ナビゲーションアルバムシステム
【課題】 ユーザーが動画像データの編集等の煩わしい作業をすることなく、ナビゲーションアルバムの再生時においてスムーズに画像データの表示切替が行えるようにする。
【解決手段】 再生時間設定手段70によりアルバム再生時の動画像データの再生時間tを設定し、再生範囲設定手段71により動画像データ全体の再生時間Tの略半分の時点におけるデータを含む所定範囲を再生範囲として設定する。
【解決手段】 再生時間設定手段70によりアルバム再生時の動画像データの再生時間tを設定し、再生範囲設定手段71により動画像データ全体の再生時間Tの略半分の時点におけるデータを含む所定範囲を再生範囲として設定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動経路の位置情報にデジタル画像データをリンクさせた電子アルバムを作成可能なナビゲーションアルバムシステムに関し、特にデジタル画像データとしての動画像データを再生する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーションシステムの高性能化、低価格化が進んでおり、カーナビゲーションシステムを搭載する車両が増加している。カーナビゲーションシステムは、例えば特許文献1に記載されているように、目的地をセットしておくことにより走行すべき経路をディスプレイに表示することや、自家用車が走行した経路を保存し、その経路をディスプレイ上に表示することが可能である。
【0003】
特許文献1では、目的地までの案内経路データや実際に走行した軌跡データに対して付加情報としての画像データや音声データ等を対応付けて記億し、案内経路データや軌跡データを表示装置に表示する際には、対応付けられた画像データや音楽データ等を出力するように構成されている。このナビゲーション装置は、位置検出器で検出した現在位置をマップマッチング処理によって地図上に表示し、目的地や経由地点が入力された場合には、経路探索動作を行って案内経路データを地図上に表示し、この案内経路を登録した場合にはユーザーの操作に応じて案内経路に関連した任意の画像データ等の付加情報を案内経路に対応付けて記憶し、このように記憶した付加情報を選択的に呼び出して表示できるように構成されている。
【0004】
一方、近年、デジタルカメラの高性能化、低価格化が進んでおり、車両で観光地等に旅行する際にはデジタルカメラを携行して名所や旧跡等を撮影することや、これらを背景にしてスナップ写真を撮影することも多くなっている。さらに、動画撮影が可能なデジタルカメラやデジタルビデオカメラを用いて観光地等で動画を撮影する機会も多くなっている。
【0005】
そして、このように撮影した写真や動画をCD−RやDVD−R等の記録メディアに保存して電子アルバムを作成し、コンピュータやテレビモニタ等に写真や動画を表示させて楽しむといった使い方がなされている。
【0006】
通常、電子アルバムは、デジタル画像データを単にサムネイル表示するか、又はスライドショー形式で画面に表示させるものが一般的であり、複数の観光地を周遊した場合に撮影した画像を後日見直したときに、いつどこで撮影した画像なのかを直ちに判別することが難しくなる等、旅行当時の思い出を想起する上で不利になることがあった。
【0007】
そこで、本発明者は、ユーザーが容易に旅行当時の思い出を想起することができるように、前記カーナビゲーションシステムと電子アルバムとを融合させたナビゲーションアルバムを提案した。
【0008】
具体的に、前記ナビゲーションアルバムは、電子アルバムを開くと、旅行当日にユーザーが車両で走行した走行経路データをそのまま画面上に表示し、通常のカーナビゲーションのように画面上の現在地を示すカーソル(車両シンボル)が旅行当時の走行経路に沿って移動し、ユーザーが訪れた観光ポイントに到着すると、その場所で撮影したデジタル画像データがサムネイル表示又はスライドショー表示されるように構成されたものである。
【0009】
これにより、旅行当時に自家用車で走行した経路をそのまま画面上で辿って旅行気分を再現することができ、さらに各観光地で撮影したデジタル画像データは、現在地カーソルがナビゲーションアルバム画面上のその観光地に移動したときにはじめて表示されるようになっているから、旅行の出発日から最終日までの日程をその旅行した順番通りに忠実に追体験でき、容易に旅行気分を再現することができる。
【特許文献1】特開2002−81955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、写真と動画とが混在したデジタル画像データが記録されたナビゲーションアルバムをスライドショー形式で再生すると、写真の場合には所定の間隔(例えば、5〜10秒程度)でその表示が次々と切り替わっていくが、動画の場合にはその再生時間が終了するまでは延々と再生され続けて次のデータになかなか切り替わらないこととなる。このように、写真と動画との再生時間に差異が生じるとスライドショー表示の表示間隔のリズムが悪くなり、アルバム鑑賞者が退屈してしまうおそれがある。
【0011】
また、一般に、ユーザーがデジタルビデオカメラ等で動画を撮影する場合、不必要な場面を延々と撮影してしまう傾向があり、他のユーザーが見ても楽しめるハイライトシーンは、撮影した映像のごく一部であることが多い。すなわち、撮影した動画を未編集の状態で延々と再生するよりも、ユーザーが必要と考える部分だけを抜き出して編集した動画をナビゲーションアルバムに記録した方が、アルバム鑑賞者にとって興味深く、また集中して鑑賞することができると考えられる。
【0012】
しかしながら、撮影した映像をユーザーがその都度編集してからナビゲーションアルバムに記録しなければならないとすると、その作業は非常に煩わしく時間がかかるため、ナビゲーションアルバムの作成自体を面倒に感じてしまうという問題がある。
【0013】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザーが動画像データの編集等の煩わしい作業をすることなく、ナビゲーションアルバムの再生時においてスムーズに画像データの表示切替が行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するため、本発明では、動画像データの再生時間を所定時間に設定してこの所定時間内に再生が完了するように動画像データの再生範囲の設定を行うようにした。
【0015】
すなわち、請求項1の発明は、ナビゲーション装置により特定された移動経路の位置情報に、該移動経路を移動したときに撮影したデジタル画像データをリンクさせて表示手段に表示させる電子アルバムを作成するナビゲーションアルバムシステムであって、
前記デジタル画像データは少なくとも動画像データを含んでおり、
前記動画像データを前記表示手段に再生表示する再生時間を設定する再生時間設定手段と、
前記再生時間設定手段で設定された再生時間だけ前記動画像データの全体又は一部を再生するようにその再生範囲を設定する再生範囲設定手段とを備えていることを特徴とする。
【0016】
従って、本発明によれば、再生時間設定手段で動画像データの再生時間が設定され、該再生時間だけ該動画像データを再生するようにその再生範囲が再生範囲設定手段で設定される。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記再生範囲設定手段は、前記動画像データ全体の再生時間の略半分の時点におけるデータを少なくとも含む所定範囲を該動画像データの再生範囲として設定するように構成されていることを特徴とする。
【0018】
従って、本発明によれば、再生範囲設定手段によって、動画像データ全体の再生時間の略半分の時点におけるデータを少なくとも含む所定範囲が再生範囲として設定される。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記動画像データに付加されている音声データの音量を判別する音量判別手段をさらに備え、
前記再生範囲設定手段は、前記音量判別手段で判別される前記音声データ中の音量が最大となる時点におけるデータを少なくとも含む所定範囲を前記動画像データの再生範囲として設定するように構成されていることを特徴とする。
【0020】
従って、本発明によれば、音量判別手段によって音声データ中の音量が最大となる時点におけるデータが判別され、再生範囲設定手段でこのデータを含む所定範囲が動画像データの再生範囲として設定される。
【0021】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のうち何れか1項に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記動画像データの再生速度を変更する再生速度変更手段をさらに備えていることを特徴とする。
【0022】
従って、本発明によれば、再生速度変更手段により動画像データの再生速度が変更される。
【0023】
請求項5の発明は、請求項4に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記再生速度変更手段は、前記再生時間設定手段で設定した再生時間内に前記再生範囲設定手段で設定した前記動画像データの再生範囲全体の再生が終了するように再生速度を変更するものであることを特徴とする。
【0024】
従って、本発明によれば、再生速度変更手段により、設定された動画像データの再生範囲全体の再生が設定された再生時間内に終了するように該動画像データの再生速度が変更される。
【0025】
請求項6の発明は、請求項4に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記再生速度変更手段は、前記再生時間設定手段で設定した再生時間内に前記再生範囲設定手段で設定した前記動画像データの再生範囲全体の再生が終了しない場合に、該再生時間経過後の未再生の再生範囲を該再生時間内よりも高速で再生するように再生速度を変更するものであることを特徴とする。
【0026】
従って、本発明によれば、再生速度変更手段によって、設定された再生時間の経過後においても未だ再生されていない動画像データの再生範囲の再生速度が変更されて該再生時間内よりも高速で再生される。
【0027】
請求項7の発明は、請求項1乃至6に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記再生範囲設定手段で設定された前記動画像データの再生範囲を任意の範囲に補正する再生範囲補正手段をさらに備えていることを特徴とする。
【0028】
従って、本発明によれば、再生範囲補正手段によって、再生範囲設定手段で設定された動画像データの再生範囲が任意の範囲に補正される。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、動画像データの再生時間を設定することで、例えば写真と動画とが混在するナビゲーションアルバムの再生において、写真の表示時間と動画の再生時間とを合わせて画像データの表示切替をリズム良く行うことができ、アルバム鑑賞者を退屈させることなくナビゲーションアルバムの再生をスムーズに行うことができる。また、冗長に撮影された動画像データ中からハイライトシーンのみを再生範囲として設定することができ、他のアルバム鑑賞者にとっても興味深く楽しめるアルバム再生を実現することができる。
【0030】
請求項2に係る発明によれば、動画像データ全体の再生時間の略半分の時点におけるデータを含む所定範囲を再生範囲として設定することで、ユーザーがわざわざ動画全体をチェックしてハイライトシーンを探し出して再生範囲を設定するという作業をしなくても、ハイライトシーンである可能性の高い動画中央部分を含む所定範囲を再生範囲として再生するようにしているから、自動的にハイライトシーンを抜き出し得ることができ、動画編集の手間が削減されてアルバム作成の作業効率が向上する。
【0031】
請求項3に係る発明によれば、動画像データに付加される音声データの音量が最大となる時点におけるデータを含む所定範囲を再生範囲として設定することで、動画の中で最も盛り上がっておりハイライトシーンであると推測される部分を自動的に抜き出すことができ、動画編集の手間が削減されてアルバム作成の作業効率が向上する。
【0032】
請求項4に係る発明によれば、再生速度変更手段により動画像データの再生速度を変更するから、例えば動画像データ全体を再生範囲とした場合でも、設定した再生時間内に再生が終了するように再生速度を変更することで、動画の一部をカットして再生範囲を設定する場合に比べて撮影した動画全体を早送りで鑑賞することができ、旅行当時の情景をより詳細に思い出す上で有利な効果が得られる。また、デジタル音程調整機能(デジタルピッチコントロール)を備えておけば、映像を早送りしながらでも音声データの音程を一定にした状態で再生できるためアルバム鑑賞者が違和感を感じることもない。
【0033】
請求項5に係る発明によれば、設定した動画像データの再生範囲の再生速度を変更することで、設定した再生時間内にこの再生範囲の再生が終了するように制御することができる。
【0034】
請求項6に係る発明によれば、設定した再生時間内に動画像データの再生範囲の再生が終了しなかった場合に、それ以降の未再生の動画像データの再生範囲を該再生時間内よりも高速で再生するようにしているから、アルバム再生時における画像データの表示切替間隔の変動を最小限に抑えてリズム良く再生する上で有利となる。
【0035】
請求項7に係る発明によれば、再生範囲補正手段によって動画像データの再生範囲をユーザーが任意に補正することができるから、再生範囲設定手段により動画像データ中のハイライトシーンであると推測して自動的に設定された再生範囲がユーザーの意図していた再生範囲と異なっていた場合でも、その再生範囲をユーザーが補正することでユーザーの希望通りの再生範囲を設定することができて高い満足度が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0037】
[システム構成]
図1は、本発明の実施形態1に係るナビゲーションアルバムシステムの構成を示す図である。図1に示すように、このナビゲーションアルバムシステムは、アンテナユニットAで受信したGPS衛星からの信号及び車両の走行駆動系に搭載した車速センサSからの車速パルス信号を入力するシステム本体Bと、地図データや画像データを表示するディスプレイCと、必要な情報を入力する複数のスイッチ1と、音声情報を出力するスピーカ2と、リモートコントローラ3からの赤外線信号を受信する赤外線センサ4と、画像データにアクセスするための入出力ターミナル5と、ドライブユニットEとを備えている。
【0038】
このナビゲーションアルバムシステムは、自家用車等の車両に備えられるものであり、GPS衛星からの信号と車速センサSからの車速パルス信号とに基づき車両の走行時においても、その車両が存在する経度・緯度をリアルタイムで取得して対応する地図データを設定された拡大率でディスプレイCに表示し、その地図データ上に車両が存在する位置をシンボル等で表示する機能を備えている。さらに、目的とするポイントを指定することにより、そのポイントに至るまでに走行すべき経路を抽出し、案内(ナビゲーション)する機能を備えている。
【0039】
前記ディスプレイCは、液晶表示部6と、接触操作位置を検出するタッチパネル部7とを備えて構成されている。前記複数のスイッチ1はナビゲーションアルバムシステムのON又はOFFを含め、表示モードの切り替え等の処理を実現する。前記リモートコントローラ3はシステム本体Bから離間した位置から必要とする操作を実現する。前記スピーカ2は人の言葉による案内を行うために用いられると共に、後述する音楽データの再生のために用いられる。
【0040】
前記ドライブユニットE(画像データ入力手段の一例)は、デジタルカメラCamで撮影された写真や動画を含む画像データが保存されたフラッシュメモリ等の半導体メディアMsからのデータを取得する(読み出す)半導体ドライブ8と、CD−RやDVD−R等の複数種類の大容量のディスク状メディアMdからのデータの取得及び書き込みを可能にするディスクドライブ9とを備えている。なお、半導体ドライブ8は、コンパクトフラッシュ(登録商標)やスマートメディア(登録商標)やメモリースティック(登録商標)等のフラッシュメモリの種類に対応できるように複数の挿入部を備えていることが好ましい。
【0041】
また、前記入出力ターミナル5(画像データ入力手段の一例)は、デジタルカメラCamとの間に配置されるUSB(Universal Serial Bus)規格やIEEE1394規格等のケーブルXを介して、このデジタルカメラCamに保存されている画像データを取得するために機能するものである。なお、本発明では、無線によってデジタルカメラCamの画像データを取得するものを除外するものではなく、画像データ入力手段としてBluetooth(ブルートゥース)のように無線を利用して画像データを送るようにしてもよい。
【0042】
図2は、このナビゲーションアルバムシステムの構成を示すブロック図である。図2に示すように、前記システム本体Bは、マイクロプロセッサへの情報のアクセスを実現する入出力インタフェースI/Oを備えており、この入出力インタフェースI/Oに対して位置取得手段P、前記液晶表示部6、前記タッチパネル部7、前記複数のスイッチ1、前記スピーカ2、前記赤外線センサ4、前記入出力ターミナル5、前記半導体ドライブ8、前記ディスクドライブ9、及びハードディスクHDそれぞれからのデータがアクセスする信号系を形成している。
【0043】
前記位置取得手段Pは、前記アンテナユニットAで受信したGPS衛星からの電波を取り込むと同時に、前記車速センサSからの車速パルス信号を取り込むことによりリアルタイムで車両の位置データ(経度・緯度のデータ)を取得するものである。
【0044】
前記ハードディスクHDは、画像データを目的地毎にグループ化して記憶するとともに、車両が走行した経路データを記憶するものである。また、このハードディスクHDは地図データを保存する地図データ保存部としての地図データベース、及び、音楽データを保存する音楽データベースとして機能するものである。前記目的地は車両の走行開始以前に設定するものの他に、走行を終えた後に設定するものであってもよい。なお、ハードディスクHDの代わりに半導体メモリを用いて構成することも可能である。
【0045】
前記処理装置Dは、マイクロプロセッサからのデータバスに接続する半導体メモリRAM/ROM、不揮発性メモリEEPROM、マップマッチング手段11、ナビゲーション手段12、画像記憶処理手段13、経路記憶処理手段14、リンクデータ生成手段15、出力手段16、保存処理手段17、日付情報読取手段18、判定手段19、経路表示手段20、再生時間設定手段70、再生範囲設定手段71、及び再生範囲補正手段72を備えている。
【0046】
なお、この処理装置Dにおいて制御を実現するためには、データバスの他にコントロールバスやアドレスバス等を必要とするものであるが、複雑化を避ける目的から図面にはコントロールバス、アドレスバス、及びインタフェース類の記載を省略している。
【0047】
前記マップマッチング手段11は、前記位置取得手段Pからの位置データに対応する地図データを前記ハードディスクHDに保存された地図データベースから抽出して、ディスプレイCに対して予め設定された拡大率で表示する処理を行うものである。
【0048】
前記ナビゲーション手段12は、予め設定された目的地に至る経路を前記地図データから抽出してディスプレイCに表示された地図データ上にライン状に表示する。
【0049】
前記画像記憶処理手段13は、前記半導体ドライブ8、ディスクドライブ9、又は入出力ターミナル5を介して取得した画像データを前記ハードディスクHDに保存する処理を行うものである。
【0050】
前記経路記憶処理手段14は、車両が走行した経路に対応する経路データR(図12を参照)を前記ハードディスクHDに保存する処理を行うものである。この経路データRはサンプリングタイミング毎の車両の座標を示すデータを保存した構造のファイルを想定しているが、基点となる複数の座標と、その座標毎において設定された走行方向と走行速度とをベクトルデータ化した構造であってもよい。また、この経路記憶処理手段14で保存した経路データRをディスプレイCに表示した場合には、図12において破線で示す経路が経路データRとなり、この経路データR上に車両シンボルVが示され、この経路データR上に複数の観光地P1,P2,P3・・・が示される。
【0051】
前記リンクデータ生成手段15は、図6に示す画像編集画面をディスプレイCに表示した状態で、経路データR上に設定した観光地P1,P2,・・・毎に画像データの関連付けを行い、生成したリンクデータをファイル形式で保存する処理を行うものであり、この保存の際の順序で画像データが表示される。前記出力手段16は、後述するように経路データRと関連付けられた画像データをディスプレイCに表示する処理を行うものである。
【0052】
また、前記保存処理手段17は、選択した経路データRと、その経路データRに関連付けられた複数の画像データと、経路データに対応する地図データと、関連付けられた音楽データが存在する場合にはその音楽データと、プログラムとして構成された出力手段16とをディスク状メディアMd等の記憶メディアに保存する処理を行うものである。
【0053】
前記日付情報読取手段18は、前記半導体ドライブ8、ディスクドライブ9、又は入出力ターミナル5を介して取得した画像データに付加されているExif情報から撮影日時を示す情報を読み取り、その画像データの撮影日時を特定するものである。
【0054】
前記判定手段19は、前記日付情報読取手段18で読み取った複数の画像データの撮影日時情報のうち、最も古い日を出発日、最も新しい日を最終日と判定して旅行期間を特定するものである。
【0055】
前記経路表示手段20は、前記判定手段19の判定結果に基づいて、その旅行期間内に走行した経路データRをハードディスクHDから読み出してディスプレイCに表示するものである。
【0056】
前記再生時間設定手段70は、ナビアルバム再生時に、経路データRに関連付けられた前記画像データとしての動画像データをディスプレイCに再生表示する再生時間を設定するものである。
【0057】
前記再生範囲設定手段71は、前記動画像データの全体又は一部を再生するようにその再生範囲を設定するものである。具体的には後述するが、動画像データ中でハイライトシーンであると推測される部分を含むように自動的に再生範囲が設定されるようになっている。
【0058】
前記再生範囲補正手段72は、前記再生範囲設定手段71で設定された動画像データの再生範囲を任意の範囲に補正するものである。具体的に、ユーザーがタッチパネルやリモートコントローラ等の外部入力手段で動画像データの再生範囲を再設定することにより行われる。
【0059】
なお、前記マップマッチング手段11、ナビゲーション手段12、画像記憶処理手段13、経路記憶処理手段14、リンクデータ生成手段15、出力手段16、日付情報読取手段18、判定手段19、経路表示手段20、再生時間設定手段70、再生範囲設定手段71、及び再生範囲補正手段72は半導体メモリRAM上に展開したソフトウェア(プログラム)を想定しているが、一部又は全てをロジック等のハードウェアで構成することも可能である。
【0060】
[経路データRの特定]
次に、本発明の実施形態1に係るナビゲーションアルバムシステムにおける旅行期間内に走行した経路データを特定する手順について説明する。図3に示すように、ステップS101で、半導体メディアMsやディスク状メディアMd等の記憶メディアに記憶されている写真及び動画が混在した画像データを、前記半導体ドライブ8、ディスクドライブ9、又は入出力ターミナル5を介してハードディスクHDに入力する。
【0061】
なお、本実施形態1では、ユーザーが撮影に使用していた記憶メディアのみから画像データを読み取るようにしているが、これに限定されず、例えば、一緒に旅行していた他のメンバーが各々撮影に使用していた記憶メディアからも画像データを読み取って、ハードディスクHDに追加入力するようにしても構わない。また、他のメンバーの記憶メディアのみから画像データをハードディスクHDに入力するようにしても構わないのはもちろんである。これは、以下の実施形態2又は3においても同様である。
【0062】
次に、ステップS102で、前記ハードディスクHDに入力した複数の画像データの中から、ユーザーがアルバムに載せる必要はないと判断した画像データを選択して削除する。
【0063】
そして、ステップS103で、入力されたデジタル画像データに撮影日時情報を含むExif情報が付加されているかを判定する。ステップS103での判定が「YES」の場合には、ステップS104に分岐する。
【0064】
ステップS104で、前記日付情報読取手段18により、Exif情報から撮影日時を示す情報を読み取り、その画像データの撮影日時を特定してステップS105に進む。ステップS105で、前記判定手段19により、前記日付情報読取手段18で読み取った複数の画像データの撮影日時のうち最も古い日を出発日、最も新しい日を最終日と判定して旅行期間を特定する。
【0065】
そして、ステップS106で、前記経路表示手段20により、前記判定手段19で特定された旅行期間内に車両が走行した経路データRをハードディスクHDから読み出してディスプレイCに表示することで、ナビゲーションアルバムの作成のための経路データRの特定が完了する。
【0066】
一方、ステップS103での判定が「NO」の場合には、ステップS107に分岐し、ステップS107で、ディスプレイCに旅行期間の日付入力をユーザーに促す日付入力画面を表示する。そして、ステップS108で日付入力が終わるまで待機する。日付入力が終了するとステップS105に分岐する。
【0067】
以上のように、デジタル画像データに撮影日時情報を含むExif情報が付加されていた場合には、ユーザーはデジタル画像データを本ナビゲーションアルバムシステムに入力するだけで、旅行期間の日付をわざわざ入力指定しなくても自動的に旅行期間内に走行した経路データRを特定することができる。そのため、ナビゲーションアルバムを作成する上でユーザーの作業負担が軽減されることになる。
【0068】
また、デジタル画像データに撮影日時を含むExif情報が付加されていない場合でも、ディスプレイCに旅行期間の日付入力をユーザーに促す日付入力画面が表示されるから、日付入力漏れを防止する上で有利である。
【0069】
[画像データと観光地との関連付け]
旅行においてデジタルカメラCamで撮影したスナップ写真及び動画等が混在したデジタル画像データとその画像データを撮影した観光地情報とを関連付ける場合には、旅行を終えて自宅に戻った後に、図4に示す処理メニュー28をディスプレイCに表示して「画像データの取得」ボタン21を操作することになる。なお、この処理メニュー28には、「画像データの取得」ボタン21の他に「再生処理(実走行モード)」ボタン22と、「再生処理(リプレイモード)」ボタン23と、「メディアに保存」ボタン24と、「OK」ボタン25とが表示される。
【0070】
この「画像データの取得」ボタン21を操作し、「OK」ボタン25を操作した場合には、まず、図6のフローチャート図に示す関連付け処理が実行される。
【0071】
前記関連付け処理では、ステップS201で、前記半導体ドライブ8等を介して取得した複数の画像データのうち1つを図5に示す画像取得画面27に表示する。ステップS202で、画像取得画面27よりも下側位置に、ハードディスクHDに記録されている観光地情報のタイトル(図5では“USJ”や“海遊館”)の候補を一覧表示する。
【0072】
前記観光地タイトルは、画像取得画面27に表示された画像データに付加されているExif情報から撮影日時を特定し、この撮影日時に車両を停車していた位置情報を前記経路記憶処理手段14に記憶されている経路データRから読み出すことで、その位置における最寄りの観光地タイトルの候補を一覧表示するようにしている。そして、スクロールカーソル26を操作することにより、全ての観光地タイトルの候補を確認することができるようになっている。
【0073】
そして、ステップS203で、画像取得画面27に表示された画像データが、観光地タイトルに関連付ける必要があるかを判定する。ステップS203での判定が「YES」の場合には、ステップS204に分岐して、ステップS204で、画像取得画面27に表示されている画像データを撮影した観光地のタイトルを選択した状態で「登録」ボタン29を操作する。これにより、画像取得画面27に表示された画像データと、撮影場所の観光地タイトルとの関連付けが終了し、ステップS205に進む。
【0074】
ステップS203での判定が「NO」の場合(写真写りが悪かったり同じようなアングルの写真が何枚もある等の理由による)には、「キャンセル」ボタン30を操作することで、観光地タイトルに画像データを関連付けることなくステップS205に分岐する。
【0075】
ステップS205で、次の画像データが存在するかを判定し、ステップS205での判定が「YES」の場合には、ステップS201に分岐して、次の画像データが画像取得画面27に表示される。ステップS205での判定が「NO」の場合には、画像データと観光地タイトルとの関連付け作業を終了する。
【0076】
次に、ディスプレイCに図7に示す画像編集画面31が表示される。この画像編集画面31では、先ほど観光地タイトルに関連付けた画像データが1枚ずつ表示される。画像編集画面31の下側位置にはタイトルバー32が表示され、このタイトルバー32の左端には画像データと関連付けられた観光地タイトル(図7では“USJ”)が表示され、タイトルバー32の中央右寄り位置には画像データのExif情報から取得した撮影日時が表示されている。
【0077】
そして、タイトルバー32の右端には、その観光地毎に予め登録されている観光地にちなんだ画像がはめ込み合成されるようになっており、複数の画像の中からユーザーの好みに合わせて選択して切り替えることができるようになっている。
【0078】
また、画面右上にはサブ画像表示画面33が表示されており、観光地の位置情報が地図データとして表示されている。なお、このサブ画像表示画面33は、表示されている画像データとオーバーラップして表示されているため、画像データが見づらい等の場合には非表示に設定することもできる。
【0079】
[動画像データの再生時間及び再生範囲の設定手順]
ここで、画像データが動画像データを含んでいる場合、この動画像データに対する再生時間や再生範囲を設定する必要がある。以下、動画像データの再生時間及び再生範囲の設定手順について、図8に示すフローチャート図に基づいて説明する。
【0080】
まず、ディスプレイCに動画編集画面(図示せず)を表示し、図8に示すように、ステップS301で、動画像データ全体の再生時間Tを算出する。図9に示すように、本実施形態1では再生時間Tが60secであるとする。
【0081】
ステップS302で、再生時間設定手段70により動画像データの再生時間tを設定する。この設定方法としては、例えば、ナビゲーションアルバムをスライドショー形式で再生するときの写真の表示間隔を10secと設定している場合に動画像データの再生時間tも同じく10secに合わせて設定したり、ユーザーがキーボードやタッチパネル等を用いて再生時間tを直接入力する等が考えられる。以下、再生時間tを10secに設定したとして説明する。
【0082】
次に、ステップS303で、動画像データ全体の再生時間Tが再生時間設定手段70で設定した再生時間tよりも長いかどうか、すなわちT≧tを満たすかを判定する。
【0083】
ステップS303での判定が「NO」の場合には、ステップS308に分岐し、ステップS308で、再生時間tを動画像データ全体の再生時間Tに再設定する。そして、ステップS309で、再生範囲設定手段71により再生範囲を動画像データ全体に設定して再生範囲の設定を終了する。
【0084】
ステップS303での判定が「YES」の場合には、ステップS304に分岐し、ステップS304で、動画像データ全体の再生時間Tに基づいて動画像データの中央位置を検出する。具体的に、図9に示すように、動画像データ全体の再生時間Tが60secであることから、その半分の時点(30sec)におけるデータを検出する。
【0085】
そして、ステップS305で、再生範囲設定手段71により、前記検出した動画中央部分を含む所定範囲を再生範囲として設定する。具体的に、設定した再生時間tが10secであるから、動画中央部分を中心にその前後5secを含む範囲を再生範囲として設定することが好ましい。
【0086】
なお、この動画中央部分を含む所定範囲を再生範囲と設定したのは、この部分が動画像データ中のハイライトシーンである可能性が最も高く、他のユーザーがアルバム鑑賞するときにも退屈することが少ないと考えられるからである。
【0087】
次に、ステップS306で、前記設定した再生範囲をディスプレイCにプレビューして、ユーザーの希望通りの再生範囲となっているかを判定する。ステップS306での判定が「YES」の場合には、再生範囲の設定を終了する。
【0088】
ステップS306での判定が「NO」の場合には、ステップS307に分岐して、ステップS307で、ユーザーが任意の範囲に再生範囲を指定して再生範囲補正手段72で補正する。ここで、再生範囲の指定は、タッチパネルやリモートコントローラ等の外部入力手段により行う。
【0089】
なお、このような再生範囲の設定は、あくまでも動画像データ中にチャプターを付加して行うものであり、設定した再生範囲外の動画像データをトリミングして消去するものではない。このように、元の動画像データに何ら変更が加えられることなくそのデータが残っているため、必要に応じて動画像データ全体を再生範囲に設定したり、又は他の再生範囲に設定し直すことができるようになっている。これは、以下の実施形態2又は3においても同様である。
【0090】
以上のように、動画像データの再生時間を設定することで、写真と動画とが混在したナビゲーションアルバムをスライドショー形式で再生する際に、写真の表示時間と動画の再生時間とを合わせて画像データの表示切替をリズム良く行うことができる。また、動画像データ中のハイライトシーンであると推測される動画中央部分を含む所定範囲を再生範囲として自動的に設定することができるため、ユーザーが動画像データ全体をわざわざチェックする必要がなくアルバム作成の作業効率が向上する。
【0091】
[その他の関連付け手順]
次の処理では、ディスプレイCに対して図10に示すBGMセット画面40を表示し、ユーザーが必要とした場合には、「YES」ボタン41を操作し、不要であると判断した場合には「NO」ボタン42を操作し、「YES」ボタン41を操作した場合には、前記音楽データベースに保存された曲名を曲名表示部43に一覧化して表示し、試聴する場合には「試聴」ボタン44を操作することにより前記スピーカ2で音楽の試聴を行え、音楽の選択を終えた場合に「OK」ボタン45を操作することにより、その音楽データが、BGMとして1つの経路データRに対してセットして次の処理に移行する。なお、このように音楽データをセットする場合、観光地タイトル毎に異なる音楽データをセットするようにしてもよい。さらに、例えば、USJ内のジョーズのアトラクションにおいて撮影した画像データに対して映画“ジョーズ”で使用されていたBGMを流すように設定する等、より詳細な音楽データの設定を行っても構わない。
【0092】
次の処理では、ディスプレイCにタイトル入力画面(図示せず)を表示する。タイトル入力作業は、先ほど選択した観光地タイトルがそのまま入力されるためユーザーがわざわざ作業する必要がない。ユーザーが任意のタイトルに修正したい場合には、このタイトル入力画面に表示されたキーボードを用いて必要とする文字を入力することができる。
【0093】
[ナビゲーションアルバムの起動]
このように、画像データと観光地情報との関連付けが全て完了した後で、前記処理メニュー28から「メディアに保存」ボタン24を操作することにより、前記保存処理手段17によってディスク状メディアMdに保存する処理が実行され、ナビゲーションアルバムが作成される。
【0094】
前記ナビゲーションアルバムは、一般家庭のコンピュータ等にセットすることにより、図11に示すタイトルメニュー画面50が表示される。このタイトルメニュー画面50には、アルバムのタイトルを示すタイトル表示部50A、旅行の日付を示す日付表示部50Bが表示されていつどこに旅行したときの電子アルバムであるかが判別できるようになっている。さらに、ナビスライド51、Mapスライド52、スライドショー53の3つのメニューが表示されており、後述するように、3つのメニューはそれぞれ画像の表示方式に違いがある。
【0095】
前記ナビスライドメニュー51を選択すると、図12に示すように、地図表示画面60に切り替わる。この地図表示画面60には、タイムラインバー61と複数の再生制御ボタン62とが表示されており、再生制御ボタン62のうちの再生ボタンを操作することやタイムラインバー61を操作することにより、経路データR上に車両シンボルVが移動する状態が時間を短縮した状態で(シミュレーションした状態で)表示される。
【0096】
そして、車両シンボルVが出発位置Stを出発して経路データR上を走行し、最初の観光地P1に到着すると、その観光地P1に関連付けて登録されていた画像データが、図7に示すような表示形式で、予め設定された順序であって設定されたインターバルで表示されるようになっている。ここで、前記画像データが動画の場合には、前記再生範囲設定手段71で設定した再生範囲が再生表示され、設定された再生時間が経過すると次の画像データに切り替わるようになっている。
【0097】
前記観光地P1に登録されている画像データを全て見終わった後、再び地図表示画面60に切り替わり、車両シンボルVが次の観光地P2に向けて走行する。このように、全ての観光地P1〜P3を車両シンボルVが走行して到着位置Gに到着するまでの間に、各々の観光地P1〜P3で登録されていた画像データを時系列に沿って楽しむことができる。
【0098】
なお、経路データRの途中に有名な観光地がある場合には、その観光地情報がハードディスクHDに登録されていれば、車両シンボルVが有名観光地付近を走行したときにその観光地情報を表示するようにしても構わない。
【0099】
また、前記Mapスライドメニュー52を選択すると、前記ナビスライドメニュー51のときと同様、地図表示画面60が表示される。ここで、登録されている観光地P1〜P3のうち1つを選択することにより、その選択した観光地に関連付けられている画像データのみが、予め設定された順序で、設定されたインターバルで表示されるようになっている。これにより、ユーザーが見たい観光地の画像データを素早く表示させることができる。
【0100】
なお、Mapスライドメニュー52では、前記ナビスライド51のように地図表示画面60を表示させず、登録されている観光地タイトルの一覧を表示してそのタイトル情報を選択することで画像データを表示させるようにしても構わない。
【0101】
そして、前記スライドショーメニュー53を選択すると、このナビゲーションアルバムに記憶されている画像データが、予め設定された順序で、設定されたインターバルで表示されるようになっている。
【0102】
また、タイトルメニュー画面50には、「設定」ボタン54が表示されており、この「設定」ボタン54を操作することにより、例えば音声データの切り替え等、種々の設定を行うことができるようになっている。
【0103】
[その他の画像データ表示方法]
本実施形態1のナビゲーションアルバムシステムは、主にディスク状メディアMd等にナビゲーションアルバムを作成して一般家庭のコンピュータ等で鑑賞することを目的とするものであるが、その他にもディスプレイC上で画像データを鑑賞することができる。
【0104】
つまり、図4に示すように、ディスプレイCに処理メニュー28を表示し、この処理メニュー28の「再生処理(実走行モード)」ボタン22を操作した場合には、観光地タイトルを一覧化して選択画面(図示せず)が表示され、再生すべきアルバムタイトルを選択して「OK」ボタンを操作することにより、そのタイトルに対応した経路データRが指定され、実走行モード画面がディスプレイCに表示される。
【0105】
そして、図12に示すように車両の走行により車両シンボルVが経路データR上の観光地P1に近接すると、地図データの一部の領域に重なる状態で新たにウィンドウを開き、その観光地P1に関連付けられた複数の画像データが、予め設定された順序で、設定されたインターバルで表示され、音楽データが関連付けられている場合には、その音楽データを再生する。
【0106】
また、ディスプレイCに表示された処理メニュー28の「再生処理(リプレイモード)」ボタン23を操作した場合には、前述と同様に選択画面が表示され、再生すべきアルバムタイトルを選択して「OK」ボタンを操作することにより、そのタイトルに対応した経路データRが指定され、リプレイモード画面がディスプレイCに表示される。
【0107】
このリプレイモード画面は、図12における地図表示画面60と同様のものであり、ディスプレイC上でナビゲーションアルバムの動作をシミュレーションすることができるため、ディスク状メディアMdにナビゲーションアルバムのデータを保存する前のプレビュー画面として有効である。
【0108】
以上のように、実走行モードを選択した場合には、経路データR上において設定された観光地P1に車両が近接した際に、その観光地P1に関連付けられた画像データがディスプレイCに表示されるため、過去に訪れた観光地P1で撮影した画像データを同乗者が観賞できるものとなる。この場合、車両は経路データR上を走行する必要はなく、観光地P1に近接する毎に複数の画像データが自動的に表示されるのである。
【0109】
また、リプレイモードを選択した場合には、車両を停車させた状態でもディスプレイCに表示された地図データに経路データRを表示し、この経路データR上に車両シンボルVを移動させて表示し、車両シンボルVが観光地P1に接近すると、その観光地P1に設定された複数の画像データを自動的に表示するので、例えば、旅行で撮影した画像データを観光地毎に表示できるものとなっている。
【0110】
なお、本実施形態1では、位置取得手段としてGPS衛星からの信号を用いるように構成していたが、この位置取得手段は、例えばPHS型の携帯電話機で実現されている位置取得方法と同様に、地上に設置された複数の電波の発信源からの電波を受信することにより、これらの発信源を基準にして車両の位置を取得するものであってもよい。これは、以下の実施形態2,3においても同様である。
【0111】
また、本実施形態1では、カーナビゲーションの表示画面上でナビゲーションアルバムを作成する形態について説明しているが、この形態に限定するものではなく、例えば、特定された移動経路の位置情報をカーナビゲーションから読み取り、家庭内のパソコンに搭載されたプログラム等を活用してナビゲーションアルバムを作成するようにしてもよい。これは、以下の実施形態2,3においても同様である。
【0112】
<実施形態2>
図13は、本発明の実施形態2に係るナビゲーションアルバムシステムの構成を示すブロック図である。本実施形態2は、前記実施形態1に対して音量判別手段73を追加したものである。ここで、音量判別手段73は、動画像データに付加されている音声データの音量を判別するものである。
【0113】
次に、本実施形態2に係るナビゲーションアルバムシステムにおける動画像データの再生時間及び再生範囲を設定する手順について、図14に示すフローチャート図に基づいて説明する。
【0114】
まず、ディスプレイCに動画編集画面(図示せず)を表示し、ステップS401で、動画像データ全体の再生時間Tを算出する。図15に示すように、本実施形態2では再生時間Tが60secであるとする。
【0115】
そして、ステップS402で、再生時間設定手段70により動画像データの再生時間tを設定する。この設定方法としては、例えば、ナビゲーションアルバムをスライドショー形式で再生するときの写真の表示間隔を10secと設定している場合には動画像データの再生時間tも同じく10secに合わせて設定したり、ユーザーがタッチパネルやリモートコントローラ等を用いて再生時間tを直接入力することが考えられる。以下、再生時間tを10secに設定したとして説明する。
【0116】
次に、ステップS403で、動画像データの再生時間Tが再生時間設定手段70で設定した再生時間tよりも長いかどうか、すなわちT≧tを満たすかを判定する。
【0117】
ステップS403での判定が「NO」の場合には、ステップS408に分岐し、ステップS408で、再生時間tを動画像データ全体の再生時間Tに再設定する。そして、ステップS409で、再生範囲設定手段71により再生範囲を動画像データ全体に設定して再生範囲の設定を終了する。
【0118】
ステップS403での判定が「YES」の場合には、ステップS404に分岐し、ステップS404で、音量判別手段73により動画像データに付加されている音声データの音量を示す波形を動画像データ全体にわたって判別し、この判別結果に基づいて動画像データ中で音声データの音量が最大となる時点におけるデータを検出する。具体的に、図15に示す音声データの場合には、動画像データの再生開始から40sec経過した位置での音量が最大となっていることから、その時点におけるデータを検出する。
【0119】
そして、ステップS405で、再生範囲設定手段71により、前記検出した音量最大部分を含む所定範囲を再生範囲として設定する。具体的に、設定した再生時間tが10secであるから、音量最大位置を中心にその前後5secを含む範囲を再生範囲として設定することが好ましい。
【0120】
なお、この音量最大部分を含む所定範囲を再生範囲と設定したのは、この再生範囲が、例えば歓喜や驚きの声、又は周囲の音響の変化など何らかの出来事が起こった場面であり、動画像データ中のハイライトシーンである可能性が最も高く、他のユーザーがアルバム鑑賞するときにも退屈することが少ないと考えられるからである。
【0121】
次に、ステップS406で、前記設定した再生範囲をディスプレイCにプレビューして、ユーザーの希望通りの再生範囲となっているかを判定する。ステップS406での判定が「YES」の場合には、再生範囲の設定を終了する。
【0122】
ステップS406での判定が「NO」の場合には、ステップS407に分岐して、ステップS407で、ユーザーが任意の範囲に再生範囲を指定して再生範囲補正手段72で補正する。ここで、再生範囲の指定は、タッチパネルやリモートコントローラ等の外部入力手段により行う。
【0123】
以上のように、動画像データ中のハイライトシーンであると推測される音量最大部分を含む所定範囲を再生範囲として自動的に設定することができるため、ユーザーが動画像データ全体をわざわざチェックする必要がなくアルバム作成の作業効率が向上する。
【0124】
<実施形態3>
図16は、本発明の実施形態3に係るナビゲーションアルバムシステムの構成を示すブロック図である。本実施形態3は、前記実施形態1に対して再生速度変更手段74を追加したものである。ここで、再生速度変更手段74は、動画像データの再生速度を任意の速度に変更して再生するものである。
【0125】
次に、本実施形態3に係るナビゲーションアルバムシステムにおける動画像データの再生処理手順について、図17に示すフローチャート図に基づいて説明する。
【0126】
まず、ディスプレイCに動画編集画面(図示せず)を表示し、ステップS501で、再生時間設定手段70により動画像データの再生時間t1を設定する。以下、再生時間tを10secに設定したとして説明する。
【0127】
ステップS502で、再生範囲設定手段71により動画像データの再生範囲を設定する。この再生範囲の設定は、前記実施形態1又は2で説明したような方法で自動的に行っても良いし、ユーザーがタッチパネルやリモートコントローラ等の外部入力手段により直接入力して行うようにしても良い。
【0128】
次に、ステップS503で、動画像データの再生範囲の再生時間t2が再生時間設定手段70で設定した再生時間t1よりも長いかどうか、すなわちt2≧t1を満たすかを判定する。
【0129】
ステップS503での判定が「NO」の場合には、ステップS504に分岐し、ステップS504で、設定した再生時間t1を再生範囲の再生時間t2に再設定して終了する。このときには動画像データの再生速度の変更は行われず、通常の再生速度での再生が実行されることとなる。
【0130】
ステップS503での判定が「YES」の場合には、ステップS505に分岐し、ステップS505で、再生速度変更手段74により、設定した再生時間t1内に動画像データの再生範囲全体の再生が終了するように、すなわちt1=t2を満たすように再生範囲の再生速度を変更する。具体的に、例えば再生時間が10secに設定されており、動画像データの再生範囲が20secに設定されている場合には、この再生範囲を2倍速再生するように再生速度を変更することで、設定した再生時間の10sec以内に再生範囲の再生が終了するようにしている。同様に、総再生時間が60secである動画像データ全体を再生する場合には、動画像データ全体を6倍速再生すれば設定した再生時間10sec以内に再生が終了することとなる。
【0131】
以上のように、再生速度変更手段74により、設定した再生時間内に動画像データの再生範囲の再生が終了するようにこの再生範囲の再生速度を変更するから、例えば動画像データ全体を再生範囲とした場合でも、動画の一部をカットする等しなくても動画全体を鑑賞することができるようになり、旅行当時の情景をより詳細に思い出す上で有利な効果が得られる。
【0132】
次に、ナビゲーションアルバムシステムにおける動画像データの再生処理の別の手順について、図18に示すフローチャート図に基づいて説明する。
【0133】
まず、ディスプレイCに動画編集画面(図示せず)を表示し、ステップS601で、再生時間設定手段70により動画像データの再生時間t1を設定する。以下、再生時間t1を10secに設定したとして説明する。
【0134】
ステップS602で、再生範囲設定手段71により動画像データの再生範囲を設定する。この再生範囲の設定は、前記実施形態1又は2で説明したような方法で行っても良いし、ユーザーがタッチパネルやリモートコントローラ等の外部入力手段により直接入力して行うようにしても良い。
【0135】
次に、ステップS603で、動画像データの再生範囲の再生時間t2が再生時間設定手段70で設定した再生時間t1よりも長いかどうか、すなわちt2≧t1を満たすかを判定する。
【0136】
ステップS603での判定が「NO」の場合には、ステップS604に分岐し、ステップS604で、設定した再生時間t1を再生範囲の再生時間t2に再設定して終了する。このときには動画像データの再生速度の変更は行われず、通常の再生速度での再生が実行されることとなる。
【0137】
ステップS603での判定が「YES」の場合には、ステップS605に分岐し、ステップS605で、再生速度変更手段74により、再生時間t1が経過した後の再生範囲(t2−t1)を高速再生するように再生速度を変更する。具体的に、例えば再生時間が10secに設定されており、動画像データの再生範囲が30secに設定されている場合には、再生時間10secが経過するまでは通常の再生速度で再生し、10sec経過後に未だ再生されていない残り20secの再生範囲の再生速度を変更して高速再生するようにしている。
【0138】
以上のように、設定した再生時間内に設定した再生範囲の再生が終了しなかった場合に、それ以降の未再生の再生範囲の再生速度を再生速度変更手段74で変更して再生時間内よりも高速で再生するようにしているから、アルバム再生時における画像データの表示切替間隔の変動を最小限に抑えることができリズム良く再生する上で有利な効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0139】
以上説明したように、本発明は、ユーザーが動画像データの編集等の煩わしい作業をすることなく、写真や動画が混在した画像データのスムーズな表示切替を実現した電子アルバムを作成できるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の実施形態1に係るナビゲーションアルバムシステムの構成を示す図である。
【図2】本実施形態1に係るナビゲーションアルバムシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態1に係るナビゲーションアルバムシステムにおける経路データを特定する手順を示すフローチャート図である。
【図4】処理メニューを示す図である。
【図5】関連付け処理を行うメニュー画面を示す図である。
【図6】関連付け処理のフローチャート図である。
【図7】アルバム表示された画像データを示す図である。
【図8】本実施形態1に係るナビゲーションアルバムシステムにおける動画像データの再生時間及び再生範囲の設定手順を示すフローチャート図である。
【図9】本実施形態1に係る動画像データのフレーム構造を示す図である。
【図10】BGMセット画面を示す図である。
【図11】ナビゲーションアルバムのタイトルメニューを示す図である。
【図12】地図表示画面を示す図である。
【図13】本発明の実施形態2に係るナビゲーションアルバムシステムの構成を示すブロック図である。
【図14】本実施形態2に係るナビゲーションアルバムシステムにおける動画像データの再生時間及び再生範囲の設定手順を示すフローチャート図である。
【図15】本実施形態2に係る動画像データのフレーム構造及び音声データの音量波形を示す図である。
【図16】本発明の実施形態3に係るナビゲーションアルバムシステムの構成を示すブロック図である。
【図17】本実施形態3に係るナビゲーションアルバムシステムにおける動画像データの再生処理手順を示すフローチャート図である。
【図18】本実施形態3に係るナビゲーションアルバムシステムにおける動画像データの再生処理の別の手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0141】
70 再生時間設定手段
71 再生範囲設定手段
72 再生範囲補正手段
73 音量判別手段
74 再生速度変更手段
B システム本体
C ディスプレイ(表示手段)
Cam デジタルカメラ
D 処理手段
E ドライブユニット(画像データ入力手段)
HD ハードディスク(経路記憶手段)
P 位置取得手段(ナビゲーション装置)
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動経路の位置情報にデジタル画像データをリンクさせた電子アルバムを作成可能なナビゲーションアルバムシステムに関し、特にデジタル画像データとしての動画像データを再生する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーションシステムの高性能化、低価格化が進んでおり、カーナビゲーションシステムを搭載する車両が増加している。カーナビゲーションシステムは、例えば特許文献1に記載されているように、目的地をセットしておくことにより走行すべき経路をディスプレイに表示することや、自家用車が走行した経路を保存し、その経路をディスプレイ上に表示することが可能である。
【0003】
特許文献1では、目的地までの案内経路データや実際に走行した軌跡データに対して付加情報としての画像データや音声データ等を対応付けて記億し、案内経路データや軌跡データを表示装置に表示する際には、対応付けられた画像データや音楽データ等を出力するように構成されている。このナビゲーション装置は、位置検出器で検出した現在位置をマップマッチング処理によって地図上に表示し、目的地や経由地点が入力された場合には、経路探索動作を行って案内経路データを地図上に表示し、この案内経路を登録した場合にはユーザーの操作に応じて案内経路に関連した任意の画像データ等の付加情報を案内経路に対応付けて記憶し、このように記憶した付加情報を選択的に呼び出して表示できるように構成されている。
【0004】
一方、近年、デジタルカメラの高性能化、低価格化が進んでおり、車両で観光地等に旅行する際にはデジタルカメラを携行して名所や旧跡等を撮影することや、これらを背景にしてスナップ写真を撮影することも多くなっている。さらに、動画撮影が可能なデジタルカメラやデジタルビデオカメラを用いて観光地等で動画を撮影する機会も多くなっている。
【0005】
そして、このように撮影した写真や動画をCD−RやDVD−R等の記録メディアに保存して電子アルバムを作成し、コンピュータやテレビモニタ等に写真や動画を表示させて楽しむといった使い方がなされている。
【0006】
通常、電子アルバムは、デジタル画像データを単にサムネイル表示するか、又はスライドショー形式で画面に表示させるものが一般的であり、複数の観光地を周遊した場合に撮影した画像を後日見直したときに、いつどこで撮影した画像なのかを直ちに判別することが難しくなる等、旅行当時の思い出を想起する上で不利になることがあった。
【0007】
そこで、本発明者は、ユーザーが容易に旅行当時の思い出を想起することができるように、前記カーナビゲーションシステムと電子アルバムとを融合させたナビゲーションアルバムを提案した。
【0008】
具体的に、前記ナビゲーションアルバムは、電子アルバムを開くと、旅行当日にユーザーが車両で走行した走行経路データをそのまま画面上に表示し、通常のカーナビゲーションのように画面上の現在地を示すカーソル(車両シンボル)が旅行当時の走行経路に沿って移動し、ユーザーが訪れた観光ポイントに到着すると、その場所で撮影したデジタル画像データがサムネイル表示又はスライドショー表示されるように構成されたものである。
【0009】
これにより、旅行当時に自家用車で走行した経路をそのまま画面上で辿って旅行気分を再現することができ、さらに各観光地で撮影したデジタル画像データは、現在地カーソルがナビゲーションアルバム画面上のその観光地に移動したときにはじめて表示されるようになっているから、旅行の出発日から最終日までの日程をその旅行した順番通りに忠実に追体験でき、容易に旅行気分を再現することができる。
【特許文献1】特開2002−81955号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、写真と動画とが混在したデジタル画像データが記録されたナビゲーションアルバムをスライドショー形式で再生すると、写真の場合には所定の間隔(例えば、5〜10秒程度)でその表示が次々と切り替わっていくが、動画の場合にはその再生時間が終了するまでは延々と再生され続けて次のデータになかなか切り替わらないこととなる。このように、写真と動画との再生時間に差異が生じるとスライドショー表示の表示間隔のリズムが悪くなり、アルバム鑑賞者が退屈してしまうおそれがある。
【0011】
また、一般に、ユーザーがデジタルビデオカメラ等で動画を撮影する場合、不必要な場面を延々と撮影してしまう傾向があり、他のユーザーが見ても楽しめるハイライトシーンは、撮影した映像のごく一部であることが多い。すなわち、撮影した動画を未編集の状態で延々と再生するよりも、ユーザーが必要と考える部分だけを抜き出して編集した動画をナビゲーションアルバムに記録した方が、アルバム鑑賞者にとって興味深く、また集中して鑑賞することができると考えられる。
【0012】
しかしながら、撮影した映像をユーザーがその都度編集してからナビゲーションアルバムに記録しなければならないとすると、その作業は非常に煩わしく時間がかかるため、ナビゲーションアルバムの作成自体を面倒に感じてしまうという問題がある。
【0013】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ユーザーが動画像データの編集等の煩わしい作業をすることなく、ナビゲーションアルバムの再生時においてスムーズに画像データの表示切替が行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
前記目的を達成するため、本発明では、動画像データの再生時間を所定時間に設定してこの所定時間内に再生が完了するように動画像データの再生範囲の設定を行うようにした。
【0015】
すなわち、請求項1の発明は、ナビゲーション装置により特定された移動経路の位置情報に、該移動経路を移動したときに撮影したデジタル画像データをリンクさせて表示手段に表示させる電子アルバムを作成するナビゲーションアルバムシステムであって、
前記デジタル画像データは少なくとも動画像データを含んでおり、
前記動画像データを前記表示手段に再生表示する再生時間を設定する再生時間設定手段と、
前記再生時間設定手段で設定された再生時間だけ前記動画像データの全体又は一部を再生するようにその再生範囲を設定する再生範囲設定手段とを備えていることを特徴とする。
【0016】
従って、本発明によれば、再生時間設定手段で動画像データの再生時間が設定され、該再生時間だけ該動画像データを再生するようにその再生範囲が再生範囲設定手段で設定される。
【0017】
請求項2の発明は、請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記再生範囲設定手段は、前記動画像データ全体の再生時間の略半分の時点におけるデータを少なくとも含む所定範囲を該動画像データの再生範囲として設定するように構成されていることを特徴とする。
【0018】
従って、本発明によれば、再生範囲設定手段によって、動画像データ全体の再生時間の略半分の時点におけるデータを少なくとも含む所定範囲が再生範囲として設定される。
【0019】
請求項3の発明は、請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記動画像データに付加されている音声データの音量を判別する音量判別手段をさらに備え、
前記再生範囲設定手段は、前記音量判別手段で判別される前記音声データ中の音量が最大となる時点におけるデータを少なくとも含む所定範囲を前記動画像データの再生範囲として設定するように構成されていることを特徴とする。
【0020】
従って、本発明によれば、音量判別手段によって音声データ中の音量が最大となる時点におけるデータが判別され、再生範囲設定手段でこのデータを含む所定範囲が動画像データの再生範囲として設定される。
【0021】
請求項4の発明は、請求項1乃至3のうち何れか1項に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記動画像データの再生速度を変更する再生速度変更手段をさらに備えていることを特徴とする。
【0022】
従って、本発明によれば、再生速度変更手段により動画像データの再生速度が変更される。
【0023】
請求項5の発明は、請求項4に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記再生速度変更手段は、前記再生時間設定手段で設定した再生時間内に前記再生範囲設定手段で設定した前記動画像データの再生範囲全体の再生が終了するように再生速度を変更するものであることを特徴とする。
【0024】
従って、本発明によれば、再生速度変更手段により、設定された動画像データの再生範囲全体の再生が設定された再生時間内に終了するように該動画像データの再生速度が変更される。
【0025】
請求項6の発明は、請求項4に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記再生速度変更手段は、前記再生時間設定手段で設定した再生時間内に前記再生範囲設定手段で設定した前記動画像データの再生範囲全体の再生が終了しない場合に、該再生時間経過後の未再生の再生範囲を該再生時間内よりも高速で再生するように再生速度を変更するものであることを特徴とする。
【0026】
従って、本発明によれば、再生速度変更手段によって、設定された再生時間の経過後においても未だ再生されていない動画像データの再生範囲の再生速度が変更されて該再生時間内よりも高速で再生される。
【0027】
請求項7の発明は、請求項1乃至6に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記再生範囲設定手段で設定された前記動画像データの再生範囲を任意の範囲に補正する再生範囲補正手段をさらに備えていることを特徴とする。
【0028】
従って、本発明によれば、再生範囲補正手段によって、再生範囲設定手段で設定された動画像データの再生範囲が任意の範囲に補正される。
【発明の効果】
【0029】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、動画像データの再生時間を設定することで、例えば写真と動画とが混在するナビゲーションアルバムの再生において、写真の表示時間と動画の再生時間とを合わせて画像データの表示切替をリズム良く行うことができ、アルバム鑑賞者を退屈させることなくナビゲーションアルバムの再生をスムーズに行うことができる。また、冗長に撮影された動画像データ中からハイライトシーンのみを再生範囲として設定することができ、他のアルバム鑑賞者にとっても興味深く楽しめるアルバム再生を実現することができる。
【0030】
請求項2に係る発明によれば、動画像データ全体の再生時間の略半分の時点におけるデータを含む所定範囲を再生範囲として設定することで、ユーザーがわざわざ動画全体をチェックしてハイライトシーンを探し出して再生範囲を設定するという作業をしなくても、ハイライトシーンである可能性の高い動画中央部分を含む所定範囲を再生範囲として再生するようにしているから、自動的にハイライトシーンを抜き出し得ることができ、動画編集の手間が削減されてアルバム作成の作業効率が向上する。
【0031】
請求項3に係る発明によれば、動画像データに付加される音声データの音量が最大となる時点におけるデータを含む所定範囲を再生範囲として設定することで、動画の中で最も盛り上がっておりハイライトシーンであると推測される部分を自動的に抜き出すことができ、動画編集の手間が削減されてアルバム作成の作業効率が向上する。
【0032】
請求項4に係る発明によれば、再生速度変更手段により動画像データの再生速度を変更するから、例えば動画像データ全体を再生範囲とした場合でも、設定した再生時間内に再生が終了するように再生速度を変更することで、動画の一部をカットして再生範囲を設定する場合に比べて撮影した動画全体を早送りで鑑賞することができ、旅行当時の情景をより詳細に思い出す上で有利な効果が得られる。また、デジタル音程調整機能(デジタルピッチコントロール)を備えておけば、映像を早送りしながらでも音声データの音程を一定にした状態で再生できるためアルバム鑑賞者が違和感を感じることもない。
【0033】
請求項5に係る発明によれば、設定した動画像データの再生範囲の再生速度を変更することで、設定した再生時間内にこの再生範囲の再生が終了するように制御することができる。
【0034】
請求項6に係る発明によれば、設定した再生時間内に動画像データの再生範囲の再生が終了しなかった場合に、それ以降の未再生の動画像データの再生範囲を該再生時間内よりも高速で再生するようにしているから、アルバム再生時における画像データの表示切替間隔の変動を最小限に抑えてリズム良く再生する上で有利となる。
【0035】
請求項7に係る発明によれば、再生範囲補正手段によって動画像データの再生範囲をユーザーが任意に補正することができるから、再生範囲設定手段により動画像データ中のハイライトシーンであると推測して自動的に設定された再生範囲がユーザーの意図していた再生範囲と異なっていた場合でも、その再生範囲をユーザーが補正することでユーザーの希望通りの再生範囲を設定することができて高い満足度が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎず、本発明、その適用物或いはその用途を制限することを意図するものでは全くない。
【0037】
[システム構成]
図1は、本発明の実施形態1に係るナビゲーションアルバムシステムの構成を示す図である。図1に示すように、このナビゲーションアルバムシステムは、アンテナユニットAで受信したGPS衛星からの信号及び車両の走行駆動系に搭載した車速センサSからの車速パルス信号を入力するシステム本体Bと、地図データや画像データを表示するディスプレイCと、必要な情報を入力する複数のスイッチ1と、音声情報を出力するスピーカ2と、リモートコントローラ3からの赤外線信号を受信する赤外線センサ4と、画像データにアクセスするための入出力ターミナル5と、ドライブユニットEとを備えている。
【0038】
このナビゲーションアルバムシステムは、自家用車等の車両に備えられるものであり、GPS衛星からの信号と車速センサSからの車速パルス信号とに基づき車両の走行時においても、その車両が存在する経度・緯度をリアルタイムで取得して対応する地図データを設定された拡大率でディスプレイCに表示し、その地図データ上に車両が存在する位置をシンボル等で表示する機能を備えている。さらに、目的とするポイントを指定することにより、そのポイントに至るまでに走行すべき経路を抽出し、案内(ナビゲーション)する機能を備えている。
【0039】
前記ディスプレイCは、液晶表示部6と、接触操作位置を検出するタッチパネル部7とを備えて構成されている。前記複数のスイッチ1はナビゲーションアルバムシステムのON又はOFFを含め、表示モードの切り替え等の処理を実現する。前記リモートコントローラ3はシステム本体Bから離間した位置から必要とする操作を実現する。前記スピーカ2は人の言葉による案内を行うために用いられると共に、後述する音楽データの再生のために用いられる。
【0040】
前記ドライブユニットE(画像データ入力手段の一例)は、デジタルカメラCamで撮影された写真や動画を含む画像データが保存されたフラッシュメモリ等の半導体メディアMsからのデータを取得する(読み出す)半導体ドライブ8と、CD−RやDVD−R等の複数種類の大容量のディスク状メディアMdからのデータの取得及び書き込みを可能にするディスクドライブ9とを備えている。なお、半導体ドライブ8は、コンパクトフラッシュ(登録商標)やスマートメディア(登録商標)やメモリースティック(登録商標)等のフラッシュメモリの種類に対応できるように複数の挿入部を備えていることが好ましい。
【0041】
また、前記入出力ターミナル5(画像データ入力手段の一例)は、デジタルカメラCamとの間に配置されるUSB(Universal Serial Bus)規格やIEEE1394規格等のケーブルXを介して、このデジタルカメラCamに保存されている画像データを取得するために機能するものである。なお、本発明では、無線によってデジタルカメラCamの画像データを取得するものを除外するものではなく、画像データ入力手段としてBluetooth(ブルートゥース)のように無線を利用して画像データを送るようにしてもよい。
【0042】
図2は、このナビゲーションアルバムシステムの構成を示すブロック図である。図2に示すように、前記システム本体Bは、マイクロプロセッサへの情報のアクセスを実現する入出力インタフェースI/Oを備えており、この入出力インタフェースI/Oに対して位置取得手段P、前記液晶表示部6、前記タッチパネル部7、前記複数のスイッチ1、前記スピーカ2、前記赤外線センサ4、前記入出力ターミナル5、前記半導体ドライブ8、前記ディスクドライブ9、及びハードディスクHDそれぞれからのデータがアクセスする信号系を形成している。
【0043】
前記位置取得手段Pは、前記アンテナユニットAで受信したGPS衛星からの電波を取り込むと同時に、前記車速センサSからの車速パルス信号を取り込むことによりリアルタイムで車両の位置データ(経度・緯度のデータ)を取得するものである。
【0044】
前記ハードディスクHDは、画像データを目的地毎にグループ化して記憶するとともに、車両が走行した経路データを記憶するものである。また、このハードディスクHDは地図データを保存する地図データ保存部としての地図データベース、及び、音楽データを保存する音楽データベースとして機能するものである。前記目的地は車両の走行開始以前に設定するものの他に、走行を終えた後に設定するものであってもよい。なお、ハードディスクHDの代わりに半導体メモリを用いて構成することも可能である。
【0045】
前記処理装置Dは、マイクロプロセッサからのデータバスに接続する半導体メモリRAM/ROM、不揮発性メモリEEPROM、マップマッチング手段11、ナビゲーション手段12、画像記憶処理手段13、経路記憶処理手段14、リンクデータ生成手段15、出力手段16、保存処理手段17、日付情報読取手段18、判定手段19、経路表示手段20、再生時間設定手段70、再生範囲設定手段71、及び再生範囲補正手段72を備えている。
【0046】
なお、この処理装置Dにおいて制御を実現するためには、データバスの他にコントロールバスやアドレスバス等を必要とするものであるが、複雑化を避ける目的から図面にはコントロールバス、アドレスバス、及びインタフェース類の記載を省略している。
【0047】
前記マップマッチング手段11は、前記位置取得手段Pからの位置データに対応する地図データを前記ハードディスクHDに保存された地図データベースから抽出して、ディスプレイCに対して予め設定された拡大率で表示する処理を行うものである。
【0048】
前記ナビゲーション手段12は、予め設定された目的地に至る経路を前記地図データから抽出してディスプレイCに表示された地図データ上にライン状に表示する。
【0049】
前記画像記憶処理手段13は、前記半導体ドライブ8、ディスクドライブ9、又は入出力ターミナル5を介して取得した画像データを前記ハードディスクHDに保存する処理を行うものである。
【0050】
前記経路記憶処理手段14は、車両が走行した経路に対応する経路データR(図12を参照)を前記ハードディスクHDに保存する処理を行うものである。この経路データRはサンプリングタイミング毎の車両の座標を示すデータを保存した構造のファイルを想定しているが、基点となる複数の座標と、その座標毎において設定された走行方向と走行速度とをベクトルデータ化した構造であってもよい。また、この経路記憶処理手段14で保存した経路データRをディスプレイCに表示した場合には、図12において破線で示す経路が経路データRとなり、この経路データR上に車両シンボルVが示され、この経路データR上に複数の観光地P1,P2,P3・・・が示される。
【0051】
前記リンクデータ生成手段15は、図6に示す画像編集画面をディスプレイCに表示した状態で、経路データR上に設定した観光地P1,P2,・・・毎に画像データの関連付けを行い、生成したリンクデータをファイル形式で保存する処理を行うものであり、この保存の際の順序で画像データが表示される。前記出力手段16は、後述するように経路データRと関連付けられた画像データをディスプレイCに表示する処理を行うものである。
【0052】
また、前記保存処理手段17は、選択した経路データRと、その経路データRに関連付けられた複数の画像データと、経路データに対応する地図データと、関連付けられた音楽データが存在する場合にはその音楽データと、プログラムとして構成された出力手段16とをディスク状メディアMd等の記憶メディアに保存する処理を行うものである。
【0053】
前記日付情報読取手段18は、前記半導体ドライブ8、ディスクドライブ9、又は入出力ターミナル5を介して取得した画像データに付加されているExif情報から撮影日時を示す情報を読み取り、その画像データの撮影日時を特定するものである。
【0054】
前記判定手段19は、前記日付情報読取手段18で読み取った複数の画像データの撮影日時情報のうち、最も古い日を出発日、最も新しい日を最終日と判定して旅行期間を特定するものである。
【0055】
前記経路表示手段20は、前記判定手段19の判定結果に基づいて、その旅行期間内に走行した経路データRをハードディスクHDから読み出してディスプレイCに表示するものである。
【0056】
前記再生時間設定手段70は、ナビアルバム再生時に、経路データRに関連付けられた前記画像データとしての動画像データをディスプレイCに再生表示する再生時間を設定するものである。
【0057】
前記再生範囲設定手段71は、前記動画像データの全体又は一部を再生するようにその再生範囲を設定するものである。具体的には後述するが、動画像データ中でハイライトシーンであると推測される部分を含むように自動的に再生範囲が設定されるようになっている。
【0058】
前記再生範囲補正手段72は、前記再生範囲設定手段71で設定された動画像データの再生範囲を任意の範囲に補正するものである。具体的に、ユーザーがタッチパネルやリモートコントローラ等の外部入力手段で動画像データの再生範囲を再設定することにより行われる。
【0059】
なお、前記マップマッチング手段11、ナビゲーション手段12、画像記憶処理手段13、経路記憶処理手段14、リンクデータ生成手段15、出力手段16、日付情報読取手段18、判定手段19、経路表示手段20、再生時間設定手段70、再生範囲設定手段71、及び再生範囲補正手段72は半導体メモリRAM上に展開したソフトウェア(プログラム)を想定しているが、一部又は全てをロジック等のハードウェアで構成することも可能である。
【0060】
[経路データRの特定]
次に、本発明の実施形態1に係るナビゲーションアルバムシステムにおける旅行期間内に走行した経路データを特定する手順について説明する。図3に示すように、ステップS101で、半導体メディアMsやディスク状メディアMd等の記憶メディアに記憶されている写真及び動画が混在した画像データを、前記半導体ドライブ8、ディスクドライブ9、又は入出力ターミナル5を介してハードディスクHDに入力する。
【0061】
なお、本実施形態1では、ユーザーが撮影に使用していた記憶メディアのみから画像データを読み取るようにしているが、これに限定されず、例えば、一緒に旅行していた他のメンバーが各々撮影に使用していた記憶メディアからも画像データを読み取って、ハードディスクHDに追加入力するようにしても構わない。また、他のメンバーの記憶メディアのみから画像データをハードディスクHDに入力するようにしても構わないのはもちろんである。これは、以下の実施形態2又は3においても同様である。
【0062】
次に、ステップS102で、前記ハードディスクHDに入力した複数の画像データの中から、ユーザーがアルバムに載せる必要はないと判断した画像データを選択して削除する。
【0063】
そして、ステップS103で、入力されたデジタル画像データに撮影日時情報を含むExif情報が付加されているかを判定する。ステップS103での判定が「YES」の場合には、ステップS104に分岐する。
【0064】
ステップS104で、前記日付情報読取手段18により、Exif情報から撮影日時を示す情報を読み取り、その画像データの撮影日時を特定してステップS105に進む。ステップS105で、前記判定手段19により、前記日付情報読取手段18で読み取った複数の画像データの撮影日時のうち最も古い日を出発日、最も新しい日を最終日と判定して旅行期間を特定する。
【0065】
そして、ステップS106で、前記経路表示手段20により、前記判定手段19で特定された旅行期間内に車両が走行した経路データRをハードディスクHDから読み出してディスプレイCに表示することで、ナビゲーションアルバムの作成のための経路データRの特定が完了する。
【0066】
一方、ステップS103での判定が「NO」の場合には、ステップS107に分岐し、ステップS107で、ディスプレイCに旅行期間の日付入力をユーザーに促す日付入力画面を表示する。そして、ステップS108で日付入力が終わるまで待機する。日付入力が終了するとステップS105に分岐する。
【0067】
以上のように、デジタル画像データに撮影日時情報を含むExif情報が付加されていた場合には、ユーザーはデジタル画像データを本ナビゲーションアルバムシステムに入力するだけで、旅行期間の日付をわざわざ入力指定しなくても自動的に旅行期間内に走行した経路データRを特定することができる。そのため、ナビゲーションアルバムを作成する上でユーザーの作業負担が軽減されることになる。
【0068】
また、デジタル画像データに撮影日時を含むExif情報が付加されていない場合でも、ディスプレイCに旅行期間の日付入力をユーザーに促す日付入力画面が表示されるから、日付入力漏れを防止する上で有利である。
【0069】
[画像データと観光地との関連付け]
旅行においてデジタルカメラCamで撮影したスナップ写真及び動画等が混在したデジタル画像データとその画像データを撮影した観光地情報とを関連付ける場合には、旅行を終えて自宅に戻った後に、図4に示す処理メニュー28をディスプレイCに表示して「画像データの取得」ボタン21を操作することになる。なお、この処理メニュー28には、「画像データの取得」ボタン21の他に「再生処理(実走行モード)」ボタン22と、「再生処理(リプレイモード)」ボタン23と、「メディアに保存」ボタン24と、「OK」ボタン25とが表示される。
【0070】
この「画像データの取得」ボタン21を操作し、「OK」ボタン25を操作した場合には、まず、図6のフローチャート図に示す関連付け処理が実行される。
【0071】
前記関連付け処理では、ステップS201で、前記半導体ドライブ8等を介して取得した複数の画像データのうち1つを図5に示す画像取得画面27に表示する。ステップS202で、画像取得画面27よりも下側位置に、ハードディスクHDに記録されている観光地情報のタイトル(図5では“USJ”や“海遊館”)の候補を一覧表示する。
【0072】
前記観光地タイトルは、画像取得画面27に表示された画像データに付加されているExif情報から撮影日時を特定し、この撮影日時に車両を停車していた位置情報を前記経路記憶処理手段14に記憶されている経路データRから読み出すことで、その位置における最寄りの観光地タイトルの候補を一覧表示するようにしている。そして、スクロールカーソル26を操作することにより、全ての観光地タイトルの候補を確認することができるようになっている。
【0073】
そして、ステップS203で、画像取得画面27に表示された画像データが、観光地タイトルに関連付ける必要があるかを判定する。ステップS203での判定が「YES」の場合には、ステップS204に分岐して、ステップS204で、画像取得画面27に表示されている画像データを撮影した観光地のタイトルを選択した状態で「登録」ボタン29を操作する。これにより、画像取得画面27に表示された画像データと、撮影場所の観光地タイトルとの関連付けが終了し、ステップS205に進む。
【0074】
ステップS203での判定が「NO」の場合(写真写りが悪かったり同じようなアングルの写真が何枚もある等の理由による)には、「キャンセル」ボタン30を操作することで、観光地タイトルに画像データを関連付けることなくステップS205に分岐する。
【0075】
ステップS205で、次の画像データが存在するかを判定し、ステップS205での判定が「YES」の場合には、ステップS201に分岐して、次の画像データが画像取得画面27に表示される。ステップS205での判定が「NO」の場合には、画像データと観光地タイトルとの関連付け作業を終了する。
【0076】
次に、ディスプレイCに図7に示す画像編集画面31が表示される。この画像編集画面31では、先ほど観光地タイトルに関連付けた画像データが1枚ずつ表示される。画像編集画面31の下側位置にはタイトルバー32が表示され、このタイトルバー32の左端には画像データと関連付けられた観光地タイトル(図7では“USJ”)が表示され、タイトルバー32の中央右寄り位置には画像データのExif情報から取得した撮影日時が表示されている。
【0077】
そして、タイトルバー32の右端には、その観光地毎に予め登録されている観光地にちなんだ画像がはめ込み合成されるようになっており、複数の画像の中からユーザーの好みに合わせて選択して切り替えることができるようになっている。
【0078】
また、画面右上にはサブ画像表示画面33が表示されており、観光地の位置情報が地図データとして表示されている。なお、このサブ画像表示画面33は、表示されている画像データとオーバーラップして表示されているため、画像データが見づらい等の場合には非表示に設定することもできる。
【0079】
[動画像データの再生時間及び再生範囲の設定手順]
ここで、画像データが動画像データを含んでいる場合、この動画像データに対する再生時間や再生範囲を設定する必要がある。以下、動画像データの再生時間及び再生範囲の設定手順について、図8に示すフローチャート図に基づいて説明する。
【0080】
まず、ディスプレイCに動画編集画面(図示せず)を表示し、図8に示すように、ステップS301で、動画像データ全体の再生時間Tを算出する。図9に示すように、本実施形態1では再生時間Tが60secであるとする。
【0081】
ステップS302で、再生時間設定手段70により動画像データの再生時間tを設定する。この設定方法としては、例えば、ナビゲーションアルバムをスライドショー形式で再生するときの写真の表示間隔を10secと設定している場合に動画像データの再生時間tも同じく10secに合わせて設定したり、ユーザーがキーボードやタッチパネル等を用いて再生時間tを直接入力する等が考えられる。以下、再生時間tを10secに設定したとして説明する。
【0082】
次に、ステップS303で、動画像データ全体の再生時間Tが再生時間設定手段70で設定した再生時間tよりも長いかどうか、すなわちT≧tを満たすかを判定する。
【0083】
ステップS303での判定が「NO」の場合には、ステップS308に分岐し、ステップS308で、再生時間tを動画像データ全体の再生時間Tに再設定する。そして、ステップS309で、再生範囲設定手段71により再生範囲を動画像データ全体に設定して再生範囲の設定を終了する。
【0084】
ステップS303での判定が「YES」の場合には、ステップS304に分岐し、ステップS304で、動画像データ全体の再生時間Tに基づいて動画像データの中央位置を検出する。具体的に、図9に示すように、動画像データ全体の再生時間Tが60secであることから、その半分の時点(30sec)におけるデータを検出する。
【0085】
そして、ステップS305で、再生範囲設定手段71により、前記検出した動画中央部分を含む所定範囲を再生範囲として設定する。具体的に、設定した再生時間tが10secであるから、動画中央部分を中心にその前後5secを含む範囲を再生範囲として設定することが好ましい。
【0086】
なお、この動画中央部分を含む所定範囲を再生範囲と設定したのは、この部分が動画像データ中のハイライトシーンである可能性が最も高く、他のユーザーがアルバム鑑賞するときにも退屈することが少ないと考えられるからである。
【0087】
次に、ステップS306で、前記設定した再生範囲をディスプレイCにプレビューして、ユーザーの希望通りの再生範囲となっているかを判定する。ステップS306での判定が「YES」の場合には、再生範囲の設定を終了する。
【0088】
ステップS306での判定が「NO」の場合には、ステップS307に分岐して、ステップS307で、ユーザーが任意の範囲に再生範囲を指定して再生範囲補正手段72で補正する。ここで、再生範囲の指定は、タッチパネルやリモートコントローラ等の外部入力手段により行う。
【0089】
なお、このような再生範囲の設定は、あくまでも動画像データ中にチャプターを付加して行うものであり、設定した再生範囲外の動画像データをトリミングして消去するものではない。このように、元の動画像データに何ら変更が加えられることなくそのデータが残っているため、必要に応じて動画像データ全体を再生範囲に設定したり、又は他の再生範囲に設定し直すことができるようになっている。これは、以下の実施形態2又は3においても同様である。
【0090】
以上のように、動画像データの再生時間を設定することで、写真と動画とが混在したナビゲーションアルバムをスライドショー形式で再生する際に、写真の表示時間と動画の再生時間とを合わせて画像データの表示切替をリズム良く行うことができる。また、動画像データ中のハイライトシーンであると推測される動画中央部分を含む所定範囲を再生範囲として自動的に設定することができるため、ユーザーが動画像データ全体をわざわざチェックする必要がなくアルバム作成の作業効率が向上する。
【0091】
[その他の関連付け手順]
次の処理では、ディスプレイCに対して図10に示すBGMセット画面40を表示し、ユーザーが必要とした場合には、「YES」ボタン41を操作し、不要であると判断した場合には「NO」ボタン42を操作し、「YES」ボタン41を操作した場合には、前記音楽データベースに保存された曲名を曲名表示部43に一覧化して表示し、試聴する場合には「試聴」ボタン44を操作することにより前記スピーカ2で音楽の試聴を行え、音楽の選択を終えた場合に「OK」ボタン45を操作することにより、その音楽データが、BGMとして1つの経路データRに対してセットして次の処理に移行する。なお、このように音楽データをセットする場合、観光地タイトル毎に異なる音楽データをセットするようにしてもよい。さらに、例えば、USJ内のジョーズのアトラクションにおいて撮影した画像データに対して映画“ジョーズ”で使用されていたBGMを流すように設定する等、より詳細な音楽データの設定を行っても構わない。
【0092】
次の処理では、ディスプレイCにタイトル入力画面(図示せず)を表示する。タイトル入力作業は、先ほど選択した観光地タイトルがそのまま入力されるためユーザーがわざわざ作業する必要がない。ユーザーが任意のタイトルに修正したい場合には、このタイトル入力画面に表示されたキーボードを用いて必要とする文字を入力することができる。
【0093】
[ナビゲーションアルバムの起動]
このように、画像データと観光地情報との関連付けが全て完了した後で、前記処理メニュー28から「メディアに保存」ボタン24を操作することにより、前記保存処理手段17によってディスク状メディアMdに保存する処理が実行され、ナビゲーションアルバムが作成される。
【0094】
前記ナビゲーションアルバムは、一般家庭のコンピュータ等にセットすることにより、図11に示すタイトルメニュー画面50が表示される。このタイトルメニュー画面50には、アルバムのタイトルを示すタイトル表示部50A、旅行の日付を示す日付表示部50Bが表示されていつどこに旅行したときの電子アルバムであるかが判別できるようになっている。さらに、ナビスライド51、Mapスライド52、スライドショー53の3つのメニューが表示されており、後述するように、3つのメニューはそれぞれ画像の表示方式に違いがある。
【0095】
前記ナビスライドメニュー51を選択すると、図12に示すように、地図表示画面60に切り替わる。この地図表示画面60には、タイムラインバー61と複数の再生制御ボタン62とが表示されており、再生制御ボタン62のうちの再生ボタンを操作することやタイムラインバー61を操作することにより、経路データR上に車両シンボルVが移動する状態が時間を短縮した状態で(シミュレーションした状態で)表示される。
【0096】
そして、車両シンボルVが出発位置Stを出発して経路データR上を走行し、最初の観光地P1に到着すると、その観光地P1に関連付けて登録されていた画像データが、図7に示すような表示形式で、予め設定された順序であって設定されたインターバルで表示されるようになっている。ここで、前記画像データが動画の場合には、前記再生範囲設定手段71で設定した再生範囲が再生表示され、設定された再生時間が経過すると次の画像データに切り替わるようになっている。
【0097】
前記観光地P1に登録されている画像データを全て見終わった後、再び地図表示画面60に切り替わり、車両シンボルVが次の観光地P2に向けて走行する。このように、全ての観光地P1〜P3を車両シンボルVが走行して到着位置Gに到着するまでの間に、各々の観光地P1〜P3で登録されていた画像データを時系列に沿って楽しむことができる。
【0098】
なお、経路データRの途中に有名な観光地がある場合には、その観光地情報がハードディスクHDに登録されていれば、車両シンボルVが有名観光地付近を走行したときにその観光地情報を表示するようにしても構わない。
【0099】
また、前記Mapスライドメニュー52を選択すると、前記ナビスライドメニュー51のときと同様、地図表示画面60が表示される。ここで、登録されている観光地P1〜P3のうち1つを選択することにより、その選択した観光地に関連付けられている画像データのみが、予め設定された順序で、設定されたインターバルで表示されるようになっている。これにより、ユーザーが見たい観光地の画像データを素早く表示させることができる。
【0100】
なお、Mapスライドメニュー52では、前記ナビスライド51のように地図表示画面60を表示させず、登録されている観光地タイトルの一覧を表示してそのタイトル情報を選択することで画像データを表示させるようにしても構わない。
【0101】
そして、前記スライドショーメニュー53を選択すると、このナビゲーションアルバムに記憶されている画像データが、予め設定された順序で、設定されたインターバルで表示されるようになっている。
【0102】
また、タイトルメニュー画面50には、「設定」ボタン54が表示されており、この「設定」ボタン54を操作することにより、例えば音声データの切り替え等、種々の設定を行うことができるようになっている。
【0103】
[その他の画像データ表示方法]
本実施形態1のナビゲーションアルバムシステムは、主にディスク状メディアMd等にナビゲーションアルバムを作成して一般家庭のコンピュータ等で鑑賞することを目的とするものであるが、その他にもディスプレイC上で画像データを鑑賞することができる。
【0104】
つまり、図4に示すように、ディスプレイCに処理メニュー28を表示し、この処理メニュー28の「再生処理(実走行モード)」ボタン22を操作した場合には、観光地タイトルを一覧化して選択画面(図示せず)が表示され、再生すべきアルバムタイトルを選択して「OK」ボタンを操作することにより、そのタイトルに対応した経路データRが指定され、実走行モード画面がディスプレイCに表示される。
【0105】
そして、図12に示すように車両の走行により車両シンボルVが経路データR上の観光地P1に近接すると、地図データの一部の領域に重なる状態で新たにウィンドウを開き、その観光地P1に関連付けられた複数の画像データが、予め設定された順序で、設定されたインターバルで表示され、音楽データが関連付けられている場合には、その音楽データを再生する。
【0106】
また、ディスプレイCに表示された処理メニュー28の「再生処理(リプレイモード)」ボタン23を操作した場合には、前述と同様に選択画面が表示され、再生すべきアルバムタイトルを選択して「OK」ボタンを操作することにより、そのタイトルに対応した経路データRが指定され、リプレイモード画面がディスプレイCに表示される。
【0107】
このリプレイモード画面は、図12における地図表示画面60と同様のものであり、ディスプレイC上でナビゲーションアルバムの動作をシミュレーションすることができるため、ディスク状メディアMdにナビゲーションアルバムのデータを保存する前のプレビュー画面として有効である。
【0108】
以上のように、実走行モードを選択した場合には、経路データR上において設定された観光地P1に車両が近接した際に、その観光地P1に関連付けられた画像データがディスプレイCに表示されるため、過去に訪れた観光地P1で撮影した画像データを同乗者が観賞できるものとなる。この場合、車両は経路データR上を走行する必要はなく、観光地P1に近接する毎に複数の画像データが自動的に表示されるのである。
【0109】
また、リプレイモードを選択した場合には、車両を停車させた状態でもディスプレイCに表示された地図データに経路データRを表示し、この経路データR上に車両シンボルVを移動させて表示し、車両シンボルVが観光地P1に接近すると、その観光地P1に設定された複数の画像データを自動的に表示するので、例えば、旅行で撮影した画像データを観光地毎に表示できるものとなっている。
【0110】
なお、本実施形態1では、位置取得手段としてGPS衛星からの信号を用いるように構成していたが、この位置取得手段は、例えばPHS型の携帯電話機で実現されている位置取得方法と同様に、地上に設置された複数の電波の発信源からの電波を受信することにより、これらの発信源を基準にして車両の位置を取得するものであってもよい。これは、以下の実施形態2,3においても同様である。
【0111】
また、本実施形態1では、カーナビゲーションの表示画面上でナビゲーションアルバムを作成する形態について説明しているが、この形態に限定するものではなく、例えば、特定された移動経路の位置情報をカーナビゲーションから読み取り、家庭内のパソコンに搭載されたプログラム等を活用してナビゲーションアルバムを作成するようにしてもよい。これは、以下の実施形態2,3においても同様である。
【0112】
<実施形態2>
図13は、本発明の実施形態2に係るナビゲーションアルバムシステムの構成を示すブロック図である。本実施形態2は、前記実施形態1に対して音量判別手段73を追加したものである。ここで、音量判別手段73は、動画像データに付加されている音声データの音量を判別するものである。
【0113】
次に、本実施形態2に係るナビゲーションアルバムシステムにおける動画像データの再生時間及び再生範囲を設定する手順について、図14に示すフローチャート図に基づいて説明する。
【0114】
まず、ディスプレイCに動画編集画面(図示せず)を表示し、ステップS401で、動画像データ全体の再生時間Tを算出する。図15に示すように、本実施形態2では再生時間Tが60secであるとする。
【0115】
そして、ステップS402で、再生時間設定手段70により動画像データの再生時間tを設定する。この設定方法としては、例えば、ナビゲーションアルバムをスライドショー形式で再生するときの写真の表示間隔を10secと設定している場合には動画像データの再生時間tも同じく10secに合わせて設定したり、ユーザーがタッチパネルやリモートコントローラ等を用いて再生時間tを直接入力することが考えられる。以下、再生時間tを10secに設定したとして説明する。
【0116】
次に、ステップS403で、動画像データの再生時間Tが再生時間設定手段70で設定した再生時間tよりも長いかどうか、すなわちT≧tを満たすかを判定する。
【0117】
ステップS403での判定が「NO」の場合には、ステップS408に分岐し、ステップS408で、再生時間tを動画像データ全体の再生時間Tに再設定する。そして、ステップS409で、再生範囲設定手段71により再生範囲を動画像データ全体に設定して再生範囲の設定を終了する。
【0118】
ステップS403での判定が「YES」の場合には、ステップS404に分岐し、ステップS404で、音量判別手段73により動画像データに付加されている音声データの音量を示す波形を動画像データ全体にわたって判別し、この判別結果に基づいて動画像データ中で音声データの音量が最大となる時点におけるデータを検出する。具体的に、図15に示す音声データの場合には、動画像データの再生開始から40sec経過した位置での音量が最大となっていることから、その時点におけるデータを検出する。
【0119】
そして、ステップS405で、再生範囲設定手段71により、前記検出した音量最大部分を含む所定範囲を再生範囲として設定する。具体的に、設定した再生時間tが10secであるから、音量最大位置を中心にその前後5secを含む範囲を再生範囲として設定することが好ましい。
【0120】
なお、この音量最大部分を含む所定範囲を再生範囲と設定したのは、この再生範囲が、例えば歓喜や驚きの声、又は周囲の音響の変化など何らかの出来事が起こった場面であり、動画像データ中のハイライトシーンである可能性が最も高く、他のユーザーがアルバム鑑賞するときにも退屈することが少ないと考えられるからである。
【0121】
次に、ステップS406で、前記設定した再生範囲をディスプレイCにプレビューして、ユーザーの希望通りの再生範囲となっているかを判定する。ステップS406での判定が「YES」の場合には、再生範囲の設定を終了する。
【0122】
ステップS406での判定が「NO」の場合には、ステップS407に分岐して、ステップS407で、ユーザーが任意の範囲に再生範囲を指定して再生範囲補正手段72で補正する。ここで、再生範囲の指定は、タッチパネルやリモートコントローラ等の外部入力手段により行う。
【0123】
以上のように、動画像データ中のハイライトシーンであると推測される音量最大部分を含む所定範囲を再生範囲として自動的に設定することができるため、ユーザーが動画像データ全体をわざわざチェックする必要がなくアルバム作成の作業効率が向上する。
【0124】
<実施形態3>
図16は、本発明の実施形態3に係るナビゲーションアルバムシステムの構成を示すブロック図である。本実施形態3は、前記実施形態1に対して再生速度変更手段74を追加したものである。ここで、再生速度変更手段74は、動画像データの再生速度を任意の速度に変更して再生するものである。
【0125】
次に、本実施形態3に係るナビゲーションアルバムシステムにおける動画像データの再生処理手順について、図17に示すフローチャート図に基づいて説明する。
【0126】
まず、ディスプレイCに動画編集画面(図示せず)を表示し、ステップS501で、再生時間設定手段70により動画像データの再生時間t1を設定する。以下、再生時間tを10secに設定したとして説明する。
【0127】
ステップS502で、再生範囲設定手段71により動画像データの再生範囲を設定する。この再生範囲の設定は、前記実施形態1又は2で説明したような方法で自動的に行っても良いし、ユーザーがタッチパネルやリモートコントローラ等の外部入力手段により直接入力して行うようにしても良い。
【0128】
次に、ステップS503で、動画像データの再生範囲の再生時間t2が再生時間設定手段70で設定した再生時間t1よりも長いかどうか、すなわちt2≧t1を満たすかを判定する。
【0129】
ステップS503での判定が「NO」の場合には、ステップS504に分岐し、ステップS504で、設定した再生時間t1を再生範囲の再生時間t2に再設定して終了する。このときには動画像データの再生速度の変更は行われず、通常の再生速度での再生が実行されることとなる。
【0130】
ステップS503での判定が「YES」の場合には、ステップS505に分岐し、ステップS505で、再生速度変更手段74により、設定した再生時間t1内に動画像データの再生範囲全体の再生が終了するように、すなわちt1=t2を満たすように再生範囲の再生速度を変更する。具体的に、例えば再生時間が10secに設定されており、動画像データの再生範囲が20secに設定されている場合には、この再生範囲を2倍速再生するように再生速度を変更することで、設定した再生時間の10sec以内に再生範囲の再生が終了するようにしている。同様に、総再生時間が60secである動画像データ全体を再生する場合には、動画像データ全体を6倍速再生すれば設定した再生時間10sec以内に再生が終了することとなる。
【0131】
以上のように、再生速度変更手段74により、設定した再生時間内に動画像データの再生範囲の再生が終了するようにこの再生範囲の再生速度を変更するから、例えば動画像データ全体を再生範囲とした場合でも、動画の一部をカットする等しなくても動画全体を鑑賞することができるようになり、旅行当時の情景をより詳細に思い出す上で有利な効果が得られる。
【0132】
次に、ナビゲーションアルバムシステムにおける動画像データの再生処理の別の手順について、図18に示すフローチャート図に基づいて説明する。
【0133】
まず、ディスプレイCに動画編集画面(図示せず)を表示し、ステップS601で、再生時間設定手段70により動画像データの再生時間t1を設定する。以下、再生時間t1を10secに設定したとして説明する。
【0134】
ステップS602で、再生範囲設定手段71により動画像データの再生範囲を設定する。この再生範囲の設定は、前記実施形態1又は2で説明したような方法で行っても良いし、ユーザーがタッチパネルやリモートコントローラ等の外部入力手段により直接入力して行うようにしても良い。
【0135】
次に、ステップS603で、動画像データの再生範囲の再生時間t2が再生時間設定手段70で設定した再生時間t1よりも長いかどうか、すなわちt2≧t1を満たすかを判定する。
【0136】
ステップS603での判定が「NO」の場合には、ステップS604に分岐し、ステップS604で、設定した再生時間t1を再生範囲の再生時間t2に再設定して終了する。このときには動画像データの再生速度の変更は行われず、通常の再生速度での再生が実行されることとなる。
【0137】
ステップS603での判定が「YES」の場合には、ステップS605に分岐し、ステップS605で、再生速度変更手段74により、再生時間t1が経過した後の再生範囲(t2−t1)を高速再生するように再生速度を変更する。具体的に、例えば再生時間が10secに設定されており、動画像データの再生範囲が30secに設定されている場合には、再生時間10secが経過するまでは通常の再生速度で再生し、10sec経過後に未だ再生されていない残り20secの再生範囲の再生速度を変更して高速再生するようにしている。
【0138】
以上のように、設定した再生時間内に設定した再生範囲の再生が終了しなかった場合に、それ以降の未再生の再生範囲の再生速度を再生速度変更手段74で変更して再生時間内よりも高速で再生するようにしているから、アルバム再生時における画像データの表示切替間隔の変動を最小限に抑えることができリズム良く再生する上で有利な効果が得られる。
【産業上の利用可能性】
【0139】
以上説明したように、本発明は、ユーザーが動画像データの編集等の煩わしい作業をすることなく、写真や動画が混在した画像データのスムーズな表示切替を実現した電子アルバムを作成できるという実用性の高い効果が得られることから、きわめて有用で産業上の利用可能性は高い。
【図面の簡単な説明】
【0140】
【図1】本発明の実施形態1に係るナビゲーションアルバムシステムの構成を示す図である。
【図2】本実施形態1に係るナビゲーションアルバムシステムの構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態1に係るナビゲーションアルバムシステムにおける経路データを特定する手順を示すフローチャート図である。
【図4】処理メニューを示す図である。
【図5】関連付け処理を行うメニュー画面を示す図である。
【図6】関連付け処理のフローチャート図である。
【図7】アルバム表示された画像データを示す図である。
【図8】本実施形態1に係るナビゲーションアルバムシステムにおける動画像データの再生時間及び再生範囲の設定手順を示すフローチャート図である。
【図9】本実施形態1に係る動画像データのフレーム構造を示す図である。
【図10】BGMセット画面を示す図である。
【図11】ナビゲーションアルバムのタイトルメニューを示す図である。
【図12】地図表示画面を示す図である。
【図13】本発明の実施形態2に係るナビゲーションアルバムシステムの構成を示すブロック図である。
【図14】本実施形態2に係るナビゲーションアルバムシステムにおける動画像データの再生時間及び再生範囲の設定手順を示すフローチャート図である。
【図15】本実施形態2に係る動画像データのフレーム構造及び音声データの音量波形を示す図である。
【図16】本発明の実施形態3に係るナビゲーションアルバムシステムの構成を示すブロック図である。
【図17】本実施形態3に係るナビゲーションアルバムシステムにおける動画像データの再生処理手順を示すフローチャート図である。
【図18】本実施形態3に係るナビゲーションアルバムシステムにおける動画像データの再生処理の別の手順を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0141】
70 再生時間設定手段
71 再生範囲設定手段
72 再生範囲補正手段
73 音量判別手段
74 再生速度変更手段
B システム本体
C ディスプレイ(表示手段)
Cam デジタルカメラ
D 処理手段
E ドライブユニット(画像データ入力手段)
HD ハードディスク(経路記憶手段)
P 位置取得手段(ナビゲーション装置)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ナビゲーション装置により特定された移動経路の位置情報に、該移動経路を移動したときに撮影したデジタル画像データをリンクさせて表示手段に表示させる電子アルバムを作成するナビゲーションアルバムシステムであって、
前記デジタル画像データは少なくとも動画像データを含んでおり、
前記動画像データを前記表示手段に再生表示する再生時間を設定する再生時間設定手段と、
前記再生時間設定手段で設定された再生時間だけ前記動画像データの全体又は一部を再生するようにその再生範囲を設定する再生範囲設定手段とを備えていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項2】
請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記再生範囲設定手段は、前記動画像データ全体の再生時間の略半分の時点におけるデータを少なくとも含む所定範囲を該動画像データの再生範囲として設定するように構成されていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項3】
請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記動画像データに付加されている音声データの音量を判別する音量判別手段をさらに備え、
前記再生範囲設定手段は、前記音量判別手段で判別される前記音声データ中の音量が最大となる時点におけるデータを少なくとも含む所定範囲を前記動画像データの再生範囲として設定するように構成されていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のうち何れか1項に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記動画像データの再生速度を変更する再生速度変更手段をさらに備えていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項5】
請求項4に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記再生速度変更手段は、前記再生時間設定手段で設定した再生時間内に前記再生範囲設定手段で設定した前記動画像データの再生範囲全体の再生が終了するように再生速度を変更するものであることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項6】
請求項4に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記再生速度変更手段は、前記再生時間設定手段で設定した再生時間内に前記再生範囲設定手段で設定した前記動画像データの再生範囲全体の再生が終了しない場合に、該再生時間経過後の未再生の再生範囲を該再生時間内よりも高速で再生するように再生速度を変更するものであることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項7】
請求項1乃至6に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記再生範囲設定手段で設定された前記動画像データの再生範囲を任意の範囲に補正する再生範囲補正手段をさらに備えていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項1】
ナビゲーション装置により特定された移動経路の位置情報に、該移動経路を移動したときに撮影したデジタル画像データをリンクさせて表示手段に表示させる電子アルバムを作成するナビゲーションアルバムシステムであって、
前記デジタル画像データは少なくとも動画像データを含んでおり、
前記動画像データを前記表示手段に再生表示する再生時間を設定する再生時間設定手段と、
前記再生時間設定手段で設定された再生時間だけ前記動画像データの全体又は一部を再生するようにその再生範囲を設定する再生範囲設定手段とを備えていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項2】
請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記再生範囲設定手段は、前記動画像データ全体の再生時間の略半分の時点におけるデータを少なくとも含む所定範囲を該動画像データの再生範囲として設定するように構成されていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項3】
請求項1に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記動画像データに付加されている音声データの音量を判別する音量判別手段をさらに備え、
前記再生範囲設定手段は、前記音量判別手段で判別される前記音声データ中の音量が最大となる時点におけるデータを少なくとも含む所定範囲を前記動画像データの再生範囲として設定するように構成されていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のうち何れか1項に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記動画像データの再生速度を変更する再生速度変更手段をさらに備えていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項5】
請求項4に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記再生速度変更手段は、前記再生時間設定手段で設定した再生時間内に前記再生範囲設定手段で設定した前記動画像データの再生範囲全体の再生が終了するように再生速度を変更するものであることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項6】
請求項4に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記再生速度変更手段は、前記再生時間設定手段で設定した再生時間内に前記再生範囲設定手段で設定した前記動画像データの再生範囲全体の再生が終了しない場合に、該再生時間経過後の未再生の再生範囲を該再生時間内よりも高速で再生するように再生速度を変更するものであることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【請求項7】
請求項1乃至6に記載されたナビゲーションアルバムシステムにおいて、
前記再生範囲設定手段で設定された前記動画像データの再生範囲を任意の範囲に補正する再生範囲補正手段をさらに備えていることを特徴とするナビゲーションアルバムシステム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2006−80737(P2006−80737A)
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−260723(P2004−260723)
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年3月23日(2006.3.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】
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