説明

ナノ/微小球リソグラフィによって製造されるナノ/マイクロワイヤ太陽電池

【課題】 ナノ/微小球リソグラフィによって製造されるナノ/マイクロワイヤ太陽電池を提供する。
【解決手段】 ナノワイヤ/マイクロワイヤ・ベースの太陽電池を製造する技術が提供される。一実施形態において、太陽電池を製造する方法が提供される。本方法は、以下のステップを含む。ドープ基板を準備する。基板の上に球の単層を堆積させる。球は、ナノ球、微小球、又はそれらの組み合わせを含む。球をトリミングして単層内の個々の球の間に空間を設ける。トリミングされた球をマスクとして用いて、基板内にワイヤをパターン形成する。ワイヤは、ナノワイヤ、マイクロワイヤ、又はそれらの組み合わせを含む。ドープ・エミッタ層をパターン形成されたワイヤ上に形成する。上部コンタクト電極をエミッタ層の上に堆積させる。底部コンタクト電極を基板のワイヤとは反対の側に堆積させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池に関し、より具体的にはナノワイヤ/マイクロワイヤ・ベースの太陽電池に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池の普及利用に対する主な障害は太陽電池製造の高いコストであり、典型的には、製造コストのほぼ半分が出発の太陽電池級(solar-grade)シリコン(Si)ウェハ(特定の最小厚に適合する必要がある)を得ることに向けられる。Siは、太陽電池材料として広く用いられているが、その間接バンドギャップのために長い吸収長を有する。例えば、1.12電子ボルト(eV)バンドギャップを上回る太陽光エネルギーの90パーセント(%)を吸収するのに、100マイクロメートル(μm)厚のSiウェハを必要とする。例えば、非特許文献1を参照されたい。
【0003】
代替的に、金属級(metallurgicalgrade)ポリ又は多結晶Siのような低コスト材料を用いることもできる。例えば、2007年において金属級Siのコストはキログラム(kg)当たり約2ドルであり、一方、高品質の太陽電池級Si基板のコストはkg当たり約20ドルである。例えば、非特許文献2を参照されたい。しかしながら、これらの低コスト材料は、通常、多くの不純物及び粒界の存在のために、少数キャリア寿命(従って、短い拡散長)が非常に短い。この好ましくない特徴が、電池効率を大幅に制限する。
【0004】
この問題を回避する一つの方法は、これらの低コスト材料の効率向上を探求することである。効率向上の有望な手法は、キャリア収集を垂直方向ではなく水平方向に向けることである。このスキームは、収集が半径方向で起こるため、短い拡散長材料のためのより効率的なキャリア収集を可能にする円筒型p−n接合構造で実現することができる。例えば、ナノロッド太陽電池について記載している非特許文献1を参照されたい。しかしながら、残念ながら、ナノスケールの太陽装置を製造するための従来の技術は低い処理量に制限される、従って、大規模な商用実施には法外な費用がかかり得る。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】B.W.Kayes他著、「Comparison of the Device Physics Principles of Planar and Radial p−n Junction Nanorod Solar Cells」、J.Appl.Phys.、97巻、114302、2005年
【非特許文献2】USGS、「Silicon:USGS Mineral Commodity Summaries」、2008年1月
【非特許文献3】C.L.Cheung他著、「Fabrication of Nanopillars by Nanosphere Lithography」、Nanotech.17、1339、2006年
【非特許文献4】Z.Huang他著、「Fabrication of Silicon Nanowire Arrays with Controlled Diameter,Length,and Density]、Advanced Materials 19、744、2007年
【非特許文献5】L.Tsakalakos他著、「Strong Broadband Optical Absorption in Silicon Nanowire Films」、J.Nanophot.1、013552、2007年
【非特許文献6】L.Hu他著、「Analysis of Optical Absorption in Silicon Nanowire Arrays for Photovoltaic Applications」、Nano Lett.、7巻、11号、3249、2007年
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、製造コストを低くし、処理量を高める改良された太陽電池製造技術が望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、ナノワイヤ/マイクロワイヤ・ベースの太陽電池を製造するための技術を提供する。本発明の一実施形態において、太陽電池の製造方法を提供する。この方法は以下のステップを含む。ドープ基板を準備する。基板の上に球の単層を堆積させる。球は、ナノ球(nanosphere)、微小球(microsphere)、又はそれらの組み合わせを含む。球をトリミングして単層内の個々の球の間に空間を設ける。トリミングされた球をマスクとして用いて、基板内にワイヤをパターン形成する。ワイヤは、ナノワイヤ、マイクロワイヤ、又はそれらの組み合わせを含む。ドープ・エミッタ層をパターン形成されたワイヤ上に形成する。上部コンタクト電極をエミッタ層の上に堆積させる。底部コンタクト層を基板のワイヤとは反対の側に堆積させる。
【0008】
本発明のより完全な理解、並びに本発明の更なる特徴及び利点は、以下の詳細な説明及び図面を参照することにより得られるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態による、例示的な円筒型p−n接合構造を示す概略図である。
【図2】本発明の一実施形態による、ナノワイヤ及び/又はマイクロワイヤ・ベースの太陽電池を製造するための例示的な方法を示す図である。
【図3】本発明の一実施形態による、ナノワイヤ及び/又はマイクロワイヤ・ベースの太陽電池を製造するための例示的な方法を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態による、ナノワイヤ及び/又はマイクロワイヤ・ベースの太陽電池を製造するための例示的な方法を示す図である。
【図5】本発明の一実施形態による、ナノワイヤ及び/又はマイクロワイヤ・ベースの太陽電池を製造するための例示的な方法を示す図である。
【図6】本発明の一実施形態による、ナノワイヤ及び/又はマイクロワイヤ・ベースの太陽電池を製造するための例示的な方法を示す図である。
【図7】本発明の一実施形態による、ナノワイヤ及び/又はマイクロワイヤ・ベースの太陽電池を製造するための例示的な方法を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態による、ナノワイヤ及び/又はマイクロワイヤ・ベースの太陽電池を製造するための例示的な方法を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態による、ナノワイヤ及び/又はマイクロワイヤ・ベースの太陽電池を製造するための例示的な方法を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態による、拡散によるエミッタ層の形成を示す図である。
【図11】本発明の一実施形態による、堆積によるエミッタ層の形成を示す図である。
【図12】本発明の一実施形態による、ナノ球の直径とプラズマ・エッチング時間を関連付けるグラフである。
【図13】(A)本発明の一実施形態による、ナノ球マスクを用いてパターン形成された例示的なナノワイヤ・アレイの、トップダウンの走査電子顕微鏡(SEM)画像である。(B)本発明の一実施形態による、ナノ球マスクを用いてパターン形成された例示的なナノワイヤ・アレイの断面SEM画像である。(C)本発明の一実施形態による、(B)の画像の一部分の拡大断面SEM画像である。
【図14】本発明の一実施形態による、リンのスピンオン・ドーパント源の拡散により、ナノワイヤ・アレイの上に形成されたエミッタ層を有する太陽電池の断面SEM画像である。
【図15】本発明の一実施形態による、酸化亜鉛(ZnO)層のスパッタリングによりナノワイヤ・アレイの上に形成されたn型エミッタ層を有する太陽電池の断面SEM画像である。
【図16】(A)本発明の一実施形態による、図14の太陽電池の電気的特性を示すグラフである。(B)本発明の一実施形態による、図14の太陽電池の電気的特性を示す表である。(C)本発明の一実施形態による、図14の太陽電池の反射率スペクトルを示すグラフである。
【図17】(A)本発明の一実施形態による、図15の太陽電池の電気的特性を示すグラフである。(B)本発明の一実施形態による、図15の太陽電池の電気的特性を示す表である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で開示するのは、ナノワイヤ及び/又はマイクロワイヤ・ベースの太陽電池の製造のための技術である。この太陽電池設計には、円筒型p−n接合構造を利用する。円筒型p−n接合構造は、キャリア収集が半径方向で起こるので、少数キャリア拡散長が短い太陽電池材料のためのより効率的なキャリア収集を可能にする。従って、少数キャリア拡散長が短いために、従来の平面型太陽電池設計に使用するのに他の方法では適さない可能性がある低コスト材料を、本教示において実装することができ、従って製造コストの節約を実現することができる。
【0011】
さらに、商業的に成り立つナノワイヤ及び/又はマイクロワイヤ・ベースの太陽電池を実現するには、ナノワイヤ及び/又はマイクロワイヤ構造体を製造するための低コストの方法を利用することが重要である。従って、本発明の技術は、「トップダウン」型ナノ球/微小球リソグラフィを用いる製造プロセスを提供し、これにより低い処理量、従って法外に高いコストに制限される電子ビーム(e−ビーム)又は紫外線(UV)リソグラフィなどの標準的なプロセスが回避される。ナノ球/微小球リソグラフィ製造技術は、大規模なナノワイヤ及び/又はマイクロワイヤ構造体を定めるための簡単且つ低コストで高処理量の技術を提供する。例えば、その各々の内容が引用により本明細書に組み入れられる、非特許文献3及び非特許文献4を参照されたい。ナノ球及び/又は微小球リソグラフィ製造技術は、ナノ球及び/又は微小球の大規模な自己組織化構成に依拠する(下記を参照されたい)。
【0012】
本発明の技術を用いて製造されるナノワイヤ及び/又はマイクロワイヤ・ベースの太陽電池の電気的特性は、対照試料(従来の方法で製造された平面型デバイス、即ちナノワイヤ又はマイクロワイヤを用いない)と比較して、より高い短絡電流及び効率に関する有望な利点を示す(以下を参照されたい)。また、大規模ナノワイヤ製造のための従来の「ボトムアップ」型技術、即ち、蒸気液体固体(VLS)成長プロセスと比較すると、本発明のナノ球/微小球リソグラフィ製造技術は、太陽電池性能に対して非常に有害になり得る金属触媒を含まない。具体的には、VLS成長に関与する金属触媒、例えば、金(Au)、銀(Ag)及び銅(Cu)は、太陽電池内の少数キャリアに対する不純物トラップとして作用し、このことが本質的に再結合電流を増加させる。この電流が、太陽電池内の有用な光誘起電流の量を減少させる。さらに、ナノ球/微小球リソグラフィ製造技術は、製造されるナノワイヤ及び/又はマイクロワイヤのサイズ(直径及び高さ)を制御する際に大きな自由度を与える
【0013】
図1は、円筒型p−n接合構造においてキャリア収集が水平方向に向けられることを示す概略図である。図1に示すように、例示的なナノワイヤ・ベースの太陽電池100に関連して、円筒型p−n接合構造において電荷キャリア(即ち、電子e−正孔h対)収集が半径方向で起こる。即ち、p−n接合は、円筒コア(この例においてはn型ドープ・ナノワイヤ102)とコアを取り囲む層(この例においてはp型ドープ・エミッタ層104)との間に形成される。ナノワイヤの半径rは、少数キャリア(この場合には正孔)の拡散長Lpに匹敵する、即ち、r〜Lpである。このことは、正孔が本体(即ち、ナノワイヤ102及び下層の基板)内の至るところで生成され得ること、及び、正孔がp−n接合により効果的に収集され、分離されて有用な電流を生成することを意味する。半径方向における改善されたキャリア収集は、太陽電池効率を向上させることができる。例えば、ナノワイヤ膜はまた、その内容が引用により本明細書に組み入れられる非特許文献1を参照されたい。さらに、ナノワイヤ膜はまた、光吸収を増大させる自然の反射防止コーティングとして(例えば、その内容が引用により本明細書に組み入れられる非特許文献5を参照されたい)、特に短波長において機能する(例えば、その内容が引用により本明細書に組み入れられる非特許文献6を参照されたい)。この効果は電池のエネルギー変換効率を高める。
【0014】
図2〜図9は、ナノワイヤ及び/又はマイクロワイヤ・ベースの太陽電池を製造するための例示的な方法を示す図である。製造プロセスの出発プラットフォームは、基板、即ち基板202である(図2を参照されたい)。基板202は、太陽電池のp−n接合を形成するのに適した任意の半導体材料とすることができる。従って、基板202は、n型又はp型ドーパントでドープされる。適切なn型ドーパントには、これらに限定されるものではないが、リン(P)及びヒ素(As)が含まれる。適切なp型ドーパントには、これに限定されるものではないが、ホウ素(B)が含まれる。例示的な一実施形態において、p型シリコン、例えばSi(100)基板が用いられる。
【0015】
図2に示すように、球204の単層を基板上に堆積させる。球204は、ナノ球、微小球、又はナノ球と微小球の組み合わせを含む。本明細書において、ナノ球は一般に、約1μm未満、例えば、約50ナノメートル(nm)から約1マイクロメートル(μm)までの直径dを有する球204を含むものと考える。本明細書において、微小球は一般に、約1μm以上、例えば、約1μmから約50μmまでの直径dを有する球204を含むものと考える。
【0016】
球204は、基板内にワイヤをパターン形成するのに用いられ、ワイヤの直径は、トリミング・ステップ後の球の直径によって決まる(以下を参照されたい)。従って、トリミング後のナノ球、微小球、又はナノ球と微小球の組み合わせが、基板内の、それぞれ、ナノワイヤ、マイクロワイヤ、又はナノワイヤとマイクロワイヤの組み合わせをパターン形成するのに用いられることになる。例示的な一実施形態によると、ポリスチレンラテックス球が用いられる。ポリスチレンラテックス微小球は、米国マサチューセッツ州ウォルサム所在のThermo Fisher Scientific,Inc.,社から市販されている(ポリスチレンラテックス微小球5000シリーズ)。
【0017】
通常、水懸濁液中で準備される球を、メタノール+トリトン(登録商標)X界面活性剤(米国ミシガン州ミッドランド所在のDow Chemical Company者から入手可能な)で希釈し(例えば、ポリエチレンラテックス・ナノ球及び/又は微小球懸濁液:メタノール:トリトン(登録商標)Xを560:400:1とする)、スピンオン技術で堆積させる(例えば、500nmナノ球の場合、スピン・シーケンスは、400回転毎分(rpm)(10秒間)、800rpm(120秒間)及び1,400rpm(10秒間)とする)。このように堆積されたナノ球及び/又は微小球は、自己組織化的に基板上に落ち着き、従って希釈係数が最適化されて、太陽電池デバイスに典型的な大きい面積(即ち、約1センチメートル(cm)×1cmから約50cm×50cmまでの範囲の、以下を参照されたい)にわたる球の単層が得られる。球の濃度が高すぎる場合には、基板上にナノ球及び/又は微小球の2又はそれ以上の層の領域が(望ましくないことに)存在することになる。同様に、球の濃度が低すぎる場合には、ナノ球/微小球が存在しない空き領域の範囲が(望ましくないことに)存在することになる。
【0018】
球堆積プロセスはまた、表面官能化(surface functionalization)を、官能化された表面と相互作用する化学的に官能化されたナノ球及び/又は微小球と共に用いて実行することができる。例示的な一実施形態によると、基板表面は、アミノシラン[3−(2−アミノエチルアミノ)プロピル]トリメタノキシシラン(APTS)によって官能化される。基板をAPTS溶液に約1時間浸し、ブロー乾燥させ、摂氏85度(℃)で15分間ベークする。次に、簡単なドロップキャスト技術を用いて球を堆積させる(スピンキャスト、浸漬コーティング、噴霧コーティング及び上記のスピンオン技術などの他の堆積技術を用いることもできるが)。この実施例においては、カルボキシレート球(例えば、米国ペンシルバニア州ウォリントン所在のPolysciences,Inc.,社から入手可能なPolybead(登録商標)カルボキシラート微小球)を用いる。これらの球は、表面にカルボキシル(COOH)官能基があり、それらが基板の官能化表面上のNH基と結合して球と基板の間の付着力を強める。最初の球溶液中の溶媒が蒸発した後、基板を蒸留水で洗い、余分な球を除去して表面上に球の一単層のみを残す。付加的な官能化ステップ及び特別なタイプの球を必要とするが、本方法は、例えば、より頑丈な単層の形成、より優れた均一性、拡大がより容易、ナノ球溶液の消費が少ないことといった幾つかの利点をもたらし、中でも特に、本技術は、粗い表面を有する基板材料(例えば、マルチ結晶又は多結晶、或いは非晶質半導体基板など)の使用を可能にする。本技術はまた、例えば、基板を酸基で官能化し、球を塩基で官能化する、別の種類の官能化の化学的性質を用いて実施することができる。球を表面に結合するのに用いることができる多くの他の相補的化学反応があり、これには、多くの種類の酸/塩基の相互作用又は様々な共有結合形成反応が含まれる。表面官能化は、純シリコン表面上、自然酸化シリコン上、及び成長酸化シリコン上で行うことができる。
【0019】
基板202上に堆積させた球204の単層の、視点Aからのトップダウン図を図3に示す。図3は、ここで用いるナノ球/微小球リソグラフィ製造技術は、球の大規模な自己組織化構成に依拠することを示す。「大規模」という用語は、被覆面積がナノ球/微小球のサイズよりずっと大きいことを意味する。例えば、本教示において、ナノ球/微小球は、例えば、約1cmから約50cmまでの長さl、及び、約1cmから約50cmまでの幅wを有する基板202のような広い面積の太陽電池基板を覆うことを目標とする。この基板の寸法は、例えば、約1μmの直径を有する微小球よりも大きさが5桁大きい。
【0020】
図4に示すように、球204をトリミングして単層内の個々の球の間に空間を設ける。例示的な一実施形態によると、酸素(O)プラズマ反応性イオン・エッチング(RIE)を用いて、球の直径をトリミングする。球の直径をどれだけトリミング/縮小するかは、プラズマ・エッチングのタイミングを制御することによって制御される。球の直径とプラズマ・エッチング時間を関連付ける経験的データが、以下で説明する図12に示される。このトリミング・ステップは、エミッタ層の形成(以下を参照されたい)に対応する十分な隙間空間を、後に形成されるナノワイヤ及び/又はマイクロワイヤの間に可能にするために必要である。トリミング・ステップはまた、ナノ球及び/又は微小球を縮小してワイヤのパターン形成のための適当なサイズ(即ち、直径)にする働きをする。一例として、球204の単層(上記の図2を参照されたい)が微小球のみを含み、基板内のナノワイヤのパターン形成が望まれる場合には、ここでトリミング・ステップを用いて球の直径を所望のナノメートル・サイズに縮小することができる。トリミング・ステップの結果としての球のサイズのこの縮小は、出発球サイズ(トリミング前)及び所望のワイヤ直径を見積るときに考慮に入れる必要がある。
【0021】
図5に示すように、球204(ここでは縮小された直径を有する)をマスクとして用いて、基板202内にワイヤ502をパターン形成する。例示的な一実施形態によると、ワイヤ502は、深いRIEプロセスによって基板502内にパターン形成される。例えば、基板202が、シリコン(Si)を含む場合、臭化水素酸(HBr)、四フッ化メタン(CF)及び塩素ガス(Cl)化学プロセス、又はBOSCHプロセス(例えば六フッ化イオウ(SF)によるエッチング・ステップ及び八フッ化シクロブタン(C)による表面安定化ステップ)を用いることができる。例えば、非特許文献3を参照されたい。湿式エッチング技術を用いて真空処理を回避し、コストを下げることも可能である。例えば、非特許文献4を参照されたい。湿式エッチング技術は、Agなどの金属触媒(これは、上で強調したように、太陽電池デバイスには好ましくない)を用いるものであるが、金属は、成長触媒としてではなくエッチング触媒としてのみ用いられるので、半導体材料内に取り込まれる可能性は小さい。それゆえに金属のいかなる有害効果も最小にすることが可能である。この方法で(即ち、深いRIE及びナノ球マスクを用いて)パターン形成されたナノワイヤの一例を、以下に説明する図13(A)〜(C)に示す。
【0022】
上で強調したように、基板202内にパターン形成されたワイヤ502の直径は、球204のトリミング後の直径によって決まる。従って、トリミング後、ナノ球、微小球、又はナノ球と微小球の組み合わせは、それぞれ、ナノワイヤ、マイクロワイヤ、又はナノワイヤとマイクロワイヤの組み合わせがパターン形成された基板202をもたらす。従って、本明細書では一般に、ナノワイヤは、約1μm未満、例えば、約50nmから約1μmまでの直径dを有するワイヤ502を含むものと考える。本明細書では一般に、マイクロワイヤは、約1μm以上、例えば、約1μmから約50μmまでの直径dを有するワイヤ502を含むものと考える。ここで基板202内にパターン形成されたワイヤ502を洗浄してRIEプロセスによるあらゆる表面損傷を除去することができる。例えば、Si基板の場合、酸化ステップ(例えば、Piranha溶液(硫酸(HSO):過酸化水素(H)=3:1の体積比)を用いて約30分間など)とそれに続くRCA洗浄を用いることができる。RCA洗浄で実行されるステップは、当業者には周知であるので、本明細書でさらに説明することはしない。また、球が除去されるのもこの洗浄ステップ中である。図6を参照されたい。
【0023】
上で強調したように、本発明のナノ球/微小球リソグラフィ製造技術は、ナノワイヤ/マイクロワイヤのサイズ(直径及び高さ)を制御する際に、従来のボトムアップ技術(例えば、化学気相堆積プロセス+金属触媒によってナノワイヤを成長させるVLSナノワイヤ成長技術)に比べて大きな自由度を与える。即ち、本発明のトップダウン方法を用いて、1)出発球のサイズの選択とそれに続く適切なOプラズマ・トリミング技術によってワイヤの直径、及び2)RIEプロセスのエッチング時間の制御によってワイヤの高さ、の両方を容易に制御することができる。
【0024】
図7に示すように、エミッタ層702をワイヤ502上及び基板202の上方に形成する。エミッタ層702は、例えば、約1×1019毎立方センチメートル(cm−3)から約1×1021cm−3までの濃度で、n型又はp型ドーパントのいずれかで高濃度にドープされ、基板202及びワイヤ502の極性と反対の極性を有するようにする。適切なn型及びp型ドーパントについては前述した。ほんの一例として、ワイヤ502がp型Si基板(上記を参照されたい)から形成される場合、エミッタ層702は、n型ドーパントでドープされてワイヤ502とエミッタ層702の間に円筒型p−n接合を形成する。
【0025】
エミッタ層702は、2、3の異なる方法で形成することができる。1つの方法は、ドライブイン式拡散技術(以下に説明される図10を参照されたい)によるものであり、他の方法は、堆積(以下に説明される図11を参照されたい)によるものである。
【0026】
図8に示すように、標準的パターン形成技術を用いて、メサ構造体802を定め、デバイスを分離することができる。適切なパターン形成技術は当業者には周知であるので、本明細書でさらに説明することはしない。このステップ中に、ナノワイヤ又はマイクロワイヤを含まない基板202の領域からエミッタ層702の部分が除去される。
【0027】
図9に示すように、上部コンタクト電極902及び底部コンタクト電極904を形成する。具体的には、上部コンタクト電極902はエミッタ層702の上に堆積され、底部コンタクト電極904は基板202のワイヤ502とは反対の側に堆積される。例示的な一実施形態によると、上部コンタクト電極902は、インジウムスズ酸化物(ITO)及び/又はアルミニウム(Al)、Cu、ニッケル(Ni)、チタン(Ti)、パラジウム(Pd)、Ag及びAuのうちの1つ又は複数(例えば、Ti/Pd/Ag又はTi/Au)を含み、底部コンタクト電極904は、Al、Cu、Ni、Ti、Pd、Ag及びAuのうちの1つ又は複数(例えば、Ti/Pd/Ag又はTi/Au)を含む。上部コンタクト電極902及び/又は底部コンタクト電極904は、金属蒸着、めっき又はスクリーン印刷を用いて堆積させることができる。以下で説明するように、上部コンタクト電極902は、エミッタ層の上に共形(conformal)層として形成することができる。
【0028】
例えば、図7の説明に関連して上記で強調したように、エミッタ層702は2、3の異なる方法で形成することができる。図10は、エミッタ層702の拡散による形成を示す。即ち、エミッタ層702は、n型又はp型ドーパントをドーパント源からワイヤ502に拡散させる(矢印1002で示すように)ことによって形成される。適切なドーパント源には、これらに限定されるものではないが、スピンオン・ガラス(SOG)ドーパント又は気相ドーパント前駆物質、例えば塩化ホスホリル(POCl)が含まれる。
【0029】
例えば、スピンオン・ガラス(SOG)ドーパント源を用いて、初めにSOGをワイヤ502上に堆積させ、次いでこの試料を約850℃乃至約1000℃の温度において約10分乃至約30分間(継続時間は目標の接合深さによって決まる)アニールしてドライブイン拡散ステップを行う。POClなどの気相ドーパント前駆物質に対しては、初めにワイヤ502を気相ドーパント前駆物質にさらし、次いでこの試料を温度約800℃において約1時間(継続時間を調節して接合深さを調整することができる)アニールする。
【0030】
図11は、エミッタ層702の堆積による形成を示す。即ち、エミッタ層702は、基板と反対のドープ型の半導体材料をワイヤ502上に堆積させて(矢印1102で示すように)エミッタ層702を形成することによって、形成される。例えば、基板がp型基板である場合、n型Si又は別のn型材料、例えば、酸化亜鉛(ZnO)及び/又はITOなどをワイヤ502上に堆積させることができる。例示的な一実施形態によると、蒸着、スパッタリング又はエピタキシャル成長を用いて、半導体材料をワイヤ512上に堆積させる。蒸着、スパッタリング及びエピタキシャル成長の堆積技術は当業者には周知であるので、本明細書でさらに説明することはしない。この方法で(即ち、堆積により)形成されたエミッタ層を有する太陽電池は、ナノワイヤ/マイクロワイヤ表面上のp−n接合の共形形成を保証し、これは半径方向のキャリア収集を向上させるのに必要なことである(例えば、非特許文献1を参照されたい)。具体的には、(エミッタ層)堆積プロセスにより、結果として得られるp−n接合の界面がナノワイヤ/マイクロワイヤ表面を包み込み、従って半径方向p−n接合構造体をもたらす。ナノワイヤ/マイクロワイヤ表面上のp−n接合の共形形成はまた、(エミッタ層)拡散プロセスによっても達成することができる。しかしながら、拡散プロセスの厳しく一様な制御が必要である。例えば、p−n接合構造体に悪影響を及ぼし得る過度な拡散/不十分な拡散を防止するために、ドライブイン拡散の継続中、制御が必要である。
【0031】
さらに、堆積プロセスを用いてエミッタ層を形成することにより、基板及びナノワイヤ/マイクロワイヤとは異なる材料からエミッタ層を形成することが可能になる。基板及びナノワイヤ/マイクロワイヤとは異なる材料のエミッタ層を用いることにより、ヘテロ接合ナノワイヤ/マイクロワイヤ太陽電池の形成が可能になる。ヘテロ接合ナノワイヤ/マイクロワイヤ太陽電池は標準的なホモ接合太陽電池よりも優れた利点を有する。例えば、ヘテロ接合ナノワイヤ/マイクロワイヤ太陽電池により、窓エミッタ層として機能することになる高いバンドギャップ材料を用いることができる。この層は光に対して透明であるので、光子の大部分がそれを通過してより効率的な吸収体(基板)層に向かうことができ、同時にこの窓層は表面安定化(passivation)層として機能し、これが表面再結合を減らすことになる。
【0032】
例えば、図4の説明に関連して前述したように、酸素プラズマRIEプロセスを用いてナノ球/微小球をトリミングすることができる。ナノ球/微小球の直径をトリミング/縮小する量はプラズマのタイミングを制御することによって制御することができる。このプロセスを説明するために、ナノ球をトリミングするのにプラズマ・エッチングを用いた場合に関連する経験的データを図12に与える。即ち、図12はナノ球直径とプラズマ・エッチング時間を関連付けるグラフ1200である。グラフ1200において、プラズマ時間(継続時間)(秒単位で計測)をx軸上にプロットし、ナノ球(NS)直径(nm単位で計測)をy軸上にプロットした。この実施例で用いたプラズマ・エッチングは、15立方センチメートル毎秒(sccm)の酸素(O)流及び100ワット(W)の無線周波数(RF)電源を用いて実行された。
【0033】
図13(A)は、ナノ球マスクを用いてパターン形成された例示的なナノワイヤ・アレイのトップダウンの走査電子顕微鏡(SEM)画像1300Aであり、図13(B)は、その断面SEM画像1300Bである。ナノ球及び/又は微小球マスクを用いてナノワイヤ及び/又はマイクロワイヤをパターン形成するプロセスは上で詳しく説明された。この実施例において、ナノワイヤ1302のアレイは、p型Si(100)基板内にパターン形成された。水懸濁液内に存在するナノ球は、メタノール中に4:7(メタノール:ナノ球)の比で希釈された。堆積の後、ナノ球を、前述のように、15sccmの酸素(O)流及び100WのRF電源による酸素プラズマRIEを用いて、1.76トール(Torr)の圧力で、(前述された)図12に示すような最終的ナノ球直径を得るように時間を調節してトリミングした。プロセスは、HBrを主エッチャントとして用い、圧力4ミリトール(mTorr)、RF出力650W及びガス流160sccmで、深いRIEを約4分間続けた。部分1304(画像1300Bの)の拡大図を図13(C)に示す。
【0034】
図13(C)は、画像1300B(図13(B))の部分1304の拡大画像1300Cである。画像1300Cは、パターン形成されたアレイ内の各々のナノワイヤ1302が約1,260nmの高さ及び約235nmの頂部直径を有することを示す。
【0035】
図14は、リンのスピンオン・ドーパント源(P509)を拡散させる(即ち、ドライブインする)ことによりナノワイヤ・アレイの上に形成されたエミッタ層1402を有する太陽電池の断面SEM画像1400である。拡散によるエミッタ層の形成は、例えば、前述の図10の説明に関連して説明された。この実施例において、ナノワイヤ・アレイは、前述の技術を用いて、p型Si(100)(p−Si)基板内にパターン形成された。リン・ドーパントを、スピンオン技術を用いてナノワイヤ上に堆積させ、次いで、約850℃で約30分間の熱処理によりナノワイヤ内に拡散させた。
【0036】
図15は、ナノワイヤ・アレイ上にZnO層をスパッタリングすることにより形成されたn型エミッタ層1502を有する太陽電池の断面SEM画像1500である。堆積によるエミッタ層の形成は、例えば、図11の説明に関連して前述された。この実施例において、ナノワイヤ・アレイは、前述の技術を用いて、p型Si(100)(p−Si)基板内にパターン形成された。ZnOエミッタ層は、ナノワイヤ上に約900オングストローム(Å)の厚さにスパッタリングされた。次いで、ZnOエミッタ層の上及び各ナノワイヤの周りにITOの共形層を約1,500Åの厚さに堆積させ、これが上部コンタクト電極として機能する。
【0037】
図14の太陽電池(即ち、リンのスピンオン・ドーパント源を拡散させることによりナノワイヤ・アレイ上に形成されたエミッタ層を有する)及び図15の太陽電池(即ち、ナノワイヤ・アレイ上にZnO層をスパッタリングすることにより形成されたn型エミッタ層を有する)について、シミュレートされた太陽照度(1太陽AM1.5スペクトル)の下で電気的特性テストを行った。各々のテストにおいて、比較のために、平面型の対照電池、即ち、ナノワイヤを有しない太陽電池もテストした。図14の太陽電池について行ったテストの結果を図16(A)〜(C)に示し、図15の太陽電池について行ったテストの結果を図17(A)及び(B)に示す。
【0038】
図16(A)は、拡散によって形成されたエミッタ層を有する図14のナノワイヤ・ベースの太陽電池(即ち、NW)及び標準の平面型太陽電池(即ち、平面型対照)の電気的特性を示すグラフ1600Aである。例えば、Al、Cu、Ni、Ti、Pd、Ag及びAuのうちの1つ又は複数(例えばTi/Pd/Ag又はTi/Auなど)を含む上部コンタクト電極が、ナノワイヤ・ベースの太陽電池のエミッタ層の上に形成される(上の図9の説明を参照されたい)。グラフ1600Aは、シミュレートされた1太陽照度の下での電気的特性を示す。グラフ1600Aにおいて、電圧V(ミリボルト(mV)単位で計測)をx軸上にプロットし、電流I(ミリアンペア(mA)単位で計測)はy軸上にプロットした。太陽電池面積は、0.45平方センチメートル(cm)である。図16(B)は、拡散によって形成されたエミッタ層を有する図14のナノワイヤ・ベースの太陽電池(即ち、NW電池)及び標準的な平面型太陽電池(即ち、対照)の電気的特性を示す表1600Bである。表1600B(グラフ1600Aから導いた)に示される電気的特性は、開路電圧(VOC)(mV単位で計測)、短絡電流(JSC)(ミリアンペア毎平方センチメートル(mA/cm)単位で計測)、曲線因子(FF)及びパーセント(%)効率(Eff)である。図16(C)は、拡散によって形成されたエミッタ層を有する図14のナノワイヤ・ベースの太陽電池(即ち、NW)及び標準の平面型太陽電池(即ち、対照)の反射率スペクトルを示すグラフ1600Cである。グラフ1600Cにおいて、波長(λ)(nm単位で計測)をx軸上にプロットし、反射率(R)はy軸上にプロットした。図16(A)〜(C)に示す結果から、図14の太陽電池は、平面型対照電池よりも高い短絡電流(JSC)を有することが明らかである。この利点は、ナノワイヤの存在による優れた光捕獲(light trapping)又は反射防止特性によるものとすることができる。しかしながら、ナノワイヤ・ベースの太陽電池の曲線因子(FF)はさらに悪く、従って全体的効率は向上せず、対照試料の効率に近い。この不十分な曲線因子(FF)は、著しい直列抵抗と関連付けられる。この直列抵抗を、上部にITOなどの共形導電層(前述の)を用いて減らすことにより、ナノワイヤ・ベースの太陽電池の効率が向上する。このナノワイヤ・ベースの太陽電池は、より小さい反射率を示し、より高い短絡電流と調和するより優れた光捕獲特性を示す。
【0039】
図17(A)は、堆積によって形成されたエミッタ層を有する図15のナノワイヤ・ベースの太陽電池(即ち、NW)及び標準的な平面型太陽電池(即ち、平面型対照)の電気的特性を示すグラフ1700Aである。例えば、Al、Cu、Ni、Ti、Pd、Ag及びAuのうちの1つ又は複数(例えばTi/Pd/Ag又はTi/Auなど)を含む上部コンタクト電極を、ナノワイヤ・ベースの太陽電池のエミッタ層の上に形成した(上の図9の説明を参照されたい)。グラフ1700Aはシミュレートされた一太陽照度の下での電気的特性を示す。グラフ1700Aにおいて、電圧V(mV単位で計測)をx軸上にプロットし、電流I(mA単位で計測)はy軸上にプロットした。太陽電池面積は、0.45cmである。図17(B)は、堆積によって形成されたエミッタ層を有する図15のナノワイヤ・ベースの太陽電池(即ち、NW電池)及び標準的な平面型太陽電池(即ち、対照)の電気的特性を示す表1700Bである。表1700B(グラフ1700Aから導いた)に示した電気的特性は、開路電圧(VOC)(mV単位で計測)、短絡電流(JSC)(mA/cm単位で計測)、曲線因子(FF)及びパーセント(%)効率(Eff)である。図17(A)及び(B)に示した結果から、図15の太陽電池は、対照試料と比べて、全ての点(即ち、VOC、JSC、効率)でより高い性能を有することが明らかである。
【0040】
結論として、製造したナノワイヤ・ベースの太陽電池の両方の実施例、即ち、エミッタ層が拡散により形成されたもの(図14)及びエミッタ層が堆積により形成されたもの(図15)には、高い短絡電流及び効率に関して、ナノワイヤ・ベースの太陽電池から得ることができる有望な利点がある。従って、ナノ球/微小球リソグラフィは、大規模なナノワイヤ/マイクロワイヤを、太陽電池の製造に必要な低コスト及び高処理量で実現するための実行可能な技術であることが実証された。
【0041】
本発明の例証となる実施形態がここに説明されるが、本発明は、それらの正確な実施形態に制限されるものではないこと、及び、当業者であれば本発明の範囲から逸脱することなく種々の他の変更及び修正をなし得ることを理解すべきである。
【符号の説明】
【0042】
100:太陽電池
102:ナノワイヤ
104:エミッタ層
202:基板
204:球
502:ワイヤ
702:エミッタ層
802:メサ構造体
902:上部コンタクト電極
904:底部コンタクト電極
1300A、1300B、1300C:走査電子顕微鏡(SEM)画像
1302:ナノワイヤ
1304:画像1300Bの部分
1400、1500:SEM画像
1402、1502:エミッタ層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽電池を製造する方法であって、
ドープ基板を準備するステップと、
前記基板の上に、ナノ球、微小球、又はそれらの組み合わせを含む球の単層を堆積させるステップと、
前記球をトリミングして、前記単層の中の個々の球の間に空間を設けるステップと、
前記トリミングされた球をマスクとして用いて、前記基板内に、ナノワイヤ、マイクロワイヤ、又はそれらの組み合わせを含むワイヤをパターン形成するステップと、
前記パターン形成されたワイヤ上にドープ・エミッタ層を形成するステップと、
前記エミッタ層の上に上部コンタクト電極を堆積させるステップと、
前記基板の前記ワイヤとは反対の側に底部コンタクト電極を堆積させるステップと
を含む方法。
【請求項2】
前記基板はシリコン基板である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記球は、ポリスチレンラテックスのナノ球、微小球、又はそれらの組み合わせを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記球は液体縣濁中にあり、前記方法は、
スピンオン技術を用いて前記基板の上に前記球を堆積させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記球は、酸素プラズマ・エッチングを用いてトリミングされる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記ワイヤは、深い反応性イオン・エッチング・プロセスを用いて前記基板内にパターン形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ワイヤを洗浄して、前記深い反応性イオン・エッチング・プロセスによる表面損傷を除去するステップをさらに含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記基板は、n型又はp型ドーパントでドープされる、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記エミッタ層は、前記基板がp型ドーパントでドープされている場合にはn型ドーパントで、又は、前記基板がn型ドーパントでドープされている場合にはp型ドーパントでドープされる、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記エミッタ層は、n型又はp型ドーパントで1×1019cm−3から1×1021cm−3の濃度にドープされる、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ワイヤ上に前記エミッタ層を形成するステップは、
ドーパント源から前記ワイヤの上にn型又はp型ドーパントを拡散させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記ドーパント源はスピンオン・ガラス・ドーパント源である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記ドーパント源は気相ドーパント前駆物質である、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
前記ワイヤ上に前記エミッタ層を形成するステップは、前記ワイヤ上にn型又はp型半導体材料を堆積させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記n型又はp型半導体材料は、蒸着、スパッタリング、又はエピタキシャル成長を用いて前記ワイヤ上に堆積される、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記上部コンタクト電極は、インジウムスズ酸化物、並びに、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、パラジウム、銀及び金のうちの1つ又は複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
前記底部コンタクト電極は、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、パラジウム、銀及び金のうちの1つ又は複数を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
前記上部コンタクト電極及び前記底部コンタクト電極は、金属蒸着、電気めっき、又はスクリーン印刷を用いて堆積される、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
前記球はその表面上に少なくとも1つの官能基を有し、前記方法は、
前記球の単層が堆積される前記基板の表面を、前記球の前記表面上の前記官能基と相補的な基で官能化して、前記球と前記基板との間の付着力を強めるステップをさらに含む、
請求項1に記載の方法。
【請求項20】
前記球は、その前記表面上にカルボキシル官能基を有し、前記基板の前記表面はアミノシラン[3−(2−アミノエチルアミノ)プロピル]トリメタノキシシランで官能化される、請求項19に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公表番号】特表2012−529756(P2012−529756A)
【公表日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−514046(P2012−514046)
【出願日】平成22年6月1日(2010.6.1)
【国際出願番号】PCT/US2010/036920
【国際公開番号】WO2010/144274
【国際公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【出願人】(390009531)インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・コーポレーション (4,084)
【氏名又は名称原語表記】INTERNATIONAL BUSINESS MASCHINES CORPORATION
【Fターム(参考)】