説明

ダイボンダ

【課題】確実にダイを剥離できるピックアップ装置を提供すること、または前記ピックアップ装置を用い、信頼性の高いダイボンダのピックアップ装置を提供することを特徴とする。
【解決手段】ダイ4を表面に搭載したダイシングフィルムが固定されたピックアップ装置と、前記ダイシングフィルム上より剥離された前記ダイ4を吸着して基板に実装するコレット42を備えたダイボンダのピックアップ装置において、前記ダイ4の周辺部の前記ダイシングフィルムを突き上げて剥離起点を形成する剥離起点形成手段と、前記剥離起点とは異なる部分の前記ダイシングフィルムを突き上げて前記ダイ4を前記ダイシングフィルムから剥離する剥離手段と、前記剥離起点形成手段の前記突き上げと前記剥離手段の前記突き上げとを別々に駆動する駆動手段とを有する突き上げユニット50とを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ダイボンダに関する。
【背景技術】
【0002】
ダイ(半導体チップ)(以下、単にダイという)を配線基板やリードフレームなどの基板に搭載してパッケージを組み立てる工程の一部に、半導体ウエハ(以下、単にウエハという)からダイを分割する工程と、分割したダイを基板上に搭載するダイボンディング工程とがある。
【0003】
ボンディング工程の中にはウエハから分割されたダイを剥離する剥離工程がある。この剥離工程では、これらダイをピックアップ装置に保持されたダイシングテープから1個ずつ剥離して、コレットと呼ばれる吸着冶具を使って基板上に搬送するようになっている。
【0004】
剥離工程を実施する従来技術としては、例えば特許文献1及び特許文献2に記載する技術がある。
【0005】
特許文献1では、ダイの4コーナーに設けた第1の突き上げピン群と、先端が第1の突き上げピンより低く、ダイの中央部または周辺部に設けた第2の突き上げピン群とをピンホルダーに装着し、ピンホルダーを上昇させることで剥離する技術が開示されている。
【0006】
また特許文献2では、ダイの中心部に行く程突き上げ高さを高くできる3つのブロックを設け、最も外側の外側ブロックの4コーナーに一体形成されダイのコーナー方向に突き出た突起を設け、3つのブロックを順次突き上げていく技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2002−184836号公報
【特許文献2】特開2007−42996号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
近年、IC高集積、実装密度高さからチップの薄型化が進んでいる。そのためチップをウエハテープより引き剥がす(ピックアップ)時間が増大するという問題があった。
【0009】
したがって、一般的にテープにマウントされたチップの突き上げ時間を短縮させるために、突き上げ針のレイアウト、スライドによる剥離等があり、又その動作スピードや条件を変更してタクトを上げてきたが、チップへのストレスがあるため限界がある。それはチップが薄くなればなるほど脆くなることが分かった。そのためピックアップ時間が相乗的に上がってしまう。
【0010】
これに対して、上記特許文献1,2はいずれもピン又はブロックを突き上げる構成となっているものの、剥離の時間短縮については配慮されているものではなかった。
【0011】
本発明の目的は、ピックアップ時間を短縮するとともに、ダイにかかるストレスを低減しながら剥離を進行させることができるダイボンダを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、上記の目的を達成するために、ダイを表面に搭載したダイシングフィルムと、前記ダイシングフィルム上より剥離された前記ダイを吸着して基板に実装するコレットとを備えたダイボンダにおいて、前記ダイの周辺部のうち所定部における前記ダイシングフィルムを突き上げて剥離起点を形成する剥離起点形成手段と、前記剥離起点とは異なる部分の前記ダイシングフィルムを突き上げて前記ダイを前記ダイシングフィルムから剥離する剥離手段と、前記剥離起点形成手段の前記突き上げと前記剥離手段の前記突き上げとを別々に駆動する駆動手段とを有する第1の突き上げユニットとを備え、前記第1の突き上げユニットの前に前記ダイの一部を前記ダイシングフィルムから剥離する第2の突き上げユニットを設けたことを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、上記の目的を達成するために、前記第2の突き上げユニットは前記剥離起点形成手段が前記剥離起点を形成するピンを有することが好ましい。
【0014】
また、本発明は、上記の目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記第2の突き上げユニットの前記ピンは前記ダイのコーナー部分を突き上げることが好ましい。
【0015】
また、本発明は、上記の目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記ダイのコーナー部と対向する前記第2の突き上げユニットの突き上げ面に真空吸い込み孔を設け、この真空吸い込み孔から前記ダイシングフィルムを吸引することが好ましい。
【0016】
また、本発明は、上記の目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記真空吸い込み孔からの吸い込み動作を断続的に行うことが好ましい。
【0017】
また、本発明は、上記の目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記真空吸い込み孔からの吸い込み動作を断続的に行うことが好ましい。
【0018】
また、本発明は、上記の目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記第2の突き上げユニットは移動手段を備え、この移動手段によって前記第2の突き上げユニットは前記ダイの面の範囲内で移動することが好ましい。
【0019】
また、本発明は、上記の目的を達成するために、第1の特徴に加え、前記第2の突き上げユニットを移動させるためのX軸方向レーンとY軸方向レーンを設け、これらのレーンに沿って前記第2の突き上げユニットは前記ダイの面の範囲内で移動することが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、ダイの剥離時間を短縮させたダイボンダを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の一実施形態に係るダイボンダを上から見た概念図である。
【図2】図1に示したピックアップ装置の外観斜視図である。
【図3】本発明の一実施形態に係るピックアップ装置の主要部の概略断面図である。
【図4】図4(a)は本発明の実施形態に係る突き上げユニットとボンドヘッドユニットのうちコレット部の断面図であり、図4(b)は、突き上げユニットの突き上げブロック部及び剥離起点形成ピンが存在する部分を上部から見た図である。
【図5】本発明の実施形態に係るピックアップ動作処理のフロー図である。
【図6】本発明の実施例1に係るピックアップ装置の概略断面図である。
【図7】実施例1に係る突き上げユニットによるダイの剥離工程を示す図である。
【図8】実施例1に係るプリピーリングを説明するフロー図である。
【図9】実施例2に係る第2の突き上げユニットの断面図である。
【図10】図9の第2の突き上げユニットを矢印A方向から見た図である。
【図11】実施例3に係る突き上げユニットを説明する図である。
【図12】図11に記載した突き上げユニットの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づき、本発明の実施形態を説明する。
【実施例1】
【0023】
図1は本発明の一実施形態に係るダイボンダを上から見た概念図である。
図1において、ダイボンダは大別してウエハ供給部1と、ワーク供給・搬送部2と、ダイボンディング部3とを有する。ワーク供給・搬送部2はスタックローダ21と、フレームフィーダ22と、アンローダ23とを有する。スタックローダ21によりフレームフィーダ22に供給されたワーク(リードフレーム)は、フレームフィーダ22上の2箇所の処理位置を介してアンローダ23に搬送される。
【0024】
ダイボンディング部3は、プリフォーム部31とボンディングヘッド部32とを有する。プリフォーム部31は、フレームフィーダ22により搬送されてきたワークにダイ接着剤を塗布する部分である。ボンディングヘッド部32は、ピックアップ装置12からダイをピックアップして上昇し、ダイを平行移動してフレームフィーダ22上のボンディングポイントまで移動させる。そして、ボンディングヘッド部32は、ダイを下降させダイ接着剤が塗布されたワーク上にボンディングする。
【0025】
ウエハ供給部1は、ウエハカセットリフタ11とピックアップ装置12とを有する。ウエハカセットリフタ11は、ウエハリングが充填されたウエハカセット(図示せず)を有し,順次ウエハリングをピックアップ装置12に供給する。
【0026】
次に、図2および図3を用いて、ピックアップ装置12の構成を説明する。
図2は、図1に示したピックアップ装置の外観斜視図である。
図3は、本発明の一実施形態に係るピックアップ装置の主要部の概略断面図である。
図2、図3において、ピックアップ装置12はウエハリング14を保持するエキスパンドリング15と、ウエハリング14に保持され複数のダイ(チップ)4が接着されたダイシングテープ16を水平に位置決めする支持リング17(図3に示す)と、支持リング17の内側に配置されダイ4を上方に突き上げるための突き上げユニット50(図3に示す)とを有する。突き上げユニット50は、図示しない駆動機構によって、上下方向に移動するようになっており、水平方向にはピックアップ装置12が移動するようになっている。
【0027】
ピックアップ装置12は、ダイ4の突き上げ時に、ウエハリング14を保持しているエキスパンドリング15を下降させる。その結果、ウエハリング14に保持されているダイシングテープ16が引き伸ばされダイ4の間隔が広がり、突き上げユニット50によりダイ下方よりダイ4を突き上げ、ダイ4のピックアップ性を向上させている。なお、薄型化に伴い接着剤は液状からフィルム状となり、ウエハとダイシングテープ16との間にダイアタッチフィルム18と呼ばれるフィルム状の接着材料を貼り付けている。ダイアタッチフィルム18を有するウエハでは、ダイシングはウエハとダイアタッチフィルム18に対して行なわれる。従って、剥離工程では、ウエハとダイアタッチフィルム18をダイシングテープ16から剥離する。
【0028】
図4(a)は本発明の実施形態に係る突き上げユニットとボンドヘッドユニットのうちコレット部の断面図であり、図4(b)は、突き上げユニットの突き上げブロック部及び剥離起点形成ピンが存在する部分を上部から見た図である。
【0029】
図4(a),図4(b)において、コレット部40は、コレット42とコレット42を保持するコレットホルダー41と、それぞれに設けられダイ4を吸着する為の吸引孔41v、42vとがある。
【0030】
一方、突き上げユニット50は大別して、突き上げブロック部と、剥離起点形成ピン部と、突き上げブロック部と剥離起点形成ピン部を駆動する駆動部と,それらを保持するドーム本体58とを有する。突き上げブロック部はブロック本体59と、このブロック本体59に直結した内側ブロック54、1/2切替えバネ52bを介して内側ブロックの周囲に設けられ、ダイ4の外形より小さい外形を有する外側ブロック52とを有している。
【0031】
図4(b)に示すように、剥離起点形成ピン部は外側ブロック52の4つのコーナーの外側、即ちダイの4隅にそれぞれ設けられた4本の剥離起点形成ピン51と、剥離起点形成ピン51を保持し、上下に移動可能なピン上下リンク55と、56aを支点に回転しピン上下リンク55を上下させるピン駆動リンク56とを有する。
【0032】
駆動部は、モータ(図示せず)によって上下に移動する駆動軸57と、駆動軸57の上下に伴い上下移動する作動体53とを有する。この作動体53が下降すると、左右のピン駆動リンク56が回転し、ピン上下リンク55が上昇し、剥離起点形成ピン51を突き上げる。作動体53が上昇すると、ブロック本体を上昇させ、外側、内側ブロックを押し上げる。なお、ピン上下リンク55とピン駆動リンク56は、上述の説明によれば、作動体53の下降する動きを剥離起点形成ピン51の突き上げ(上昇)の動きに変える反転部を構成する。
【0033】
ドーム本体58の上部には、ダイ4を吸着し保持する多くの吸着孔58aを具備するドームヘッド58bを有する。図4(b)ではブロック部の周囲に一列のみ示しているが、ピックアップ対象でないダイ4dを安定し保持するために複数列設けている。また、図4(b)に示すように、内側ブロック54と外側ブック52との隙間54v、並びに外側ブロック52とドームヘッド58bとの隙間52vを吸引しダイシングテープ16(図2に示す)をブッロク部に側に保持している。
【0034】
次に、上述した構成による突き上げユニット50によるピックアップ動作を図5を用いて説明する。
図5は本発明の実施形態に係るピックアップ動作処理のフロー図である。
【0035】
図5において、ステップ101は剥離起点形成ピン51、外側ブロック52、内側ブロック54がドームヘッド58bの表面と同一平面を形成するようにし、ドームヘッド58bの吸着孔58aと、ブロック間の隙間52v、54vとによってダイシングテープ16(図3に示す)を吸着する。
【0036】
ステップ102においてコレット部40(図7で説明する)を下降させ、ピックアップするダイ4の上に位置決めし、吸引孔41v、42vによってダイ4を吸着する。
【0037】
次に、ステップ103においてコレット42の鍔から漏れがないかを空気流量を検出し、リークが正常な範囲に収まるまで吸引する。
【0038】
次に、ステップ104において外側ブロック52の4コーナーに設けた剥離起点形成ピン51のみを数十μmから数百μm上昇させる。
【0039】
この結果、剥離起点形成ピン51の周辺においてダイシングテープ16が盛り上がった突き上げ部分が形成され、ダイシングテープ16とダイアタッチフィルム18(図3に示す)との間に微小な空間(剥離起点)が形成される。この空間によりアンカー効果、即ちダイ4にかかるストレスが大幅に低減し、次のステップにおける剥離動作を行うことができる。
【0040】
作動体53は下降し、回転支点56aを軸としてピン上下リンク56が回転し、ピン上下リンク55を上昇させ、剥離起点形成ピン51を突き上げる。剥離起点形成ピン51は上述したように微小な区間を形成できればよいので、突き上げピンは例えば、径が700μm以下で先端が丸い形状でもフラット形状でもよい。この突き上げでは、コレット42の鍔42t(図示せず)が若干変形し、空気の流入を防いでいる。
【0041】
ステップ105においてステップ3と同様に空気流量を検出し、リークが正常な範囲に収まるまで吸引する。
【0042】
次に、ステップ106において作動体53を上昇させ、剥離起点形成ピン51の位置を元の位置に戻す。剥離起点形成ピン51は次のステップ以降のダイ4の剥離動作には寄与しない。
【0043】
次に、ステップ108において外側ブロック52及び内側ブッロク54のダイ4の剥離動作にはいる。そのために、ステップ107において作動体53を更に上昇させ、外側ブロック52及び内側ブッロク54による剥離動作を実施する。このときも、ステップ103、105と同様にコレットリークの検出処理を行う。
【0044】
次に、ステップ109において更に作動体53を上昇させると、1/2切替えバネ52bの作用によって内側ブッロク54のみが上昇する。この状態では、ダイシングテープ16とダイ4との接触面積はコレットの上昇により剥離できる面積となり、コレット42の上昇によってダイ4を剥離する。
【0045】
以上説明したように、本第1の突き上げユニットの実施形態によれば、ダイ4の四隅に相当する位置に剥離起点形成ピン51を設け、剥離処理の当初に剥離起点形成ピン51を上昇させ、剥離の起点となる空間を形成することで剥離処理を行なうことができる。
【0046】
ところで、剥離時間を更に短縮したいという要求が非常に強い。そこで、本発明の発明者らは上記突き上げユニット50の前段階に、ダイの4角のみを予め剥離させておく工程の追加することを考え種々検討した結果、以下のごとき実施例を得た。
【0047】
図6は、本発明の実施例1に係るピックアップ装置の概略断面図である。
なお、図6は第2の突き上げユニット以外は図3と同じ構成となっているため、詳細な説明は省略した。
【0048】
図6において、突き上げユニット50に隣接して第2の突き上げユニット60を設けた。この第2の突き上げユニット60は駆動機構(図示せず)によって、上下方向に移動するようになっており、水平方向の移動はピックアップ装置12が水平方向に移動することによって行われるようになっている。
【0049】
本実施例では、突き上げユニット50の構成と同じように、剥離起点形成ピンが外側ブロックの4つのコーナー部分に設けられている。即ち剥離起点形成ピンはダイの4隅にそれぞれ対応するように設けられている。この剥離起点形成ピンは上下に移動可能なように、上下リンク55と、回転して56aを軸として回転しピン上下リンク55を上下動させるピン駆動リンク56とを備えている。
【0050】
図7は、実施例1に係る突き上げユニットによるダイの剥離工程を示す図である。
図7において、ダイシングテープ16上に貼り付けられたダイ4の4隅が第2の突き上げユニット60の上昇と剥離起点形成ピン51上昇によって先行剥離動作(以下、プリピーリングという)が行われる。その後ピックアップ装置12(図2示す)の水平移動によってプリピーリングされたダイ4は突き上げユニット50の部分に移動して、上述して手順によって正式に剥離される。
【0051】
図8は、実施例1に係るプリピーリングを説明するフロー図である。
図8において、スッテプ201でプリピーリングすべきダイ4をカメラ等の媒体で認識を行う。ステップ202でダイ4をプリピーリングすべき位置に移動させる。ステップ203でプリピーリングを開始する。ステップ204で突き上げユニット60が所定位置まで突き上げ移動する。スッテプ205でプリピーリング済みダイの可否を確認し否であればスッテプ201に戻る。可の場合は、ダイ4は突き上げユニット50に移動してプックアップされる。
【実施例2】
【0052】
図9は、実施例2に係る第2の突き上げユニットの断面図である。
図10は、図9の第2の突き上げユニットを矢印A方向から見た図である。
【0053】
図9,図10において、第2の突き上げユニットの上面には4個の真空吸い込み孔60aが設けられている。この真空吸い込み孔60aは図10に示すようにダイ4の4角に位置している。また、この真空吸い込み孔60aは真空ポンプ60bと連結されている。
【0054】
本実施例によれば、真空吸い込み孔60a上にあるダイシングテープ16は真空によって図9に示すようにU字状に吸引されるため、ダイ4の4角とダイシングテープ16とは剥離することになる。したがって、その後ダイ4が突き上げユニット50側に移動して剥離すると短時間で確実な剥離ができる。
【0055】
なお、本実施例はダイシングテープを単に吸引するだけのように記載したが、吸引動作を強弱或いは断続的に行うことにより、より一層剥離効果を向上させることができる。
【0056】
また、真空吸い込み孔60は、ダイ4の全ての4角に設けなくても、1つ以上の角部に設けるようにしてもよい。ダイ4の角部がプリピーリングによって剥離するこができれば、ダイ4は突き上げユニット50で容易に剥離しやすくなる。
【実施例3】
【0057】
図11は、実施例3に係る突き上げユニットを説明する図である。
図12は、図11に記載した突き上げユニットの概略図である。
【0058】
図11において、実施例2ではダイ4の4角を吸引できる突き上げユニットを説明したが、本実施例では真空で吸引できる突き上げユニットがダイ4の面の範囲内でX軸,Y軸方向に可動できるようにしたものである。
【0059】
つまり、図11に示すように、真空吸い込み孔70aを有する突き上げユニット70はX軸方向とY軸方向のレーン上を移動できるようになっている。X軸レーン80とY軸レーン81には、それぞれ駆動部材が取り付けられている。
【0060】
図12に示すように、真空ポンプPで真空引きされている突き上げユニット70によって、ダイシングテープ16は真空吸い込み孔70a方向に吸い込まれ、ダイ4が剥離していく。このような吸い込み状態の突き上げユニット70がダイ4の面積範囲内を移動するので、優れたプリピーリングが可能となる。
【0061】
実施例2でも述べたが、吸引動作をオンオフさせればより一層剥離効果が向上する。
【0062】
以上のように本発明の実施例について説明したが、上述の説明に基づいて当業者にとって種々の代替例、修正又は変形が可能であり、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲で前述の種々の代替例、修正又は変形を包含するものである。
【符号の説明】
【0063】
1・・・ウエハ供給部、2・・・ワーク供給・搬送部、3・・・ダイボンディング部、4・・・ダイ(半導体チップ)、11・・・ウエハカセットリフタ、12・・・ピックアップ装置、14・・・ウエハリング、15・・・エキスパンドリング、16・・・ダイシングテープ、17・・・支持リング、18・・・ダイアタッチフィルム、21・・・スタックローダ、22・・・フレームフィーダ、23・・・アンローダ、31・・・プリフォーム部、32・・・ボンディングヘッド部、40・・・コレット部、41・・・コレットホルダー、42・・・コレット、50・・・突き上げユニット、51・・・剥離起点形成ピン、52・・・外側ブロック、53・・・作動体、54・・・内側ブロック、55・・・ピン上下リンク、56・・・ピン駆動リンク、57・・・駆動軸、58・・・ドーム本体、58a・・・吸着孔、58b・・・ドームヘッド、59・・・ブロック本体、60・・・第2の突き上げユニット、6a・・・真空吸い込み孔、60b・・・真空ポンプ、70・・・突き上げユニット、70a・・・真空吸い込み孔、80・・・X軸方向レーン、81・・・Y軸方向レーン。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ダイを表面に搭載したダイシングフィルムと、前記ダイシングフィルム上より剥離された前記ダイを吸着して基板に実装するコレットとを備えたダイボンダにおいて、
前記ダイの一部を前記ダイシングフィルムから剥離する第1の突き上げユニットと、この第1の突き上げユニットによるダイの剥離部分を剥離起点として前記ダイを前記ダイシングフィルムから剥離する第2の突き上げユニットを備えたことを特徴とするダイボンダ。
【請求項2】
請求項1記載のダイボンダにおいて、
前記第1の突き上げユニットは前記剥離起点形成手段が前記剥離起点を形成するピンを有することを特徴とするダイボンダ。
【請求項3】
請求項2記載のダイボンダにおいて、
前記第1の突き上げユニットの前記ピンは前記ダイのコーナー部分を突き上げることを特徴とするダイボンダ。
【請求項4】
請求項1記載のダイボンダにおいて、
前記ダイのコーナー部と対向する前記第1の突き上げユニットの突き上げ面に真空吸い込み孔を設け、この真空吸い込み孔から前記ダイシングフィルムを吸引することを特徴とするダイボンダ。
【請求項5】
請求項4記載のダイボンダにおいて、
前記真空吸い込み孔からの吸い込み動作を断続的に行うことを特徴とするダイボンダ。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかに記載のダイボンダにおいて、
前記第1の突き上げユニットは移動手段を備え、この移動手段によって前記第2の突き上げユニットは前記ダイの面の範囲内で移動することを特徴とするダイボンダ。
【請求項7】
請求項6記載のダイボンダにおいて、
前記第1の突き上げユニットを移動させるためのX軸方向レーンとY軸方向レーンを設け、これらのレーンに沿って前記第2の突き上げユニットは前記ダイの面の範囲内で移動することを特徴とするダイボンダ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate


【公開番号】特開2012−199461(P2012−199461A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−63654(P2011−63654)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(300022504)株式会社日立ハイテクインスツルメンツ (607)
【Fターム(参考)】