説明

ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびナビゲーションプログラム

【課題】目的地に関する情報の取得から目的地の設定までの操作を簡易なものとする。
【解決手段】ナビゲーション装置10が、施設等の住所を含む各分類それぞれが対応付けされた施設情報を記憶する施設情報記憶部を備え、表示画面に各種情報を表示し、各種情報が表示されている表示画面のタッチ操作を受け付け、タッチ操作による範囲指定操作が受け付けられたことに応じて、範囲指定操作によって指定された範囲(例えば、文字列認識範囲AB)に表示されている表示情報を文字認識することによって文字列を特定し、特定された文字列を解析して文字列の分類を判定し、文字列の分類に住所が含まれると判定されたことに応じて、施設情報を参照して、文字列が示す住所に基づき目的地とする住所である目的地住所を決定し、決定された目的地住所を目的地として経路探索を行い、探索された経路を推奨移動経路として表示画面における地図上に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示手段を備えたナビゲーション装置、ナビゲーション方法、およびナビゲーション装置に動作制御させるためのナビゲーションプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、通信機能付き携帯端末の普及に伴い、携帯端末を用いて目的地までの経路誘導を行う装置が複数提案されている。
【0003】
このような装置では、ユーザは、目的地とする場所の住所をナビゲーション装置に入力する必要がある。また、住所が分からない場合には、目的地とする施設などの名称や電話番号を入力することにより、ナビゲーション装置に目的地の住所を検索させる必要がある。
【0004】
また、ユーザの目的地の住所や施設名などが不明瞭な場合に、ランドマーク(目印)と地域情報とを用いて、ユーザに対して目的候補地を提供する装置も開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−198660号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一方、近年では、携帯端末によりテレビジョン放送を視聴したり、インターネットに接続して種々の情報を取得したりすることが一般的なものとなっている。そのため、これらを情報源として旅行などの目的地を決定するユーザが増加しているものと考えられる。
【0007】
しかしながら、従来の装置では、ユーザが目的地の設定をする場合、専用のアプリケーションを立ち上げて目的地を特定するための情報を入力する操作が必要となるため、ユーザに対して煩わしさを感じさせてしまう場合があるという問題があった。また、携帯端末がナビゲーション用の地図を表示している場合であれば、地図上の目的地に対応する位置を選択することで簡単に目的地を設定することができる装置も知られているが、この場合には、目的地の選択を行う場合にユーザが表示画面から得られる情報が略地図情報に限られてしまうという問題があった。
【0008】
本発明は、上述した問題を解決すべく、目的地に関する情報の取得から目的地の設定までの操作を簡易なものとすることができるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明のナビゲーション装置は、表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置であって、施設等の住所を含む各分類それぞれが対応付けされた施設情報を記憶する施設情報記憶手段と、前記表示画面に各種情報を表示する情報表示手段と、前記各種情報が表示されている前記表示画面のタッチ操作を受け付けるタッチ操作受付手段と、該タッチ操作受付手段によってタッチ操作による範囲指定操作が受け付けられたことに応じて、当該範囲指定操作によって指定された範囲に表示されている表示情報を文字認識することによって文字列を特定する文字列特定手段と、前記文字列特定手段によって特定された文字列を解析して当該文字列の分類を判定する分類判定手段と、該分類判定手段によって文字列の分類に住所が含まれると判定されたことに応じて、前記施設情報を参照して、当該文字列が示す住所に基づき目的地とする住所である目的地住所を決定する目的地住所決定手段と、該目的地住所決定手段によって決定された目的地住所を目的地として経路探索を行う経路探索手段と、該経路探索手段によって探索された経路を推奨移動経路として前記表示画面における地図上に表示する推奨移動経路表示手段とを含むことを特徴とする。
【0010】
上記の構成としたことで、目的地に関する情報の取得から目的地の設定までの操作を簡易なものとすることができるようになる。
【0011】
前記施設等の分類には、当該施設等の電話番号を含み、前記目的地住所決定手段は、前記分類判定手段によって文字列の分類に電話番号が含まれると判定されたことに応じて、前記施設情報を参照して、当該文字列が示す電話番号に対応付けされた施設等の住所を目的地住所に決定する構成とされていてもよい。
【0012】
前記施設等の分類には、当該施設等の名称を示す施設名称を含み、前記目的地住所決定手段は、前記分類判定手段によって文字列の分類に施設名称が含まれると判定されたことに応じて、前記施設情報を参照して、当該文字列が示す施設名称に対応付けされた施設等の住所を目的地住所に決定する構成とされていてもよい。
【0013】
前記タッチ操作受付手段によってタッチ操作による動画停止操作が受け付けられたことに応じて、表示画面に表示されている動画を停止して静止画像を表示する静止画像表示手段を含み、前記文字列特定手段は、前記表示画面に静止画像が表示されているときに、前記タッチ操作受付手段によってタッチ操作による静止画像内の範囲指定操作が受け付けられたことに応じて、当該範囲指定操作によって指定された範囲に表示されている表示情報を文字認識することによって文字列を特定する構成とされていてもよい。
【0014】
また、本発明のナビゲーション方法は、表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するナビゲーション方法であって、前記表示画面に各種情報を表示する情報表示処理と、前記各種情報が表示されている前記表示画面のタッチ操作を受け付けるタッチ操作受付処理と、該タッチ操作受付処理にてタッチ操作による範囲指定操作が受け付けられたことに応じて、当該範囲指定操作によって指定された範囲に表示されている表示情報を文字認識することによって文字列を特定する文字列特定処理と、前記文字列特定処理にて特定した文字列を解析して当該文字列の分類を判定する分類判定処理と、該分類判定処理にて文字列の分類に住所が含まれると判定したことに応じて、施設等の住所を含む各分類それぞれが対応付けされた施設情報を記憶する施設情報記憶手段に記憶された当該施設情報を参照して、当該文字列が示す住所に基づき目的地とする住所である目的地住所を決定する目的地住所決定処理と、該目的地住所決定処理にて決定した目的地住所を目的地として経路探索を行う経路探索処理と、該経路探索処理にて探索した経路を推奨移動経路として前記表示画面における地図上に表示する推奨移動経路表示処理とを含むことを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明のナビゲーションプログラムは、表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導させるためのナビゲーションプログラムであって、コンピュータに、前記表示画面に各種情報を表示する情報表示処理と、前記各種情報が表示されている前記表示画面のタッチ操作を受け付けるタッチ操作受付処理と、該タッチ操作受付処理にてタッチ操作による範囲指定操作が受け付けられたことに応じて、当該範囲指定操作によって指定された範囲に表示されている表示情報を文字認識することによって文字列を特定する文字列特定処理と、前記文字列特定処理にて特定した文字列を解析して当該文字列の分類を判定する分類判定処理と、該分類判定処理にて文字列の分類に住所が含まれると判定したことに応じて、施設等の住所を含む各分類それぞれが対応付けされた施設情報を記憶する施設情報記憶手段に記憶された当該施設情報を参照して、当該文字列が示す住所に基づき目的地とする住所である目的地住所を決定する目的地住所決定処理と、該目的地住所決定処理にて決定した目的地住所を目的地として経路探索を行う経路探索処理と、該経路探索処理にて探索した経路を推奨移動経路として前記表示画面における地図上に表示する推奨移動経路表示処理とを実行させるためのものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、目的地に関する情報の取得から目的地の設定までの操作を簡易なものとすることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明に係るナビゲーションシステの構成の例を示す概略図である。
【図2】本発明に係るナビゲーション装置の構成の例を示すブロック図である。
【図3】POI情報の格納状態の例を示す説明図である。
【図4】ナビゲーション処理の例を示すフローチャートである。
【図5】動画画面の例を示す説明図である。
【図6】動画画面の例を示す説明図である。
【図7】範囲指定操作の例について説明するための説明図である。
【図8】ナビゲーション画面の例を示す説明図である。
【図9】動画画面の他の例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の一実施の形態について図面を参照して説明する。
【0019】
図1は、本発明の一実施の形態に係るナビゲーション装置10を用いたナビゲーションシステム100の構成例を示すブロック図である。図1に示すように、ナビゲーションシステム100は、ナビゲーション装置10と、基地局20と、コンテンツ配信サーバ30とを含む。基地局20、及びコンテンツ配信サーバ30は、それぞれ、例えばインターネットやケーブルテレビなどの通信ネットワーク50により接続されている。ナビゲーション端末10は、基地局20を介して通信ネットワーク50に接続することでコンテンツ配信サーバ30との通信を行う。
【0020】
ナビゲーション装置10は、例えば、モバイルタイプのパーソナルコンピュータ、PND(Portable Navigation Device)や専用デバイスなどの情報処理装置によって構成される。ナビゲーション装置10は、CPU(Central Processing Unit、中央処理装置)、DSP(Digital Signal Processor)、プログラム記憶部、OS(オペレーティング・システム)、等を有する。CPUは、プログラム記憶部に記憶されたコンピュータプログラムに従い、ナビゲーション装置10の各構成要素を統制制御し、経路探索処理や経路誘導処理、ナビゲーション処理を含む各種の処理を実行する機能を有する。DSPは、CPUとは別に音声処理や画像処理などの処理を実行する機能を有する。プログラム記憶部は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)等で構成され、ナビゲーション装置10が使用する各種コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体である。なお、これらの各種の機能は、一般のナビゲーション装置が備える公知の技術によって実現される。
【0021】
図2は、本例におけるナビゲーション装置10の構成例を示すブロック図である。図2に示すように、ナビゲーション装置10は、制御部Cと、経路探索部11と、位置測位部12と、入力部13と、出力部14と、画像処理部(キャプチャ処理部)15と、文字認識部16と、検索部17と、通信処理部18と、記憶部Fとを含む。なお、ナビゲーション装置10を構成する各部は、制御信号やデータ等を伝送するバスBに接続されている。
【0022】
制御部Cは、CPU、ROM、RAMなどを具備し、記憶部Fに記憶されたコンピュータプログラム(ナビゲーションプログラム)に従い、ナビゲーション装置10の各構成要素を統制制御し、各種処理を実行するための機能を有する。
【0023】
経路探索部11は、出発位置(例えば、現在位置)から目的地までの推奨移動経路を導出する経路探索処理を行う。経路探索処理では、例えば、ユーザからの目的地情報(例えば、目的地とする施設の住所)の入力を受け付けて、受け付けた目的地情報に基づいて目的地の位置情報を特定し、現在位置から目的地までの推奨移動経路を導出するとともに、導出した推奨移動経路を含む道路地図からなる移動経路周辺地図を生成する処理を行う。なお、経路探索処理については公知の技術を用いるので、ここでの詳細な説明は省略する。また、ユーザの移動方法(徒歩や車両、電車など)に応じた推奨移動経路を導出する構成としてもよい。
【0024】
位置測位部12は、移動体(この「移動体」は、ナビゲーション装置10自体や、このナビゲーション装置10とともに移動する車両や人間などの物体を含む概念である。以下、移動体として、ナビゲーション装置10を所持するユーザを例に説明する。)の現在位置を測定する装置であり、GPS衛星から送られてくるGPS信号を受信し、受信したGPS信号に基づいて位置を測定するGPSセンサや、ユーザの移動速度を計測する速度センサや加速度センサ、進行(移動)方位を計測するジャイロセンサなどからなる。
【0025】
GPSセンサは、いわゆるGPS受信機と称されるものであり、GPS衛星から放射されるGPS信号を受信してGPS衛星とGPS受信機自身との距離(疑似距離)を測定し、複数の衛星からのGPS信号を同時に受信することによりGPS受信機自身の現在位置(GPS測位解)を算出する。
【0026】
また、位置測位部12は、GPS信号を受信するGPS受信機(アンテナ)の他、受信したGPS信号のデコードなどの処理を行う信号処理部を備える。
【0027】
入力部13は、ナビゲーション装置10に対する各種の指示を受け付けるための機能を備える。本例において、入力部13は、例えばナビゲー装置10に備えられた押下ボタン(図示せず)や、画像表示部14aの表示画面に表示される操作ボタン(タッチパネル)などによって構成される。タッチパネルは、ユーザによる、所定のタッチ操作(例えば、指やタッチペンなどを用いてタッチパネルに触れて所定の時間内に離す操作や、タッチパネルに触れた状態で接触位置を変化させる操作など)を受け付ける。
【0028】
出力部14は、ナビゲーション装置10を構成する各部から受け付けた種々の情報に応じて出力情報を生成し、画像を表示する画像表示部(ディスプレイ装置、モニタ)14aと、音声を出力する音声出力部(スピーカ装置)14bに出力情報を送信する。
【0029】
画像表示部14aは、例えば地図情報とユーザの現在位置情報とを表示画面上に表示するとともに、目的地までの最適な誘導経路を表示画面上に併せて表示することで、視覚によって移動経路の道順を報知する。また、画像表示部14aは、経路誘導のために用いる画像入力(ナビゲーション画面に対する画像情報の入力)と、コンテンツ画像の入力(動画を表示する動画画面などのコンテンツ画面に対する、コンテンツ配信サーバ30から取得したコンテンツ情報の入力)とを切替える機能を有している。
【0030】
また、音声出力部14bは、案内音声情報を音声出力することで、聴覚によって移動経路の道順を報知する。また、音声出力部14bは、POI(Point Of Interest)情報や広告情報などが案内音声情報を含む場合に、それらを音声出力することでPOI情報が示す案内対象物に関する情報や広告情報を報知する。
【0031】
画像処理部(キャプチャ処理部)15は、画像表示部14aの表示画面に表示された画面を静止画像として読取画像情報記憶部F3に保存する機能(キャプチャ処理機能)を有する。本例においては、画像処理部15は、動画情報に応じて画像表示部14aの表示画面で動画が再生されている場合、ユーザの操作に応じて動画の再生を一時停止して、静止した状態の画像(静止画)を示す画像情報を取得し、読取画像情報記憶部F3に保存する機能を有する。なお、画像処理部15は、必ずしも画像情報を保存する必要はなく、画像情報を取得した後一時的に記憶し、取得した画像情報を文字列認識部16に送信する構成としてもよい。なお、画像処理部15の画像処理対象として、動画が表示される動画画面などのコンテンツ画面だけでなく、地図や施設情報、施設画像、住所情報、電話帳情報などを表示するナビゲーション画面を含む構成としてもよい。
【0032】
文字列認識部16は、読取画像情報記憶部F3に保存された画像情報が示す画像に含まれる文字列を抽出する機能を有する。なお、文字列の認識には光学式文字認識技術(OCR:Optical Character Reader)を用いた公知の技術により行うものとする。また、画像情報に対する文字領域の指定などに関しては、後述するナビゲーション処理の説明にて併せて説明する。
【0033】
検索部17は、制御部Cが実行する各種処理に応じて、記憶部Fに格納された種々の情報を検索する機能を有する。また、検索部17は、記憶部Fに記憶された判定条件に基づいて、文字列認識部16が認識した文字列を所定の項目に分類し、文字列とその分類とを用いて、認識した文字列に応じた住所を検索する機能を有する。検索部17による住所の検索については、後述するナビゲーション処理の説明にて併せて説明する(図4参照)。
【0034】
通信処理部18は、通信ネットワーク50に無線あるいは有線によって接続し、通信ネットワーク50に接続されたコンテンツ配信サーバ30などの外部の装置と情報の送受信を行うための機能を有する。本例においては、通信処理部18は、無線通信によって基地局20に接続し、通信ネットワーク50を経由してコンテンツ配信サーバ30に接続して所定の情報(例えば、ナビゲーション装置10を一意に特定可能な識別情報など)を送信し、動画情報を受信するための機能を有する。
【0035】
記憶部Fは、ROMやRAM等で構成され、ナビゲーション装置10が使用する各種コンピュータプログラムを記憶する記憶媒体である。本例における記憶部Fは、誘導経路情報記憶部F1と、地図情報記憶部F2と、読取画像情報記憶部F3と、登録文字列情報記憶部F4と、POI情報記憶部F5とを含む。
【0036】
誘導経路情報記憶部F1は、経路探索部11が導出した誘導経路を示す誘導経路情報を記憶する記憶媒体である。
【0037】
地図情報記憶部F2は、一定の経度幅と緯度幅で区切られた矩形状の範囲(メッシュ)に分割して地図情報を記憶する記憶媒体である。また、地図情報記憶部F2は、道路情報として、道路をノードとリンクで表して管理し、各道路に関して道路構成ノード情報と道路構成リンク情報とを位置情報と対応付けて記憶する。なお、地図情報は、地図情報記憶部F2に記憶されるほか、例えばSDメモリカードと呼ばれるリムーバルメディアとしての補助記憶装置や、CD−ROMやDVD−ROM等に保存することができる。また、通信ネットワーク50を介して地図情報をダウンロードする構成としてもよい。
【0038】
読取画像情報記憶部F3は、画像処理部15が取得した画像情報を記憶する記憶媒体である。
【0039】
登録文字列情報記憶部F4は、文字列認識を行う場合に用いられる情報である登録文字列情報を記憶する記憶媒体である。本例において、登録文字列情報は、文字や文字列の特徴を示す特徴情報と文字や文字列とが対応付けされた情報である。文字列認識部16は、認識対象となる画像情報から取得した情報と登録文字列情報とを照合して文字や文字列を特定する。
【0040】
POI情報記憶部F5は、ガソリンスタンドやコンビニエンスストア、ラーメン店、ホテル、旅館といった店舗情報、有名な施設を示す施設情報、行楽地を示す行楽地情報といった案内対象物(店舗、施設、行楽地など)を示すPOI情報を、住所と対応付けて記憶する記憶媒体である。
【0041】
図3は、POI情報記憶部F3におけるPOI情報の格納状態の例を示す説明図である。図3に示すように、本例におけるPOI情報は、施設などの案内対象物を一意に特定するためのPOI−IDと、電話番号と、住所と、施設名称とが対応付けされた情報である。なお、本例において、電話番号、住所、及び施設名称は、文字列の分類に対応する。
【0042】
コンテンツ配信サーバ30は、例えばナビゲーションシステム100のシステム管理者によって管理されるサーバであり、例えばWWWサーバなどの情報処理装置によって構成される。本例において、コンテンツ配信サーバ30は、動画情報を管理する動画情報DB(データベース)41を含む各種コンテンツDBを備え、ナビゲーション装置10からのコンテンツ配信要求に応じて、動画情報を含む各種コンテンツ情報を検索し、コンテンツ配信要求に応じたコンテンツ情報をナビゲーション装置10に提供する機能を有する。ここで、各種コンテンツ情報の他の例としては、例えば、ナビゲーション装置10が備える記憶媒体に記憶された電子ガイドブックなどが考えられる。電子ガイドブックは書籍を電子化したものであり、例えばインターネット上のホームページのように電話番号や住所にリンクが貼られているケースが少ないため、タッチ操作による施設名の領域指定により電子ガイドブックに示された施設などを目的地とすることができるようになる。なお、ナビゲーション装置10に対して情報を提供する方法としては、通信ネットワーク50および基地局20を介した通信の他、ナビゲーション装置10に装着可能なメモリカードやUSBメモリなどの携帯型メモリに情報を記憶させる方法などが考えられる。
【0043】
動画情報DB41は、映画やCMなどの動画情報や、それに関連する音声情報を記憶する記憶媒体である。なお、動画情報には、文字列により、住所や電話番号、施設名称など、特定の施設の住所を特定可能な施設特定情報が表示される動画情報を含むものとする。他のコンテンツ情報(例えば、静止画情報など)についても、同様に施設特定情報が表示されるコンテンツ情報を含むものとする。
【0044】
次に、本発明の一実施の形態に係るナビゲーション装置10の動作について図面を参照して説明する。なお、本発明に特にかかわらない処理については、その詳細な説明を省略している場合がある。
【0045】
図4は、ナビゲーション装置10が実行するナビゲーション処理の例を示すフローチャートである。ナビゲーション処理では、ナビゲーション装置10が、表示画面に表示された画像から検索文字列を抽出し、抽出した文字列に応じた目的地を特定して、現在位置から目的地までの推奨移動経路を表示ための処理が行われる。
【0046】
なお、本例においては、画像表示部14aの表示画面には、ナビゲーション装置10がコンテンツ配信サーバ30から取得した動画情報に基づく動画が動画画面に表示されている場合を例にして説明を行なう。
【0047】
図5は、ナビゲーション装置10に設けられた画像表示装置14aの表示画面101に表示された動画画面の例を示す説明図である。図5に示すように、動画画面には、動画再生領域(本例においては、表示画面101の全体が動画再生領域であるものとする)が設けられる。
【0048】
ナビゲーション処理において、制御部Cは、ユーザによる一時停止操作を受け付ける(ステップS101)。なお、本例においては、一時停止操作として、「画像表示部14aの表示画面101の押下」受け付けるものとする。ここで、一時停止操作を受け付けない場合には(ステップS101のN)、制御部Cは、動画の再生を継続する。
【0049】
一方、図6に示すように、例えばユーザの指200により表示画面101が押下されたことを受け付けると(ステップS101のY)、制御部Cは、動画を一時停止状態にする(ステップS102)。なお、このとき制御部Cは、入力部13により押下位置Aを算出する。
【0050】
動画を一時停止状態にすると、制御部Cは、ユーザによる範囲指定操作を受け付ける(ステップS103)。本例においては、範囲指定操作として、「一時指定操作による表示画面101の押下状態を維持したまま押下位置を移動させた後に、押下状態を終了させる操作」を受け付けるものとする。
【0051】
図7は、範囲指定操作の例について説明するための説明図である。図7に示すように、指200を、表示画面101に触れた状態で横方向に移動した後に表示画面101から離すと、制御部Cは、入力部13により、押下状態が終了した位置(押下終了位置B)を算出する。押下位置Aと押下終了位置Bを算出すると、制御部Cは、画像処理部15により、押下位置Aと押下終了位置Bを結ぶ所定幅の直線領域を、ユーザによる指定範囲(文字列認識範囲AB)に決定して、文字列認識範囲AB内に表示された画像を示す画像情報を読取画像情報記憶部F3に保存する(すなわち、文字列認識範囲ABに表示された画像をキャプチャする)(ステップS104)。
【0052】
なお、文字列認識範囲の決定方法はこれに限定されず、動画画面に含まれる領域を特定できる方法であればどのようなものであってもよい。ただし、ユーザが直感的に操作できるように、タッチパネルを用いたタッチ操作によることが好ましい。具体的には、ユーザが、画面上の文字列を指でなぞる操作や、丸や四角で囲むように領域を指定する操作によって文字列認識範囲を決定できるようにすることが好ましい。また、1つの動画画面に対する文字列認識範囲を複数選択可能な構成としてもよい。
【0053】
また、範囲指定操作が、一時停止操作と独立して受け付けられる構成としてもよい。すなわち、例えば制御部Cは、画像表示部14aの表示画面が押下された後、押下位置が移動せずに押下状態が解除された場合には一時停止操作(既に一時停止状態にある場合には、再生操作)を受け付けたものと判定し、押下位置が移動した後に押下状態が解除された場合には範囲指定操作を受け付けたものと判定する構成としてもよい。この場合、制御部Cは、範囲指定操作により文字列認識範囲が特定されたときに文字列認識範囲内に表示されている画像を、静止画として読取画像情報記憶部F3に記憶する構成とすればよい。
【0054】
文字列認識範囲を決定すると、制御部Cは、文字列認識部16により文字列認識を実行して文字列認識範囲AB内の文字列を認識し、認識した文字列を検索文字列に決定する(ステップS105)。なお、このとき検索文字列が複数認識されてもよい。すなわち、文字列認識部16は、例えば形態素解析やキーワード(例えば、「住所」や「電話番号」など)を利用することにより、文字列認識した文字列を複数の文字列に分割する機能を有する。よって、例えば図7に示すように、文字列認識範囲AB内に住所と電話番号を示す文字列が表示されている場合、文字列認識部16は、住所を示す「○○県○○市×××」と、電話番号を示す「xxx‐△△△‐□□□□」とを、検索文字列に含まれる異なる文字列として認識する。
【0055】
検索文字列を決定すると、制御部Cは、動画の一時停止状態を解除する(ステップS106)。
【0056】
動画の一時停止状態を解除すると、制御部Cは、検索部17により、検索文字列を解析して検索文字列の分類を判定する(ステップS107)。本例においては、検索部17は、記憶部Fに予め記憶された判定条件に基づいて、検索文字列に含まれる文字列を、「住所」、「電話番号」、「施設名称」、に分類する。なお、このときの分類は確定的なものではなく、暫定的なものでよい。
【0057】
すなわち、検索部17は、検索文字列が、「都」や「県」など、住所を示す可能性が高いと推測できる文字列(住所判定文字列)を含んでいるか否かを確認し、住所判定文字列を含んでいる場合には、検索文字列の分類に「住所」が含まれると判定する。また、検索部17は、検索文字列が、「連続する数字」や、「‐」や「、」など、電話番号を示す可能性が高いと推測できる文字列(電話番号判定文字列)を含んでいるか否かを確認し、電話番号判定文字列を含んでいる場合には、検索文字列の分類に「電話番号」が含まれると判定する。また、検索文字列のうち、「住所」と「電話番号」に分類されない文字列が含まれている場合には、検索部17は、検索文字列の分類に「施設名称」が含まれると判定する。なお、例えば、記憶部Fに記憶される判定条件は、特定の文字や文字列(すなわち、住所判定文字列、電話番号判定文字列など)を含んでいることに限定されず、本例においては、「10桁以内の数字を含まない場合には「電話番号」とは判定しない」という判定除外条件も設定されていることとする。
【0058】
よって、図7に示した場合においては、検索部17は、検索文字列「住所:○○県○○市×××(改行)電話番号:×××‐△△△‐□□□□」において、「県」と「市」が含まれることから文字列「○○県○○市×××」を「住所」に分類する。また、「連続する数字」であり、「‐」を含み、かつ「10桁以内の数字を含む」ことから文字列「×××‐△△△‐□□□□」を「電話番号」に分類する。その結果、検索部17は、検索文字列の分類に「住所」と「電話番号」が含まれると判定する。なお、検索文字列に含まれる「住所」や「:」、「電話番号」など、施設の所在地を示すのに一般的に用いられる頻度が高いと考えられる文字や文字列は、予め分類判定に利用する文字または文字列として登録文字列情報記憶部F4に記憶されており、検索部17により「名称」には分類されないものとする。
【0059】
検索文字列の分類判定を行うと、制御部Cは、検索文字列の分類に「住所」が含まれているか否かを判定する(ステップS108)。ここで、検索文字列の分類に「住所」が含まれていないと判定すると(ステップS108のN)、制御部Cは、ステップS110に遷移する。
【0060】
一方、検索文字列の分類に「住所」が含まれていると判定すると(ステップS108のY)、制御部Cは、検索部17により、「住所」に分類された文字列(住所分類文字列)に対応するPOI情報をPOI情報記憶部F5に記憶されたPOI情報から検索し(ステップS109)、POI情報が検索された場合には検索結果を記憶部Fに記憶する。
【0061】
なお、住所検索の方法はこれに限定されず、例えば、制御部Cは、検索対象とするPOI情報内に住所文字列と完全に一致する住所があるか否かを確認し、完全に一致する住所がない場合、住所文字列を都道府県、群、市、町、町名、番地、に分類し、住所文字列が「番地を除いた住所」であるか否かを判定する構成としてもよい。この場合、制御部Cは、住所文字列が「番地を除いた住所」であると判定したとき、住所文字列によりPOI情報の検索対象を絞り込んで後述する施設名称検索を行い、「番地を除いた住所」ではないと判定したときは、他の候補を処理する(すなわち、電話番号検索と施設名称検索のみにより住所を特定する)構成としてもよい。
【0062】
住所の検索を実行すると、制御部Cは、検索文字列の分類に「電話番号」が含まれているか否かを判定する(ステップS110)。ここで、検索文字列の分類に「電話番号」が含まれていないと判定すると(ステップS110のN)、制御部Cは、ステップS112に遷移する。
【0063】
一方、検索文字列の分類に「電話番号」が含まれていると判定すると(ステップS110のY)、制御部Cは、検索部17により、「電話番号」に分類された文字列(電話番号文字列)に対応するPOI情報をPOI情報記憶部F5に記憶されたPOI情報から検索し(ステップS111)、POI情報が検索された場合には検索結果を記憶部Fに記憶する。
【0064】
なお、電話番号検索の方法はこれに限定されず、例えば、制御部Cは、検索対象とするPOI情報内に、電話番号文字列と完全に一致する電話番号があるか否かを確認し、完全に一致する電話番号がない場合、電話番号文字列を市外局番、市内局番、加入者番号、に分類し、電話番号文字列が「市外局番や市内局番」であるか否かを判定する構成としてもよい。この場合、制御部Cは、電話番号文字列が「市外局番や市内局番」であると判定したとき、電話番号文字列によりPOI情報の検索対象を絞り込んで後述する施設名称検索を行い、「市外局番や市内局番」ではないと判定したときは、他の候補を処理する(すなわち、住所検索と施設名称検索のみにより住所を特定する)構成としてもよい。
【0065】
電話番号の検索を実行すると、制御部Cは、検索文字列の分類に「施設名称」が含まれているか否かを判定する(ステップS112)。ここで、検索文字列の分類に「施設名称」が含まれていないと判定すると(ステップS112のN)、制御部Cは、ステップS114に遷移する。
【0066】
一方、検索文字列の分類に「施設名称」が含まれていると判定すると(ステップS112のY)、制御部Cは、検索部17により、「施設名称」に分類された文字列に対応するPOI情報をPOI情報記憶部F5に記憶されたPOI情報から検索し(ステップS113)、POI情報が検索された場合には検索結果を記憶部Fに記憶する。なお、このとき複数のPOI情報が検索された場合には、制御部Cは、住所検索と電話番号検索の検索結果に含まれるPOI情報を、施設名称検索の検索結果として記憶する。なお、検索対象を各検索結果に限定していく構成としてもよい。
【0067】
検索文字列の分類に応じたPOI情報の検索処理(ステップS108〜ステップS113)を実行すると、制御部Cは、検索結果に含まれるPOI情報から住所を特定し、目的地とする住所(目的地住所)を決定する(ステップS114)。なお、検索結果に複数のPOI情報が含まれる場合には、予め記憶部Fに記憶された設定条件により1の住所を目的地住所に決定する構成としてもよいし、各住所をそれぞれ目的地住所として決定する構成としてもよい。また、本例においては、POI情報の検索として、住所検索と、電話番号検索と、施設名称検索とを用いる場合について説明したが、これらの検索順序は順不同であり、順序の変更や検索要素の追加や省略が可能である。
【0068】
目的地住所を決定すると、制御部Cは、経路探索部11により、決定した目的地住所を経路誘導の目的地に設定して、経路探索処理により推奨移動経路を導出する(ステップS115)。なお、目的地住所が、市町村など広い範囲を示している場合には、例えば、市であれば市役所の所在地などを目的地の座標にするといったように、予め記憶部Fに記憶された規則に応じて目的地とする座標を特定したり、広域地図を表示したりするものとする。
【0069】
推奨移動経路を導出すると、制御部Cは、経路探索部11により生成された移動経路周辺地図を含むナビゲーション画面を表示画面101に表示して(ステップS116)、ここでの処理を終了する。
【0070】
図8は、ナビゲーション画面の例を示す説明図である。図8に示すように、ナビゲーション画面は、移動経路周辺地図として、ユーザの現在位置Uと目的地Pと推奨移動経路とを示す移動経路周辺地図表示領域301と、現在位置Uから目的地Pへ移動する場合の移動距離や到着予想時間など経路誘導に関連する情報を表示する関連情報表示領域302と、目的地に関連する動画や静止画(目的地関連画像)を表示する目的地関連画像表示領域303とを含む。なお、ナビゲーション画面の構成はこれに限定されず、例えばユーザの操作に応じて表示が画面101の全体に移動経路周辺地図を表示する構成としてもよい。
【0071】
以上に説明したように、上述した一実施の形態では、表示装置(例えば、画像表示部14a)の表示画面における地図上に移動体(例えば、ナビゲーション装置10のユーザ)の現在位置を表示して移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置10が、施設等の住所を含む各分類(例えば、住所、電話番号、施設名称)それぞれが対応付けされた施設情報を記憶する施設情報記憶部(例えば、POI情報記憶部F5)を備え、表示画面に各種情報(例えば、動画情報を含む各種コンテンツ情報に基づいて表示画面に表示される住所や電話番号、施設名称など)を表示し、各種情報が表示されている表示画面のタッチ操作(例えば、一時停止操作や範囲指定操作)を受け付け、タッチ操作による範囲指定操作が受け付けられたことに応じて、範囲指定操作によって指定された範囲(例えば、文字列認識範囲AB)に表示されている表示情報を文字認識することによって文字列(例えば、検索文字列)を特定し、特定された文字列を解析して文字列の分類(例えば、検索文字列に含まれる文字列の分類)を判定し、文字列の分類に住所が含まれると判定されたことに応じて、施設情報(例えば、POI情報記憶部F5に記憶されたPOI情報)を参照して、文字列(例えば、住所文字列)が示す住所に基づき目的地とする住所である目的地住所を決定し、決定された目的地住所を目的地として経路探索を行い、探索された経路を推奨移動経路として表示画面における地図上(例えば、移動経路周辺地図)に表示する構成としているので、目的地に関する情報の取得から目的地の設定までの操作を簡易なものとすることができるようになる。
【0072】
すなわち、例えば、施設の紹介番組などで表示画面上に施設の住所や電話番号、施設名称など、施設の住所を特定可能な施設特定情報が表示されたときに、表示画面上において施設特定情報が表示されている範囲を指定するだけで、現在位置から施設までの推奨移動経路を取得することができるようになる。
【0073】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、施設等の分類に施設等の電話番号を含み、文字列の分類(例えば、検索文字列に含まれる文字列の分類)に電話番号が含まれると判定されたことに応じて、施設情報(例えば、POI情報)を参照して、文字列(例えば、電話番号文字列)が示す電話番号に対応付けされた施設等の住所を目的地住所に決定する構成としているので、詳細な住所が表示されなかった場合でも、電話番号から目的地を設定することができるようになる。
【0074】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、施設等の分類に施設等の名称を示す施設名称を含み、文字列の分類(例えば、検索文字列に含まれる文字列の分類)に施設名称が含まれると判定されたことに応じて、施設情報(例えば、POI情報)を参照して、文字列(例えば、施設名称文字列)が示す施設名称に対応付けされた施設等の住所を目的地住所に決定する構成としているので、施設名称しか表示されなかった場合でも、目的地を設定することができるようになる。
【0075】
また、上述した実施の形態では、ナビゲーション装置10が、タッチ操作による動画停止操作(例えば、一時停止操作)が受け付けられたことに応じて、表示画面に表示されている動画を停止して静止画像を表示し、表示画面に静止画像が表示されているときに、タッチ操作による静止画像内の範囲指定操作が受け付けられたことに応じて、範囲指定操作によって指定された範囲に表示されている表示情報を文字認識することによって文字列を特定する構成としているので、範囲指定操作の途中で文字列の表示が変更などされてしまうことを防止できる。また、指定範囲の大きさを調節することで、文字列認識に要する処理負荷を軽減することができるようになる。
【0076】
なお、上述した実施の形態では、範囲指定操作により文字列認識範囲が決定されたことに応じて、制御部Cが、ナビゲーション装置10の記憶部Fに格納されたアプリケーションソフト(施設検索や住所検索や電話番号検索、及び経路探索機能を有するアプリケーション)と連動して目的地の設定に必要な情報を取得して、取得した情報を経路誘導用の目的地として設定可能な構成としているので、ユーザから一時指定操作と範囲指定操作とを受け付けるだけで、現在位置から目的地までの推奨移動経路を導出することができるようになる。これにより、ユーザにとっては、あらかじめ経路探索用のアプリケーションを起動させておく必要がなく、目的地の入力操作を行わないでも意図した目的地までの推奨移動経路を得ることができるようになるので、例えばコンテンツ配信サーバ30から偶然得た施設に関する情報であっても気軽に利用できるようになる。特に、ナビゲーション装置10が、一時指定操作と範囲指定操作とを一連の動作により受け付ける構成とすることにより、例えば動画の再生中ユーザの興味を引く施設の住所が表示されたときに、ユーザは1の動作で推奨移動経路を得ることができるので、推奨移動経路を得るまでに複数の動作を要する従来のナビゲーション装置に比べ、ユーザはより気軽に推奨移動経路を調べることができるようになる。
【0077】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置10は、目的地住所を決定したとき、目的地住所の表示要求をユーザから受け付けるための受付画面を表示し、表示要求を受け付けたことに応じて、目的地住所と、目的地に関連するPOI情報のうち所定の項目を表示画面に表示して、表示した目的地住所を目的地に設定する目的地設定要求をユーザから受け付ける構成としてもよい。この様な構成とすることにより、不要は経路探索処理を実行することを回避できるようになる。
【0078】
なお、上述した実施の形態では、動画を一時停止して、文字列認識範囲の決定と文字列認識を実行する場合を例に説明を行なったが、動画の一時停止の代わりに、動画画面全体を静止画として保存し、任意のタイミングでユーザからの文字列認識範囲の指定を受け付ける構成としてもよい。
【0079】
図9は、この場合に表示画面101に表示される動画画面の例を示す説明図である。図9に示すように、表示画面101にて動画の再生を継続し、併せて、保存した静止画を選択可能に表示する静止画表示領域401を設ける構成とすることにより、任意のタイミングで、ユーザが保存した静止画を拡大表示して、文字列認識範囲を指定することができるようになる。
【0080】
なお、上述した実施の形態では特に言及していないが、ナビゲーション装置10によるナビゲーション処理の対象となる画像情報は、通信ネットワークを介して取得する動画情報に限定されない。すなわち、画像処理部15が静止画として保存できるものであればよく、例えばテレビジョン放送局などから放送された放送データを受信して映像を再生する場合や、SDメモリカードなどの情報記憶媒体に記憶された動画情報を再生する場合も含むものとする。この場合、放送データに基づいて表示される映像(テレビ画像)にテロップ(字幕)がない場合であっても、文字が表示された場合(例えば、お店の看板などが表示された場合)に、文字が表示された範囲の指定を受け付けることにより、ナビゲーション装置10は、文字列認識を実行することができる。
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明は、目的地までの経路案内を実現するデバイスを扱う業種において産業上有用であり、情報通信が可能なナビゲーション装置等の電化製品市場においても有用である。
【符号の説明】
【0082】
B バス
C 制御部
F 記憶部
10 ナビゲーション装置
11 経路探索部
12 位置測位部
13 入力部
14 出力部
15 画像処理部
16 文字列認識部
17 検索部
18 通信処理部
20 基地局
30 管理サーバ
31 動画情報DB
50 通信ネットワーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するナビゲーション装置であって、
施設等の住所を含む各分類それぞれが対応付けされた施設情報を記憶する施設情報記憶手段と、
前記表示画面に各種情報を表示する情報表示手段と、
前記各種情報が表示されている前記表示画面のタッチ操作を受け付けるタッチ操作受付手段と、
該タッチ操作受付手段によってタッチ操作による範囲指定操作が受け付けられたことに応じて、当該範囲指定操作によって指定された範囲に表示されている表示情報を文字認識することによって文字列を特定する文字列特定手段と、
前記文字列特定手段によって特定された文字列を解析して当該文字列の分類を判定する分類判定手段と、
該分類判定手段によって文字列の分類に住所が含まれると判定されたことに応じて、前記施設情報を参照して、当該文字列が示す住所に基づき目的地とする住所である目的地住所を決定する目的地住所決定手段と、
該目的地住所決定手段によって決定された目的地住所を目的地として経路探索を行う経路探索手段と、
該経路探索手段によって探索された経路を推奨移動経路として前記表示画面における地図上に表示する推奨移動経路表示手段とを含む
ことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
前記施設等の分類には、当該施設等の電話番号を含み、
前記目的地住所決定手段は、前記分類判定手段によって文字列の分類に電話番号が含まれると判定されたことに応じて、前記施設情報を参照して、当該文字列が示す電話番号に対応付けされた施設等の住所を目的地住所に決定する
請求項1記載のナビゲーション装置。
【請求項3】
前記施設等の分類には、当該施設等の名称を示す施設名称を含み、
前記目的地住所決定手段は、前記分類判定手段によって文字列の分類に施設名称が含まれると判定されたことに応じて、前記施設情報を参照して、当該文字列が示す施設名称に対応付けされた施設等の住所を目的地住所に決定する
請求項1又は請求項2記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記タッチ操作受付手段によってタッチ操作による動画停止操作が受け付けられたことに応じて、表示画面に表示されている動画を停止して静止画像を表示する静止画像表示手段を含み、
前記文字列特定手段は、前記表示画面に静止画像が表示されているときに、前記タッチ操作受付手段によってタッチ操作による静止画像内の範囲指定操作が受け付けられたことに応じて、当該範囲指定操作によって指定された範囲に表示されている表示情報を文字認識することによって文字列を特定する
請求項1から請求項3のうちいずれかに記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導するナビゲーション方法であって、
前記表示画面に各種情報を表示する情報表示処理と、
前記各種情報が表示されている前記表示画面のタッチ操作を受け付けるタッチ操作受付処理と、
該タッチ操作受付処理にてタッチ操作による範囲指定操作が受け付けられたことに応じて、当該範囲指定操作によって指定された範囲に表示されている表示情報を文字認識することによって文字列を特定する文字列特定処理と、
前記文字列判定処理にて特定した文字列を解析して当該文字列の分類を判定する分類判定処理と、
該分類判定処理にて文字列の分類に住所が含まれると判定したことに応じて、施設等の住所を含む各分類それぞれが対応付けされた施設情報を記憶する施設情報記憶手段に記憶された当該施設情報を参照して、当該文字列が示す住所に基づき目的地とする住所である目的地住所を決定する目的地住所決定処理と、
該目的地住所決定処理にて決定した目的地住所を目的地として経路探索を行う経路探索処理と、
該経路探索処理にて探索した経路を推奨移動経路として前記表示画面における地図上に表示する推奨移動経路表示処理とを含む
ことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項6】
表示装置の表示画面における地図上に移動体の現在位置を表示して前記移動体を目的地まで誘導させるためのナビゲーションプログラムであって、
コンピュータに、
前記表示画面に各種情報を表示する情報表示処理と、
前記各種情報が表示されている前記表示画面のタッチ操作を受け付けるタッチ操作受付処理と、
該タッチ操作受付処理にてタッチ操作による範囲指定操作が受け付けられたことに応じて、当該範囲指定操作によって指定された範囲に表示されている表示情報を文字認識することによって文字列を特定する文字列特定処理と、
前記文字列判定処理にて特定した文字列を解析して当該文字列の分類を判定する分類判定処理と、
該分類判定処理にて文字列の分類に住所が含まれると判定したことに応じて、施設等の住所を含む各分類それぞれが対応付けされた施設情報を記憶する施設情報記憶手段に記憶された当該施設情報を参照して、当該文字列が示す住所に基づき目的地とする住所である目的地住所を決定する目的地住所決定処理と、
該目的地住所決定処理にて決定した目的地住所を目的地として経路探索を行う経路探索処理と、
該経路探索処理にて探索した経路を推奨移動経路として前記表示画面における地図上に表示する推奨移動経路表示処理とを
実行させるためのナビゲーションプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−179977(P2011−179977A)
【公開日】平成23年9月15日(2011.9.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−44617(P2010−44617)
【出願日】平成22年3月1日(2010.3.1)
【出願人】(507052430)キャンバスマップル株式会社 (77)
【Fターム(参考)】