説明

デジタルメディアサーバ及びホームネットワーク対応機器

【課題】ホームネットワーク対応機器において、特定の個人のみに、インターネットを経由したホームネットワーク上のコンテンツの閲覧を可能とする。
【解決手段】ホームネットワーク対応機器1は、ホームネットワーク2とインターネット3の間に接続される。ホームネットワーク2には、ホームネットワーク対応機器1に加え、例えば、別の複数のコンテンツ記憶機能を有するホームネットワーク対応機器7a、7b、及び別の複数のコンテンツ再生機能を有するホームネットワーク対応機器8a、8bが接続される。ホームネットワーク対応機器1は、モバイル端末4からインターネット3経由で受信した指紋データがホームネットワーク対応機器1、7a、7b、8a、8bのいずれかに登録されている場合に、ホームネットワーク対応機器1、7a、7bに記憶されているコンテンツをインターネット3を介してモバイル端末4に送信可能とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ホームネットワーク上のコンテンツをインターネットを経由してモバイル端末に供給するデジタルメディアサーバ及びホームネットワーク対応機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ホームネットワーク上に接続されて使用されるホームネットワーク対応機器として、DLNA(Digital Living Network Alliance)ガイドラインに準拠したデジタルメディアサーバと呼ばれる機器やデジタルメディアプレイヤと呼ばれる機器がある。
【0003】
デジタルメディアサーバは、画像や音楽を含むコンテンツをデジタルデータとして記憶する機能と、記憶したコンテンツをホームネットワーク上の他の機器に供給する機能とを有しており、ホームネットワーク上の他のデジタルメディアサーバとの間でコンテンツを相互に送受信して、コンテンツを共用できるようにした機器である。また、デジタルメディアプレイヤは、ホームネットワーク上の他の機器からコンテンツの供給を受けて、そのコンテンツを再生する機能を有し、ホームネットワーク上のいずれのデジタルメディアサーバからでもコンテンツの供給を受けて、そのコンテンツを再生できるようにした機器である。
【0004】
従って、このようなデジタルメディアサーバの1台又は複数台とデジタルメディアプレイヤの1台又は複数台をホームネットワーク上に接続することにより、任意のデジタルメディアプレイヤにおいて任意のデジタルメディアサーバに記憶されているコンテンツを再生すること、すなわちホームネットワーク上のコンテンツをホームネットワーク内で自由に閲覧することが可能になる。
【0005】
また、通信端末を家庭内のデータ通信装置に登録しておくことにより、通信端末を家庭外に持ち出し、通信端末を外部ネットワークを介してデータ通信装置に接続して、データ通信装置に記憶されているコンテンツを外部ネットワークを介して通信端末により受信できるようにしたデータ通信装置が知られている(例えば特許文献1参照)。また、携帯端末をインターネット上のセキュリティサーバに接続して、携帯端末からセキュリティサーバに指紋データを送信し、セキュリティサーバが指紋照合による本人認証を行い、セキュリティサーバが携帯端末と家庭内に設置されるホームセキュリティコントローラとの接続を許可するようにしたホームセキュリティシステムが知られている(例えば特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2004−173247号公報
【特許文献2】特開2006−48174号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、デジタルメディアサーバ及びデジタルメディアプレイヤをホームネットワーク上に接続して、ホームネットワーク上のコンテンツをホームネットワーク内で自由に閲覧できるようにするのに加え、ホームネットワークとインターネットとを接続し、モバイル端末によりインターネットを経由してホームネットワーク上のコンテンツを閲覧できるようにすることが考えられる。この場合、第3者による閲覧を防止することが望まれる。
【0007】
しかしながら、ユーザIDやパスワード等を用いて第3者による閲覧を確実に防止するのは困難であり、特定の個人のみに、インターネットを経由してホームネットワーク上のコンテンツの閲覧を可能にする仕組みについては、実現されていないのが実情である。なお、上述した特許文献1及び特許文献2に開示の内容を適用したとしても、上記の課題を解決することはできない。
【0008】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、第3者による閲覧を確実に防止しつつ、特定の個人のみに、インターネットを経由したホームネットワーク上のコンテンツの閲覧を可能とするデジタルメディアサーバ及びホームネットワーク対応機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために請求項1の発明は、画像や音楽を含むコンテンツがデジタルデータとして記憶されるコンテンツ記憶部と、ホームネットワークとインターネットを介して通信を行うためのネットワークインターフェースと、本装置の動作を制御する制御手段とを備え、制御手段による制御のもと、コンテンツ記憶部に記憶されているコンテンツをネットワークインターフェースを介して他の機器に供給するデジタルメディアサーバにおいて、ホームネットワークとインターネットとの間に接続され、指紋を読取って指紋データを生成する指紋読取手段と、指紋読取手段により生成された指紋データを記憶するための指紋メモリとをさらに備え、制御手段は、指紋読取手段により指紋を読取って、その指紋データを指紋メモリに記憶することにより指紋を登録する指紋登録手段と、コンテンツ記憶部に記憶されているコンテンツを閲覧するのに指紋による認証が必要であると設定する閲覧権限設定手段と、インターネットを経由してモバイル端末から接続要求を受信したときに、モバイル端末に暗号化された指紋データの送信を要求し、モバイル端末から受信した暗号化された指紋データを復号した指紋データを基に正当な接続要求であるか否かを認証する認証手段と、認証手段により正当な接続要求であると認証された場合に、コンテンツ記憶部に記憶されているコンテンツ又はホームネットワークに接続されている他の機器に記憶されているコンテンツをインターネットを経由してモバイル端末に送信するコンテンツ送信手段とを有し、認証手段は、ホームネットワークに接続されている他の全ての機器と通信を行って、復号された指紋データが本装置(デジタルメディアサーバ)及びホームネットワークに接続されている他の全ての機器のいずれかに登録されているか否かをチェックし、復号された指紋データが登録されている場合に正当な接続要求であると認証し、コンテンツ送信手段は、認証手段により正当な接続要求であると認証された場合に、ホームネットワークに接続されている他の全ての機器と通信を行って、本装置及びホームネットワークに接続されている他の全ての機器において、閲覧するのに指紋データによる認証が必要であると設定されていないコンテンツ、及び閲覧するのに指紋データによる認証が必要であると設定されていてモバイル端末から受信した指紋データにより閲覧が許可されるコンテンツを検索し、これらのコンテンツを閲覧可能なコンテンツとして、これらのコンテンツを示す一覧リストを作成し、その一覧リストを暗号化してモバイル端末に送信し、その後、モバイル端末から一覧リストに載っているコンテンツに対する閲覧要求を受信すると、そのコンテンツを暗号化してモバイル端末に送信するものである。
【0010】
請求項2の発明は、ホームネットワークとインターネットを介して通信を行うためのネットワークインターフェースと、本装置の動作を制御する制御手段とを備えたホームネットワーク対応機器において、ホームネットワークとインターネットとの間に接続され、制御手段は、インターネットを経由してモバイル端末から接続要求を受信したときに、モバイル端末に個人識別データの送信を要求し、モバイル端末から受信した個人識別データを基に正当な接続要求であるか否かを認証する認証手段と、認証手段により正当な接続要求であると認証された場合に、ホームネットワークに接続されているいずれかの機器に記憶されているコンテンツをインターネットを経由してモバイル端末に送信するコンテンツ送信手段と、を有するものである。
【0011】
請求項3の発明は、請求項2に記載のホームネットワーク対応機器において、認証手段は、ホームネットワークに接続されている他の全ての機器と通信を行って、モバイル端末から受信した個人識別データが本装置(ホームネットワーク対応機器)及びホームネットワークに接続されている他の全ての機器のいずれかに登録されているか否かをチェックし、個人識別データが登録されている場合に正当な接続要求であると認証し、コンテンツ送信手段は、認証手段により正当な接続要求であると認証された場合に、ホームネットワークに接続されている他の全ての機器と通信を行って、ホームネットワークに接続されているいずれかの機器において、閲覧するのに個人識別データによる認証が必要であると設定されていないコンテンツ、及び閲覧するのに個人識別データによる認証が必要であると設定されていてモバイル端末から受信した個人識別データにより閲覧が許可されるコンテンツを検索し、これらのコンテンツを閲覧可能なコンテンツとして、これらのコンテンツを示す一覧リストを作成してモバイル端末に送信し、その後、モバイル端末から一覧リストに載っているコンテンツに対する閲覧要求を受信すると、そのコンテンツをモバイル端末に送信するものである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1の発明によれば、モバイル端末から受信した指紋データを基に正当な接続要求であると認証された場合に、ホームネットワーク上のコンテンツがインターネットを経由してモバイル端末に送信される。従って、ホームネットワーク上に指紋データが登録されていない第3者は、指紋データに基く正当な接続要求であるとの認証を受けることができず、ホームネットワーク上のコンテンツをインターネットを経由して閲覧することができない。すなわち、第3者によるホームネットワーク上のコンテンツの閲覧を確実に防止することができる。そして、ホームネットワーク上に指紋データが登録されている特定の個人のみが、指紋データに基く正当な接続要求であるとの認証を受けることができ、ホームネットワーク上のコンテンツをインターネットを経由して閲覧することができる。しかも、モバイル端末からホームネットワーク対応機器に送信される指紋データは暗号化されるため、指紋データの漏洩を防止できる。さらに、ホームネットワーク対応機器からモバイル端末に送信されるコンテンツは暗号化されるため、ホームネットワーク上のコンテンツの漏洩を防止できる。また、モバイル端末から受信した指紋データがホームネットワーク上のいずれかの機器に登録されていれば、正当な接続要求であると認証されるため、指紋データをホームネットワーク上のいずれかの機器に登録しておくだけでよく、利便性が向上する。また、閲覧権限の設定によって閲覧不可とされるコンテンツを除いて、ホームネットワーク上の全ての機器に記憶されているコンテンツが閲覧可能となるため、利便性が向上する。
【0013】
請求項2の発明によれば、モバイル端末から受信した個人識別データを基に正当な接続要求であると認証された場合に、ホームネットワーク上のコンテンツがインターネットを経由してモバイル端末に送信される。従って、ホームネットワーク上に個人識別データが登録されていない第3者は、個人識別データに基く正当な接続要求であるとの認証を受けることができず、ホームネットワーク上のコンテンツをインターネットを経由して閲覧することができない。そして、ホームネットワーク上に個人識別データが登録されている特定の個人のみが、個人識別データに基く正当な接続要求であるとの認証を受けることができ、ホームネットワーク上のコンテンツをインターネットを経由して閲覧することができる。
【0014】
請求項3の発明によれば、モバイル端末から受信した個人識別データがホームネットワーク上のいずれかの機器に登録されていれば、正当な接続要求であると認証されるため、個人識別データをホームネットワーク上のいずれかの機器に登録しておくだけでよく、利便性が向上する。また、閲覧権限の設定によって閲覧不可とされるコンテンツを除いて、ホームネットワーク上の全ての機器に記憶されているコンテンツが閲覧可能となるため、利便性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した実施形態によるホームネットワーク対応機器について図面を参照して説明する。図1は、ホームネットワーク対応機器によるホームネットワークとインターネットとの接続構成を示す。ホームネットワーク対応機器1は、ホームネットワーク2とインターネット3との間に接続されて、ホームネットワーク2上のコンテンツをインターネット3を経由してモバイル端末4に供給する機器である。また、このホームネットワーク対応機器1は、DLNA(Digital Living Network Alliance)ガイドラインに準拠したデジタルメディアサーバと呼ばれる機器であり、画像や音楽を含むコンテンツをデジタルデータとして記憶する機能と、記憶したコンテンツをホームネットワーク2を介してホームネットワーク2上の他の機器に供給する機能とを有している。
【0016】
ホームネットワーク対応機器1は、ネットワークケーブル2aを介してホームネットワーク2に接続されていると共に、ネットワークケーブル2bを介してルータ5に接続されている。ルータ5は、通信回線6を介してインターネット3に接続されている。つまり、ホームネットワーク対応機器1は、ホームネットワーク2とインターネット3との間に接続されている。ホームネットワーク2には、ホームネットワーク対応機器1に加え、例えば、別の複数のコンテンツ記憶機能を有するホームネットワーク対応機器7a、7b、及び別の複数のコンテンツ再生機能を有するホームネットワーク対応機器8a、8bがネットワークケーブル2c、2d、2e、2fを介して接続されている。
【0017】
ホームネットワーク対応機器7a、7bは、ホームネットワーク対応機器1と同様に、DLNAガイドラインに準拠したデジタルメディアサーバと呼ばれる機器であり、画像や音楽を含むコンテンツをデジタルデータとして記憶する機能と、記憶したコンテンツをホームネットワーク2を介してホームネットワーク2上の他の機器に供給する機能とを有している。また、ホームネットワーク対応機器8a、8bは、DLNAガイドラインに準拠したデジタルメディアプレイヤと呼ばれる機器であり、ホームネットワーク2上の他の機器からホームネットワーク2を介してコンテンツの供給を受けて、そのコンテンツを再生する機能を有している。
【0018】
つまり、ホームネットワーク対応機器1、7a、7bは、各々が記憶しているコンテンツをホームネットワーク2を介して相互に送受信して共用できるようになっており、ホームネットワーク対応機器8a、8bは、ホームネットワーク2を介してホームネットワーク対応機器1、7a、7bのいずれからでもコンテンツの供給を受けて、そのコンテンツを再生することが可能になっている。また、ホームネットワーク対応機器1、7a、7b、8a、8bは、各々が記憶している各種のデータをホームネットワーク2を介して相互に送受信して共用できるようになっている。
【0019】
ホームネットワーク対応機器1は、操作部11の操作を受けて、コンテンツの記憶、記憶したコンテンツの閲覧権限の設定、及びホームネットワーク対応機器1の使用権限の設定等を行うようになっている。コンテンツの閲覧権限の設定、及びホームネットワーク対応機器1の使用権限の設定は、指紋を登録して、指紋認証が必要であると設定することにより行われる。指紋の登録は、指紋読取部12により指紋を読取って、その指紋データを記憶することにより行われる。ホームネットワーク対応機器1の使用権限が設定されている場合には、指紋読取部12により指紋を読取って、その読取った指紋が使用権限の設定のために登録されている指紋に該当する場合に限って、ホームネットワーク対応機器1の使用が許可される。ホームネットワーク対応機器7a、7bも同様である。
【0020】
ホームネットワーク対応機器8aは、操作部21の操作を受けて、ホームネットワーク対応機器1、7a、7bに記憶されているコンテンツの再生、及びホームネットワーク対応機器8aの使用権限の設定等を行うようになっている。コンテンツの再生は、画像表示部22及び音声出力部23によって行われる。コンテンツに閲覧権限が設定されている場合には、指紋読取部24により指紋を読取って、その読取った指紋が閲覧権限の設定のために登録されている指紋に該当する場合に限って、コンテンツの再生が許可される。ホームネットワーク対応機器8aの使用権限の設定は、指紋を登録して、指紋認証が必要であると設定することにより行われる。指紋の登録は、指紋読取部24により指紋を読取って、その指紋データを記憶することにより行われる。ホームネットワーク対応機器8aに使用権限が設定されている場合には、指紋読取部24により指紋を読取って、その読取った指紋が使用権限の設定のために登録されている指紋に該当する場合に限って、ホームネットワーク8aの使用が許可される。ホームネットワーク対応機器8bも同様である。
【0021】
また、ホームネットワーク対応機器1は、特定の個人のみに、インターネット3を経由してホームネットワーク2上のコンテンツの閲覧を可能とする機能を有している。つまり、ホームネットワーク対応機器1は、モバイル端末4からインターネット3を経由して接続要求を受信すると、モバイル端末4に個人識別データの送信を要求して、モバイル端末4から受信した個人識別データを基に、その接続要求が正当な接続要求(特定の個人からの接続要求)であるか否かを認証し、正当な接続である場合に、ホームネットワーク対応機器1自身が記憶しているコンテンツ及びホームネットワーク対応機器7a、7bに記憶されているコンテンツを、インターネット3を介してモバイル端末4に送信する。個人識別データとしては、指紋データが用いられ(すわわち、正当な接続要求であるか否かの判断は、指紋認証によって行われ)、モバイル端末4へのコンテンツの送信は、暗号化して行われる。
【0022】
モバイル端末4としては、ユーザの指紋を読取って、その読取った指紋データを送信する機能を有するものが利用可能である。モバイル端末4は、操作部41の操作を受けて、ホームネットワーク対応機器1への接続要求の送信、指紋読取部42による指紋の読取り、及び指紋データの送信等を行い、また、ホームネットワーク対応機器1、7a、7bから受信したコンテンツを表示部43及び音声出力部44により再生する。指紋データの送信は、暗号化して行われる。
【0023】
図2は、上記ホームネットワーク対応機器1の電気的ブロック構成を示す。ホームネットワーク対応機器1は、上述の操作部11、指紋読取部12に加え、ホームネットワーク対応機器1を制御するためのCPU等からなる制御部13と、ネットワークインターフェース14と、放送信号受信部15と、AV信号処理部16と、コンテンツ記憶部であるハードディスク17と、メモリ18等を備える。
【0024】
操作部11は、コンテンツの記憶、コンテンツの閲覧権限の設定、ホームネットワーク対応機器1の使用権限の設定、指紋データの登録等、デジタルメディアサーバの各種動作を指示するためにユーザにより操作される。操作部11は、これらデジタルメディアサーバの各種動作を指示するための各種操作キーを備えており、各種操作キーが操作されることにより、その操作に対応する信号を制御部13へ出力する。指紋読取部12は、制御部13による制御のもと、指紋を読取って指紋データを生成する。
【0025】
ネットワークインターフェース14は、制御部13による制御のもと、ホームネットワーク2とインターネット3を介して他の機器と通信を行う。ネットワークインターフェース14は、ネットワークケーブル2aを介してホームネットワーク2に接続されると共に、ネットワークケーブル2b及びルータ5を介してインターネット3に接続され、制御部13による制御のもと、ネットワークケーブル2a、2bを介してコンテンツのデジタルデータ、指紋データ、及び制御信号等の各種信号を送受信する。
【0026】
放送信号受信部15は、制御部13による制御のもと、放送局から配信されるテレビ放送信号をアンテナ15aを介して受信する。AV信号処理部16は、制御部13による制御のもと、放送信号受信部15で受信したテレビ放送信号を処理する。
【0027】
ハードディスク17は、制御部13による制御のもと、AV信号処理部16により処理された信号によるコンテンツ等をデジタルデータとして記憶する。メモリ18は、制御部13による制御のもと、指紋読取部12により生成された指紋データ、ハードディスク17に記憶しているコンテンツの整理番号、名称、閲覧権限設定データ、及びホームネットワーク対応機器1の使用権限設定データ等を記憶する。
【0028】
制御部13は、操作部11の操作を受けて、コンテンツの記憶動作、コンテンツの閲覧権限の設定動作、ホームネットワーク対応機器1の使用権限の設定動作、指紋データの登録動作、コンテンツの供給動作等、ホームネットワーク対応機器1の各種動作を制御する。
【0029】
コンテンツの記憶は、AV信号処理部16により処理された信号や、ネットワークインターフェース14を介して他のホームネットワーク対応機器7a、7bから受信した信号をデジタルデータとしてハードディスク17に記憶することにより行われる。記憶したコンテンツの閲覧権限の設定は、指紋読取部12により指紋を読取って、その指紋データを、コンテンツを閲覧するのに指紋による認証が必要である旨を示す閲覧権限設定データと共に、ハードディスク17に記憶しているコンテンツの整理番号、名称と対応付けて、メモリ18に記憶することにより行われる。
【0030】
ホームネットワーク対応機器1の使用権限の設定は、指紋読取部12により指紋を読取って、その指紋データを、ホームネットワーク対応機器1を使用するのに指紋による認証が必要である旨を示す使用権限設定データと共に、メモリ18に記憶することにより行われる。
【0031】
指紋の登録は、コンテンツの閲覧権限の設定、又は、ホームネットワーク対応機器1の使用権限の設定を行うことにより、指紋読取部12により読取って得た指紋データがメモリ18に記憶されることによって行われる。また、指紋の登録は、これらコンテンツの閲覧権限の設定及びホームネットワーク対応機器1の使用権限の設定を行っていない場合でも、別途、指紋読取部12により指紋を読取って、その指紋データをメモリ18に記憶することによっても行われる。
【0032】
ホームネットワーク対応機器8a、8bへのコンテンツの供給は、ホームネットワーク対応機器8a、8bからのコンテンツ供給要求を受けて、ホームネットワーク対応機器1が要求のあったコンテンツをハードディスク17から読出し、そのコンテンツをホームネットワーク対応機器8a、8bに送信することにより行われる。このとき、コンテンツに閲覧権限が設定されている場合には、ホームネットワーク対応機器8a、8bで読取られた指紋が閲覧権限の設定のために登録されている指紋に該当する場合に限って、コンテンツをハードディスク17から読み出してホームネットワーク対応機器8a、8bに送信する。
【0033】
インターネット3を経由したモバイル端末4へのコンテンツの供給は、モバイル端末4からのインターネット3を経由したコンテンツ閲覧要求を受けて、ホームネットワーク2上のコンテンツをインターネット3経由でモバイル端末4に送信することにより行われる。このとき、コンテンツの送信に先立って、モバイル端末4から送信される個人識別データである指紋データを基に正当な接続要求(特定の個人からの接続要求)であるか否かを認証し、そして、正当な接続要求であると認証される場合に限って、ホームネットワーク2上のコンテンツをインターネット3を経由してモバイル端末4に送信する。
【0034】
なお、ホームネットワーク対応機器7a、7bは、ルータ5に直接接続されていないこと以外は、ホームネットワーク対応機器1と同様である。従って、ホームネットワーク対応機器7a、7bは、ホームネットワーク対応機器1と同様に、コンテンツの記憶動作、コンテンツの閲覧権限の設定動作、ホームネットワーク対応機器1の使用権限の設定動作、指紋データの登録動作、ホームネットワーク対応機器8a、8bへのコンテンツの供給動作を行う。
【0035】
図3は、上記ホームネットワーク対応機器1の制御部13によるインターネット3を経由したモバイル端末4へのコンテンツ供給動作のフローチャートを示す。まず、ホームネットワーク対応機器1の制御部13は、インターネット3を経由してモバイル端末4から接続要求を受信すると(#1でYES)、モバイル端末4に対して、暗号化された指紋データの送信を要求する(#2)。
【0036】
これにより、モバイル端末4では、表示部43に指紋データを送信する旨のメッセージが表示され、ユーザは、モバイル端末4の指紋読取部42により自分の指紋を読取り、操作部41を操作して、指紋データを送信する。このとき、指紋データは、暗号化して送信される。
【0037】
ホームネットワーク対応機器1では、モバイル端末4から暗号化された指紋データを受信すると(#3でYES)、制御部13は、その暗号化された指紋データを復号して、その復号した指紋データを基に正当な接続要求(すなわち特定の個人からの接続要求)であるか否かを認証する(#4)。このとき、制御部13は、ホームネットワーク対応機器7a、7b、8a、8b(すなわちホームネットワーク2に接続されている他の全ての機器)と通信を行って、モバイル端末4から受信して復号した指紋データがホームネットワーク対応機器1自身、及びホームネットワーク対応機器7a、7b、8a、8b(すなわちホームネットワーク2に接続されている他の全ての機器)のいずれかに登録されているか否かをチェックし、指紋データが登録されている場合に正当な接続要求であると認証する。
【0038】
そして、正当な接続要求であると認証された場合(#5でYES)、制御部13は、閲覧可能なコンテンツの一覧リストを作成して、その一覧リストを暗号化してモバイル端末4に送信する(#6)。このとき、制御部13は、ホームネットワーク対応機器7a、7b(すなわちホームネットワーク2に接続されているコンテンツ記憶機能を有する他の全ての機器)と通信を行って、閲覧可能なコンテンツの一覧リストを作成する。つまり、制御部13は、ホームネットワーク対応機器1自身及びホームネットワーク対応機器7a、7bにおいて、閲覧権限が設定されていないコンテンツ、及び閲覧権限が設定されていてモバイル端末4から受信した指紋データにより閲覧が許可されるコンテンツを検索し、これらのコンテンツを閲覧可能なコンテンツとして、閲覧可能なコンテンツの一覧リストを作成する。一覧リストは、例えば、コンテンツの名称及び整理番号から成っている。
【0039】
これにより、モバイル端末4では、表示部43に閲覧可能なコンテンツの一覧リストが表示され、ユーザは、モバイル端末4の操作部41を操作して、閲覧を希望するコンテンツの名称又は整理番号を選択する。
【0040】
ホームネットワーク対応機器1では、モバイル端末4から一覧リストに載っているコンテンツの名称又は整理番号、すなわちコンテンツの閲覧要求を受信すると(#7YES)、そのコンテンツをハードディスク17から読み出し、そのコンテンツを暗号化してインターネット3経由でモバイル端末4に送信する(#8)。
【0041】
これにより、モバイル端末4では、表示部43及び音声出力部44によりコンテンツが再生され、ユーザは、コンテンツを閲覧することができる。なお、上記#3でモバイル端末4から暗号化された指紋データが受信されない場合、及び上記#5で正当な接続要求であると認証されない場合には、ホームネットワーク対応機器1の制御部13は、モバイル端末4との通信接続を切断する(#9)。
【0042】
このように、上記構成のホームネットワーク対応機器1によれば、モバイル端末4から受信した指紋データを基に正当な接続要求であると認証された場合に、ホームネットワーク2上のコンテンツがインターネット3を経由してモバイル端末4に送信される。従って、ホームネットワーク対応機器1、7a、7b、8a、8bのいずれにも指紋データが登録されていない(すなわちホームネットワーク2上に指紋データが登録されていない)第3者は、モバイル端末4によりインターネット3を経由してホームネットワーク対応機器1にアクセスしても、指紋データに基く正当な接続要求であるとの認証を受けることができず、ホームネットワーク2上のコンテンツをインターネット3を経由して閲覧することができない。すなわち、第3者によるホームネットワーク2上のコンテンツの閲覧を確実に防止することができる。そして、ホームネットワーク2上に指紋データが登録されている特定の個人のみが、モバイル端末4によりインターネット3を経由してホームネットワーク対応機器1にアクセスすると、指紋データに基く正当な接続要求であるとの認証を受けることができ、ホームネットワーク2上のコンテンツをインターネット3を経由して閲覧することができる。
【0043】
しかも、モバイル端末4からホームネットワーク対応機器1に送信される指紋データは暗号化されるため、指紋データの漏洩を防止できる。さらに、ホームネットワーク対応機器1からモバイル端末4に送信されるコンテンツは暗号化されるため、ホームネットワーク2上のコンテンツの漏洩を防止できる。
【0044】
また、モバイル端末4から受信した指紋データがホームネットワーク対応機器1、7a、7b、8a、8bのいずれか(すなわちホームネットワーク2上のいずれかの機器)に登録されていれば、正当な接続要求であると認証されるため、指紋データをホームネットワーク対応機器1、7a、7b、8a、8bのいずれかに登録しておくだけでよく、利便性が向上する。また、閲覧権限の設定によって閲覧不可とされるコンテンツを除いて、ホームネットワーク対応機器1、7a、7b(すなわちホームネットワーク2上のコンテンツ記憶機能を有する全ての機器)に記憶されているコンテンツが閲覧可能となるため、利便性が向上する。
【0045】
なお、本発明は、上記実施形態の構成に限られず、種々の変形が可能である。例えば、ホームネットワーク対応機器1は、必ずしもDLNAガイドラインに準拠したデジタルメディアサーバと呼ばれる機器である必要はない。すなわち、ホームネットワーク対応機器1は、デジタルメディアサーバとしての機能であるコンテンツをホームネットワーク2上の他の機器に供給する機能を有している必要はなく、モバイル端末4から受信した指紋データを基に正当な接続要求であるか否かを認証する機能と、正当な接続要求であると認証された場合に、ホームネットワーク2上のコンテンツをインターネット3を経由してモバイル端末4に送信する機能とを有していればよい。
【0046】
また、ホームネットワーク対応機器1は、必ずしも指紋登録機能を有している必要はなく、ホームネットワーク2上の他の機器に登録されている指紋データを基に、正当な接続要求であるか否かを認証するようにしてもよい。また、指紋データに代えて、顔認証データなどの個人識別データによって、正当な接続要求であるか否かを認証するようにしてもよい。さらに、ホームネットワーク対応機器1は、必ずしもコンテンツ記憶機能を有している必要はなく、ホームネットワーク2上の他の機器に記憶されているコンテンツをインターネット3を経由してモバイル端末4に送信するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【図1】本発明の一実施形態に係るホームネットワーク対応機器によるホームネットワークとインターネットとの接続構成を示す図。
【図2】同ホームネットワーク対応機器の電気的ブロック構成図。
【図3】同ホームネットワーク対応機器の制御部によるインターネットを経由したモバイル端末へのコンテンツ供給動作を示すフローチャート。
【符号の説明】
【0048】
1 ホームネットワーク対応機器
2 ホームネットワーク
2a〜2f ネットワークケーブル
3 インターネット
4 モバイル端末
5 ルータ
6 通信回線
7a、7b ホームネットワーク対応機器
8a、8b ホームネットワーク対応機器
11 操作部
12 指紋読取部
13 制御部
14 ネットワークインターフェース
15 放送信号受信部
16 AV信号処理部
17 ハードディスク
18 メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像や音楽を含むコンテンツがデジタルデータとして記憶されるコンテンツ記憶部と、ホームネットワークとインターネットを介して通信を行うためのネットワークインターフェースと、本装置の動作を制御する制御手段とを備え、前記制御手段による制御のもと、前記コンテンツ記憶部に記憶されているコンテンツを前記ネットワークインターフェースを介して他の機器に供給するデジタルメディアサーバにおいて、
前記ホームネットワークとインターネットとの間に接続され、
指紋を読取って指紋データを生成する指紋読取手段と、
前記指紋読取手段により生成された指紋データを記憶するための指紋メモリとをさらに備え、
前記制御手段は、
前記指紋読取手段により指紋を読取って、その指紋データを前記指紋メモリに記憶することにより指紋を登録する指紋登録手段と、
前記コンテンツ記憶部に記憶されているコンテンツを閲覧するのに指紋による認証が必要であると設定する閲覧権限設定手段と、
インターネットを経由してモバイル端末から接続要求を受信したときに、前記モバイル端末に暗号化された指紋データの送信を要求し、前記モバイル端末から受信した暗号化された指紋データを復号した指紋データを基に正当な接続要求であるか否かを認証する認証手段と、
前記認証手段により正当な接続要求であると認証された場合に、前記コンテンツ記憶部に記憶されているコンテンツ又は前記ホームネットワークに接続されている他の機器に記憶されているコンテンツをインターネットを経由して前記モバイル端末に送信するコンテンツ送信手段とを有し、
前記認証手段は、
前記ホームネットワークに接続されている他の全ての機器と通信を行って、前記復号された指紋データが本装置(デジタルメディアサーバ)及び前記ホームネットワークに接続されている他の全ての機器のいずれかに登録されているか否かをチェックし、
前記復号された指紋データが登録されている場合に正当な接続要求であると認証し、
前記コンテンツ送信手段は、
前記認証手段により正当な接続要求であると認証された場合に、前記ホームネットワークに接続されている他の全ての機器と通信を行って、本装置及び前記ホームネットワークに接続されている他の全ての機器において、閲覧するのに指紋データによる認証が必要であると設定されていないコンテンツ、及び閲覧するのに指紋データによる認証が必要であると設定されていて前記モバイル端末から受信した指紋データにより閲覧が許可されるコンテンツを検索し、
これらのコンテンツを閲覧可能なコンテンツとして、これらのコンテンツを示す一覧リストを作成し、その一覧リストを暗号化して前記モバイル端末に送信し、
その後、前記モバイル端末から前記一覧リストに載っているコンテンツに対する閲覧要求を受信すると、そのコンテンツを暗号化して前記モバイル端末に送信する、
ことを特徴とすることを特徴とするデジタルメディアサーバ。
【請求項2】
ホームネットワークとインターネットを介して通信を行うためのネットワークインターフェースと、本装置の動作を制御する制御手段とを備えたホームネットワーク対応機器において、
前記ホームネットワークとインターネットとの間に接続され、
前記制御手段は、
インターネットを経由してモバイル端末から接続要求を受信したときに、前記モバイル端末に個人識別データの送信を要求し、前記モバイル端末から受信した個人識別データを基に正当な接続要求であるか否かを認証する認証手段と、
前記認証手段により正当な接続要求であると認証された場合に、前記ホームネットワークに接続されているいずれかの機器に記憶されているコンテンツをインターネットを経由して前記モバイル端末に送信するコンテンツ送信手段と、を有することを特徴とするホームネットワーク対応機器。
【請求項3】
前記認証手段は、
前記ホームネットワークに接続されている他の全ての機器と通信を行って、前記モバイル端末から受信した個人識別データが本装置(ホームネットワーク対応機器)及びホームネットワークに接続されている他の全ての機器のいずれかに登録されているか否かをチェックし、
前記個人識別データが登録されている場合に正当な接続要求であると認証し、
前記コンテンツ送信手段は、
前記認証手段により正当な接続要求であると認証された場合に、前記ホームネットワークに接続されている他の全ての機器と通信を行って、前記ホームネットワークに接続されているいずれかの機器において、閲覧するのに個人識別データによる認証が必要であると設定されていないコンテンツ、及び閲覧するのに個人識別データによる認証が必要であると設定されていて前記モバイル端末から受信した個人識別データにより閲覧が許可されるコンテンツを検索し、
これらのコンテンツを閲覧可能なコンテンツとして、これらのコンテンツを示す一覧リストを作成して前記モバイル端末に送信し、
その後、前記モバイル端末から前記一覧リストに載っているコンテンツに対する閲覧要求を受信すると、そのコンテンツを前記モバイル端末に送信する、
ことを特徴とする請求項2に記載のホームネットワーク対応機器。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2007−293719(P2007−293719A)
【公開日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−122543(P2006−122543)
【出願日】平成18年4月26日(2006.4.26)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】