説明

データ伝送装置

【課題】データ転送異常時の復旧時間を従来より短縮する。
【解決手段】このデータ伝送装置2は、HELカウンタ部233内に、再同期トリガ信号を出力する条件としてのHECエラー信号のカウント数の閾値を記憶しており、受信データ信号の受信時にHEC検出部232で受信ATMセルの受信毎にHECエラーを検出し、HECエラーが予め設定した閾値を超過すると、再同期トリガ信号を出力し、この再同期トリガ信号を基に同期検出部25が、再度、同期起動信号を発生して、切替部262から再度、RX信号からの同期信号を検出して、同期を再起動してRX信号から受信データ信号を得るべく正常に復旧することにより、データ転送異常時の復旧時間を従来より短くすることができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はデータ伝送装置に関し、特にINS網に接続しバルク通信方式によるデータ伝送装置であって、INS網内でのタイムスロット間の遅延時間の変化等によるデータ転送異常の検出とその復旧処理を行うバルク通信方式のデータ伝送装置に関する。
【0002】
【従来の技術】この種の従来のデータ伝送装置について図面を参照して説明する。
【0003】図4はINS網に接続されたバルク伝送方式による従来のバルク伝送装置の一例を示すブロック図、図5は図4に示す従来のバルク伝送装置のノンフレームモード時の接続シーケンスを示す図、図6は図4に示す従来のバルク伝送装置のノンフレームモード時の遅延ずれによる切断シーケンスを示す図である。
【0004】図4〜図5において、この従来例は、特開平10−303890公報の開示内容を示し、全てのチャネルの接続終了後、各チャネルごとにINS網103を経由した時の各INS信号eの遅延量がそれぞれ異なるので、遅延量のズレを補正すべく、受信側で各チャネルごとの遅延補正が行われ、遅延補正終了後、端末装置101-1と端末装置102-2間で通信が行われる。なお説明の便宜上、発呼が端末装置101-1から行われるとして説明しているが、端末装置101-2から発呼が行われる場合も同様である。
【0005】このフレームモード(以下、フレームモード方式と呼ぶ)の通信は、各チャネルにフレームの同期信号を付加して受信側で随時各チャネルの遅延を補正するので、INS網103の各チャネルの遅延量が途中で変化しても随時遅延補正が可能である長所があるが、バルク伝送時のFAW信号hやFC信号i等を含めたフレームを付加しなければならないので、伝送路の使用効率が悪いという欠点がある。
【0006】そこで、ノンフレームモードの接続の場合には、最初の各チャネルの遅延補正までは、能力情報の交換時にノンフレームモードで行う以外は、フレームモードと同じである。そしてノンフレームモードでは、各チャネルの遅延補正後、各チャネルの遅延量を固定し、各チャネルのフレーム同期信号を外した後も各チャネルの遅延量をそのまま保持する。そしてバルク伝送のフレーム同期信号を外してノンフレームに変更後、端末装置101-1と端末装置101-2間で通信が行われる。
【0007】このノンフレームモード(以下、ノンフレームモード方式と呼ぶ)での通信は、フレーム信号が無い状態で通信を行うので、伝送路の使用効率は良いが、INS網103の各チャネルの遅延量が途中で変化すると、遅延量の補正が出来ないので通信中のデータ信号がエラーしてしまう。従ってINS網103の遅延量が変化してデータ信号のエラーが発生した場合には、端末装置で通信を切断し、再度接続を実施する等の方法が得られる。
【0008】図6において、端末装置101-1と端末装置102-1との間で、正常な通信中にINS蒙で遅延量が変化した場合、端末装置101-1と端末装置101-2との間の通信データにエラーか発生する。従ってこの場合には、端末装置101-2でバルク伝送装置102-2に対して切断通知を発し、バルク伝送装置102-1とバルク伝送装置102-2との間の各チャネルを切断する。そして全てのチャネルの切断が終了した後、バルク伝送装置102-1は端末装置101-1へ全てのチャネルを切断した旨の通知を行う。なお説明の便宜上、ここでは切断通知は端末装置101-2から通知するものとしているが、端末装置101-1から遮断通知が発せられ、同様の動作が行われる場合もあることは言うまでもない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】この従来例においては、INS網の遅延量が変化して通信データにエラーが発生した場合には、端末装置で切断通知をして通信を切断し、再度接続を実施する方法が取られているので、このようなデータ転送異常時の復旧に時間を要するという問題点があった。
【0010】(発明の目的)本発明の目的は、ATMセルを内部データバスに持つATM多重化装置に実装されるINS網接続用の遅延演算を用いたバルク通信のデータ伝送装置の内部で送信ATMセルパリティビットエラー検出信号と受信ATMセルHEC検出信号を用いて遅延演算の再同期を開始/停止を行い、また再同期中は制御部へ再同期中であることを指示することにより、データ転送異常時にINS網切断指示/再接続を行うことなく、再同期を開始し再同期検出することでデータ転送が正常に復旧することにより、データ転送異常時の復旧時間を従来より短くすることができるデータ伝送装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のデータ伝送装置は、データの送受信を行う端末と接続しINS網を介して相手先のデータ伝送装置とバルク通信方式によって前記データの送受信伝送を行うデータ伝送装置において、前記相手先のデータ伝送装置からの受信信号を同期受信した受信データ信号に対し国際規格のITU−T_I.432に準拠したヘッドエラーチェック(以下HEC)を行うHEC検出手段と、このHEC検出手段によって、HECエラーが検出された場合に前記受信データ信号に対し、再同期信号を発生させる再同期信号発生手段と、前記同期受信した受信データ信号及び前記HECエラー検出後の前記受信信号を前記再同期信号によって再同期の受信データ信号を発生する受信データ信号発生手段と、前記同期受信した受信データ信号及び前記再同期した受信データ信号を受信ATMセル信号に変換して送出するデータ変換手段とを備え、前記HEC検出手段は前記HECエラーを検出した場合に、1つのATMセル毎に前記HECエラーの数を計数する計数手段と、この計数手段によって前記HECエラーの数が予め設定された設定値を超過すると前記再同期信号発生手段に対し前記再同期信号を発生させるべくトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段とを含み、前記トリガ信号発生手段は、前記トリガ信号を発生すると、接続する前記端末に対して、前記再同期の同期信号が検出するまで、再同期中であることを示す再同期中通知信号を送出し、前記端末からの送信するデータの送信ATMセル信号に対するパリティ(以下、PTY)チェックを行うPTYチェック手段を有し、前記トリガ信号発生手段は、前記再同期中通知信号を送出しておらず、また前記PTYチェック手段からのPTYエラー信号がないことを条件に前記トリガ信号を送出する。
【0012】本発明のデータ伝送装置は、データの送受信を行う端末と接続しINS網を介して相手先のデータ伝送装置とバルク通信方式によって前記データの送受信伝送を行うデータ伝送装置において、前記データ伝送装置は、前記端末にインタフェースするインタフェース部と、このインタフェース部を介して前記端末からの前記送信のデータに対してパリティ(以下PTY)を発生し送信ATMセル信号及び送信PTY信号を送出し、受信ATMセル信号を受信して前記端末へ送出する機能を含む制御部と、データ変換部と、バルクパターン(以下BP)の作成分解を行うBP部と、前記INS網にインタフェースしてバルクデータの送受信を行うINSインタフェース部と、前記BP部を介して同期信号を検出する同期検出部と、前記データ変換部からの再同期トリガ信号の受信によって再同期起動信号を前記同期検出部へ送出する再同期部とを有し、前記データ変換部は前記送信ATMセル信号及び送信PTY信号を基にPTYエラーを検出するとPTYエラー信号を送出すると共に送信データ信号作成して前記BP部へ送出するPTY検出部と、前記BP部からの受信データ信号に対し国際規格のITU−T_I.432に準拠したヘッドエラーチェック(以下、HEC)を行い、HECエラーを検出するとHECエラー信号を送出すると共に前記受信ATMセル信号を作成して前記制御部へ送出するHEC検出部と、前記エラー信号を計数し予め設定された設定値を超過すると前記再同期トリガ信号を前記再同期部へ送出するHECカウンタ部とを含み、前記同期検出部は前記再同期部からの前記再同期起動信号の入力を検出すると同期起動信号を、前記BP部からの同期検出信号の入力の検出まで送出し続け、前記同期検出信号の入力を検出すると再同期検出信号を前記再同期部へ送出した後、前記同期信号の送出を停止し、前記同期検出信号の入力が停止すると前記再同期検出信号の送出を停止し、前記再同期部は前記再トリガ信号の入力を検出すると前記同期検出部へ前記再同期起動信号を出力すると共に、前記同期検出部からの前記再同期検出信号の入力の検出するまで、前記制御部に対して前記端末へ通知する再同期中通知信号の送出を続ける。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、本発明について図面を参照して説明する。
【0014】図1は本発明の一実施の形態のデータ伝送装置が適用されるバルク通信システムの一例を示すシステム構成図である。
【0015】図1において、本実施の形態のデータ伝送装置が適用されるバルク通信システムは、データの入出力を行うDTE1−1,1−2と、DTE1−1に接続したデータ伝送装置2−1と、DTE1−2に接続したデータ伝送装置2−2とを備え、データ伝送装置2−1,2−2はそれぞれINS網3を介してATMセルのバルク通信方式によるデータ通信を行う構成になっている。
【0016】また、データ伝送装置2−1,2−2は、それぞれの内部において、送信ATMセルパリティビットエラー検出信号と受信ATMセルHEC検出信号を用い遅延演算の再同期を開始/停止を行い、また、再同期中はDET1−1又は1−2へ接続する制御部へ再同期中であることを指示することにより、データ転送異常時にINS網3の切断指示/再接続を行うことなく、再同期を開始して再同期検出することで、データ転送が正常に復旧することにより、データ転送異常時の復旧時間を従来より短くするシステムとなっている。
【0017】図2は本発明の一実施の形態のデータ伝送装置を示すブロック図である。
【0018】図2において、本実施の形態のデータ伝送装置2は、図1に示すデータ伝送装置2−1,2−2の代表を示し、DTE1−1又は1−2(代表を1とする)にインタフェースするDTEI/F部21と、DTEI/F部21に接続し、再同期中通知信号と受信ATMセル信号及び発呼完了信号を入力信号とし、送信ATMセル信号及び送信PTY信号、閾値設定信号、発呼指示信号を出力信号とし、内部において、送信PTY信号を出力するPTY送出部221を含む制御部224と、送信ATMセル信号と送信PTY信号、受信データ信号、閾値設定信号、再同期中通知信号を入力信号とし、受信ATMセル信号、送信データ信号、再同期トリガ信号を出力信号とし、内部において、送信ATMセル信号と送信PTY信号を入力信号とし、送信データ信号と、PTYエラー信号とを出力するPTY検出部231と、受信データ信号を入力信号としHECエラー信号を出力とするHEC検出部232と、PTYエラー信号とHECエラー信号及び閾値設定信号、再同期中通知信号を入力信号とし、再同期トリガ信号を出力信号とするHECカウンタ部233とを含むデータ変換部23と、再同期トリガ信号と、再同期検出信号を入力信号とし、再同期中通知信号と再同期起動信号を出力信号とする再同期部24と、発呼指示信号、再同期起動信号、同期検出信号及び確認信号を入力信号とし、発呼完了信号、再同期検出信号、同期起動信号及び発呼信号を出力信号とする同期検出部25と、送信データ信号、RX信号及び同期起動信号を入力信号とし、受信データ信号と、TX信号及び同期検出信号を出力信号とし、BP部26の内部において同期起動信号と、同期送信信号及び送信データ信号を入力信号としてTX信号を出力信号とする切替部261と、BP部26の内部において同期起動信号と、RX信号を入力信号として同期受信信号及び受信データ信号を出力信号とする切替部262と、BP部26の内部において同期起動信号を入力信号として同期送信信号を出力信号とするBP送信部263と、BP部26の内部に同期起動信号と同期受信信号を入力信号として同期検出信号を出力信号とするBP検出部264とを含むBP部26と、TX信号及び発呼信号を入力信号とし、RX信号及び確認信号を出力信号とし、INS網3と接続されるINSI/F部27とを有して構成している。
【0019】図3は、図2に示す本実施の形態のデータ伝送装置の動作を示す装置内部の主要な信号のタイミング図である。
【0020】次に、本実施の形態のデータ伝送装置の動作について図1、図2及び図3を参照して説明する。
【0021】先ず、データ伝送装置2を動作状態にさせるために接続しているDTE(1−1又は1−2)から、HECカウンタ部233が再同期トリガ信号を出力するための判定値としての閾値設定値を予め定められたフォーマットによって入力すると、この閾値設定値はDTEI/F部21を経由して制御部22から閾値設定信号としてHECカウンタ部233内に記憶される。
【0022】次に、データの送信の場合の動作について説明する。
【0023】本実施の形態においては、図1において、DTE1−1とDTE1−2間のデータの送受信について説明する。
【0024】例えばDTE1−1がまだ発呼していない初期状態では、データ伝送装置2−1の制御部22は発呼指示信号を受信していないので、同期検出部25は制御部22からの同期起動信号のOFFを検出し、同期検出部25からの出力信号である同期起動信号は切替部261に対してはTX信号が選択されてINSI/F部27に対して送信データ信号が送信できる状態になり、切替部262に対してINSI/F部27からのRX信号が選択されて受信データ信号を受信できる状態になる。
【0025】また、BP送信部263はHighの固定信号を出力し、BP検出部264はディスイネーブルされて、その出力信号である同期検出信号はOFFの状態の信号を出力する。
【0026】次に、DTE1−2が発呼状態になったのを制御部22がDTEI/F部21を介して検出すると、発呼指示信号を出力し、この発呼指示信号を検出した同期検出部25はその出力である同期起動信号をONにして、この同期起動信号がONの間は、BP送信部263同期送信信号を出力して、切替部261はこの同期送信信号をTX信号の同期送信信号として選択し、切替部262はINSI/F部27からのRX信号の同期受信信号を選択し、BP検出部264はイネーブルされて選択された同期受信信号が入力されその同期を検出後、その出力の同期検出信号をONにする。
【0027】次に、DTE1−1からの送信信号はDTEI/F部21を介して制御部22で受信されて送信ATMセル信号として出力され、またPTY送出部221においてパリティビットが生成されて送信PTY信号として出力される。
【0028】送信ATMセル信号及び送信PTY信号は、データ変換部23のPTY検出部231でパリティ演算を行い、正常ならば送信データ信号として出力され、切替部261でBP送信部263からの同期送信信号と合成されTX信号としてINSI/F部27を介してINS網3へ出力される。
【0029】尚、本実施の形態においては、同期検出部25は、DTE1−1の発呼によるDTEI/F部21を介しての制御部22からの発呼指示信号のONを検出したなら、発呼完了出力信号をOFFにして制御部22へ返送し、再同期部24からの再同期起動信号は無視する。その後、INSI/F部27への発呼信号をONし、INSI/F部27からの確認信号がONした後、発呼信号をOFFし、同期起動信号をON、その後同期検出信号のONを検出するまで同期起動信号をONのまま出力し続け、同期検出信号がONしたなら、同期起動信号をOFFした後、発呼完了信号をONにして制御部22へ送信する。
【0030】また、RX信号の着信時の発呼指示信号がOFFの間、再同期部24からの再同期起動信号のOFFからONへの変化を検出したなら、同期起動信号をONにして切替部262へ送出した後、BP検出部264からの同期検出信号のONを検出するまで同期起動信号をONのまま出力し続け、同期検出信号がONしたなら、再同期検出信号をONにて再同期部24へ送出した後、同期起動信号をOFFし、同期検出信号がOFFしたなら、再同期検出信号をOFFする。
【0031】次に、データの受信の場合の動作について説明する。
【0032】本実施の形態においては、図1において、DTE1−2からDTE1−1へデータが送信された場合について説明する。
【0033】BP部26内の切替部262はINSI/F部27を介してINS網3からのRX信号を受信するとRX信号の中から同期受信信号を選択し、BP検出部264はこの同期受信信号を基に同期信号を検出して同期検出信号を出力し、この同期検出信号を受信した同期検出部25は、同期起動信号を切替部262へ送出し、切替部262は受信した同期起動信号の基にRX信号を受信して受信データ信号としてデータ変換部23へ送出する。
【0034】データ変換部23は、HEC検出部232において、受信した受信データ信号に対しITU−1_I.432に準拠したHECエラーの検出を行い、HECエラーが検出されなければ、受信データは受信ATMセル信号として制御部22からDTEI/F部21を介してDTE1−1へ送出される。
【0035】次に、受信データ信号内に異常が発生しHECエラーが検出した場合について以下に説明する。
【0036】HEC検出部232が、受信データ信号からITU−T_I.432に準拠してHECエラーを検出するとHECエラー信号を出力する。
【0037】HECエラー信号を受信してそれをカウントするHECカウンタ部233において、PTY検出部231からのPTYエラー信号がOFFの状態でDET1−1に対する再同期中通知信号を既に送信してONの状態の場合には、HECカウンタ部233のクリア状態を継続させることで再同期トリガ出力信号をOFFの状態としているが、PTYエラー信号がOFF、再同期中通知信号もOFFの時には、HECエラー信号のONが検出されると、HECカウンタ部233は、HECエラー信号のON状態が継続していると、1つの受信ATMセル毎にカウンタアップし、そのカウント値が、DTE1−1から予め設定した閾値を超過すると、再トリガ信号をONの状態にさせて出力する。
【0038】カウンタ値が閾値以下でHECエラー信号がONからOFFへ変化した場合や、HECエラー信号の未発生、もしくは、PTYエラー信号が検出されてONの状態の場合には、再同期トリガ信号はOFF状態になる。
【0039】HECカウンタ部233から再同期トリガ信号が出力されると、再同期部24は、再同期中通知信号をONの状態にして制御部22に送出し、その送出後に、再同期起動信号をONの状態にする。
【0040】再同期起動信号のONを検出した同期検出部25は、再度、同期起動信号を切替部262に送出し、BP検出部264は再度、同期受信信号を受信して、再度、同期検出信号を同期検出部25へ送出し、再再度、同期起動信号を切替部262へ送出してRX信号を正常に受信して受信データ信号を得ることができる。
【0041】また、再同期部24は同期検出部25からの再度検出信号のONを検出するまで、再同期起動信号をONの状態に出力し続け、再同期検出信号を検出すると、再同期起動信号をOFFにした後に、再同期中通知信号をOFFにする。
【0042】以上、説明したように、本実施の形態のデータ伝送装置2は、HECカウンタ部233内に、再同期トリガ信号を出力する条件としてのHECエラー信号のカウント数の閾値と記憶しており、受信データ信号の受信時にHEC検出部232で受信ATMセルの受信毎にHECエラーを検出し、HECエラーが予め設定した閾値を超過すると、再同期トリガ信号を出力し、この再同期トリガ信号を基に同期検出部25が、再度、同期起動信号を発生して、切替部262から再度、RX信号からの同期信号を検出して、同期を再起動してRX信号から受信データ信号を得るべく正常に復旧することにより、従来のようにINS網の切断指示/再接続を行わないので、データ転送異常時の復旧時間を従来より短くすることができる。
【0043】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、データの送受信を行う端末と接続しINS網を介して相手先のデータ伝送装置とバルク通信方式によってデータの送受信伝送を行うデータ伝送装置において、相手先のデータ伝送装置からの受信信号を同期受信した受信データ信号に対し国際規格のITU−T_I.432に準拠したヘッドエラーチェック(以下、HEC)を行うHEC検出手段と、このHEC検出手段によってHECエラーが検出された場合に受信データ信号に対し、再同期信号を発生させる再同期信号発生手段と、同期受信した受信データ信号HECエラー検出後の受信信号を再同期信号によって再同期の受信データ信号を発生する受信データ信号発生手段と、同期受信した受信データ信号及び再同期した受信データ信号を受信ATMセル信号に変換して送出するデータ変換手段とを備えることにより、データ転送異常時にINS網切断指示/再接続を行うことなく、再同期を開始して再同期検出することでデータ転送が正常に復旧するので、従来よりもデータ転送異常時の復旧時間を短縮することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態のデータ伝送装置が適用されるバルク通信システムの一例を示すシステム構成図である。
【図2】本発明の一実施の形態のデータ伝送装置を示すブロック図である。
【図3】図2に示す本実施の形態のデータ伝送装置の動作を示す内部の各信号のタイミング図である。
【図4】INS網に接続されたバルク伝送方式による従来のバルク伝送装置の一例を示すブロック図である。
【図5】図4に示す従来のバルク伝送装置のノンフレームモード時の接続シーケンスを示す図である。
【図6】図4に示す従来のバルク伝送装置のノンフレームモード時の遅延ずれによる切断シーケンスを示す図である。
【符号の説明】
1−1,1−2 DTE
2,2−1,2−2 データ伝送装置
3 INS網
21 DTEI/F部
22 制御部
23 データ変換部
24 再同期部
25 同期検出部
26 BP部
27 INSI/F部
221 PTY送出部
231 PTY検出部
232 HEC検出部
233 HECカウンタ部
261,262 切替部
263 BP送信部
264 BP検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】 データの送受信を行う端末と接続しINS(登録商標)網を介して相手先のデータ伝送装置とバルク通信方式によって前記データの送受信伝送を行うデータ伝送装置において、前記相手先のデータ伝送装置からの受信信号を同期受信した受信データ信号に対し国際規格のITU−T_I.432に準拠したヘッドエラーチェック(以下HEC)を行うHEC検出手段と、このHEC検出手段によって、HECエラーが検出された場合に前記受信データ信号に対し、再同期信号を発生させる再同期信号発生手段と、前記同期受信した受信データ信号及び前記HECエラー検出後の前記受信信号を前記再同期信号によって再同期の受信データ信号を発生する受信データ信号発生手段と、前記同期受信した受信データ信号及び前記再同期した受信データ信号を受信ATMセル信号に変換して送出するデータ変換手段とを備えることを特徴とするデータ伝送装置。
【請求項2】 前記HEC検出手段は前記HECエラーを検出した場合に、1つのATMセル毎に前記HECエラーの数を計数する計数手段と、この計数手段によって前記HECエラーの数が予め設定された設定値を超過すると前記再同期信号発生手段に対し前記再同期信号を発生させるべくトリガ信号を発生するトリガ信号発生手段とを含むことを特徴とする請求項1記載のデータ伝送装置。
【請求項3】 前記トリガ信号発生手段は、前記トリガ信号を発生すると、接続する前記端末に対して、前記再同期の同期信号が検出するまで、再同期中であることを示す再同期中通知信号を送出することを特徴とする請求項2記載のデータ伝送装置。
【請求項4】 前記端末からの送信するデータの送信ATMセル信号に対するパリティ(以下、PTY)チェックを行うPTYチェック手段を有し、前記トリガ信号発生手段は、前記再同期中通知信号を送出しておらず、また前記PTYチェック手段からのPTYエラー信号がないことを条件に前記トリガ信号を送出することを特徴とする請求項3記載のデータ伝送装置。
【請求項5】 データの送受信を行う端末と接続しINS網を介して相手先のデータ伝送装置とバルク通信方式によって前記データの送受信伝送を行うデータ伝送装置において、前記データ伝送装置は、前記端末にインタフェースするインタフェース部と、このインタフェース部を介して前記端末からの前記送信のデータに対してパリティ(以下PTY)を発生し送信ATMセル信号及び送信PTY信号を送出し、受信ATMセル信号を受信して前記端末へ送出する機能を含む制御部と、データ変換部と、バルクパターン(以下BP)の作成分解を行うBP部と、前記INS網にインタフェースしてバルクデータの送受信を行うINSインタフェース部と、前記BP部を介して同期信号を検出する同期検出部と、前記データ変換部からの再同期トリガ信号の受信によって再同期起動信号を前記同期検出部へ送出する再同期部とを有し、前記データ変換部は前記送信ATMセル信号及び送信PTY信号を基にPTYエラーを検出するとPTYエラー信号を送出すると共に送信データ信号作成して前記BP部へ送出するPTY検出部と、前記BP部からの受信データ信号に対し国際規格のITU−T_I.432に準拠したヘッドエラーチェック(以下、HEC)を行い、HECエラーを検出するとHECエラー信号を送出すると共に前記受信ATMセル信号を作成して前記制御部へ送出するHEC検出部と、前記エラー信号を計数し予め設定された設定値を超過すると前記再同期トリガ信号を前記再同期部へ送出するHECカウンタ部とを含むことを特徴とするデータ伝送装置。
【請求項6】 前記同期検出部は前記再同期部からの前記再同期起動信号の入力を検出すると同期起動信号を、前記BP部からの同期検出信号の入力の検出まで送出し続け、前記同期検出信号の入力を検出すると再同期検出信号を前記再同期部へ送出した後、前記同期信号の送出を停止し、前記同期検出信号の入力が停止すると前記再同期検出信号の送出を停止することを特徴とする請求項5記載のデータ伝送装置。
【請求項7】 前記再同期部は前記再トリガ信号の入力を検出すると前記同期検出部へ前記再同期起動信号を出力すると共に、前記同期検出部からの前記再同期検出信号の入力の検出するまで、前記制御部に対して前記端末へ通知する再同期中通知信号の送出を続けることを特徴とする請求項5記載のデータ伝送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2003−69614(P2003−69614A)
【公開日】平成15年3月7日(2003.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−257867(P2001−257867)
【出願日】平成13年8月28日(2001.8.28)
【出願人】(000161253)宮城日本電気株式会社 (7)
【Fターム(参考)】