チップモジュール
【課題】非常に薄いにもかかわらず、頑丈で曲げに堅固なチップモジュールを提供する。
【解決手段】集積回路を含むチップ2を有するチップモジュール1に関する。チップモジュールは、チップ2の接続平面に平行に延びる第1の部分4と、平面に角度をなして延びる少なくとも1つの第2の部分5とを有する、チップに接続された補強要素8を備え、チップ2は、補強要素8の該第1の部分4に力が適合された態様で接続されていることを特徴とする。
【解決手段】集積回路を含むチップ2を有するチップモジュール1に関する。チップモジュールは、チップ2の接続平面に平行に延びる第1の部分4と、平面に角度をなして延びる少なくとも1つの第2の部分5とを有する、チップに接続された補強要素8を備え、チップ2は、補強要素8の該第1の部分4に力が適合された態様で接続されていることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路を含むチップを有するチップモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
チップカードは、通常、電気部品が、本質的にチップカードよりも小さいモジュール上に統合されるように形成される。製造の際に、チップモジュールは、カード本体の対応する凹部内に嵌め込まれ、この構造は必要に応じて被覆を備える。接続を有するチップモジュールの場合、これは、チップの他に、要求される接続領域およびチップの接続領域(Anschlussflaeche)とモジュールの接続領域との間の接続を含む。非接触式チップモジュールの場合には、これは、チップおよびアンテナあるいはアンテナのための接続を含む。
【0003】
特に非接触式チップカードに対して、常に、さらなる利用分野が開発されている。非接触式チップカードは、フレキシブルに取り付け可能である。なぜなら、非接触式チップカードは、書き込み/読み出し装置との通信に対して、直接的な近接にある必要はなく、通信は比較的大きな距離をおいて可能であるからである。非接触式チップカードは、見えるように、あるいは見えないように取り付け可能である。さらに、カードの汚れによって問題は発生しない。
【0004】
新しい利用分野の1つは、いわゆるE−書類(Dokument)であり、ここではとりわけE−パスポートあるいは「デジタルパスポート」である。チップモジュールあるいはインレイ(Inlay)への新しい要求は、とりわけ、チップモジュールあるいはE−書類内のさらなるラミネートに必要なインレイの集積化に結びつく。
【0005】
E−パスポートにおいて、パスポートのブックカバーを意味するいわゆるカバーページ内の集積化と、パスポート所有者の個人的データが含まれる、パスポートの内部ページに関するいわゆるホルダーページの集積化とは区別される。
【0006】
カバーページ内の従来のチップモジュールの集積化は、いかなる大きな技術的問題も示さない。しかしながら、パスポート製造者側からは、電気的および文書的データを1ページに結合するために、ホルダーページ内においてチップモジュールを集積化する要求が存在する。この際、ホルダーページ内において集積化されるために、従来のチップモジュールが厚すぎるということが、問題である。
【0007】
以下に短く記載されるように、従来技術から、非接触式チップモジュールの複数の原理的な構造バリエーションが知られている。
【0008】
第1の知られたバリエーションでは、チップはいわゆるワイヤーボンドによって接続される。チップおよびワイヤーボンドを有するキャリアは、プラスチックの被覆によって囲まれ、それによって、ワイヤーボンドは損傷されない。チップの封じによってチップモジュールの全体の厚みが大きいのが不利な点である。
【0009】
第2のバリエーションでは、チップは、いわゆるフリップチップ実装においてNiAuバンプによって接続され、それによって、チップのいかなる覆いも要求されない。その際、モジュールの厚みは、主にチップの厚さによって決定される。非常に薄いチップモジュールを製造するために、これを非接触フィリップチップ技術において実現し、その際、極薄のチップを使用することが知られている。それによって、チップモジュールをE−パスポートのホルダーページ内に集積化可能とするために、理論的に十分少ない全体の厚みが生じる。しかしながら、このチップモジュールは、少ない厚みのために少ない曲げ堅固性および頑丈さを有するため、機械的荷重に対してかなり抵抗力がない。そのため、信頼できる後の動作が保証されない。
【0010】
第3のバリエーションでは、少ない曲げ堅固性しか有しない上記チップモジュールは、補強のために枠を用いて貼り付けられる。具体的に、例えばリードフレーム上に、枠が貼り付けられる。この構成バリエーションの不利な点は、枠の貼り付けのために接着剤が必要であり、それは直接、モジュールの厚みに入りこむ。典型的な枠の高さは、300μmであり、その結果、E−パスポートへの導入において所望される150μmである少ない厚さは、実現可能でない。さらに、枠とリードフレームとの間の剥離の危険性が存在する。
【0011】
最後に、チップの上に、ほぼ120μmの厚さを有する鋼プレートを貼り付けることが知られている。それによって、チップの堅固性が向上する。この方法によって形成されたチップモジュールの比較的大きな厚さが、不利な点である。さらに、アンテナの接続は、直接、チップ上に行われねばならず、それは、構造的な自由度を制限する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、非常に薄いにもかかわらず、頑丈で曲げに堅固なチップモジュールを提供することにある。特に、全体の厚みがほぼ150μmであり、そのためE−書類、特にデジタルパスポートのホルダーページ内に集積可能な、非接触で曲げに堅固なチップモジュールの提供を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本課題は、冒頭において記載された方式のチップモジュールによって解決され、該チップモジュールは、チップに接続された補強要素によって特徴づけられ、補強要素は、チップの接続平面(Anschlussebene)に平行に延びる第1の部分と、該平面に角度をなして延びる少なくとも1つの第2の部分とを有し、チップは、補強要素の第1の部分に力が適合された態様(kraftschluessig)で接続されている。
【0014】
本発明によるチップモジュールの利点は、E−書類内において集積化が可能でないほどにチップモジュールの厚さが増加することなく、十分な曲げ堅固性が達成されることにある。第1の部分と第2の部分との間の角度が、45°と90°との間にある場合、有利である。この角度範囲において、とくに高い堅固性が得られる。好ましくは、角度は90°である。
【0015】
本発明の第1の有利な実施形態において、補強要素はキャリア要素によって形成される。キャリア要素は、打ち抜き形成されたあるいは切り取られ、キャリアの第1の部分の平面から曲げられたキャリア部分であって、補強要素の少なくとも1つの第2の部分を形成するキャリア部分を有する。いずれにせよ存在するキャリア要素、例えばリードフレームは、この方法によって、向上された堅固性を有し、追加の要素が要求されることなく、そのため補強要素として機能が可能なように、変形される。打ち抜き形成あるいは切り取りに代えて、残りのキャリアから曲がったキャリア部分を分離するために、勿論、さらなる処理技術が導入可能である。
【0016】
特に曲げに堅固なチップモジュールは、本発明のさらなる実施形態において、多数の第2の部分が第1の部分と共同でチップが配置される槽を形成し、槽は、チップとともに封じ材料によって充填されることによって達成される。
【0017】
別の有利な実施形態においては、チップはキャリア要素上に配置され、チップのキャリア要素から離れた側の上において、チップは補強要素の第1の部分に接続され、補強要素はキャップを形成する。キャップは、それゆえ、チップの上に配置され、それによってチップの高さを過剰に増加することなく、チップを補強する。
【0018】
キャップを利用することによって得られた曲げ堅固性は、それによってチップモジュールの厚みを増加することなく、同一厚さの通しの材料とほぼ同一の強さである。同時に、キャップによって、敏感で、特に典型的なホルダーページ−ラミネート構造において危ういモジュール側の保護が、形成される。
【0019】
2つの本発明による変形におけるチップモジュールの実施形態によって、極薄のチップ処理が可能である。その際、E−書類、特にE−パスポートのホルダーページ内において問題なく集積化され得る、極薄のモジュールが形成可能である。さらなる利点は、従来技術において知られた、キャリアと枠との間の剥離の問題が生じないということである。
【0020】
本発明のさらなる有利な実施形態は、従属請求項において提供される。
【0021】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
【0022】
(項目1)
集積回路を含むチップ(2)を有するチップモジュール(1)であって、
該チップモジュールは、
該チップに接続された補強要素であって、該チップ(2)の接続平面に平行に延びる第1の部分(4)と、該平面に角度をなして延びる少なくとも1つの第2の部分(5)とを有する補強要素(8;15)を備え、
該チップ(2)は、該補強要素(8;15)の該第1の部分(4)に力が適合された態様で接続されていることを特徴とする、チップモジュール。
【0023】
(項目2)
上記補強要素(8)は、キャリア要素によって形成され、
該キャリア要素は、
打ち抜き形成されたあるいは切り取られ、該キャリアの第1の部分(4)の平面から曲げられたキャリア部分であって、該補強要素(8)の上記少なくとも1つの第2の部分を形成するキャリア部分(5)を有することを特徴とする、項目1に記載のチップモジュール。
【0024】
(項目3)
上記キャリア要素は、上記チップ(2)の電気的接続のために提供されたリードフレーム(8)であり、
該チップ(2)の接続領域(6)は、該リードフレーム(8)に接続されていることを特徴とする、項目2に記載のチップモジュール。
【0025】
(項目4)
上記チップ(2)の接続領域(6)から離れた該チップ(2)の側はリードフレーム(8)に接続され、該チップ(2)の接続領域(6)は、追加の接続平面を介してカップリング要素(23)に接続されていることを特徴とする、項目2に記載のチップモジュール。
【0026】
(項目5)
複数の第2の部分(5)が上記第1の部分(4)と共同で上記チップ(2)が配置される槽を形成し、該槽は、該チップ(2)とともに封じ材料(3)によって充填されることを特徴とする、項目1から4のうちのいずれか一項に記載のチップモジュール。
【0027】
(項目6)
上記チップ(2)は、キャリア要素(8)上に配置され、該キャリア要素(8)から離れた該チップ(2)の側上において上記補強要素(15)の第1の部分(4)に接続され、該補強要素(15)はキャップを形成することを特徴とする、項目1に記載のチップモジュール。
【0028】
(項目7)
上記補強要素(15)は鋼からなることを特徴とする、項目6に記載のチップモジュール。
【0029】
(項目8)
上記第1の部分(4)と上記少なくとも1つの第2の部分(5)との間の角度は、45°と90°との間にあることを特徴とする、項目1から7のうちのいずれか一項に記載のチップモジュール。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明は、以下において、実施例によって詳述される。
【0031】
図1は、リードフレーム8が同時に補強要素を形成する、本発明によるチップモジュールを示す。リードフレーム8は、1つの平面内においてチップ2の接続領域6と平行である第1の部分4を有する。リードフレーム8の第1の部分4は、チップ2の接続領域6と、例えば、はんだによって接続されている。それによって、リードフレームの第1の部分4とチップ2との間の電気的接続が形成されている。示された実施例において、チップ2とリードフレーム4との間のさらなる機械的接続を形成する接着層16が提供される。リードフレーム8は、該リードフレーム8の部分からなる第2の部分5を有し、第2の部分5は型抜き形成され、第1の部分4の平面から曲げられている。図1の実施例において、数個の第2の部分5が認められ、1つはチップ2の右側に、1つはチップ2の左側にある。示された断面図において認識されるように、リードフレーム8が、チップの2つの接続端子の間を電気的に分離するために、中心において分断されている。第1の部分4の両側に走る、リードフレーム8の部分は、接続突出部である。その間に位置する2つの凹部は、その領域において、第2の部分5が型抜きされ、曲げられることによって生じる。
【0032】
チップ2を囲んで、2つの第2の部分5の間のスペースが封じ材料3によって充填される。それによって、モジュールの機械的特性がさらに改善され、その際、封じは、例えば非常に硬い、あるいは非常に弾性のある材料を用いて行われ得る。
【0033】
リードフレーム8の第1の部分4および第2の部分5の角度のある配置によって、平面状態にあるリードフレーム8よりも実質的に大きな曲げ堅固性を有する補強要素が形成される。補強要素8の第2の部分5の高さを有する頑丈なリードフレームの領域内に存在する、堅固性が得られる。しかしながら、本発明によるチップモジュールの製造の際に、補強要素8の厚さは、従来的に製造されたチップモジュールの厚さに追加されるのではなく、補強要素8の第2の部分5間のチップ2の配置によって、補強要素を含めた全体のチップモジュールの厚さは、かなり少ない。
【0034】
図2は、図1のチップモジュールの平面図を示す。この概略図において、チップ2が補強要素8の第2の部分5によって全ての側が囲まれていることが、良く認識できる。チップ2の左右において、補強要素8の領域が型抜きされ上方に曲げられている。それによって、補強要素8内において凹部7が生じ、しかしながら、それはいかなる特別に不利な点も有しない。チップ2の他の側面の領域内においては、補強要素8の縁部分が上方に曲げられており、それの結果、それらは補強要素8の第2の部分5を形成する。本発明のこの形態においては、チップ2は第2の部分5によって囲まれおり、第2の部分5は、補強要素8の第1の部分4とともに、槽形状の構造を形成する。チップ2の後の封じの際に、有利な方法において、封じ材料に対する境界が形成される。
【0035】
チップ2の下方に、チップの接続領域が位置し、その接続領域は、そこにおいて補強要素の第1の部分4に接続される。これは、補強要素8がリードフレームから形成され、それを介して電気的接続が行われるため、合理的である。
【0036】
図3には、実施例の変形が示され、ここでは、チップ2の接続がリードフレームあるいは補強要素8を介して形成されるのではなく、いわゆる再配置(Re−Distribution)層が導入される。そのため、チップ2の接続領域は、チップ2の補強要素8から離れた側上に存在し、その結果、それはその後に自由に接続可能である。チップ2の接続領域6から離れた側は、補強要素8の第1の部分4に貼り付けられる。補強要素8の第2の部分5は上方に曲げられ、図1および図2に示されるように、ここでも槽形状の構造を形成する。槽は、ここでも封じ材料3によって充填され、その際、封じ材料は、この実施例においては、後の接続のために接続領域6を露出させるために、チップ2の上部までは及ばない。
【0037】
図3に示された、リードフレームとして形成された補強要素8の接続突出部は、再配置層に対しての上部に位置する接続領域を有する一形態では、本質的に必要ではなく、図4に示されるように、削除され得る。
【0038】
図5において、補強要素の別の形態が示される。リードフレーム8上に提供されたチップ2を有するチップモジュール1は、鋼キャップ15から形成された追加の補強要素を有する。チップ2は、その下部において、接続領域6を介してリードフレーム8に接続されている。キャップ15はチップ2の上に提供され、そこでチップに貼り付けされる。キャップ15は第1の部分4および第2の部分5を有し、第2の部分5は第1の部分4に対して角度を成す。この方法によって堅固性が著しく向上され、その際、この配置においても、チップモジュール1の厚みのいかなる本質的な増大もない。しかしながら、図1から図4までの実施形態と比較して、チップモジュール1は厚い。なぜなら、キャップ15の材料の厚さにリードフレーム8の厚さが加わるからである。にもかかわらず、全体の厚さが少ないため、そのように形成されたチップモジュールは、E−書類、特にE−パスポートに導入され得る。
【0039】
チップ2およびキャップ15を有する構造の2つの示された側方の上に、エポキシ要素9が提供される。しかしながら、それは随意であり、要求された堅固性の達成に対して必ずしも提供される必要はない。それは、絶縁に利用される。
【0040】
図6および図7において、図5の構造に対する2つの変形が示される。その際、変形は、チップ2の接続領域6の電気的コンタクトおよび様々な可能性のあるインレイ構造に関係する。図5によるモジュールにおいては、導電性材料からなるリードフレームが導入され、そのため、リードフレームは接続領域6と電気的に接続され、接続要素として機能するが、図6による形態においては、非導電性のキャリア8が提供される。キャリア8の上面上には、接続領域10、11が配置される。その接続領域の一方はチップの接続領域6への接続のために提供され、そのもう一方は、例えばアンテナとの接続に提供される。接続領域10、11の間に接続は、それぞれスルーホールコンタクトを介して接続領域10、11に接続される接続導体12を介して行われる。そのため、接続領域10と接続領域11との接続は、キャリア8の裏面上で行われる。
【0041】
図7に示される配置においては、同様に非導電性のキャリア8が提供される。この上に、チップ2の接続領域6に接続されるメタライゼーション(metallisierung)14が提供される。その際、複数のメタライズ領域は、接続領域6が分離して接続されるために、互いに分離される。メタライゼーション14上において、領域が絶縁ホイル13によって覆われる。その結果、導電性要素が、メタライゼーション14上の搭載物を介してメタライゼーション14と電気的に接続されることなく、配置され得る。
【0042】
図8は、ラミネートの層構造が、E−パスポートのホルダーページ内にどのように利用され得るかを例示的に示す。その際、図1に示されたチップモジュールが導入される。リードフレーム8はペーパー層21上に載せられる。リードフレーム8の突出部は、それぞれアンテナ23の渦巻きと電気的に接続される。示された実施例では同時に補強要素を形成するリードフレーム8を介して、アンテナ23とチップ2の接続領域6との電気的接続が形成される。チップモジュール1は、例えばPEホイルであるホイル22の凹部内に嵌め込まれる。PEホイルは、ペーパー層21の上方に、あるいはリードフレーム8の上方に位置する。ホイル22の厚さは、少なくとも、補強要素を形成するリードフレーム8の厚さとちょうど同じ大きさであるように設定される。上記構成の上方に、被覆ホイル20が提供され、そのため、外面には平面が存在し、チップモジュール1は保護される。同様に、ペーパー層21の下方に被覆ホイル20が提供される。その被覆ホイルは、ペーパー層21およびその上に位置するチップモジュール1に対する保護層を形成し、外側の外観を形成するために印刷され得る。
【0043】
図8に示された層配置に作用する力はチップモジュール1に伝達されるが、しかしながら、補強要素8に基づいて、チップモジュール1の曲げ堅固性が大きいために、チップ2は損傷されず、また、チップ2の接続領域6とリードフレーム8との間の電気的接続は、許容されないほど荷重されない。
【0044】
図9は、図4によるチップモジュールが使用された場合に可能な層構造を示す。リードフレーム8は、この配置の場合、単に補強要素を形成する機能を有し、チップ2の接続領域の電気的接続を実現する機能は有しない。これに代え、チップ2の上方に位置する接続領域は、直接、アンテナ23の接続端子に接続される。アンテナのさらなる渦巻きは、さらに外側のPEホイル上に位置する。その際、このホイルの上方に、層構造の上面を覆う被覆ホイル20が配置される。チップモジュール1の下側に、ここでもペーパー層21が提供され、その表面は、同様に被覆ホイル20によって保護される。
【0045】
チップ2の接続領域6とアンテナ23との間の直接の接続は、図5から図7の実施に対応するチップモジュール1が形成される場合、また補強要素としてキャップ15を有する場合にも可能である。図10に示された層配置の場合、PEホイル22の上にアンテナ23の渦巻きが形成されている。その際、PEホイル22は、チップモジュール1のキャリアを形成する。アンテナ渦巻きの2つの端部は、チップ2の接続領域6と直接、接続されるよ うに導かれる。
【0046】
図11の実施形態の場合、リードフレーム8がチップモジュール1のキャリアを形成する。リードフレーム8の内側領域はチップ2の接続領域6に接続され、その外側領域はアンテナ23の渦巻きに接続される。
【0047】
図12の層構造は、自体が導電性であるリードフレーム8は使用されない点においては変更されているが、チップ2の接続領域6とアンテナ23の渦巻きとの間の導電性接続は、図6に示されたように、非導電性のリードフレーム8の下側上の導体路12を介して形成されている。この実施例においてはまた、チップ2の接続が妨げられることなく、キャップ15が形成され得る。
【0048】
図13は、図7に従って形成されたチップモジュール1を有する層構造を示す。この実施例から、アンテナ23の渦巻きをキャリア8のメタライゼーションから絶縁して配置するために、絶縁要素13がさらに使用され得ることが、よく認識される。この場合、アンテナ23の2つの端部は、チップ2との導電性接続を形成するために、それぞれ、メタライゼーション面14上に配置されている。
【0049】
上記実施例は、概略的な図示に基づいて説明された。実際の大きさ関係は、勿論、図示されたものと異なる。示された実施例のさらなる変形は可能であり、本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明による、補強要素としてリードフレームを有するチップモジュールの第1の実施例を示す断面図である。
【図2】図1のチップモジュールの平面図である。
【図3】追加のRe−分配層の導入を伴う変形実施例を示す。
【図4】図3の描写に対して簡素化されたチップモジュールを示す。
【図5】本発明による、補強要素としてキャップを有するチップモジュールのさらなる実施例を示す。
【図6】代替のインレイ構造において、図5に対してチップの異なる接続を示す。
【図7】代替のインレイ構造において、チップのさらなる異なる接続を示す。
【図8】図1によるチップモジュールを有するラミネート構造を示す。
【図9】図4によるチップモジュールを有するラミネート構造を示す。
【図10】図5によるチップモジュールを有するラミネート構造を示す。
【図11】図5によるチップモジュールを有するさらなるラミネート構造を示す。
【図12】図6によるチップモジュールを有するラミネート構造を示す。
【図13】図7によるチップモジュールを有するラミネート構造を示す。
【符号の説明】
【0051】
1 チップモジュール
2 チップ
3 封じ材料
4 補強要素の第1の部分
5 補強要素の第2の部分
6 チップの接続領域
7 凹部
8 リードフレーム
9 エポキシ要素
10、11 キャリア上の接続領域
12 導体路
13 絶縁要素
14 メタライズ領域
15 キャップ
16 接着層
20 被覆ホイル
21 ペーパー層
22 PEホイル
23 アンテナ
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路を含むチップを有するチップモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
チップカードは、通常、電気部品が、本質的にチップカードよりも小さいモジュール上に統合されるように形成される。製造の際に、チップモジュールは、カード本体の対応する凹部内に嵌め込まれ、この構造は必要に応じて被覆を備える。接続を有するチップモジュールの場合、これは、チップの他に、要求される接続領域およびチップの接続領域(Anschlussflaeche)とモジュールの接続領域との間の接続を含む。非接触式チップモジュールの場合には、これは、チップおよびアンテナあるいはアンテナのための接続を含む。
【0003】
特に非接触式チップカードに対して、常に、さらなる利用分野が開発されている。非接触式チップカードは、フレキシブルに取り付け可能である。なぜなら、非接触式チップカードは、書き込み/読み出し装置との通信に対して、直接的な近接にある必要はなく、通信は比較的大きな距離をおいて可能であるからである。非接触式チップカードは、見えるように、あるいは見えないように取り付け可能である。さらに、カードの汚れによって問題は発生しない。
【0004】
新しい利用分野の1つは、いわゆるE−書類(Dokument)であり、ここではとりわけE−パスポートあるいは「デジタルパスポート」である。チップモジュールあるいはインレイ(Inlay)への新しい要求は、とりわけ、チップモジュールあるいはE−書類内のさらなるラミネートに必要なインレイの集積化に結びつく。
【0005】
E−パスポートにおいて、パスポートのブックカバーを意味するいわゆるカバーページ内の集積化と、パスポート所有者の個人的データが含まれる、パスポートの内部ページに関するいわゆるホルダーページの集積化とは区別される。
【0006】
カバーページ内の従来のチップモジュールの集積化は、いかなる大きな技術的問題も示さない。しかしながら、パスポート製造者側からは、電気的および文書的データを1ページに結合するために、ホルダーページ内においてチップモジュールを集積化する要求が存在する。この際、ホルダーページ内において集積化されるために、従来のチップモジュールが厚すぎるということが、問題である。
【0007】
以下に短く記載されるように、従来技術から、非接触式チップモジュールの複数の原理的な構造バリエーションが知られている。
【0008】
第1の知られたバリエーションでは、チップはいわゆるワイヤーボンドによって接続される。チップおよびワイヤーボンドを有するキャリアは、プラスチックの被覆によって囲まれ、それによって、ワイヤーボンドは損傷されない。チップの封じによってチップモジュールの全体の厚みが大きいのが不利な点である。
【0009】
第2のバリエーションでは、チップは、いわゆるフリップチップ実装においてNiAuバンプによって接続され、それによって、チップのいかなる覆いも要求されない。その際、モジュールの厚みは、主にチップの厚さによって決定される。非常に薄いチップモジュールを製造するために、これを非接触フィリップチップ技術において実現し、その際、極薄のチップを使用することが知られている。それによって、チップモジュールをE−パスポートのホルダーページ内に集積化可能とするために、理論的に十分少ない全体の厚みが生じる。しかしながら、このチップモジュールは、少ない厚みのために少ない曲げ堅固性および頑丈さを有するため、機械的荷重に対してかなり抵抗力がない。そのため、信頼できる後の動作が保証されない。
【0010】
第3のバリエーションでは、少ない曲げ堅固性しか有しない上記チップモジュールは、補強のために枠を用いて貼り付けられる。具体的に、例えばリードフレーム上に、枠が貼り付けられる。この構成バリエーションの不利な点は、枠の貼り付けのために接着剤が必要であり、それは直接、モジュールの厚みに入りこむ。典型的な枠の高さは、300μmであり、その結果、E−パスポートへの導入において所望される150μmである少ない厚さは、実現可能でない。さらに、枠とリードフレームとの間の剥離の危険性が存在する。
【0011】
最後に、チップの上に、ほぼ120μmの厚さを有する鋼プレートを貼り付けることが知られている。それによって、チップの堅固性が向上する。この方法によって形成されたチップモジュールの比較的大きな厚さが、不利な点である。さらに、アンテナの接続は、直接、チップ上に行われねばならず、それは、構造的な自由度を制限する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の課題は、非常に薄いにもかかわらず、頑丈で曲げに堅固なチップモジュールを提供することにある。特に、全体の厚みがほぼ150μmであり、そのためE−書類、特にデジタルパスポートのホルダーページ内に集積可能な、非接触で曲げに堅固なチップモジュールの提供を可能にすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本課題は、冒頭において記載された方式のチップモジュールによって解決され、該チップモジュールは、チップに接続された補強要素によって特徴づけられ、補強要素は、チップの接続平面(Anschlussebene)に平行に延びる第1の部分と、該平面に角度をなして延びる少なくとも1つの第2の部分とを有し、チップは、補強要素の第1の部分に力が適合された態様(kraftschluessig)で接続されている。
【0014】
本発明によるチップモジュールの利点は、E−書類内において集積化が可能でないほどにチップモジュールの厚さが増加することなく、十分な曲げ堅固性が達成されることにある。第1の部分と第2の部分との間の角度が、45°と90°との間にある場合、有利である。この角度範囲において、とくに高い堅固性が得られる。好ましくは、角度は90°である。
【0015】
本発明の第1の有利な実施形態において、補強要素はキャリア要素によって形成される。キャリア要素は、打ち抜き形成されたあるいは切り取られ、キャリアの第1の部分の平面から曲げられたキャリア部分であって、補強要素の少なくとも1つの第2の部分を形成するキャリア部分を有する。いずれにせよ存在するキャリア要素、例えばリードフレームは、この方法によって、向上された堅固性を有し、追加の要素が要求されることなく、そのため補強要素として機能が可能なように、変形される。打ち抜き形成あるいは切り取りに代えて、残りのキャリアから曲がったキャリア部分を分離するために、勿論、さらなる処理技術が導入可能である。
【0016】
特に曲げに堅固なチップモジュールは、本発明のさらなる実施形態において、多数の第2の部分が第1の部分と共同でチップが配置される槽を形成し、槽は、チップとともに封じ材料によって充填されることによって達成される。
【0017】
別の有利な実施形態においては、チップはキャリア要素上に配置され、チップのキャリア要素から離れた側の上において、チップは補強要素の第1の部分に接続され、補強要素はキャップを形成する。キャップは、それゆえ、チップの上に配置され、それによってチップの高さを過剰に増加することなく、チップを補強する。
【0018】
キャップを利用することによって得られた曲げ堅固性は、それによってチップモジュールの厚みを増加することなく、同一厚さの通しの材料とほぼ同一の強さである。同時に、キャップによって、敏感で、特に典型的なホルダーページ−ラミネート構造において危ういモジュール側の保護が、形成される。
【0019】
2つの本発明による変形におけるチップモジュールの実施形態によって、極薄のチップ処理が可能である。その際、E−書類、特にE−パスポートのホルダーページ内において問題なく集積化され得る、極薄のモジュールが形成可能である。さらなる利点は、従来技術において知られた、キャリアと枠との間の剥離の問題が生じないということである。
【0020】
本発明のさらなる有利な実施形態は、従属請求項において提供される。
【0021】
本発明は、さらに以下の手段を提供する。
【0022】
(項目1)
集積回路を含むチップ(2)を有するチップモジュール(1)であって、
該チップモジュールは、
該チップに接続された補強要素であって、該チップ(2)の接続平面に平行に延びる第1の部分(4)と、該平面に角度をなして延びる少なくとも1つの第2の部分(5)とを有する補強要素(8;15)を備え、
該チップ(2)は、該補強要素(8;15)の該第1の部分(4)に力が適合された態様で接続されていることを特徴とする、チップモジュール。
【0023】
(項目2)
上記補強要素(8)は、キャリア要素によって形成され、
該キャリア要素は、
打ち抜き形成されたあるいは切り取られ、該キャリアの第1の部分(4)の平面から曲げられたキャリア部分であって、該補強要素(8)の上記少なくとも1つの第2の部分を形成するキャリア部分(5)を有することを特徴とする、項目1に記載のチップモジュール。
【0024】
(項目3)
上記キャリア要素は、上記チップ(2)の電気的接続のために提供されたリードフレーム(8)であり、
該チップ(2)の接続領域(6)は、該リードフレーム(8)に接続されていることを特徴とする、項目2に記載のチップモジュール。
【0025】
(項目4)
上記チップ(2)の接続領域(6)から離れた該チップ(2)の側はリードフレーム(8)に接続され、該チップ(2)の接続領域(6)は、追加の接続平面を介してカップリング要素(23)に接続されていることを特徴とする、項目2に記載のチップモジュール。
【0026】
(項目5)
複数の第2の部分(5)が上記第1の部分(4)と共同で上記チップ(2)が配置される槽を形成し、該槽は、該チップ(2)とともに封じ材料(3)によって充填されることを特徴とする、項目1から4のうちのいずれか一項に記載のチップモジュール。
【0027】
(項目6)
上記チップ(2)は、キャリア要素(8)上に配置され、該キャリア要素(8)から離れた該チップ(2)の側上において上記補強要素(15)の第1の部分(4)に接続され、該補強要素(15)はキャップを形成することを特徴とする、項目1に記載のチップモジュール。
【0028】
(項目7)
上記補強要素(15)は鋼からなることを特徴とする、項目6に記載のチップモジュール。
【0029】
(項目8)
上記第1の部分(4)と上記少なくとも1つの第2の部分(5)との間の角度は、45°と90°との間にあることを特徴とする、項目1から7のうちのいずれか一項に記載のチップモジュール。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
本発明は、以下において、実施例によって詳述される。
【0031】
図1は、リードフレーム8が同時に補強要素を形成する、本発明によるチップモジュールを示す。リードフレーム8は、1つの平面内においてチップ2の接続領域6と平行である第1の部分4を有する。リードフレーム8の第1の部分4は、チップ2の接続領域6と、例えば、はんだによって接続されている。それによって、リードフレームの第1の部分4とチップ2との間の電気的接続が形成されている。示された実施例において、チップ2とリードフレーム4との間のさらなる機械的接続を形成する接着層16が提供される。リードフレーム8は、該リードフレーム8の部分からなる第2の部分5を有し、第2の部分5は型抜き形成され、第1の部分4の平面から曲げられている。図1の実施例において、数個の第2の部分5が認められ、1つはチップ2の右側に、1つはチップ2の左側にある。示された断面図において認識されるように、リードフレーム8が、チップの2つの接続端子の間を電気的に分離するために、中心において分断されている。第1の部分4の両側に走る、リードフレーム8の部分は、接続突出部である。その間に位置する2つの凹部は、その領域において、第2の部分5が型抜きされ、曲げられることによって生じる。
【0032】
チップ2を囲んで、2つの第2の部分5の間のスペースが封じ材料3によって充填される。それによって、モジュールの機械的特性がさらに改善され、その際、封じは、例えば非常に硬い、あるいは非常に弾性のある材料を用いて行われ得る。
【0033】
リードフレーム8の第1の部分4および第2の部分5の角度のある配置によって、平面状態にあるリードフレーム8よりも実質的に大きな曲げ堅固性を有する補強要素が形成される。補強要素8の第2の部分5の高さを有する頑丈なリードフレームの領域内に存在する、堅固性が得られる。しかしながら、本発明によるチップモジュールの製造の際に、補強要素8の厚さは、従来的に製造されたチップモジュールの厚さに追加されるのではなく、補強要素8の第2の部分5間のチップ2の配置によって、補強要素を含めた全体のチップモジュールの厚さは、かなり少ない。
【0034】
図2は、図1のチップモジュールの平面図を示す。この概略図において、チップ2が補強要素8の第2の部分5によって全ての側が囲まれていることが、良く認識できる。チップ2の左右において、補強要素8の領域が型抜きされ上方に曲げられている。それによって、補強要素8内において凹部7が生じ、しかしながら、それはいかなる特別に不利な点も有しない。チップ2の他の側面の領域内においては、補強要素8の縁部分が上方に曲げられており、それの結果、それらは補強要素8の第2の部分5を形成する。本発明のこの形態においては、チップ2は第2の部分5によって囲まれおり、第2の部分5は、補強要素8の第1の部分4とともに、槽形状の構造を形成する。チップ2の後の封じの際に、有利な方法において、封じ材料に対する境界が形成される。
【0035】
チップ2の下方に、チップの接続領域が位置し、その接続領域は、そこにおいて補強要素の第1の部分4に接続される。これは、補強要素8がリードフレームから形成され、それを介して電気的接続が行われるため、合理的である。
【0036】
図3には、実施例の変形が示され、ここでは、チップ2の接続がリードフレームあるいは補強要素8を介して形成されるのではなく、いわゆる再配置(Re−Distribution)層が導入される。そのため、チップ2の接続領域は、チップ2の補強要素8から離れた側上に存在し、その結果、それはその後に自由に接続可能である。チップ2の接続領域6から離れた側は、補強要素8の第1の部分4に貼り付けられる。補強要素8の第2の部分5は上方に曲げられ、図1および図2に示されるように、ここでも槽形状の構造を形成する。槽は、ここでも封じ材料3によって充填され、その際、封じ材料は、この実施例においては、後の接続のために接続領域6を露出させるために、チップ2の上部までは及ばない。
【0037】
図3に示された、リードフレームとして形成された補強要素8の接続突出部は、再配置層に対しての上部に位置する接続領域を有する一形態では、本質的に必要ではなく、図4に示されるように、削除され得る。
【0038】
図5において、補強要素の別の形態が示される。リードフレーム8上に提供されたチップ2を有するチップモジュール1は、鋼キャップ15から形成された追加の補強要素を有する。チップ2は、その下部において、接続領域6を介してリードフレーム8に接続されている。キャップ15はチップ2の上に提供され、そこでチップに貼り付けされる。キャップ15は第1の部分4および第2の部分5を有し、第2の部分5は第1の部分4に対して角度を成す。この方法によって堅固性が著しく向上され、その際、この配置においても、チップモジュール1の厚みのいかなる本質的な増大もない。しかしながら、図1から図4までの実施形態と比較して、チップモジュール1は厚い。なぜなら、キャップ15の材料の厚さにリードフレーム8の厚さが加わるからである。にもかかわらず、全体の厚さが少ないため、そのように形成されたチップモジュールは、E−書類、特にE−パスポートに導入され得る。
【0039】
チップ2およびキャップ15を有する構造の2つの示された側方の上に、エポキシ要素9が提供される。しかしながら、それは随意であり、要求された堅固性の達成に対して必ずしも提供される必要はない。それは、絶縁に利用される。
【0040】
図6および図7において、図5の構造に対する2つの変形が示される。その際、変形は、チップ2の接続領域6の電気的コンタクトおよび様々な可能性のあるインレイ構造に関係する。図5によるモジュールにおいては、導電性材料からなるリードフレームが導入され、そのため、リードフレームは接続領域6と電気的に接続され、接続要素として機能するが、図6による形態においては、非導電性のキャリア8が提供される。キャリア8の上面上には、接続領域10、11が配置される。その接続領域の一方はチップの接続領域6への接続のために提供され、そのもう一方は、例えばアンテナとの接続に提供される。接続領域10、11の間に接続は、それぞれスルーホールコンタクトを介して接続領域10、11に接続される接続導体12を介して行われる。そのため、接続領域10と接続領域11との接続は、キャリア8の裏面上で行われる。
【0041】
図7に示される配置においては、同様に非導電性のキャリア8が提供される。この上に、チップ2の接続領域6に接続されるメタライゼーション(metallisierung)14が提供される。その際、複数のメタライズ領域は、接続領域6が分離して接続されるために、互いに分離される。メタライゼーション14上において、領域が絶縁ホイル13によって覆われる。その結果、導電性要素が、メタライゼーション14上の搭載物を介してメタライゼーション14と電気的に接続されることなく、配置され得る。
【0042】
図8は、ラミネートの層構造が、E−パスポートのホルダーページ内にどのように利用され得るかを例示的に示す。その際、図1に示されたチップモジュールが導入される。リードフレーム8はペーパー層21上に載せられる。リードフレーム8の突出部は、それぞれアンテナ23の渦巻きと電気的に接続される。示された実施例では同時に補強要素を形成するリードフレーム8を介して、アンテナ23とチップ2の接続領域6との電気的接続が形成される。チップモジュール1は、例えばPEホイルであるホイル22の凹部内に嵌め込まれる。PEホイルは、ペーパー層21の上方に、あるいはリードフレーム8の上方に位置する。ホイル22の厚さは、少なくとも、補強要素を形成するリードフレーム8の厚さとちょうど同じ大きさであるように設定される。上記構成の上方に、被覆ホイル20が提供され、そのため、外面には平面が存在し、チップモジュール1は保護される。同様に、ペーパー層21の下方に被覆ホイル20が提供される。その被覆ホイルは、ペーパー層21およびその上に位置するチップモジュール1に対する保護層を形成し、外側の外観を形成するために印刷され得る。
【0043】
図8に示された層配置に作用する力はチップモジュール1に伝達されるが、しかしながら、補強要素8に基づいて、チップモジュール1の曲げ堅固性が大きいために、チップ2は損傷されず、また、チップ2の接続領域6とリードフレーム8との間の電気的接続は、許容されないほど荷重されない。
【0044】
図9は、図4によるチップモジュールが使用された場合に可能な層構造を示す。リードフレーム8は、この配置の場合、単に補強要素を形成する機能を有し、チップ2の接続領域の電気的接続を実現する機能は有しない。これに代え、チップ2の上方に位置する接続領域は、直接、アンテナ23の接続端子に接続される。アンテナのさらなる渦巻きは、さらに外側のPEホイル上に位置する。その際、このホイルの上方に、層構造の上面を覆う被覆ホイル20が配置される。チップモジュール1の下側に、ここでもペーパー層21が提供され、その表面は、同様に被覆ホイル20によって保護される。
【0045】
チップ2の接続領域6とアンテナ23との間の直接の接続は、図5から図7の実施に対応するチップモジュール1が形成される場合、また補強要素としてキャップ15を有する場合にも可能である。図10に示された層配置の場合、PEホイル22の上にアンテナ23の渦巻きが形成されている。その際、PEホイル22は、チップモジュール1のキャリアを形成する。アンテナ渦巻きの2つの端部は、チップ2の接続領域6と直接、接続されるよ うに導かれる。
【0046】
図11の実施形態の場合、リードフレーム8がチップモジュール1のキャリアを形成する。リードフレーム8の内側領域はチップ2の接続領域6に接続され、その外側領域はアンテナ23の渦巻きに接続される。
【0047】
図12の層構造は、自体が導電性であるリードフレーム8は使用されない点においては変更されているが、チップ2の接続領域6とアンテナ23の渦巻きとの間の導電性接続は、図6に示されたように、非導電性のリードフレーム8の下側上の導体路12を介して形成されている。この実施例においてはまた、チップ2の接続が妨げられることなく、キャップ15が形成され得る。
【0048】
図13は、図7に従って形成されたチップモジュール1を有する層構造を示す。この実施例から、アンテナ23の渦巻きをキャリア8のメタライゼーションから絶縁して配置するために、絶縁要素13がさらに使用され得ることが、よく認識される。この場合、アンテナ23の2つの端部は、チップ2との導電性接続を形成するために、それぞれ、メタライゼーション面14上に配置されている。
【0049】
上記実施例は、概略的な図示に基づいて説明された。実際の大きさ関係は、勿論、図示されたものと異なる。示された実施例のさらなる変形は可能であり、本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明による、補強要素としてリードフレームを有するチップモジュールの第1の実施例を示す断面図である。
【図2】図1のチップモジュールの平面図である。
【図3】追加のRe−分配層の導入を伴う変形実施例を示す。
【図4】図3の描写に対して簡素化されたチップモジュールを示す。
【図5】本発明による、補強要素としてキャップを有するチップモジュールのさらなる実施例を示す。
【図6】代替のインレイ構造において、図5に対してチップの異なる接続を示す。
【図7】代替のインレイ構造において、チップのさらなる異なる接続を示す。
【図8】図1によるチップモジュールを有するラミネート構造を示す。
【図9】図4によるチップモジュールを有するラミネート構造を示す。
【図10】図5によるチップモジュールを有するラミネート構造を示す。
【図11】図5によるチップモジュールを有するさらなるラミネート構造を示す。
【図12】図6によるチップモジュールを有するラミネート構造を示す。
【図13】図7によるチップモジュールを有するラミネート構造を示す。
【符号の説明】
【0051】
1 チップモジュール
2 チップ
3 封じ材料
4 補強要素の第1の部分
5 補強要素の第2の部分
6 チップの接続領域
7 凹部
8 リードフレーム
9 エポキシ要素
10、11 キャリア上の接続領域
12 導体路
13 絶縁要素
14 メタライズ領域
15 キャップ
16 接着層
20 被覆ホイル
21 ペーパー層
22 PEホイル
23 アンテナ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
集積回路を含むチップ(2)を有するチップモジュール(1)であって、
該チップモジュールは、
該チップに接続された補強要素であって、該チップ(2)の接続平面に平行に延びる第1の部分(4)と、該平面に角度をなして延びる少なくとも1つの第2の部分(5)とを有する補強要素(8;15)を備え、
該チップ(2)は、該補強要素(8;15)の該第1の部分(4)に力が適合された態様で接続されていることを特徴とする、チップモジュール。
【請求項2】
前記補強要素(8)は、キャリア要素によって形成され、
該キャリア要素は、
打ち抜き形成されたあるいは切り取られ、該キャリアの第1の部分(4)の平面から曲げられたキャリア部分であって、該補強要素(8)の前記少なくとも1つの第2の部分を形成するキャリア部分(5)を有することを特徴とする、請求項1に記載のチップモジュール。
【請求項3】
前記キャリア要素は、前記チップ(2)の電気的接続のために提供されたリードフレーム(8)であり、
該チップ(2)の接続領域(6)は、該リードフレーム(8)に接続されていることを特徴とする、請求項2に記載のチップモジュール。
【請求項4】
前記チップ(2)の接続領域(6)から離れた該チップ(2)の側はリードフレーム(8)に接続され、該チップ(2)の接続領域(6)は、追加の接続平面を介してカップリング要素(23)に接続されていることを特徴とする、請求項2に記載のチップモジュール。
【請求項5】
複数の第2の部分(5)が前記第1の部分(4)と共同で前記チップ(2)が配置される槽を形成し、該槽は、該チップ(2)とともに封じ材料(3)によって充填されることを特徴とする、請求項1から4のうちのいずれか一項に記載のチップモジュール。
【請求項6】
前記チップ(2)は、キャリア要素(8)上に配置され、該キャリア要素(8)から離れた該チップ(2)の側上において前記補強要素(15)の第1の部分(4)に接続され、該補強要素(15)はキャップを形成することを特徴とする、請求項1に記載のチップモジュール。
【請求項7】
前記補強要素(15)は鋼からなることを特徴とする、請求項6に記載のチップモジュール。
【請求項8】
前記第1の部分(4)と前記少なくとも1つの第2の部分(5)との間の角度は、45°と90°との間にあることを特徴とする、請求項1から7のうちのいずれか一項に記載のチップモジュール。
【請求項1】
集積回路を含むチップ(2)を有するチップモジュール(1)であって、
該チップモジュールは、
該チップに接続された補強要素であって、該チップ(2)の接続平面に平行に延びる第1の部分(4)と、該平面に角度をなして延びる少なくとも1つの第2の部分(5)とを有する補強要素(8;15)を備え、
該チップ(2)は、該補強要素(8;15)の該第1の部分(4)に力が適合された態様で接続されていることを特徴とする、チップモジュール。
【請求項2】
前記補強要素(8)は、キャリア要素によって形成され、
該キャリア要素は、
打ち抜き形成されたあるいは切り取られ、該キャリアの第1の部分(4)の平面から曲げられたキャリア部分であって、該補強要素(8)の前記少なくとも1つの第2の部分を形成するキャリア部分(5)を有することを特徴とする、請求項1に記載のチップモジュール。
【請求項3】
前記キャリア要素は、前記チップ(2)の電気的接続のために提供されたリードフレーム(8)であり、
該チップ(2)の接続領域(6)は、該リードフレーム(8)に接続されていることを特徴とする、請求項2に記載のチップモジュール。
【請求項4】
前記チップ(2)の接続領域(6)から離れた該チップ(2)の側はリードフレーム(8)に接続され、該チップ(2)の接続領域(6)は、追加の接続平面を介してカップリング要素(23)に接続されていることを特徴とする、請求項2に記載のチップモジュール。
【請求項5】
複数の第2の部分(5)が前記第1の部分(4)と共同で前記チップ(2)が配置される槽を形成し、該槽は、該チップ(2)とともに封じ材料(3)によって充填されることを特徴とする、請求項1から4のうちのいずれか一項に記載のチップモジュール。
【請求項6】
前記チップ(2)は、キャリア要素(8)上に配置され、該キャリア要素(8)から離れた該チップ(2)の側上において前記補強要素(15)の第1の部分(4)に接続され、該補強要素(15)はキャップを形成することを特徴とする、請求項1に記載のチップモジュール。
【請求項7】
前記補強要素(15)は鋼からなることを特徴とする、請求項6に記載のチップモジュール。
【請求項8】
前記第1の部分(4)と前記少なくとも1つの第2の部分(5)との間の角度は、45°と90°との間にあることを特徴とする、請求項1から7のうちのいずれか一項に記載のチップモジュール。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2006−74044(P2006−74044A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−248503(P2005−248503)
【出願日】平成17年8月29日(2005.8.29)
【出願人】(501209070)インフィネオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト (331)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年8月29日(2005.8.29)
【出願人】(501209070)インフィネオン テクノロジーズ アクチエンゲゼルシャフト (331)
【Fターム(参考)】
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