説明

スロットマシン

【課題】遊技者の射幸心を煽ることなく、報知回数を適切に設定する。
【解決手段】サブ制御手段70は、残り報知回数を加算する条件を満たしたときはその加算数を決定する。残り報知回数を加算する条件は、複数種類設けられているとともに、1遊技で2以上の加算する条件を満たす場合を有する。サブ制御手段70は、残り報知回数を加算する1つの条件を満たしたときは、その条件に基づく残り報知回数の加算数を決定し、2以上の加算する条件を1遊技で満たしたときは、それぞれの条件に基づく加算数を決定するとともに、その合計数が制限数を超えるときは制限数以下となるように加算数を決定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技者にとって有利となるストップスイッチの操作情報を報知する場合において、その報知回数を抽選によって決定するスロットマシンに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来のスロットマシンにおいて、AT(アシストタイム)及び非ATとを有し、AT中に特別役(ボーナス)に当選したときは、非AT中に特別役に当選したときよりも、報知回数を多くするスロットマシンが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−159623号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、前述の従来のスロットマシンでは、AT中に特別役に当選することを繰り返すと、AT→特別遊技→AT→特別遊技→・・・を繰り返すこととなり、ATが長期にわたって継続し、出玉が過多となり、遊技者の射幸心を著しく煽るおそれがあった。
特に今日では、AT抽選契機が複数存在するので、仮に複数のAT当選が重なってしまうと、AT数が過多になるおそれがあった。
したがって、本発明が解決しようとする課題は、遊技者に報知を付与する場合に、遊技者の射幸心を煽ることなく、その報知回数を適切に設定することである。
ようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、以下の解決手段によって、上述の課題を解決する。なお、かっこ書きにて、対応する実施形態を示す。
請求項1の発明は、複数種類の図柄を表示した複数のリール(31)と、各前記リールに対応して設けられ、前記リールの回転を停止させるときに遊技者が操作するストップスイッチ(42)と、遊技の進行に関する制御を行うメイン制御手段(60)と、演出の出力に関する制御を行うサブ制御手段(71)とを備え、前記メイン制御手段は、役の抽選を行う役抽選手段(61)と、前記ストップスイッチが操作されたときに、前記役抽選手段による役抽選結果に対応するように前記リールを停止制御するリール制御手段(64)とを備え、通常遊技の遊技状態として、遊技状態R0(RT0遊技)、遊技状態R1(RT1遊技)、及び遊技状態R1よりも遊技者にとって有利な遊技状態R2(RT2遊技)を備え、前記リール制御手段は、遊技状態R0であって図柄の組合せX(「RP」−「RP」−「ベル」)を停止可能な遊技では、前記ストップスイッチの操作順番又は操作タイミングが図柄の組合せXを停止させる操作順番又は操作タイミングであるときは図柄の組合せXを停止させ、図柄の組合せXを停止させないときは図柄の組合せY(「RP」−「ベル」−「ベル」、「RP」−「RP」−「RP」)を停止させ、前記メイン制御手段は、遊技状態R0において図柄の組合せXが停止したときは遊技状態R2に移行させるとともに図柄の組合せYが停止したときは遊技状態R1に移行させ、さらに、遊技状態R2において遊技状態R2の終了条件を満たしたときは遊技状態R0に戻るように制御し、前記サブ制御手段は、遊技状態R0であって図柄の組合せXを停止可能な遊技では、図柄の組合せXを停止させるための前記ストップスイッチの操作順番又は操作タイミングに関する報知を行う残り報知回数が1以上であるときは当該報知を行い、前記サブ制御手段は、前記残り報知回数を加算する条件を満たしたときはその加算数を決定し、前記残り報知回数を加算する条件は、複数種類設けられているとともに、1遊技で2以上の前記加算する条件を満たす場合を有し、前記サブ制御手段は、前記残り報知回数を加算する1つの条件を満たしたときは、その条件に基づく前記残り報知回数の加算数を決定し、前記サブ制御手段は、2以上の前記加算する条件を1遊技で満たしたときは、それぞれの条件に基づく加算数を決定するとともに、その合計数が制限数を超えるときは前記制限数以下となるように加算数を決定することを特徴とする。
【0006】
請求項2の発明は、請求項1において、前記役抽選手段は、前記通常遊技では、遊技者にとって有利となる特別遊技(1BB遊技)に移行するための特別役(1BB)の抽選を行い、前記サブ制御手段は、前記特別役に当選した場合において、前記特別役当選時の前記残り報知回数が所定数以上であるときは前記特別役の当選に基づく前記残り報知回数の加算数P1を決定し、前記特別役当選時の前記残り報知回数が所定数未満であるときは前記特別役の当選に基づく前記残り報知回数の加算数P2及び前記特別役当選時に前記残り報知回数が所定数未満であることに基づく前記残り報知回数の加算数P3をそれぞれ決定し、前記サブ制御手段は、加算数「P2+P3」が前記制限数を超えるときは、前記制限数以下となるように加算数「P2+P3」を決定することを特徴とする。
【0007】
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2において、前記サブ制御手段は、遊技状態R2において前記特別役の当選前に前記役抽選手段で特定抽選結果となったときは、特定抽選結果に基づく前記残り報知回数の加算数P4を決定するとともに、少なくともこの遊技状態R2において前記特別役に当選するか又は前記特別役に当選することなく遊技状態R2を終了するときまで、加算数P4を前記残り報知回数に加算しないように制御することを特徴とする。
【0008】
(作用)
本発明においては、遊技状態R0では、残り報知回数が1以上であれば、遊技者にとって有利な遊技状態R2に移行させるための図柄の組合せXを停止させるストップスイッチの操作順番又は操作タイミングが報知される。
さらにまた、残り報知回数を加算する1つの条件を満たしたときはその条件に基づく残り報知回数の加算数が決定される。
これに対し、1遊技で同時に2以上の加算する条件を満たしたときは、それぞれの条件に基づく加算数を決定し、その合計数が制限数を超えるときは制限数以下となるように加算数を決定する。
したがって、1遊技で同時に2以上の加算する条件を満たしたときは、いずれか一方の加算を認めない等の制限をかけるものではないが、1遊技での加算数の合計数が過多となる場合に限って加算数が制限される。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、報知回数の加算数を、遊技者に不利にならずに適切に決定することができるとともに、報知回数の加算数が過多となることを抑制することで、遊技者の射幸心を煽ることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】スロットマシンの制御の概略を示すブロック図である。
【図2】本実施形態におけるリールの図柄配列を示す図である。
【図3】表示窓とリールとの関係、及び有効ラインを示す図である。
【図4】役の種類、払出し枚数等、及び図柄の組合せを示す図である。
【図5】役抽選テーブル62A〜62Eを示す図である。
【図6】役抽選テーブル62F〜62Jを示す図である。
【図7】RBA又はRBB当選時の左リールの停止形を示す図である。
【図8】RBA又はRBB当選時の中リールの停止形を示す図である。
【図9】小役3B単独当選時、及び小役3A・3B重複当選時の左リールの停止形を示す図である。
【図10】小役4コボシ目を示す図である。
【図11】リプレイ重複当選時におけるストップスイッチの押し順と入賞役との関係を示す図である。
【図12】リプレイ重複当選時のリールの停止形を示す図である。
【図13】リプレイC当選時のリールの停止形(「白7」揃い)を示す図である。
【図14】遊技状態の移行を説明する図である。
【図15】小役4コボシ目の停止形を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面等を参照して、本発明の一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態によるスロットマシン10の制御の概略を示すブロック図である。スロットマシン10は、遊技の進行を制御するメイン(遊技)制御手段60と、演出の出力を制御するサブ制御手段70とを備える。
メイン制御手段60は、役の抽選、リール31の駆動制御、入賞時の払出し等を制御する。メイン制御手段60は、メイン制御基板(図示せず)上に設けられており、演算等を行うCPU、遊技の進行等に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
【0012】
また、サブ制御手段70は、演出の選択や出力、役抽選結果の報知、ストップスイッチ42の押し順報知、サブ制御手段70側で行われた抽選結果等を制御する。サブ制御手段70は、サブ制御基板(図示せず)上に設けられており、上記メイン制御基板と同様に、演算等を行うCPU、演出の出力に必要なプログラム等を記憶しておくROM、CPUが各種の制御を行うときに取り込んだデータ等を一時的に記憶しておくRAM等を備える。
また、メイン制御基板とサブ制御基板は、別体で構成されるとともに、メイン制御基板からサブ制御基板に対し、遊技に関する情報(遊技結果等)を送信可能に両者が電気的に接続されている。
【0013】
図1に示すように、メイン制御手段60の入力側(図1中、左側)には、ベットスイッチ40、スタートスイッチ41、及びストップスイッチ42が電気的に接続されている。
ベットスイッチ40は、遊技者が貯留メダルを当該遊技のために投入するときに操作するスイッチである。
なお、メダル投入口43は、実際のメダルを遊技者が投入する部分であり、メダル投入口43からメダルを投入することは、ベットスイッチ40を操作することと同様の役割を果たす。
【0014】
また、スタートスイッチ41は、(左、中、右のすべての)リール31を始動させるときに遊技者が操作するスイッチである。
さらにまた、(左、中、右)ストップスイッチ42は、3つ(左、中、右)のリール31に対応して3つ設けられ、対応するリール31を停止させるときに遊技者が操作するスイッチである。
【0015】
メイン制御手段60の出力側(図1中、右側)には、モータ32が電気的に接続されている。
モータ32は、リール31を回転させるためのものであり、各リール31の回転中心部に連結され、後述するリール制御手段64によって制御される。ここで、リール31は、左リール31、中リール31、右リール31からなり、左リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が左ストップスイッチ42であり、中リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が中ストップスイッチ42であり、右リール31を停止させるときに操作するストップスイッチ42が右ストップスイッチ42である。
【0016】
リール31は、リング状のものであって、その外周面には複数種類の図柄(役に対応する図柄の組合せを構成している図柄)を印刷したリールテープを貼付したものである。図2は、本実施形態におけるリール31の図柄配列を示す図である。図2では、図柄番号を併せて図示している。図2に示すように、本実施形態では、各リール31ごとに、21個の図柄が等間隔で配置されている。
【0017】
また、図3は、スロットマシン10のフロントマスク部(前面扉。図示せず。)に設けられた表示窓(透明窓)11と、各リール31との位置関係を示す図である。各リール31は、本実施形態では横方向に並列に3つ(左リール31、中リール31、及び右リール31)設けられている。さらに、各リール31は、表示窓11から、上下に連続する3図柄が見えるように配置されている。よって、スロットマシン10の表示窓11から、合計9個の図柄が見えるように配置されている。
【0018】
図3では、各図柄の右下部分に図柄番号を併せて表記している。この図柄番号は、図2で示した図柄番号に対応する。
そして、本明細書では、図3(A)中、各リール31の20番の図柄が停止している位置を「上段」と称し、各リール31の19番の図柄が停止している位置を「中段」と称し、各リール31の18番の図柄が停止している位置を「下段」と称する。
【0019】
さらにまた、図3(A)、(B)に示すように、スロットマシン10の表示窓11を含む部分には、有効ラインL1〜L5、L11及びL12が設けられている。
ここで、「有効ライン」とは、リール31の停止時における図柄の並びラインであって図柄の組合せを形成させる図柄組合せラインであり、かつ、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止したときに、その役の入賞となるラインである。
【0020】
本実施形態では、後述する遊技状態としてRT0〜RT9遊技を備えるが、RT6遊技以外の遊技状態での有効ラインは、図3(A)に示すように、L1〜L5の5本であり、RT6遊技では、図3(B)に示すようにL11及びL12の2本である。すなわち、遊技状態に応じて有効ライン(数)が異なるように設定される。
【0021】
したがって、RT6遊技では、有効ラインL11及びL12以外の図柄組合せラインは、本実施形態では、すべて無効ラインである。無効ラインは、図柄組合せラインのうち、有効ラインとして設定されないラインであって、いずれかの役に対応する図柄の組合せがそのラインに停止した場合であっても、その役に応じた利益の付与(メダルの払出し等)を行わないラインである。すなわち、無効ラインは、そもそも図柄の組合せの成立対象となっていないラインである。例えばRT6遊技では、水平方向の有効ライン(図3(A)のL1〜L3)は、無効ラインとなる。
【0022】
また、従来より、メダルの投入枚数に応じて有効ライン数が異なるスロットマシンが知られている。例えば、メダル投入枚数が1枚のときは有効ラインは1本、メダル投入枚数が2枚のときは有効ライン数は3本、メダル投入枚数が3枚のときは有効ライン数は5本に設定すること等が挙げられる。
これに対し、本実施形態では、RT0〜RT5、RT9遊技のときは、3枚のメダルを投入して遊技を行うとともに、上述の有効ラインL1〜L5の5本が当該遊技での有効ラインとなる。
【0023】
また、RT6遊技では、1枚のメダルを投入して遊技を行うとともに、上述の有効ラインL11及びL12の2本が当該遊技での有効ラインとなる。
さらにまた、RT7、RT8遊技では、2枚のメダルを投入して遊技を行うとともに、上述の有効ラインL1〜L5の5本が当該遊技での有効ラインとなる。
【0024】
さらに、図1において、サブ制御手段70の出力側には、ランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23等の演出出力機器が電気的に接続されている。
ランプ21は、スロットマシン10の演出用のランプであり、所定の条件を満たしたときに、それぞれ所定のパターンで点灯する。なお、ランプ21には、各リール31の内周側に配置され、リール31に表示された図柄(表示窓11から見える上下に連続する3図柄)を背後から照らすためのバックランプ(図示せず)や、スロットマシン10の筐体前面に配置され、役の入賞時等に点滅する上部ランプ及びサイドランプ(図示せず)等が含まれる。
【0025】
また、スピーカ22は、遊技中に各種の演出を行うべく、所定の条件を満たしたときに、所定のサウンドを出力するものである。
さらにまた、画像表示装置23は、液晶ディスプレイやドットディスプレイ等からなるものであり、遊技中に各種の演出画像や、ストップスイッチ42の押し順等を表示するものである。
【0026】
図4は、本実施形態における役(後述する役抽選手段61で抽選される役)の種類、払出し枚数等、及び図柄の組合せを示す図である。図4に示すように、役としては、大別して、特別役、小役、及びリプレイが設けられている。
そして、各役に対応する図柄の組合せ及び入賞時の払出し枚数等が定められている。これにより、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止する(その役が入賞する)と、その役に対応する枚数のメダルの払出し又は自動投入が行われる(ただし、特別役を除く)。
【0027】
役において、まず、特別役とは、通常遊技から特別遊技に移行させる役である。本実施形態では、図4に示すように、特別役として、1BB(第1種ビッグボーナス)、及びRB(レギュラーボーナス)が設けられている。
特別役である1BBが入賞すると、それぞれ、当該遊技におけるメダルの払い出しはないが、次遊技から、特別遊技である1BB遊技に移行する。特別遊技は、通常遊技よりも役の当選確率が高く設定された遊技であり、遊技者にとって有利な遊技である。
【0028】
さらに、本実施形態の1BBは、1BBA及び1BBBの2種類を有する。これらは図柄の組合せが異なるように設定されているとともに、別個の当選フラグ63a(後述)を有している。なお、1BBAの入賞時は1BBA遊技に移行し、1BBBの入賞時は1BB遊技に移行する。
また、1BBAは、同一の図柄の組合せからなり(同色ビッグ)、1BBBは、2種(2色)以上の図柄の組合せからなる(異色ビッグ)。
【0029】
さらにまた、RBは、本実施形態では通常遊技中には抽選されず、1BBA遊技の一般遊技(RT4遊技)中にのみ抽選される。そして、当選したRBが入賞すると、1BBA遊技の一般遊技からRB遊技に移行する。したがって、本実施形態のRBは、シフトRB(SRB)である。
さらに、RBAは、1種類の図柄の組合せであるが、RBBは、2種類の図柄の組合せを有している(ただし、同一フラグである)。
なお、特別役は、本実施形態で示したものに限らず、SB(シングルボーナス)、MB(ミドルボーナス)、CB(チャレンジビッグ)等を設けることも可能である。
【0030】
また、小役とは、予め定められた枚数のメダルが払い出される役であり、本実施形態では、大別して、小役1〜小役4を備えている。さらに、小役3は、小役3Aと小役3Bの2種類を備える。
【0031】
さらに、リプレイとは、再遊技役であって、当該遊技で投入したメダル枚数を維持した再遊技が行えるようにした役である。本実施形態では、リプレイは、リプレイA〜リプレイEの5種類を備え、それぞれ個別の(リプレイとして5個の)当選フラグ63aを備える。
【0032】
上述した各役において、役に当選した遊技でその役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しなかったときは、次遊技以降に持ち越される役と、持ち越されない役とが定められている。
持ち越される役としては、特別役のうち、1BB(1BBA及び1BBB)、RBAが挙げられる。1BB又はRBAに当選したときは、リール31の停止時に、1BB又はRBAに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止するまでの遊技において、1BB又はRBAの当選を次遊技以降に持ち越すように制御される。
【0033】
このように、1BB及びRBAの当選は持ち越されるのに対し、1BB及びRBA以外の役(RBB、小役及びリプレイ)は、持ち越されない。役の抽選において、1BB及びRBA以外の役に当選したときは、当該遊技でのみその当選役が有効となり、その当選は次遊技以降に持ち越されない。すなわち、これらの役に当選した遊技では、その当選した役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止(入賞)可能なようにリール31が停止制御されるが、その当選役の入賞の有無にかかわらず、その遊技の終了時に、その当選役に係る権利は消滅する。
【0034】
なお、1BB又はRBAに当選していない遊技中(1BB又はRBAの当選が持ち越されていない遊技中)を、「非内部中」という。また、当該遊技以前の遊技において1BB又はRBAに当選しているが、当選した1BB又はRBAに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止していない(入賞していない)遊技中(1BB又はRBAの当選が持ち越されている遊技中)を「内部中」という。
本実施形態では、通常遊技の非内部中に1BBに当選し、1BBの当選が持ち越されたときは、内部中となる。また、1BBA一般遊技(RT4遊技)中にRBAに当選し、RBAの当選が持ち越されると、1BBA一般遊技の内部中(RT5遊技)となる。
【0035】
遊技の開始時には、遊技者は、ベットスイッチ40を操作して予め貯留されたメダルを投入するか、又はメダル投入口43からメダルを投入し、スタートスイッチ41を操作(オン)する。スタートスイッチ41が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段60に入力される。メイン制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、すべてのモータ32を駆動制御して、すべてのリール31を回転させるように制御する。このようにしてリール31がモータ32によって回転されることで、リール31上の図柄は、所定の速度で表示窓11内で上下方向に移動表示される。
【0036】
そして、遊技者は、ストップスイッチ42を押すことで、そのストップスイッチ42に対応するリール31(例えば、左ストップスイッチ42に対応する左リール31)の回転を停止させる。ストップスイッチ42が操作されると、そのときに発生する信号がメイン制御手段60に入力される。メイン制御手段60(具体的には、後述するリール制御手段64)は、この信号を受信すると、そのストップスイッチ42に対応するモータ32を駆動制御して、そのモータ32に係るリール31の停止制御を行う。そして、すべてのリール31の停止時に、いずれかの役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したとき(その役の入賞となったとき)は、入賞した役に対応するメダルの払出し等が行われる。
【0037】
図1に示すように、メイン制御手段60は、以下の役抽選手段61等を備える。なお、本実施形態における以下の各手段は例示であり、メイン制御手段60は、本実施形態で示した手段に限定されるものではない。
【0038】
役抽選手段61は、役(上述した特別役、小役、及びリプレイ)の抽選を行うものである。役抽選手段61は、例えば、役抽選用の乱数発生手段(ハードウェア乱数等)と、この乱数発生手段が発生する乱数を抽出する乱数抽出手段と、乱数抽出手段が抽出した乱数値に基づいて、役の当選の有無及び当選役を判定する判定手段とを備えている。
【0039】
乱数発生手段は、所定の領域(例えば10進法で0〜65535)の乱数を発生させる。乱数は、例えば200n(ナノ)secで1カウントを行うカウンターが0〜65535の範囲を1サイクルとしてカウントし続ける乱数であり、スロットマシン10の電源が投入されている間は、乱数をカウントし続ける。
【0040】
乱数抽出手段は、乱数発生手段によって発生した乱数を、所定の時、本実施形態では遊技者によりスタートスイッチ41が操作(オン)された時に抽出する。判定手段は、乱数抽出手段により抽出された乱数値を、後述する役抽選テーブル62と照合することにより、その乱数値が属する領域に対応する役を決定する。例えば、抽出した乱数値が1BBAの当選領域に属する場合は、1BBAの当選と判定し、非当選領域に属する場合は、非当選と判定する。
【0041】
役抽選テーブル62は、抽選される役の種類と、各役の当選確率とを定めたものである。図5及び図6は、本実施形態における役抽選テーブル62(62A〜62J)を示す図である。役抽選テーブル62は、遊技状態ごとに設けられている。役抽選テーブル62は、それぞれ所定の範囲の抽選領域を有し、この抽選領域は、各役の当選領域及び非当選領域に分けられているとともに、抽選される役が、予め設定された当選確率となるように所定の割合に設定されている。
【0042】
まず、本実施形態の「遊技状態」としては、通常遊技及び特別遊技を備える。通常遊技は、特別遊技以外の遊技状態をいい、RT9、RT0〜RT3遊技をいう。RT9、RT0、RT1、RT2遊技は、いずれも、非内部中である場合と内部中である場合がある。また、RT3遊技は内部中である。
【0043】
また、特別遊技は、1BB遊技とRB遊技とを備える。通常遊技で1BBAが入賞すると1BBA遊技に移行する。1BBA遊技では、最初に1BBA一般遊技であるRT4遊技に移行する。RT4遊技でRBAに当選し、RBAの当選が持ち越されると、1BBA一般遊技の内部中であるRT5遊技となり、RBAが入賞すると、RBA遊技であるRT6遊技に移行する。さらに、RT4遊技でRBBに当選・入賞すると、RBB遊技であるRT7遊技となる。
また、通常遊技で1BBBが入賞すると、1BBB遊技であるRT8遊技に移行する。
なお、「RT(リプレイタイム)遊技」とは、リプレイの当選確率が他の遊技状態と異なることを意味する。
【0044】
さらに、図5及び図6の役抽選テーブル62において、「+」とは、重複(同時)当選を意味する。例えば「リプレイA+B+C+D」とあるのは、リプレイA、リプレイB、リプレイC及びリプレイDの4つが当該遊技で重複(同時)当選することを意味する。また、「小役3A+3B」とは、小役3Aと小役3Bとが当該遊技で重複(同時)当選することを意味する。
本実施形態では、リプレイの重複当選は、重複当選するリプレイの種類の中に、常にリプレイA及びリプレイBが含まれる。
【0045】
図5中、役抽選テーブル62A〜62Eは、いずれも通常遊技で用いられる役抽選テーブル62である。役抽選テーブル62A〜62Dは、非内部中で(1BBA当選前に)用いられるときは1BB(1BBA及び1BBB)が抽選されるが、内部中で(1BBA当選後に)用いられるときは1BBは抽選されない(図中、星印。)。
さらにまた、通常遊技ではRB(RBA及びRBB)は抽選されない。また、役抽選テーブル62Aでは、リプレイは、リプレイAの単独当選のみ抽選される。
これに対し、役抽選テーブル62Bでは、リプレイの単独当選は抽選されず、リプレイA、B、及び他のリプレイとの重複当選のみ抽選される。
【0046】
また、役抽選テーブル62Dでは、リプレイAの単独当選確率が1/1.4であり、他の役抽選テーブル62よりも高確率に設定されている。
さらにまた、役抽選テーブル62Eでは、通常遊技の内部中(RT3遊技)のため、特別役は抽選されない。
【0047】
さらに、図6に示すように、役抽選テーブル62Fでは、1BBやリプレイは抽選されないが、RBA及びRBBが抽選される。また、役抽選テーブル62Gでは、RBA内部中であるため、RBについても抽選されない。
役抽選テーブル62H及び62Iは、RB遊技中であるので、小役3Aが高確率で当選するように抽選される。
さらにまた、役抽選テーブル62Hと、上述した役抽選テーブル62Dでは、リプレイCの単独当選が抽選される。
さらに、役抽選テーブル62Jでは、小役3A+小役3Bの重複当選が抽選される。
【0048】
なお、スロットマシン10では、出玉率を定めるための設定値が設けられており、複数の設定値(本実施形態では、設定1〜設定6の6段階)の中からいずれか1つの設定値が設定される。そして、設定値が高いほど、1BBの当選確率が高く設定されている。このため、図5で示した1BBの当選確率は、いずれか1つの設定値の当選確率の例示である。
【0049】
説明を図1に戻す。
当選フラグ制御手段63は、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、各役に対応する当選フラグ63aのオン/オフを制御するものである。本実施形態では、当選役に対応するように、1BBA、1BBB、RBA、RBB、小役1、小役2、小役3A、小役3B、小役4、リプレイA〜リプレイEの各当選フラグ63aを備える。そして、役抽選手段61による役の抽選において当選したときは、対応する役の当選フラグ63aをオンにする(当選フラグ63aを立てる)。
【0050】
例えば、小役1に単独当選したときは、小役1に係る当選フラグ63aがオンとなり、それ以外の役の当選フラグ63aはオフのままである。また、例えばRT0遊技中(役抽選テーブル62B)において、リプレイA、リプレイB、及びリプレイCに重複当選したときは、これら3つの当選フラグ63aがオンとなり、それ以外の役に係る当選フラグ63aはオフのままである。
【0051】
さらにまた、上述したように、RBB、小役及びリプレイの当選は持ち越されないので、当該遊技で小役又はリプレイに当選し、これらの役の当選フラグ63aがオンにされても、当該遊技の終了時にその当選フラグ63aがオフにされる。
これに対し、1BB、RBAの当選は持ち越されるので、当該遊技で1BB又はRBAに当選し、1BB又はRBAに係る当選フラグ63aが一旦オンになったときは、その1BB又はRBAが入賞するまでオンの状態が維持され、1BB又はRBAが入賞した時点でオフにされる。
【0052】
例えば、通常遊技の非内部中に1BBAに当選したときは、当該遊技では、1BBAの当選フラグ63aがオンにされる。そして、この遊技で1BBAが入賞しなかったときは、1BBAの当選フラグ63aのオンの状態は維持される。
【0053】
そして、次遊技の内部中で、例えばリプレイAに単独当選したときは、すでにオンである1BBAに係る当選フラグ63aのほか、リプレイAの当選フラグ63aがオンにされる。そして、当該遊技の終了時に、1BBAが非入賞の場合は1BBAに係る当選フラグ63aのオンの状態が維持されるとともに、リプレイAの当選フラグ63aはオフにされる。
【0054】
図1において、リール制御手段64は、リール31の回転開始命令を受けたとき、特に本実施形態ではスタートスイッチ41が操作されたときに、すべて(3つ)のリール31の回転を開始するように制御するものである。さらに、リール制御手段64は、役抽選手段61により役の抽選が行われた後、当該遊技における当選フラグ63aのオン/オフを参照して当選フラグ63aのオン/オフに対応する停止位置決定テーブル65を選択するとともに、ストップスイッチ42が操作されたときに、ストップスイッチ42が操作されたときのタイミングに基づいて、そのストップスイッチ42に対応するリール31の停止位置を決定するとともに、モータ32を駆動制御して、その決定した位置にそのリール31を停止させるように制御するものである。
【0055】
例えば、リール制御手段64は、少なくとも1つの当選フラグ63aがオンである遊技では、リール31の停止制御の範囲内において、当選役(当選フラグ63aがオンになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止可能にリール31を停止制御するとともに、当選役以外の役(当選フラグ63aがオフになっている役)に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないようにリール31を停止制御する。
【0056】
ここで、「リール31の停止制御の範囲内」とは、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでのリール31の回転量(移動図柄数)の範囲内を意味し、本実施形態では、ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄からの移動図柄数が4図柄以内(ストップスイッチ42が操作された瞬間の図柄を含めて5図柄以内)に設定されている。いいかえると、ストップスイッチ42が操作された瞬間からリール31が実際に停止するまでの時間は、190ms以内に設定されている。
【0057】
これにより、ストップスイッチ42の操作を検知した瞬間の図柄から数えてリール31の停止制御の範囲内にある図柄のいずれかが有効ラインに停止させるべき図柄であるときは、ストップスイッチ42が操作されたときに、その図柄が有効ラインに停止するように制御されることとなる。
【0058】
すなわち、役の当選時にストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選した役に係るその図柄が有効ラインに停止しないときには、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選した役に係る図柄ができる限り有効ラインに停止させるように制御するものである。
【0059】
また逆に、ストップスイッチ42が操作された瞬間に直ちにリール31を停止させると、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止してしまうときは、リール31の停止時に、リール31の停止制御の範囲内においてリール31を回転移動制御することで、当選していない役に対応する図柄の組合せが有効ラインに停止しないように制御する。
【0060】
さらに、リール制御手段64は、ストップスイッチ42の押し順(操作順番)を検出する押し順検出手段64aを備える。押し順検出手段64aは、遊技者によりストップスイッチ42が操作されたときに、左、中、及び右ストップスイッチ42のうち、いずれが操作されたかを検出するものである。押し順検出手段64aは、毎遊技、一律にストップスイッチ42の押し順を検出してもよいが、特に本実施形態では、リプレイの重複当選時に、操作されたストップスイッチ42が、左、中又は右のいずれであるかを検出する。
【0061】
ストップスイッチ42が操作されると、そのストップスイッチ42が操作された旨の信号が押し順検出手段64aに入力されるようになっている。この信号を判別することで、押し順検出手段64aは、どのストップスイッチ42が操作されたかを検出する。
【0062】
停止位置決定テーブル65は、当選フラグ63aのオン/オフの状態ごと、すなわち役抽選手段61による役の抽選結果ごとに対応して設けられており、ストップスイッチ42が操作された瞬間のリール31の位置に対する、リール31の停止位置を定めたものである。そして、各停止位置決定テーブル65には、例えば0番の図柄(左リール31であれば「ベル」の図柄)が上段を通過する瞬間にストップスイッチ42が操作されたときは、何図柄だけ移動制御して、何番の図柄を上段に停止させる、というように停止位置が定められている。
【0063】
停止位置決定テーブル65は、以下の1BBAテーブル等を備える。
1BBAテーブルは、1BBAの当選フラグ63aのみがオンであるとき、すなわち当該遊技で1BBAに当選したとき、又は当該遊技以前に1BBAに当選し、かつ当該遊技で非当選であることを条件として用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、1BBAに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、1BBA以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0064】
1BBBテーブル、RBAテーブルについても、1BBAテーブルと同様である。1BBBテーブル、RBAテーブルは、それぞれ、1BBAテーブル中、「1BBA」を、「1BBB」、「RBA」と読み替えたものに相当する。
【0065】
小役1テーブルは、小役1(のみ)の当選フラグ63aがオンであるときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役1に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、小役1A以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0066】
小役2テーブル、小役3Bテーブル、リプレイAテーブルについても、小役1テーブルと同様である。小役2テーブル、小役3Bテーブル、リプレイAテーブルは、それぞれ、小役1テーブル中、「小役1」を、「小役2」、「小役3B」、「リプレイA」と読み替えたものに相当する。
【0067】
なお、左リール31において「チェリー」の図柄は2番及び14番にのみ配置されているため、小役1当選時には常に小役1が入賞するとは限らない。
また、小役2の場合、右リール31については5図柄以内の間隔で「スイカ」の図柄が配置されているので常に有効ラインに停止させることができるが(PB(引込み率)=1)、左及び中リール31については、常に5図柄以内の間隔とは限らないため、常に「スイカ」の図柄を有効ライン上に停止させることができない(PB≠1)。
【0068】
よって、小役1及び小役2は、当選時に非入賞となる「取りこぼし」が発生する場合がある「PB≠1」の役である。
このことは、1BBA、1BBB、RBA、小役4についても同様である。
これに対し、RBB、小役3B、リプレイA、リプレイBは、当選時に常に入賞となる「PB=1」の役である。
【0069】
RBBテーブルは、1BBA一般遊技においてRBBに当選し、RBBの当選フラグ63aがオンとなったときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、RBBに対応する図柄の組合せ(図4中、2種類の図柄のうちのいずれか)を有効ラインに停止させるとともに、RBB以外の役に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
なお、RBBに対応する図柄の組合せは、図4に示すように2種類設けられ、このうち「RP」−「ベル」−「ベル」は、「PB=1」となっている。したがって、RBBについてもRBAのように当選を持ち越す役に設定してもよいが、RBBは、当選遊技で常に入賞するため、RBAと異なり、当選を持ち越す役には設定していない。
【0070】
ここで、RBAテーブルとRBBテーブルとの相違について説明する。
RBAテーブルが用いられた場合において、最初に左リール31を停止させるとき、19番の「赤7」図柄付近で左ストップスイッチ42が操作されたときは、その操作タイミングに応じて、図7(A)〜(B)のいずれかの停止形(停止態様)をとるように左リール31を停止させる。
さらに、RBBテーブルが用いられた場合において、上記と同様に、最初に左リール31を停止させるとき、19番の「赤7」図柄付近で左ストップスイッチ42が操作されたときは、その操作タイミングに応じて、図7(B)又は(C)のいずれかの停止態様をとるように左リール31を停止させる。
【0071】
すなわち、図7(A)の停止形となったときは、その時点でRBAの当選が確定する(RBBの当選否定形)。この場合、中リール31の停止時には、常に中段に「RP」の図柄を停止させる。また、右リール31の停止時には、常に中段に「スイカ」の図柄を停止させる。これにより、有効ラインL2には「赤7」−「RP」−「スイカ」が停止する。
これに対し、図7(B)又は(C)の停止形となった時点では、RBA又はRBBのいずれに当選しているかは、わからない。
【0072】
また、RBBテーブルが用いられた場合において、図7(B)又は(C)の停止形となったときは、RBBの図柄のうち、「赤7」−「ベル」−「スイカ」を優先する。
図7(B)の停止形となった場合において、次に中リール31を停止させるとき、RBAテーブル及びRBBテーブルのいずれも、図8(A)に示すように、中段に「ベル」、下段に「RP」を停止させる。このように停止させると、有効ラインL3には、RBAがテンパイし、有効ラインL5にはRBBがテンパイする(ダブテン形)。
【0073】
そして、最後の右リール31の停止時に、RBAテーブルが用いられているときは下段に「スイカ」を停止させ、有効ラインL3に「赤7」−「RP」−「スイカ」(RBA)を停止させる。これに対し、RBBテーブルが用いられているときは上段に「スイカ」を停止させ、有効ラインL5に「赤7」−「ベル」−「スイカ」(RBB)を停止させる。
【0074】
また、図7(C)の停止形となり、次に中リール31を停止させる場合において、RBAテーブルが用いられているときは、図8(B)に示すように上段に「RP」を停止させ、有効ラインL1上でRBAの入賞を確定させる。これに対し、RBBテーブルが用いられているときは、図8(C)に示すように中段に「ベル」を停止させ、有効ラインL4上でRBBの入賞を確定させる。
【0075】
一方、RBAテーブルが用いられた場合において、左リール31の停止時に「赤7」がいずれにも停止しなかったときは、RBAの当選を次遊技に持ち越す。
また、RBBテーブルが用いられた場合において、左リール31の停止時に「赤7」がいずれにも停止しなかったときは、RBBの図柄の組合せである「RP」−「ベル」−「ベル」をいずれかの有効ラインに停止させる。
すなわち、RBBテーブルが用いられた場合において、左リール31の停止時にいずれかに「赤7」が停止したときは、RBBの図柄の組合せのうち「赤7」−「ベル」−「スイカ」を優先する。
【0076】
小役3A+3B重複当選テーブルは、小役3A及び小役3Bの当選フラグ63aがオンであるとき(小役3A+小役3Bの重複当選時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、「ベル」−「ベル」−「ベル」を停止させるように、リール31の停止位置を定めている。
【0077】
これに対し、小役3Bテーブルは、小役3Bの当選フラグ63aがオンであるとき(小役3Bの単独当選時)に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、「ベル」−「ベル」−「ベル」を停止させるように、リール31の停止位置を定めている。
したがって、小役3A+3B重複当選テーブルが用いられた場合であっても、小役3Bに係る「ベル」−「ベル」−「ベル」を停止させ、「赤7」−「ベル」−「ベル」は停止させない。よって、小役3A+3B重複当選テーブル及び小役3Bテーブルのいずれも、「ベル」−「ベル」−「ベル」が停止する点においては同一である。
【0078】
しかし、小役3A+3B重複当選テーブルが用いられた場合に「ベル」−「ベル」−「ベル」を停止させるときは、いわゆるスベリが発生するようにリール31の停止位置が定められている。
例えば、小役3Bテーブルが用いられた場合において、左リール31の停止時に、16番の「ベル」が中段又は下段を通過する直前に左ストップスイッチ42が操作されたときは、16番〜18番の図柄を表示窓11内に停止させる(図9(A))。これにより、下段に16番の「ベル」が停止する。
【0079】
これに対し、小役3A+3B重複当選テーブルが用いられた場合において、左リール31の停止時に、16番の「ベル」が中段又は下段を通過する直前に左ストップスイッチ42が操作されたときは、19番〜0番の図柄を表示窓11内に停止させる(図9(B))。これにより、上段に0番の「ベル」が停止する。
以上より、小役3B単独当選時は、最短で停止するベルとなるが、小役3A+3B重複当選時は、停止時の移動図柄数(スベリ量)が大きいベル(スベリベル)となる。
【0080】
小役4テーブルは、小役4の当選フラグ63aがオンであるときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、小役4に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるとともに、小役4に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、小役4コボシ目を停止させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0081】
小役4に係る図柄は、図4に示すように、「羽根」−「赤7」−「赤7」であり、「PB≠1」である。そして、この図柄の組合せを停止させることができないときは、図10に示す、いずれかの小役4コボシ目を停止させる。なお、左リール31の「赤7」、「ベル」は、5図柄以内の間隔で配置されており、中リール31の「ベル」は、5図柄以内の間隔で配置されているので、左リール31の停止時には常に「赤7」又は「ベル」のいずれかを停止させることができ、中リール31の停止時には常に「ベル」を停止させることができる。また、右リール31においては、5図柄以内の間隔で、「赤7」、「青7」、「BAR」、「白7」、又は「羽根」の少なくともいずれかが配置されているので、これらの図柄のいずれかを停止させることができる。同様に、停止形が「赤7」−「ベル」−「回転中」となったときは、右リール31の停止時に常に「スイカ」を停止させることができる。
【0082】
次に、リプレイ重複当選テーブルについて説明する。
リプレイ重複当選は、図5及び図6に示すように、6つの重複当選パターンを有し、これらに対応する6つの停止位置決定テーブル65を備える。
リプレイ重複当選テーブル1は、リプレイA、B、Cの重複当選時に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ストップスイッチ42の押し順が「左中右」であるときは、リプレイBに対応する図柄の組合せ(「RP」−「RP」−「ベル」(以下、必要に応じて「リリベ」と称する。))を有効ラインに停止させ、ストップスイッチ42の押し順が上記以外のときは、リプレイAに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるようにリール31の停止位置を定めている。
【0083】
リプレイ重複当選テーブル2は、リプレイA、B、Dの重複当選時に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ストップスイッチ42の押し順が「左右中」であるときは、リプレイBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させ、ストップスイッチ42の押し順が上記以外のときは、リプレイAに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるようにリール31の停止位置を定めている。
【0084】
リプレイ重複当選テーブル3は、リプレイA、B、Eの重複当選時に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ストップスイッチ42の押し順が「中左右」であるときは、リプレイBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させ、ストップスイッチ42の押し順が上記以外のときは、リプレイAに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるようにリール31の停止位置を定めている。
【0085】
リプレイ重複当選テーブル4は、リプレイA、B、C、Dの重複当選時に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ストップスイッチ42の押し順が「中右左」であるときは、リプレイBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させ、ストップスイッチ42の押し順が上記以外のときは、リプレイAに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるようにリール31の停止位置を定めている。
【0086】
リプレイ重複当選テーブル5は、リプレイA、B、C、Eの重複当選時に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ストップスイッチ42の押し順が「右左中」であるときは、リプレイBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させ、ストップスイッチ42の押し順が上記以外のときは、リプレイAに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるようにリール31の停止位置を定めている。
【0087】
リプレイ重複当選テーブル6は、リプレイA、B、D、Eの重複当選時に用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、ストップスイッチ42の押し順が「右中左」であるときは、リプレイBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させ、ストップスイッチ42の押し順が上記以外のときは、リプレイAに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるようにリール31の停止位置を定めている。
【0088】
なお、リプレイA、リプレイBは、いずれも「PB=1」の役であるので、どのタイミングでストップスイッチ42が操作されても、リール制御手段64は、所望の有効ラインに、常にリプレイA又はリプレイBに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができる。
図11は、以上説明した、リプレイ重複当選時におけるストップスイッチ42の押し順と、入賞役との関係を示す図である。図中、「A」、「B」は、それぞれ入賞役がリプレイA、リプレイBであることを示している。
【0089】
図11に示すように、リプレイ重複当選時の遊技では、いずれか1つのストップスイッチ42の押し順ではリプレイBが入賞し、他の5通りのストップスイッチ42の押し順ではリプレイAが入賞する。
すなわち、リプレイ重複当選時の遊技では、リプレイBの入賞率は1/6であり、リプレイAの入賞率は5/6である。
【0090】
さらに、リプレイ重複当選テーブル1〜6が用いられた場合において、リプレイAを入賞させるときは、常に、いずれかの有効ラインに、「RP」−「ベル」−「ベル」(以下、必要に応じて「リベベ」と称する。)が停止するように図柄が配列されている。
図12(A)、(B)に示すように、左リール31の停止時には、上段又は下段に「RP」を停止させる。
図12(A)に示すように、左リール31の停止時に上段に「RP」が停止したときは、中リール31については上段に「ベル」、かつ中段に「RP」を停止させる。さらに、右リール31の停止時には上段に「ベル」、かつ下段に「RP」を停止させる。これにより、有効ラインL4にはリプレイAが停止するが、有効ラインL1にはリベベが停止する。
【0091】
また、図12(B)に示すように、左リール31の停止時に下段に「RP」が停止したときは、中リール31については中段に「ベル」、かつ下段に「RP」を停止させる。さらに、右リール31の停止時には上段に「ベル」、かつ下段に「RP」を停止させる。これにより、有効ラインL3にはリプレイAが停止するが、有効ラインL5にはリベベが停止する。
【0092】
リプレイCテーブルは、リプレイCの当選フラグ63aがオンであるときに用いられ、リール31の停止制御の範囲内において、リプレイCに対応する図柄の組合せ(「RP」−「RP」−「白7」)を有効ラインに停止させるとともに、いずれかの図柄組合せライン(有効ライン又は無効ライン)に、「白7」−「白7」−「白7」の図柄の組合せ(以下、必要に応じて「白7」揃いと称する。)を停止させるように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
なお、「白7」揃いは、本実施形態では役を構成する図柄の組合せではない。
【0093】
図13(A)、(B)は、リプレイC当選時の停止形を示す図である。
RT2遊技中は、有効ラインL1〜L5の5本であるので、これらのいずれかにリプレイCの図柄の組合せを停止させればよい。したがって、図13(A)、(B)のいずれかで停止可能であるときは、この位置で停止させる。
図13(A)の場合では、有効ラインL1にリプレイCが停止し、有効ラインL5に、「白7」揃いが停止している例を示している。
【0094】
これに対し、RT6遊技中は、有効ラインはL11及びL12の2本であるので、図13(B)のように停止可能であるときは、この位置で停止させる。これにより、有効ラインL11にリプレイCが停止し、(有効ラインではないが)図柄組合せラインL3に、「白7」揃いが停止している。
なお、「白7」は、各リール31に1個ずつ配置されているので、図13のような停止形を得るためには、遊技者は、目押しをする必要がある。
【0095】
また、非当選テーブルは、すべての当選フラグ63aがオフであるときに用いられ、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止しないように、リール31の停止時の図柄の組合せを定めたものである。
【0096】
なお、内部中遊技において、小役又はリプレイの当選には、当該遊技で当選した小役又はリプレイの入賞が優先される停止位置決定テーブル65が用いられる。
例えば1BBAの内部中の遊技において小役2に当選したときは、まず、小役2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることを優先し、小役2に対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、次に、1BBAに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させるように制御する。さらに、1BBAに対応する図柄の組合せを有効ラインに停止させることができないときは、いずれの役に対応する図柄の組合せも有効ラインに停止させないように制御する。
【0097】
説明を図1に戻す。
停止図柄判断手段66は、リール31の停止時に、有効ラインに停止したリール31の図柄の組合せが、いずれかの役に対応する図柄の組合せと一致するか否かを判断するものである。停止図柄判断手段66は、例えばモータ32の停止時の角度やステップ数等を検知することにより、有効ライン上の図柄を判断する。
ただし、停止図柄判断手段66は、ストップスイッチ42が操作され、停止位置決定テーブル65を用いて停止位置が決定された時に、そのリール31が停止したか否かにかかわらず、停止図柄を判断することが可能である。
【0098】
払出し手段67は、停止図柄判断手段66により、リール31の停止時に有効ラインに停止した図柄の組合せがいずれかの役に対応する図柄の組合せと一致すると判断され、その役の入賞となったときに、その入賞役に応じて所定枚数のメダルを遊技者に対して払い出すか、又はクレジットの加算等の処理を行うものである。また、リプレイの入賞時には、メダルを払い出すことなく、当該遊技で投入されたメダル枚数を自動投入するように制御する。
【0099】
特別遊技制御手段68は、特別遊技の開始、特別遊技中の遊技の進行、及び特別遊技の終了を制御するものである。
1BBAに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、1BBAの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技から1BBA遊技を開始するように制御する。
1BBA遊技に移行すると、先ず、最初に1BBA一般遊技(RT4遊技)を開始させる。この遊技では、上述した役抽選テーブル62Fを用いて役の抽選を行う。そして、1BBA一般遊技では、RBA及びRBBの抽選が行われる。
なお、1BBA一般遊技では、遊技回数の制限はない。
【0100】
次に、1BBA一般遊技でRBAが入賞すると、RBA遊技(RT6遊技)に移行し、RBBが入賞すると、RBB遊技(RT7遊技)に移行する。
RBA(RT6)遊技は、12回の遊技回数、又は役の入賞回数が3回になるまで継続される。遊技回数が12回又は役入賞回数が3回に達すると、RBA遊技を終了して、再度、1BBA一般遊技に戻る。
【0101】
これに対し、RBB(RT7)遊技は、8回の遊技回数、又は役の入賞回数が8回になるまで継続される。遊技回数が8回又は役入賞回数が8回に達すると、RBB遊技を終了して、再度、1BBA一般遊技に戻る。
以上のようにして、1BBA遊技では、1BBA一般遊技とRBA又はRBB遊技とを繰り返し、1BBA遊技での払出し枚数が規定枚数に到達するまで行う。本実施形態における1BBA遊技の規定枚数は、255枚に設定されている。
1BBA遊技における払出し枚数が規定枚数に到達したときは、1BBA遊技を終了して、通常遊技であるRT9遊技に移行する。
【0102】
また、1BBBに対応する図柄の組合せが有効ラインに停止したときは、1BBBの入賞となり、特別遊技制御手段68は、次遊技から1BBB遊技(RT8遊技)を開始するように制御する。
1BBB遊技は、1BBA遊技と異なり、一般遊技やRB遊技は設けられていない(1BBA遊技中の遊技状態の移行はない)。
【0103】
1BBB遊技では、上述した役抽選テーブル62Jを用いて役の抽選を行う。
1BBB遊技は、8回の遊技回数、又は役の入賞回数が8回になるまで継続される。遊技回数が8回又は役入賞回数が8回に達すると、1BBB遊技を終了して、1BBA遊技と同様に通常遊技であるRT9遊技に移行する。
【0104】
メイン状態制御手段69は、遊技状態(RT0〜RT9遊技)間の移行を制御するものである。図14は、遊技状態の移行を説明する図である。
なお、後述するRT2遊技に移行させることの決定、及びこれに基づくRT2遊技への誘導は、後述するサブ制御手段70(サブ状態制御手段73)によって制御される。
これに対し、メイン制御手段60側のメイン状態制御手段69は、所定遊技回数の消化や、入賞役、停止図柄等に基づいて遊技状態を移行するように制御する。
【0105】
先ず、1BBA遊技、1BBB遊技の終了後は、RT9遊技(通常遊技の非内部中)に移行する。RT9遊技は、遊技回数は無制限であり、小役4コボシ目が停止するまで継続される。RT9遊技で小役4に当選し、小役4コボシ目が停止すると、RT0遊技に移行する。なお、RT9遊技において小役4に当選したときは、その旨は遊技者に報知されない。したがって、小役4当選時は、小役4が入賞する確率よりも小役4コボシ目が停止する確率の方が高い。
【0106】
図15は、小役4コボシ目の1つである「ベル」−「ベル」−「赤7」が有効ラインL4に停止した例を示している。そして、図15の停止形では、同時に、有効ラインL5に、「赤7」−「ベル」−「スイカ」が停止している。この図柄の組合せは、RBB図柄と同一である。この場合、RBB図柄よりも小役4コボシ目を優先することで、遊技状態をRT9遊技からRT0遊技に移行させる。
【0107】
次にRT0遊技に移行すると、リプレイBが入賞するか、又は上述したリベベが停止するまで継続される。
上述したように、リプレイ重複当選時は、ストップスイッチ42の押し順正解時はリプレイBが入賞するが、押し順不正解時はリプレイAが入賞するとともに、各リール31の図柄配列上、常にリベベが停止する。
【0108】
このときの停止形は、図12に示したものとなる。図12(A)に示すように、有効ラインL4にリプレイAが停止したときは、同時に、有効ラインL1にリベベが停止する。また、図12(B)に示すように、有効ラインL3にリプレイAが停止したときは、同時に、有効ラインL5にリベベが停止する。
なお、このリベベは、RBB図柄の1つと同一図柄である。この場合、RBB遊技に移行させるではなく、遊技状態をRT0遊技からRT1遊技に移行させることを優先する。
【0109】
以上のようにして、RT0遊技でリプレイBが入賞するとRT2遊技に移行する。これに対し、リベベが停止するとRT1遊技に移行する。
RT0遊技では、(詳細は後述するが、)リプレイ重複当選時に一定条件下でリプレイBを入賞させるためのストップスイッチ42の押し順が報知される。そして、ストップスイッチ42の押し順が報知されたときは、その押し順に従ってストップスイッチ42を操作すれば、リプレイBを入賞させ、RT2遊技に移行することができる。
これに対し、リプレイBの押し順が報知されないときは、1/6の確率でリプレイBが入賞するが、5/6の確率でリベベが停止(リプレイAが入賞)し、RT1遊技に移行する。
【0110】
図5に示すように、RT1遊技では、リプレイAの当選確率は1/7.3に設定されている。これに対し、RT2遊技では、リプレイAの当選確率は1/1.4に設定されている。このため、RT2遊技は、RT1遊技に対し、メダル枚数が減らない遊技状態となり、RT1遊技よりも遊技者にとって有利な遊技となる。
【0111】
RT2遊技は、33遊技継続され、33遊技消化後はRT0遊技に戻る。
一方、RT1遊技は、999遊技継続され、999遊技はRT0遊技に戻る。
以上のRT9、RT0、RT1、RT2遊技で1BBAに当選すると、1BBA内部中遊技となるが、1BBAの当選に伴う遊技状態の移行はない。これに対し、RT9、RT0、RT1、RT2遊技で1BBBに当選し、当該遊技で1BBBが入賞しなかったときは、通常遊技の内部中であるRT3遊技に移行する。RT3遊技は、当選した1BBBが入賞するまで継続され、1BBBが入賞すると、1BBB遊技であるRT8遊技に移行する。なお、1BBBの当選遊技で1BBBが入賞したときは、RT3遊技を経由しないで1BBB遊技に移行する。
【0112】
RT9、RT0、RT1、RT2遊技において1BBAが入賞し、RT4遊技(1BBA一般遊技)に移行すると、RBA又はRBBが入賞するまで継続される。RBAに当選し、当選したRBAが入賞しないときはRBA内部中であるRT5遊技に移行し、RBAが入賞するまで継続され、RBAが入賞するとRT6遊技(RBA遊技)に移行する。また、RBAの当選遊技でRBAが入賞したときは、RT5遊技を経由しないでRT6遊技に移行する。
一方、RBBに当選したときは、RBBは上述のように「PB=1」であるので、当該遊技で常に入賞する。そして、RBBが入賞したときは、次遊技からRT7遊技(RBB遊技)に移行する。
【0113】
RBA遊技で遊技回数が12回、又は役入賞回数が3回に達すると、RBA遊技を終了して1BBA一般遊技に戻る。また、RBB遊技で遊技回数が8回、又は役入賞回数が8回に達すると、RBB遊技を終了して1BBA一般遊技に戻る。
1BBA遊技で払出し枚数が規定枚数に到達すると、1BBA遊技を終了してRT9遊技に移行する。
また、RT8遊技(1BBB遊技)は、8回の遊技回数又は8回の役入賞まで継続され、終了後はRT9遊技に移行する。
【0114】
以上のようにして、メイン状態制御手段69は、各遊技状態(RT遊技)では、遊技状態の移行条件を満たすか否かを判断し、遊技状態の移行条件を満たすと判断したときは、それぞれ所定の遊技状態に移行するように制御する。
【0115】
また、メイン制御手段60は、サブ制御手段70に対し、各種の情報(コマンド)を送信するように制御する。送信される情報としては、メダルが投入された旨の情報、スタートスイッチ41が操作された旨の情報、役の抽選結果(当選役)の情報、リール31の回転が開始された旨の情報、ストップスイッチ42が操作された旨の情報(どのストップスイッチ42が操作されたかや、押し順を含む)、リール31が停止した旨の情報、各リール31の停止位置(有効ラインに停止した図柄)の情報、入賞役の情報、メダルの払出しの情報、遊技状態の情報等が挙げられる。
【0116】
説明を図1に戻す。
図1において、サブ制御手段70は、演出制御手段71等を備える。
演出制御手段71は、上述したランプ21、スピーカ22、及び画像表示装置23からの演出の出力を制御するものである。
演出制御手段71は、遊技ごとに、遊技の開始時等に、役抽選手段61による役の抽選結果に基づいて、ソフトウエア乱数を用いた抽選によって演出を選択し、出力する。
【0117】
演出には、遊技の進行に伴って、どのようなタイミングで(スタートスイッチ41の操作時や各ストップスイッチ42の操作時等)、どのような演出を出力するか(ランプ21をどのように点灯、点滅又は消灯させるか、スピーカ22からどのようなサウンドを出力するか、及び画像表示装置23にどのような画像を表示させるか等)を定めたものである。
【0118】
また、演出制御手段71は、1BBA一般遊技においてRBA当選時、又はRBB当選時の一部において、RBA当選を煽る演出を出力する。例えば、左リール31が停止する前に、「左リールの18番〜20番の図柄を狙え(又は、「赤7」を狙え)」等の演出を出力し、遊技者に対して「赤7」付近を目押しさせる演出を出力する。
そして、図7(A)に示すRBA確定目が出現したときは、RBAが確定した旨の演出を出力する。
また、図7(B)に示す停止出目が出現したときは、第3リール停止までどのRBに当選しているかがわからないので、第3リール停止後にどのRBに当選したかの演出を出力する。
さらにまた、図7(C)に示す停止出目が出現したときは、第2リール停止時にどのRBに当選しているかがわかるので、第1リール停止後から第2リール停止までの間にどのRBに当選したかの演出を出力する。
さらに、RBAに当選した遊技でRBAが入賞せず、その当選を次遊技に持ち越したときは、次遊技においてもRBAの当選煽り演出を行う。
【0119】
また、サブ制御手段70は、サブ状態制御手段72を備える。
サブ状態制御手段72は、メイン制御手段60から送信されてくる役抽選手段61の役抽選結果に基づいて、RT0遊技においてリプレイ重複当選時の報知を行うか否かの決定、報知回数を加算するか否かの決定、報知回数のカウント、及び報知の実行等を制御する。
【0120】
サブ状態制御手段72は、報知制御手段72aを備える。
ここで、本実施形態における「報知」の1つは、ストップスイッチ42の押し順に係るものである。
報知制御手段72aは、RT0遊技であって押し順報知の権利を有するときは、リプレイ重複当選時に、リプレイBを入賞させるためのストップスイッチ42の押し順を報知する。具体的には、例えば「リプレイA+B+D」の重複当選時には、画像表示装置23で、「左右中」、あるいは「132」等のような報知を行う。
【0121】
また、サブ状態制御手段72は、上記の報知回数を加算するか否かを決定する。なお、報知回数の加算は、現時点での残り報知回数が「0」であれば、報知を行うか否かの決定を意味するものである。
例えば、報知回数が「N」であるときは、1BB遊技の終了後、RT9遊技からRT0遊技に移行した後、リプレイ重複当選時にリプレイBを入賞させるための押し順を報知したとき、残り報知回数を「N=N−1」とする。そして、RT2遊技に移行し、RT2遊技からRT0遊技に戻った場合において(この時点まで報知回数の加算はないものとする)、再度、リプレイ重複当選時にリプレイBを入賞させるための押し順を報知したとき、残り報知回数を「N=N−1」とする。そして、「N」が「0」になるまで押し順の報知を継続する。
【0122】
サブ状態制御手段72は、以下の場合に、報知回数を加算するか否かの決定、及びその加算数を決定する。
(1)1BBB遊技中において、スベリベル当選時又は非当選時
(2)1BBA遊技のRBA遊技中におけるリプレイC当選時
(3)RT2遊技中におけるリプレイC当選時
(4)通常遊技の非内部中における1BB当選時
(5)通常遊技の非内部中において、100ゲーム消化毎
【0123】
以上の各決定について、具体的に説明する。
サブ状態制御手段72は、1BBB遊技中にスベリベル当選時(小役3A及び3Bの重複当選時)、又は役の非当選時に、報知回数を加算するか否かの決定、及びその加算数を決定する。
1BBB遊技においてスベリベルに当選したとき、又は役の非当選時に、サブ状態制御手段72は、所定確率で当選する抽選を行い、この抽選に当選したときは、報知回数を加算することに決定し、その加算数をさらに抽選で決定する。そして、新たな報知回数を記憶する。
【0124】
サブ状態制御手段72は、報知回数を加算することに決定したときは、矛盾報知を行うように制御する。すなわち、矛盾報知が行われることで、遊技者は、報知回数が加算された(少なくとも1回の報知が行われること)を知ることができる。
ここで、本実施形態における役抽選結果に係る報知(当選役の報知)には、「適正報知」と「矛盾報知」とを有する。
【0125】
「適正報知」とは、役抽選手段61で実際に当選した役を正しく報知することをいい、
例えば役抽選手段61でリプレイAに当選したときは、リプレイAに当選した旨を報知することを指す。
なお、「適正」という語は、「適合」、「真正」又は「正当」等と同義である。
【0126】
これに対し、「矛盾報知」とは、役抽選結果と矛盾することを報知すること、例えば実際には当選していない役を当選役として報知することや、特定の役に当選しているときに非当選と報知することを指す。
なお、「矛盾」という語は、「うそ」、「虚偽」又は「不実」等と同義であり、齟齬を生じること、食い違うこと、又は相反すること等の意味も含まれる。
また、「報知」とは、遊技者に対して役抽選結果(適正な当選役、及び矛盾する当選役の双方を含む)を知らせることをいう。なお、「報知」という語は、「告知」又は「ナビ」等と同義である。
【0127】
サブ状態制御手段72は、小役3A及び3Bの重複当選時に矛盾報知を行うときは、例えば「チェリー(小役1)当選」、「スイカ(小役2)当選」、又は「非当選」を意味する矛盾報知の中からいずれかを選択し、報知する。
また、役の非当選時に矛盾報知を行うときは、例えば「チェリー(小役1)当選」、「スイカ(小役2)当選」、又は「ベル(小役3)当選」を意味する矛盾報知の中からいずれかを選択し、報知する。
【0128】
さらに、矛盾報知の時期としては、矛盾報知を行うことに決定された後はいつでも可能であるが、最初のストップスイッチ42が操作される前(スタートスイッチ41が操作された直後)、最初のストップスイッチ42が操作された直後(最初のリール31が停止した時)、2番目のストップスイッチ42が操作された直後(2つ目のリール31が停止した時)、最後のストップスイッチ42が操作された後(すべてのリール31の停止時又は停止後)、次遊技におけるベットスイッチ40の操作時が挙げられる。
【0129】
また、小役3A及び3Bの重複当選時は、常にベル揃いが停止する(PB=1)のであるから、例えば「チェリー当選」という矛盾報知を行った結果、遊技者がチェリーを目押ししたとしても、常にベル揃いが停止するので、遊技者がその矛盾報知に基づいて目押しをした場合であっても遊技者に不利益を与えない。すなわち、遊技の公正を害することはない。
【0130】
同様に、役の非当選時は、いずれかの役が入賞する場合はないので、例えば「チェリー当選」という矛盾報知を行った結果、遊技者がチェリーを目押ししたとしても、常に役の非入賞となるので、上記と同様に、遊技の公正を害しない。
【0131】
以上のようにして、1BBB遊技中は、小役3A及び3Bの重複当選時(スベリベル当選時)又は役の非当選時に、報知回数を加算するか否か(さらには加算数)を抽選で決定し、報知回数を加算することに決定したときは、矛盾報知を出力する。
したがって、1BBB遊技中で矛盾報知が行われた回数が多いほど、遊技者は、報知回数の加算を期待することができる。
【0132】
また、本実施形態では、演出制御手段71は、1BBBの当選時に、1BBB遊技中のモードを抽選で決定する。本実施形態のモードには、「ロー」、「ミドル」、「ハイ」、「エクストラ」の4段階を備える。そして、これら4つのモードの中からいずれか1つを抽選で決定する。
演出制御手段71は、モードを決定すると、1BBB遊技中に、現在のモードを示唆する演出を出力する。例えば「ロー」又は「ミドル」が選択されたときは、昼の背景の選択確率を高くし、「ハイ」の場合は、夕方の背景の選択確率を高くする。さらにまた「エクストラ」の場合は夜の背景の選択確率を高くする。
【0133】
サブ状態制御手段72は、1BBB遊技中において小役1又は小役2(レア小役)当選時に、モードの昇格抽選を行う。例えばローの場合は、小役1当選時は50%の確率、小役2当選時は30%の確率で、それぞれミドルに昇格させることが挙げられる。同様に、ミドルモード時においては、小役1当選時は70%の確率、小役2当選時は50%の確率で、それぞれハイに昇格させることが挙げられる。さらに同様に、ハイモード時においては、小役1当選時は80%の確率、小役2当選時は60%の確率で、それぞれエクストラに昇格させることが挙げられる。
【0134】
そして、1BBB遊技中は、サブ状態制御手段72は、当該遊技のモードに応じて、矛盾報知を行うか否かの抽選を行う。スベリベル又は非当選時に、例えばロー及びミドルモード時は1/20の確率、ハイモード時は1/5の確率、エクストラモード時は1/2で当選する抽選をそれぞれ行い、この抽選に当選したときは、矛盾報知を行うことに決定するとともに、加算する報知回数を抽選で決定する。
なお、例えばエクストラモード時は、小役3Bの単独当選時であっても報知回数を加算する抽選を行い、この抽選に当選したときは矛盾報知を行うようにしてもよい。
【0135】
また、本実施形態では、1BBB遊技時には、上記の矛盾報知を行う1BB遊技を行うようにしたが、例えば1BBB遊技への移行時に、遊技者に対し、上記のような矛盾報知が出力される可能性のある1BBB遊技か、又は矛盾報知が一切出力されない1BBB遊技を選択させるようにしてもよい。
【0136】
矛盾報知を行うときは、上記のようにして報知回数の加算を行うか否か及び矛盾報知を行うか否かを決定する。これに対し、矛盾報知を一切行わないときは、スベリベル当選時又は非当選時に報知回数を加算するか否かの抽選を行う点は矛盾報知を行うときと同一であるが、この抽選に当選したときは、「報知回数を加算する」旨の演出を行う(完全告知。したがって矛盾報知は行わない)ことが挙げられる。
【0137】
また、矛盾報知に当選したときは、次遊技ですぐに矛盾報知を行う場合と、数遊技間(例えば3遊技程度)、矛盾報知を潜伏させた後に行う場合とを有する。
矛盾報知を行うことに決定したときは、何遊技潜伏させるかを抽選で決定する。そして、決定した潜伏遊技回数の消化後の遊技で矛盾報知を行う。なお、矛盾報知を行う遊技において小役1又は小役2に当選したときは、当該遊技では矛盾報知を行わずに、次遊技に持ち越すように制御する。小役1又は小役2当選時の矛盾報知は、遊技者が報知に従ってストップスイッチ42を操作することで小役1又は小役2を取りこぼすおそれがあり、遊技の公正を害するおそれがあるからである。
【0138】
さらにまた、サブ状態制御手段72は、1BBB遊技中の遊技回数及び役入賞回数をカウントし、1BBB遊技の残り遊技回数が少ないと判断したときは、潜伏遊技回数として少ない数を選択するように制御する。例えば、1BBB遊技の残り遊技回数が1回となった時点で矛盾報知を行うことに決定されたときは、次遊技に矛盾報知を行うことに決定する。
【0139】
なお、本実施形態の1BBB遊技は、遊技回数又は役入賞回数が規定回数となったときに終了するが、例えば規定払出し枚数で終了するようにしたときは、残り払出し枚数が何枚となったかを判断し、残り払出し枚数が少ないと判断したときは、潜伏期間を短縮するように制御すればよい。例えば、メイン小役となる小役3の払出し枚数が10枚であるとき、残り払出し枚数が20枚以下となったときは、次遊技で矛盾報知を行うことが挙げられる。
【0140】
また、矛盾報知を行うことに決定されたが、その矛盾報知を行う前に、遊技回数又は役入賞回数が規定回数に到達し、矛盾報知をその1BBB遊技中に出力することができなかったときは、1BBB遊技の終了時に、矛盾報知に代えて、例えばバトル演出等(主人公キャラクタと敵キャラクタとが対決し、主人公キャラクタが勝利した場合には、報知回数が加算されることを意味する演出、すなわち報知回数が加算される旨の演出と等価な演出)を出力することにより、遊技者に対して報知回数が加算されることを報知する。
【0141】
また、上述したように、1BBA遊技のRBA(RT6)遊技では、リプレイCが抽選される。そして、このリプレイC当選時は、サブ状態制御手段72は、常に報知回数を加算することに決定し、その加算数を抽選で決定する。
RBA遊技におけるリプレイC当選時は、演出制御手段71は、「白7」を揃えるように遊技者に促す演出を出力する。当該遊技でリプレイCに当選していれば、遊技者は、目押しをすれば「白7」を揃えることができる(図13(B)の停止形)。
【0142】
そして、本実施形態では、サブ状態制御手段72は、RT6遊技中のリプレイC当選時には常に「1」以上の報知回数の加算を行う。また、サブ状態制御手段72は、このときの加算数を抽選で決定する。なお、報知回数の加算は、リプレイCの当選が条件となり、遊技者が「白7」を揃えることができたか否かにはかかわらない。
【0143】
RBA遊技では、図6に示すように、1/2の確率でリプレイCに当選するとともに、3回の役入賞までRBA遊技を継続できるので、RBA遊技中にリプレイCに当選する確率(報知回数が加算される確率)は高い。
【0144】
さらにまた、サブ状態制御手段72は、RT2遊技中にリプレイCに当選したときは、RBA遊技中のリプレイC当選時と同様に、常に「1」以上の報知回数の加算を行う。また、上記と同様に、RT2遊技中のリプレイC当選時は、常に、報知回数を加算することに決定され、遊技者が「白7」を揃えたか否かにはかかわらない。
【0145】
さらに、サブ状態制御手段72は、通常遊技の非内部中において1BBに当選したときに、報知回数を加算するか否か、及びその加算数を抽選で決定する。したがって、1BB当選時に、最低1回でも報知回数の加算に当選すれば、1BB遊技の終了後にRT0遊技に移行したとき、リプレイ重複当選時にRT2遊技に移行するための(リプレイBを入賞させるための)報知が行われる。
【0146】
さらに、サブ状態制御手段72は、通常遊技の非内部中において、100ゲーム毎に、報知回数を加算するか否か、及びその加算数を抽選で決定する。
以上のようにして、サブ状態制御手段72は、通常遊技中や1BB遊技中に、報知回数を加算するか否か及びその加算数を決定する。
【0147】
また、サブ状態制御手段72は、RT2遊技中にリプレイCに当選した場合において、その決定した報知回数の加算数「N1」をしたとき、「N1」を「裏報知回数(裏ナビ)」としてストックする。この裏報知回数は、RT2遊技終了時まで維持され、RT2遊技を終了してRT0遊技に移行したときに「表報知回数(表ナビ)」に変換する。このように、裏報知回数から表報知回数に変換したときに初めて、残り報知回数の実際の加算が行われる。すなわち、裏報知回数としてストックされている間は、リプレイC当選に基づく報知回数の加算数を潜在化しておき、後で表報知回数に変換することで、当該加算数を顕在化する。
【0148】
そして、演出制御手段71は、RT2遊技の終了時に、報知回数が加算されるか否かの演出を出力する。この演出としては、上述したバトル演出が挙げられる。
さらに、RT2遊技中に裏報知回数がストックされている場合において、このRT2遊技中に1BBに当選したときは、1BBの当選に基づく報知回数の加算抽選を行うとともに、1BB当選遊技の終了時に、裏報知回数を表報知回数に変換し、かつ、1BB当選に基づく報知回数の加算を行う。例えば、1BB当選前に裏報知回数として「N1」がストックされ、1BBに当選によって加算数が「N2」に決定されたときは、1BB当選遊技の終了時に、残り報知回数に、「N1+N2」を加算する。
【0149】
すなわち、裏報知回数は、上述のように、原則としてはRT2遊技を終了時(RT0遊技への移行時)に表報知回数に変換されるが、RT2遊技終了前に1BBに当選したときは、その当選遊技の終了時に表報知回数に変換する。
【0150】
さらに、サブ状態制御手段72は、RT2遊技中に1BBに当選したときは、その時点での残り報知回数を判断し、残り報知回数に応じて、1BB当選時の報知回数の加算を行うか否か及び加算数を決定する。
例えば、残り報知回数が「N3」であり、裏報知回数が「N4」であるときに1BBに当選したときは、残り報知回数は「N3」であると判断する。すなわち、裏報知回数「N4」は、その時点での残り報知回数には含まれない。
【0151】
そして、1BB当選時に、「N3≧1」であるときは、1BBの当選に基づく報知回数の加算抽選を行う。この抽選では、加算数が「0」となる確率が最も高く設定されている。
一方、「N3=0」であるときは、1BB当選時に、「N3=0」(残り報知回数が「0」であること)に基づく加算抽選、及び1BB当選時の加算抽選の2つを行う。「N3=0」に基づく加算抽選は、最低でも加算数が「1」以上となる抽選を行う。
以上より、RT2遊技移行時に残り報知回数「N3」が「1」以上であるか否かに応じて、そのRT2遊技中に1BBに当選したときの報知回数の加算抽選を異ならせている。
【0152】
なお、RT2遊技中に1BBAに当選し、1BBAの当選に基づく報知回数の加算抽選を行って、その後、RT2遊技を完走するまでの間にリプレイCに当選したときは、リプレイCの当選に基づく報知回数の加算抽選を行う。
これにより、RT2遊技中の1BBAの当選前(非内部中)にリプレイCに当選したときと、1BBAの当選後(内部中)にリプレイCに当選したときとで、1回のRT2遊技中であれば、遊技者が得ることができる利益は変化しない。
【0153】
さらに、サブ状態制御手段72は、遊技者の射幸心を必要以上に煽ることがないように、以下のようにして報知回数の加算数に制限(規制)を設けている。
本実施形態では、第1に、裏報知回数が所定値「Nmax 」を超えるときは、所定値以下となるように規制をかける。例えばRT2遊技中にリプレイCに当選して裏報知回数として「N1」がストックされた後、さらにそのRT2遊技中にリプレイCに再度当選し、裏報知回数として「N2」に決定されたと仮定する。
この場合、裏報知回数「N1+N2」が「Nmax 」を超えるか否かを判断し、「Nmax 」を超えるときは、裏報知回数を「Nmax 」に制限する。
【0154】
第2に、1遊技で2以上の報知回数の加算抽選が行われるときは、規制をかけるように制御する。
上述のように、1BB当選時の残り報知回数(表報知回数)が「0」であるときは、表報知回数が「0」であることに基づく加算抽選、及び1BB当選時の加算抽選の2つを行うが、この両者の加算数の合計値が所定値「Nmax 」を超えるときは、合計値を「Nmax 」に制限する。
【0155】
例えば、1BB当選時の残り報知回数(表報知回数)が「0」であり、「Nmax =28」とし、1BB当選時の裏報知回数が「20」であったとする。
このとき、表報知回数「0」に基づく報知回数の加算抽選で「21」に当選し、かつ1BB当選に基づく報知回数の加算抽選で「22」に当選したとする。
この場合、「21+22=43」となり、「28」を超えるので、「43」→「28」に変換する。さらに、この「28」に、裏報知回数の「20」を加算し、「28+20=48」を当該遊技の終了時に表報知回数とする。
【0156】
また、上述のように、100ゲーム毎に、報知回数の加算抽選を行うが、この100ゲーム目(100ゲーム毎の加算抽選が行われる遊技)で1BBに当選したときは、1BB当選時の抽選による加算数と、100ゲーム毎の抽選による加算数との合計値が所定値「Nmax 」を超えるときも、合計値を「Nmax 」に制限する。
以上のように規制をかければ、遊技者に対して過度に射幸心をあおることがなく、かつ遊技者に付与する報知回数を不用意に減らしすぎないようにして、加算数のバランスをとることができる。
【0157】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、以下のような種々の変形が可能である。
(1)本実施形態のRT2遊技(増加RT)は、AT(アシストタイム)を設けることなく、リプレイ当選確率のみが高いRTとした。しかし、これに限らず、例えば押し順ベル(3択又は6択)を設け、RT2遊技は、押し順ベル当選時に押し順を報知することで、出玉率を高く設定することも可能である。このようにすれば、RT0遊技において押し順報知が行われRT2遊技に移行したときはART遊技とし、押し順報知が行われないが偶然にRT2遊技に移行したときは押し順ベル当選時の報知を行わない単なるRT遊技とすることができる。
【0158】
(2)本実施形態では、リプレイC当選時は常に報知回数を加算することに決定した。しかし、これに限らず、リプレイC当選時も抽選で加算するか否かを決定してもよい。あるいは、例えば、RBA遊技中のリプレイC当選時は常に報知回数を加算することに決定するが、RT2遊技中のリプレイC当選時は、報知回数を加算するか否かを抽選で決定してもよい(あるいは、この逆であってもよい)。
【0159】
(3)本実施形態では、通常遊技中に1BBAに当選したときは、1BBAの当選によっては遊技状態を移行しないようにし、1BBBに当選したときは内部中であるRT3遊技に移行するようにした。しかし、これに限らず、すべての特別役について、その当選によっては遊技状態を移行しないようにしてもよく、あるいは、すべての特別役について、その当選によって内部中(RT3遊技)に移行するようにしてもよい。
【0160】
(4)本実施形態では、RBA遊技において役入賞回数が3回に到達する前に1BBA遊技の規定枚数に到達し、1BBA遊技が終了する場合が生じ得る。このような場合には、遊技者が不利にならないようにするために、最低で所定回数(例えば3回)が当選する報知回数の加算抽選を行うようにしてもよい。
【0161】
(5)本実施形態では、RT2遊技及びRBA遊技において、リプレイC当選時に「白7」揃いが停止可能とした。すなわち、いずれかの有効ラインにリプレイCが停止したとき、他の図柄組合せラインに「白7」揃いが停止するようにした。しかし、これに限らず、RT2遊技中やRBA遊技中における役の非当選時に「白7」揃いが停止可能としてもよい。なお、「白7」揃いが役に対応する図柄の組合せでなければ、有効ライン又は無効ラインのいずれにも停止させることが可能である。
【0162】
(6)本実施形態では、RT0遊技においてリプレイの重複当選を設け、ストップスイッチの押し順に応じてリプレイBを入賞可能とし、その押し順を報知するようにした。しかし、遊技者にとって有利となるストップスイッチの操作情報の報知は、押し順に限らず、操作タイミングの報知であってもよい。
【0163】
例えば左リール31において、7図柄を超えた間隔で(同時に狙うこと、又は同時に避けることが不可能に)例えば赤チェリーと青チェリーとを配置し、これら赤チェリー及び青チェリーを、単回胴入賞役(小役1と同様)に設定する。
そして、赤チェリー役入賞時はRT2遊技に移行させ、青チェリー役入賞時はRT1遊技に移行させる。この場合に報知を行うときは、赤チェリー役当選時には赤チェリーを狙うべき旨を報知し、青チェリー役当選時には青チェリーをはずす旨を報知する。これにより、ストップスイッチの操作順番の報知ではなく、ストップスイッチの操作タイミングの報知とすることができる。
【符号の説明】
【0164】
10 スロットマシン
11 表示窓
21 ランプ
22 スピーカ
23 画像表示装置
31 リール
32 モータ
40 ベットスイッチ
41 スタートスイッチ
42 ストップスイッチ
43 メダル投入口
60 メイン制御手段(遊技制御手段)
61 役抽選手段
62(62A〜62J) 役抽選テーブル
63 当選フラグ制御手段
63a 当選フラグ
64 リール制御手段
64a 押し順検出手段
65 停止位置決定テーブル
66 停止図柄判断手段
67 払出し手段
68 特別遊技制御手段
69 メイン状態制御手段
70 サブ制御手段
71 演出制御手段
72 サブ状態制御手段
72a 報知制御手段
L1〜L5、L11〜L12 有効ライン(図柄組合せライン)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数種類の図柄を表示した複数のリールと、
各前記リールに対応して設けられ、前記リールの回転を停止させるときに遊技者が操作するストップスイッチと、
遊技の進行に関する制御を行うメイン制御手段と、
演出の出力に関する制御を行うサブ制御手段と
を備え、
前記メイン制御手段は、
役の抽選を行う役抽選手段と、
前記ストップスイッチが操作されたときに、前記役抽選手段による役抽選結果に対応するように前記リールを停止制御するリール制御手段と
を備え、
通常遊技の遊技状態として、遊技状態R0、遊技状態R1、及び遊技状態R1よりも遊技者にとって有利な遊技状態R2を備え、
前記リール制御手段は、遊技状態R0であって図柄の組合せXを停止可能な遊技では、前記ストップスイッチの操作順番又は操作タイミングが図柄の組合せXを停止させる操作順番又は操作タイミングであるときは図柄の組合せXを停止させ、図柄の組合せXを停止させないときは図柄の組合せYを停止させ、
前記メイン制御手段は、遊技状態R0において図柄の組合せXが停止したときは遊技状態R2に移行させるとともに図柄の組合せYが停止したときは遊技状態R1に移行させ、さらに、遊技状態R2において遊技状態R2の終了条件を満たしたときは遊技状態R0に戻るように制御し、
前記サブ制御手段は、遊技状態R0であって図柄の組合せXを停止可能な遊技では、図柄の組合せXを停止させるための前記ストップスイッチの操作順番又は操作タイミングに関する報知を行う残り報知回数が1以上であるときは当該報知を行い、
前記サブ制御手段は、前記残り報知回数を加算する条件を満たしたときはその加算数を決定し、
前記残り報知回数を加算する条件は、複数種類設けられているとともに、1遊技で2以上の前記加算する条件を満たす場合を有し、
前記サブ制御手段は、前記残り報知回数を加算する1つの条件を満たしたときは、その条件に基づく前記残り報知回数の加算数を決定し、
前記サブ制御手段は、2以上の前記加算する条件を1遊技で満たしたときは、それぞれの条件に基づく加算数を決定するとともに、その合計数が制限数を超えるときは前記制限数以下となるように加算数を決定する
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項2】
請求項1において、
前記役抽選手段は、前記通常遊技では、遊技者にとって有利となる特別遊技に移行するための特別役の抽選を行い、
前記サブ制御手段は、前記特別役に当選した場合において、前記特別役当選時の前記残り報知回数が所定数以上であるときは前記特別役の当選に基づく前記残り報知回数の加算数P1を決定し、前記特別役当選時の前記残り報知回数が所定数未満であるときは前記特別役の当選に基づく前記残り報知回数の加算数P2及び前記特別役当選時に前記残り報知回数が所定数未満であることに基づく前記残り報知回数の加算数P3をそれぞれ決定し、
前記サブ制御手段は、加算数「P2+P3」が前記制限数を超えるときは、前記制限数以下となるように加算数「P2+P3」を決定する
ことを特徴とするスロットマシン。
【請求項3】
請求項1又は請求項2において、
前記サブ制御手段は、遊技状態R2において前記特別役の当選前に前記役抽選手段で特定抽選結果となったときは、特定抽選結果に基づく前記残り報知回数の加算数P4を決定するとともに、少なくともこの遊技状態R2において前記特別役に当選するか又は前記特別役に当選することなく遊技状態R2を終了するときまで、加算数P4を前記残り報知回数に加算しないように制御する
ことを特徴とするスロットマシン。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−42973(P2013−42973A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−183181(P2011−183181)
【出願日】平成23年8月24日(2011.8.24)
【出願人】(390031783)サミー株式会社 (5,279)
【Fターム(参考)】