ディスク製造方法及び光ディスク
【課題】隙間部分を傷つけたり樹脂や基板の削り屑が発生するなどなく、簡易かつ適切にスタンパを剥離できるようにする。
【解決手段】スタンパを用いてピットパターンをディスク基板に転写する工程において、転写後、ディスク基板上の硬化された樹脂からのスタンパ剥離を良好に行うため、転写工程に先立って、予め剥離開始部位の樹脂を硬化して転写前硬化部を形成しておく。転写工程では、スタンパが圧着された状態で樹脂層が硬化されて凹凸パターンの転写が行われる。その後、スタンパを剥離する際に、転写前硬化部とスタンパとの間に自然に隙間ができるため、その隙間部分をきっかけとして、例えばエアブローを行いながらスタンパを剥離していく。
【解決手段】スタンパを用いてピットパターンをディスク基板に転写する工程において、転写後、ディスク基板上の硬化された樹脂からのスタンパ剥離を良好に行うため、転写工程に先立って、予め剥離開始部位の樹脂を硬化して転写前硬化部を形成しておく。転写工程では、スタンパが圧着された状態で樹脂層が硬化されて凹凸パターンの転写が行われる。その後、スタンパを剥離する際に、転写前硬化部とスタンパとの間に自然に隙間ができるため、その隙間部分をきっかけとして、例えばエアブローを行いながらスタンパを剥離していく。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はディスク製造方法と、そのディスク製造方法で製造された光ディスクに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特許第3681353号公報
【特許文献2】特許第3232665号公報
【0003】
光ディスクの製造工程においては、ディスク基板上に展延させた光反応型樹脂層に対してスタンパを押し当て、光反応型樹脂層を硬化させることで、スタンパに形成したピットパターンやグルーブパターン等の凹凸パターンを転写することが行われている。
上記特許文献1,2には、このような転写を行った際に、スタンパをディスク基板側から剥離させる技術が開示されている。
例えば特許文献1には、スタンパと硬化樹脂の界面に楔を打ち込み、できた隙間にエアを注入することが記載されている。
また特許文献2には、センターピンによりディスク基板をスタンパから剥離する方向に押し上げながらセンターピンのブロー穴からエアを噴出させる手法が記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、楔による隙間形成を行う手法では、隙間となった部分を楔で傷つけることや、接触部で樹脂や基板の削り屑の発生による不純物混入による不良の発生など不具合も多い。
また楔を用いないセンターピン等で剥離方向に力を与えて隙間を作る場合でも、隙間を作るきっかけとなる部分にダメージを与えることが多い。
【0005】
そこで本発明は、これらの問題を生じさせずに、良好にスタンパの剥離を行うことのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のディスク製造方法は、ディスク基板を成形する基板成形工程と、上記ディスク基板上に光反応型樹脂を展延する樹脂展延工程と、上記ディスク基板上において凹凸パターン転写領域以外の一部又は全部において上記光反応型樹脂を硬化させ転写前硬化部を形成する部分硬化工程と、上記ディスク基板上に展延された上記光反応型樹脂に対してスタンパを重ね合わせ、上記光反応型樹脂を硬化させて、上記スタンパに形成された凹凸パターンを転写する転写工程と、上記転写前硬化部と上記スタンパとが当接している部分を起点として上記スタンパを剥離する剥離工程とを備える。
また、上記部分硬化工程では、上記ディスク基板のセンターホール近辺のみの光反応型樹脂を硬化させ、上記センターホール周囲に上記転写前硬化部を形成する。
また上記部分硬化工程では、上記ディスク基板のセンターホール周囲であって上記スタンパのセンターホールより広い範囲において光反応型樹脂を硬化させ、上記転写前硬化部を形成する。
また上記光反応型樹脂は、紫外線硬化型樹脂である。
また上記剥離工程では、上記スタンパと上記ディスク基板とを離間させる際に、上記転写前硬化部と上記スタンパとが当接している部分に生じる隙間からエアブローを行う。
【0007】
本発明の光ディスクは、ディスク基板上に光反応型樹脂を展延し、上記ディスク基板上において凹凸パターン転写領域以外の一部又は全部において上記光反応型樹脂を硬化させ転写前硬化部を形成し、上記ディスク基板上に展延された上記光反応型樹脂に対してスタンパを重ね合わせ、上記光反応型樹脂を硬化させて、上記スタンパに形成された凹凸パターンを転写し、上記転写前硬化部と上記スタンパとが当接している部分を起点として上記スタンパを剥離し、上記凹凸パターンが転写された樹脂層を有するディスク基板に所定の層構造を形成して製造された光ディスクである。
【0008】
即ち本発明では、スタンパを用いてピットパターン等の凹凸パターンをディスク基板に転写する工程において、転写後、ディスク基板上の硬化された樹脂からのスタンパ剥離を良好に行うため、転写工程に先立って、予め剥離開始部位の樹脂を硬化して転写前硬化部を形成しておく。
転写工程では、スタンパが圧着された状態で樹脂層が硬化されて凹凸パターンの転写が行われ、このため樹脂層とスタンパは或る程度の強度で貼り付いた状態となるが、転写前硬化部については、予め硬化されているため、スタンパと貼り付く状態とはならない。
このため、転写後にスタンパを剥離する方向にスタンパを押し上げる際に、転写前硬化部とスタンパの界面に自然に隙間ができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ディスク基板上の樹脂層に予め部分的に転写前硬化部を生成しておくことで、凹凸パターンの転写後、ディスク基板からスタンパを剥離する方向にスタンパ或いはディスク基板を移動させる際、転写前硬化部とスタンパの界面に自然に隙間ができる。このため、その隙間部分をきっかけとして、例えばエアブローを行うことで、容易に無理なくスタンパの剥離を行うことができる。
そしてこのため、隙間部分を形成するために例えば楔やピンでこじ開けるような動作は不要であるため、隙間部分を傷つけたり、樹脂や基板の削り屑が発生するということもなく、結果として品質のよい光ディスクを製造できることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のディスク製造方法の実施の形態を説明する。図1は実施の形態のディスク製造の際の全体的な工程を示している。まず図1の全体的な工程を図2,図3を参照しながら説明する。
なお、実施の形態では、記録層として、L0層、L1層の2つを有する再生専用型の2層ディスクの製造について述べる。また2層ディスクの製造の際には、予めL0層に記録する情報としてのピットパターンを有するディスク原盤と、L1層に記録する情報としてのピットパターンを有するディスク原盤とが作成され、各ディスク原盤から、L0層の形成のためのスタンパ(以下、L0層スタンパ)と、L1層の形成のためのスタンパ(以下、L1層スタンパ)が作成される。
図1のディスク製造工程は、L0層スタンパ、L1層スタンパを用いて、光ディスクを製造していく工程である。
【0011】
本例の光ディスク製造方法においては、まずステップF101でL0層基板成型が行われる。例えばポリカーボネート樹脂の射出成形によりディスク基板を成形する。ここで成形されるディスク基板はL0層としてのピットパターンが形成されるものであり、以下、L0層基板1と呼ぶ。
図2(a)はL0層基板1を成形する金型を概略的に示している。この金型は、下キャビティ120と上キャビティ121から成り、下キャビティ120には、L0層の情報ピットを転写するためのL0層スタンパ104が配置される。スタンパ104には、情報ピットの凹凸パターン104aが形成されている。
【0012】
なお、再生専用ディスクの製造工程では、エンボスピットとして情報ピットの凹凸パターン104aを形成したL0層スタンパ104が配置されるが、記録可能型ディスク(例えばライトワンスディスクやリライタブルディスク)の製造工程では、記録トラックとなるグルーブ(ウォブリンググルーブ)を形成するための凹凸パターンが形成されたスタンパが配置されることになる。
【0013】
このような金型を用いて射出成形でL0層基板1を成形するが、成形されるL0層基板1は図2(b)のようになる。
即ちポリカーボネート樹脂によるL0層基板1は、その中心はセンターホール2とされるとともに、情報読出面側は、金型内のL0層スタンパ104に形成された凹凸パターン104aが転写されたL0層の情報ピットパターン(L0ピットパターン3)となる。
なお、ライトワンスディスクやリライタブルディスクの製造の場合は、情報ピットではなく、グルーブ(連続溝)が形成されることになる。
【0014】
続いてステップF102で、このように形成されたL0層基板1に対してスパッタにより反射膜(L0層反射膜4)の成膜が行われる。即ち図2(c)(d)に示すように、L0ピットパターン3が形成された信号読出面側に例えばAg合金のL0反射膜4を形成する。
【0015】
次にステップF103で、スペーサ層・L1層の形成が行われる。
このスペーサ層・L1層形成工程は、本例の特徴的な工程となるため、図4以降で詳しく述べるが、基本的には、図2(c)のようにL0層反射膜4が形成された基板面に、紫外線硬化型樹脂がスピンコートにより展延され、L1層スタンパが押し当てられながら樹脂硬化が行われる。そしてL1層スタンパが剥離されることで、図3(a)のようにL0層基板1上に、スペーサ層3と、L1層の情報ピットパターン(L1ピットパターン6)が形成されるものである。
【0016】
次にステップF104としてL1層反射膜7が成膜される。
即ち図3(b)(c)に示すように、スペーサ層3とL1ピットパターン6が形成されたL0層基板1に対して、そのL1ピットパターン6上にスパッタにより半透過反射膜(L1層反射膜7)の成膜が行われる。
【0017】
次にステップF105で、図3(d)のように光透過層(カバー層ともいう)8を形成する。例えばカバー層用の紫外線硬化型樹脂をスピンコート手法により展延し、紫外線照射を行って硬化させ、カバー層8を形成する。なお、ポリカーボネートシートの接着などの手法によりカバー層8を形成することもできる。
【0018】
その後、ステップF106,F107,F108で図3(e)の状態とする。
即ちステップF106で、信号読出面側の表面処理としてハードコート層9を形成する。例えばカバー層8上にハードコート層用紫外線硬化型樹脂を滴下しスピンコート法により展延する。そして紫外線を照射して硬化させ、ハードコート層9を形成する。なお、ハードコート層9については形成しない場合もある。
さらにステップF107として、レーベル面側(情報読出面の反対面側)に防湿膜10を形成する。なお、防湿膜10を形成しない場合もある。
そしてこのように層構造が形成されたディスク基板(L0層基板1)に対して、最後にステップF108でレーベル面側に印刷が行われる。例えばオフセット印刷として、レーベル面側の全面にホワイトコートを施した上に例えばカラー印刷を行い、印刷層11を形成する。
その後、検査を経て光ディスクの完成となる。
【0019】
以上のような基板成形からディスク完成までの全工程のうちで、本例ではステップF103のスペーサ層・L1層の形成工程において、L1ピットパターン6の転写後のスタンパ剥離を無理なく容易に実行できるようにしている。
このスペーサ層・L1層の形成工程としての詳細な工程を図4に示し、図5〜図8を参照しながら説明する。
【0020】
スペーサ層・L1層形成工程では、図4に示すように樹脂展延工程(F201)、部分硬化工程(F202)、転写工程(F203,F204,F205)、剥離工程(F206,F207)が行われる。
【0021】
まずステップF201の樹脂展延工程では、上記図2(c)(d)のようにL0層反射膜4が形成されたL0層基板1に対して、そのL0層反射膜4上にスペーサ層用紫外線硬化型樹脂を滴下し、スピンコート法により展延させる。
図5(a)は、回転テーブル200に載置されたL0層基板1を示している。L0層基板1はセンターホール2が回転テーブル200上のセンターピン201に嵌め込まれるように載置される。そしてこの状態で、図示しないノズルからL0層基板1上に紫外線硬化型樹脂20が滴下され、回転テーブル200が高速回転されることで、紫外線硬化型樹脂20が図のようにL0層基板1上に展延されることになる。
【0022】
このように未硬化の紫外線硬化型樹脂20が展延された状態で、ステップF202の部分硬化工程が行われる。
図5(a)のように、UV装置202から光ファイバ203によって、L0層基板1のセンターホール2の近辺に対して紫外線がスポット照射される。光ファイバ203から紫外線が出射されるとともに、回転テーブル200が回転されることで、図5(b)のように、センターホール2の周囲のリング状の領域として、紫外線硬化型樹脂20が硬化された転写前硬化部20Aが形成される。
なお、図5(a)(b)においてインフォメーションエリアIAを示しているが、このインフォメーションエリアIAはピットパターン6が転写される領域、即ち内周側から外周側に向かってリードインエリア、データエリア、リードアウトエリアとされる領域である。転写前硬化部20Aとしては、少なくともこのインフォメーションエリアIA以外に形成される。即ちセンターホール2の周囲として、インフォメーションエリアIAに達しない半径範囲において紫外線照射を行って転写前硬化部20Aを形成する。
また、リードインエリアより内周側にBCA(Burst Cutting Area)を形成する場合もあるが、その場合、BCAよりも内周側となる範囲に転写前硬化部20Aを形成する。
【0023】
さらにいえば、転写前硬化部20Aとしての径範囲は、図6に示すL1層スタンパ303のセンターホール303aの径よりも広い範囲まで達するようにする。
図5(b)のように、L0層基板1のセンターホール2の直径を「B」、転写前硬化部20Aとしての直径を「C」とすると、半径方向にみて、(B/2)から(C/2)の範囲で図5(a)のような紫外線スポット照射を行うことで、直径Cの転写前硬化部20Aが形成されるが、この転写前硬化部20Aとしての直径Cは、図6に示すL1層スタンパ303のセンターホール303aの直径を「A」としたときにC>Aとなるようにする。
【0024】
部分硬化工程により転写前硬化部20Aを形成したら、続いて転写工程に移る。転写工程では、ステップF203で、ガラステーブル上にL0層基板1を載置する。そしてステップF204でL1層スタンパをL0層基板1上の樹脂展延面に押し当て、ステップF205で紫外線硬化型樹脂20の全面に紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂20を硬化させる。
【0025】
この転写工程の様子を図6に示す。ガラステーブル300上にL0層基板1が載置される。このとき、紫外線硬化型樹脂20が展延された面が、ガラステーブル300上で上向きになるように載置される。
ガラステーブル300の上方には、図示しない機構によりエジェクタ302及びスタンパテーブル301が上昇/下降方向に移動可能に配置されている。スタンパテーブル301の下面側には、L1層のピットパターンが形成されたL1層スタンパ303が例えば吸着固定されて取り付けられている。
そして、ガラステーブル300上に載置されたL0層基板1に対して、エジェクタ302及びスタンパテーブル301が下降される。これにより図のように、エジェクタ302がL0層基板1のセンターホール2の周囲部分に押し当てられ、また、L1層スタンパ303が紫外線硬化型樹脂20の層に押し当てられる。
この例では、L0層基板1のセンターホール2の直径Bに対して、L1層スタンパ303のセンターホール303aの直径Aが大きい場合を示している。
ここで上記のように、L0層基板1のセンターホール2の周囲に形成された転写前硬化部20Aとしての直径Cは、L1層スタンパ303のセンターホール303aの直径Aより大きくされている。従って、エジェクタ302の下面と、L1層スタンパ303のセンターホール303aの周囲の最内周部分は、転写前硬化部20Aに当接されることになる。
【0026】
このようにL1層スタンパ303が紫外線硬化型樹脂20の樹脂層に押し当てられた状態で、ガラステーブル300の下方に配置された紫外線照射装置304から紫外線を照射する。紫外線はガラステーブル300とL0層基板1を透過して紫外線硬化型樹脂20の樹脂層に達し、転写前硬化部20A以外は未硬化の状態である紫外線硬化型樹脂20を硬化させる。
紫外線照射により紫外線硬化型樹脂20が全域にわたって硬化されることで、L0層基板1上にスペーサ層とL1層が形成された状態となる。即ち硬化した紫外線硬化型樹脂20が図3(a)に示したスペーサ層5となり、そのL1層スタンパ303が圧接されている、硬化された紫外線硬化型樹脂20の表面は、L1ピットパターン6としての凹凸形状となっている。
【0027】
紫外線硬化型樹脂20の硬化を終えたら、続いてL1層スタンパ303を剥離する剥離工程に移る。剥離工程では、ステップF206で、エジェクタ302によりL0層基板1を押さえながらL1層スタンパ303を持ち上げ、L0層基板1とL1層スタンパ303の間に隙間を作る。そしてステップF207で、隙間からエアブロウを行い、L1層スタンパ303を剥離する。
この剥離工程の様子を図7,図8に示す。
図7は、スタンパテーブル301の上昇を開始させたときの様子を示している。なお説明のため、L0層基板1の変形を極端に示している。
エジェクタ302でL0層基板1が押さえられた状態でスタンパテーブル301を上昇させることで、L1層スタンパ303がL0層基板1から剥がされていく方向に力が働く。このとき、転写工程で硬化された樹脂層とL1層スタンパ303の間の接着力により、容易には剥がれない。
しかしながら、本例の場合、L1層スタンパ303の最内周部分は、転写前硬化部20Aに接しているため、L1層スタンパ303の最内周部分は樹脂層に貼り付いていない。
このため図7のようにスタンパテーブル301を上昇させると、L1層スタンパ303の最内周部分と転写前硬化部20Aの界面に自然に隙間が発生する。そこで、その隙間からエアブロウを行いながら、スタンパテーブル301を上昇させていく。エジェクタ302には、L0層基板1を押さえつける先端付近にエア送出孔が設けられており、図中破線のように隙間部分にエアが吹き付けられる。このエアブロウによって隙間が押し広げられながら、L1層スタンパ303が上昇されていくことで、L1層スタンパ303と硬化された樹脂層との剥離が良好に進み、図8のようにL1層スタンパ303の剥離が完了した状態となる。
【0028】
以上の工程で、スペーサ層・L1層形成工程が完了し、図3(a)の状態のディスク基板が形成されたことになる。
この後、図1のステップF104以降の工程に進み、上述したように光ディスクが製造される。
【0029】
以上の説明からわかるように、L0層基板1の紫外線硬化型樹脂20に予め部分的に転写前硬化部20Aを生成しておくことで、L1層スタンパ303で凹凸パターンを転写する転写工程の後、L1層スタンパ303を剥離する方向に移動させると、転写前硬化部の界面とL1層スタンパ303の間に自然に隙間ができる。このため、その隙間部分をきっかけとして、エアブローを行うことで、容易に無理なくL1層スタンパ303の剥離を行うことができる。そしてこのため、隙間部分を形成するために例えば楔やピンでこじ開けるような動作をすることなく、隙間部分の損傷や樹脂や基板の削り屑の発生を防ぐことができ、結果として品質のよい光ディスクを製造できる。
【0030】
ところで上記例は、L1層スタンパ303のセンターホール303aの直径が、L0層基板1のセンターホール2の直径よりも大きい場合について、剥離の際の様子を述べた。ところが実際の製造工程では、L1層スタンパ303のセンターホール303aの直径が、L0層基板1のセンターホール303aの直径より小さい場合や、或いはこれらが同じ直径となる場合もある。これらの場合も、紫外線硬化型樹脂20の一部に転写前硬化部20Aを形成しておくことで、スタンパ剥離を容易化できることは同様であるが、それらの様子を説明しておく。
【0031】
図9,図10,図11は、L1層スタンパ303のセンターホール303aの直径Aが、L0層基板1のセンターホール2の直径Bより小さい場合を示している。
この場合、2段式センターピン305によりL1層スタンパ303を昇降させる機構が採用できる。
2段式センターピン305は、細径部305bと太径部305cを有し、その細径部305bと太径部305cの間に段差部303aが形成されている。そしてこの2段式センターピン305は、その太径部305cがガラステーブル300の中心を挿通する状態とされている。太径部305cは、L0層基板1のセンターホール2に挿通可能な径とされ、細径部305bは、L1層スタンパ303のセンターホール303aに挿通可能な径とされている。
【0032】
L0層基板1は、そのセンターホール2に2段式センターピン305の太径部305cが挿通する状態でガラステーブル300上に載置される。
そして、上方からスタンパテーブル301に吸着固定されたL1層スタンパ303が図のように押し当てられる。L1層スタンパ303のセンターホール303aは細径部305bが挿通可能であり、このためL1層スタンパ303のセンターホール303aの周囲の最内周部分は段差部303aに載った状態となっている。
L0層基板1のセンターホール2の周囲には、転写前硬化部20Aが形成されており、L1層スタンパ303の最内周部分は、段差部303aに続いて、転写前硬化部20Aに当接することになる。
【0033】
図9のようにL1層スタンパ303が紫外線硬化型樹脂20の層に押し当てられた状態で、紫外線照射装置304からの紫外線照射により紫外線硬化型樹脂20が全域にわたって硬化される。
紫外線硬化型樹脂20の硬化を終えたら、続いてL1層スタンパ303を剥離するが、この場合、図10のように2段式センターピン305を上方に押し上げる。すると段差部303により、L1層スタンパ303とスタンパテーブル301が上方に押し上げられることになる。
そしてL1層スタンパ303において、転写前硬化部20Aに接している部分は、樹脂層との間で接着力が生じていないため、押し上げられた際に自然に隙間が生ずる。そこで、図のように段差部303aの近辺に設けられたエア送出孔から、隙間にエアを吹き込んでいく。
このようにエアブロウを行いながら2段式センターピン305を上方に押し上げていくことで、図11のようにL1層スタンパ303が適切に剥離される。
【0034】
なお、上述のように転写前硬化部20Aの直径Cは、L1層スタンパ303のセンターホール303aの直径Aより大きければよい。この例の場合、L1層スタンパ303のセンターホール303aの直径Aは、L0層基板1のセンターホール2の直径Bより小さいため、転写前硬化部20Aを形成すると、その直径Cは必ず直径Aより大きくなる。このことから、転写前硬化部20Aとしての、図5(a)のようにして硬化する範囲を、上記図6の場合よりも小さくしてもかまわない。
【0035】
図12,図13,図14は、L1層スタンパ303のセンターホール303aの直径Aと、L0層基板1のセンターホール2の直径Bとが同じ場合を示している。
この場合、センターピン307に沿ってスタンパテーブル301が昇降する機構が採用できる。
センターピン307は、L1層スタンパ303のセンターホール303aと、L0層基板1のセンターホール2が挿通可能な径とされている。このセンターピン307はガラステーブル300の中心を挿通する状態で取り付けられており、L0層基板1は、そのセンターホール2にセンターピン307が挿通する状態でガラステーブル300上に載置される。そして、上方からスタンパテーブル301に吸着固定されたL1層スタンパ303が図のように押し当てられる。スタンパテーブル301は、その中心にセンターピン307に挿通される状態で、図示しない昇降機構により昇降される。
L0層基板1のセンターホール2の周囲には、転写前硬化部20Aが形成されているため、紫外線硬化型樹脂20の層に押し付けられたL1層スタンパ303の最内周部分は、転写前硬化部20Aに当接することになる。
【0036】
図12のようにL1層スタンパ303が紫外線硬化型樹脂20の層に押し当てられた状態で、紫外線照射装置304からの紫外線照射により紫外線硬化型樹脂20が全域にわたって硬化される。
紫外線硬化型樹脂20の硬化を終えたら、続いてL1層スタンパ303を剥離するが、この場合、まずスタンパテーブル301にL1層スタンパ303の吸着を停止させてスタンパテーブル301のみを上方に移動させる。
次に、図13に示すようなバキュームチャック用吸盤309を備えたスタンパ搬送アーム308を位置させ、バキュームチャック用吸盤309をL1層スタンパ303のセンターホール303a付近に吸着させる。そしてスタンパ搬送アーム308を上方に押し上げる。
このとき、L1層スタンパ303において転写前硬化部20Aに接している部分は、樹脂層との間で接着力が生じていないため、スタンパ搬送アーム308によってセンターホール303a近辺が引き上げられた際に自然に隙間が生ずる。そこで、図のようにセンターピン307の所定位置に設けられたエア送出孔から、隙間にエアを吹き込んでいく。
このようにエアブロウを行いながらスタンパ搬送アーム308によりL1層スタンパ303を上方に引き上げていくことで、図14のようにL1層スタンパ303が適切に剥離される。
この場合も、転写前硬化部20Aを形成すると、その直径Cは必ずL1層スタンパ303のセンターホール303aの直径Aより大きくなる。このことから、転写前硬化部20Aとしての、図5(a)のようにして硬化する範囲を、上記図6の場合よりも小さくしてもかまわない。
【0037】
以上、実施の形態を説明してきたが、本発明は上記例に限られず適用できる。実施の形態では再生専用の2層ディスクの製造工程を例に挙げたが、もちろん1層ディスクや、3層以上の記録層を有するディスクの製造工程であっても、適切なスタンパ剥離を行う手法として本発明を適用できる。さらにはスタンパ転写によってグルーブパターンを形成するリライタブルタイプやライトワンスタイプのディスクの製造工程においても本発明は好適である。
また光ディスクの種別として、ブルーレイディスク、DVD(Digital Versatile Disc)方式のディスク、CD(Compact Disc)方式のディスクなど、多様なディスクの製造に本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態のディスク製造工程のフローチャートである。
【図2】実施の形態の製造工程上の基板の説明図である。
【図3】実施の形態の製造工程上の基板の説明図である。
【図4】実施の形態のスペーサ層・L1層形成工程のフローチャートである。
【図5】実施の形態の部分硬化工程の説明図である。
【図6】実施の形態の転写工程の説明図である。
【図7】実施の形態の剥離工程の説明図である。
【図8】実施の形態の剥離工程の説明図である。
【図9】実施の形態の他の転写工程の説明図である。
【図10】実施の形態の他の剥離工程の説明図である。
【図11】実施の形態の他の剥離工程の説明図である。
【図12】実施の形態のさらに他の転写工程の説明図である。
【図13】実施の形態のさらに他の剥離工程の説明図である。
【図14】実施の形態のさらに他の剥離工程の説明図である。
【符号の説明】
【0039】
1 L0層基板、2 センターホール、3 L0ピットパターン、4 L0層反射膜、5 スペーサ層、6 L1ピットパターン、7 L1層反射膜、8 カバー層、20 紫外線硬化型樹脂、20A 転写前硬化部、303 L1層スタンパ
【技術分野】
【0001】
本発明はディスク製造方法と、そのディスク製造方法で製造された光ディスクに関する。
【背景技術】
【0002】
【特許文献1】特許第3681353号公報
【特許文献2】特許第3232665号公報
【0003】
光ディスクの製造工程においては、ディスク基板上に展延させた光反応型樹脂層に対してスタンパを押し当て、光反応型樹脂層を硬化させることで、スタンパに形成したピットパターンやグルーブパターン等の凹凸パターンを転写することが行われている。
上記特許文献1,2には、このような転写を行った際に、スタンパをディスク基板側から剥離させる技術が開示されている。
例えば特許文献1には、スタンパと硬化樹脂の界面に楔を打ち込み、できた隙間にエアを注入することが記載されている。
また特許文献2には、センターピンによりディスク基板をスタンパから剥離する方向に押し上げながらセンターピンのブロー穴からエアを噴出させる手法が記載されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、楔による隙間形成を行う手法では、隙間となった部分を楔で傷つけることや、接触部で樹脂や基板の削り屑の発生による不純物混入による不良の発生など不具合も多い。
また楔を用いないセンターピン等で剥離方向に力を与えて隙間を作る場合でも、隙間を作るきっかけとなる部分にダメージを与えることが多い。
【0005】
そこで本発明は、これらの問題を生じさせずに、良好にスタンパの剥離を行うことのできる技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のディスク製造方法は、ディスク基板を成形する基板成形工程と、上記ディスク基板上に光反応型樹脂を展延する樹脂展延工程と、上記ディスク基板上において凹凸パターン転写領域以外の一部又は全部において上記光反応型樹脂を硬化させ転写前硬化部を形成する部分硬化工程と、上記ディスク基板上に展延された上記光反応型樹脂に対してスタンパを重ね合わせ、上記光反応型樹脂を硬化させて、上記スタンパに形成された凹凸パターンを転写する転写工程と、上記転写前硬化部と上記スタンパとが当接している部分を起点として上記スタンパを剥離する剥離工程とを備える。
また、上記部分硬化工程では、上記ディスク基板のセンターホール近辺のみの光反応型樹脂を硬化させ、上記センターホール周囲に上記転写前硬化部を形成する。
また上記部分硬化工程では、上記ディスク基板のセンターホール周囲であって上記スタンパのセンターホールより広い範囲において光反応型樹脂を硬化させ、上記転写前硬化部を形成する。
また上記光反応型樹脂は、紫外線硬化型樹脂である。
また上記剥離工程では、上記スタンパと上記ディスク基板とを離間させる際に、上記転写前硬化部と上記スタンパとが当接している部分に生じる隙間からエアブローを行う。
【0007】
本発明の光ディスクは、ディスク基板上に光反応型樹脂を展延し、上記ディスク基板上において凹凸パターン転写領域以外の一部又は全部において上記光反応型樹脂を硬化させ転写前硬化部を形成し、上記ディスク基板上に展延された上記光反応型樹脂に対してスタンパを重ね合わせ、上記光反応型樹脂を硬化させて、上記スタンパに形成された凹凸パターンを転写し、上記転写前硬化部と上記スタンパとが当接している部分を起点として上記スタンパを剥離し、上記凹凸パターンが転写された樹脂層を有するディスク基板に所定の層構造を形成して製造された光ディスクである。
【0008】
即ち本発明では、スタンパを用いてピットパターン等の凹凸パターンをディスク基板に転写する工程において、転写後、ディスク基板上の硬化された樹脂からのスタンパ剥離を良好に行うため、転写工程に先立って、予め剥離開始部位の樹脂を硬化して転写前硬化部を形成しておく。
転写工程では、スタンパが圧着された状態で樹脂層が硬化されて凹凸パターンの転写が行われ、このため樹脂層とスタンパは或る程度の強度で貼り付いた状態となるが、転写前硬化部については、予め硬化されているため、スタンパと貼り付く状態とはならない。
このため、転写後にスタンパを剥離する方向にスタンパを押し上げる際に、転写前硬化部とスタンパの界面に自然に隙間ができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、ディスク基板上の樹脂層に予め部分的に転写前硬化部を生成しておくことで、凹凸パターンの転写後、ディスク基板からスタンパを剥離する方向にスタンパ或いはディスク基板を移動させる際、転写前硬化部とスタンパの界面に自然に隙間ができる。このため、その隙間部分をきっかけとして、例えばエアブローを行うことで、容易に無理なくスタンパの剥離を行うことができる。
そしてこのため、隙間部分を形成するために例えば楔やピンでこじ開けるような動作は不要であるため、隙間部分を傷つけたり、樹脂や基板の削り屑が発生するということもなく、結果として品質のよい光ディスクを製造できることになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明のディスク製造方法の実施の形態を説明する。図1は実施の形態のディスク製造の際の全体的な工程を示している。まず図1の全体的な工程を図2,図3を参照しながら説明する。
なお、実施の形態では、記録層として、L0層、L1層の2つを有する再生専用型の2層ディスクの製造について述べる。また2層ディスクの製造の際には、予めL0層に記録する情報としてのピットパターンを有するディスク原盤と、L1層に記録する情報としてのピットパターンを有するディスク原盤とが作成され、各ディスク原盤から、L0層の形成のためのスタンパ(以下、L0層スタンパ)と、L1層の形成のためのスタンパ(以下、L1層スタンパ)が作成される。
図1のディスク製造工程は、L0層スタンパ、L1層スタンパを用いて、光ディスクを製造していく工程である。
【0011】
本例の光ディスク製造方法においては、まずステップF101でL0層基板成型が行われる。例えばポリカーボネート樹脂の射出成形によりディスク基板を成形する。ここで成形されるディスク基板はL0層としてのピットパターンが形成されるものであり、以下、L0層基板1と呼ぶ。
図2(a)はL0層基板1を成形する金型を概略的に示している。この金型は、下キャビティ120と上キャビティ121から成り、下キャビティ120には、L0層の情報ピットを転写するためのL0層スタンパ104が配置される。スタンパ104には、情報ピットの凹凸パターン104aが形成されている。
【0012】
なお、再生専用ディスクの製造工程では、エンボスピットとして情報ピットの凹凸パターン104aを形成したL0層スタンパ104が配置されるが、記録可能型ディスク(例えばライトワンスディスクやリライタブルディスク)の製造工程では、記録トラックとなるグルーブ(ウォブリンググルーブ)を形成するための凹凸パターンが形成されたスタンパが配置されることになる。
【0013】
このような金型を用いて射出成形でL0層基板1を成形するが、成形されるL0層基板1は図2(b)のようになる。
即ちポリカーボネート樹脂によるL0層基板1は、その中心はセンターホール2とされるとともに、情報読出面側は、金型内のL0層スタンパ104に形成された凹凸パターン104aが転写されたL0層の情報ピットパターン(L0ピットパターン3)となる。
なお、ライトワンスディスクやリライタブルディスクの製造の場合は、情報ピットではなく、グルーブ(連続溝)が形成されることになる。
【0014】
続いてステップF102で、このように形成されたL0層基板1に対してスパッタにより反射膜(L0層反射膜4)の成膜が行われる。即ち図2(c)(d)に示すように、L0ピットパターン3が形成された信号読出面側に例えばAg合金のL0反射膜4を形成する。
【0015】
次にステップF103で、スペーサ層・L1層の形成が行われる。
このスペーサ層・L1層形成工程は、本例の特徴的な工程となるため、図4以降で詳しく述べるが、基本的には、図2(c)のようにL0層反射膜4が形成された基板面に、紫外線硬化型樹脂がスピンコートにより展延され、L1層スタンパが押し当てられながら樹脂硬化が行われる。そしてL1層スタンパが剥離されることで、図3(a)のようにL0層基板1上に、スペーサ層3と、L1層の情報ピットパターン(L1ピットパターン6)が形成されるものである。
【0016】
次にステップF104としてL1層反射膜7が成膜される。
即ち図3(b)(c)に示すように、スペーサ層3とL1ピットパターン6が形成されたL0層基板1に対して、そのL1ピットパターン6上にスパッタにより半透過反射膜(L1層反射膜7)の成膜が行われる。
【0017】
次にステップF105で、図3(d)のように光透過層(カバー層ともいう)8を形成する。例えばカバー層用の紫外線硬化型樹脂をスピンコート手法により展延し、紫外線照射を行って硬化させ、カバー層8を形成する。なお、ポリカーボネートシートの接着などの手法によりカバー層8を形成することもできる。
【0018】
その後、ステップF106,F107,F108で図3(e)の状態とする。
即ちステップF106で、信号読出面側の表面処理としてハードコート層9を形成する。例えばカバー層8上にハードコート層用紫外線硬化型樹脂を滴下しスピンコート法により展延する。そして紫外線を照射して硬化させ、ハードコート層9を形成する。なお、ハードコート層9については形成しない場合もある。
さらにステップF107として、レーベル面側(情報読出面の反対面側)に防湿膜10を形成する。なお、防湿膜10を形成しない場合もある。
そしてこのように層構造が形成されたディスク基板(L0層基板1)に対して、最後にステップF108でレーベル面側に印刷が行われる。例えばオフセット印刷として、レーベル面側の全面にホワイトコートを施した上に例えばカラー印刷を行い、印刷層11を形成する。
その後、検査を経て光ディスクの完成となる。
【0019】
以上のような基板成形からディスク完成までの全工程のうちで、本例ではステップF103のスペーサ層・L1層の形成工程において、L1ピットパターン6の転写後のスタンパ剥離を無理なく容易に実行できるようにしている。
このスペーサ層・L1層の形成工程としての詳細な工程を図4に示し、図5〜図8を参照しながら説明する。
【0020】
スペーサ層・L1層形成工程では、図4に示すように樹脂展延工程(F201)、部分硬化工程(F202)、転写工程(F203,F204,F205)、剥離工程(F206,F207)が行われる。
【0021】
まずステップF201の樹脂展延工程では、上記図2(c)(d)のようにL0層反射膜4が形成されたL0層基板1に対して、そのL0層反射膜4上にスペーサ層用紫外線硬化型樹脂を滴下し、スピンコート法により展延させる。
図5(a)は、回転テーブル200に載置されたL0層基板1を示している。L0層基板1はセンターホール2が回転テーブル200上のセンターピン201に嵌め込まれるように載置される。そしてこの状態で、図示しないノズルからL0層基板1上に紫外線硬化型樹脂20が滴下され、回転テーブル200が高速回転されることで、紫外線硬化型樹脂20が図のようにL0層基板1上に展延されることになる。
【0022】
このように未硬化の紫外線硬化型樹脂20が展延された状態で、ステップF202の部分硬化工程が行われる。
図5(a)のように、UV装置202から光ファイバ203によって、L0層基板1のセンターホール2の近辺に対して紫外線がスポット照射される。光ファイバ203から紫外線が出射されるとともに、回転テーブル200が回転されることで、図5(b)のように、センターホール2の周囲のリング状の領域として、紫外線硬化型樹脂20が硬化された転写前硬化部20Aが形成される。
なお、図5(a)(b)においてインフォメーションエリアIAを示しているが、このインフォメーションエリアIAはピットパターン6が転写される領域、即ち内周側から外周側に向かってリードインエリア、データエリア、リードアウトエリアとされる領域である。転写前硬化部20Aとしては、少なくともこのインフォメーションエリアIA以外に形成される。即ちセンターホール2の周囲として、インフォメーションエリアIAに達しない半径範囲において紫外線照射を行って転写前硬化部20Aを形成する。
また、リードインエリアより内周側にBCA(Burst Cutting Area)を形成する場合もあるが、その場合、BCAよりも内周側となる範囲に転写前硬化部20Aを形成する。
【0023】
さらにいえば、転写前硬化部20Aとしての径範囲は、図6に示すL1層スタンパ303のセンターホール303aの径よりも広い範囲まで達するようにする。
図5(b)のように、L0層基板1のセンターホール2の直径を「B」、転写前硬化部20Aとしての直径を「C」とすると、半径方向にみて、(B/2)から(C/2)の範囲で図5(a)のような紫外線スポット照射を行うことで、直径Cの転写前硬化部20Aが形成されるが、この転写前硬化部20Aとしての直径Cは、図6に示すL1層スタンパ303のセンターホール303aの直径を「A」としたときにC>Aとなるようにする。
【0024】
部分硬化工程により転写前硬化部20Aを形成したら、続いて転写工程に移る。転写工程では、ステップF203で、ガラステーブル上にL0層基板1を載置する。そしてステップF204でL1層スタンパをL0層基板1上の樹脂展延面に押し当て、ステップF205で紫外線硬化型樹脂20の全面に紫外線を照射し、紫外線硬化型樹脂20を硬化させる。
【0025】
この転写工程の様子を図6に示す。ガラステーブル300上にL0層基板1が載置される。このとき、紫外線硬化型樹脂20が展延された面が、ガラステーブル300上で上向きになるように載置される。
ガラステーブル300の上方には、図示しない機構によりエジェクタ302及びスタンパテーブル301が上昇/下降方向に移動可能に配置されている。スタンパテーブル301の下面側には、L1層のピットパターンが形成されたL1層スタンパ303が例えば吸着固定されて取り付けられている。
そして、ガラステーブル300上に載置されたL0層基板1に対して、エジェクタ302及びスタンパテーブル301が下降される。これにより図のように、エジェクタ302がL0層基板1のセンターホール2の周囲部分に押し当てられ、また、L1層スタンパ303が紫外線硬化型樹脂20の層に押し当てられる。
この例では、L0層基板1のセンターホール2の直径Bに対して、L1層スタンパ303のセンターホール303aの直径Aが大きい場合を示している。
ここで上記のように、L0層基板1のセンターホール2の周囲に形成された転写前硬化部20Aとしての直径Cは、L1層スタンパ303のセンターホール303aの直径Aより大きくされている。従って、エジェクタ302の下面と、L1層スタンパ303のセンターホール303aの周囲の最内周部分は、転写前硬化部20Aに当接されることになる。
【0026】
このようにL1層スタンパ303が紫外線硬化型樹脂20の樹脂層に押し当てられた状態で、ガラステーブル300の下方に配置された紫外線照射装置304から紫外線を照射する。紫外線はガラステーブル300とL0層基板1を透過して紫外線硬化型樹脂20の樹脂層に達し、転写前硬化部20A以外は未硬化の状態である紫外線硬化型樹脂20を硬化させる。
紫外線照射により紫外線硬化型樹脂20が全域にわたって硬化されることで、L0層基板1上にスペーサ層とL1層が形成された状態となる。即ち硬化した紫外線硬化型樹脂20が図3(a)に示したスペーサ層5となり、そのL1層スタンパ303が圧接されている、硬化された紫外線硬化型樹脂20の表面は、L1ピットパターン6としての凹凸形状となっている。
【0027】
紫外線硬化型樹脂20の硬化を終えたら、続いてL1層スタンパ303を剥離する剥離工程に移る。剥離工程では、ステップF206で、エジェクタ302によりL0層基板1を押さえながらL1層スタンパ303を持ち上げ、L0層基板1とL1層スタンパ303の間に隙間を作る。そしてステップF207で、隙間からエアブロウを行い、L1層スタンパ303を剥離する。
この剥離工程の様子を図7,図8に示す。
図7は、スタンパテーブル301の上昇を開始させたときの様子を示している。なお説明のため、L0層基板1の変形を極端に示している。
エジェクタ302でL0層基板1が押さえられた状態でスタンパテーブル301を上昇させることで、L1層スタンパ303がL0層基板1から剥がされていく方向に力が働く。このとき、転写工程で硬化された樹脂層とL1層スタンパ303の間の接着力により、容易には剥がれない。
しかしながら、本例の場合、L1層スタンパ303の最内周部分は、転写前硬化部20Aに接しているため、L1層スタンパ303の最内周部分は樹脂層に貼り付いていない。
このため図7のようにスタンパテーブル301を上昇させると、L1層スタンパ303の最内周部分と転写前硬化部20Aの界面に自然に隙間が発生する。そこで、その隙間からエアブロウを行いながら、スタンパテーブル301を上昇させていく。エジェクタ302には、L0層基板1を押さえつける先端付近にエア送出孔が設けられており、図中破線のように隙間部分にエアが吹き付けられる。このエアブロウによって隙間が押し広げられながら、L1層スタンパ303が上昇されていくことで、L1層スタンパ303と硬化された樹脂層との剥離が良好に進み、図8のようにL1層スタンパ303の剥離が完了した状態となる。
【0028】
以上の工程で、スペーサ層・L1層形成工程が完了し、図3(a)の状態のディスク基板が形成されたことになる。
この後、図1のステップF104以降の工程に進み、上述したように光ディスクが製造される。
【0029】
以上の説明からわかるように、L0層基板1の紫外線硬化型樹脂20に予め部分的に転写前硬化部20Aを生成しておくことで、L1層スタンパ303で凹凸パターンを転写する転写工程の後、L1層スタンパ303を剥離する方向に移動させると、転写前硬化部の界面とL1層スタンパ303の間に自然に隙間ができる。このため、その隙間部分をきっかけとして、エアブローを行うことで、容易に無理なくL1層スタンパ303の剥離を行うことができる。そしてこのため、隙間部分を形成するために例えば楔やピンでこじ開けるような動作をすることなく、隙間部分の損傷や樹脂や基板の削り屑の発生を防ぐことができ、結果として品質のよい光ディスクを製造できる。
【0030】
ところで上記例は、L1層スタンパ303のセンターホール303aの直径が、L0層基板1のセンターホール2の直径よりも大きい場合について、剥離の際の様子を述べた。ところが実際の製造工程では、L1層スタンパ303のセンターホール303aの直径が、L0層基板1のセンターホール303aの直径より小さい場合や、或いはこれらが同じ直径となる場合もある。これらの場合も、紫外線硬化型樹脂20の一部に転写前硬化部20Aを形成しておくことで、スタンパ剥離を容易化できることは同様であるが、それらの様子を説明しておく。
【0031】
図9,図10,図11は、L1層スタンパ303のセンターホール303aの直径Aが、L0層基板1のセンターホール2の直径Bより小さい場合を示している。
この場合、2段式センターピン305によりL1層スタンパ303を昇降させる機構が採用できる。
2段式センターピン305は、細径部305bと太径部305cを有し、その細径部305bと太径部305cの間に段差部303aが形成されている。そしてこの2段式センターピン305は、その太径部305cがガラステーブル300の中心を挿通する状態とされている。太径部305cは、L0層基板1のセンターホール2に挿通可能な径とされ、細径部305bは、L1層スタンパ303のセンターホール303aに挿通可能な径とされている。
【0032】
L0層基板1は、そのセンターホール2に2段式センターピン305の太径部305cが挿通する状態でガラステーブル300上に載置される。
そして、上方からスタンパテーブル301に吸着固定されたL1層スタンパ303が図のように押し当てられる。L1層スタンパ303のセンターホール303aは細径部305bが挿通可能であり、このためL1層スタンパ303のセンターホール303aの周囲の最内周部分は段差部303aに載った状態となっている。
L0層基板1のセンターホール2の周囲には、転写前硬化部20Aが形成されており、L1層スタンパ303の最内周部分は、段差部303aに続いて、転写前硬化部20Aに当接することになる。
【0033】
図9のようにL1層スタンパ303が紫外線硬化型樹脂20の層に押し当てられた状態で、紫外線照射装置304からの紫外線照射により紫外線硬化型樹脂20が全域にわたって硬化される。
紫外線硬化型樹脂20の硬化を終えたら、続いてL1層スタンパ303を剥離するが、この場合、図10のように2段式センターピン305を上方に押し上げる。すると段差部303により、L1層スタンパ303とスタンパテーブル301が上方に押し上げられることになる。
そしてL1層スタンパ303において、転写前硬化部20Aに接している部分は、樹脂層との間で接着力が生じていないため、押し上げられた際に自然に隙間が生ずる。そこで、図のように段差部303aの近辺に設けられたエア送出孔から、隙間にエアを吹き込んでいく。
このようにエアブロウを行いながら2段式センターピン305を上方に押し上げていくことで、図11のようにL1層スタンパ303が適切に剥離される。
【0034】
なお、上述のように転写前硬化部20Aの直径Cは、L1層スタンパ303のセンターホール303aの直径Aより大きければよい。この例の場合、L1層スタンパ303のセンターホール303aの直径Aは、L0層基板1のセンターホール2の直径Bより小さいため、転写前硬化部20Aを形成すると、その直径Cは必ず直径Aより大きくなる。このことから、転写前硬化部20Aとしての、図5(a)のようにして硬化する範囲を、上記図6の場合よりも小さくしてもかまわない。
【0035】
図12,図13,図14は、L1層スタンパ303のセンターホール303aの直径Aと、L0層基板1のセンターホール2の直径Bとが同じ場合を示している。
この場合、センターピン307に沿ってスタンパテーブル301が昇降する機構が採用できる。
センターピン307は、L1層スタンパ303のセンターホール303aと、L0層基板1のセンターホール2が挿通可能な径とされている。このセンターピン307はガラステーブル300の中心を挿通する状態で取り付けられており、L0層基板1は、そのセンターホール2にセンターピン307が挿通する状態でガラステーブル300上に載置される。そして、上方からスタンパテーブル301に吸着固定されたL1層スタンパ303が図のように押し当てられる。スタンパテーブル301は、その中心にセンターピン307に挿通される状態で、図示しない昇降機構により昇降される。
L0層基板1のセンターホール2の周囲には、転写前硬化部20Aが形成されているため、紫外線硬化型樹脂20の層に押し付けられたL1層スタンパ303の最内周部分は、転写前硬化部20Aに当接することになる。
【0036】
図12のようにL1層スタンパ303が紫外線硬化型樹脂20の層に押し当てられた状態で、紫外線照射装置304からの紫外線照射により紫外線硬化型樹脂20が全域にわたって硬化される。
紫外線硬化型樹脂20の硬化を終えたら、続いてL1層スタンパ303を剥離するが、この場合、まずスタンパテーブル301にL1層スタンパ303の吸着を停止させてスタンパテーブル301のみを上方に移動させる。
次に、図13に示すようなバキュームチャック用吸盤309を備えたスタンパ搬送アーム308を位置させ、バキュームチャック用吸盤309をL1層スタンパ303のセンターホール303a付近に吸着させる。そしてスタンパ搬送アーム308を上方に押し上げる。
このとき、L1層スタンパ303において転写前硬化部20Aに接している部分は、樹脂層との間で接着力が生じていないため、スタンパ搬送アーム308によってセンターホール303a近辺が引き上げられた際に自然に隙間が生ずる。そこで、図のようにセンターピン307の所定位置に設けられたエア送出孔から、隙間にエアを吹き込んでいく。
このようにエアブロウを行いながらスタンパ搬送アーム308によりL1層スタンパ303を上方に引き上げていくことで、図14のようにL1層スタンパ303が適切に剥離される。
この場合も、転写前硬化部20Aを形成すると、その直径Cは必ずL1層スタンパ303のセンターホール303aの直径Aより大きくなる。このことから、転写前硬化部20Aとしての、図5(a)のようにして硬化する範囲を、上記図6の場合よりも小さくしてもかまわない。
【0037】
以上、実施の形態を説明してきたが、本発明は上記例に限られず適用できる。実施の形態では再生専用の2層ディスクの製造工程を例に挙げたが、もちろん1層ディスクや、3層以上の記録層を有するディスクの製造工程であっても、適切なスタンパ剥離を行う手法として本発明を適用できる。さらにはスタンパ転写によってグルーブパターンを形成するリライタブルタイプやライトワンスタイプのディスクの製造工程においても本発明は好適である。
また光ディスクの種別として、ブルーレイディスク、DVD(Digital Versatile Disc)方式のディスク、CD(Compact Disc)方式のディスクなど、多様なディスクの製造に本発明を適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の実施の形態のディスク製造工程のフローチャートである。
【図2】実施の形態の製造工程上の基板の説明図である。
【図3】実施の形態の製造工程上の基板の説明図である。
【図4】実施の形態のスペーサ層・L1層形成工程のフローチャートである。
【図5】実施の形態の部分硬化工程の説明図である。
【図6】実施の形態の転写工程の説明図である。
【図7】実施の形態の剥離工程の説明図である。
【図8】実施の形態の剥離工程の説明図である。
【図9】実施の形態の他の転写工程の説明図である。
【図10】実施の形態の他の剥離工程の説明図である。
【図11】実施の形態の他の剥離工程の説明図である。
【図12】実施の形態のさらに他の転写工程の説明図である。
【図13】実施の形態のさらに他の剥離工程の説明図である。
【図14】実施の形態のさらに他の剥離工程の説明図である。
【符号の説明】
【0039】
1 L0層基板、2 センターホール、3 L0ピットパターン、4 L0層反射膜、5 スペーサ層、6 L1ピットパターン、7 L1層反射膜、8 カバー層、20 紫外線硬化型樹脂、20A 転写前硬化部、303 L1層スタンパ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスク基板を成形する基板成形工程と、
上記ディスク基板上に光反応型樹脂を展延する樹脂展延工程と、
上記ディスク基板上において凹凸パターン転写領域以外の一部又は全部において上記光反応型樹脂を硬化させ転写前硬化部を形成する部分硬化工程と、
上記ディスク基板上に展延された上記光反応型樹脂に対してスタンパを重ね合わせ、上記光反応型樹脂を硬化させて、上記スタンパに形成された凹凸パターンを転写する転写工程と、
上記転写前硬化部と上記スタンパとが当接している部分を起点として上記スタンパを剥離する剥離工程と、
を備えたことを特徴とするディスク製造方法。
【請求項2】
上記部分硬化工程では、上記ディスク基板のセンターホール近辺のみの光反応型樹脂を硬化させ、上記センターホール周囲に上記転写前硬化部を形成することを特徴とする請求項1に記載のディスク製造方法。
【請求項3】
上記部分硬化工程では、上記ディスク基板のセンターホール周囲であって上記スタンパのセンターホールより広い範囲において光反応型樹脂を硬化させ、上記転写前硬化部を形成することを特徴とする請求項1に記載のディスク製造方法。
【請求項4】
上記光反応型樹脂は、紫外線硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のディスク製造方法。
【請求項5】
上記剥離工程では、上記スタンパと上記ディスク基板とを離間させる際に、上記転写前硬化部と上記スタンパとが当接している部分に生じる隙間からエアブローを行うことを特徴とする請求項1に記載のディスク製造方法。
【請求項6】
ディスク基板上に光反応型樹脂を展延し、
上記ディスク基板上において凹凸パターン転写領域以外の一部又は全部において上記光反応型樹脂を硬化させ転写前硬化部を形成し、
上記ディスク基板上に展延された上記光反応型樹脂に対してスタンパを重ね合わせ、上記光反応型樹脂を硬化させて、上記スタンパに形成された凹凸パターンを転写し、
上記転写前硬化部と上記スタンパとが当接している部分を起点として上記スタンパを剥離し、
上記凹凸パターンが転写された樹脂層を有するディスク基板に所定の層構造を形成して製造されたことを特徴とする光ディスク。
【請求項1】
ディスク基板を成形する基板成形工程と、
上記ディスク基板上に光反応型樹脂を展延する樹脂展延工程と、
上記ディスク基板上において凹凸パターン転写領域以外の一部又は全部において上記光反応型樹脂を硬化させ転写前硬化部を形成する部分硬化工程と、
上記ディスク基板上に展延された上記光反応型樹脂に対してスタンパを重ね合わせ、上記光反応型樹脂を硬化させて、上記スタンパに形成された凹凸パターンを転写する転写工程と、
上記転写前硬化部と上記スタンパとが当接している部分を起点として上記スタンパを剥離する剥離工程と、
を備えたことを特徴とするディスク製造方法。
【請求項2】
上記部分硬化工程では、上記ディスク基板のセンターホール近辺のみの光反応型樹脂を硬化させ、上記センターホール周囲に上記転写前硬化部を形成することを特徴とする請求項1に記載のディスク製造方法。
【請求項3】
上記部分硬化工程では、上記ディスク基板のセンターホール周囲であって上記スタンパのセンターホールより広い範囲において光反応型樹脂を硬化させ、上記転写前硬化部を形成することを特徴とする請求項1に記載のディスク製造方法。
【請求項4】
上記光反応型樹脂は、紫外線硬化型樹脂であることを特徴とする請求項1に記載のディスク製造方法。
【請求項5】
上記剥離工程では、上記スタンパと上記ディスク基板とを離間させる際に、上記転写前硬化部と上記スタンパとが当接している部分に生じる隙間からエアブローを行うことを特徴とする請求項1に記載のディスク製造方法。
【請求項6】
ディスク基板上に光反応型樹脂を展延し、
上記ディスク基板上において凹凸パターン転写領域以外の一部又は全部において上記光反応型樹脂を硬化させ転写前硬化部を形成し、
上記ディスク基板上に展延された上記光反応型樹脂に対してスタンパを重ね合わせ、上記光反応型樹脂を硬化させて、上記スタンパに形成された凹凸パターンを転写し、
上記転写前硬化部と上記スタンパとが当接している部分を起点として上記スタンパを剥離し、
上記凹凸パターンが転写された樹脂層を有するディスク基板に所定の層構造を形成して製造されたことを特徴とする光ディスク。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−186518(P2008−186518A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−19306(P2007−19306)
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(594064529)株式会社ソニー・ディスクアンドデジタルソリューションズ (88)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年1月30日(2007.1.30)
【出願人】(594064529)株式会社ソニー・ディスクアンドデジタルソリューションズ (88)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]