説明

チューナ、電子機器

【課題】 デュアルゲートFETを利用することなく、簡易な回路によってAGC回路を実現したチューナを提供することを目的とする
【解決手段】 UFHバンド用ブロック20とVFHバンド用ブロック30とは、スイッチ回路14およびスイッチ回路22のオンオフ制御で利用バンドが選択される。このスイッチ回路14および22には、それぞれバンドスイッチ電圧17、26が入力され、この入力電圧の大きさによって開閉制御が行われる。また、AGC電圧27が両ブロックに印加される構成であり、この電圧の大きさを制御することで、PiNダイオード13,21における減衰量が制御され、これによって出力信号の利得が制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、TVやSTB(Set Top Box)などに用いられ、指定された周波数の信号のみを選択的に受信するためのチューナ回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
地上波チューナはTV等に利用されアンテナ信号から希望する周波数の信号を取り出す役割を行っている。図8は、従来技術における受信機のチューナの構成を示している。
【0003】
図8に示すように、チューナ900は、テレビジョン放送信号を受信するアンテナ901で受信した信号を増幅する増幅器902と、増幅器902によって増幅された信号を所定のレベルに保持するAGC回路903と、AGC回路903により保持された信号から選局をする選局部904と、選局した信号を復調する復調部905とから構成されている。
【0004】
このような構成からなるチューナにおいて、アンテナにより受信されたテレビジョン放送の受信波は、アンテナで受信された電波の強さ及びその後のケーブルに接続されたブースタや分配器等による増減で、チューナへ入力するときのその強度は様々である。そのため、チューナに入力した受信波は、強電界の場合もあれば、微弱電界の場合もあり、これを調整して受信波のレベルを一定にするものが上述のAGC回路である。
【0005】
図9は、このAGC回路の従来構成を示す図である。
【0006】
信号入力端子911から入力される信号は、UHFバンド用ブロック930、VHFバンド用ブロック940に分配入力され、それぞれ可変バンドパスフィルタ(BPF)回路919、920によって不要な周波数帯の信号が除去されて必要な信号が取り出される。
【0007】
この際、UHFバンド用ブロック930とVFHバンド用ブロック940は同時に動作することがなく、バンド切換用スイッチによって、いずれか一方のブロックが動作する。図9では、このブロック切換スイッチとして、スイッチングダイオード912、913を用い、それぞれのダイオードのアノード電極には、抵抗を介してバンドスイッチ電圧925、927が印加される構成である。このバンドスイッチ電圧925、927の電圧値を変化させることでスイッチングダイオード912、913のスイッチング制御を行う。
【0008】
また、このバンドスイッチ電圧925、927は、後述するデュアルゲートFET921、922のドレイン電極に印加され、電源供給用としても利用される。
【0009】
バンドスイッチ電圧925が調整され、スイッチングダイオード912が導通状態となると、信号入力端子911から入力された信号が可変バンドバスフィルタ919に与えられ、所定の周波数成分の信号のみが出力される。この出力信号は、コンデンサ916で直流成分がカットされた後、高周波増幅回路であるデュアルゲートFET921の第1ゲート端子に入力される。そして、デュアルゲートFET921で増幅された信号がドレイン端子から出力される。
【0010】
同様に、バンドスイッチ電圧927が調整され、スイッチングダイオード913が導通状態となると、信号入力端子911から入力された信号が可変バンドバスフィルタ920に与えられ、所定の周波数成分の信号のみが出力される。この出力信号は、コンデンサ918で直流成分がカットされた後、高周波増幅回路であるデュアルゲートFET921の第1ゲート端子に入力される。そして、デュアルゲートFET922で増幅された信号がドレイン端子から出力される。
【0011】
なお、デュアルゲートFET921、922の第2ゲート電極には、利得制御用電圧(以下、AGC電圧と称する)が印加されており、この電圧を調整することでFETの利得を制御することができる構成である。
【特許文献1】特許第3558958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1に記載のような従来のAGC回路の構成では、増幅処理と利得制御を行うためにデュアルゲートFETを必要としていた。このデュアルゲートFETは、製造プロセスが複雑であるため高価であるとともに、またシングルゲートFETと比較して汎用性に欠けるという問題がある。
【0013】
本発明は、上記の問題点に鑑みて、デュアルゲートFETを利用することなく、簡易な回路によってAGC回路を実現したチューナを提供することを目的とする。また、本発明は、このようなチューナを備える電子機器を提供することを別の目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成すべく、本発明のチューナ回路は、アンテナ入力端子より受信電波が入力され、入力信号から所定の周波数信号を抽出して出力するチューナ回路であって、入力信号の電界強度の強弱に応じて出力信号のゲイン制御を行うAGC回路を備えており、前記AGC回路が、少なくとも2回路以上のバンドブロック回路で構成されるとともに、入力信号の周波数に応じて使用するバンドブロック回路が切り換えられる構成であって、該使用するバンドブロック回路の切り換え制御を行うためのスイッチ回路と、前記バンドブロック回路に利得制御用電圧が印加される利得制御電圧入力端子と、前記スイッチ回路に入力されて、該スイッチ回路のオンオフ制御を行うバンドブロック制御用電圧が印加されるバンドブロック制御用電圧入力端子と、を備え、アンテナ入力端子より入力された入力信号が、前記スイッチ回路によって使用が決定されているバンドブロック回路に与えられると、該バンドブロック回路に入力される前記利得制御電圧の大きさに応じたゲイン制御が行われることを特徴とする。
【0015】
このとき、前記各バンドブロック回路が、互いに電気的に接続されている各カソード電極に入力信号が与えられるとともに、アノード電極に利得制御電圧がそれぞれ印加される構成であるPiNダイオードを備える構成としても構わない。
【0016】
このように構成されることで、PiNダイオードに印加される利得制御電圧の大きさによって、PiNダイオードにおける信号の減衰量を制御することができ、これによって出力信号の利得の調整を行うことができる。よって従来構成のように、デュアルゲートFETを備えることなく、簡易な回路によってチューナ回路を実現することができる。
【0017】
また、前記各バンドブロック回路が、前記利得制御電圧がベース端子に印加されるとともに、コレクタ端子に前記バンドブロック制御用電圧が印加されるトランジスタと、互いに電気的に接続されている各カソード電極に入力信号が与えられるとともに、アノード電極に前記トランジスタのエミッタ端子が接続されるPiNダイオードを備え、各バンドブロック回路に備えられる前記トランジスタそれぞれが、ベース端子に前記利得制御電圧が印加されるとともに、コレクタ端子に前記バンドブロック制御用電圧が印加され、エミッタ端子が接地される構成としても構わない。
【0018】
このとき、上記トランジスタとしてバイポーラトランジスタとしても構わないし、1ゲートのFETとしても構わない。なお、FETを利用する場合においては、前記利得制御電圧をゲート端子に印加し、ドレイン端子に前記バンドブロック制御用電圧を印加し、ソース端子とPiNダイオードのアノード電極を接続する構成するものとしてよい。
【0019】
また、前記各バンドブロック回路が、前記利得制御電圧がベース端子に印加されるとともに、コレクタ端子に前記バンドブロック制御用電圧が印加されるトランジスタと、互いに電気的に接続されている各カソード電極に入力信号が与えられるとともに、アノード電極に前記トランジスタのコレクタ端子が接続されるPiNダイオードを備え、各バンドブロック回路に備えられる前記トランジスタそれぞれが、ベース端子に前記利得制御電圧が印加されるとともに、コレクタ端子に前記バンドブロック制御用電圧が印加され、エミッタ端子が接地される構成としても構わない。
【発明の効果】
【0020】
本発明の構成によれば、入力電圧の大きさを制御することで利得の調整を行うことができるので、従来構成のようにデュアルゲートFETを利用することなく、簡易な回路によってAGC回路を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
本発明の構成について、図面を参照して説明する。図1は、本発明のチューナの構成を示すブロック図である。
【0022】
図1に示されるように、チューナ1は、テレビジョン放送信号を受信するアンテナ2で受信した信号を増幅する増幅器3と、増幅器3によって増幅された信号を所定のレベルに保持するAGC回路4と、AGC回路4により保持された信号から選局をする選局部5と、選曲部5によって選局された信号を復調する復調部6とから構成されている。
【0023】
このような構成からなるチューナ1において、アンテナ2により受信されたテレビジョン放送の受信波は、アンテナ2で受信された電波の強さ及びその後のケーブルに接続されたブースタや分配器等による増減で、チューナ1へ入力するときのその強度は様々である。そのため、チューナ1に入力した受信波は、強電界の場合もあれば、微弱電界の場合もあり、これを調整して受信波のレベルを一定にするものが上述のAGC回路4である。
【0024】
図2は、本発明におけるAGC回路4の回路構成を示すブロック図である。図9に示す従来構成と同様に、本発明においてもUFHバンド用ブロック20とVHFバンド用ブロック30とを備え、入力された信号がUFH帯である場合には、UFHバンド用ブロック20で処理が行われ、VHF帯である場合にはVFHバンド用ブロックで処理が行われる。
【0025】
UFHバンド用ブロック20は、PiNダイオード13と、スイッチ回路14と、コンデンサ15と、可変バンドバスフィルタ(BPF)16と、出力端子17とで構成される。一方、VHFバンド用ブロック30は、PiNダイオード21と、スイッチ回路22と、コンデンサ23と、可変バンドバスフィルタ(BPF)24と、出力端子25とで構成される。
【0026】
PiNダイオード18、21は、それぞれのカソード電極を接続するとともに、この接続ノードと信号入力端子11とを接続する。そして、この接続ノードは、バイアス抵抗12を介して接地されている。
【0027】
一方、PiNダイオード18、21のアノード電極には、それぞれスイッチ回路14、22が接続される。スイッチ回路14の出力側には、直流成分カットのためのコンデンサ15を介してBPF16が接続されており、このBPF16で不要な周波数成分の信号が除去された後、出力端子17から所望の信号が出力される。同様に、スイッチ回路22の出力側には、直流成分カットのためのコンデンサ23を介してBPF24が接続されており、このBPF24で不要な周波数成分の信号が除去された後、出力端子25から所望の信号が出力される。
【0028】
スイッチ回路14、22は、印加されるバンドスイッチ電圧18、26によってオンオフ制御が施される。スイッチ回路14、22の後段には、AGC電圧27がそれぞれ電圧調整のための抵抗19,28を介して印加される。
【0029】
バンドスイッチ電圧18をHigh状態、バンドスイッチ電圧26をLow状態にした状態で、AGC電圧27をHigh状態にすると、スイッチ回路14がON状態に、スイッチ回路22がOFF状態となり、入力される信号はUFHバンド入力回路ブロック20にのみ与えられる。そして、AGC電圧27がHigh状態であるため、PiNダイオード13はアノード端子の電圧が大きくなるため導通状態となり、ダイオード13における減衰量が小さくなる。逆に、AGC電圧27をLow状態とすると、アノード電極の電圧が小さくなるため、PiNダイオード13における減衰量が大きくなる。
【0030】
すなわち、バンドスイッチ電圧26、27の大小によってUHFバンドブロック20かVHFバンドブロック30のいずれのブロックを動作させるかを選択し、AGC電圧27の大小によってPiNダイオード13および21における減衰量の大きさを調整する。AGC電圧27をHigh状態とすることで、減衰量が小さくなるため大きい利得を得ることができ、逆にAGC電圧をLow状態とすることで、減衰量が大きくなるため利得は小さくなる。
【0031】
このように、本発明は、PiNダイオード18及び21のアノード電極に印加されるAGC電圧の大きさを調整することで、利得の大きさを調整する一方、UFHブロックとVHFブロックのいずれを動作させるかの選択を、スイッチ回路14及び22のスイッチング制御によって行う構成である。そして、このスイッチング制御は、スイッチ回路14に印加されるバンドスイッチ電圧18、及びスイッチ回路22に印加されるバンドスイッチ電圧26の大きさを制御することで行われる。
【0032】
このため、図9に示される従来構成で使用されていたスイッチングダイオード912、913をそのまま利得調整用途として利用するとともに、バンド切換用途として別途スイッチ回路14、22を新たに備えることで実現できる。よって、従来構成では必要であった利得調整のためのダブルゲートFET921、922を設ける必要がない。
【0033】
また、本発明の構成によれば、スイッチ回路14、22としては通常のスイッチング素子を採用することができるため、例えばバイポーラトランジスタあるいは1ゲートFETを利用する構成とすることができる。
【0034】
図3は、スイッチ回路14,22としてバイポーラトランジスタ31、33を採用した構成である。バイポーラトランジスタ31のエミッタ端子は、抵抗32を介して接地されており、ベース端子には過電流防止抵抗19を介してAGC電圧27が印加され、コレクタ端子にはバンドスイッチ電圧18が印加される。また、トランジスタ33のエミッタ端子は、抵抗34を介して接地されており、ベース端子には過電流防止抵抗28を介してAGC電圧27が印加され、コレクタ端子にはバンドスイッチ電圧26が印加される。
【0035】
このように構成されるとき、例えばAGC電圧27のレベルをHighに、バンドスイッチ電圧18のレベルをHighに、バンドスイッチ電圧26のレベルをLowにすると、トランジスタ31のエミッタ端子の電圧が高くなり、PiNダイオード13が導通状態となり、PiNダイオード13での減衰量は小さく、出力端子17から出力される信号の利得は大きくなる。一方、トランジスタ33のエミッタ端子の電圧は低いので、PiNダイオード21は非導通状態であり、PiNダイオード21での減衰量が大きく、これによって出力端子25からは十分な大きさの信号が取得できない。すなわち利得が小さくなる。
【0036】
また、AGC電圧27のレベルをHighの状態のもとで、バンドスイッチ電圧18のレベルをLowに、バンドスイッチ電圧26のレベルをHighにすると、逆にトランジスタ33のエミッタ端子の電圧が高くなり、PiNダイオード21が導通状態となり、PiNダイオード21での減衰量は小さく、出力端子25から出力される信号の利得は大きくなる。一方、トランジスタ31のエミッタ端子の電圧は低いので、PiNダイオード13は非導通状態であり、PiNダイオード13での減衰量が大きく、これによって出力端子17からは十分な大きさの信号が取得できない。
【0037】
このように、バンドスイッチ電圧18、および25の大きさを調整することで、各トランジスタ31および33のエミッタ端子の電圧(PiNダイオード13および21のアノード電極の電圧)を調整し、これによってPiNダイオード13および21における信号の減衰量を制御する。PiNダイオードが非導通状態になると、PiNダイオードにおける減衰量が大きく、出力端子より信号を取得できない。よって、動作させたいバンドブロックに対応したバンドスイッチ電圧をHigh状態にすることで、動作バンドの切換えを行うことができる。
【0038】
さらにこのとき、AGC電圧の大きさを変化させることでPiNダイオードの導通の程度を制御できるので、これによって利得調整を行うことができる。図4に、図3の構成における各電圧の大小と利得の関係を示す。
【0039】
また、図5は、図3とは異なる実施例であり、PiNダイオードのアノード電極をバイポーラトランジスタのエミッタ端子と接続する構成である。バイポーラトランジスタ31bのエミッタ端子は接地されており、ベース端子には過電流防止抵抗19を介してAGC電圧27が印加され、コレクタ端子には抵抗32bを介してバンドスイッチ電圧18が印加される。また、バイポーラトランジスタ33bのエミッタ端子は接地されており、ベース端子には過電流防止抵抗28を介してAGC電圧27が印加され、コレクタ端子には抵抗34bを介してバンドスイッチ電圧26が印加される。
【0040】
このように構成されるとき、例えばAGC電圧27のレベルをHighに、バンドスイッチ電圧18のレベルをHighに、バンドスイッチ電圧26のレベルをLowにすると、抵抗32bに流れる電流が大きくなるため、トランジスタ31bのコレクタ端子の電圧が低くなりPiNダイオード13における減衰量が大きくなり、利得が小さくなる。また、バンドスイッチ電圧26のレベルがLowであるため、トランジスタ34bのコレクタ端子の電圧は低く、PiNダイオード21における減衰量は大きくなり、やはり利得は小さくなる。
【0041】
また、AGC電圧27のレベルをLowに、バンドスイッチ電圧18のレベルをHighに、バンドスイッチ電圧26のレベルをLowにすると、抵抗32bに流れる電流が小さいため、この抵抗32bにおける電圧降下は小さく、これによってトランジスタ31bのコレクタ端子の電圧が高くなりPiNダイオード13は導通状態となり、出力信号の利得が大きくなる。また、バンドスイッチ電圧26のレベルはLowであるため、トランジスタ34bのコレクタ端子の電圧は低く、PiNダイオード21における減衰量は大きくなり、利得は小さくなる。
【0042】
このように、バンドスイッチ電圧のHigh、Lowでいずれのバンドを利用するかを選択し、またAGC電圧の大きさを変化させることでPiNダイオードの導通の程度を制御することができ、利得調整を行うことができる。図6に、図5の構成における各電圧の大小と利得の関係を示す。
【0043】
なお、上述ではバイポーラトランジスタを用いてバンドスイッチ電圧の印加切換えを行う構成としたが、これはバイポーラトランジスタに限られず、他のスイッチ回路を利用しても構わない。図7は、一般的なスイッチ回路を利用した構成を示したものである。
【0044】
図7は、AGC電圧27を入力するブロックを選択するためのスイッチ回路35を備える構成である。このスイッチ回路35は、バンドスイッチ電圧18、26が印加されており、このバンドスイッチ電圧の大きさを変化させることで、スイッチのオンオフ制御を行うことができる構成である。
【0045】
AGC電圧27は、スイッチ回路5を介して、それぞれUHFバンドブロック20cあるいはVHFバンドブロック30cに入力される。また、このAGC電圧は、PiNダイオード13,21のアノード電極に、過電流防止抵抗23c、34cを介して印加される構成である。
【0046】
このように構成されるとき、AGC電圧27の大きさを変化させることで利得の調整を行うとともに、バンドスイッチ電圧18,26の大きさを変化させることで、UHFバンドブロック20c、VHFバンドブロック30cのいずれのバンドブロックを利用するかを選択することができる。
【0047】
このように、本発明の構成によれば、AGC電圧の大きさを制御することで利得の調整を行うことができるので、従来構成のようにデュアルゲートFETを利用することなく、簡易な回路によってAGC回路を実現することができる。
【0048】
なお、上述では、利用される周波数帯をUHFバンドとVHFバンドに限定して説明を行ったが、これらの周波数帯に限られるものではない。また、異なる周波数に対応するバンドブロックを3種類以上備えることで、3種類以上の周波数に対応する構成としても構わない。
【0049】
さらに、上述では、AGC電圧の大きさを変化させることで利得の制御を行うための素子として、PiNダイオードを利用する構成としたが、PiNダイオードに限られず、入力されるAGC電圧の大きさに応じて抵抗値が変化する素子であれば、他の素子を利用しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0050】
本発明のチューナ回路は、TVやSTB(Set Top Box)などに好適に利用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】は、本発明のチューナの構成を示すブロック図である。
【図2】は、図1におけるAGC回路4の回路構成を示すブロック図である。
【図3】は、図2におけるスイッチ回路14および22としてバイポーラトランジスタ31、33を採用した構成である。
【図4】は、図3の構成における入力電圧の大小と出力信号の利得の関係を示す表である。
【図5】は、図3とは異なるAGC回路の実施例である。
【図6】は、図5の構成における入力電圧の大小と出力信号の利得の関係を示す表である。
【図7】は、図3、図5の構成を一般化したAGC回路の構成を示すブロック図である。
【図8】は、従来技術における受信機のチューナの構成を示すブロック図である。
【図9】は、従来技術におけるAGC回路の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0052】
1 チューナ
2 アンテナ
3 増幅器
4 AGC回路
5 選局部
6 復調部
11 信号入力端子
12、19、28 抵抗
20、20a、20b、20c UFFバンドブロック
30、30a、30b、30c VHFバンドブロック
13、21 PiNダイオード
14、22 スイッチ回路
15、23 コンデンサ
16、24 BPF
17、25 出力端子
18、26 バンドスイッチ電圧入力端子
27 AGC電圧入力端子
31、31b、33、33b トランジスタ
32、32b、32c、34、34b、34c 抵抗
35 スイッチ回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
アンテナ入力端子より受信電波が入力され、入力信号から所定の周波数信号を抽出して出力するチューナ回路であって、
入力信号の電界強度の強弱に応じて出力信号のゲイン制御を行うAGC回路を備えており、
前記AGC回路が、少なくとも2回路以上のバンドブロック回路で構成されるとともに、入力信号の周波数に応じて使用するバンドブロック回路が切り換えられる構成であって、
該使用するバンドブロック回路の切り換え制御を行うためのスイッチ回路と、
前記バンドブロック回路に利得制御用電圧が印加される利得制御電圧入力端子と、
前記スイッチ回路に入力されて、該スイッチ回路のオンオフ制御を行うバンドブロック制御用電圧が印加されるバンドブロック制御用電圧入力端子と、を備え、
アンテナ入力端子より入力された入力信号が、前記スイッチ回路によって使用が決定されているバンドブロック回路に与えられると、該バンドブロック回路に入力される前記利得制御電圧の大きさに応じたゲイン制御が行われることを特徴とするチューナ回路。
【請求項2】
前記各バンドブロック回路が、
互いに電気的に接続されている各カソード電極に入力信号が与えられるとともに、アノード電極に利得制御電圧がそれぞれ印加される構成であるPiNダイオードを備えることを特徴とする請求項1に記載のチューナ回路。
【請求項3】
前記各バンドブロック回路が、
前記利得制御電圧がベース端子に印加されるとともに、コレクタ端子に前記バンドブロック制御用電圧が印加されるトランジスタと、
互いに電気的に接続されている各カソード電極に入力信号が与えられるとともに、アノード電極に前記トランジスタのエミッタ端子が接続されるPiNダイオードを備え、
各バンドブロック回路に備えられる前記トランジスタそれぞれが、
ベース端子に前記利得制御電圧が印加されるとともに、コレクタ端子に前記バンドブロック制御用電圧が印加され、エミッタ端子が接地される構成であることを特徴とする請求項1に記載のチューナ回路。
【請求項4】
前記各バンドブロック回路が、
前記利得制御電圧がベース端子に印加されるとともに、コレクタ端子に前記バンドブロック制御用電圧が印加されるトランジスタと、
互いに電気的に接続されている各カソード電極に入力信号が与えられるとともに、アノード電極に前記トランジスタのコレクタ端子が接続されるPiNダイオードを備え、
各バンドブロック回路に備えられる前記トランジスタそれぞれが、
ベース端子に前記利得制御電圧が印加されるとともに、コレクタ端子に前記バンドブロック制御用電圧が印加され、エミッタ端子が接地される構成であることを特徴とする請求項1に記載のチューナ回路。
【請求項5】
請求項1〜請求項4のいずれかに記載のチューナ回路を備える電子機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−60067(P2007−60067A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−240620(P2005−240620)
【出願日】平成17年8月23日(2005.8.23)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】