センサノード
【課題】短い周期で間欠的にセンシングを行うセンサノードにおいて、電池の消耗を抑制して連続的に使用可能な期間を増大する。
【解決手段】センサ6を駆動して情報を取得する制御部と、制御部が取得した情報を送信する無線通信部2と、制御部と無線通信部2及びセンサ6に電力を供給する電池7と、を備え、制御部は、所定のクロック周波数で制御部へクロックを供給するクロック供給部(RTC)と、測定期間中にクロック供給部から所定の周波数のクロックを供給させる動作状態と、クロックを停止させる待機状態とを所定の周期で繰り返すスタンバイ制御部と、測定期間が開始されたときにセンサ6への電力供給を開始して、測定期間中は制御部が待機状態になってもセンサ6への電力供給を維持し、測定期間が終了したときにセンサ6への電力を遮断するするセンサ制御部と、動作状態となる度に、センサ6から情報を取得する測定部と、を備える。
【解決手段】センサ6を駆動して情報を取得する制御部と、制御部が取得した情報を送信する無線通信部2と、制御部と無線通信部2及びセンサ6に電力を供給する電池7と、を備え、制御部は、所定のクロック周波数で制御部へクロックを供給するクロック供給部(RTC)と、測定期間中にクロック供給部から所定の周波数のクロックを供給させる動作状態と、クロックを停止させる待機状態とを所定の周期で繰り返すスタンバイ制御部と、測定期間が開始されたときにセンサ6への電力供給を開始して、測定期間中は制御部が待機状態になってもセンサ6への電力供給を維持し、測定期間が終了したときにセンサ6への電力を遮断するするセンサ制御部と、動作状態となる度に、センサ6から情報を取得する測定部と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサネットで利用可能な無線通信機能付きのセンサノードの改良に関し、特にバッテリで駆動されるセンサノードに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、センサに無線通信機能を有する小型の電子回路を付加して、現実世界の様々な情報をリアルタイムに情報処理装置に取り込むネットワークシステム(以下、センサネットという)が検討されている。センサネットには幅広い応用が考えられており、例えば、無線回路、プロセッサ、センサ、電池を集積した小型電子回路により、脈拍等の生体情報を常時モニタし、モニタ結果は無線通信により診断装置等に送信され、モニタ結果に基づいて健康状態を判定するといったような医療応用も提案されている。
【0003】
センサネットを広く実用化するためには、無線通信機能、センサ、および、電池等の電源を搭載する電子回路(以下、センサノードという)を、長時間に渡ってメンテナンスフリー、かつセンサデータを送信し続けられるものとし、かつ外形も小型化することが重要になる。このため、超小型でどこにでも設置できるセンサノードの開発が進められている。
【0004】
このようなセンサノードでは、消費電力を低減するためセンサやCPUなどを間欠的に駆動させることで、電池の消耗を抑制することが検討されている。センサとCPUを備えて間欠的にセンシングを行うものとしては、例えば、特許文献1が知られている。この例では、間欠的に動作するタイヤ状態検知センサ等の情報を収集して無線送信するセンサが開示されており、常時動作する低電流発信器からの信号により、間欠的にCPUを起動させてセンサ及び無線通信部に電力を供給し、センサによる観測と観測値の送信を行う。そして、センシングデータの送信が完了するとCPUとセンサ及び無線通信部への電力をOFFにされる。
【0005】
また、センサを制御するCPUの消費電力を低減するものとしては、常時センサを駆動しておき、センシングデータが発生したときにCPUを待機状態から駆動状態に切り換えるものが知られている(例えば、特許文献2)。
【特許文献1】特開2005−329856号
【特許文献2】特開2001−59752号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記脈拍などの生体情報などを観測するセンサノードでは、連続的に観測を行って異常の発生を迅速に検知することが望ましい。一方、このようなセンサノードでは生体にセンサノードを装着するため、センサノード自体を小型軽量に構成する必要があり、電池の容量も制限される。そして、電池の充電や交換の周期をできるだけ長期間にしなければ実用的ではない。
【0007】
そこで、間欠的にセンシングを行う周期を短く設定して、生体情報をほぼ連続的に観測することが考えられる。ここで、生体情報を観測するセンサノードでは、センサと、センサが観測した情報を送信する無線通信部と、センサ及び無線通信部を制御するCPUを備えることで、移動する生体の情報をほぼリアルタイムで観測することができる。
【0008】
しかしながら、上記従来例では、センサノードの間欠動作を行う際に、センサ、CPU及び無線通信部の全てを同時に起動するため、センサの測定から無線通信が完了するまでの期間は、全ての回路に電力が供給されるため小型軽量の電池では、電力消費が過大になって長期間の使用に耐えることができないという問題がある。
【0009】
また、間欠的にセンシングを行う周期を短くしていくと、例えば、1秒間に数十回の観測を間欠的に繰り返す場合、センサノードの電源のON/OFFの周期が短くなる。センサの種類によっては、電源がOFFからONになってから正常な測定が可能な状態になるまで時間を要するため、CPUなどの起動が完了してもセンサが安定するまで待機する必要があり、この期間の電力が無駄に消費される。特に、無線通信部の電力消費量は大きいため、上記特許文献1等では、無線通信部で消費される電力のうち、無駄に消費される電力が大きい。
【0010】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、短い周期で間欠的にセンシングを行うセンサノードにおいて、電池の消耗を抑制して連続的に使用可能な期間を増大することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、センサを駆動して情報を取得する制御部と、前記制御部が取得した情報を送信する無線通信部と、前記制御部と無線通信部及びセンサに電力を供給する電池と、を備えたセンサノードにおいて、
前記制御部は、所定のクロック周波数で当該制御部へクロックを供給するクロック供給部と、予め設定した測定期間中は、前記クロック供給部から所定の周波数のクロックを供給させる動作状態と、クロックを停止またはクロック周波数を低下させる待機状態とを所定の周期で繰り返すスタンバイ制御部と、前記所定の測定期間が開始されたときに前記センサへの電力供給を開始して、前記測定期間中は制御部が待機状態であってもセンサへの電力供給を維持し、前記測定期間が終了したときにセンサへの電力を遮断するするセンサ制御部と、前記動作状態となる度に、前記センサから情報を取得する測定部と、を備える。
【0012】
また、前記測定部は、前記動作状態となる度に、前記センサから取得した情報を記憶部へ格納し、前記制御部は、前記記憶部へ格納した情報が所定の数になったときに、前記無線通信部を待機状態から動作状態へ切り換えて、前記情報を一括して送信し、送信が終了した後には前記無線通信部を待機状態へ切り換える無線通信制御部と、をさらに備え、前記スタンバイ制御部は、前記無線通信制御部が無線通信部を待機状態へ切り換えると、前記制御部を待機状態へ切り換える。
【発明の効果】
【0013】
したがって、本発明は、測定期間中の制御部には間欠的にクロックの停止またはクロック周波数の低減を行って、間欠的にセンサが測定した情報(センシングデータ)を取得する。これにより、消費電力が大きいマイクロコンピュータ等で構成される制御部は、必要最低限の動作時間とし、センサは電力の供給開始直後では安定化に時間を要するために、測定期間中では電力の供給を継続する。センサの消費電力は、制御部の消費電力に比して極めて小さいため、センサをON/OFFさせた場合に安定するまで制御部を待機させる期間で電力が無駄に消費されるのを防ぐことができる。特に、短い周期で間欠的にセンシングを行う場合でも電池の消耗を抑制して連続的に使用可能な期間を増大することができる。
【0014】
さらに、複数のセンシングデータをまとめて送信し、この送信時だけ無線通信部を動作状態とすることで、動作状態の消費電流が大きい無線通信部の動作時間を短縮し、電池の消耗を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、第1の実施形態を示し、本発明を腕輪型(または腕時計型)のセンサノード1に適用した例を示す。図1(a)はセンサノード1の正面から見た概略図で、(b)は側面から見た断面図である。このセンサノード1は主に装着者の動きを測定する。
【0017】
センサノード1は、センサや制御装置を格納するケース11と、ケース11を人体の腕に装着するバンド12を備える。
【0018】
ケース11の内部には、図1(b)のようにマイクロコンピュータ3やセンサ6等を備えた基板10が格納される。そして、人体(生体)の動きを測定するセンサ6としては、図中X−Y−Zの3軸の加速度をそれぞれ測定する加速度センサを採用した例を示す。
【0019】
制御装置13は、後述するようにセンサ6を制御するマイクロコンピュータと、測定したデータ(センシングデータ)を送信する無線通信部を備えている。
【0020】
図2は、本発明の腕輪型センサノード1を使用して、センサネットシステムを構築した例を示すシステム構成図である。
【0021】
図2において、ゲートウェイ102は無線通信部101を介して複数のセンサノード1と通信を行い、各センサノード1から装着者の動きに応じたセンシングデータを受信し、ネットワーク105を介してサーバ104へ転送する。サーバ104は受信したセンシングデータを格納し、クライアントが利用する計算機(PC)103からの要求に応じてセンシングデータを提供する。計算機103では、特定のセンサノード1からのセンシングデータを監視するアプリケーションや、複数のセンサノード1からのセンシングデータを監視して、異常の検知を行って、異常があったセンシングデータを表示装置(図示省略)へ表示するアプリケーションなどが実行される。
【0022】
図3は、センサノード1の基板10に取り付けられた電子回路のブロック図を示す。図3において、基板10には、ゲートウェイ102と通信を行うアンテナ5を備えた無線通信部(RF)2と、センサ6と、センサ6及び無線通信部2を制御するマイクロコンピュータ3と、マイクロコンピュータ3を間欠的に起動するためのタイマとして機能するリアルタイムクロック(RTC)4と、各部に電力を供給する電池7と、センサ6への電力の供給を制御するスイッチ8が配置される。また、スイッチ8とセンサ6の間には、バイパスコンデンサC1が接続されてノイズの除去や、充放電の速度を低減して無駄な電力消費を防ぐ。バイパスコンデンサC1への充放電回数を減らすようにスイッチ8を制御することによって、無駄な電力消費を抑えることが可能になる。
【0023】
マイクロコンピュータ3は、演算処理を実行するCPU34と、CPU34で実行するプログラムなどを格納するROM33と、データなどを格納するRAM32と、RTC4からの信号(タイマ割り込み)に基づいてCPU34に割り込みをかける割り込み制御部35と、センサ6から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ31と、無線通信部2との間でシリアル信号にて信号の送受を行うシリアルコミュニケーションインターフェース(SCI)36と、無線通信部2とスイッチ8を制御するパラレルインターフェース(PIO)37と、マイクロコンピュータ3内の上記各部へクロックを供給する発振部(OSC)30とを含んで構成される。そして、マイクロコンピュータ3内の上記各部はシステムバス38を介して接続される。
【0024】
RTC4は、マイクロコンピュータ3の割り込み制御部35に予め設定されている所定の周期で割り込み信号(タイマ割り込み)を出力し、また、SCI36へ基準クロックを出力する。PIO37はCPU34からの指令に応じてスイッチ8のON/OFFを制御し、センサ6への電力供給を制御する。
【0025】
ここで、マイクロコンピュータ3は、OSC30からのクロックにより演算処理を行う動作状態と、OSC30からのクロックを停止して演算処理を停止し、RAM32の記憶内容を保持するスタンバイ状態(ソフトウェアスタンバイ)を切り換えることができる。2つの状態遷移のタイミングは予めマイクロコンピュータ3に設定しておけば良い。尚、複数のメニューを用意しておいて、センサノード1に設けられた入力部を介して上記タイミングを選択できるようにしても良いし、センサノード1に接続される上位機器からの入力に基いてセンサノード1に選択指示を与える構成とすることも可能である。又、昼間は第1のメニュー、夜は第2のメニューといったように特定の時間帯に応じてセンサノード1が自動的にメニュー切り替えて設定するように構成しておけば、よりユーザのニーズに沿ったセンシングが可能となる。なお、RAM32は、例えば、SRAM等で構成することができる。CPU34からの指令によってOSC30からのクロックを停止してマイクロコンピュータ3は待機状態(スタンバイ状態)へ移行する。このとき、電池7からマイクロコンピュータ3への電力の供給は継続している。なお、マイクロコンピュータ3の待機状態は、OSC30からのクロックを低下させるようにしても良い。
【0026】
次に、RTC4から所定の信号(タイマ割り込み)が入力されると、割り込み制御部35がCPU34にタイマ割り込みをかけて、OSC30からのクロックを出力させて動作状態へ移行することができる。また、OSC30は、マイクロコンピュータ3内の各部へ供給するクロックの周波数をCPU34からの指令に応じて変更することができる。OSC30は、CPU34から所定の指令を受けると、例えば、通常のクロック周波数から1/2の周波数に変更することができる。
【0027】
ここで、センサノード1のマイクロコンピュータ3、無線通信部2、センサ6、RTC4は、充電可能な電池7から電力の供給を受け、RTC4のみが常時動作してマイクロコンピュータ3に所定の周期でタイマ割り込みを出力する。マイクロコンピュータ3は、RTC4からのタイマ割り込みを受けると、スタンバイ状態から起動して動作状態へ移行し、センサ6と無線通信部2への電力供給を独立して制御し、後述するように各部を個々に動作させてセンシングデータの取得及び蓄積と、蓄積したセンシングデータのゲートウェイ102へ送信を行う。本実施形態では、マイクロコンピュータ3が、所定の周期で起動してセンサ6が測定したセンシングデータを取得し、RAM32へ格納した後にスタンバイ状態へ移行するサイクルと、センシングデータの取得とRAM32に格納された複数のセンシングデータをまとめてゲートウェイ102へ送信し、その後、スタンバイ状態へ移行するサイクルを備えている。
【0028】
ここで、CPU34の動作状態のときに行われる各部の電力制御の概要について図6を参照しながら説明する。
【0029】
マイクロコンピュータ3が起動すると、まず、スイッチ8をONにしてセンサ6へ電力の供給を開始して起動する。このとき無線通信部2は通電せずに待機状態としておく。そして、センサ6からのセンシングデータを取得してRAM32へ格納すると、スタンバイ状態へ移行する。このとき、RTC4に所定の周期(例えば、50msec)を設定しておき、以後、所定の周期(50msec)毎にRTC4からのタイマ割り込みを受けて起動してセンシングデータの取得を繰り返す。
【0030】
センシングデータを所定の回数(例えば、20回)取得すると、無線通信部2を起動して、RAM32へ蓄積した20個のセンシングデータをゲートウェイ102へ送信する。送信完了後には、再び無線通信部2を待機状態にする。そして、上記センシングデータの送信を5回実行した後に、センサ6への電力を遮断してからマイクロコンピュータ3をスタンバイ状態へ移行する。このとき、RTC4のタイマに所定の時間(例えば、5秒)をセットしておき、5秒後にはRTC4からのタイマ割り込みでマイクロコンピュータ3を起動する。
【0031】
したがって、センサノード1は、5秒間は50msec毎にセンシングデータを測定する度にスタンバイ状態へ移行して、1秒(50msec×20回)毎にまとめてセンシングデータをゲートウェイ102へ送信し、100個のセンシングデータを5回に分けて送信すると、所定時間(5秒間)スタンバイ状態を維持する。そして、5秒後にRTC4からのタイマ割り込みでマイクロコンピュータ3を起動することで、10秒毎に起動して5秒間の測定を繰り返して行う。
【0032】
センサ6は、電力の供給開始から測定が可能となるまでに時間を要するため、測定を行う期間は電力を供給し続ける。一方、消費電力の大きいマイクロコンピュータ3と無線通信部2は、使用する期間だけ動作状態にして、その他の期間は待機状態とすることで、センサノード1の消費電力を低減して、電池7の駆動期間を増大させるのである。
【0033】
ここで、センサノード1の各要素の消費電流の一例としては、図4のような値となる。無線通信部2(RF)は、動作状態で30mAで待機状態のときに1μAと最も大きな値となる。無線通信部2への通電を遮断せずに待機状態とするのは、電力の供給開始直後に通信可能にはならず、回路が安定するまでに時間を要するためである。待機状態で微弱な電流を供給しておくことで、動作状態へ切り換えてから即座に通信を開始することができる。
【0034】
次に、マイクロコンピュータ3は、動作状態で5mA、待機状態で0.5μAであり、無線通信部2に次いで消費電流が大きい。このため、センサ6からセンシングデータを取得すると即座に待機状態へ移行させて、電力消費を抑制する。
【0035】
マイクロコンピュータ3はセンサ6へ、センシングデータの測定期間(100回≒5秒間)で継続的に電力を供給するように制御する。上述のように、センサ6は電力の供給開始直後に安定して測定を行うことができず、所定の時間を要する。このため、マイクロコンピュータ3の起動/待機の度にON/OFFすると、センサ6が安定するまでの期間にマイクロコンピュータ3が無駄に電力を消費することになる。特に、図6のようにマイクロコンピュータ3の起動/待機を5秒間おきに100回繰り返す場合に、センサ6のON/OFFを50msecでマイクロコンピュータ3に同期させると、センサ6が安定する期間にマイクロコンピュータ3が無駄に消費する電力が無視できない大きさになる。このため、測定を行う期間では、センサ6へ継続的に電力を供給した方が電力消費を抑制できる。
【0036】
最後に、RTC4は、マイクロコンピュータ3を待機状態から動作状態へ移行させる割り込み信号を発生するために常時通電しておくことが必須である。RTC4の消費電流は、動作状態でも1μAと最も小さいため、常時通電状態とすることができる。
【0037】
次に、センサノード1のマイクロコンピュータ3で実行される処理の一例について、図5のフローチャートを参照しながら以下に詳述する。図5のフローチャートは、センサノード1の電源を投入すると実行されるもので、ROM33に予め格納したプログラムである。
【0038】
ステップS1では、レジスタやRAM32等の初期化を行い、センシングデータの数をカウントするカウンタを0にリセットする。なお、カウンタは変数でありRAM32に保持される。
【0039】
ステップS2では、スイッチ8をONにしてセンサ6への電力の供給を開始する。そして、ステップS3ではセンサ6が安定して加速度の測定が可能となったか否かを判定する。この判定は、例えば、所定時間(数msecなど)を経過していればセンサ6が安定したと判定してステップS4へ進む。そうでない場合には、所定時間が経過するまでステップS3でループする。
【0040】
ステップS4では、A/Dコンバータ31を起動してセンサ6からの測定値を読み込む。ステップS5では、A/Dコンバータ31がセンサ6からのアナログ値をデジタル値へ変換が完了したか否かを判定する。なお、この判定は、A/Dコンバータ31の所定のレジスタに値がセットされたときに、変換が完了したと判定することができる。
【0041】
次に、ステップS6では、A/Dコンバータ31で変換された測定値(センシングデータ)をRAM32に格納する。RAM32には、例えば、リングバッファが設定されており複数の測定回毎にセンシングデータを格納することができる。
【0042】
そして、ステップS7では、センシングデータを1つ取得したので、カウンタに1を加算する。
【0043】
ステップS8では、カウンタの値が所定値(本実施形態においては20)になったか否かを判定する。この所定値は、センサノード1がゲートウェイ102へ送信する際に、1回の送信でまとめて送るセンシングデータの数に予め設定されたものである。
【0044】
カウンタの値が20に達していればステップS9へ進んで送信を行い、カウンタの値が20に達していなければステップS16に進む。
【0045】
カウンタの値が20未満のステップS16では、RTC4にセンサ6の測定期間でマイクロコンピュータ3を起動する周期(例えば、50msec)を設定し、ステップS17では、測定期間のタイマモードを1に設定する。このタイマモードは、RTC4が発生する割り込み信号の種別を示すもので、「1」が測定期間内を示し、「0」が次の測定期間が開始されるまでの休止期間(図6の5秒)であることを示す。そして、マイクロコンピュータ3を待機(スタンバイ)状態に移行して処理を終了する。
【0046】
一方、カウンタの値が所定値(20)に達したステップS9では、無線通信部2を待機状態から動作状態へ移行させる。そして、ステップS10では無線通信部2が安定して通信が可能となったか否かを判定する。この判定は、例えば、所定時間(例えば、0.5msecなど)を経過していれば無線通信部2が安定したと判定してステップS11へ進む。そうでない場合には、所定時間が経過するまでステップS10でループする。
【0047】
次に、ステップS11では、複数(20個)のセンシングデータをまとめてゲートウェイ102へ送信するため、送信フレームを生成する。送信フレームの一例としては、図7で示すようなフォーマットで生成する。図7において送信フレーム60は、プリアンブルシーケンス〜アドレス情報からなるヘッダ情報の後に、ペイロード61を備えており、このペイロード61にRAM32に蓄積された20個のセンシングデータを格納する。図示の例では、センサ6が測定した3軸(X軸、Y軸、Z軸)のセンシングデータを各1バイトとし、1回のセンシングデータを3バイトにまとめる。そして、1回目の測定から20回目の測定分を時系列的にペイロード61へ格納する。最後に送信する時刻(現在時刻)をタイムスタンプに設定して送信フレーム60を生成する。なお、送信フレーム60の長さは、図8で示すように、ヘッダ情報は20バイト、ペイロード長は80バイトの100バイトとなり、通信速度が250kbpsの場合には、送信時間が3msecとなる。この例では、無線通信部2の通信規格として国際標準規格IEEE802.15.4を採用した場合を示す。
【0048】
そして、生成した送信フレーム60をゲートウェイ102へ送信する。送信フレーム60を受信したサーバ104では、センサノード1の測定周期が既知であるので、最新のタイムスタンプから測定周期を減じていった値をペイロード61内のセンシングデータのタイムスタンプとして設定すればよい。なお、ペイロード61に格納するタイムスタンプは、絶対時刻ではなくセンサネットシステム内の相対時刻を用いても良く、この場合、タイムスタンプのデータ長を低減できる。
【0049】
次に、図5のステップS12では、送信が完了すると無線通信部2を待機状態へ移行させる。ステップS13では、センシングデータを計数するカウンタの値を0にリセットして次の測定に備える。また、RAM32のリングバッファをクリアして新たなデータの格納に備える。
【0050】
そして、ステップS14では、一つの測定期間(センサ6をONにして100回のセンシングデータを取得する期間)が終了したか否かを判定し、終了した場合にはステップS15へ進み、終了していない場合にはステップS18へ進む。この判定は、センシングデータを100回測定したか否かを判定する変数またはフラグを用いて行うことができる。あるいは、センシングデータの送信を5回行ったか否かを判定する変数またはフラグを用いて行ってもよい。つまり、一回の測定期間では図6で示したように、20回のセンシングデータの測定を5回繰り返し、センシングデータが20個蓄積される度に複数のセンシングデータをまとめて送信するので、センシングデータの測定回数または送信回数を計数することにより一回の測定期間が終了したか否かを判定することができる。
【0051】
測定期間が終了していない場合には、ステップS18に進んでRTC4のタイマにセンサ6の測定周期である50msecを設定し、ステップS19でタイマモードを1に設定してからマイクロコンピュータ3を待機状態へ移行させる。この後、RTC4は設定された50msec後に、割り込み信号を発生してマイクロコンピュータ3を起動させることになる。
【0052】
一方、測定期間が終了した場合には、ステップS15でセンサ6の電源をOFFにしてから、RTC4に測定の休止期間である所定の時間(例えば、5秒)を設定し、ステップS17では、タイマモードを0に設定してからマイクロコンピュータ3を待機状態へ移行させ、休止期間に入る。この後、RTC4は設定された5秒後に、割り込み信号を発生してマイクロコンピュータ3を起動させて次の測定期間を開始することになる。
【0053】
マイクロコンピュータ3は、割り込み信号を受けて起動すると、図5のステップS20で、現在のタイマモードが「1」=測定期間内であればステップS4に進んで、センシングデータを取得し、タイマモードが「0」=休止期間であれば、ステップS2へ進んでセンサ6をONにしてから測定期間を開始するのである。
【0054】
上記の処理を繰り返して実行することにより、図6で示すように、ほぼ10秒おきに測定期間が開始されてセンサ6がONになる。そして、所定の測定周期(50msec)毎にマイクロコンピュータ3が待機状態から動作状態となってセンサ6からセンシングデータを取得する。そして、センシングデータを20回取得すると、20個のセンシングデータをまとめて送信する。この送信を5回(測定を100回)繰り返すと測定期間は終了してセンサ6をOFFにし、マイクロコンピュータ3と無線通信部2は待機状態へ移行する。測定期間の終了時にはマイクロコンピュータ3がRTC4に、所定の休止期間(休止時間=5秒)を設定する。RTC4は休止期間が経過すると再び割り込み信号によりマイクロコンピュータ3を起動させて、50msec間隔で100個のセンシングデータを取得する。
【0055】
図6において、測定期間の開始時(図中、#1)では、マイクロコンピュータ3を起動し、センサ6をONにしてから安定するまでの時間(例えば、数msec)だけ待機するが、2回目移行の処理ではセンサ6がONのままである。このため、2回目移行の測定はセンサ6からA/Dコンバータ31を介してセンシングデータを取得し、RAM32へ書き込むだけであるので、マイクロコンピュータ3が動作状態となるのは短時間(例えば、1msec)で済む。また、センシングデータの第1回目〜19回目の測定では、マイクロコンピュータ3とセンサ6だけが動作状態となり、最も消費電流の大きい無線通信部2は待機状態を維持しているので、消費電力を大幅に低減できる。
【0056】
なお、測定期間では、100回目のセンシングデータを取得した後に、無線通信部2を起動して送信が完了するまでの時間が加わるので、全体の時間は約5秒となる。
【0057】
また、センシングデータの取得は、約10秒ごとに所定の周期(50msec)で5秒間の測定を行うことにより、生体の状態を観察するためにはほぼ連続的なセンシングデータとして扱うことができる。
【0058】
以上のように、本発明のセンサノード1では、マイクロコンピュータ3は常時通電されるRTC4のタイマに従って測定期間中に短い周期(例えば、50msec)で間欠的にクロック周波数のON/OFF(または周波数の低減)を行って、間欠的にセンシングデータを取得する。これにより、消費電力が大きいマイクロコンピュータ3は、必要最低限の動作時間とし、センサ6は電力のON/OFF後の安定化に時間を要するために、動作状態を維持する。上述のように、センサ6の消費電力は、マイクロコンピュータ3の消費電力に比して極めて小さいため、センサ6をON/OFFさせた場合にマイクロコンピュータ3を待機させる期間で電力が無駄に消費されるのを防ぐことができる。
【0059】
さらに、複数のセンシングデータをまとめて送信し、この送信時だけ無線通信部2を動作状態とすることで、動作状態の消費電流が最も大きい無線通信部2の動作時間を短縮し、電池7の消耗を抑制することができる。
【0060】
加えて、センサ6の測定を所定の回数または所定の期間だけ行った後には、休止期間を設けてマイクロコンピュータ3と無線通信部2を待機状態とし、センサ6はOFFにすることで、さらに電力消費を低減できる。この休止期間は、センシングデータがほぼ連続的なデータとして扱うことができる時間を設定すればよく、測定対象によって変化させることできる。
【0061】
他方、この例では、50msec毎に取得した連続的なセンシングデータを20個まとめて1秒毎に3msecという短い時間で無線送信を行っているので、1つのセンサノードが無線空間を占有する比率が極めて小さい。そのため、例えば、1つのゲートウェイ102に対して複数のセンサノード1が存在するセンサネットシステムにおいて、無線空間の衝突を回避することが容易となり信頼性の高い無線通信が可能である。
【0062】
さらには、1秒毎にまとめて無線送信するために、これを受け取った計算機103がセンシングデータを表示するまでの遅延時間が利用者にストレスを感じない遅れ時間を確保できる。ストレスを感じない好適な遅れ時間は、3秒以内が望ましい。
【0063】
<第2実施形態>
図9は第2の実施形態を示し、前記第1実施形態の加速度センサ6に加えて脈拍の波形を計測する脈波センサ9を付加したもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
【0064】
センサノード1のケース11の裏面には、発光素子LD1と受光素子PD1から構成された脈波センサ9が配置される。この脈波センサ9は発光素子LD1として赤外線発光ダイオードを用い、受光素子PD1としてフォトトランジスタを採用したものである。なお、受光素子としては、フォトトランジスタ以外にもフォトダイオードも使用可能である。ケース11の裏面には、発光素子LD1と受光素子PD1が露出しており、腕の皮膚と対向可能となっている。
【0065】
この脈波センサ9は、発光素子LD1で発生させた赤外光を皮下の血管に照射し、血流変動による血管からの散乱光の強度変化を受光素子PD1にて検知し、その強度変化の周期から脈拍及び脈波を推定する。
【0066】
図10は、センサノード1のシステム構成を示すブロック図で、前記第1実施形態に対して、図中左下に脈波センサ9を加えたものである。
【0067】
脈波センサ9は、加速度センサ6と同様にA/Dコンバータ31に接続されて、アナログ値の出力がデジタル値に変換される。また、脈波センサ9を駆動するための電源は、スイッチ80を介して電池7に接続される。スイッチ80は、第1実施形態のスイッチ8と同様に、PIO37によって制御され、脈波センサ9への電力をON/OFFする。なお、スイッチ80と脈波センサ9の間にはバイパスコンデンサC2が接続される。バイパスコンデンサC2への充放電回数を減らすようにスイッチ80を制御することによって、無駄な電力消費を抑えることが可能になる。
【0068】
脈波センサ9の制御のタイミングは、前記第1実施形態に示した加速度センサ6と同様であり、測定期間が開始されると電源はONになり、休止期間ではOFFとなる。
【0069】
ここで、脈波センサ9による脈拍の測定は、生体(利用者)が安静にしていることが望ましい。装着者が動いている場合には脈拍の波形は乱れた波形しか取得できず、正常な脈拍は検知できない。これは、脈波センサ9が腕に密着されずに、脈拍周期よりもずっと短い時間間隔で、外乱光にさらされ、その結果、脈拍の波形が乱れるのである。したがって、信頼できる脈波を検知するためには、ユーザが安静状態にある間に、センシングを行なう必要がある。本第2実施形態では、前記第1実施形態と同様のタイミングで、3軸の加速度と脈波を測定し、複数のセンシングデータをまとめてゲートウェイ102へ送信する。このセンシングデータを利用する場合には、加速度のセンシングデータが安静と認められる脈波を採用すればよい。
【0070】
マイクロコンピュータ3は、前記第1実施形態と同様の制御を実行し、センサ6,9から取得したセンシングデータを複数(20個)取得してから、図11で示す送信フレーム60を生成する。
【0071】
送信フレーム60のペイロード61には、20組の加速度と脈波のセンシングデータが時系列的に格納される。図12は、サーバ104に蓄積された加速度と脈波を対にしたセンシングデータを、センサネットシステムの利用者が操作する計算機103で表示した例を示す。この例では測定期間が、例えば60秒という連続した状態である。
【0072】
図中横軸はセンシングデータのサンプル数を示し、図中上段が3軸の加速度を示し、図中下段が脈波形を示す。3軸の加速度と脈波がほぼ連続的に表示され、装着者の体動や脈波形をほぼリアルタイムで監視することができる。
【0073】
なお、センサノード1には波形などを表示するための液晶表示器を付加してもよく、液晶表示器は、利用者の必要に応じて、上記センサ6、9で計測した加速度波形や脈波形をリアルタイムに表示させることが可能である。
【0074】
<第3実施形態>
図13は、前記第1実施形態に示した制御の一部を変更したものである。前記第1実施形態の図5に示したステップS11及び図6の#20では、送信フレームを生成してから無線通信部2が送信を完了するまで、マイクロコンピュータ3のクロックを一定に保っていた。これに対して、本第3実施形態では、無線通信部2が起動した後には、CPU34のクロック周波数を低減するようにしたもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
【0075】
上記ステップS11では、マイクロコンピュータ3のCPU34がRAM32に蓄積されたセンシングデータ(#1〜#20)を読み出して、送信フレーム60を生成する。そして、生成した送信フレーム60を無線通信部2へ転送し、無線通信によりセンシングデータを送信する。
【0076】
生成した送信フレーム60を無線通信部2へ転送する際には、CPU34の演算負荷は低く、また、無線通信部2が送信する通信速度に対して、RAM32からセンシングデータを読み出すシステムバス38の速度は十分速い。そこで、無線通信部2が起動して無線通信を行う期間は、CPU34の演算処理能力を低減しても支障はないので、OSC30が供給するCPU34の動作クロックを低減する。
【0077】
図13において、時刻T0ではRTC4のタイマ割り込みによってマイクロコンピュータ3が待機状態から起動してセンサ6からセンシングデータを取得し、送信フレーム60を生成する。
【0078】
送信フレーム60が完成する時刻T1では、CPU34が無線通信部2を起動する。このとき、CPU34はOSC30へ所定のコマンドを送信し、クロックを低減する。そして、無線通信部2が送信を完了すると、マイクロコンピュータ3は自身と無線通信部2を待機状態へ移行して次回のタイマ割り込みを待つ。
【0079】
一般に、CPU34の消費電力はクロック周波数×電圧2に比例するので、クロック周波数の低減分に応じて電力消費を低減でき、電池7の寿命をより延長することが可能となる。
【0080】
なお、上記各実施形態では、センサ6の測定対象を生体としたが、これに限定されるものではなく、機械や構造物を測定対象としてもよく、ほぼ連続的なセンシングデータを取得することができる。
【0081】
また、センサ6が起動直後に測定可能な種類の場合には、マイクロコンピュータ3と同期してON/OFFを行っても良い。
【0082】
また、上記各実施形態では、センサノード1が送信したセンシングデータは、ゲートウェイ102からサーバ104へ転送したが、図15で示すように、計算機103がサーバ104の機能を備えていても良い。この場合、ゲートウェイ102が受信したセンシングデータは、ユーザが利用する計算機103に蓄積される。そして、計算機103で所定のアプリケーションを実行することにより、図12で示したようなセンシングデータの表示などを実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上のように、本発明は、電池によって駆動されて間欠的にセンシングデータを取得するセンサノードに適用することができ、また、電池で駆動されて間欠的にセンシングデータを取得するセンサノードを含むセンサネットシステムに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第1の実施形態を示し、腕輪型のセンサノードを示し、(a)は正面図、(b)は側面の断面図。
【図2】同じく、センサネットシステムのブロック図。
【図3】同じく、センサノードの構成を示すブロック図。
【図4】同じく、センサノードの各構成要素の消費電流を示す説明図。
【図5】同じく、センサノードで実行される処理の一例を示すフローチャート。
【図6】同じく、センサノードの測定と通信の様子を示すタイムチャート。
【図7】同じく、送信フレームを示す説明図。
【図8】同じく、送信フレームの各部のデータ長を示す説明図。
【図9】第2の実施形態を示し、腕輪型のセンサノードを示し、(a)は正面図、(b)は裏面図、(c)は側面の断面図。
【図10】同じく、センサノードの構成を示すブロック図。
【図11】同じく、送信フレームを示す説明図。
【図12】センシングデータをユーザの計算機で表示した場合の画面イメージ。
【図13】第3の実施形態を示し、送信時のタイムチャートで、CPUの電圧、クロック周波数及び無線通信部の電圧と時間の関係を示す。
【図14】センサネットシステムの他の例を示すブロック図。
【符号の説明】
【0085】
1 センサノード
2 無線通信部
3 マイクロコンピュータ
4 リアルタイムクロック
6、9 センサ
7 電池
8 スイッチ
31 A/Dコンバータ
32 RAM
34 CPU
35 割り込み制御部
【技術分野】
【0001】
本発明は、センサネットで利用可能な無線通信機能付きのセンサノードの改良に関し、特にバッテリで駆動されるセンサノードに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、センサに無線通信機能を有する小型の電子回路を付加して、現実世界の様々な情報をリアルタイムに情報処理装置に取り込むネットワークシステム(以下、センサネットという)が検討されている。センサネットには幅広い応用が考えられており、例えば、無線回路、プロセッサ、センサ、電池を集積した小型電子回路により、脈拍等の生体情報を常時モニタし、モニタ結果は無線通信により診断装置等に送信され、モニタ結果に基づいて健康状態を判定するといったような医療応用も提案されている。
【0003】
センサネットを広く実用化するためには、無線通信機能、センサ、および、電池等の電源を搭載する電子回路(以下、センサノードという)を、長時間に渡ってメンテナンスフリー、かつセンサデータを送信し続けられるものとし、かつ外形も小型化することが重要になる。このため、超小型でどこにでも設置できるセンサノードの開発が進められている。
【0004】
このようなセンサノードでは、消費電力を低減するためセンサやCPUなどを間欠的に駆動させることで、電池の消耗を抑制することが検討されている。センサとCPUを備えて間欠的にセンシングを行うものとしては、例えば、特許文献1が知られている。この例では、間欠的に動作するタイヤ状態検知センサ等の情報を収集して無線送信するセンサが開示されており、常時動作する低電流発信器からの信号により、間欠的にCPUを起動させてセンサ及び無線通信部に電力を供給し、センサによる観測と観測値の送信を行う。そして、センシングデータの送信が完了するとCPUとセンサ及び無線通信部への電力をOFFにされる。
【0005】
また、センサを制御するCPUの消費電力を低減するものとしては、常時センサを駆動しておき、センシングデータが発生したときにCPUを待機状態から駆動状態に切り換えるものが知られている(例えば、特許文献2)。
【特許文献1】特開2005−329856号
【特許文献2】特開2001−59752号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上記脈拍などの生体情報などを観測するセンサノードでは、連続的に観測を行って異常の発生を迅速に検知することが望ましい。一方、このようなセンサノードでは生体にセンサノードを装着するため、センサノード自体を小型軽量に構成する必要があり、電池の容量も制限される。そして、電池の充電や交換の周期をできるだけ長期間にしなければ実用的ではない。
【0007】
そこで、間欠的にセンシングを行う周期を短く設定して、生体情報をほぼ連続的に観測することが考えられる。ここで、生体情報を観測するセンサノードでは、センサと、センサが観測した情報を送信する無線通信部と、センサ及び無線通信部を制御するCPUを備えることで、移動する生体の情報をほぼリアルタイムで観測することができる。
【0008】
しかしながら、上記従来例では、センサノードの間欠動作を行う際に、センサ、CPU及び無線通信部の全てを同時に起動するため、センサの測定から無線通信が完了するまでの期間は、全ての回路に電力が供給されるため小型軽量の電池では、電力消費が過大になって長期間の使用に耐えることができないという問題がある。
【0009】
また、間欠的にセンシングを行う周期を短くしていくと、例えば、1秒間に数十回の観測を間欠的に繰り返す場合、センサノードの電源のON/OFFの周期が短くなる。センサの種類によっては、電源がOFFからONになってから正常な測定が可能な状態になるまで時間を要するため、CPUなどの起動が完了してもセンサが安定するまで待機する必要があり、この期間の電力が無駄に消費される。特に、無線通信部の電力消費量は大きいため、上記特許文献1等では、無線通信部で消費される電力のうち、無駄に消費される電力が大きい。
【0010】
そこで本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、短い周期で間欠的にセンシングを行うセンサノードにおいて、電池の消耗を抑制して連続的に使用可能な期間を増大することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、センサを駆動して情報を取得する制御部と、前記制御部が取得した情報を送信する無線通信部と、前記制御部と無線通信部及びセンサに電力を供給する電池と、を備えたセンサノードにおいて、
前記制御部は、所定のクロック周波数で当該制御部へクロックを供給するクロック供給部と、予め設定した測定期間中は、前記クロック供給部から所定の周波数のクロックを供給させる動作状態と、クロックを停止またはクロック周波数を低下させる待機状態とを所定の周期で繰り返すスタンバイ制御部と、前記所定の測定期間が開始されたときに前記センサへの電力供給を開始して、前記測定期間中は制御部が待機状態であってもセンサへの電力供給を維持し、前記測定期間が終了したときにセンサへの電力を遮断するするセンサ制御部と、前記動作状態となる度に、前記センサから情報を取得する測定部と、を備える。
【0012】
また、前記測定部は、前記動作状態となる度に、前記センサから取得した情報を記憶部へ格納し、前記制御部は、前記記憶部へ格納した情報が所定の数になったときに、前記無線通信部を待機状態から動作状態へ切り換えて、前記情報を一括して送信し、送信が終了した後には前記無線通信部を待機状態へ切り換える無線通信制御部と、をさらに備え、前記スタンバイ制御部は、前記無線通信制御部が無線通信部を待機状態へ切り換えると、前記制御部を待機状態へ切り換える。
【発明の効果】
【0013】
したがって、本発明は、測定期間中の制御部には間欠的にクロックの停止またはクロック周波数の低減を行って、間欠的にセンサが測定した情報(センシングデータ)を取得する。これにより、消費電力が大きいマイクロコンピュータ等で構成される制御部は、必要最低限の動作時間とし、センサは電力の供給開始直後では安定化に時間を要するために、測定期間中では電力の供給を継続する。センサの消費電力は、制御部の消費電力に比して極めて小さいため、センサをON/OFFさせた場合に安定するまで制御部を待機させる期間で電力が無駄に消費されるのを防ぐことができる。特に、短い周期で間欠的にセンシングを行う場合でも電池の消耗を抑制して連続的に使用可能な期間を増大することができる。
【0014】
さらに、複数のセンシングデータをまとめて送信し、この送信時だけ無線通信部を動作状態とすることで、動作状態の消費電流が大きい無線通信部の動作時間を短縮し、電池の消耗を抑制することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明の一実施形態を添付図面に基づいて説明する。
【0016】
図1は、第1の実施形態を示し、本発明を腕輪型(または腕時計型)のセンサノード1に適用した例を示す。図1(a)はセンサノード1の正面から見た概略図で、(b)は側面から見た断面図である。このセンサノード1は主に装着者の動きを測定する。
【0017】
センサノード1は、センサや制御装置を格納するケース11と、ケース11を人体の腕に装着するバンド12を備える。
【0018】
ケース11の内部には、図1(b)のようにマイクロコンピュータ3やセンサ6等を備えた基板10が格納される。そして、人体(生体)の動きを測定するセンサ6としては、図中X−Y−Zの3軸の加速度をそれぞれ測定する加速度センサを採用した例を示す。
【0019】
制御装置13は、後述するようにセンサ6を制御するマイクロコンピュータと、測定したデータ(センシングデータ)を送信する無線通信部を備えている。
【0020】
図2は、本発明の腕輪型センサノード1を使用して、センサネットシステムを構築した例を示すシステム構成図である。
【0021】
図2において、ゲートウェイ102は無線通信部101を介して複数のセンサノード1と通信を行い、各センサノード1から装着者の動きに応じたセンシングデータを受信し、ネットワーク105を介してサーバ104へ転送する。サーバ104は受信したセンシングデータを格納し、クライアントが利用する計算機(PC)103からの要求に応じてセンシングデータを提供する。計算機103では、特定のセンサノード1からのセンシングデータを監視するアプリケーションや、複数のセンサノード1からのセンシングデータを監視して、異常の検知を行って、異常があったセンシングデータを表示装置(図示省略)へ表示するアプリケーションなどが実行される。
【0022】
図3は、センサノード1の基板10に取り付けられた電子回路のブロック図を示す。図3において、基板10には、ゲートウェイ102と通信を行うアンテナ5を備えた無線通信部(RF)2と、センサ6と、センサ6及び無線通信部2を制御するマイクロコンピュータ3と、マイクロコンピュータ3を間欠的に起動するためのタイマとして機能するリアルタイムクロック(RTC)4と、各部に電力を供給する電池7と、センサ6への電力の供給を制御するスイッチ8が配置される。また、スイッチ8とセンサ6の間には、バイパスコンデンサC1が接続されてノイズの除去や、充放電の速度を低減して無駄な電力消費を防ぐ。バイパスコンデンサC1への充放電回数を減らすようにスイッチ8を制御することによって、無駄な電力消費を抑えることが可能になる。
【0023】
マイクロコンピュータ3は、演算処理を実行するCPU34と、CPU34で実行するプログラムなどを格納するROM33と、データなどを格納するRAM32と、RTC4からの信号(タイマ割り込み)に基づいてCPU34に割り込みをかける割り込み制御部35と、センサ6から出力されたアナログ信号をデジタル信号に変換するA/Dコンバータ31と、無線通信部2との間でシリアル信号にて信号の送受を行うシリアルコミュニケーションインターフェース(SCI)36と、無線通信部2とスイッチ8を制御するパラレルインターフェース(PIO)37と、マイクロコンピュータ3内の上記各部へクロックを供給する発振部(OSC)30とを含んで構成される。そして、マイクロコンピュータ3内の上記各部はシステムバス38を介して接続される。
【0024】
RTC4は、マイクロコンピュータ3の割り込み制御部35に予め設定されている所定の周期で割り込み信号(タイマ割り込み)を出力し、また、SCI36へ基準クロックを出力する。PIO37はCPU34からの指令に応じてスイッチ8のON/OFFを制御し、センサ6への電力供給を制御する。
【0025】
ここで、マイクロコンピュータ3は、OSC30からのクロックにより演算処理を行う動作状態と、OSC30からのクロックを停止して演算処理を停止し、RAM32の記憶内容を保持するスタンバイ状態(ソフトウェアスタンバイ)を切り換えることができる。2つの状態遷移のタイミングは予めマイクロコンピュータ3に設定しておけば良い。尚、複数のメニューを用意しておいて、センサノード1に設けられた入力部を介して上記タイミングを選択できるようにしても良いし、センサノード1に接続される上位機器からの入力に基いてセンサノード1に選択指示を与える構成とすることも可能である。又、昼間は第1のメニュー、夜は第2のメニューといったように特定の時間帯に応じてセンサノード1が自動的にメニュー切り替えて設定するように構成しておけば、よりユーザのニーズに沿ったセンシングが可能となる。なお、RAM32は、例えば、SRAM等で構成することができる。CPU34からの指令によってOSC30からのクロックを停止してマイクロコンピュータ3は待機状態(スタンバイ状態)へ移行する。このとき、電池7からマイクロコンピュータ3への電力の供給は継続している。なお、マイクロコンピュータ3の待機状態は、OSC30からのクロックを低下させるようにしても良い。
【0026】
次に、RTC4から所定の信号(タイマ割り込み)が入力されると、割り込み制御部35がCPU34にタイマ割り込みをかけて、OSC30からのクロックを出力させて動作状態へ移行することができる。また、OSC30は、マイクロコンピュータ3内の各部へ供給するクロックの周波数をCPU34からの指令に応じて変更することができる。OSC30は、CPU34から所定の指令を受けると、例えば、通常のクロック周波数から1/2の周波数に変更することができる。
【0027】
ここで、センサノード1のマイクロコンピュータ3、無線通信部2、センサ6、RTC4は、充電可能な電池7から電力の供給を受け、RTC4のみが常時動作してマイクロコンピュータ3に所定の周期でタイマ割り込みを出力する。マイクロコンピュータ3は、RTC4からのタイマ割り込みを受けると、スタンバイ状態から起動して動作状態へ移行し、センサ6と無線通信部2への電力供給を独立して制御し、後述するように各部を個々に動作させてセンシングデータの取得及び蓄積と、蓄積したセンシングデータのゲートウェイ102へ送信を行う。本実施形態では、マイクロコンピュータ3が、所定の周期で起動してセンサ6が測定したセンシングデータを取得し、RAM32へ格納した後にスタンバイ状態へ移行するサイクルと、センシングデータの取得とRAM32に格納された複数のセンシングデータをまとめてゲートウェイ102へ送信し、その後、スタンバイ状態へ移行するサイクルを備えている。
【0028】
ここで、CPU34の動作状態のときに行われる各部の電力制御の概要について図6を参照しながら説明する。
【0029】
マイクロコンピュータ3が起動すると、まず、スイッチ8をONにしてセンサ6へ電力の供給を開始して起動する。このとき無線通信部2は通電せずに待機状態としておく。そして、センサ6からのセンシングデータを取得してRAM32へ格納すると、スタンバイ状態へ移行する。このとき、RTC4に所定の周期(例えば、50msec)を設定しておき、以後、所定の周期(50msec)毎にRTC4からのタイマ割り込みを受けて起動してセンシングデータの取得を繰り返す。
【0030】
センシングデータを所定の回数(例えば、20回)取得すると、無線通信部2を起動して、RAM32へ蓄積した20個のセンシングデータをゲートウェイ102へ送信する。送信完了後には、再び無線通信部2を待機状態にする。そして、上記センシングデータの送信を5回実行した後に、センサ6への電力を遮断してからマイクロコンピュータ3をスタンバイ状態へ移行する。このとき、RTC4のタイマに所定の時間(例えば、5秒)をセットしておき、5秒後にはRTC4からのタイマ割り込みでマイクロコンピュータ3を起動する。
【0031】
したがって、センサノード1は、5秒間は50msec毎にセンシングデータを測定する度にスタンバイ状態へ移行して、1秒(50msec×20回)毎にまとめてセンシングデータをゲートウェイ102へ送信し、100個のセンシングデータを5回に分けて送信すると、所定時間(5秒間)スタンバイ状態を維持する。そして、5秒後にRTC4からのタイマ割り込みでマイクロコンピュータ3を起動することで、10秒毎に起動して5秒間の測定を繰り返して行う。
【0032】
センサ6は、電力の供給開始から測定が可能となるまでに時間を要するため、測定を行う期間は電力を供給し続ける。一方、消費電力の大きいマイクロコンピュータ3と無線通信部2は、使用する期間だけ動作状態にして、その他の期間は待機状態とすることで、センサノード1の消費電力を低減して、電池7の駆動期間を増大させるのである。
【0033】
ここで、センサノード1の各要素の消費電流の一例としては、図4のような値となる。無線通信部2(RF)は、動作状態で30mAで待機状態のときに1μAと最も大きな値となる。無線通信部2への通電を遮断せずに待機状態とするのは、電力の供給開始直後に通信可能にはならず、回路が安定するまでに時間を要するためである。待機状態で微弱な電流を供給しておくことで、動作状態へ切り換えてから即座に通信を開始することができる。
【0034】
次に、マイクロコンピュータ3は、動作状態で5mA、待機状態で0.5μAであり、無線通信部2に次いで消費電流が大きい。このため、センサ6からセンシングデータを取得すると即座に待機状態へ移行させて、電力消費を抑制する。
【0035】
マイクロコンピュータ3はセンサ6へ、センシングデータの測定期間(100回≒5秒間)で継続的に電力を供給するように制御する。上述のように、センサ6は電力の供給開始直後に安定して測定を行うことができず、所定の時間を要する。このため、マイクロコンピュータ3の起動/待機の度にON/OFFすると、センサ6が安定するまでの期間にマイクロコンピュータ3が無駄に電力を消費することになる。特に、図6のようにマイクロコンピュータ3の起動/待機を5秒間おきに100回繰り返す場合に、センサ6のON/OFFを50msecでマイクロコンピュータ3に同期させると、センサ6が安定する期間にマイクロコンピュータ3が無駄に消費する電力が無視できない大きさになる。このため、測定を行う期間では、センサ6へ継続的に電力を供給した方が電力消費を抑制できる。
【0036】
最後に、RTC4は、マイクロコンピュータ3を待機状態から動作状態へ移行させる割り込み信号を発生するために常時通電しておくことが必須である。RTC4の消費電流は、動作状態でも1μAと最も小さいため、常時通電状態とすることができる。
【0037】
次に、センサノード1のマイクロコンピュータ3で実行される処理の一例について、図5のフローチャートを参照しながら以下に詳述する。図5のフローチャートは、センサノード1の電源を投入すると実行されるもので、ROM33に予め格納したプログラムである。
【0038】
ステップS1では、レジスタやRAM32等の初期化を行い、センシングデータの数をカウントするカウンタを0にリセットする。なお、カウンタは変数でありRAM32に保持される。
【0039】
ステップS2では、スイッチ8をONにしてセンサ6への電力の供給を開始する。そして、ステップS3ではセンサ6が安定して加速度の測定が可能となったか否かを判定する。この判定は、例えば、所定時間(数msecなど)を経過していればセンサ6が安定したと判定してステップS4へ進む。そうでない場合には、所定時間が経過するまでステップS3でループする。
【0040】
ステップS4では、A/Dコンバータ31を起動してセンサ6からの測定値を読み込む。ステップS5では、A/Dコンバータ31がセンサ6からのアナログ値をデジタル値へ変換が完了したか否かを判定する。なお、この判定は、A/Dコンバータ31の所定のレジスタに値がセットされたときに、変換が完了したと判定することができる。
【0041】
次に、ステップS6では、A/Dコンバータ31で変換された測定値(センシングデータ)をRAM32に格納する。RAM32には、例えば、リングバッファが設定されており複数の測定回毎にセンシングデータを格納することができる。
【0042】
そして、ステップS7では、センシングデータを1つ取得したので、カウンタに1を加算する。
【0043】
ステップS8では、カウンタの値が所定値(本実施形態においては20)になったか否かを判定する。この所定値は、センサノード1がゲートウェイ102へ送信する際に、1回の送信でまとめて送るセンシングデータの数に予め設定されたものである。
【0044】
カウンタの値が20に達していればステップS9へ進んで送信を行い、カウンタの値が20に達していなければステップS16に進む。
【0045】
カウンタの値が20未満のステップS16では、RTC4にセンサ6の測定期間でマイクロコンピュータ3を起動する周期(例えば、50msec)を設定し、ステップS17では、測定期間のタイマモードを1に設定する。このタイマモードは、RTC4が発生する割り込み信号の種別を示すもので、「1」が測定期間内を示し、「0」が次の測定期間が開始されるまでの休止期間(図6の5秒)であることを示す。そして、マイクロコンピュータ3を待機(スタンバイ)状態に移行して処理を終了する。
【0046】
一方、カウンタの値が所定値(20)に達したステップS9では、無線通信部2を待機状態から動作状態へ移行させる。そして、ステップS10では無線通信部2が安定して通信が可能となったか否かを判定する。この判定は、例えば、所定時間(例えば、0.5msecなど)を経過していれば無線通信部2が安定したと判定してステップS11へ進む。そうでない場合には、所定時間が経過するまでステップS10でループする。
【0047】
次に、ステップS11では、複数(20個)のセンシングデータをまとめてゲートウェイ102へ送信するため、送信フレームを生成する。送信フレームの一例としては、図7で示すようなフォーマットで生成する。図7において送信フレーム60は、プリアンブルシーケンス〜アドレス情報からなるヘッダ情報の後に、ペイロード61を備えており、このペイロード61にRAM32に蓄積された20個のセンシングデータを格納する。図示の例では、センサ6が測定した3軸(X軸、Y軸、Z軸)のセンシングデータを各1バイトとし、1回のセンシングデータを3バイトにまとめる。そして、1回目の測定から20回目の測定分を時系列的にペイロード61へ格納する。最後に送信する時刻(現在時刻)をタイムスタンプに設定して送信フレーム60を生成する。なお、送信フレーム60の長さは、図8で示すように、ヘッダ情報は20バイト、ペイロード長は80バイトの100バイトとなり、通信速度が250kbpsの場合には、送信時間が3msecとなる。この例では、無線通信部2の通信規格として国際標準規格IEEE802.15.4を採用した場合を示す。
【0048】
そして、生成した送信フレーム60をゲートウェイ102へ送信する。送信フレーム60を受信したサーバ104では、センサノード1の測定周期が既知であるので、最新のタイムスタンプから測定周期を減じていった値をペイロード61内のセンシングデータのタイムスタンプとして設定すればよい。なお、ペイロード61に格納するタイムスタンプは、絶対時刻ではなくセンサネットシステム内の相対時刻を用いても良く、この場合、タイムスタンプのデータ長を低減できる。
【0049】
次に、図5のステップS12では、送信が完了すると無線通信部2を待機状態へ移行させる。ステップS13では、センシングデータを計数するカウンタの値を0にリセットして次の測定に備える。また、RAM32のリングバッファをクリアして新たなデータの格納に備える。
【0050】
そして、ステップS14では、一つの測定期間(センサ6をONにして100回のセンシングデータを取得する期間)が終了したか否かを判定し、終了した場合にはステップS15へ進み、終了していない場合にはステップS18へ進む。この判定は、センシングデータを100回測定したか否かを判定する変数またはフラグを用いて行うことができる。あるいは、センシングデータの送信を5回行ったか否かを判定する変数またはフラグを用いて行ってもよい。つまり、一回の測定期間では図6で示したように、20回のセンシングデータの測定を5回繰り返し、センシングデータが20個蓄積される度に複数のセンシングデータをまとめて送信するので、センシングデータの測定回数または送信回数を計数することにより一回の測定期間が終了したか否かを判定することができる。
【0051】
測定期間が終了していない場合には、ステップS18に進んでRTC4のタイマにセンサ6の測定周期である50msecを設定し、ステップS19でタイマモードを1に設定してからマイクロコンピュータ3を待機状態へ移行させる。この後、RTC4は設定された50msec後に、割り込み信号を発生してマイクロコンピュータ3を起動させることになる。
【0052】
一方、測定期間が終了した場合には、ステップS15でセンサ6の電源をOFFにしてから、RTC4に測定の休止期間である所定の時間(例えば、5秒)を設定し、ステップS17では、タイマモードを0に設定してからマイクロコンピュータ3を待機状態へ移行させ、休止期間に入る。この後、RTC4は設定された5秒後に、割り込み信号を発生してマイクロコンピュータ3を起動させて次の測定期間を開始することになる。
【0053】
マイクロコンピュータ3は、割り込み信号を受けて起動すると、図5のステップS20で、現在のタイマモードが「1」=測定期間内であればステップS4に進んで、センシングデータを取得し、タイマモードが「0」=休止期間であれば、ステップS2へ進んでセンサ6をONにしてから測定期間を開始するのである。
【0054】
上記の処理を繰り返して実行することにより、図6で示すように、ほぼ10秒おきに測定期間が開始されてセンサ6がONになる。そして、所定の測定周期(50msec)毎にマイクロコンピュータ3が待機状態から動作状態となってセンサ6からセンシングデータを取得する。そして、センシングデータを20回取得すると、20個のセンシングデータをまとめて送信する。この送信を5回(測定を100回)繰り返すと測定期間は終了してセンサ6をOFFにし、マイクロコンピュータ3と無線通信部2は待機状態へ移行する。測定期間の終了時にはマイクロコンピュータ3がRTC4に、所定の休止期間(休止時間=5秒)を設定する。RTC4は休止期間が経過すると再び割り込み信号によりマイクロコンピュータ3を起動させて、50msec間隔で100個のセンシングデータを取得する。
【0055】
図6において、測定期間の開始時(図中、#1)では、マイクロコンピュータ3を起動し、センサ6をONにしてから安定するまでの時間(例えば、数msec)だけ待機するが、2回目移行の処理ではセンサ6がONのままである。このため、2回目移行の測定はセンサ6からA/Dコンバータ31を介してセンシングデータを取得し、RAM32へ書き込むだけであるので、マイクロコンピュータ3が動作状態となるのは短時間(例えば、1msec)で済む。また、センシングデータの第1回目〜19回目の測定では、マイクロコンピュータ3とセンサ6だけが動作状態となり、最も消費電流の大きい無線通信部2は待機状態を維持しているので、消費電力を大幅に低減できる。
【0056】
なお、測定期間では、100回目のセンシングデータを取得した後に、無線通信部2を起動して送信が完了するまでの時間が加わるので、全体の時間は約5秒となる。
【0057】
また、センシングデータの取得は、約10秒ごとに所定の周期(50msec)で5秒間の測定を行うことにより、生体の状態を観察するためにはほぼ連続的なセンシングデータとして扱うことができる。
【0058】
以上のように、本発明のセンサノード1では、マイクロコンピュータ3は常時通電されるRTC4のタイマに従って測定期間中に短い周期(例えば、50msec)で間欠的にクロック周波数のON/OFF(または周波数の低減)を行って、間欠的にセンシングデータを取得する。これにより、消費電力が大きいマイクロコンピュータ3は、必要最低限の動作時間とし、センサ6は電力のON/OFF後の安定化に時間を要するために、動作状態を維持する。上述のように、センサ6の消費電力は、マイクロコンピュータ3の消費電力に比して極めて小さいため、センサ6をON/OFFさせた場合にマイクロコンピュータ3を待機させる期間で電力が無駄に消費されるのを防ぐことができる。
【0059】
さらに、複数のセンシングデータをまとめて送信し、この送信時だけ無線通信部2を動作状態とすることで、動作状態の消費電流が最も大きい無線通信部2の動作時間を短縮し、電池7の消耗を抑制することができる。
【0060】
加えて、センサ6の測定を所定の回数または所定の期間だけ行った後には、休止期間を設けてマイクロコンピュータ3と無線通信部2を待機状態とし、センサ6はOFFにすることで、さらに電力消費を低減できる。この休止期間は、センシングデータがほぼ連続的なデータとして扱うことができる時間を設定すればよく、測定対象によって変化させることできる。
【0061】
他方、この例では、50msec毎に取得した連続的なセンシングデータを20個まとめて1秒毎に3msecという短い時間で無線送信を行っているので、1つのセンサノードが無線空間を占有する比率が極めて小さい。そのため、例えば、1つのゲートウェイ102に対して複数のセンサノード1が存在するセンサネットシステムにおいて、無線空間の衝突を回避することが容易となり信頼性の高い無線通信が可能である。
【0062】
さらには、1秒毎にまとめて無線送信するために、これを受け取った計算機103がセンシングデータを表示するまでの遅延時間が利用者にストレスを感じない遅れ時間を確保できる。ストレスを感じない好適な遅れ時間は、3秒以内が望ましい。
【0063】
<第2実施形態>
図9は第2の実施形態を示し、前記第1実施形態の加速度センサ6に加えて脈拍の波形を計測する脈波センサ9を付加したもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
【0064】
センサノード1のケース11の裏面には、発光素子LD1と受光素子PD1から構成された脈波センサ9が配置される。この脈波センサ9は発光素子LD1として赤外線発光ダイオードを用い、受光素子PD1としてフォトトランジスタを採用したものである。なお、受光素子としては、フォトトランジスタ以外にもフォトダイオードも使用可能である。ケース11の裏面には、発光素子LD1と受光素子PD1が露出しており、腕の皮膚と対向可能となっている。
【0065】
この脈波センサ9は、発光素子LD1で発生させた赤外光を皮下の血管に照射し、血流変動による血管からの散乱光の強度変化を受光素子PD1にて検知し、その強度変化の周期から脈拍及び脈波を推定する。
【0066】
図10は、センサノード1のシステム構成を示すブロック図で、前記第1実施形態に対して、図中左下に脈波センサ9を加えたものである。
【0067】
脈波センサ9は、加速度センサ6と同様にA/Dコンバータ31に接続されて、アナログ値の出力がデジタル値に変換される。また、脈波センサ9を駆動するための電源は、スイッチ80を介して電池7に接続される。スイッチ80は、第1実施形態のスイッチ8と同様に、PIO37によって制御され、脈波センサ9への電力をON/OFFする。なお、スイッチ80と脈波センサ9の間にはバイパスコンデンサC2が接続される。バイパスコンデンサC2への充放電回数を減らすようにスイッチ80を制御することによって、無駄な電力消費を抑えることが可能になる。
【0068】
脈波センサ9の制御のタイミングは、前記第1実施形態に示した加速度センサ6と同様であり、測定期間が開始されると電源はONになり、休止期間ではOFFとなる。
【0069】
ここで、脈波センサ9による脈拍の測定は、生体(利用者)が安静にしていることが望ましい。装着者が動いている場合には脈拍の波形は乱れた波形しか取得できず、正常な脈拍は検知できない。これは、脈波センサ9が腕に密着されずに、脈拍周期よりもずっと短い時間間隔で、外乱光にさらされ、その結果、脈拍の波形が乱れるのである。したがって、信頼できる脈波を検知するためには、ユーザが安静状態にある間に、センシングを行なう必要がある。本第2実施形態では、前記第1実施形態と同様のタイミングで、3軸の加速度と脈波を測定し、複数のセンシングデータをまとめてゲートウェイ102へ送信する。このセンシングデータを利用する場合には、加速度のセンシングデータが安静と認められる脈波を採用すればよい。
【0070】
マイクロコンピュータ3は、前記第1実施形態と同様の制御を実行し、センサ6,9から取得したセンシングデータを複数(20個)取得してから、図11で示す送信フレーム60を生成する。
【0071】
送信フレーム60のペイロード61には、20組の加速度と脈波のセンシングデータが時系列的に格納される。図12は、サーバ104に蓄積された加速度と脈波を対にしたセンシングデータを、センサネットシステムの利用者が操作する計算機103で表示した例を示す。この例では測定期間が、例えば60秒という連続した状態である。
【0072】
図中横軸はセンシングデータのサンプル数を示し、図中上段が3軸の加速度を示し、図中下段が脈波形を示す。3軸の加速度と脈波がほぼ連続的に表示され、装着者の体動や脈波形をほぼリアルタイムで監視することができる。
【0073】
なお、センサノード1には波形などを表示するための液晶表示器を付加してもよく、液晶表示器は、利用者の必要に応じて、上記センサ6、9で計測した加速度波形や脈波形をリアルタイムに表示させることが可能である。
【0074】
<第3実施形態>
図13は、前記第1実施形態に示した制御の一部を変更したものである。前記第1実施形態の図5に示したステップS11及び図6の#20では、送信フレームを生成してから無線通信部2が送信を完了するまで、マイクロコンピュータ3のクロックを一定に保っていた。これに対して、本第3実施形態では、無線通信部2が起動した後には、CPU34のクロック周波数を低減するようにしたもので、その他の構成は前記第1実施形態と同様である。
【0075】
上記ステップS11では、マイクロコンピュータ3のCPU34がRAM32に蓄積されたセンシングデータ(#1〜#20)を読み出して、送信フレーム60を生成する。そして、生成した送信フレーム60を無線通信部2へ転送し、無線通信によりセンシングデータを送信する。
【0076】
生成した送信フレーム60を無線通信部2へ転送する際には、CPU34の演算負荷は低く、また、無線通信部2が送信する通信速度に対して、RAM32からセンシングデータを読み出すシステムバス38の速度は十分速い。そこで、無線通信部2が起動して無線通信を行う期間は、CPU34の演算処理能力を低減しても支障はないので、OSC30が供給するCPU34の動作クロックを低減する。
【0077】
図13において、時刻T0ではRTC4のタイマ割り込みによってマイクロコンピュータ3が待機状態から起動してセンサ6からセンシングデータを取得し、送信フレーム60を生成する。
【0078】
送信フレーム60が完成する時刻T1では、CPU34が無線通信部2を起動する。このとき、CPU34はOSC30へ所定のコマンドを送信し、クロックを低減する。そして、無線通信部2が送信を完了すると、マイクロコンピュータ3は自身と無線通信部2を待機状態へ移行して次回のタイマ割り込みを待つ。
【0079】
一般に、CPU34の消費電力はクロック周波数×電圧2に比例するので、クロック周波数の低減分に応じて電力消費を低減でき、電池7の寿命をより延長することが可能となる。
【0080】
なお、上記各実施形態では、センサ6の測定対象を生体としたが、これに限定されるものではなく、機械や構造物を測定対象としてもよく、ほぼ連続的なセンシングデータを取得することができる。
【0081】
また、センサ6が起動直後に測定可能な種類の場合には、マイクロコンピュータ3と同期してON/OFFを行っても良い。
【0082】
また、上記各実施形態では、センサノード1が送信したセンシングデータは、ゲートウェイ102からサーバ104へ転送したが、図15で示すように、計算機103がサーバ104の機能を備えていても良い。この場合、ゲートウェイ102が受信したセンシングデータは、ユーザが利用する計算機103に蓄積される。そして、計算機103で所定のアプリケーションを実行することにより、図12で示したようなセンシングデータの表示などを実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
以上のように、本発明は、電池によって駆動されて間欠的にセンシングデータを取得するセンサノードに適用することができ、また、電池で駆動されて間欠的にセンシングデータを取得するセンサノードを含むセンサネットシステムに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0084】
【図1】第1の実施形態を示し、腕輪型のセンサノードを示し、(a)は正面図、(b)は側面の断面図。
【図2】同じく、センサネットシステムのブロック図。
【図3】同じく、センサノードの構成を示すブロック図。
【図4】同じく、センサノードの各構成要素の消費電流を示す説明図。
【図5】同じく、センサノードで実行される処理の一例を示すフローチャート。
【図6】同じく、センサノードの測定と通信の様子を示すタイムチャート。
【図7】同じく、送信フレームを示す説明図。
【図8】同じく、送信フレームの各部のデータ長を示す説明図。
【図9】第2の実施形態を示し、腕輪型のセンサノードを示し、(a)は正面図、(b)は裏面図、(c)は側面の断面図。
【図10】同じく、センサノードの構成を示すブロック図。
【図11】同じく、送信フレームを示す説明図。
【図12】センシングデータをユーザの計算機で表示した場合の画面イメージ。
【図13】第3の実施形態を示し、送信時のタイムチャートで、CPUの電圧、クロック周波数及び無線通信部の電圧と時間の関係を示す。
【図14】センサネットシステムの他の例を示すブロック図。
【符号の説明】
【0085】
1 センサノード
2 無線通信部
3 マイクロコンピュータ
4 リアルタイムクロック
6、9 センサ
7 電池
8 スイッチ
31 A/Dコンバータ
32 RAM
34 CPU
35 割り込み制御部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
センサを駆動して情報を取得する制御部と、
前記制御部が取得した情報を送信する無線通信部と、
前記制御部と無線通信部及びセンサに電力を供給する電池と、を備えたセンサノードにおいて、
前記制御部は、
所定のクロック周波数で当該制御部へクロックを供給するクロック供給部と、
予め設定した測定期間中は、前記クロック供給部から所定の周波数のクロックを供給させる動作状態と、クロックを停止またはクロック周波数を低下させる待機状態とを所定の周期で繰り返すスタンバイ制御部と、
前記所定の測定期間が開始されたときに前記センサへの電力供給を開始して、前記測定期間中は制御部が待機状態であってもセンサへの電力供給を維持し、前記測定期間が終了したときにセンサへの電力を遮断するするセンサ制御部と、
前記制御部が動作状態となる度に、前記センサから情報を取得する測定部と、
を備えたことを特徴とするセンサノード。
【請求項2】
前記測定部は、前記制御部が動作状態となる度に、前記センサから取得した情報を記憶部へ格納し、
前記制御部は、
前記記憶部へ格納した情報が所定の数になったときに、前記無線通信部を待機状態から動作状態へ切り換えて、前記情報を一括して送信し、送信が終了した後には前記無線通信部を待機状態へ切り換える無線通信制御部と、をさらに備え、
前記スタンバイ制御部は、
前記無線通信制御部が無線通信部を待機状態へ切り換えると、前記制御部を待機状態へ切り換えることを特徴とする請求項1に記載のセンサノード。
【請求項3】
前記測定部は、前記センサ制御部が前記センサへの電力供給を開始した直後の場合には、前記センサが安定するまで待機することを特徴とする請求項1に記載のセンサノード。
【請求項4】
前記測定期間は、前記測定部でセンサの情報を予め設定した回数まで取得する期間であって、前記制御部は当該測定期間を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載のセンサノード。
【請求項5】
前記測定期間と次回の測定期間の間には前記制御部を待機状態とし、前記センサへの電力供給を遮断する測定休止期間を設けたことを特徴とする請求項4に記載のセンサノード。
【請求項6】
前記無線通信制御部は、前記無線通信部を動作状態へ移行させると、前記クロック供給部に供給するクロック周波数を低減させることを特徴とする請求項2に記載のセンサノード。
【請求項7】
前記センサノードは、
前記電池から常時電力の供給を受けて前記制御部へ所定の周期で割り込み信号を送出するタイマを備え、
前記スタンバイ制御部は、
前記測定期間中は第1の周期を所定の周期として前記タイマに設定し、前記タイマからの割り込み信号を受信したときに制御部を動作状態へ移行させることを特徴とする請求項4に記載のセンサノード。
【請求項8】
前記センサノードは、
前記電池から常時電力の供給を受けて前記制御部へ所定の周期で割り込み信号を送出するタイマを備え、
前記スタンバイ制御部は、
前記測定期間が終了したときには第2の周期を所定の周期として前記タイマに設定し、前記タイマからの割り込み信号を受信したときに制御部を動作状態へ移行させることを特徴とする請求項5に記載のセンサノード。
【請求項1】
センサを駆動して情報を取得する制御部と、
前記制御部が取得した情報を送信する無線通信部と、
前記制御部と無線通信部及びセンサに電力を供給する電池と、を備えたセンサノードにおいて、
前記制御部は、
所定のクロック周波数で当該制御部へクロックを供給するクロック供給部と、
予め設定した測定期間中は、前記クロック供給部から所定の周波数のクロックを供給させる動作状態と、クロックを停止またはクロック周波数を低下させる待機状態とを所定の周期で繰り返すスタンバイ制御部と、
前記所定の測定期間が開始されたときに前記センサへの電力供給を開始して、前記測定期間中は制御部が待機状態であってもセンサへの電力供給を維持し、前記測定期間が終了したときにセンサへの電力を遮断するするセンサ制御部と、
前記制御部が動作状態となる度に、前記センサから情報を取得する測定部と、
を備えたことを特徴とするセンサノード。
【請求項2】
前記測定部は、前記制御部が動作状態となる度に、前記センサから取得した情報を記憶部へ格納し、
前記制御部は、
前記記憶部へ格納した情報が所定の数になったときに、前記無線通信部を待機状態から動作状態へ切り換えて、前記情報を一括して送信し、送信が終了した後には前記無線通信部を待機状態へ切り換える無線通信制御部と、をさらに備え、
前記スタンバイ制御部は、
前記無線通信制御部が無線通信部を待機状態へ切り換えると、前記制御部を待機状態へ切り換えることを特徴とする請求項1に記載のセンサノード。
【請求項3】
前記測定部は、前記センサ制御部が前記センサへの電力供給を開始した直後の場合には、前記センサが安定するまで待機することを特徴とする請求項1に記載のセンサノード。
【請求項4】
前記測定期間は、前記測定部でセンサの情報を予め設定した回数まで取得する期間であって、前記制御部は当該測定期間を繰り返すことを特徴とする請求項1に記載のセンサノード。
【請求項5】
前記測定期間と次回の測定期間の間には前記制御部を待機状態とし、前記センサへの電力供給を遮断する測定休止期間を設けたことを特徴とする請求項4に記載のセンサノード。
【請求項6】
前記無線通信制御部は、前記無線通信部を動作状態へ移行させると、前記クロック供給部に供給するクロック周波数を低減させることを特徴とする請求項2に記載のセンサノード。
【請求項7】
前記センサノードは、
前記電池から常時電力の供給を受けて前記制御部へ所定の周期で割り込み信号を送出するタイマを備え、
前記スタンバイ制御部は、
前記測定期間中は第1の周期を所定の周期として前記タイマに設定し、前記タイマからの割り込み信号を受信したときに制御部を動作状態へ移行させることを特徴とする請求項4に記載のセンサノード。
【請求項8】
前記センサノードは、
前記電池から常時電力の供給を受けて前記制御部へ所定の周期で割り込み信号を送出するタイマを備え、
前記スタンバイ制御部は、
前記測定期間が終了したときには第2の周期を所定の周期として前記タイマに設定し、前記タイマからの割り込み信号を受信したときに制御部を動作状態へ移行させることを特徴とする請求項5に記載のセンサノード。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−59058(P2008−59058A)
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−232293(P2006−232293)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]