説明

セルロースアシレートフイルム及びその製造方法、並びにそれを用いた偏光板及び液晶表示装置、

【課題】 光学的異方性(Re、Rth)が小さく実質的に光学的等方性であり、さらには光学的異方性(Re、Rth)の波長分散が小さいセルロースアシレートフイルムを提供すること。さらに、視野角特性に優れる偏光板、およびこれらを用いた液晶表示装置を提供すること。さらにそれらを用いた液晶表示装置を提供すること。
【解決手段】 Re(λ)およびRth(λ)が、0≦Re(630)≦10かつ|Rth(630)|≦25並びに|Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35を満たすセルロースアシレートフィルムの製造方法において、流延後支持体から剥離するまでのドープ膜の温度Ta(℃)及び支持体から剥離した後の乾燥中の膜面温度Tb(℃)が、溶剤を含む膜を密閉パンに封入した膜のTg(℃)に対してTg≦Ta≦Tg+30および/またはTg-20≦Tb≦Tg+30であるセルロースアシレートフィルムの製造方法。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルロースアシレートと添加剤を溶解してドープ液を調製する工程、得られたドープ液を流延する工程、形成されたフィルムを剥離する工程、さらに乾燥させる工程により、Re(λ)およびRth(λ)が、下記式(I)かつ(II)を満たすセルロースアシレートフィルムを製造する方法において、流延後支持体から剥離するまでのドープ膜の温度Ta(℃)及び支持体から剥離した後の乾燥中の膜面温度Tb(℃)が、膜のTg(℃)に対して下記式(III)および/または(IV)を満たすように加熱、乾燥することを特徴とするセルロースアシレートフィルムの製造方法。
(I) 0≦Re(630)≦10かつ|Rth(630)|≦25
(II) |Re(400)−Re(700)|≦10かつ|Rth(400)−Rth(700)|≦35
(III)Tg≦Ta≦Tg+30
(IV) Tg-20≦Tb≦Tg+30
[式中、Re(λ)は波長λnmにおける正面レターデーション測定値(単位:nm)、Rth(λ)は波長λnmにおける膜厚方向のレターデーション測定値(単位:nm)である。]
【請求項2】
前記ドープ液の固形分濃度が15〜35質量%であることを特徴とする請求項1に記載のセルロースアシレートの製造方法。
【請求項3】
前記ドープ液が、30℃〜200℃に加温溶解する方法により調整されたものであることを特徴とする請求項1又は2に記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【請求項4】
前記ドープ液と、添加剤溶液及びマット剤分散液の何れか一方又は両方とを、実質的に流延の直前で合流させて混合ドープを形成し、無限移行する無端の金属支持体上に流延することを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【請求項5】
残留溶媒量が10質量%以上において前記支持体から剥離することを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【請求項6】
流延から剥離までの時間を30秒〜120秒とすることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【請求項7】
流延から剥取りまでの間、支持体上のドープ膜の残留溶媒量が200質量%から120質量%の範囲内にあるとき残留溶媒量減少速度が4〜15質量%/秒となるように乾燥を行うことを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【請求項8】
流延から剥取りまでの間、平均温度が20〜50℃に設定された雰囲気内で支持体上のドープ膜を乾燥させる低温乾燥工程の後、前記低温乾燥工程の平均温度よりも+5℃〜70℃に設定された雰囲気内で更に支持体上で乾燥する高温乾燥工程で乾燥を行い、かつ流延後30〜120秒で剥離することを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【請求項9】
前記支持体上での高温乾燥工程が41℃〜100℃に設定された雰囲気内で行われることを特徴とする請求項1〜8の何れかに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【請求項10】
前記高温乾燥工程及び低温乾燥工程の加熱温度をドープ膜の表面に与える温度としてそれぞれをTh(℃)及びTl(℃)とし、ドープ中の主たる有機溶媒の沸点をBP(℃)とした時、高温乾燥ゾーンにおいては、BP<Th≦(BP+60℃)とし、低温乾燥ゾーンにおいては、10℃≦Tl≦BPとし、且つ高温乾燥ゾーンと低温乾燥ゾーンの加熱温度差を5℃以上とすることを特徴とする請求項1〜9の何れかに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【請求項11】
剥取り後、テンター装置へ送るウェブ(乾燥されたドープ膜)の残留溶媒量を10〜50質量%以下とすることを特徴とする請求項1〜10の何れかに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【請求項12】
テンター出口のウェブの残留溶媒量を5質量%以下とすることを特徴とする請求項1〜11の何れかに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【請求項13】
テンター装置における伸縮率を-3〜3%にしておくことを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【請求項14】
前記金属支持体の搬送速度をA(m/min)、巻き取り部での搬送速度をB(m/min)としたとき、B/Aが0.90〜1.10であることを特徴とする請求項1〜13の何れかに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
【請求項15】
下記式(V)、(VI)をみたすRth低減剤を少なくとも一種含有することを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載のセルロースアシレートフィルムの製造方法。
(V)(Rth(A)−Rth(0))/A≦−1.0
(VI)0.1≦A≦30
[式中、Rth(A)はRth低減剤をA%含有したフィルムのRth(nm)、Rth(0)はRth低減剤を含有しないフィルムのRth(nm)、Aはフィルム原料ポリマーの質量を100としたときのRth低減剤の質量(%)、Re(λ)は波長λnmにおける正面レターデーション測定値(nm)を表す。]
【請求項16】
フイルムの|Re(400)−Re(700)|および|Rth(400)−Rth(700)|を低下させ、かつ波長200〜400nmの紫外領域に吸収を持つ化合物の少なくとも1種、をセルロースアシレート固形分に対して0.01〜30質量%含むことを特徴とする請求項1〜15の何れかに記載のセルロースアシレートフイルムの製造方法。
【請求項17】
請求項1〜16の何れかに記載の製造方法により製造されたことを特徴とするセルロースアシレートフィルム。
【請求項18】
請求項17に記載のセルロースアシレートフイルムの少なくとも1枚を偏光子の保護フイルムとしたことを特徴とする偏光板。
【請求項19】
表面にハードコート層、防眩層及び反射防止層の少なくとも一層を偏光子の保護フイルムとして設けたことを特徴とする請求項18に記載の偏光板。
【請求項20】
表面に光学補償層を少なくとも一層設けたことを特徴とする請求項18、19の何れかに記載の偏光板。
【請求項21】
請求項17に記載のセルロースアシレートフイルム及び請求項18〜20に記載の偏光板の少なくとも何れか一つを用いたことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項22】
VAまたはIPS液晶表示装置であることを特徴とする請求項21に記載の液晶表示装置。

【図1】
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【公開番号】特開2006−63266(P2006−63266A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−250141(P2004−250141)
【出願日】平成16年8月30日(2004.8.30)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】