説明

セラミック配線基板の製造方法および印刷装置ならびに発光体

【課題】セラミックグリーンシートとスクリーンマスクとの位置合わせが正確に行え、スクリーン印刷が適正でき且つ該位置合わせに用いる光源が汚れないセラミック配線基板の製造方法を提供する。
【解決手段】テーブル1の上面に、シート状で通し孔を有する発光体10を載置する第1ステップと、発光体10の上方に、グリーンシート20を載置し、且つ位置合わせを行う第2ステップと、グリーンシート20の上面に、スクリーンマスクを載置する第3ステップと、スクリーンマスクとグリーンシート20の位置合わせを行う第4ステップと、を含むセラミック配線基板の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、セラミック配線基板の製造方法、および該方法に用いる印刷装置、ならびに該装置と上記方法とに用いる発光体に関する。
【背景技術】
【0002】
セラミック配線基板を製造する場合、セラミックグリーンシートの表面に所望パターンの導体層を形成するためのスクリーン印刷による印刷工程が行われる。
上記スクリーン印刷工程において、上面に上記グリーンシートを配置する印刷ステージと、前記グリーンシートの上方に配置されるスクリーンマスクとの位置合わせ(調整)を、短時間で正確に行うため、以下のような提案が成されている。
全体が箱形状を呈する印刷ステージの内側の底面に光源を配置し、該印刷ステージの開口部に半透明の樹脂板と、表面に導体用パターンが形成されたガラス製の基板とを配置し、且つこれらの上方にスクリーンマスクを配設すると共に、上記光源から上向きに照射された光が、上記基板の導体用パターンと上記スクリーンマスクのスクリーンとによって、該スクリーンマスクの上方に漏れない位置で、該スクリーンマスクと上記印刷ステージとの位置を固定する、印刷マスク位置合わせ方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
前記印刷マスク位置合わせ方法を用いる場合、前記スクリーンマスクと印刷ステージとを位置固定した後、前記樹脂板および基板を除去し且つそれらの跡に、貫通孔を有する治具(ペイント板)と、印刷すべきセラミックグリーンシートとを配置して、上記スクリーンマスクの上方から導電性ペーストを上記グリーンシートの表面に対してスクリーン印刷することになる。しかし、上記グリーンシートを貫通するスルーホールが形成され且つ該スルーホール内にも導電性ペーストを充填するため、前記印刷ステージの内側を減圧状態にすると、上記導電性ペーストの一部が当該印刷ステージの内側に落下し、該内側の底面に位置している前記光源に付着する。そのため、かかる汚れた光源から照射される光が部分的に遮られるので、これ以降におけるスクリーンマスクと印刷ステージとの位置合わせが不正確になる、という問題があった。しかも、汚れた光源を清掃ないし洗浄するメンテナンスが必要となるため、生産性の低下を招く、という問題もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−118592号公報 (第1〜3頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、背景技術で説明した問題点を解決し、セラミックグリーンシートの表面に所要パターンの導電性ペーストを印刷し且つ該グリーンシートのスルーホールに上記ペーストを充填する印刷工程を含み、上記グリーンシートとスクリーンマスクとの位置合わせが正確に行え、上記印刷が適正でき且つ該位置合わせに用いる光源が汚れないセラミック配線基板の製造方法、これに用いる印刷装置、および上記光源に用いる耐久性に優れた発光体を提供する、ことを課題とする。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0006】
本発明は、前記課題を解決するため、内部が減圧可能なテーブルの上に取り外し可能なシート状の発光体を配置し、その上方に上記テーブルと位置合わせすべきセラミックグリーンシートおよびスクリーンマスクを配置する、ことに着想して成されたものである。
即ち、本発明によるセラミック配線基板の製造方法(請求項1)は、セラミックグリーンシートの表面に所要パターンにて導電性ペーストを印刷し、且つ上記グリーンシートを貫通するスルーホールに導電性ペーストを充填する印刷工程を含むセラミック配線基板の製造方法であって、上記印刷工程は、減圧用空間と該減圧用空間に連通する通気孔とを有するテーブルの上面に、シート状で且つ通し孔を有する発光体を載置する第1ステップと、該発光体の上方に、予め所定位置にスルーホールおよび位置決め孔が形成された上記グリーンシートを載置し、且つ該グリーンシートと上記テーブルとの平面視におけるX−Y方向と回転(θ)方向と少なくとも一方の位置合わせを行って、上記グリーンシートをテーブルの上方における所定の位置に配置する第2ステップと、上記減圧用空間を減圧状態として、上記発光体および上記グリーンシートをテーブル上に固定した後、該グリーンシートの上面に、マスク部とスクリーン部と位置決め孔とを有するスクリーンマスクを載置する第3ステップと、上記減圧用空間を減圧状態として、上記発光体を発光させながら、上記スクリーンマスクの位置決め孔と上記グリーンシートの位置決め孔とが一致するまで、スクリーンマスクの平面視におけるX−Y(縦横)方向および回転(θ)方向の少なくとも一方向の位置合わせを行う第4ステップと、上記減圧用空間が大気圧の状態で、上記テーブルと上記グリーンシートとの間から上記発光体を除去する第5ステップと、上記減圧用空間を減圧状態として、上記位置合わせされたスクリーンマスクのスクリーン上に導電性ペーストを供給して、上記グリーンシートのスルーホール内に導電性ペーストを充填し、且つ該グリーンシートの表面に導電性ペーストを印刷する第6ステップと、を含む、ことを特徴とする。
【0007】
これによれば、前記第2ステップにおいて、テーブルとグリーンシートとの位置合わせが成され、前記第4ステップにおいて、発光体を発光させつつ、上記グリーンシートとスクリーンマスクとの位置合わせが成されると共に、第5ステップにおいて、上記発光体をテーブル上から除去した後、第6ステップにおいて、上記グリーンシートの表面とスルーホールとに導電性ペーストが印刷ないし充填される。そのため、上記2つの位置合わせがそれぞれ正確に行え、且つ上記印刷や充填が適正できると共に、上記グリーンシートとスクリーンマスクとの位置合わせに用いた発光体が汚れない。従って、第1〜第6ステップを正確且つ迅速に行え、前記グリーンシートに導電性ペーストを適正に印刷ないし充填できると共に、発光体を長期間にわたり繰り返し使用でき、そのメンテナンスも低減できる。
【0008】
尚、前記セラミックグリーンシートは、アルミナ、窒化アルミニウム、ムライトなどのセラミック成分からなるか、あるいは、当該セラミックを主成分するグリーンシート、あるいは、セラミック成分とガラス成分とを含むものである。
また、前記導電性ペースト(導電性インク)は、W、Mo、Ag、あるいはCuなどの金属粉末、バインダ樹脂、および溶剤などを含む。
更に、前記第2ステップにおける前記グリーンシートとテーブルとの位置合わせにおいて、該テーブルの上方における所定の位置とは、例えば、該テーブルの上面の中心と上記グリーンシートの中心とが一致し、且つ該上面の各辺とこれに隣接するグリーンシートの各辺とが平行となる位置が挙げられる。
また、前記第2ステップにおける前記グリーンシートとテーブルとの位置合わせは、該テーブルに対し、平面視で上記グリーンシートをX−Y(横・縦)方向に移動させる方法か、あるいは、当該グリーンシートのある位置を中心として右回りまたは左回りに回転(θ)方向に回転させる方法の何れか一方、更には、上記X−Y方向および回転(θ)方向の双方を併用する形態も含まれる。
【0009】
更に、前記第4ステップにおいて、前記グリーンシートの位置決め孔とスクリーンマスクの位置決め孔とが一致するとは、内径が共通する2つの位置決め孔の周縁が平面視で重複ないしほぼ重複するか、あるいは、内径が大小と相違する2つの位置決め孔の中心同士が一致、ないしほぼ一致することを指している。
また、前記第5ステップにおいて、前記テーブルとグリーンシートとの間から発光体を除去する場合、例えば、一旦該グリーンシートを後述する印刷装置中の搬送手段により若干持ち上げ、上記発光体が除去された後、前記搬送手段を下降させて、上記グリーンシートをテーブルの上面に固定することで行っても良い。
加えて、前記第6ステップにおいて、前記グリーンシートのスルーホールに導電性ペーストを充填した場合、前記テーブルの減圧空間側に面する上記グリーンシートの裏面で且つ上記スルーホールの周囲にも、上記空間が減圧状態になることよって、導電性ペーストの一部がほぼ円盤状に突出して形成される。
【0010】
また、本発明には、前記第2ステップにおける前記グリーンシートとテーブルとの位置合わせは、該テーブルの上面から昇降するか、あるいは、該テーブルの上面に立設され、上記グリーンシートの位置決め孔ごとに進入する複数のピンにより行われる、セラミック配線基板の製造方法(請求項2)も含まれる。
これによれば、上記テーブルの上面から上昇した複数のピン、あるいは該上面に立設された複数のピンが、上記グリーンシートにおける複数の位置決め孔に個別に進入することで、当該テーブルとグリーンシートとの位置合わせを、正確且つ確実に行うことができる。
【0011】
更に、本発明には、前記第2ステップにおける前記グリーンシートとテーブルとの位置合わせは、該テーブルの上面側から昇降するか、あるいは、該テーブルの上面に立設され、且つ上記グリーンシートを平面視が矩形の上面に貼り付けた金属枠における四辺の外側面に対し、接触ないし当接する複数のピンにより行われる、セラミック配線基板の製造方法(請求項3)も含まれる。
これによれば、上記テーブルの上面から上昇した複数のピン、あるいは該上面に立設された複数のピンが、上記グリーンシートを上面に貼り付けた金属枠の各辺の外側面に個別に接触ないし当接することで、テーブルとグリーンシートとの位置合わせを、正確且つ迅速に行うことができる。しかも、第2ステップにおいて、グリーンシートが不用意に損傷する事態を防ぐことができる。
尚、前記テーブルの上面から昇降するピンあるいは立設するピンと、前記グリーンシートの位置決め孔との位置合わせにおいて、更に画像処理を用いても良い。
【0012】
加えて、本発明には、前記第2ステップにおける前記グリーンシートとテーブルとの位置合わせは、該グリーンシートとテーブルとの平面視による画像処理によって行われる、セラミック配線基板の製造方法(請求項4)も含まれる。
これによれば、上記グリーンシートとテーブルとの位置合わせを、これらと非接触の画像処理によって正確且つ迅速に行えると共に、グリーンシートの不用意な損傷も防止できる。
尚、上記画像処理は、例えば、前記グリーンシートとテーブルとの隣接する各辺の付近をCCDカメラで撮像し、かかる各辺相互間における幅寸法および平行度を、所定のしきい値で区分することで、前記グリーンシートとテーブルとの位置合わせの是非を検出する方式が挙げられる。
【0013】
また、前記第4ステップにおける前記グリーンシートとスクリーンマスクとの位置合わせにおいても、該グリーンシートとスクリーンマスクとの画像処理を用いても良い。
更に、前記第6ステップの後に、前記スクリーンマスクを印刷された前記グリーンシートから除去し、且つ該グリーンシートを前記テーブルの上面から取り出す第7ステップを有する、セラミック配線基板の製造方法も本発明に含まれ得る。
これによる場合、適正の印刷された未焼成の配線層が表面に形成され、且つ各スルーホール内に未焼成のビア導体が形成されたグリーンシートが得られる。
また、上記第7ステップの後に、上記グリーンシートを含む複数のグリーンシートを積層する積層工程と、得られたグリーンシート積層体を焼成する焼成工程とを有するセラミック配線基板の製造方法も本発明に含まれ得る。
加えて、前記グリーンシートが多数個取りの形態の場合には、上記焼成工程の後において、個々の配線基板に分割する工程が更に行われる。
【0014】
一方、本発明の印刷装置(請求項5)は、セラミックグリーンシートの表面に所要パターンにて導電性ペーストを印刷し、且つ上記グリーンシートを貫通するスルーホールに導電性ペーストを充填する印刷工程に用いる印刷装置であって、減圧用空間と該減圧用空間と連通する通気孔とを有するテーブルと、該テーブルの上面にシート状で且つ通し孔を有する発光体を載置し、且つ該発光体を上記テーブルの上面から除去する移載手段と、前記発光体の上方に、所定位置にスルーホールと位置決め孔とが形成された上記グリーンシートを配置し、且つ印刷後の該グリーンシートを上記発光体の上方から取り出す搬送手段と、上記テーブルと上記グリーンシートとの平面視のX−Y方向および回転(θ)方向の少なくとも一方向の位置決めを行う位置決め手段と、上記グリーンシートの上面に、所定パターンのマスク部とスクリーン部と位置決め孔とを有するスクリーンマスクを載置し、且つ該スクリーンマスクを印刷後のグリーンシートの上面から取り外す搬送手段と、上記グリーンシートの上面に載置された上記スクリーンマスクの位置決め孔と、該グリーンシートの位置決め孔との平面視おける位置が重なり、上記発光体の光が透過する位置となるまで、上記スクリーンマスクの平面視のX−Y方向および回転(θ)方向の少なくとも一方向の位置を調整する位置決め手段と、を含む、ことを特徴とする。
【0015】
これによれば、前記製造方法の印刷工程における第1〜第5ステップを、自動的にして正確且つ迅速に行うことができる。しかも、発光体が導電性ペーストにより汚れないので、前記第1〜第6ステップを繰り返し連続して行うこともできるので、セラミック配線基板の生産性を高めことに寄与し得る。
尚、前記移載手段、搬送手段、および位置調整手段は、同じ装置あるいは治具を兼用するにようにしても良い。
また、前記印刷装置の上方には、前記グリーンシートの位置合わせ孔とスクリーンマスクの位置合わせ孔との一致を検出する画像処理手段を配設しても良い。
【0016】
更に、本発明には、前記テーブルには、該テーブルと前記グリーンシートとの平面視におけるX−Y方向および回転(θ)方向の少なくとも一方向の位置合わせを行うべく、上記テーブルの上面から昇降し、あるいは該上面に立設された複数のピンが配設されている、印刷装置(請求項6)も含まれる。
これによれば、前記第2ステップにおけるテーブルとグリーンシートとの位置合わせを、正確且つ容易に行える。
尚、上記ピンには、上記グリーンシートの位置合わせ孔に最初に進入する上端側を先細状のほぼ円錐形とした形態が推奨される。
また、前記テーブルの減圧用空間の底部には、余剰分の前記導電性ペーストを受ける溜まり部が配設されている。
これによる場合、前記第5ステップで発光体がテーブル上から除去された後、前記第6ステップにおいて、導電性ペーストの一部が前記グリーンシートのスルーホールから上記テーブルの減圧用空間側への吸引されても、上記発光体を汚すことなく、当該減圧用空間の底部に捕集することができる。
【0017】
更に、本発明の発光体(請求項7)は、印刷すべきセラミックグリーンシートと、マスク部およびスクリーン部を有するスクリーンマスクとの位置合わせを行うための発光体であって、側面視が薄肉のシート状であり、平面視で印刷すべき上記グリーンシートの形状に近似した外形と、かかる外形の内側に通し孔とを有し、内部に面状発光素子が封入されている、ことを特徴とする。
これによれば、前記第2,3ステップにおいて、前記テーブルとグリーンシートとの狭い空間に容易に配置でき、且つ前記第4ステップでの位置合わせを正確に行えると共に、前記第5ステップでテーブル上から容易に除去できる。従って、前記製造方法を正確且つ確実に実行することができる。しかも、第6ステップの印刷で用いる導電性ペーストによる汚れを受けないので、長期間に渉り安定して使用でき、且つメンテナンスもほぼ皆無にし得る。
【0018】
加えて、本発明には、前記発光体は、前記グリーンシートと該グリーンシートが上面に配置されるテーブルとの位置合わせに用いる昇降可能なピンが通過する透孔または切り欠きを有している、発光装置(請求項8)も含まれる。
これによれば、前記第2ステップにおけるテーブルとグリーンシートとの位置合わせ時に、テーブル側から上昇する複数のピンが、隙間を置いた複数の透孔または切り欠きをルーズに通過するので、上記位置合わせに支障を生じることを防止できる。
尚、前記面状発光素子は、エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELという)が好適に用いられる。上記発光素子は、発光層が有機化合物からなり、該有機化合物中に注入された電子と正孔との再結合によって生じた励起子(エキシオン)により発光する。但し、上記面状発光素子として、液晶を用いても良い。
また、上記面状発光素子は、平面視の外形が矩形(正方形または長方形)である発光体の四辺に沿った平面視が四角枠形状、上記外形の三辺に沿った平面視がコ字形形状、あるいは、四辺ごとにおけるグリーンシートやスクリーンマスクの各位置合わせ孔と同じ位置ごとに複数の斑点状に配置した形態としても良い。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の製造方法などに用いるテーブルを示す垂直断面図。
【図2】本発明の製造方法などに用いる発光体を示す斜視図。
【図3】本発明の製造方法の印刷工程における第1ステップを示す概略図。
【図4】上記製造方法に用いるセラミックグリーンシートを示す斜視図。
【図5】上記製造方法の印刷工程における第2ステップを示す概略図。
【図6】図5中の一点鎖線部分X1,X2の拡大図。
【図7】上記製造方法の印刷工程における第3ステップを示す概略図。
【図8】上記製造方法の印刷工程における第4ステップを示す概略図。
【図9】上記製造方法の印刷工程における第5ステップを示す概略図。
【図10】上記製造方法の印刷工程における第6ステップを示す概略図。
【図11】上記第6ステップを示す部分拡大図。
【図12】上記第6ステップ後の上記グリーンシートの状態を示す概略図。
【図13】前記グリーンシートを金属枠に貼り付けた状態を示す斜視図。
【図14】上記金属枠付きグリーンシートを用いた第2ステップの部分拡大図。
【図15】上記金属枠付きグリーンシートを用いた第4ステップの部分拡大図。
【図16】異なる形態のテーブルを用いた第2ステップを示す部分拡大図。
【図17】更に異なる形態のテーブルを用いた第2ステップを示す部分拡大図。
【図18】上記テーブルを用いた第4ステップを示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
図1は、本発明の製造方法などに用いるテーブル1を示す垂直断面図である。
該テーブル1は、図1に示すように、金属板を切断・加工し、且つ組み立てたもので、四辺の側壁2と、該側壁2の底面に位置し且つ平面視が長方形(矩形)の底壁3と、該底壁3および上記四辺の側壁2に囲まれた減圧用空間4とを備えている。図1で右側に位置する側壁2の底壁3側には、上記空間4と図示しない真空ポンプとの間を接続し、該空間4を大気圧と減圧状態とにするための通気管5が貫通している。また、四辺の側壁2の囲まれた上記減圧用空間4の開口部には、平面視で複数の通気孔7を格子状に有し、且つ該テーブル1の上面2aの一部を構成する格子枠6が配設されている。複数の通気孔7は、上記減圧用空間4と連通している。
更に、上記テーブル1の上面2aでもある四辺の側壁2の上端面には、一対ずつの垂直な縦穴8が開口し、該縦穴8ごとには、上端側を円錐形状としたピン9が昇降可能に収納され、該ピン9は、図示しない駆動手段によって縦穴8からテーブル1の上面2a側へ出没する。
【0021】
図2は、本発明の製造方法などに用いる発光体10を示す斜視図である。
発光体10は、図2に示すように、側面視の厚みが約0.5mmの薄肉のシート状であり、表面と裏面とを形成する上下一対の樹脂(絶縁)フイルム11,11間に、面上発光素子(有機EL)12を封入したものである。更に、該発光体10は、平面視の外形が前記テーブル1の上面2aと相似形の長方形(矩形)を呈し、内側に一対の細長い長方形の通気孔13を有している。そのため、上記発光素子12は、平面視でほぼ日の字形状を呈し、且つ一対の通気孔13に挟まれた橋形接続部14を含んでいる。更に、発光体10の外形に沿った上記発光素子12の各辺には、前記ピン9の通過を許容する一対ずつの透孔15が開設されている。
図2に示すように、発光体10のコーナ付近には、上記発光素子12に接続する一対の電極を内蔵したプラグ16が設けられ、該プラグ16からは、図示しないスイッチを介して、外部電源に接続するコード(導線)17が延びている。そして、上記スイッチを投入すると、上記発光素子12の発光層を構成する有機化合物中に注入されている電子と正孔とが再結合することにより、生じる励起子によって、図2で上方の表面側に向かって、光(L)が上記発光素子12の全面から上向きに均一に発光される。尚、前記透孔15は、切り欠きとしても良い。
【0022】
図3は、本発明の製造方法の印刷工程における第1ステップS1の概略を示す。
図3に示すように、吸気管を兼ねる支柱19の下端ごとに取り付けた複数の吸盤(移載手段)18に、前記発光体10の表面を吸着して、該発光体10をテーブル1の格子枠6を含む上面2aに載置した(第1ステップS1)。この際、発光体10の各透孔15の真下付近に、テーブル1側のピン9を収納した縦穴8が個別に位置するように、上記操作を行った。その後で、複数の上記吸盤18を発光体10の表面から除去した。
【0023】
図4は、上記発光体10の表面上に配置すべきセラミックグリーンシート(以下、単にグリーンシートという)20の斜視図である。該グリーンシート20は、アルミナを主成分とし、図4に示すように、厚みが約80〜750μmで且つ平面視の外形が長方形を呈し、平面視で縦横に複数のスルーホール(ビアホール)21を有する製品単位の複数組の製品エリア22と、これらの周囲を囲む矩形枠状の耳部(捨て代部)25とを備えている。耳部25には、当該グリーンシート20の外形に沿って各辺ごとに3個の位置決め孔24が貫通している。
尚、上記スルーホール21の内径は、約50〜600μmである。また、複数組の製品エリア22同士の間、および該エリア22と耳部25との間は、図4中において、破線で示す架空の切断面23によって区画されている。
【0024】
次に、前記グリーンシート20を、前記テーブル1の上面2aに載置された発光体10の上方に載置し且つ位置合わせを行う第2ステップS2を行った。
先ず、図4中で示すように、グリーンシート20の表面における左右一対の短辺付近に、複数の吸気管を兼ねる支柱28の下端に取り付けた細長い2つの吸盤(搬送手段)26を吸着して、当該グリーンシート20を吸着して持ち上げ、水平方向に沿って搬送した後、図5に示すように、発光体10の上方に載置した。
【0025】
引き続いて、図5中の一点鎖線部分X1,X2の部分拡大図である図6に示すように、発光体10の上に載置されたグリーンシート20の表面における中心付近の位置に、前記同様で且つ回転可能な支柱31の下端に取り付けた吸盤(位置決め手段)30を吸着し、平面視で当該位置を中心として右回りまたは左回りに回転(θ)方向に回転させることで、該グリーンシート20をテーブル1の上面2aにおける所定の位置に位置合わせをした(第2ステップS2)。
あるいは、前記テーブル1の周辺に沿って配置され、且つ水平方向に沿って進退する複数のロッド33の先端に個別に取り付けた断面L形のプッシャ(位置決め手段)34の縦片を、上記グリーンシート20の側面に当接して、該グリーンシート20を平面視でX−Y方向に沿って移動させることで、該グリーンシート20をテーブル1の上面2aにおける所定の位置に位置合わせをした(第2ステップS2)。
尚、第2ステップS2では、少なくとも上記2つの位置合わせの一方を行った。
また、図6以降の図面では、作図上の制約から、テーブル1側の1つの通気孔7に、グリーンシート20の1つのスルーホール21が位置することとした。
【0026】
その結果、図6に示すように、発光体10の各透孔15の上方に、グリーンシート20の各位置決め孔24が連通し、且つ該位置決め孔24をテーブル1側のピン9の真上の位置に配置できた。かかる状態で、各ピン9を上昇させ、発光体10の透孔15を通過させ、更にグリーンシート20の位置決め孔24内に進入させて、発光体10とグリーンシート20とを、テーブル1上に位置固定した。
尚、発光体10における透孔15のない位置の上方にも、グリーンシート20の各辺に1個〜数個の位置決め孔24が位置していた。
また、図6に示すように、格子枠6は、側壁2の段部2bに取り付けられた別体の格子枠板6aとしても良い。
更に、図6の上方に示すように、テーブル1の前記縦穴8あるいはピン9と、グリーンシート20の位置決め孔24との付近を、これらの上方に配置したCCDカメラ(画像処理手段)Cによって撮像し、例えば、得られた画像における縦穴8と位置決め孔24との重複度によって、テーブル1に対するグリーンシート20の前記位置合わせ(第2ステップS2)を行うようにしても良い。
【0027】
次いで、図7中に示すように、通気管5からテーブル1の減圧用空間4内のエアを排出し、当該空間4を減圧状態(約0.3気圧)として、上記グリーンシート20の上に、前記同様の複数の吸盤(搬送手段)30によって吸着され且つ搬送されたスクリーンマスク36を載置した(第3ステップS3)。該スクリーンマスク36は、所要パターンのスクリーン部38と、これらの間に位置するマスク部37と、四辺の外側面に沿って設けた複数の位置決め孔39とを有している。
次に、図8に示すように、減圧用空間4を減圧状態に保ち、且つ発光体10から光Lを上向き発光させながら、スクリーンマスク36の中心付近に、支柱が回転可能な吸盤(位置決め手段)30を吸着し、平面視で当該位置を中心として右回りまたは左回りに回転(θ)方向に回転させて、前記ピン9が下方にない位置合わせ孔24,39が一致するまでグリーンシート20とスクリーンマスク36との位置合わせを行った(第4ステップS4)。
あるいは、上記スクリーンマスク36の周囲に沿って配置され、且つ水平方向に沿って進退する複数のロッド33の先端に個別に取り付けた断面L形のプッシャ(位置決め手段)34の縦片を、上記スクリーンマスク36の側面に当接して、該スクリーンマスク36を平面視でX−Y方向に沿って移動させて、前記ピン9が下方にない位置合わせ孔24,39が一致するまでグリーンシート20とスクリーンマスク36との位置合わせを行った(第4ステップS4)。
尚、第4ステップS4は、少なくとも上記2つの位置合わせの一方を行った。
また、第4ステップS4を、前記CCDカメラCを用いる画像処理による位置合わせによって行っても良い。
更に、前記ピン9を上昇させた後、テーブル1の前記空間4を大気圧に戻した。
【0028】
その結果、図9に示すように、グリーンシート20の各辺における位置決め孔24の上に、スクリーンマスク36の各位置決め孔39が同軸心で連通すると共に、テーブル1側から上記位置決め孔24内まで既に上昇していた各ピン9が、スクリーンマスク36の各位置決め孔39に個別に進入して、当該スクリーンマスク36を、グリーンシート20とテーブル1とに対して位置合わせできた。
次に、図10に示すように、各ピン9をテーブル1の縦穴8内に下降させ、且つスクリーンマスク36を直下のグリーンシート20と共に前記吸盤30に吸着した状態で若干持ち上げた状態として、発光体10を上記グリーンシート20とテーブル1の上面2aとの間から外側に除去した(第5ステップS5)。
具体的には、図10内の一点鎖線部分Yで示すように、上下一対の薄い摘み片を含むマニプレータ(搬送手段)mにより発光体10の一辺を摘み、そのまま水平方向に沿って、該発光体10をテーブル1の上面2aから外側に取り出した。
【0029】
引き続き、前記吸盤30を下降させて、スクリーンマスク36およびグリーンシート20をテーブル1の上面に配置した後、再度各ピン9を上昇させ、スクリーンマスク36およびグリーンシート20の位置決め孔24,39に貫通させて、テーブル1に対し、グリーンシート20とスクリーンマスク36とを固定した。
次いで、図11中の矢印で示すように、再度通気管5からテーブル1の減圧用空間4内のエアを排出して、当該空間4を前記同様の減圧状態とし、スクリーンマスク36の表面に沿って移動するスキージsにより、導電性ペーストPを押圧しつつ各スクリーン部38に供給して、グリーンシート20の表面に対し該スクリーン部38に相似形のパターンで印刷した。同時に、導電性ペーストPの一部を、グリーンシート20のスルーホール21内に充填した(第6ステップS6)。
【0030】
具体的には、図12右中の一点鎖線部分Zで例示すように、スクリーンマスク36のスクリーン部38の直下で、且つグリーンシート20のスルーホール21が位置する部分において、導電性ペーストPは、該スクリーンマスク36の表面に沿って移動するスキージsにより下向きに押圧された。
そのため、導電性ペーストPは、図示のように、グリーンシート20の表面にスクリーン部38と相似形のパターンで印刷された未焼成の配線層40と、スルーホール21内に充填された円柱形で未焼成のビア導体42と、その下端からグリーンシート20の裏面にほぼ円盤状に突出した未焼成の接続部43となった。
【0031】
その結果、前記第6ステップS6が施された後では、図12に示すように、グリーンシート20の表面には、スクリーンマスク36の各スクリーン部38に倣ったパターンの前記配線層40が形成され、各スルーホール21内には、前記ビア導体42が形成されていた。尚、テーブル1の底壁3上には、前記減圧用空間4の減圧状態により、グリーンシート20のスルーホール21を通過して、当該空間4中に落下した導電性ペーストPの一部が堆積していた。
そして、図12に示すように、各ピン9を下降させて縦穴8内に収納し、更に吸引力を調整した前記吸盤30によってスクリーンマスク36のみを除去した後、前記配線層40とビア導体42とが形成されたグリーンシート20を、別の吸盤(搬送手段)30によって吸着して、テーブル1の上面から外部に取り出した(第7ステップ)。
【0032】
以上のような本発明によるセラミック配線基板の製造方法における印刷工程によれば、第2ステップS2でテーブル1とグリーンシート20との位置合わせがされ、第4ステップS4で発光体10を発光させつつ、グリーンシート20とスクリーンマスク36との位置合わせがされると共に、第5ステップS5で発光体10がテーブル1上から除去された後、第6ステップS6でグリーンシート20の表面とスルーホール21とに導電性ペーストPが印刷・充填された。そのため、上記2つの位置合わせがそれぞれ正確に行え、且つ上記印刷や充填を適正に行えると共に、グリーンシート20とスクリーンマスク36との位置合わせに用いた発光体10が全く汚れなかった。
従って、第1〜第6ステップS1〜S6を正確且つ迅速に行え、グリーンシート20に対し導電性ペーストPを適正に印刷・充填できると共に、発光体10を長期間にわたり繰り返し使用でき、そのメンテナンスも低減できる
【0033】
また、前記テーブル1、吸盤(搬送手段)18,26,吸盤(搬送手段/位置決め手段)30、ブッシャ(位置決め手段)34、およびマニプレータ(搬送手段/位置決め手段)mを備えた本発明の印刷装置によれば、印刷工程中の第1〜第5ステップS1〜S5を、自動的にして正確且つ迅速に行えた。しかも、発光体10が汚れないので、前記第1〜第6ステップS1〜S6を繰り返し連続して行えるので、セラミック配線基板の生産性を向上させることが可能となる。
更に、前記発光体10によれば、前記テーブル1とグリーンシート20との狭い空間に容易に配置でき、前記第4ステップS4での位置合わせを正確に行えると共に、前記第5ステップS5でテーブル上から容易に除去できる。従って、前記製造方法の印刷工程を正確且つ確実に実行し得る。しかも、第6ステップS6の印刷に用いる導電性ペーストPにより汚れないので、長期間に渉り安定して使用でき、且つメンテナンスも皆無し得る。
尚、記第7ステップの後に、前記グリーンシート20を含む複数のグリーンシート20を積層する積層工程と、得られたグリーンシート積層体を焼成する焼成工程とが行われる。更に、前記グリーンシート20のような多数個取りの形態の場合には、上記焼成工程の後に、個別の配線基板ごとに分割する工程が行われる。
【0034】
以下において、前記製造方法の応用形態について説明する。
図13は、金属枠45の上面に前記グリーンシート20を貼り付けた状態の斜視図である。上記金属枠45は、例えば、厚さが約0.2〜0.6mmのステンレス鋼板からなり、平面視の外形が上記グリーンシート20の外形とほぼ相似形の長方形(矩形)で、且つ四辺の側片47の内側に上記外形とほぼ相似形の角孔46を有している。上記グリーンシート20は、四辺の耳部25が金属枠45の各側片47の角孔46側に密着し、且つ該角孔46の内側に各辺の耳部25に形成された複数の位置合わせ孔24が位置していた。
尚、グリーンシート20は、含有する溶剤成分を多めにすることで、金属枠45に容易に貼り付け(接着)られた。その際、グリーンシート20は、その各辺と金属枠45の各外側面48とが平行となるように調整して、該金属枠45に接着された。
【0035】
予め、テーブル1の上面2aに載置された発光体10の上に、例えば、複数の前記マニプレータmを用いて、グリーンシート20を貼り付けた金属枠45を載置した(第1ステップ)。次いで、図14に示すように、テーブル1における四辺の側壁2から複数のピン9を上昇させ、該ピン9の周面が金属枠45の各側片47の外側面48に接触ないし当接させることにより、当該テーブル1と上記グリーンシート20との位置合わせを行った(第2ステップ)。この際、上記ピン9を省略し、例えば、テーブル1の縦穴8あるいは上面2aの所定位置と、金属枠45の外側面48とを、前記CCDカメラCにより撮像して画像処理による位置合わせをしても良い。
更に、図15中の太い矢印で示すように、テーブル1の減圧用空間4を減圧状態として、金属枠45上に貼り付けられた上記グリーンシート20の上に、前記同様にスクリーンマスク36を載置した(第3ステップ)。
【0036】
次に、テーブル1の減圧用空間4を減圧状態に保ち、図15に示すように、発光体10から光Lを発光させて、上記グリーンシート20の位置合わせ孔24とスクリーンマスク36の位置合わせ孔39とが平面視で一致するまで、同図中の細い水平な矢印で示すように、前記吸盤30およびブッシャ34を用いた回転方向およびX−Y方向の少なくとも一方の位置合わせを行った(第4ステップ)。
これ以降は、前記同様の第5,第6ステップS5,S6を行うことによって、前記図12に示したように、前記グリーンシート20の表面に導電性ペーストPの配線層40が形成され、該グリーンシート20の各スルーホール21に導電性ペーストPのビア導体42が充填された。
【0037】
そして、第7ステップS7は、前記グリーンシート20が貼り付けられた前記金属枠45の一側片47の外縁を前記マニプレータmで掴むことにより行った。
以上のような金属枠45を用いた応用形態のセラミック配線基板の製造方法によれば、前記製造方法による効果に加え、前記グリーンシート20を不用意に損傷することなく、印刷工程の各ステップS1〜S6を確実に行うことができる。
尚、前記グリーンシート20を貼り付けた金属枠45を、テーブル1と位置合わせする場合、複数のピンの水平断面を楕円形または平板形とし、且つ該ピンの金属枠45側に上向きに離れるテーパ面を付けた形態とし、かかる複数のピンのテーパ面が金属枠45の各外側面48に当接させてから摺動することにより、位置合わせを行うようにしても良い。
【0038】
図16は、異なる形態のテーブル1aを用いた第2ステップS2を示す前記同様の部分拡大図である。テーブル1aは、図示のように、四辺の側壁2ごとの上面2aに垂直にピン9が立設し、該ピン9は、浅い縦穴8aに下部を挿入している。前記同様に、発光体10の各透孔15に上記ピン9を挿入し、該発光体10をテーブル1aの上面2aに載置した(第1ステップS1)後、図16に示すように、発光体10の上に載せたグリーンシート20の位置決め孔24ごとに上記ピン9が挿入されるまで、前記同様にグリーンシート20を吸着した吸盤30を回転させるか、あるいはグリーンシート20の各辺に対して複数のプッシャ34を進退させる位置合わせを行って、第2ステップSを行うことができる。
尚、前記スクリーンマスク36を上記テーブル1aとグリーンシート20と位置合わせを行う第4ステップS4も、上記同様にして行うことができる。
【0039】
図17は、更に異なる形態のテーブル1bを用いた第2ステップS2を示す前記同様の部分拡大図である。テーブル1bには、図示のように、前記縦穴8やピン9がなく、且つ四辺の側壁2ごとの上面2aにおける所定の位置に下向きに凹んだ逆円錐形の窪み2cが形成されている。
前記同様に、発光体10の各透孔15に上記ピン9を挿入し、該発光体10をテーブル1aの上面2aに載置した(第1ステップS1)。次いで、図16に示すように、発光体10の上に載せたグリーンシート20の各位置決め孔24と、テーブル1bの上記窪み2cとが平面視で互いに同心になるまで、これらの上方に配置したCCDカメラCにより撮像を検査しながら、前記同様に吸盤30を回転させるか、あるいは複数のプッシャ34を進退させる位置合わせを行うことで、前記同様の第2ステップS2を行うことができる。尚、上記窪み2cに替えて、例えば、平面視が○、◎、△、□、あるいは×などのマークを用いても良い。
【0040】
図18は、前記テーブル1bを用いた第4ステップS4を示す部分拡大図である。前記同様に、スクリーンマスク36を前記グリーンシート20の上に載置した(第3ステップS3)後、図18に示すように、減圧用空間4を減圧状態とし、且つ発光体10を発光させて、グリーンシート20の各位置決め孔24と、スクリーンマスク36の各位置決め孔39とが平面視で互いに同心になるまで、これらの上方に配置したCCDカメラCにより撮像を検査しながら、前記同様にスクリーンマスク36を吸着した吸盤30を回転させるか、あるいはスクリーンマスク36の各辺に複数のプッシャ34を進退させる位置合わせを行うことで、前記同様の第4ステップS4を行うことができる。
以上のようなテーブル1bおよびCCDカメラCを用いることで、前記第2,第4ステップS2,S4を非接触によって正確に行えると共に、グリーンシート20やスクリーンマスク36の不用意な損傷や劣化を防ぐこともできる。
【0041】
本発明は、以上において説明した各形態に限定されるものではない。
例えば、本発明に用いるセラミックグリーンシートは、単一のセラミック配線基板を製造するための形態であっても良い。
また、前記テーブル1の底壁3上には、減圧用空間4に開口し、且つ該空間4に落下した導電性ペーストPを回収するためのトレイをセットしても良い。
更に、前記発光体は、平面視が矩形で且つ表・裏一対の絶縁樹脂シート間において、該シートの外形に沿った複数の位置で、且つ前記グリーンシートの位置合わせ孔とスクリーンマスクの位置合わせ孔とが接近または重なり合う位置に、平面視が円形、楕円形、長円形、四角形(正方形)以上の正多角形を呈する面上発光素子(有機ELまたは液晶)を散点状ないし斑点状に配置したものでも良い。
加えて、前記グリーンシートおよび金属枠は、平面視が正方形で且つ互いに相似形の形状であっても良い。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明によれば、セラミックグリーンシートとスクリーンマスクとの位置合わせが正確に行え、上記グリーンシートへの印刷が適正でき且つ該位置合わせに用いる光源が汚れないセラミック配線基板の製造方法、これに用いる印刷装置、および上記光源に用いる耐久性に優れた発光体を提供することができる。
【符号の説明】
【0043】
1,1a,1b…テーブル
2a……………上面
4………………減圧用空間
7………………通気孔
9………………ピン
10……………発光体
12……………有機EL(面状発光素子)
13……………通し孔
15……………透孔
18……………吸盤(移載手段)
20……………グリーンシート
21……………スルーホール
24……………位置決め孔
26……………吸盤(搬送手段)
30……………吸盤(位置決め手段/搬送手段)
34……………プッシャ(位置決め手段)
36……………スクリーンマスク
37……………マスク部
38……………スクリーン部
39……………位置決め孔
40……………配線層(導電性ペースト)
42……………ビア導体(導電性ペースト)
45……………金属枠
48……………外側面
S1〜S6……第1〜第6ステップ
L………………光(発光)
m………………マニプレータ(搬送手段/移載手段)
P………………導電性ペースト
C………………CCDカメラ(画像処理手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックグリーンシートの表面に所要パターンにて導電性ペーストを印刷し、且つ上記グリーンシートを貫通するスルーホールに導電性ペーストを充填する印刷工程を含むセラミック配線基板の製造方法であって、
上記印刷工程は、減圧用空間と該減圧用空間に連通する通気孔とを有するテーブルの上面に、シート状で且つ通し孔を有する発光体を載置する第1ステップと、
上記発光体の上方に、予め所定位置にスルーホールおよび位置決め孔が形成された上記グリーンシートを載置し、且つ該グリーンシートと上記テーブルとの平面視におけるX−Y方向と回転(θ)方向と少なくとも一方の位置合わせを行って、上記グリーンシートをテーブルの上方における所定の位置に配置する第2ステップと、
上記減圧用空間を減圧状態として、上記発光体および上記グリーンシートをテーブル上に固定した後、該グリーンシートの上面に、マスク部とスクリーン部と位置決め孔とを有するスクリーンマスクを載置する第3ステップと、
上記減圧用空間を減圧状態として、上記発光体を発光させながら、上記スクリーンマスクの位置決め孔と上記グリーンシートの位置決め孔とが一致するまで、スクリーンマスクの平面視におけるX−Y方向および回転(θ)方向の少なくとも一方向の位置合わせを行う第4ステップと、
上記減圧用空間が大気圧の状態で、上記テーブルと上記グリーンシートとの間から上記発光体を除去する第5ステップと、
上記減圧用空間を減圧状態として、上記位置合わせされたスクリーンマスクのスクリーン上に導電性ペーストを供給して、上記グリーンシートのスルーホール内に導電性ペーストを充填し、且つ該グリーンシートの表面に導電性ペーストを印刷する第6ステップと、を含む、
ことを特徴とするセラミック配線基板の製造方法。
【請求項2】
前記第2ステップにおける前記グリーンシートとテーブルとの位置合わせは、該テーブルの上面から昇降するか、あるいは、該テーブルの上面に立設され、且つ上記グリーンシートの位置決め孔ごとに進入する複数のピンにより行われる、
ことを特徴とする請求項1に記載のセラミック配線基板の製造方法。
【請求項3】
前記第2ステップにおける前記グリーンシートとテーブルとの位置合わせは、該テーブルの上面側から昇降するか、あるいは、該テーブルの上面に立設され、且つ上記グリーンシートを平面視が矩形の上面に貼り付けた金属枠における四辺の外側面に対し、接触ないし当接する複数のピンにより行われる、
ことを特徴とする請求項1に記載のセラミック配線基板の製造方法。
【請求項4】
前記第2ステップにおける前記グリーンシートとテーブルとの位置合わせは、該グリーンシートとテーブルとの平面視による画像処理によって行われる、
ことを特徴とする請求項1に記載のセラミック配線基板の製造方法。
【請求項5】
セラミックグリーンシートの表面に所要パターンにて導電性ペーストを印刷し、且つ上記グリーンシートを貫通するスルーホールに導電性ペーストを充填する印刷工程に用いる印刷装置であって、
減圧用空間と該減圧用空間と連通する通気孔とを有するテーブルと、
上記テーブルの上面にシート状で且つ通し孔を有する発光体を載置し、且つ該発光体を上記テーブルの上面から除去する移載手段と、
上記発光体の上方に、所定位置にスルーホールと位置決め孔とが形成された上記グリーンシートを配置し、且つ印刷後の該グリーンシートを上記発光体の上方から取り出す搬送手段と、
上記テーブルと上記グリーンシートとの平面視のX−Y方向および回転(θ)方向の少なくとも一方向の位置決めを行う位置決め手段と、
上記グリーンシートの上面に、所定パターンのマスクとスクリーンと位置決め孔とを有するスクリーンマスクを載置し、且つ該スクリーンマスクを印刷後のグリーンシートの上面から取り外す搬送手段と、
上記グリーンシートの上面に載置された上記スクリーンマスクの位置決め孔と、該グリーンシートの位置決め孔との平面視おける位置が重なり、上記発光体の光が透過する位置となるまで、上記スクリーンマスクの平面視のX−Y方向および回転(θ)方向の少なくとも一方向の位置を調整する位置決め手段と、を含む、
ことを特徴とする印刷装置。
【請求項6】
前記テーブルには、該テーブルと前記グリーンシートとの平面視におけるX−Y方向および回転(θ)方向の少なくとも一方向の位置合わせを行うべく、上記テーブルの上面から昇降し、あるいは該上面に立設された複数のピンが配設されている、
ことを特徴とする請求項5に記載の印刷装置。
【請求項7】
印刷すべきセラミックグリーンシートと、マスク部およびスクリーン部を有するスクリーンマスクとの位置合わせを行うための発光体であって、
側面視が薄肉のシート状であり、平面視で印刷すべき上記グリーンシートの形状に近似した外形と、かかる外形の内側に通し孔とを有し、内部に面状発光素子が封入されている、
ことを特徴とする発光体。
【請求項8】
前記発光体は、前記グリーンシートと該グリーンシートが上面に配置されるテーブルとの位置合わせに用いる昇降可能なピンが通過する透孔または切り欠きを有している、
ことを特徴とする請求項7に記載の発光体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2011−258868(P2011−258868A)
【公開日】平成23年12月22日(2011.12.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133875(P2010−133875)
【出願日】平成22年6月11日(2010.6.11)
【出願人】(000004547)日本特殊陶業株式会社 (2,912)
【Fターム(参考)】