説明

セラミック板の欠陥検出方法と装置

【課題】セラミック板及び/またはラインセンサーカメラを移動させながら検査することが可能であって、セラミック板のエッジを適切な光源によって効果的に照らし、エッジの複数の面を同時に1台のラインセンサーカメラで効果的に撮像し、微細なカケをも効果的に発見し得る検査方法と検査装置を提供することを目的とする。
【解決手段】セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置し、ラインセンサーカメラの視野内に複数のミラーを配置し、光源でセラミック板のエッジを照らし、その反射光を視野内ミラーで反射させて、その反射光をライン センサーカメラに入射させ、セラミック板のエッジを複数の角度から撮像し、該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、エッジ部分が面取りされたセラミック板のエッジの欠陥、特にカケを検出する方法と装置に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミック板、特に板ガラスのエッジの切断面は、切断後、そのままでは 鋭利であり、危険であるために、通常は、エッジの面取りを行う。しかし、面取りのための研削または研磨中に、微細なカケが発生しやすい。このようなカケは出荷前に目視または検査装置によって検査される。従来は、このような板ガラスのエッジの上面、下面、端面における欠点を検査するために、それぞれの面に対して各一台のCCDカメラを配置していたが、特許文献1に示される検査装置においては、プリズムを利用することにより、板ガラスのエッジの上面、下面及び端面を一台のCCDカメラによって、欠点を検出する装置が提案されている。この検査装置について、図を参照しつつ説明する。図11は特許文献1に記載された検査装置の概略をしめす斜視図である。この装置においては板ガラス1101のエッジの上面1102、下面1106及び端面1105における欠陥を一台のCCDカメラ1108によって検出するために、板ガラスのエッジの上面1102については、プリズム1103を利用して、板ガラスのエッジの下面1106については、プリズム1104を利用して、さらに板ガラスのエッジの端面1105については、プリズムを利用することなく、そのまま、直接、CCDカメラ1008によって撮像することができる。
【特許文献1】特開2002−62267号公報
【特許文献2】特開2001−153816号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1に示される検査装置のようにプリズムを板ガラスの上下に配置すると、板ガラスの下に搬送用のローラー等を設置することが困難であり、ラインセンサーカメラで板ガラスを移動しながら撮像することは難しい。また、一台のラインセンサーカメラで板ガラスのエッジの上面、下面、端面における欠点を検査するためには、適切な照明装置を設置する必要があるが、特許文献1においては、かかる適切な照明装置については言及されておらず、特許文献1に示される検査装置では、板ガラスのエッジの研磨時に発生し易い微細なカケのような欠陥を検出できない。さらに、微細なカケを効果的に発見するためには、適切な照明装置を使用して、カケの部分をラインセンサーカメラで撮像する場合にカケの部分をできる限り大きく光らせて撮像することが必要である。
【0004】
そこで、板ガラス及び/またはラインセンサーカメラを移動させながら検査することが可能であって、板ガラスのエッジを適切な光源によって効果的に照らし、エッジの複数の面を同時に1台のラインセンサーカメラで効果的に撮像し、微細なカケをも 効果的に発見し得る検査方法と検査装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を達成するために、セラミック板、特に板ガラスのエッジを研磨する際に発生し易いカケを発見するのに効果的な照明を考察したところ、カケの部分は、正しく研磨されている場合には、すりガラス状態であり光源によって照らしても光らないのに対して、カケが発生してしまった部分は、平坦で、光を反射し易く、このようなカケを光源によって照らすと大きく反射して光ることを確認できた。そして、このカケが光っている画像をCCDカメラによって撮影できれば、画像処理によって、自動的に、カケを検出できることを見出した。
【0006】
また、搬送状態の板ガラスのエッジを複数の角度から同時に撮像するためには通常のCCDカメラではなくラインセンサーカメラが適していることにも着目した。
【0007】
以上の知見に基づいて以下の発明を完成した。
【0008】
請求項1に記載の発明は、セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数のミラー(以下「視野内ミラー」ともいう)を配置し、前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を前記視野内ミラーで反射させて、その反射光を前記ラインセンサーカメラに入射させ、前記ラインセンサーカメラによって前記セラミック板のエッジを撮像し、該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出する方法であって、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像できるように、前記複数の視野内ミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像と前記ラインセンサーカメラとの間の距離が同一となるように前記視野内ミラーを配置して、前記複数の視野内ミラーに写るそれぞれの前記エッジの虚像に同時に焦点をあわせられるようにしたことを特徴とする。
【0009】
また、請求項2に記載の発明は、セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数の前記視野内ミラーを配置し、前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を前記視野内ミラーで反射させて、その反射光を前記ラインセンサーカメラに入射させ、前記ラインセンサーカメラによって前記セラミック板のエッジを撮像し、該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出する方法であって、
ラインセンサーカメラと光源と複数の前記視野内ミラーとを含む装置(以下「撮像装置」ともいう)及び/または前記セラミック板を移動させながら、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像できるように、前記複数の視野内ミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像と前記ラインセンサーカメラとの間の距離が同一となるように前記視野内ミラーを配置して、前記複数の視野内ミラーに写る前記エッジのそれぞれの虚像に同時に焦点をあわせられるようにしたことを特徴とする。
【0010】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1及び2に 記載されたエッジ欠陥検出方法に係り、
前記視野内ミラーの数を3個以上とし、前記視野内ミラーのうちの1個を前記ラインセンサーカメラと前記セラミック板のエッジとの間であって、前記ラインセンサーカメラの画角の中心線(以下「画角中心線」ともいう)上に配置し(以下該画角中心線上に配置された視野内ミラーを「中心ミラー」ともいう)、もう1個の前記視野内ミラーを、前記セラミック板のエッジと前記画角中心線を含む平面(以下「画角中心線水平平面」ともいう)の上であって、該画角中心線の横に配置(以下このように配置された視野内ミラーを「調整ミラー」ともいう)し、前記光源に照らされた前記画角中心線上にある前記セラミック板のエッジからの反射光が、先ず前記調整ミラーに入射し、次にその反射光が前記中心ミラーに入射して、さらにその反射光が、前記画角中心線上を通って前記ラインセンサーカメラの中心に入射するように前記中心ミラーと、前記調整ミラーを配置し、
前記中心ミラーに写る前記エッジの虚像(以下「中心ミラー虚像」ともいう)と前記ラインセンサーカメラとの間の距離と前記中心ミラー及び前記調整ミラー以外の前記視野内ミラー(以下「上下ミラー」ともいう)に写る前記エッジの虚像と前記ラインセンサーカメラとの間の距離とが同一となって、前記中心ミラーに写る前記エッジの虚像と前記上下ミラーに写る虚像とに同時に焦点をあわせられるようにしたことを特徴とする。
【0011】
また、請求項4に記載の発明は、請求項3に記載されたエッジ欠陥検出方法に係り、
前記上下ミラーは該上下ミラーの中心が、前記画角中心線を含み、前記中心水平平面と略直交する平面(以下「画角中心線垂直平面」ともいう)の上に位置するように配置され、
前記光源は、面光源であって、
前記面光源は前記エッジと略平行であって、前記画角中心線水平平面及び前記画角中心線垂直平面の両方の面とに略直交し、その位置が、前記ラインセンサーカメラと前記視野内ミラーの間に存在する平面(以下エッジ略平行平面)ともいう)の上に位置し、
前記面光源のうち、前記画角中心線垂直平面と交差する部分は、空隙となって、前記面光源に照らされた前記エッジからの反射光が、前記上下ミラーに入射して反射した光線が、該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記面光源に照らされた前記エッジからの反射光が前記調整ミラーに入射して反射した光線が前記中心ミラーに入射して、さらに反射した光線が、該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記ラインセンサーカメラによって、前記上下ミラー及び前記中心ミラーに写った前記エッジを撮像できることを特徴とする。
【0012】
また、請求項5に記載の発明は、請求項3に記載されたエッジ欠陥検出方法に係り、
前記上下ミラーは該上下ミラーの中心が、前記画角中心線を含み、前記中心水平平面と略直交する平面の上に位置するように配置され、
前記光源は、面光源であって
前記面光源を前記エッジ端面の前方に配置し、
前記面光源のうち、前記画角中心線垂直平面と交差する部分は、空隙として、前記面光源に照らされた前記エッジからの反射光が、前記上下ミラーに入射して反射した光線が、該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記面光源に照らされた前記エッジからの反射光が前記調整ミラーに入射して反射した光線が前記中心ミラーに入射して、さらに反射した光線が、該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記ラインセンサーカメラによって、前記上下ミラー及び前記中心ミラーに写った前記エッジを撮像できることを特徴とする。
【0013】
また、請求項6に記載の発明は、
セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数の前記視野内ミラーを配置し、さらに前記視野内ミラーと前記ラインセンサーカメラとの間に屈折 率の高い透明体を配置し、
前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を前記視野内ミラーで反射させて、その反射光を前記透明体を通過させた後に、前記ラインセンサーカメラに入射させ、前記ラインセンサーカメラによって前記セラミック板のエッジを撮像し、前記ラインセンサーカメラの画角の中心線上には前記視野内ミラーは配置しないで前記セラミック板のエッジからの反射光によって直接撮像し、
該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出するエッジ欠陥検出方法であって、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像できるように、前記複数の視野内ミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像および前記ラインセンサーカメラの画角の中心 線上については実像に同時に焦点をあわせられるように前記視野内ミラー及び前記透明体を配置することを特徴とする。
【0014】
また、請求項7に記載の発明は、
セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数の前記視野内ミラーを配置し、さらに前記視野内ミラーと前記ラインセンサーカメラとの間に屈折 率の高い透明体を配置し、
前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を前記視野内ミラーで反射させて、その反射光を前記透明体を通過させた後に、前記ラインセンサーカメラに入射させ、前記ラインセンサーカメラによって前記セラミック板のエッジを撮像し、前記ラインセンサーカメラの画角の中心線上には前記視野内ミラーは配置しないで前記セラミック板のエッジからの光によって直接撮像し、
該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出するエッジ欠陥検出方法であって、
ラインセンサーカメラと光源と複数の前記視野内ミラーと 前記透明体を含む装置及び/または前記セラミック板を移動させながら、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像できるように、前記複数の視野内ミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像および前記ラインセンサーカメラの画角の中心線(以下「画角中心線」ともいう)上については実像に同時に焦点をあわせられるように前記視野内ミラー及び前記透明体を配置することを特徴とする。
【0015】
また、請求項8に記載の発明は、請求項6及び7に 記載されたエッジ欠陥検出方法に係り、
前記上下ミラーは該上下ミラーの中心が、前記画角中心線を含み、前記中心水平平面と略直交する平面の上に位置するように配置され、
前記光源は、面光源であって、
前記面光源は前記エッジと略平行であって、前記画角中心線水平平面及び前記画角中心線垂直平面の両方の面とに略直交し、その位置が、前記ラインセンサーカメラと前記視野内ミラーの間に存在する平面の上に位置し、
前記面光源のうち、前記画角中心線垂直平面と交差する部分は、空隙となって、前記面光源に照らされた前記エッジからの反射光が、前記上下ミラーに入射して反射した光線が前記透明体を通過した後に該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記ラインセンサーカメラによって、前記上下ミラーに写った前記エッジを撮像でき、前記画角中心線上の前記セラミック板のエッジについては直接的に撮像できることを特徴とする。
【0016】
また、請求項9に記載の発明は、請求項6及び7に 記載されたエッジ欠陥検出方法に係り、
前記上下ミラーは該上下ミラーの中心が、前記画角中心線を含み、前記中心水平平面と略直交する平面の上に位置するように配置され、
前記光源は、面光源であって
前記面光源は前記エッジ端面の前方に配置され、
前記面光源のうち、前記画角中心線垂直平面と交差する部分は、空隙となって、前記面光源に照らされた前記エッジからの反射光が、前記上下ミラーに入射して反射した光線が前記透明体を通過した後に該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記ラインセンサーカメラによって、前記上下ミラーに写った前記エッジを撮像でき、前記画角中心線上の前記セラミック板のエッジについては直接的に撮像できることを特徴とする。
【0017】
また、請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9に 記載されたエッジ欠陥検出方法に係り、
前記面光源はLED光源であることを特徴とする。
【0018】
また、請求項11に記載の発明は、請求項1乃至10に記載されたエッジ欠陥検出方法に係り、
前記画像の処理は、画像中に、所定の大きさ以上の輝点が存在する場合には、欠陥ありと判別し、所定の大きさ以上の輝点が存在しない場合には、欠陥無し、と判別するように処理が自動化されていることを特徴とする。
【0019】
また、請求項12に記載の発明は、
セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数の前記視野内ミラーを配置し、前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を前記視野内ミラーで反射させた後に前記ラインセンサーカメラに入射させて、前記ラインセンサーカメラにより前記セラミック板のエッジを撮像し、該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出するエッジ欠陥検出装置であって、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像でき、前記複数のミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像と前記ラインセンサーカメラとの間の距離が同一となるように前記視野内ミラーを配置して、前記複数のミラーに写る前記エッジの複数の虚像に同時に焦点が合うように構成されていることを特徴とする。
【0020】
また、請求項13に記載の発明は、
セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数の前記視野内ミラーを配置し、前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を前記視野内ミラーで反射させた後に前記ラインセンサーカメラに入射させて、前記ラインセンサーカメラにより前記セラミック板のエッジを撮像し、該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出するエッジ欠陥検出装置であって、
前記撮像装置を移動させる撮像装置移動手段及び/または前記セラミック板を移動させるセラミック板移動手段を有し、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像でき、前記複数のミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像と前記ラインセンサーカメラとの間の距離が同一となるように前記視野内ミラーを配置して、前記複数のミラーに写る前記エッジの複数の虚像に同時に焦点が合うように構成されていることを特徴とす
【0021】
また、請求項14に記載の発明は、請求項12及び13に記載されたエッジ欠陥検出装置に係り、
前記視野内ミラーの数を3個以上とし、前記視野内ミラーのうちの1個を前記ラインセンサーカメラと前記セラミック板のエッジの間であって、前記ラインセンサーカメラの画角中心線上に、配置し、もう1個を、前記画角中心線水平平面の上であって、該画角中心線の横に配置し、前記光源に照らされた前記画角中心線上にある前記セラミック板のエッジからの反射光が先ず前記調整ミラーに入射し、次にその反 射光が前記中心ミラーに入射して、さらにその反射光が、前記画角中心線上を通って前記ラインセンサーカメラの中心に入射するように前記中心ミラー及び前記調整ミラーを配置し、
前記中心ミラーに写る前記エッジの虚像と前記ラインセンサーカメラとの間の距離と前記中心ミラー及び前記調整ミラー以外の前記視野内ミラーに写る前記エッジの虚像と前記ラインセンサーカメラとの間の距離とが同一となって、前記中心ミラーに写る前記エッジの虚像と前記上下ミラーに写る虚像とに同時に焦点が合うように構成されていることを特徴とする。
【0022】
また、請求項15に記載の発明は、12乃至14記載されたエッジ欠陥検出装置に係り、
前記上下ミラーは該上下ミラーの中心が、前記画角中心線垂直平面の上に位置するように配置され、
前記光源は、面光源であって、
前記面光源は前記エッジ略平行平面の上に位置し、
前記面光源のうち、前記画角中心線垂直平面と交差する付近は、空隙となって、前記面光源に照らされて、前記上下ミラーに入射して反射した光線が、該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記面光源に照らされて、前記調整ミラーに入射して反射した後に前記中心ミラーに入射して反射した光線が、該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記ラインセンサーカメラによって、前記上下ミラー及び前記中心ミラーに写った前記エッジを撮像できるように構成されていることを特徴とする。
【0023】
また、請求項16に記載の発明は、12乃至14記載されたエッジ欠陥検出装置に係り、
前記上下ミラーは該上下ミラーの中心が、前記画角中心線垂直平面の上に位置するように配置され、
前記光源は、面光源であって、
前記面光源は前記エッジ端面の前方に配置され、
前記面光源のうち、前記画角中心線垂直平面と交差する付近は、空隙となって、前記面光源に照らされて、前記上下ミラーに入射して反射した光線が、該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記面光源に照らされて、前記調整ミラーに入射して反射した後に前記中心ミラーに入射して反射した光線が、該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記ラインセンサーカメラによって、前記上下ミラー及び前記中心ミラーに写った前記エッジを撮像できるように構成されていることを特徴とする。
【0024】
また、請求項17に記載の発明は、
セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数の前記視野内ミラーを配置し、さらに前記視野内ミラーと前記ラインセンサーカメラとの間に屈折 率の高い透明体を配置し、
前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を前記視野内ミラーで反射させて、その反射光を前記透明体を通過させた後に、前記ラインセンサーカメラに入射させ、前記ラインセンサーカメラによって前記セラミック板のエッジを撮像し、前記ラインセンサーカメラの画角の中心線上には前記視野内ミラーは配置しないで前記セラミック板のエッジからの反射光によって直接撮像し、
該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出するエッジ欠陥検出装置であって、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像できるように、前記複数の視野内ミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像および前記ラインセンサーカメラの画角の中心 線上については実像に同時に焦点をあわせられるように前記視野内ミラー及び前記透明体が配置・構成されていることを特徴とする。
【0025】
また、請求項18に記載の発明は、
セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数の前記視野内ミラーを配置し、さらに前記視野内ミラーと前記ラインセンサーカメラとの間に屈折 率の高い透明体を配置し、
前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を前記視野内ミラーで反射させて、その反射光を前記透明体を通過させた後に、前記ラインセンサーカメラに入射させ、前記ラインセンサーカメラによって前記セラミック板のエッジを撮像し、前記ラインセンサーカメラの画角の中心線上には前記視野内ミラーは配置しないで前記セラミック板のエッジからの光によって直接撮像し、
該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出するエッジ欠陥検出装置であって、
ラインセンサーカメラと光源と複数の前記視野内ミラーと 前記透明体とを含む装置及び/または前記セラミック板を移動させながら、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像できるように、前記複数の視野内ミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像および前記ラインセンサーカメラの画角の中心 線上については実像に同時に焦点をあわせられるように前記視野内ミラー及び前記透明体が配置・構成されていることを特徴とする。
【0026】
また、請求項19に記載の発明は、請求項17及び18に記載されたエッジ欠陥検出装置に係り、
前記上下ミラーは該上下ミラーの中心が、前記画角中心線を含み、前記中心水平平面と略直交する平面の上に位置するように配置され、
前記光源は、面光源であって、
前記面光源は前記エッジと略平行であって、前記画角中心線水平平面及び前記画角中心線垂直平面の両方の面とに略直交し、その位置が、前記ラインセンサーカメラと前記視野内ミラーの間に存在する平面の上に位置し、
前記面光源のうち、前記画角中心線垂直平面と交差する部分は、空隙となって、前記面光源に照らされた前記エッジからの反射光が、前記上下ミラーに入射して反射した光線が前記透明体を通過した後に該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記ラインセンサーカメラによって、前記上下ミラーに写った前記エッジを撮像でき、前記画角中心線上の前記セラミック板のエッジについては直接的に撮像できるように構成されていることを特徴とする。
【0027】
また、請求項20に記載の発明は、請求項17及び18に記載されたエッジ欠陥検出装置に係り、
前記上下ミラーは該上下ミラーの中心が、前記画角中心線を含み、前記中心水平平面と略直交する平面の上に位置するように配置され、
前記光源は、面光源であって
前記面光源は前記エッジ端面の前方に配置され、
前記面光源のうち、前記画角中心線垂直平面と交差する部分は、空隙となって、前記面光源に照らされた前記エッジからの反射光が、前記上下ミラーに入射して反射した光線が前記透明体を通過した後に該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記ラインセンサーカメラによって、前記上下ミラーに写った前記エッジを撮像でき、前記画角中心線上の前記セラミック板のエッジについては直接的に撮像できるように構成されていることを特徴とする。
【0028】
また、請求項21に記載の発明は、請求項12乃至20に記載されたエッジ欠陥検出装置に係り、
前記面光源はLED光源であることを特徴とする。
【0029】
また、請求項22に記載の発明は、請求項12乃至21に記載されたエッジ欠陥検出装置に係り、
前記画像の処理は、画像中に、所定の大きさ以上の輝点が存在する場合には、欠陥ありと判別し、所定の大きさ以上の輝点が存在しない場合には、欠陥無し、と判別するように処理が自動化されていることを特徴とする。
【0030】
また、請求項23に記載の発明は、請求項1乃至11に記載されたエッジ欠陥検出方法に係り、
前記ラインセンサーカメラの画角中心線が、セラミック板のエッジの端面の法線上にくるようにし、前記ラインセンサーカメラと、前記法線上にある前記セラミック板との間の距離を一定に保ち得る様に、前記撮像装置及び/または前記セラミック板を移動させることを特徴とする。
【0031】
また、請求項24に記載の発明は、請求項12乃至22に記載されたエッジ欠陥検出装置に係り、
前記撮像装置を移動させる撮像装置移動手段及び/または前記セラミック板を移動させるセラミック板移動手段によって、前記ラインセンサーカメラの前記画角中心線が、セラミック板のエッジの端面の法線上にくるように、前記ライン センサーカメラ及び/または前記セラミック板の向きが制御され、前記ラインセンサーカメラと、前記法線上にある前記セラミック板との間の距離が一定に保たれるように構成されていることを特徴とする。
【0032】
また、請求項25に記載の発明は、請求項1乃至11、及び請求項23に記載のエッジ欠陥検出方法に係り、
前記ラインセンサーカメラのかわりに2次元CCDカメラを使用することを特徴とする。
【0033】
また、請求項26に記載の発明は、請求項12乃至22及び請求項24に記載のエッジ欠陥検出装置に係り、
前記ラインセンサーカメラのかわりに2次元CCDカメラを配置することを特徴とする。
【0034】
また、請求項27に記載の発明は、エッジ欠陥検出方 法であって、
セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数の前記視野内ミラーを配置し、さらに前記視野内ミラーと前記セラミック板のエッジとの間に屈折率の高い透明体を配置し、
前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を前記透明体を通過させた後に前記視野内ミラーで反射させて、その反射光を前記ラインセンサーカメラに入射させ、前記ラインセンサーカメラによって前記セラミック板のエッジを撮像し、前記ラインセンサーカメラの画角の中心線上には前記視野内ミラーは配置しないで前記セラミック板のエッジからの反射光によって直接撮像し、
該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出する方法であって、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像できるように、前記複数の視野内ミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像および前記ラインセンサーカメラの画角の中心 線上については実像に同時に焦点をあわせられるように前記視野内ミラー及び前記透明体を配置することを特徴とする。
【0035】
また、請求項28に記載の発明は、エッジ欠陥検出装置であって、
セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数の前記視野内ミラーを配置し、さらに前記視野内ミラーと前記セラミック板のエッジとの間に屈折率の高い透明体を配置し、
前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を、前記透明体を通過させた後に前記視野内ミラーで反射させて、その反射光を前記ラインセンサーカメラに入射させ、前記ラインセンサーカメラによって前記セラミック板のエッジを撮像し、前記ラインセンサーカメラの画角の中心線上には前記視野内ミラーは配置しないで前記セラミック板のエッジからの反射光によって直接撮像し、
該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出する装置であって、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像できるように、前記複数の視野内ミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像および前記ラインセンサーカメラの画角の中心 線上については実像に同時に焦点をあわせられるように前記視野内ミラー及び前記透明体が配置・構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0036】
請求項1に記載の発明によれば、1個のラインセンサーカメラによって、セラミック板のエッジを研磨する際に発生し易いカケ等の 欠陥を同時に複数の角度から撮像できる。以下,
図1を参照しつつ説明する。図1は、前記エッジ欠陥検出装置によって板ガラスを検査している様子を横方向から見た、前記実施の形態1に係るエッジ欠陥検出装置の概略を説明するための説明図である。
【0037】
セラミック板のエッジの上面131と該上面131と約45度の角度をもって交わっている面取り面132との角に存在するカケ109については該カケ109からの反射光が視野内ミラー102に反射してラインセンサーカメラ104に入射することにより、ラインセンサーカメラ104はカケ109を撮像することができる。また、同様に、セラミック板の前記面132と端面133との角に存在するカケ110については、該カケ110からの反射光が視野内ミラー103に反射してラインセンサーカメラ104に入射することにより、ラインセンサーカメラ104はカケ110を撮像することができる。
他のカケ113およびカケ112についても同様に、カケ113およびカケ112をラインセンサーカメラ104によって撮像することができる。
【0038】
よって、セラミック板のエッジの種々の面に存在するカケ等の欠陥を、1台のカメラによって、同時に、撮像することができ、検査装置のコストの削減を図ることができる。また、撮像された画像は、1台のカメラが撮像した画像に集約されるために 画像処理も容易になるという効果も得られる。
【0039】
次に、請求項2に記載の発明によれば、 請求項1に記載の効果に加えて、セラミック板及び/又は撮像装置を移動させることにより、カケ等の欠陥を、ラインセンサーカメラによってでも、セラミック板のエッジの2次元画像として撮像することができるという効果がえられる。
【0040】
次に、請求項3に記載の発明の効果を図3を参照しつつ説明する。図3は、前記実施の形態1に係るエッジ欠陥検出装置で板ガラスを検査している様子を上から見た、前記実施の形態1に係るエッジ欠陥検出装置の概略を説明するための説明図である。
請求項3に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果に加えて、セラミック板のエッジの端面111に存在するカケ111についても、カケ111からの反射光は、先ず、調整ミラー121に入射し、次にその反射光が中心ミラー120に入射して、更にその反射光がラインセンサーカメラ104に入射することによって、ラインセンサーカメラ104によってカケ111を撮像することができる。
【0041】
請求項4に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明による効果に加えて、面光源によって、セラミック板のエッジを、連続的に変化する角度から照らすことが可能となり、種々の方向を向いて存在するカケを効果的に照らして、大きく光らせた状態で、ラインセンサーカメラによって撮像でき、より小さなカケを発見できるという効果が得られる。
【0042】
請求項5に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明の効果に加えて、面光源の形状と配置の選択をより柔軟にすることができる。
【0043】
請求項6に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明による効果と同様な効果を前記中心ミラー、調整ミラーを使用することなく得ることができる。
【0044】
請求項7に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明による効果に加えて、セラミック板及び/又は撮像装置を移動させることにより、カケ等の欠陥を、ラインセンサーカメラによってでも、セラミック板のエッジの2次元画像として撮像することができるという効果が得られる。
【0045】
請求項8に記載の発明によれば、請求項6及び7に記載の発明による効果に加えて、面光源によって、セラミック板のエッジを、連続的に変化する角度から照らすことが可能となり、種々の方向を向いて存在するカケを効果的に照らして、大きく光らせた状態で、ラインセンサーカメラによって撮像でき、より小さなカケを発見できるという効果が得られる。
【0046】
請求項9に記載の発明によれば、請求項8に記載の発明による効果と同様の効果をにくわえて、面光源の形状と配置に関する柔軟性を得られる。
【0047】
請求項10に記載の発明によれば、請求項1乃至9に記載の発明による効果に加えて、LED光源の特徴である省電力と長寿命という効果を得られる。
【0048】
請求項11に記載の発明によれば、請求項1乃至10に記載の発明による効果に加えて、
ラインセンサーカメラによって撮像されたセラミック板のエッジの画像から自動的に欠陥の有無を判断することができ検査コストの低減を図ることが可能となる。
【0049】
請求項12に記載の発明によれば、請求項1に記載の発明による効果と同様の効果を得られる。
【0050】
請求項13に記載の発明によれば、請求項2に記載の発明による効果と同様の効果を得られる。
【0051】
請求項14に記載の発明によれば、請求項3に記載の発明による効果と同様の効果を得られる。
【0052】
請求項15に記載の発明によれば、請求項4に記載の発明による効果と同様の効果を得られる。
【0053】
請求項16に記載の発明によれば、請求項5に記載の発明による効果と同様の効果を得られる。
【0054】
請求項17に記載の発明によれば、請求項6に記載の発明による効果と同様の効果を得られる。

請求項18に記載の発明によれば、請求項7に記載の発明による効果と同様の効果を得られる。
【0055】
請求項19に記載の発明によれば、請求項8に記載の発明による効果と同様の効果を得られる。
【0056】
請求項20に記載の発明によれば、請求項9に記載の発明による効果と同様の効果を得られる。
【0057】
請求項21に記載の発明によれば、請求項10に記載の発明による効果と同様の効果を得られる。
【0058】
請求項22に記載の発明によれば、請求項11に記載の発明による効果と同様の効果を得られる。
【0059】
請求項23に記載の発明によれば、請求項1乃至11に記載の発明による効果に加えて、
ラインセンサーカメラの画角の中心線をセラミック板の撮像しようとする端面の法線と一致させ、かつ、ラインセンサーカメラとセラミック板との間の距離を一定に保つことができ、ラインセンサーカメラによって、撮像しようとするセラミック板のエッジに焦点を合わせやすいという効果が得られる。
【0060】
請求項24に記載の発明によれば、請求項11乃至22に記載の発明による効果に加えて、
ラインセンサーカメラの画角の中心線をセラミック板の撮像しようとする端面の法線と一致させ、かつ、ラインセンサーカメラとセラミック板との間の距離を一定に保つことができ、ラインセンサーカメラによって、撮像しようとするセラミック板のエッジに焦点を合わせやすいという効果が得られる。
【0061】
請求項25に記載の発明によれば、ラインセンサーカメラの代わりに2次元CCDカメラを使用しても請求項1乃至11、及び請求項23に記載の効果と同様な効果を得られる。
【0062】
請求項26に記載の発明によれば、ラインセンサーカメラの代わりに2次元CCDカメラを使用しても請求項12乃至22、及び請求項24に記載の効果と同様な効果を得られる。
【0063】
請求項27に記載の発明によれば、透明体の位置を視野内ミラーとラインセンサーカメラとの間ではなく視野内ミラーとセラミック板のエッジとの間に設置した場合であっても請求項6に記載の効果と同様な効果を得られる。
【0064】
請求項28に記載の発明によれば、透明体の位置を視野内ミラーとラインセンサーカメラとの間ではなく視野内ミラーとセラミック板のエッジとの間に設置した場合であっても請求項17に記載の効果と同様な効果を得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
以下、図を参照しつつ、発明を実施するための最良の形態につき説明する。
【0066】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1に係るエッジ欠陥検出方法及びエッジ欠陥検出装置について説明する。本発明の実施の形態1は、セラミック板の例としてガラス板を対象とするエッジ欠陥検出方法及びエッジ欠陥検出装置に係るものである。図1は、前記エッジ欠陥検出装置によって板ガラスを検査している様子を横方向から見た、前記実施の形態1に係るエッジ欠陥検出装置の概略を説明するための説明図である。図1において、130は板ガラスであり、131は板ガラスのエッジの上面であり、132及び134は板ガラスの面取り面であり、135は板ガラスのエッジの下面である。また、102、103、106及び107は視野内ミラーであり、120は中心ミラーであり、121は調整ミラーであり、105は面光源であり、104はラインセンサーカメラである。また、109、110、111、112及び113はカケである。
【0067】
以下、カケ109乃至113をラインセンサーカメラによって撮像する方法を説明する。
カケ109については、面光源105によって照らされたカケ109からの反射光は視野内ミラー102に入射して、その反射光がラインセンサーカメラに入射するように視野内ミラー102の位置と角度を調整する。また、カケ110についても、面光源105によって照らされたカケ110からの反射光は視野内ミラー103に入射して、その反射光がラインセンサーカメラに入射するように視野内ミラー103の位置と角度を調整する。
【0068】
カケ112及びカケ113についても同様に視野内ミラー107及び106の角度と位置を調整する。次に、ラインセンサーカメラによって、同時にカケ109、110、112及び113にピントを合わせる方法について図2を参照しつつ説明する。図2は図1のうち面光源105を省略した説明図である。カケ109とカケ110に対して同時にピンとを合わせるためには、視野内ミラー102に写るカケ109の虚像とラインセンサーカメラ104との間の距離と、視野内ミラー103に写るカケ110の虚像とラインセンサーカメラ104との間の距離とが等しくなるように視野内ミラー102と103を配置する。具体的には、カケ109と視野内ミラー102との間の距離aと視野内ミラー102とラインセンサーカメラ104との間の距離bとを加えた距離(a+b)が、カケ110と視野内ミラー103との間の距離cと視野内ミラー103とラインセンサーカメラ104との間の距離dとを加えた距離(c+d)と等しくなるようにする。次に、視野内ミラー103に写るカケ110の虚像とラインセンサーカメラ104との間の距離と、視野内ミラー106に写るカケ112の虚像とラインセンサーカメラ104との間の距離とが等しくなるように視野内ミラー106を配置する。具体的には、カケ110と視野内ミラー103との間の距離cと視野内ミラー103とラインセンサーカメラ104との間の距離dとを加えた距離(c+d)が、カケ112と視野内ミラー106との間の距離eと視野内ミラー106とラインセンサーカメラ104との間の距離fとを加えた距離(e+f)とが等しくなるようにする。同様に視野内ミラー106に写るカケ112の虚像とラインセンサーカメラ104との間の距離と、視野内ミラー107に写るカケ113の虚像とラインセンサーカメラ104との間の距離とが等しくなるように視野内ミラー107を配置する。具体的には、カケ112と視野内ミラー106との間の距離eと視野内ミラー106とラインセンサーカメラ104との間の距離fとを加えた距離(e+f)が、カケ113と視野内ミラー107との間の距離gと視野内ミラー107とラインセンサーカメラ104との間の距離hとを加えた距離(g+h)とが等しくなるようにする。この結果、視野内ミラー102、103、106及び107に写るカケ109、110、112及び113のそれぞれの虚像とラインセンサーカメラ104との間の距離が等しくなり、ラインセンサーカメラ104によって、カケ109、カケ110、カケ112及びカケ113に対して、同時にピントを合わせた状態でこれらのカケを同時に撮像することができる。
【0069】
次に、カケ111を撮像する方法について説明する。カケ111は、板ガラスの端面133に存在し、ラインセンサーカメラ104の画角中心線上に存在する点で、該画角中心線上から少し外れているカケ110、109、112、113とは異なる。カケ111を、ミラーを使用することなく、直接にライン センサーカメラ104で撮像すると、カケ111とラインセンサーカメラ104との間の距離が、他の画角中心線から外れているカケを視野内ミラーを使用して撮像する 場合の、視野内ミラーに写るカケの虚像と、ラインセンサーカメラ104との間の距離より短くなってしまって、これらの像に同時にピントを合わせることができず、同時に撮像することができない。そこで、カケ111についても、中心ミラー120及び調整ミラー121を使用することにより、これらのすべてのカケに同時にピントを合わせることを可能としている。
以下、画角中心線上のカケ111を撮像する方法について説明する。図3は、前記実施の形態1に係るエッジ欠陥検出装置で板ガラスを検査している様子を上から見た、前記実施の形態1に係るエッジ欠陥検出装置の概略を説明するための説明図である。図3において、130は板ガラスであり、109及び111はカケであり、120は中心ミラーであり、121は調整ミラーであり、105は面光源であり、そして104はラインセンサーカメラである。面光源105によって照らされたカケ111からの反射光は先ず、調整ミラー121に入射して、その反射光が中心ミラー120に入射し、さらにその反射光がラインセンサーカメラ104に入射するように中心ミラー及び調整ミラーの位置と角度を調整する。このように配置することにより、ラインセンサーカメラによってカケ111を撮像することが可能となる。
【0070】
次に、ラインセンサーカメラ104によって、カケ109とカケ111に同時にピントを合わせる方法について説明する。ラインセンサーカメラ104によって、カケ109とカケ111に同時にピントを合わせるためには、図2に示されている視野内ミラー102に写るカケ109の虚像とラインセンサーカメラ104との間の距離と、図3に示される中心ミラー120に写るカケ111の虚像とラインセンサーカメラ104との間の距離とが等しい必要がある。具体 的に,図4を参照しつつ説明する。図4は図3から面光源105を省略した図である。中心ミラー120に写るカケ111の虚像とラインセンサーカメラ104との間の距離はカケ111と調整ミラー121との間の距離pと、調整ミラー121と中心ミラー120との間の距離qと中心ミラー120とラインセンサーカメラ104との間の距離rを合計した距離(p+q+r)である。一方、図2の視野内ミラー102に写るカケ111の虚像とラインセンサーカメラ104との間の距離はカケ109と視野内ミラー102との間の距離aと視野内ミラー102とラインセンサーカメラ104との間の距離bとを足した距離(a+b)である。よって、ラインセンサーカメラ104によって、カケ111とカケ109に同時にピントを合わせるためには距離(p+q+r)と距離(a+b)とが等しくなるように、調整ミラー121と中心ミラー120を配置すればよい。また、図2に示されている視野内ミラー102に写るカケ109の虚像とラインセンサーカメラ104との間の距離と、図3に示される中心ミラー120に写るカケ109の虚像とラインセンサーカメラ104との間の距離とを等しくし、図2に示されている視野内ミラー102に写るカケ109の虚像とラインセンサーカメラ104との間の距離は他の視野内ミラー103、106、107に写るそれぞれの虚像とラインセンサーカメラ104との間の距離に等しくなるように視野内ミラー103、106、107を配置することにより、ラインセンサーカメラ104によって、同時に、カケ109、110、111、112及び113にピントを合わせることが可能となる。
【0071】
次に、面光源105について説明する。以上の説明において、ラインセンサーカメラ104によって、板ガラス130のエッジの複数のカケに対して同時にピントを合わせて撮像する方法について説明したが、これを可能とする前提として、それぞれのカケが光源によって適切な方向から照らされて、その反射光がラインセンサーカメラ104に入射することが必要である。また、ラインセンサーカメラ104によって、カケを二次元画像として撮像するためには、被写体である板ガラス130及び/またはラインセンサーカメラ104を一定速度で移動させる必要がある。この場合には、移動に従って、カケを撮像するために照らすべき照明の方向が変化する。光源はこの照らすべき照明の方向が変化するという要求をも満たす必要がある。以下、図を参照しながら説明する。説明を単純にするために、ミラーを使用せずに撮像する場合について説明するが、ミラーを使用する場合も原理的には同様である。
【0072】
図5は、板ガラスを水平方向に搬送しながら、面光源によって照らされた板ガラスのエッジをラインセンサーカメラによって撮像している様子を上から見た説明図である。図5において、130は板ガラスであり、154はカケであり、105は面光源であり、104はラインセンサーカメラであり、155は面光源105に含まれる光源の一部(以下このような面光源の一部を「部分光源」ともいう)である。また、158は板ガラス130が搬送される方向を示す矢印であり、156はカケ154のうちのラインセンサーカメラの画角中心線上付近のカケ部分である(以下「カケ部分156」ともいう)。また160は面光源を含む面と前記中心線垂直平 面とが交差する部分であって、光源が存在しない空隙(以下「空隙160」ともいう)であり、153は部分光源155からカケ部分156に入射する光線であり、161は光線153の進行方向を示す矢印であり、151は光線153がカケ部分156に反射した後に、ラインセンサーカメラ104の画角の中心線に沿って、空隙160を通過してラインセンサーカメラ104に入射する光線である。また、152は光線153が反射したカケ部分156の面に対する法線である。また、5Aは法線152と光線151のなす角度であり、5Bは光線153と法線152とがなす 角度である。
【0073】
カケ部分156をラインセンサーカメラ104によって撮像するためには、部分光源155から出た光線153がカケ156に反射して、その反射光である光線151が空隙160を通過して、ラインセンサーカメラ104に入射することが必要である。図5のカケ部分156を効果的に照らすために必要な光源である部分光源の位置は、ラインセンサーカメラ104の画角中心線上に位置するカケの反射面の角度に依存し、図5の場合には法線152と角度5Aと5Bによって定まり、部分光源155から出る光線が有効なものとなる。ここで、角度5Aと5Bとは、等しい。
【0074】
次に、板ガラス130が矢印方向158の方向に移動する 場合について説明する。板ガラス130が矢印158の方向に移動すると、カケ154のうち、画角中心線上と交わる部分のカケの面(以下「中心線上カケ面」ともいう)の方向は変化するために、この中心線上カケ面を撮像するために該中心線上カケ面を照らす光源の位置は変化する。
【0075】
図6は図5の状態から、板ガラス130が矢印158の方向に移動した場合の撮像方法を説明するための説明図である。図6において、656は画角中心線上のカケ部分である。655はカケ部分656をラインセンサーカメラ104によって撮像するために最適な光線を放射することのできる部分光源であり、653は部分光源655から出て、カケ部分656に入射する光線であり、651は光線653がカケ部分656に反射して、ラインセンサーカメラに入射する光線であり、652は光線653が反射するカケ部分656の反射面である中心線上カケ面に対する法線である。6Aは法線652と光線651のなす角度であり、6Bは法線652と光線653のなす角度であり、6Aと6Bは等しい。
【0076】
板ガラス130が移動したために、中心線上カケ面が画角中心線となす角度が図5の場合とは変化している。その結果として、法線652の方向は図5における法線152の方向から変化している。このためにカケ部分656をラインセンサーカメラ104によって撮像するために、カケ部分656を有効に照らす最適な光線の方向も図5の光線153から図6の光線653へと変化する。この変化の結果、有効な部分光源の位置も変化して、有効な部分光源が図5の155から図6の光源655へと変化する。
【0077】
次に、板ガラス130が、さらに、矢印158の方向に移動した場合について説明する。
図7は図6の状態から、板ガラス130が矢印158の方向にさらに移動した場合の撮像方法を説明するための説明図である。図7において、756は画角中心線上のカケ部分である。755はカケ部分756をラインセンサーカメラ104によって撮像するために最適な光線を放射することのできる部分光源であり、753は部分光源755から出て、カケ部分756に入射する光線であり、751は光線753がカケ部分756に反射して、ラインセンサーカメラに入射する光線であり、752は光線753が反射するカケ部分756の反射面である中心線上カケ面に対する法線である。7Aは法線752と光線751のなす角度であり、7Bは法線752と光線753のなす角度であり、7Aと7Bとは等しい。
【0078】
図6についての説明と同様に、板ガラス130が 移動したために、中心線上カケ面が画角中心線となす角度が変化する。その結果として、法線752の方向は図6における法線652の方向から変化する。この結果としてカケ部分756をラインセンサーカメラ104によって撮像するために、カケ部分756を有効に照らすのに必要な光線の方向が図6の光線653から図7の光線753へと変化する。この変化の結果、有効な部分光源の位置も変化して、有効な部分光源が図6の655から図7の光源755へと変化する。
【0079】
次に、板ガラス130が、さらに、矢印158の方向に移動した場合について説明する。
図8は図7の状態から、板ガラス130が矢印158の方向にさらに移動した場合の撮像方法を説明するための説明図である。図8において、856は画角中心線上のカケ部分である。855はカケ部分856をラインセンサーカメラ104によって撮像するために最適な光線を放射することのできる部分光源であり、853は部分光源855から出て、カケ部分856に入射する光線であり、851は光線853がカケ部分856に反射して、ラインセンサーカメラに入射する光線であり、852は光線853が反射するカケ部分856の反射面である中心線上カケ面に対する法線である。8Aは法線852と光線851のなす角度であり、8Bは法線852と光線853のなす角度であり、8Aと8Bとは等しい。
【0080】
図7についての説明と同様に、板ガラス130が 移動したために、中心線上カケ面が画角中心線となす角度が変化する。その結果として、法線852の方向は図7における法線752の方向から変化する。この結果としてカケ部分856をラインセンサーカメラ104によって撮像するために、カケ部分856を有効に照らすのに必要な光線の方向が図7の光線753から図8の光線853へと変化する。この変化の結果、有効な部分光源の位置も変化して、有効な部分光源が図7の755から図8の光源855へと変化する。特に図7の場合から図8の場合への変化の特徴としては、中心線上カケ面が下向きから上向きに変化することにより、該中心線上カケ面に対する法線が画角中心線の下側から上側に変化し、その結果として、カケ部分856を照らすのに最適な部分光源855に位置が画角中心線の下側から上側に移動することである。
【0081】
図9は図8の状態から、板ガラス130が矢印158の方向にさらに移動した場合の撮像方法を説明するための説明図である。図9において、956は画角中心線上のカケ部分である。955はカケ部分956をラインセンサーカメラ104によって撮像するために最適な光線を放射することのできる部分光源であり、953は部分光源955から出て、カケ部分956に入射する光線であり、951は光線953がカケ部分956に反射して、ラインセンサーカメラに入射する光線であり、952は光線953が反射するカケ部分956の反射面である中心線上カケ面に対する法線である。9Aは法線952と光線951のなす角度であり、9Bは法線952と光線953のなす角度であり、9Aと9Bとは等しい。
【0082】
図8についての説明と同様に、板ガラス130が 移動したために、中心線上カケ面が画角中心線となす角度が変化する。その結果として、法線952の方向は図8における法線852の方向から変化する。この結果としてカケ部分956をラインセンサーカメラ104によって撮像するために、カケ部分956を有効に照らすのに必要な光線の方向が図8の光線853から図9の光線953へと変化する。この変化の結果、有効な部分光源の位置も変化して、有効な部分光源が図8の855から図9の光源955へと変化する。
【0083】
以上、図5乃至9において説明したように、以下ガラス130を搬送しながらラインセンサーカメラ104によって、板ガラスのエッジに存在するカケを撮像するためには、一定の方向から板ガラスのエッジを照らすのでは足りず、撮像しようとするカケ部分に対する照明光線と、画角中心線とのなす角度が連続的に変化し、かつ、光源が画角中心線を囲む両側に存在する必要がある。この観点から、本実施の形態1にかかるエッジ欠陥 検出装置においては、光源として面光源を採用して、かかる要求を満たしている。
【0084】
次に、本実施の形態1に係るエッジ欠陥検出装置によって、撮像された画像について説明する。
【0085】
図10はラインセンサーカメラ104によって、搬送中のガラス130のエッジを 撮像することによって得られた画像である。図10において、1001は視野内ミラー106に写る搬送中のガラス130のエッジの画像である。1006は、視野内ミラー106を通して撮像されたカケ112の画像(以下「カケ画像」ともいう)である。1002は視野内ミラー107に写る搬送中のガラス130のエッジの画像(以下「エッジ画像」ともいう)であり、1007は、視野内ミラー107を通して撮像されたカケ113の画像である。1003は中心ミラー120に写る搬送中のガラス130のエッジの画像であり、1008は、調整ミラー121及び中心ミラー120を通して撮像されたカケ111の画像である。1004は視野内ミラー102に写る搬送中のガラス130のエッジの画像であり、1009は、視野内ミラー102を通して撮像されたカケ109の画像である。1005は視野内ミラー103に写る搬送中のガラス130のエッジの画像であり、1010は、視野内ミラー103を通して撮像されたカケ110の画像である。
【0086】
次に、図10の画像から欠陥を検出する方法について、概説する。図10の1001エッジ画像のうちカケ画像1006以外の部分の輝度は、カケ画像1006の輝度に比較して輝度が低い。よって、エッジ画像1001内の画素の輝度を電算機にて、スキャンしてゆき、ある領域の輝度が、所定の閾値より高ければ、その部分に欠陥があり、所定の閾値以下であれば、欠陥はないと判断することにより、欠陥の有無を判断する。なお、このような画像処理については文献2に記載されており、詳細な説明は省略する。
【0087】
次に、前記撮像装置と板ガラスとの相対的な位置 関係を変化させる方法について説明する。ラインセンサーカメラは1次元的に配列されたCCD素子を有するものであるから、板ガラスのエッジの二次元的な画像を撮像するためには、前記撮像と板ガラスとの相対的な位置関係を変化させながら撮像する必要がある。このためには、第1番目の方法として、板ガラスを固定して、撮像装置を移動させる 方法と、第2番目の方法として、撮像装置を固定して、板ガラスを移動させる方法と、第3番目の方法として、撮像装置と板ガラスの両方を移動させる方法とがある。これら3つの方法とも、板ガラスを支持する支持台及び/または撮像装置を支持する支持台を3軸のNC制御によって、XY方向への移動と回転によって好適な移動を実現できる。ただし、NC制御を使用する方法は移動させる方法の 例示であって、他の方法でもよい。
【0088】
以下、図を参照しながら説明する。
【0089】
図12は、板ガラスと撮像装置の構成部分であるライン センサーカメラとの位置関係と、移動する方法とを説明するために、板ガラスとラインセンサーカメラを上から見た説明図である。板ガラスの支持台とラインセンサーカメラを含む撮像装置の支持台とは図示されていないが、板ガラスはポイント1220の位置(X1,Y1)で支持台に固定され、ラインセンサーカメラはポイント1221の位置(X2,Y2)で支持台に固定されている。また、板ガラスの支持台はXYテーブルによってXY方向に移動し、またポイント1220を中心軸として回転する。同様にラインセンサーカメラの支持台はXYテーブルによってXY方向に移動して、ポイント1221を中心軸として回転する。この結果、板ガラスとラインセンサーカメラとの相対的な位置を自由に制御することができる。
【0090】
次に、板ガラスのエッジのカケを検出するための好適な板ガラスとラインセンサーカメラの相対的な位置関係の要件について説明する。
【0091】
板ガラスとラインセンサーカメラの位置は、ラ インセンサーカメラの画角の中心線1207が、検査対象である板ガラスの端面の法線と一致するように制御する。ここで、図12において、1206は検査対象である端面の接線であり、1207はラインセンサーカメラの画角の中心線であるとともに検査対象である端面の法線でもあり、両線1207と1206とは略直交している。さらに、撮像対象である板ガラスの端面とラインセンサーカメラとの距離12aを一定に保つように制御する。ここで、撮像対象である板ガラスの端面とラインセンサーカメラとの距離の定義において、ラインセンサーカメラの位置をポイント1221としている。ただし、これはラインセンサーカメラ内の他の位置でもよい。
【0092】
第1番目の方法においては、板ガラスは固定しておいて、撮像装置の支持台をXY方向に移動させ、撮像装置の支持台をポイント1221を中心軸として回転させる。第2番目の方法においては、撮像装置を固定して、板ガラスの支持台をXY方向に移動し、板ガラスの支持台をポイント1220を中心軸として回転させる。第3番目の方法においては、撮像装置の支持台をXY方向に移動させ、撮像装置の支持台をポイント1221を中心軸として回転さて、同時に、板ガラスの支持台をXY方向に移動し、板ガラスの支持台をポイント1220を中心軸として回転させる。これら3つの方法によって、板ガラスとライン センサーカメラの相対的な位置関係を、撮像対象である板ガラスの端面とラインセンサーカメラの距離を一定に保ちつつ、さらに該板ガラスの端面の法線とラインセンサーカメラの画角の中心線とを一致させつつ、一定速度で変化させながら、ラインセンサーカメラによって板ガラスのエッジを撮像する。
【0093】
本実施の形態1に係るエッジ欠陥検出方法及びエッジ欠陥検出 装置を使用することにより、1台のラインセンサーカメラによって、板ガラスのエッジの複数の角度の面を同時に撮像することができ、板ガラスのエッジのカケ等の欠陥を効果的に検出することが可能となる。
(実施の形態2)
次に、画角中心線上の板ガラスのエッジを撮像する場合において、中心ミラーと調整ミラーのいずれをも使用しないで、撮像する態様について説明する。
【0094】
以下、図13を参照しつつ説明する。ここで、図13は、実施の形態2に係るエッジ欠陥検出装置によって板ガラスを検査している様子を横方向から見た、前記エッジ欠陥検出装置の概略を説明するための説明図である。実施の形態1に係るエッジ欠陥検出装置において中心ミラーと調整ミラーを使用する理由は、ラインセンサーカメラ104の画角中心線上にあるカケ111と板ガラスのエッジの角に存在するカケ110とを同時にピントを合わせて撮像するためには、該カケ111とラインセンサーカメラ104との間の距離eeと、ラインセンサーカメラ104と視野内ミラー103との距離ddに視野内ミラー103のとカケ110との間の距離ccとを加えた距離(cc+dd)とが等しい必要があるところ、距離eeは距離(cc+dd)より必ず短いので、中心ミラーと調整ミラーを使用して、距離を調整しているためである。
【0095】
しかし、別の方法としては、画角中心線上のカケ111からラインセンサーカメラ104との間の距離はそのままにして、カケ110から視野内ミラー103に反射して、ラインセンサーカメラ104にいたる距離を途中に屈折率の高い透明体を置いて、該透明体を通過する等価的な距離を短縮して調整する方法もある。実施の形態2に係るエッジ欠陥検出装置はこの方法を実現するものである。具体的には、図13の透明体1013の屈折率をnとすると、距離eeが距離ccに距離dd1と距離dd2を屈折率nで除した距離(dd2/n)と距離dd3とを加えた距離(dd1+dd2/n+dd3)に等しければ、ラインセンサーカメラ104はカケ111とカケ110とに同時にピントを合わせることが可能となり、カケ111とカケ110とを同時に撮像することができる。カケ109、カケ112及びカケ113についても、視野内ミラー102等とラインセンサーカメラ104との間に透明体を設置することにより、カケ109、カケ110、カケ111、カケ112及びカケ113とに当時にピントを合わせて撮像することができる。
【0096】
従って、実施の形態2に係るエッジ欠陥検出装置と方法についても実施の形態1に係るエッジ欠陥検出装置と方法と同様の効果を得ることができる。
【0097】
なお、以上の説明において、空気の屈折率は1と近似している。また、透明体1013を、視野内ミラーとラインセンサーカメラ104との間ではなく、視野内ミラーとカケとの間に設置しても、また、両方の間の両方の位置に設置してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】前記エッジ欠陥検出装置によって板ガラスを 検査している様子を横方向から見た、前記エッジ欠陥検出装置の概略を説明するための説明図である。
【図2】図1のうち面光源105を省略した説明図である。
【図3】前記エッジ欠陥検出装置で板ガラスを検査している様子を上から見た、前記エッジ欠陥検出装置の概略を説明するための説明図である。
【図4】図3から面光源105を省略した図である。
【図5】板ガラスを水平方向に搬送しながら、面光源によって照らされた板ガラスのエッジをラインセンサーカメラによって撮像している様子を上から見た説明図である。
【図6】図5の状態から、板ガラス130が矢印158の方向に移動した場合の撮像方法を説明するための説明図である。
【図7】図6の状態から、板ガラス130が矢印158の方向にさらに移動した場合の撮像方法を説明するための説明図である。
【図8】図7の状態から、板ガラス130が矢印158の方向にさらに移動した場合の撮像方法を説明するための説明図である。
【図9】図8の状態から、板ガラス130が矢印158の方向にさらに移動した場合の撮像方法を説明するための説明図である。
【図10】ラインセンサーカメラ104によって、搬送中のガラス130のエッジを撮像することによって得られた画像である。
【図11】特許文献1に記載された検査装置の概略をしめす斜視図である。
【図12】板ガラスと撮像装置の構成部分であるライン センサーカメラとの位置関係と、移動する方法とを説明するために、板ガラスとラインセンサーカメラを上から見た説明図である。
【図13】実施の形態2に係るエッジ欠陥検出装置によって板ガラスを検査している様子を横方向から見た、前記エッジ欠陥検出装置の概略を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0099】
102 視野内ミラー
103 視野内ミラー
104 ラインセンサーカメラ
105 面光源
106 視野内ミラー
107 視野内ミラー
109 カケ
110 カケ
111 カケ
112 カケ
113 カケ
120 中心ミラー
121 調整ミラー
130 板ガラス
131 板ガラスのエッジの上面
132 板ガラスのエッジ面取り面
133 板ガラスの端面
134 板ガラスのエッジ面取り面
135 板ガラスのエッジの下面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数のミラー(以下「視野内ミラー」ともいう)を配置し、前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を前記視野内ミラーで反射させて、その反射光を前記ラインセンサーカメラに入射させ、前記ラインセンサーカメラによって前記セラミック板のエッジを撮像し、該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出する方法であって、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像できるように、前記複数の視野内ミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像と前記ラインセンサーカメラとの間の距離が同一となるように前記視野内ミラーを配置して、前記複数の視野内ミラーに写るそれぞれの前記エッジの虚像に同時に焦点をあわせられるようにしたことを特徴とするエッジ欠陥検出方法。
【請求項2】
セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数の前記視野内ミラーを配置し、前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を前記視野内ミラーで反射させて、その反射光を前記ラインセンサーカメラに入射させ、前記ラインセンサーカメラによって前記セラミック板のエッジを撮像し、該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出する方法であって、
ラインセンサーカメラと光源と複数の前記視野内ミラーとを含む装置(以下「撮像装置」ともいう)及び/または前記セラミック板を移動させながら、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像できるように、前記複数の視野内ミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像と前記ラインセンサーカメラとの間の距離が同一となるように前記視野内ミラーを配置して、前記複数の視野内ミラーに写る前記エッジのそれぞれの虚像に同時に焦点をあわせられるようにしたことを特徴とするエッジ欠陥検出方法。
【請求項3】
前記視野内ミラーの数を3個以上とし、前記視野内ミラーのうちの1個を前記ラインセンサーカメラと前記セラミック板のエッジとの間であって、前記ラインセンサーカメラの画角の中心線(以下「画角中心線」ともいう)上に配置し(以下該画角中心線上に配置された視野内ミラーを「中心ミラー」ともいう)、もう1個の前記視野内ミラーを、前記セラミック板のエッジと前記画角中心線を含む平面(以下「画角中心線水平平面」ともいう)の上であって、該画角中心線の横に配置(以下このように配置された視野内ミラーを「調整ミラー」ともいう)し、前記光源に照らされた前記画角中心線上にある前記セラミック板のエッジからの反射光が、先ず前記調整ミラーに入射し、次にその反射光が前記中心ミラーに入射して、さらにその反射光が、前記画角中心線上を通って前記ラインセンサーカメラの中心に入射するように前記中心ミラーと、前記調整ミラーを配置し、
前記中心ミラーに写る前記エッジの虚像(以下「中心ミラー虚像」ともいう)と前記ラインセンサーカメラとの間の距離と前記中心ミラー及び前記調整ミラー以外の前記視野内ミラー(以下「上下ミラー」ともいう)に写る前記エッジの虚像と前記ラインセンサーカメラとの間の距離とが同一となって、前記中心ミラーに写る前記エッジの虚像と前記上下ミラーに写る虚像とに同時に焦点をあわせられるようにしたことを特徴とする請求項1及び2に記載されたエッジ欠陥検出方法。
【請求項4】
前記上下ミラーは該上下ミラーの中心が、前記画角中心線を含み、前記中心水平平面と略直交する平面(以下「画角中心線垂直平面」ともいう)の上に位置するように配置され、
前記光源は、面光源であって、
前記面光源は前記エッジと略平行であって、前記画角中心線水平平面及び前記画角中心線垂直平面の両方の面とに略直交し、その位置が、前記ラインセンサーカメラと前記視野内ミラーの間に存在する平面(以下エッジ略平行平面)ともいう)の上に位置し、
前記面光源のうち、前記画角中心線垂直平面と交差する部分は、空隙となって、前記面光源に照らされた前記エッジからの反射光が、前記上下ミラーに入射して反射した光線が、該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記面光源に照らされた前記エッジからの反射光が前記調整ミラーに入射して反射した光線が前記中心ミラーに入射して、さらに反射した光線が、該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記ラインセンサーカメラによって、前記上下ミラー及び前記中心ミラーに写った前記エッジを撮像できることを特徴とする請求項3に記載されたエッジ欠陥検出方法。
【請求項5】
前記上下ミラーは該上下ミラーの中心が、前記画角中心線を含み、前記中心水平平面と略直交する平面の上に位置するように配置され、
前記光源は、面光源であって
前記面光源を前記エッジ端面の前方に配置し、
前記面光源のうち、前記画角中心線垂直平面と交差する部分は、空隙として、前記面光源に照らされた前記エッジからの反射光が、前記上下ミラーに入射して反射した光線が、該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記面光源に照らされた前記エッジからの反射光が前記調整ミラーに入射して反射した光線が前記中心ミラーに入射して、さらに反射した光線が、該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記ラインセンサーカメラによって、前記上下ミラー及び前記中心ミラーに写った前記エッジを撮像できることを特徴とする請求項3に記載されたエッジ欠陥検出方法。
【請求項6】
セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数の前記視野内ミラーを配置し、さらに前記視野内ミラーと前記ラインセンサーカメラとの間に屈折 率の高い透明体を配置し、
前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を前記視野内ミラーで反射させて、その反射光を前記透明体を通過させた後に、前記ラインセンサーカメラに入射させ、前記ラインセンサーカメラによって前記セラミック板のエッジを撮像し、前記ラインセンサーカメラの画角の中心線上には前記視野内ミラーは配置しないで前記セラミック板のエッジからの反射光によって直接撮像し、
該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出する方法であって、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像できるように、前記複数の視野内ミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像および前記ラインセンサーカメラの画角の中心 線上については実像に同時に焦点をあわせられるように前記視野内ミラー及び前記透明体を配置することを特徴とするエッジ欠陥検出方法。
【請求項7】
セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数の前記視野内ミラーを配置し、さらに前記視野内ミラーと前記ラインセンサーカメラとの間に屈折 率の高い透明体を配置し、
前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を前記視野内ミラーで反射させて、その反射光を前記透明体を通過させた後に、前記ラインセンサーカメラに入射させ、前記ラインセンサーカメラによって前記セラミック板のエッジを撮像し、前記ラインセンサーカメラの画角の中心線上には前記視野内ミラーは配置しないで前記セラミック板のエッジからの光によって直接撮像し、
該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出する方法であって、
ラインセンサーカメラと光源と複数の前記視野内ミラーと 前記透明体を含む装置及び/または前記セラミック板を移動させながら、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像できるように、前記複数の視野内ミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像および前記ラインセンサーカメラの画角の中心線(以下「画角中心線」ともいう)上については実像に同時に焦点をあわせられるように前記視野内ミラー及び前記透明体を配置することを特徴とするエッジ欠陥検出方法。
【請求項8】
前記上下ミラーは該上下ミラーの中心が、前記画角中心線を含み、前記中心水平平面と略直交する平面の上に位置するように配置され、
前記光源は、面光源であって、
前記面光源は前記エッジと略平行であって、前記画角中心線水平平面及び前記画角中心線垂直平面の両方の面とに略直交し、その位置が、前記ラインセンサーカメラと前記視野内ミラーの間に存在する平面の上に位置し、
前記面光源のうち、前記画角中心線垂直平面と交差する部分は、空隙となって、前記面光源に照らされた前記エッジからの反射光が、前記上下ミラーに入射して反射した光線が前記透明体を通過した後に該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記ラインセンサーカメラによって、前記上下ミラーに写った前記エッジを撮像でき、前記画角中心線上の前記セラミック板のエッジについては直接的に撮像できることを特徴とする請求項6及び7に記載されたエッジ欠陥検出方法。
【請求項9】
前記上下ミラーは該上下ミラーの中心が、前記画角中心線を含み、前記中心水平平面と略直交する平面の上に位置するように配置され、
前記光源は、面光源であって
前記面光源は前記エッジ端面の前方に配置され、
前記面光源のうち、前記画角中心線垂直平面と交差する部分は、空隙となって、前記面光源に照らされた前記エッジからの反射光が、前記上下ミラーに入射して反射した光線が前記透明体を通過した後に該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記ラインセンサーカメラによって、前記上下ミラーに写った前記エッジを撮像でき、前記画角中心線上の前記セラミック板のエッジについては直接的に撮像できることを特徴とする請求項6及び7に記載されたエッジ欠陥検出方法。
【請求項10】
前記面光源はLED光源であることを特徴とする請求項1乃至9に記載されたエッジ欠陥検出方法。
【請求項11】
前記画像の処理は、画像中に、所定の大きさ以上の輝点が存在する場合には、欠陥ありと判別し、所定の大きさ以上の輝点が存在しない場合には、欠陥無し、と判別するように処理が自動化されていることを特徴とする請求項1乃至10に記載されたエッジ欠陥検出方法。
【請求項12】
セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数の前記視野内ミラーを配置し、前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を前記視野内ミラーで反射させた後に前記ラインセンサーカメラに入射させて、前記ラインセンサーカメラにより前記セラミック板のエッジを撮像し、該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出する装置であって、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像でき、前記複数のミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像と前記ラインセンサーカメラとの間の距離が同一となるように前記視野内ミラーを配置して、前記複数のミラーに写る前記エッジの複数の虚像に同時に焦点が合うように構成されていることを特徴とするエッジ欠陥検出装置。
【請求項13】
セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数の前記視野内ミラーを配置し、前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を前記視野内ミラーで反射させた後に前記ラインセンサーカメラに入射させて、前記ラインセンサーカメラにより前記セラミック板のエッジを撮像し、該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出する装置であって、
前記撮像装置を移動させる撮像装置移動手段及び/または前記セラミック板を移動させるセラミック板移動手段を有し、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像でき、前記複数のミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像と前記ラインセンサーカメラとの間の距離が同一となるように前記視野内ミラーを配置して、前記複数のミラーに写る前記エッジの複数の虚像に同時に焦点が合うように構成されていることを特徴とするエッジ欠陥検出装置。
【請求項14】
前記視野内ミラーの数を3個以上とし、前記視野内ミラーのうちの1個を前記ラインセンサーカメラと前記セラミック板のエッジの間であって、前記ラインセンサーカメラの画角中心線上に、配置し、もう1個を、前記画角中心線水平平面の上であって、該画角中心線の横に配置し、前記光源に照らされた前記画角中心線上にある前記セラミック板のエッジからの反射光が先ず前記調整ミラーに入射し、次にその反 射光が前記中心ミラーに入射して、さらにその反射光が、前記画角中心線上を通って前記ラインセンサーカメラの中心に入射するように前記中心ミラー及び前記調整ミラーを配置し、
前記中心ミラーに写る前記エッジの虚像と前記ラインセンサーカメラとの間の距離と前記中心ミラー及び前記調整ミラー以外の前記視野内ミラーに写る前記エッジの虚像と前記ラインセンサーカメラとの間の距離とが同一となって、前記中心ミラーに写る前記エッジの虚像と前記上下ミラーに写る虚像とに同時に焦点が合うように構成されていることを特徴とする請求項12及び13に記載されたエッジ欠陥検出装置。
【請求項15】
前記上下ミラーは該上下ミラーの中心が、前記画角中心線垂直平面の上に位置するように配置され、
前記光源は、面光源であって、
前記面光源は前記エッジ略平行平面の上に位置し、
前記面光源のうち、前記画角中心線垂直平面と交差する付近は、空隙となって、前記面光源に照らされて、前記上下ミラーに入射して反射した光線が、該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記面光源に照らされて、前記調整ミラーに入射して反射した後に前記中心ミラーに入射して反射した光線が、該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記ラインセンサーカメラによって、前記上下ミラー及び前記中心ミラーに写った前記エッジを撮像できるように構成されていることを特徴とする請求項12乃至14に記載されたエッジ欠陥検出装置。
【請求項16】
前記上下ミラーは該上下ミラーの中心が、前記画角中心線垂直平面の上に位置するように配置され、
前記光源は、面光源であって、
前記面光源は前記エッジ端面の前方に配置され、
前記面光源のうち、前記画角中心線垂直平面と交差する付近は、空隙となって、前記面光源に照らされて、前記上下ミラーに入射して反射した光線が、該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記面光源に照らされて、前記調整ミラーに入射して反射した後に前記中心ミラーに入射して反射した光線が、該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記ラインセンサーカメラによって、前記上下ミラー及び前記中心ミラーに写った前記エッジを撮像できるように構成されていることを特徴とする請求項12乃至14に記載されたエッジ欠陥検出装置。
【請求項17】
セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数の前記視野内ミラーを配置し、さらに前記視野内ミラーと前記ラインセンサーカメラとの間に屈折 率の高い透明体を配置し、
前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を前記視野内ミラーで反射させて、その反射光を前記透明体を通過させた後に、前記ラインセンサーカメラに入射させ、前記ラインセンサーカメラによって前記セラミック板のエッジを撮像し、前記ラインセンサーカメラの画角の中心線上には前記視野内ミラーは配置しないで前記セラミック板のエッジからの反射光によって直接撮像し、
該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出する装置であって、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像できるように、前記複数の視野内ミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像および前記ラインセンサーカメラの画角の中心 線上については実像に同時に焦点をあわせられるように前記視野内ミラー及び前記透明体が配置・構成されていることを特徴とするエッジ欠陥検出装置。
【請求項18】
セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数の前記視野内ミラーを配置し、さらに前記視野内ミラーと前記ラインセンサーカメラとの間に屈折 率の高い透明体を配置し、
前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を前記視野内ミラーで反射させて、その反射光を前記透明体を通過させた後に、前記ラインセンサーカメラに入射させ、前記ラインセンサーカメラによって前記セラミック板のエッジを撮像し、前記ラインセンサーカメラの画角の中心線上には前記視野内ミラーは配置しないで前記セラミック板のエッジからの光によって直接撮像し、
該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出する装置であって、
ラインセンサーカメラと光源と複数の前記視野内ミラーと 前記透明体とを含む装置及び/または前記セラミック板を移動させながら、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像できるように、前記複数の視野内ミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像および前記ラインセンサーカメラの画角の中心 線上については実像に同時に焦点をあわせられるように前記視野内ミラー及び前記透明体が配置・構成されていることを特徴とするエッジ欠陥検出装置。
【請求項19】
前記上下ミラーは該上下ミラーの中心が、前記画角中心線を含み、前記中心水平平面と略直交する平面の上に位置するように配置され、
前記光源は、面光源であって、
前記面光源は前記エッジと略平行であって、前記画角中心線水平平面及び前記画角中心線垂直平面の両方の面とに略直交し、その位置が、前記ラインセンサーカメラと前記視野内ミラーの間に存在する平面の上に位置し、
前記面光源のうち、前記画角中心線垂直平面と交差する部分は、空隙となって、前記面光源に照らされた前記エッジからの反射光が、前記上下ミラーに入射して反射した光線が前記透明体を通過した後に該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記ラインセンサーカメラによって、前記上下ミラーに写った前記エッジを撮像でき、前記画角中心線上の前記セラミック板のエッジについては直接的に撮像できるように構成されていることを特徴とする 請求項17及び18に記載されたエッジ欠陥検出装置。
【請求項20】
前記上下ミラーは該上下ミラーの中心が、前記画角中心線を含み、前記中心水平平面と略直交する平面の上に位置するように配置され、
前記光源は、面光源であって
前記面光源は前記エッジ端面の前方に配置され、
前記面光源のうち、前記画角中心線垂直平面と交差する部分は、空隙となって、前記面光源に照らされた前記エッジからの反射光が、前記上下ミラーに入射して反射した光線が前記透明体を通過した後に該空隙を通過して、前記ラインセンサーカメラに到達し、前記ラインセンサーカメラによって、前記上下ミラーに写った前記エッジを撮像でき、前記画角中心線上の前記セラミック板のエッジについては直接的に撮像できるように構成されていることを特徴とする 請求項17及び18に記載されたエッジ欠陥検出装置。
【請求項21】
前記面光源はLED光源であることを特徴とする請求項12乃至20に記載されたエッジ欠陥検出装置。
【請求項22】
前記画像の処理は、画像中に、所定の大きさ以上の輝点が存在する場合には、欠陥ありと判別し、所定の大きさ以上の輝点が存在しない場合には、欠陥無し、と判別するように処理が自動化されていることを特徴とする請求項12乃至21に 記載されたエッジ欠陥検出装置。
【請求項23】
前記ラインセンサーカメラの画角中心線が、セラミック板のエッジの端面の法線上にくるようにし、前記ラインセンサーカメラと、前記法線上にある前記セラミック板との間の距離を一定に保ち得る様に、前記撮像装置及び/または前記セラミック板を移動させることを特徴とする請求項1乃至11に記載されたエッジ欠陥検出方法。
【請求項24】
前記撮像装置を移動させる撮像装置移動手段及び/または前記セラミック板を移動させるセラミック板移動手段によって、前記ラインセンサーカメラの前記画角中心線が、セラミック板のエッジの端面の法線上にくるように、前記ライン センサーカメラ及び/または前記セラミック板の向きが制御され、前記ラインセンサーカメラと、前記法線上にある前記セラミック板との間の距離が一定に保たれるように構成されていることを特徴とする請求項12乃至22に記載されたエッジ欠陥検出装置。
【請求項25】
前記ラインセンサーカメラのかわりに2次元CCDカメラを使用することを特徴とする請求項1乃至11、及び請求項23に記載のエッジ欠陥検出方法。
【請求項26】
前記ラインセンサーカメラのかわりに2次元CCDカメラを配置することを特徴とする請求項12乃至22及び請求項24に記載のエッジ欠陥検出装置。
【請求項27】
セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数の前記視野内ミラーを配置し、さらに前記視野内ミラーと前記セラミック板のエッジとの間に屈折率の高い透明体を配置し、
前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を前記透明体を通過させた後に前記視野内ミラーで反射させて、その反射光を前記ラインセンサーカメラに入射させ、前記ラインセンサーカメラによって前記セラミック板のエッジを撮像し、前記ラインセンサーカメラの画角の中心線上には前記視野内ミラーは配置しないで前記セラミック板のエッジからの反射光によって直接撮像し、
該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出する方法であって、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像できるように、前記複数の視野内ミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像および前記ラインセンサーカメラの画角の中心 線上については実像に同時に焦点をあわせられるように前記視野内ミラー及び前記透明体を配置することを特徴とするエッジ欠陥検出方法。
【請求項28】
セラミック板のエッジの端面の法線方向にラインセンサーカメラと光源を配置するとともに、前記ラインセンサーカメラの視野内に複数の前記視野内ミラーを配置し、さらに前記視野内ミラーと前記セラミック板のエッジとの間に屈折率の高い透明体を配置し、
前記光源で前記セラミック板のエッジを照らし、その反射光を、前記透明体を通過させた後に前記視野内ミラーで反射させて、その反射光を前記ラインセンサーカメラに入射させ、前記ラインセンサーカメラによって前記セラミック板のエッジを撮像し、前記ラインセンサーカメラの画角の中心線上には前記視野内ミラーは配置しないで前記セラミック板のエッジからの反射光によって直接撮像し、
該撮像した画像を処理して、セラミック板のエッジを研磨する際に発生するエッジ欠陥を検出する装置であって、
前記セラミック板のエッジを複数の角度から前記ラインセンサーカメラによって同時に撮像できるように、前記複数の視野内ミラーに写る前記セラミック板のエッジのそれぞれの虚像および前記ラインセンサーカメラの画角の中心 線上については実像に同時に焦点をあわせられるように前記視野内ミラー及び前記透明体が配置・構成されていることを特徴とするエッジ欠陥検出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2007−147433(P2007−147433A)
【公開日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−341796(P2005−341796)
【出願日】平成17年11月28日(2005.11.28)
【出願人】(503429939)株式会社 ナノスコープ (3)
【Fターム(参考)】