1に示す位置;第2受取位置という)とに亘って移動する。
【0034】
基板支持装置10は、X軸方向に基板Wを搬送可能なコンベア対12と、このコンベヤ対12をY軸方向、Z軸方向およびR軸方向(Z軸回り)に移動させる移動機構と、コンベヤ対12の特定位置において基板Wを当該コンベヤ対12から上げる持ち上げるバックアップ機構と、持ち上げた基板Wを印刷可能に固定支持するクランプ機構14等を含む。なお、クランプ機構14はコンベヤ対12の不図示のフレームに固定支持される。
【0035】
前記コンベヤ対12は、互いに平行にX軸方向に延びる一対のベルトコンベヤからなり、モータ駆動により周回移動するベルトにより基板Wの両端部分を支持しつつ当該ベルトの移動に伴い基板WをX軸方向に搬送する。つまり、基板支持装置10は、基板搬入部En1、En2から搬入される基板Wを第1、第2受取位置に配置された状態でこのコンベヤ対12上に受け入れ、印刷後の基板Wを前記送出位置に配置された状態でコンベヤ対12から基板搬出部Exに送り出す。
【0036】
コンベヤ対12の前記移動機構は、基板支持装置10のベース15上に設けられてX軸方向に移動可能に支持されるX軸テーブル16と、このX軸テーブル16上に設けられてR軸方向に移動(Z軸回りに回転)可能に支持される回転テーブル17と、この回転テーブル17上に設けられてZ軸方向に移動(昇降)可能に支持される昇降テーブル18と、これら各テーブル16〜18を個別に駆動するモータを駆動源とする駆動機構等とを含み、後記制御装置によるモータ制御に基づきコンベヤ対12を上記各方向に移動させる。
【0037】
バックアップ機構は、前記昇降テーブル18上に設けられている。このバックアップ機構は、図示を省略するが、バックアップピンを備えた昇降可能なバックアップテーブルを有し、このバックアップテーブルを上昇させることにより、基板Wを前記バックアップピンにより支持した状態でコンベヤ対12(ベルト)から持ち上げるように構成されている。
【0038】
クランプ機構14は、前記コンベヤ対12に組付けられている。このクランプ機構14は、Y軸方向に接離可能な一対のクランプ部材を有し、前記バックアップ機構によりコンベヤ対12から持ち上げられた基板Wを前記クランプ部材により挟み込むことにより基板Wを固定、支持する。なお、以下の説明では、便宜上、上記のようにクランプ機構14により基板Wを保持した状態(コンベヤ対12から持ち上げられてクランプ部材によりクランプされた状態)を単にクランプ状態といい、保持が解除された状態をクランプ解除状態という。
【0039】
このように構成された基板支持装置10の上方に前記印刷実行部20が設けられている。
【0040】
この印刷実行部20は、基台2上に設置された図外の装置フレームに支持されており、主な構成要素として、マスク保持ユニット22と、2つのスキージユニット24A、24B(第1スキージユニット24A、第2スキージユニット24Bという)と、撮像ユニット28等とを含む。
【0041】
マスク保持ユニット22は、スクリーンマスク21(以下、マスク21と略す)を所定高さ位置に水平に張設した状態で固定的に保持するものである。なお、この印刷装置1Aで使用されるマスク21は、1枚のスクリーンマスクに互いに異なる2種類の印刷パターン211、212(第1パターン211、第2パターン212という)が形成されたものであり、これら印刷パターン211、212がY軸方向に並ぶように前記マスク保持ユニット22に保持されている。具体的には、基板搬出部Exに対して2つの印刷パターン211、212がY軸方向に等しく振り分けられた配置となるように保持されている。そして、第1パターン211に対して第1基板搬入部En1がほぼX軸方向に並び、第2パターン212に対して第2基板搬入部En2がほぼX軸方向に並ぶように、当該基板搬入部En1、En2が設けられている。
【0042】
スキージユニット24A、24Bは、クリーム半田、導電ペースト等のペーストをマスク21上でローリング(混練)しながら拡張するもので、第1スキージユニット24Aは、マスク保持ユニット22に保持された前記マスク21のうち第1印刷パターン211の上方に、第2スキージユニット24Bは、同第2印刷パターン211の上方にそれぞれ配置されている。つまり、マスク21のうち第1印刷パターン211を用いて印刷が行われる場合には第1スキージユニット24Aが使用され、第2パターン212を用いて印刷が行われる場合には第2スキージユニット24Bが使用される。
【0043】
これらのスキージユニット24A、24Bは、それぞれ図3の実線および仮想線に示すようにX軸方向に移動可能となるように上記図外の装置フレーム上に支持されており、モータを駆動源とするねじ送り機構等の駆動手段により個別に駆動されるようになっている。
【0044】
また、各スキージユニット24A、24Bはそれぞれ、Y軸方向に細長の単一のスキージ26と、マスク21に対するスキージ26の傾き方向および傾き角度を変更(図3参照)するための図外のスキージ角度可変機構と、スキージ26をこれがマスク21に摺接する印刷作業高さ位置とこの位置よりも上方の退避位置との間で昇降させる図外のスキージ昇降機構等とを含んでいる。
【0045】
すなわち、前記マスク21のうち第1印刷パターン211を使って印刷が行われる場合には、第1スキージユニット24Aのスキージ26が基板Wの表面(水平面)に対して所定角度にセットされて印刷作業位置に配置され、この状態で第1スキージユニット24AがX軸方向に駆動される。一方、前記マスク21のうち第2印刷パターン212を使って印刷が行われる場合には、第2スキージユニット24Bのスキージ26が基板Wの表面に対して所定角度にセットされて印刷作業位置に配置され、この状態で第2スキージユニット24BがX軸方向に駆動されるように構成されている。
【0046】
撮像ユニット28は、マスク21と基板Wとの相対的な位置関係を画像認識するためのものであり、マスク21の下面に記されるマークや記号等の複数の標識を下側から撮像するマスク認識カメラ28aと基板支持装置10に支持されている基板Wのマークや記号等の複数の標識を上側から撮像する基板認識カメラ28bを備えている。この撮像ユニット28は、図外のX−Yロボットに連結されることにより水平方向に二次元的に移動可能に設けられており、後記制御装置によるX−Yロボットの制御に基づき、印刷前(マスク重装前)のマスク21と基板Wとの間に介在して上記各標識を撮像する。
【0047】
なお、この印刷装置1Aは、CPU等を構成要素とする図外の制御装置(本発明の制御手段に相当する)を備えており、前記基板支持装置10、スキージユニット24A、24Bおよび撮像ユニット28等による一連の印刷処理動作、つまり基板搬入部En1、En2から搬入されてくる基板Wの受け取り、基板Wへの印刷および基板搬出部Exからの基板Wの搬出の一連の動作がこの制御装置により統括的に制御されるようになっている。
【0048】
次に、この制御装置の制御に基づく印刷装置1Aの印刷動作について図1および図4を参照しつつ説明する。
【0049】
図1は、印刷装置A1において連続的に行われている印刷動作の特定時点の状態を模式的に示しており、具体的には、マスク21の2つの印刷パターン211、212のうち第2パターン212を用いた基板Wの印刷実施直後の状態を示している。
【0050】
このような図1に示す状態から、まず、基板支持装置10が送出位置、すなわちコンベヤ対12が基板搬出部Exに対応する位置に移動する。そして、基板Wのクランプ状態が解除された後、コンベヤ対12、基台2上のコンベア対、およびコンベヤSMの駆動により、印刷後の基板Wが基板支持装置10から送り出されつつ基板搬出部Exから部品実装装置Mへ搬出される(図4(a))。
【0051】
基板Wの搬出が完了すると、後続の基板Wを受け取るべく基板支持装置10が第1又は第2受取位置、すなわちコンベヤ対12が第1基板搬入部En1又は第2基板搬入部En2に対応する位置に移動する。これにより第1基板搬入部En1又は第2基板搬入部En2から搬入されてくる基板Wが基板支持装置10のコンベヤ対12上に受け入れられる。例えば図4(b)に示すように、第1基板搬入部En1から搬入されてくる基板Wがコンベヤ対12上に受け入れられ、所定位置においてクランプ状態とされる。
【0052】
基板Wのクランプが完了すると、基板Wが、図4(c)に示すように上記マスク21の2つの印刷パターン211、212のうち印刷すべき印刷パターン下方の位置に配置される。基板Wは基板支持装置10のY軸方向の移動によりマスク21の何れの印刷パターン211、212の下方位置にも配置可能であるが、図示の例では、第1パターン211の下方位置に配置されている。
【0053】
そして、印刷に先立ち撮像ユニット28が所定の退避位置(図3に示す位置)から基板Wとマスク21との間に進行し、基板Wおよびマスク21の各標識を撮像した後、上記退避位置に移動する。これにより基板Wおよびマスク21の各位置が画像認識され、これらの認識結果に基づきマスク21と基板Wとの位置ずれが求められるとともに、この位置ずれに応じたX軸、Y軸およびR軸方向の補正値(ΔX、ΔY、ΔR)が求められる。このような認識処理および補正値の演算は、各カメラ28a、28bにより撮像された画像に基づき上記制御装置によって行われる。
【0054】
基板W等の認識が終了すると基板Wがマスク21に重装される。この際、上記補正値(ΔX、ΔY、ΔR)に基づき基板支持装置10がY軸方向に、コンベヤ対12の前記移動機構により当該コンベヤ対12がX軸およびR軸方向に駆動制御されることによりマスク21が基板Wに対して適正に重装される。
【0055】
そして、マスク21への基板Wの重装が完了すると、2つのスキージユニット24A、24Bのうち印刷すべき印刷パターン211、212に対応するものが作動し、これにより基板Wに印刷が施される。図4(c)の例の場合には、第1スキージユニット24Aのスキージ26が退避高さ位置から印刷作業高さ位置に下降移動した後、スキージ42を含むスキージユニット40全体がX軸方向に移動することにより基板Wに印刷が実施される。
【0056】
印刷が終了すると、コンベヤ対12が所定のホームポジションにリセットされる。すなわち、コンベヤ対12の上記移動機構の駆動によりコンベヤ対12がX軸、Y軸及びR軸の各方向に移動することにより、コンベヤ対12の不図示のフレームに固定支持されるクランプ機構14にクランプされた基板Wがマスク21から離版され、クランプ機構14のクランプが解除されてバックアップ機構の下降により基板Wがコンベア対12上に載置されるとともに、当該コンベヤ対12が上記各コンベヤ対CL1、CL2及びSMとの間で基板Wの受け渡しが可能となる位置に配置される。
【0057】
こうして基板Wの印刷が完了すると、基板支持装置10が送出位置に移動し、コンベヤ対12の駆動により印刷後の基板Wが基板支持装置10から送り出されつつ基板搬出部Exから部品実装装置Mに搬出される。そして、以後、第1基板搬入部En1又第2基板搬入部En2から搬入される基板Wが基板支持装置10に受け入れつつマスク21の2つの印刷パターン211、212のうち何れかを用いて印刷が行われて基板搬出部Exから部品実装装置Mに搬出される。
【0058】
以上説明した印刷装置1Aによると、従来装置(背景技術の特許文献1に開示されたスクリーン印刷装置)と同様に2つの印刷パターン211、212を含む1枚のマスク21を用いて印刷を実施できることに加え、印刷装置1A単独で二系統のローダL1、L2から板Wを受け入れつつ印刷を実施して一系統の部品実装装置Mに搬出することができる。従って、二系統の上流側装置(ローダL1、L2)と一系統の下流側装置(部品実装装置M)との間に印刷装置1Aを介設しながらも従来装置のような付帯設備(切り換え装置)は不要であり、これにより製造ラインをコンパクトに構成することができる。
【0059】
なお、この印刷装置1Aでは、マスク21として互いに異なる2種類の印刷パターン211、212が形成されものを適用した例について説明したが、印刷パターン211、212は同種類のパターンであってもよい(以下の第2〜第6実施形態について同じ)。
【0060】
次に、本発明に係るスクリーン印刷装置の第2の実施形態について図5を参照しつつ説明する。
【0061】
図5は第2実施形態に係るスクリーン印刷装置1B(以下、印刷装置1Bと略す)を平面図で模式的に示している。この第2実施形態に係る印刷装置1Bは、第1実施形態の印刷装置1Aの変形であり、次の点で第1実施形態の印刷装置1Aと構成が相違する。
【0062】
すなわち、この印刷装置1Bは、一つの基板搬入部Enと二つの基板搬出部Ex1、Ex2(第1基板搬出部Ex1、第2基板搬出部Ex2)とを有しており、図示の例では、1台のローダLから繰り出される基板Wを基板搬入部Enから装置内に搬入し、印刷後の基板Wを第1基板搬出部Ex1から第1部品実装装置M1に、又は第2基板搬出部Ex2から第2部品実装装置M2に選択的に搬出し得るように構成されている。そして、基板支持装置10が、基板搬入部Enから搬入される基板Wを受取可能な受取位置と、印刷後の基板Wを第1基板搬出部Ex1から搬出可能な第1送出位置と、印刷後の基板Wを第2基板搬出部Ex2から搬出可能な第2送出位置とに亘ってY軸方向に移動可能に設けられており、これらの点で印刷装置1Bは第1実施形態の印刷装置1Aと構成が相違している。
【0063】
時系列図を省略するが、この印刷装置1Bでは、まず基板支持装置10が受取位置に配置されることにより、基板搬入部Enから搬入されてくる基板Wが基板支持装置10(コンベヤ対12)に受け入れられる。そして、基板Wがクランプとされた後、マスク21の第1又は第2印刷パターン211、212のうち当該基板Wに印刷すべきパターンに対応するように基板支持装置10が配置され、この状態で当該基板Wにマスク21が重装されて印刷が実施される。印刷後は、基板支持装置10が第1送出位置又は第2送出位置に配置されることにより、基板Wが第1基板搬出部Ex1から第1部品実装装置M1に、又は第2基板搬出部Ex2から部品実装装置M2搬出される。
【0064】
このような第2実施形態の印刷装置1Bによると、2つの印刷パターン211、212を含むマスク21を用いて印刷を実施できることに加え、印刷装置1B単独で一系統のローダLから基板Wを受け入れつつ印刷を実施して二系統の部品実装装置M1、M2に搬出することができる。従って、この印刷装置1Bによれば、一系統の上流側装置(ローダL1)と二系統の下流側装置(部品実装装置M1、M2)との間に介設しながらも従来装置のような付帯設備(振り分け装置)は不要であり、これにより製造ラインをコンパクトに構成することができる。
【0065】
次に、本発明に係るスクリーン印刷装置の第3の実施形態について図6を参照しつつ説明する。
【0066】
図6は第3実施形態に係るスクリーン印刷装置1C(以下、印刷装置1Cと略す)を平面図で模式的に示している。この第3実施形態に係る印刷装置1Cは、第1実施形態の印刷装置1Aの変形であり、次の点で第1実施形態の印刷装置1Aと構成が相違する。
【0067】
すなわち、この印刷装置1Cは、基板搬出部として二つの基板搬出部Ex1、Ex2(第1基板搬出部Ex1、第2基板搬出部Ex2)を有しており、図示の例では、第1ローダL1から繰り出される基板Wを第1基板搬入部En1から装置内に、第2ローダL2から繰り出される基板Wを第2基板搬入部En2から装置内にそれぞれ搬入し、印刷後の基板Wを第1基板搬出部Ex1から第1部品実装装置M1に、又は第2基板搬出部Ex2から第2部品実装装置M2に選択的に搬出し得るように構成されている。そして、基板支持装置10がさらに印刷後の基板Wを第1基板搬出部Ex1から搬出可能な第1送出位置および印刷後の基板Wを第2基板搬出部Ex2から搬出可能な第2送出位置に移動可能に設けられており、これらの点で印刷装置1Cは第1実施形態の印刷装置1Aと構成が相違している。なお、前記基板搬出部Ex1、Ex2は、Y軸方向において両基板搬入部En1、En2の間の位置に設けられている。換言すれば、前記基板搬出部Ex1、Ex2は、両基板搬入部En1、En2の配列ピッチPt1とは異なる配列ピッチPt2(Pt2<Pt1)で設けられている。
【0068】
時系列図を省略するが、この印刷装置1Cでは、まず基板支持装置10が第1受取位置、又は第2受取位置に配置されることにより、基板搬入部En1、En2から搬入されてくる基板Wが基板支持装置10(コンベヤ対12)に受け入れられる。そして、基板Wがクランプとされた後、マスク21の第1印刷パターン211、又は第2印刷パターン212のうち当該基板Wに印刷すべきパターンに対応するように基板支持装置10が配置され、この状態で当該基板Wにマスク21が重装されて印刷が実施される。印刷後は、基板支持装置10が第1送出位置、又は第2送出位置に配置されることにより、基板Wが第1基板搬出部Ex1から第1部品実装装置M1に、又は第2基板搬出部Ex2から部品実装装置M2に搬出される。
【0069】
このような第3実施形態の印刷装置1Cによると、2つの印刷パターン211、212を含むマスク21を用いて印刷を実施できることに加え、この印刷装置1C単独で二系統のローダL1、L2から基板Wを受け入れつつ印刷を施してこれらローダL1、L2のコンベア対CL1、CL2のピッチ(Pt1)とは異なるピッチ(Pt2)で設置される部品実装装置M1、M2のコンベア対SM1、SM2に基板Wを搬出することができる。従って、この印刷装置1Cによれば、二系統の上流側装置(ローダL1、L2)と二系統の下流側装置(部品実装装置M1、M2)との間に配置する場合であって、かつ上流側装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチと下流側装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチとが異なるような場合でも、従来のような付帯設備(中継装置)は不要であり、これにより製造ラインをコンパクトに構成することができる。
【0070】
次に、本発明に係るスクリーン印刷装置の第4の実施形態について図7、図8を参照しつつ説明する。
【0071】
図7は第4実施形態に係るスクリーン印刷装置1D(以下、印刷装置1Dと略す)を平面図で模式的に示している。この第4実施形態に係る印刷装置1Dは、第1実施形態の印刷装置1Aの変形であり、次の点で第1実施形態の印刷装置1Aと構成が相違する。
【0072】
すなわち、この印刷装置1Dは、基板支持装置として2つの基板支持装置10A、10B(第1基板支持装置10A、第2基板支持装置10Bという)を有している。これら基板支持装置10A、10Bは、同一の構成であり、基台2上に設置された共通の固定レール3上に支持されており、モータを駆動源とするねじ送り機構等により個別にY軸方向に駆動されるようになっている。そして、第1基板支持装置10Aが、第1基板搬入部En1から搬入されてくる基板Wを受け取り可能な受取位置(第1受取位置)と前記送出位置とに亘って移動する一方で、第2基板支持装置10Bが、第2基板搬入部En2から搬入されてくる基板Wを受け取り可能な受取位置(第2受取位置)と前記送出位置とに亘って移動するようになっている。従って、この印刷装置1Dでは、第1基板支持装置10Aに支持される基板Wについては、マスク21の2つの印刷パターン211、212のうち第1パターン211による印刷のみが可能となり、他方、第2基板支持装置10Bに支持される基板Wについては、第2パターン212による印刷のみが可能となる。
【0073】
なお、この印刷装置1Cでは、一方側の基板支持装置10A(又は10B)への基板の受け入れ中に他方側の基板支持装置10B(又は10A)から基板搬出部Exへの基板Wの送り出しが可能となるように、換言すれば第1又は第2受入位置と送出位置とに同時に基板支持装置10A、10Bを配置できるように、例えば同図に示すように、両基板搬入部En1、En2がY軸方向においてマスク21よりも外側の位置に設けられている。
【0074】
この印刷装置1Dでは、同図に示すように、第1基板支持装置10Aがマスク21の下方位置に配置され、この第1基板支持装置10Aに支持された基板Wが第1パターン211に対して位置決めされた状態で当該マスク21に重装されて印刷が実施される。この印刷中にコンベア対CL2上の基板Wが、第2基板搬入部En2から第1受入位置の第2基板支持装置10Bに受け入れられクランプされる。
【0075】
この印刷が終了すると、図8(a)に示すように、第1基板支持装置10Aが送出位置に配置されて印刷後の基板Wが基板支持装置10から送り出されつつ基板搬出部Exから部品実装装置Mに搬出される。
【0076】
基板Wの搬出が完了すると、図8(b)に示すように、第1基板支持装置10Aが第1受入位置に配置され、第1基板搬入部En1から搬入されてくる基板Wが基板支持装置10のコンベヤ対12上に受け入れられてクランプされる。一方、第2基板支持装置10Bがマスク21の下方位置に配置され、この第1基板支持装置10Bに支持された基板Wが第2パターン212に対して位置決めされた状態で当該マスク21に重装されて印刷が実施される。
【0077】
このように、第1基板支持装置10Aが第1受取位置、マスク21(第1パターン211)の下方位置および送出位置と順次移動しつつ当該第1基板支持装置10Aに支持された基板Wの印刷、当該基板Wの搬出および後続基板Wの受け入れの各動作が順次行われる一方で、当該動作と一定の時間差をもって、第2基板支持装置10Bが第2受取位置、マスク21(第2パターン212)の下方位置および送出位置に順次移動しつつ第2基板支持装置10Bに支持された基板Wの印刷(図8(b))、基板Wの搬出および後続基板Wの受け入れ動作(図7、図8(a))が順次行われる。
【0078】
このような第4実施形態の印刷装置1Dについても、第1実施形態の印刷装置1Aと同様に、印刷装置1D単独で二系統の上流側装置(ローダL1、L2)から基板Wを受け入れつつ印刷を施して一系統の下流側装置(部品実装装置M)に搬出することができる。
【0079】
しかも、この印刷装置1Dによれば、2つの基板支持装置10A、10Bに交互に基板Wを受け入れつつ印刷を実施して搬出するため、第1実施形態の印刷装置1Aに比べると、先行する印刷済み基板Wの搬出後、後続の基板Wの印刷をより短時間で開始することが可能となる。従って、この第4実施形態の印刷装置1Dによると、二系統の上流側装置と一系統の下流側装置との間に印刷装置1を介設しながらも製造ラインをコンパクトに構成することができるという第1実施形態の印刷装置1Aと同様の作用効果に加え、スループットを向上させることができるという作用効果を享受することができる。
【0080】
上記の説明では特に言及していないが、撮像ユニット28は、両基板支持装置10A、10Bについて共通であり、各基板支持装置10A、10Bがマスク21の下方位置に配置された状態で、基板Wとマスク21(第1パターン211又は第2パターン212)との間に介在して各標識を撮像する。なお、この印刷装置1Dでは、一方側の基板支持装置10A(又は10B)がマスク21の下方位置に配置される時点では、通常、図7および図8(b)に示すように他方側の基板支持装置10B(又は10A)は受取位置に配置されており、従って当該他方側の基板支持装置10B(又は10A)が撮像ユニット28による標識撮像動作の邪魔になることはない。
【0081】
次に、本発明に係るスクリーン印刷装置の第5の実施形態について図9、図10を参照しつつ説明する。
【0082】
図9は第5実施形態に係るスクリーン印刷装置1E(以下、印刷装置1Eと略す)を平面図で模式的に示している。この第2実施形態に係る印刷装置1Eは、第4実施形態の印刷装置1Dの変形であり、次の点で第4実施形態の印刷装置1Dと構成が相違する。
【0083】
すなわち、この印刷装置1Eは、一つの基板搬入部Enと二つの基板搬出部Ex1、Ex2(第1基板搬出部Ex1、第2基板搬出部Ex2)とを有しており、図示の例では、印刷装置1Dは、1台のローダLから繰り出される基板Wを基板搬入部Enから装置内に搬入し、印刷後の基板Wを第1基板搬出部Ex1から第1部品実装装置M1に、第2基板搬出部Ex2から第2部品実装装置M2にそれぞれ搬出するように構成されている。
【0084】
基板搬入部Enは、第1基板搬出部Ex1に対してX軸方向に一列に並ぶように、換言すればY軸方向における第1基板搬出部Ex1と同じ位置に設けられている。
【0085】
そして、第1基板支持装置10Aが、基板搬入部Enから搬入される基板Wを受取可能でかつ印刷後の基板Wを第1基板搬出部Ex1から搬出可能な作業位置(同図に示す位置;本発明の受取位置および第1送出位置に相当)とこの位置より装置前側(同図では下方)に位置する待機位置とに移動可能に設けられる一方で、第2基板支持装置10Bが基板搬入部Enから搬入される基板Wを受取可能な受取位置(本発明の受取位置に相当)と印刷後の基板Wを第2基板搬出部Ex2へ送り出し可能な送出位置(本発明の第2送出位置に相当)とに移動可能に設けられている。なお、第1基板支持装置10Aにおける前記作業位置と第2基板支持装置10Bにおける受取位置とは同じ位置ではあるが当実施形態の説明では文言上区別する。
【0086】
また、マスク21は、2つの印刷パターン211、212のうち第1パターン211が作業位置(受取位置)に位置するように保持されている。また、各印刷パターン211、212に対して同時に基板Wを位置決めした状態で印刷が可能となるように各基板支持装置10A、10Bの構成との関係で各印刷パターン211、212のY軸方向の間隔等が設定されている。
【0087】
この印刷装置1Eでは、基板Wの印刷および印刷後の基板Wの搬出が各基板支持装置10A、10Bについてほぼ並行して実施される。すなわち、この印刷装置1Aでは、同図に示すように、第1基板支持装置10Aが作業位置(受入位置であってかつ第1送出位置)に配置された状態で基板搬入部Enから搬入される基板Wが第1基板支持装置10Aに受け入れられる。この際、先行する印刷済みの基板Wが第1基板支持装置10Aから送り出されつつ第1基板搬出部Ex1から第1部品実装装置M1に搬出される。また、これほぼ同時に、先行する印刷済みの基板Wが第2基板支持装置10Bから送り出されつつ第2基板搬出部Ex2から第2部品実装装置M2に搬出される。
【0088】
第1基板支持装置10Aへの基板Wの受け入れが完了し、かつ先行する基板Wの送り出しが完了すると、図10(a)に示すように、第1基板支持装置10Aが待機位置に配置される一方、第2基板支持装置10Bが受取位置に配置され、この状態で当該第2基板支持装置10Bに基板Wが受け入れられる。
【0089】
第2基板支持装置10Bへの基板Wの受け入れが完了すると、この第2基板支持装置10Bがマスク21(第2パターン212)の下方位置に配置されるとともに第1基板支持装置10Aがマスク21(第1パターン211)の下方位置に配置され、これにより図10(b)に示すように、第1基板支持装置10Aの基板Wが第1パターン211に、第2基板支持装置10Bの基板Wが第2パターン212にそれぞれ位置決めされ、撮像ユニット28による各標識の撮像が行われ、算出される補正量による各基板の位置補正がされた後、各基板Wがマスク21に重装されて当該両基板Wの印刷がほぼ同時に実施される。なお、撮像ユニット28による各標識の撮像は各基板Wについて同時に行われる。すなわち、撮像ユニット28が第1基板支持装置10Aの基板Wとマスク21(第1パターン211)との間および第2基板支持装置10Bの基板Wとマスク21(第2パターン212)との間を連続的に移動することにより各基板Wの標識およびマスク21(印刷パターン211、212)の標識を連続的に撮像する。
【0090】
印刷が終了すると、第1基板支持装置10Aが作業位置に配置されて印刷後の基板Wが第1基板搬出部Ex1に送り出されつつ後続の基板Wが基板搬出部Exから当該第1基板支持装置10Aに受け入れられる一方で、第2基板支持装置10Bが送出位置に配置されて印刷後の基板Wが第2基板搬出部Ex2に送り出される(図9参照)。
【0091】
こうして以後、基板Wの印刷および印刷後の基板Wの搬出が各基板支持装置10A、10Bについてほぼ並行して実施されることとなる。
【0092】
このような第5実施形態の印刷装置1Eによれば、印刷装置1E単独で一系統の上流側装置(ローダL)から基板Wを受け入れつつ印刷を施して二系統の下流側装置(部品実装装置M1、M2)に搬出することができるため、二系統の上流側装置と一系統の下流側装置との間に印刷装置1を介設しながらも製造ラインをコンパクトに構成することができるという上記第2実施形態の印刷装置1B(図5参照)と同様の作用効果を奏することができる。しかも、この印刷装置1Eでは、上記の通り2つの基板支持装置10A、10Bに基板Wを受け入れつつ印刷を実施して搬出するように構成された上で、さらにこのような基板Wの印刷および印刷後の基板Wの搬出が各基板支持装置10A、10Bについてほぼ並行して実施されるように構成されているため、基板Wを1枚ずつ装置内に受け入れて印刷し搬出する第2実施形態の印刷装置1Bと比べると、基板Wのスループットを向上させることができるという利点がある。
【0093】
次に、本発明に係るスクリーン印刷装置の第6の実施形態について図11、12を参照しつつ説明する。
【0094】
図11は第6実施形態に係るスクリーン印刷装置1F(以下、印刷装置1Fと略す)を平面図で模式的に示している。この第6実施形態に係る印刷装置1Fは、第4実施形態の印刷装置1Dの変形であり、次の点で第4実施形態の印刷装置1Dと構成が相違する。
【0095】
すなわち、この印刷装置1Fは、基板搬出部として二つの基板搬出部Ex1、Ex2(第1基板搬出部Ex1、第2基板搬出部Ex2)を有している。図示の例では、印刷装置1Fは、第1ローダL1から繰り出される基板Wを第1基板搬入部En1から装置内に、第2ローダL2から繰り出される基板Wを第2基板搬入部En2から装置内にそれぞれ搬入し、印刷後の基板Wを第1基板搬出部Ex1から第1部品実装装置M1に、第2基板搬出部Ex2から第2部品実装装置M2にそれぞれ搬出し得るように構成されている。
【0096】
各基板搬出部Ex1、Ex2は、Y軸方向において両基板搬入部En1、En2の間の位置に設けられている。換言すれば、前記基板搬出部Ex1、Ex2は、両基板搬入部En1、En2の配列ピッチPt1とは異なる配列ピッチPt2(Pt2<Pt1)で設けられている。
【0097】
そして、第1基板支持装置10Aが、前記第1受取位置と印刷後の基板Wを第1基板搬出部Ex1から搬出可能な第1送出位置とに亘って移動する一方で、第2基板支持装置10Bが前記第2受取位置と印刷後の基板Wを第2基板搬出部Ex2から搬出可能な第2送出位置とに移動可能に設けられており、これらの点で印刷装置1Fは第4実施形態の印刷装置1Dと構成が相違している。
【0098】
この印刷装置1Fでは、同図に示すように、第1基板支持装置10Aがマスク21の下方位置に配置され、この第1基板支持装置10Aに支持された基板Wが第1パターン211に対して位置決めされた状態で当該マスク21に重装されて印刷が実施される。
【0099】
この印刷が終了すると、図12(a)に示すように、第1基板支持装置10Aが第1送出位置に配置されて印刷後の基板Wが第1基板支持装置10Aから送り出されつつ第1基板搬出部Ex1から第1部品実装装置M1に搬出される。
【0100】
基板Wの搬出が完了すると、図12(b)に示すように、第1基板支持装置10Aが第1受入位置に配置され、第1基板搬入部En1から搬入されてくる基板Wが第1基板支持装置10Aのコンベヤ対12上に受け入れられてクランプされる。
【0101】
そして、第1基板支持装置10Aが第1受取位置、マスク21(第1パターン211)の下方位置および第1送出位置と順次移動しつつ当該第1基板支持装置10Aに支持された基板Wの印刷、当該基板Wの搬出および後続基板Wの受け入れ動作が順次行われる一方で、当該動作と一定の時間差をもって、第2基板支持装置10Bが第2受取位置、マスク21(第2パターン212)の下方位置および送出位置に順次移動しつつ第2基板支持装置10Bに支持された基板Wの印刷(図12(b))、基板Wの搬出および後続基板Wの受け入れ動作(図11)が順次行われる。
【0102】
このような第6実施形態の印刷装置1Fによれば、印刷装置1F単独で二系統のローダL1、L2から基板Wを受け入れつつ印刷を施してこれらローダL1、L2のコンベア対CL1、CL2のピッチ(Pt1)とは異なるピッチ(Pt2)で設置される部品実装装置M1、M2のコンベア対SM1、SM2に基板Wを搬出することができる。そのため、この印刷装置1Fによれば、二系統の上流側装置(ローダL1、L2)と二系統の下流側装置(部品実装装置M1、M2)との間であって、かつ上流側装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチと下流側装置の各基板搬送ラインのライン間ピッチとが異なるものの間に配置しながらも製造ラインをコンパクトに構成することができるという、第3実施形態の印刷装置1C(図6参照)と同様の作用効果を奏することができる。しかも、この印刷装置1Dによれば、上記の通り2つの基板支持装置10A、10Bに交互に基板Wを受け入れつつ印刷を実施して搬出するため、第3実施形態の印刷装置1Cに比べると基板Wのスループットを向上させることができるという利点がある。
【0103】
ところで、上述した印刷装置1A〜1Fは、本発明に係るスクリーン印刷装置の好ましい実施形態の例示であって、その具体的な構成は本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0104】
例えば、第4〜第6実施形態の印刷装置1D〜1Fでは、第1基板支持装置10Aに支持される基板Wについてはマスク21の2つの印刷パターン211,212のうち第1パターン211を用いて印刷を行う一方で、第2基板支持装置10Bに支持される基板Wについては第2パターン212を用いて印刷を行う構成となっているが、何れの基板支持装置10A、10Bに支持される基板Wに対しても2つの印刷パターン211,212を任意に用いて印刷が可能となるようにしてもよい。この場合には、例えば第4実施形態の印刷装置1Dであれば、第1基板支持装置10Aを第2パターン212に位置決めしたときに第2基板支持装置10Bが印刷実行部20の外側(図7では上側)の位置に退避し、逆に第2基板支持装置10Bを第1パターン211に位置決めしたときには第1基板支持装置10Aが印刷実行部20の外側(図7では下側)の位置に退避するようにすればよい。他の印刷装置1E、1Fについても同じである。
【0105】
また、第4実施形態の印刷装置1Dおよび第6実施形態の印刷装置1Fについても、第5実施形態の印刷装置1Eと同様に、両基板支持装置10A、10Bに支持された各基板Wを各印刷パターン211、212に対して同時に位置決めした状態で印刷が可能となるように構成してもよい。すなわち、両基板支持装置10A、10Bが各々印刷パターン211、212の下方に位置しても互いに干渉しない程度に、両印刷パターン211、212の配置ピッチを大きくする。
【0106】
さらに、第6実施形態の印刷装置1Fにおいて、部品実装装置M1、M2の配置のピッチ(Pt2)を可能な限り小さくすること(例えば、両印刷パターン211、212の配置ピッチと同程度、あるいはさらに小さくすること)もできる。この場合は、図12(a)に図示するような、印刷と基板搬出との同時実施は不可能となるが、例えば、印刷パターン211に重装した基板支持装置10A上の基板Wへの印刷中、および印刷後の基板支持装置10A上の基板Wを第1基板搬出部Ex1から搬出する期間中に、第2基板搬入部En2から基板支持装置10Bへの基板Wの受け入れを実施し、印刷パターン212に重装した基板支持装置10B上の基板Wへの印刷中、および印刷後の基板支持装置10B上の基板Wを第2基板搬出部Ex2から搬出する期間中に、第1基板搬入部En1から基板支持装置10Aへの基板Wの受け入れを実施するようにすることができる。すなわち、基板搬入中に印刷あるいは印刷後基板Wの搬出が可能となり、基板Wのスループットを向上させることができるという利点がある。
【符号の説明】
【0107】
1A〜1F スクリーン印刷装置
10(10A、10B) 基板支持装置(第1基板支持装置、第2基板支持装置)
14 クランプ機構
20 印刷実行部
21 スクリーンマスク
24A、24B 第1スキージユニット、第2スキージユニット
26 スキージ
En(En1、En2) 基板搬入部(第1基板搬入部、第2基板搬入部)
Ex(Ex1、Ex2) 基板搬出部(第1基板搬出部、第2基板搬出部)
W 基板
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーン印刷装置において、
スクリーンマスクを具備し基板にスクリーン印刷を実施するための印刷実行部と、
この印刷実行部の位置を挟んで特定方向における一方側の位置に設けられる基板搬入部および他方側の位置に設けられる基板搬出部と、
前記基板搬入部から搬入される基板を受け取って前記印刷実行部において印刷が可能となるように支持するとともに印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出す基板支持手段と、
この基板支持手段を駆動制御する制御手段とを備えており、
前記特定方向をX軸方向としたときに、前記基板搬入部は、X軸方向と直交するY軸方向に並ぶ第1基板搬入部と第2基板搬入部とからなり、
前記印刷実行部は、前記スクリーンマスクとして一枚のスクリーンマスクに2つの印刷パターンがY軸方向に並ぶように形成されたものを備えており、
前記基板支持手段は、前記第1基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な第1受取位置と、前記第2基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な第2受取位置と、前記基板搬出への基板の送り出しが可能となる送出位置とに亘ってY軸方向に移動可能に設けられており、
前記制御手段は、前記第1、第2基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記基板支持手段を前記第1受取位置又は第2受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出すべく前記基板支持手段を前記送出位置に配置することを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスクリーン印刷装置において、
前記基板搬出部は、前記第1、第2基板搬入部の配列ピッチとは異なるピッチでY軸方向に並ぶ第1基板搬出部および第2基板搬出部からなり、
前記基板支持手段は、前記送出位置として、前記第1基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第1送出位置と前記第2基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第2送出位置とに移動可能に設けられており、
前記制御手段は、印刷後の基板を搬出すべく前記基板支持手段を前記第1送出位置又は第2送出位置に配置することを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項3】
スクリーン印刷装置において、
スクリーンマスクを具備し基板にスクリーン印刷を実施するための印刷実行部と、
この印刷実行部の位置を挟んで特定方向における一方側の位置に設けられる基板搬入部および他方側の位置に設けられる基板搬出部と、
前記基板搬入部から搬入される基板を受け取って前記印刷実行部において印刷が可能となるように支持するとともに印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出す基板支持手段と、
この基板支持手段を駆動制御する制御手段とを備えており、
前記特定方向をX軸方向としたときに、前記基板搬出部は、X軸方向と直交するY軸方向に並ぶ第1基板搬出部と第2基板搬出部とからなり、
前記印刷実行部は、前記スクリーンマスクとして一枚のスクリーンマスクに2つの印刷パターンがY軸方向に並ぶように形成されたものを備えており、
前記基板支持手段は、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な受取位置と、前記第1基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第1送出位置と、前記第2基板搬出部への基板の送り出し可能となる第2送出位置とに亘ってY軸方向に移動可能に設けられており、
前記制御手段は、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記基板支持手段を前記受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記第1、2基板搬出部のうち一方側から搬出すべく前記基板支持手段を前記第1送出位置又は第2送出位置に配置することを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項4】
スクリーン印刷装置において、
基板にスクリーン印刷を実施するための印刷実行部と、
この印刷実行部の位置を挟んで特定方向における一方側の位置に設けられる基板搬入部および他方側の位置に設けられる基板搬出部と、
前記基板搬入部から搬入される基板を受け取って前記印刷実行部において印刷が可能となるように支持するとともに印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出す基板支持手段と、
この基板支持手段を駆動制御する制御手段とを備えており、
前記特定方向をX軸方向としたときに、前記基板搬入部は、X軸方向と直交するY軸方向に並ぶ第1基板搬入部と第2基板搬入部とからなり、
前記基板支持手段は、Y軸方向にそれぞれ移動可能に設けられ、前記第1基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な第1受取位置と前記基板搬出部への基板の送り出しが可能となる送出位置との間を移動する第1基板支持手段および前記第2基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な第2受取位置と前記送出位置との間を移動する第2基板支持手段とを含み、
前記印刷実行部は、前記スクリーンマスクとして一枚のスクリーンマスクに2つの印刷パターンがY軸方向に並ぶように形成されたものを備えており、
前記制御手段は、前記第1基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記第1基板支持手段を前記第1受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記第1基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出すべく前記第1基板支持手段を前記送出位置に配置する一方、前記第2基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記第2基板支持手段を前記第2受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記第2基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出すべく前記第2基板支持手段を前記送出位置に配置することを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項5】
請求項4に記載のスクリーン印刷装置において、
前記基板搬出部は、前記第1、第2基板搬入部の配列ピッチとは異なるピッチでY軸方向に並ぶ第1基板搬出部および第2基板搬出部からなり、
前記第1基板支持手段は、前記送出位置として前記第1基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第1送出位置に移動可能に設けられる一方、前記第2基板支持手段は、前記送出位置として前記第2基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第2送出位置に移動可能に設けられており、
前記制御手段は、前記第1基板支持手段に支持されている印刷後の基板を前記第1基板搬出部へ送り出すべく当該第1基板支持手段を前記第1送出位置に配置する一方、前記第2基板支持手段に支持されている印刷後の基板を前記第2基板搬出部へ送り出すべく当該第2基板支持手段を前記第2送出位置に配置することを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項6】
スクリーン印刷装置において、
基板にスクリーン印刷を実施するための印刷実行部と、
この印刷実行部の位置を挟んで特定方向における一方側の位置に設けられる基板搬入部および他方側の位置に設けられる基板搬出部と、
前記基板搬入部から搬入される基板を受け取って前記印刷実行部において印刷が可能となるように支持するとともに印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出す基板支持手段と、
この基板支持手段を駆動制御する制御手段とを備えており、
前記特定方向をX軸方向としたときに、前記基板搬出部は、X軸方向と直交するY軸方向に並ぶ第1基板搬出部と第2基板搬出部とからなり、
前記基板支持手段は、Y軸方向にそれぞれ移動可能に設けられ、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な受取位置と前記第1基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第1送出位置との間を移動する第1基板支持手段および前記受取位置と前記第2基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第2送出位置との間を移動する第2基板支持手段とからなり、
前記印刷実行部は、前記スクリーンマスクとして一枚のスクリーンマスクに2つの印刷パターンがY軸方向に並ぶように形成されたものを備えており、
前記制御手段は、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記第1基板支持手段を前記受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記第1基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記第1基板搬出部に送り出すべく前記第1基板支持手段を前記第1送出位置に配置する一方、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記第2基板支持手段を前記受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記第2基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記第2基板搬出部に送り出すべく前記第2基板支持手段を前記第2送出位置に配置することを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項1】
スクリーン印刷装置において、
スクリーンマスクを具備し基板にスクリーン印刷を実施するための印刷実行部と、
この印刷実行部の位置を挟んで特定方向における一方側の位置に設けられる基板搬入部および他方側の位置に設けられる基板搬出部と、
前記基板搬入部から搬入される基板を受け取って前記印刷実行部において印刷が可能となるように支持するとともに印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出す基板支持手段と、
この基板支持手段を駆動制御する制御手段とを備えており、
前記特定方向をX軸方向としたときに、前記基板搬入部は、X軸方向と直交するY軸方向に並ぶ第1基板搬入部と第2基板搬入部とからなり、
前記印刷実行部は、前記スクリーンマスクとして一枚のスクリーンマスクに2つの印刷パターンがY軸方向に並ぶように形成されたものを備えており、
前記基板支持手段は、前記第1基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な第1受取位置と、前記第2基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な第2受取位置と、前記基板搬出への基板の送り出しが可能となる送出位置とに亘ってY軸方向に移動可能に設けられており、
前記制御手段は、前記第1、第2基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記基板支持手段を前記第1受取位置又は第2受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出すべく前記基板支持手段を前記送出位置に配置することを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項2】
請求項1に記載のスクリーン印刷装置において、
前記基板搬出部は、前記第1、第2基板搬入部の配列ピッチとは異なるピッチでY軸方向に並ぶ第1基板搬出部および第2基板搬出部からなり、
前記基板支持手段は、前記送出位置として、前記第1基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第1送出位置と前記第2基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第2送出位置とに移動可能に設けられており、
前記制御手段は、印刷後の基板を搬出すべく前記基板支持手段を前記第1送出位置又は第2送出位置に配置することを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項3】
スクリーン印刷装置において、
スクリーンマスクを具備し基板にスクリーン印刷を実施するための印刷実行部と、
この印刷実行部の位置を挟んで特定方向における一方側の位置に設けられる基板搬入部および他方側の位置に設けられる基板搬出部と、
前記基板搬入部から搬入される基板を受け取って前記印刷実行部において印刷が可能となるように支持するとともに印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出す基板支持手段と、
この基板支持手段を駆動制御する制御手段とを備えており、
前記特定方向をX軸方向としたときに、前記基板搬出部は、X軸方向と直交するY軸方向に並ぶ第1基板搬出部と第2基板搬出部とからなり、
前記印刷実行部は、前記スクリーンマスクとして一枚のスクリーンマスクに2つの印刷パターンがY軸方向に並ぶように形成されたものを備えており、
前記基板支持手段は、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な受取位置と、前記第1基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第1送出位置と、前記第2基板搬出部への基板の送り出し可能となる第2送出位置とに亘ってY軸方向に移動可能に設けられており、
前記制御手段は、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記基板支持手段を前記受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記第1、2基板搬出部のうち一方側から搬出すべく前記基板支持手段を前記第1送出位置又は第2送出位置に配置することを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項4】
スクリーン印刷装置において、
基板にスクリーン印刷を実施するための印刷実行部と、
この印刷実行部の位置を挟んで特定方向における一方側の位置に設けられる基板搬入部および他方側の位置に設けられる基板搬出部と、
前記基板搬入部から搬入される基板を受け取って前記印刷実行部において印刷が可能となるように支持するとともに印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出す基板支持手段と、
この基板支持手段を駆動制御する制御手段とを備えており、
前記特定方向をX軸方向としたときに、前記基板搬入部は、X軸方向と直交するY軸方向に並ぶ第1基板搬入部と第2基板搬入部とからなり、
前記基板支持手段は、Y軸方向にそれぞれ移動可能に設けられ、前記第1基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な第1受取位置と前記基板搬出部への基板の送り出しが可能となる送出位置との間を移動する第1基板支持手段および前記第2基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な第2受取位置と前記送出位置との間を移動する第2基板支持手段とを含み、
前記印刷実行部は、前記スクリーンマスクとして一枚のスクリーンマスクに2つの印刷パターンがY軸方向に並ぶように形成されたものを備えており、
前記制御手段は、前記第1基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記第1基板支持手段を前記第1受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記第1基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出すべく前記第1基板支持手段を前記送出位置に配置する一方、前記第2基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記第2基板支持手段を前記第2受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記第2基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出すべく前記第2基板支持手段を前記送出位置に配置することを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項5】
請求項4に記載のスクリーン印刷装置において、
前記基板搬出部は、前記第1、第2基板搬入部の配列ピッチとは異なるピッチでY軸方向に並ぶ第1基板搬出部および第2基板搬出部からなり、
前記第1基板支持手段は、前記送出位置として前記第1基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第1送出位置に移動可能に設けられる一方、前記第2基板支持手段は、前記送出位置として前記第2基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第2送出位置に移動可能に設けられており、
前記制御手段は、前記第1基板支持手段に支持されている印刷後の基板を前記第1基板搬出部へ送り出すべく当該第1基板支持手段を前記第1送出位置に配置する一方、前記第2基板支持手段に支持されている印刷後の基板を前記第2基板搬出部へ送り出すべく当該第2基板支持手段を前記第2送出位置に配置することを特徴とするスクリーン印刷装置。
【請求項6】
スクリーン印刷装置において、
基板にスクリーン印刷を実施するための印刷実行部と、
この印刷実行部の位置を挟んで特定方向における一方側の位置に設けられる基板搬入部および他方側の位置に設けられる基板搬出部と、
前記基板搬入部から搬入される基板を受け取って前記印刷実行部において印刷が可能となるように支持するとともに印刷後の基板を前記基板搬出部に送り出す基板支持手段と、
この基板支持手段を駆動制御する制御手段とを備えており、
前記特定方向をX軸方向としたときに、前記基板搬出部は、X軸方向と直交するY軸方向に並ぶ第1基板搬出部と第2基板搬出部とからなり、
前記基板支持手段は、Y軸方向にそれぞれ移動可能に設けられ、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取り可能な受取位置と前記第1基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第1送出位置との間を移動する第1基板支持手段および前記受取位置と前記第2基板搬出部への基板の送り出しが可能となる第2送出位置との間を移動する第2基板支持手段とからなり、
前記印刷実行部は、前記スクリーンマスクとして一枚のスクリーンマスクに2つの印刷パターンがY軸方向に並ぶように形成されたものを備えており、
前記制御手段は、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記第1基板支持手段を前記受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記第1基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記第1基板搬出部に送り出すべく前記第1基板支持手段を前記第1送出位置に配置する一方、前記基板搬入部から搬入される基板を受け取るべく前記第2基板支持手段を前記受取位置に配置し、受け取った基板に前記スクリーンマスクの2つの印刷パターンのうち何れかの印刷パターンを用いて印刷が行われるように前記印刷実行部に対して前記第2基板支持手段を配置し、印刷後の基板を前記第2基板搬出部に送り出すべく前記第2基板支持手段を前記第2送出位置に配置することを特徴とするスクリーン印刷装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−143640(P2011−143640A)
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−6867(P2010−6867)
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年1月15日(2010.1.15)
【出願人】(000010076)ヤマハ発動機株式会社 (3,045)
【Fターム(参考)】
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