説明

トウチ抽出物の使用方法及び栄養組成物

αグルコシダーゼ阻害剤及びより詳細にはトウチ抽出物を含有する栄養組成物に関する方法及び組成、並びに多くの疾患の治療でのその使用を開示する。この疾患には、糖尿病、高脂血症、肥満、メタボリック症候群/X症候群、COPD、吸収不良、クローン病、下痢、便秘、過敏性腸症候群、ヒト免疫不全ウイルス、嚢胞性線維症、非アルコール性脂肪性肝炎、関連不妊症を含む多嚢胞性卵巣症候群、及び勃起障害が挙げられる。さらに、αグルコシダーゼ阻害剤、及びより詳細にはトウチ抽出物は、救急患者の治癒を補助するため、及び一般的な創傷治癒のために使用できる。さらに、トウチ抽出物を含むαグルコシダーゼ阻害剤は、運動能力を高めるために使用できる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[技術分野]
本発明は、全般的に栄養に関し、さらに詳細には、αグルコシダーゼ阻害剤、より具体的にはトウチ抽出物を含有する使用方法及び栄養組成物に関する。
【0002】
[発明の背景]
トウチ抽出物(TE)は、発酵した大豆の水抽出粉末である。トウチ抽出物は、コウジカビ(Aspergillus Oryzae)で発酵させた大豆に由来するものである。トウチ抽出物は、アカルボース及びボグリボースと同様に、αグルコシダーゼの活性を阻害し、2型糖尿病患者の血糖値及びHbA1c値の低下をもたらすことが示された。トウチ抽出物は、αグルコシダーゼだけを阻害し、アミラーゼ、ペプシン、トリプシン、キモトリプシン又はリパーゼ等の他の消化酵素は阻害しない。
【0003】
米国の肥満率は過去25年間で2倍を超えた。2000年には、米国の肥満有病率が31%になると推定された。肥満の蔓延は、米国の人口だけにとどまらない。過去15年間で、ヨーロッパ人口の過半数の間でも肥満有病率が、10%から40%に増加した。多くの研究は、肥満と早死の危険性の増大とを関連づけ、体重が過剰に増加するにつれて、死亡確率も増加することを示した。現在、肥満は米国における年間死亡者数約112,000人を占め、予防可能な死因の中ではタバコの使用に次いで第2位である。体重減少は症状を緩和し、高血圧、冠状動脈性心臓病、2型糖尿病、変形性関節症及び睡眠時無呼吸症を含む、肥満と関連する多くの慢性病状の重症度を減少させることが明確に示された。さらに、体重減少は、潜在的な危険因子を制御することにより、将来の疾患を予防する。体重を減らすことは、血圧、総コレステロール、低密度リポタンパク質(LDL)コレステロール及びトリグリセリドを低下させることによって心血管疾患を防ぐことが示された。
【0004】
同様に、メタボリック症候群/X症候群は、血糖の上昇、耐糖能障害、インスリン抵抗性、トリグリセリドの上昇、LDLコレステロールの上昇、高密度リポタンパク質(HDL)コレステロールの低下、血圧の上昇、腹部肥満、炎症促進状態及び血栓形成促進状態を含むメタボリック危険因子群である。メタボリック症候群の人々は、心血管疾患、冠状動脈性心臓病及び動脈壁のプラーク形成と関連する他の疾患、並びに2型糖尿病の危険性が高い。心血管疾患及び冠状動脈性心臓病の危険因子の一部には、空腹時血糖の低下、血中脂質(総コレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリド)の上昇、HDLコレステロールの低下、肥満、2型糖尿病、血圧の上昇、インスリン抵抗性、並びに炎症促進状態及び血栓形成促進状態が挙げられる。
【0005】
[発明の概要]
本発明は、αグルコシダーゼ阻害剤、及びより詳細にはトウチ抽出物を含む、使用方法、組成物又は食餌療法に関する。トウチ抽出物及び他のαグルコシダーゼ阻害剤は、炭水化物の分解を抑制する能力により、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)及びグルカゴン様ペプチド−2(GLP−2)の血漿濃度が増加するように作用するであろう。
【0006】
GLP−1は、グルコース依存性のインスリン分泌、並びに脾臓β細胞の増殖及び新生を刺激するように作用する。血漿GLP−1濃度の増加は、血液中でのグルコースの出現を遅延させる上でのトウチ抽出物の作用に加えて、インスリン分泌を刺激することにより血糖コントロールを改善するであろう。
【0007】
GLP−2は、陰窩・絨毛構造を改善し、酵素及び輸送体の活性を増加させることによって腸の構造及び機能を高めるように作用する。血漿GLP−2濃度の増加は、腸の構造及び機能を改善し、腸炎を減少させるであろう。
【0008】
さらに、トウチ抽出物及び/又は他のαグルコシダーゼ阻害剤とフラバノール(即ち、ココア、ワイン、ブドウの種及び緑茶由来のエピカテキン及びカテキン化合物)との組合せは、血糖コントロール及び血管拡張を改善することによって、内皮機能を改善し得る。
【0009】
糖尿病は、初期のインスリン抵抗性から後期の外因性インスリン依存性まで、トウチ抽出物及び/又は他のαグルコシダーゼ阻害剤により好ましい影響を受け得る。トウチ抽出物及び/又は他のαグルコシダーゼ阻害剤は、炭水化物の分解を抑制し、したがって炭水化物が腸内に存在する時間を延長し、それにより食後の血糖値の上昇を遅延させる。この食後の血糖値の緩やかな上昇は、インスリンのβ細胞分泌を減速/遅延させて、体細胞の高濃度インスリンへの曝露を最小限に抑えることができるため、インスリン感受性の改善及びインスリン抵抗性の低下に寄与することができる。
【0010】
肥満については、トウチ抽出物及び/又は他のαグルコシダーゼ阻害剤は、血液中でのグルコースの出現を遅延させる上でのトウチ抽出物の作用に加えて、GLP−1の作用を介して、血糖コントロールを改善し、満腹感を改善し、胃内容排出を遅延させて満腹感をさらに改善するように作用するであろう。
【0011】
メタボリック症候群/X症候群では、トウチ抽出物及び/又は他のαグルコシダーゼ阻害剤は、炭水化物の分解を抑制し、したがって炭水化物が腸内に存在する時間を延長し、それにより食後の血糖値の上昇を遅延させることによって、この症候群の後遺症の一部を軽減する。
【0012】
トウチ抽出物及び/又は他のαグルコシダーゼ阻害剤の別の潜在的な役割は、GLP−1を刺激する能力であり、次いでGLP−1がβ細胞のインスリン分泌を刺激し、したがって血糖値の低下を補助し、血中脂質、炎症及び血栓因子、血圧、並びに腹部肥満の低下に貢献することができる。
【0013】
インスリン抵抗性及び慢性閉塞性肺疾患(COPD)はいずれも、炎症状態及び酸化ストレスと関係がある。トウチ抽出物及び/又は他のαグルコシダーゼ阻害剤の投与は、病状の悪化に至るインスリン分泌及び高血糖の低下を介して患者に有益となろう。
【0014】
トウチ抽出物による血漿GLP−2濃度の増加は、粘膜変性に伴う吸収不良患者の腸機能の回復を補助すると思われ、短腸症候群患者並びに消化管悪性腫瘍及び潰瘍性大腸炎の手術後の患者を含む、腸切除後の患者の栄養吸収を含めた腸機能の最適化を補助するであろう。さらに、トウチ抽出物は、腸炎によって破壊された腸バリアの完全性を含めた正常な腸機能の回復を補助するであろう。
【0015】
プロバイオティクス及び/又はプレバイオティクスの添加により、さらに、腸の構造及び機能を改善し、炎症を減少させ、並びに以下に示す免疫反応を高めることができる。
【0016】
市販のスポーツ用製品の場合、後で使用するために過剰な血糖が貯蔵され、この状態は、運動能力に悪影響を及ぼす恐れがある低血糖を実際に引き起こし得る。トウチ抽出物及び/又は他のαグルコシダーゼ阻害剤の使用を介して、炭水化物が単糖類に代謝され、吸収される期間を延長することにより、製品を消費する運動選手の潜在的な持久力が高まると考えられている。
【0017】
トウチ抽出物の使用は、グルコースの代謝及び吸収を減速させる機構を介してグルコース及び脂質の異常な代謝の管理を補助し、したがってヒト免疫不全ウイルスと関連する合併症の一部を減少させるであろう。
【0018】
嚢胞性線維症(CF)患者の大部分は、膵管閉塞を有し、インスリン利用率の不足等、内分泌機能不全に至る場合が多い。この不全により、CF関連の糖尿病に至る恐れがある。食後のグルコース変動範囲を減少させるためのトウチ抽出物の使用は、嚢胞性線維症関連の糖尿病の管理に有用となり得る。
【0019】
トウチ抽出物の使用によって、食後のグルコース変動範囲を減少させ、その結果インスリンスパイクが減少するので、非アルコール性脂肪性肝炎患者によく見られる2型糖尿病の管理に有用となり得る。さらに、インスリンの自然な作用は、グルコースの細胞内への進入を介して、又はトリグリセリド等、時には脂肪としてグルコースを貯蔵することによって、血糖値を低下させることであるため、トウチ抽出物は、トリグリセリドの体内産生の減少に有用となり得るので、したがって肝臓内での脂肪の蓄積の管理を補助する役割を果たし得る。
【0020】
救急患者用の経口栄養補助食品(ONS)でのトウチ抽出物の使用は、血糖コントロールを改善し、感染症及び他の合併症の危険性を低減し、創傷治癒の質及び速度を改善するであろう。トウチ抽出物を含有する経管栄養と同じ原理が想定できる。
【0021】
血糖値の上昇は、創傷治癒を遅延させることが周知である。食後のグルコース変動範囲を減少させるためのトウチ抽出物の使用は、褥瘡を含む治癒障害を最小限に抑えるであろう。
【0022】
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
トウチ抽出物の使用は、食後のグルコース変動範囲の管理を補助し、不妊症を含む多嚢胞性卵巣症候群のこの部分の合併症を最小限に抑えるであろう。
【0023】
トウチ抽出物の使用は、食後のグルコース変動範囲の管理を補助し、その結果血漿インスリンスパイクが調節されるため、勃起障害をもたらす内皮機能不全を最小限に抑えるであろう。さらに、トウチ抽出物とフラバノール(ココア、ワイン、緑茶等由来のエピカテキン及びカテキン化合物)との組合せは、血糖コントロール及び血管拡張を改善することにより内皮機能を改善し得る。
【0024】
本発明の例示的態様は、本明細書に記載の問題、及び当業者が発見できる、論じられていない他の問題を解決するために企図されている。
【0025】
[詳細な説明]
終始使用されているように、範囲は、範囲内にある各値及び全ての値を説明するための省略表現として使用される。範囲内の任意の値は、範囲の終端として選択できる。「少なくとも1つの」という語句が使用されるときは、任意の1つの構成要素を単独で、又は該構成要素を任意の組合せで選択することを示す。接続詞「及び」若しくは「又は」は、部材の一覧で使用できるが、「少なくとも1つの」という語句は、制御言語である。例えば、少なくとも1つのA、B、及びCは、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びB、B及びC、A及びC、又はA及びB及びCの省略表現である。
【0026】
特許請求の範囲を含む本明細書全体に含まれる全ての値は、「約」という用語が使用されているか否かにかかわらず、正確であるとの別段の指示がない限り、おおよその値であると見なされる。
【0027】
「トウチ抽出物(TE)」という用語の使用は、栄養組成物又は食餌療法で同じ特性を示すと思われる任意のαグルコシダーゼ阻害剤を意味すると解釈することとする。
【0028】
「αグルコシダーゼ阻害剤」という用語の使用は、全ての場合でトウチ抽出物を含むと解釈することとする。
【0029】
食餌療法には、それだけに限らないが、特定のパラメーターに分類される食品及び/又は飲料の組合せ(即ち、同時に摂取したとき、脂肪とタンパク質とを1:1の比で含有する食品及び/又は飲料)が挙げられる。
【0030】
「哺乳類」という用語には、それだけに限らないが、齧歯類、水生哺乳動物、イヌ及びネコ等の家庭用動物、ヒツジ、ブタ、ウシ、及びウマ等の農用動物、並びにヒトが挙げられる。「哺乳類」という用語を使用する場合、哺乳類により示されるか、又は示されることが意図された作用について能力がある他の動物にも適用することが企図されている。
【0031】
本明細書で使用する糖尿病は、1型及び2型糖尿病を含め、それだけに限らないが、耐糖能障害、インスリン抵抗性、インスリン感受性の低下、インスリン依存性を含む、正常血糖並びに正常なインスリンの産生及び機能から、インスリン依存性及び膵臓疲労までの連続体に当てはまる生理的機能状態を指す。
【0032】
糖尿病の共存症には、それだけに限らないが、心血管疾患、高脂血症、網膜症、膠原組織の変化、炎症、及びインスリン抵抗性が挙げられる。
【0033】
本発明は、αグルコシダーゼ阻害剤、及びより詳細にはトウチ抽出物を含む、使用方法、組成物、又は食餌療法に関する。
【0034】
αグルコシダーゼ阻害剤及びトウチ抽出物
トウチ抽出物(TE)及び他のαグルコシダーゼ阻害剤は、炭水化物の分解を抑制する能力により、グルカゴン様ペプチド−1(GLP−1)及びグルカゴン様ペプチド−2(GLP−2)の血漿濃度が増加するように作用すると考えられている。
【0035】
GLP−1は、末端小腸及び結腸内に位置する内分泌L細胞から分泌されるホルモンである。GLP−1は、グルコース依存性のインスリン分泌、並びにβ細胞の増殖及び新生を刺激するように作用する。GLP−1は、栄養、ホルモン及び神経刺激に反応して分泌され、その一次刺激は経腸栄養である。トウチ抽出物は、炭水化物の分解を抑制し、炭水化物が腸内に存在する時間を延長する天然のαグルコシダーゼ阻害剤である。そのため、より多量の炭水化物が、末端小腸に到達し、L細胞と相互作用してGLP−1の分泌を刺激し得る。グルコースが末端小腸に到達すると、該グルコースが発酵して、GLP−1及びGLP−2の産生及び分泌を誘発する短鎖脂肪酸を生成し得るか、及び/又はL細胞の刷子縁膜を通過するグルコースのナトリウム依存性輸送により、GLP−1及びGLP−2の分泌を誘発することができると考えられている。血漿GLP−1濃度の増加は、血液中でのグルコースの出現を遅延させる上でのトウチ抽出物の作用に加えて、血糖コントロールを改善するであろう。
【0036】
GLP−2は、末端小腸及び結腸内に位置する内分泌L細胞から分泌されるホルモンである。GLP−2は、陰窩−絨毛構造を改善し、酵素及び輸送体の活性を増加させることにより、腸の構造及び機能を高めるように作用する。GLP−2は、栄養、ホルモン及び神経刺激に反応して分泌され、その一次刺激は経腸栄養である。トウチ抽出物は、炭水化物の分解を抑制し、炭水化物が腸内に存在する時間を延長する天然のαグルコシダーゼ阻害剤である。そのため、より多量の炭水化物が、末端小腸に到達し、L細胞と相互作用してGLP−2の分泌を刺激し得る。血漿GLP−2濃度の増加は、腸の構造及び機能を改善し、腸炎を減少させるであろう。
【0037】
糖尿病/微小血管合併症(腎臓/目/神経)
世界中で推定1億7500万人が、2型糖尿病を患っている。糖尿病は、世界中で主要な死因の第四位であり、糖尿病と関連する合併症には、失明、切断症、腎不全、心臓発作及び神経損傷が挙げられる。これらの合併症は、血糖値の上昇として定義される高血糖に関連している。高血糖及び高インスリン血は、微小血管障害を引き起こし、内皮機能不全、並びに潜在的な失明、腎不全及び神経損傷を招く。
【0038】
糖尿病性腎症は、糖尿病患者の20〜40%で起こり、毎年、約43000人の糖尿病患者が腎不全の治療を開始する。高血糖は、網膜症の発生及び進行の独立危険因子である。神経障害は、2型糖尿病患者ではごく初期に発症し得る。糖尿病性の腎症、網膜症及び神経障害の進行は、厳格な血糖及び血圧のコントロールによって予防できる。
【0039】
さらに、トウチ抽出物及び/又は他のαグルコシダーゼ阻害剤とフラバノール(例えば、ココア、ワイン、緑茶等由来のエピカテキン及びカテキン化合物)との組合せは、血糖コントロール及び血管拡張を改善することによって内皮機能を改善し得る。この組合せは、糖尿病と関連する微小血管合併症の進行の遅延を増進する上で顕著な効果を有し得る。
【0040】
糖尿病と心血管疾患の危険因子との間の相関性
糖尿病と心血管疾患(CVD)及び/又は冠状動脈性心臓病(CHD)とは、いくつかの危険因子を共有している。例えば、周知のCVD危険因子である高血圧(即ち、>140/90mmHg)の人々は、正常血圧の人よりも2型糖尿病を発症する危険性がより高い。同様に、いずれも周知のCVD危険因子である高密度リポタンパク質コレステロール(HDLC)濃度が35mg/dL以下又はトリグリセリド(TG)濃度が250mg/dL以上の人も、2型糖尿病を発症する危険性が高い。
【0041】
さらに、2型糖尿病患者は、急性心筋梗塞時、高い死亡率を有し、心筋梗塞後の長期生存については比較的予後不良であることが示されたため、糖尿病自体、CVDの危険因子と見なすことができる。そのため、上記のデータは、糖尿病患者が他のCVD危険因子を有していない場合でも、CVDの危険性が高いものとして該患者を治療するのが懸命であることを示唆している。
【0042】
インスリン抵抗性
インスリン抵抗性は、身体がインスリンを効率的に使用できない全身性代謝障害である。インスリン抵抗性は、膵臓によって分泌された正常な量のインスリンが、細胞への扉を開けることができず、したがって細胞はグルコース(エネルギー)が欠乏しているのに対して、血糖値は上昇する場合に起こる。細胞への正常な血糖及びエネルギーの供給を維持するために、膵臓はさらなるインスリンを分泌する。体細胞が高濃度のインスリンさえも抵抗するか、又はそれに反応しない場合、グルコースが血液中で増加し、高血糖又は2型糖尿病を引き起こす。トウチ抽出物及び/又は他のαグルコシダーゼ阻害剤は、炭水化物の分解を抑制し、したがって炭水化物が腸内に存在する時間を延長し、それにより食後の血糖値の上昇を遅延させる。したがって、この食後の血糖値の緩やかな上昇は、β細胞のインスリン分泌を減速/遅延させて、体細胞の高濃度のインスリンへの曝露を最小限に抑えるため、インスリン感受性の改善及びインスリン抵抗性の低下に寄与することができる。
【0043】
肥満
炭水化物の分解を抑制する能力により、トウチ抽出物及び/又は他のαグルコシダーゼ阻害剤が、前記のようにGLP−1及びGLP−2の血漿濃度を増加するように作用するであろうことが提案されている。血漿GLP−1濃度の増加は、血液中でのグルコースの出現を遅延させる上でのトウチ抽出物の作用に加えて、血糖コントロールを改善し、満腹感を高め、胃内容排出を遅延させて満腹感をさらに改善するであろう。さらに、GLP−1濃度は、肥満患者で低下することが報告されている。そのため、減量栄養補助食品又は他の医療用食品にトウチ抽出物及び/又は他のαグルコシダーゼ阻害剤を添加することによって、GLP−1濃度を増加させるか、正常値に戻すことができる。
【0044】
メタボリック症候群/X症候群
トウチ抽出物及び/又は他のαグルコシダーゼ阻害剤は、炭水化物の分解を抑制し、したがって炭水化物が腸内に存在する時間を延長し、それにより食後の血糖値の上昇を遅延させる。この血糖値の緩やかな上昇は、メタボリック症候群と関連する多くの危険因子を調節する際に決定的役割を果たすことができる。血糖値の低下は、1.インスリン分泌濃度の低下、2.炭水化物の脂質(トリグリセリド、VLDLコレステロール、LDLコレステロール)への変換速度の低下、3.腹部肥満の減少、4.インスリン抵抗性の低下、5.血圧の低下、6.炎症及び血栓因子レベルの低下をもたらし、次いで、これらは全て、メタボリック症候群と関連する慢性疾患の危険性を低減することができる。トウチ抽出物の他の潜在的な役割は、GLP−1を刺激する能力であり、GLP−1は、次いで満腹感を高め、体重の減少又は維持を補助する。さらに、GLP−1はβ細胞のインスリン分泌を刺激し、したがって血糖値の低下を補助し、血中脂質、炎症及び血栓因子、血圧、並びに腹部肥満の低下に寄与することができる。
【0045】
心臓の健康/心血管疾患/脂質の上昇
トウチ抽出物及び/又は他のαグルコシダーゼ阻害剤は、炭水化物の分解を抑制し、したがって炭水化物が腸内に存在する時間を延長し、それにより食後の血糖値の上昇を遅延させる。この血糖値の緩やかな上昇は、メタボリック症候群と関連する多くの危険因子を調節する際に決定的役割を果たすことができる。血糖値が低下すると、1.インスリン分泌濃度の低下;2.炭水化物の脂質(トリグリセリド、VLDLコレステロール、LDLコレステロール)への変換速度の低下;3.腹部肥満の減少;4.インスリン抵抗性の低下;5.血圧の低下;6.炎症及び血栓因子レベルの低下をもたらし、次いで、これらは全て、心血管疾患の危険性を低減することができる。トウチ抽出物及び/又は他のαグルコシダーゼ阻害剤の他の潜在的な役割は、GLP−1を刺激する能力であり、次いでGLP−1はβ細胞のインスリン分泌を刺激し、したがって血糖値の低下を補助し、血中脂質、炎症及び血栓因子、血圧、並びに腹部肥満の低下に寄与することができる。
【0046】
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
慢性閉塞性肺疾患患者は、組織に酸素を供給する能力を低下させる、肺の炎症及び閉塞を患う。安静時エネルギー消費量の増加は、COPDでよく見られ、消耗は、エネルギーの摂取と消費との間の不均衡の結果であると想定される場合が多い。断面調査から、糖尿病を有する対象は、糖尿病でない人よりも肺機能が低下していることが認められた。さらに、インスリン抵抗性及びCOPDはいずれも、炎症状態及び酸化ストレスと関係がある。二酸化炭素は、ミトコンドリアによるグルコース代謝の最終生成物である。そのため、高炭水化物食のCOPD患者は、肺からより多くの二酸化炭素を交換しなければならない。トウチ抽出物及び/又は他のαグルコシダーゼ阻害剤の投与は、血中グルコース変動により増加した酸化ストレスによって生じた病状の悪化をもたらす高血糖の低下を介して患者に有益となろう。
【0047】
腸の完全性/腸の順応性
GLP−2は、末端小腸及び結腸内に位置する内分泌L細胞から分泌されるホルモンである。GLP−2は、陰窩−絨毛構造を改善し、酵素及び輸送体の活性を増加させることにより、腸の構造及び機能を高めるように作用する。GLP−2は、栄養、ホルモン及び神経刺激に反応して分泌され、その一次刺激は経腸栄養である。トウチ抽出物は、炭水化物の分解を抑制し、炭水化物が腸内に存在する時間を延長する天然のαグルコシダーゼ阻害剤である。そのため、より多量の炭水化物が、末端小腸に到達し、L細胞と相互作用してGLP−2の分泌を刺激し得る。血漿GLP−2濃度の増加は、腸の適応性を刺激し、それだけに限らないが、栄養素及び水の吸収、保護ムチン及び免疫グロビンの分泌並びに病原菌に対するバリア保護の改善を含め、腸の構造及び機能を改善するであろう。
【0048】
したがって、トウチ抽出物は、以下と関連する粘膜の変性に伴う吸収不良患者の腸機能の回復を補助するであろう。
癌化学療法又は放射線療法
完全静脈栄養(TPN)関連の腸萎縮(TPN移行患者)
急性疾患関連の腸機能不全
重症及び敗血症患者
熱傷及び外傷患者
外科及び内科患者
急性膵炎
活動性炎症性腸疾患における腸炎
【0049】
したがって、トウチ抽出物は、短腸症候群患者、並びに消化管悪性腫瘍及び潰瘍性大腸炎の手術後の患者を含む、腸切除後の患者の栄養吸収を含めた腸機能の最適化を補助するであろう。
【0050】
さらに、トウチ抽出物は、腸炎によって破壊された腸バリアの完全性を含めた正常な腸機能の回復を補助するであろう。炎症により損傷した腸バリアを有する患者には、以下が挙げられる。
急性疾患関連の腸機能不全
重症及び敗血症患者
熱傷及び外傷患者
外科及び内科患者
急性膵炎
活動性IBDにおける腸炎
癌化学療法又は放射線療法
【0051】
実際には、トウチ抽出物は、病原性腸バクテリア及び下痢による感染を含め、前記患者における合併症の管理を補助するであろう。
【0052】
恩恵を得ることができる具体的な病状には、経静脈栄養から経腸栄養又は放射線療法/化学療法に移行したことによる、炎症性腸疾患(クローン病及び潰瘍性大腸炎)、過敏性腸症候群、単腸症候群、吸収不良、下痢、便秘、及び腸萎縮が挙げられる。
【0053】
消化管の健康/プロバイオティクス
プロバイオティクス、好ましくはラクトバチルス・ロイテリ(Lactobacillus reuteri)を添加することにより、さらに、腸の構造及び機能を改善し、炎症を減少させ、並びにL.reuteriで前記の免疫反応を高めることができる。また、GLP−2濃度が増加し、最適量のブチラートが発酵を介して生成されることになり、プロバイオティクスが傷害に対する腸の完全性及び免疫反応に直接影響を与えることができるため、TE、プロバイオティクス及びプレバイオティクスの組合せは、腸の構造及び機能を高める可能性がある。具体的なプレバイオティクスには、それだけに限らないがフラクトオリゴ糖(FOS)、ガラクトオリゴ糖(GOS)、イヌリン及び部分的に加水分解されたグアーガムが挙げられる。具体的なプロバイオティクスには、それだけに限らないが、L.ロイテリ、E.コリ・ニッスル1917(E.coli Nissle1917)、L.ラムノサスGG(L.rhamnosus GG)、L.カゼイ(L.casei)、L.ジョンソニ(L.johnsonii)、L.サリバリウス(L.salivarius)、ビフィドバクテリウム・ブレーベ(Bifidobacteria breve)、B.ビフィダス(B.bifidus)及びサッカロミセス・ボウラディ(Sacchromyces Boulardi)が挙げられる。
【0054】
運動能力の強化
適度な運動(サイクリング、ジョギング、水泳等)を行う運動選手は、身体が鍛えられた人も、初心者も、活動を長期間維持するために安定した炭水化物源が必要である。市販のスポーツ用製品は、製品中のエネルギーがいかに迅速に代謝され、使用できるかを示している。しかし、急速に炭水化物が吸収されると、血糖が上昇し、それによりインスリン活性が増加する。インスリンの自然な作用は、グルコースの細胞内への進入の促進を介して、又はグルコースの貯蔵によって血糖値を低下させることである。市販のスポーツ用製品の場合、後で使用するために過剰な血糖が貯蔵され、この状態は、運動能力に悪影響を及ぼす恐れがある低血糖を実際に引き起こし得る。製品を消費する運動選手の潜在的持久力を高めるためには、トウチ抽出物及び/又は他のαグルコシダーゼ阻害剤の使用を介して、炭水化物がグルコースに代謝され、吸収される期間を延長することが示唆される。トウチ抽出物及び/又はαグルコシダーゼ阻害剤の使用を介して、炭水化物が単糖類に代謝され、吸収される期間を延長することにより、製品を消費する運動選手の潜在的持久力が増加すると考えられている。
【0055】
ヒト免疫不全ウイルス(HIV)
高活性抗レトロウイルス療法(HAART)を受けているヒト免疫不全ウイルス感染者は、高脂血症及びインスリン抵抗性を含めた代謝異常を経験する。これらの知見の組合せは、リポジストロフィー症候群と称されてきた。HAARTは、HIV患者を延命する一助となっているため、グルコース及び脂質ホメオスタシスに共存する障害を考えて、リポジストロフィー患者における心血管系の危険性の増大について懸念が高まっている。トウチ抽出物の使用は、グルコースの代謝及び吸収を減速させる機構を介して、グルコース及び脂質の異常な代謝の管理を補助し、したがってHAARTと関連する合併症の一部を減少させるであろう。
【0056】
嚢胞性線維症
嚢胞性線維症(CF)は、膵臓を含むいくつかの臓器での粘度の高い分泌によって特徴づけられる。嚢胞性線維症(CF)患者の多くは、膵管閉塞を有し、インスリン利用率の不足等、内分泌機能不全に至る場合が多い。この不全により、CF関連の糖尿病に至る恐れがある。食後のグルコース変動範囲を減少させるためのトウチ抽出物の使用は、過剰にインスリンを分泌する必要性を減らすことによって、CF関連の糖尿病の管理に有用となり得る。
【0057】
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)
非アルコール性脂肪性肝炎は、アルコールの乱用でない場合の進行期の脂肪肝疾患である。これは、しばしば、2型糖尿病、メタボリック症候群、肥満、高脂血症、及び広範囲の小腸切除と関連している。インスリン抵抗性は、この種の脂肪肝疾患の発症において中心的役割を果たしている。この患者は、食後のトリグリセリド値が高い。トウチ抽出物は、食後のグルコース変動範囲を減少させるために使用すると、その結果インスリンスパイクが減少するので、NASH患者によく見られる2型糖尿病の管理に有用となり得る。さらに、インスリンの自然な作用は、グルコースの細胞内への進入を介して、又はトリグリセリド等、時には脂肪としてグルコースを貯蔵することによって、血糖値を低下させることであるため、トウチ抽出物は、トリグリセリドの体内産生の減少に有用となり得るので、したがって肝臓内での脂肪の蓄積の管理を補助する役割を果たし得る。
【0058】
救命救急
ストレス誘発性高血糖は、生理的、身体的、精神的、外傷性、及び/又は医原性ストレスを経験する患者に共通する問題である。救急患者は、インスリン抵抗性による高血糖を低下させるために、集中的なグルコースの監視とインスリンの管理が必要である。トウチ抽出物は、炭水化物ポリマー及びオリゴ糖に対する酵素作用の遅延により、食後の最大グルコースを低下させることができる。救急患者の血糖コントロールを改善することにより、例えばより迅速でより強力な創傷治癒、感染症の減少、及び合併症の減少等、結果が改善することが証明された。救急患者用の経口栄養補助食品でのトウチ抽出物の使用は、血糖コントロールを改善し、感染症及び他の合併症の危険性を低減し、創傷治癒の質及び速度を改善するであろう。トウチ抽出物を含有する経管栄養と同じ原理が想定できる。経管栄養は、患者に何らかの処置をする必要性により妨害される場合が多い。経管栄養に利用できる時間内での供給量が高いと、高血糖を引き起こす恐れがあると思われる。トウチ抽出物により、高血糖の程度が低下するであろう。
【0059】
創傷治癒
血糖値の上昇、栄養不良及び老化は、創傷治癒を遅延させることが周知である。糖尿病患者は、経時的に末梢神経障害を発症する危険性がより高い。これは、手足、特に足及び下肢の感覚低下をもたらす。末梢神経障害での感覚欠如の結果、炎症は、創傷が起こるまでしばしば気づかないまま進行するであろう。このような創傷の治癒は、糖尿病患者にとっては難しい。食後のグルコース変動範囲を減少させるためのトウチ抽出物の使用は、治癒障害を最小限に抑えるであろう。糖尿病患者は、経時的に末梢血管障害を発症し、それにより治癒が遅延するであろう。また、糖尿病患者はアルギニンをNO及びシトルリンにあまり効率的に転換できない。
【0060】
褥瘡(PU)は、栄養不良の人及び体を動かさない人の骨点を覆う皮膚の衰えにより起こる。高齢者の皮膚は、通常薄く、圧力下で損傷しやすい。糖尿病患者は、PUの危険性が高く、また、PUが発症した後では回復及び治癒に時間がかかる。より良好な血糖値を維持するためのトウチ抽出物の使用は、PUの予防及び治癒を補助する。
【0061】
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)
PCOSは、女性の月経周期、受胎能力、ホルモン、インスリン産生及び抵抗性、心臓、血管、及び出現に影響を与える恐れがある健康問題である。詳細には、PCOS患者は、2型糖尿病にかかる危険性が高い。PCOSは、肝臓でのグルコース産生を減少させることによって作用し、インスリン感受性を改善するグルコファージ(メトホルミン)及び他のビグアニドを使用して通常医薬的に管理される。ビグアニドは、PCOS及び不妊症を患う女性の妊娠率を増加させることが示された。トウチ抽出物の使用は、食後のグルコース変動範囲の管理を補助し、PCOSのこの部分の合併症を最小限に抑えるであろう。
【0062】
勃起障害(ED)
勃起障害(ED)は、糖尿病患者に高度に蔓延しており(50歳代では約50%)、それ以降の年代ではより深刻であると思われる。その病因は、この一部の患者では多元的である。EDは、多数の血管危険因子との相関性が高く、一般に内皮機能不全の発現として見なすことができ、医師に対しては潜在的な無症候性冠動脈硬化症を調べるよう注意が喚起される。これは、糖尿病の管理不良及びその慢性合併症の存在にも依存している。糖尿病患者におけるEDの病因が多数あるため、このような患者の治療で最適な反応を得るには多元的な方式が正当化される。トウチ抽出物の使用は、食後のグルコース変動範囲の管理を補助し、その結果血漿インスリンスパイクが調節されるため、EDをもたらす内皮機能不全を最小限に抑えるであろう。さらに、トウチ抽出物とフラバノール(ココア、ワイン、緑茶等由来のエピカテキン及びカテキン化合物)との組合せは、血糖コントロール及び血管拡張を改善することにより、内皮機能を改善し得る。この組合せは、糖尿病と関連する微小血管合併症の進行の遅延を増進することに対して、並びに糖尿病でない内皮機能不全患者に対して顕著な効果を有し得る。
【0063】
本発明は上記の特定の実施形態によって制限されるものではないが、添付の特許請求の範囲によって定義された変形、改変及び同等の実施形態を含むことを認識されたい。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1種のαグルコシダーゼ阻害剤を含む組成物。
【請求項2】
前記αグルコシダーゼ阻害剤がトウチ抽出物である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
少なくとも1種のフラバノールをさらに含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
少なくとも1種のフラバノールをさらに含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記フラバノールが、エピカテキン及びカテキン化合物の少なくとも1種である、請求項3又は4に記載の組成物。
【請求項6】
前記フラバノールが、ココア、ワイン又は緑茶の少なくとも1種に由来する、請求項3又は4に記載の組成物。
【請求項7】
少なくとも1種のプレバイオティクスをさらに含む、請求項1、2、3又は4に記載の組成物。
【請求項8】
前記プレバイオティクスが、FOS、GOS、イヌリン及び部分的に加水分解されたグアーガムの少なくとも1種である、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
少なくとも1種のプロバイオティクスをさらに含む、請求項1、2、3又は4に記載の組成物。
【請求項10】
前記プロバイオティクスが、少なくとも1種のL.ロイテリ、E.コリ・ニッスル1917、L.ラムノサスGG、L.カゼイ、L.ジョンソニ、L.サリバリウス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、B.ビフィダス及びサッカロミセス・ボウラディである、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
少なくとも1種のプロバイオティクス及び少なくとも1種のプレバイオティクスをさらに含む、請求項1、2、3又は4に記載の組成物。
【請求項12】
(a)前記プレバイオティクスがFOS、GOS、イヌリン及び部分的に加水分解されたグアーガムの少なくとも1種であり、及び
(b)前記プロバイオティクスが少なくとも1種のL.ロイテリ、E.コリ・ニッスル1917、L.ラムノサスGG、L.カゼイ、L.ジョンソニ、L.サリバリウス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、B.ビフィダス及びサッカロミセス・ボウラディである、
請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
少なくとも1種のαグルコシダーゼ阻害剤を含む食餌療法。
【請求項14】
前記αグルコシダーゼ阻害剤がトウチ抽出物である、請求項13に記載の食餌療法。
【請求項15】
少なくとも1種のフラバノールをさらに含む、請求項13に記載の食餌療法。
【請求項16】
少なくとも1種のフラバノールをさらに含む、請求項14に記載の食餌療法。
【請求項17】
前記フラバノールが、エピカテキン及びカテキン化合物の少なくとも1種である、請求項15又は16に記載の食餌療法。
【請求項18】
前記フラバノールが、ココア、ワイン又は緑茶の少なくとも1種に由来する、請求項15又は16に記載の食餌療法。
【請求項19】
少なくとも1種のプレバイオティクスをさらに含む、請求項13、14、15又は16に記載の食餌療法。
【請求項20】
前記プレバイオティクスが、FOS、GOS、イヌリン及び部分的に加水分解されたグアーガムの少なくとも1種である、請求項19に記載の食餌療法。
【請求項21】
少なくとも1種のプロバイオティクスをさらに含む、請求項13、14、15又は16に記載の食餌療法。
【請求項22】
前記プロバイオティクスが、少なくとも1種のL.ロイテリ、E.コリ・ニッスル1917、L.ラムノサスGG、L.カゼイ、L.ジョンソニ、L.サリバリウス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、B.ビフィダス及びサッカロミセス・ボウラディである、請求項21に記載の食餌療法。
【請求項23】
少なくとも1種のプロバイオティクス及び少なくとも1種のプレバイオティクスをさらに含む、請求項13、14、15又は16に記載の食餌療法。
【請求項24】
(a)前記プレバイオティクスがFOS、GOS、イヌリン及び部分的に加水分解されたグアーガムの少なくとも1種であり、及び
(b)前記プロバイオティクスが少なくとも1種のL.ロイテリ、E.コリ・ニッスル1917、L.ラムノサスGG、L.カゼイ、L.ジョンソニ、L.サリバリウス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、B.ビフィダス及びサッカロミセス・ボウラディである、
請求項23に記載の食餌療法。
【請求項25】
少なくとも1種のαグルコシダーゼ阻害剤が有益となり得る患者の治療方法。
【請求項26】
前記αグルコシダーゼ阻害剤がトウチ抽出物である、請求項25に記載の方法。
【請求項27】
少なくとも1種のフラバノールをさらに含む、請求項25に記載の方法。
【請求項28】
少なくとも1種のフラバノールをさらに含む、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記フラバノールが、エピカテキン及びカテキン化合物の少なくとも1種である、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項30】
前記フラバノールが、ココア、ワイン又は緑茶の少なくとも1種に由来する、請求項25又は26に記載の方法。
【請求項31】
少なくとも1種のプレバイオティクスをさらに含む、請求項25、26、27又は28に記載の方法。
【請求項32】
前記プレバイオティクスが、FOS、GOS、イヌリン及び部分的に加水分解されたグアーガムの少なくとも1種である、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
少なくとも1種のプロバイオティクスをさらに含む、請求項25、26、27又は28に記載の方法。
【請求項34】
前記プロバイオティクスが、少なくとも1種のL.ロイテリ、E.コリ・ニッスル1917、L.ラムノサスGG、L.カゼイ、L.ジョンソニ、L.サリバリウス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、B.ビフィダス及びサッカロミセス・ボウラディである、請求項33の記載が有益となり得る患者の治療方法。
【請求項35】
少なくとも1種のプロバイオティクス及び少なくとも1種のプレバイオティクスをさらに含む、請求項25、26、27又は28に記載の治療方法。
【請求項36】
(a)前記プレバイオティクスがFOS、GOS、イヌリン及び部分的に加水分解されたグアーガムの少なくとも1種であり、及び
(b)前記プロバイオティクスが少なくとも1種のL.ロイテリ、E.コリ・ニッスル1917、L.ラムノサスGG、L.カゼイ、L.ジョンソニ、L.サリバリウス、ビフィドバクテリウム・ブレーベ、B.ビフィダス及びサッカロミセス・ボウラディである、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
前記患者が、糖尿病、インスリン抵抗性の増加、インスリン感受性の低下、糖尿病の共存症、心血管疾患、冠状動脈性心臓病の少なくとも1種を有し、リポタンパク質、高インスリン血、高脂血の減少が有益となり得、脂肪肝、肥満、腹部肥満を有するか又はそれらの危険性があり、満腹感の改善が有益になると思われ、胃内容排出、メタボリック症候群/X症候群、COPDの遅延が有益になると思われ、腸の構造及び機能、吸収不良、活動性炎症性腸疾患における腸炎、クローン病、下痢、便秘、経静脈栄養からの移行による腸萎縮、放射線療法による腸萎縮、放射線併用化学療法による腸萎縮、過敏性腸症候群の改善が有益になると思われ、運動能力、ヒト免疫不全ウイルス、嚢胞性線維症、非アルコール性脂肪性肝炎の向上が有益になるものであり、救急患者であって、治癒中であるか、若しくは治癒の補助を必要とする創傷、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)、勃起障害、又は糖尿病に伴う勃起障害を有する、請求項25、26、27又は28に記載の方法。
【請求項38】
前記リポタンパク質が、トリグリセリド、VLDLコレステロール及びLDLコレステロールの少なくとも1種である、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記高インスリン血患者が、炎症促進状態及び血栓形成促進状態の少なくとも一方を有する、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記患者が、癌、化学療法、放射線療法、TPN関連の腸萎縮、急性疾患関連の腸機能不全、重病、敗血症、熱傷、外傷、手術による続発性、薬物による続発性、又は急性膵炎の少なくとも1種による吸収不良を有する、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記患者が、腸切除後、短腸症候群、潰瘍性大腸炎、消化管癌、腸炎、急性疾患関連の腸機能不全、重病、敗血症、熱傷、外傷、手術、薬物、急性膵炎、腸炎、癌、化学療法又は放射線療法の少なくとも1種による過敏性腸症候群を有する、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記救急患者が、より迅速でより強力な創傷治癒、感染症の減少、及び合併症の減少の少なくとも1つが有益となり得る、請求項37に記載の方法。
【請求項43】
前記患者が、治癒中であるか、又は治癒の補助を必要とする創傷を有し、より迅速でより強力な創傷治癒、感染症の減少、及び合併症の減少の少なくとも1つが有益となり得る、請求項37に記載の方法。
【請求項44】
前記PCOS患者がPCOSと関連する不妊症を有する、請求項37に記載の方法。
【請求項45】
請求項1〜12のいずれか一項に記載の組成物を投与することを含む、組成物を患者に投与する方法。
【請求項46】
前記患者が哺乳動物である、請求項45に記載の組成物を患者に投与する方法。
【請求項47】
前記患者がヒトである、請求項45に記載の組成物を患者に投与する方法。
【請求項48】
請求項13〜24のいずれか一項に記載の食餌療法を施すことを含む、食餌療法を患者に施す方法。
【請求項49】
前記患者が哺乳動物である、請求項48に記載の食餌療法を患者に施す方法。
【請求項50】
前記患者がヒトである、請求項48に記載の食餌療法を患者に施す方法。
【請求項51】
前記食餌療法が、食品若しくは飲料、又はそれらの組合せである、請求項48に記載の食餌療法を患者に施す方法。
【請求項52】
請求項13〜24のいずれか一項に記載の食餌療法で食品若しくは飲料、又はそれらの組合せのいずれか1種を含むキット。


【公表番号】特表2009−538342(P2009−538342A)
【公表日】平成21年11月5日(2009.11.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−512294(P2009−512294)
【出願日】平成19年5月24日(2007.5.24)
【国際出願番号】PCT/US2007/069624
【国際公開番号】WO2007/140230
【国際公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【出願人】(599132904)ネステク ソシエテ アノニム (637)
【Fターム(参考)】