説明

データ処理装置、再生装置、データ処理システム、再生方法、プログラムおよび記録媒体

【課題】 コンピュータから再生装置に再生対象のモジュールデータを出力する場合に、再生方向の反転指示が生じてから、再生装置において反転後の再生出力が得られるまでの時間を従来に比べて短縮できるコンピュータを提供する。
【解決手段】 CPU20は、トランジェント指示操作を示す操作信号を入力すると、トランジェント後の再生方向の再生で次に用いられるピクチャデータを含むGOPが入力用メモリ32に記憶されているか否かを判断し、記憶されていないと判断したことを条件に、当該GOPを再生装置4に出力する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、被再生データを再生するデータ処理装置、再生装置、データ処理システム、再生方法、プログラムおよび記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)方式で符号化された被再生データをコンピュータ(データ処理装置)から再生装置に出力して再生させるシステムがある。
このようなシステムでは、コンピュータが再生装置による再生処理の進行に応じて、前記被再生データを構成する複数のピクチャデータのうち再生処理に必要なピクチャデータを順に再生装置に出力している。
当該システムでは、再生方向を反転させるトランジェント指示が発生すると、コンピュータは、トランジェント後に再生されるピクチャデータを、当該ピクチャデータが再生装置内に記憶されているか否かを判断せずに無条件に出力している。
【特許文献1】特開2004−215185号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上述した従来のシステムでは、トランジェント指示が生じると、トランジェント後の再生に用いるピクチャデータをコンピュータから再生装置に転送する処理が必ず生じ、トランジェント指示が発生してから再生装置においてトランジェント後の再生出力が得られるまでに長時間を要してしまうという問題がある。すなわち、トランジェント再生の応答性が悪いという問題がある。
また、ピクチャデータの再生処理において、再生装置における処理負荷を軽減したいという要請がある。
【0004】
本発明は上述した従来技術の問題点を解決するために、データ処理装置から再生装置に再生対象のピクチャデータを出力する場合に、再生方向の反転指示が生じてから、再生装置において反転後の再生出力が得られるまでの時間を従来に比べて短縮できるデータ処理装置、再生装置、データ処理システム、再生方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
また、本発明は、再生装置の処理負担を軽減できるデータ処理装置、データ処理システム、再生方法、プログラムおよび記録媒体を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述した従来技術の問題点を解決し、上述した目的を達成するために、第1の観点の発明のデータ処理装置は、複数のピクチャデータを指定された再生方向に応じた順序で再生する再生装置に前記ピクチャデータを出力するデータ処理装置であって、前記再生装置に指定した再生方向に応じた順序で前記ピクチャデータを前記再生装置に出力して前記再生装置内の入力用メモリに書き込ませ、前記再生装置に指定する前記再生方向を反転すると、反転後の前記再生方向の再生で次に用いられる前記ピクチャデータが前記入力用メモリに記憶されていないと判断したことを条件に、当該ピクチャデータを前記再生装置に出力する処理回路を有する。
【0006】
第1の観点の発明の作用は以下のようになる。
処理回路が、再生装置に指定した再生方向に応じた順序で前記ピクチャデータを前記再生装置に出力して前記再生装置内の入力用メモリに書き込ませる。
そして、前記処理回路が、前記再生装置に指定する前記再生方向を反転すると、反転後の前記再生方向の再生で次に用いられる前記ピクチャデータが前記入力用メモリに記憶されていないと判断したことを条件に、当該ピクチャデータを前記再生装置に出力する。
【0007】
第2の観点の発明の再生装置は、データ出力元から入力した複数のピクチャデータを順にデコードして再生する再生装置であって、前記データ出力元から前記再生方向に応じた順序で前記ピクチャデータを入力する入力手段と、前記ピクチャデータを記憶する入力用メモリと、前記入力用メモリから読み出された前記ピクチャデータをデコードして再生する再生回路と、前記入力手段が入力した前記ピクチャデータを前記入力用メモリ内に記憶された既に再生が終了した前記ピクチャデータうち一部の前記ピクチャデータに上書きし、再生方向に応じて前記入力用メモリから読み出した前記ピクチャデータを前記再生回路に出力する処理回路とを有し、前記処理回路は、前記再生方向の反転指示を前記データ出力元から入力すると、既に前記再生回路で再生した前記ピクチャデータを前記入力用メモリから読み出して前記再生回路に出力して前記反転後の再生を行わせる。
【0008】
第2の観点の発明の作用は以下のようになる。
入力手段が、前記データ出力元から前記再生方向に応じた順序で前記ピクチャデータを入力する。そして、処理回路が、前記入力手段が入力した前記ピクチャデータを入力用メモリに書き込む。そして、処理回路が、前記入力用メモリから前記ピクチャデータを読み出して再生回路に出力する。そして、再生回路が、入力したピクチャデータをデコーダする。
このとき、処理回路は、前記再生方向の反転指示を前記データ出力元から入力すると、既に前記再生回路で再生した前記ピクチャデータを前記入力用メモリから読み出して前記再生回路に出力する。
【0009】
第3の観点の発明のデータ処理システムは、データ処理装置が複数のピクチャデータを再生装置に出力して再生させるデータ処理システムであって、前記再生装置に指定した再生方向に応じた順序で前記ピクチャデータを前記再生装置に出力して前記再生装置内の入力用メモリに書き込ませ、前記再生装置に指定する前記再生方向を反転せると、反転後の前記再生方向の再生で次に用いられる前記ピクチャデータが前記入力用メモリに記憶されていないと判断したことを条件に、当該ピクチャデータを前記再生装置に出力するデータ処理装置と、前記データ処理装置から入力した前記ピクチャデータを前記入力用メモリに書き込み、前記データ処理装置が指定した再生方向に応じて前記入力用メモリから読み出した前記ピクチャデータを再生する再生装置とを有する。
【0010】
第4の観点の発明の再生方法は、複数のピクチャデータをデータ処理装置から再生装置に出力して再生させる再生方法であって、前記データ処理装置が、前記再生装置に指定する前記再生方向を反転せると、反転後の前記再生方向の再生で次に用いられる前記ピクチャデータを前記再生装置が保持しているか否かを判断する第1の工程と、前記データ処理装置が、再生で次に用いられる前記ピクチャデータを前記再生装置が保持していないと前記第1の工程で判断したことを条件に、当該ピクチャデータを前記再生装置に出力する第2の工程とを有する。
【0011】
第5の観点の発明のプログラムは、複数のピクチャデータを指定された再生方向に応じた順序で再生する再生装置に前記ピクチャデータを出力するデータ処理装置が実行するプログラムであって、前記再生装置に指定した再生方向に応じた順序で前記ピクチャデータを前記再生装置に出力して前記再生装置内の入力用メモリに書き込ませる第1の手順と、前記再生装置に指定する前記再生方向を反転すると、反転後の前記再生方向の再生で次に用いられる前記ピクチャデータが前記入力用メモリに記憶されていないと判断したことを条件に、当該ピクチャデータを前記再生装置に出力する第2の手順と有する。
【0012】
第6の観点の発明の記録媒体は、複数のピクチャデータを指定された再生方向に応じた順序で再生する再生装置に前記ピクチャデータを出力するデータ処理装置が実行するプログラムを記録する記録媒体であって、前記プログラムは、前記再生装置に指定した再生方向に応じた順序で前記ピクチャデータを前記再生装置に出力して前記再生装置内の入力用メモリに書き込ませる第1の手順と、前記再生装置に指定する前記再生方向を反転すると、反転後の前記再生方向の再生で次に用いられる前記ピクチャデータが前記入力用メモリに記憶されていないと判断したことを条件に、当該ピクチャデータを前記再生装置に出力する第2の手順とを有する。
【0013】
第7の観点の発明のプログラムは、複数のピクチャデータをデータ処理装置から再生装置に出力して再生させる再生装置が実行するプログラムであって、前記データ処理装置が、前記再生装置に指定する前記再生方向を反転せると、反転後の前記再生方向の再生で次に用いられる前記ピクチャデータを前記再生装置が保持しているか否かを判断する第1の手順と、前記データ処理装置が、再生で次に用いられる前記ピクチャデータを前記再生装置が保持していないと前記第1の手順で判断したことを条件に、当該ピクチャデータを前記再生装置に出力する第2の手順とを有する。
【0014】
第8の観点の発明の記録媒体は、複数のピクチャデータをデータ処理装置から再生装置に出力して再生させる再生装置が実行するプログラムを記録する記録媒体であって、前記プログラムは、前記データ処理装置が、前記再生装置に指定する前記再生方向を反転せると、反転後の前記再生方向の再生で次に用いられる前記ピクチャデータを前記再生装置が保持しているか否かを判断する第1の手順と、前記データ処理装置が、再生で次に用いられる前記ピクチャデータを前記再生装置が保持していないと前記第1の手順で判断したことを条件に、当該ピクチャデータを前記再生装置に出力する第2の手順とを有する。
【0015】
第9の観点の発明のデータ処理装置は、データ処理手段が複数のピクチャデータを再生手段に出力して再生させるデータ処理装置であって、前記再生手段に指定した再生方向に応じた順序で前記ピクチャデータを前記再生手段に出力して前記再生手段内の入力用メモリに書き込ませ、前記再生手段に指定する前記再生方向を反転せると、反転後の前記再生方向の再生で次に用いられる前記ピクチャデータが前記入力用メモリに記憶されていないと判断したことを条件に、当該ピクチャデータを前記再生手段に出力するデータ処理手段と、前記データ処理手段から入力した前記ピクチャデータを前記入力用メモリに書き込み、前記データ処理手段が指定した再生方向に応じて前記入力用メモリから読み出した前記ピクチャデータを再生する再生手段とを有する。
【0016】
第10の観点の発明のデータ処理装置は、複数のピクチャデータを指定された再生方向に順に再生する再生装置に前記ピクチャデータを出力するデータ処理装置であって、前記再生装置が再生する前記ピクチャデータをその再生前に前記再生装置に出力して前記再生装置内の入力用メモリに書き込ませた後に、前記入力用メモリに書き込んだ前記ピクチャデータを前記再生装置に再生させるタイミングを管理し、当該管理に応じて、前記書き込んだピクチャデータを再生する指示を前記再生装置に出力する処理回路を有する。
【0017】
第11の観点の発明のプログラムは、複数のピクチャデータを指定された再生方向に順に再生する再生装置に前記ピクチャデータを出力するデータ処理装置が実行するプログラムであって、前記再生装置が再生する前記ピクチャデータをその再生前に前記再生装置に出力して前記再生装置内の入力用メモリに書き込ませる第1の手順と、前記第1の手順の後に、前記入力用メモリに書き込んだ前記ピクチャデータを前記再生装置に再生させるタイミングを管理し、当該管理に応じて、前記書き込んだピクチャデータを再生する指示を前記再生装置に出力する第2の手順とを有する。
【0018】
第12の観点の発明の記録媒体は、複数のピクチャデータを指定された再生方向に順に再生する再生装置に前記ピクチャデータを出力するデータ処理装置が実行するプログラムを記録する記録媒体であって、前記プログラムは、前記再生装置が再生する前記ピクチャデータをその再生前に前記再生装置に出力して前記再生装置内の入力用メモリに書き込ませる第1の手順と、前記第1の手順の後に、前記入力用メモリに書き込んだ前記ピクチャデータを前記再生装置に再生させるタイミングを管理し、当該管理に応じて、前記書き込んだピクチャデータを再生する指示を前記再生装置に出力する第2の手順とを有する。
【0019】
第13の観点の発明のデータ処理システムは、データ処理装置が複数のピクチャデータを再生装置に出力して再生させるデータ処理システムであって、前記ピクチャデータをその再生前に前記再生装置に出力して前記再生装置内の入力用メモリに書き込ませた後に、前記入力用メモリに書き込んだ前記ピクチャデータを前記再生装置に再生させるタイミングを管理し、当該管理に応じて、前記書き込んだピクチャデータを再生する指示を前記再生装置に出力するデータ処理装置と、前記入力用メモリを備え、前記データ処理装置から入力したピクチャデータを前記入力用メモリに書き込み、前記データ処理装置から前記指示を入力すると、当該指示で指定されたピクチャデータを前記入力用メモリから読み出して再生する再生装置とを有する。
【0020】
第14の観点の発明の再生方法は、データ処理装置が複数のピクチャデータを再生装置に出力して再生させる再生方法であって、前記データ処理装置が、前記ピクチャデータをその再生前に前記再生装置に出力して前記再生装置内の入力用メモリに書き込ませた後に、前記入力用メモリに書き込んだ前記ピクチャデータを前記再生装置に再生させるタイミングを管理する第1の工程と、前記データ処理装置が、前記第1の工程の前記管理に応じて、前記書き込んだピクチャデータを再生する指示を前記再生装置に出力する第2の工程と、前記再生装置が、前記第2の工程で入力した前記指示に応じて、当該指示で指定されたピクチャデータを前記入力用メモリから読み出して再生する第3の工程とを有する。
【発明の効果】
【0021】
第1〜9の観点の発明によれば、データ処理装置から再生装置に再生対象のピクチャデータを出力する場合に、再生方向の反転指示が生じてから、再生装置において反転後の再生出力が得られるまでの時間を従来に比べて短縮できるデータ処理装置、再生装置、データ処理システム、再生方法、プログラムおよび記録媒体を提供することができる。
また、第10〜14の観点の発明によれば、再生装置の処理負担を軽減できるデータ処理装置、データ処理システム、再生方法、プログラムおよび記録媒体を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施形態に係わるデータ処理システムについて説明する。
<第1実施形態>
先ず、本実施形態の構成要素と、本発明の構成要素との対応関係を説明する。
第1実施形態は、第1〜9の観点の発明に係わるものである。
コンピュータ2が本発明のデータ処理装置、データ処理手段およびデータ出力元に対応し、再生装置4が本発明の再生装置および再生手段に対応している。また、CPU20が第1の観点の発明の処理回路に対応している。 また、PCIブリッジ30が本発明の入力手段に対応し、再生用メモリ36_1〜36_3が本発明の再生用メモリに対応し、デコーダ34_1,34_2,34_3およびセレクタ38が本発明の再生回路に対応し、CPU42が第2の観点の発明の処理回路に対応している。
また、本実施形態のトランジェント指示が、本発明の反転指示に対応している。また、本実施形態の転送完了通知TCNが本発明のアドレス通知に対応している。また、被再生データENCが本発明の被再生データに対応している。また、本実施形態のピクチャデータが、本発明のピクチャデータに対応している。また、本実施形態のGOPが、本発明のピクチャデータ群に対応している。
【0023】
図1は、本発明の実施形態に係わるデータ処理システム1の全体構成図である。
図1に示すように、データ処理システム1は、例えば、コンピュータ2および再生装置4を有する。
[コンピュータ2]
図1に示すように、コンピュータ2は、HDD12、ブリッジ14、メモリ16、ブリッジ18、操作部19およびCPU20を有する。
なお、メモリ16は、所定のプログラムPRG1(本発明の第5の観点のプログラム)を記憶し、CPU20は当該プログラムを読み出して実行し、以下に示す処理を行う。
上記所定のプログラムは、半導体メモリなどのメモリ16に記憶されていても良いし、その他、HDDや光ディスクなどのその他の記録媒体に記録されていてもよい。
【0024】
HDD12は、例えば、MPEGで符号化された被再生データENCを記憶する。
被再生データENCは、図2に示すように、再生装置4において連続して順にデコード処理される複数のGOP(Group Of Picture)で構成されている。
図2に示す例では、GOP(N−1),(N),(N+1),(N+2)の順でデコード処理される。
各GOPは、I,P,Bの3種類のピクチャデータ(フレームデータ)で構成される。
また、各GOP内には1つのIピクチャデータが含まれている。
本実施形態では、例えば、GOP内のピクチャデータの数が比較的多い、いわゆるlongGOPが用いられる。
【0025】
Iピクチャデータは、イントラ(画面内)符号化された画面のピクチャデータであり、他のピクチャデータとは独立してデコードされる。
また、Pピクチャデータは、前方向予測符号化された画面のピクチャデータであり、時間的に過去に位置する(表示順が前の)IまたはPピクチャデータを参照してデコードされる。
なお、I,Pピクチャデータは、アンカーピクチャデータとも呼ばれる。
また、Bピクチャデータは、両方向予測符号化された画面のピクチャデータであり、時間的に前後に位置する(表示順が前および後の)IまたはPピクチャデータを参照してデコードされる。
なお、HDD12の読み出しレートは、再生装置4の最大再生レートに比べて遅い。
【0026】
ブリッジ14は、ブリッジ18の拡張機能を備え、PCI拡張スロットやIDE(Integrated Drive Electronics)スロットなどを備えている。
ブリッジ14は、基本的にブリッジ18と同じ機能を有しているが、ブリッジ18に比べてハンド幅が狭く、ブリッジ18に接続されるデバイスに比べて低速アクセスのデバイスが接続される。
【0027】
メモリ16は、例えば、半導体メモリであり、CPU20の処理に用いられるプログラムおよびデータを記憶する。
操作部19は、キーボードやマウスなどの操作手段であり、ユーザの操作に応じた操作信号をCPU20に出力する。
操作部19は、図示しない操作画面に基づいたユーザの操作に応じて被再生データENCの再生ポイントの指定操作、当該指定した再生ポイントの再生開始指示操作、並びにトランジェント指示操作を受け、それを示す操作信号をCPU20に出力する。
ブリッジ18は、ブリッジ14、メモリ16、PCIバス6およびCPU20と接続され、CPU20のアドレスバスおよびデータバスを介した伝送に伴うデータ変換を行う。
【0028】
CPU20は、例えば、メモリ16から読み出したプログラムを実行してコンピュータ2の動作を統括的に制御する。
CPU20は、操作部19から再生ポイントの指定操作を示す操作信号を入力すると、当該指定された再生ポイントのピクチャデータを含むGOPをHDD12から読み出して、ブリッジ18およびPCIバス6を介して再生装置4に出力(転送)する。
また、CPU20は、再生装置4の再生進行状況に応じて、GOPをHDD12から順に読み出して再生装置4に出力する。
また、CPU20は、再生装置4へのGOPの出力に対応付けて、GOPの転送完了通知TCNを再生装置4のCPU42に出力する。
当該転送完了通知TCNは、図3に示すように、コンピュータ2から再生装置4に出力(転送)したGOPの識別データ、当該GOPを書き込んだ入力用メモリ32内のアドレス、並びに当該GOPのデータサイズを示している。
また、当該転送完了通知は、上記出力したGOP内の各ピクチャデータの識別データ、当該ピクチャデータを書き込んだ入力用メモリ32内のアドレス、並びに当該ピクチャデータのデータサイズを示している。
また、CPU20は、操作部19から再生開始指示操作を示す操作信号を入力すると、ブリッジ18およびPCIバス6を介して再生装置4に再生ポイントを指定した再生開始指示を出力する。
【0029】
また、CPU20は、操作部19からトランジェント指示操作を示す操作信号を入力すると、トランジェント指示を、ブリッジ18およびPCIバス6を介して再生装置4に出力する。
また、CPU20は、トランジェント指示操作を示す操作信号を入力すると、トランジェント後の再生方向の再生で次に用いられるピクチャデータを含むGOPが入力用メモリ32に記憶されているか否かを判断し、記憶されていないと判断したことを条件に、当該GOPを再生装置4に出力する。
一方、CPU20は、上記GOPが入力用メモリ32に記憶されていると判断すると、当該GOPを再生装置4に出力せずに、当該GOPの上記転送完了通知を再生装置4のCPU42に出力する。
CPU20は、再生装置4に対して出力した上記転送完了通知と、トランジェント指示、並びに再生速度指示などを基に、再生装置4の入力用メモリ32に記憶されているGOPおよびピクチャデータを管理する。
これにより、CPU20は、トランジェント後の再生方向の再生で次に用いられるピクチャデータを含むGOPが入力用メモリ32に記憶されているか否かを判断できる。
また、CPU20は、入力用メモリ32に記憶されているピクチャデータのうち、再生装置4において既に再生されたピクチャデータのうち一部のピクチャデータに対して順次上書きするように、次に書き込むGOPのアドレスを決定する。
【0030】
[再生装置4]
図1に示すように、再生装置4は、例えば、PCIブリッジ30、入力用メモリ32、デコーダ34_1〜34_3、再生用メモリ36_1〜36_3、セレクタ38、制御用メモリ40、CPU42および制御バス46を有する。
なお、制御用メモリ40は、所定のプログラムPRG2(本発明の第7の観点のプログラム)を記憶し、CPU42は当該プログラムを読み出して実行し、以下に示す処理を行う。
上記所定のプログラムは、半導体メモリなどの制御用メモリ40に記憶されていても良いし、その他、HDDや光ディスクなどのその他の記録媒体に記録されていてもよい。
【0031】
PCIブリッジ30は、PCIバス6を介してコンピュータ2から入力するGOPおよび指示(コマンド)をバッファリングするメモリを備えている。また、ブリッジ18は、DMA(Dynamic Memory Access)転送機能を備えている。
入力用メモリ32は、SDRAM等の半導体メモリであり、PCIブリッジ30を介して入力されたGOPを一時的に記憶する。
【0032】
デコーダ34_1,34_2,34_3は、CPU42の制御に従って、PCIブリッジ30を介して入力用メモリ32から読み出したピクチャデータをMPEG方式でデコードしてそれぞれ再生用メモリ36_1〜36_3に書き込む。
具体的には、デコーダ34_1,34_2,34_3は、CPU42の制御に従って入力用メモリ32から読み出されたIピクチャデータを、他のピクチャデータのデコード結果を参照しないでデコードする。
また、デコーダ34_1,34_2,34_3は、CPU42の制御に従って入力用メモリ32から読み出されたPピクチャデータを、時間的に過去に位置し且つ既にデコード結果がそれぞれ再生用メモリ36_1〜36_3に記憶されたIまたはPピクチャデータのデコード結果を参照してデコードする。
また、デコーダ34_1,34_2,34_3は、CPU42の制御に従って入力用メモリ32から読み出されたBピクチャデータを、時間的に前後に位置し且つ既にデコード結果がそれぞれ再生用メモリ36_1〜36_3に記憶されたIまたはPピクチャデータのデコード結果を参照してデコードする。
【0033】
デコーダ34_1,34_2,34_3は、コンピュータ2から、トランジェント指示を入力した後に、転送完了通知を入力すると、コンピュータ2からのGOP転送を待たずに、トランジェント後に再生するピクチャデータを入力用メモリ32から読み出してデコードする。
【0034】
デコーダ34_2,34_3は、デコーダ34_1と同じ構成を有し、PCIブリッジ30を介して入力した画像データをMPEG方式でデコードしてそれぞれ再生用メモリ36_2,36_3に書き込む。
【0035】
セレクタ38は、CPU42からの制御に従って、再生用メモリ36_1,36_2,36_3から読み出されたデコード結果を切り換えて選択して再生出力する。
【0036】
CPU42は、制御用メモリ40に記憶されたプログラム、並びにデータを基に以下に示す処理を行い、再生装置4の動作を統括的に制御する。
CPU42は、コンピュータ2から入力したGOP(被再生データENC)を入力用メモリ32に書き込む。
また、CPU42は、入力用メモリ32に記憶された被再生データENCを、GOP単位で、当該GOP内のピクチャデータをデコードする順序を決定するスケジューリング処理を行う。
CPU42は、上記スケジューリング処理の結果に基づいて、以下に示すデコード処理をデコーダ34_1,34_2,34_3に実行させる。
【0037】
CPU42は、同じGOPに属するI,Pピクチャデータと、当該I,Pピクチャデータのデコード結果を参照するBピクチャデータとが同じデコーダ34_1,34_2,34_3でデコードされるように、入力用メモリ32からピクチャデータを読み出してデコーダ34_1,34_2,34_3に出力する。
【0038】
CPU42は、例えば、GOP(N−1)内のI,Pピクチャデータと、当該I,Pピクチャデータのデコード結果を参照してデコードされるGOP(N)内のBピクチャデータとを、PCIブリッジ30を介して入力用メモリ32から読み出してデコーダ34_1に出力する。
ここで、本実施形態では、Bピクチャデータが異なるGOPのI,Pピクチャデータのデコード結果を参照してデコードされるオープンGOPを参照している。
具体的には、例えば、図2に示すGOP(N)内のB0,B1ピクチャデータが、GOP(N−1)内のI,Pピクチャデータのデコード結果を参照してデコードされる。
従って、CPU42は、GOP(N)内のB0,B1ピクチャデータをデコーダ34_1に出力する。
【0039】
また、CPU42は、例えば、GOP(N)内のI,Pピクチャデータと、当該I,Pピクチャデータのデコード結果を参照してデコードされるGOP(N+1)内のBピクチャデータとを、PCIブリッジ30を介して入力用メモリ32から読み出してデコーダ34_2に出力する。
また、CPU42は、例えば、GOP(N+1)内のI,Pピクチャデータと、当該I,Pピクチャデータのデコード結果を参照してデコードされるGOP(N+2)内のBピクチャデータとを、PCIブリッジ30を介して入力用メモリ32から読み出してデコーダ34_3に出力する。
【0040】
CPU42は、例えば、コンピュータ2のCPU20から再生開始指示を入力すると、再生ポイントを含む複数GOPのデコード処理をデコーダ34_1,34_2,34_3に行わせる。
このとき、CPU42は、当該再生ポイントから指定された方向に指定されたスピードで再生出力が行われるように、デコーダ34_1,34_2,34_3によるBピクチャデータのデコード処理、再生用メモリ36_1,36_2,36_3からセレクタ38への読み出し動作、並びにセレクタ38の選択動作を制御する。
また、CPU42は、CPU20から入力した転送完了通知を基に、入力用メモリ32に記憶されているGOPおよびピクチャデータのアドレスを管理する。
【0041】
以下、図1に示すデータ処理システム1の動作例を説明する。
[第1の動作例]
以下、データ処理システム1の全体動作例を説明する。
図4および図5は、図1に示すデータ処理システム1の全体動作例を説明するためのフローチャートである。
ステップST1:
コンピュータ2のCPU20は、操作部19から被再生データENC内の再生ポイントの指定操作を示す操作信号を入力したか否かを判断し、指定したと判断するとステップST2に進み、そうでない場合にはステップST1の処理を繰り返す。
【0042】
ステップST2:
コンピュータ2のCPU20は、ステップST1で指定された再生ポイントのピクチャデータを含むGOPと、その前後のGOPとの合計3個(複数)のGOPをHDD12から読み出す。
ステップST3:
コンピュータ2のCPU20は、ステップST2で読み出した複数のGOPを、ブリッジ18およびPCIバス6を介して再生装置4に出力する。
再生装置4のCPU42は、コンピュータ2からPCIブリッジ30を介して入力したGOPを入力用メモリ32に書き込む。
【0043】
ステップST4:
コンピュータ2のCPU20が、転送完了通知を再生装置4のCPU42に出力する。
当該転送完了通知は、ステップST3でコンピュータ2から再生装置4に出力(転送)したGOPの識別データ、当該GOPを書き込んだ入力用メモリ32内のアドレス、並びに当該GOPのデータサイズを示している。
また、当該転送完了通知は、上記出力したGOP内の各ピクチャデータの識別データ、当該ピクチャデータを書き込んだ入力用メモリ32内のアドレス、並びに当該ピクチャデータのデータサイズを示している。
CPU42は、当該転送完了通知を制御用メモリ40に書き込む。
本実施形態において、CPU20およびCPU42は、上記転送完了通知を保持し、当該転送完了通知を基に、入力用メモリ32に記憶されているGOPを管理する。
ステップST5:
再生装置4のCPU42は、ステップST4の処理終了後に、準備完了通知をコンピュータ2のCPU20に出力する。
【0044】
ステップST6:
コンピュータ2のCPU20は、操作部19から再生ポイントを指定した再生開始指示操作を示す操作信号を入力したか否かを判断し、入力したと判断するとステップST7に進み、そうでない場合にはステップST6の処理を繰り返す。
ステップST7:
コンピュータ2のCPU20は、入力したと判断すると再生ポイントを指定した再生開始コマンドを再生装置4のCPU42に出力する。
【0045】
ステップST8:
再生装置4のCPU42は、ステップST7で入力した再生開始コマンドが示す再生ポイントのピクチャデータを含む入力用メモリ32に記憶された1GOP内のピクチャデータをデコードする順序をピクチャデータ間の参照関係および再生方向に応じて決定するスケジューリング処理を行う。
ステップST9:
再生装置4のCPU42は、ステップST8あるいは後述するステップST16のスケジューリング処理の結果に基づいて、次にデコードするピクチャデータを示すデコードコマンドをデコーダ34_1,34_2,34_3に出力する。
【0046】
ステップST10:
デコーダ34_1,34_2,34_3は、ステップST9で入力したデコードコマンドが示すピクチャデータを入力用メモリ32から読み出してデコードし、そのデコード結果をそれぞれ再生用メモリ36_1〜36_3に書き込む。
ステップST11:
再生装置4のCPU42は、指定された再生方向と上記スケジューリング結果とに基づいて次に再生出力するデコード結果を特定し、当該デコード結果を示す表示コマンド、並びに所望の再生出力を行うためのセレクタ38の切換コマンドとを生成し、これを制御用メモリ40に書き込む。
ステップST12:
再生装置4のCPU42は、ステップST11で生成した表示コマンドをデコーダ34_1,34_2,34_3に出力し、切換コマンドをセレクタ38に出力する。
ステップST13:
デコーダ34_1,34_2,34_3は、ステップST12で入力した表示コマンドが示すデコード結果を再生用メモリ36_1〜36_3から読み出してセレクタ38に出力する。
また、セレクタ38は、ステップST12で入力した切換コマンドに基づいてデコーダ34_1,34_2,34_3から入力したデコード結果を切り換えて選択して再生出力する。
【0047】
ステップST14:
コンピュータ2のCPU20は、トランジェント指示操作を示す操作信号を操作部19から入力したと判断するとステップST15に進み、そうでない場合にはステップST17に進む。
ステップST15:
コンピュータ2のCPU20は、再生装置4のCPU42にトランジェント指示(再生方向切換指示)を出力する。
当該トランジェント指示が発生した後は、CPU20およびCPU42は、切換え後の再生方向を基に処理を行う。
当該ステップST15の処理は、図6を用いて後に詳細に説明する。
再生装置4は上述したステップST9〜ST15の処理をピクチャデータ単位で行う。
【0048】
ステップST17:
CPU20およびCPU42は、上記ステップST9〜ST15の処理を行ったピクチャデータが、GOP内の最後のピクチャデータであるか否かを判断し、最後のピクチャデータであると判断するとステップST18に進み、そうでない場合にはステップST9に戻って次のピクチャデータについての処理を行う。
ステップST18:
CPU20およびCPU42は、上記処理を行ったピクチャデータが属するGOPが被再生データENC内の最後のGOPであるか否かを判断し、最後のGOPであると判断すると処理を終了し、そうでない場合にはステップST19に進む。
【0049】
ステップST19:
コンピュータ2のCPU20は、再生方向に応じて次の1GOPをHDD12から読み出す。
ステップST20:
コンピュータ2のCPU20は、ステップST19で読み出したGOPを、ブリッジ18およびPCIバス6を介して再生装置4に出力する。
再生装置4のCPU42は、コンピュータ2からPCIブリッジ30を介して入力したGOPを入力用メモリ32に書き込む。
【0050】
ステップST21:
コンピュータ2のCPU20が、ステップST20で出力したGOPの転送完了通知を再生装置4のCPU42に出力する。
CPU42は、当該転送完了通知を制御用メモリ40に書き込む。
ステップST22:
再生装置4のCPU42は、ステップST21の処理終了後に、準備完了通知をコンピュータ2のCPU20に出力する。
ステップST23:
再生装置4のCPU42は、例えば、再生方向に応じて次に再生ポイントのピクチャデータを含むGOPのスケジューリング処理が完了したか否か(すなわち、スケジューリング処理を要するか否か)を判断し、スケジューリング処理を完了していないと判断するとステップST8に進み、そうでない場合にはステップST9に進む。
【0051】
[第2の動作例]
以下、図5に示すステップST15のトランジェント対応処理について説明する。
図6は、図5に示すステップST15のトランジェント対応処理について説明するためのフローチャートである。
ステップST31:
コンピュータ2のCPU20は、操作部19からトランジェント指示操作を示す操作信号を入力すると、トランジェント指示を、ブリッジ18およびPCIバス6を介して再生装置4のCPU42に出力する。
ステップST32:
コンピュータ2のCPU20は、トランジェント後の再生方向の再生で次に用いられるピクチャデータを含むGOPが入力用メモリ32に記憶されているか否かを判断し、記憶されていないと判断した場合にステップST33に進み、記憶していると判断した場合にステップST35に進む。
【0052】
ステップST33:
コンピュータ2のCPU20は、トランジェント後の再生方向の再生で次に用いられるピクチャデータを含むGOPをHDD12から読み出す。
ステップST34:
コンピュータ2のCPU20は、ステップST33で読み出したGOPをPCIバス6を介して再生装置4に出力し、入力用メモリ32内の所定のアドレスに当該GOPを書き込ませる。
【0053】
ステップST35:
コンピュータ2のCPU20は、トランジェント後の再生方向の再生で次に用いられるピクチャデータを含むGOP(ピクチャデータ)が記憶されている入力用メモリ32内のアドレスを示す転送完了通知を再生装置4のCPU42に出力する。
ステップST36:
再生装置4のCPU42は、準備完了通知をコンピュータ2のCPU20に出力する。
また、CPU42は、ステップST35で入力した転送完了通知を基に以後、入力用メモリ32からのピクチャデータの読み出しを管理する。
【0054】
[第3の動作例]
以下、図4に示すステップST3、図5に示すステップST20、並びに図6に示すステップST34において、コンピュータ2のCPU20が、再生装置4の入力用メモリ32内のGOPを書き込むアドレスを決定する処理を説明する。
図7は、上記アドレス決定処理を説明するためのフローチャートである。
ステップST41:
コンピュータ2のCPU20は、次に再生装置4の入力用メモリ32に書き込むGOPを書き込むための空き記憶領域が入力用メモリ32内に存在するかを、例えば、前述した転送完了通知を基に得た記憶管理データを基に判断する。
本実施形態において、上記空き記憶領域とは、入力用メモリ32内の未記憶領域あるいは既に再生を終えたGOPを記憶している記憶領域である。
CPU20は、上記空き記憶領域が存在すると判断するとステップST42に進み、そうでない場合にはステップST44に進む。
【0055】
ステップST42:
コンピュータ2のCPU20は、入力用メモリ32に記憶されているGOPのうち、次に書き込みを行うGOPと再生順が一番近いGOPが記憶されている入力用メモリ32内の記憶領域を特定する。
ステップST43:
コンピュータ2のCPU20は、ステップST42で特定した記憶領域に隣接した記憶領域に、次にGOPを書き込む分の空き記憶領域があるか否かを判断し、あると判断するとステップST46に進み、そうでない場合にはステップST44に進む。
【0056】
ステップST44:
コンピュータ2のCPU20は、入力用メモリ32に記憶されているGOPのうち、次に書き込みを行うGOPから再生順が一番離れているGOPの記憶領域を特定する。
ステップST45:
コンピュータ2のCPU20は、ステップST44で特定した記憶領域に、次に再生装置4に出力するGOPを書き込むように制御する。
ステップST46:
コンピュータ2のCPU20は、コンピュータ2のCPU20は、入力用メモリ32に記憶されているGOPのうち、次に書き込みを行うGOPに対して再生順が次のGOPに隣接した空き領域に、当該書き込みを行うGOPを書き込む。
【0057】
例えば、入力用メモリ32が図8(A)に示す記憶状態であるときに、コンピュータ2のCPU20は、ステップST44の処理を実行し、再生装置4に出力するGOP(N+4)を、入力用メモリ32内のGOP(N−3)に上書きする。これにより、入力用メモリ32の記憶状態は図8(B)に示すようになる。
【0058】
以上説明したように、データ処理システム1では、コンピュータ2は、トランジェントが発生すると、トランジェント後の再生方向の再生で次に用いられるピクチャデータを含むGOPが入力用メモリ32に記憶されているか否かを判断し、記憶されていないと判断したことを条件に、当該GOPを再生装置4に出力する。
そのため、既に入力用メモリ32に記憶されているGOPをコンピュータ2から再生装置4に出力しないので、再生装置4は当該GOPを入力するのを待たずに処理対象のピクチャデータを入力用メモリ32から読み出してデコードできる。
その結果、トランジェント指示が発生してから、トランジェント後の再生出力が得られるまでの時間を従来に比べて短縮できる。
【0059】
また、データ処理システム1では、コンピュータ2において、再生装置4に出力したGOPを書き込む入力用メモリ32内のアドレスを管理し、且つコンピュータ2が再生装置4の再生動作を制御することで、再生装置4の再生に必要なピクチャデータが入力用メモリ32に記憶されているか否かを、再生装置4からの通知を受けずに判断できる。
これにより、再生装置4の再生に用いられるピクチャデータを早いタイミングで再生装置4に提供することが可能になる。
【0060】
また、データ処理システム1では、図7を用いて説明したように、コンピュータ2は、連続して再生されるGOPが入力用メモリ32内で可能な限り近い記憶領域に記憶されるように管理する。これにより、デコーダ対象のピクチャデータを効率的にデコーダ34_1,34_2,34_3に読み出すことができる。
【0061】
<第2実施形態>
第2実施形態は、第10〜14の観点の発明に係わるものである。
コンピュータ2aが本発明のデータ処理装置に対応し、再生装置4aが本発明の再生装置に対応している。
図1に示すように、データ処理システム1aは、例えば、コンピュータ2aおよび再生装置4aを有する。
本実施形態では、コンピュータ2aのCPU20aが、再生装置4aにおけるピクチャデータのデコード処理の進行を統括的に制御する。
再生装置4aのCPU42aは、コンピュータ2aから転送完了通知を入力すると、その転送完了通知で特定されるGOP(ピクチャデータ)のデコード処理をデコーダ34_1〜34_3に行わせる。これにより、CPU42aは、入力用メモリ32に記憶されたGOPについての複雑な管理処理や、GOPのデコードのスケジュール処理などを行う必要がなく、処理能力が低い処理回路で実現できる。
【0062】
[コンピュータ2a]
図1に示すように、コンピュータ2aは、HDD12、ブリッジ14、メモリ16、ブリッジ18、操作部19およびCPU20aを有する。
なお、メモリ16は、所定のプログラムPRG1a(本発明の第11の観点のプログラム)を記憶し、CPU20aは当該プログラムを読み出して実行し、以下に示す処理を行う。
上記所定のプログラムは、半導体メモリなどのメモリ16に記憶されていても良いし、その他、HDDや光ディスクなどのその他の記録媒体に記録されていてもよい。
【0063】
[再生装置4a]
図1に示すように、再生装置4aは、例えば、PCIブリッジ30、入力用メモリ32、デコーダ34_1〜34_3、再生用メモリ36_1〜36_3、セレクタ38、制御用メモリ40、CPU42aおよび制御バス46を有する。
なお、制御用メモリ40は、所定のプログラムを記憶し、CPU42aは当該プログラムを読み出して実行し、以下に示す処理を行う。
上記所定のプログラムは、半導体メモリなどの制御用メモリ40に記憶されていても良いし、その他、HDDや光ディスクなどのその他の記録媒体に記録されていてもよい。
【0064】
以下、データ処理システム1aの動作例を説明する。
[第1の動作例]
図9は、図1に示す本実施形態のコンピュータ2aから再生装置4aにピクチャデータを出力する場合のコンピュータ2aのCPU20aの処理を説明するためのフローチャートである。
ステップST51:
コンピュータ2aのCPU20aは、例えば、予め決められたルールに従って指定された再生ポイントのピクチャデータを含むGOPと、その前後のGOPとの合計3個(複数)のGOPをHDD12から読み出す。
ステップST52:
コンピュータ2aのCPU20aは、ステップST51で読み出した複数のGOPを、ブリッジ18およびPCIバス6を介して再生装置4に出力する。
再生装置4aのCPU42aは、コンピュータ2aからPCIブリッジ30を介して入力したGOPを入力用メモリ32に書き込む。
このとき、CPU20aは、再生装置4aに出力したピクチャデータを書き込む入力用メモリ32内のアドレスを管理(指定)する。なお、CPU20aは、再生装置4aの入力用メモリ32に記憶されているピクチャデータのアドレスを示す所定の管理データを保持する。
コンピュータ2aのCPU20aは、再生装置4aにGOPを出力後直ちに転送完了通知を出力することはせず、再生装置4aにおけるピクチャデータの再生タイミングを管理し、その管理結果に基づいて、再生タイミングあるいはその直前に、再生に係わるピクチャデータを指定した転送完了通知を再生装置4aに出力する。
【0065】
[第2の動作例]
図10は、コンピュータ2aによる再生装置4aの再生制御を説明するためのフローチャートである。
ステップST61:
コンピュータ2aのCPU20aは、例えば、ユーザによる操作部19の操作に応じて、再生装置4aにおけるピクチャデータの再生の進行(タイミング)を管理し、再生装置4aにおいて次に、あるいは所定の時間後に再生させるGOPを特定する。
【0066】
ステップST62:
コンピュータ2aのCPU20aは、ステップST61で特定したGOPが、再生装置4aの入力用メモリ32に記憶されているか否かを判断し、記憶されていると判断するとステップST63に進み、記憶されていないと判断するとステップST64に進む。
【0067】
ステップST63:
コンピュータ2aのCPU20aは、ステップST61で特定したGOPを記憶する再生装置4aの入力用メモリ32内のアドレスを示す転送完了通知を再生装置4aに出力する。
当該転送完了通知には、ステップST61で特定したGOPの上記アドレスの他、識別データ、並びに当該GOPのデータサイズを示している。
また、当該転送完了通知は、上記出力したGOP内の各ピクチャデータの識別データ、当該ピクチャデータを書き込んだ入力用メモリ32内のアドレス、並びに当該ピクチャデータのデータサイズを示している。
【0068】
ステップST64:
コンピュータ2aのCPU20aは、ステップST61で特定したGOPを再生装置4aに出力するようにルールを書き換える。
これにより、コンピュータ2aのCPU20aが次に図9に示すステップST51を実行すると、ステップST61で特定したGOPが再生装置4aに出力される。その後、CPU20aは、当該ピクチャデータに係わる転送完了通知を再生装置4aに直に出力する。
【0069】
[第3の動作例]
図11は、コンピュータ2aから転送完了通知を入力した再生装置4aが行う処理を説明するためのフローチャートである。
ステップST71:
再生装置4aのCPU42aは、PCIブリッジ30を介して転送完了通知を入力したか否かを判断し、入力したと判断するとステップST72に進み、そうでない場合には上記判断を繰り返す。
【0070】
ステップST72:
再生装置4aのCPU42aは、ステップST71で入力した判断した転送完了通知が示す入力用メモリ32内のアドレスに記憶されたGOP(ピクチャデータ)を読み出し、これをデコーダ34_1〜34_3に出力する。
【0071】
以上説明したように、データ処理システム1aでは、コンピュータ2aから再生装置4aに先にピクチャデータを転送しておいて必要になった時点で、コンピュータ2aから再生装置4aに転送完了通知を出力する。
そのため、再生装置4aのCPU42aは、コンピュータ2aから転送完了通知を入力したことを検出した後に、当該転送完了通知が示す入力用メモリ32のアドレスからピクチャデータ(GOP)を読み出してデコーダ34_1〜34_3に出力すればよく、再生タイミングを常に監視する必要がない。これにより、CPU42aは、第1実施形態に比べて、再生処理に伴う処理負荷を軽減でき、処理能力が低い安価な処理回路を用いることができる。
【0072】
すなわち、データ処理システム1aは、例えば、GOP(N)部分の再生をしているとき、ユーザが急にスクラブ(Scrub)再生をし、GOP(N+2)の部分を表示しようとする。このときGOP(N+2)までの転送が完了しているとすると、コンピュータ2aから再生装置4aに転送完了通知を出力するだけでよく、実際の転送を行う必要がないため、すばやく表示することが可能である。
なお、第1実施形態のように、コンピュータ2から再生装置4への数GOP分転送と、転送完了通知とを同時の行う場合には、CPU20およびCPU42が共に、入力用メモリ32に記憶されているピクチャデータを管理する必要がある。
これに対して、データ処理システム1aでは、このような管理が不要になり、CPU42aの処理能力に余裕がない場合や、スクラブ再生などのスケジュールができないためにCPU42aがあまり処理をできない場合に有効である。
【0073】
本発明は上述した実施形態には限定されない。
すなわち、当業者は、本発明の技術的範囲またはその均等の範囲内において、上述した実施形態の構成要素に関し、様々な変更、コンビネーション、サブコンビネーション、並びに代替を行ってもよい。
上述した実施形態では、複数のピクチャデータとして、MPEGのピクチャデータを例示したが、本発明は順にデコードされるものであれば、オーディオのピクチャデータであってもよい。
【0074】
また、上述した実施形態では、複数のデコーダを用いる場合を例示したが、本発明は、例えば、図12に示すように、再生装置4bが単数のデコーダ34_1を用いる場合にも適用できる。
また、上述した実施形態では、符号化方式としてMPEGを例示したが、H.264/AVC(Advanced Video Coding)などにも同様に適用可能である。
【0075】
上述の実施の形態においては、圧縮映像のデータがHDD12に記憶されている場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、入出力インタフェース等を介して、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ、磁気ディスク等の種々の記録媒体に適用することもできる。さらに、その接続形態は、ケーブル等を介して接続するに限らず、例えば外部から有線または無線で接続されるように、その他種々の接続形態で接続するようにしてもよい。
【0076】
また、上述の実施の形態においては、一連の処理をそれぞれの機能を有するハードウェアにより実行させた場合について述べたが、本発明はこれに限らず、ソフトウェアにより実行させるようにしても良い。このとき、一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータに対して、各種プログラムをインストールすることで各種の機能を実行することが可能となり、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに例えば記録媒体からインストールされる。そしてこの記録媒体は、例えば、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ、磁気ディスク等の種々の記録媒体を含むことは言うまでもない。また例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに例えばインターネット等のネットワークを介してダウンロードすることによって、各種プログラムをインストールするようにしても良い。
【0077】
また、上述の実施の形態においては、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、記載された順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的あるいは個別に実行される処理をも含むものである。
【0078】
また、上述の実施の形態においては、再生速度は特に限定されず、任意の可変速再生動作時における再生装置の具体的処理について広く適用することができる。
【0079】
また、本実施形態のブロック構成は一例であり、図示したものには限定されない。
【0080】
さらに、HDD12に記録されている圧縮符号化データに対して、HDD12から読み出すデータとして有効であるか否かを示す読み出し用のフラグ群、デコードのスケジューリングにおいて有効であるか否かを示すデコード用のフラグ群、デコードされたデータを表示するスケジューリングにおいて有効であるか否かを示す表示用のフラグ群等をメタデータとして適宜設け、一連のフラグ群を再生速度・方向に応じて自動的に更新することによりスケジューリングを管理することも可能である。
このとき、過去の可変速再生処理に用いた一連のスケジューリング、フラグ群の更新情報を、別途スケジューリングのメタデータ(履歴情報)として管理することも可能であり、必要に応じて、圧縮符号化データ中にシンタックスとして記述したり、記録媒体であるHDD12等に別途記録したりしても良い。
【0081】
また、デコーダ数、バンク数。デコーダID等をメタデータ(構成履歴情報)として管理することも可能である。さらに、再生速度、再生方向等をメタデータ(再生履歴情報)として管理することも可能である。このとき、これらメタデータを、必要に応じて圧縮符号化データ中にシンタックスとして記述したり、記録媒体であるHDD12等に別途記録したりしても良い。
このようなメタデータ(履歴情報)を参照ることにより、過去の行われたスケジューリング処理を・再利用することができ、更に正確に高速に実行することが可能となる。
なお、このようなメタデータは、例えばデータベースとして外部装置で管理するような構成にしてもよい。
【0082】
なお、上述の実施の形態においては、デコーダ34_1〜34_3が、HDD12に記録されている圧縮符号化データを、完全にデコードしない(中途段階までデコードする)場合においても、本発明は適用可能である。
具体的には、例えば、デコーダ34_1〜34_3が、可変長符号に対する復号および逆量子化のみを行い、逆DCT変換を実行しない場合や、逆量子化を行うが可変長符号に対する復号を行わない場合などにおいても、本発明を適用することができる。このような場合、例えば、デコーダ34_1〜34_3は、例えば符号化処理および復号処理においてどの段階(例えば逆量子化の段階)まで処理が行われたかを示す履歴情報を必要に応じて生成し、不完全に復号されたデータに対応付けて出力することができるようにしても良い。
【0083】
さらに、上述の実施の形態においては、HDD12に、不完全に符号化されたデータ(例えば、DCT変換および量子化が行われているが、可変長符号化処理が行われていないデータなど)と、必要に応じて、符号化処理および復号処理の履歴情報が記憶されており、デコーダ34_1〜34_3が、CPU20の制御に基づいて、供給された不完全に符号化されたデータをデコードし、ベースバンド信号に変換することができるような場合においても、本発明は適用可能である。
具体的には、デコーダ34_1〜34_3が、例えば、DCT変換および量子化が行われているが、可変長符号化処理が行われていない不完全に符号化されたデータに対して、逆DCT変換および逆量子化のみを行い、可変長符号に対する復号は実行しない場合などにおいても、本発明を適用することができる。
また、このような場合、例えば、CPU20は、不完全に符号化されたデータに対応付けられてHDD12に記憶されている符号化処理および復号処理の履歴情報を取得し、これらの情報に基づいて、デコーダ34_1〜34_3によるデコードのスケジューリングを行うことができるようにしても良い。
【0084】
さらに、上述の実施の形態においては、HDD12に、不完全に符号化されたデータと、必要に応じて、符号化処理および復号処理の履歴情報が記憶されており、デコーダ34_1〜34_3が、CPU20の制御に基づいて、供給された不完全に符号化されたデータを完全にデコードしない(中途段階までデコードする)場合においても、本発明は適用可能である。
また、このような場合も、例えば、CPU20は、不完全に符号化されたデータに対応付けられてHDD12に記憶されている符号化処理および復号処理の履歴情報を取得し、これらの情報に基づいて、デコーダ34_1〜34_3によるデコードのスケジューリングを行うことができるようにしても良い。更に、この場合においても、デコーダ34_1〜34_3は、符号化処理および復号処理の履歴情報を必要に応じて生成し、不完全に復号されたデータに対応付けて出力することができるようにしても良い。
換言すれば、デコーダ34_1〜34_3が、CPU20の制御に基づいて、部分的な復号を行う(復号処理の工程のうちの一部を実行する)場合においても、本発明は適用可能であり、CPU20は、不完全に符号化されたデータに対応付けてHDD12に記憶されている符号化処理および復号処理の履歴情報を取得し、これらの情報に基づいて、デコーダ34_1〜34_3によるデコードのスケジューリングを行うことができ、デコーダ34_1〜34_3は、符号化および復号の履歴情報を必要に応じて生成し、不完全に復号されたデータに対応付けて出力することができるようにしても良い。
【0085】
更に、HDD12には、圧縮符号化されたストリームデータに対応付けて、更に、符号化お処理よび復号処理の履歴情報を記録するようにしても良く、CPU20は、圧縮符号化されたストリームデータのデコードのスケジューリングを、符号化処理および復号処理の履歴情報に基づいて行うようにしても良い。さらに、デコーダ34_1〜34_3が、CPU20の制御に基づいて、圧縮符号化されたストリームデータをデコードして、ベースバンド信号に変換することができるような場合においても、符号化および復号の履歴情報を必要に応じて生成し、ベースバンド信号に対応付けて出力することができるようにしても良い。
【0086】
なお、上述の実施の形態においては、再生装置4が、それぞれ、複数のデコーダを有しているものとして説明したが、デコーダが、それぞれ、独立した装置として構成されている場合においても、本発明は適用可能である。
このとき、独立した装置として構成されているデコーダは、圧縮符号化データの供給を受けてこれを復号し、表示または出力するのみならず、上述した場合と同様にして、圧縮符号化データの供給を受け、中途段階まで部分的に復号して、符号化および復号の履歴情報とともに外部に出力したり、部分的に符号化されたデータの供給を受け、復号処理を行い、ベースバンド信号に変換して外部に出力したり、部分的に符号化されたデータの供給を受け、中途段階まで部分的に復号して、符号化および復号の履歴情報とともに外部に出力するようにしても良い。
【0087】
さらに、上述の実施の形態においては、CPU20およびCPU42がそれぞれ別の形態で構成されているが、CPUの構成は、これに限らず、例えば、CPU20およびCPU42を、再生装置4全体を制御する1つのCPUとして構成する形態も考えられる。また、CPU20およびCPU42がそれぞれ独立して構成されている場合であっても、CPU20およびCPU42を1つのチップとして構成するようにしてもよい。
【0088】
更に、CPU20およびCPU42がそれぞれ独立して構成されている場合、上述の実施の形態においてCPU20が実行した処理の少なくとも一部を、例えば、時分割で、CPU42が実行することができるようにしたり、CPU42が実行した処理の少なくとも一部を、例えば、時分割で、CPU20が実行することができるようにしてもよい。すなわち、CPU20およびCPU42には、分散処理が可能なプロセッサを用いるようにしても良い。
【0089】
また、例えば、再生装置4をネットワークに接続可能な構成とし、上述の実施の形態において、CPU20またはCPU42が実行した処理の少なくとも一部を、ネットワークを介して接続されている他の装置のCPUにおいて実行させることができるようにしても良い。
同様に、上述の実施の形態においては、メモリ32,40等がそれぞれ別の形態で構成されているが、これに限らず、これらのメモリを再生装置4において1つのメモリとして構成する形態も考えられる。
【0090】
さらに、上述の実施の形態においては、HDD12、デコーダ34_1〜34_3、および、セレクタ38を、それぞれ、ブリッジおよびバスを介して接続し、再生装置として一体化されている場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、これらの構成要素のうちの一部が、外部から有線または無線で接続される場合や、これらの構成要素が、この他、種々の接続形態で相互に接続される場合にも適用することができる。
【0091】
さらに、上述の実施の形態においては、圧縮されたストリームデータがHDDに記憶されている場合について述べたが、本発明はこれに限らず、例えば、光ディスク、光磁気ディスク、半導体メモリ、磁気ディスク等の種々の記録媒体に記録されたストリームデータに対して再生処理を行う場合にも適用することができる。
【0092】
さらに、上述の実施の形態においては、CPU42、メモリ32、メモリ40、デコーダ34_1〜34_3、および、セレクタ38を、同一の拡張カード(例えば、PCIカード、PCI−Expressカード)に搭載する形態に限らず、例えばPCI−Expressなどの技術によりカード間の転送速度が高い場合には、これらの構成要素を、それぞれ別の拡張カードに搭載するようにしてもよい。
【0093】
また、本明細書において、システムとは、複数の装置が論理的に集合した物をいい、各構成の装置が同一筐体中にあるか否かを問わない。
【産業上の利用可能性】
【0094】
本発明は、被再生データを再生するシステムに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係わるデータ処理システムの全体構成図である。
【図2】図2は、図1に示すデータ処理システムでデコード対象となる被再生データENCを説明するための図である。
【図3】図3は、図1に示すコンピュータから再生装置に出力される転送完了通知を説明するための図である。
【図4】図4は、図1に示すデータ処理システムの全体動作例を説明するためのフローチャートである。
【図5】図5は、図1に示すデータ処理システムの全体動作例を説明するための図4の続きのフローチャートである。
【図6】図6は、図5のステップST15の処理を説明するためのフローチャートである。
【図7】図7は、図4に示すステップST3、図5に示すステップST20、並びに図6に示すステップST34において、コンピュータが、再生装置の入力用メモリ内のGOPを書き込むアドレスを決定する処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】図8は、図7の処理の一例を説明するための図である。
【図9】図9は、図1に示す本発明の第2実施形態のコンピュータから再生装置にピクチャデータを出力する場合のコンピュータのCPUの処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】図10は、図1に示す本発明の第2実施形態のコンピュータによる再生装置の再生制御を説明するためのフローチャートである。
【図11】図11は、図1に示す本発明の第2実施形態のコンピュータから転送完了通知を入力した再生装置が行う処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】図12は、本発明の実施形態に係わるデータ処理システムの変形例を説明するための図である。
【符号の説明】
【0096】
1,1a…データ処理システム、2,2a…コンピュータ、4,4a,4b…再生装置、12…HDD、14…ブリッジ、16…メモリ、18…ブリッジ、19…操作部、20,20a…CPU、30…PCIブリッジ、32…入力用メモリ、34_1,34_2,34_3…デコーダ、36_1,36_2,36_3…再生用メモリ、38…セレクタ、40…制御用メモリ、42,42a…CPU

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のピクチャデータを指定された再生方向に応じた順序で再生する再生装置に前記ピクチャデータを出力するデータ処理装置であって、
前記再生装置に指定した再生方向に応じた順序で前記ピクチャデータを前記再生装置に出力して前記再生装置内の入力用メモリに書き込ませ、前記再生装置に指定する前記再生方向を反転すると、反転後の前記再生方向の再生で次に用いられる前記ピクチャデータが前記入力用メモリに記憶されていないと判断したことを条件に、当該ピクチャデータを前記再生装置に出力する処理回路
を有するデータ処理装置。
【請求項2】
前記処理回路は、複数のピクチャデータを含むピクチャデータ群を単位として前記ピクチャデータを再生装置に出力し、前記反転後の前記再生方向の再生で次に用いられる前記ピクチャデータを含む前記ピクチャデータ群が前記入力用メモリに記憶されていないと判断したことを条件に、当該ピクチャデータ群を前記再生装置に出力する
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項3】
前記処理回路は、前記再生装置が前記ピクチャデータ群に含まれる全ての前記ピクチャデータの再生を終了する度に、前記再生装置に指定した前記再生方向に応じた新たな前記ピクチャデータ群を前記再生装置に出力する
請求項2に記載のデータ処理装置。
【請求項4】
前記処理回路は、前記再生装置に出力した前記ピクチャデータを書き込む前記入力用メモリ内のアドレスを指定し、当該アドレスを示すアドレス通知を前記再生装置に出力する
請求項1に記載のデータ処理装置。
【請求項5】
前記処理回路は、反転後の再生方向の再生に用いられる前記ピクチャデータが前記入力用メモリに記憶されていると判断した場合に、当該ピクチャデータを前記再生装置に出力せずに、当該ピクチャデータが記憶された前記入力用メモリのアドレスを示す前記アドレス通知を前記再生装置に出力する
請求項4に記載のデータ処理装置。
【請求項6】
前記処理回路は、前記反転指示を含む前記再生装置に対して出力した指示と、前記アドレス通知とを基に、前記入力用メモリに記憶されている前記ピクチャデータを管理し、当該管理に従って、前記反転後の前記再生方向の再生で次に用いられる前記ピクチャデータが前記入力用メモリに記憶されているか否かを判断する
請求項4に記載のデータ処理装置。
【請求項7】
前記処理回路は、前記入力用メモリ内の未記憶領域あるいは既に再生後のピクチャデータを記憶している記憶領域のうち、前記再生装置に出力する前記ピクチャデータに再生順が最も近い前記ピクチャデータを記憶する前記記憶領域に隣接した記憶領域の前記アドレスを示す前記アドレス通知を前記再生装置に出力する
請求項4に記載のデータ処理装置。
【請求項8】
データ出力元から入力した複数のピクチャデータを順にデコードして再生する再生装置であって、
前記データ出力元から前記再生方向に応じた順序で前記ピクチャデータを入力する入力手段と、
前記ピクチャデータを記憶する入力用メモリと、
前記入力用メモリから読み出された前記ピクチャデータをデコードして再生する再生回路と、
前記入力手段が入力した前記ピクチャデータを前記入力用メモリ内に記憶された既に再生が終了した前記ピクチャデータのうち一部の前記ピクチャデータに上書きし、再生方向に応じて前記入力用メモリから読み出した前記ピクチャデータを前記再生回路に出力する処理回路と
を有し、
前記処理回路は、前記再生方向の反転指示を前記データ出力元から入力すると、既に前記再生回路で再生した前記ピクチャデータを前記入力用メモリから読み出して前記再生回路に出力して前記反転後の再生を行わせる
再生装置。
【請求項9】
データ処理装置が複数のピクチャデータを再生装置に出力して再生させるデータ処理システムであって、
前記再生装置に指定した再生方向に応じた順序で前記ピクチャデータを前記再生装置に出力して前記再生装置内の入力用メモリに書き込ませ、前記再生装置に指定する前記再生方向を反転せると、反転後の前記再生方向の再生で次に用いられる前記ピクチャデータが前記入力用メモリに記憶されていないと判断したことを条件に、当該ピクチャデータを前記再生装置に出力するデータ処理装置と、
前記データ処理装置から入力した前記ピクチャデータを前記入力用メモリに書き込み、前記データ処理装置が指定した再生方向に応じて前記入力用メモリから読み出した前記ピクチャデータを再生する再生装置と
を有するデータ処理システム。
【請求項10】
複数のピクチャデータをデータ処理装置から再生装置に出力して再生させる再生方法であって、
前記データ処理装置が、前記再生装置に指定する前記再生方向を反転せると、反転後の前記再生方向の再生で次に用いられる前記ピクチャデータを前記再生装置が保持しているか否かを判断する第1の工程と、
前記データ処理装置が、再生で次に用いられる前記ピクチャデータを前記再生装置が保持していないと前記第1の工程で判断したことを条件に、当該ピクチャデータを前記再生装置に出力する第2の工程と
を有する再生方法。
【請求項11】
複数のピクチャデータを指定された再生方向に応じた順序で再生する再生装置に前記ピクチャデータを出力するデータ処理装置が実行するプログラムであって、
前記再生装置に指定した再生方向に応じた順序で前記ピクチャデータを前記再生装置に出力して前記再生装置内の入力用メモリに書き込ませる第1の手順と、
前記再生装置に指定する前記再生方向を反転すると、反転後の前記再生方向の再生で次に用いられる前記ピクチャデータが前記入力用メモリに記憶されていないと判断したことを条件に、当該ピクチャデータを前記再生装置に出力する第2の手順と
有するプログラム。
【請求項12】
複数のピクチャデータを指定された再生方向に応じた順序で再生する再生装置に前記ピクチャデータを出力するデータ処理装置が実行するプログラムを記録する記録媒体であって、
前記プログラムは、
前記再生装置に指定した再生方向に応じた順序で前記ピクチャデータを前記再生装置に出力して前記再生装置内の入力用メモリに書き込ませる第1の手順と、
前記再生装置に指定する前記再生方向を反転すると、反転後の前記再生方向の再生で次に用いられる前記ピクチャデータが前記入力用メモリに記憶されていないと判断したことを条件に、当該ピクチャデータを前記再生装置に出力する第2の手順と
を有する記録媒体。
【請求項13】
複数のピクチャデータをデータ処理装置から再生装置に出力して再生させる再生装置が実行するプログラムであって、
前記データ処理装置が、前記再生装置に指定する前記再生方向を反転せると、反転後の前記再生方向の再生で次に用いられる前記ピクチャデータを前記再生装置が保持しているか否かを判断する第1の手順と、
前記データ処理装置が、再生で次に用いられる前記ピクチャデータを前記再生装置が保持していないと前記第1の手順で判断したことを条件に、当該ピクチャデータを前記再生装置に出力する第2の手順と
を有するプログラム。
【請求項14】
複数のピクチャデータをデータ処理装置から再生装置に出力して再生させる再生装置が実行するプログラムを記録する記録媒体であって、
前記プログラムは、
前記データ処理装置が、前記再生装置に指定する前記再生方向を反転せると、反転後の前記再生方向の再生で次に用いられる前記ピクチャデータを前記再生装置が保持しているか否かを判断する第1の手順と、
前記データ処理装置が、再生で次に用いられる前記ピクチャデータを前記再生装置が保持していないと前記第1の手順で判断したことを条件に、当該ピクチャデータを前記再生装置に出力する第2の手順と
を有する記録媒体。
【請求項15】
データ処理手段が複数のピクチャデータを再生手段に出力して再生させるデータ処理装置であって、
前記再生手段に指定した再生方向に応じた順序で前記ピクチャデータを前記再生手段に出力して前記再生手段内の入力用メモリに書き込ませ、前記再生手段に指定する前記再生方向を反転せると、反転後の前記再生方向の再生で次に用いられる前記ピクチャデータが前記入力用メモリに記憶されていないと判断したことを条件に、当該ピクチャデータを前記再生手段に出力するデータ処理手段と、
前記データ処理手段から入力した前記ピクチャデータを前記入力用メモリに書き込み、前記データ処理手段が指定した再生方向に応じて前記入力用メモリから読み出した前記ピクチャデータを再生する再生手段と
を有するデータ処理装置。
【請求項16】
複数のピクチャデータを指定された再生方向に順に再生する再生装置に前記ピクチャデータを出力するデータ処理装置であって、
前記再生装置が再生する前記ピクチャデータをその再生前に前記再生装置に出力して前記再生装置内の入力用メモリに書き込ませた後に、前記入力用メモリに書き込んだ前記ピクチャデータを前記再生装置に再生させるタイミングを管理し、当該管理に応じて、前記書き込んだピクチャデータを再生する指示を前記再生装置に出力する処理回路
を有するデータ処理装置。
【請求項17】
前記処理回路は、前記再生を指示する前記ピクチャデータが前記入力用メモリに記憶されているか否かを判断し、当該ピクチャデータが前記入力用メモリに記憶されていると判断すると、前記再生装置に当該ピクチャデータを所定のタイミングで再生させるように前記指示を前記再生装置に出力する
請求項16に記載のデータ処理装置。
【請求項18】
前記処理回路は、前記ピクチャデータが前記入力用メモリに記憶されていないと判断すると、当該ピクチャデータを前記再生装置に出力して前記入力用メモリに書き込む
請求項17に記載のデータ処理装置。
【請求項19】
前記処理回路は、前記入力用メモリ内の指定したアドレスに前記ピクチャデータを書き込ませ、当該アドレスを指定した前記ピクチャデータを再生する指示を前記再生装置に出力する
請求項16に記載のデータ処理装置。
【請求項20】
複数のピクチャデータを指定された再生方向に順に再生する再生装置に前記ピクチャデータを出力するデータ処理装置が実行するプログラムであって、
前記再生装置が再生する前記ピクチャデータをその再生前に前記再生装置に出力して前記再生装置内の入力用メモリに書き込ませる第1の手順と、
前記第1の手順の後に、前記入力用メモリに書き込んだ前記ピクチャデータを前記再生装置に再生させるタイミングを管理し、当該管理に応じて、前記書き込んだピクチャデータを再生する指示を前記再生装置に出力する第2の手順と
を有するプログラム。
【請求項21】
複数のピクチャデータを指定された再生方向に順に再生する再生装置に前記ピクチャデータを出力するデータ処理装置が実行するプログラムを記録する記録媒体であって、
前記プログラムは、
前記再生装置が再生する前記ピクチャデータをその再生前に前記再生装置に出力して前記再生装置内の入力用メモリに書き込ませる第1の手順と、
前記第1の手順の後に、前記入力用メモリに書き込んだ前記ピクチャデータを前記再生装置に再生させるタイミングを管理し、当該管理に応じて、前記書き込んだピクチャデータを再生する指示を前記再生装置に出力する第2の手順と
を有する記録媒体。
【請求項22】
データ処理装置が複数のピクチャデータを再生装置に出力して再生させるデータ処理システムであって、
前記ピクチャデータをその再生前に前記再生装置に出力して前記再生装置内の入力用メモリに書き込ませた後に、前記入力用メモリに書き込んだ前記ピクチャデータを前記再生装置に再生させるタイミングを管理し、当該管理に応じて、前記書き込んだピクチャデータを再生する指示を前記再生装置に出力するデータ処理装置と、
前記入力用メモリを備え、前記データ処理装置から入力したピクチャデータを前記入力用メモリに書き込み、前記データ処理装置から前記指示を入力すると、当該指示で指定されたピクチャデータを前記入力用メモリから読み出して再生する再生装置と
を有するデータ処理システム。
【請求項23】
データ処理装置が複数のピクチャデータを再生装置に出力して再生させる再生方法であって、
前記データ処理装置が、前記ピクチャデータをその再生前に前記再生装置に出力して前記再生装置内の入力用メモリに書き込ませた後に、前記入力用メモリに書き込んだ前記ピクチャデータを前記再生装置に再生させるタイミングを管理する第1の工程と、
前記データ処理装置が、前記第1の工程の前記管理に応じて、前記書き込んだピクチャデータを再生する指示を前記再生装置に出力する第2の工程と、
前記再生装置が、前記第2の工程で入力した前記指示に応じて、当該指示で指定されたピクチャデータを前記入力用メモリから読み出して再生する第3の工程と
を有する再生方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2006−157875(P2006−157875A)
【公開日】平成18年6月15日(2006.6.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−243291(P2005−243291)
【出願日】平成17年8月24日(2005.8.24)
【出願人】(000002185)ソニー株式会社 (34,172)
【Fターム(参考)】