説明

ディスク乾燥装置およびディスク乾燥方法

【課題】バッチ処理により複数枚のディスクを同時に短時間で乾燥することが可能で小型化な装置を実現できるディスク乾燥装置およびディスク乾燥方法を提供する。
【解決手段】一軸に沿って配置された複数枚のディスクを同時に外周でチャックすることにより複数枚のディスクの中心開口による空間が内部にでき、この空間に複数のノズルを配置することで、各ディスクの表裏の内周面側から温水を供給して各ディスクを温水で加熱し、複数枚のディスクを同時に回転させることで、温水をディスクの内周から外周へと移動させて遠心力で外周外側へと排出する。排出された温水は、水受けカバーの内壁面に設けられた谷溝を通ってディスクの下側へと流れて外部へ排出される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ディスク乾燥装置およびディスク乾燥方法に関し、複数枚のディスクをバッチ処理により同時に短時間で乾燥することができかつ乾燥装置を小型化できるようなディスク乾燥装置に関する。
【背景技術】
【0002】
情報記憶媒体の磁気ディスク(ハードディスク)の基板であるそのサブストレートなどでは、研削、研磨、スパッタリング、メッキ等の工程の後にディスクの洗浄が行われている。ハードディスクとそのサブストレート(以下これらを単にディスクという)の洗浄には、複数の洗浄工程と洗浄後の乾燥工程とがある。
通常、乾燥工程は、洗浄工程とは独立の工程であり、洗浄液が乾燥後に残らないように、例えば、純水の容器に洗浄後のディスクを浸した後に取出して乾燥工程に入る。この場合、ディスク洗浄から乾燥までのスループットを向上するために、一度に多数のディスクをハンドリングしたり、洗浄したディスクの受け渡し搬送中に乾燥処理などが行われている。
なお、このような乾燥工程は、広い意味でのディスク洗浄処理の中に含まれ、ディスク洗浄と乾燥とを同時に行う装置も公知である。その1つとしにディスクを回転させて遠心力を利用してディスクに付着した水分を排出し、それを回転する通孔カバーで受けて外部へと排出するスピン乾燥方式のディスク洗浄・乾燥装置がある(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2001−216634公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術にあっては、洗浄したディスクを乾燥させる場合に、ウエット状態で乾燥工程に移行しなければならない。そのため、乾燥工程に入る受け渡し過程でウエット状態のディスクに汚れが付着しやすい。また、最近の乾燥工程ではリンス工程とスピン乾燥工程とがあって、リンス工程からスピン乾燥工程へ移る受け渡し過程でもディスクに汚れが付着する問題がある。
しかも、ディスク受け渡しの際にディスクをチャックしたり、チャック状態のまま、ウエット状態のディスクを浴槽から他の浴槽へあるいはある処理室から他の処理室へと出し入れしされる。この出し入れを短くしたとしてもに5〜6秒程度の時間がかかる。この処理時間が乾燥を含めたディスク洗浄処理全体のスループットを低下させている。
【0005】
特許文献1のディスク洗浄・乾燥装置では、洗浄工程とスピン乾燥工程とをディスクのハンドリングをすることなしに連続して処理することで洗浄処理全体の処理時間を低減することができる。しかし、このようなディスク洗浄・乾燥装置で処理できるディスクの枚数は、一度に2枚乃至3枚程度と限られ、ディスク1枚当たりの洗浄処理効率はさほど向上しない。しかも、このような装置で一度に多数枚を処理するとなると、装置が大型化する欠点がある。もちろん、ディスク乾燥装置を独立させた場合にも一度に多数枚の乾燥処理をするとなると、その分、乾燥装置は大型化せざるを得ない。
この発明の目的は、このような従来技術の問題点を解決するものであって、複数枚のディスクをバッチ処理により同時に短時間で乾燥することができかつ乾燥装置を小型化できるようなディスク乾燥装置を提供することにある。
この発明の他の目的は、バッチ処理により複数枚のディスクを同時に短時間で乾燥する ことができるディスク乾燥方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
このような目的を達成するためのこの発明のディスク乾燥装置およびディスク乾燥方法の特徴は、ディスク複数枚の中心が一軸に沿って所定間隔で配置され縦立した複数枚のディスクのそれぞれの外周をディスクチャック機構により同時にチャックし、円筒の軸に直交する面内の円周に沿って内壁面に谷溝が形成された円筒状の水受けカバーによりチャックされた複数枚のディスクに対して着脱可能に複数枚のディスクをこれの外側でカバーし、一対のノズル複数個を複数枚のディスクに対して着脱可能としてチャックされた複数枚のディスクの中心開口で形成される空間内に挿入して複数枚のディスクの各中心開口に接する内周面の表裏に対応するように複数の一対のノズルをそれぞれ配置し、ディスクチャック機構を回転させて一対のノズル複数個と水受けカバーとが装着された複数枚のディスクをこれの中心を回転中心として回転させるとともにチャックされた複数枚のディスクを加熱するために一対のノズル複数個から温水を供給してこの温水を遠心力により複数枚のディスクの内周面から外周へと流して外側へと排出し、排出された温水を谷溝に流して水受けカバーから外部へと排出するものである。
【発明の効果】
【0007】
この発明にあっては、一軸に沿って配置された複数枚のディスクを同時に外周でチャックすることにより複数枚のディスクの中心開口による空間が内部にでき、この空間に複数のノズルを配置することで、各ディスクの表裏の内周面側から温水を供給して各ディスクを温水で加熱し、複数枚のディスクを同時に回転させることで、温水をディスクの内周から外周へと移動させて遠心力でを外周外側へと排出する。
排出された温水は、水受けカバーの内壁面に設けられた谷溝を通ってディスクの下側へと流れて外部へ排出されるので、ディスクに洗浄中、あるいは洗浄後に温水がディスク側に垂れることが防止され、汚れ洗浄とともに加熱された複数枚のディスクを温水停止後に短時間に加熱乾燥することができる。
なお、谷溝が浅いなどのときにはあるいは谷溝形状によっては、温水の垂れ防止のためのフィンを谷溝の上面の両側に設ければよく、フィンは、水受けカバーの円筒の半円形か、それ以上に亙って設置するとよい。
【0008】
これにより、遠心力で周囲に排出された洗浄・加熱後の温水は、円筒状の水受けの内壁面に形成された谷溝で捕捉されて、谷溝に案内されて水受けカバーの下側から外へと排出される。
また、一対のノズル複数個を水受けカバーととともに複数枚のディスクに対して着脱可能としてチャックされた複数枚のディスクの中心開口で形成される空間内に挿入するようにしているので、乾燥装置全体を小型化することができる。
さらに、複数のノズルと水受けカバーとが複数枚のディスクの位置から前記した一軸に沿って進退するようにこれらを進退する進退機構を設ければ、複数枚のディスクをディスクチャック機構に対して後退させて、この退避によりディスクチャック機構からのディスクをロードし、アンローすることが容易になり、これによりバッチ処理の効率をさらに向上させることができる。
その結果、バッチ処理により複数枚のディスクを同時に短時間で乾燥することが可能でかつ小型化な乾燥装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1(a)は、ディスク乾燥装置の乾燥原理を説明する側断面説明図、図1(b)は、その温水供給部分の説明図、図1(c)は、その正面概要図である。
【図2】図2は、この発明を適用した一実施例の水受けカバー装着前の温水供給ノズルユニットと水受けカバーの断面説明図である。
【図3】図3は、この発明を適用した一実施例の水受けカバー装着後のディスク乾燥装置の断面説明図である。
【図4】図4(a)は、ディスクカセットから複数枚のディスクを同時に取出すハンドリングロボットの説明図、図4(b)は、ディスクとディスクリフタとの関係の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図3において、10は、ディスク乾燥装置であって、1,1aはそれぞれそのディスクチャック機構、2,2aはそれぞれそディスクチャック機構1,1aの回転駆動機構(駆動モータ)、3は温水供給ノズルユニット(図1(a)参照)、4は水受けカバー(図1(a)参照)、5はエンクロジャー、6は水受けカバー進退機構、そして9はディスク(図1(a)参照)である。
図1(a)〜図1(c)において、ディスクチャック機構1は、チャック開閉機構11と3本のチャックアーム12a,12b,12cとからなり、各ディスク9の中心をX軸に沿って所定間隔置いて配置し縦立させて5枚(複数枚)のディスク9を外周3点チャック(図1(c)参照)で保持する。
なお、図1(a)は、図1(c)のA−A断面図となっているので、チャックアーム12cは図1(a)では現れていない。
【0011】
各チャックアーム12a,12b,12cには所定間隔をもって配列され縦立した5枚のディスク9の外周に対応して5枚のディスクを同時にチャックするそれぞれ5個のチャックローラ13a,13b,13cが設けられている。なお、チャックローラ13cは、チャックアーム12cと同様には図1(a)に現れていない。
図1(a)に示すように、5個のチャックローラ13a,13b,13cは、配列された各ディスク9の外周に対応する所定間隔で各チャックアーム12a,12b,12cに設けられている。
ディスクチャック機構1の各チャックアーム12a,12b,12cは、回転駆動機構2によりディスク9の中心を回転中心として回転し、これにより5枚のディスク9が同時に回転する。
【0012】
温水供給ノズルユニット3は、図1(b)に示す一対のノズル3a,3bからなるノズル30を5個分束ねて構成される。5個のノズル30の一対のノズル3a,3bは、各ディスク9の表裏の内周面側に温水7を噴射する。
この温水供給ノズルユニット3は、ディスク9の中心開口9a(図1(b),図1(c)参照)で形成される内側空間8(図1(a)〜図1(c)参照)内に外側から挿入され、5枚のディスク9の各内周面9bに対応してそれぞれのノズル3a,3bが位置付けられる。そのため、5個のノズル30は、各ディスク9の所定間隔に対応する所定間隔をもって位置をずらせて束ねられて設けられている(図1(a)参照)。
温水供給ノズルユニット3の束ねられた端部にはコネクタ管31(図1(a)参照)が設けられている。このコネクタ管31が図面左側の水受けカバー4の閉塞された底面4a(図1(a)参照)に固定されている。このコネクタ管31が温水供給管32に接続されてコネクタ管31を介して外部から温水7が5個のノズル30に供給される。
なお、図1(c)では水受けカバー4とディスク9のチャック状態とを説明する都合上、底面4aに位置する温水供給ノズルユニット3と底面4aとは取外しててある。
【0013】
温水供給ノズルユニット3は、水受けカバー4とともにディスクチャック機構1に対して水受けカバー進退機構6(図2,図3参照)の駆動により進退してチャックされた5枚のディスク9に対して着脱される。温水供給ノズルユニット3が前進して5枚のディスク9に装着されたときには、図1(a)に示すように、中心開口9aで形成される内側空間8内に配置されて5枚のディスク9の各内周面9bの表裏に対峙するようにそれぞれのノズル3a,3bが位置付けられる(図1(b)参照)。このとき、5個のノズル30は、中心開口9aの中心部より少し下側に位置している。
水受けカバー4は、図1(a),図1(c)に示すように、チャックされた5枚のディスク9をカバーする側面の一部が円筒の中心軸に沿ってスリット状に開放(図1(c)の開放側面4c参照)された底面4aを有する有底円筒の部材である。これには、5枚(複数)のディスク9の外周に対応して外周の外側に排出された温水7を受ける谷溝4bが円筒の軸に直交する円周に沿って内壁面に所定間隔で5個(複数個)形成されている。
図1(c)に示すように、水受けカバー4の開放側面4cは、水受けカバー4の谷溝4bを流れた温水7を排出するために縦立した5枚のディスク9の下側に対応する部分が円筒の軸Xに沿って開放されることで形成され、水受けカバー4における排出口となっている。
開放側面4cは、水受けカバー4の側面を円筒の中心軸に沿って円筒頭面から底面に至るまで形成されているが、これは、温水7を排出できればよいので、水受けカバー4の側面の一部に設けられるか、あるいは排出用の傾斜溝として設けられていてもよい。
なお、水受けカバー4は、頭部側が開放しているので、開放側面4cは必ずしも設けられていなくてもよい。また、開放側面4cは、水受けカバー4の円筒の軸に沿って側面にスリット状の開口として設けられる必要もなく、排出口となるものならどのような形状のものであってもよい。
【0014】
ディスクチャック機構1は、5枚のディスク9の中心を回転中心として回転駆動機構2により回転させられる。ディスクチャック機構1が回転すると、5枚のディスク9の内周面に噴射された温水7が遠心力により5枚のディスク9の内周から外周へと導きかれ、さらに外周から外側に排出される。このとき、5枚のディスク9は温水7により加熱される。そこで、加熱されたディスク9は、洗浄終了後に温水7を停止したときに、急速に自然乾燥することができる。
外側に排出された温水7は、5枚のディスク9の外周に対応して外周の外側に設けられた水受けカバー4の谷溝4bが受けて、谷溝4bを流れた温水7は、開放側面4cから排出されてエンクロジャー5(図2,図3参照)へと落ちる。
エンクロジャー5は、図2に示すように、水受けカバー4より一回り大きい有底円筒であって、エンクロジャー5の側面には床面側に排出口5aが設けられている。
【0015】
図2は、この発明を適用した一実施例の水受けカバー装着前の温水供給ノズルユニットと水受けカバーの断面説明図である。
この例では、温水供給ノズルユニット3と水受けカバー4の底面4aは、エンクロジャー5の図面左側の底面5bに固定されている。この例では、水受けカバー進退機構6のアーム6aがエンクロジャー5の開放された頭部側にブラケット6bを介して結合されていて、温水供給ノズルユニット3と水受けカバー4、そしてエンクロジャー5をともに進退させる構成になっている。
この実施例の谷溝4bは、V字が変形して1辺が垂直な三角形の2辺で構成される谷溝41が形成されている。谷溝41の上面の両側には水垂れ防止用のフィン42,43が谷溝41に沿ってそれぞれ設けられている。
【0016】
水受けカバー4は、金属板を蛇腹状に整形することで内側に谷溝41を形成した水受け円筒体44と、フィン42,43とからなり、フィン42,43は、フィン形成用の断面V字のフィンリング45を谷溝41を有する水受け円筒体44の内壁面に谷溝41と谷溝41との間に対応させて配置して取付け、外側からボルト等により取り付けて形成され、水受けカバー4は、円筒体44の外側を外周カバー46でカバーすることで形成されている。
なお、最初と最後のフィンリング45は、断面V字を縦に半切したものになっているので、42,43フィンは、いずれか一方しか形成されていない。
一方、水受けカバー進退機構6は、エンクロジャー5に下側に取付けた進退アーム6aとブラケット6b、そしてX方向進退駆動機構6cとからなり、X方向進退駆動機構6cは、装置フレーム14に固定されている。
【0017】
図3は、水受けカバー装着後のディスク乾燥装置の乾燥動作状態の側断面説明図である。
ディスクチャック機構1は、回転駆動機構2を介して縦立した回転テーブル15に固定されている。15aは、回転テーブル15の前面に設けられたカバー円板である。回転テーブル15は、図3に示すように、縦立した装置フレーム14に回転軸15bが軸支され、駆動モータ20により回転駆動される。
図3に示すように、回転テーブル15には、ディスクチャック機構1の上側にもう一つのディスクチャック機構1aが設けられている。これら2つのディスクチャック機構1,1aは、ターン回転テーブル15においてこれの回転中心Oに対して所定角度をもってそれぞれ横設されている。そこで、回転テーブル15の回転中心Oを基準として垂直面内で回転テーブル15を回転させることにより2つのディスクチャック機構1,1aを交互に水受けカバー4に対峙させることができる。
【0018】
上側のディスクチャック機構1aは、この位置において、ハンドリングロボット16(図4参照)のピックアップアーム17との間で5枚のディスク9を授受する。図3では、5枚のディスク9が同時にディスクチャック機構1aからアンロードされあるいはこのアンロード後に5枚のディスク9がディスクチャック機構1aにロードされる状態を示している。
図4に示すように、ハンドリングロボット16のピックアップアーム17は、5枚のディスク9を同時にピックアップし、あるいはピックアップした5枚のディスク9を同時にカセット18に収納する。
【0019】
図4は、ディスクカセットから5枚のディスクを同時に取出すハンドリングロボットの説明図である。
二点鎖線で示すカセット18に収納されたディスク9は、昇降するディスクリフタ19により所定間隔を置いて5枚がカセット18から持ち上げられる。ディスクリフタ19には、所定間隔で櫛歯状に5本の支持歯19aが設けられ、支持歯19aの先にディスク9の外周を受けるV溝19bあるいはU溝19bが刻まれている。
ディスクリフタ19によりカセット18から上に飛び出した5枚のディスク9は、その中心開口9aがカセット18の上部に位置付けられる。この状態でリフトアップされた5枚のディスク9の中心開口9aにハンドリングロボット16のピックアップアーム17が横から5枚のディスク9の中心開口9aを貫通するように挿入され、ピックアップアーム17が上昇することにより5枚のディスク9が同時に吊り下げられる。
ピックアップアーム17のディスク吊り下げ位置には、ディスク9の配列に対応する所定間隔でV溝17aが刻まれている。また、カセット18の底は、ディスクリフタ19の支持歯19aが入る開口(図示せず)が設けられている。
以上は、カセット18からの5枚のディスクのピックアップ状態であるが、カセット18への5枚のディスクの収納の場合には、逆に、ピックアップアーム17がカセット18の空いたディスク収納位置に5枚のディスクを位置着けて降下し、上昇したディスクリフタ19か5枚のディスクを受けて降下する逆の動作によることになる。
【産業上の利用可能性】
【0020】
以上説明してきたが、実施例では、一対のノズル複数個と水受けカバーとは、ディスクチャック機構に対して一軸に沿って相対的に進退することで、チャックされた複数枚のディスクの位置の外側に退避する構成となっているが、この発明は、一対のノズル複数個と水受けカバーとがチャックされた複数枚のディスクに対して着脱できる構成であればよい。
【符号の説明】
【0021】
1…ディスクチャック機構、2…回転駆動機構(駆動モータ)、
3…温水供給ノズルユニット、4…水受けカバー、
4a…底面、4b…谷溝、4c…開放側面、
5…エンクロジャー、6…水受けカバー進退機構、
6a…進退アーム、6b…X方向進退駆動機構、
7…温水、8…内側空間、
9…ディスク、10…ディスク乾燥装置、
11…チャック開閉機構、12a,12b,12c…チャックアーム、
13a,13b,13c…チャックローラ、
14…装置フレーム、15…回転テーブル、16…ハンドリングロボット、
17…ピックアップアーム、18…カセット、
19…ディスクリフタ、30…ノズル、31…コネクタ管、
41…谷溝、42,43…フィン、
44…水受け本体、45…フィンリング、46…外周カバー。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
中心開口を有するディスクをスピン乾燥するディスク乾燥装置において、
前記ディスク複数枚の中心が一軸に沿って所定間隔で配置され縦立した複数枚の前記ディスクのそれぞれの外周を同時にチャックするディスクチャック機構と、
チャックされた前記複数枚のディスクを外側でカバーする円筒状の水受けカバーと、
チャックされた前記複数枚のディスクを加熱するために前記複数枚のディスクに対応してそれぞれ設けられ前記中心開口で形成される空間内に挿入されて前記複数枚のディスクの各前記中心開口に接する内周面の表裏に温水を供給する一対のノズル複数個とを備え、
前記水受けカバーにはチャックされた前記複数枚のディスクの外周に対応して前記円筒の軸に直交する面内の円周に沿って内壁面に谷溝が形成され、
前記一対のノズル複数個と前記水受けカバーとは、チャックされた前記複数枚のディスクに対して着脱可能とされ、
前記一対のノズル複数個と前記水受けカバーとが装着された前記複数枚のディスクは、前記中心を回転中心として前記ディスクチャック機構が回転することに応じて回転するとともに前記一対のノズル複数個から前記温水が供給されて、この温水が遠心力により前記複数枚のディスクの前記内周面から前記外周へと流れて外側に排出され、前記谷溝を流れて前記水受けカバーの開放側面から外部へと排出されるディスク乾燥装置。
【請求項2】
さらに前記一対のノズル複数個と前記水受けカバーとを前記着脱可能にするものとしてチャックされた前記複数枚のディスクに対して前記一軸に沿って相対的に進退させる進退機構を設け、この進退機構により前記一対のノズル複数個と前記水受けカバーとは、着脱され、脱着されたときに前記複数枚のディスクの位置の外側に退避するものであって、前記水受けカバーには、縦立した前記複数枚のディスクの下側に対応する部分が開放されている請求項1記載のディスク乾燥装置。
【請求項3】
さらに、前記複数枚のディスクの中心を回転中心として前記ディスクチャック機構を回転させる回転機構を有し、前記谷溝はV字溝であって、上面の両側に水垂れ防止用のフィンが設けられている請求項2記載のディスク乾燥装置。
【請求項4】
前記複数個のノズルは、前記水受けカバーにおいて前記ディスクチャック機構に対峙する側とは反対側の面に固定されて支持され、前記進退機構により前記水受けカバーと一体的に進退される請求項3記載のディスク乾燥装置。
【請求項5】
前記ディスクチャック機構は、第1のディスクチャック機構と第2のディスクチャック機構とからなり、前記第1のディスクチャック機構と第2のディスクチャック機構は、前記一軸に対して垂直な方向に沿って設けられたターンテーブルにおいてこれの回転中心に対して所定角度をもって前記一軸に沿ってそれぞれ設けられ、
前記ターンテーブルが回転することにより前記第1のディスクチャック機構と第2のディスクチャック機構とが交互に退避した前記一対のノズル複数個と前記水受けカバーとに対峙して前複数のノズルと前記水受けカバーとが前記複数のディスクに装着され、前記第1のディスクチャック機構と前記第2のディスクチャック機構のうち前記一対のノズル複数個と前記水受けカバーとに対峙していない側のディスクチャック機構にチャックされた前記複数枚のディスクがアンロードされあるいはこのアンロード後に前記複数枚のディスクがそのディスクチャック機構にロードされる請求項4記載のディスク乾燥装置。
【請求項6】
中心開口を有するディスクをスピン乾燥するディスク乾燥方法において、
前記ディスク複数枚の中心が一軸に沿って所定間隔で配置され縦立した複数枚の前記ディスクのそれぞれの外周をディスクチャック機構により同時にチャックし、
円筒の軸に直交する面内の円周に沿って内壁面に谷溝が形成された円筒状の水受けカバーによりチャックされた前記複数枚のディスクに対して着脱可能に前記複数枚のディスクをこれの外側でカバーし、
前記一対のノズル複数個を前記複数枚のディスクに対して着脱可能としてチャックされた前記複数枚のディスクの中心開口で形成される空間内に挿入して前記複数枚のディスクの各前記中心開口に接する内周面の表裏に対応するように前記複数の一対のノズルをそれぞれ配置し、
前記ディスクチャック機構を回転させて前記一対のノズル複数個と前記水受けカバーとが装着された前記複数枚のディスクをこれの前記中心を回転中心として回転させるとともにチャックされた前記複数枚のディスクを加熱するために前記一対のノズル複数個から温水を供給してこの温水を遠心力により前記複数枚のディスクの前記内周面から外周へと流して外側へと排出し、排出された温水を前記谷溝に流して前記水受けカバーから外部へと排出するディスク乾燥方法。
【請求項7】
さらに前記一対のノズル複数個と前記水受けカバーとを前記着脱可能にするものとしてチャックされた前記複数枚のディスクに対して前記一軸に沿って相対的に進退させる進退機構を設け、この進退機構により前記一対のノズル複数個と前記水受けカバーとは、着脱され、脱着されたときに前記複数枚のディスクの位置の外側に退避するものであって、前記水受けカバーには、縦立した前記複数枚のディスクの下側に対応する部分が開放されている請求項6記載のディスク乾燥方法。
【請求項8】
さらに、前記複数枚のディスクの中心を回転中心として前記ディスクチャック機構を回転させる回転機構を有し、前記谷溝はV字溝であって、上面の両側に水垂れ防止用のフィンが設けられている請求項7記載のディスク乾燥方法。
【請求項9】
前記複数個のノズルは、前記水受けカバーにおいて前記ディスクチャック機構に対峙する側とは反対側の面に固定されて支持され、前記進退機構により前記水受けカバーと一体的に進退される請求項8記載のディスク乾燥方法。
【請求項10】
前記ディスクチャック機構は、第1のディスクチャック機構と第2のディスクチャック機構とからなり、前記第1のディスクチャック機構と第2のディスクチャック機構は、前記一軸に対して垂直な方向に沿って設けられたターンテーブルにおいてこれの回転中心に対して所定角度をもって前記一軸に沿ってそれぞれ設けられ、
前記ターンテーブルが回転することにより前記第1のディスクチャック機構と第2のディスクチャック機構とが交互に退避した前記一対のノズル複数個と前記水受けカバーとに対峙して前複数のノズルと前記水受けカバーとが前記複数のディスクに装着され、前記第1のディスクチャック機構と前記第2のディスクチャック機構のうち前記一対のノズル複数個と前記水受けカバーとに対峙していない側のディスクチャック機構にチャックされた前記複数枚のディスクがアンロードされあるいはこのアンロード後に前記複数枚のディスクがそのディスクチャック機構にロードされる請求項9記載のディスク乾燥方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2011−3248(P2011−3248A)
【公開日】平成23年1月6日(2011.1.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−146118(P2009−146118)
【出願日】平成21年6月19日(2009.6.19)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】